JP2004142650A - 車両のバンパ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアダム部材の強度性能、エネルギ吸収性能等を低下させることなく、エアダム部材の薄肉化を図って重量を低減する。
【解決手段】バンパ本体3の下側に配設されるエアダム部材4を備えた車両のバンパ構造において、エアダム部材4を、表面側に配される樹脂部材5と、この樹脂部材の内側に配される強度部材6とにより構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】バンパ本体3の下側に配設されるエアダム部材4を備えた車両のバンパ構造において、エアダム部材4を、表面側に配される樹脂部材5と、この樹脂部材の内側に配される強度部材6とにより構成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前端側又は後端側に配され、エアダム部材を有するバンパ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車車両には、車両の前端側と後端側とにバンパが備えられる。この車両のバンパ支持構造として、略左右に延び車体側に取り付けられる金属製のバンパビームと、このバンパビームを覆う樹脂製のバンパ本体と、このバンパ本体の下側に配されるエアダム部材(フロントスポイラ)とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このエアダム部材は、単一の樹脂材料から形成され、バンパ本体に係止するとともに、エンジンアンダーカバーに締結されている。車両の衝突時には、バンパ本体等とともにこのエアダム部材によりエネルギ吸収が図られる。エアダム部材は、車体全体の剛性に直接的に寄与する部材でないし、歩行者との接触も考えられるので、比較的脆弱な樹脂材料により形成される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−146140号公報(第4頁左欄39行〜右欄44行、第5図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記車両のバンパ構造では、前述のように、表皮部分と内部部分とに亘って比較的脆弱な単一の樹脂材料で形成されている。このように脆弱な樹脂材料で形成されるエアダム部材を薄肉とすると、十分な強度性能、エネルギ吸収性能が発揮されなくなり、バンパ全体として所定の強度性能、エネルギ吸収性能等を維持することができない。従って、エアダム部材の薄肉化を図って、重量を低減することが困難であった。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エアダム部材の強度性能、エネルギ吸収性能等を低下させることなく、エアダム部材の薄肉化を図って、重量を低減することのできる車両のバンパ構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、略左右に延び車体側に取り付けられるバンパビームと、前記バンパビームを覆うバンパ本体と、前記バンパ本体の下側に配設されるエアダム部材とを備えた車両のバンパ構造において、前記エアダム部材は、表面側に配される樹脂部材と、この樹脂部材の内側に配される強度部材と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、車両の前面又は後面の衝突に際し、バンパ本体、エアダム部材等が変形してエネルギが吸収される。ここで、エアダム部材は、表面側の樹脂部材の他に内側に強度部材を有するので、内側が表面と連続的に樹脂部材により形成されるものに比べ、効率よく衝突時の荷重を受けるとともに、効率よくエネルギが吸収される。
【0009】
従って、従来のエアダム部材と同等の強度性能、エネルギ吸収性能を維持しつつ、エアダム部材の薄肉化を図ることができ、重量の低減を図ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両のバンパ構造において、前記強度部材は金属製であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、強度部材が金属製であるので、内側が表面と連続的に樹脂材料により形成されるものに比べ、エアダム部材の剛性・強度が格段に向上する。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の車両のバンパ構造において、前記エアダム部材の下部に樹脂製のリップ部材を連続的に形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の作用に加え、リップ部材をエアダム部材と連続的に形成することにより、部品点数を低減して製造コストの低減を図ることができる。