JP2004145984A - 多層光ディスクの製造方法および多層光ディスクの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多層の情報記録層間の偏芯によるトラッキングエラーを改善でき、高密度のいわゆる次世代多層光ディスクにおいても確実に記録再生を行うことができる多層光ディスクを得る。
【解決手段】中間層51に対する、情報部を構成する凹凸パターンの形成工程を、互いに内径が相違するセンターホール41、42を有する、光情報記録層が積層されるディスク基板1と、転写凹凸パターンを有する転写基板3とを用意し、これらの位置設定を行う。この位置設定は、外周に円錐状テーパ部5Tを有するセンターピン5上に、ディスク基板1と転写基板3とを、その大なる内径のセンターホールを有する基板、小なる内径のセンターホールを有する基板の順に、中間層を介在させて対向させてセンターピンに嵌挿し、センターピン5を、その軸心方向に沿って移動させ、その移動途上において、内径が大のセンターホールを有する一方の基板を、基板載置台6に衝合させ、これに対して他方の基板を、を押圧して、上述した中間層に対する凹凸パターンの形成を行い、積層情報記録層の偏芯の低減化を図る。
【選択図】 図5
【解決手段】中間層51に対する、情報部を構成する凹凸パターンの形成工程を、互いに内径が相違するセンターホール41、42を有する、光情報記録層が積層されるディスク基板1と、転写凹凸パターンを有する転写基板3とを用意し、これらの位置設定を行う。この位置設定は、外周に円錐状テーパ部5Tを有するセンターピン5上に、ディスク基板1と転写基板3とを、その大なる内径のセンターホールを有する基板、小なる内径のセンターホールを有する基板の順に、中間層を介在させて対向させてセンターピンに嵌挿し、センターピン5を、その軸心方向に沿って移動させ、その移動途上において、内径が大のセンターホールを有する一方の基板を、基板載置台6に衝合させ、これに対して他方の基板を、を押圧して、上述した中間層に対する凹凸パターンの形成を行い、積層情報記録層の偏芯の低減化を図る。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ROM(Read Only Memory) 型または/およびRAM(Random Access Memory) 型または/およびR型(Write Once)型の複数の光情報記録層が積層されて成る多層光ディスクの製造方法および多層光ディスクの製造装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
大記録容量の光ディスクとして、複数の光情報記録層が積層された構成による多層光ディスクの提供がなされている(例えば特許文献1参照)。
多層光ディスクにおいて、光情報記録層が高記録密度化されるに伴い、各光情報記録層に対する記録または/および再生(以下、単に記録再生と呼称する)がなされる記録再生装置のピックアップ装置による照射光は、記録トラック位置に対する追従、すなわちトラッキングに高い精度が要求される。したがって、高記録密度多層光ディスクにおいて安定した記録再生を行うには、各光情報記録層の偏芯は、より厳しく制限される。
【0003】
通常、この多層光ディスクの製造においては、各光情報記録層を構成する基板の中心孔すなわちセンターホールを、基準センターピンに嵌合させることによって一致させて積層合体させるものであるが、実際には、センターホールの穿設の位置精度、このセンターホールの軸心と、光情報記録層の有効情報記録領域との位置関係の精度に依存し、必ずしも歩留り良く、しかも充分高い精度をもって偏心量の低減化を図ることができない。
【0004】
この偏芯量の規定は、この多層光ディスクの記録再生装置におけるディスク駆動のディスク保持機構によって異なる。例えば2層の情報記録層を有する光ディスクの場合、ディスク中心に穿設されたセンターホールで位置設定がなされて回転する駆動態様による場合、各情報記録層の偏芯は、センターホールの中心からの偏芯量である場合が代表的である。すなわち、図11に示すように、センターホール100Cと同芯の円100に対し、例えば下層および上層の情報記録層が左および右に破線101および102で示すように、変位している場合、下層情報記録層のピーク・トゥ・ピーク(以下PPと記す)の偏芯量は、a1 +a1 ’であり、上層情報記録層の偏芯量(PP)は、a2 +a2 ’である。
これに対し、光ディスク上にチャッキングプレートを搭載する保持機構によるときは、情報記録層間の偏芯が問題となるものであり、両層間の偏芯量(PP)は、a1 +a2 となる。
【0005】
ところで、通常の、多層光ディスク、例えば第1および第2の2層の光情報記録層が積層された光情報記録ディスクの製造方法としては、それぞれ例えば射出成形によってセンターホールが形成されると共に、その各一主面の情報部に、所要の凹凸、例えば記録ピットや、案内溝等のグルーブ等を構成する凹凸パターンが形成された第1および第2のディスク基板が用意される。
これらディスク基板の第1および第2の光情報記録層は、それぞれ凹凸パターンの形成面に、反射膜や、例えば相変化材料層等を蒸着、スパッタ、スピンコート等によって形成されることによって情報の記録層が構成される。
【0006】
そして、第1の基板のセンターホールに、センターピンを挿入させることによって、この基板を所定位置に設定し、この基板の、第1の光情報記録層を有する主面上にスピンコートによって例えば紫外線硬化樹脂による中間層を塗布する。
この状態で第2の基板を、その光情報記録層の形成面を中間層側として、第1の基板上に、第2の基板をそのセンターホールに、同様のセンターピンに挿入し、第2の基板を、第1の基板側、すなわち中間層側に押圧して、中間層によって第1および第2の両基板を接合一体化する。
このようにして、2層の光情報記録層が積層された光情報記録ディスクを作製する。
【0007】
このような方法によって作製した、多層光ディスクは、第1および第2の両基板間の実質的偏芯量は、極めて大となる。
すなわち、この方法による場合、第1の光情報記録層を構成する基板における、そのセンターホールに対する第1の光情報記録層の信号部の偏芯量をα1 とし、第2の光情報記録層を構成する基板における、そのセンターホールに対する第2の光情報記録層の信号部の偏芯量をα2 とし、第1および第2の基板とこれらを保持するセンターピンの遊びすなわちクリアランスをそれぞれβ1 およびβ2 とするとき、上述したセンターピンを基準とする第1および第2のディスクの貼合わせによる製造方法によって得た多層光情報記録層ディスクにおける偏芯量は、上側の第2の基板における第2の光情報記録層の偏芯量は、最大α2 +β1 +β2 となる。したがって、いま、α1 およびα2 の偏芯量が30μm、β1 およびβ2 の偏芯量(PP)が20μmであるとすると、上述した方法による場合、上層の第1の光情報記録層の偏芯量は、最大70μmとなる。
また、例えば一方、例えば第1の情報記録層の信号部を偏芯基準としたとき、第2の情報記録層の信号部の偏芯量は、最大α1 +α2 +β1 +β2 となり、極めて大きな偏芯量となる。
【0008】
因みに、例えばDVD(Digital Versatile Disc)の規格書によれば、2層DVDにおける偏芯量は、PPで100μmと規定されている。このDVDに比し、より高密度化が図られている例えば照射光が405nm、対物レンズの開口数N.A.が0.85による高密度のいわゆる次世代光ディスクにおいては、より小さい偏芯量の、PPで75μm以下の偏芯量が要求される。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−260307号公報(第50頁、段落番号〔0075〕から〔0077〕)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高密度記録による複数の光情報記録層が積層されてなる多層光ディスクにおいて、その各光情報記録層のそれぞれの偏芯量の改善、および複数の光情報記録層間相互の偏芯量の低減化を図り、更に複数の光情報層の積層形成において、信号等観察をすることなく、短時間で、偏芯量の小さいる多層光ディスクを得ることができるようにした多層光ディスクの製造方法および多層光ディスクの製造装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の光情報記録層が積層されて成り、少なくとも1層の光情報記録層が、情報部を構成する凹凸パターンの形成された中間層を有する多層光ディスクの製造方法であり、中間層に、情報部を構成する凹凸パターンの反転による転写凹凸パターンを有する転写基板を押圧して、転写凹凸パターンの転写いよって情報部を構成する凹凸パターンを形成する凹凸パターンの形成工程を有する。
この凹凸パターンの形成工程は、互いに内径が相違するセンターホールを有する、光情報記録層が積層されるディスク基板と、転写凹凸パターンを有する転写基板とを用意し、更に、凹凸パターンの形成工程に先立って、ディスク基板と転写基板の両基板の位置関係を設定する位置設定工程が採られる。
【0012】
この位置設定工程は、外周に円錐状テーパ部を有するセンターピン上に、ディスク基板と転写基板とを、その大なる内径のセンターホールを有する基板、小なる内径のセンターホールを有する基板の順に、かつディスク基板の光情報記録層を積層形成する面と転写基板の転写凹凸パターンを有する面とを、これら面間に中間層を介在させて対向させるように、センターピンの小径側から嵌挿し、両基板の各センターホールの内径とセンターピンの外径とがそれぞれ一致する位置で両基板を、センターピンの軸心に沿う各位置で設定させる。
【0013】
そして、センターピンを、両基板を相互に回転させることなく軸心方向に沿って大径側に移動させ、その移動途上において、内径が大のセンターホールを有する一方の基板を、基板載置台に衝合させて設定する工程と、更に、センターピンの移動によって、中間層の介在のもとに、内径が小のセンターホールを有する他方の基板を、先の一方の基板に近接対向ないしは対接させる工程とを経る。
その後、両基板を押圧して、上述した中間層に対する凹凸パターンの形成を行う。
【0014】
また、本発明は、複数の光情報記録層が積層されて成り、少なくとも1層の光情報記録層が、情報部を構成する凹凸パターンの形成された中間層を有する多層光ディスクの製造装置であり、それぞれセンターホールが形成され、その内径が互いに相違する、光情報記録層が積層されるディスク基板と、凹凸パターンを形成する転写凹凸パターンを有する転写基板とが用いられる。
そして、本発明装置においては、外周に先端側に向かって小径をなす円錐状テーパ部を有し、軸心に沿って大径側に移動可能とされたセンターピンと、このセンターピンの円錐状テーパ部の大径側への移動途上に配置された基板載置台とを有して成る。
【0015】
センターピンは、このセンターピンの先端側から、両基板のうち、大なる内径のセンターホールを有する基板、小なる内径のセンターホールを有する基板の順に、嵌挿することによって、両基板の各センターホールの内径とセンターピンの外径とがそれぞれ一致する位置で両基板を、センターピンの軸心に沿う各位置に、それぞれ設定させる構成を有し、センターピンにおける両基板の設定を、光情報記録層を積層形成する面と転写凹凸パターンとが、中間層を介在させて対向させた状態で設定するようになされる。
【0016】
そして、この設定状態で、センターピンを大径方向に移動させ、その移動途上において、大なる内径のセンターホール有する基板を基板載置台上に載置し、続くセンターピンの大径方向への移動位置において、他方の基板を、基板載置台上に載置された基板上に配置する。
このようにして、両基板間を中間層の介在のもとで押圧し、この中間層に転写パターンの凹凸パターンを転写形成するものである。
【0017】
