JP2004143623A - 成形体製造方法及び成形材料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】細片状の成形材料を所定の目付勾配を備える集合体に形成して、成形体を成形する成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる成形体の製造方法は、細片状の成形材料を部分的に異なる流量で堆積させて集合体を形成する工程を備える。エア抜き部4に設けられた流量調節部21は、流通方向に垂直な方向で複数に仕切られて形成される複数の充填部23を備えている。充填部23は、それぞれ側壁部が矢印の幅25aで平行移動する可動部25になっており、可動部25の位置を調節することで内部断面積を変更して、充填部23ごとに流量を調節できる。したがって、この成形材料供給装置1によって部分的に異なる流量で成形材料を堆積させて集合体100を形成することにより、全体について同一時間だけ堆積させることで部分的に目付が異なっている集合体100を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明にかかる成形体の製造方法は、細片状の成形材料を部分的に異なる流量で堆積させて集合体を形成する工程を備える。エア抜き部4に設けられた流量調節部21は、流通方向に垂直な方向で複数に仕切られて形成される複数の充填部23を備えている。充填部23は、それぞれ側壁部が矢印の幅25aで平行移動する可動部25になっており、可動部25の位置を調節することで内部断面積を変更して、充填部23ごとに流量を調節できる。したがって、この成形材料供給装置1によって部分的に異なる流量で成形材料を堆積させて集合体100を形成することにより、全体について同一時間だけ堆積させることで部分的に目付が異なっている集合体100を得ることができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、繊維材料など細片状の成形材料から成形体を製造する方法に関し、特に細片状の成形材料の供給方法または装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内装材、例えばドアトリムやシートバックのボードなどでは、天然繊維材料を含む成形体が用いられている。天然繊維材料を含む成形体は、例えば、バインダを含有するケナフ繊維をマット状に成形し、ニードルパンチなどによって予備成形後、加熱状態でプレス成形することで得られる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−105824号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの内装材では、例えば変形の抑制のために、端部などに部分的に剛性が必要とされる。天然繊維材料を含有する成形体では、目付を高くすることで、より高い剛性を達成することができる。しかしながら、目付を必要とされる最大の剛性に合わせると、成形体の重量が増してしまう。
【0005】
そこで、本発明では、細片状の成形材料を所定の目付勾配を備える集合体に形成して、成形体を成形する成形体の製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明では、併せて、細片状の成形材料の量を、所定の目付勾配を備える集合体に形成する成形材料供給装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、成形体の製造方法であって、細片状の成形材料を部分的に異なる流量で堆積させて集合体を形成する工程を備えるものである。
この製造方法によれば、細片状の成形材料を部分的に異なる流量で堆積させて集合体を形成することにより、全体について同一時間だけ堆積させることで部分的に目付が異なっている集合体を得ることができる。したがって、これを成形することにより、例えば、厚みがほぼ一定で成形材料の密度が異なる部分や、異なる厚みで成形材料の密度がほぼ一定の部分など、種々の形状、特性を備える成形体を得ることができる。
ここで、集合体とは、層状体や直方体など種々の形状に集合された状態の成形材料をいう。
また、堆積とは、上方から下方へ重力で落下する形態に限定されず、気流によって押し流したり、あるいは吸引したりする形態を含む。
【0007】
本願の第2発明は、さらに、集合体形成工程で、移動速度を変化させて搬送体上に細片状の成形材料を堆積させる成形体の製造方法である。
この方法では、搬送体の搬送速度を変化させることで、搬送体の搬送方向で成形材料の堆積量を変えて目付を変化させることができる。
【0008】
本願の第3発明は、さらに、集合体形成工程では、細片状の成形材料を、互いに平行な複数の流れに分割して、各流れ毎に流量を調節して堆積させる成形体の製造方法である。
この方法では、流れ毎に流量を調節することによって、より確実に目付を制御することができる。
【0009】
本願の第4発明は、さらに、集合体形成工程後に、集合体を、成形材料が相対的に増大されている部位が端部または屈曲部となるように加圧成形する工程を備える成形体の製造方法である。
この方法では、成形材料の量が相対的に増大されている部位、すなわち目付の大きい部分を端部又は屈曲部に加圧成形するため、端部や屈曲部の剛性が大きい成形体を製造できる。
【0010】
また、本願の第5発明は、細片状の成形材料を連続的に供給する装置であって、
材料供給方向に沿って並列されており内部に成形材料が流通される複数の筒状の充填部を備え、この充填部は、内部断面積が可変となっている流量調節部を備えている装置である。
