JP2004141714A - 活性水の製造方法および排ガス処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高濃度のOHラジカルを効率的に生成することのできる活性水の製造方法の提供と、排ガス中の被処理成分、例えばダイオキシンを迅速に分解することのできる排ガス処理方法の提供。
【解決手段】排ガスと接触させて前記排ガスに含まれる被処理成分を分解する活性水の製造方法において、高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器1dに供給し、高濃度のOHラジカルを生成し、続いて水と混合することを特徴とする活性水の製造方法と、前記活性水を排ガスに含まれる被処理成分と接触させて分解する排ガス処理方法。
【選択図】 図1
【解決手段】排ガスと接触させて前記排ガスに含まれる被処理成分を分解する活性水の製造方法において、高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器1dに供給し、高濃度のOHラジカルを生成し、続いて水と混合することを特徴とする活性水の製造方法と、前記活性水を排ガスに含まれる被処理成分と接触させて分解する排ガス処理方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性水の製造方法および排ガス処理方法に関するものであり、詳しくは、例えば廃棄物を焼却する焼却炉、金属精錬炉等から排出される排ガス中のダイオキシン類を酸化、分解処理するための活性水の製造方法および排ガス処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば焼却炉から排出された排ガスは、次のような排ガス処理装置により処理されていた。
可燃性の廃棄物等が焼却炉で焼却されると約850℃程度の燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスはボイラー等を介して650℃以下に冷却された後、減温塔に誘引され、ここでオゾン化ガス、過酸化水素および水を含む活性水が噴霧され排ガス中の被処理成分が分解されるとともに、約200℃まで急速に冷却される。冷却された後の燃焼ガスは電気集塵機で煤塵が除去された後、誘引送風機を経て煙突から大気に排気される(例えば、特許文献1参照)。
前記活性水は、減温塔内での冷却過程において、オゾン化ガスと過酸化水素との接触化学反応や、オゾン化ガスの熱分解反応等により強力な酸化力を有するOHラジカルを生成する。このOHラジカルは、排ガス中の例えばダイオキシン類またはダイオキシン類前駆体物質等を分解することができる。その結果、大気中へのダイオキシン類の排出が低減するとともに、電気集塵機で集塵された煤塵のダイオキシン類も低減する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−185217号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の排ガス処理装置は、高濃度のOHラジカルを効率的に生成することが困難であるという問題点がある。OHラジカルの濃度が低い場合には、排ガス中の被処理成分、例えばダイオキシンを迅速に分解することができない。
【0005】
したがって本発明の目的は、高濃度のOHラジカルを効率的に生成することのできる活性水の製造方法の提供にある。
さらに本発明の別の目的は、排ガス中の被処理成分、例えばダイオキシンを迅速に分解することのできる排ガス処理方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排ガスと接触させて前記排ガスに含まれる被処理成分を分解する活性水の製造方法において、高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器に供給し、高濃度のOHラジカルを生成し、続いて水と混合することを特徴とする活性水の製造方法を提供するものである。
また本発明は、オゾン化ガス、過酸化水素および水を含む活性水を、排ガスと接触させ、前記排ガスに含まれる被処理成分を分解する排ガス処理方法において、前記活性水が、高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器に供給し、高濃度のOHラジカルを生成し、続いて水と混合することによって得られたものであることを特徴とする排ガス処理方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態1における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図1の活性水製造装置1は、オゾン発生装置1a、冷却水供給ポンプ1b、空気供給装置1c、混合反応器1d、過酸化水素供給装置1e、酸素供給装置1f、配管2を備えている。また活性水供給部は、活性水噴霧ノズル12、冷却水配管17からなる。
