JPH11108337A - 磁場通過装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の燃料として利用するガソリンや軽
油等あるいはボイラー等の燃焼に使用する重油等の燃料
油の燃焼効率を向上させること。 【解決手段】 非磁性体からなる筒形部材２の外周に相
向い合う端部が互いに同極となるように隙間をあけて配
置した一対のリング状の永久磁石組３、４と、前記筒形
部材２の外周の隙間Ｓに巻回され電波発振器５から発信
される電波により電磁波を発生するコイル６と、前記筒
形部材２を内部に収納する本体ケース７と、前記コイル
６の近傍で且つ前記リング状の永久磁石組３、４の外周
面と前記本体ケース７の内周面とで形成される通油路８
を塞ぐように配置された導電性の非磁性体からなる網状
の透過部材９とを備え、燃料油が前記通油路８を通過す
る際に前記透過部材９をも通過する磁場通過装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の燃
料として利用するガソリンや軽油等あるいはボイラー等
の燃焼に使用する重油等の燃料油の燃焼効率を向上させ
る磁場通過装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の燃料油の磁場通過装置と
しては、この出願人らが先に提案した特開平７─３１８
０４１号公報に開示されるものがある。この従来技術
は、図３に示すように、相向い合う端部が互いに同極と
なるように隙間をあけて配置した一対のリング状の永久
磁場組３、４と、これら一対の永久磁石組３、４を内部
に嵌入した非磁性体からなる筒形部材２と、該筒形部材
２の外周に巻回され電波発信器５から発信される電波に
より前記隙間内に電磁波を発生するコイル６と、前記隙
間に介在した導電性の非磁性体からなる網状の透過部材
９とを備え、前記一方の永久磁石組３の内部穴３ａから
供給される燃料油を、前記透過部材９を透過して前記他
方の永久磁石組４の内部穴４ａから排出するようにした
構成を採用している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術においては、筒形部材２の内部にリング状の
永久磁石組３、４を嵌入しなければならないので別途集
磁部材３ｂ、４ｂが必要であると共に、一対の永久磁石
組３、４が筒状部材２から出ないようにリング状の位置
決め部材２ａで筒状部材２の端部を塞ぐ必要があるな
ど、製作部品点数と製作手数が共に多くかかるという問
題点がある。又、網状の透過部材９の最大面積は筒形部
材２の内径の断面積であるために、比較的小さく、これ
を大きくするためには装置自体を大きくしなければなら
ず、その結果コスト高を招くのみならず、自動車等の限
られたスペースしかない場所に設置するには困難となる
問題点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は上記事情に鑑
みてなされたものであって、その手段とするところは、
非磁性体からなる筒形部材の外周に相向い合う端部が互
いに同極となるように隙間をあけて配置した一対のリン
グ状の永久磁石組と、前記筒形部材の外周の隙間に巻回
され電波発振器から発信される電波により電磁波を発生
するコイルと、前記筒形部材を内部に収納する本体ケー
スと、前記コイルの近傍で且つ前記リング状の永久磁石
組の外周面と前記本体ケースの内周面とで形成される通
油路を塞ぐように配置された導電性の非磁性体からなる
網状の透過部材とを備え、燃料油が前記通油路を通過す
る際に前記透過部材をも通過するところにある。又、前
記筒形部材の内部の通路にも透過部材が配置され、且
つ、この通路を通過する際にも前記透過部材をも通過す
るところにある。更に又、前記コイルが、筒形部材の外
周に外嵌された凹環体に巻回されたものであるところに
ある。

【０００５】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を以下図面
に基づいて説明する。磁場通過装置１は、図１に示すよ
うに、非磁性体からなる筒形部材２の外周に相向い合う
部材が互いに同極となるように隙間Ｓをあけて配置した
一対の永久磁石組３、４と、前記筒形部材２の外周の隙
間Ｓに巻回され電波発振器５から発振される電波により
電磁波を発生するコイル６と、前記筒形部材２を内部に
収納する本体ケース７と、前記コイル６の近傍で且つ前
記リング状の永久磁石組３、４の外周面と前記本体ケー
ス７の内周面とで形成される通油路８を塞ぐように配置
された導電性の非磁性体からなる網状の透過部材９とを
備えたものである。

【０００６】前記一対の永久磁石組３、４は、この実施
の形態ではそれぞれ２個のリング状の永久磁石からなる
ものであるが、その個数は１個以上であればよく、また
形状もとくに限定されるものではないがリング状であれ
ば磁力が強く本体ケース７に収納し易い利点がある。各
永久磁石組３、４は各永久磁石の互いに相向い合う面が
異極となるように配置しているために磁力で引き合って
固着しているが、各永久磁石組３、４が互いに相向い合
う面は同極（Ｎ又はＳ極）となるように前記隙間Ｓを開
けて配置されている。この隙間Ｓには、この隙間Ｓの幅
に見合う非磁性体の金属を断面コの字型に形成した凹環
体１０が介在しており、前記コイル６はこの凹環体１０
の中に巻回されることによって、巻回位置の特定が容易
で巻き作業が容易に行えるようになっている。しかし、
巻き作業が不便になるが、この実施態様に凹環体１０は
なくてもよい。

