JP2004143810A - 緊張接着技術における分散化定着工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構造物100の表面101に接着した強化繊維シート1の接着領域に隣接する定着領域の一部を第1のアンカー定着手段13a1にて定着し、強化繊維シート1に対する緊張力の一部を解放する。次いで、第1のアンカー定着手段13a1より外方に位置した定着領域の一部を第2のアンカー定着手段13a2にて定着し、強化繊維シート1に対する緊張力の一部を解放する工程を強化繊維シート1に対する緊張力が全て解放されるまでを繰り返し、強化繊維シート1の端部応力を分散化する
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般には、緊張接着技術の分散化定着に関するものであり、特に、土木建築構造物であるコンクリート構造物或いは鋼構造物(本願明細書では、コンクリート構造物或いは鋼構造物を含めて単に「構造物」という。)の補強に採用される強化繊維シート緊張接着工法において、接着された強化繊維シートの端部応力の分散化を行うための分散化定着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
構造物の補強方法として、近年、既存或いは新設の構造物の表面に連続強化繊維シートを貼り付けたり、巻き付けたりする接着工法が開発されている。
【0003】
しかしながら、上記接着工法は、単純な接着のみであり、FRP(繊維強化プラスチック)補強材の剥離による構造物の早期破壊により、終局耐力の補強効果の向上に限界がある一方、例えばコンクリート構造物のひび割れの抑制効果にも限界がある。その上、FRP補強材の高い性能が有効に活用されていない場合が多い。又、既存構造物のひび割れ損傷などの回復や死荷重に対する補強はできない。
【0004】
このような問題を改善するべく、強化繊維シートを用いた緊張接着工法が提案されている。例えば特許文献1には、強化繊維として少なくとも炭素繊維を含む炭素繊維シート、クロス及び樹脂を含浸したプリプレグ等からなる繊維材に対して、治具を介して緊張装置により緊張力を導入し、次いで、接着剤により繊維材をコンクリート部材の表面に貼着し、その後、治具及び緊張装置を除去する緊張接着工法が開示されている。
【0005】
このような緊張接着工法により、図8に示すように、同じ寸法の複数の強化繊維シート1をコンクリート構造物100の表面101に積層して接着した場合には、強化繊維シート1の端部とコンクリート構造物表面101との間に、図9(A)に示すように、剪断応力が集中し、強化繊維シート1の端部から剥離が生じることが知られている。
【0006】
そのために、図10に示すように、長さの異なる強化繊維シート1(1a〜1d)を、コンクリート構造物100の表面101の側から外側へと長い順に積層配置することが提案されている。このような構成とすることにより、図9(B)に示すように、剪断応力が分散され、強化繊維シート1(1a〜1d)の端部における応力集中が大幅に低減され、端部剥離を著しく改善することができる。
【0007】
しかしながら、上述のような緊張接着工法に基づく強化繊維シート1(1a〜1d)の端部がずれたコンクリート構造物の補強方法を実施するに際して、各強化繊維シート1(1a〜1d)を1枚毎に緊張力を導入し接着するといった作業を、全ての強化繊維シート1に対して繰り返し行うことは、作業が極めて煩雑であり、作業効率の点で問題がある。
【0008】
そこで、本発明者らは、特許文献2に記載するように、樹脂含浸又は樹脂未含浸の強化繊維シートを長手方向に引っ張り、強化繊維シートに緊張力を導入した状態で構造物の被補強表面に接着する構造物の補強方法を提案した。この補強方法は、図11を参照して説明すると、
(a)構造物100の被補強表面101に適合するように強化繊維シート1a、1b、1cを複数枚長手方向に整列して積層する工程、
(b)構造物100に対する各強化繊維シート1a、1b、1cの長手方向接着長さが、構造物表面最内層から最外層へと行くに従ってより短くなるように、積層された各強化繊維シート1a、1b、1cの両端位置に且つ各強化繊維シート1a、1b、1cの間に、積層された各強化繊維シート同士の接着を防止する剥離シート11a、11bを配置する工程、及び
(c)積層された各強化繊維シート1a、1b、1cを一括して長手方向に引っ張り、強化繊維シート1a、1b、1cに緊張力を導入した状態で、強化繊維シート1a、1b、1cを構造物100の表面101に、及び各強化繊維シート同士を接着剤にて接着する工程、