【0008】
作用について説明する。本実施の形態では、酸素供給装置1fから酸素を得、該酸素がオゾン発生装置1aに導入され、高濃度のオゾン化ガスを生成する。これとは別に過酸化水素供給装置1eにより高濃度の過酸化水素を得、これらの高濃度のオゾン化ガスおよび過酸化水素が混合反応器1dの中に導入される。混合反応器1dの内部では、オゾン化ガスと過酸化水素との接触化学反応や、オゾン化ガスの熱分解反応等により強力な酸化力を有するOHラジカルが生成され、配管2に導かれる。その後、二流体噴霧が可能なように空気供給装置1cより空気が配管2に導入され、冷却水供給ポンプ1bより供給される水とともに活性水噴霧ノズル12に導かれ、排ガス中に活性水として噴霧される。オゾン化ガスと過酸化水素との化学反応により生成するOHラジカルの生成速度は、オゾン濃度と過酸化水素濃度の積に比例するため、両者とも高濃度のとき、多量のOHラジカルが生成する。排ガス中の被処理成分、例えばダイオキシンの分解量は、OHラジカル量に比例するため、この多量のOHラジカルを排ガス中に噴霧することで、多くのダイオキシンを分解することができる。なお、高濃度のOHラジカルは自己分解し消滅しやすいので、排ガスへの活性水の噴霧は、混合反応器1dにおいてOHラジカルが生成した直後に行うようにするのが好ましい。
なお、本発明でいう高濃度とは、混合反応器1d中にオゾン濃度が100g/m3以上であり、過酸化水素濃度が30%以上であることを意味する。
また本実施の形態によれば、ダイオキシンの分解効率が高まるので、供給オゾン量、過酸化水素量の低減が可能となり、結果としてオゾン発生器の小型化が可能であり、設備コスト、ランニングコストの低減も可能である。
【0009】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2を図2に基づいて説明する。図2は本発明の実施の形態2における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図2の活性水製造装置1は、空気混合器1gをさらに備えている。その他の符号は、図1と同じである。
【0010】
作用について説明する。本実施の形態では、酸素供給装置1fから酸素を得、該酸素がオゾン発生装置1aに導入され、高濃度のオゾン化ガスを生成する。これとは別に過酸化水素供給装置1eにより高濃度の過酸化水素を得、これらの高濃度のオゾン化ガスおよび過酸化水素が混合反応器1dの中に導入される。
ところが、高濃度のOHラジカルは、自己分解により、活性水噴霧ノズル12で噴霧する前に、消費される傾向にある。そこで、混合反応器1dの出口付近に、空気混合器1gを設け、希釈用の空気を混合し、OHラジカル濃度を低下させる。
図3(a)は、混合反応器内滞留時間とOHラジカル濃度の関係を説明するための図であり、図3(b)は、混合反応器内滞留時間とOHラジカル総量の関係を説明するための図である。図3(a)、(b)において、希釈用の空気を混合せずOHラジカル濃度を低下を行わない場合(実線32)、オゾン化ガスと過酸化水素とを混合した直後から、急激にOHラジカルが生成し始め、OHラジカル濃度はピークに達する。その後、有機物との反応がなくても、OHラジカルは自己分解により少しずつ消滅していく。この現象はOHラジカル総量についても同様である。これに対し、希釈用の空気を混合し、OHラジカル濃度を低下させた本実施の形態の場合(太線31)、オゾン化ガスと過酸化水素とを混合した直後から、急激にOHラジカルが生成し始め、OHラジカル濃度はピークに達するが、その直後に空気を混合しているため、OHラジカル濃度が下がり、自己分解の速度が低下する。OHラジカルの総量は空気を混合しても変化がないので、図3(b)に示したようにOHラジカル総量は多量のままに維持される。したがって、この多量のOHラジカルを排ガス中に噴霧することで、例えば多くのダイオキシンを分解することができる。
【0011】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3を図4に基づいて説明する。図4は本発明の実施の形態3における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図4の活性水製造装置1は、空気冷却器1hをさらに備えてなる。その他の符号は、図1、図2と同じである。
【0012】
