JP2004143954A - 内燃機関の吸気ポート構造 - Google Patents
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Abstract
【目的】内燃機関の吸気ポート構造において、吸気ポートの外周側壁面の流速を高めてタンブル流を生成するとともに、吸気バルブガイド周りの流れを整流することによって吸入抵抗の増加を防止し、内燃機関の高出力化を図り、また、低燃費及びエミッション(HC)の改善を図ることにある。
【構成】吸気ポートは、シリンダヘッドの幅方向と直交する長手方向の断面における湾曲部の曲率中心から離間する外周側壁面を直線状に形成するとともに、この外周側壁面には部分的に曲率中心方向に突出する突出部を形成し、この突出部を通路上流部から吸気バルブガイドの下流側に渡って形成している。
【選択図】 図1
【構成】吸気ポートは、シリンダヘッドの幅方向と直交する長手方向の断面における湾曲部の曲率中心から離間する外周側壁面を直線状に形成するとともに、この外周側壁面には部分的に曲率中心方向に突出する突出部を形成し、この突出部を通路上流部から吸気バルブガイドの下流側に渡って形成している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の吸気ポート構造に係り、特に燃焼室への吸気にタンブル流を効果的に生成する内燃機関の吸気ポート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関においては、燃焼性を向上するために、燃焼室への吸気にスワールを生成することが有効であり、このため、吸気ポートの形状には種々の工夫がなされている。吸気のスワールには、シリンダ軸線周りに横向きに旋回させる横スワールと、シリンダ軸線方向に縦向きに旋回させる縦スワール(所謂タンブル流)とがある。
【0003】
このような内燃機関としては、例えば、図13に示すものがある。即ち、図13において、102は内燃機関、104はシリンダブロック、106はシリンダヘッドである。このシリンダヘッド106には、下側デッキ面106B側に燃焼室108が形成され、また、吸気側で上側デッキ面106U側に吸気カム軸支持部110が形成されているとともに排気側で上側デッキ面106U側に排気カム軸支持部112が形成され、また、燃焼室108に連通するように吸気側で吸気ポート114が形成されているとともに排気側で排気ポート116が形成されている。
【0004】
吸気ポート114は、シリンダヘッド106の一側面である吸気側面106Sから幅方向Xに延びる通路上流部114Aと、この通路上流部114Aから下方へ湾曲する湾曲部114Bを含んで燃焼室108へ連通する通路下流部114Cとからなる。湾曲部114Bは、曲率中心Oを中心として曲率半径R1に設定されている。
【0005】
シリンダヘッド106には、吸気側で、吸気ポート114の燃焼室側吸気開口部118に吸気バルブシート120が取り付けられ、また、上部位に吸気側油圧タペット室122が形成されている。
【0006】
シリンダヘッド106には、吸気ポート114の燃焼室側吸気開口部118を開閉する吸気バルブ124が設けられている。この吸気バルブ124は、吸気バルブステム124Aと吸気バルブヘッド124Bとからなり、吸気バルブステム124Aの先端側が吸気側油圧タペット室122に設置した吸気油圧タペット(図示せず)に連結している。
【0007】
また、シリンダヘッド106には、吸気側油圧タペット室122と直列に吸気側スプリング室126が形成されている。この吸気側スプリング室126は、底部位が吸気バルブスプリングシート部(座面)128で形成されている。吸気側スプリング室126内には、吸気バルブ124の吸気バルブステム124Aに嵌装されて吸気バルブスプリングシート部128に当接する吸気バルブスプリング130が設けられている。この吸気バルブスプリング130は、吸気バルブ124を燃焼室側吸気開口部118の閉鎖方向に付勢するものである。
【0008】
シリンダヘッド6には、吸気側ヘッド内壁132に、吸気側ガイド保持孔134が吸気側スプリング室126に連通して形成されている。この吸気側ガイド保持孔134には、吸気バルブガイド136が挿着されている。この吸気バルブガイド136は、パイプ形状であり、吸気バルブ124の吸気バルブステム124Aを摺動可能に保持している。また、この吸気バルブガイド136は、ガイド下端部136Bが吸気ポート114の内方(ポート中心線114C方向)に突出するように配置されている。
【0009】
この吸気ポート114においては、燃焼性を向上するように、燃焼室108にタンブル流を生成する場合に、吸気ポート114に直線部位Sを形成するとともに、燃焼室側吸気開口部118近傍の内周側湾曲壁面138の曲率半径K1を小さく設定し、これにより、吸気の流れを剥離させて吸気の流速を低下させ(破線の矢印Pで示す)、外周側壁面140側の吸気の流速(Q方向)を相対的に速くしている。
【0010】
一方、シリンダヘッド106には、排気側において、排気ポート116の燃焼室側排気開口部142に排気バルブシート144が取り付けられ、また、上部位に排気側油圧タペット室146が形成されている。
【0011】
また、シリンダヘッド106には、排気側スプリング室148と排気バルブスプリングシート部150とが形成されているとともに、排気側ヘッド内壁152の排気ガイド孔154に排気バルブガイド156が挿着されている。
【0012】