を有している。この補強方法によれば、構造物100に接着された複数層をなす強化繊維シート1a、1b、1cの両端部は構造物表面最内層から最外層へと向かって段状となる。また、必要に応じて各強化繊維シート1a、1b、1cの端部にU字アンカー強化繊維シート12a、12b、12cが配置され、構造物の貼着面101、102に接着される。
【0009】
斯かる構造物の補強方法は、接着された複数枚の強化繊維シート1a、1b、1cの端部をずらすことにより端部応力集中を著しく低減することのできる緊張接着工法に基づくコンクリート構造物の補強を、極めて作業性良く実施することができ、極めて有用である。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−182061号公報
【特許文献2】
特願2001−163265
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述にて理解されるように、特許文献2に記載の補強方法は、構造物100に対する各強化繊維シート1a、1b、1cの長手方向接着長さが、構造物表面最内層から最外層へと行くに従ってより短くなるように、積層された各強化繊維シート1a、1b、1cの両端位置に且つ各強化繊維シート1a、1b、1cの間に、積層された各強化繊維シート同士の接着を防止する剥離シート11a、11bを配置する、といった作業が必須であり、作業性の点で、更なる改良が希求されている。
【0012】
従って、本発明の目的は、接着された複数枚の強化繊維シートの端部をずらすことなく、端部応力集中を著しく低減することのできる緊張接着工法に基づくコンクリート構造物の補強などを、極めて作業性良く実施することのできる、緊張接着工法における分散化定着方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る緊張接着工法における分散化定着方法にて達成される。要約すれば、本発明は、樹脂未含浸の強化繊維シートを長手方向に引っ張り、強化繊維シートに緊張力を導入した状態で構造物の被補強表面に接着する緊張接着工法における分散化定着方法において、
(a)強化繊維シートを一括して長手方向に引っ張り、強化繊維シートに緊張力を導入した状態で、強化繊維シートを構造物の表面に接着剤にて接着する工程、
(b)構造物表面に接着した前記強化繊維シートの接着領域の外方に位置した定着領域の一部を第1のアンカー定着手段にて定着し、前記強化繊維シートに対する緊張力の一部を解放する工程、
(c)前記第1のアンカー定着手段より外方に位置した前記定着領域の一部を第2のアンカー定着手段にて定着し、前記強化繊維シートに対する緊張力の一部を解放する工程、
(d)前記強化繊維シートに対する緊張力が全て解放されるまで前記工程(c)を繰り返す工程、
を有し、前記強化繊維シートの端部応力を分散化することを特徴とする緊張接着工法における分散化定着方法である。
【0014】
本発明の一実施態様によると、前記アンカー定着手段は、前記強化繊維シートの長手方向に直交して配置された前記強化繊維シートの幅よりも長く延在した定着板と、前記強化繊維シートを構造物表面に定着するべく前記定着板を構造物に固定するアンカーボルトとを有する。
【0015】
本発明の他の態様によると、前記定着板は、金属製板或いはFRP製板とされる。
【0016】
本発明の他の態様によると、前記アンカー定着手段は、前記強化繊維シートの長手方向に直交して配置された前記強化繊維シートの幅よりも長く延在した再接着アンカー強化繊維シートであり、前記再接着アンカー強化繊維シート、及び、前記再接着アンカー強化繊維シートと接触する領域の前記強化繊維シートを接着剤にて互いに、且つ、構造物表面に接着し、前記強化繊維シート及び前記各再接着アンカー強化繊維シートの接着剤を硬化させる。
【0017】
本発明の他の態様によると、前記再接着アンカー強化繊維シートは、強化繊維が前記強化繊維シートの長手方向に対して直交する方向に配列されている。
【0018】
本発明の他の態様によると、前記再接着アンカー強化繊維シートは、前記強化繊維シートと同じ構成とされる。
【0019】
本発明の他の態様によると、前記強化繊維シートは、連続した強化繊維を均一に引き揃え、互いに密に一方向に配列した強化繊維シートである。
【0020】
本発明の他の態様によると、前強化繊維は、PAN系或いはピッチ系炭素繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用される。