【０００７】前記した一対のリング状の永久磁石組３、
４と凹環体１０は、銅や合成樹脂などの非磁性体からな
る筒形部材２の外周に嵌合されており、そして、筒形部
材２の一端部に形成した鍔部１１に一方の永久磁石組３
の端面が係止され、同他端部に螺合した止め輪１２で他
方の永久磁石組４の端面が係止されている。又、筒形部
材２の一端部は、容器状の本体ケース７の開口端を塞ぐ
蓋部材１３の内側に設けた取付口１３ａに螺合固着され
ており、これによって図外の燃料タンクに接続されてい
る蓋部材１３の給入口１４から入った燃料油が筒形部材
２の内部の通路１５を通って本体ケース７の奥まで入っ
てから、リング状の永久磁石組３、４の外周面と本体ケ
ース７の内周面とが形成する通油路８を経て、図外のエ
ンジン等の燃焼機関に接続されている前記蓋部材１３に
設けた排出口１６から排出される燃料油の磁場通路ルー
トが形成されている。尚、以上の磁場通路ルートとは逆
に、排出口１６から入って給入口１４から出るルートと
してもよい。更には、本体ケース７の一方端側から入っ
て通油路８を通って本体ケース７の他方端側へ出るよう
にしてもよい。

【０００８】前記網状の透過部材９は、銅、アルミニウ
ムや腐食しにくいステンレス材料などの非磁性体の金属
線からなるドーナツ状のものであって、中心の穴の部分
が前記筒形部材２の外周に外嵌して前記凹環体１０と一
方の永久磁石組３の間にはさまれて、前記通油路８を塞
ぐように配置されることによって、通油路８を通る燃料
油がこの透過部材９を直角方向に横切って通過してゆく
ようになっている。この透過部材９の網目の大きさはと
くに限定されるものではないが、１〜２mm前後のもので
良いが、細かいほど燃料油との接触部分が大きくなるの
で好ましい状態となる。又、透過部材９は網目の異なる
ものや同じものを２枚以上重ねて使用したものでもよ
く、この場合にも燃料油との接触部分がより大きくなる
ので好ましい状態となる。更に、編み目を構成する線材
の太さもとくに限定されるものではないが、細い程編み
目の大きさを小さくできる利点がある。又、ここで言う
編み目は、線材で編んだものだけに限定されるものでは
なく、薄金属板に細かい穴を開けたものなど同様の効果
を得られる他の公知技術を含むものである。

【０００９】また、このような透過部材９は、図１に一
点鎖線で示すように、筒形部材２の内側の通路１５に配
置してもよいが、通路１５のものだけであると十分な接
触が得られにくいので、通油路８のものと併せて使用す
る場合にはより効率的である。その理由は、通路１５の
開口面積（断面積）は通油路８の開口面積（断面積）よ
りもかなり小さくなるために、燃料油の通過速度が比較
的速く、それだけ接触時間が短くなるからである。又、
筒形部材２の通路１５の径を大きくすればこの問題は解
決されるものの、その場合にはリング状の永久磁石の径
も必要以上に大きくしなければならず、製作コストの増
大のみならず重量も大きくなるので使用上の制約を受け
ることも生じて好ましいものとはならなくなるからであ
る。

【００１０】本体ケース７外にある電波発振器５は、前
記蓋部材１３に設けたコネクター１７を通る配線１８を
介して前記コイル６に接続し、更にこのコイル６が前記
透過部材９と接触または配線によって電気的に接続され
ているので、電波発振器５から発振された高周波（電
波）が配線１８を通じてコイル６に導かれると、そこか
ら電磁波が発せられ、この電磁波がコイル６の近傍にあ
る網状の透過部材９に作用して、２組の永久磁石組３、
４の反発する高磁場の磁力の作用と併せて、網目の間を
通過する燃料油を励起高反応状態にラジカル化して容量
を膨脹させ、燃料油に物理化学的作用を与えるのであ
る。

【００１１】前記コイル６は、表面を絶縁体で被覆した
銅線を前記凹環体１０に巻いたものであるが、この巻数
は自在に選択することができる。又、前記電波発振器５
は、前記コイル６及び透過部材９を介して燃料油に発振
した電磁振動を伝えるものであり、例えば、１２Ｖの電
圧で出力２Ｗの５０ＭＨＺのマイクロ波を発振するもの
が挙げられるがこれらの電圧、出力などは自在に変更し
て、車種等の使用目的物や燃料油等に見合った最適のも
のを選択できる。更に、永久磁石組３、４の磁力も限定
されるものではなく、軽量化を図るために３５００Ｇ以
下の比較的磁力の弱いものでもよく、或いは永久磁石組
を構成する永久磁石の個数を増やす等して３５００Ｇを
越えて設定することにより、燃料油に与える物理化学的
作用が一層増大するようにしてもよい。