作用について説明する。本実施の形態は、実施の形態2とほぼ同じく、混合反応器1dの出口付近に、空気混合器1gを設け、希釈用の空気を混合する。その希釈用の空気をあらかじめ、空気冷却器1hにて冷却しておき、混合後のOHラジカルを含む流体を冷却する。その結果、OHラジカルの活性が下がり、自己分解速度がさらに低下し、OHラジカルを多量に含んだまま、噴霧することが可能である。
なお、本実施の形態において、空気は、10℃程度まで冷却することが好ましい。
【0013】
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4を図5に基づいて説明する。図5は本発明の実施の形態4における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図5の活性水製造装置1は、混合反応器ヒーター1iをさらに備えてなる。その他の符号は、図1、2と同一である。
【0014】
作用について説明する。本実施の形態は、混合反応器1dに混合反応器ヒーター1iを取り付け、混合反応器1dを加熱する。混合反応器1dに導入されたオゾン化ガスと過酸化水素は温められ、OHラジカルの生成速度が増加する。従って、多量のOHラジカルを生成することができる。従って、OHラジカルを多量に含んだまま、噴霧することが可能である。
なお、本実施の形態において、ヒーター温度は、200℃程度が好ましい。
【0015】
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5を図6に基づいて説明する。図6は本発明の実施の形態5における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図6の符号は、図1,3,4,5と同一である。
【0016】
作用について説明する。本実施の形態は、混合反応器1dに混合反応器ヒーター1iを設け、オゾン化ガスと過酸化水素を温めることにより、OHラジカルの生成速度は増加し、多量のOHラジカルを生成することができる。さらに空気冷却器1hにて冷却された空気を、空気混合器1gにて混合することにより、OHラジカルの自己分解速度を低下させ、OHラジカルの消滅を防止し、OHラジカルを多量に含んだまま、噴霧することが可能である。
【0017】
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6を図7に基づいて説明する。図7は本発明の実施の形態6における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図7の活性水製造装置1は、空気制御弁1j、水制御弁1kをさらに備えてなる。その他の符号は、図1,2,4,5,6と同一である。
【0018】
作用について説明する。本実施の形態は、高濃度のオゾン化ガスに空気制御弁1jにて調整された空気を混合することでオゾン化ガスのオゾン濃度を調整し、高濃度の過酸化水素に水制御弁1kにて調整された水を混合することで、過酸化水素濃度を調整し、混合反応器1dに導入する。前述のように、高濃度のオゾンガスと過酸化水素を混合反応器1dで反応させた場合、OHラジカルの生成反応だけでなく、自己分解反応も激しいが、空気混合器1gを設け、希釈用の空気を混合し、OHラジカルの自己分解を抑制しているため、混合反応器1dに導入するオゾン化ガスおよび過酸化水素濃度を容易に設定することができる。
【0019】
実施の形態7.
以下、本発明の実施の形態7を図8に基づいて説明する。図8は本発明の実施の形態7における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図8の符号は、図1,2,4,5,6,7と同一である。
【0020】
作用について説明する。本実施の形態は、高濃度のオゾン化ガスに空気制御弁1jにて調整された空気を混合することでオゾン化ガスのオゾン濃度を調整し、高濃度の過酸化水素に水制御弁1kにて調整された水を混合することで、過酸化水素濃度を調整し、混合反応器1dに導入する。さらに、混合反応器1dにヒーター1iを設け、OHラジカル生成の反応速度を高める。さらにまた、混合反応器1dの出口に空気混合器1gから空気冷却器1hで冷却された空気を混合して希釈している。前述のように、高濃度のオゾンガスと過酸化水素を混合反応器1dで反応させた場合、OHラジカルの生成反応だけでなく、自己分解反応も激しいが、冷却された空気を混合しているため、OHラジカルの活性および自己分解を抑制している。したがって、混合反応器1dに導入するオゾン化ガスおよび過酸化水素濃度をさらに容易に設定することができる。
【0021】