【0021】
本発明の他の態様によると、前記接着剤は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る緊張接着工法における分散化定着方法を図面に則して更に詳しく説明する。
【0023】
実施例1
本発明の緊張接着工法における分散化定着方法は、梁又は桁部材、更には、壁、柱部材、床版などのスラブ部材など、建築或いは土木構造物であるコンクリート構造物或いは鋼構造物の補強に広く適用し得るが、本実施例では、コンクリート梁に適用した場合について説明する。
【0024】
図4に、本発明にて使用する強化繊維シート1の一実施例を示す。強化繊維シート1は、連続した強化繊維2を均一に引き揃え、互いに密に一方向に配列した、所定の単位重量を有するものである。強化繊維シート1の長さ及び幅は、補強される構造物の寸法、形状に応じて適宜決定される。
【0025】
強化繊維2としては、PAN系或いはピッチ系炭素繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;更には、アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用することができる。
【0026】
又、強化繊維シート1は、取り扱いを容易とするために、強化繊維2を一方向に配列した強化繊維層4の片面、或いは、両面を、例えば直径2〜50μmのガラス繊維或いは有機繊維にて作製したメッシュ状の支持体シート3により支持した構成とすることもできる。
【0027】
メッシュ状支持体シート3にて強化繊維シートを保持する方法としては、例えば、メッシュ状支持体シート3を構成する縦糸6及び横糸7の表面に低融点タイプの熱可塑性樹脂を予め含浸させておき、メッシュ状支持体シート3を強化繊維層2の両面に積層して加熱加圧し、メッシュ状支持体シート3の縦糸6及び横糸7の部分を強化繊維層4に溶着する。
【0028】
別法として、図5に示すように、強化繊維シート1は、一方向に配列された強化繊維2に対して直交して、強化繊維2のバラケ止めとして繊維5を横糸として一定の間隔(P)にて打ち込み、所謂、織物(クロス)のような構造のシートとすることも可能である。繊維5としては、上述と同様に、例えば直径2〜50μmのガラス繊維或は有機繊維が使用可能であるが、ガラス繊維を芯部に有し、低融点の熱融着性ポリエステルをその周囲に配したような二重構造の複合繊維は、繊維束のバラケ防止効果が大きく、好ましく用いられる。この方法での、横糸の打ち込み間隔(p)に特に制限はないが、作製されたシートの取り扱い性を考慮して、通常1〜15mm間隔の範囲で選定される。
【0029】
尚、本実施例では、強化繊維シート1としては、単糸デニールが1.5デニールのモノフィラメントを、例えば、約2000本収束した繊維束、即ち、PBO繊維2を使用し、このPBO繊維を均一に引き揃え、互いに密に一方向に配列したPBO連続繊維シートを使用した。PBO連続繊維シートの厚さは0.128mm(繊維目付200g/m2)であった。通常、PBO連続繊維シート1の繊維目付(単位面積当たりの重量:g/m2で表す)は、100〜1600g/m2(設計シート厚さ(t)0.064〜1.02mm)とされるが、好ましくは、140〜600g/m2(設計シート厚さ(t)0.090〜0.38mm)である。
【0030】
本実施例の補強方法を実施する際に強化繊維シート1に含浸されるマトリクス樹脂(即ち、接着剤)は、熱硬化性樹脂とすることができ、熱硬化性樹脂としては、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂を好適に使用し得る。又、樹脂含浸量は、30〜70重量%、好ましくは、40〜60重量%とされる。
【0031】
本発明の緊張接着工法における分散化定着方法の一実施例について説明する。本実施例では、図11に示す従来例と同様に、本発明の緊張接着工法における分散化定着方法を、コンクリート梁100の緊張接着工法に従った補強方法に適用するものとする。
【0032】
本発明によると、強化繊維シート1をコンクリート梁100に接着するに先立って、強化繊維シート1に緊張力が導入される。強化繊維シート1には、樹脂は未だ含浸されていない。
【0033】
通常、強化繊維シート1は、1枚でも良く、又、複数枚積層して使用することもできる。本明細書では、複数枚積層した強化繊維シート積層体をも含めて、単に、強化繊維シート1という。
【0034】