この装置では、各充填部の内部断面積を変えることで、成形材料の流量を充填部が並列されている方向で別々に調節できる。これにより、材料供給方向に垂直な方向における成形材料の流量を異ならせて成形材料を供給できる。また、成形材料の供給速度を全体で一定に保って流量を制御することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態にかかわる成形材料供給装置1を示す。なお左側の図は、断面図、右側の図は側面図である。成形材料供給装置1は、帯状に成形材料を供給する装置で、供給ダクト2と、エア抜き部4と、材料積層部6と、複数の送り出しローラ8,9,10とを備えている。成形材料供給装置1の成形材料が流通する経路部は、上流側から供給ダクト2、エア抜き部4、送り出しローラ8、材料積層部6、送り出しローラ9,10が配列されて形成されている。
【0012】
ここで、成形材料供給装置1によって供給できる成形材料は、種々の細片状の成形材料である。細片状の成形材料の形状は、繊維状、チップ状、薄片状など種々の集合状態で所望の形状に成形される形状の材料であり、好ましくは、繊維状材料である。具体的には、木質材料や、合成繊維材料、およびこれらの混合物などであり、成形材料供給装置1では、例えば、開繊処理されたケナフ繊維材料が好ましい。
【0013】
供給ダクト2は、公知の構成である。後述するエア抜き部4と同様の幅(紙面奥方向の長さ)を有し、成形材料を供給可能な矩形状の開口を備えている。
【0014】
エア抜き部4は、流通する細片状の成形材料のかたまりから空隙部分を除去する部分である。開繊された繊維材料等は、互いに絡み合って密度が不均一な状態となっている。エア抜き部4は、このような材料どうしの引っ掛かり、絡み合い等によってより広い空隙ができている部分を除去または縮小することによって、成形材料の密度の不均一を解消する公知の構成である。
【0015】
図1に示すエア抜き部4は、エアが流通できるメッシュ状の内壁部16と、エアが流通できない外壁部18とを備えており、内壁部16の内部が成形材料が流通可能な筒状空間に形成されている。外壁部18には、成形材料の流通方向に垂直な方向の両側に、エア吸引口19を有している。エア吸引口19の外部には、エア吸引手段(図示せず)が設けられて、両側から図1中の白抜き矢印の方向にエアを吸引可能となっている。
【0016】
エア抜き部4の下流には、送り出しローラ8が設けられている。送り出しローラ8は、エア抜きされた成形材料を一定の割合で下流側へ送り出す。
【0017】
材料積層部6は、成形材料が積層状に堆積される部分で、流通する成形材料を積層状態で保持できる筒状部分を有している。材料積層部6の内部に材料が定常的に積層保持されることで、一定の速度で定量の成形材料を供給することができる。
材料積層部6の下流には、送り出しローラ9,10が設けられている。送り出しローラ9,10は、材料積層部6の流通方向に垂直な方向に充填されている成形材料を、一度に一定の速度で排出する。
【0018】
成形材料供給装置1は、流量調節部21を備えている。流量調節部21は、流通方向に垂直な方向における流量を調節できる部分で、供給ダクト2の下流から最下流の送り出しローラ10までの間の任意の位置に設けることができる。流量調節部21は、流通経路上に別個に設けられても良いが、好ましくは、エア抜き部4や材料積層部6に一体的に設けられると、装置全体が小型化され、好ましい。
【0019】
流量調節部21は、成形材料を複数の流れに分割して各流れ毎に流量を調節する。すなわち、成形材料を流通可能な複数の互いに独立する複数の流通路を備えている。成形材料供給装置1のように連続帯状に成形材料を供給する形態では、幅方向に複数の流れが形成できるように流通路が設けられることが好ましい。流通路は、流通方向に垂直な方向に並列される複数の筒状部や、1つの箱体とその内部に配置される仕切り部材などによって形成することができる。
【0020】
また、流量調節部21の直下流には、好ましくは、送り出しローラ8が設けられていると、流量調節部21で調節した流量で、かつ全体をほぼ等速にしてより確実に送り出すことができる。例えば、流量調節部21をエア抜き部4や材料積層部6などの下部に一体に設けて、エア抜き部4や材料積層部6の直下に送り出しローラが配置されていることが好ましい。
【0021】
本実施形態では、エア抜き部4の成形材料の流通部分全体が、流量調節部21に形成されている。図1の右側に示す側面図のように、エア抜き部4は、成形材料供給装置1の幅方向に、同一の幅を有する複数の充填部23が並列されて形成されている。
充填部23は、成形材料が流通される内部空間の断面積が可変な筒状空間部である。充填部23は、幅方向の面がメッシュ状の板状部材で形成されて内壁部16となっており、互いに隣接する面は、板状部材で仕切られている。一方の内壁部16は、図1中、矢印で示す幅25aで平行移動できる可動部25に形成されている。可動部25は、それぞれ独立して種々の位置に移動および固定できるようになっており、充填部23ごとに内部断面積を変えることができる。
【0022】
次に、この成形材料供給装置1を用いて成形体を製造する方法について図2を参照して説明する。図2は、ケナフ繊維材料を細片状の成形材料として、マット体を製造するラインである。この製造ラインは、成形材料供給装置1に搬送体31が設けられており、その前方に、開繊部33と、マット成形部39と、裁断部41とを備えている。以下、成形材料供給装置1以外の装置について、簡単に説明する。
【0023】
搬送体31は、成形材料供給装置1から供給される成形材料を堆積させる部分である。搬送体31は、搬送速度を制御可能に形成されており、これにより、搬送体31上に堆積される成形材料の量を制御して堆積によって得られる集合体100の目付を設定することができる。搬送体31は、公知のコンベヤで構成することができ、例えば、ベルトコンベヤを用いることができる。
【0024】
開繊部33は、搬送体31によって搬送されてくる成形材料の集合体100を、その各部における目付を保持して所望の開繊状態までほぐして堆積させる部分である。開繊部33は、成形材料を搬送して振り飛ばす大回転体34と大回転体34に沿って設けられる複数のほぐしローラ35と、大回転体34の前方に上から下にエアを吹き付けるブロー装置36と、大回転体34の前方に設けられる搬送コンベヤ37とを備えている。
【0025】
マット成形部39は、集合体100を所定の形状を保持可能なマットに成形する部分である。マット成形部39は、圧締ローラやホットプレスなど公知の手段とすることができる。図2では、ニードルパンチング装置である。
