JP2004143113A - インターフェロン製剤及びその投与システム - Google Patents

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Abstract

【課題】副作用がなく、免疫増強作用を誘起するように調製することを特徴とするインターフェロン製剤及びその投与システムを提供すること。
【解決手段】本発明は、細胞表面のインターフェロンレセプター数、又は細胞内に誘導された2−5AS活性値、あるいはその両方に応じて調製することを特徴とするインターフェロン製剤及びその投与システムを開示する。細胞表面のインターフェロンレセプター数を検知し、細胞表面のインターフェロンレセプター数が存在する程度に応じて、インターフェロンの投与単位を設定したインターフェロン製剤を投与する、インターフェロン製剤の投与システム。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターフェロン製剤及びその投与システムに関するものである。詳しくは、C型慢性肝疾患の治療において、副作用がなく、免疫増強作用を誘起するインターフェロン製剤、及びその製剤を用いた投与システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターフェロンは、糖タンパク質の一種であって、α、β、γ型の3種類がある。インターフェロンは、ウィルスに感染した細胞に働いてその細胞を抗ウィルス状態にし、ウィルスの増殖を抑制する働きを有する。これを、抗ウィルス作用という。インターフェロンは他にも、細胞増殖抑制作用、抗腫瘍効果、NK細胞活性化、免疫増強作用、ウィルス排除作用を有しており、白血病をはじめとして、多発性骨髄腫、B型及びC型肝炎、カポジー肉腫や生殖器腫瘍に関連したAIDS、腎癌などの治療にも認可されている。特にC型慢性肝疾患の治療において、インターフェロンは唯一の根本的な治療薬として、さまざまな態様で使用されている。現在、C型慢性肝炎の治療には、インターフェロンαとインターフェロンβが使用されている。インターフェロンαは筋肉注射や皮下注射、インターフェロンβは静脈注射によって、患者に投与される。
【0003】
C型慢性肝炎は、慢性肝炎の約60%を占めており、肝硬変、肝癌へと進行する可能性が高い疾患である。このC型慢性肝炎の原因であるC型肝炎ウィルスは、RNAウィルスであり、インフルエンザウィルスのようにウィルス遺伝子がたびたび変異して、ウィルス本体の一番外側にある表面抗原タンパクが次々と変わる。このことは、体内で免疫反応が起こっても中和抗体ができにくく、肝細胞が持続感染しやすいことを意味する。従って、早期にC型肝炎ウィルスの持続感染を抑え、炎症を沈静化させ、肝硬変や肝癌への進行を食い止めることが重要である。
【0004】
インターフェロンによる治療効果には、用量依存性が認められており、高用量のインターフェロンを使用するほど、抗ウィルス作用が期待できると言われている。そこで、C型慢性肝炎の治療に適用されているインターフェロンαの場合、1回投与量300万単位〜1000万単位(主に600万単位)を、初期の連日投与に続いて1週間に3回投与することが、標準的な使用法となっている。また、インターフェロンβの場合は、1回投与量300万単位〜600万単位が一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかし現在、このような標準使用量におけるウィルス消失率は10〜20%程度である。即ち、治療を行った患者のうち10〜20%の人においてウィルスが消失している。治療効果向上のため、連日投与期間を長くしたり、投与量を極量まで増やしたりするなどの改善を試みる場合が多いが、患者にとって発熱、倦怠感、鬱状態などの副作用による負担が大きくなる割に、治療効果が上がっていないのが現状である。そして、副作用が強ければ、時には投与を中止せざるを得ないという事態も生じている。
【0006】
最近、リバベリンという抗ウィルス効果を持つ経口剤が開発され、インターフェロンとの併用が試みられている。このリバベリン−インターフェロン併用療法によると、ウィルス消失率が30%程度に増加することが認められており、これが現在最強のC型肝炎ウィルス治療法となっている。しかし、この併用療法は、副作用が非常に強く、治療中止率もインターフェロン単独治療より高くなっている。また、C型慢性肝炎患者にインターフェロン単独治療、あるいはリバベリン−インターフェロン併用治療を行っても、70%の人はC型肝炎ウィルスが残り、肝障害が続くという問題がある。さらに、肝硬変まで進展した患者には保険適用がないこと、たとえインターフェロンを投与しても副作用で耐えられない人あるいは効果のない人が多いこと、等の問題もある。
