JP2004145641A - Nc装置用加工プログラム転送システムおよびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】NC装置の設置区域に清浄かつ乾燥した雰囲気を必要とするパソコンなどの設置環境を維持するためにコストが発生するので、これを低減する。オペレータはオプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータに触れることなくNC装置だけの操作に専念できるようにする。
【解決手段】NC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込まれ加工プログラムを書込読出し自在のホストコンピュータと、前記ホストコンピュータに情報接続された少なくとも一台以上のNC装置と、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置と、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信するイーサネット(R)通信手段と、イーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対してイーサネット(R)通信を接続可能に変換する変換手段と、を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】NC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込まれ加工プログラムを書込読出し自在のホストコンピュータと、前記ホストコンピュータに情報接続された少なくとも一台以上のNC装置と、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置と、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信するイーサネット(R)通信手段と、イーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対してイーサネット(R)通信を接続可能に変換する変換手段と、を備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、NC工作機械(数値制御工作機械)を制御するNC装置(数値制御装置)において、制御用設定値、工具補正値などの補正データおよびパラメータの外、NC加工プログラムなど(以下、「加工プログラム」または「プログラム」という)を、NC装置の外部に接続したオプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータ(以下、「外部コンピュータ」ともいう)と、NC装置との間でプログラムを情報通信する転送システムおよびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マシニングセンタなどNC工作機械は、コンピュータを内蔵したNC装置により制御されている。各種加工を行うためのプログラムをNC装置のNCプログラムメモリに記憶しておき、加工作業を行う場合には、必要なプログラムをNCプログラムメモリから呼び出して加工動作を制御することにより、NC工作機械で工作物が加工される。
【0003】
従来のNC装置を高度利用する各種のプログラムを転送する転送システムおよびその方法は、必ずしも簡易迅速な操作性を満足するものではなかった。例えば、シリアル通信用のインターフェースとしてRS−232Cを介在させて、外部コンピュータとNC装置との間でプログラムを転送する場合、大別すると以下の3種類がある。
【0004】
第1に、NC装置から外部コンピュータにプログラムを送り出す転送(以下、「パンチ」という)があり、NC装置のメモリ容量の限界を超えて保存を要するプログラムの退避、他のNC装置へのプログラム転送、共有化およびバックアップの目的で実行されていた。
【0005】
第2に、パンチとは逆に外部コンピュータのプログラムをNC装置が読み込む転送(以下、「リード」という)があり、退避しておいたプログラムの復帰およびプログラム更新の目的で実行されていた。
【0006】
第3に、外部コンピュータのプログラムをNC装置が読み込みながらの加工(以下、「DNC運転」という)がありNC装置のメモリ容量の限界を超えるプログラムを用いた加工の目的で実行されていた。
【0007】
前述した各種の転送に係る操作は一般的に次の要領で行う。
第1にパンチの場合、先ず外部コンピュータを受信可能な状態にして待機させ、次にNC装置から送信開始し、最後に外部コンピュータが読み込んだプログラムを保存するか、またはネットワーク上にプログラム保存用として配設された別の外部コンピュータへプログラムを送り出すように転送する。これら一連の操作において、オペレータは先ず外部コンピュータ、次にNC装置、そして最後に外部コンピュータへと移動しながら、それぞれのコンピュータに直接手を触れるようにして各操作を実行していた。
【0008】
第2にリードの場合、先ず外部コンピュータを送信可能な状態にして待機させ、次にNC装置から外部コンピュータへ送信開始要求し、最後に外部コンピュータからの送信が開始される。これら一連の操作においても、オペレータは先ず外部コンピュータからNC装置へと移動しながら、それぞれのコンピュータに直接手を触れるようにして各操作を実行していた。
【0009】
第3にDNC運転の場合、先ず外部コンピュータでDNC運転用加工プログラムをセットし、次に外部コンピュータを送信可能な状態にし、最後にNC装置から外部コンピュータへ送信開始要求する。これら一連の操作において、オペレータは先ず外部コンピュータからNC装置へと移動しながら、それぞれのコンピュータに直接手を触れるようにして各操作を実行していた。
【0010】
前記NCプログラムメモリには、通常は多くのプログラムが格納されている。しかしながら、プログラムを記憶するためのNCプログラムメモリのメモリ容量には限界がある。したがって、別のプログラムを入力したい場合に、既存のプログラムのうち現在のところ不要なプログラムを選択し、NC装置の外部に出力して外部記憶装置などに一時的に記憶しておくことがある。また、複数のNC工作機械が設置されたFMC(フレキシブル加工セル)やFMS(フレキシブル生産システム)などの加工システムでは、予め標準装備またはオプションとしてNC装置に記憶されているプログラムのうち、任意の一つ以上のプログラムを選択し、出力して外部記憶装置などに一時的に記憶しておき、このプログラムをそのまま他のNC装置に転送して任意の加工を行う場合もある。
【0011】
第4にプログラム一覧のリスト表示する場合、NC装置を操作してデータ入出力機能を選択し、NC操作画面にデータ入出力画面を表示させる。この画面には、NC装置に記憶されているプログラムの番号が並んだプログラム一覧表も表示される。一つのプログラムのみを出力する際には、アドレス「O」に続けて所望のプログラムの番号をキーボードからキー入力する。
【0012】
一方、例えば現在の状態でのNCプログラムのバックアップのために全てのNCプログラムを出力する場合には、「O−9999」とキー入力すると、現在記憶されている全てのNCプログラムが出力される。また、所定のプログラム番号の範囲内にある複数のNCプログラムを出力する場合には、「O□□□□−O△△△△」とキー入力すると、プログラム番号□□□□から△△△△までの全部のNCプログラムが出力される(特許文献1を参照)プログラム転送システムが既に公開されている。
【0013】
【特許文献1】
特開平11−73215号公報(要約書、第1図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
第1のパンチ、第2のリード、第3のDNC運転および第4のリスト転送の場合には、以下に示す課題がある。
(1)オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータとNC装置を至近距離に配設する場合、NC装置の設置区域に特有のクーラント液、油、削り屑などによる汚濁した雰囲気が通常状態であるなかで、清浄かつ乾燥した雰囲気を必要とするパソコンなどの設置環境を維持するためにコストが発生するので、これを低減する。
(2)オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータとNC装置を高速かつ円滑な情報通信手段でネットワーク接続し、両者を隔離して設定した場合、通信所要時間(通信速度)を要するため、作業効率が悪化するので、これを高速化する。
(3)NC装置を高度利用する制御用設定値、工具補正値などの補正データおよびパラメータの外、加工プログラムなどを一元管理することにより、類似の加工する複数のNC装置で情報を共有し、バックアップ体制も整備して、不測の事態にも対応する。
(4)NC装置を高度利用するプログラムの利用は、NC装置に標準装備されているキーボードおよび/または表示画面に対応した専用メニューに沿った簡略な操作を実現する。
(5)オペレータはオプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータに触れることなくNC装置だけの操作に専念できるようにする。
(6)オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータへの指令は、操作性とインターフェースの面から、在来機種も含めたほとんどのNC装置と整合できるものとする。
(7)外部からプログラムを取り込めるNC装置において、取り込んで利用できるプログラムの候補一覧を画面表示できれば便利である。