なお、前記の実施の形態1〜7では、焼却炉の排ガス通路内に活性水を供給して排ガスの冷却過程でダイオキシン類の分解を行う例を説明したが、焼却炉の排ガスにかぎることなく、灰溶融炉、アルミ溶解炉、焼成炉、電気炉等の排ガス通路内であれば通路の流れ方向に沿って活性水供給部を備えることで、実施の形態1〜7と同様にダイオキシン類はもちろんのこと、その他有機物の分解も可能なことは言及するまでもない。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、排ガスと接触させて前記排ガスに含まれる被処理成分を分解する活性水の製造方法において、高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器に供給し、高濃度のOHラジカルを生成し、続いて水と混合することを特徴としているので、高濃度のOHラジカルを効率的に生成することができる。また、このような活性水を排ガス処理に用いれば、排ガス中の被処理成分、例えばダイオキシンを迅速に分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態2における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図3】(a)は、混合反応器内滞留時間とOHラジカル濃度の関係を説明するための図であり、(b)は、混合反応器内滞留時間とOHラジカル総量の関係を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態3における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態4における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態5における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態6における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態7における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【符号の説明】
1 活性水製造装置、1a オゾン発生装置、1b 冷却水供給ポンプ、1c空気供給装置、1d 混合反応器、1e 過酸化水素供給装置、1f 酸素供給装置、1g 空気混合器、1h 空気冷却器、1i 混合反応器ヒーター、1j 空気制御弁、1k 水制御弁、2 配管、12 活性水噴霧ノズル、17 冷却水配管。
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性水の製造方法および排ガス処理方法に関するものであり、詳しくは、例えば廃棄物を焼却する焼却炉、金属精錬炉等から排出される排ガス中のダイオキシン類を酸化、分解処理するための活性水の製造方法および排ガス処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば焼却炉から排出された排ガスは、次のような排ガス処理装置により処理されていた。
可燃性の廃棄物等が焼却炉で焼却されると約850℃程度の燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスはボイラー等を介して650℃以下に冷却された後、減温塔に誘引され、ここでオゾン化ガス、過酸化水素および水を含む活性水が噴霧され排ガス中の被処理成分が分解されるとともに、約200℃まで急速に冷却される。冷却された後の燃焼ガスは電気集塵機で煤塵が除去された後、誘引送風機を経て煙突から大気に排気される(例えば、特許文献1参照)。
前記活性水は、減温塔内での冷却過程において、オゾン化ガスと過酸化水素との接触化学反応や、オゾン化ガスの熱分解反応等により強力な酸化力を有するOHラジカルを生成する。このOHラジカルは、排ガス中の例えばダイオキシン類またはダイオキシン類前駆体物質等を分解することができる。その結果、大気中へのダイオキシン類の排出が低減するとともに、電気集塵機で集塵された煤塵のダイオキシン類も低減する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−185217号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の排ガス処理装置は、高濃度のOHラジカルを効率的に生成することが困難であるという問題点がある。OHラジカルの濃度が低い場合には、排ガス中の被処理成分、例えばダイオキシンを迅速に分解することができない。
【0005】
したがって本発明の目的は、高濃度のOHラジカルを効率的に生成することのできる活性水の製造方法の提供にある。