【0026】
裁断部41は、マット成形部39で成形されたマット102を所定の形状に形成する部分で、本実施形態では、集合体100の所定の部分を切断するカッターを備えている。
【0027】
次に、この製造ラインを用いて成形体を製造する方法について説明する。
本実施形態では、ケナフ繊維材料と、バインダとしてのポリプロピレン繊維材料とが所定の割合で混合されている材料を細片状の成形材料として、ボード成形用のマットを製造する方法について説明する。
まず、流量調節部21の各充填部23の内部断面積を所定の大きさに設定しておく。
【0028】
次に、図1に示すように、細片状の成形材料を成形材料供給装置1の供給ダクト2に連続的に投入する。供給ダクト2に投入された成形材料は、重力によってエア抜き部4に移動する。エア抜き部4では、エア吸引口19から吸引手段によってエアを吸引することによって、空隙にかかる吸引圧を大きくし、成形材料を空隙に入り込ませて、隙間を減少させる。
エア抜き部4では、成形材料は、各充填部23内に均一に充填される。これにより、各充填部23内に流通方向に垂直な方向に内部断面積に応じた量(目付)で成形材料が配分される。
【0029】
各充填部23に充填された成形材料は、送り出しローラ8によって材料積層部6に送り込まれる。このとき、成形材料は、充填部23ごとの流れとなっており、それぞれ充填部23で調節された流量で材料積層部6に送り込まれる。
材料積層部6では、成形材料が積層状に堆積されて、材料積層部6の厚みに等しい帯状のかたまりに成形材料が安定化される。このとき、成形材料は、充填部23で調節された流量で堆積されていくため、流量がより大きい部分は、流通方向に垂直な方向により大きな目付を有し、流量がより小さい部分は、流通方向に垂直な方向により小さな目付を有する。
【0030】
その後、成形材料は、材料積層部6の下部から、送り出しローラ9,10で下方に送り出される。このとき、成形材料の送り出し速度は、材料積層部6全体でほぼ等速であり、送り出しローラ9,10は、各部分毎に流量調節部21で調節された流量で排出する。
【0031】
成形材料供給装置1から送り出される成形材料は、図1,2に示すように、搬送体31上に堆積させる。このとき、搬送体31の速度を調節することで、堆積量を調節することができる。堆積によって得られる集合体100の目付を調節できる。また、搬送体31の速度を変化させて、集合体100の搬送方向(流通方向)における目付を変化させる。搬送体31は開繊部33に集合体100を搬送する。
【0032】
開繊部33は、搬送体31上の成形材料を大回転体34の周面に載せて移動させながら、ほぐしローラ35で成形材料を開繊して堆積させる。また、大回転体34によって加えられる遠心力及びブロー装置36による上方から下方への吹き付けによって搬送コンベヤ37上に積層させる。この積層体も、本発明の集合体100に対応する。開繊部33は、搬送体31の搬送方向に沿って設けられており、積層体は、成形材料供給装置1で調節された目付分布を保持している。
【0033】
集合体100は、搬送コンベヤ37によって、マット成形部39まで搬送される。マット成形部39は、集合体100をニードルパンチする。ニードルパンチングによって、集合体100を締めるとともに、安定して所定の形状を保持させる。
得られたマットは、搬送コンベヤ37によって裁断部41まで搬送される。
裁断部41は、所定の間隔及び形状に、マットを裁断して成形体とする。
【0034】
この製造方法では、成形材料の流量を流通方向に垂直な方向で変化させることによって、同時期に供給される成形材料の量を部分毎に変化させて堆積させることができる。これにより、集合体100の部分ごとに目付を設定することができ、目付が部分的に異なる集合体100を得ることができる。したがって、この集合体100について、従来と同様の処理をすることで、部分的な目付が異なる成形体(マット102)を得ることができる。
【0035】
また、被堆積部である搬送体31の搬送速度を制御することにより、成形材料の堆積量を搬送方向(流通方向)で調節することができる。すなわち、搬送速度を変えることで、異なる量の成形材料を堆積させて、目付の異なる集合体を得ることができる。また、搬送速度を変化させて堆積させることにより、搬送方向(流通方向)に部分的に目付が増減された部分を作ることができる。したがって、上述の成形材料の供給方法と搬送体31の搬送速度の制御とによって、成形材料の流通方向に垂直な方向および流通方向において目付を制御することができ、種々の目付分布を備える集合体100を形成できる。
【0036】
例えば、図3に示すように、流通方向の両側端及び中央に目付の大きい部分102a,102bを有し、かつ、流通方向に所定の間隔で目付の大きい部分102cを有する集合体を得る方法について説明する。まず、図1に示す、流量調節部21の充填部23のうち、両端及び中央に位置するもの(図1中の充填部23a及び23b)の内部断面積を、他の部分より大きく設定する。これにより、両側端及び中央の成形材料の流量をより多くして、両側端及び中央の単位時間毎の堆積量を増大させ、図3に示す目付の大きい部分102a,102bを成形することができる。
また、所定時間ごとに搬送体31の搬送速度を小さくして、同一の部分により多くの成形材料を堆積させる。これにより、図3に示すように成形材料の流通方向において、図3に示す目付の大きい部分102cを等間隔に成形することができる。
【0037】
このマット102は、所定の立体形状を備える成形型によるプレス成形などの成形工程によって、図4に示すようなボード104に成形することができる。このようにして得られるボード104も本発明の成形体に対応する。