(8)周知のプログラム呼出し指令M198を使用して、オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータ(外部入出力機器)から、そこに保存されているプログラムをサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込む。このようにして、プログラムの組み合わせに関する選択の自由度を広げる。また、M198を使用する想定のもとにプログラム等の転送処理するものでは、外部入出力機器を制御するソフトを簡素かつ安価にする。
【0015】
本発明は以上の課題を解決することにより、NC装置に標準装備されているキーボードおよび/または表示画面だけの操作に集約することにより、NC装置のそばからオペレータが離れずに済み、かつ操作を簡素化し、利便性を向上した、NC装置の高度利用プログラム転送システムおよびその方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、外部接続されたコンピュータとNC装置の間で制御用設定値、補正データ、パラメータ、加工プログラム、プログラム一覧リストのうち少なくとも1つ以上を含んで構成された情報を転送することによりNC装置を高度利用するプログラム転送システムであって、NC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込まれ加工プログラムを書込読出し自在のホストコンピュータと、前記ホストコンピュータに情報接続された一台以上のNC装置と、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置と、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信するイーサネット(R)通信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項2に係る発明は、外部接続されたコンピュータとNC装置の間で制御用設定値、補正データ、パラメータ、加工プログラム、プログラム一覧リストのうち少なくとも1つ以上を含んで構成された情報を転送することによりNC装置を高度利用するプログラム転送システムであって、NC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込まれ加工プログラムを書込読出し自在のホストコンピュータと、前記ホストコンピュータに情報接続された一台以上のNC装置と、イーサネット(R)通信および/またはシリアル通信手段と、イーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置と、イーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対してイーサネット(R)通信を接続可能に変換する変換手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項1または請求項2に係る発明により、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信することにより、あるいはイーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対しても変換手段を介してイーサネット(R)通信することにより、ホストコンピュータとNC装置の距離と通信速度の問題が解消するので、ホストコンピュータとNC装置を至近距離に配設する必要がなくなり、NC装置の設置区域にまで無理にパソコン維持環境を整備するための無駄なコストが不要となる。
【0019】
例えば、10BASE5規格のイーサネット(R)通信仕様は、データ伝送速度10Mbps、500m、最大ノード数1024なので、NC装置を高度利用するプログラム転送システムにおいて、プログラムを書込読出し自在のホストコンピュータと、ホストコンピュータに情報接続された少なくとも一台以上のNC装置との間でイーサネット(R)通信することにより、ホストコンピュータとNC装置の距離500mまでは確保でき、通信のための待ち時間の問題も実用上は解消するのである。
なお、在来のNC装置の場合は、イーサネット(R)機能がないので、イーサネット(R)通信を接続可能に変換する変換手段と、シリアル通信用のインターフェースRS−232Cを介して通信する。
【0020】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置からホストコンピュータへパンチ転送する方法であって、オペレータがNC装置を操作することにより指定した情報名および当該情報がパンチ転送される旨をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、オペレータがNC装置の操作により当該情報のパンチ転送を開始する段階と、前記パンチ転送を受けたホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて当該情報を保存先へ保存する段階と、を有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置がホストコンピュータから読み出すためにリード転送する方法であって、オペレータがNC装置を操作することより指定した加工プログラム名および当該情報がリード転送される旨をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、オペレータがNC装置を操作することにより当該情報のリード転送を開始する段階と、当該情報を保存しているホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて前記情報をNC装置へ転送する段階と、を有することを特徴とする。
【0022】
また、請求項5に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、プログラムの一覧データをNC装置がホストコンピュータから読み出せるようにリスト転送する方法であって、オペレータがNC装置を操作することにより前記一覧データのリスト転送をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、オペレータがNC装置を操作することにより前記一覧データのリスト転送を開始する段階と、前記リスト転送を受けたホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて加工プログラムをNC装置へ転送する段階と、を有することを特徴とする。
【0023】
また、請求項6に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置がホストコンピュータから読み出せるように転送する方法であって、オペレータがNC装置を操作することによりDNC運転用の前記情報の準備をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、オペレータがNC装置を操作することにより前記転送を受けたホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて当該前記情報をNC装置へ転送する段階と、を有することを特徴とする。
【0024】
前述の請求項3〜6に対する作用効果として、オペレータはNC装置に対してのみ操作すれば、ホストコンピュータ側では、前記情報の転送準備などに必要な処理を自動的に実行するので、NC装置とホストコンピュータの間をオペレータが往復しながら、それぞれに対して手を触れるような無駄な操作をなくし、NC装置だけの操作に専念できる。
【0025】
また、例えば、任意のプログラムを選択する際に、NC装置に記憶されているプログラムの番号が並んだプログラム一覧リストをNC操作画面に表示し、出力を希望するプログラムをカーソルの移動で選択することにより、選択されたプログラムと選択されないプログラムとをプログラム一覧リストとして判別可能に表示する。
【0026】
また、DNC運転用加工プログラムをNC装置へ転送することにより、DNC運転する際にもNC装置とホストコンピュータの間をオペレータが往復しながら、それぞれに対して手を触れるような無駄な操作をなくし、NC装置だけの操作に専念できる。
【0027】
また、請求項7に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置がホストコンピュータから読み出せるように転送する方法であって、プログラム呼出し指令M198を使用して、外部入出力機器から、そこに保存されている前記情報をサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込むことを特徴とする。
【0028】
このようにしたので、周知のプログラム呼出し指令M198を使用して、オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータ(外部入出力機器)から、そこに保存されているプログラム等の情報をサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込める。従って、プログラム等の組み合わせに関する選択の自由度が広がる。なお、M198の使用が想定されていない汎用インターフェースRS−232CによるDNC運転において、M198の機能を無理に付加した複雑なソフトと違って、本発明のなかでもM198を使用する想定のもとに簡単にプログラム等の転送処理するものでは、外部入出力機器を制御するソフトが簡素かつ安価になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜7を参照して説明する。なお、請求項1または請求項2でいう「制御用設定値、補正データ、パラメータ、加工プログラム、プログラム一覧リストのうち少なくとも1つ以上を含んで構成された情報」および各請求項でいう「情報」は、以下の説明および各図面における「加工プログラム」または「プログラム」に含まれているものとする。
