JP2004144012A - 燃料処理装置 - Google Patents

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】燃料分子のクラスタを効果的に細分化し、かつ再結合を防ぐことができる燃料処理装置を提供すること。
【解決手段】本体1に嵌合された電磁石11〜14には、パルス電圧が印加される。これにより、電磁石11〜14は、断続する磁場を発生して、燃料供給管用空洞部10を貫通する燃料供給管(キャブレータを含む)内の燃料が形成しているクラスタ構造を分解し、クラスタを細分化する。また、この燃料処理装置を、前記燃料供給管に、所定の間隔を隔てて複数個配置することにより、一旦細分化された燃料分子の再結合を防止している。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両、船舶、航空機等のエンジンといった内燃機関等のための燃料処理装置に係り、特に、燃料タンク内に貯蔵され、燃料流路により内燃機関に供給される燃料の特性を磁力を利用して変化させて、燃費の良い燃料に転換する燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関に供給される燃料の特性を、磁力を利用して変化させ、燃費の良い燃料に転換する燃料処理装置としては、燃料流路(燃料供給路)の途中に磁石を設置して、この設置箇所を通過する燃料に、上記磁石による静磁場を作用させるものが知られていた(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3033200号公報
【特許文献2】
特開2000−45887号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃料処理装置にあっては、前述のとおり、燃料流路の途中に磁石を設置して静磁場を作用させる方式であるため、燃料(液体燃料)分子が形成しているクラスタ構造を分解して、クラスタを細分化する効果が不十分であるという問題点があった。
【0005】
また、仮に、上記磁石の設置箇所においてクラスタが細分化されたとしても、処理された燃料が実際に内燃機関の燃焼室に供給されるまでには燃料分子が再結合して再びクラスタ構造を形成するので、燃費を向上させると共に、大気汚染を防止して環境の保全に役立てるための所期の目標が達成されないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、燃料分子のクラスタを効果的に細分化することができる燃料処理装置を提供することを目的としている。
【0007】
本発明の他の目的は、細分化された燃料分子のクラスタが再結合することを防ぐことができる燃料処理装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料処理装置は、燃料タンク内に貯蔵され、燃料流路を介して内燃機関に供給される燃料の燃費効率を改善する燃料処理装置であって、前記燃料に対して磁場を作用させる磁場発生装置と、前記磁場発生装置に電圧を供給する電圧発生回路と、前記電圧発生回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記磁場発生装置が前記燃料に対して磁場を印加する状態と磁場を印加しない状態とを反復するよう前記電圧発生回路を制御することを特徴とし、このような構成により、特に、燃料分子のクラスタを細分化することができる燃料処理装置を実現している。
【0009】
好ましくは、前記電圧発生回路は、前記磁場発生装置にパルス電圧を供給するものであり、このように構成することにより、特に、燃料分子のクラスタを細分化することができる簡単な回路構成の燃料処理装置を実現している。
【0010】
また、前記燃料処理装置は、前記磁場発生装置が、燃料流路の途中に設置されるものであり、中心部に前記燃料流路を貫通させるための空洞部を有する円盤状の本体と、前記本体に嵌合された少なくとも1個の電磁石とを具備していることを特徴とし、このような構成により、特に、燃料分子のクラスタを細分化することができる簡単な構造の燃料処理装置を実現している。
【0011】
また、前記燃料処理装置は、前記電磁石の両極の中央間を結ぶ線分が、前記円盤状の本体の断面の中心を通る前記断面上の直線に沿っていることを特徴とし、このような構成により、特に、燃料分子のクラスタを効果的に細分化することができる簡単な構造の燃料処理装置を実現している。