このような内燃機関の吸気ポート構造としては、例えば、特開平9−184424号公報、特開平7−301119号公報、特開平7−150957号公報に開示されている。特開平9−184424号公報に記載のものは、吸気ポートのバルブステムのガイド穴とバルブシート部との間における湾曲部において、湾曲の曲率中心から遠方に位置する遠心側の壁面に、内側に向かって凸状になだらかに曲率を変化させる肉盛部を設けたものである。特開平7−301119号公報に記載のものは、吸気弁座の直上流の吸気ポートのデッキ面側内壁にエッジ部を形成し、吸気ポートの中心線がデッキ面となす角度を排気弁座の端面がデッキ面となす角度よりも小さく設定し、吸気ポートの中心線の延長線と燃焼室の頂点を通ってデッキ面に直交する交点のデッキ面からの距離を、燃焼室の頂点のデッキ面からの距離よりも小さく設定したものである。特開平7−150957号公報に記載のものは、複数の吸気ポートを有する多バルブエンジンにおいて、同じ燃焼室部分から引き出される複数の吸気ポートが、互いに形状が異なるように形成されたものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、図13に示す内燃機関の吸気ポート構造においては、吸気ポート114の湾曲部114Bの曲率中心Oに近接する内周側湾曲壁面138の形状により、吸気の流れを剥離して流速を低下させ、外周側壁面140側の吸気流速と内周側湾曲壁面138の吸気流速との速度差により吸気にタンブル流を生成していたので、吸気流量が増加した場合には、吸気の剥離によって吸入抵抗が大幅に増加し、このため、内燃機関の出力が低下し、また、燃費が悪化したり、エミッション(HC)が発生するという不都合があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、内燃機関のシリンダヘッドの一側面から幅方向に延びる通路上流部とこの通路上流部から下方へ湾曲する湾曲部を含んで燃焼室へ連通する通路下流部とからなる吸気ポートを設け、ガイド下端部が前記吸気ポートの内方に突出するように配置された吸気バルブガイドを設けた内燃機関の吸気ポート構造において、前記吸気ポートは、前記シリンダヘッドの幅方向と直交する長手方向の断面における前記湾曲部の曲率中心から離間する外周側壁面を直線状に形成するとともに、この外周側壁面には部分的に前記曲率中心方向に突出する突出部を形成し、この突出部を前記通路上流部から前記吸気バルブガイドの下流側に渡って形成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明において、吸気ポートは、シリンダヘッドの幅方向と直交する長手方向の断面における湾曲部の曲率中心から離間する外周側壁面を直線状に形成するとともに、この外周側壁面には部分的に曲率中心方向に突出する突出部を形成し、この突出部を通路上流部から吸気バルブガイドの下流側に渡って形成していることから、突出部の両側部位に形成される空間に吸気流を分岐させて吸気ポートの外周側壁面側の吸気流速を高めてタンブル流を生成するとともに、突出部によって吸気バルブガイド周りの流れを整流させることにより、吸入抵抗の増加を防止し、内燃機関の高出力化を図り、また、低燃費及びエミッション(HC)の改善を図ることができる。
【0016】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜9は、この発明の第1実施例を示すものである。図1において、2は車両に搭載される内燃機関、4はシリンダブロック、6はシリンダヘッドである。内燃機関2は、1気筒当たり、吸気側が2つのバルブ且つ排気側が2つのバルブの4バルブのものである。シリンダヘッド6には、下側デッキ面6B側に燃焼室8が形成され、また、吸気側で上側デッキ面6U側に吸気カム軸支持部10が形成されているとともに排気側で上側デッキ面6U側に排気カム軸支持部12が形成され、また、燃焼室8に連通するように吸気側で吸気ポート14が形成されているとともに排気側で排気ポート16が形成されている。
【0017】
吸気ポート14は、シリンダヘッド6の一側面である吸気側面6Sから幅方向Xに延びる通路上流部14Aとこの通路上流部14Aから下方へ湾曲する湾曲部14Bを含んで燃焼室8へ連通する通路下流部14Cとからなる。湾曲部14Bは、曲率中心Oを中心として曲率半径R2で設定されている。シリンダヘッド6の吸気側面6Sには、図7〜9に示す如く、吸気ポート14に連通する吸気通路18Aを形成する吸気マニホルド18が取り付けられる。この吸気マニホルド18の弁取付部20には、吸気ポート14側に燃料を噴射する燃料噴射弁22が取り付けられている。
【0018】
シリンダヘッド6には、吸気側で、吸気ポート14の燃焼室側吸気開口部24に吸気バルブシート26が取り付けられ、また、上部位に吸気側油圧タペット室28が形成され、更に、この吸気側油圧タペット室28に連通する吸気側タペット用油路30が形成され、更にまた、この吸気側タペット用油路30に連通する吸気側オイル通路32が形成されている。
【0019】
シリンダヘッド6には、吸気ポート14の燃焼室側吸気開口部24を開閉する吸気バルブ34が設けられている。この吸気バルブ34は、吸気バルブステム34Aと吸気バルブヘッド34Bとからなり、吸気バルブステム34Aの先端側が吸気側油圧タペット室28に設置した吸気油圧タペット(図示せず)に連結してる。
【0020】
また、シリンダヘッド6には、吸気側油圧タペット室28と直列に吸気側スプリング室36が形成されている。この吸気側スプリング室36は、底部位が吸気バルブスプリングシート部(座面)38で形成されている。吸気側スプリング室36内には、吸気バルブ34の吸気バルブステム34Aに嵌装されて吸気バルブスプリングシート部38に当接する吸気バルブスプリング40が設けられている。この吸気バルブスプリング40は、吸気バルブ34を燃焼室側吸気開口部24の閉鎖方向に付勢するものである。
