JP2004143401A - 植物繊維を用いた繊維強化プラスチック - Google Patents
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Abstract
【構成】本発明に係る繊維強化プラスチックは、プラスチック1材料中に繊維を強化材として含有するものにおいて、強化材がリグノセルロース繊維3をシート状に形成させてなる植物繊維シート2であることを特徴とする。植物繊維シート2は、ここで使用するリグノセルロース繊維として、その主成分がセルロースとリグニンからなるものが使用可能である。具体的には、ケナフ、亜麻、ラミー、大麻、ジュート等の靭皮から採取される繊維や、マニラ麻やサイザル麻等の茎又は葉の筋から採取される植物繊維があげられ、これらの繊維は、セルロースとリグニンのほか、ヘミセルロースやペクチン等の成分で構成されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック材料中に繊維を強化材として含有する繊維強化プラスチックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、繊維強化プラスチックに含有する強化材に用いる繊維材としては、優れた強度と軽量性を有するガラス繊維が用いられている。しかし、このガラス繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチックを廃棄物として焼却する場合には、ガラス繊維が不燃物であるために、燃焼炉を痛めたり、燃焼効率が低くなるという問題点があった。また、焼却後の残渣が多くなるという問題点もあった。
【0003】
このような問題に対処する繊維強化プラスチックとして、強化材として植物繊維を用いた複合材料が特開平5−92527号公報と特開2002−69208号公報に提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−92527号公報(第3−4頁、図1)
【0005】
【特許文献2】
特開2002−69208号公報(第10−13頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、植物繊維はガラス繊維よりも強度が低いために、同じ状態で強化材を含有させると、植物繊維を用いた繊維強化プラスチックは、ガラス繊維を用いた繊維強化プラスチックよりもその機械強度が低下する。
【0007】
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、焼却処理後の残渣量が少なく、効率の良い廃棄処理が可能であり、かつガラス繊維を用いた繊維強化プラスチックと同等以上の機械強度を有する繊維強化プラスチックを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、プラスチック材料中に繊維を強化材として含有する繊維強化プラスチックにおいて、強化材がリグノセルロース繊維をシート状に形成させてなる植物繊維シートであることを特徴としている。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1の繊維強化プラスチックにおいて、植物繊維シートがリグノセルロース繊維よりなる不織布であることを特徴としている。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2の繊維強化プラスチックにおいて、植物繊維シートがリグノセルロース繊維を一方向又は複数方向に配向したものであることを特徴としている。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの繊維強化プラスチックにおいて、植物繊維シートが、リグノセルロース繊維を一方向に配向してなる植物繊維シートを配向方向が異なる方向に複数枚重ね合わせてなることを特徴としている。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1の繊維強化プラスチックにおいて、植物繊維シートがリグノセルロース繊維を編み込んでなる織布であることを特徴としている。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかの繊維強化プラスチックにおいて、リグノセルロース繊維の繊維束の平均長さが20mm以上であることを特徴としている。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項1又は請求項2の繊維強化プラスチックにおいて、前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を単繊維化したものをシート状に形成させてなるものであることを特徴としている。
【0015】
請求項8に係る発明は、請求項7の繊維強化プラスチックにおいて、前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を単繊維化したものをシート状に抄造して形成させてなるものであることを特徴としている。
【0016】
