JP2004143245A - 紫外線硬化性インキおよび印刷物 - Google Patents

紫外線硬化性インキおよび印刷物 Download PDF

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Hirohiko Shinjo
申城 洸彦
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Abstract

【課題】紫外線硬化速度が速く、紫外線に対する耐候性が良好な紫外線硬化性インキ、および印刷物を提供する。
【解決手段】重合性モノマーもしくは重合性オリゴマーの少なくともいずれか一方と、光重合開始剤、重合性紫外線吸収剤を含有し、光重合開始剤に対する重合性紫外線吸収剤のモル比が1:0.55〜1:0.02の範囲である紫外線硬化性組成物とともに、キラル相を有する液晶構造を有する、配向された三次元架橋物質からなる顔料を含有する紫外線硬化性インキおよびそれによる印刷物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視認者の視角によって輝度、色調等が変化する多色性の顔料を含有する印刷インキに関し、特に紫外線硬化性の耐光性が大きな印刷インキおよびそれを用いた印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷インキには各種のものが知られているが、とくに近年、輝度、色調等の面で特徴を有する高意匠性のインキに対する要求が高まっている。
輝度、色調等が視認者の視角によって変化するインキとしては、いわゆるパール顔料と称する真珠光沢を有する顔料を使用したインキが知られているが、これらはいずれも支持体上に重金属化合物等を被覆したものであり、それらの加工、製造工程上の問題等から重金属を使用しないものが求められていた。
【0003】
重金属化合物等の被覆を用いない、キラル層を有する液晶構造を有する配向された三次元架橋物質、あるいは更に他の着色物質等を有する液晶顔料を用いた印刷インキが提案されており(例えば、特許文献1)、スクリーン印刷等のすべての種類の印刷インキに適用可能であることが記載されている。ところが、このような液晶顔料は、紫外線に対する耐光性が小さいという問題点があった。
また、従来の溶剤中に分散した溶剤型インキでは、硬化時に溶剤が発散して環境への影響を及ぼすという問題点もあった。
【0004】
そこで、こうした問題点を解決するために、重合性モノマー、重合性オリゴマーを主成分とし、有機溶剤を実質的に含有しない紫外線硬化性組成物からなるメジウムに液晶顔料を含有した紫外線硬化性インキを製造することが考えられる。紫外線硬化性インキは、硬化時に大気中に有機溶剤を発散することはなく、環境へ与える影響が小さものである。
【0005】
これらのインキ層の紫外線に対する耐光性を高めるために、液晶顔料を含有した紫外線硬化性インキ組成物中に、紫外線吸収剤を添加したり、光安定剤(HALS)を添加することが考えられる。
【0006】
例えば、紫外線硬化性コート層にコート層の紫外線硬化波長とは異なった波長帯の特性吸収波長を有する材料劣化を引き起こす特定の紫外線を吸収するベンゾトリアゾール系とベンゾフェノン系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤(HALS)とを添加し、耐候性を向上したことが記載されている(例えば、特許文献2)
また、紫外線吸収剤として重合性紫外線吸収剤を用いることにより、添加した紫外線吸収剤がブリードして紫外線吸収剤の効果が失われることを防止することが開示されている(例えば、特許文献3)。この発明は、耐擦傷性が大きな紫外線硬化組成物の被覆層を形成するものであり、紫外線硬化性組成物の硬化用の紫外線量も大きなものであった。
【0007】
また、特定の化学構造の重合性紫外線吸収剤および光重合開始剤のそれぞれの配合量を特定した紫外線硬化性組成物によってプラスチック成型品に硬化被膜を形成し耐擦傷性の悪化を抑制することが記載されている(例えば、特許文献4)。しかしながら、紫外線硬化性組成物の硬化には、3000mJ/cm もの大量の紫外線の照射を必要とすることが記載されている。このような大量の紫外線の照射では、紫外線照射用の光源から発する熱によって基材等に悪影響を及ぼす場合があり、柔軟な合成樹脂基材を使用する場合には、基材が熱変形を生じる可能性があった。また、硬化に使用する紫外線照射手段が光源から発する熱を除去する手段を設けたものであっても、照射する紫外線の照射光量が多くなると発熱が大きくなり、熱による変形等の問題が生じる可能性があった。
【0008】
紫外線吸収剤は、光重合開始剤が分解してラジカルなどの重合活性種を発生するために必要な吸収光の波長帯に著しい吸光性を有するものであっては、紫外線硬化反応が遅くなり、吸収光の波長帯に大きな吸光係数を有することのない紫外線吸収剤であっても、その使用量が多ければ同様の障害が発生することになる。
【0009】
また、紫外線吸収剤の量が大きくなると紫外線硬化に要する時間長くなり、紫外線硬化性組成物がインキである場合には印刷速度が極端に低下して実用的な印刷インキを得ることができないという問題点があった。
【0010】
このように、紫外線硬化性組成物の硬化速度の向上と耐候性の向上とは両立し難い関係にあり、硬化速度が速く、耐候性に優れた紫外線硬化性組成物の製造は困難であった。しかしながら、紫外線吸収剤はインキの塗布層を硬化する際に照射する紫外線も同様に吸収する。このため、紫外線吸収剤の配合量を紫外線による硬化に悪影響を及ぼさないような量にするとインキ層の保護用の紫外線吸収剤量が充分なものではなく、液晶顔料の耐光性の向上等の作用を充分に果たすことができない。