【0021】
シリンダヘッド6には、吸気側ヘッド内壁42に、吸気側ガイド保持孔44が吸気側スプリング室36に連通して形成されている。この吸気側ガイド保持孔44には、吸気バルブガイド46が挿着されている。この吸気バルブガイド46は、パイプ形状であり、吸気バルブ34の吸気バルブステム34Aを摺動可能に保持している。また、この吸気バルブガイド46は、ガイド下端部46Bが吸気ポート14の内方(ポート中心線14C方向)に突出するように配置されている。
【0022】
この実施例における吸気ポート14にあっては、図1、2に示す如く、吸気ポート14の下部の内周側湾曲壁面48の曲率半径K2は、吸気ポート14内の吸気の流れが剥離しない程度の大きさに設定されている。
【0023】
また、図3に示す如く、吸気側面6S側で上流側の上壁面の中央部位に燃料噴射弁22から噴射された燃料を導く燃料噴射用通路50が形成され、また、燃焼室側吸気開口部24側の下流側の中央部位の分岐壁52によって一側、他側ポート部14−1、14−2が分岐して形成されている。従って、この一側、他側ポート部14−1、14−2に対応して、一側、他側燃焼室側吸気開口部24−1、24−2が形成されているとともに、一側、他側吸気ガイド保持孔44−1、44−2に一側、他側吸気バルブガイド46−1、46−2が設けられている。
【0024】
更に、この吸気ポート14は、図2、6に示す如く、シリンダヘッド6の幅方向Xと直交する長手方向の断面における湾曲部14Bの曲率中心Oから離間する外周側壁面54を直線状に形成するとともに、この外周側壁面54には部分的に曲率中心O方向に突出する突出部56を形成し、この突出部56を通路上流部14Aから吸気バルブガイド46の下流側に渡って形成している。
【0025】
つまり、この突出部56は、吸気ポート14が途中から一側、他側ポート部14−1、14−2に分岐されていることから、図3に示す如く、一側、他側ポート部14−1、14−2に対応した一側、他側突出部56−1、56−2に分離して設けられている。この突出部56は、図2、3に示す如く、長さLと幅Wと深さDとにより、吸気ポート14の吸気バルブガイド46近傍で且つこの部位の上流において横方向に広がり、さらに、吸気バルブガイド46周りから吸気ポート14の端面開口部58に向かってつながる凸状(吸気ポート14の内方に向かう凸形状)の曲面に形成されている。これにより、この吸気ポート14にあっては、図3に示す如く、燃料噴射用路50と分岐壁52間で且つ一側突出部56−1と他側突出部56−2間の中央吸気流空間60Aと、一側突出部56−1の外側の一側吸気流空間60Bと、他側突出部56−2の外側の他側吸気流空間60Cとが形成される。
【0026】
また、突出部56には、吸気バルブスプリングシート部38の端部位38Eが入り込むように設けられている。
【0027】
一方、シリンダヘッド6には、排気側において、排気ポート16に一対の一側、他側燃焼室側排気開口部62−1、62−2が形成されているとともに、この燃焼室側排気開口部62に排気バルブシート部64が取り付けられ、また、上部位に排気側油圧タペット室66が形成され、更に、この排気側油圧タペット室66に連通する排気側タペット用油路68が形成され、更にまた、この排気側タペット油路68に連通する排気側オイル通路70が形成されている。また、シリンダヘッド6には、排気側スプリング室72と排気バルブスプリングシート部74とが形成されているとともに、排気側ヘッド内壁76の排気ガイド孔78に排気バルブガイド80が挿着されている。
【0028】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0029】
内燃機関2への吸気は、吸気ポート14において、通路上流部14Aと湾曲部14Bと通路下流部14Cとを経て、燃焼室8に供給される。
【0030】
ところで、この実施例において、吸気ポート14は、シリンダヘッド6の幅方向Xと直交する長手方向の断面における湾曲部14Bの曲率中心Oから離間する外周側壁面54を直線状に形成するとともに、この外周側壁面54には部分的に曲率中心O方向に突出する突出部56を形成し、この突出部56を通路上流部14Aから吸気バルブガイド46の下流側に渡って形成していることから、つまり、突出部56は、吸気ポート14の吸気バルブガイド46近傍で且つこの部位の上流において横方向に広がり、さらに、吸気バルブガイド46周りから吸気ポート14の端面開口部58に向かってつながる凸状(吸気ポート14の内方に向かう凸形状)の曲面に形成され、また、吸気ポート14の下側の内周側湾曲壁面48の曲率半径K2は、吸気ポート14内の吸気の流れが剥離しない程度の大きさに設定されていることから、一側、他側突出部56−1、56−2の両側部位に形成される各空間60A、60B、60Cに吸気流が分岐され、吸気ポート14の直線状の外周側壁面54に沿った吸気の流動が強化され(図8の矢印Qで示す)、燃焼室8内のタンブル流が強化される。
【0031】
従って、従来の吸気ポート14で弱くされた吸気の流れ(図8の矢印Pで示す)が犠牲されず、外周側壁面54での吸気の流れ(図8の矢印Qで示す)を強くすることで、タンブル流を強くしつつ、吸入抵抗も小さくすることができ、これにより、燃焼性を向上するとともに、内燃機関2の高出力化を図り、また、燃費を向上し、しかも、エミッション(HC)の発生を低減することができる。
【0032】