請求項9に係る発明は、請求項7又は請求項8の繊維強化プラスチックにおいて、前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を化学処理及び離解処理により単繊維化したものをシート状に形成させてなるものであることを特徴としている。
【0017】
請求項10に係る発明は、請求項7又は請求項8の繊維強化プラスチックにおいて、前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を熱水処理及び離解処理により単繊維化したものをシート状に形成させてなるものであることを特徴としている。
【0018】
請求項11に係る発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかの繊維強化プラスチックにおいて、前記リグノセルロース繊維が麻類の植物繊維であることを特徴としている。
【0019】
請求項12に係る発明は、請求項1乃至請求項11のいずれかの繊維強化プラスチックにおいて、繊維強化プラスチック中のリグノセルロース繊維の質量比率が2〜30%であることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係る繊維強化プラスチックを図1〜3に基づいて説明する。図1及び図2は繊維強化プラスチックの断面図を、図3は植物繊維シートの平面図を、それぞれ示している。このものは、プラスチック1と強化材である植物繊維シート2とからなっている。ここで、植物繊維シート2は、リグノセルロース繊維をシート状に形成したものであり、プラスチック1中に含有される。この植物繊維シート2は、図1に示すように1枚であってもよいし、図2に示すように2枚であってもよく、さらには複数枚であってもよい。これらの、材料、成分等は後述する。
【0021】
まず、プラスチック1は、使用する材料として、不飽和ポリエステル、エポキシ、フェノール、メラニン等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、飽和ポリエステル、ABS等の熱可塑性樹脂が使用可能であるが、これらに限定されるものではない。なお、熱可塑性樹脂を用いた場合は、成形して使用した後に、リグノセルロース繊維とプラスチックとを分離することが可能で、リサイクルが容易であるという利点がある。
【0022】
次に、植物繊維シート2は、ここで使用するリグノセルロース繊維3として、その主成分がセルロースとリグニンからなるものが使用可能である。具体的には、ケナフ、亜麻、ラミー、大麻、ジュート等の麻類の植物の靭皮から採取される繊維や、マニラ麻やサイザル麻等の麻類の植物の茎又は葉の筋から採取される植物繊維や木材繊維があげられる。これらの繊維は、セルロースとリグニンのほか、ヘミセルロースやペクチン等の成分で構成されている。ここで挙げた繊維のうち、麻類植物の繊維は、結晶性で強度の高いセルロースの比率が60%以上であって、木材繊維の比率の30〜50%よりも高く、繊維としての強度が木材繊維よりも高い。また、繊維束としては長さが長く、20mm以上の繊維が物理的な解繊により容易に得られる。
【0023】
このリグノセルロース繊維3は、切断や解繊することにより、繊維束を適当な長さに調整した後に、延ばして糸状にする。ここで、リグノセルロース繊維3の繊維束の長さが短いと、繊維強化プラスチックの繊維による補強効果が低下し、繊維強化プラスチックとしての機械強度も低下してしまう。したがって、繊維束は、その平均長さが一定以上必要であり、具体的には、20mm以上が好ましく、20mm以上であれば、繊維同士の絡み合いで強度特性に優れた植物繊維シート2を得ることができ、結果として、得られる繊維強化プラスチックの強度も優れたものとなる。
【0024】
このようなリグノセルロース繊維3を絡み合わすことで、図3に示すような、植物繊維シート2の一例である不織布に仕上げる。この不織布の製造は、リグノセルロース繊維3にニードルパンチをかけることや、リグノセルロース繊維3と熱可塑性樹脂を混合したものを加熱して接着させるものがあげられる。なお、これらの仕方に限定されるものではない。この不織布は、リグノセルロース繊維3同士が結合していない場合と比べて、強度特性及び形状保持特性に優れる。結果として、得られる繊維強化プラスチックは、含有繊維による補強効果が高まり、機械強度特性及び寸法安定性が優れるものとなる。さらに、不織布のような植物繊維シート2は、取り扱いが容易であるため、繊維強化プラスチックの製造も容易となる。
【0025】
繊維強化プラスチックは、前述した植物繊維シート2をプラスチック1に含有することにより得られる。具体的には、植物繊維シート2を液状にしたプラスチック1に含浸する。さらに、必要に応じて板状のものを養生し、加熱・圧縮成形をすることで、機械強度の向上や寸法の安定をはかることができる。ここで、繊維強化プラスチック中のリグノセルロース繊維3の質量比率は、2〜30%とすることが好ましい。リグノセルロース繊維3が2%未満では補強効果が少なくなり、30%を超えるとリグノセルロース繊維3、すなわち、植物繊維シート2とプラスチック1との結合が弱くなり、いずれも繊維強化プラスチックとしての良好な特性を得ることが困難となる。
【0026】
