JP2004146143A - 同軸ケーブルの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁コアを外部導体に円滑かつ速やかに挿通でき、同軸ケーブル製造を効率よく行うことができるようにする。
【解決手段】絶縁体2の中心に内部導体1を備えた絶縁コア3を筒状の外部導体4に挿通する工程と、挿通された絶縁コア3を外部導体4で締め付け保持する工程とを含む同軸ケーブルの製造方法において、絶縁コア3を外部導体4に挿通する工程で、外部導体4のコア挿入端側から外部導体内に気体を圧送流入させながら絶縁コアを挿入する。
【選択図】 図2
【解決手段】絶縁体2の中心に内部導体1を備えた絶縁コア3を筒状の外部導体4に挿通する工程と、挿通された絶縁コア3を外部導体4で締め付け保持する工程とを含む同軸ケーブルの製造方法において、絶縁コア3を外部導体4に挿通する工程で、外部導体4のコア挿入端側から外部導体内に気体を圧送流入させながら絶縁コアを挿入する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的小径の同軸ケーブルを製造する方法、および、この方法を実施する製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に代表的な同軸ケーブルが示されている。この同軸ケーブルは、次の構成を有している。すなわち、この同軸ケーブルは、絶縁体2の中心に内部導体1を備えてなる絶縁コア3が設けられている。絶縁コア3は筒状の外部導体4に挿通されている。外部導体4はシース5で被覆されている。
【0003】
同軸ケーブルは、銅線あるいは銅管からなる内部導体1に高発泡ポリエチレンなどの絶縁体2を被せて絶縁コア3を製造する工程と、この絶縁コア3の外周に銅管等からなる外部導体4を装着する工程と、その上にポリエチレンなどのシース5を被覆させる工程とを経て製造される。
【0004】
比較的大径の同軸ケーブルにおいては、外部導体4は、絶縁コア3の外周面に金属薄板(金属テープ等)からなる外部導体形成材を巻き付けることで形成される(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−85445号公報(第3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して、昨今、携帯電話の基地局内における高周波信号の伝送等を目的として、比較的小径の同軸ケーブルが必要とされつつある。このような比較的小径の同軸ケーブルにおいては、小径になればなるほど、外部導体4を上述した方法(金属薄板からなる外部導体形成材を絶縁コアに巻き付ける方法)で形成するのが困難となる。そこで、比較的小径の同軸ケーブルにおいては、外部導体4は次のようにして絶縁コア3に装着される。
【0007】
すなわち、筒状の外部導体4を用意したうえで、この外部導体4に絶縁コア3を挿通させる。そして、図6に示すように、外部導体4をシンキングダイ6に挿通して引き伸ばしをかけることで絶縁コア3を外部導体4で締め付け、これによって外部導体4を絶縁コア3に保持させる。
【0008】
なお、図7に示すようなコルゲート仕様の同軸ケーブルにおいては、上記と同様、筒状の外部導体4に絶縁コア3を挿通させた後、図8に示すように、コルゲートダイ7によって波付けしながら外部導体4で絶縁コア3を締め付け、これによって外部導体4を絶縁コア3に保持させる。
【0009】
上記製造方法における絶縁コア挿通工程は、外部導体4の一端から絶縁コア3を挿入することで実施される。また、絶縁コア挿通工程は、外部導体4に細線を挿通した後、この細線の後端に絶縁コア3の前端を連結し、細線を外部導体4の他端側から引き抜くことで細線に連結した絶縁コア3を外部導体4に挿通することで実施される。
【0010】
しかしながら、従来の製造方法では、絶縁コア3が外部導体4の内面に摺接しながら挿通移動するために、摩擦抵抗が発生し、その挿入長さが長くなるほど摩擦抵抗が大きくなって挿通が困難になり、挿通作業に多大な時間がかかるうえ、挿入長さが長くなり過ぎると挿通させることが不可能になっていた。さらには、外部導体4との接触による摩擦抵抗によって絶縁コア3に歪や変形が発生するおそれもあった。
【0011】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、絶縁コアを外部導体に円滑かつ速やかに挿通でき、同軸ケーブル製造を効率よく行うことができる製造方法および製造装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
【0013】