【0011】
一方、大量の紫外線吸収剤を混合した場合には、インキ層の硬化が不充分になるという問題点があった。
また、インキ層の上に透明な紫外線吸収層を設ける場合にも、同様な問題があった。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−220350号公報
【特許文献2】
特開2001―179900号公報
【特許文献3】
特開平11−268201号公報
【特許文献4】
特開平10−60307号公報
【0013】
【発明が解決しようとる課題】
本発明は、液晶顔料を含有した紫外線硬化性インキとして、耐候性が大きく、しかも耐候性を長期に維持することができ、紫外線硬化に要する紫外線照射量が少なく、硬化速度が速い紫外線硬化性組成物を提供することを課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、紫外線硬化性インキにおいて、重合性モノマーもしくは重合性オリゴマーの少なくともいずれか一方と、光重合開始剤、重合性紫外線吸収剤を含有し、光重合開始剤に対する重合性紫外線吸収剤のモル比が1:0.55〜1:0.02の範囲である紫外線硬化性組成物と、キラル相を有する液晶構造を有する、配向された三次元架橋物質からなる顔料を含有する紫外線硬化性インキによって解決することができる。
【0015】
このように、光重合開始剤と重合性紫外線吸収剤との配合比を所定の値とすることによって、印刷時に照射する紫外線によって確実に紫外線硬化性インキを硬化するとともに、硬化後の印刷層には紫外線に対する充分な耐候性を付与することを可能とし、紫外線に対する耐候性が充分ではない液晶顔料に対しても充分な耐候性を付与することができる。
【0016】
また、紫外線硬化性組成物中に0.3〜4.0質量%の重合性紫外線吸収剤を含有した前記の紫外線硬化性インキである。
光安定剤を含有した前記の紫外線硬化性インキである。
紫外線硬化性組成物が重合性オリゴマーを含み、該オリゴマーの一部又は全部が重合性ウレタンオリゴマーである紫外線硬化性インキである。
このように、重合性ウレタンオリゴマーを用いた場合には、耐候性が大きなインキ層を形成することができるのでより好ましい。
【0017】
印刷物において、重合性モノマーもしくは重合性オリゴマーの少なくともいずれか一方と、光重合開始剤、重合性紫外線吸収剤を含有し、光重合開始剤に対する重合性紫外線吸収剤のモル比が1:0.55〜1:0.02の範囲である紫外線硬化性組成物と、キラル相を有する液晶構造を有する、配向された三次元架橋物質からなる顔料を有する紫外線硬化性インキで印刷された印刷物である。
【0018】
表面に透明インキ層が形成され、透明インキ層が重合性モノマーもしくは重合性オリゴマーの少なくともいずれか一方と、光重合開始剤、重合性紫外線吸収剤を含有し、光重合開始剤に対する重合性紫外線吸収剤のモル比が1:0.55〜1:0.02の範囲である前記の印刷物である。
このように重合性紫外線吸収剤と液晶構造を有する顔料を有する印刷層上に、更に重合性紫外線吸収剤を有する透明層を形成した場合には、紫外線に対する耐候性がより大きな印刷物を形成することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、キラル相を有する液晶構造を有する、配向された三次元架橋物質からなる液晶顔料、重合性モノマーもしくは重合性オリゴマーの少なくともいずれか一方と、光重合開始剤、重合性紫外線吸収剤を含有した紫外線硬化性インキにおいて、光重合開始剤と重合性紫外線吸収剤の含有量を所定の割合とすることによって、紫外線硬化特性と耐候性との両者が優れた紫外線硬化性インキが提供可能であることを見出したものである。
特に、本発明の紫外線硬化性インキにおいて、光重合開始剤と重合性紫外線吸収剤とを所定のモル比で配合することによって、紫外線硬化性と耐候性の両者を満足した特性の優れた、液晶顔料を含有した紫外線硬化性インキを提供するものである。
【0020】
本発明のインキに使用する重合性紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール基、ベンゾフェノン基等の紫外線吸収に大きく寄与する特性基と重合性官能基とを含有した物質である。重合性紫外線吸収剤には分子量は大小さまざまなものがあり、分子量が大きなものでは、分子量が小さなものに比べて、単位重量当たりの紫外線吸収に大きく寄与する特性基の数は少なくなる。このため、重合性紫外線吸収剤を重量比に基づいて配合したのでは所期の目的を達することができず、紫外線吸収剤のモル数で光重合開始剤と比較することが有効であることを見出したものである。
【0021】
そして、本発明によって、紫外線吸収に寄与する特性基および重合性官能基以外の原子団を有する分子量が大きな重合性紫外線吸収剤、あるいはオリゴマーである重合性紫外線吸収剤が用いられる場合であっても同様にモル数で比較することによって、特性の優れた紫外線硬化性インキを得ることができる。
【0022】
また、重合性紫外線吸収剤の1分子中に紫外線吸収に寄与する基をn個を含むもの、あるいは光重合開始に寄与する基が光重合開始剤の1分子中にm個を含むような特別な物質を用いる場合であっても、それぞれnモル、mモルと換算することによって、1分子中に1個を含むものと同様に扱うことが可能である。