ここで、強化材である植物繊維シート2は、リグノセルロース繊維同士が絡み合い摩擦を生じているために、補強効果が従来の繊維のままの状態と比べて向上し、結果として、得られる繊維強化プラスチックの機械強度が向上する。また、従来の強化材のガラス繊維の比重は約2.6であるのに対して、本実施形態で得られた繊維強化プラスチックの強化材であるリグノセルロース繊維3の比重は1.3〜1.6であるので、従来のガラス繊維を用いたものと比較すると、強化材の体積比率が同一な場合、できあがった繊維強化プラスチックは、軽量なものとなる。
【0027】
さらに、リグノセルロース繊維3は、ガラス繊維と異なり、可燃物であるので、繊維強化プラスチックを廃棄物として焼却処理する際に発生する残渣量が少なくなるので、効率の良い廃棄処理が可能となる。また、廃棄後のリサイクルを考慮すると、リグノセルロース繊維3は燃焼により、熱量を発生し、高効率で、熱回収を行うことができ、サーマルリサイクルが容易となる。加えて、リグノセルロース繊維3は、有機物であるために、加水分解処理、微生物処理や発酵処理等により、エタノールや水素といった種々の化学物質への変換も可能であり、ケミカルリサイクルも可能となる。
【0028】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る繊維強化プラスチックについて説明する。図4は本繊維強化プラスチックに用いる繊維強化シートの不織布の平面図、図5は本繊維強化プラスチックの構成を示す斜視図である。
本実施形態に係る繊維強化プラスチックは、実施形態1と同一のプラスチック1およびリグノセルロース繊維3を使用するとともに、そのリグノセルロース繊維3を、繊維配向機を用いることにより、特定の方向に繊維が配向した不織布としている。この不織布を用いた植物繊維シート2は、配向方向に対する機械強度が、図3に示すような無配向のものより向上する。結果として、得られた繊維強化プラスチックも、繊維の配向方向に対する強度(特に曲げ強度)が優れたものとなる。
【0029】
また、図5に示す繊維強化プラスチックは、リグノセルロース繊維3が横方向に配向している植物繊維シート4と縦方向に配向している植物繊維シート5を直交するように積層したものである。このように、二方向に強度を有する植物繊維シート4、5を直交して重ね合わせることにより、各方向の強度が向上する。
【0030】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る繊維強化プラスチックについて説明する。図6はリグノセルロース繊維を編み込んだ織布の平面図である。
本実施形態に係る繊維強化プラスチックは、図6に示すように、リグノセルロース繊維3を長尺の糸に形成したものを編み込んだ織布を用いる。ここで、この織布の製造方法の例としては、リグノセルロース繊維3を糸状に加工し、経糸と緯線とを互いに直交する方向に交錯して編み込む綾織、平織、朱子織等があげられる。ただし、この方法に限定されるものではない。この織布は、前述した不織布よりも引張り強度が強いために、得られた繊維強化プラスチックの強度も向上する。ここで、織布の編み目は細かい方が、プラスチックが含浸し易く、結果として、強度の優れた繊維強化プラスチックが得られる。本実施形態の繊維強化プラスチックは、不織布を用いたものに比して引張り強度の優れたものとなる。
【0031】
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る繊維強化プラスチックについて説明する。本実施形態に係る繊維強化プラスチックは、単繊維化したリグノセルロースをシート状に形成した植物繊維シートを用いる。まず、植物繊維を物理的又は化学的に解繊することにより、単一の植物胞である単繊維が数本〜数百本結合されている繊維束を得る。この単繊維は、主に結晶性のセルロースから構成される。これに対して、単繊維の周辺にはリグニン、ヘミセルロースとっいた非結晶の物質が存在し、単繊維同士を結合しているので、繊維束が荷重によって破断する場合、単繊維そのものが破断するよりも単繊維と単繊維の間の結合部で破断する方が多くなる。したがって、単繊維の断面積当りの引張強さは、繊維束の断面積当りの引張強さより大きくなり、この結果として、得られた繊維強化プラスチックも強度(特に曲げ強度)が優れたものになる。
【0032】
ここで、この単繊維化を得る手順としては、まず、繊維束を化学処理した後に離解処理する手順がある。この処理は、繊維束に存在するリグニン、ヘミセルロースといった非結晶部分を化学処理で除去して、水中で単繊維をばらばらにする離解処理を行うものである。非結晶部分が除去されて、結晶性のセルロースが残るために、引張強さより大きくなり、この結果として、得られた繊維強化プラスチックも強度(特に曲げ強度)が優れたものになる。
【0033】
具体的な化学処理としては、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムの混合液で加圧加熱するクラフトパルプ法や、ソーダパルプ法、亜硫酸パルプ法がある。また、他の化学処理方法として、次亜塩素酸ナトリウム液に浸漬し、その後に、麻類植物に含有されるペクチンを除去するために、蓚酸アンモニウム水溶液に浸漬し、ヘミセルロースを浸漬する化学処理がある。この処理では、加圧する必要がなく、常圧下での処理が可能であるので、蒸解釜のような装置を必要としない。これで得られる単繊維は非結晶部分の多くが除去され、結晶性のセルロースの大部分が残るために、単繊維の引張強さはより大きくなる。この結果として、得られた繊維強化プラスチックも強度(特に曲げ強度)が優れたものになる。これらの化学処理を用いれば、後述するようなリグニンの比率が低い繊維に限らず、各種の繊維を処理することができる。なお、化学処理としては、上記の処理に限らず、他に植物繊維を解繊させる化学薬品を用いればよい。