【0007】
このようなインターフェロン単独やリバベリンとの併用投与を行っても治療効果がなかった人、その副作用の面で適応のない人、副作用が心配で投与しない人に対しては、強力ネオミノファーゲンCという治療薬を使用して、肝炎を抑えているのが現状である。強力ネオミノファーゲンCを用いる場合、1日1回40〜60mlを静脈内注射又は点滴静注する。強力ネオミノファーゲンCは、抗炎症作用 を有するグリチルリチンという成分を含み、肝機能検査値を改善することが知られている。強力ネオミノファーゲンCは、インターフェロンよりも格安で副作用が少ない反面、インターフェロンのようにウィルス自体に対する直接的な作用がないために、ウィルスの完全な排除は望めず、患者は静脈注射のために通院し続けなければならないという欠点を持つ。
【0008】
以上のように、インターフェロンは、他の薬剤に比べると、抗ウィルス作用とともに発ガン予防作用など免疫増強作用を有した、非常に有用な治療薬である。しかし、インターフェロンは副作用が強いという問題を含んでいるのも事実である。インターフェロンの副作用が除去できない理由は、インターフェロンの抗ウィルス作用を含む各種効果の詳細なメカニズムや、副作用発現機序が明らかにされていないことにあり、より有効で副作用の少ない方法が研究され続けている。
【0009】
ここで、図1を参照しながら、体内でのインターフェロンの動きについて説明する。体内に投与されたインターフェロン1は、細胞表面のインターフェロンレセプター3と結合する。インターフェロン1とインターフェロンレセプター3の結合体5は、結合したままの状態で細胞内7に入り、核9を目指す。このインターフェロン1とインターフェロンレセプター3の結合体5は、細胞内7で2−5AS(2’−5’オリゴアデニレート合成酵素)を誘導する。つまり、インターフェロンが多いほど、細胞表面のインターフェロンレセプターは減少し、一方で、2−5ASは増加することになる。
【0010】
図2は、インターフェロンレセプターと2−5ASが、インターフェロンαの濃度によってどのような影響を受けるかを示すグラフである(非特許文献1参照)。実験データは、生体外での実験結果であることに注意されたい。横軸は、培養上清中のインターフェロンαの濃度(単位/ml)である。左縦軸は、インターフェロンαを培養上清に添加していないときのインターフェロンレセプター数を100%として、各濃度のインターフェロン添加でレセプター数がどれだけ減少したかを示している(棒グラフ)。右縦軸は、インターフェロンαを培養上清に添加していないときの末梢血単核球中の2−5AS量を基準として、各濃度のインターフェロン添加では2−5ASが何倍になったかを示している(折れ線グラフ)。
【0011】
図2から明らかなように、インターフェロンαの濃度が上がれば、レセプター数は減少し、2−5ASは増加している。インターフェロンが生理活性を発現すると、体内で2−5ASが誘導される。2−5ASの活性が高いほど、抗ウィルス効果が強いことが知られている。図2によると、インターフェロンが培養上清中1単位/mlの低濃度であっても、2〜3倍に2−5ASが増加しており、インターフェロンの生理活性の発現が認められる。人の血液量を5000mlとして概算すると、この濃度は5000単位/bodyの量に相当する。即ち、わずか5000単位の低濃度のインターフェロンであっても、生体外における基礎実験の結果では、生理活性を発現することが確認された。(ただし本文献によれば、実験において採用されるインターフェロンαの最適濃度は、10000単位/ml(5000万単位/body)であるとしている。)
【0012】
前述のように現在、C型慢性肝疾患の治療にインターフェロンを使用する場合、インターフェロンαでは1回投与量は300万単位超、1000万単位、インターフェロンβでは1回投与量は300万単位超、600万単位が一般的である。それ以下のインターフェロンを患者に投与するという発想はない。インターフェロンの特性を生かしつつ、副作用の出現を抑えた、効果的なC型慢性肝疾患の治療方法の確立こそ、現在最も待望されている。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−7578号公報(第2−3頁)
【非特許文献1】