以下に、本発明の紫外線硬化性インキの構成成分について説明する。本発明の紫外線硬化性インキは、重合性モノマー、重合性オリゴマーの少なくともいずれか一方を含有している。
【0023】
重合性モノマーとしては、脂肪族系(メタ)アクリレート、脂環式系(メタ)アクリレート、芳香族系(メタ)アクリレート、エーテル系(メタ)アクリレート、ビニル系モノマー、(メタ) アクリルアミド類等を挙げることができる。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート、メタアクリレートの少なくともいずれかを含有するものを意味する。
【0024】
具体的には、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシル−カルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールポリプロピレンオキサイド変性ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート等を挙げることができる。
これらの重合性モノマーのなかでも、非芳香族系モノマーは耐候性が良好であるので好ましい。
【0025】
また、重合性オリゴマーとしては、ウレタン系オリゴマー、ポリエーテル系オリゴマー、エポキシ系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマー、アクリル系オリゴマー等を挙げることができる。
具体的には、ウレタン系オリゴマーとしては、ダイセル・ユーシービ社のEB4849、EB230、EB244、EB245、EB284、EB285、EB4883、EB8402、EB8804、EB254、EB264、EB265、EB294、EB295、EB1259、EB4866、EB270、EB4830、EB8800−20R、EB1701、EB204、EB205、KRM7595、共栄社化学社のUF8001、日立化成社のヒタロイド4861、ヒタロイド4870、ヒタロイド7471、AKCROS社のActilane200、Actilane200TP20、Actilane210TP30、Actilane230HD30、Actilane250HD25、Actilane250TP25、Actilane270、Actilane280、Actilane290、Actilane165、Actilane167、Actilane170、サートマー社のCN961E75、CN963B80、CN962、CN963A80、CN964、CN964A85、CN965、CN985、CN983、CN985B88、CN980、CN981、CRODA社のUVU−300、UVU−310、UVU−316、BASF社のUA19T、LR−8987、東亞合成アロニックスM−1200、アロニックスM−1600、日本化薬社のカヤラットMAX5100、カヤラットMAX5101、カヤラットMAX5102、カヤラットUX8101、カヤラットUX3204、カヤラットUX2201等を挙げることができる。
【0026】
ポリエーテル系オリゴマーの例として、BASF社のPO84F、LR−8894等を挙げることができる。
また、エポキシ系オリゴマーの例として、ダイセル・ユーシービ社のEB604、EB3500、EB3600、EB3700−20H、EB3702、CRODA社のCrodamerUVE−150等を挙げることができる。
ポリエステル系オリゴマーの例として、ダイセル・ユーシービ社のEB524、EB80等を挙げることができる。
【0027】
アクリル系オリゴマーの例として、ダイセル・ユーシービ社のEB1701、EB754、AKCROS社のActilane890、サートマー社のCN130、日立化成社のヒタロイドAA−G6、ヒタロイドAA−G7、ヒタロイドAA−G9、ヒタロイドAA−G1等がある。
とくに、非芳香族系ウレタンオリゴマーは耐候性が良好で好ましいものである。
【0028】
光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、アルキルアミノベンゾフェノン系、ベンジル類、ベンゾイン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルジメチルケタール系、ベンゾイルベンゾエート系、α−アシロキシムエステル系などのアリールケトン系光重合開始剤、スルフィド系、チオキサントン系など含硫黄系光重合開始剤、アシルジアリールホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系等の光重合開始剤を挙げることができる。
【0029】
具体的には、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトンフェノン、2,4−ジエチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ビス−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4’,4”−ジエチルイソフタロフェノン、α−アシロキシムエステル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
【0030】
光重合開始剤に加えて光重合開始助剤を併用しても良い。併用することができる光重合開始助剤としては、アミン類を挙げることができるが、具体的には、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、メチルジエタノールアミン等を挙げることができる。