上述した本発明製造方法および本発明装置によれば、光情報記録層を積層形成するディスク基板と、凹凸パターンを形成する転写基板とに互いに異なる内径を有するセンターピンを形成し、これら基板を円錐状テーパ部を有する共通のセンターピンに嵌挿して、それぞれのセンターピンの内径と、円錐状テーパ部の外径とが一致する位置に、両基板を設定するものであるが、この円錐状テーパの加工精度は高精度に行うことができることによって、両基板を高精度をもって、同一軸心上に配置される。
そして、この状態で、センターピンを軸方向移動させるものであるが、この場合、上述したセンターホールの内径と、センターピンの外径とが一致した状態での移動であることから、両基板は、その軸心位置が一致された状態で、移動される。したがって、センターピンの移動によって一方の基板を基板載置台に設定し、続いて、他方の基板を、これに接近させるものであるが、両者は、その軸心位置が正確に一致された状態を保持することができる。
したがって、転写基板とディスク基板の押圧によって、両者間に介在させた中間層に対する情報部を構成する凹凸パターンを高精度をもって形成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明による多層光ディスクの製造方法および製造装置は、ディスク基板上に形成した第1の光情報記録層上に、更に、光情報記録層を積層形成するものであるが、この上層すなわち第2の光情報記録層を構成する記録ピットや、例えばトラッキング案内溝等の凹凸パターンを、ディスク基板上の第1の光情報記録層上に形成された中間層に対して転写基板を押圧して、この転写基板の転写凹凸パターンを中間層に転写することによって形成する。そして、これら積層を高い精度をもって行い、多層光情報記録層の相互の偏芯量を効果的に低減させるものである。
【0019】
本発明製造方法の一実施形態を説明する。
まず、その理解を容易にするために、本発明方法において、その偏芯量についての考慮を導入しない場合での、多層光ディスクの製造方法の基本的方法を、図1の多層光ディスクの一例の要部の概略断面図と図2および図3の工程図を参照して説明する。しかしながら、本発明は、その基本的方法においても、この例に限定されるものではない。
【0020】
図1に示される多層光ディスクにおいては、第1および第2の光情報記録層11および12を有して成る。
この例では、ディスク基板1の一主面に第1の光情報記録層11が形成されている。
この第1の情報記録層11は、図2に示すように、ディスク基板1を例えば射出成形によって形成し、その成形時に、第1の情報記録層11を構成する第1の凹凸パターン、例えばトラッキング用のグルーブや、情報ピットによる凹凸パターン21がディスク基板1の成形と同時に成形される。
この凹凸パターンは、このような射出成形によらず、例えばディスク基板1上に、紫外線硬化樹脂層等を形成し、いわゆる2P法(Photopolymerization 法) によって第1の情報記録層を構成する凹凸パターンを形成することもできる。
そして、この凹凸パターン上に反射膜や情報記録層の例えば相変化材料層等の第1の材料層31が被着形成されて第1の情報記録層11が形成される。
【0021】
そして、この第1の情報記録層11上に、第1の中間層51を堆積する。
この第1の中間層51の表面に、図3Aに示すように、第2の情報記録層12を構成するグルーブや、情報ピットによる第2の凹凸パターン22を形成する。
この第2の凹凸パターン22の形成は、図2に示すように、第1の中間層51に形成すべき凹凸パターン22が反転した転写凹凸パターン2を有する転写基板3を、第1の中間層51に対して押圧することによって形成する。
【0022】
図3Bに示すように、第2の凹凸パターン22上に、反射膜や光情報記録層の例えば相変化材料層等の第2の材料層32が被着形成されて第2の情報記録層12が形成される。
そして、この最上層の第2の光情報記録層12上に、光透過性の保護層4を形成する。
【0023】
上述した例では、第1および第2の光情報記録層11および12の2層による多層光ディスクであるが、2層以上の例えば図4にその一例の概略断面図を示すように、3層の光情報記録層11〜13が形成された多層光ディスクを構成する場合等に適用できる。この場合においては、図2および図3で説明した工程の後に、この第2の光情報記録層12上に、更に第2の中間層52が形成される。
そして、この第2の中間層22に対して、第3の光情報記録層13を構成する第3の凹凸パターンが反転した転写凹凸パターンを有する転写基板(図示せず)によって第2の中間層22に対してその転写凹凸パターンを押圧することによって第3の光情報記録層を構成する凹凸パターン23を形成し、これに反射膜や光情報記録層の例えば相変化材料層等の第3の材料層33を形成することによって第3の光情報記録層13を形成し、この上に、光透過性の保護層4を形成する。
【0024】
本発明による多層光ディスクの製造方法で適用される方法の基本的方法では、上述したように、中間層に対する各情報記録層を構成する凹凸パターンの形成を、これら凹凸パターンの反転凹凸パターンによる転写凹凸パターンを有する転写基板、いわゆるスタンパの押圧によって形成する方法が適用される。
【0025】
これら中間層51および52は、光透過性を有する材料層によって構成される。これら中間層51および52は、紫外線硬化樹脂の塗布、紫外線硬化フィルムの堆積、紫外線硬化粘着材の塗着等によってディスク基板1上に配置もしくは被着される。しかしながら、これら中間層は、これら中間層に対する押圧転写がなされる転写基板3の転写凹凸パターン2側に、配置して置くこともできる。
そして、転写基板の押圧工程の後に、中間層に対して例えば紫外線照射等による硬化処理を行う。この中間層は、固体、液体、ゲル状を問わない。
その後、転写基板を、各硬化処理後に、各中間層から剥離する。すなわち、中間層は、転写基板の転写凹凸パターンからの剥離性が、ディスク基板上に形成されている光情報記録層に対する剥離性に比して充分高い。
【0026】
これら中間層51、52に対する硬化処理の紫外線照射は、ディスク基板1もしくは上述した各転写基板の例えば一方を、例えばプラスチックによる光透過性とし、これらディスク基板1もしくは転写基板を通じて行うことができる。
この場合、転写基板が光透過性を必要としない場合は、金属スタンパとすることができる。
【0027】
また、この中間層51および52は、上述したように、押圧工程および硬化処理の後において、転写基板を中間層51および52から、容易に、かつ各中間層51および52の表面性を阻害することなく剥離することができるように、転写基板に対して剥離性に富む材料によって構成する。
【0028】
このような剥離性を得る方法としては、上述した紫外線硬化性フィルムによる中間層21、22に対して接着性に劣る、すなわち剥離性を有する例えば環状ポリオレフィンによって転写基板を構成するとか、その転写凹凸パターン表面に形成する。あるいは中間層21、22を構成する上述した紫外線硬化性フィルムや紫外線硬化性粘着材との接着性を低下させる方法が採られる。具体的には、紫外線これらの分子量を高める、すなわち硬度を上げることによって接着性を下げるなどの方法を採ることができる。
しかしながら、この場合、第1および第2の中間層の、第1および第2の情報記録層に対する被着強度が低下するおそれがある場合においては、これら中間層を2層構造とし、下層側に、第1および第2の情報記録層に対して接着性の高い例えば紫外線硬化フィルムを配置し、転写基板との剥離性が良い紫外線硬化フィルムを配置する。
この場合、一方の紫外線フィルムのみを硬化した状態で貼り合わせることによって両者の接着力を高めることができる。
【0029】
転写基板は、上述した環状ポリオレフィンに限られるものではなく、例えばポリカーボネート(PC)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、鎖状ポリオレフィン樹脂、変成アクリル樹脂等によって構成することができる。
【0030】
また、保護層4は、紫外線硬化樹脂をディスク基板1の最上層に直接スピンコートし、紫外線照射によって形成することができる。
あるいはポリカーボネート(PC)樹脂等のプラスティックフィルムをディスク基板1の最上層に貼り付けることによって保護層4の形成を行うことができる。このプラスティックフィルムの貼り付け方法としては、紫外線硬化樹脂層を介して貼着し、この紫外線硬化樹脂層を紫外線照射によって硬化する方法、あるいはプラスティックフィルムを粘着剤を介して貼着する方法、または紫外線硬化フィルムを貼合わせ、これ自体紫外線照射によって硬化することによって保護層4とするなどの方法によることがある。
【0031】
この多層光ディスクの、各情報記録層に対する記録再生は、図1、図4に、矢印Lをもって模式的に示すように、保護層4側からの光照射、例えば380nm〜450nm、例えば405nmのレーザ光の照射を、各情報記録層に対して所要の集光がなされるように、対物レンズ(図示せず)の焦点位置の選定によって行う。
すなわち、保護層4および中間層21、22は、照射光Lに対し光透過性とされ、この光照射方向に関して最も深い位置にある第1の情報記録層11以外の情報記録層12、13は、例えば所要の反射率および透過率を有する構成とし、例えば第1の情報記録11は十分高い反射率を有する構成とすることができる。
【0032】
ところで、実際の光ディスクの記録再生装置では、光ディスク上の記録情報を読み出す、すなわち再生するには、光ディスク上に渦巻状に記録された記録トラック上に沿って光ピックアップによる再生光を走査して、記録トラック上の記録情報を再生する。このとき、渦巻状に記録された情報は、隣合う信号間の距離が極めて小さく、およそ1μm以下であるため、隣り合う記録トラックは、ほぼ同心円とみなすことができる。光ピックアップのトラッキング性能等には、限界があることから、特に高密度記録による多層光ディスクにおいては、各情報記録層ごとの情報記録トラックは、上述した同心円からのずれ、すなわち、偏芯量ができるだけ小さいことが必要となる。
【0033】
そこで、本発明製造方法においては、上述した各中間層に対して凹凸パターンを形成する転写基板の押圧工程における各転写基板とディスク基板との位置関係の設定において、両基板の偏芯量に基く、上述したディスク基板1上に形成されている例えば第1の光情報記録層11と、その後、転写基板によって転写形成される第2の光情報記録層12以降とを、最小の偏芯量にとどめることができるようにする。
【0034】
すなわち、本発明製造方法においては、光情報記録層を形成するディスク基板と転写基板とを、同一軸心の円錐テーパ部を外周に形成したセンターピンを、両基板のいわば保持治具とするものであり、このようにすることにより両基板を同一軸心上に配置する。ディスク基板の、光情報記録層を形成する側の面あるいは転写基板の転写凹凸パターンを有する面、もしくはその両面に、転写凹凸パターンの押圧によって凹凸パターンの転写を行うことができる中間層を塗布もしくは配置する。そして、この状態を維持したままディスク基板と転写基板とを、押圧して、両基板間の中間層に凹凸パターンの転写を行うものであり、このようにすることによって、各光情報記録層間の偏芯量を低減することをを基本原理とするものである。
【0035】
本発明装置の一例を、図5に示す一部を断面とする構成図を参照して説明する。
本発明装置は、互いに内径が相違するセンターホール41および42を有するディスク基板1と、凹凸パターンを形成する転写凹凸パターン2を有する転写基板3とが用いられる。
一方、センターピン5が例えば垂直方向に配置される。このセンターピン5は、その軸心方向すなわちこの例では垂直方向に移動できる可動センターピン構成とする。
このセンターピン5は、その外周にセンターピン5の先端に向かって小径をなす円錐状テーパ部5Tが形成され、更に、大径側にこの大径と同一外径を有する円筒面状部5Cが形成される。
このセンターピン5は、図6Aで拡大して示すように、その円錐状テーパ部5Tが、小径の第1の円錐状テーパ部5T1 と、この第1の円錐状テーパ部5T1 の大径端より更に大径の第2の円錐状テーパ部5T2 とが同軸心に一体に形成された構成とした場合である。