また、強度部材により剛性が向上したエアダム部材にリップ部材を形成することで、リップ部材が地面と接触した際に必要な強度を確保することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両のバンパ構造において、前記エアダム部材を、車体のクロスメンバに固定したことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項の作用に加え、エアダム部材が車体のクロスメンバに固定されるので、衝突時にエアダム部材に加わる負荷を車体側へ伝達することができる。また、エアダム部材が車体側に直接支持されるので、エアダム部材の剛性が向上する。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両のバンパ構造において、前記エアダム部材を、車両の左右方向に略同一の断面で延びるように形成したことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項の作用に加え、エアダム部材が左右に亘って略同一の断面であるので、エアダム部材の成形が容易である。また、エアダム部材は左右に亘って均一な強度を有するので、エアダム部材に荷重が加わった際の応力集中を回避することができ、衝突時等のエアダム部材の変形を抑制することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の車両のバンパ構造において、前記エアダム部材の前記樹脂部材及び前記強度部材を、押し出し成形品により構成したことを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、樹脂部材及び強度部材を押し出し成形品により構成することで、左右に亘って断面が略同一のエアダム部材を簡単且つ確実に得ることができる。また、例えばエアダム部材を射出成形により形成するものに比べ、製造コストを格段に低減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明の一実施形態を示すもので、図1は自動車車両の外観斜視図、図2は車両のバンパ構造の側面断面図である。
【0021】
この車両のバンパ構造は、図1に示すように自動車車両1の前端のものであって、図2に示すように、略左右に延び車体側に取り付けられる金属製のバンパビーム2と、このバンパビーム2を覆う樹脂製のバンパ本体3と、このバンパ本体3の下側に配設されるエアダム部材4とを備えている。
【0022】
図2に示すように、バンパビーム2は、略四角筒状に形成され、左右両端を開口している。また、バンパ本体3は、バンパビーム1の前方に配されるエネルギ吸収フォーム3aと、車両の外殻をなすバンパ表皮3bとを有している。
【0023】
エアダム部材4は、図2に示すように、表面側に配される樹脂部材5と、この樹脂部材5の内側に配される強度部材6とを有している。すなわち、本実施形態においては、エアダム部材4は、樹脂部材5、強度部材6、樹脂部材5の順に積層した3層構造となっている。樹脂部材5は、例えば、エチレンプロピレンゴムのようなゴム材、ポリプロピレンのようなプラスチック材等から形成され、エアダム部材4の表皮をなす。また、強度部材6は、例えば、アルミニウムのような金属材等から形成され、樹脂部材5に比して高い強度を有し、エアダム部材4の骨格部分をなす。
【0024】
エアダム部材4は、図2に示すように、後方を開口した略コ字状に形成される。エアダム部材4の下面後側は、車体のラジエータロアフレーム7の下部に接続される。また、エアダム部材4の上面後側は屈曲して上方へ延び、この上方に延びる部分がラジエータロアフレーム7の前部に接続される。本実施形態においては、クロスメンバとしてのラジエータロアフレーム7は左右に延びる略四角筒状に形成され、エアダム部材4はその前面及び下面にボルト8及びナット9により固定される。
【0025】
また、図2に示すように、エアダム部材4の下部には、リップ部材10が連続的に形成される。本実施形態においては、リップ部材10は、エアダム部材4の樹脂部材5と同じ材料により形成される。リップ部材10は、エアダム部材4の下面前端から略下方に延びる。このリップ部材10により、図1に示すように車両1が地面と近接して見えて特有の外観意匠性が発揮されるし、障害物等の車両1下部への進入が抑制される。尚、リップ部材10は、単一の樹脂材料により形成され、内部に強度部材6を有するエアダム部材4に比べて剛性、強度が低くなっている。
【0026】
