JP2004141953A - 加工機の加工計画方法及び装置 - Google Patents

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Takuya Nishimura
西村 卓也
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Abstract

【課題】2軸加工機の重複エリア穴配分処理を簡単にし、エネルギ分割機においては、ダンパ移動を最小とする加工手段を提供する。
【解決手段】複数の加工手段を用いて加工する際の加工計画方法であって、各加工手段の加工領域における加工エリア重複部の加工位置を、総ショット数が最小となるように各加工エリアに分配する。更に、加工手段の加工領域における重複部の加工位置を、同時加工エリアの加工位置数が均一となるように、各加工エリアに分配する。
【選択図】   図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工機の加工計画方法及び装置に係り、特に、XYステージのような広範囲低速位置決め手段と、ガルバノスキャナのような狭範囲高速位置決め手段を用いて位置決めされるワークに散在する複数の加工位置を、複数の加工手段を用いて加工する際に用いるのに好適な、複数の加工エリアに重複部がある場合に、該重複部の加工位置を、いずれかの加工エリアに、ショット数最少且つダンパ移動回数最少となるように配分することが可能なレーザ加工機の加工計画方法、装置、該加工計画方法、装置を用いた加工方法、装置、これらを実施したり、実現するためのコンピュータプログラム、該コンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のプリント配線基板の小型化や高性能化に伴なって小型化した、直径0.1mm以下のスルーホールやビアホールを精度良く形成するために、パルス発振型のレーザビームを用いて、小径の穴を形成するレーザ穴開け機が実用化されている。
【0003】
このレーザ穴開け機においては、一般に、作業能率を高めるため、複数の加工ヘッドで同時にプリント配線基板に穴を開けることが行なわれており、その際、レーザ発振器を共通化して、装置の小型化及びコストダウンを図るようにされている。
【0004】
そのため、図1に示す如く、レーザ発振器10から得られるレーザ光11を、例えばハーフミラー(エネルギ分割の場合)又は電気光学素子(EOM)と偏光ビームスプリッタ(ポラライザ)の組合せ(時分割の場合)でなる分割素子14により、2分岐することが考えられている。
【0005】
前記分割素子14により分岐されたレーザ光15、17は、直接又はミラー16で方向を変えて、それぞれ、第1軸(Z1軸と称する)加工用のガルバノスキャナ(以下Z1ガルバノと称する)18を含む第1の加工ヘッドと、第2軸(Z2軸と称する)加工用のガルバノスキャナ(以下Z2ガルバノと称する)20を含む第2の加工ヘッドに供給される。レーザ光15、17は、挟範囲内で高速位置決めが可能な前記ガルバノ18、20にそれぞれ含まれる例えば2枚のガルバノミラー26、28(図2参照)により、加工対象物(ワークと称する)8上の加工位置に対応して、例えば紙面に垂直なX軸方向及び紙面と平行なY軸方向に走査され、fθレンズ22、24を介して、ワーク8の表面に当てられて、該ワーク8を加工する。図において、6は、ワーク8を広範囲にわたって低速で位置決めするためのXYステージである。
【0006】
前記ガルバノ18、20には、それぞれ、図2に詳細に示す如く、分割素子14により分岐されたレーザ光15、17を紙面に垂直なX軸方向に走査するための第1ガルバノミラー26と、該第1ガルバノミラー26によりX軸方向に走査されたビームを、X軸方向と直交する、紙面に平行なY軸方向に走査して、fθレンズ22、24に入射するための第2ガルバノミラー28が備えられている。図2において、27、29は、それぞれガルバノミラー26、28を回転するためのモータである。
【0007】