【0031】
本発明に使用する重合性紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン骨格、ベンゾトリアゾール骨格、フェニルトリアジン骨格、サリチル酸骨格、シアノアクリレート骨格等の紫外線吸収に寄与する基を1個または複数個を含有し、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の重合性官能基を1個または複数個を有する重合性ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、重合性ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、重合性フェニルトリアジン系紫外線吸収剤、重合性サリチル酸系紫外線吸収剤、重合性シアノアクリレート系紫外線吸収剤等を挙げることができる。
【0032】
重合性ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)ベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノンを挙げることができる。
【0033】
また、重合性ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−[2−ヒドロキシ−5−((メタ)アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−メチル−5−((メタ)アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−メチル−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−メチルベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニル)エチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]ベンゾトリアゾールを挙げることができる。
【0034】
また、重合性フェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを挙げることができる。
なかでも、以下の化学構造式で示される化合物が好ましい。
【0035】
【化1】
Figure 2004143245
【0036】
特に重合性ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は好ましいものである。
また、重合性紫外線吸収剤に加えて、非重合性の紫外線吸収剤を添加しても良く、添加することができる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、フェニルトリアジン系紫外線吸収剤などを挙げることができ、具体的には、オクチル3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、2−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−t−ブチルフェニルサリシレートを挙げることができる。
【0037】
本発明の紫外線硬化性インキにおいて、光重合開始剤に対する重合性紫外線吸収剤のモル比は1:0.55〜1:0.02の範囲とすることが好ましく、1:0.5〜1:0.03の範囲とすることがより好ましい。
この様な配合量とすることによって、紫外線硬化性インキの硬化時に光重合開始剤の作用が不充分なものとなることはなく、比較的低線量の紫外線照射量によっても速やかな硬化が可能となる。
【0038】
また、紫外線硬化性インキ中における重合性紫外線吸収剤の量が大量となると、光重合開始剤の配合割合が多くなっても、紫外線硬化反応に支障を生じ、硬化速度が大きな耐候性紫外線硬化性インキを得ることが困難なことがある。
したがって、紫外線硬化性インキ中の重合性紫外線吸収剤の配合量は、0.3〜4.0質量%とすることが好ましい。
【0039】
また、紫外線吸収剤の他にも光に対する安定性を向上させるために光安定剤を配合しても良い。光安定剤としてはヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができ、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン残基を有するヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
具体的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバセート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバセート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などを挙げることができる。
【0040】
光安定剤を配合する場合、紫外線硬化性インキ中の配合量は1.3ないし0.3質量%とすることが好ましい。光安定剤をこれ以上使用すると、紫外線硬化性組成物の硬化速度が低下する等の悪影響を及ぼすことがある。
【0041】
本発明の紫外線硬化性インキに使用する液晶顔料は、キラル相を有する三次元架橋性液晶物質をそのまま、あるいは他の着色物質、顔料を加えた後配向し、三次元的に架橋し、所望の粒度に粉砕することによって得られたものである。