因みに、同軸心をもって形成される円錐状テーパ部5T、すなわち第1および第2の円錐状テーパ部5T1 および5T2 の外周面は、全体として高精度をもって軸心に対して無限対称に、すなわち各部一様に同一軸心として加工形成することができる。
【0036】
そして、このセンターピン5の大径側への移動途上に、水平方向に基板の際し面6Sを有する基板載置台6が配置される。この基板載置台6の中心には、この基板載置台6の基板載置面と直交するすなわち垂直方向に延びるセンターピン5の案内孔7が穿設され、この案内孔7内にセンターピン5が挿通されて、センターピン5がこの案内孔7内に沿って、すなわちその軸心方向に沿って移動可能に構成される。
基板載置台6には、その基板載置面には、基板を吸着固定する吸着手段9、例えば真空ポンプによって排気される複数の細孔が配列され手成る吸着手段、静電的もしくは磁気的吸着手段が配置される。
【0037】
一方、ディスク基板1と転写基板3との押圧を行う押圧手段7を設ける。この押圧手段7は、例えば円盤状の押圧パッド等の弾性押圧体7Pが、その支持体7Sによって支持され、かつ所要の押圧力をもって下方に移動するように構成される。
弾性押圧体7Pは、シリコンゴム、ウレタンゴム、ゲルなどの弾性パッド、あるいはローラーによって構成される。
そして、基板載置台6は、この押圧手段7の押圧パッド7P下に移動することができる移動台構成とされる。
【0038】
次に、図7を参照して、この本発明装置によって、ディスク基板1上に、情報記録層を積層形成する方法と同時に、本発明装置の各部の変形例とについて説明する。
【0039】
この例では、センターピン5に対するディスク基板1と、転写基板3との設定を、基板載置台6側にディスク基板1を配置し、この上に転写基板3が配置されるようにした場合である。したがって、この場合、ディスク基板1のセンターホール41の内径が、転写基板3のセンターホール42の内径より大に選定される。
ディスク基板1には、例えば図3Aで説明したように、第1の光情報記録層11が形成されている。そして、この例では、このディスク1の第1の光情報記録層11上に、前述した材料および構成による中間層51が配置されている。
【0040】
まず、図7Aに示すように、第2の大径の円錐状テーパ部5T2 に、ディスク基板1を、そのセンターホール41にセンターピン5を嵌挿して配置する。このとき、円錐状テーパ部5T2 の外径と、センターホール41の内径が一致する位置で保持される。すなわちディスク基板1の中心軸と、センターピン5の軸心とが正確に一致した状態で、ディスク基板1の板面がセンターピン5と直交する水平面に配置保持される。
【0041】
しかしながら、この場合、基板1が、センターピン5に対して垂直に即座に設定されるように、図8に示すように、基板載置面6Sに水平保持治具8を、複数個例えば3個センターピン5を中心に等角間隔をもって基板載置面6Sから突出および後退するように出没可能に配置することができる。
この水平保持治具8は、後述するセンターピン5の大径部側移動による基板載置台6内への移動と同時に基板載置面6Sから後退もしくは後退排除させるか、あるいは基板載置面6S上に例えばディスク基板1が載置される直前等に後退排除させる。
【0042】
次に、図7Bに示すように、転写基板3をセンターピン5に、転写基板3のセンターホール42内に、径の第1の円錐状テーパ部5T1 を嵌挿させて配置する。このときにおいても、第1の大径の円錐状テーパ部5T1 の外径と、転写基板3のセンターホール42の内径が一致する位置で、転写基板3が保持される。すなわちディスク基板1の中心軸と、センターピン5の軸心とが正確に一致した状態で、ディスク基板1の板面がセンターピン5と直交する水平面に配置保持される。
この場合においても、図示しないが、転写基板3の板面が即座にセンターピン5の軸心と直交する、水平面上に配置する水平保持軸を配置することができる。
【0043】
このようにして、ディスク基板1および転写基板3は、センターピン5のテーパー部5Tによって、それぞれセンターピン5の軸心と一致され、したがって、両基板1および3は相互にその中心軸が一致される。
【0044】
このように、ディスク基板1および転写基板3の中心軸の一致が図られて後、図7Cに示すように、センターピン5を、その軸心に沿って後退、基板載置台6に沈み込ませる。このようにすると、ディスク基板1および転写基板3も同時に基台載置台6に近付き、先に大径の第2の円錐状テーパ部5T2 で保持されているディスク基板1が、先に基台載置台6の基台載置面6S上に衝合して停止する。この状態で、ディスク基板1は、転写基板3およびセンターピン5との中心が一致した状態のまま、基台載置台6の基板載置面6Sに、例えば吸着手段9によって保持される。
その後、もしくはその前に、基板載置台6を例えば図5で示した押圧手段7の弾性押圧体7P下に移動させる。
【0045】
そして、図7Dに示すように、この弾性押圧体7Pを降下して、転写基板3を基台載置台6上のディスク基板1に向かって押圧して、中間層51に、転写基板3の転写凹凸パターン2を転写し、情報記録層を構成する凹凸パターンを転写形成する。
このとき、転写基板3は、センターピン5によって、その軸心位置が保持された状態で、すなわちセンターピン5の軸心と一致し、これによってディスク基板1の軸心と一致した状態で、ディスク基板1上の中間層51に押圧されるように、センターピン5と共に降下させる。
【0046】
このように、センターピン5は、ディスク基板1および転写基板3と共に移動、すなわち降下させることが必要となる。このセンターピン5の移動降下は、弾性押圧体7Pが、転写基板3に衝合してこれを押圧する動作によって、センターピン5の先端に直接的衝合させるか、あるいは転写基板3を介してセンターピン5に伝達して、センターピン5を強制的に転写基板3と共に降下させるようにすることができる。
あるいは、例えば弾性押圧体7Pの降下の動きを、例えば図9に示すように、センターピン7Pに連結したレバー10に伝達させてセンターピン7Pの降下動作を行うようにすることができる。
【0047】
尚、中間層として液体状の材料を扱う際は、転写基板3中間層51に押し当てた後に、中間層51の粘度により転写基板3が動かないうちに中間層51を硬化する必要がある。そのために、弾性押圧体7Pによって転写基板3を押圧した後、ディスク基板1を、基板載置面6Sに保持したままで直ちに紫外線を照射して、更に転写基板3に、関してその位置を設定維持することができる機構を付加することによって、中間層51と転写基板3間のずれを防ぐ。
【0048】
このようにして、ディスク基板1と転写基板の中心を一致させたままで、転写基板3の記録情報に基く転写凹凸パターンの信号を中間層51に転写することができる。すなわち、層間偏芯を効果的に小さくすることができる。
【0049】
例えば2層の情報記録層による光ディスクを作製する場合、ディスク基板1に存在するセンターホール41に対する信号部の偏芯量をα1、転写基板3に存在するセンターホール42に対する信号部の偏芯量をα2、センターピン5に対するディスク基板1および転写基板3の各センターホール41および42のそれぞれのクリアランスをβ1およびβ2とすると、上述の本発明方法および本発明発明装置によるときは、センターピン5のテーパ部とセンターホール41および42の一致による保持によることから、β1およびβ2は0とみなすことができる。
また、ディスク基板1と転写基板3の中心位置は一致しているため、完成した2層ディスクのセンターホールに対する各層の偏芯量は、各々のセンターホールに対する偏芯量がそのまま維持される。
【0050】
すなわち、多層ディスクを作製した状態でも、下の層の持つ、多層ディスクのセンターホールに対する偏芯量はα1のままであり、上の層の持つ多層ディスクのセンターホールに対する偏芯量はα2となる。
【0051】
上述した例では、ディスク基板1と転写基板3との配置関係を、ディスク基板1が、下側、すなわち基板載置台6側となるように配置した場合であるが、これとは逆の配置関係とすることもできる。この場合は、ディスク基板1のセンターホールの内径が、転写基板3のセンターホールの内径より小に選定される。
【0052】
本発明は、2層以上の多層ディスクを作製する場合においても、各層の偏芯量は、その層を形成するための転写基板の偏芯量のみがそのまま転写され、他の要因で偏芯量が増えることがない。そのため何層積層しても偏芯量が大きくなることが無く、多層ディスクの作製に有利である。
【0053】
本発明では、信号を観察して位置合わせを行うという複雑なプロセスが無いことから、容易に多層ディスクを製造することができる。そのため、多層ディスクの製造に要する時間の短縮化が図られ、例えば5秒以下で転写作業を行うことができる。
【0054】
尚、センターピン5のテーパー5Tの形状は、ディスク基板1および転写基板3を水平に保持するために、ディスク基板1および転写基板3に形成した内径が異なるセンターホールに応じて、形成されるが、センターピンの外径およびおよび基板の厚さには制約はなく、信号、すなわち記録情報に基く凹凸パターンを転写することができれば、どのようなサイズでもよい。
また、図5および図7で示した例においては、前述した図6Aで示したように、その円錐状テーパ部5Tを、小径の第1の円錐状テーパ部5T1 と、この第1の円錐状テーパ部5T1 の大径端より更に大径の第2の円錐状テーパ部5T2 とが同軸心に一体に形成された構成とした場合であるが、図6Bで示すように、単一の円錐状テーパによって構成することもできる。
あるいは図示しないが、第1および第2の円錐状テーパ部の一方のみとし、他方をクリアランスの存在するセンターピン形状としても偏芯を抑制する効果がある。このときには、片側のクリアランス分だけ偏芯量の誤差が現れるが、ディスクに要求される偏芯量が小さい場合にはこのような構成とすることができる。
【0055】
〔実施例1〕
この実施例における製造装置の要部の構成を図9に示す。
この実施例では、基板載置台6の基板載置面6Sに臨んでリング状の真空吸着孔を配置した構成とした。
センターピン5は、基板載置台6の中心に配置した案内孔に沿って案内移行する構成とした。
基台載置台6内部には、ばねおよび固定機構が内蔵されていて、センターピン5を基台載置台6内部に押し込んだ後ロックされて固定され、ロックを解除することによりセンターピン5が上部へせり出す構造とした。
【0056】
ディスク基板1は、内径15mmのセンターホール41が穿設され、厚さ1.2mm、外径120mmのポリカーボネート製ディスク基板とした。
ディスク基板1は、その一主面に、溝状の凹凸が形成され、この上に、厚さ100nm程度の相変化記録材料が形成された第1の情報記録層11を形成した。そして、この上に厚さ25μm程度の紫外線硬化型粘着剤による中間層51を形成した。この中間層に転写基板3を押し当てることによりその転写凹凸の転写すなわち信号転写が可能な状態となっている。
【0057】
転写基板3は、内径8.5mm、外径120mm、厚さ0.6mmの形状を有し、ポリオレフィン材料によって形成した。
この転写基板3は、その一方の面に、ディスク基板1上に、記録情報に基く凹凸パターンを転写するための、転写凹凸パターンが形成されている。
【0058】
センターピン5は、先端側に先端に向かって小径とされた第1のテーパー部5T1 を有し、その大径側に、大径の第2のテーパー部5T2 が形成された2段構造とした。
テーパー部は、高さ4mmで、第1のテーパー部5T1 は、高さ2mmで、先端径が8.4、下部径が8.6、第2のテーパー部5T2 は、その小径側の径が14.9mm、下側の径が15.1mmとした。
このセンターピン5には、レバー10が連結され、これによって上下移動される構成とされている。
弾性押圧体7Pは、シリコンゴムよりなる底面の直径が210mm、高さ100mmとした。
【0059】
この本実施例での具体的な手順は、次の通りとした。
まず、ディスク基板1をセンターピン5の第2のテーパー部5T2 に、情報記録層の転写がなされる側の面を基板載置台6とは反対側に配置した。このとき、センターピン5の第2のテーパー部5T2 の外径が、ディスク基板1のセンターホール41の内径と一致したところで保持される。その後、基板載置台6とディスク基板1が平行になるように軽く押す。