Chika Kawamura et al ”Two−dimensional Analysis of Production of IL−6 and TNF−α can Predict the Efficacy of IFN−α Therapy” : Hepato−Gastroenterology 1999年 p.2943
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、副作用がなく、免疫増強作用を誘起するようなインターフェロン製剤、及びその製剤の投与システムを提供することを目的とする。特に本発明は、C型慢性肝疾患の治療に使用されるインターフェロンの投与において、副作用が出現しないように、インターフェロン製剤を調製し、その製剤を適切な間隔で患者に投与するシステムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、図1に示した原理、図2に示した基礎データに基づけば、従前から知られていた投与量よりも少ない量のインターフェロン投与でも十分に効果があるのではないかと考え、被験者に対して、従来より少量のインターフェロン投与治療を適用した。
【0016】
その結果、本発明によれば、細胞表面のインターフェロンレセプター数、又は細胞内に誘導された2−5AS活性値、あるいはその両方に応じて調製されることを特徴とするインターフェロン製剤を提供することによって、前記目的を達成することを見いだした。好ましくは、本発明のインターフェロン製剤は、毎回あたり300万単位以下の投与量になるように、又は所期の効果が生じる量であって300万単位を超えない投与量になるように調製される。本発明のために適用されるインターフェロンは、どのような種類のインターフェロンでも構わないが、インターフェロンαまたはインターフェロンβの使用が好ましい。例えば、本発明のインターフェロン製剤は、C型慢性肝疾患の治療に使用される。
【0017】
別の態様として、本発明は、細胞表面のインターフェロンレセプター数、又は細胞内に誘導された2−5AS活性値、あるいはその両方に応じてインターフェロン製剤を調製し、前記製剤を投与することを特徴とする投与システムを提供する。好ましくは、毎回あたり300万単位以下の投与量になるように、又は所期の効果が生じる量であって300万単位を超えない投与量になるようにインターフェロン製剤を調製する。本発明に適用されるインターフェロンの種類は問わないが、インターフェロンαまたはインターフェロンβの使用が好ましい。例えば、本発明の投与システムは、C型慢性肝疾患の治療に使用される。好ましい投与回数は、1週間に3回である。
【0018】
インターフェロンの生理活性効果の発現は、インターフェロンレセプター数や2−5AS活性値と密接な関係がある。このことから、インターフェロンの投与はインターフェロンレセプターと結合し得る量あれば十分であり、必要以上のインターフェロンの存在が副作用を招いている、との認識に本願発明者は至った。その上で、従来のインターフェロン投与システムを工夫すれば、副作用なしにインターフェロンによるC型慢性肝疾患の治療が可能となるのではないか、と本願発明者は考えた。
【0019】
原因ウィルスを完全に排除するために大量のインターフェロンを投与することは、副作用や治療費、通院回数などといった、患者の肉体的・時間的・金銭的負担が大きくなるばかりである。副作用が出現しないように、しかし免疫増強作用を患者自身に誘起するように、インターフェロンを投与することこそ、最も有意義で有効な治療につながると本願発明者は判断したのである。本発明はインターフェロンの最適投与量を定量的に予測することを特徴としており、広く他の疾患にも応用可能であることは明らかである。
【0020】
より具体的には、本発明は、インターフェロン製剤の調製方法であって、細胞表面のインターフェロンレセプター数を検知する第1のステップと、細胞表面のインターフェロンレセプター数が存在する程度に応じて、インターフェロン投与単位を設定する第2のステップとを含む、インターフェロン製剤の調製方法である。
第1のステップは、細胞内に誘導された2−5ASの量に関連する数値を測定して検知することを含む。また、本発明においては、一回あたりのインターフェロンの投与量が300万単位以下の投与量になるように調製することが好ましい。本発明において、インターフェロンの投与量の下限は、所期の効果が生じる量以上であることが望ましい。
【0021】
また、本発明は、細胞表面のインターフェロンレセプター数を検知し、細胞表面のインターフェロンレセプター数が存在する程度に応じて、インターフェロンの投与単位を設定したインターフェロン製剤を投与する、インターフェロン製剤の投与システムでもある。前記インターフェロンレセプター数の検知は、細胞内に誘導された2−5ASの量に関連する数値を測定して検知することを特徴とすることを含む。インターフェロン製剤の投与間隔は、1週間に2回以上投与することが好ましい。