ボード104は、加熱状態での加圧成形によって成形できる。また、成形型は、平面状の成形面を有するものに限定されず、種々の絞り形状を備えていても良い。好ましくは、マット102の目付のより大きい部分は、相対的に成形材料の強度が必要とされる部分、あるいはボードにおいて強度や剛性が必要とされる部分に成形する。このような部分は、例えば、端部や角部、絞り部などである。例えば、図3のマット102は、側端の目付の大きい部分102a,102bを屈曲部(角部)と側端部に、また流通方向に垂直な目付の大きい部分102cを剛性が必要な端部に成形することで、図4に示すような、シートバックボードに成形できる。また、目付のより大きい部分を他の部位に比して厚みが大きく形成される部分に成形することも好ましい。
【0038】
この製造方法では、従来と同様、マット102を成形工程(成形型など)に供給するだけで、部分ごとに最適、あるいは最低限必要とされる量の成形材料を供給して成形することができる。これにより、より少ない成形材料で効率よく種々の性質を備える成形体を製造でき、また、重量化が抑制された成形体を得ることができる。例えば、剛性が必要とされる部分に対応する部分の目付が大きく、それ以外の部分の目付が小さいマットを製造して、加圧成形してられるボードは、所定の部分に所望の剛性が付与され、かつ軽量化されている。また、材料コストも低減されている。
【0039】
図5に、別の実施形態を示す。図5では、流量調節部61は、材料積層部51に設けられている。流量調節部61は、材料積層部51に形成されている。材料積層部51は、図1のエア抜き部4と同様、筒状の複数の充填部63が紙面奥方向に並列されて構成されている。この充填部63は、内壁全体がエア等が流通されない板状部材で形成されており、図5の紙面左右方向の右側の壁部が図中の矢印の幅65aで移動可能かつ所望の位置で固定可能な可動部65に形成されている。
【0040】
また、図6に、流量調節部71が異なる形態のエア抜き部53に設けられている実施形態を示す。エア抜き部53は、いわゆるFBK方式であり、内壁部の一部にエアが流通可能なメッシュ状の吸引部56を備えている。吸引部56は、外方により小さい箱状の空間部を介して、エアが吸引されるエア吸引口57を備えている。このエア抜き部53は、図1の実施形態と同様、成形材料の流通空間が、図6の紙面奥方向で、板状部材によって複数に仕切られて形成された複数の筒状の充填部73を備えている。充填部73は、エア抜き部53を有しない側壁部が充填部73ごとに独立して矢印の幅75aで平行移動する可動部75に設けられている。
【0041】
図5,6のいずれの形態においても本実施形態と同様、充填部63,73ごとに、成形材料の流通方向に垂直な方向の流量を調節して成形材料を供給することができ、流通方向に垂直な方向に、種々の目付を有する成形材料の集合体100を供給することができる。また、これらの形態では、エア吸引手段を固定して設けることができ、装置が単純になりやすい。
【0042】
本発明は、上記実施形態に限定されない。
流量調節部の各部の流量は、材料供給中に適宜変更されても良い。
流量調節部は、内部断面積を変化可能な複数の流通路を備えていれば良い。このため、例えば、成形材料の流通経路部を構成する1つの筒状体と、この内部を所定の断面積比となるように仕切る複数の仕切り部とを備え、この下流に各仕切り部間の流通路に連通し、互いに同一の断面積を備える筒状部を複数備える構成でも良い。また、内部断面積が固定されている種々の内部断面積の筒状体が所定の配列で設けられて形成されても良い。あるいは、内部断面積が可変な筒状部と内部断面積が固定されている筒状部との組み合わせによって形成されていても良い。
【0043】
【発明の効果】
本発明では、細片状の成形材料を所定の目付勾配を備える集合体に形成して、成形体を成形する成形体の製造方法を提供することにより、内部に密度変化を有する成形体や、より均一な密度で種々の形状を有する成形体など種々の成形体を容易に製造することができる。
また、本発明では、併せて、細片状の成形材料の量を、所定の目付勾配を備える集合体に形成する成形材料供給装置を提供することにより、従来と同様の成形方法で、密度勾配を有する成形体や、より均一な密度で種々の形状を有する成形体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る成形材料供給装置の断面図である。
【図2】本発明に係る製造方法を実施し得る製造ラインの一実施形態を示す平面図である。
【図3】図2の製造ラインで得られる集合体の一実施形態を示す平面図である。
【図4】図3の集合体を加圧成形して得られた成形体の斜視図である。
【図5】本発明の別の実施形態に係る成形材料供給装置の断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る成形材料供給装置の断面図である。
【符号の説明】
1 成形材料供給装置
2 供給ダクト
4,53 エア抜き部
6,51 材料積層部
8,9,10 送り出しローラ
56 吸引部
16 内壁部
18 外壁部
19,57 エア吸引口
21,61,71 流量調節部
23,63,73 充填部
25,65,75 可動部
25a,65a,75a 幅
31 搬送体
33 開繊部
34 大回転体
35 ほぐしローラ
36 ブロー装置
37 搬送コンベヤ
39 マット成形部
41 裁断部
100 集合体
102 マット
102a,102b,102c 目付の大きい部分
104 ボード
【発明の属する技術分野】
この発明は、繊維材料など細片状の成形材料から成形体を製造する方法に関し、特に細片状の成形材料の供給方法または装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内装材、例えばドアトリムやシートバックのボードなどでは、天然繊維材料を含む成形体が用いられている。天然繊維材料を含む成形体は、例えば、バインダを含有するケナフ繊維をマット状に成形し、ニードルパンチなどによって予備成形後、加熱状態でプレス成形することで得られる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−105824号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの内装材では、例えば変形の抑制のために、端部などに部分的に剛性が必要とされる。天然繊維材料を含有する成形体では、目付を高くすることで、より高い剛性を達成することができる。しかしながら、目付を必要とされる最大の剛性に合わせると、成形体の重量が増してしまう。