図1はNC装置用加工プログラム転送システムのブロック図であり、NC装置10,11はイーサネット(R)通信手段(以下、「イーサネット(R)LAN」または「LAN」と略す)2を介してホストコンピュータ(パソコン)3に情報接続されている。NC装置10はイーサネット(R)LAN2に直接接続して通信できるイーサネット(R)機能12を内蔵しており、約500mの距離まで高速通信できる。
【0030】
また、NC装置11にはイーサネット(R)機能12を内蔵していない代わりに、在来の汎用インターフェースRS−232Cが具備されているので、そのRS−232Cとイーサネット(R)通信とを変換する変換手段13をアダプタ接続し、その変換手段13とLAN2を介してホストコンピュータ3に情報通信する。
【0031】
矢印15は制御用設定値、工具補正値などの補正データおよびパラメータの外、加工プログラムなどをパンチ転送する情報の流れであり、NC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に情報通信し、ホストコンピュータ3はNC装置10,11からの指令を受けて、加工プログラムを保存先へ保存する。ホストコンピュータ3にはNC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込まれているので、ホストコンピュータ3は必要な処理を自動的に実行する。従って、オペレータがホストコンピュータ3を直接に操作する必要はなく、対象プログラムが保存・更新され、あるいは後述するリード転送またはDNC運転の際に復帰する。
【0032】
操作性の向上のみならず、バックアップも完全になる。すなわち、NC装置のSRAMのメモリに記録されている制御用設定値、工具補正値などの補正データおよびパラメータは、バックアップ電源の不具合によって記録内容を消失し、NC装置が使用不能になり、復旧困難になることがあったが、本発明により個々のNC装置に配設されているSRAMの記録内容の一部または全部を、LANで外部接続されたコンピュータによりバックアップできる。また、各項目別にもバックアップ可能である。
【0033】
矢印16は加工プログラムをリード転送またはDNC運転用に転送する情報の流れであり、ホストコンピュータ3からLAN2を介してNC装置10,11に情報通信し、ホストコンピュータ3はNC装置10,11からの指令を受けて、加工プログラムを保存先からリード転送またはDNC運転に供する。このときも、ホストコンピュータ3は自動処理するので、オペレータがホストコンピュータ3を直接に操作する必要はない。
なお、以下の説明では図1も随時に参照する。
【0034】
図2はパンチ転送の手順を示すフローチャートであり、請求項3を具体的に解説している。オペレータは任意のプログラム名によりパンチの指定する操作する(以下、「各段階」を「S」と略す)1があり、この操作(S1)により、指定された名前に該当するプログラムがパンチ転送されるように、ホストコンピュータ3に準備させる指令がNC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に情報通信(S2)される。
【0035】
指令(S2)を受けたホストコンピュータ3は、オペレータが指定した名前に該当するプログラムがいつでもパンチ転送できるような自動処理して待機(S3)する。
【0036】
そして、オペレータがパンチ転送を開始するようにNC装置10,11で操作(S4)すれば、ホストコンピュータ3へとパンチ転送指令(S5)され、NC装置10,11にあった該当プログラムがLAN2を介してホストコンピュータ3へとパンチ転送(S6)され、該当プログラムは保存(S7)される。
【0037】
図3はリード転送の手順を示すフローチャートであり、請求項4を具体的に解説している。オペレータは任意のプログラム名によりリードの指定する操作する(S11)があり、この操作(S11)により、指定された名前に該当するプログラムがリード転送されるように、ホストコンピュータ3に準備させる指令がNC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に情報通信(S12)される。
【0038】
指令(S12)を受けたホストコンピュータ3は、オペレータが指定した名前に該当するプログラムがいつでもリード転送できるような自動処理して待機(S13)する。
【0039】
そして、オペレータがリード転送を開始するようにNC装置10,11で操作(S14)すれば、ホストコンピュータ3へとリード転送指令(S15)され、ホストコンピュータ3に保存されていた該当プログラムがLAN2を介してNC装置10,11へとリード転送(S16)され、装置10,11は該当プログラムにより高度利用(S17)される。
【0040】
図4はリスト転送の手順を示すフローチャートであり、請求項5を具体的に解説している。オペレータは加工プログラムの一覧データをリスト転送する操作(S21)を行う。この操作(S21)により、リスト転送を要求する指令がNC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に情報通信(S22)される。
【0041】
このリスト転送を要求する指令(S22)を受けたホストコンピュータ3は、オペレータが要求するプログラム一覧がいつでもリスト転送できるような自動処理して待機(S23)する。
【0042】
そして、オペレータがリスト転送を開始するようにNC装置10,11で操作(S24)すれば、ホストコンピュータ3へとリスト転送指令(S25)され、ホストコンピュータ3に保存されているプログラムの一覧がLAN2を介してNC装置10,11へとリスト転送(S26)され、装置10,11に図7に示すようにリスト表示(S27)される。
【0043】
リスト表示(S27)されたプログラム一覧を(S28)オペレータが目視確認(S29)し、プログラム一覧の中から任意のプログラムを選択する操作(S30)することにより、選択されたプログラムがリード転送されるように、NC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に指令(S31)される。
【0044】
図5はDNC運転用プログラム転送の手順を示すフローチャートであり、請求項6を具体的に解説している。オペレータは任意のプログラム名によりDNC運転を準備する操作(S41)があり、この操作(S41)により、NC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に、対象プログラムの準備を指令(S42)される。
【0045】
指令(S42)を受けたホストコンピュータ3は、オペレータが指定した名前に該当するプログラムがいつでもDNC運転できるように自動処理して待機(S43)する。
【0046】
そして、オペレータがNC装置10,11でDNC運転の操作(S44)すれば、ホストコンピュータ3へと対象プログラムの転送を指令(S45)され、ホストコンピュータ3に保存されていた対象プログラムがLAN2を介してNC装置10,11へと転送(S46)され、装置10,11はDNC運転用の加工プログラムを実行しながらDNC運転(S47)される。
【0047】
図6はNC装置10,11に具備された表示器に表示されるメニュー画面であり、前述した[パンチ]転送、[リード]転送、[リスト]転送、[DNC]運転に関して、図示せぬテンキーおよびカーソルなどで操作する。
【0048】
図7はプログラム一覧画面であり、オペレータは選択事項をハイライトして示すカーソル7で任意の加工プログラムなどを選択する。操作の手順は図4に示した通りであり、プログラム一覧をオペレータが目視確認(S28)し、プログラム一覧の中から任意のプログラムを選択(S30)する。
【0049】
なお、周知のプログラム呼出し指令M198を使用して、オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータ(以下、「外部入出力機器」ともいう)から、そこに保存されているプログラムをサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込む操作を説明する。ここでは、DNC運転を実行中のNC装置を想定する。
【0050】
実行中のプログラムの途中に「M198P□□□□(プログラム番号)L××××(回数)」と書き込まれているか、そうでなければオペレータがキー入力することにより、該当プログラムをサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込む操作が実行される。ここで、呼出されるプログラムの最後はM99(プログラムエンド)とする。
【0051】
前記「M198P□□□□(プログラム番号)L××××(回数)」が実行されると予めNC装置のパラメータに設定されている外部入出力機器内のプログラムを、サブプログラムとして呼出しながらDNC運転し、M99(プログラムエンド)でM198へ復帰する。ここで、M198には「L××××(回数)」と指定されているので、指定回数分だけサブプログラムの呼出しを実行し、M198の次の行へ移行する。
【0052】