本発明で使用されるインターフェロンは、インターフェロンαまたはインターフェロンβを含む。本発明は、典型的には、C型慢性肝疾患の治療に使用することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、好ましい実施例では、300万単位以下に調整したインターフェロン製剤を、適切な間隔でC型慢性肝疾患患者に注射する。使用するインターフェロンはどのような種類でもよいが、好ましくはインターフェロンαである。インターフェロンαとβのレセプターは共通であるという事実より、インターフェロンβを使用する場合もインターフェロンαと同様の効果が得られることは明確である。インターフェロン製剤の投与は、筋肉注射、皮下注射、静脈注射(点滴を含む)にて行う。
【0023】
投与量は、毎回あたり300万単位以下であるが、所期の効果が生じる量であって100万単位以下の量を毎回あたり投与するのが好ましい。投薬量は、使用するインターフェロンの種類や投与間隔、患者の病状などを考慮して適宜決定するべきである。インターフェロンαを使用する場合には、30万単位以下、好ましくは10万単位〜30万単位が特に好ましい。投薬量の下限は、患者に治療効果が見られる範囲で決まるが、一般的には1万単位以上であることが好ましい。
【0024】
投与間隔を考察する。生体内において、細胞表面のインターフェロンレセプター数は、初回のインターフェロン投与にて約50%に減少し、連日投与を続けてもこの値は変わらないことが既にわかっている。そして投与を中止後、インターフェロンレセプター数が元の数に回復するのには2〜3日を要する。つまり、インターフェロンを連日投与した場合、レセプターが50%に減少している状態なので、投与したインターフェロン全てが効果発現に寄与することにはならない。従って、投与後2〜3日経ってレセプターが細胞表面において回復してから投与する方が、効率がよいと考えられる。逆に、どんなに投与量を増やしても、現在の製剤では1週間に1回投与でインターフェロンの生理活性効果は認められないことが明らかにされている。 以上より、本発明における投与間隔として、2〜3日毎、又は1週間に3回の投与が好ましい。
【0025】
本発明においては、細胞表面のインターフェロンレセプター数の検知は、細胞内に誘導された2−5ASの量に関連する数値を測定して検知することができる。また、その他の適宜かつ周知な方法を用いてもよい。前述したように、細胞表面のインターフェロンレセプター数と2−5AS、その他の物質などのマーカーとの相関性が得られれば、適宜なマーカを検出、測定することによって、細胞表面のインターフェロンレセプター数を検知することが可能である。
【0026】
レセプターに受け入れられない量の過剰なインターフェロンを投与すると、副作用等の問題が生じたり、薬剤費の高騰などが生じるので、本発明においては、投与されたインターフェロンが細胞表面のインターフェロンレセプタの数を検知しつつ、インターフェロン投与を行うものである。このような考え方に基づいて、鋭意実験等を重ねた結果、本発明者は、投与量として、毎回あたり300万単位以下が本発明の目的に適合することを発見した。また、投与量としては、100万単位以下の量を毎回あたり投与するのが適切であり、インターフェロンαを使用する場合には、30万単位以下が好ましい。使用するインターフェロンの種類や投与間隔、患者の病状などを考慮して適宜決定するべきである。
【0027】
以下、本発明の実施例を、各種データを含む図とともに詳細に説明する。
【0028】
図3は、当初、強力ネオミノファーゲンC(SNMC)を60ml投与していた患者に対して、これに代えてインターフェロンαを100万単位以下に調製した製剤を投与した結果を示すグラフである。横軸は時間、縦軸はALT値である。ALT値とは、健康診断などの血液検査で日常的に測定されているGPT値と同じ意味を持ち、肝細胞の変性や壊死によって細胞外へ遊出し、血中で増加する血清酵素(血清アラニンアミノトランスフェラーゼ)の量を示す値である。正常値は40IU/l以下であって、肝障害の代表的な指標とされている。本発明では、インターフェロンαの量が、100万単位、30万単位、10万単位、5万単位となるように調製した各種製剤を使用した。
【0029】