【0012】
また、前記燃料処理装置は、前記本体に嵌合された複数個の前記電磁石が、電気的に全て直列接続または全て並列接続されたものであることを特徴とし、このような構成により、特に、燃料分子のクラスタを細分化することができる簡単な構造および回路構成の燃料処理装置を実現している。
【0013】
また、前記燃料処理装置は、前記燃料流路が、燃料供給管またはキャブレータであることを特徴とし、このような構成により、前記の効果に加えて、特に、前記燃料流路をキャブレータとする場合は、燃料と空気との混合気体が形成するクラスタ構造のクラスタを細分化することも可能な燃料処理装置を実現している。
【0014】
また、前記燃料処理装置は、前記磁場発生装置が、燃料流路の途中に所定の間隔を隔てて複数個設置されていることを特徴とし、このような構成により、特に、燃料分子のクラスタを複数回にわたって細分化し、前記の効果を一層高めた燃料処理装置を実現している。
【0015】
また、前記燃料処理装置は、前記複数個の磁場発生装置が、各円盤状の本体に設けられた電磁石の位置が隣接する円盤状の本体間で、円盤状の本体の中心軸のまわりの回転方向に相互にずれていることを特徴とし、このような構成により、前記の効果に加えて、特に、磁気による燃料のクラスタ構造の分解能力を高めてクラスタを一層細かく細分化し得る燃料処理装置を実現している。
【0016】
また、前記燃料処理装置は、一の磁場発生装置が磁場を印加する状態である間は、他の二つは磁場を印加しない状態にあるように、制御手段が電圧発生回路を制御することを特徴とし、このような構成により、前記の効果に加えて、特に、前記複数個の磁場発生装置の磁力が互いに干渉することを防止し、磁気による燃料のクラスタ構造の分解能力を一層効果的にした燃料処理装置を実現している。
【0017】
さらに、前記燃料処理装置は、前記磁場発生装置が、燃料流路の途中に所定の間隔を隔てて3個設置されていることを特徴とし、このような構成により、前記の効果に加えて、特に、製造し易さの観点から実用的かつ最適な構造の燃料処理装置を実現している。
【0018】
また、前記燃料処理装置は、前記磁場発生装置が、燃料タンクの壁上に設置されるものであり、少なくとも1個の電磁石を具備していることを特徴とし、このような構成により、前記の効果に加えて、特に、設置の容易な燃料処理装置を実現している。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料処理装置の実施の形態について、〔第1の実施形態〕、〔第2の実施形態〕の順に図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明に係る第1の実施形態の燃料処理装置の磁場発生装置の構成を示す構成図である。
【0021】
同図において、本実施形態の燃料処理装置の磁場発生装置は、4個の電磁石を固定する円盤状本体1(基板)と、円盤状本体1の中央部に設けられた燃料供給管用空洞部10と、円盤状本体1に固定された電磁石11〜14とを備えて構成されている。
【0022】
電磁石11〜14は、隣接する電磁石同士が円盤状本体1の中心に関して、90°の角度をなすように配置されている。
【0023】
電磁石11〜14は、鉄芯入りの電磁石である。電磁石11〜14は、本実施の形態では、これら電磁石を同時に励磁するために、電気的には全て直列接続されているものであるが、本発明では、一般に、全てを並列接続することを含めた任意の電気的接続が可能であり、また、電磁石同士を電気的に接続せずに個別に励磁することもできる。
【0024】
また、電磁石11〜14の磁極の配置は、図1では電流を流した際にN極側が、全て燃料供給管用空洞部10の方向に対向して配置されているが、一般に、本発明では、電磁石11〜14の磁極の配置は任意とすることができる。但し、いずれの場合であっても、N極の中央とS極の中央とを結ぶ線分は、本体1の円盤の中心を通る直線に沿うものとすることが好ましい。
【0025】
また、本実施形態にあっては、電磁石を4つとしているが、1つ以上であればよく、任意の個数とすることができる。複数とした場合には、形成される磁場が均一に燃料供給管内の燃料に作用するように、等角度で配置されることが好ましい。
【0026】
なお、図1では省略しているが、上記の構成要素の他にも、本体1には、電磁石11〜14に印加する電圧を供給するためのコネクタ端子や電気配線が存在する。