ディスク基板1が基板載置台6と平行になった状態で固定されれば、ディスク基板1のセンターホール41の中心軸と、センターピン5の中心軸が一致した状態となる。
【0060】
次に、転写基板3をセンターピン5の上端の第1のテーパー部5T1 に保持させる。このとき、転写基板3は、その転写凹凸パターンを有する側を、ディスク基板1と対向る側に配置する。この転写基板3に関しても、センターピン5の第1のテーパー部5T1 の外径が、ディスク基板1のセンターホール42の内径と一致したところで保持される。その後、基板載置台6とディスク基板1が平行になるように軽く押すことにより、センターホール42の中心軸と、センターピン5の中心軸が一致した状態とすることができる。
【0061】
その後、センターピン5をレバー10により基板載置台6内に降下させる。このときに、ディスク基板1が真空吸着により基台載置台6に固定される。吸着されたディスク基板1は、センターピン5に対して中心軸が一致している状態のまま基板載置台6に保持される。
【0062】
センターピン5をそのまま降下させて行く。転写基板3がセンターピン5に対して中心出しがなされた状態のままでディスク基板1上の紫外線硬化型粘着剤に接する。このとき、転写基板3は、紫外線硬化型粘着剤による中間層51によりディスク基板1と接着され、センターピン5中心軸と転写基板3の中心軸が一致した状態のままで保持される。
【0063】
その後、押圧手段の押圧体7Pのパッドを転写基板3の背面から押し当てることにより、転写基板3を中間層51に押し当てる。これにより、転写基板3の構造を中間層51の全面に押し当てる。
【0064】
押圧体7Pにより転写基板3を紫外線硬化型粘着剤による中間層51に十分押し当てた後、押圧体7Pを剥離する。このようにして転写基板3の押圧を完了する。
【0065】
その後は、転写基板3を押圧した状態のディスク基板1に紫外線を照射することにより、紫外線硬化型粘着剤の中間層51に転写基板3の転写凹凸パターンを転写し、転写基板を剥離することにより転写を完了する。
【0066】
この実施例1による2層光ディスクを作製したときの、各層の偏芯量を測定した結果を、表1に示す。表1は、ディスク基板1のセンターホール41に対するディスク基板1側に形成されている第1の情報記録層(以下L0と称す)、この上に積層された第2の情報記録層(以下L1と称す)の各偏芯量の測定結果を示している。また、表1には、従来のスピンコーティングによる2層ディスク作成法による偏芯量を併記してある。
【0067】
【表1】
【0068】
表1に示すように、実施例1による2層光ディスクは、従来方法による2層光ディスクと比較してL1層の偏芯量が小さくなり、本発明の効果が示された。
【0069】
〔実施例2〕
この実施例では、実施例1と同様の製造装置およびディスク基板1を用いた。
この実施例においては、先ず、ディスク基板1と転写基板3に存在する、センターホールに対する記録信号部の偏芯量を測定した。この測定により、各基板1および3について、信号が周内方向のどちらに偏っているが分かる。その後、層間の偏芯量が最小になるように各基板をセンターピンに配置した。具体的には、ディスク基板1および転写基板3の偏っている方向が一致するようにセンターピン5にディスク基板1および転写基板3を設置した。
【0070】
その後の転写過程は、実施例1と同様に行った。
表2に、この実施例2により作製した2層光ディスクの、各偏芯量の測定結果を示す。
【0071】
【表2】
【0072】
この実施例により、層間の偏芯を10μmという小さい値にできることが分かった。また、この実施例は、実施例1と同様の方法で2層光ディスクを作製したことから、各層のディスク基板1センターホールに対する偏芯量も、実施例1に示されるように小さい。
【0073】
〔実施例3〕
この実施例で用いた装置の基本構造は、図10に示すように、実施例1に、ディスク基板1を基板載置台6の基板載置面6Sと平行に保つ治具8を設けた場合である。
【0074】
この実施例では、リング形状の水平保持治具8を、基板載置台6上に配置した。この水平保持治具8は、基板載置台6内に沈む構造を持つ。また、リング状の水平保持治具8は、センターピンを中心に、内径の異なる2組が配置されていて、それぞれディスク基板1および転写基板3の平行を出すために用いられる。
【0075】
この実施例では、2つの水平保持治具8を用いるために、ディスク基板1および転写基板3の外形を変えている。具体的には、ディスク基板1の外径を120mm、転写基板3の外径を128mmとした。
そのほかは、実施例1と同様とした。
【0076】
すなわち、ディスク基板1として、内径15mmのセンターホールが穿設された、厚さ1.2mmのポリカーボネート製ディスク基板1を用いた。ディスク基板1の一主面に、溝状の凹凸が形成され、この凹凸面上に、100nm程度の相変化記録材料が形成された第1の情報記録層11を形成した。そして、この上に厚さ25μm程度の紫外線硬化型粘着剤による中間層51を形成した。この中間層に転写基板3を押し当てることによりその転写凹凸の転写。すなわち信号転写が可能な状態となっている。
【0077】
転写基板3は、内径8.5mm、外径120mm、厚さ0.6mmの形状を有し、ポリオレフィン材料によって形成した。
この転写基板3は、その一方の面に、ディスク基板1上に、記録情報に基く凹凸パターンを転写するための、転写凹凸パターンが形成されている。
また、押圧体7Pも実施例1と同様の構成とした。
【0078】
次に、この実施例において行った製造手順を説明する。
まず、ディスク基板1を、センターピン5の下側の第2のテーパー部5T2 に置く。このディスク基板1をの設置は、その情報記録層を有する側を基板載置面6Sとは反対側に向けて配置した。
この場合、前述したと同様に、ディスク基板1のセンターホールの内径とテーパーの外径が一致したところで止まる。このとき、平行治具すなわち水平保持治具8がディスク基板1に接触することにより、ディスク基板1が水平状態に保たれる。ディスク基板1が基台載置台6と平行になった状態で固定されれば、ディスク基板1センターホール中心軸とセンターピン5の中心軸が一致した状態となる。
【0079】
次に、転写基板3をセンターピン5の第1のテーパー部あ5T1 で保持させる。転写基板3は、転写信号が存在する面すなわち転写凹凸を有する面をディスク基板1と対向させて配置する。
このときも、ディスク基板1の設置時と同様に、転写基板3と基板載置台6が平行になるように平行治具すなわち水平保持治具8に転写基板3を接触させる。
【0080】
その後、センターピン5をレバー10により基板載置台6内に降下させる。このとき、水平保持治具8も基板載置台6内に降下する。この働きにより、ディスク基板1および転写基板3が平行を保ったままで基板載置台6上に近づく。
【0081】
センターピン5が、基板載置台6に降下すると、先ずディスク基板1が真空吸着により基台載置台6に吸着固定される。このとき、ディスク基板1は、センターピン5に対して軸心が一致している状態で基板載置台6に保持される。
【0082】
センターピン5をそのまま降下させてゆくと、転写基板3がセンターピン5に対して中心出しされた状態のままでディスク基板1上の紫外線硬化型粘着剤すなわち中間層にに接する。このとき、転写基板3は中間層によりディスク基板1と接着され、センターピン5中心軸と転写基板3の中心軸とが一致した状態のままで保持される。
【0083】
その後、押圧体7Pを転写基板3に押し当てることにより、転写基板3を中間層の紫外線硬化型粘着剤に押し当てる。これにより、転写基板3の転写凹凸パターンが中間層に転写されこれに凹凸パターンすなわち信号部が形成される。
【0084】
押圧体7Pを十分押し当てた後、押圧体7Pを剥離して転写基板3の押し当てが完了する。
その後は、転写基板が押し当てられた状態のディスク基板1に紫外線を照射することにより、第2の情報記録層を構成する凹凸パターンの転写が完了する。
【0085】
この実施例3によって2層光ディスクを作製したときの、各層の偏芯量を測定した結果を表3に示す。従来のスピンコーティングによる2層光ディスク作製法による偏芯量を併記した。
【0086】
【表3】
【0087】
表3に示すように、この実施例においても、従来方法による場合に比しL1層の偏芯量が小さくなり、本発明の効果が示された。
【0088】
このように、本発明方法およびこれを実施する本発明装置によれば、ディスク基板のセンターホールに対する上層の情報記録層の偏芯量の低減化を図ることができる。更に、転写基板3とディスク基板1の回転方向の規定によって、積層された光情報記録層相互の情報部間の偏芯についてもその改善が図られる。
【0089】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、ディスク基板のセンターホールに対する上層の情報記録層の偏芯量の低減化を図ることができ、更に、転写基板3とディスク基板1の回転方向の規定によって、積層された光情報記録層相互の情報部間の偏芯についてもその改善が図られることから、記録再生装置が、ディスクのセンターホールを中心とする回転駆動による場合でも、チャッキングプレートが搭載される駆動態様が採られる場合のいずれにおいても、偏芯によるトラッキングエラーを改善でき、高密度のいわゆる次世代多層光ディスクにおいても確実に記録再生を行うことができる多層光ディスクを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製造方法および装置によって得る多層光ディスクの一例の要部の概略断面図である。
【図2】本発明製造方法の一例の一工程における概略断面図である。
【図3】AおよびBは、それぞれ本発明製造方法の一例の一工程における概略断面図である。
【図4】本発明製造方法および装置によって得る多層光ディスクの他の一例の要部の概略断面図である。
【図5】本発明装置の一例の概略断面図である。
【図6】AおよびBは、本発明装置のセンターピンの各例の側面図である。
【図7】A〜Dは、本発明装置の動作図である。
【図8】本発明装置の他の例の概略断面図である。
【図9】本発明装置の更に他の例の概略断面図である。
【図10】本発明装置の更に他の例の概略断面図である。
【図11】光ディスクの偏芯状態の説明図である。
【符号の説明】
1・・・ディスク基板、2・・・転写凹凸パターン、3・・・転写基板、4・・・保護層、5・・・センターピン、5T1 ・・・第1のテーパー部、5T2 ・・・第2のテーパー部、6・・・基板載置台、6S・・・基板載置面、7・・・押圧手段、7P・・・押圧体、8・・・水平保持治具、9・・・吸着手段、10・・・レバー、11・・・第1の情報記録層、12・・・第2の情報記録層、13・・・第3の情報記録層、21・・・第1の凹凸パターン、22・・・第2の凹凸パターン、23・・・第3の凹凸パターン、31・・・第1の材料層、32・・・第2の材料層、33・・・第3の材料層
【発明の属する技術分野】
本発明は、ROM(Read Only Memory) 型または/およびRAM(Random Access Memory) 型または/およびR型(Write Once)型の複数の光情報記録層が積層されて成る多層光ディスクの製造方法および多層光ディスクの製造装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
大記録容量の光ディスクとして、複数の光情報記録層が積層された構成による多層光ディスクの提供がなされている(例えば特許文献1参照)。
多層光ディスクにおいて、光情報記録層が高記録密度化されるに伴い、各光情報記録層に対する記録または/および再生(以下、単に記録再生と呼称する)がなされる記録再生装置のピックアップ装置による照射光は、記録トラック位置に対する追従、すなわちトラッキングに高い精度が要求される。したがって、高記録密度多層光ディスクにおいて安定した記録再生を行うには、各光情報記録層の偏芯は、より厳しく制限される。