好ましくは、キラル相を有する三次元架橋性液晶物質を、支持体上に塗布し、この支持体上で架橋し、架橋後に支持体から剥離することによって得られる。
【0042】
また、液晶顔料を製造するための出発物質として適当な液晶物質は、紫外線ないし赤外線の光の波長に等しいピッチを有するねじれ構造を有する。この構造は例えばコレステリック液晶の場合に存在する。所望のピッチを有するねじれ構造を有するコレステリック液晶、または一般にはキラル相を有する液晶物質は、ネマチック、スメクチック又はディスコチック構造にキラル物質を加えることによって、これらの構造から製造される。キラル相を有する物質の種類及び量がねじれ構造のピッチ、ひいては反射光の波長を決定する。該構造のねじれは左向きでも右向きでもよい。さらに出発物質は、重合性基、重縮合性基又は重付加に有効な基を有していなければならず、これらの基のうち少なくとも一部は二官能性、三官能性及び高官能性成分の形で存在する。このような基の例はメタクリルオキシ基、アクリルオキシ基である。
【0043】
具体的には、特許文献1に記載の方法によって製造することができ、またワッカー−ケミー社より、Helicone(ヘリーコーン)HCの名称で提供されているものを使用することができ、具体的には、Helicone HC sapphire、Scarabeus、Jade、Maple等を挙げることができる。
【0044】
また、本発明の紫外線硬化性インキには、酸化防止剤、熱重合防止剤などの安定剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料分散剤、帯電防止剤、防曇剤などの界面活性剤類、近赤外線吸収剤等を配合しても良い。更に、顔料やシリカ等の微粒子を分散させても良い。
また、基材への塗布性、印刷性を高めたり、あるいは粘度の調整のために非重合性の有機溶剤を加えてもよく、あるいは合成樹脂を添加しても良い。
【0045】
有機溶剤としては、低級アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、n−ブチルアセテート、ジエチレングリコールモノアセテートなどのエステル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などを挙げることができる。
また、本発明の紫外線硬化性インキ層には、顔料を含有しない同様の組成の透明な保護膜形成用インキ層を形成し、インキ層の耐候性をより高めることができる。
本発明の紫外線硬化性インキは、紙、ガラス、金属、各種の合成樹脂フィルム、合成樹脂の成形物への印刷に適用可能である。
【0046】
特に、本発明の紫外線硬化性インキは大量の紫外線を照射する必要がなく、比較的穏やかなな条件で硬化できるので、厚みが小さな基材、あるいは柔軟な基材に適用しても、基材の変形等を生じることはないので、屋外で使用される合成樹脂製シート、合成樹脂製フィルム等の印刷に好適であり、各種の標識、広告物等の作製に有効であり、また液晶顔料による光学的特性を利用して、偽造防止の目的で使用される印刷物に有効である。また、紫外線によって観察される印刷物用のインキとしても有効である。
【0047】
また、本発明の紫外線硬化性インキを用いて多層印刷が行われる場合に、硬化速度の遅い印刷層には光安定剤を含まず、硬化速度の速い印刷層には光安定剤を含有させることが硬化速度を全般に低下せずに耐候性を向上するのに有効である。また一般的に紫外線照射回数の多くなる下層印刷層に光安定剤を含み、紫外線照射回数の少ない上層の印刷層に光安定剤を含有させないことによって、硬化性、耐候性ともに良好な印刷物が得られる。
【0048】
また、本発明の紫外線硬化性インキは、スクリーン印刷、グラビア印刷等の各種の印刷方法に用いることができ、ロールコーター、ブレードコーター等のコーターを用いて基材上にトップコート層等の形成に用いることができる。とくに、本発明のインキは、少ない紫外線照射光量によってインキ層の硬化が可能であるので、厚みが薄い基材上に形成したインキ層の硬化の際にも、基材の変形等の影響を小さなものとすることができる。
【0049】
【実施例】
以下に、実施例、比較例を示し本発明を説明する。
実施例1
(紫外線硬化性組成物の調製)
オリゴマーA(サートマー社 CN963B80)70重量部、モノマーA(エトキシージエチレングリコールアクリレート)5重量部、モノマーB(1,6−ヘキサジオールジアクリレート)10重量部、モノマーC(ネオペンチルグリコールプロピレンオキシド変性ジアクリレート)10重量部、光重合開始剤A(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)2重量部、光重合開始剤B(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)2重量部、以下の重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)1重量部、消泡剤2重量部、熱安定剤0.5重量部、体質顔料0.5重量部を配合して撹拌し、紫外線硬化性組成物を得た。光重合開始剤と重合性紫外線吸収剤のモル比は1:0.141であった。
【0050】
【化2】
Figure 2004143245
【0051】
表1に、これらの光重合開始剤A、光重合開始剤B、重合性紫外線吸収剤の含有量を重量部で表すと共に、紫外線硬化性組成物の全量に対する重合性紫外線吸収剤の含有量を質量%で表した。また、紫外線硬化性組成物中の光重合開始剤Aと光重合開始剤Bの合計のモル数と、重合性紫外線硬化性組成物のモル数との比をモル比として表した。