このように、2台以上の複数の加工ヘッドを用いて加工を行なうレーザ穴開け機において、被加工物である基板の穴配置は、用途により様々なものがある。中には、穴の全く無い箇所と、万遍なく散布している箇所の両方が同居するような基板もある。穴の全く無い箇所は、加工において、ビーム照射領域に入るようにステージ6を動かす必要はない。
【0008】
このような状況に鑑みて、出願人は、特願2001−331550、特願2002−26189、特願2002−10460において、加工を行なうときの加工エリア配置方法を提案している。ここで、加工エリアは、被加工物上に配置された領域であれば、特にその形状を限定しないが、典型例としては、エリア毎にステージを止め、スキャナのみを動かしてレーザを走査するステップアンドリピート方式では正方形もしくは辺の長さのほぼ等しい長方形、ステージを動かしたままスキャナを動かしてレーザを走査する協調制御ではステージ移動方向に延びた長方形が挙げられる。
【0009】
このような加工エリアを配置する際に、エリア配置の方法によっては、エリア同士が重複してしまうことがある。例えば、特願2001−331550の方法の他に、特許文献1、特許文献2(辺の一致を重複と考える)による方法等では、重複する。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−343260号公報
【特許文献2】
特許第30077539号公報
【0011】
前記のような2軸加工機のエリア配置で、エリアが重複するような場合、重複エリアの穴数の配分により、加工時間が短縮できることがある。出願人は、既に特願2001−331550の[0134]段〜[0142]段に、このような状況における解決方法を提案している。
【0012】
具体的には、図3に示す如く、左ガルバノユニット(Z1ガルバノ)18による加工を行なう領域にあるエリアE1と、右ガルバノユニット(Z2ガルバノ)20による加工を行なう領域にあるエリアE2とが、同時加工エリアEで、同じくエリアF1とエリアF2とが、同時加工エリアFで、E1とF1、及び、E2とF2とが重複領域W1、W2を持つ場合、W1、W2に存在する穴は、Eを加工する際、Fを加工する際のどちらでも加工可能である。
【0013】
ここで、加工位置数の配分の目的は、既に特願2001−331550に記載したように、ショット数低減にある。即ち、配分の結果、E1、E2、F1、F2内の加工位置数が、それぞれE1´、E2´、F1´、F2´となった場合に、ショット数は、次式で表わすことができる。
【0014】
max(E1´,E2´)+max(F1´,F2´)  …(1)
ここで、max(a,b)は、a、bのうち、大きい方を表わす。
【0015】
この(1)式が最小となるような配分をすれば、ショット数が減り、スキャナ走査回数も減る。
【0016】
特願2001−331550では、次の3つの工程からなる処理で配分をすることを提案している。ここで、記号e1、e2、f1、f2、w1、w2は、それぞれ順に、E1、E2、F1、F2、W1、W2に単独に属する穴の数を表わす。即ち、h1=e1+f1+w1は、エリアE1又はF1に存在する穴数である。
【0017】
(1)差(|e1−e2|,|f1−f2|)の大きい方のエリアに、W1又はW2から同一数になるまで可能な限り配分
(2)差(|e1−e2|,|f1−f2|)の小さい方のエリアに、W1又はW2から同一数になるまで可能な限り配分
(3)W1(W2)に残った穴を、E1(E2)とF1(F2)に均等に配分。
【0018】
図4に例を示す。この配分方法により、(1)式が最小になるようにすることが可能である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法は、エネルギ分割方式で加工位置数が同一でないエリアを同時加工する際には、穴数の少ないガルバノ領域の照射位置は、ダンパと呼ばれるビームの捨て位置へ一度回避する必要が生じる。この移動は、ガルバノ走査によってなされるものではあるが、遠い位置にあるため、避けたいが、この点が考慮されていない。例えば図4の例1においては、エリアEの穴数が185、150と不均衡なため、151ショット目にダンパ移動が生じてしまう。又、解を求めるためのステップ数が多い。