本発明に従って緊張接着工法を実施するに当たり、強化繊維シート1の長さは、所要の長さ、つまり、コンクリート梁100のシート貼着面101に接着されて補強に供する実際の長さ「有効長L」と、更に、引張力を導入するために緊張装置により保持させるために必要とされる「長さ」とを加えた長さとされる。
【0035】
尚、本明細書にて、強化繊維シート1において、「内側」とは、コンクリート梁100のような構造体のシート貼着面101側を意味し、「外側」とはこのシート貼着面101より離れる方向を意味する。又、上述のように、強化繊維シート1がシート貼着面101に接着され補強に供される有効長Lの領域(「有効長領域L」という。)の両端部から中央部に向かう方向を「内方」とし、その両端部側を「外方」と呼ぶ。
【0036】
次に、図1〜図3を参照して、本実施例における緊張接着工法について説明する。
【0037】
図3(A)に示すように、コンクリート構造体に貼付される強化繊維シート1の有効長領域(L)よりさらに延長された両端部が緊張装置のジャッキ手段(図示せず)に保持され、案内ローラ20により、その有効長領域がコンクリート梁100のシート貼着面101に近接した位置へと案内される。
【0038】
引き続いて、緊張装置のジャッキ手段を作動させ、強化繊維シート1を一括して長手方向に引っ張り、強化繊維シート1に緊張力を導入する。
【0039】
強化繊維シート1への緊張力導入は、予め設定された引張量を引っ張った時点にて停止するか、或いは、ロードセルなどを適所に設置し、緊張荷重を計測しながらジャッキを駆動し、所定荷重を印加した時点でジャッキの駆動を停止することも可能である。
【0040】
図3(A)に示すように、強化繊維シート1が緊張状態に維持された状態にて、コンクリート梁シート貼着面101に対面した側から強化繊維シート1にマトリクス樹脂を塗布し、強化繊維シート1にマトリクス樹脂を含浸させる。
【0041】
次いで、図3(B)に示すように、案内ローラ20を移動し、強化繊維シート1をコンクリート梁100の貼着面101に接着する。今度は、強化繊維シート1のコンクリート構造体表面101とは反対側の面から、即ち、強化繊維シート1の外側面にマトリクス樹脂を塗布する。これにより、強化繊維シート1には、その内部にまで、十分にマトリクス樹脂が含浸される。
【0042】
尚、含浸した強化繊維シート1をコンクリート梁100の貼着面101に空隙が発生することなく接着させるために、強化繊維シート1をコンクリート梁100側へと押圧するのが好ましい。押圧手段としては任意の手段を使用し得るが、バキュームバッグとシール材を用いて含浸した強化繊維シート1の補強部分を完全にラップし、ラップ内エアーをポンプにより吸引し、シートを被補強構造物に押し付け常温硬化することが好ましい。
【0043】
又、コンクリート梁100の貼着面101は、強化繊維シート1を接着するに先立って、予めプライマーを塗布して下地処理を行うのが好ましい。又、更に、予めマトリクス樹脂を塗布しておくこともできる。プライマーとしては、マトリクス樹脂と同系の又は同じ樹脂、例えば、通常使用されている、エポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂などとし得る。
【0044】
次に、本発明の特徴をなす分散化定着方法について説明する。
【0045】
本発明に従うと、強化繊維シート1の有効長領域内の両端部には、アンカー定着手段13aが配置された「定着領域(L0)」が設けられ、このアンカー定着手段13aにより、構造物100に接着された強化繊維シート1の端部応力が分散化、即ち、段階化がなされる。
【0046】
図1及び図2には、コンクリート梁100及び強化繊維シート1の有効長領域の一方端部(即ち、図面上左側端部)のみを示すが、同様の構成がコンクリート梁100及び強化繊維シート1の有効長領域の他方端部にも適用される。
【0047】
本実施例によると、図3(B)に示す、強化繊維シート1が緊張状態に維持された状態での強化繊維シート1に対するマトリクス樹脂の含浸は、定着領域(L0)においては行われない。従って、有効長領域(L)にて、定着領域(L0)を除いた、実際にコンクリート貼着面101に樹脂接着された領域(L−2L0)を「樹脂接着領域」と呼ぶ。
【0048】
マトリクス樹脂が硬化し、樹脂含浸された強化繊維シート1が構造物100の被補強表面、即ち、貼着面101に完全に貼着した時点においては、即ち、樹脂接着領域にて強化繊維シート1がコンクリート貼着面101に接着されたこの段階では、強化繊維シート1に加えられている緊張力は解放されない。