【0005】
そこで、本発明では、細片状の成形材料を所定の目付勾配を備える集合体に形成して、成形体を成形する成形体の製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明では、併せて、細片状の成形材料の量を、所定の目付勾配を備える集合体に形成する成形材料供給装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、成形体の製造方法であって、細片状の成形材料を部分的に異なる流量で堆積させて集合体を形成する工程を備えるものである。
この製造方法によれば、細片状の成形材料を部分的に異なる流量で堆積させて集合体を形成することにより、全体について同一時間だけ堆積させることで部分的に目付が異なっている集合体を得ることができる。したがって、これを成形することにより、例えば、厚みがほぼ一定で成形材料の密度が異なる部分や、異なる厚みで成形材料の密度がほぼ一定の部分など、種々の形状、特性を備える成形体を得ることができる。
ここで、集合体とは、層状体や直方体など種々の形状に集合された状態の成形材料をいう。
また、堆積とは、上方から下方へ重力で落下する形態に限定されず、気流によって押し流したり、あるいは吸引したりする形態を含む。
【0007】
本願の第2発明は、さらに、集合体形成工程で、移動速度を変化させて搬送体上に細片状の成形材料を堆積させる成形体の製造方法である。
この方法では、搬送体の搬送速度を変化させることで、搬送体の搬送方向で成形材料の堆積量を変えて目付を変化させることができる。
【0008】
本願の第3発明は、さらに、集合体形成工程では、細片状の成形材料を、互いに平行な複数の流れに分割して、各流れ毎に流量を調節して堆積させる成形体の製造方法である。
この方法では、流れ毎に流量を調節することによって、より確実に目付を制御することができる。
【0009】
本願の第4発明は、さらに、集合体形成工程後に、集合体を、成形材料が相対的に増大されている部位が端部または屈曲部となるように加圧成形する工程を備える成形体の製造方法である。
この方法では、成形材料の量が相対的に増大されている部位、すなわち目付の大きい部分を端部又は屈曲部に加圧成形するため、端部や屈曲部の剛性が大きい成形体を製造できる。
【0010】
また、本願の第5発明は、細片状の成形材料を連続的に供給する装置であって、
材料供給方向に沿って並列されており内部に成形材料が流通される複数の筒状の充填部を備え、この充填部は、内部断面積が可変となっている流量調節部を備えている装置である。
この装置では、各充填部の内部断面積を変えることで、成形材料の流量を充填部が並列されている方向で別々に調節できる。これにより、材料供給方向に垂直な方向における成形材料の流量を異ならせて成形材料を供給できる。また、成形材料の供給速度を全体で一定に保って流量を制御することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態にかかわる成形材料供給装置1を示す。なお左側の図は、断面図、右側の図は側面図である。成形材料供給装置1は、帯状に成形材料を供給する装置で、供給ダクト2と、エア抜き部4と、材料積層部6と、複数の送り出しローラ8,9,10とを備えている。成形材料供給装置1の成形材料が流通する経路部は、上流側から供給ダクト2、エア抜き部4、送り出しローラ8、材料積層部6、送り出しローラ9,10が配列されて形成されている。
【0012】
ここで、成形材料供給装置1によって供給できる成形材料は、種々の細片状の成形材料である。細片状の成形材料の形状は、繊維状、チップ状、薄片状など種々の集合状態で所望の形状に成形される形状の材料であり、好ましくは、繊維状材料である。具体的には、木質材料や、合成繊維材料、およびこれらの混合物などであり、成形材料供給装置1では、例えば、開繊処理されたケナフ繊維材料が好ましい。
【0013】
供給ダクト2は、公知の構成である。後述するエア抜き部4と同様の幅(紙面奥方向の長さ)を有し、成形材料を供給可能な矩形状の開口を備えている。
【0014】
エア抜き部4は、流通する細片状の成形材料のかたまりから空隙部分を除去する部分である。開繊された繊維材料等は、互いに絡み合って密度が不均一な状態となっている。エア抜き部4は、このような材料どうしの引っ掛かり、絡み合い等によってより広い空隙ができている部分を除去または縮小することによって、成形材料の密度の不均一を解消する公知の構成である。
【0015】
図1に示すエア抜き部4は、エアが流通できるメッシュ状の内壁部16と、エアが流通できない外壁部18とを備えており、内壁部16の内部が成形材料が流通可能な筒状空間に形成されている。外壁部18には、成形材料の流通方向に垂直な方向の両側に、エア吸引口19を有している。エア吸引口19の外部には、エア吸引手段(図示せず)が設けられて、両側から図1中の白抜き矢印の方向にエアを吸引可能となっている。
【0016】
エア抜き部4の下流には、送り出しローラ8が設けられている。送り出しローラ8は、エア抜きされた成形材料を一定の割合で下流側へ送り出す。
【0017】
材料積層部6は、成形材料が積層状に堆積される部分で、流通する成形材料を積層状態で保持できる筒状部分を有している。材料積層部6の内部に材料が定常的に積層保持されることで、一定の速度で定量の成形材料を供給することができる。
材料積層部6の下流には、送り出しローラ9,10が設けられている。送り出しローラ9,10は、材料積層部6の流通方向に垂直な方向に充填されている成形材料を、一度に一定の速度で排出する。
【0018】
成形材料供給装置1は、流量調節部21を備えている。流量調節部21は、流通方向に垂直な方向における流量を調節できる部分で、供給ダクト2の下流から最下流の送り出しローラ10までの間の任意の位置に設けることができる。流量調節部21は、流通経路上に別個に設けられても良いが、好ましくは、エア抜き部4や材料積層部6に一体的に設けられると、装置全体が小型化され、好ましい。