このようにすれば、NC装置のメモリ(以下「NCメモリ」という)内のプログラムをメインに、外部入出力機器内のプログラムをサブプログラムとしてDNC運転できる。例えば、M198は、メインプログラムで呼出したい順番にNCメモリ内のプログラムをメインプログラムとして作成すれば良い。この点、従来から周知のDNC運転によれば、外部入出力機器内のプログラムをメインとするDNC運転しかできず、NCメモリ内のプログラムはサブプログラムの呼出しだけに限定されていたので、本発明により、プログラムの組み合わせに関する選択の自由度が広がる。
【0053】
前記M198を利用して複数の加工物を自動搬送するような機械の場合、プログラム自動切換に関する回数やタイミングを任意設定したスケジュール用プログラムをNCメモリ内に作成し、プログラム自動切換機能を実行することもできる。
【0054】
なお、M198の使用が想定されていない汎用インターフェースRS−232CによるDNC運転において、M198の機能を無理に付加した複雑なソフトと違って、本発明のなかでもM198を使用する想定のもとに簡単にプログラム等の転送処理するものでは、外部入出力機器を制御するソフトが簡素かつ安価になる。
【0055】
新たな効果として、接続されたNC機械ごとの稼動状況をホストコンピュータの画面表示により集中監視できる。そして、この集中監視用の画面表示に関しては、一般的な表示用ソフト、例えばマイクロソフト社のエクセル(R)などで視覚・直感的にグラフ化するなどの表示をすれば、稼動状況を容易に管理できる。
このようにして、以下の内容を画面に一覧表示する。
▲1▼自動運転中であることの表示および、自動運転したトータル時間を表示。
▲2▼電源はONしているが、自動運転は実行していないため準備中であることの表示および、準備中のトータル時間を表示する。
▲3▼電源はONしているが、アラーム発生中であることの表示および、アラーム発生したトータル時間を表示する。
▲4▼プログラム番号ごとに加工個数を表示する。
▲5▼電源はOFFまたはLAN接続が切断されているため、未稼動であることを表示する。
【0056】
別の効果として加工プログラム編集用エディター機能も付加できる。すなわち、加工プログラムはホストコンピュータに転送してしまえば、テキストエディターで編集可能だが、加工プログラム専用のエディターを搭載することにより、編集を容易にできる。そして、接続された機械ごとに異なる補助機能などの取り扱い説明についてガイダンス表示することにより、機械メーカーの作成した「補助機能」一覧表をオペレータが逐一参照する手間が省け、さらにガイダンス表示内容の改訂も簡単である。特に、以下の特徴がある。
▲1▼接続された機械ごとに、Gコードのガイダンス表示する。
▲2▼接続された機械ごとに、補助機能(M,S,T,B各コード)のガイダンス表示する。
【0057】
【発明の効果】
発明は、以上説明したように構成したので、請求項1または請求項2に係る発明によれば、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信することにより、あるいはイーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対しても変換手段を介してイーサネット(R)通信することにより、ホストコンピュータとNC装置の距離と通信速度の問題が解消するので、ホストコンピュータとNC装置を至近距離に配設する必要がなくなり、NC装置の設置区域にまで無理にパソコン維持環境を整備するための無駄なコストが不要となる。
【0058】
また、請求項3〜6に係る発明によれば、オペレータは手近に有るNC装置に対してのみ操作すれば、ホストコンピュータ側では自動処理するので、NC装置とホストコンピュータの間をオペレータが往復しながら両方を手に触れる無駄な操作をなくし、NC装置だけの操作に専念できる。
【0059】
前述した効果を以下に整理して示す。
(1)新規開発のネットワーク構成により、オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータとNC装置とを至近距離に配設する必要がなくなり、パソコン維持環境には適さないNC装置の設置区域において、無理にパソコン維持環境を整備するためのコストが不要となる。
(2)イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信することにより、ホストコンピュータとNC装置の距離と通信速度の問題が解消する。
(3)イーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対しては、イーサネット(R)通信を汎用インターフェースで接続可能に変換する変換手段を介して、イーサネット(R)通信することにより、ホストコンピュータとNC装置の距離と通信速度の問題が解消する。
(4)プログラムを一元管理する運用も可能になり、類似の加工する複数のNC装置で情報の共有できる。当然にバックアップ体制も整備されるので、不測の事態にも対応できる。
(5)NC装置を高度利用するプログラムの利用は、NC装置に標準装備されている表示画面および/またはキーボードに対応した専用メニューに沿った操作のみにより完結するので操作が簡略化できる。
(6)オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータにはNC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込んだので、NC装置だけの操作により、NC装置を高度利用するプログラムの利用ができる。オペレータはオプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータに触れることなく、NC装置だけの操作に専念できる。
(7)オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータへの指令は、既存のNC装置に採用されている標準的なデータ出力方法に一致させたので、ほとんどのNC装置と整合できる。
(8)プログラム保存先のプログラム一覧データをプログラム形式に変換したので、プログラムを取り込める一般的なNC装置であれば、イーサネット(R)機能を具備していないくても、プログラム一覧データを画面表示できて便利である。
(9)NC装置のSRAMのメモリに記録されている制御用設定値、工具補正値などの補正データおよびパラメータは、バックアップ電源の不具合によって記録内容を消失し、NC装置が使用不能になり、復旧困難になることがあったが、SRAMの記録内容の一部または全部を外部接続されたコンピュータによりバックアップできる。また、各項目別にもバックアップ可能である。
(10)周知のプログラム呼出し指令M198を使用して、オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータ(外部入出力機器)から、そこに保存されているプログラム等の情報をサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込める。従って、プログラム等の組み合わせに関する選択の自由度が広がる。なお、M198の使用が想定されていない汎用インターフェースRS−232CによるDNC運転において、M198の機能を無理に付加した複雑なソフトと違って、本発明のなかでもM198を使用する想定のもとに簡単にプログラム等の転送処理するものでは、外部入出力機器を制御するソフトが簡素かつ安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すNC装置用加工プログラム転送システムのブロック図である。
【図2】パンチ転送の手順を示すフローチャートである。
【図3】リード転送の手順を示すフローチャートである。
【図4】リスト転送の手順を示すフローチャートである。
【図5】DNC運転用プログラム転送の手順を示すフローチャートである。
【図6】NC装置に具備された表示器に表示されるメニュー画面である。
【図7】プログラム一覧画面である。
【符号の説明】
2 イーサネット(R)通信手段(LAN)
3 ホストコンピュータ(パソコン)
7 カーソル
10,11 NC装置
12 イーサネット(R)機能
13 変換手段
15 プログラムをパンチ転送する情報の流れ
16 プログラムをリードまたはDNC運転用に転送する情報の流れ
RS−232C インターフェース
【発明の属する技術分野】
本発明は、NC工作機械(数値制御工作機械)を制御するNC装置(数値制御装置)において、制御用設定値、工具補正値などの補正データおよびパラメータの外、NC加工プログラムなど(以下、「加工プログラム」または「プログラム」という)を、NC装置の外部に接続したオプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータ(以下、「外部コンピュータ」ともいう)と、NC装置との間でプログラムを情報通信する転送システムおよびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マシニングセンタなどNC工作機械は、コンピュータを内蔵したNC装置により制御されている。各種加工を行うためのプログラムをNC装置のNCプログラムメモリに記憶しておき、加工作業を行う場合には、必要なプログラムをNCプログラムメモリから呼び出して加工動作を制御することにより、NC工作機械で工作物が加工される。
【0003】
従来のNC装置を高度利用する各種のプログラムを転送する転送システムおよびその方法は、必ずしも簡易迅速な操作性を満足するものではなかった。例えば、シリアル通信用のインターフェースとしてRS−232Cを介在させて、外部コンピュータとNC装置との間でプログラムを転送する場合、大別すると以下の3種類がある。
【0004】