【0049】
本実施例によると、緊張力未解放状態において、定着領域にアンカー定着手段13aを施す前工程として、定着領域に隣接した樹脂接着領域の端部に仮止めが施される。
【0050】
仮止めは、本実施例では、図2に示すように、幅W1、長さL1の定着板14とされる仮止め手段13tにて行われる。定着板14は、強化繊維シート1に直交するように配置され、強化繊維シート1に積層した部分が接着剤で接着されると共に、強化繊維シートの幅wより突出した定着部分14aが接着剤にてコンクリート貼着面101に接着される。
【0051】
次いで、仮止めされた樹脂接着領域端部に隣接した定着領域に、第1のアンカー定着手段13a1が設置される。
【0052】
第1のアンカー定着手段13a1は、本実施例では、図示するように、仮止め手段13tの定着板14と同様の幅(W1)、長さ(L1)の定着板15を備えている。定着板15は、定着板14と同じく強化繊維シート1に直交するように配置されるが、強化繊維シート1の幅より突出した定着部分15aに、ボルト穴15bが形成されており、このボルト穴15bを利用して、コンクリート梁100の貼着面101にアンカーボルト16にて固定される。
【0053】
勿論、仮止め手段13tもアンカー定着手段13a1と同様の構造とし、定着板14はアンカーボルトにて構造物に固定させても良い。また、アンカー定着手段13a1である定着板15においても、先に説明した定着板14と同様に、アンカーボルトで固定すると共に接着剤をも併用することができる。
【0054】
定着板14、15は、例えば、鋼板などの金属製とすることもできるが、FRP(繊維強化プラスチック)製とすることもできる。このとき、強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、など任意の繊維を使用し得る。
【0055】
第1のアンカー定着手段13a1の定着板15がボルト16により定着領域の強化繊維シート1を貼着面101にしっかりと定着した時点で、強化繊維シート1に付与されている緊張力Tが一部、即ち、△T1だけ解放される(図1(a))。
【0056】
通常、緊張力解放は、ジャッキを駆動して所定の速度で、例えば1分間当たり100〜500N/mm2に相当する定荷重速度にて所定量の緊張力△T1を解放する。
【0057】
次いで、第1のアンカー定着手段13a1の外方に位置して、第1のアンカー定着手段13a1と同様の構成を有した第2のアンカー定着手段13a2が配置され、この第2のアンカー定着手段13a2により、第1のアンカー定着手段13a1と同様の方法にて定着領域の強化繊維シート1を貼着面にしっかりと定着する。次いで、強化繊維シート1に付与されている緊張力を一部、即ち、△T2だけ解放する(図1(b))。
【0058】
以後、上記と同様の方法にて、強化繊維シート1に付与されている緊張力Tが全て解放されるまで(図1(c)、即ち、
T−(△T1+△T2+・・・・・+△Tn)=0
となるまで、n個のアンカー定着手段13anを定着領域に設置する。通常、n=2〜5とされる。
【0059】
その後、図3(D)に示すように、強化繊維シート1の有効長領域の両端部を切除する。
【0060】
斯かる定着方法により、構造物100に接着された強化繊維シート1の端部応力は、図1(d)に示すように、分散化、即ち、段階化され、端部応力集中を著しく低減することができる。
【0061】
従って、本発明によると、コンクリート梁100の貼着面に接着された強化繊維シート1の両端部の剥離防止が強化される。
【0062】
上記実施例にて、段階的に解放される緊張力Tの一部、即ち、△T1、△T2、・・・・・、△Tnは異なるものであっても良く、同じとすることもできる。
【0063】
実施例2
実施例1では、コンクリート梁100に接着された、アンカー定着手段13aとして、定着板15とボルト16といった機械式アンカー手段を使用するものとしたが、本実施例では、図6及び図7に示すように、アンカー定着手段13aとして再接着アンカー強化繊維シート18が使用される。
【0064】
本実施例によると、実施例1にて図3(B)に関連して説明したように、実施例1の場合と同様、強化繊維シート1に対するマトリクスの含浸は、定着領域においては行われない。
【0065】
また、マトリクス樹脂が硬化し、樹脂含浸された強化繊維シート1が構造物100の被補強表面、即ち、貼着面101に完全に貼着した時点においては、即ち、樹脂接着領域にて強化繊維シート1がコンクリート貼着面101に接着されたこの段階では、強化繊維シート1に加えられている緊張力は解放されない。