【0020】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、複数軸加工機の重複エリア穴配分処理を簡単に行なえるようにすることを第1の課題とする。
【0021】
又、エネルギ分割式の複数軸加工機においては、同時加工エリアの加工位置数を均等にすることにより、ダンパ移動を最小とすることを第2の課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、広範囲低速位置決め手段と狭範囲高速位置決め手段を用いて位置決めされるワークに散在する複数の加工位置を、複数の加工手段を用いて加工する際の加工計画方法であって、各加工手段の加工領域における加工エリア重複部の加工位置を、総ショット数が最小となるように各加工エリアに分配するようにして、前記第1の課題を解決したものである。
【0023】
更に、前記加工手段の加工領域における重複部の加工位置を、同時加工エリアの加工位置数が均一となるように、各加工エリアに分配するようにして、前記第2の課題を解決したものである。
【0024】
又、2個の加工手段の各加工領域i(1≦i≦2)において2つの加工エリアEi、Fiが重複していて、Ei、Fiに単独に所属する加工位置数がei、fiで、Ei、Fiの重複部に属する加工位置数がwiであるとき、まず、hi=ei+wi+fi(i=1,2)を計算した結果、h1<h2ならば添え字1,2を交換し、次いでwie、wif(1≦i≦2)を、wiからei、fiに分配する加工位置数とすると、w1e−w2e平面において、直線A:w2e=w1e+e1−e2、又は直線B:w2e=w1e−(f1−f2+w1−w2)]が、領域C:[0,0]×[w1,w2]と交差するならば、その交差点又はその間の点の1点を解(w1e,w2e)とし、直線A、Bに挟まれる領域に領域Cが含まれるならば、領域Cの任意の点を解とし、直線A、Bに挟まれる領域の外部に領域Cがあるならば、直線A又はBに最も近い領域Cの点を解とするようにしたものである。
【0025】
又、前記直線A又はBに最も近い領域Cの点を、該直線A又はB上の点としたものである。
【0026】
又、n個の加工手段の各加工領域iにおいて2つの加工エリアEi、Fi(1≦i≦n)が重複していて、Ei、Fiに単独に所属する加工位置数がei、fiで、Ei、Fiの重複部に属する加工位置数がwiであるとき、まず、hi=ei+wi+fi(i=1〜n)を計算し、h1≧hi(2≦i≦n)となるように添え字を入れ替え、次いでwie、wif(1≦i≦n)を、wiからei、fiに分配する加工位置数とすると、n次元のw1e−…−wne空間において、平面wine:wne=wie+ei−en及び平面winfw:wne=wie−(fi−fn+wi−wn)(1≦i≦n)に対し、n次元のw1e−…−wne空間において、平面wine:wne=wie+(ei−en)及び平面winfw:wne=wie−(fi−fn+wi−wn)(1≦i≦n)に対し、平面wineと平面winfwに挟まれる領域Riの1≦i≦n全ての重なり領域Rについて、平面wineと平面winfwに挟まれる帯状の領域Riの1≦i≦n全ての重なり領域Rについて、n次元箱型範囲C:[0,…,0]×[w1,…,wn]と領域Rの境界面が交差するならば、領域Rの境界面上の点で範囲C内の任意の点を解とし、領域Rに範囲Cが含まれるならば、範囲C内の任意の点を解とし、領域Rの外部に範囲Cがあるならば、領域Rの境界上の点で範囲Cに最も近い点を解とするようにしたものである。
【0027】
本発明は、又、前記の加工計画方法により決定された加工を行なうことを特徴とする加工方法を提供するものである。
【0028】
又、前記の加工計画方法又は加工方法を実施するためのコンピュータプログラムを提供するものである。
【0029】
本発明は、又、広範囲低速位置決め手段と狭範囲高速位置決め手段を用いて位置決めされるワークに散在する複数の加工位置を、複数の加工手段を用いて加工する際の加工計画装置であって、各加工手段の加工領域における加工エリア重複部の加工位置を、総ショット数が最小となるように各加工エリアに分配する手段を備えることにより、前記第1の課題を解決したものである。