【0019】
流量調節部21は、成形材料を複数の流れに分割して各流れ毎に流量を調節する。すなわち、成形材料を流通可能な複数の互いに独立する複数の流通路を備えている。成形材料供給装置1のように連続帯状に成形材料を供給する形態では、幅方向に複数の流れが形成できるように流通路が設けられることが好ましい。流通路は、流通方向に垂直な方向に並列される複数の筒状部や、1つの箱体とその内部に配置される仕切り部材などによって形成することができる。
【0020】
また、流量調節部21の直下流には、好ましくは、送り出しローラ8が設けられていると、流量調節部21で調節した流量で、かつ全体をほぼ等速にしてより確実に送り出すことができる。例えば、流量調節部21をエア抜き部4や材料積層部6などの下部に一体に設けて、エア抜き部4や材料積層部6の直下に送り出しローラが配置されていることが好ましい。
【0021】
本実施形態では、エア抜き部4の成形材料の流通部分全体が、流量調節部21に形成されている。図1の右側に示す側面図のように、エア抜き部4は、成形材料供給装置1の幅方向に、同一の幅を有する複数の充填部23が並列されて形成されている。
充填部23は、成形材料が流通される内部空間の断面積が可変な筒状空間部である。充填部23は、幅方向の面がメッシュ状の板状部材で形成されて内壁部16となっており、互いに隣接する面は、板状部材で仕切られている。一方の内壁部16は、図1中、矢印で示す幅25aで平行移動できる可動部25に形成されている。可動部25は、それぞれ独立して種々の位置に移動および固定できるようになっており、充填部23ごとに内部断面積を変えることができる。
【0022】
次に、この成形材料供給装置1を用いて成形体を製造する方法について図2を参照して説明する。図2は、ケナフ繊維材料を細片状の成形材料として、マット体を製造するラインである。この製造ラインは、成形材料供給装置1に搬送体31が設けられており、その前方に、開繊部33と、マット成形部39と、裁断部41とを備えている。以下、成形材料供給装置1以外の装置について、簡単に説明する。
【0023】
搬送体31は、成形材料供給装置1から供給される成形材料を堆積させる部分である。搬送体31は、搬送速度を制御可能に形成されており、これにより、搬送体31上に堆積される成形材料の量を制御して堆積によって得られる集合体100の目付を設定することができる。搬送体31は、公知のコンベヤで構成することができ、例えば、ベルトコンベヤを用いることができる。
【0024】
開繊部33は、搬送体31によって搬送されてくる成形材料の集合体100を、その各部における目付を保持して所望の開繊状態までほぐして堆積させる部分である。開繊部33は、成形材料を搬送して振り飛ばす大回転体34と大回転体34に沿って設けられる複数のほぐしローラ35と、大回転体34の前方に上から下にエアを吹き付けるブロー装置36と、大回転体34の前方に設けられる搬送コンベヤ37とを備えている。
【0025】
マット成形部39は、集合体100を所定の形状を保持可能なマットに成形する部分である。マット成形部39は、圧締ローラやホットプレスなど公知の手段とすることができる。図2では、ニードルパンチング装置である。
【0026】
裁断部41は、マット成形部39で成形されたマット102を所定の形状に形成する部分で、本実施形態では、集合体100の所定の部分を切断するカッターを備えている。
【0027】
次に、この製造ラインを用いて成形体を製造する方法について説明する。
本実施形態では、ケナフ繊維材料と、バインダとしてのポリプロピレン繊維材料とが所定の割合で混合されている材料を細片状の成形材料として、ボード成形用のマットを製造する方法について説明する。
まず、流量調節部21の各充填部23の内部断面積を所定の大きさに設定しておく。
【0028】
次に、図1に示すように、細片状の成形材料を成形材料供給装置1の供給ダクト2に連続的に投入する。供給ダクト2に投入された成形材料は、重力によってエア抜き部4に移動する。エア抜き部4では、エア吸引口19から吸引手段によってエアを吸引することによって、空隙にかかる吸引圧を大きくし、成形材料を空隙に入り込ませて、隙間を減少させる。
エア抜き部4では、成形材料は、各充填部23内に均一に充填される。これにより、各充填部23内に流通方向に垂直な方向に内部断面積に応じた量(目付)で成形材料が配分される。
【0029】
各充填部23に充填された成形材料は、送り出しローラ8によって材料積層部6に送り込まれる。このとき、成形材料は、充填部23ごとの流れとなっており、それぞれ充填部23で調節された流量で材料積層部6に送り込まれる。
材料積層部6では、成形材料が積層状に堆積されて、材料積層部6の厚みに等しい帯状のかたまりに成形材料が安定化される。このとき、成形材料は、充填部23で調節された流量で堆積されていくため、流量がより大きい部分は、流通方向に垂直な方向により大きな目付を有し、流量がより小さい部分は、流通方向に垂直な方向により小さな目付を有する。
【0030】
その後、成形材料は、材料積層部6の下部から、送り出しローラ9,10で下方に送り出される。このとき、成形材料の送り出し速度は、材料積層部6全体でほぼ等速であり、送り出しローラ9,10は、各部分毎に流量調節部21で調節された流量で排出する。
【0031】
成形材料供給装置1から送り出される成形材料は、図1,2に示すように、搬送体31上に堆積させる。このとき、搬送体31の速度を調節することで、堆積量を調節することができる。堆積によって得られる集合体100の目付を調節できる。また、搬送体31の速度を変化させて、集合体100の搬送方向(流通方向)における目付を変化させる。搬送体31は開繊部33に集合体100を搬送する。
【0032】
開繊部33は、搬送体31上の成形材料を大回転体34の周面に載せて移動させながら、ほぐしローラ35で成形材料を開繊して堆積させる。また、大回転体34によって加えられる遠心力及びブロー装置36による上方から下方への吹き付けによって搬送コンベヤ37上に積層させる。この積層体も、本発明の集合体100に対応する。開繊部33は、搬送体31の搬送方向に沿って設けられており、積層体は、成形材料供給装置1で調節された目付分布を保持している。
