JP2004141285A - 内視鏡の流体噴出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】挿入部を太くすることなく内視鏡検査中に観察窓表面の洗浄と被写体粘膜面の洗浄とを各々容易に行うことができ、内視鏡検査後は流体管路の出口開口部分を容易にブラッシング洗浄することができる内視鏡の流体噴出装置を提供すること。
【解決手段】ノズル10を可動に配置して、ノズル10が流体管路4の出口開口4a部分にあって流体の噴出方向を流体管路4の出口開口4aから観察窓8の表面に向かわせる状態と、ノズル10が流体管路4の出口開口4a部分から退避した状態とを、挿入部1の基端側2からの遠隔操作によって切り換えることができるようにした。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は内視鏡の流体噴出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡においては一般に、挿入部内に挿通配置された送気及び送水用の流体管路の出口開口が、挿入部の先端に配置された観察窓に隣接して配置され、流体管路の出口開口から噴出する流体の噴出方向を観察窓の表面に向けるためのノズルが流体管路の出口開口部分に配置されている。
【0003】
しかし、単純にそのように構成すると、ノズルが流体管路の出口開口部分に大きく被さる(又は、大半部分を塞ぐ)状態になるので、内視鏡検査終了後に流体管路の出口開口部分の内側に掃除用ブラシを差し込んでブラッシングすることが困難になりがちである。
【0004】
そこで、挿入部の先端に対して着脱自在なキャップ状部材等にノズルを形成して、キャップ状部材を挿入部の先端から取り外すと流体管路の出口開口が露出して、流体管路の内部をブラッシングすることができるようにしていた(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
実公昭64−6804号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように、ノズルが形成されたキャップ状部材を挿入部の先端に対して着脱自在にすると、不注意等によりキャップ状部材の取り付け方が不完全な場合に観察窓表面の洗浄能が低下してしまったり、非常に小さな部品であるキャップ状部材を紛失して内視鏡検査が行えなくなってしまう等の不都合が発生する。
【0007】
また、内視鏡検査において被写体である粘膜面に汚物等が付着している時は、洗浄水を観察視野内の粘膜面に向けて噴射して汚物を洗い流す処置が必要になるが、そのための洗浄水噴出口を別設すると内視鏡の挿入部が太くなって被検者に与える苦痛が大きくなってしまう。
【0008】
特許文献1に記載された内視鏡では、キャップ状部材を取り外して使用すれば粘膜面に向けて洗浄水を噴射することができる状態になるが、キャップ状部材を着脱するためには、その度に内視鏡を被検者から抜き出して挿入を初めからやり直さなければならないので全く実用性がない。
【0009】
そこで本発明は、挿入部を太くすることなく内視鏡検査中に観察窓表面の洗浄と被写体粘膜面の洗浄とを各々容易に行うことができ、内視鏡検査後は流体管路の出口開口部分を容易にブラッシング洗浄することができる内視鏡の流体噴出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の流体噴出装置は、挿入部内に挿通配置された流体管路の出口開口が、挿入部の先端の観察窓の近傍位置に配置されて、流体管路の出口開口から噴出する流体の噴出方向を観察窓の表面に向けるためのノズルが流体管路の出口開口部分に配置された内視鏡の流体噴出装置において、ノズルを可動に配置して、ノズルが流体管路の出口開口部分にあって流体の噴出方向を観察窓の表面に向かわせる状態と、ノズルが流体管路の出口開口部分から退避した状態とを、挿入部の基端側からの遠隔操作によって切り換えることができるようにしたものである。
【0011】
なお、ノズルを流体管路の出口開口部分から退避させたときにノズルを収容するためのノズル収容空間が挿入部の先端内に形成されていてもよく、その場合、ノズルが弾力性のある材料により形成されていて、流体管路の出口開口部分から退避する時は弾力的に変形しながらノズル収容空間内に収容されるようにしてもよい。
【0012】
また、ノズルが流体管路の出口開口部分から退避した状態においては、流体が流体管路の出口開口から観察光軸に対して略平行の方向に噴出されるようにしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図5は内視鏡の全体構成を示しており、可撓管状の挿入部1の基端には操作部2が連結され、先端には、後述する観察窓等が配置された先端部本体3が連結さている。
【0014】
挿入部1内に全長にわたって挿通配置された流体管路4は、先端部本体3の先端面に開口しており、操作部2に配置された送気送水操作弁5によって空気と水を選択的に任意に先端側に送り出すことができる。
【0015】
また、先端部本体3に可動に配置されたノズル10が、操作部2に配置されたノズル操作レバー7を操作することにより、挿入部1内に軸線方向に進退自在に挿通配置された操作ワイヤ6を介して作動するようになっている。