【0027】
また、本体1は、燃料供給管を燃料供給管用空洞部10に通すために、2個の半円盤に分離することができて、さらに、燃料供給管を燃料供給管用空洞部10に通した後では、上記の分離された半円盤を電気的一体性を確保するためのピンコネクタ等により相互に嵌合して、再び元の円盤にすることができる構造となっている。
【0028】
本体1を形成する材質は、例えば、合成樹脂、ガラス、金属とすることができる。
【0029】
燃料供給管用空洞部10の直径は、燃料供給管の径に対応している。
【0030】
なお、この実施の形態では、本体1の中央部を燃料供給管用空洞部10としたが、一般に、本発明では、本体1の中央部に、燃料流路の任意の部分を貫通させることができるものとし、例えば、キャブレータ部分を貫通させることも可能である。キャブレータに対して、本発明の燃料処理装置が適用される場合には、燃料と空気との混合気に対してもクラスターを細分化することができ、燃焼の効率を一層向上させることが可能となるという効果がある。
【0031】
上記の燃料流路には、内燃機関に供給される燃料が通過するが、この燃料の種類としては、例えば、ガソリン(ハイオク、レギュラー等)、軽油、重油が可能である。
【0032】
電磁石11〜14の磁力の強さは、燃料の種類、流量、及び燃料流路の径等によって最適値を選択して設定することができる。また、実験による1つの好適な実施例として、220〔ターン〕(巻き数)により280〔μH〕を得て使用することができる。
【0033】
図2は、本発明に係る第1の実施形態の燃料処理装置の磁場発生装置に印加される電圧の波形を示す波形図である。
【0034】
図1に示す磁場発生装置には、パルス電圧が印加される。図2(a)は、デューティ比が1対1ではない場合(ケース1)の波形の1例であり、図2(b)は、デューティ比が1対1の場合(ケース2)の波形である。
【0035】
本実施形態では、磁場発生装置に印加される電圧のデューティ比を任意に設定することができる。
【0036】
なお、上記パルス電圧の周波数は、燃料の種類、流量、及び燃料流路の径等によって適正周波数範囲は上下するが、10〜200KHz、特に、60〜80KHzの範囲とすることで、高い燃費向上効果を達成することができる。
【0037】
図1に示す磁場発生装置には、図2に示すパルス電圧が印加されるので、電磁石11〜14の磁力発生は、パルス状に断続することになり、これにより、燃料流路に設置された上記磁場発生装置を通過する燃料分子のクラスタ構造を、従来の静磁力を使用する装置よりも遙に効果的に分解して、細分化することができる。
【0038】
図3は、本発明に係る第1の実施形態の燃料処理装置のパルス電圧発生回路を含む構成を示す構成図である。
【0039】
図3において、本実施形態の燃料処理装置のパルス電圧発生回路は、直流電源供給部21と、CR発振器22と、電流増幅回路23を具備して構成される。
【0040】
なお、符号24は、磁場発生装置(図1に示す磁場発生装置の回路要素)を示す。
【0041】
直流電源供給部21から供給される電力の入力源は、車両の場合は、設置されている常時電源から取り出すことも可能であり、また、アクセサリ電源(ACC)等から取り出すことも可能である。さらに、専用の電池を使用することも可能である。
【0042】
CR発振器22の主要な構成要素は、抵抗とコンデンサから成るCR発振回路であり、直流電源供給部21から供給される直流電圧をパルス電圧に変換する。
【0043】
電流増幅回路23は、CR発振器22から出力されるパルス電圧を増幅する。
【0044】
磁場発生装置24の電気的に主要な構成要素は、本実施形態では、図1に示す電磁石11〜14を直列接続したものである。
【0045】
以上のように、この第1の実施形態によれば、燃料流路を流れる燃料が、燃料分子のクラスタ構造を有している場合にも、この燃料を、磁場発生装置を通過させることにより、断続する磁気の作用により従来の静磁場を使用する装置よりも一層細かくクラスタを細分化することができる効果がある。
【0046】
〔第2の実施形態〕
図4は、本発明に係る第2の実施形態の燃料処理装置の構成を示す構成図である。
【0047】
図4において、3つの磁場発生装置X,Y,Zが、燃料流路に沿って一定の間隔で配置されている。磁場発生装置X,Y,Zの構成は、図1に示す磁場発生装置と同じである。
【0048】