【0030】
又、広範囲低速位置決め手段と狭範囲高速位置決め手段を用いて位置決めされるワークに散在する複数の加工位置を、複数の加工手段を用いて加工する際の加工計画装置であって、各加工手段の加工領域における加工エリア重複部の加工位置を、総ショット数が最小、且つ、同時加工エリアの加工位置数が均一となるように、各加工エリアに分配する手段を備えることにより、前記第2の課題を解決したものである。
【0031】
本発明は、又、前記の加工計画装置を含むことを特徴とする加工装置を提供するものである。
【0032】
又、前記の加工計画装置又は加工装置を実現するためのコンピュータプログラムを提供するものである。
【0033】
又、前記のコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読取り可能な記録媒体を提供するものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、XYステージとガルバノスキャナを備えたレーザ穴開け機により穴を開ける場合に適用した、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0035】
本実施形態は、図5に示す如く、レーザ穴開け機30と、例えばハードディスクやフレキシブルディスク等の外部メモリに記憶された、前記レーザ穴開け機30が加工を行なうための加工データファイル群42、該加工データファイル群42を変換する加工データ変換プログラム(Prg)44、例えば内部メモリに記憶された加工データ46、例えば外部メモリに記録された動作モデルファイル48、該動作モデルファイル48を読み込むための動作も出るファイル読込みプログラム(Prg)50、例えば内部メモリに記憶された動作モデルデータ52、本発明に係る加工計画プログラム(Prg)54、前記レーザ穴開け機30を制御する加工制御プログラム(Prg)56を含む、前記レーザ穴開け機30と通信可能なパソコン(PC)40とを備えている。
【0036】
なお、図5では、加工を制御する加工制御プログラム56と、加工を計画する加工計画プログラム54が、同じPC40内に収まっており、加工計画がオンラインで処理されるが、これらは別個でもよい。即ち、加工計画プログラム54は、オフラインで実行可能である。
【0037】
前記レーザ穴開け機30は、図1に示したように、レーザ発振器10が1つの2軸加工機とされている。なお、後述するが、本発明の適用対象の軸数は2に限定されず、複数であれば適用可能である。
【0038】
以下、レーザ穴開け機のオンライン形態の場合について説明する。なお、オフラインでも作用は同じである。
【0039】
本実施形態において、PC40と通信可能なレーザ穴開け機30は、加工データ46に従って、加工制御プログラム56により制御され、加工を行なう。加工データ46は、通常、ハードディスクやフレキシブルディスク等の外部メモリにある加工データファイル群42を、加工データ変換プログラム44で変換することにより得られる。加工データ46は、レーザ穴開け機30を効率良く動かすために、加工計画プログラム54により更新される。この加工計画プログラム54は、内部機器(ガルバノスキャナ及びXYステージ)の動作をモデル化した動作モデル52を用いる。この動作モデル52は、通常、内部メモリに常駐していないので、外部メモリにある動作モデルファイル48を、動作モデルファイル読込みプログラム50を用いて読み込むことにより得る。
【0040】
前記レーザ穴開け機30は、前記加工データファイル群42の内容に従って動作する。加工開始命令の後、レーザ穴開け機30の動作を制御するのは、前記加工制御プログラム56である。即ち、当事者は、加工に際して加工データファイル群42を用意し、加工制御プログラム56に加工開始命令を与えて、レーザ穴開け機30を動作させる。
【0041】
前記加工データファイル群42の内容は、構成機器(ガルバノスキャナ及びXYステージ)の動作順序が最適でないようなことも有り得る。従って、前記加工計画プログラム54は、加工データを最適化する。本発明は、この加工計画プログラム54に関するものである。より詳しくは、特願2001−331550におけるエリア配置及び穴の従属エリアを確定する工程(図11参照)における一層の効率化を図るものである。