【0003】
通常、この多層光ディスクの製造においては、各光情報記録層を構成する基板の中心孔すなわちセンターホールを、基準センターピンに嵌合させることによって一致させて積層合体させるものであるが、実際には、センターホールの穿設の位置精度、このセンターホールの軸心と、光情報記録層の有効情報記録領域との位置関係の精度に依存し、必ずしも歩留り良く、しかも充分高い精度をもって偏心量の低減化を図ることができない。
【0004】
この偏芯量の規定は、この多層光ディスクの記録再生装置におけるディスク駆動のディスク保持機構によって異なる。例えば2層の情報記録層を有する光ディスクの場合、ディスク中心に穿設されたセンターホールで位置設定がなされて回転する駆動態様による場合、各情報記録層の偏芯は、センターホールの中心からの偏芯量である場合が代表的である。すなわち、図11に示すように、センターホール100Cと同芯の円100に対し、例えば下層および上層の情報記録層が左および右に破線101および102で示すように、変位している場合、下層情報記録層のピーク・トゥ・ピーク(以下PPと記す)の偏芯量は、a1 +a1 ’であり、上層情報記録層の偏芯量(PP)は、a2 +a2 ’である。
これに対し、光ディスク上にチャッキングプレートを搭載する保持機構によるときは、情報記録層間の偏芯が問題となるものであり、両層間の偏芯量(PP)は、a1 +a2 となる。
【0005】
ところで、通常の、多層光ディスク、例えば第1および第2の2層の光情報記録層が積層された光情報記録ディスクの製造方法としては、それぞれ例えば射出成形によってセンターホールが形成されると共に、その各一主面の情報部に、所要の凹凸、例えば記録ピットや、案内溝等のグルーブ等を構成する凹凸パターンが形成された第1および第2のディスク基板が用意される。
これらディスク基板の第1および第2の光情報記録層は、それぞれ凹凸パターンの形成面に、反射膜や、例えば相変化材料層等を蒸着、スパッタ、スピンコート等によって形成されることによって情報の記録層が構成される。
【0006】
そして、第1の基板のセンターホールに、センターピンを挿入させることによって、この基板を所定位置に設定し、この基板の、第1の光情報記録層を有する主面上にスピンコートによって例えば紫外線硬化樹脂による中間層を塗布する。
この状態で第2の基板を、その光情報記録層の形成面を中間層側として、第1の基板上に、第2の基板をそのセンターホールに、同様のセンターピンに挿入し、第2の基板を、第1の基板側、すなわち中間層側に押圧して、中間層によって第1および第2の両基板を接合一体化する。
このようにして、2層の光情報記録層が積層された光情報記録ディスクを作製する。
【0007】
このような方法によって作製した、多層光ディスクは、第1および第2の両基板間の実質的偏芯量は、極めて大となる。
すなわち、この方法による場合、第1の光情報記録層を構成する基板における、そのセンターホールに対する第1の光情報記録層の信号部の偏芯量をα1 とし、第2の光情報記録層を構成する基板における、そのセンターホールに対する第2の光情報記録層の信号部の偏芯量をα2 とし、第1および第2の基板とこれらを保持するセンターピンの遊びすなわちクリアランスをそれぞれβ1 およびβ2 とするとき、上述したセンターピンを基準とする第1および第2のディスクの貼合わせによる製造方法によって得た多層光情報記録層ディスクにおける偏芯量は、上側の第2の基板における第2の光情報記録層の偏芯量は、最大α2 +β1 +β2 となる。したがって、いま、α1 およびα2 の偏芯量が30μm、β1 およびβ2 の偏芯量(PP)が20μmであるとすると、上述した方法による場合、上層の第1の光情報記録層の偏芯量は、最大70μmとなる。
また、例えば一方、例えば第1の情報記録層の信号部を偏芯基準としたとき、第2の情報記録層の信号部の偏芯量は、最大α1 +α2 +β1 +β2 となり、極めて大きな偏芯量となる。
【0008】
因みに、例えばDVD(Digital Versatile Disc)の規格書によれば、2層DVDにおける偏芯量は、PPで100μmと規定されている。このDVDに比し、より高密度化が図られている例えば照射光が405nm、対物レンズの開口数N.A.が0.85による高密度のいわゆる次世代光ディスクにおいては、より小さい偏芯量の、PPで75μm以下の偏芯量が要求される。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−260307号公報(第50頁、段落番号〔0075〕から〔0077〕)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高密度記録による複数の光情報記録層が積層されてなる多層光ディスクにおいて、その各光情報記録層のそれぞれの偏芯量の改善、および複数の光情報記録層間相互の偏芯量の低減化を図り、更に複数の光情報層の積層形成において、信号等観察をすることなく、短時間で、偏芯量の小さいる多層光ディスクを得ることができるようにした多層光ディスクの製造方法および多層光ディスクの製造装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の光情報記録層が積層されて成り、少なくとも1層の光情報記録層が、情報部を構成する凹凸パターンの形成された中間層を有する多層光ディスクの製造方法であり、中間層に、情報部を構成する凹凸パターンの反転による転写凹凸パターンを有する転写基板を押圧して、転写凹凸パターンの転写いよって情報部を構成する凹凸パターンを形成する凹凸パターンの形成工程を有する。
この凹凸パターンの形成工程は、互いに内径が相違するセンターホールを有する、光情報記録層が積層されるディスク基板と、転写凹凸パターンを有する転写基板とを用意し、更に、凹凸パターンの形成工程に先立って、ディスク基板と転写基板の両基板の位置関係を設定する位置設定工程が採られる。
【0012】
この位置設定工程は、外周に円錐状テーパ部を有するセンターピン上に、ディスク基板と転写基板とを、その大なる内径のセンターホールを有する基板、小なる内径のセンターホールを有する基板の順に、かつディスク基板の光情報記録層を積層形成する面と転写基板の転写凹凸パターンを有する面とを、これら面間に中間層を介在させて対向させるように、センターピンの小径側から嵌挿し、両基板の各センターホールの内径とセンターピンの外径とがそれぞれ一致する位置で両基板を、センターピンの軸心に沿う各位置で設定させる。
【0013】
そして、センターピンを、両基板を相互に回転させることなく軸心方向に沿って大径側に移動させ、その移動途上において、内径が大のセンターホールを有する一方の基板を、基板載置台に衝合させて設定する工程と、更に、センターピンの移動によって、中間層の介在のもとに、内径が小のセンターホールを有する他方の基板を、先の一方の基板に近接対向ないしは対接させる工程とを経る。
その後、両基板を押圧して、上述した中間層に対する凹凸パターンの形成を行う。
【0014】
また、本発明は、複数の光情報記録層が積層されて成り、少なくとも1層の光情報記録層が、情報部を構成する凹凸パターンの形成された中間層を有する多層光ディスクの製造装置であり、それぞれセンターホールが形成され、その内径が互いに相違する、光情報記録層が積層されるディスク基板と、凹凸パターンを形成する転写凹凸パターンを有する転写基板とが用いられる。
そして、本発明装置においては、外周に先端側に向かって小径をなす円錐状テーパ部を有し、軸心に沿って大径側に移動可能とされたセンターピンと、このセンターピンの円錐状テーパ部の大径側への移動途上に配置された基板載置台とを有して成る。
【0015】
センターピンは、このセンターピンの先端側から、両基板のうち、大なる内径のセンターホールを有する基板、小なる内径のセンターホールを有する基板の順に、嵌挿することによって、両基板の各センターホールの内径とセンターピンの外径とがそれぞれ一致する位置で両基板を、センターピンの軸心に沿う各位置に、それぞれ設定させる構成を有し、センターピンにおける両基板の設定を、光情報記録層を積層形成する面と転写凹凸パターンとが、中間層を介在させて対向させた状態で設定するようになされる。
【0016】
そして、この設定状態で、センターピンを大径方向に移動させ、その移動途上において、大なる内径のセンターホール有する基板を基板載置台上に載置し、続くセンターピンの大径方向への移動位置において、他方の基板を、基板載置台上に載置された基板上に配置する。
このようにして、両基板間を中間層の介在のもとで押圧し、この中間層に転写パターンの凹凸パターンを転写形成するものである。
【0017】
上述した本発明製造方法および本発明装置によれば、光情報記録層を積層形成するディスク基板と、凹凸パターンを形成する転写基板とに互いに異なる内径を有するセンターピンを形成し、これら基板を円錐状テーパ部を有する共通のセンターピンに嵌挿して、それぞれのセンターピンの内径と、円錐状テーパ部の外径とが一致する位置に、両基板を設定するものであるが、この円錐状テーパの加工精度は高精度に行うことができることによって、両基板を高精度をもって、同一軸心上に配置される。
そして、この状態で、センターピンを軸方向移動させるものであるが、この場合、上述したセンターホールの内径と、センターピンの外径とが一致した状態での移動であることから、両基板は、その軸心位置が一致された状態で、移動される。したがって、センターピンの移動によって一方の基板を基板載置台に設定し、続いて、他方の基板を、これに接近させるものであるが、両者は、その軸心位置が正確に一致された状態を保持することができる。
したがって、転写基板とディスク基板の押圧によって、両者間に介在させた中間層に対する情報部を構成する凹凸パターンを高精度をもって形成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明による多層光ディスクの製造方法および製造装置は、ディスク基板上に形成した第1の光情報記録層上に、更に、光情報記録層を積層形成するものであるが、この上層すなわち第2の光情報記録層を構成する記録ピットや、例えばトラッキング案内溝等の凹凸パターンを、ディスク基板上の第1の光情報記録層上に形成された中間層に対して転写基板を押圧して、この転写基板の転写凹凸パターンを中間層に転写することによって形成する。そして、これら積層を高い精度をもって行い、多層光情報記録層の相互の偏芯量を効果的に低減させるものである。
【0019】
本発明製造方法の一実施形態を説明する。
まず、その理解を容易にするために、本発明方法において、その偏芯量についての考慮を導入しない場合での、多層光ディスクの製造方法の基本的方法を、図1の多層光ディスクの一例の要部の概略断面図と図2および図3の工程図を参照して説明する。しかしながら、本発明は、その基本的方法においても、この例に限定されるものではない。
【0020】
図1に示される多層光ディスクにおいては、第1および第2の光情報記録層11および12を有して成る。
この例では、ディスク基板1の一主面に第1の光情報記録層11が形成されている。
この第1の情報記録層11は、図2に示すように、ディスク基板1を例えば射出成形によって形成し、その成形時に、第1の情報記録層11を構成する第1の凹凸パターン、例えばトラッキング用のグルーブや、情報ピットによる凹凸パターン21がディスク基板1の成形と同時に成形される。
この凹凸パターンは、このような射出成形によらず、例えばディスク基板1上に、紫外線硬化樹脂層等を形成し、いわゆる2P法(Photopolymerization 法) によって第1の情報記録層を構成する凹凸パターンを形成することもできる。
そして、この凹凸パターン上に反射膜や情報記録層の例えば相変化材料層等の第1の材料層31が被着形成されて第1の情報記録層11が形成される。
【0021】
そして、この第1の情報記録層11上に、第1の中間層51を堆積する。