本発明のインターフェロン製剤の調整は、独自の方法で行っており、具体的には、既存のインターフェロン薬剤アンプルを生理食塩水で希釈して、冷凍保存し、必要なときに必要量を使用するようにしている。具体的には、10万単位のインターフェロン製剤を調整する場合、生理食塩水14mlと住友製薬のスミフェノン300万単位1ml(液体)を室温にて20ml用滅菌注射筒内で静かに混和攪拌し、15倍希釈溶液を作成する。当該希釈溶液を1ml用の滅菌注射筒(ツベルクリン用)に0.5mlずつ分注して、1本あたり10万単位が入った注射筒30本を作成する。これらの各注射筒に24Gの滅菌注射針をつけ、直ちに−40℃の冷凍庫にてこれら注射筒を冷凍保存する。30万単位のインターフェロン製剤を調整する場合、生理食塩水9mlと住友製薬のスミフェロン600万単位1mlを室温にて20ml用滅菌注射筒内で静かに混和攪拌し、10倍希釈液を作成する。当該希釈溶液を1ml用の滅菌注射筒(ツベルクリン用)に0.5mlずつ分注して、1本あたり30万単位が入った注射筒20本を作成する。
【0030】
前述と同様の方法で、これらの各注射筒に24Gの滅菌注射針をつけ、直ちに−40℃の冷凍庫にてこれら注射筒を冷凍保存する。冷凍保存された本発明のインターフェロン製剤の単位数について、1週間後および2週間後に、細胞変性効果阻止および色素取り込み法にて測定したところ、経時的な単位数の減少は認められなかった。インターフェロン製剤を使用する時は、前述の冷凍保存してある注射筒を室温にて溶解する。本発明のインターフェロン製剤を、1週間に3回の割合で患者に筋肉注射にて投与した。なお、粉末のインターフェロン(例えばシェリングプラウ社のイントロンなど)であっても、前述と同様の方法に従って生理食塩水と混和して適切な濃度に希釈することにより、本発明のインターフェロン製剤の調整に使用可能である。
【0031】
図3によると、100万単位のインターフェロン製剤を投与すると(1999年3月から)、ALT値は次第に減少し、30万単位の製剤投与(2000年10月から)及び10万単位の製剤投与(2001年2月から)でも低く保たれていた。インターフェロンαを100万単位以下に調整した製剤を患者に投与した場合、たとえ10万単位の製剤であっても、生体内において確実にインターフェロンの生理活性効果が発揮されることを示している。中でも10万単位〜30万単位に調製した製剤の使用が好ましく、薬剤費を勘案すれば10万単位の製剤が最も好ましいということがわかった。
【0032】
なお、本グラフにおいては、10万単位の製剤を5万単位の製剤に変えた際、ALT値の上昇が見られる。しかし、投与下限量については、患者の症状の程度や投与目的、病状によって異なる。従って、本グラフの例は一例に過ぎず、必ずしも5万単位の製剤投与が本発明の投与量の下限として定義されるものではない。本発明の目的からすれば、投与の効果が見られないか、患者の病状が悪化する限界の投与量をもって、毎回あたりの投与量の下限とすべきであり、そのようにインターフェロン製剤を調製すべきである。
【0033】
同様の理由により、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、100万単位〜300万単位の投与量に対しても、患者の症状などを考慮して、必要で有れば適宜選択できるものとすべきである。
【0034】
図4は、患者9人に対して、10万単位に調整したインターフェロンα製剤を、1週間に3回の割合で投与したときの2−5AS活性値の測定結果を示している。横軸のIFN(−)はインターフェロン(IFN)投与を開始する前、IFN(+)は投与中の測定を意味する。縦軸は,2−5AS活性値(pmol/dl)を示す。投与した患者のほとんどは、肝硬変末期あるいは肝炎が進行している方である。しかも、これらの患者の多くは、これまで種々の治療を行っても効果はなく、肝障害は進行中である。すなわち、治療効果の出にくい患者である。しかし、本発明のインターフェロン製剤の投与を始める前に、前治療を行った経験のない者も含んでいるが、何れも治療効果の出にくい状態にまで進展した患者ばかりである。治療内容については十分に説明を行い、患者の承諾を得てから投与を開始した。
【0035】
図4のデータが示すごとく、全例において、本発明のインターフェロン製剤投与前と比較すると、投与後全例において、血清中の2−5AS活性値の上昇が認められた。従って、10万単位インターフェロン製剤の投与は、これらの患者においても、その生理活性が発現しており、その効果があったことが確認された。
【0036】