ここで、エアダム部材4及びリップ部材10は、樹脂及び金属の一体的な押し出し成形品により構成される。この樹脂及び金属の一体的な押し出し成形については、従来公知であるので、ここでは詳述しない。一般には、金属を押し出し成形により形成した後、連続的に樹脂の押し出し成形を行って、一体的な成形品を生成する。
【0027】
以上のように構成された車両のバンパ構造においては、車両1の前面の衝突に際し、バンパ本体3、エアダム部材4等が変形してエネルギが吸収される。ここで、エアダム部材4は、表面側の樹脂部材5の他に内側に強度部材6を有するので、内側が表面と連続的に樹脂部材により形成されるものに比べ、効率よく衝突時の荷重を受けるとともに、効率よくエネルギが吸収される。
【0028】
このように、本実施形態の車両のバンパ構造によれば、エアダム部材4の内部に強度部材6を配したので、従来のエアダム部材と同等の強度性能、エネルギ吸収性能を維持しつつ、エアダム部材4の薄肉化を図ることができ、重量の低減を図ることができる。
【0029】
また、本実施形態においては、強度部材6が金属製であるので、内側が表面と連続的に樹脂材料により形成されるものに比べ、エアダム部材4の剛性・強度が格段に向上しており、より効果的にエネルギの吸収が図られる。
【0030】
また、エアダム部材4が左右に亘って略同一の断面であるので、エアダム部材4の成形が容易であるのは勿論のこと、エアダム部材4は左右に亘って均一な強度を有するので、エアダム部材4に荷重が加わった際の応力集中を回避することができ、衝突時等のエアダム部材4の変形を抑制することができる。
【0031】
また、エアダム部材4が車体のラジエータロアフレーム7に固定されるので、衝突時にエアダム部材4に加わる負荷を車体側へ伝達することができる。本実施形態においては、エアダム部材4がラジエータロアフレーム7の前方に配されているので、前面の衝突時に、障害物とラジエータロアフレーム7によりエアダム部材4が挟まれ、エアダム部材4が確実に圧潰する。これによっても、衝突時の効果的なエネルギ吸収が図られる。また、エアダム部材4が車体側に直接支持されるので、エアダム部材4の剛性が向上する。
【0032】
さらに、車両1が歩行者と衝突した際に、エアダム部材4の樹脂部材5により歩行者の下肢を弾性的に受けとめつつ、強度部材6により下肢を上方へ払うことができる。従って、歩行者の下肢に与える衝撃を樹脂部材5により緩和しつつ、強度部材6により車両下部への巻き込みを防止することができる。
【0033】
また、リップ部材10をエアダム部材4と連続的に形成することにより、部品点数を低減して製造コストの低減を図ることができる。また、強度部材6により剛性が向上したエアダム部材4にリップ部材10を形成することで、リップ部材10が地面と接触した際に必要な強度を確保することができる。
【0034】
また、樹脂部材5及び強度部材6を押し出し成形品により構成することで、左右に亘って断面が略同一のエアダム部材4を簡単且つ確実に得ることができる。
また、例えばエアダム部材を射出成形により形成するものに比べ、製造コストを格段に低減することができる。
【0035】
尚、前記実施形態においては、車両前端側のバンパ構造に本発明を適用したものを示したが、車両用後端側のバンパ支持構造に本発明を適用してもよいことは勿論である。この場合、車両の後面衝突における強度性能、エネルギ吸収性能等が確保されることとなる。
【0036】
また、前記実施形態においては、強度部材6が金属製のものを示したが、強度部材は、例えば、エアダム部材の樹脂部分に比して強度が高い樹脂等であってもよい。
【0037】
また、前記実施形態においては、エアダム部材4を車体側に接続したものを示したが、エアダム部材を車体側に接続せずともよいし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車両のバンパ構造によれば、従来のエアダム部材と同等の強度性能、エネルギ吸収性能を維持しつつ、エアダム部材の薄肉化を図ることができ、重量の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、自動車車両の外観斜視図である。
【図2】車両のバンパ構造の側面断面図である。
【符号の説明】
1 自動車車両
2 バンパビーム
3 バンパ本体
4 エアダム部材
5 樹脂部材
6 強度部材
7 ラジエータロアフレーム