第1に、NC装置から外部コンピュータにプログラムを送り出す転送(以下、「パンチ」という)があり、NC装置のメモリ容量の限界を超えて保存を要するプログラムの退避、他のNC装置へのプログラム転送、共有化およびバックアップの目的で実行されていた。
【0005】
第2に、パンチとは逆に外部コンピュータのプログラムをNC装置が読み込む転送(以下、「リード」という)があり、退避しておいたプログラムの復帰およびプログラム更新の目的で実行されていた。
【0006】
第3に、外部コンピュータのプログラムをNC装置が読み込みながらの加工(以下、「DNC運転」という)がありNC装置のメモリ容量の限界を超えるプログラムを用いた加工の目的で実行されていた。
【0007】
前述した各種の転送に係る操作は一般的に次の要領で行う。
第1にパンチの場合、先ず外部コンピュータを受信可能な状態にして待機させ、次にNC装置から送信開始し、最後に外部コンピュータが読み込んだプログラムを保存するか、またはネットワーク上にプログラム保存用として配設された別の外部コンピュータへプログラムを送り出すように転送する。これら一連の操作において、オペレータは先ず外部コンピュータ、次にNC装置、そして最後に外部コンピュータへと移動しながら、それぞれのコンピュータに直接手を触れるようにして各操作を実行していた。
【0008】
第2にリードの場合、先ず外部コンピュータを送信可能な状態にして待機させ、次にNC装置から外部コンピュータへ送信開始要求し、最後に外部コンピュータからの送信が開始される。これら一連の操作においても、オペレータは先ず外部コンピュータからNC装置へと移動しながら、それぞれのコンピュータに直接手を触れるようにして各操作を実行していた。
【0009】
第3にDNC運転の場合、先ず外部コンピュータでDNC運転用加工プログラムをセットし、次に外部コンピュータを送信可能な状態にし、最後にNC装置から外部コンピュータへ送信開始要求する。これら一連の操作において、オペレータは先ず外部コンピュータからNC装置へと移動しながら、それぞれのコンピュータに直接手を触れるようにして各操作を実行していた。
【0010】
前記NCプログラムメモリには、通常は多くのプログラムが格納されている。しかしながら、プログラムを記憶するためのNCプログラムメモリのメモリ容量には限界がある。したがって、別のプログラムを入力したい場合に、既存のプログラムのうち現在のところ不要なプログラムを選択し、NC装置の外部に出力して外部記憶装置などに一時的に記憶しておくことがある。また、複数のNC工作機械が設置されたFMC(フレキシブル加工セル)やFMS(フレキシブル生産システム)などの加工システムでは、予め標準装備またはオプションとしてNC装置に記憶されているプログラムのうち、任意の一つ以上のプログラムを選択し、出力して外部記憶装置などに一時的に記憶しておき、このプログラムをそのまま他のNC装置に転送して任意の加工を行う場合もある。
【0011】
第4にプログラム一覧のリスト表示する場合、NC装置を操作してデータ入出力機能を選択し、NC操作画面にデータ入出力画面を表示させる。この画面には、NC装置に記憶されているプログラムの番号が並んだプログラム一覧表も表示される。一つのプログラムのみを出力する際には、アドレス「O」に続けて所望のプログラムの番号をキーボードからキー入力する。
【0012】
一方、例えば現在の状態でのNCプログラムのバックアップのために全てのNCプログラムを出力する場合には、「O−9999」とキー入力すると、現在記憶されている全てのNCプログラムが出力される。また、所定のプログラム番号の範囲内にある複数のNCプログラムを出力する場合には、「O□□□□−O△△△△」とキー入力すると、プログラム番号□□□□から△△△△までの全部のNCプログラムが出力される(特許文献1を参照)プログラム転送システムが既に公開されている。
【0013】
【特許文献1】
特開平11−73215号公報(要約書、第1図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
第1のパンチ、第2のリード、第3のDNC運転および第4のリスト転送の場合には、以下に示す課題がある。
(1)オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータとNC装置を至近距離に配設する場合、NC装置の設置区域に特有のクーラント液、油、削り屑などによる汚濁した雰囲気が通常状態であるなかで、清浄かつ乾燥した雰囲気を必要とするパソコンなどの設置環境を維持するためにコストが発生するので、これを低減する。
(2)オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータとNC装置を高速かつ円滑な情報通信手段でネットワーク接続し、両者を隔離して設定した場合、通信所要時間(通信速度)を要するため、作業効率が悪化するので、これを高速化する。
(3)NC装置を高度利用する制御用設定値、工具補正値などの補正データおよびパラメータの外、加工プログラムなどを一元管理することにより、類似の加工する複数のNC装置で情報を共有し、バックアップ体制も整備して、不測の事態にも対応する。
(4)NC装置を高度利用するプログラムの利用は、NC装置に標準装備されているキーボードおよび/または表示画面に対応した専用メニューに沿った簡略な操作を実現する。
(5)オペレータはオプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータに触れることなくNC装置だけの操作に専念できるようにする。
(6)オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータへの指令は、操作性とインターフェースの面から、在来機種も含めたほとんどのNC装置と整合できるものとする。
(7)外部からプログラムを取り込めるNC装置において、取り込んで利用できるプログラムの候補一覧を画面表示できれば便利である。
(8)周知のプログラム呼出し指令M198を使用して、オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータ(外部入出力機器)から、そこに保存されているプログラムをサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込む。このようにして、プログラムの組み合わせに関する選択の自由度を広げる。また、M198を使用する想定のもとにプログラム等の転送処理するものでは、外部入出力機器を制御するソフトを簡素かつ安価にする。
【0015】
本発明は以上の課題を解決することにより、NC装置に標準装備されているキーボードおよび/または表示画面だけの操作に集約することにより、NC装置のそばからオペレータが離れずに済み、かつ操作を簡素化し、利便性を向上した、NC装置の高度利用プログラム転送システムおよびその方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、外部接続されたコンピュータとNC装置の間で制御用設定値、補正データ、パラメータ、加工プログラム、プログラム一覧リストのうち少なくとも1つ以上を含んで構成された情報を転送することによりNC装置を高度利用するプログラム転送システムであって、NC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込まれ加工プログラムを書込読出し自在のホストコンピュータと、前記ホストコンピュータに情報接続された一台以上のNC装置と、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置と、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信するイーサネット(R)通信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項2に係る発明は、外部接続されたコンピュータとNC装置の間で制御用設定値、補正データ、パラメータ、加工プログラム、プログラム一覧リストのうち少なくとも1つ以上を含んで構成された情報を転送することによりNC装置を高度利用するプログラム転送システムであって、NC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込まれ加工プログラムを書込読出し自在のホストコンピュータと、前記ホストコンピュータに情報接続された一台以上のNC装置と、イーサネット(R)通信および/またはシリアル通信手段と、イーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置と、イーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対してイーサネット(R)通信を接続可能に変換する変換手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項1または請求項2に係る発明により、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信することにより、あるいはイーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対しても変換手段を介してイーサネット(R)通信することにより、ホストコンピュータとNC装置の距離と通信速度の問題が解消するので、ホストコンピュータとNC装置を至近距離に配設する必要がなくなり、NC装置の設置区域にまで無理にパソコン維持環境を整備するための無駄なコストが不要となる。
【0019】