【0066】
本実施例によると、実施例1と同様にして、緊張力未解放状態において、定着領域にアンカー定着手段13aを施す前工程として、定着領域に隣接した樹脂接着領域端部にて仮止めが施される。
【0067】
仮止めは、本実施例では、図7に示すように、強化繊維シート17とされる仮止め手段13tにて行われる。強化繊維シート17は、強化繊維シート1に直交するように配置され、強化繊維シート1に積層した部分が接着剤で接着されると共に、強化繊維シート1の幅より突出した定着部分17aが接着剤にてコンクリート側面貼着面102にU字状に接着され、硬化される。
【0068】
次いで、仮止めされた樹脂接着領域端部に隣接した定着領域において、第1のアンカー定着手段13a1が設置される。
【0069】
第1のアンカー定着手段13a1は、本実施例では、図示するように、再接着アンカー強化繊維シート18とされる。
【0070】
再接着アンカー強化繊維シート18、及び、この再接着アンカー強化繊維シート18が位置する部分の定着領域に位置した未含浸の強化繊維シート領域には、マトリクス樹脂が含浸される。
【0071】
従って、強化繊維シート1は、構造物の被補強面即ち、貼着面101に接着される。同時に、再接着アンカー強化繊維シート18は、積層された対応の強化繊維シート1に接着されると共に、強化繊維シート1より直交する横方向に突出したアンカー部18aをコンクリート梁100の側面部102に接着する。つまり、再接着アンカー強化繊維シート18は、構造物100の被補強表面、即ち、貼着面101、及び、側面102にU字形状をなすようにして接着され、硬化される。
【0072】
第1のアンカー定着手段13a1である再接着アンカー強化繊維シート18が、定着領域の強化繊維シート1を貼着面101、102に完全に定着した時点で、強化繊維シート1に付与されている緊張力が一部、即ち、△T1だけ解放される(図6(a))。
【0073】
緊張力解放は、実施例1の場合と同様に、ジャッキを駆動して所定の速度で、例えば1分間当たり100〜500N/mm2に相当する定荷重速度にて所定量の緊張力△T1を解放する。
【0074】
次いで、第1のアンカー定着手段13a1の外方に位置して、第1のアンカー定着手段13a1と同様の構成を有した、再接着アンカー強化繊維シート18とされる第2のアンカー定着手段13a2が配置され、この第2のアンカー定着手段13a2により、第1のアンカー定着手段13a1と同様の方法にて定着領域の強化繊維シート1を貼着面101、102にしっかりと定着する。次いで、強化繊維シート1に付与されている緊張力を一部、即ち、△T2だけ解放する。
【0075】
以後、上記と同様の方法にて、強化繊維シート1に付与されている緊張力Tが全て解放されるまで(図6(c)、図3(C))、即ち、
T−(△T1+△T2+・・・・・+△Tn)=0
となるまで、n個のアンカー定着手段13anを定着領域に設置する。通常、n=2〜5とされる。
【0076】
その後、図3(D)に示すように、強化繊維シート1の有効長領域の両端部を切除する。
【0077】
斯かる定着方法により、構造物100に接着された強化繊維シート1の端部応力は、図6(d)に示すように、分散化、即ち、段階化され、端部応力集中を著しく低減することができる。
【0078】
従って、本発明によると、コンクリート梁100の貼着面101、102に接着された強化繊維シート1の両端部の剥離防止が強化される。
【0079】
上記実施例にて、段階的に解放される緊張力Tの一部、即ち、△T1、△T2、・・・・・、△Tnは異なるものであっても良く、同じとすることもできる。
【0080】
本発明の作用効果を以下の実験例にて確認した。
【0081】
実験例1
強化繊維シート1としては、単糸デニールが1.5デニールのモノフィラメントを、約2000本収束したPBO繊維2を使用し、このPBO繊維2を均一に引き揃え、互いに密に一方向に配列したPBO連続繊維シートを使用した。PBO連続繊維シート1の厚さは0.128mm(繊維目付200g/m2)、幅wは、300mmであった。
【0082】
実施例1にて説明したと同様にして、上記PBO連続繊維シート1を一括して長手方向に引っ張り、強化繊維シート1に緊張力(1500N/mm2)を導入した。
【0083】
強化繊維シート1を緊張状態に維持した状態で、強化繊維シート1にマトリクス樹脂を塗布し、強化繊維シート1にマトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させた。樹脂含浸量は、50重量%であった。