この第1の中間層51の表面に、図3Aに示すように、第2の情報記録層12を構成するグルーブや、情報ピットによる第2の凹凸パターン22を形成する。
この第2の凹凸パターン22の形成は、図2に示すように、第1の中間層51に形成すべき凹凸パターン22が反転した転写凹凸パターン2を有する転写基板3を、第1の中間層51に対して押圧することによって形成する。
【0022】
図3Bに示すように、第2の凹凸パターン22上に、反射膜や光情報記録層の例えば相変化材料層等の第2の材料層32が被着形成されて第2の情報記録層12が形成される。
そして、この最上層の第2の光情報記録層12上に、光透過性の保護層4を形成する。
【0023】
上述した例では、第1および第2の光情報記録層11および12の2層による多層光ディスクであるが、2層以上の例えば図4にその一例の概略断面図を示すように、3層の光情報記録層11〜13が形成された多層光ディスクを構成する場合等に適用できる。この場合においては、図2および図3で説明した工程の後に、この第2の光情報記録層12上に、更に第2の中間層52が形成される。
そして、この第2の中間層22に対して、第3の光情報記録層13を構成する第3の凹凸パターンが反転した転写凹凸パターンを有する転写基板(図示せず)によって第2の中間層22に対してその転写凹凸パターンを押圧することによって第3の光情報記録層を構成する凹凸パターン23を形成し、これに反射膜や光情報記録層の例えば相変化材料層等の第3の材料層33を形成することによって第3の光情報記録層13を形成し、この上に、光透過性の保護層4を形成する。
【0024】
本発明による多層光ディスクの製造方法で適用される方法の基本的方法では、上述したように、中間層に対する各情報記録層を構成する凹凸パターンの形成を、これら凹凸パターンの反転凹凸パターンによる転写凹凸パターンを有する転写基板、いわゆるスタンパの押圧によって形成する方法が適用される。
【0025】
これら中間層51および52は、光透過性を有する材料層によって構成される。これら中間層51および52は、紫外線硬化樹脂の塗布、紫外線硬化フィルムの堆積、紫外線硬化粘着材の塗着等によってディスク基板1上に配置もしくは被着される。しかしながら、これら中間層は、これら中間層に対する押圧転写がなされる転写基板3の転写凹凸パターン2側に、配置して置くこともできる。
そして、転写基板の押圧工程の後に、中間層に対して例えば紫外線照射等による硬化処理を行う。この中間層は、固体、液体、ゲル状を問わない。
その後、転写基板を、各硬化処理後に、各中間層から剥離する。すなわち、中間層は、転写基板の転写凹凸パターンからの剥離性が、ディスク基板上に形成されている光情報記録層に対する剥離性に比して充分高い。
【0026】
これら中間層51、52に対する硬化処理の紫外線照射は、ディスク基板1もしくは上述した各転写基板の例えば一方を、例えばプラスチックによる光透過性とし、これらディスク基板1もしくは転写基板を通じて行うことができる。
この場合、転写基板が光透過性を必要としない場合は、金属スタンパとすることができる。
【0027】
また、この中間層51および52は、上述したように、押圧工程および硬化処理の後において、転写基板を中間層51および52から、容易に、かつ各中間層51および52の表面性を阻害することなく剥離することができるように、転写基板に対して剥離性に富む材料によって構成する。
【0028】
このような剥離性を得る方法としては、上述した紫外線硬化性フィルムによる中間層21、22に対して接着性に劣る、すなわち剥離性を有する例えば環状ポリオレフィンによって転写基板を構成するとか、その転写凹凸パターン表面に形成する。あるいは中間層21、22を構成する上述した紫外線硬化性フィルムや紫外線硬化性粘着材との接着性を低下させる方法が採られる。具体的には、紫外線これらの分子量を高める、すなわち硬度を上げることによって接着性を下げるなどの方法を採ることができる。
しかしながら、この場合、第1および第2の中間層の、第1および第2の情報記録層に対する被着強度が低下するおそれがある場合においては、これら中間層を2層構造とし、下層側に、第1および第2の情報記録層に対して接着性の高い例えば紫外線硬化フィルムを配置し、転写基板との剥離性が良い紫外線硬化フィルムを配置する。
この場合、一方の紫外線フィルムのみを硬化した状態で貼り合わせることによって両者の接着力を高めることができる。
【0029】
転写基板は、上述した環状ポリオレフィンに限られるものではなく、例えばポリカーボネート(PC)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、鎖状ポリオレフィン樹脂、変成アクリル樹脂等によって構成することができる。
【0030】
また、保護層4は、紫外線硬化樹脂をディスク基板1の最上層に直接スピンコートし、紫外線照射によって形成することができる。
あるいはポリカーボネート(PC)樹脂等のプラスティックフィルムをディスク基板1の最上層に貼り付けることによって保護層4の形成を行うことができる。このプラスティックフィルムの貼り付け方法としては、紫外線硬化樹脂層を介して貼着し、この紫外線硬化樹脂層を紫外線照射によって硬化する方法、あるいはプラスティックフィルムを粘着剤を介して貼着する方法、または紫外線硬化フィルムを貼合わせ、これ自体紫外線照射によって硬化することによって保護層4とするなどの方法によることがある。
【0031】
この多層光ディスクの、各情報記録層に対する記録再生は、図1、図4に、矢印Lをもって模式的に示すように、保護層4側からの光照射、例えば380nm〜450nm、例えば405nmのレーザ光の照射を、各情報記録層に対して所要の集光がなされるように、対物レンズ(図示せず)の焦点位置の選定によって行う。
すなわち、保護層4および中間層21、22は、照射光Lに対し光透過性とされ、この光照射方向に関して最も深い位置にある第1の情報記録層11以外の情報記録層12、13は、例えば所要の反射率および透過率を有する構成とし、例えば第1の情報記録11は十分高い反射率を有する構成とすることができる。
【0032】
ところで、実際の光ディスクの記録再生装置では、光ディスク上の記録情報を読み出す、すなわち再生するには、光ディスク上に渦巻状に記録された記録トラック上に沿って光ピックアップによる再生光を走査して、記録トラック上の記録情報を再生する。このとき、渦巻状に記録された情報は、隣合う信号間の距離が極めて小さく、およそ1μm以下であるため、隣り合う記録トラックは、ほぼ同心円とみなすことができる。光ピックアップのトラッキング性能等には、限界があることから、特に高密度記録による多層光ディスクにおいては、各情報記録層ごとの情報記録トラックは、上述した同心円からのずれ、すなわち、偏芯量ができるだけ小さいことが必要となる。
【0033】
そこで、本発明製造方法においては、上述した各中間層に対して凹凸パターンを形成する転写基板の押圧工程における各転写基板とディスク基板との位置関係の設定において、両基板の偏芯量に基く、上述したディスク基板1上に形成されている例えば第1の光情報記録層11と、その後、転写基板によって転写形成される第2の光情報記録層12以降とを、最小の偏芯量にとどめることができるようにする。
【0034】
すなわち、本発明製造方法においては、光情報記録層を形成するディスク基板と転写基板とを、同一軸心の円錐テーパ部を外周に形成したセンターピンを、両基板のいわば保持治具とするものであり、このようにすることにより両基板を同一軸心上に配置する。ディスク基板の、光情報記録層を形成する側の面あるいは転写基板の転写凹凸パターンを有する面、もしくはその両面に、転写凹凸パターンの押圧によって凹凸パターンの転写を行うことができる中間層を塗布もしくは配置する。そして、この状態を維持したままディスク基板と転写基板とを、押圧して、両基板間の中間層に凹凸パターンの転写を行うものであり、このようにすることによって、各光情報記録層間の偏芯量を低減することをを基本原理とするものである。
【0035】
本発明装置の一例を、図5に示す一部を断面とする構成図を参照して説明する。
本発明装置は、互いに内径が相違するセンターホール41および42を有するディスク基板1と、凹凸パターンを形成する転写凹凸パターン2を有する転写基板3とが用いられる。
一方、センターピン5が例えば垂直方向に配置される。このセンターピン5は、その軸心方向すなわちこの例では垂直方向に移動できる可動センターピン構成とする。
このセンターピン5は、その外周にセンターピン5の先端に向かって小径をなす円錐状テーパ部5Tが形成され、更に、大径側にこの大径と同一外径を有する円筒面状部5Cが形成される。
このセンターピン5は、図6Aで拡大して示すように、その円錐状テーパ部5Tが、小径の第1の円錐状テーパ部5T1 と、この第1の円錐状テーパ部5T1 の大径端より更に大径の第2の円錐状テーパ部5T2 とが同軸心に一体に形成された構成とした場合である。
因みに、同軸心をもって形成される円錐状テーパ部5T、すなわち第1および第2の円錐状テーパ部5T1 および5T2 の外周面は、全体として高精度をもって軸心に対して無限対称に、すなわち各部一様に同一軸心として加工形成することができる。
【0036】
そして、このセンターピン5の大径側への移動途上に、水平方向に基板の際し面6Sを有する基板載置台6が配置される。この基板載置台6の中心には、この基板載置台6の基板載置面と直交するすなわち垂直方向に延びるセンターピン5の案内孔7が穿設され、この案内孔7内にセンターピン5が挿通されて、センターピン5がこの案内孔7内に沿って、すなわちその軸心方向に沿って移動可能に構成される。
基板載置台6には、その基板載置面には、基板を吸着固定する吸着手段9、例えば真空ポンプによって排気される複数の細孔が配列され手成る吸着手段、静電的もしくは磁気的吸着手段が配置される。
【0037】
一方、ディスク基板1と転写基板3との押圧を行う押圧手段7を設ける。この押圧手段7は、例えば円盤状の押圧パッド等の弾性押圧体7Pが、その支持体7Sによって支持され、かつ所要の押圧力をもって下方に移動するように構成される。
弾性押圧体7Pは、シリコンゴム、ウレタンゴム、ゲルなどの弾性パッド、あるいはローラーによって構成される。
そして、基板載置台6は、この押圧手段7の押圧パッド7P下に移動することができる移動台構成とされる。
【0038】
次に、図7を参照して、この本発明装置によって、ディスク基板1上に、情報記録層を積層形成する方法と同時に、本発明装置の各部の変形例とについて説明する。
【0039】
この例では、センターピン5に対するディスク基板1と、転写基板3との設定を、基板載置台6側にディスク基板1を配置し、この上に転写基板3が配置されるようにした場合である。したがって、この場合、ディスク基板1のセンターホール41の内径が、転写基板3のセンターホール42の内径より大に選定される。
ディスク基板1には、例えば図3Aで説明したように、第1の光情報記録層11が形成されている。そして、この例では、このディスク1の第1の光情報記録層11上に、前述した材料および構成による中間層51が配置されている。
【0040】
まず、図7Aに示すように、第2の大径の円錐状テーパ部5T2 に、ディスク基板1を、そのセンターホール41にセンターピン5を嵌挿して配置する。このとき、円錐状テーパ部5T2 の外径と、センターホール41の内径が一致する位置で保持される。すなわちディスク基板1の中心軸と、センターピン5の軸心とが正確に一致した状態で、ディスク基板1の板面がセンターピン5と直交する水平面に配置保持される。
【0041】
しかしながら、この場合、基板1が、センターピン5に対して垂直に即座に設定されるように、図8に示すように、基板載置面6Sに水平保持治具8を、複数個例えば3個センターピン5を中心に等角間隔をもって基板載置面6Sから突出および後退するように出没可能に配置することができる。
この水平保持治具8は、後述するセンターピン5の大径部側移動による基板載置台6内への移動と同時に基板載置面6Sから後退もしくは後退排除させるか、あるいは基板載置面6S上に例えばディスク基板1が載置される直前等に後退排除させる。
