JPH06167255A - 燃料油の磁場通過装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車、船舶等の内燃機関の燃料として使用
するガソリン、軽油等の燃料油を燃焼する直前に磁界と
電波を通過させることによって、燃料油の燃焼効率を向
上させること。 【構成】 ケーシング内においてリング状の永久磁石と
集磁部材とを重ね合わせて永久磁石組を形成し、燃料油
が電波発振器による電波の作用を受けて前記ケーシング
内を流れるように構成した燃料油の磁場通過装置におい
て、該永久磁石組の間に内部に極性結晶体を充填した収
納網を張設し、且つ遮断部材と伝達部材とを備えたこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車、船舶等の内
燃機関あるいはボイラーの燃料として使用するガソリ
ン、軽油等の燃料油を燃焼する直前に磁界や電波等を通
過させることによって、燃料油の反応性を高めて励起状
態にし且つ燃焼時に起こる連鎖反応を制御して完全燃焼
に近い状態を可能にし、よって燃焼効率を向上させる燃
料油の磁場通過装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より燃料油の燃焼効率を向上させる
方法として、内燃機関で燃焼させる直前に磁界を通過さ
せる方法が、例えば、特公昭38-9354 号, 特開昭59-176
504 号, 特開昭60-25976号, 特開昭63-108112 号公報等
によってすでに公知の事実となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記い
ずれの従来技術においても、通過する燃料油にいかに強
力な磁力を作用させるかが問題になっているにすぎず、
他の要因との組み合わせによる燃料油の燃焼効率の向上
を図る工夫は見られなかった。又、従来技術の大部分が
不完全燃焼を引き起こして公害の原因となる有毒ガスや
煤煙の排出の要因ともなっていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は上記事情に鑑
みてなされたものであって、その手段とするところは、
ケーシングの内部に中空状に成形した軸芯を設け、該軸
芯の周囲に電波発振器に繋がる導線を被覆したコイルを
複数巻回すると共に、軸芯の内周面には複数のリング状
の永久磁石を連結した永久磁石組を配置し、燃料油が前
記ケーシング内に設けた通油孔及び通路を通過する際
に、前記コイルから発信される電波及び前記永久磁石組
からの磁界の作用を受けるように形成された燃料油の磁
場通過装置において、前記永久磁石組の間に軸芯に支持
された複数の収納網を設けて該収納網の内部に極性結晶
体を充填し、或いは前記永久磁石組を複数のリング状の
永久磁石と集磁部材とにより形成し、又は前記ケーシン
グの内周面に遮断部材を設けたところにある。

【０００５】

【作用】前記手段によると、ケーシング内に導入された
燃料油が軸芯の外周とケーシングの内周面とにより形成
された通油孔を通過する際、その一端が前記軸芯の外周
を巻回して他端が電波発振器に電気的に連結された導線
を被覆したコイルから発生される電波、即ちマイクロ波
の作用を受けることによりエネルギー準位が高まり励起
高反応状態にラジカル化して、その容量が膨張すること
となり燃焼状態が改良されるものと考えられる。

【０００６】このように電波の作用を受けた燃料油は、
通路を通過して前記軸芯の内周面に複数のリング状の永
久磁石を連結した永久磁石組の間を通過する際に、磁界
の作用をも受けて炭化水素系である燃料油の持つ構造異
性による反磁性及び有機遊離基の常磁性に起因して燃焼
状態が改良されるものと考えられる。

【０００７】加えて、前記永久磁石組の間には軸芯の内
周面に支持されてその内部に極性結晶体を充填した複数
の収納網が設けられており、燃料油が収納網を通過し極
性結晶体の隙間を通過する際には、該極性結晶体が電極
を有することにより軸芯内部に発生する磁界の散逸を防
止して燃料油全体が効率良く磁気に対して共鳴するので
ある。

【０００８】上記作用を受けて燃料油はケーシング内を
通過し内燃機関へと吐出されるのであるが、燃料油の粒
子は励起状態になることにより反応性が高まり且つ燃焼
時に起こる連鎖反応を制御して完全燃焼に近い状態が可
能になるものと考えられる。これは、従来技術であると
ころの磁界のみの作用を利用する場合と比してより強度
な物理化学的作用を燃料油に付与することとなるのであ
る。