【００１２】

【実施例】この発明の実施例について説明する。試験車
両であるマツダ社製の車種「カペラ」（平成４年型、エ
ンジン総排気量約１６００ｃｃ）を用いて下記の実験を
行った。 （１）不使用時実験 まず、上記試験車両を一定速度で走行させてガソリン１
リットル当たりの走行距離を測定した。 （２）使用時実験 次いで、同試験車両に搭載したエンジンと燃料タンクと
を接続する燃料供給パイプの途中に、本発明の磁場通過
装置を介在させて、前記と同様の走行試験を行った。こ
の接続は、燃料タンク側のパイプと給入口１４を接続
し、エンジン側のパイプと排出口１６を接続したもので
ある。 （３）使用した磁場通過装置の概要 各永久磁石組は、２個のリング状の永久磁石を用
い、Ｓ極同志が隙間Ｓをあけて相向い合うように配置し
た。各永久磁石の磁力は４０００Ｇのものを使用した。 コイルは、太さ１mmの銅線を凹環体に３０回巻回し
たものとした。 網状の透過部材の網目のメッシュは０．５mmで、網
目を構成する材料として直径０．２mmの銅線を用いた。 電波発振器は、１２Ｖの電圧で２Ｗの出力５０ＭＨ
Ｚのマイクロ波を発振するものを用いた。 （４）実験結果 これら（１）、（２）の実験結果を表１に示す。表１に
示す増加率は、磁場通過装置を使用したことによるガソ
リン１リットル当たりの走行距離の増加率を示す。

【００１３】

【表１】

【００１４】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、この
発明の磁場通過装置によると、コイルに電波を供給する
ことにより生じた電磁波を、その近傍に設置した透過部
材が吸収して共振することにより、透過部材を透過する
燃料油のエネルギー準位を高め励起高反応状態にラジカ
ル化して容量を膨張させ、更に相向い合う面が同極とな
っている一対の永久磁石組の間に生じた磁場により燃料
油に物理化学的作用を与えることができ、これらの相乗
的作用によって、燃料油の燃焼効率を向上できるものと
考えられる。

【００１５】又、この発明の磁場通過装置は、筒形部材
の外周に一対の永久磁石組の相向い合う面が同局となる
ように隙間をあけて外嵌したものであるから、集磁部材
も不要であり、又、永久磁石組の筒形部材への取付けも
簡単で部品点数も少なくなる利点がある。

【００１６】さらに又、網状の透過部材の設置位置が本
件ケースの内周面と永久磁石組の外周面とによって形成
される通油路に設けられているので、大きな面積の通油
路及び透過部材を設けることができる。

【００１７】又、請求項２に示すように、筒形部材の内
側の通路にも透過部材を設けた場合には、より一層の燃
焼効率の向上を図ることができる。

【００１８】さらに、請求項３に示すように、凹環体を
筒形部材の外周に外嵌した部分には、コイルが巻き易
く、組立て作業の能率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の磁場通過装置の縦断面説
明図。

【図２】図１のＡ−Ａ横断面説明図。

【図３】従来例の縦断面説明図。

【符号の説明】

１ 磁場通過装置 ２ 筒形部材 ３ 永久磁石組 （一方） ４ 〃 （他方） ５ 電波発振器 ６ コイル ７ 本体ケース ８ 通油路 ９ 透過部材 １０ 凹環体 １５ 通路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 非磁性体からなる筒形部材の外周に相向
   い合う端部が互いに同極となるように隙間をあけて配置
   した一対のリング状の永久磁石組と、前記筒形部材の外
   周の隙間に巻回され電波発振器から発信される電波によ
   り電磁波を発生するコイルと、前記筒形部材を内部に収
   納する本体ケースと、前記コイルの近傍で且つ前記リン
   グ状の永久磁石組の外周面と前記本体ケースの内周面と
   で形成される通油路を塞ぐように配置された導電性の非
   磁性体からなる網状の透過部材とを備え、燃料油が前記
   通油路を通過する際に前記透過部材をも通過することを
   特徴とする磁場通過装置。
2. 【請求項２】 前記筒形部材の内部の通路にも透過部材
   が配置され、且つ、この通路を通過する際にも前記透過
   部材をも通過することを特徴とする請求項１に記載の磁
   場通過装置。
3. 【請求項３】 前記コイルが、筒形部材の外周に外嵌さ
   れた凹環体に巻回されたものであるこことを特徴とする
   請求項１又は２の磁場通過装置。