【0042】
次に、図7Bに示すように、転写基板3をセンターピン5に、転写基板3のセンターホール42内に、径の第1の円錐状テーパ部5T1 を嵌挿させて配置する。このときにおいても、第1の大径の円錐状テーパ部5T1 の外径と、転写基板3のセンターホール42の内径が一致する位置で、転写基板3が保持される。すなわちディスク基板1の中心軸と、センターピン5の軸心とが正確に一致した状態で、ディスク基板1の板面がセンターピン5と直交する水平面に配置保持される。
この場合においても、図示しないが、転写基板3の板面が即座にセンターピン5の軸心と直交する、水平面上に配置する水平保持軸を配置することができる。
【0043】
このようにして、ディスク基板1および転写基板3は、センターピン5のテーパー部5Tによって、それぞれセンターピン5の軸心と一致され、したがって、両基板1および3は相互にその中心軸が一致される。
【0044】
このように、ディスク基板1および転写基板3の中心軸の一致が図られて後、図7Cに示すように、センターピン5を、その軸心に沿って後退、基板載置台6に沈み込ませる。このようにすると、ディスク基板1および転写基板3も同時に基台載置台6に近付き、先に大径の第2の円錐状テーパ部5T2 で保持されているディスク基板1が、先に基台載置台6の基台載置面6S上に衝合して停止する。この状態で、ディスク基板1は、転写基板3およびセンターピン5との中心が一致した状態のまま、基台載置台6の基板載置面6Sに、例えば吸着手段9によって保持される。
その後、もしくはその前に、基板載置台6を例えば図5で示した押圧手段7の弾性押圧体7P下に移動させる。
【0045】
そして、図7Dに示すように、この弾性押圧体7Pを降下して、転写基板3を基台載置台6上のディスク基板1に向かって押圧して、中間層51に、転写基板3の転写凹凸パターン2を転写し、情報記録層を構成する凹凸パターンを転写形成する。
このとき、転写基板3は、センターピン5によって、その軸心位置が保持された状態で、すなわちセンターピン5の軸心と一致し、これによってディスク基板1の軸心と一致した状態で、ディスク基板1上の中間層51に押圧されるように、センターピン5と共に降下させる。
【0046】
このように、センターピン5は、ディスク基板1および転写基板3と共に移動、すなわち降下させることが必要となる。このセンターピン5の移動降下は、弾性押圧体7Pが、転写基板3に衝合してこれを押圧する動作によって、センターピン5の先端に直接的衝合させるか、あるいは転写基板3を介してセンターピン5に伝達して、センターピン5を強制的に転写基板3と共に降下させるようにすることができる。
あるいは、例えば弾性押圧体7Pの降下の動きを、例えば図9に示すように、センターピン7Pに連結したレバー10に伝達させてセンターピン7Pの降下動作を行うようにすることができる。
【0047】
尚、中間層として液体状の材料を扱う際は、転写基板3中間層51に押し当てた後に、中間層51の粘度により転写基板3が動かないうちに中間層51を硬化する必要がある。そのために、弾性押圧体7Pによって転写基板3を押圧した後、ディスク基板1を、基板載置面6Sに保持したままで直ちに紫外線を照射して、更に転写基板3に、関してその位置を設定維持することができる機構を付加することによって、中間層51と転写基板3間のずれを防ぐ。
【0048】
このようにして、ディスク基板1と転写基板の中心を一致させたままで、転写基板3の記録情報に基く転写凹凸パターンの信号を中間層51に転写することができる。すなわち、層間偏芯を効果的に小さくすることができる。
【0049】
例えば2層の情報記録層による光ディスクを作製する場合、ディスク基板1に存在するセンターホール41に対する信号部の偏芯量をα1、転写基板3に存在するセンターホール42に対する信号部の偏芯量をα2、センターピン5に対するディスク基板1および転写基板3の各センターホール41および42のそれぞれのクリアランスをβ1およびβ2とすると、上述の本発明方法および本発明発明装置によるときは、センターピン5のテーパ部とセンターホール41および42の一致による保持によることから、β1およびβ2は0とみなすことができる。
また、ディスク基板1と転写基板3の中心位置は一致しているため、完成した2層ディスクのセンターホールに対する各層の偏芯量は、各々のセンターホールに対する偏芯量がそのまま維持される。
【0050】
すなわち、多層ディスクを作製した状態でも、下の層の持つ、多層ディスクのセンターホールに対する偏芯量はα1のままであり、上の層の持つ多層ディスクのセンターホールに対する偏芯量はα2となる。
【0051】
上述した例では、ディスク基板1と転写基板3との配置関係を、ディスク基板1が、下側、すなわち基板載置台6側となるように配置した場合であるが、これとは逆の配置関係とすることもできる。この場合は、ディスク基板1のセンターホールの内径が、転写基板3のセンターホールの内径より小に選定される。
【0052】
本発明は、2層以上の多層ディスクを作製する場合においても、各層の偏芯量は、その層を形成するための転写基板の偏芯量のみがそのまま転写され、他の要因で偏芯量が増えることがない。そのため何層積層しても偏芯量が大きくなることが無く、多層ディスクの作製に有利である。
【0053】
本発明では、信号を観察して位置合わせを行うという複雑なプロセスが無いことから、容易に多層ディスクを製造することができる。そのため、多層ディスクの製造に要する時間の短縮化が図られ、例えば5秒以下で転写作業を行うことができる。
【0054】
尚、センターピン5のテーパー5Tの形状は、ディスク基板1および転写基板3を水平に保持するために、ディスク基板1および転写基板3に形成した内径が異なるセンターホールに応じて、形成されるが、センターピンの外径およびおよび基板の厚さには制約はなく、信号、すなわち記録情報に基く凹凸パターンを転写することができれば、どのようなサイズでもよい。
また、図5および図7で示した例においては、前述した図6Aで示したように、その円錐状テーパ部5Tを、小径の第1の円錐状テーパ部5T1 と、この第1の円錐状テーパ部5T1 の大径端より更に大径の第2の円錐状テーパ部5T2 とが同軸心に一体に形成された構成とした場合であるが、図6Bで示すように、単一の円錐状テーパによって構成することもできる。
あるいは図示しないが、第1および第2の円錐状テーパ部の一方のみとし、他方をクリアランスの存在するセンターピン形状としても偏芯を抑制する効果がある。このときには、片側のクリアランス分だけ偏芯量の誤差が現れるが、ディスクに要求される偏芯量が小さい場合にはこのような構成とすることができる。
【0055】
〔実施例1〕
この実施例における製造装置の要部の構成を図9に示す。
この実施例では、基板載置台6の基板載置面6Sに臨んでリング状の真空吸着孔を配置した構成とした。
センターピン5は、基板載置台6の中心に配置した案内孔に沿って案内移行する構成とした。
基台載置台6内部には、ばねおよび固定機構が内蔵されていて、センターピン5を基台載置台6内部に押し込んだ後ロックされて固定され、ロックを解除することによりセンターピン5が上部へせり出す構造とした。
【0056】
ディスク基板1は、内径15mmのセンターホール41が穿設され、厚さ1.2mm、外径120mmのポリカーボネート製ディスク基板とした。
ディスク基板1は、その一主面に、溝状の凹凸が形成され、この上に、厚さ100nm程度の相変化記録材料が形成された第1の情報記録層11を形成した。そして、この上に厚さ25μm程度の紫外線硬化型粘着剤による中間層51を形成した。この中間層に転写基板3を押し当てることによりその転写凹凸の転写すなわち信号転写が可能な状態となっている。
【0057】
転写基板3は、内径8.5mm、外径120mm、厚さ0.6mmの形状を有し、ポリオレフィン材料によって形成した。
この転写基板3は、その一方の面に、ディスク基板1上に、記録情報に基く凹凸パターンを転写するための、転写凹凸パターンが形成されている。
【0058】
センターピン5は、先端側に先端に向かって小径とされた第1のテーパー部5T1 を有し、その大径側に、大径の第2のテーパー部5T2 が形成された2段構造とした。
テーパー部は、高さ4mmで、第1のテーパー部5T1 は、高さ2mmで、先端径が8.4、下部径が8.6、第2のテーパー部5T2 は、その小径側の径が14.9mm、下側の径が15.1mmとした。
このセンターピン5には、レバー10が連結され、これによって上下移動される構成とされている。
弾性押圧体7Pは、シリコンゴムよりなる底面の直径が210mm、高さ100mmとした。
【0059】
この本実施例での具体的な手順は、次の通りとした。
まず、ディスク基板1をセンターピン5の第2のテーパー部5T2 に、情報記録層の転写がなされる側の面を基板載置台6とは反対側に配置した。このとき、センターピン5の第2のテーパー部5T2 の外径が、ディスク基板1のセンターホール41の内径と一致したところで保持される。その後、基板載置台6とディスク基板1が平行になるように軽く押す。
ディスク基板1が基板載置台6と平行になった状態で固定されれば、ディスク基板1のセンターホール41の中心軸と、センターピン5の中心軸が一致した状態となる。
【0060】
次に、転写基板3をセンターピン5の上端の第1のテーパー部5T1 に保持させる。このとき、転写基板3は、その転写凹凸パターンを有する側を、ディスク基板1と対向る側に配置する。この転写基板3に関しても、センターピン5の第1のテーパー部5T1 の外径が、ディスク基板1のセンターホール42の内径と一致したところで保持される。その後、基板載置台6とディスク基板1が平行になるように軽く押すことにより、センターホール42の中心軸と、センターピン5の中心軸が一致した状態とすることができる。
【0061】
その後、センターピン5をレバー10により基板載置台6内に降下させる。このときに、ディスク基板1が真空吸着により基台載置台6に固定される。吸着されたディスク基板1は、センターピン5に対して中心軸が一致している状態のまま基板載置台6に保持される。
【0062】
センターピン5をそのまま降下させて行く。転写基板3がセンターピン5に対して中心出しがなされた状態のままでディスク基板1上の紫外線硬化型粘着剤に接する。このとき、転写基板3は、紫外線硬化型粘着剤による中間層51によりディスク基板1と接着され、センターピン5中心軸と転写基板3の中心軸が一致した状態のままで保持される。
【0063】
その後、押圧手段の押圧体7Pのパッドを転写基板3の背面から押し当てることにより、転写基板3を中間層51に押し当てる。これにより、転写基板3の構造を中間層51の全面に押し当てる。
【0064】
押圧体7Pにより転写基板3を紫外線硬化型粘着剤による中間層51に十分押し当てた後、押圧体7Pを剥離する。このようにして転写基板3の押圧を完了する。
【0065】
その後は、転写基板3を押圧した状態のディスク基板1に紫外線を照射することにより、紫外線硬化型粘着剤の中間層51に転写基板3の転写凹凸パターンを転写し、転写基板を剥離することにより転写を完了する。
【0066】
この実施例1による2層光ディスクを作製したときの、各層の偏芯量を測定した結果を、表1に示す。表1は、ディスク基板1のセンターホール41に対するディスク基板1側に形成されている第1の情報記録層(以下L0と称す)、この上に積層された第2の情報記録層(以下L1と称す)の各偏芯量の測定結果を示している。また、表1には、従来のスピンコーティングによる2層ディスク作成法による偏芯量を併記してある。
【0067】
【表1】
【0068】
表1に示すように、実施例1による2層光ディスクは、従来方法による2層光ディスクと比較してL1層の偏芯量が小さくなり、本発明の効果が示された。
【0069】
〔実施例2〕
この実施例では、実施例1と同様の製造装置およびディスク基板1を用いた。