【０００９】又、前記永久磁石組に集磁部材を設けるこ
とで、永久磁石により発生する磁界が集磁されて燃料油
に対して無駄無く且つ効率良い作用が可能となるのであ
る。更に、ケーシングの内周面に遮断部材を設けること
で、コイルから発生する電波がケーシング外へ洩れるこ
とを防ぐと共に、前記軸芯の外周に伝達部材を設けるこ
とで、軸芯を巻回するコイル全体が均一に電波を発生し
て燃料油に作用することとなるのである。

【００１０】

【実施例】この発明の第１実施例について第１図乃至第
３図に基づいて説明する。この燃料油の磁場通過装置１
は、円筒形の枠部材２の一方に蓋部材３をその周囲を螺
合固定し、他方に同じく底部材４を螺合固定してケーシ
ング５を形成している。又、該ケーシング５の内部には
中空状に成形された軸芯６を設け、該軸芯６の外周には
コイル７を巻回すると共にその内周面にはリング状の永
久磁石８を連結した永久磁石組９を２組配置し、且つ該
２組の永久磁石組９の間には前記軸芯６に支持されてそ
の内部に極性結晶体１０を充填した収納網１１を設けて
構成されている。

【００１１】枠部材２は、鉄製の円筒形を成し一方を蓋
部材３がその周囲にＯリング１２を介して螺合固定され
ており、他方も同じく底部材４によりＯリング１２を介
してその周囲を螺合固定されている。

【００１２】軸芯６は、内部を中空状に成形してケーシ
ング５の略中央に位置し、その一方が位置決部材１７と
なり他方が仕切部材１８となると共に、位置決部材１７
の一端が蓋部材３に螺合して、仕切部材１８の一端が底
部材４に固着して挟持されている。又、位置決部材１７
と仕切部材１８とは各々が螺合されている。位置決部材
１７及び仕切部材１８は、非磁性体であり且つ燃料に侵
されにくい合成樹脂等により成形されている。

【００１３】２組の永久磁石組９は、リング状に成形さ
れた２個の永久磁石８を連結して形成されており、その
一方は軸芯内部２０に位置決部材１７の内周面に接して
保持されている。他方は、前記仕切部材１８とにより燃
料油が通過する通路２１を形成すると共に、その内部に
は位置決め用に合成樹脂が前記底部材４に達するまで埋
設されている。永久磁石８は、１００００乃至１４０９
２Ｇ（ガウス）の磁力を有しその異極同志が極力により
連結されて永久磁石組９を形成している。

【００１４】収納網１１は鉄やステンレス等により成形
されており、前記仕切部材１８の内周面に支持されると
共に、該仕切部材１８の内周面の長手方向に設けられた
鉄製の固着部材２２を介して２枚が支持されている。

【００１５】極性結晶体１０は、有極性の電気石で前記
２枚の収納網１１の内部に充填されており、燃料油がこ
の隙間を通過する際に永久磁石組９による磁界の作用が
燃料油全体に万遍なく影響を及ぼすことを可能にする働
きを持つものである。

【００１６】本発明における極性結晶体１０は、金属の
酸化物（例えば、銅とクローム酸化物）を高温焼成して
セラミック化したものを使用しているが、他に白金石綿
やパラジュウム石綿或いは耐火煉瓦等でも可能である。

【００１７】コイル７は、ケーシング５の外部に配置さ
れた電波発振器２３に電気的に連結する導線を被覆して
成形され、蓋部材３に設けられた螺合部材１６の内部を
挿通して前記仕切部材１８の外周を巻回している。又、
その末端は蓋部材３の所定箇所に連結されている。

【００１８】電波発振器２３は、周期性を持つ高周波の
信号を持続的に発生させる高周波発振器として公知のも
ので、マイクロ波をサイクロトン振動に似た機構で発振
させてコイル７により燃料油に対し電磁振動を伝えるも
のである。

【００１９】一方、通油孔１９と通路２１とが貫通可能
となるように、仕切部材１８の一端の周囲に複数の貫通
孔２４が設けられている。上記のように構成された燃料
油の磁場通過装置１は、蓋部材３に螺合して吸入口１３
となる油送用ニップル１５を経て燃料油がケーシング５
内へ導入される。