【0034】
このようにして、化学処理した繊維を離解処理することにより、単繊維化させる。離解処理としては、繊維を切断することなしに、単繊維が得られる処理が好ましい。一例として、JIS P8220(パルプ―離解方法)で規定されている標準離解機により、離解処理がある。ただし、これに限定されるものではない。
【0035】
一方、リグノセルロース繊維として、ケナフ、亜麻、ラミー、大麻、ジュート等の麻類植物の靭皮から採取される繊維や、マニラ麻やサイザル麻等の麻類植物の茎又は葉の筋から採取される繊維のように非結晶性のリグニンの比率が低い繊維を用いる場合には、熱水処理により、繊維束に存在する非結晶部分の一部を除去して、残った非結晶部分を軟化させた後に、前述したように、離解処理する処理がある。この熱水処理は、化学薬品を用いていないので廃液の処理が容易となる。
【0036】
次に、上記のようにして得られた単繊維をシート状に形成する方法としては、単繊維に熱可塑性樹脂を混合したものを加熱して接着させた不織布の製造方法や、単繊維を糸状に加工して経糸と緯糸とを互いに直交する方向に交錯して編み込む織布の製造方法など、繊維束をシート状に形成する方法と同じ方法が挙げられるが、特に限定されない。
【0037】
また、この単繊維をシート状に形成する他の方法としては、単繊維化した繊維を抄造して形成する方法がある。この方法では、単繊維を水中に分散させて、その水を抜くことで平面状のシートを成形するために、単繊維が均等に分散したシートが得られるとともに、単繊維を構成するセルロース分子の水酸基同士が水素結合をして、分子レベルで絡み合うことになる。強化材である単繊維同士が絡み合うことで、補強効果が十分に得られ、この結果として、得られた繊維強化プラスチックも強度(特に曲げ強度)が優れたものになる。
【0038】
ここで用いるリグノセルロース繊維として、ケナフ、亜麻、ラミー、大麻、ジュート等の麻類植物の靭皮から採取される繊維、マニラ麻やサイザル麻等の麻類植物の茎又は葉の筋から採取される繊維は結晶性で強度の高いセルロースの比率が60%以上と高い。このために繊維としての強度が高い上に、非結晶性のリグニンの比率が低いために、結晶性のセルロースを侵さず、単繊維を得ることができる。
【0039】
なお、単繊維化させるための離解処理の前処理としては、他に物理的や機械的な処理によっても可能であり、上記の化学処理や熱水処理に限らない。
【0040】
(実施例1)
ケナフ茎部の外皮部分となる靱皮から得られたケナフ繊維束を切断及び解繊することにより、繊維束の平均長さが50mmのケナフ繊維を得た。これを繊維方向が無配向となるようにシート状に配置した後、ケナフ繊維とポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂(帝人株式会社製、融点140℃)とが質量比で4:1となるように混合して絡み合わせた。これを、170℃で15秒間、加熱処理することで、リグノセルロース(ケナフ)繊維をPET樹脂繊維で接着させた不織布を作製した。この不織布を液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンド(松下電工株式会社製SD−4200)に含浸させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。さらに、この板状成形材を40℃で7時間養生させた後、表面温度が135℃の熱板プレスで4分間、圧縮成形することで、形状が縦横が300mm、厚さが5mmの繊維強化プラスチックを得た。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、比重は1.6で、ケナフ繊維の質量比率は10%であった。
【0041】
(実施例2)
実施例1と同様にして繊維束の平均長さが50mmのケナフ繊維を得た。これを繊維方向が一配向となるようにシート状に配置し、実施例1と同様にしてPET樹脂と混合・熱処理することで不織布を作製した。さらに、実施例1と同様にして、この不織布を液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドに含浸させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。このとき、10枚のケナフ繊維の配向方向が同一となるように配置している。さらに、実施例1と同様の養生・加熱成形をして同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、実施例1と同様に、比重は1.6で、ケナフ繊維の質量比率は10%であった。
【0042】
(実施例3)