【0042】
以下、詳細に説明する。
【0043】
まず、記号を定義する(一部は既に定義済みだが、再度記す)。
【0044】
e1、e2、f1、f2…順にエリアE1、E2、F1、F2に単独に所属する穴数(図3参照)。
【0045】
w1、w2…順に、重複部W1、W2に単独に所属する加工位置数(図3参照)。
【0046】
h1、h2…順に、エリアE1又はF1、エリアE2又はF2に所属する延べ加工位置数、即ち、hi=ei+wi+fi(i=1,2)。
【0047】
wie、wif(i=1,2)…Wi(i=1,2)に単独に所属する穴のうち、順に、エリアEi、エリアFiに配分する加工位置数、即ち、wi=wie+wif。
【0048】
E1´、E2´、F1´、F2´…順に、最終的なエリアE1、E2、F1、F2の従属加工位置数。
【0049】
なお、以下では、h1≧h2として議論を進めるが、さもなければ1と2を入れ替えて考えればよい。
【0050】
上記の記号を用いて、最小化すべき目的を数式で表わしたものが、既に示した(1)式である。この目的をSと表現すると、次式のようになる。
【0051】
S=max(E1´,E2´)+max(F1´,F2´)  …(1´)
【0052】
次に(1)式を最小化するための方法を検討する。Ei´=ei+wie(i=1,2)、Fi´=fi+wie(i=1,2)であることから、(1)式の第1項、第2項は、次のように表わすことができる。
【0053】
【数1】
Figure 2004141953
【0054】
ここで、記号Δe=e1−e2、Δfw=f1−f2+w1−w2、Δh=h1−h2(Δe+Δfw=Δhである)を定義し、又、wif=wi−wie(i=1,2)であることを使って、(2)式、(3)式を、次のように、w1e、w2eによる式で書き直す。
【0055】
【数2】
Figure 2004141953
【0056】
即ち、図6に示す如く、Sの値は、平行な2つの直線A、Bで仕切られる3つの領域に応じて、次のようにして求めることができる(ここで、Δh=h1−h2≧0即ちΔe≧−Δfwで議論を進めていることに注意)。
【0057】
【数3】
Figure 2004141953
【0058】
中段の式e1+f1+w1は、hi即ちE1、F1に属する加工位置数の合計であり、分配数w1e、w2eによらず一定値である。又、加工位置数であるから、ショット数の最小値である。上段、下段の式は、中段の領域に近くなるに従って小さくなり、境界線A:w2e=w1e+Δe、B:w2e=w1e−Δfw上での値がh1であるような関数である。又、領域を仕切る2つの直線A:w2e=w1e+Δe、及び、B:w2e=w1e−Δfw上の点で配分する場合は、順に、E1´=F1´、及び、E2´=F2´が成立する。即ち、同時加工エリアにおける加工位置数が同一であり、COレーザのようなエネルギ分割方式の加工機の場合は、ダンパに回避する必要が無くなる。従って、これら直線上の点に対応する加工位置配分の場合が、最も適している。なお、w1e、w2eの上限は、それぞれw1、w2であり(全てをEに配分)、下限は0,0である(全てをFに配分)。
【0059】
以上の考察から、傾きが1で切片がΔe、−Δfwの2つの直線A、B上にある点がダンパ移動最小化も考慮した最適解で、直線に囲まれた点は、(1)式を最小化する解であることが分かる。しかし、直線と解空間を表わす領域C:[0,0]×[w1,w2]との関係により、最良解を求めるための手順が異なってくる。
【0060】
図7を用いて、本発明に係る解法による、処理分岐及び解位置を説明する(ダンパ回避を考慮する、しないの区別無しに適用可能)。ここで、ケース番号を1から7まで割り振っているが、番号が増えるに連れ、切片Δe、−Δfwが小さくなる順であることに注意する。以下に、各ケースの説明を行なう。
【0061】
ケース1:Δe≧w2且つ−Δfw≧w2
2直線A、Bは解空間Cで交差しない。そこで、直線Bに最も近い点P1(0,w2)を解とする(最良解)。