【0052】
(インキの調製)
紫外線硬化性組成物100重量部に対して、液晶顔料AとしてHelicone HC Scarbeus(ワッカーケミー社製)20重量部を添加して混合してインキの調製を行った。なお、表においては顔料Aと記載した。
【0053】
(印刷物の調製)
得られた紫外線硬化性インキを用いて、黒色のポリ塩化ビニル製ステッカー用基材(日本カーバイド社 Hi−S cal5040)上にスクリーン印刷機によって、印刷を行い10μmの印刷層を形成し、メタルハライドランプによって照射する紫外線の量を変えて塗布層を硬化した。
硬化した紫外線硬化性インキについて以下の評価方法によって評価を行い、その結果を表1に示した。
【0054】
(硬化性の評価)
硬化面を指で触れた際に付着性がなくなる紫外線照射量を以下の段階に分けて評価した。また、1000mJ/cm でも付着するものは、タック有りとした。
200mJ/cm
400mJ/cm
1000mJ/cm
【0055】
(耐候性の評価)
印刷物をキセノンサンシャインウェザーメーター(アトラス社Ci65試験機)による促進耐候試験を行い、耐候試験を行っていない印刷物と耐候試験を行った印刷物とを並べて配置し、印刷面に対して90°の角度から観察した場合と、45°の角度から観察した場合のいずれの場合にも、色の変化がなく、しかも液晶顔料としての機能の失われていないものについては、色調が保持されるものとして、色調が保持されるまでの暴露時間を次の段階に分けて評価した。
500ないし1000h  500−1000と表記
250ないし500h   250−500と表記
250h以下       250>と表記
【0056】
実施例2ないし4
実施例1におけるオリゴマーAに代えて、オリゴマーB(ダイセル・ユーシービ社製 EB80)、オリゴマーC(BASF社製 PO84F)、オリゴマーD(CRODA社製 CrodamerUVE−150)を用い、液晶顔料Aに代えて液晶顔料B(Helicone HC Jade(ワッカーケミー社製))を用いた点を除いて、実施例1と同様に紫外線硬化性インキを調製し、実施例1と同様の評価方法によって評価を行い、その結果を表1に示した。
【0057】
実施例5−9
実施例1におけるオリゴマーAに代えて、オリゴマーE(ダイセル・ユーシービ社製 EB284)を用いるとともに、光重合開始剤A(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、光重合開始剤B(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)の配合比を表1に記載の比に変えた点、および液晶顔料Aに代えて液晶顔料C(Helicone HC Maple(ワッカーケミー社製))を用いた点を除いて、実施例1と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0058】
実施例10
実施例1におけるオリゴマーAに代えて、オリゴマーE(ダイセル・ユーシービ社製 EB284)を用いるとともに、モノマーA(エトキシージエチレングリコールアクリレート)、モノマーB(1,6−ヘキサジオールジアクリレート)、モノマーC(ネオペンチルグリコールプロピレンオキシド変性ジアクリレート)、光重合開始剤A(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、光重合開始剤B(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)の配合比を表1に記載の比に変えた点を除いて、実施例1と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0059】
実施例11−12
実施例1におけるオリゴマーAに代えて、オリゴマーE(ダイセル・ユーシービ社製 EB284)を用いるとともに、モノマーC(ネオペンチルグリコールプロピレンオキシド変性ジアクリレート)を5重量部とし、光重合開始剤A(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、光重合開始剤B(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)の配合比を表1に記載の比に変えた点を除いて、実施例1と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0060】
実施例13
実施例1におけるオリゴマーAに代えて、オリゴマーE(ダイセル・ユーシービ社製 EB284)を用いるとともに、モノマーとして、モノマーB(1,6−ヘキサジオールジアクリレート)10重量部、モノマーC(ネオペンチルグリコールプロピレンオキシド変性ジアクリレート)5重量部を用い、光重合開始剤A(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、光重合開始剤B(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)の配合比を表1に記載の比に変えた点を除いて、実施例1と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0061】
実施例14