【0033】
集合体100は、搬送コンベヤ37によって、マット成形部39まで搬送される。マット成形部39は、集合体100をニードルパンチする。ニードルパンチングによって、集合体100を締めるとともに、安定して所定の形状を保持させる。
得られたマットは、搬送コンベヤ37によって裁断部41まで搬送される。
裁断部41は、所定の間隔及び形状に、マットを裁断して成形体とする。
【0034】
この製造方法では、成形材料の流量を流通方向に垂直な方向で変化させることによって、同時期に供給される成形材料の量を部分毎に変化させて堆積させることができる。これにより、集合体100の部分ごとに目付を設定することができ、目付が部分的に異なる集合体100を得ることができる。したがって、この集合体100について、従来と同様の処理をすることで、部分的な目付が異なる成形体(マット102)を得ることができる。
【0035】
また、被堆積部である搬送体31の搬送速度を制御することにより、成形材料の堆積量を搬送方向(流通方向)で調節することができる。すなわち、搬送速度を変えることで、異なる量の成形材料を堆積させて、目付の異なる集合体を得ることができる。また、搬送速度を変化させて堆積させることにより、搬送方向(流通方向)に部分的に目付が増減された部分を作ることができる。したがって、上述の成形材料の供給方法と搬送体31の搬送速度の制御とによって、成形材料の流通方向に垂直な方向および流通方向において目付を制御することができ、種々の目付分布を備える集合体100を形成できる。
【0036】
例えば、図3に示すように、流通方向の両側端及び中央に目付の大きい部分102a,102bを有し、かつ、流通方向に所定の間隔で目付の大きい部分102cを有する集合体を得る方法について説明する。まず、図1に示す、流量調節部21の充填部23のうち、両端及び中央に位置するもの(図1中の充填部23a及び23b)の内部断面積を、他の部分より大きく設定する。これにより、両側端及び中央の成形材料の流量をより多くして、両側端及び中央の単位時間毎の堆積量を増大させ、図3に示す目付の大きい部分102a,102bを成形することができる。
また、所定時間ごとに搬送体31の搬送速度を小さくして、同一の部分により多くの成形材料を堆積させる。これにより、図3に示すように成形材料の流通方向において、図3に示す目付の大きい部分102cを等間隔に成形することができる。
【0037】
このマット102は、所定の立体形状を備える成形型によるプレス成形などの成形工程によって、図4に示すようなボード104に成形することができる。このようにして得られるボード104も本発明の成形体に対応する。
ボード104は、加熱状態での加圧成形によって成形できる。また、成形型は、平面状の成形面を有するものに限定されず、種々の絞り形状を備えていても良い。好ましくは、マット102の目付のより大きい部分は、相対的に成形材料の強度が必要とされる部分、あるいはボードにおいて強度や剛性が必要とされる部分に成形する。このような部分は、例えば、端部や角部、絞り部などである。例えば、図3のマット102は、側端の目付の大きい部分102a,102bを屈曲部(角部)と側端部に、また流通方向に垂直な目付の大きい部分102cを剛性が必要な端部に成形することで、図4に示すような、シートバックボードに成形できる。また、目付のより大きい部分を他の部位に比して厚みが大きく形成される部分に成形することも好ましい。
【0038】
この製造方法では、従来と同様、マット102を成形工程(成形型など)に供給するだけで、部分ごとに最適、あるいは最低限必要とされる量の成形材料を供給して成形することができる。これにより、より少ない成形材料で効率よく種々の性質を備える成形体を製造でき、また、重量化が抑制された成形体を得ることができる。例えば、剛性が必要とされる部分に対応する部分の目付が大きく、それ以外の部分の目付が小さいマットを製造して、加圧成形してられるボードは、所定の部分に所望の剛性が付与され、かつ軽量化されている。また、材料コストも低減されている。
【0039】
図5に、別の実施形態を示す。図5では、流量調節部61は、材料積層部51に設けられている。流量調節部61は、材料積層部51に形成されている。材料積層部51は、図1のエア抜き部4と同様、筒状の複数の充填部63が紙面奥方向に並列されて構成されている。この充填部63は、内壁全体がエア等が流通されない板状部材で形成されており、図5の紙面左右方向の右側の壁部が図中の矢印の幅65aで移動可能かつ所望の位置で固定可能な可動部65に形成されている。
【0040】
また、図6に、流量調節部71が異なる形態のエア抜き部53に設けられている実施形態を示す。エア抜き部53は、いわゆるFBK方式であり、内壁部の一部にエアが流通可能なメッシュ状の吸引部56を備えている。吸引部56は、外方により小さい箱状の空間部を介して、エアが吸引されるエア吸引口57を備えている。このエア抜き部53は、図1の実施形態と同様、成形材料の流通空間が、図6の紙面奥方向で、板状部材によって複数に仕切られて形成された複数の筒状の充填部73を備えている。充填部73は、エア抜き部53を有しない側壁部が充填部73ごとに独立して矢印の幅75aで平行移動する可動部75に設けられている。
【0041】
図5,6のいずれの形態においても本実施形態と同様、充填部63,73ごとに、成形材料の流通方向に垂直な方向の流量を調節して成形材料を供給することができ、流通方向に垂直な方向に、種々の目付を有する成形材料の集合体100を供給することができる。また、これらの形態では、エア吸引手段を固定して設けることができ、装置が単純になりやすい。
【0042】
本発明は、上記実施形態に限定されない。
流量調節部の各部の流量は、材料供給中に適宜変更されても良い。