実施例1と同様にして繊維束の平均長さが50mmのケナフ繊維を得て、実施例2と同様にして繊維を配向した不織布を作製した。さらに、実施例1と同様にして、この不織布を液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドに含浸させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。このとき、10枚のケナフ繊維の配向方向が交互に直交するように配置している。さらに、実施例1と同様の養生・加熱成形をして同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、実施例1と同様に、比重は1.6で、ケナフ繊維の質量比率は10%であった。
【0043】
(実施例4)
実施例1と同様にして繊維束の平均長さが50mmのケナフ繊維を得て、実施例2と同様にして繊維を配向した不織布を作製した。この不織布を、実施例1と同様の液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドに含浸させたものを10枚、実施例3と同様の配置として積層し、板状の成形材とした。このとき、不飽和ポリエステル樹脂含浸量を実施例3よりも少なくすることで、ケナフ繊維の質量比率を大きくしている。さらに、実施例1と同様の養生・加熱成形をして同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、比重は1.6で、ケナフ繊維の質量比率は30%であった。
【0044】
(実施例5)
実施例1と同様にして繊維束の平均長さが10mmのケナフ繊維を得て、実施例2と同様にして、繊維を配向した不織布を作製した。さらに、実施例1と同様にして、この不織布を液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドに含浸させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。このとき、10枚のケナフ繊維の配向方向が交互に直交するように配置している。さらに、実施例1と同様の養生・加熱成形をして同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、実施例1と同様に、比重は1.6で、ケナフ繊維の質量比率は10%であった。
【0045】
(実施例6)
実施例1と同様にして繊維束の平均長さが50mmのケナフ繊維を得た。これを平行状態に並べて撚りをかけてつなぎ合わせて糸状とした。この糸状のケナフ繊維を用いて、経糸と緯糸とが一本ずつ交互に上下に浮沈しながら交錯させることにより、平織り組織を有する織布を得た。この織布を10積層したものに実施例1と同様の液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドを含浸させて、板状の成形材を得た。さらに、実施例1と同様の養生・加熱成形をして同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、実施例1と同様に、比重は1.6で、ケナフ繊維の質量比率は10%であった。
【0046】
(実施例7)
ケナフ茎部の外皮部分となる靭皮から得られたケナフ繊維束を、まず、リグニンを除去するために、75℃の1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に1時間浸漬し、水洗した。この後、麻類植物に含有するペクチンを除去するために、85℃の0.5%蓚酸アンモニウム水溶液に8時間浸漬し水洗した。さらに、ヘミルセルロースを除去するために60℃の1%水酸化ナトリウム水溶液に1時間浸漬し水洗した。この後、JIS P8220(パルプ―離解方法)で規定されている標準離解機により、離解処理を行うことで、単繊維を得た。これを水中に分散した後に、シートマシンに流し入れて水を抜いて、平面状に成形し、乾燥して単繊維シートを形成した。
【0047】
また、実施例1と同様にして、この単繊維シートを液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドを含浸させたものを10枚積層して、板状の成形板とした。さらに、実施例1と同様の養生・加熱成形をして、同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、実施例1と同様に、比重は1.6で、ケナフ繊維の質量比率は10%であった。
【0048】
(実施例8)
ケナフ茎部の外皮部分となる靭皮から得られたケナフ繊維束を、95℃の水に8時間浸漬した。この後、JIS P8220(パルプ―離解方法)で規定されている標準離解機により、離解処理を行うことで、単繊維を得た。これを水中に分散した後に、シートマシンに流し入れて水を抜いて、平面状に成形し、乾燥して単繊維シートを形成した。
【0049】
また、実施例1と同様にして、このシートを液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドを含浸させたものを10枚積層して、板状の成形板とした。さらに、実施例1と同様の養生・加熱成形をして、同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、実施例1と同様に、比重は1.6で、ケナフ繊維の質量比率は10%であった。
【0050】
(比較例1)