すなわち、本発明の同軸ケーブルの製造方法は、絶縁体の中心に内部導体が設けられた絶縁コアを準備したうえで、前記絶縁コアを筒状の外部導体に挿通する工程と、前記外部導体に挿通された前記絶縁コアを前記外部導体で締め付け保持する工程と、を含み、前記絶縁コアを前記外部導体に挿通する工程において、前記外部導体のコア挿入端側から外部導体内に気体を圧送流入させながら前記絶縁コアを挿入する、ことを特徴とする。
【0014】
この製造方法によると、外部導体内に送り込まれた気体が挿入された絶縁コアの周囲を流動することで絶縁コアが外部導体内面から浮遊しやすい状態となり、絶縁コアと外部導体内面との接触が少なくなる。
【0015】
また、外部導体内に送り込まれた気体が絶縁コアの挿入方向に流動するので、流動する気体の粘性摩擦によって絶縁コアに挿入方向への送り力が発生し、絶縁コアの挿入移動が助長される。
【0016】
本発明の同軸ケーブルの製造装置は、絶縁体の中心に内部導体が設けられた絶縁コアが筒状の外部導体に挿通されてなる同軸ケーブルを製造する装置であって、 気体圧送装置と、前記気体圧送装置に連通接続されたチャンバと、前記チャンバの一端に設けられて外部導体の一端開口を連通支持する外部導体支持部と、前記チャンバの他端に設けられた前記絶縁コアの挿入口と、を有し、前記挿入口から前記チャンバ内に挿入された前記絶縁コアを前記チャンバを介して前記外部導体に挿入する際に、前記気体圧送装置から前記チャンバに供給された気体を外部導体支持部から外部導体内に圧送流入させることを特徴とする。
【0017】
この構成によると、チャンバの一端に外部導体の一端を連通支持した状態で、チャンバの他端に形成した挿入口から絶縁コアを挿入することで、絶縁コアを外部導体の一端に挿入することができる。ここで、気体圧送装置からの気体をチャンバに送り込むことで、供給気体は外部導体の一端に流入して他端側から流出することになる。そのため、外部導体内に送り込まれた気体が挿入された絶縁コアの周囲を流動することで絶縁コアが外部導体内面から浮遊しやすい状態となる。これにより、絶縁コアと外部導体内面との接触が少なくなり、摩擦抵抗の少ない状態で絶縁コアを挿入することが可能となる。
【0018】
この場合、チャンバの容積をある程度大きく設定しておくと、チャンバが蓄圧室として機能し、安定した圧力で気体を外部導体内に送り込むことができる。
【0019】
なお、本発明の同軸ケーブルの製造装置においては、前記挿入口から挿入された絶縁コアを外部導体のコア挿入端に導く案内筒部を前記チャンバ内に設けるのが好ましい。
【0020】
そうすれば、チャンバの挿入口に絶縁コアを押し込むだけで、絶縁コアを外部導体に円滑に挿入することができる。さらには、挿入中のチャンバ内での絶縁コアの姿勢が安定し、外部導体に対して絶縁コアを円滑に、かつ、同心状に導くことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1に、絶縁コア挿通工程を実施する同軸ケーブル製造装置が示されている。まず、別工程で製造された絶縁コア3(従来例および図5参照)が駆動回転される一対の送りローラ11に挟持されて図中矢印の方向に送られる。その送り方向前方には横長筒状に形成されたチャンバ12が設置されている。絶縁コア3は、チャンバ12の前端に形成された挿入口13からチャンバ内に挿入され、チャンバ12の後端に外部導体支持部14を介して連通支持された外部導体4に挿入されてゆく。
【0023】
図2に示すように、前記挿入口13はチャンバ11の前壁に挿抜可能に連結された案内筒部15の端部に形成されている。案内筒部15はチャンバ12の後壁近くまで延出されている。この案内筒部15の内径は絶縁コア3の内径より若干大きく設定されている。
【0024】
外部導体支持部14は、図3に示すように、案内筒部15と同心に対向するよう配備されており、チャンバ12の後壁に脱着される受け部材16と、これにねじ込み外嵌装着されるクランプ部材17とから構成されている。外部導体支持部14は、外部導体4の端部を拡開変形させて形成したフランジ部4aが受け部材16とクランプ部材17とで挟持固定されるようになっている。
【0025】
チャンバ12には、コンプレッサなどの気体圧送装置18に連通接続されており、所定圧の加圧気体(例えば、空気や窒素)が気体圧送装置18から供給されるようになっている。
【0026】
上記構成によると、チャンバ12の後端に外部導体4の前端を連通支持した状態で、チャンバ12の前端に形成した挿入口13から絶縁コア3を挿入することで、絶縁コア3を外部導体4に挿入することができる。ここで、気体圧送装置18からの気体をチャンバ12に送り込まれることで、供給気体は外部導体4(両端開放)の前端から流入して後端側から流出する。そのため、外部導体4内に送り込まれた気体は絶縁コア3の周囲を流動する。これにより、絶縁コア3は外部導体内面から浮遊しやすい状態となり、絶縁コア3と外部導体4の内面との接触が少なくなって、摩擦抵抗の少ない状態で絶縁コア3を連続して挿通することが可能となる。