【0084】
樹脂含浸された強化繊維シート1は、バキュームバッグとシール材を用いて、エポキシ樹脂プライマーが塗布されたコンクリート構造物の貼着面101に押し付け常温硬化した。
【0085】
次に、緊張力未解放状態において、強化繊維シート1が接着された樹脂接着領域の端部に定着板14を接着剤で接着し仮止めを施した。
【0086】
定着板14は、幅(W1)が200mm、長さ(L1)500mm、厚さ10mmの鋼板を使用した。
【0087】
次いで、仮止めされた定着板14に隣接した定着領域に、第1のアンカー定着手段13a1として、定着板14と同じ寸法形状で、かつ、ボルト穴15bが形成された鋼板とされる定着板15を設置し、アンカーボルト16にてコンクリート構造物100の貼着面101に固定した。
【0088】
定着板15を固定した後、強化繊維シート1に付与されている緊張力の一部、即ち、△T=500N/mm2を、1分間当たり100N/mm2に相当する定荷重速度にて解放した。
【0089】
次いで、第1のアンカー定着手段13a1の外方に位置して、第1のアンカー定着手段13a1と同じ構成を有した第2のアンカー定着手段13a2、即ち、定着板15を設置し、アンカーボルト16にてコンクリート構造物100の貼着面101に固定した。
【0090】
そして、強化繊維シート1に付与されている緊張力の一部、即ち、△T=500N/mm2を、1分間当たり100N/mm2に相当する定荷重速度にて解放した。
【0091】
更に、第2のアンカー定着手段13a2の外方に位置して、第1及び第2のアンカー定着手段13a1、13a2と同じ構成を有した第3のアンカー定着手段13a3、即ち、定着板15を設置し、アンカーボルト16にてコンクリート構造物100の貼着面101に固定した。
【0092】
そして、強化繊維シート1に付与されている残りの緊張力を全て、即ち、
△T=500N/mm2を、1分間当たり100N/mm2に相当する定荷重速度にて解放した。
【0093】
その後、図3(D)に示すように、強化繊維シート1の有効長領域の両端部を切除した。
【0094】
このようにして定着された強化繊維シート1の端部応力は、図1(d)に示すように、分散化、即ち、段階化され、端部応力集中を著しく低減することができ、コンクリート梁100の貼着面に接着された強化繊維シート1の両端部の剥離を有効に防止することができた。
【0095】
実験例2
本実験例では、実験例1で使用した定着板14、15の代わりに、強化繊維シート1にて作製した再接着アンカー強化繊維シート17、18を使用した以外は実験例1と同様にして強化繊維シート1をコンクリート構造物に緊張接着し、そして、第1、第2及び第3アンカー定着手段13a1、13a2、13a3により緊張接着された強化繊維シート1の端部の定着を行った。
【0096】
本実験例においても、強化繊維シート1の端部応力は、図6(d)に示すように、分散化、即ち、段階化され、端部応力集中を著しく低減することができ、コンクリート梁100の貼着面に接着された強化繊維シート1の両端部の剥離を有効に防止することができた。
【0097】
上記実施例1、2、実験例1、2では、コンクリート構造物100の補強に関して説明したが、本発明は、鋼構造物の補強に際しても同様に適用することでき、同様の作用効果を達成し得る。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、構造物表面に接着した強化繊維シートの接着領域に隣接する定着領域の一部を第1のアンカー定着手段にて定着し、強化繊維シートに対する緊張力の一部を解放し、次いで、第1のアンカー定着手段より外方に位置した定着領域の一部を第2のアンカー定着手段にて定着し、強化繊維シートに対する緊張力の一部を解放する工程、を強化繊維シートに対する緊張力が全て解放されるまでを繰り返し、強化繊維シートの端部応力を分散化する構成とされるので、接着された複数枚の強化繊維シートの端部をずらすことなく、端部応力集中を著しく低減することができ、従って、緊張接着工法に基づくコンクリート構造物の補強などを、極めて作業性良く実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った緊張接着工法における分散化定着方法の一実施例を説明するための正面図である。
【図2】本発明に従った緊張接着工法における分散化定着方法の一実施例を説明するための斜視図である。
【図3】本発明に従った緊張接着工法の工程を説明するための模式図である。