図4については、1週間あたり3回の割合で投与を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。好ましい投与間隔は、1週間あたり1ないし4回であり、それ以下であっても、患者の病状や、投与量との関係で治療効果が出る場合は、本発明の射程範囲内である。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、患者を副作用から解放し、患者の肉体的負担の大幅削減に寄与する。本発明は、インターフェロンを使用する治療においてこれまで課題とされてきた副作用の出現を抑えることができ、かつインターフェロンの特徴である免疫増強作用を患者に誘起することができるという顕著な効果を有する。
【0038】
本発明は、インターフェロンの効果を有し、かつ安価な治療を患者に提供できる、非常に有用なものである。以前から、インターフェロンを使用する治療には費用がかかると指摘されている。これに対して、強力ネオミノファーゲンCという治療薬は安価であるが、作用の面では、ウィルス抑制作用や免疫増強作用を有するインターフェロンの方が優れている。インターフェロンの種類にもよるが、インターフェロン使用量を減らした本発明の製剤が健康保険適応されれば、ミノファーゲンと薬剤費の面で互角あるいはむしろ安価になる場合さえある。本発明は、有効な治療を提供するだけではなく、治療費の軽減による金銭的負担の大幅削減という効果を患者にもたらす。
【0039】
本発明によれば、継続投与によるC型慢性肝炎、肝硬変の進行と阻止のみならず、発癌抑制効果による肝癌の予防が期待できる。継続的なインターフェロンの投与は、発癌抑制効果があることが報告されている。本発明は、安価な上に、副作用が出現しないからこそ、長期投与が可能となるのである。
【0040】
このように本発明は、新たなインターフェロン製剤と、それを用いた投与システムを提示し、患者の金銭的・時間的・肉体的負担を大幅に削減することができ、よってその医学的貢献は非常に大きなものであると言えよう。インターフェロンが広範な治療分野で使用されている現状を鑑みると、その貢献は計り知れない。
【図面の簡単な説明】
【図1】体内でのインターフェロンの動きを説明するための図である。
【図2】インターフェロンレセプターと2−5ASが、インターフェロンαの濃度によってどのような影響を受けるかを示す図である。
【図3】本発明の各種インターフェロン製剤の効果を示す図である。
【図4】本発明の10万単位インターフェロン製剤の効果を示す図である。
【符号の説明】
1 インターフェロン
3 インターフェロンレセプタ
5 結合体
7 細胞
9 核

Claims (11)

  1. インターフェロン製剤の調製方法であって、
    細胞表面のインターフェロンレセプター数を検知する第1のステップと、
    細胞表面のインターフェロンレセプター数が存在する程度に応じて、インターフェロン投与単位を設定する第2のステップと
    を含む、インターフェロン製剤の調製方法。
  2. 前記第1のステップは、細胞内に誘導された2−5ASの量に関連する数値を測定して検知することを特徴とする、請求項1記載のインターフェロン製剤の調製方法。
  3. 一回あたりのインターフェロンの投与量が300万単位未満の投与量になるように調製したインターフェロン製剤。
  4. インターフェロンの投与量が所期の効果が生じる量以上であることを特徴とした、請求項3記載のインターフェロン製剤。
  5. 細胞表面のインターフェロンレセプター数を検知し、細胞表面のインターフェロンレセプター数が存在する程度に応じて、インターフェロンの投与単位を設定したインターフェロン製剤を投与する、インターフェロン製剤の投与システム。
  6. 前記インターフェロンレセプター数の検知は、細胞内に誘導された2−5ASの量に関連する数値を測定して検知することを特徴とする、請求項5記載のインターフェロン製剤の投与システム。
  7. 一回あたりのインターフェロンの投与量が300万単位未満になるように前記投与単位を設定した、請求項5記載のインターフェロン製剤の投与システム。
  8. 前記インターフェロン製剤を1週間に2回以上投与する、請求項5ないし7のインターフェロン製剤の投与システム。
  9. 前記インターフェロン製剤を毎日投与しないことを特徴とする、請求項8のインターフェロン製剤の投与システム。
  10. インターフェロンαまたはインターフェロンβを使用する、請求項5ないし9のいずれか1項に記載のインターフェロン製剤の投与システム。
  11. C型慢性疾患の治療に使用する、請求項10記載のインターフェロン製剤の投与システム。
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