【0062】
ケース2:Δe≧w2且つ0≦−Δfw≦w2
直線Bがw2e軸と直交する点P2(0,−Δfw)を解とする(最適解)。
【0063】
ケース3:Δe≧w2且つ−w1≦−Δfw≦0
直線Bがw1e軸と直交する点P3(Δfw,0)を解とする(最適解)。
【0064】
ケース4:Δe≧w2且つ−Δfw≦−w1
解空間Cは2直線A、Bに挟まれた領域に含まれる。従って、全ての解は等価値なので、例えば点P4(0,0)を解とする。
【0065】
ケース5:0≦Δe≦w2
直線Aがw2e軸と直交する点P5(0,Δe)を解とする(最適解)。
【0066】
ケース6:−w1≦Δe≦0
直線Aがw1e軸と直交する点P6(−Δe,0)を解とする(最適解)。
【0067】
ケース7:Δe≦−w1
2直線A、Bは解空間Cに交差しない。そこで、直線Aに最も近い点P7(w1,0)を解とする(最良解)。
【0068】
このケース分類は、例えば図8に示すような手順で実現することができる。
【0069】
【実施例】
図4に示した例を用いて、従来の解法と、本発明による解法との、解が求まるまでのステップ数を比較する。但し、ここでは簡単のため、比較演算、絶対値演算等は評価の対象とせず、加減剰余算のみで評価する。本発明による解法では、例1、例2に拘らず、図8のステップXにおいて加算が4回、ステップYにおいて加減算が3回の合計7回加減算が発生するのみである。一方、従来の方法では、図9に示すように、例1では加減算が9回、剰余算が1回、例2では加減算が10回、剰余算が2回発生してしまう。
【0070】
なお、これまでの説明では2軸加工機について説明されていたが、分割素子を14A、14Bとを増やして、図10に示すような構成とすれば、3軸以上の場合でも複数軸加工が可能である。3軸加工の場合、既に説明した記号に倣って、図11に示す如く、e3、f3、w3、h3、E3´、F3´を定義する。又、wiからei、fiへの配分量は、これまでと同様に、wie、wif(i=1,2,3)であり、又、以下では、h1≧h2且つh1≧h3で説明する。
【0071】
目的関数S=max(E1´,E2´,E3´)+max(F1´,F2´,F3´)の各項は、次式で表わされる。
【0072】
【数4】
Figure 2004141953
【0073】
これに対して、記号Δe12=e1−e2、Δe13=e1−e3、Δfw12=f1−f2+w1−w2、Δfw13=f1−f3+w1−w3を導入し、w1e、w2e、w3eを軸にとったグラフで、Sを最小とする範囲を表すと、次の4平面に囲まれた領域となる(ここで、Δe12≧−Δfw12且つΔe13≧−Δfw13であることに注意する)。
【0074】
D:w2e=w1e−Δfw12
E:w2e=w1e+Δe12
F:w3e=w1e−Δfw13
G:w3e=w1e+Δe13
【0075】
この領域及び解空間Hを図12に示す。4平面のうち前者2つD、Eは、法線(1,−1,0)を持ち、互いに平行である。後者2つF、Gは、法線(1,0,−1)を持ち、互いに平行である。この領域の境界線上では、F1´=F2´(D上)又はE1´=E2´(E上)又はF1´=F3´(F上)又はE1´=E3´(G上)が成り立つ。又、平面EとGの交線ef上は、E1´=E2´=E3´が、平面DとFの交線cd上はF1´=F2´=F3´が成立する。エネルギ分割方式のCOレーザ機のように、ダンパ移動を無くしたい場合には、そのような交差点が最適解である。
【0076】
3軸加工機の場合は、2軸加工機の場合を応用すれば、ほぼ同様の手順で最良解を求めることができる。即ち、2軸加工機の場合には、Δe、−Δfwと、−w1、w2、0とを比較してケース分けしたが、3軸加工機の場合には、Δe12、−Δfw12と、−w1、w2、0とを、Δe13、−Δfw13と−w1、w3、0とを比較してケース分けすればよい。
【0077】
同様の考察から、一般のN軸機に対しても、本発明を適用できることは明らかである。
【0078】
例えば、4軸機の場合は、目的関数Sを最小とする3次元領域Rは、既に述べたものと同様の記号を用いて記すと、
【0079】
【数5】