10 リップ部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前端側又は後端側に配され、エアダム部材を有するバンパ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車車両には、車両の前端側と後端側とにバンパが備えられる。この車両のバンパ支持構造として、略左右に延び車体側に取り付けられる金属製のバンパビームと、このバンパビームを覆う樹脂製のバンパ本体と、このバンパ本体の下側に配されるエアダム部材(フロントスポイラ)とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このエアダム部材は、単一の樹脂材料から形成され、バンパ本体に係止するとともに、エンジンアンダーカバーに締結されている。車両の衝突時には、バンパ本体等とともにこのエアダム部材によりエネルギ吸収が図られる。エアダム部材は、車体全体の剛性に直接的に寄与する部材でないし、歩行者との接触も考えられるので、比較的脆弱な樹脂材料により形成される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−146140号公報(第4頁左欄39行〜右欄44行、第5図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記車両のバンパ構造では、前述のように、表皮部分と内部部分とに亘って比較的脆弱な単一の樹脂材料で形成されている。このように脆弱な樹脂材料で形成されるエアダム部材を薄肉とすると、十分な強度性能、エネルギ吸収性能が発揮されなくなり、バンパ全体として所定の強度性能、エネルギ吸収性能等を維持することができない。従って、エアダム部材の薄肉化を図って、重量を低減することが困難であった。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エアダム部材の強度性能、エネルギ吸収性能等を低下させることなく、エアダム部材の薄肉化を図って、重量を低減することのできる車両のバンパ構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、略左右に延び車体側に取り付けられるバンパビームと、前記バンパビームを覆うバンパ本体と、前記バンパ本体の下側に配設されるエアダム部材とを備えた車両のバンパ構造において、前記エアダム部材は、表面側に配される樹脂部材と、この樹脂部材の内側に配される強度部材と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、車両の前面又は後面の衝突に際し、バンパ本体、エアダム部材等が変形してエネルギが吸収される。ここで、エアダム部材は、表面側の樹脂部材の他に内側に強度部材を有するので、内側が表面と連続的に樹脂部材により形成されるものに比べ、効率よく衝突時の荷重を受けるとともに、効率よくエネルギが吸収される。
【0009】
従って、従来のエアダム部材と同等の強度性能、エネルギ吸収性能を維持しつつ、エアダム部材の薄肉化を図ることができ、重量の低減を図ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両のバンパ構造において、前記強度部材は金属製であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、強度部材が金属製であるので、内側が表面と連続的に樹脂材料により形成されるものに比べ、エアダム部材の剛性・強度が格段に向上する。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の車両のバンパ構造において、前記エアダム部材の下部に樹脂製のリップ部材を連続的に形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の作用に加え、リップ部材をエアダム部材と連続的に形成することにより、部品点数を低減して製造コストの低減を図ることができる。また、強度部材により剛性が向上したエアダム部材にリップ部材を形成することで、リップ部材が地面と接触した際に必要な強度を確保することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両のバンパ構造において、前記エアダム部材を、車体のクロスメンバに固定したことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項の作用に加え、エアダム部材が車体のクロスメンバに固定されるので、衝突時にエアダム部材に加わる負荷を車体側へ伝達することができる。また、エアダム部材が車体側に直接支持されるので、エアダム部材の剛性が向上する。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両のバンパ構造において、前記エアダム部材を、車両の左右方向に略同一の断面で延びるように形成したことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項の作用に加え、エアダム部材が左右に亘って略同一の断面であるので、エアダム部材の成形が容易である。