実施例1と同様にして繊維束の平均長さが50mmのケナフ繊維を得た。次に、実施例1と同様の液体不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドの上部から、このケナフ繊維をランダムに散布させた。こうして、得られた板状成形材2枚を繊維が配置されている側を内側にして重ね合わせて、1枚の板状成形材を得た。さらに、実施例1と同様にして養生・圧縮成形することで、同一形状の板状の繊維強化プラスチックを得た。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、実施例1と同様に、比重は1.6で、ケナフ繊維の質量比率は10%であった。
【0051】
(比較例2)
ガラス繊維束を平均長さが50mmとなるように切断した。比較例1と同様に、液体不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドの上部から、このガラス繊維をランダムに散布させた。さらに、同様に得られた板状成形材2枚を繊維が配置されている側を内側にして重ね合わせて、1枚の板状成形材を得た。実施例1と同様にして養生・圧縮成形することで、同一形状の板状の繊維強化プラスチックを得た。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、実施例1と同様に、比重は1.7で、ガラス繊維の質量比率は10%であった。
【0052】
(比較例3)
比較例2と同様のガラス繊維を用いて、同様の工程で、同一形状の板状繊維強化プラスチックを得た。ただし、不飽和ポリエステル樹脂の量を少なくすることで、ガラス繊維の質量比を大きくしている。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、比重は1.7で、ガラス繊維の質量比率は30%であった。
【0053】
(特性評価)
前記の実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた板状繊維強化プラスチックの曲げ強さ及び曲げ弾性率をJIS K7055の3点曲げ試験に準拠して、3点曲げ試験スパン80mmで計測した。ここで、計測用の試験片としては、板状繊維強化プラスチックを横100mm、縦15mmの形状に切断したものを用い、計測の繰り返し数は5として、平均値を計測値とした。また、実施例2及び実施例3の不織布のリグノセルロース繊維が配向している板状繊維強化プラスチックについては、長さ方向が配向方向と直交方向となっている試験片と、長さ方向が配向方向と平行方向となっている試験片とを切り出して、それぞれについて特性値を計測している。
【0054】
また、曲げ強さ及び曲げ弾性率の具体的な計算式は、以下のものを用いた。
【0055】
曲げ強さ=3PbL/2bh2 (MPa)
ここで、 Pb: 最大荷重度の荷重 (N)
L : 支点間距離 (mm)
b : 試験片の幅 (mm)
h : 試験片の高さ (mm)
曲げ弾性率=L3/4bh2・(P/δ) (MPa)
ここで、 P/δ: 荷重−たわみ曲線の直線部の傾斜
L : 支点間距離 (mm)
b : 試験片の幅 (mm)
h : 試験片の高さ (mm)
以上の計測結果を実施例及び比較例について、まとめたものを表1に示す。
【0056】
【表1】
次に、ケナフ繊維からなる繊維強化プラスチックの実施例4と、ガラス繊維からなる繊維強化プラスチックの比較例3(いずれも繊維の質量比が30%)について、縦横200mmの正方形の板状試験片を切りだし、焼却前後で繊維強化プラスチックの質量と残渣の質量を測定した。この結果をまとめたものを表2に示す。
【0057】
【表2】
実施例1のケナフ繊維を不織布にして含有した繊維強化プラスチックは、繊維質量比が同一で、ガラス繊維を不織布に用いた繊維強化プラスチックよりも、曲げ強さ及び曲げ弾性率が大きくなっている。つまり、ケナフ繊維を不織布とした強化材とすることにより、得られた繊維強化プラスチックの機械強度が向上している。
【0058】
実施例2のケナフ繊維を一方向に配向した不織布にして含有した繊維強化プラスチックは、繊維の配向が無方向の不織布を用いた繊維強化プラスチック実施例1と比較して、配向方向を試験片の長さと平行にした場合の曲げ強さおよび曲げ弾性率が大きくなっている。つまり、配向方向での曲げ強度が向上している。
【0059】
実施例3のケナフ繊維を一方向に配向した不織布を交互に直交するように積層した繊維強化プラスチックは、繊維の配向が無方向の不織布を用いた繊維強化プラスチック実施例1と比較して、配向方向を試験片の長さと平行にした場合と直角として場合ともに曲げ強さおよび曲げ弾性率が大きくなっている。つまり、縦横の両方向での機械強度が向上している。
【0060】
実施例4のケナフ繊維を質量比で30%含有する繊維強化プラスチックは、ケナフ繊維を質量比で10%含有する実施例3の繊維強化プラスチックよりも、曲げ強さおよび曲げ弾性率が低下している。つまり、ケナフ繊維の含有比率が大きくなりすぎると、機械強度が低下する。
【0061】
実施例5の平均長さが10mmのケナフ繊維を不織布にして含有した繊維強化プラスチックは、平均長さが30mmのケナフ繊維を不織布にして含有した実施例3の繊維強化プラスチックよりも、曲げ強さおよび曲げ弾性率が低下している。つまり、ケナフ繊維の平均長さが短くなると、繊維による補強効果が不十分となり、機械強度が低下する。
【0062】