【図4】本発明にて使用することのできる強化繊維シートの一実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明にて使用することのできる強化繊維シートの他の実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明に従った緊張接着工法における分散化定着方法の他の実施例を説明するための正面図である。
【図7】本発明に従った緊張接着工法における分散化定着方法の他の実施例を説明するための斜視図である。
【図8】従来のコンクリート構造物の補強方法を説明するための図である。
【図9】補強されたコンクリート構造物の補強構造態様と、端部応力集中との関係を説明するための説明図である。
【図10】接着された複数枚の強化繊維シートの端部をずらすことにより端部応力集中を低減させたコンクリート構造物の補強構造態様を示す図である。
【図11】接着された複数枚の強化繊維シートの端部をずらすことにより端部応力集中を低減させたコンクリート構造物の他の補強構造態様を示す図である。
【符号の説明】
1 強化繊維シート
2 強化繊維
3 支持体
4 バラケ止め繊維
13a(13a1〜13an) アンカー定着手段
13t 仮止め手段
15 定着板
16 アンカーボルト
18 再接着アンカー強化繊維シート
100 構造物
101、102 構造物貼着面
Claims (9)
- 樹脂未含浸の強化繊維シートを長手方向に引っ張り、強化繊維シートに緊張力を導入した状態で構造物の被補強表面に接着する緊張接着工法における分散化定着方法において、
(a)強化繊維シートを一括して長手方向に引っ張り、強化繊維シートに緊張力を導入した状態で、強化繊維シートを構造物の表面に接着剤にて接着する工程、
(b)構造物表面に接着した前記強化繊維シートの接着領域の外方に位置した定着領域の一部を第1のアンカー定着手段にて定着し、前記強化繊維シートに対する緊張力の一部を解放する工程、
(c)前記第1のアンカー定着手段より外方に位置した前記定着領域の一部を第2のアンカー定着手段にて定着し、前記強化繊維シートに対する緊張力の一部を解放する工程、
(d)前記強化繊維シートに対する緊張力が全て解放されるまで前記工程(c)を繰り返す工程、
を有し、前記強化繊維シートの端部応力を分散化することを特徴とする緊張接着工法における分散化定着方法。 - 前記アンカー定着手段は、前記強化繊維シートの長手方向に直交して配置された前記強化繊維シートの幅よりも長く延在した定着板と、前記強化繊維シートを構造物表面に定着するべく前記定着板を構造物に固定するアンカーボルトとを有することを特徴とする請求項1の緊張接着工法における分散化定着方法。
- 前記定着板は、金属製板或いはFRP製板とされることを特徴とする請求項2の緊張接着工法における分散化定着方法。
- 前記アンカー定着手段は、前記強化繊維シートの長手方向に直交して配置された前記強化繊維シートの幅よりも長く延在した再接着アンカー強化繊維シートであり、前記再接着アンカー強化繊維シート、及び、前記再接着アンカー強化繊維シートと接触する領域の前記強化繊維シートを接着剤にて互いに、且つ、構造物表面に接着し、前記強化繊維シート及び前記各再接着アンカー強化繊維シートの接着剤を硬化させることを特徴とする請求項1の緊張接着工法における分散化定着方法。
- 前記再接着アンカー強化繊維シートは、強化繊維が前記強化繊維シートの長手方向に対して直交する方向に配列されていることを特徴とする請求項4の緊張接着工法における分散化定着方法。
- 前記再接着アンカー強化繊維シートは、前記強化繊維シートと同じ構成とされることを特徴とする請求項4又は5の緊張接着工法における分散化定着方法。
- 前記強化繊維シートは、連続した強化繊維を均一に引き揃え、互いに密に一方向に配列した強化繊維シートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の緊張接着工法における分散化定着方法。
- 前強化繊維は、PAN系或いはピッチ系炭素繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用されることを特徴とする請求項7の緊張接着工法における分散化定着方法。
- 前記接着剤は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の緊張接着工法における分散化定着方法。
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