【0027】
また、外部導体4の内部に送り込まれた気体が絶縁コア3の挿入方向に流動するので、気体の粘性摩擦によって絶縁コア3に挿入方向への送り力が発生し、絶縁コア3の挿通が助長される。
【0028】
チャンバ12に送り込まれた加圧気体の極一部は案内筒部15内に流入して挿入口13側に流動するが、案内筒部15内での気体の流動によって絶縁コア3と案内筒部内面との摩擦抵抗が軽減される。
【0029】
また、絶縁コア3および外部導体4のサイズが異なったものを処理する場合には、これらのサイズに対応した案内筒部15と支持部14に取り替えればよい。
【0030】
なお、本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
(1)図4に示すように、案内筒部15の先端にゴム材などのシールリング19を装着して、チャンバ12内の気体が案内筒部15から流出するのを阻止し、チャンバ内の気体圧力の安定化を図ってもよい。そうすれば、外部導体4への気体送り込みを安定して行うことができる。この場合、案内筒部15の内面に滑動性に優れた樹脂ライニング20を付設して、絶縁コア3の摩擦抵抗を軽減するようにするとよい。
(2)絶縁コア3の送り手段は上記形態に限られることはなく、絶縁コア3の前端に連結した細線をチャンバ15および外部導体4に挿通して、この細線を外部導体4の後端側から適当な駆動手段で引き抜くことで、絶縁コア3を外部導体4に挿通することもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下に示すような効果が期待できる。すなわち、本発明の同軸ケーブル製造方法によれば、外部導体と絶縁コアの間に送り込んだ気体によって絶縁コアと外部導体との接触による摩擦抵抗を軽減することができるとともに、気体流によっても絶縁コアの挿通を助長することができる。これにより、長い条長を有する絶縁コアでも短時間で挿通処理することが可能となり、コア挿通工程での作業時間を短縮して作業効率の高い同軸ケーブル製造が可能となる。
【0032】
また、本発明の同軸ケーブル製造装置によれば、上記製造方向を好適に実施することができるとともに、チャンバを介した安定した気体送り込みによって絶縁コアの挿通処理を円滑かつ安定良く行うことができる。
【0033】
また、挿入口から挿入された前記絶縁コアを前記外部導体の支持部に導く案内筒部を前記チャンバ内に設けてある絶縁コアの外部導体への導入姿勢が安定し、一層円滑な挿通が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の同軸ケーブル製造装置の構成を示す側面図である。
【図2】一実施形態の同軸ケーブル製造装置の要部の構成を示す縦断側面図である。
【図3】一実施形態の同軸ケーブル製造装置の外部導体支持部の構成を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態の外部導体支持部の構成を示す拡大断面図である。
【図5】同軸ケーブルの構成を示す斜視図である。
【図6】従来の同軸ケーブルの製造工程を示す断面図である。
【図7】別仕様の同軸ケーブルの構成を示す斜視図である。
【図8】従来の同軸ケーブルの製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 内部導体
2 絶縁体
3 絶縁コア
4 外部導体
5 シース
12 チャンバ
13 挿入口
14 外部導体支持部
15 案内筒部
18 気体圧送装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的小径の同軸ケーブルを製造する方法、および、この方法を実施する製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に代表的な同軸ケーブルが示されている。この同軸ケーブルは、次の構成を有している。すなわち、この同軸ケーブルは、絶縁体2の中心に内部導体1を備えてなる絶縁コア3が設けられている。絶縁コア3は筒状の外部導体4に挿通されている。外部導体4はシース5で被覆されている。
【0003】
同軸ケーブルは、銅線あるいは銅管からなる内部導体1に高発泡ポリエチレンなどの絶縁体2を被せて絶縁コア3を製造する工程と、この絶縁コア3の外周に銅管等からなる外部導体4を装着する工程と、その上にポリエチレンなどのシース5を被覆させる工程とを経て製造される。
【0004】