【００２０】導入された燃料油は通油孔１９を通過する
際、仕切部材１８に巻回されたコイル７より発生する電
波の作用を受けてラジカル化してその容量が膨張し増加
することとなる。次に、燃料油は仕切部材１８に設けら
れた貫通孔２４を貫通して通路２１に流入するが、その
際、永久磁石組９が作る磁界の作用を受けて炭化水素系
である燃料油の持つ構造異性による反磁性及び有機遊離
基の常磁性に起因して、一層分子がラジカル化して燃焼
状態が良好となる。

【００２１】又、通路２１より収納網１１を抜けて極性
結晶体１０の隙間を通過する際は、軸芯内部２０に発生
した磁界が極性結晶体１０の持つ電極により集められて
燃料油に対して万遍なく影響を及ぼすこととなる。

【００２２】同じく収納網１１を抜けて軸芯内部２０を
通過する際、再度永久磁石組９により磁界の作用を受け
てから、蓋部材３に螺合して吐出口１４となる油送用ニ
ップル１５より吐出され図外の内燃機関へと送り出され
ることとなる。

【００２３】本発明の第２実施例については、第４図乃
至第５図に基づいて説明する。第１実施例の構成と主と
して異なる点は、２組の永久磁石組９に集磁部材２５を
設けたところであり、永久磁石８より発生する磁界を集
磁部材２５の極突部２６に集磁して無駄無く且つ効率良
く磁界の作用を可能にするものである。

【００２４】軸芯６は、中空状の円筒形である仕切部材
１８のみにより成形されて、一方を位置決部材１７に螺
合して蓋部材３に固定され、他方をケーシング５に固着
する位置決部材１７に螺合固定されて、蓋部材３と位置
決部材１７とにより挟持されている。

【００２５】仕切部材１８は、その外周の長手方向に同
間隔で電波発振器２３に電気的に連結する導線を被覆し
たコイル７が巻回されており、通油孔１９を通過する燃
料油に対する電波の作用時間が第１実施例に比して長く
なり、粒子のラジカル化が増すように構成されている。

【００２６】通路２１は、位置決部材１７の一方とケー
シング５の底部とにより形成され、前記通油孔１９と通
路２１が貫通可能となるように位置決部材１７の周囲に
貫通孔２４が複数設けられている。

【００２７】永久磁石組９の一方は、蓋部材３に螺合固
定された位置決部材１７の内周面と仕切部材１８の内周
面に保持されるように配置され、３個の永久磁石８と集
磁部材２５を連結して形成されている。他方は、前記通
路２１を形成する位置決部材１７の内周面上に載置して
前記仕切部材１８と接するように３個の永久磁石８と集
磁部材２５を連結して形成されている。

【００２８】収納網１１は、３枚が一定の間隔を置いて
前記２組の永久磁石組９の間で仕切部材１８により支持
されており、その内部には極性結晶体１０が充填されて
いる。

【００２９】ここで、集磁部材２５は、永久磁石組９の
発生する磁界をその極突部２６に集磁するのであるが、
該極突部２６の各々は同極であるため反発しあって収納
網１１上に近接した状態で維持されている。

【００３０】上記のように構成された燃料油の磁場通過
装置１は、燃料油が通油孔１９を通過する際、仕切部材
１８の外周を巻回するコイル７の発生する電波の作用を
受けてから位置決部材１７に設けられた貫通孔２４を貫
通して通路２１へ流入する。次に、通路２１より軸芯部
内２０へ流入して２組の永久磁石組９と極性結晶体１０
の作用を受け吐出口１４となる油送用ニップル１５を経
て内燃機関へと吐出されるのである。

【００３１】この結果、第１実施例に比して、電波の燃
料油に及ぼす影響がより増大となり且つ集磁部材２５を
設けることにより離散する磁界を集磁してより効率的に
磁界の作用を付与して、粒子のラジカル化が一層増すこ
ととなるのである。

【００３２】本発明の第３実施例については、第６図乃
至第７図に基づいて説明する。この実施例は、第２実施
例の構成に遮断部材２７と伝達部材２８を加えたもので
ある。遮断部材２７は、仕切部材１８の外周を巻回する
コイル７より発生する電波がケーシング５の外部へ洩れ
ることを阻止するもので、非鉄金属で成る網状のものか
或いは塗料等で成形されて枠部材２の内周面の長手方向
に設けられている。

【００３３】伝達部材２８は銅板等の金属であり、コイ
ル７より発生する電波が全てのコイル７に伝わり、通油
孔１９を通過する燃料油に対して均一な電波の作用が可
能となるように、軸芯６の周囲に長手方向の溝を設けて
埋め込みコイル７に接するように設けられている。