また、エアダム部材は左右に亘って均一な強度を有するので、エアダム部材に荷重が加わった際の応力集中を回避することができ、衝突時等のエアダム部材の変形を抑制することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の車両のバンパ構造において、前記エアダム部材の前記樹脂部材及び前記強度部材を、押し出し成形品により構成したことを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、樹脂部材及び強度部材を押し出し成形品により構成することで、左右に亘って断面が略同一のエアダム部材を簡単且つ確実に得ることができる。また、例えばエアダム部材を射出成形により形成するものに比べ、製造コストを格段に低減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明の一実施形態を示すもので、図1は自動車車両の外観斜視図、図2は車両のバンパ構造の側面断面図である。
【0021】
この車両のバンパ構造は、図1に示すように自動車車両1の前端のものであって、図2に示すように、略左右に延び車体側に取り付けられる金属製のバンパビーム2と、このバンパビーム2を覆う樹脂製のバンパ本体3と、このバンパ本体3の下側に配設されるエアダム部材4とを備えている。
【0022】
図2に示すように、バンパビーム2は、略四角筒状に形成され、左右両端を開口している。また、バンパ本体3は、バンパビーム1の前方に配されるエネルギ吸収フォーム3aと、車両の外殻をなすバンパ表皮3bとを有している。
【0023】
エアダム部材4は、図2に示すように、表面側に配される樹脂部材5と、この樹脂部材5の内側に配される強度部材6とを有している。すなわち、本実施形態においては、エアダム部材4は、樹脂部材5、強度部材6、樹脂部材5の順に積層した3層構造となっている。樹脂部材5は、例えば、エチレンプロピレンゴムのようなゴム材、ポリプロピレンのようなプラスチック材等から形成され、エアダム部材4の表皮をなす。また、強度部材6は、例えば、アルミニウムのような金属材等から形成され、樹脂部材5に比して高い強度を有し、エアダム部材4の骨格部分をなす。
【0024】
エアダム部材4は、図2に示すように、後方を開口した略コ字状に形成される。エアダム部材4の下面後側は、車体のラジエータロアフレーム7の下部に接続される。また、エアダム部材4の上面後側は屈曲して上方へ延び、この上方に延びる部分がラジエータロアフレーム7の前部に接続される。本実施形態においては、クロスメンバとしてのラジエータロアフレーム7は左右に延びる略四角筒状に形成され、エアダム部材4はその前面及び下面にボルト8及びナット9により固定される。
【0025】
また、図2に示すように、エアダム部材4の下部には、リップ部材10が連続的に形成される。本実施形態においては、リップ部材10は、エアダム部材4の樹脂部材5と同じ材料により形成される。リップ部材10は、エアダム部材4の下面前端から略下方に延びる。このリップ部材10により、図1に示すように車両1が地面と近接して見えて特有の外観意匠性が発揮されるし、障害物等の車両1下部への進入が抑制される。尚、リップ部材10は、単一の樹脂材料により形成され、内部に強度部材6を有するエアダム部材4に比べて剛性、強度が低くなっている。
【0026】
ここで、エアダム部材4及びリップ部材10は、樹脂及び金属の一体的な押し出し成形品により構成される。この樹脂及び金属の一体的な押し出し成形については、従来公知であるので、ここでは詳述しない。一般には、金属を押し出し成形により形成した後、連続的に樹脂の押し出し成形を行って、一体的な成形品を生成する。
【0027】
以上のように構成された車両のバンパ構造においては、車両1の前面の衝突に際し、バンパ本体3、エアダム部材4等が変形してエネルギが吸収される。ここで、エアダム部材4は、表面側の樹脂部材5の他に内側に強度部材6を有するので、内側が表面と連続的に樹脂部材により形成されるものに比べ、効率よく衝突時の荷重を受けるとともに、効率よくエネルギが吸収される。
【0028】
このように、本実施形態の車両のバンパ構造によれば、エアダム部材4の内部に強度部材6を配したので、従来のエアダム部材と同等の強度性能、エネルギ吸収性能を維持しつつ、エアダム部材4の薄肉化を図ることができ、重量の低減を図ることができる。
【0029】
また、本実施形態においては、強度部材6が金属製であるので、内側が表面と連続的に樹脂材料により形成されるものに比べ、エアダム部材4の剛性・強度が格段に向上しており、より効果的にエネルギの吸収が図られる。
【0030】