磁場発生装置X,Y,Zの磁石の配置は、図4(b)に示すように、本体の中心と磁極の中心とを結ぶ線分を、30度づつずれて配置している。即ち、磁場発生装置Yの磁石は、上記線分が磁場発生装置Xの磁石に比べて30度右回転した位置に配置され、磁場発生装置Zの磁石は、上記線分が磁場発生装置Yの磁石に比べて30度右回転した位置に配置されている。
【0049】
本実施の形態では、本体の個数を3としたが、一般に、本発明では、2または4以上の個数とすることができる。しかし、この本体の設置個数は、電磁石のサイズを考慮すると、自ずから制限を有する。なお、上記の回転角度は、各磁場発生装置に嵌合される電磁石の数を4個とした場合には、本体の設置個数をnとする時、(90/n)度とすることにより、燃料流路を通過する燃料に対して、均等な回転磁場を与えることとなり、最も良好な燃費向上効果を得ることができるが、隣接する磁場発生装置間の回転角度はそれぞれ異なるものとすることも可能である。
【0050】
なお、磁場発生装置X,Y,Zの燃料流路上の配置間隔は、前記磁場発生装置各々が発生する磁力の強さ(磁束の実効到達距離に関係する)と、前記磁場発生装置各々を通過した燃料のクラスタが再結合を開始する距離とを考慮して設定されるが、磁束の実効到達距離(例えば10cm)のp1.0倍〜2.0倍(例えば15cm)とすることができる。
【0051】
また、本実施形態にあっては、配置間隔を一定としているが、各磁場発生装置間の距離を異なったものとすることもできる。
【0052】
図5は、本発明に係る第2の実施形態の燃料処理装置の磁場発生装置に印加される電圧の波形を示す波形図である。
【0053】
図4に示す磁場発生装置X,Y,Zの各々には、図5に示すパルス電圧が印加される。即ち、このパルス電圧のデューティー比は、ローレベル状態の時間帯がハイレベル状態の時間帯の2倍の長さに設定されている。また、その位相に関し、磁場発生装置Yに印加されるパルス電圧は、磁場発生装置Xに印加されるパルス電圧よりもハイレベル状態1つ分の時間長だけ遅らされており、また、磁場発生装置Zに印加されるパルス電圧は、磁場発生装置Yに印加されるパルス電圧よりもハイレベル状態1つ分の時間長だけ遅らされている。
【0054】
なお、上記パルス電圧の周波数は、燃料の種類、流量、及び燃料流路の径等によって適正周波数範囲は上下するが、10〜200KHz、特に、60〜80KHzの範囲とすることで、高い燃費向上効果を達成することができる。
【0055】
図4に示す磁場発生装置X,Y,Zには、図5に示すパルス電圧が印加されるので、磁場発生装置X,Y,Zの各々に保持されている電磁石11〜14の磁力発生は、パルス状に断続することになると共に、図4(a)に示すような回転角が与えられ、さらに、図5に示す印加電圧の波形により、磁場発生装置X,Y,Zの各々の磁力発生時刻が異なることになるので、これにより、燃料流路に設置された上記磁場発生装置X,Y,Zを通過する燃料分子のクラスタ構造を、一層細かく分解して、細分化されたクラスタにすることができると共に、燃料分子の再結合による再クラスタ化を防止することができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、磁場発生装置X,Y,Zの各々に印加されるパルス電圧を図5に示すもの(即ち、3系統のパルス電圧のハイレベル状態が連続しているもの)としたが、一般に、本発明では、複数系統のパルス電圧のハイレベル状態が一部重複するものとすることも可能であり、また、3系統のパルス電圧のハイレベル状態間にローレベル状態が介在するものとすること(即ち、図5においては、磁場発生装置Xへの各パルス電圧の終了と同時に磁場発生装置Yへの各パルス電圧が開始されているが、磁場発生装置Xへの各パルス電圧の終了から所定時間経過後に磁場発生装置Yへの各パルス電圧が開始するものとすること)も可能である。
【0057】
図6は、本発明に係る第2の実施形態の燃料処理装置のパルス電圧発生回路を含む構成を示す構成図である。
【0058】
図6において、本実施の形態に係る燃料処理装置のパルス電圧発生回路は、直流電源供給部31と、CR発振器32と、シフトレジスタ33と、電流増幅回路34とを具備して構成される。
【0059】
なお、符号35〜37は、磁場発生装置(図4に示す磁場発生装置X〜Zの回路要素)を示す。
【0060】