また、図9に示すように、吸気の流れ(矢印Eで示す)を強くするために、吸気ポート14を横方向に広げており、このままだと、吸気バルブガイド46周りの流速が低下してしまうので、突出部56の凸形状で、吸気ポート14の断面積が吸気バルブガイド46で大きくならないように調整している。これにより、吸気ポート14から燃焼室8内に入る吸気流動を、速くすることができるとともに減少しないようにして、燃焼性を改善することができる。
【0033】
更に、突出部56に吸気バルブスプリングシート部38の端部位38Eを形成することができ、吸気バルブスプリング40を吸気ポート14に近づけ、且つ、カム軸(図示せず)の中心を吸気ポート14に近づけて配設することができるので、シリンダヘッド6の高さを小さくし、よって、内燃機関2のコンパクト化を図るとともに、内燃機関2の軽量化を図ることができる。
【0034】
図10、11は、この発明の特別構成であり、第2実施例を示すものである。
【0035】
以下の実施例にあっては、上述の第1実施例と同一機能を果す箇所には、同一符号を付して説明する。
【0036】
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、一側、他側突出部56−1、56−2の突出面側には、一側、他側吸気流強化楕円溝82−1、82−2を上流側から下流側に延長して形成した。この一側、他側吸気流強化楕円溝82−1、82−2は、上流側から下流側に漸次に窄み且つ少し円弧状に形成され、また、一側、他側上流側開口84−1、84−2の開口面積が一側、他側下流側開口86−1、86−2の開口面積よりも大きく形成され、且つ、この一側、他側下流側開口86−1、86−2が夫々内壁面側に位置して形成されている。
【0037】
この第2実施例の構成によれば、一側、他側吸気流強化楕円溝82−1、82−2の一側、他側上流側開口84−1、84−2から流入した吸気は、窄まれた一側、他側吸気流強化楕円溝82−1、82−2を経て一側、他側下流側開口86−1、86−2から夫々内壁面側に流出することから、下流側で外周側の吸気流が強化され、これにより、燃焼室8におけるタンブル流をさらに強くすることができる。
【0038】
図12は、この発明の特別構成であり、第3実施例を示すものである。
【0039】
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、一側、他側突出部56−1、56−2の突出面には、一側、他側気流強化部92−1、92−2を夫々内壁面側に斜めに突出し且つ上流側から下流側に延長して形成した。一側気流強化部92−1は、複数(例えば2つ)の一側気流偏向部材94−1A、94−1Bからなる。また、他側気流強化部92−2は、複数(例えば2つ)の他側気流偏向部材94−2A、94−2Bからなる。
【0040】
この第3実施例の構成によれば、一側、他側気流強化部92−1、92−2により、吸気流には各内壁面側に方向性が持たされ、これにより、一側、他側突出部56−1、56−2の両側に強い吸気流を生じさせることができ、燃焼室8におけるタンブル流をさらに強くすることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、吸気ポートは、シリンダヘッドの幅方向と直交する長手方向の断面における湾曲部の曲率中心から離間する外周側壁面を直線状に形成するとともに、この外周側壁面には部分的に曲率中心方向に突出する突出部を形成し、この突出部を通路上流部から吸気バルブガイドの下流側に渡って形成したことにより、突出部の両側部位に形成される空間に吸気流を分岐させて吸気ポートの外周側壁面側の吸気の流速を高めてタンブル流を生成するとともに、突出部によって吸気バルブガイド周りの流れを整流させることにより、吸入抵抗の増加を防止し、内燃機関の高出力化を図り、また、低燃費及びエミッション(HC)の改善を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例において内燃機関のシリンダヘッドの断面図である。
【図2】第1実施例において吸気ポートの構成図である。
【図3】図2の矢印IIIによる吸気ポートの平面図である。
【図4】図2の矢印IVによる吸気ポートの端面開口部の平面図である。
【図5】図2の矢印V−Vによる吸気ポートの断面図である。
【図6】図2の矢印VI−VIによる吸気ポートの断面図である。
【図7】第1実施例において吸気ポートの斜視図である。
【図8】図7の吸気ポートの側面図である。
【図9】図8の吸気ポートの平面図である。
【図10】第2実施例において吸気ポートの平面図である。
【図11】第2実施例において吸気ポートの断面図である。
【図12】第3実施例において吸気ポートの断面図である。
【図13】従来における内燃機関のシリンダヘッドの断面図である。
【符号の説明】
2 内燃機関
6 シリンダヘッド
8 燃焼室
14 吸気ポート
14A 通路上流部
14B 湾曲部
14C 通路下流部
34 吸気バルブ
38 吸気バルブスプリングシート部
46 吸気バルブガイド
48 内周側湾曲壁面
54 外周側壁面
56 突出部
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の吸気ポート構造に係り、特に燃焼室への吸気にタンブル流を効果的に生成する内燃機関の吸気ポート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関においては、燃焼性を向上するために、燃焼室への吸気にスワールを生成することが有効であり、このため、吸気ポートの形状には種々の工夫がなされている。吸気のスワールには、シリンダ軸線周りに横向きに旋回させる横スワールと、シリンダ軸線方向に縦向きに旋回させる縦スワール(所謂タンブル流)とがある。
【0003】