流量調節部は、内部断面積を変化可能な複数の流通路を備えていれば良い。このため、例えば、成形材料の流通経路部を構成する1つの筒状体と、この内部を所定の断面積比となるように仕切る複数の仕切り部とを備え、この下流に各仕切り部間の流通路に連通し、互いに同一の断面積を備える筒状部を複数備える構成でも良い。また、内部断面積が固定されている種々の内部断面積の筒状体が所定の配列で設けられて形成されても良い。あるいは、内部断面積が可変な筒状部と内部断面積が固定されている筒状部との組み合わせによって形成されていても良い。
【0043】
【発明の効果】
本発明では、細片状の成形材料を所定の目付勾配を備える集合体に形成して、成形体を成形する成形体の製造方法を提供することにより、内部に密度変化を有する成形体や、より均一な密度で種々の形状を有する成形体など種々の成形体を容易に製造することができる。
また、本発明では、併せて、細片状の成形材料の量を、所定の目付勾配を備える集合体に形成する成形材料供給装置を提供することにより、従来と同様の成形方法で、密度勾配を有する成形体や、より均一な密度で種々の形状を有する成形体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る成形材料供給装置の断面図である。
【図2】本発明に係る製造方法を実施し得る製造ラインの一実施形態を示す平面図である。
【図3】図2の製造ラインで得られる集合体の一実施形態を示す平面図である。
【図4】図3の集合体を加圧成形して得られた成形体の斜視図である。
【図5】本発明の別の実施形態に係る成形材料供給装置の断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る成形材料供給装置の断面図である。
【符号の説明】
1 成形材料供給装置
2 供給ダクト
4,53 エア抜き部
6,51 材料積層部
8,9,10 送り出しローラ
56 吸引部
16 内壁部
18 外壁部
19,57 エア吸引口
21,61,71 流量調節部
23,63,73 充填部
25,65,75 可動部
25a,65a,75a 幅
31 搬送体
33 開繊部
34 大回転体
35 ほぐしローラ
36 ブロー装置
37 搬送コンベヤ
39 マット成形部
41 裁断部
100 集合体
102 マット
102a,102b,102c 目付の大きい部分
104 ボード
Claims (5)
- 細片状の成形材料を部分的に異なる流量で堆積させて集合体を形成する工程を備える、成形体の製造方法。
- 集合体形成工程で、移動速度を変化させて搬送体上に細片状の成形材料を堆積させる、請求項1に記載の成形体の製造方法。
- 集合体形成工程では、細片状の成形材料を、互いに平行な複数の流れに分割して、各流れ毎に流量を調節して堆積させる、請求項1または2に記載の成形体の製造方法。
- 集合体形成工程後に、集合体を、成形材料が相対的に増大されている部位が端部または角部となるように加圧成形する工程を備える、請求項1から3のいずれかに記載の成形体の製造方法。
- 細片状の成形材料を連続的に供給する装置であって、
材料供給方向に沿って並列されており内部に成形材料が流通される複数の筒状の充填部を備え、この充填部は、内部断面積が可変となっている流量調節部を備えている、成形材料供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002309866A JP2004143623A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 成形体製造方法及び成形材料供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002309866A JP2004143623A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 成形体製造方法及び成形材料供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004143623A true JP2004143623A (ja) | 2004-05-20 |
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ID=32455550
Family Applications (1)
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JP2002309866A Pending JP2004143623A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 成形体製造方法及び成形材料供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004143623A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101520189B1 (ko) * | 2013-11-01 | 2015-05-13 | 최정회 | 견면 제조용 리저버탱크 |
JP2018517855A (ja) * | 2015-05-06 | 2018-07-05 | シュクラ ゲレーテバォ ゲーエムベーハーSchukra Geraetebau Gmbh | 型における繊維を制御するシステムおよび方法 |
-
2002
- 2002-10-24 JP JP2002309866A patent/JP2004143623A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101520189B1 (ko) * | 2013-11-01 | 2015-05-13 | 최정회 | 견면 제조용 리저버탱크 |
JP2018517855A (ja) * | 2015-05-06 | 2018-07-05 | シュクラ ゲレーテバォ ゲーエムベーハーSchukra Geraetebau Gmbh | 型における繊維を制御するシステムおよび方法 |
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