実施例1におけるオリゴマーAに代えて、オリゴマーE(ダイセル・ユーシービ社製 EB284)を用いるとともに、モノマーとして、モノマーA(エトキシージエチレングリコールアクリレート)10重量部、モノマーB(1,6−ヘキサジオールジアクリレート)5重量部、モノマーD(フェノキシエチルアクリレート)10重量部を用い、光重合開始剤A(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、光重合開始剤B(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)の配合比を表1に記載の比に変えた点を除いて、実施例1と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0062】
実施例15
実施例14における、モノマーD(フェノキシエチルアクリレート)10重量部に代えて、モノマーE(パラクミルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート)10重量部を用いた点を除き、実施例14と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0063】
実施例16
実施例14におけるモノマーを、モノマーA(エトキシージエチレングリコールアクリレート)5重量部、モノマーB(1,6−ヘキサジオールジアクリレート)10重量部、モノマーF(ビニルカプロラクタム)10重量部とした点を除き、実施例14と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0064】
実施例17
実施例14におけるモノマーを、モノマーA(エトキシージエチレングリコールアクリレート)5重量部、モノマーB(1,6−ヘキサジオールジアクリレート)10重量部、モノマーG(トリメチロールロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート)10重量部とした点を除き、実施例14と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0065】
実施例18
実施例14におけるモノマーを、モノマーA(エトキシージエチレングリコールアクリレート)5重量部、モノマーB(1,6−ヘキサジオールジアクリレート)10重量部、モノマーH(アクリロイルモルホリン)10重量部とした点を除き、実施例14と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0066】
実施例19
実施例1におけるオリゴマーAに代えて、オリゴマーE(ダイセル・ユーシービ社製 EB284)を用いるとともに、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)に代えて、フェニルトリアジン骨格を有する以下の重合性紫外線吸収剤Bの表1に記載の量を配合して、実施例1と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0067】
【化3】
Figure 2004143245
【0068】
実施例20
実施例1におけるオリゴマーAに代えて、オリゴマーE(ダイセル・ユーシービ社製 EB284)を用いるとともに、光安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤(TINUVIN 123)1重量部を配合するとともに、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)を表1に記載の配合量とした点を除いて、実施例1と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0069】
実施例21
実施例1におけるオリゴマーAに代えて、オリゴマーE(ダイセル・ユーシービ社製 EB284)40重量部を用いるとともに、モノマーとして、モノマーA(エトキシージエチレングリコールアクリレート)10重量部、モノマーB(1,6−ヘキサジオールジアクリレート)15重量部、モノマーC(ネオペンチルグリコールプロピレンオキシド変性ジアクリレート)10重量部、モノマーF(ビニルカプロラクタム)8重量部を、光重合開始剤C(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)3重量部、光重合開始剤D(2,4−ジエチルチオキサンソン)2重量部を配合し、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)1重量部部を用いた点を除いて、実施例1と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0070】
実施例22
実施例21に、更に光安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤(TINUVIN 123)1重量部を配合した点を除いて、実施例21と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0071】
実施例23
実施例1と同様に印刷物を調製し、200mJ/cm の紫外線照射によってインキ層を硬化した。
更に、硬化したインキ層上に実施例1で調製した透明な紫外線硬化性組成物をスクリーン印刷して10μmの透明インキ層を設け、200mJ/cm の紫外線照射によって硬化した印刷物を得た。
この印刷物の色調は、実施例1の印刷物に比べて一段ときれいなものであり、実施例1と同様に測定した色調変化までの時間は1500hであり、特性の優れた印刷物が得られた。
【0072】
比較例1