比較的大径の同軸ケーブルにおいては、外部導体4は、絶縁コア3の外周面に金属薄板(金属テープ等)からなる外部導体形成材を巻き付けることで形成される(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−85445号公報(第3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して、昨今、携帯電話の基地局内における高周波信号の伝送等を目的として、比較的小径の同軸ケーブルが必要とされつつある。このような比較的小径の同軸ケーブルにおいては、小径になればなるほど、外部導体4を上述した方法(金属薄板からなる外部導体形成材を絶縁コアに巻き付ける方法)で形成するのが困難となる。そこで、比較的小径の同軸ケーブルにおいては、外部導体4は次のようにして絶縁コア3に装着される。
【0007】
すなわち、筒状の外部導体4を用意したうえで、この外部導体4に絶縁コア3を挿通させる。そして、図6に示すように、外部導体4をシンキングダイ6に挿通して引き伸ばしをかけることで絶縁コア3を外部導体4で締め付け、これによって外部導体4を絶縁コア3に保持させる。
【0008】
なお、図7に示すようなコルゲート仕様の同軸ケーブルにおいては、上記と同様、筒状の外部導体4に絶縁コア3を挿通させた後、図8に示すように、コルゲートダイ7によって波付けしながら外部導体4で絶縁コア3を締め付け、これによって外部導体4を絶縁コア3に保持させる。
【0009】
上記製造方法における絶縁コア挿通工程は、外部導体4の一端から絶縁コア3を挿入することで実施される。また、絶縁コア挿通工程は、外部導体4に細線を挿通した後、この細線の後端に絶縁コア3の前端を連結し、細線を外部導体4の他端側から引き抜くことで細線に連結した絶縁コア3を外部導体4に挿通することで実施される。
【0010】
しかしながら、従来の製造方法では、絶縁コア3が外部導体4の内面に摺接しながら挿通移動するために、摩擦抵抗が発生し、その挿入長さが長くなるほど摩擦抵抗が大きくなって挿通が困難になり、挿通作業に多大な時間がかかるうえ、挿入長さが長くなり過ぎると挿通させることが不可能になっていた。さらには、外部導体4との接触による摩擦抵抗によって絶縁コア3に歪や変形が発生するおそれもあった。
【0011】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、絶縁コアを外部導体に円滑かつ速やかに挿通でき、同軸ケーブル製造を効率よく行うことができる製造方法および製造装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
【0013】
すなわち、本発明の同軸ケーブルの製造方法は、絶縁体の中心に内部導体が設けられた絶縁コアを準備したうえで、前記絶縁コアを筒状の外部導体に挿通する工程と、前記外部導体に挿通された前記絶縁コアを前記外部導体で締め付け保持する工程と、を含み、前記絶縁コアを前記外部導体に挿通する工程において、前記外部導体のコア挿入端側から外部導体内に気体を圧送流入させながら前記絶縁コアを挿入する、ことを特徴とする。
【0014】
この製造方法によると、外部導体内に送り込まれた気体が挿入された絶縁コアの周囲を流動することで絶縁コアが外部導体内面から浮遊しやすい状態となり、絶縁コアと外部導体内面との接触が少なくなる。
【0015】
また、外部導体内に送り込まれた気体が絶縁コアの挿入方向に流動するので、流動する気体の粘性摩擦によって絶縁コアに挿入方向への送り力が発生し、絶縁コアの挿入移動が助長される。
【0016】
本発明の同軸ケーブルの製造装置は、絶縁体の中心に内部導体が設けられた絶縁コアが筒状の外部導体に挿通されてなる同軸ケーブルを製造する装置であって、 気体圧送装置と、前記気体圧送装置に連通接続されたチャンバと、前記チャンバの一端に設けられて外部導体の一端開口を連通支持する外部導体支持部と、前記チャンバの他端に設けられた前記絶縁コアの挿入口と、を有し、前記挿入口から前記チャンバ内に挿入された前記絶縁コアを前記チャンバを介して前記外部導体に挿入する際に、前記気体圧送装置から前記チャンバに供給された気体を外部導体支持部から外部導体内に圧送流入させることを特徴とする。
【0017】
この構成によると、チャンバの一端に外部導体の一端を連通支持した状態で、チャンバの他端に形成した挿入口から絶縁コアを挿入することで、絶縁コアを外部導体の一端に挿入することができる。ここで、気体圧送装置からの気体をチャンバに送り込むことで、供給気体は外部導体の一端に流入して他端側から流出することになる。そのため、外部導体内に送り込まれた気体が挿入された絶縁コアの周囲を流動することで絶縁コアが外部導体内面から浮遊しやすい状態となる。これにより、絶縁コアと外部導体内面との接触が少なくなり、摩擦抵抗の少ない状態で絶縁コアを挿入することが可能となる。