このような内燃機関としては、例えば、図13に示すものがある。即ち、図13において、102は内燃機関、104はシリンダブロック、106はシリンダヘッドである。このシリンダヘッド106には、下側デッキ面106B側に燃焼室108が形成され、また、吸気側で上側デッキ面106U側に吸気カム軸支持部110が形成されているとともに排気側で上側デッキ面106U側に排気カム軸支持部112が形成され、また、燃焼室108に連通するように吸気側で吸気ポート114が形成されているとともに排気側で排気ポート116が形成されている。
【0004】
吸気ポート114は、シリンダヘッド106の一側面である吸気側面106Sから幅方向Xに延びる通路上流部114Aと、この通路上流部114Aから下方へ湾曲する湾曲部114Bを含んで燃焼室108へ連通する通路下流部114Cとからなる。湾曲部114Bは、曲率中心Oを中心として曲率半径R1に設定されている。
【0005】
シリンダヘッド106には、吸気側で、吸気ポート114の燃焼室側吸気開口部118に吸気バルブシート120が取り付けられ、また、上部位に吸気側油圧タペット室122が形成されている。
【0006】
シリンダヘッド106には、吸気ポート114の燃焼室側吸気開口部118を開閉する吸気バルブ124が設けられている。この吸気バルブ124は、吸気バルブステム124Aと吸気バルブヘッド124Bとからなり、吸気バルブステム124Aの先端側が吸気側油圧タペット室122に設置した吸気油圧タペット(図示せず)に連結している。
【0007】
また、シリンダヘッド106には、吸気側油圧タペット室122と直列に吸気側スプリング室126が形成されている。この吸気側スプリング室126は、底部位が吸気バルブスプリングシート部(座面)128で形成されている。吸気側スプリング室126内には、吸気バルブ124の吸気バルブステム124Aに嵌装されて吸気バルブスプリングシート部128に当接する吸気バルブスプリング130が設けられている。この吸気バルブスプリング130は、吸気バルブ124を燃焼室側吸気開口部118の閉鎖方向に付勢するものである。
【0008】
シリンダヘッド6には、吸気側ヘッド内壁132に、吸気側ガイド保持孔134が吸気側スプリング室126に連通して形成されている。この吸気側ガイド保持孔134には、吸気バルブガイド136が挿着されている。この吸気バルブガイド136は、パイプ形状であり、吸気バルブ124の吸気バルブステム124Aを摺動可能に保持している。また、この吸気バルブガイド136は、ガイド下端部136Bが吸気ポート114の内方(ポート中心線114C方向)に突出するように配置されている。
【0009】
この吸気ポート114においては、燃焼性を向上するように、燃焼室108にタンブル流を生成する場合に、吸気ポート114に直線部位Sを形成するとともに、燃焼室側吸気開口部118近傍の内周側湾曲壁面138の曲率半径K1を小さく設定し、これにより、吸気の流れを剥離させて吸気の流速を低下させ(破線の矢印Pで示す)、外周側壁面140側の吸気の流速(Q方向)を相対的に速くしている。
【0010】
一方、シリンダヘッド106には、排気側において、排気ポート116の燃焼室側排気開口部142に排気バルブシート144が取り付けられ、また、上部位に排気側油圧タペット室146が形成されている。
【0011】
また、シリンダヘッド106には、排気側スプリング室148と排気バルブスプリングシート部150とが形成されているとともに、排気側ヘッド内壁152の排気ガイド孔154に排気バルブガイド156が挿着されている。
【0012】
このような内燃機関の吸気ポート構造としては、例えば、特開平9−184424号公報、特開平7−301119号公報、特開平7−150957号公報に開示されている。特開平9−184424号公報に記載のものは、吸気ポートのバルブステムのガイド穴とバルブシート部との間における湾曲部において、湾曲の曲率中心から遠方に位置する遠心側の壁面に、内側に向かって凸状になだらかに曲率を変化させる肉盛部を設けたものである。特開平7−301119号公報に記載のものは、吸気弁座の直上流の吸気ポートのデッキ面側内壁にエッジ部を形成し、吸気ポートの中心線がデッキ面となす角度を排気弁座の端面がデッキ面となす角度よりも小さく設定し、吸気ポートの中心線の延長線と燃焼室の頂点を通ってデッキ面に直交する交点のデッキ面からの距離を、燃焼室の頂点のデッキ面からの距離よりも小さく設定したものである。特開平7−150957号公報に記載のものは、複数の吸気ポートを有する多バルブエンジンにおいて、同じ燃焼室部分から引き出される複数の吸気ポートが、互いに形状が異なるように形成されたものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、図13に示す内燃機関の吸気ポート構造においては、吸気ポート114の湾曲部114Bの曲率中心Oに近接する内周側湾曲壁面138の形状により、吸気の流れを剥離して流速を低下させ、外周側壁面140側の吸気流速と内周側湾曲壁面138の吸気流速との速度差により吸気にタンブル流を生成していたので、吸気流量が増加した場合には、吸気の剥離によって吸入抵抗が大幅に増加し、このため、内燃機関の出力が低下し、また、燃費が悪化したり、エミッション(HC)が発生するという不都合があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、内燃機関のシリンダヘッドの一側面から幅方向に延びる通路上流部とこの通路上流部から下方へ湾曲する湾曲部を含んで燃焼室へ連通する通路下流部とからなる吸気ポートを設け、ガイド下端部が前記吸気ポートの内方に突出するように配置された吸気バルブガイドを設けた内燃機関の吸気ポート構造において、前記吸気ポートは、前記シリンダヘッドの幅方向と直交する長手方向の断面における前記湾曲部の曲率中心から離間する外周側壁面を直線状に形成するとともに、この外周側壁面には部分的に前記曲率中心方向に突出する突出部を形成し、この突出部を前記通路上流部から前記吸気バルブガイドの下流側に渡って形成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明において、吸気ポートは、シリンダヘッドの幅方向と直交する長手方向の断面における湾曲部の曲率中心から離間する外周側壁面を直線状に形成するとともに、この外周側壁面には部分的に曲率中心方向に突出する突出部を形成し、この突出部を通路上流部から吸気バルブガイドの下流側に渡って形成していることから、突出部の両側部位に形成される空間に吸気流を分岐させて吸気ポートの外周側壁面側の吸気流速を高めてタンブル流を生成するとともに、突出部によって吸気バルブガイド周りの流れを整流させることにより、吸入抵抗の増加を防止し、内燃機関の高出力化を図り、また、低燃費及びエミッション(HC)の改善を図ることができる。
【0016】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜9は、この発明の第1実施例を示すものである。図1において、2は車両に搭載される内燃機関、4はシリンダブロック、6はシリンダヘッドである。内燃機関2は、1気筒当たり、吸気側が2つのバルブ且つ排気側が2つのバルブの4バルブのものである。シリンダヘッド6には、下側デッキ面6B側に燃焼室8が形成され、また、吸気側で上側デッキ面6U側に吸気カム軸支持部10が形成されているとともに排気側で上側デッキ面6U側に排気カム軸支持部12が形成され、また、燃焼室8に連通するように吸気側で吸気ポート14が形成されているとともに排気側で排気ポート16が形成されている。
【0017】
吸気ポート14は、シリンダヘッド6の一側面である吸気側面6Sから幅方向Xに延びる通路上流部14Aとこの通路上流部14Aから下方へ湾曲する湾曲部14Bを含んで燃焼室8へ連通する通路下流部14Cとからなる。湾曲部14Bは、曲率中心Oを中心として曲率半径R2で設定されている。シリンダヘッド6の吸気側面6Sには、図7〜9に示す如く、吸気ポート14に連通する吸気通路18Aを形成する吸気マニホルド18が取り付けられる。この吸気マニホルド18の弁取付部20には、吸気ポート14側に燃料を噴射する燃料噴射弁22が取り付けられている。
【0018】
シリンダヘッド6には、吸気側で、吸気ポート14の燃焼室側吸気開口部24に吸気バルブシート26が取り付けられ、また、上部位に吸気側油圧タペット室28が形成され、更に、この吸気側油圧タペット室28に連通する吸気側タペット用油路30が形成され、更にまた、この吸気側タペット用油路30に連通する吸気側オイル通路32が形成されている。
【0019】
シリンダヘッド6には、吸気ポート14の燃焼室側吸気開口部24を開閉する吸気バルブ34が設けられている。この吸気バルブ34は、吸気バルブステム34Aと吸気バルブヘッド34Bとからなり、吸気バルブステム34Aの先端側が吸気側油圧タペット室28に設置した吸気油圧タペット(図示せず)に連結してる。
【0020】
また、シリンダヘッド6には、吸気側油圧タペット室28と直列に吸気側スプリング室36が形成されている。この吸気側スプリング室36は、底部位が吸気バルブスプリングシート部(座面)38で形成されている。吸気側スプリング室36内には、吸気バルブ34の吸気バルブステム34Aに嵌装されて吸気バルブスプリングシート部38に当接する吸気バルブスプリング40が設けられている。この吸気バルブスプリング40は、吸気バルブ34を燃焼室側吸気開口部24の閉鎖方向に付勢するものである。
【0021】
シリンダヘッド6には、吸気側ヘッド内壁42に、吸気側ガイド保持孔44が吸気側スプリング室36に連通して形成されている。この吸気側ガイド保持孔44には、吸気バルブガイド46が挿着されている。この吸気バルブガイド46は、パイプ形状であり、吸気バルブ34の吸気バルブステム34Aを摺動可能に保持している。また、この吸気バルブガイド46は、ガイド下端部46Bが吸気ポート14の内方(ポート中心線14C方向)に突出するように配置されている。
【0022】
この実施例における吸気ポート14にあっては、図1、2に示す如く、吸気ポート14の下部の内周側湾曲壁面48の曲率半径K2は、吸気ポート14内の吸気の流れが剥離しない程度の大きさに設定されている。
【0023】
また、図3に示す如く、吸気側面6S側で上流側の上壁面の中央部位に燃料噴射弁22から噴射された燃料を導く燃料噴射用通路50が形成され、また、燃焼室側吸気開口部24側の下流側の中央部位の分岐壁52によって一側、他側ポート部14−1、14−2が分岐して形成されている。従って、この一側、他側ポート部14−1、14−2に対応して、一側、他側燃焼室側吸気開口部24−1、24−2が形成されているとともに、一側、他側吸気ガイド保持孔44−1、44−2に一側、他側吸気バルブガイド46−1、46−2が設けられている。
【0024】
更に、この吸気ポート14は、図2、6に示す如く、シリンダヘッド6の幅方向Xと直交する長手方向の断面における湾曲部14Bの曲率中心Oから離間する外周側壁面54を直線状に形成するとともに、この外周側壁面54には部分的に曲率中心O方向に突出する突出部56を形成し、この突出部56を通路上流部14Aから吸気バルブガイド46の下流側に渡って形成している。
【0025】