実施例6のケナフ繊維を織布にして含有した繊維強化プラスチックは、実施例3の不織布にして含有した繊維強化プラスチックよりも、さらに曲げ強さおよび曲げ弾性率が大きくなっている。つまり、織布を用いることで機械強度が向上している。
【0063】
実施例7及び実施例8のケナフ繊維を単繊維にして含有した繊維強化プラスチックは、実施例3の不職布にして含有した繊維強化プラスチックよりも、さらに曲げ弾性率が大きくなっている。つまり、単繊維からなる植物繊維シートを用いることにより機械強度が向上している。
【0064】
また、ケナフ繊維の含有質量比が10%で植物繊維シートを用いた実施例1〜6(4のみを除く)の繊維強化プラスチックは、いずれも、ガラス繊維の含有質量比が10%である比較例2の繊維強化プラスチックよりも、さらに曲げ強さおよび曲げ弾性率が大きくなっている。つまり、強化材として植物繊維シートを用いることにより、従来の強化材としてガラス繊維を用いるよりも、繊維強化プラスチックの強度を向上することができる。
【0065】
さらに、実施例4及び比較例3の繊維強化プラスチックは、いずれも強化材の繊維の含有質量比率が30%となっている。これらの繊維強化プラスチックを焼却した後の残渣は、実施例4のケナフ繊維を用いたものの方が、比較例3のガラス繊維を用いたものよりも、少なくなっている。つまり、強化材としてガラス繊維を用いるよりも、ケナフ繊維を用いる方が、焼却後の残渣量が少なくなる。
【0066】
【発明の効果】
請求項1に係る繊維強化プラスチックは、強化材をリグノセルロース繊維をシート状に形成させてなる植物繊維シートとしているので、引張り強度に優れ、この結果として繊維強化プラスチックも機械強度が優れたものとなる。また、強化材が従来のガラス繊維よりも軽量となるので、繊維強化プラスチックも軽量となる。さらに、リグノセルロース繊維は可燃物であるので、廃棄物として燃焼処理するときに、発生する残渣が少なくなる。
【0067】
請求項2に係る繊維強化プラスチックは、請求項1の繊維強化プラスチックにおいて、植物繊維シートをリグノセルロース繊維よりなる不織布としているので、請求項1の効果に加え、植物繊維同士が結合され、この結果として、繊維強化プラスチックの強度がより向上する。
【0068】
請求項3に係る繊維強化プラスチックは、請求項1又は請求項2の繊維強化プラスチックにおいて、植物繊維シートがリグノセルロース繊維を一方向又は複数方向に配向したものであるので、請求項1又は請求項2の効果に加え、リグノセルロース繊維の配向方向での繊維強化プラスチックの機械強度、特に曲げ強度が向上する。
【0069】
請求項4に係る繊維強化プラスチックは、請求項1乃至請求項3のいずれかの繊維強化プラスチックにおいて、植物繊維シートが、リグノセルロース繊維を一方向に配向している複数枚の植物繊維シートを配向方向が異なるように重ね合わせたものとしているので、請求項1乃至請求項3のいずれかの効果に加え、各方向での繊維強化プラスチックの機械強度が向上する。
【0070】
請求項5に係る繊維強化プラスチックは、請求項1の繊維強化プラスチックにおいて、植物繊維シートがリグノセルロース繊維を編み込んでなる織布であるので、請求項1の効果に加え、繊維強化プラスチックの引張り強度が優れる。
【0071】
請求項6に係る繊維強化プラスチックは、請求項1乃至請求項5のいずれかの繊維強化プラスチックにおいて、リグノセルロース繊維の平均長さを20mm以上としているので、請求項1乃至請求項5のいずれかの効果に加え、強化材であるリグノセルロース繊維同士が絡み合うことで、補強効果が十分に得られ、繊維強化プラスチックの機械強度が向上する。
【0072】
請求項7に係る発明は、請求項1又は請求項2の繊維強化プラスチックにおいて、前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を単繊維化したものをシート状に形成させているので、請求項1又は請求項2の効果に加え、リグニン等の不純物が少なくなり、繊維強化プラスチックの機械強度がさらに向上する。
【0073】
請求項8に係る発明は、請求項7の繊維強化プラスチックにおいて、前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を単繊維化したものをシート状に抄造して形成させているので、請求項7の効果に加え、強化材であるリグノセルロース繊維同士が絡み合うことで、補強効果が十分に得られ、繊維強化プラスチックの機械強度が向上する。
【0074】
請求項9に係る発明は、請求項7又は請求項8の繊維強化プラスチックにおいて、前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を化学処理及び離解処理により単繊維化したものをシート状に形成させているので、請求項7又は請求項8の効果に加え、短時間での処理が可能となり、不純物の多い植物繊維に対しても有効となる。
【0075】
請求項10に係る発明は、請求項7又は請求項8の繊維強化プラスチックにおいて、前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を熱水処理及び離解処理により単繊維化したものをシート状に形成させているので、請求項7又は請求項8の効果に加え、化学薬品を用いていないので、廃液処理が容易になり、環境に対してもやさしくなる。