【００３４】上記のような構成によれば、燃料油に対す
る電波の作用が長時間となると共に、通油孔１９内で発
生した電波がケーシング５の外部へ洩れることを防ぎ、
更にコイル７全体が均一な電波の発生を可能にして、結
果消費電力の減少と効率の良い燃焼状態の改良が図られ
るのである。

【００３５】ここに使用する電波発振器２３は、５０ヘ
ルツで５Ｗのものを使用して実験したが、これに限定さ
れるものではなく、他の形式のものであってもよい。燃
料油に電波を当てることによって、どのような物理化学
的作用が導き出され、それが燃料油の燃焼率の向上に如
何に寄与するかについての理論的根拠は定かでないが、
実験的には有効に作用するとの結果が出でいる。

【００３６】第１実施例に関する実験結果を以下に示
す。実験に使用した自動車は、５９年型日産シルビア、
１８００ＣＣである。

【００３７】

【表１】

【００３８】前記と同一条件での第２実施例に関する実
験結果を以下に示す。

【００３９】

【表２】

【００４０】更に同一条件での第３実施例に関する実験
結果を以下に示す。

【００４１】

【表３】

【００４２】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、この
発明の燃料油の磁場通過装置を使用すると、内燃機関に
おける燃料油が完全燃焼に近い状態となることにより燃
焼効率が安定し且つ大幅に向上して燃費の節減を達成可
能にするものと考えられる。更に、排気ガスの清浄化に
も寄与するものである。

【００４３】又、上記実験結果により、この発明の第１
実施例に示す燃料油の磁場通過装置の構成によれば、燃
料油の消費量の少ない小型自動車等に使用することが好
ましく、且つ燃料油としてガソリンを使用すればより燃
焼効率の向上が達成可能となる。

【００４４】一方、第２実施例及び第３実施例に示す燃
料油の磁場通過装置の構成によれば、排気量の大きい車
両やディーゼルエンジン車、或いはボイラーに使用する
ことが効果的となり、更には、燃料油として軽油を使用
すればより燃焼効率の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例の断面説明図。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面説明図。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面説明図。

【図４】この発明の第２実施例の断面説明図。

【図５】図４のＣ−Ｃ線断面説明図。

【図６】この発明の第３実施例の断面説明図。

【図７】図６のＤ−Ｄ線断面説明図。

【符号の説明】

１ 燃料油の磁場通過装置 ２ ケーシング ６ 軸芯 ７ コイル ８ 永久磁石 ９ 永久磁石組 １０ 極性結晶体 １１ 収納網 １９ 通油孔 ２１ 通路 ２３ 電波発振器 ２５ 集磁部材 ２７ 遮断部材 ２８ 伝達部材

フロントページの続き (72)発明者 尾原 静木 広島県広島市西区南観音町８−31 (72)発明者 宮野 守 兵庫県川西市萩原台東１丁目46番地 (72)発明者 吉田 芳郎 広島県広島市西区庚午北２丁目５−24 (72)発明者 宇崎 穆夫 烏取県倉吉市明治町1032−４

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシングの内部に中空状に成形した軸
   芯を設け、該軸芯の周囲に電波発振器に繋がる導線を被
   覆したコイルを複数巻回すると共に、軸芯の内周面には
   複数のリング状の永久磁石を連結した永久磁石組を配置
   し、燃料油が前記ケーシング内に設けた通油孔及び通路
   を通過する際に、前記コイルから発信される電波及び前
   記永久磁石組からの磁界の作用を受けるように形成され
   た燃料油の磁場通過装置において、前記永久磁石組の間
   に軸芯に支持された複数の収納網を設けて該収納網の内
   部に極性結晶体を充填したことを特徴とする燃料油の磁
   場通過装置。
2. 【請求項２】 永久磁石組を複数のリング状の永久磁石
   と集磁部材とにより形成したことを特徴とする請求項１
   記載の燃料油の磁場通過装置。
3. 【請求項３】 ケーシングの内周面に遮断部材を設けた
   ことを特徴とする請求項１、２のいずれかに記載の燃料
   油の磁場通過装置。
4. 【請求項４】 軸芯の外周に伝達部材を設けたことを特
   徴とする請求項１、２、３のいずれかに記載の燃料油の
   磁場通過装置。