つまり、この突出部56は、吸気ポート14が途中から一側、他側ポート部14−1、14−2に分岐されていることから、図3に示す如く、一側、他側ポート部14−1、14−2に対応した一側、他側突出部56−1、56−2に分離して設けられている。この突出部56は、図2、3に示す如く、長さLと幅Wと深さDとにより、吸気ポート14の吸気バルブガイド46近傍で且つこの部位の上流において横方向に広がり、さらに、吸気バルブガイド46周りから吸気ポート14の端面開口部58に向かってつながる凸状(吸気ポート14の内方に向かう凸形状)の曲面に形成されている。これにより、この吸気ポート14にあっては、図3に示す如く、燃料噴射用路50と分岐壁52間で且つ一側突出部56−1と他側突出部56−2間の中央吸気流空間60Aと、一側突出部56−1の外側の一側吸気流空間60Bと、他側突出部56−2の外側の他側吸気流空間60Cとが形成される。
【0026】
また、突出部56には、吸気バルブスプリングシート部38の端部位38Eが入り込むように設けられている。
【0027】
一方、シリンダヘッド6には、排気側において、排気ポート16に一対の一側、他側燃焼室側排気開口部62−1、62−2が形成されているとともに、この燃焼室側排気開口部62に排気バルブシート部64が取り付けられ、また、上部位に排気側油圧タペット室66が形成され、更に、この排気側油圧タペット室66に連通する排気側タペット用油路68が形成され、更にまた、この排気側タペット油路68に連通する排気側オイル通路70が形成されている。また、シリンダヘッド6には、排気側スプリング室72と排気バルブスプリングシート部74とが形成されているとともに、排気側ヘッド内壁76の排気ガイド孔78に排気バルブガイド80が挿着されている。
【0028】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0029】
内燃機関2への吸気は、吸気ポート14において、通路上流部14Aと湾曲部14Bと通路下流部14Cとを経て、燃焼室8に供給される。
【0030】
ところで、この実施例において、吸気ポート14は、シリンダヘッド6の幅方向Xと直交する長手方向の断面における湾曲部14Bの曲率中心Oから離間する外周側壁面54を直線状に形成するとともに、この外周側壁面54には部分的に曲率中心O方向に突出する突出部56を形成し、この突出部56を通路上流部14Aから吸気バルブガイド46の下流側に渡って形成していることから、つまり、突出部56は、吸気ポート14の吸気バルブガイド46近傍で且つこの部位の上流において横方向に広がり、さらに、吸気バルブガイド46周りから吸気ポート14の端面開口部58に向かってつながる凸状(吸気ポート14の内方に向かう凸形状)の曲面に形成され、また、吸気ポート14の下側の内周側湾曲壁面48の曲率半径K2は、吸気ポート14内の吸気の流れが剥離しない程度の大きさに設定されていることから、一側、他側突出部56−1、56−2の両側部位に形成される各空間60A、60B、60Cに吸気流が分岐され、吸気ポート14の直線状の外周側壁面54に沿った吸気の流動が強化され(図8の矢印Qで示す)、燃焼室8内のタンブル流が強化される。
【0031】
従って、従来の吸気ポート14で弱くされた吸気の流れ(図8の矢印Pで示す)が犠牲されず、外周側壁面54での吸気の流れ(図8の矢印Qで示す)を強くすることで、タンブル流を強くしつつ、吸入抵抗も小さくすることができ、これにより、燃焼性を向上するとともに、内燃機関2の高出力化を図り、また、燃費を向上し、しかも、エミッション(HC)の発生を低減することができる。
【0032】
また、図9に示すように、吸気の流れ(矢印Eで示す)を強くするために、吸気ポート14を横方向に広げており、このままだと、吸気バルブガイド46周りの流速が低下してしまうので、突出部56の凸形状で、吸気ポート14の断面積が吸気バルブガイド46で大きくならないように調整している。これにより、吸気ポート14から燃焼室8内に入る吸気流動を、速くすることができるとともに減少しないようにして、燃焼性を改善することができる。
【0033】
更に、突出部56に吸気バルブスプリングシート部38の端部位38Eを形成することができ、吸気バルブスプリング40を吸気ポート14に近づけ、且つ、カム軸(図示せず)の中心を吸気ポート14に近づけて配設することができるので、シリンダヘッド6の高さを小さくし、よって、内燃機関2のコンパクト化を図るとともに、内燃機関2の軽量化を図ることができる。
【0034】
図10、11は、この発明の特別構成であり、第2実施例を示すものである。
【0035】
以下の実施例にあっては、上述の第1実施例と同一機能を果す箇所には、同一符号を付して説明する。
【0036】
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、一側、他側突出部56−1、56−2の突出面側には、一側、他側吸気流強化楕円溝82−1、82−2を上流側から下流側に延長して形成した。この一側、他側吸気流強化楕円溝82−1、82−2は、上流側から下流側に漸次に窄み且つ少し円弧状に形成され、また、一側、他側上流側開口84−1、84−2の開口面積が一側、他側下流側開口86−1、86−2の開口面積よりも大きく形成され、且つ、この一側、他側下流側開口86−1、86−2が夫々内壁面側に位置して形成されている。
【0037】
この第2実施例の構成によれば、一側、他側吸気流強化楕円溝82−1、82−2の一側、他側上流側開口84−1、84−2から流入した吸気は、窄まれた一側、他側吸気流強化楕円溝82−1、82−2を経て一側、他側下流側開口86−1、86−2から夫々内壁面側に流出することから、下流側で外周側の吸気流が強化され、これにより、燃焼室8におけるタンブル流をさらに強くすることができる。