例えば、10BASE5規格のイーサネット(R)通信仕様は、データ伝送速度10Mbps、500m、最大ノード数1024なので、NC装置を高度利用するプログラム転送システムにおいて、プログラムを書込読出し自在のホストコンピュータと、ホストコンピュータに情報接続された少なくとも一台以上のNC装置との間でイーサネット(R)通信することにより、ホストコンピュータとNC装置の距離500mまでは確保でき、通信のための待ち時間の問題も実用上は解消するのである。
なお、在来のNC装置の場合は、イーサネット(R)機能がないので、イーサネット(R)通信を接続可能に変換する変換手段と、シリアル通信用のインターフェースRS−232Cを介して通信する。
【0020】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置からホストコンピュータへパンチ転送する方法であって、オペレータがNC装置を操作することにより指定した情報名および当該情報がパンチ転送される旨をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、オペレータがNC装置の操作により当該情報のパンチ転送を開始する段階と、前記パンチ転送を受けたホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて当該情報を保存先へ保存する段階と、を有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置がホストコンピュータから読み出すためにリード転送する方法であって、オペレータがNC装置を操作することより指定した加工プログラム名および当該情報がリード転送される旨をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、オペレータがNC装置を操作することにより当該情報のリード転送を開始する段階と、当該情報を保存しているホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて前記情報をNC装置へ転送する段階と、を有することを特徴とする。
【0022】
また、請求項5に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、プログラムの一覧データをNC装置がホストコンピュータから読み出せるようにリスト転送する方法であって、オペレータがNC装置を操作することにより前記一覧データのリスト転送をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、オペレータがNC装置を操作することにより前記一覧データのリスト転送を開始する段階と、前記リスト転送を受けたホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて加工プログラムをNC装置へ転送する段階と、を有することを特徴とする。
【0023】
また、請求項6に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置がホストコンピュータから読み出せるように転送する方法であって、オペレータがNC装置を操作することによりDNC運転用の前記情報の準備をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、オペレータがNC装置を操作することにより前記転送を受けたホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて当該前記情報をNC装置へ転送する段階と、を有することを特徴とする。
【0024】
前述の請求項3〜6に対する作用効果として、オペレータはNC装置に対してのみ操作すれば、ホストコンピュータ側では、前記情報の転送準備などに必要な処理を自動的に実行するので、NC装置とホストコンピュータの間をオペレータが往復しながら、それぞれに対して手を触れるような無駄な操作をなくし、NC装置だけの操作に専念できる。
【0025】
また、例えば、任意のプログラムを選択する際に、NC装置に記憶されているプログラムの番号が並んだプログラム一覧リストをNC操作画面に表示し、出力を希望するプログラムをカーソルの移動で選択することにより、選択されたプログラムと選択されないプログラムとをプログラム一覧リストとして判別可能に表示する。
【0026】
また、DNC運転用加工プログラムをNC装置へ転送することにより、DNC運転する際にもNC装置とホストコンピュータの間をオペレータが往復しながら、それぞれに対して手を触れるような無駄な操作をなくし、NC装置だけの操作に専念できる。
【0027】
また、請求項7に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置がホストコンピュータから読み出せるように転送する方法であって、プログラム呼出し指令M198を使用して、外部入出力機器から、そこに保存されている前記情報をサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込むことを特徴とする。
【0028】
このようにしたので、周知のプログラム呼出し指令M198を使用して、オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータ(外部入出力機器)から、そこに保存されているプログラム等の情報をサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込める。従って、プログラム等の組み合わせに関する選択の自由度が広がる。なお、M198の使用が想定されていない汎用インターフェースRS−232CによるDNC運転において、M198の機能を無理に付加した複雑なソフトと違って、本発明のなかでもM198を使用する想定のもとに簡単にプログラム等の転送処理するものでは、外部入出力機器を制御するソフトが簡素かつ安価になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜7を参照して説明する。なお、請求項1または請求項2でいう「制御用設定値、補正データ、パラメータ、加工プログラム、プログラム一覧リストのうち少なくとも1つ以上を含んで構成された情報」および各請求項でいう「情報」は、以下の説明および各図面における「加工プログラム」または「プログラム」に含まれているものとする。
図1はNC装置用加工プログラム転送システムのブロック図であり、NC装置10,11はイーサネット(R)通信手段(以下、「イーサネット(R)LAN」または「LAN」と略す)2を介してホストコンピュータ(パソコン)3に情報接続されている。NC装置10はイーサネット(R)LAN2に直接接続して通信できるイーサネット(R)機能12を内蔵しており、約500mの距離まで高速通信できる。
【0030】
また、NC装置11にはイーサネット(R)機能12を内蔵していない代わりに、在来の汎用インターフェースRS−232Cが具備されているので、そのRS−232Cとイーサネット(R)通信とを変換する変換手段13をアダプタ接続し、その変換手段13とLAN2を介してホストコンピュータ3に情報通信する。
【0031】
矢印15は制御用設定値、工具補正値などの補正データおよびパラメータの外、加工プログラムなどをパンチ転送する情報の流れであり、NC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に情報通信し、ホストコンピュータ3はNC装置10,11からの指令を受けて、加工プログラムを保存先へ保存する。ホストコンピュータ3にはNC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込まれているので、ホストコンピュータ3は必要な処理を自動的に実行する。従って、オペレータがホストコンピュータ3を直接に操作する必要はなく、対象プログラムが保存・更新され、あるいは後述するリード転送またはDNC運転の際に復帰する。
【0032】
操作性の向上のみならず、バックアップも完全になる。すなわち、NC装置のSRAMのメモリに記録されている制御用設定値、工具補正値などの補正データおよびパラメータは、バックアップ電源の不具合によって記録内容を消失し、NC装置が使用不能になり、復旧困難になることがあったが、本発明により個々のNC装置に配設されているSRAMの記録内容の一部または全部を、LANで外部接続されたコンピュータによりバックアップできる。また、各項目別にもバックアップ可能である。
【0033】
矢印16は加工プログラムをリード転送またはDNC運転用に転送する情報の流れであり、ホストコンピュータ3からLAN2を介してNC装置10,11に情報通信し、ホストコンピュータ3はNC装置10,11からの指令を受けて、加工プログラムを保存先からリード転送またはDNC運転に供する。このときも、ホストコンピュータ3は自動処理するので、オペレータがホストコンピュータ3を直接に操作する必要はない。
なお、以下の説明では図1も随時に参照する。
【0034】
図2はパンチ転送の手順を示すフローチャートであり、請求項3を具体的に解説している。オペレータは任意のプログラム名によりパンチの指定する操作する(以下、「各段階」を「S」と略す)1があり、この操作(S1)により、指定された名前に該当するプログラムがパンチ転送されるように、ホストコンピュータ3に準備させる指令がNC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に情報通信(S2)される。
【0035】
指令(S2)を受けたホストコンピュータ3は、オペレータが指定した名前に該当するプログラムがいつでもパンチ転送できるような自動処理して待機(S3)する。
【0036】