Figure 2004141953
(但し、h1≧h2且つh1≧h3≧h1≧h4となるように添字を入れかえているため、Δe12≧−Δfw12且つΔe13≧−Δfw13且つΔe14≧−Δfw14である)
に囲まれた領域として表せる。
【0080】
従って、解の存在する4次元箱型範囲C:[0,0,0,0]×[w1,w2,w3,w4]とRの位置関係をΔe12、Δe13、Δe14、Δfw12、Δfw13、Δfw14を用いて調べ、CとRの境界面が交差する場合は、その任意の交差点を解とし、CがRに完全に含まれる場合は、Cの任意の点を解とし、Rの外部にCがある場合は、Rの境界面上の点でCに最も近い点を解とすればよい。
【0081】
なお、前記実施形態においては、高速位置決め手段がスキャナとされ、低速位置決め手段がステージとされていたが、位置決め手段の種類や組合せはこれに限定されず、例えば出願人が特開2000−71089や特開2000−334637で提案したような、リニアモータXYステージと高速加工機とを組み合わせたスクリーンカットシステム、あるいはフラッシュカットシステムであってもよい。
【0082】
又、適用対象も、点状の加工を行なうレーザ穴開け機に限定されず、線状の加工を行なうレーザ切断機、特開平11−149317に記載された2ヘッドレーザ加工機や、機械式ドリルの穴開け機、ヒューズ溶断機、マーキング装置、露光装置等にも同様に適用できる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、複数軸加工機の重複エリア穴配分処理を簡単に行なうことができる。特に、エネルギ分割方式においては、同時加工エリアの加工位置数を均等にすることにより、ダンパ移動を無くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2軸のレーザ穴開け機の構成を示す光路図
【図2】前記レーザ穴開け機で用いられるガルバノスキャナの具体的構成例を示す正面図
【図3】本発明が対象とする重複配分処理の説明図
【図4】特願2001−331550で提案した重複配分の方法を示す線図
【図5】本発明が適用されるレーザ穴開け機の全体構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施形態において目的関数Sを算出する式の境界線を示す線図
【図7】同じく処理分岐と解位置の説明図
【図8】前記実施形態における処理手順を示す流れ図
【図9】本発明と従来例のステップ数を比較して示す線図
【図10】3軸以上のレーザ加工機への適用方法を示すブロック図
【図11】同じく平面図
【図12】同じく解空間を示す線図
【符号の説明】
10…レーザ発振器
14、14A、14B…分割素子
18、20…ガルバノスキャナ
30…レーザ穴開け機
40…PC(パソコン)
42…加工データファイル群
44…加工データ変換プログラム
46…加工データ
48…動作モデルファイル
50…動作モデル読込みプログラム
52…動作モデルデータ
54…加工計画プログラム
56…加工制御プログラム

Claims (12)

  1. 広範囲低速位置決め手段と狭範囲高速位置決め手段を用いて位置決めされるワークに散在する複数の加工位置を、複数の加工手段を用いて加工する際の加工計画方法であって、
    各加工手段の加工領域における加工エリア重複部の加工位置を、総ショット数が最小となるように各加工エリアに分配することを特徴とする加工機の加工計画方法。
  2. 前記加工手段の加工領域における重複部の加工位置を、同時加工エリアの加工位置数が均一となるように、各加工エリアに分配することを特徴とする請求項1に記載の加工機の加工計画方法。
  3. 2個の加工手段の各加工領域i(1≦i≦2)において2つの加工エリアEi、Fiが重複していて、Ei、Fiに単独に所属する加工位置数がei、fiで、Ei、Fiの重複部に属する加工位置数がwiであるとき、
    まず、hi=ei+wi+fi(i=1,2)を計算した結果、h1<h2ならば添え字1,2を交換し、
    次いでwie、wif(1≦i≦2)を、wiからei、fiに分配する加工位置数とすると、