この実施例においては、先ず、ディスク基板1と転写基板3に存在する、センターホールに対する記録信号部の偏芯量を測定した。この測定により、各基板1および3について、信号が周内方向のどちらに偏っているが分かる。その後、層間の偏芯量が最小になるように各基板をセンターピンに配置した。具体的には、ディスク基板1および転写基板3の偏っている方向が一致するようにセンターピン5にディスク基板1および転写基板3を設置した。
【0070】
その後の転写過程は、実施例1と同様に行った。
表2に、この実施例2により作製した2層光ディスクの、各偏芯量の測定結果を示す。
【0071】
【表2】
【0072】
この実施例により、層間の偏芯を10μmという小さい値にできることが分かった。また、この実施例は、実施例1と同様の方法で2層光ディスクを作製したことから、各層のディスク基板1センターホールに対する偏芯量も、実施例1に示されるように小さい。
【0073】
〔実施例3〕
この実施例で用いた装置の基本構造は、図10に示すように、実施例1に、ディスク基板1を基板載置台6の基板載置面6Sと平行に保つ治具8を設けた場合である。
【0074】
この実施例では、リング形状の水平保持治具8を、基板載置台6上に配置した。この水平保持治具8は、基板載置台6内に沈む構造を持つ。また、リング状の水平保持治具8は、センターピンを中心に、内径の異なる2組が配置されていて、それぞれディスク基板1および転写基板3の平行を出すために用いられる。
【0075】
この実施例では、2つの水平保持治具8を用いるために、ディスク基板1および転写基板3の外形を変えている。具体的には、ディスク基板1の外径を120mm、転写基板3の外径を128mmとした。
そのほかは、実施例1と同様とした。
【0076】
すなわち、ディスク基板1として、内径15mmのセンターホールが穿設された、厚さ1.2mmのポリカーボネート製ディスク基板1を用いた。ディスク基板1の一主面に、溝状の凹凸が形成され、この凹凸面上に、100nm程度の相変化記録材料が形成された第1の情報記録層11を形成した。そして、この上に厚さ25μm程度の紫外線硬化型粘着剤による中間層51を形成した。この中間層に転写基板3を押し当てることによりその転写凹凸の転写。すなわち信号転写が可能な状態となっている。
【0077】
転写基板3は、内径8.5mm、外径120mm、厚さ0.6mmの形状を有し、ポリオレフィン材料によって形成した。
この転写基板3は、その一方の面に、ディスク基板1上に、記録情報に基く凹凸パターンを転写するための、転写凹凸パターンが形成されている。
また、押圧体7Pも実施例1と同様の構成とした。
【0078】
次に、この実施例において行った製造手順を説明する。
まず、ディスク基板1を、センターピン5の下側の第2のテーパー部5T2 に置く。このディスク基板1をの設置は、その情報記録層を有する側を基板載置面6Sとは反対側に向けて配置した。
この場合、前述したと同様に、ディスク基板1のセンターホールの内径とテーパーの外径が一致したところで止まる。このとき、平行治具すなわち水平保持治具8がディスク基板1に接触することにより、ディスク基板1が水平状態に保たれる。ディスク基板1が基台載置台6と平行になった状態で固定されれば、ディスク基板1センターホール中心軸とセンターピン5の中心軸が一致した状態となる。
【0079】
次に、転写基板3をセンターピン5の第1のテーパー部あ5T1 で保持させる。転写基板3は、転写信号が存在する面すなわち転写凹凸を有する面をディスク基板1と対向させて配置する。
このときも、ディスク基板1の設置時と同様に、転写基板3と基板載置台6が平行になるように平行治具すなわち水平保持治具8に転写基板3を接触させる。
【0080】
その後、センターピン5をレバー10により基板載置台6内に降下させる。このとき、水平保持治具8も基板載置台6内に降下する。この働きにより、ディスク基板1および転写基板3が平行を保ったままで基板載置台6上に近づく。
【0081】
センターピン5が、基板載置台6に降下すると、先ずディスク基板1が真空吸着により基台載置台6に吸着固定される。このとき、ディスク基板1は、センターピン5に対して軸心が一致している状態で基板載置台6に保持される。
【0082】
センターピン5をそのまま降下させてゆくと、転写基板3がセンターピン5に対して中心出しされた状態のままでディスク基板1上の紫外線硬化型粘着剤すなわち中間層にに接する。このとき、転写基板3は中間層によりディスク基板1と接着され、センターピン5中心軸と転写基板3の中心軸とが一致した状態のままで保持される。
【0083】
その後、押圧体7Pを転写基板3に押し当てることにより、転写基板3を中間層の紫外線硬化型粘着剤に押し当てる。これにより、転写基板3の転写凹凸パターンが中間層に転写されこれに凹凸パターンすなわち信号部が形成される。
【0084】
押圧体7Pを十分押し当てた後、押圧体7Pを剥離して転写基板3の押し当てが完了する。
その後は、転写基板が押し当てられた状態のディスク基板1に紫外線を照射することにより、第2の情報記録層を構成する凹凸パターンの転写が完了する。
【0085】
この実施例3によって2層光ディスクを作製したときの、各層の偏芯量を測定した結果を表3に示す。従来のスピンコーティングによる2層光ディスク作製法による偏芯量を併記した。
【0086】
【表3】
【0087】
表3に示すように、この実施例においても、従来方法による場合に比しL1層の偏芯量が小さくなり、本発明の効果が示された。
【0088】
このように、本発明方法およびこれを実施する本発明装置によれば、ディスク基板のセンターホールに対する上層の情報記録層の偏芯量の低減化を図ることができる。更に、転写基板3とディスク基板1の回転方向の規定によって、積層された光情報記録層相互の情報部間の偏芯についてもその改善が図られる。
【0089】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、ディスク基板のセンターホールに対する上層の情報記録層の偏芯量の低減化を図ることができ、更に、転写基板3とディスク基板1の回転方向の規定によって、積層された光情報記録層相互の情報部間の偏芯についてもその改善が図られることから、記録再生装置が、ディスクのセンターホールを中心とする回転駆動による場合でも、チャッキングプレートが搭載される駆動態様が採られる場合のいずれにおいても、偏芯によるトラッキングエラーを改善でき、高密度のいわゆる次世代多層光ディスクにおいても確実に記録再生を行うことができる多層光ディスクを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製造方法および装置によって得る多層光ディスクの一例の要部の概略断面図である。
【図2】本発明製造方法の一例の一工程における概略断面図である。
【図3】AおよびBは、それぞれ本発明製造方法の一例の一工程における概略断面図である。
【図4】本発明製造方法および装置によって得る多層光ディスクの他の一例の要部の概略断面図である。
【図5】本発明装置の一例の概略断面図である。
【図6】AおよびBは、本発明装置のセンターピンの各例の側面図である。
【図7】A〜Dは、本発明装置の動作図である。
【図8】本発明装置の他の例の概略断面図である。
【図9】本発明装置の更に他の例の概略断面図である。
【図10】本発明装置の更に他の例の概略断面図である。
【図11】光ディスクの偏芯状態の説明図である。
【符号の説明】
1・・・ディスク基板、2・・・転写凹凸パターン、3・・・転写基板、4・・・保護層、5・・・センターピン、5T1 ・・・第1のテーパー部、5T2 ・・・第2のテーパー部、6・・・基板載置台、6S・・・基板載置面、7・・・押圧手段、7P・・・押圧体、8・・・水平保持治具、9・・・吸着手段、10・・・レバー、11・・・第1の情報記録層、12・・・第2の情報記録層、13・・・第3の情報記録層、21・・・第1の凹凸パターン、22・・・第2の凹凸パターン、23・・・第3の凹凸パターン、31・・・第1の材料層、32・・・第2の材料層、33・・・第3の材料層
Claims (5)
- 複数の光情報記録層が積層されて成り、少なくとも1層の光情報記録層が、情報部を構成する凹凸パターンの形成された中間層を有する多層光ディスクの製造方法であって、
互いに内径が相違するセンターホールを有する、上記光情報記録層が積層されるディスク基板と、上記凹凸パターンを形成する転写凹凸パターンを有する転写基板とを、上記中間層を介して押圧して、上記転写凹凸パターンの反転パターンを上記中間層に転写して情報部を構成する凹凸パターンを形成する凹凸パターンの形成工程を有し、
該凹凸パターンの形成工程に先立って、
外周に円錐状テーパ部を有するセンターピン上に、上記ディスク基板と上記転写基板を、その大なる内径のセンターホールを有する基板、小なる内径のセンターホールを有する基板の順に、かつ上記ディスク基板の光情報記録層を積層形成する面と上記転写基板の上記転写凹凸パターンを有する面とを、これら面間に中間層を介在させて対向させるように、上記センターピンの小径側から嵌挿し、上記両基板の各センターホールの内径と上記センターピンの外径とがそれぞれ一致する位置で両基板を、上記センターピンの軸心に沿う各位置に、それぞれ設定させる工程と、
上記センターピンを、上記両基板を相互に回転させることなく軸心方向に沿って大径側に移動させ、該移動途上において、上記内径が大のセンターホールを有する一方の基板を、基板載置台に衝合させて設定する工程と、
更に、上記センターピンの移動によって、上記中間層の介在のもとに、上記内径が小のセンターホールを有する他方の基板を、上記一方の基板に近接対向ないしは対接させる工程とを行うことを特徴とする多層光ディスクの製造方法。 - 複数の光情報記録層が積層されて成り、少なくとも1層の光情報記録層が、情報部を構成する凹凸パターンの形成された中間層を有する多層光ディスクの製造装置であって、
互いに内径が相違するセンターホールを有する上記光情報記録層が積層されるディスク基板と上記凹凸パターンを形成する転写凹凸パターンを有する転写基板とが用いられ、
外周に先端側に向かって小径をなす円錐状テーパ部を有し、軸心に沿って可動構成とされたセンターピンと、
該センターピンの上記円錐状テーパ部の大径側への移動途上に配置された基板載置台とを有し、
上記センターピンは、該センターピンの先端側から、上記両基板のうち、大なる内径のセンターホールを有する基板、小なる内径のセンターホールを有する基板の順に、嵌挿することによって、上記両基板の各センターホールの内径と上記センターピンの外径とがそれぞれ一致する位置で両基板を、上記センターピンの軸心に沿う各位置に、それぞれ設定させる構成を有し、
上記センターピンにおける上記両基板の設定を、上記光情報記録層を積層形成する面と上記転写凹凸パターンとが、中間層を介在させて対向させた状態で設定し、
この設定状態で、上記センターピンを大径方向に移動させ、該移動途上において、上記大なる内径のセンターホールを有する上記基板を上記基板載置台上に載置し、続くセンターピンの上記大径方向の移動位置において、他方の基板を上記基板載置台上に載置された基板上に配置し、
上記基板間を上記中間層の介在のもとで押圧し、上記中間層に上記転写パターンの凹凸パターンを転写形成することを特徴とする多層光ディスクの製造装置。 - 請求項2に記載の多層光ディスクの製造装置にあって、
上記基板載置台上に配置された上記両基板間の押圧を、上記両基板を挟んで上記載置台とは反対側から押圧する押圧手段を有することを特徴とする多層光ディスクの製造装置。 - 請求項2に記載の多層光ディスクの製造装置にあって、
上記センターピンの円錐状テーパ部が、同一軸心を有する該複数の円錐状テーパ部を有し、先端側に位置する円錐状テーパ部が、基部側に位置する円錐状テーパより小なる外径を有することを特徴とする多層光ディスクの製造装置。 - 請求項2に記載の多層光ディスクの製造装置にあって、
上記基板載置台が、これに載置される基板を吸着固定する吸着手段を具備することを特徴とする多層光ディスクの製造装置。
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