実施例9における、光重合開始剤A(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)を1.5重量部とし、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)に代えて、表1に記載の量の非重合性紫外線吸収剤(2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミル−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール)を用いた点を除いて、実施例9と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0073】
比較例2
比較例1における、非重合性紫外線吸収剤(2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミル−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール)の配合量を変えた点を除いて、比較例1と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0074】
比較例3
実施例9における、光重合開始剤A(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)を1.5重量部とし、また重合性紫外線吸収剤を配合しなかった点を除いて、実施例9と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0075】
比較例4
実施例6における、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)の量を表に記載の量に変えた点を除いて、実施例6と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0076】
比較例5
実施例11における、重合性紫外線吸収剤A(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)の量を表に記載の量に変えた点を除いて、実施例11と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0077】
比較例6
実施例11における、光重合開始剤、および重合性紫外線吸収剤を、光重合開始剤B(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)5重量部、重合性紫外線吸収剤C(2−[2−ヒドロキシ−5−(2−アクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール)5重量部に変えた点を除いて、実施例11と同様に紫外線硬化性インキを調製して実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
Figure 2004143245
Figure 2004143245
【0079】
【発明の効果】
モノマー、オリゴマーの少なくともいずれか一方と、光重合開始剤、および重合性紫外線吸収剤、および視角によって色調等が変化する液晶顔料を含有する紫外線硬化性インキにおいて、光重合開始剤と重合性紫外線吸収剤のそれぞれの、光重合開始特性基と紫外線吸収特性基のモル比を所定の配合割合としたので、速やかな光重合性と優れた耐候性の両者を併せ有する紫外線硬化性インキを提供することができ、屋外での使用においても耐久性が良好な印刷物を提供することができる。

Claims (6)

  1. 紫外線硬化性インキにおいて、重合性モノマーもしくは重合性オリゴマーの少なくともいずれか一方と、光重合開始剤、重合性紫外線吸収剤を含有し、光重合開始剤に対する重合性紫外線吸収剤のモル比が1:0.55〜1:0.02の範囲である紫外線硬化性組成物とともに、キラル相を有する液晶構造を有する、配向された三次元架橋物質からなる顔料を含有することを特徴とする紫外線硬化性インキ。
  2. 紫外線硬化性組成物中に0.3〜4.0質量%の重合性紫外線吸収剤を含有したことを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化性インキ。
  3. 光安定剤を含有したことを特徴とする請求項1または2記載の紫外線硬化性インキ。
  4. 紫外線硬化性組成物が重合性オリゴマーを含み、該オリゴマーの一部又は全部が重合性ウレタンオリゴマーであることを特徴とする請求項1ないし3項のいずれか1項に記載の紫外線硬化性インキ。
  5. 印刷物において、重合性モノマーもしくは重合性オリゴマーの少なくともいずれか一方と、光重合開始剤、重合性紫外線吸収剤を含有し、光重合開始剤に対する重合性紫外線吸収剤のモル比が1:0.55〜1:0.02の範囲である紫外線硬化性組成物と、キラル相を有する液晶構造を有する、配向された三次元架橋物質からなる顔料を有することを特徴とする紫外線硬化性インキで印刷された印刷物。
  6. 印刷物の表面に透明インキ層が形成され、透明インキ層が重合性モノマーもしくは重合性オリゴマーの少なくともいずれか一方と、光重合開始剤、重合性紫外線吸収剤を含有し、光重合開始剤に対する重合性紫外線吸収剤のモル比が1:0.55〜1:0.02の範囲であることを特徴とする請求項5記載の印刷物。
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