【0076】
請求項11に係る発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかの繊維強化プラスチックにおいて、前記リグノセルロース繊維が麻類の植物繊維であるので、請求項1乃至請求項10のいずれかの効果に加え、繊維束をシート状に形成する場合は、長さ20mm以上の繊維束が容易に得られ、補強材であるリグノセルロース繊維同士が絡み合うとともに、結晶性のセルロースの比率が高くなり、繊維強化プラスチックの機械強度が向上する。また、繊維束を単繊維化し、シート状に形成する場合は、非結晶部分の割合が少なく、単繊維化処理が容易となる。
【0077】
請求項12に係る繊維強化プラスチックは、請求項1乃至請求項11のいずれかの繊維強化プラスチックにおいて、繊維強化プラスチック中のリグノセルロース繊維の質量比率を2〜30%としているので、請求項1乃至請求項11のいずれかの効果に加え、補強効果が十分に得られ、繊維強化プラスチックの機械強度に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る1枚の植物繊維シートを用いた繊維強化プラスチックの断面図である。
【図2】同上の複数枚の植物繊維シートを用いた繊維強化プラスチックの断面図である。
【図3】同上のリグノセルロース繊維よりなる不織布の平面図である。
【図4】実施形態2に係る繊維強化プラスチックに用いるリグノセルロース繊維を一方向に配向した不織布の平面図である。
【図5】同上の繊維強化プラスチックに用いるリグノセルロース繊維を複数枚積層した植物繊維シートの斜視図である。
【図6】実施形態2に係る繊維強化プラスチックに用いるリグノセルロース繊維を編み込んだ織布の平面図である。
【符号の説明】
1 プラスチック
2 植物繊維シート
3 リグノセルロース繊維
4 リグノセルロース繊維を縦方向に配向した植物繊維シート
5 リグノセルロース繊維を横方向に配向した植物繊維シート
6 長尺糸状のリグノセルロース繊維
Claims (12)
- プラスチック材料中に繊維を強化材として含有する繊維強化プラスチックにおいて、強化材がリグノセルロース繊維をシート状に形成させてなる植物繊維シートであることを特徴とする繊維強化プラスチック。
- 前記植物繊維シートが、リグノセルロース繊維よりなる不織布であることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック。
- 前記植物繊維シートが、リグノセルロース繊維を一方向又は複数方向に配向したものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の繊維強化プラスチック。
- 前記植物繊維シートが、リグノセルロース繊維を一方向に配向してなる植物繊維シートを配向方向が異なる方向に複数枚重ね合わせてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の繊維強化プラスチック。
- 前記植物繊維シートが、リグノセルロース繊維を編み込んでなる織布であることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック。
- 前記リグノセルロース繊維の繊維束の平均長さが、20mm以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の繊維強化プラスチック。
- 前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を単繊維化したものをシート状に形成させてなるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の繊維強化プラスチック。
- 前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を単繊維化したものをシート状に抄造して形成させてなるものであることを特徴とする請求項7記載の繊維強化プラスチック。
- 前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を化学処理及び離解処理により単繊維化したものをシート状に形成させてなるものであることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の繊維強化プラスチック。
- 前記植物繊維シートが、前記リグノセルロース繊維を熱水処理及び離解処理により単繊維化したものをシート状に形成させてなるものであることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の繊維強化プラスチック。
- 前記リグノセルロース繊維が麻類の植物繊維であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の繊維強化プラスチック。
- 繊維強化プラスチック中のリグノセルロース繊維の質量比率が、2〜30%であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の繊維強化プラスチック。
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