そして、オペレータがパンチ転送を開始するようにNC装置10,11で操作(S4)すれば、ホストコンピュータ3へとパンチ転送指令(S5)され、NC装置10,11にあった該当プログラムがLAN2を介してホストコンピュータ3へとパンチ転送(S6)され、該当プログラムは保存(S7)される。
【0037】
図3はリード転送の手順を示すフローチャートであり、請求項4を具体的に解説している。オペレータは任意のプログラム名によりリードの指定する操作する(S11)があり、この操作(S11)により、指定された名前に該当するプログラムがリード転送されるように、ホストコンピュータ3に準備させる指令がNC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に情報通信(S12)される。
【0038】
指令(S12)を受けたホストコンピュータ3は、オペレータが指定した名前に該当するプログラムがいつでもリード転送できるような自動処理して待機(S13)する。
【0039】
そして、オペレータがリード転送を開始するようにNC装置10,11で操作(S14)すれば、ホストコンピュータ3へとリード転送指令(S15)され、ホストコンピュータ3に保存されていた該当プログラムがLAN2を介してNC装置10,11へとリード転送(S16)され、装置10,11は該当プログラムにより高度利用(S17)される。
【0040】
図4はリスト転送の手順を示すフローチャートであり、請求項5を具体的に解説している。オペレータは加工プログラムの一覧データをリスト転送する操作(S21)を行う。この操作(S21)により、リスト転送を要求する指令がNC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に情報通信(S22)される。
【0041】
このリスト転送を要求する指令(S22)を受けたホストコンピュータ3は、オペレータが要求するプログラム一覧がいつでもリスト転送できるような自動処理して待機(S23)する。
【0042】
そして、オペレータがリスト転送を開始するようにNC装置10,11で操作(S24)すれば、ホストコンピュータ3へとリスト転送指令(S25)され、ホストコンピュータ3に保存されているプログラムの一覧がLAN2を介してNC装置10,11へとリスト転送(S26)され、装置10,11に図7に示すようにリスト表示(S27)される。
【0043】
リスト表示(S27)されたプログラム一覧を(S28)オペレータが目視確認(S29)し、プログラム一覧の中から任意のプログラムを選択する操作(S30)することにより、選択されたプログラムがリード転送されるように、NC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に指令(S31)される。
【0044】
図5はDNC運転用プログラム転送の手順を示すフローチャートであり、請求項6を具体的に解説している。オペレータは任意のプログラム名によりDNC運転を準備する操作(S41)があり、この操作(S41)により、NC装置10,11からLAN2を介してホストコンピュータ3に、対象プログラムの準備を指令(S42)される。
【0045】
指令(S42)を受けたホストコンピュータ3は、オペレータが指定した名前に該当するプログラムがいつでもDNC運転できるように自動処理して待機(S43)する。
【0046】
そして、オペレータがNC装置10,11でDNC運転の操作(S44)すれば、ホストコンピュータ3へと対象プログラムの転送を指令(S45)され、ホストコンピュータ3に保存されていた対象プログラムがLAN2を介してNC装置10,11へと転送(S46)され、装置10,11はDNC運転用の加工プログラムを実行しながらDNC運転(S47)される。
【0047】
図6はNC装置10,11に具備された表示器に表示されるメニュー画面であり、前述した[パンチ]転送、[リード]転送、[リスト]転送、[DNC]運転に関して、図示せぬテンキーおよびカーソルなどで操作する。
【0048】
図7はプログラム一覧画面であり、オペレータは選択事項をハイライトして示すカーソル7で任意の加工プログラムなどを選択する。操作の手順は図4に示した通りであり、プログラム一覧をオペレータが目視確認(S28)し、プログラム一覧の中から任意のプログラムを選択(S30)する。
【0049】
なお、周知のプログラム呼出し指令M198を使用して、オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータ(以下、「外部入出力機器」ともいう)から、そこに保存されているプログラムをサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込む操作を説明する。ここでは、DNC運転を実行中のNC装置を想定する。
【0050】
実行中のプログラムの途中に「M198P□□□□(プログラム番号)L××××(回数)」と書き込まれているか、そうでなければオペレータがキー入力することにより、該当プログラムをサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込む操作が実行される。ここで、呼出されるプログラムの最後はM99(プログラムエンド)とする。
【0051】
前記「M198P□□□□(プログラム番号)L××××(回数)」が実行されると予めNC装置のパラメータに設定されている外部入出力機器内のプログラムを、サブプログラムとして呼出しながらDNC運転し、M99(プログラムエンド)でM198へ復帰する。ここで、M198には「L××××(回数)」と指定されているので、指定回数分だけサブプログラムの呼出しを実行し、M198の次の行へ移行する。
【0052】
このようにすれば、NC装置のメモリ(以下「NCメモリ」という)内のプログラムをメインに、外部入出力機器内のプログラムをサブプログラムとしてDNC運転できる。例えば、M198は、メインプログラムで呼出したい順番にNCメモリ内のプログラムをメインプログラムとして作成すれば良い。この点、従来から周知のDNC運転によれば、外部入出力機器内のプログラムをメインとするDNC運転しかできず、NCメモリ内のプログラムはサブプログラムの呼出しだけに限定されていたので、本発明により、プログラムの組み合わせに関する選択の自由度が広がる。
【0053】
前記M198を利用して複数の加工物を自動搬送するような機械の場合、プログラム自動切換に関する回数やタイミングを任意設定したスケジュール用プログラムをNCメモリ内に作成し、プログラム自動切換機能を実行することもできる。
【0054】
なお、M198の使用が想定されていない汎用インターフェースRS−232CによるDNC運転において、M198の機能を無理に付加した複雑なソフトと違って、本発明のなかでもM198を使用する想定のもとに簡単にプログラム等の転送処理するものでは、外部入出力機器を制御するソフトが簡素かつ安価になる。
【0055】
新たな効果として、接続されたNC機械ごとの稼動状況をホストコンピュータの画面表示により集中監視できる。そして、この集中監視用の画面表示に関しては、一般的な表示用ソフト、例えばマイクロソフト社のエクセル(R)などで視覚・直感的にグラフ化するなどの表示をすれば、稼動状況を容易に管理できる。
このようにして、以下の内容を画面に一覧表示する。
▲1▼自動運転中であることの表示および、自動運転したトータル時間を表示。
▲2▼電源はONしているが、自動運転は実行していないため準備中であることの表示および、準備中のトータル時間を表示する。
▲3▼電源はONしているが、アラーム発生中であることの表示および、アラーム発生したトータル時間を表示する。
▲4▼プログラム番号ごとに加工個数を表示する。
▲5▼電源はOFFまたはLAN接続が切断されているため、未稼動であることを表示する。
【0056】
別の効果として加工プログラム編集用エディター機能も付加できる。すなわち、加工プログラムはホストコンピュータに転送してしまえば、テキストエディターで編集可能だが、加工プログラム専用のエディターを搭載することにより、編集を容易にできる。そして、接続された機械ごとに異なる補助機能などの取り扱い説明についてガイダンス表示することにより、機械メーカーの作成した「補助機能」一覧表をオペレータが逐一参照する手間が省け、さらにガイダンス表示内容の改訂も簡単である。特に、以下の特徴がある。
▲1▼接続された機械ごとに、Gコードのガイダンス表示する。
▲2▼接続された機械ごとに、補助機能(M,S,T,B各コード)のガイダンス表示する。
【0057】
【発明の効果】
発明は、以上説明したように構成したので、請求項1または請求項2に係る発明によれば、イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信することにより、あるいはイーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対しても変換手段を介してイーサネット(R)通信することにより、ホストコンピュータとNC装置の距離と通信速度の問題が解消するので、ホストコンピュータとNC装置を至近距離に配設する必要がなくなり、NC装置の設置区域にまで無理にパソコン維持環境を整備するための無駄なコストが不要となる。
【0058】
また、請求項3〜6に係る発明によれば、オペレータは手近に有るNC装置に対してのみ操作すれば、ホストコンピュータ側では自動処理するので、NC装置とホストコンピュータの間をオペレータが往復しながら両方を手に触れる無駄な操作をなくし、NC装置だけの操作に専念できる。
【0059】
前述した効果を以下に整理して示す。