【0018】
この場合、チャンバの容積をある程度大きく設定しておくと、チャンバが蓄圧室として機能し、安定した圧力で気体を外部導体内に送り込むことができる。
【0019】
なお、本発明の同軸ケーブルの製造装置においては、前記挿入口から挿入された絶縁コアを外部導体のコア挿入端に導く案内筒部を前記チャンバ内に設けるのが好ましい。
【0020】
そうすれば、チャンバの挿入口に絶縁コアを押し込むだけで、絶縁コアを外部導体に円滑に挿入することができる。さらには、挿入中のチャンバ内での絶縁コアの姿勢が安定し、外部導体に対して絶縁コアを円滑に、かつ、同心状に導くことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1に、絶縁コア挿通工程を実施する同軸ケーブル製造装置が示されている。まず、別工程で製造された絶縁コア3(従来例および図5参照)が駆動回転される一対の送りローラ11に挟持されて図中矢印の方向に送られる。その送り方向前方には横長筒状に形成されたチャンバ12が設置されている。絶縁コア3は、チャンバ12の前端に形成された挿入口13からチャンバ内に挿入され、チャンバ12の後端に外部導体支持部14を介して連通支持された外部導体4に挿入されてゆく。
【0023】
図2に示すように、前記挿入口13はチャンバ11の前壁に挿抜可能に連結された案内筒部15の端部に形成されている。案内筒部15はチャンバ12の後壁近くまで延出されている。この案内筒部15の内径は絶縁コア3の内径より若干大きく設定されている。
【0024】
外部導体支持部14は、図3に示すように、案内筒部15と同心に対向するよう配備されており、チャンバ12の後壁に脱着される受け部材16と、これにねじ込み外嵌装着されるクランプ部材17とから構成されている。外部導体支持部14は、外部導体4の端部を拡開変形させて形成したフランジ部4aが受け部材16とクランプ部材17とで挟持固定されるようになっている。
【0025】
チャンバ12には、コンプレッサなどの気体圧送装置18に連通接続されており、所定圧の加圧気体(例えば、空気や窒素)が気体圧送装置18から供給されるようになっている。
【0026】
上記構成によると、チャンバ12の後端に外部導体4の前端を連通支持した状態で、チャンバ12の前端に形成した挿入口13から絶縁コア3を挿入することで、絶縁コア3を外部導体4に挿入することができる。ここで、気体圧送装置18からの気体をチャンバ12に送り込まれることで、供給気体は外部導体4(両端開放)の前端から流入して後端側から流出する。そのため、外部導体4内に送り込まれた気体は絶縁コア3の周囲を流動する。これにより、絶縁コア3は外部導体内面から浮遊しやすい状態となり、絶縁コア3と外部導体4の内面との接触が少なくなって、摩擦抵抗の少ない状態で絶縁コア3を連続して挿通することが可能となる。
【0027】
また、外部導体4の内部に送り込まれた気体が絶縁コア3の挿入方向に流動するので、気体の粘性摩擦によって絶縁コア3に挿入方向への送り力が発生し、絶縁コア3の挿通が助長される。
【0028】
チャンバ12に送り込まれた加圧気体の極一部は案内筒部15内に流入して挿入口13側に流動するが、案内筒部15内での気体の流動によって絶縁コア3と案内筒部内面との摩擦抵抗が軽減される。
【0029】
また、絶縁コア3および外部導体4のサイズが異なったものを処理する場合には、これらのサイズに対応した案内筒部15と支持部14に取り替えればよい。
【0030】
なお、本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
(1)図4に示すように、案内筒部15の先端にゴム材などのシールリング19を装着して、チャンバ12内の気体が案内筒部15から流出するのを阻止し、チャンバ内の気体圧力の安定化を図ってもよい。そうすれば、外部導体4への気体送り込みを安定して行うことができる。この場合、案内筒部15の内面に滑動性に優れた樹脂ライニング20を付設して、絶縁コア3の摩擦抵抗を軽減するようにするとよい。
(2)絶縁コア3の送り手段は上記形態に限られることはなく、絶縁コア3の前端に連結した細線をチャンバ15および外部導体4に挿通して、この細線を外部導体4の後端側から適当な駆動手段で引き抜くことで、絶縁コア3を外部導体4に挿通することもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下に示すような効果が期待できる。すなわち、本発明の同軸ケーブル製造方法によれば、外部導体と絶縁コアの間に送り込んだ気体によって絶縁コアと外部導体との接触による摩擦抵抗を軽減することができるとともに、気体流によっても絶縁コアの挿通を助長することができる。これにより、長い条長を有する絶縁コアでも短時間で挿通処理することが可能となり、コア挿通工程での作業時間を短縮して作業効率の高い同軸ケーブル製造が可能となる。