直流電源供給部31から供給される電力の入力源は、車両の場合は、設置されている常時電源から取り出すことも可能であり、また、アクセサリ電源(ACC)等から取り出すことも可能である。さらに、専用の電池を使用することも可能である。
【0061】
CR発振器32の主要な構成要素は、抵抗とコンデンサから成るCR発振回路であり、直流電源供給部31から供給される直流電圧をパルス電圧に変換する。
【0062】
シフトレジスタ33は、CR発振器32から供給されるパルス電圧を、図5に示すような磁場発生装置X,Y,Zの各々に印加される複数出力(複数系統)のパルス電圧に変換する。
【0063】
電流増幅回路34は、シフトレジスタ33から出力される磁場発生装置X,Y,Z向けのパルス電圧の各々を増幅する。
【0064】
磁場発生装置X(35)〜磁場発生装置Z(37)の電気的に主要な構成要素は、本実施形態では、図1に示す電磁石11〜14を直列接続したものである。
【0065】
以上のように、この第2の実施形態によれば、燃料流路を流れる燃料が、燃料分子のクラスタ構造を有している場合にも、この燃料を、前述の磁場発生装置X,Y,Zを通過させることにより、燃料流路を通過する燃料分子のクラスタ構造を、パルス状に断続する磁気の作用により一層細かく細分化することができると共に、燃料分子の再結合による再クラスタ化を防止することができる効果がある。
【0066】
なお、第2の実施形態にあっては、各々4個の電磁石を備えた、3つの磁場発生装置を用いているが、磁場発生装置に嵌合される電磁石の数を、5以上、又は、3以下とすることも可能であり、個々の磁場発生装置に嵌合される電磁石の数を、磁場発生装置毎に異なるものとし、或いは、同数とすることも可能である。また、それぞれの磁石発生装置における電磁石の配置は、第4図に示すように、本体の中心軸の同心円上に等角度間隔で配置することが好ましいが、当該頭角度間隔の配置からずれた位置に配置しても構わない。
【0067】
更に、第2の実施形態の変形例として、第2の実施形態におけるパルス電圧の印加の方法をそのままに、隣接する電磁石同士が円盤状本体の中心に関して、30°の角度をなす12個の電磁石を有する単一の磁場発生装置により燃料処理装置を構成することもできる。
【0068】
この場合、互いに90°の角度をなす4個の電磁石からなる第1のグループが最初に励磁され、次いで該第1のグループの電磁石に対して30°回転した4個の電磁石からなる第2のグループが励磁され、最後に該第2のグループの電磁石に対して30°回転した4個の電磁石からなる第3のグループが励磁されて、再び第1のグループの4個の電磁石の励磁に戻り、以降これを繰り返すこととなる。
【0069】
これにより、一の磁場発生装置において回転する磁場が形成され、回転磁場の作用下、燃料分子を一層効果的に細分化することができる。
【0070】
上記した第2の実施形態の更なる変形例として、単一、或いは、3つの円盤状の本体に嵌合される12個の電磁石をグループ化することなく、全ての電磁石に対して一方の回転方向で順次パルス電圧を印加して磁場が360°回転するようにしてもよい。
【0071】
なお、上記した第2の実施形態における2つの変形例においても、電磁石の個数は本発明の本質ではなく、13以上、又は、11以下の電磁石を使用した燃料処理装置とすることも可能である。
【0072】
更に、第2の実施形態、及び、その変形例では、燃料分子に対して一定方向に回転する磁場が作用するように個々の電磁石に印可するパルス電圧のタイミングが制御される場合について説明したが、磁場の回転方向が所定のタイミングで反転する態様でパルス電圧のタイミングを制御することも可能である。
【0073】
また、第1の実施形態、第2の実施形態、及び、その変形例は、いずれも、磁場発生装置を燃料流路の途中に設置するものとして説明したが、磁場発生装置を燃料タンクのいずれかの壁上に設置するようにすることも可能である。この場合、本体中央部に設けられた燃料供給管用空洞部は不要であることは言うまでもないが、電磁石の磁極の方向が、燃料タンク内の燃料に向かうように、磁極の配置を変更することが望ましい。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の燃料処理装置によれば、燃料分子のクラスタを従来よりも効果的に細分化して、燃料の燃費効率を改善すると共に、大気汚染の公害発生を防止することができる燃料処理装置を提供することができる。
【0075】
また、一旦細分化された燃料分子のクラスタが再結合することを防ぐことができる燃料処理装置を提供することができる。
【0076】
さらに、構造が簡単で、かつ燃料流路の任意の箇所に簡単に設置することができる燃料処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の燃料処理装置の磁場発生装置の構成を示す構成図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態の燃料処理装置の磁場発生装置に印加される電圧の波形を示す波形図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態の燃料処理装置のパルス電圧発生回路を含む構成を示す構成図である。
【図4】本発明に係る第2の実施形態の燃料処理装置の構成を示す構成図である。
【図5】本発明に係る第2の実施形態の燃料処理装置の磁場発生装置に印加される電圧の波形を示す波形図である。
【図6】本発明に係る第2の実施形態の燃料処理装置のパルス電圧発生回路を含む構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 本体(基板)
11〜14 電磁石
21,31 直流電源供給部
22,32 CR発振器
23,34 電流増幅回路
24 磁場発生装置
33 シフトレジスタ
35 磁場発生装置X
36 磁場発生装置Y
37 磁場発生装置Z

Claims (11)

  1. 燃料タンク内に貯蔵され、燃料流路を介して内燃機関に供給される燃料の燃費効率を改善する燃料処理装置であって、
    前記燃料に対して磁場を作用させる磁場発生装置と、
    前記磁場発生装置に電圧を供給する電圧発生回路と、
    前記電圧発生回路を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記磁場発生装置が前記燃料に対して磁場を印加する状態と磁場を印加しない状態とを反復するよう前記電圧発生回路を制御することを特徴とする燃料処理装置。
  2. 前記電圧発生回路は、前記磁場発生装置にパルス電圧を供給することを特徴とする請求項1に記載の燃料処理装置。
  3. 前記磁場発生装置は、燃料流路の途中に設置されるものであり、中心部に前記燃料流路を貫通させるための空洞部を有する円盤状の本体と、前記本体に設けられた少なくとも1個の電磁石とを具備していることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料処理装置。
  4. 前記電磁石の両極の中央間を結ぶ線分は、前記円盤状の本体の断面の中心を通る前記断面上の直線に沿っていることを特徴とする請求項3に記載の燃料処理装置。
  5. 前記本体に嵌合された電磁石は複数個あり、該複数個の電磁石は、電気的に全て直列接続または全て並列接続されたものであることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料処理装置。
  6. 前記燃料流路は、燃料供給管またはキャブレータであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料処理装置。
  7. 前記磁場発生装置は、燃料流路の途中に所定の間隔を隔てて複数個設置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料処理装置。
  8. 前記複数個の磁場発生装置は、各円盤状の本体に設けられた電磁石の位置が隣接する円盤状の本体間で、円盤状の本体の中心軸のまわりの回転方向に相互にずれていることを特徴とする請求項7記載の燃料処理装置。
  9. 一の磁場発生装置が磁場を印加する状態である間は、他の二つは磁場を印加しない状態にあるように、制御手段が電圧発生回路を制御することを特徴とする請求項7または8に記載の燃料処理装置。
  10. 前記磁場発生装置は、燃料流路の途中に所定の間隔を隔てて3個設置されていることを特徴とする請求項8記載の燃料処理装置。
  11. 前記磁場発生装置は、燃料タンクの壁上に設置されるものであり、少なくとも1個の電磁石を具備していることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料処理装置。
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