さらに本発明の別の目的は、排ガス中の被処理成分、例えばダイオキシンを迅速に分解することのできる排ガス処理方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排ガスと接触させて前記排ガスに含まれる被処理成分を分解する活性水の製造方法において、高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器に供給し、高濃度のOHラジカルを生成し、続いて水と混合することを特徴とする活性水の製造方法を提供するものである。
また本発明は、オゾン化ガス、過酸化水素および水を含む活性水を、排ガスと接触させ、前記排ガスに含まれる被処理成分を分解する排ガス処理方法において、前記活性水が、高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器に供給し、高濃度のOHラジカルを生成し、続いて水と混合することによって得られたものであることを特徴とする排ガス処理方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態1における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図1の活性水製造装置1は、オゾン発生装置1a、冷却水供給ポンプ1b、空気供給装置1c、混合反応器1d、過酸化水素供給装置1e、酸素供給装置1f、配管2を備えている。また活性水供給部は、活性水噴霧ノズル12、冷却水配管17からなる。
【0008】
作用について説明する。本実施の形態では、酸素供給装置1fから酸素を得、該酸素がオゾン発生装置1aに導入され、高濃度のオゾン化ガスを生成する。これとは別に過酸化水素供給装置1eにより高濃度の過酸化水素を得、これらの高濃度のオゾン化ガスおよび過酸化水素が混合反応器1dの中に導入される。混合反応器1dの内部では、オゾン化ガスと過酸化水素との接触化学反応や、オゾン化ガスの熱分解反応等により強力な酸化力を有するOHラジカルが生成され、配管2に導かれる。その後、二流体噴霧が可能なように空気供給装置1cより空気が配管2に導入され、冷却水供給ポンプ1bより供給される水とともに活性水噴霧ノズル12に導かれ、排ガス中に活性水として噴霧される。オゾン化ガスと過酸化水素との化学反応により生成するOHラジカルの生成速度は、オゾン濃度と過酸化水素濃度の積に比例するため、両者とも高濃度のとき、多量のOHラジカルが生成する。排ガス中の被処理成分、例えばダイオキシンの分解量は、OHラジカル量に比例するため、この多量のOHラジカルを排ガス中に噴霧することで、多くのダイオキシンを分解することができる。なお、高濃度のOHラジカルは自己分解し消滅しやすいので、排ガスへの活性水の噴霧は、混合反応器1dにおいてOHラジカルが生成した直後に行うようにするのが好ましい。
なお、本発明でいう高濃度とは、混合反応器1d中にオゾン濃度が100g/m3以上であり、過酸化水素濃度が30%以上であることを意味する。
また本実施の形態によれば、ダイオキシンの分解効率が高まるので、供給オゾン量、過酸化水素量の低減が可能となり、結果としてオゾン発生器の小型化が可能であり、設備コスト、ランニングコストの低減も可能である。
【0009】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2を図2に基づいて説明する。図2は本発明の実施の形態2における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図2の活性水製造装置1は、空気混合器1gをさらに備えている。その他の符号は、図1と同じである。
【0010】
作用について説明する。本実施の形態では、酸素供給装置1fから酸素を得、該酸素がオゾン発生装置1aに導入され、高濃度のオゾン化ガスを生成する。これとは別に過酸化水素供給装置1eにより高濃度の過酸化水素を得、これらの高濃度のオゾン化ガスおよび過酸化水素が混合反応器1dの中に導入される。
ところが、高濃度のOHラジカルは、自己分解により、活性水噴霧ノズル12で噴霧する前に、消費される傾向にある。そこで、混合反応器1dの出口付近に、空気混合器1gを設け、希釈用の空気を混合し、OHラジカル濃度を低下させる。