【0032】
また、本発明の同軸ケーブル製造装置によれば、上記製造方向を好適に実施することができるとともに、チャンバを介した安定した気体送り込みによって絶縁コアの挿通処理を円滑かつ安定良く行うことができる。
【0033】
また、挿入口から挿入された前記絶縁コアを前記外部導体の支持部に導く案内筒部を前記チャンバ内に設けてある絶縁コアの外部導体への導入姿勢が安定し、一層円滑な挿通が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の同軸ケーブル製造装置の構成を示す側面図である。
【図2】一実施形態の同軸ケーブル製造装置の要部の構成を示す縦断側面図である。
【図3】一実施形態の同軸ケーブル製造装置の外部導体支持部の構成を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態の外部導体支持部の構成を示す拡大断面図である。
【図5】同軸ケーブルの構成を示す斜視図である。
【図6】従来の同軸ケーブルの製造工程を示す断面図である。
【図7】別仕様の同軸ケーブルの構成を示す斜視図である。
【図8】従来の同軸ケーブルの製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 内部導体
2 絶縁体
3 絶縁コア
4 外部導体
5 シース
12 チャンバ
13 挿入口
14 外部導体支持部
15 案内筒部
18 気体圧送装置
Claims (3)
- 絶縁体の中心に内部導体が設けられた絶縁コアを準備したうえで、前記絶縁コアを筒状の外部導体に挿通する工程と、
前記外部導体に挿通された前記絶縁コアを前記外部導体で締め付け保持する工程と、
を含み、
前記絶縁コアを前記外部導体に挿通する工程において、前記外部導体のコア挿入端側から外部導体内に気体を圧送流入させながら前記絶縁コアを挿入する、
ことを特徴とする同軸ケーブルの製造方法。 - 絶縁体の中心に内部導体が設けられた絶縁コアが筒状の外部導体に挿通されてなる同軸ケーブルを製造する装置であって、
気体圧送装置と、
前記気体圧送装置に連通接続されたチャンバと、
前記チャンバの一端に設けられて外部導体の一端開口を連通支持する外部導体支持部と、
前記チャンバの他端に設けられた前記絶縁コアの挿入口と、
を有し、
前記挿入口から前記チャンバ内に挿入された前記絶縁コアを前記チャンバを介して前記外部導体に挿入する際に、前記気体圧送装置から前記チャンバに供給された気体を外部導体支持部から外部導体内に圧送流入させる、
ことを特徴とする同軸ケーブルの製造装置。 - 請求項2に記載の同軸ケーブルの製造装置において、
前記挿入口から挿入された前記絶縁コアを前記外部導体の支持部に導く案内筒部を前記チャンバ内に設けてある、
ことを特徴とする同軸ケーブルの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002308123A JP2004146143A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 同軸ケーブルの製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002308123A JP2004146143A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 同軸ケーブルの製造方法および製造装置 |
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WO2013137230A1 (ja) * | 2012-03-14 | 2013-09-19 | 矢崎総業株式会社 | 同軸電線、及び同軸電線の製造方法 |
-
2002
- 2002-10-23 JP JP2002308123A patent/JP2004146143A/ja active Pending
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WO2013137230A1 (ja) * | 2012-03-14 | 2013-09-19 | 矢崎総業株式会社 | 同軸電線、及び同軸電線の製造方法 |
CN104170028A (zh) * | 2012-03-14 | 2014-11-26 | 矢崎总业株式会社 | 同轴电线及其制造方法 |
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