また、エアダム部材4が左右に亘って略同一の断面であるので、エアダム部材4の成形が容易であるのは勿論のこと、エアダム部材4は左右に亘って均一な強度を有するので、エアダム部材4に荷重が加わった際の応力集中を回避することができ、衝突時等のエアダム部材4の変形を抑制することができる。
【0031】
また、エアダム部材4が車体のラジエータロアフレーム7に固定されるので、衝突時にエアダム部材4に加わる負荷を車体側へ伝達することができる。本実施形態においては、エアダム部材4がラジエータロアフレーム7の前方に配されているので、前面の衝突時に、障害物とラジエータロアフレーム7によりエアダム部材4が挟まれ、エアダム部材4が確実に圧潰する。これによっても、衝突時の効果的なエネルギ吸収が図られる。また、エアダム部材4が車体側に直接支持されるので、エアダム部材4の剛性が向上する。
【0032】
さらに、車両1が歩行者と衝突した際に、エアダム部材4の樹脂部材5により歩行者の下肢を弾性的に受けとめつつ、強度部材6により下肢を上方へ払うことができる。従って、歩行者の下肢に与える衝撃を樹脂部材5により緩和しつつ、強度部材6により車両下部への巻き込みを防止することができる。
【0033】
また、リップ部材10をエアダム部材4と連続的に形成することにより、部品点数を低減して製造コストの低減を図ることができる。また、強度部材6により剛性が向上したエアダム部材4にリップ部材10を形成することで、リップ部材10が地面と接触した際に必要な強度を確保することができる。
【0034】
また、樹脂部材5及び強度部材6を押し出し成形品により構成することで、左右に亘って断面が略同一のエアダム部材4を簡単且つ確実に得ることができる。
また、例えばエアダム部材を射出成形により形成するものに比べ、製造コストを格段に低減することができる。
【0035】
尚、前記実施形態においては、車両前端側のバンパ構造に本発明を適用したものを示したが、車両用後端側のバンパ支持構造に本発明を適用してもよいことは勿論である。この場合、車両の後面衝突における強度性能、エネルギ吸収性能等が確保されることとなる。
【0036】
また、前記実施形態においては、強度部材6が金属製のものを示したが、強度部材は、例えば、エアダム部材の樹脂部分に比して強度が高い樹脂等であってもよい。
【0037】
また、前記実施形態においては、エアダム部材4を車体側に接続したものを示したが、エアダム部材を車体側に接続せずともよいし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車両のバンパ構造によれば、従来のエアダム部材と同等の強度性能、エネルギ吸収性能を維持しつつ、エアダム部材の薄肉化を図ることができ、重量の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、自動車車両の外観斜視図である。
【図2】車両のバンパ構造の側面断面図である。
【符号の説明】
1 自動車車両
2 バンパビーム
3 バンパ本体
4 エアダム部材
5 樹脂部材
6 強度部材
7 ラジエータロアフレーム
10 リップ部材
Claims (6)
- 略左右に延び車体側に取り付けられるバンパビームと、前記バンパビームを覆うバンパ本体と、前記バンパ本体の下側に配設されるエアダム部材とを備えた車両のバンパ構造において、
前記エアダム部材は、表面側に配される樹脂部材と、この樹脂部材の内側に配される強度部材と、を有することを特徴とする車両のバンパ構造。 - 前記強度部材は金属製であることを特徴とする請求項1に記載の車両のバンパ構造。
- 前記エアダム部材の下部に樹脂製のリップ部材を連続的に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のバンパ構造。
- 前記エアダム部材を、車体のクロスメンバに固定したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両のバンパ構造。
- 前記エアダム部材を、車両の左右方向に略同一の断面で延びるように形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両のバンパ構造。
- 前記エアダム部材の前記樹脂部材及び前記強度部材を、押し出し成形品により構成したことを特徴とする請求項5に記載の車両のバンパ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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2002
- 2002-10-25 JP JP2002311200A patent/JP2004142650A/ja active Pending
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