図3(a)は、混合反応器内滞留時間とOHラジカル濃度の関係を説明するための図であり、図3(b)は、混合反応器内滞留時間とOHラジカル総量の関係を説明するための図である。図3(a)、(b)において、希釈用の空気を混合せずOHラジカル濃度を低下を行わない場合(実線32)、オゾン化ガスと過酸化水素とを混合した直後から、急激にOHラジカルが生成し始め、OHラジカル濃度はピークに達する。その後、有機物との反応がなくても、OHラジカルは自己分解により少しずつ消滅していく。この現象はOHラジカル総量についても同様である。これに対し、希釈用の空気を混合し、OHラジカル濃度を低下させた本実施の形態の場合(太線31)、オゾン化ガスと過酸化水素とを混合した直後から、急激にOHラジカルが生成し始め、OHラジカル濃度はピークに達するが、その直後に空気を混合しているため、OHラジカル濃度が下がり、自己分解の速度が低下する。OHラジカルの総量は空気を混合しても変化がないので、図3(b)に示したようにOHラジカル総量は多量のままに維持される。したがって、この多量のOHラジカルを排ガス中に噴霧することで、例えば多くのダイオキシンを分解することができる。
【0011】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3を図4に基づいて説明する。図4は本発明の実施の形態3における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図4の活性水製造装置1は、空気冷却器1hをさらに備えてなる。その他の符号は、図1、図2と同じである。
【0012】
作用について説明する。本実施の形態は、実施の形態2とほぼ同じく、混合反応器1dの出口付近に、空気混合器1gを設け、希釈用の空気を混合する。その希釈用の空気をあらかじめ、空気冷却器1hにて冷却しておき、混合後のOHラジカルを含む流体を冷却する。その結果、OHラジカルの活性が下がり、自己分解速度がさらに低下し、OHラジカルを多量に含んだまま、噴霧することが可能である。
なお、本実施の形態において、空気は、10℃程度まで冷却することが好ましい。
【0013】
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4を図5に基づいて説明する。図5は本発明の実施の形態4における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図5の活性水製造装置1は、混合反応器ヒーター1iをさらに備えてなる。その他の符号は、図1、2と同一である。
【0014】
作用について説明する。本実施の形態は、混合反応器1dに混合反応器ヒーター1iを取り付け、混合反応器1dを加熱する。混合反応器1dに導入されたオゾン化ガスと過酸化水素は温められ、OHラジカルの生成速度が増加する。従って、多量のOHラジカルを生成することができる。従って、OHラジカルを多量に含んだまま、噴霧することが可能である。
なお、本実施の形態において、ヒーター温度は、200℃程度が好ましい。
【0015】
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5を図6に基づいて説明する。図6は本発明の実施の形態5における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図6の符号は、図1,3,4,5と同一である。
【0016】
作用について説明する。本実施の形態は、混合反応器1dに混合反応器ヒーター1iを設け、オゾン化ガスと過酸化水素を温めることにより、OHラジカルの生成速度は増加し、多量のOHラジカルを生成することができる。さらに空気冷却器1hにて冷却された空気を、空気混合器1gにて混合することにより、OHラジカルの自己分解速度を低下させ、OHラジカルの消滅を防止し、OHラジカルを多量に含んだまま、噴霧することが可能である。
【0017】
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6を図7に基づいて説明する。図7は本発明の実施の形態6における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図7の活性水製造装置1は、空気制御弁1j、水制御弁1kをさらに備えてなる。その他の符号は、図1,2,4,5,6と同一である。
【0018】
作用について説明する。本実施の形態は、高濃度のオゾン化ガスに空気制御弁1jにて調整された空気を混合することでオゾン化ガスのオゾン濃度を調整し、高濃度の過酸化水素に水制御弁1kにて調整された水を混合することで、過酸化水素濃度を調整し、混合反応器1dに導入する。前述のように、高濃度のオゾンガスと過酸化水素を混合反応器1dで反応させた場合、OHラジカルの生成反応だけでなく、自己分解反応も激しいが、空気混合器1gを設け、希釈用の空気を混合し、OHラジカルの自己分解を抑制しているため、混合反応器1dに導入するオゾン化ガスおよび過酸化水素濃度を容易に設定することができる。
【0019】
実施の形態7.
以下、本発明の実施の形態7を図8に基づいて説明する。図8は本発明の実施の形態7における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
図8の符号は、図1,2,4,5,6,7と同一である。
【0020】
作用について説明する。本実施の形態は、高濃度のオゾン化ガスに空気制御弁1jにて調整された空気を混合することでオゾン化ガスのオゾン濃度を調整し、高濃度の過酸化水素に水制御弁1kにて調整された水を混合することで、過酸化水素濃度を調整し、混合反応器1dに導入する。さらに、混合反応器1dにヒーター1iを設け、OHラジカル生成の反応速度を高める。さらにまた、混合反応器1dの出口に空気混合器1gから空気冷却器1hで冷却された空気を混合して希釈している。前述のように、高濃度のオゾンガスと過酸化水素を混合反応器1dで反応させた場合、OHラジカルの生成反応だけでなく、自己分解反応も激しいが、冷却された空気を混合しているため、OHラジカルの活性および自己分解を抑制している。したがって、混合反応器1dに導入するオゾン化ガスおよび過酸化水素濃度をさらに容易に設定することができる。
【0021】
なお、前記の実施の形態1〜7では、焼却炉の排ガス通路内に活性水を供給して排ガスの冷却過程でダイオキシン類の分解を行う例を説明したが、焼却炉の排ガスにかぎることなく、灰溶融炉、アルミ溶解炉、焼成炉、電気炉等の排ガス通路内であれば通路の流れ方向に沿って活性水供給部を備えることで、実施の形態1〜7と同様にダイオキシン類はもちろんのこと、その他有機物の分解も可能なことは言及するまでもない。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、排ガスと接触させて前記排ガスに含まれる被処理成分を分解する活性水の製造方法において、高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器に供給し、高濃度のOHラジカルを生成し、続いて水と混合することを特徴としているので、高濃度のOHラジカルを効率的に生成することができる。また、このような活性水を排ガス処理に用いれば、排ガス中の被処理成分、例えばダイオキシンを迅速に分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態2における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図3】(a)は、混合反応器内滞留時間とOHラジカル濃度の関係を説明するための図であり、(b)は、混合反応器内滞留時間とOHラジカル総量の関係を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態3における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態4における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態5における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態6における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態7における活性水製造装置と活性水供給部を示す図である。
【符号の説明】
1 活性水製造装置、1a オゾン発生装置、1b 冷却水供給ポンプ、1c空気供給装置、1d 混合反応器、1e 過酸化水素供給装置、1f 酸素供給装置、1g 空気混合器、1h 空気冷却器、1i 混合反応器ヒーター、1j 空気制御弁、1k 水制御弁、2 配管、12 活性水噴霧ノズル、17 冷却水配管。
Claims (8)
- 排ガスと接触させて前記排ガスに含まれる被処理成分を分解する活性水の製造方法において、高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器に供給し、高濃度のOHラジカルを生成し、続いて水と混合することを特徴とする活性水の製造方法。
- 高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器に供給し、高濃度のOHラジカルを生成した直後に、空気を混合し、OHラジカルの濃度を下げ、多量のOHラジカルの自己分解による消滅を防止することを特徴とする請求項1に記載の活性水の製造方法。
- 高濃度のOHラジカルを生成した直後に、低温の空気を混合し、OHラジカルの活性および濃度を下げ、多量のOHラジカルの自己分解による消滅を防止することを特徴とする請求項2に記載の活性水の製造方法。
- 混合反応器においてOHラジカルを生成する際に、前記混合反応器を加熱し、OHラジカル生成反応の反応速度を高め、多量のOHラジカルを生成することを特徴とする請求項1に記載の活性水の製造方法。
- 混合反応器においてOHラジカルを生成する際に、前記混合反応器を加熱し、OHラジカル生成反応の反応速度を高め、多量のOHラジカルを生成し、その直後に、低温の空気を混合し、OHラジカルの活性を下げ、多量のOHラジカルの自己分解による消滅を防止することを特徴とする請求項4に記載の活性水の製造方法。
- オゾン化ガスおよび過酸化水素を空気または水で希釈し、オゾン化ガスにおけるオゾン濃度および過酸化水素の濃度を調整した後、混合反応器に投入することにより、生成するOHラジカル濃度を調整可能にしたことを特徴とする請求項2または3に記載の活性水の製造方法。
- 濃度を調整したオゾン化ガスおよび過酸化水素を、加熱した混合反応器に投入し、OHラジカル生成反応の反応速度を高め、その直後に、低温の空気を混合し、OHラジカルの活性を下げ、多量のOHラジカルの自己分解による消滅を防止することを特徴とする請求項6に記載の活性水の製造方法。
- オゾン化ガス、過酸化水素および水を含む活性水を、排ガスと接触させ、前記排ガスに含まれる被処理成分を分解する排ガス処理方法において、前記活性水が、高濃度のオゾンを含むオゾン化ガスと高濃度の過酸化水素とを混合反応器に供給し、高濃度のOHラジカルを生成し、続いて水と混合することによって得られたものであることを特徴とする排ガス処理方法。
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- 2002-10-22 JP JP2002306876A patent/JP2004141714A/ja active Pending
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