(1)新規開発のネットワーク構成により、オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータとNC装置とを至近距離に配設する必要がなくなり、パソコン維持環境には適さないNC装置の設置区域において、無理にパソコン維持環境を整備するためのコストが不要となる。
(2)イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信することにより、ホストコンピュータとNC装置の距離と通信速度の問題が解消する。
(3)イーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対しては、イーサネット(R)通信を汎用インターフェースで接続可能に変換する変換手段を介して、イーサネット(R)通信することにより、ホストコンピュータとNC装置の距離と通信速度の問題が解消する。
(4)プログラムを一元管理する運用も可能になり、類似の加工する複数のNC装置で情報の共有できる。当然にバックアップ体制も整備されるので、不測の事態にも対応できる。
(5)NC装置を高度利用するプログラムの利用は、NC装置に標準装備されている表示画面および/またはキーボードに対応した専用メニューに沿った操作のみにより完結するので操作が簡略化できる。
(6)オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータにはNC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込んだので、NC装置だけの操作により、NC装置を高度利用するプログラムの利用ができる。オペレータはオプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータに触れることなく、NC装置だけの操作に専念できる。
(7)オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータへの指令は、既存のNC装置に採用されている標準的なデータ出力方法に一致させたので、ほとんどのNC装置と整合できる。
(8)プログラム保存先のプログラム一覧データをプログラム形式に変換したので、プログラムを取り込める一般的なNC装置であれば、イーサネット(R)機能を具備していないくても、プログラム一覧データを画面表示できて便利である。
(9)NC装置のSRAMのメモリに記録されている制御用設定値、工具補正値などの補正データおよびパラメータは、バックアップ電源の不具合によって記録内容を消失し、NC装置が使用不能になり、復旧困難になることがあったが、SRAMの記録内容の一部または全部を外部接続されたコンピュータによりバックアップできる。また、各項目別にもバックアップ可能である。
(10)周知のプログラム呼出し指令M198を使用して、オプション操作用パソコンおよび/またはホストコンピュータ(外部入出力機器)から、そこに保存されているプログラム等の情報をサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込める。従って、プログラム等の組み合わせに関する選択の自由度が広がる。なお、M198の使用が想定されていない汎用インターフェースRS−232CによるDNC運転において、M198の機能を無理に付加した複雑なソフトと違って、本発明のなかでもM198を使用する想定のもとに簡単にプログラム等の転送処理するものでは、外部入出力機器を制御するソフトが簡素かつ安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すNC装置用加工プログラム転送システムのブロック図である。
【図2】パンチ転送の手順を示すフローチャートである。
【図3】リード転送の手順を示すフローチャートである。
【図4】リスト転送の手順を示すフローチャートである。
【図5】DNC運転用プログラム転送の手順を示すフローチャートである。
【図6】NC装置に具備された表示器に表示されるメニュー画面である。
【図7】プログラム一覧画面である。
【符号の説明】
2 イーサネット(R)通信手段(LAN)
3 ホストコンピュータ(パソコン)
7 カーソル
10,11 NC装置
12 イーサネット(R)機能
13 変換手段
15 プログラムをパンチ転送する情報の流れ
16 プログラムをリードまたはDNC運転用に転送する情報の流れ
RS−232C インターフェース
Claims (7)
- 外部接続されたコンピュータとNC装置の間で制御用設定値、補正データ、パラメータ、加工プログラム、プログラム一覧リストのうち少なくとも1つ以上を含んで構成された情報を転送することによりNC装置を高度利用するプログラム転送システムであって、
NC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込まれ加工プログラムを書込読出し自在のホストコンピュータと、
前記ホストコンピュータに情報接続された一台以上のNC装置と、
イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置と、
イーサネット(R)機能を内蔵するNC装置に対して直接イーサネット(R)通信するイーサネット(R)通信手段と、を備えたことを特徴とするNC装置用加工プログラム転送システム。 - 外部接続されたコンピュータとNC装置の間で制御用設定値、補正データ、パラメータ、加工プログラム、プログラム一覧リストのうち少なくとも1つ以上を含んで構成された情報を転送することによりNC装置を高度利用するプログラム転送システムであって、
NC装置からの指令に応じて自動処理されるソフトを組み込まれ加工プログラムを書込読出し自在のホストコンピュータと、
前記ホストコンピュータに情報接続された一台以上のNC装置と、
イーサネット(R)通信および/またはシリアル通信手段と、
イーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置と、
イーサネット(R)機能を内蔵しないNC装置に対してイーサネット(R)通信を接続可能に変換する変換手段と、を備えたことを特徴とするNC装置用加工プログラム転送システム。 - 請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置からホストコンピュータへパンチ転送する方法であって、
オペレータがNC装置を操作することにより指定した情報名および当該情報がパンチ転送される旨をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、
オペレータがNC装置の操作により当該情報のパンチ転送を開始する段階と、
前記パンチ転送を受けたホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて当該情報を保存先へ保存する段階と、
を有することを特徴とするプログラム転送方法。 - 請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置がホストコンピュータから読み出すためにリード転送する方法であって、
オペレータがNC装置を操作することより指定した加工プログラム名および当該情報がリード転送される旨をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、
オペレータがNC装置を操作することにより当該情報のリード転送を開始する段階と、
当該情報を保存しているホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて前記情報をNC装置へ転送する段階と、
を有することを特徴とするプログラム転送方法。 - 請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、プログラムの一覧データをNC装置がホストコンピュータから読み出せるようにリスト転送する方法であって、
オペレータがNC装置を操作することにより前記一覧データのリスト転送をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、
オペレータがNC装置を操作することにより前記一覧データのリスト転送を開始する段階と、
前記リスト転送を受けたホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて加工プログラムをNC装置へ転送する段階と、
を有することを特徴とするプログラム転送方法。 - 請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置がホストコンピュータから読み出せるように転送する方法であって、
オペレータがNC装置を操作することによりDNC運転用の前記情報の準備をホストコンピュータに指令して待機させる段階と、
オペレータがNC装置を操作することにより前記転送を受けたホストコンピュータがNC装置からの指令を受けて当該前記情報をNC装置へ転送する段階と、を有することを特徴とするプログラム転送方法。 - 請求項1または請求項2に記載のNC装置用加工プログラム転送システムにおいて、前記情報をNC装置がホストコンピュータから読み出せるように転送する方法であって、
プログラム呼出し指令M198を使用して、外部入出力機器から、そこに保存されている前記情報をサブプログラムとして呼出して、NC装置に取り込むことを特徴とするプログラム転送方法。
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2002
- 2002-10-24 JP JP2002309695A patent/JP2004145641A/ja active Pending
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