【0038】
図12は、この発明の特別構成であり、第3実施例を示すものである。
【0039】
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、一側、他側突出部56−1、56−2の突出面には、一側、他側気流強化部92−1、92−2を夫々内壁面側に斜めに突出し且つ上流側から下流側に延長して形成した。一側気流強化部92−1は、複数(例えば2つ)の一側気流偏向部材94−1A、94−1Bからなる。また、他側気流強化部92−2は、複数(例えば2つ)の他側気流偏向部材94−2A、94−2Bからなる。
【0040】
この第3実施例の構成によれば、一側、他側気流強化部92−1、92−2により、吸気流には各内壁面側に方向性が持たされ、これにより、一側、他側突出部56−1、56−2の両側に強い吸気流を生じさせることができ、燃焼室8におけるタンブル流をさらに強くすることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、吸気ポートは、シリンダヘッドの幅方向と直交する長手方向の断面における湾曲部の曲率中心から離間する外周側壁面を直線状に形成するとともに、この外周側壁面には部分的に曲率中心方向に突出する突出部を形成し、この突出部を通路上流部から吸気バルブガイドの下流側に渡って形成したことにより、突出部の両側部位に形成される空間に吸気流を分岐させて吸気ポートの外周側壁面側の吸気の流速を高めてタンブル流を生成するとともに、突出部によって吸気バルブガイド周りの流れを整流させることにより、吸入抵抗の増加を防止し、内燃機関の高出力化を図り、また、低燃費及びエミッション(HC)の改善を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例において内燃機関のシリンダヘッドの断面図である。
【図2】第1実施例において吸気ポートの構成図である。
【図3】図2の矢印IIIによる吸気ポートの平面図である。
【図4】図2の矢印IVによる吸気ポートの端面開口部の平面図である。
【図5】図2の矢印V−Vによる吸気ポートの断面図である。
【図6】図2の矢印VI−VIによる吸気ポートの断面図である。
【図7】第1実施例において吸気ポートの斜視図である。
【図8】図7の吸気ポートの側面図である。
【図9】図8の吸気ポートの平面図である。
【図10】第2実施例において吸気ポートの平面図である。
【図11】第2実施例において吸気ポートの断面図である。
【図12】第3実施例において吸気ポートの断面図である。
【図13】従来における内燃機関のシリンダヘッドの断面図である。
【符号の説明】
2 内燃機関
6 シリンダヘッド
8 燃焼室
14 吸気ポート
14A 通路上流部
14B 湾曲部
14C 通路下流部
34 吸気バルブ
38 吸気バルブスプリングシート部
46 吸気バルブガイド
48 内周側湾曲壁面
54 外周側壁面
56 突出部
Claims (2)
- 内燃機関のシリンダヘッドの一側面から幅方向に延びる通路上流部とこの通路上流部から下方へ湾曲する湾曲部を含んで燃焼室へ連通する通路下流部とからなる吸気ポートを設け、ガイド下端部が前記吸気ポートの内方に突出するように配置された吸気バルブガイドを設けた内燃機関の吸気ポート構造において、前記吸気ポートは、前記シリンダヘッドの幅方向と直交する長手方向の断面における前記湾曲部の曲率中心から離間する外周側壁面を直線状に形成するとともに、この外周側壁面には部分的に前記曲率中心方向に突出する突出部を形成し、この突出部を前記通路上流部から前記吸気バルブガイドの下流側に渡って形成したことを特徴とする内燃機関の吸気ポート構造。
- 前記シリンダヘッドには、前記吸気ポートの燃焼室側吸気開口部を開閉する吸気バルブとこの吸気バルブを付勢する吸気バルブスプリングが当接する吸気バルブスプリングシート部とを設け、前記突出部には、前記吸気バルブスプリングシート部の端部位を入り込ませて設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気ポート構造。
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Cited By (4)
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JP2013011229A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-17 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の吸気ポート |
WO2013150768A1 (ja) * | 2012-04-06 | 2013-10-10 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 内燃機関の吸気システム |
US10233825B2 (en) * | 2015-09-08 | 2019-03-19 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Internal combustion engine |
-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002306858A patent/JP2004143954A/ja active Pending
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