    w1e−w2e平面において、直線A:w2e=w1e+e1−e2、又は直線B:w2e=w1e−(f1−f2+w1−w2)]が、領域C:[0,0]×[w1,w2]と交差するならば、その交差点又はその間の点の1点を解(w1e,w2e)とし、
    直線A、Bに挟まれる領域に領域Cが含まれるならば、領域Cの任意の点を解とし、
    直線A、Bに挟まれる領域の外部に領域Cがあるならば、直線A又はBに最も近い領域Cの点を解とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の加工機の加工計画方法。
  4. 前記直線A又はBに最も近い領域Cの点を、該直線A又はB上の点とすることを特徴とする請求項3に記載の加工機の加工計画方法。
  5. n個の加工手段の各加工領域iにおいて2つの加工エリアEi、Fi(1≦i≦n)が重複していて、Ei、Fiに単独に所属する加工位置数がei、fiで、Ei、Fiの重複部に属する加工位置数がwiであるとき、
    まず、hi=ei+wi+fi(i=1〜n)を計算し、h1≧hi(2≦i≦n)となるように添え字を入れ替え、
    次いでwie、wif(1≦i≦n)を、wiからei、fiに分配する加工位置数とすると、
    n次元のw1e−…−wne空間において、平面wine:wne=wie+ei−en及び平面winfw:wne=wie−(fi−fn+wi−wn)(1≦i≦n)に対し、
    n次元のw1e−…−wne空間において、平面wine:wne=wie+(ei−en)及び平面winfw:wne=wie−(fi−fn+wi−wn)(1≦i≦n)に対し、平面wineと平面winfwに挟まれる領域Riの1≦i≦n全ての重なり領域Rについて、
    平面wineと平面winfwに挟まれる帯状の領域Riの1≦i≦n全ての重なり領域Rについて、
    n次元箱型範囲C:[0,…,0]×[w1,…,wn]と領域Rの境界面が交差するならば、領域Rの境界面上の点で範囲C内の任意の点を解とし、
    領域Rに範囲Cが含まれるならば、範囲C内の任意の点を解とし、
    領域Rの外部に範囲Cがあるならば、領域Rの境界上の点で範囲Cに最も近い点を解とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の加工機の加工計画方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の加工計画方法により決定された加工を行なうことを特徴とする加工方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の加工計画方法又は請求項6に記載の加工方法を実施するためのコンピュータプログラム。
  8. 広範囲低速位置決め手段と狭範囲高速位置決め手段を用いて位置決めされるワークに散在する複数の加工位置を、複数の加工手段を用いて加工する際の加工計画装置であって、
    各加工手段の加工領域における加工エリア重複部の加工位置を、総ショット数が最小となるように各加工エリアに分配する手段を備えたことを特徴とする加工機の加工計画装置。
  9. 広範囲低速位置決め手段と狭範囲高速位置決め手段を用いて位置決めされるワークに散在する複数の加工位置を、複数の加工手段を用いて加工する際の加工計画装置であって、
    各加工手段の加工領域における加工エリア重複部の加工位置を、総ショット数が最小、且つ、同時加工エリアの加工位置数が均一となるように、各加工エリアに分配する手段を備えたことを特徴とする加工機の加工計画装置。
  10. 請求項8又は9に記載の加工計画装置を含むことを特徴とする加工装置。
  11. 請求項8又は9に記載の加工計画装置又は請求項10に記載の加工装置を実現するためのコンピュータプログラム。
  12. 請求項7又は11に記載のコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読取り可能な記録媒体。
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