【0016】
図3と図4は、挿入部の先端部分の外観と内部構造を示しており、先端部本体3の先端面には、観察窓8、照明窓9、処置具突出口(兼吸引口)12等と並んで、流体管路4の出口開口4aが観察窓8に隣接して配置されている。観察窓8の奥には、対物光学系81と、その対物光学系81による被写体の投影位置に固体撮像素子82が配置されている。
【0017】
また、流体管路4を通って出口開口4aから送り出される流体(空気又は水)の向きを観察窓8の表面に向かわせるためのノズル10が、出口開口4aに覆い被さるように配置されている。
【0018】
ノズル10は、例えばシリコンゴム等のような弾力性に富んだ材料によって側方から見ると略「し」の字状の形状に形成されていて、その後端部分に操作ワイヤ6の先端が連結固定されている。
【0019】
先端部本体3には、操作ワイヤ6を後方から牽引することによって移動するノズル10を収容するためのノズル収容空間11が形成されており、先端部本体3の先端面付近には、ノズル10の基部に形成されている抜け止め突起10aが通過できないように、ノズル収容空間11の口元を窄めてストッパ部11aが形成されている。なお、組み立て時には、抜け止め突起10a部分を強制的に弾性変形させてストッパ部11aを通過させることができるようになっている。
【0020】
そのような構成により、操作ワイヤ6が先側に押し出されてノズル10が出口開口4aに覆い被さった図3、図4に示される状態では、流体管路4を通って出口開口4aから送り出される流体がノズル10によって方向を変えられて観察窓8の表面に向かって噴出する。
【0021】
操作ワイヤ6をノズル操作レバー7により後方に牽引操作すると、図1及び図2に示されるように、ノズル10が、「し」の字状から次第に略真っ直ぐな状態に弾性変形しながらノズル収容空間11内に引き込まれて、出口開口4aに被さる位置から退避する。
【0022】
その結果、出口開口4aが何物にも妨げられずに先端部本体3の先端面にそっくり開口する状態になり、流体管路4を通って出口開口4aから送り出される流体が観察光軸Xと略平行に前方に向かって真っ直ぐに噴射される。そして、ノズル操作レバー7により操作ワイヤ6を押し込み操作すれば、ノズル10が図3、図4に示される状態に戻る。
【0023】
したがって、内視鏡検査中に被写体を観察しながら随時ノズル操作レバー7を操作することにより、流体を観察窓8の表面に向けて噴出させる観察窓洗浄モードと、被写体粘膜面に向けて噴出させる被写体洗浄モードとを任意に切り換えることができる。
【0024】
そして、内視鏡検査終了後においては、ノズル操作レバー7を操作するだけでノズル10がノズル収容空間11内に収容された状態にして、出口開口4a部分から流体管路4内に掃除用ブラシを通してブラッシングすることができる。
【0025】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えばノズル10の材質や形状は適宜の態様をとることができ、ノズル10を変形させることなく移動させる構造等であっても差し支えない。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、ノズルを可動に配置して、ノズルが流体の噴出方向を流体管路の出口開口から観察窓の表面に向かわせる状態と、ノズルが流体管路の出口開口部分から退避した状態とを、挿入部の基端側からの遠隔操作によって切り換えることができるようにしたことにより、同じ流体管路を経由して、内視鏡検査中における観察窓表面の洗浄と被写体粘膜面の洗浄とを各々容易に行うことができ、内視鏡検査後は、流体管路の出口開口部分からノズルを退避させて、部材等を取り外すことなく流体管路内を容易にブラッシング洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のノズルが退避した状態の内視鏡の挿入部先端の斜視図である。
【図2】本発明の実施例のノズルが退避した状態の内視鏡の挿入部先端の側面断面図である。
【図3】本発明の実施例のノズルが突出した状態の内視鏡の挿入部先端の斜視図である。
【図4】本発明の実施例のノズルが突出した状態の内視鏡の挿入部先端の側面断面図である。
【図5】本発明の実施例の内視鏡の側面図である。
【符号の説明】
1 挿入部
2 操作部
3 先端部本体
4 流体管路
4a 出口開口
6 操作ワイヤ
7 ノズル操作レバー
8 観察窓
10 ノズル
11 ノズル収容空間
11a ストッパ部
X 観察光軸

Claims (4)

  1. 挿入部内に挿通配置された流体管路の出口開口が、挿入部の先端の観察窓の近傍位置に配置されて、上記流体管路の出口開口から噴出する流体の噴出方向を上記観察窓の表面に向けるためのノズルが上記流体管路の出口開口部分に配置された内視鏡の流体噴出装置において、
    上記ノズルを可動に配置して、上記ノズルが上記流体管路の出口開口部分にあって上記流体の噴出方向を上記観察窓の表面に向かわせる状態と、上記ノズルが上記流体管路の出口開口部分から退避した状態とを、上記挿入部の基端側からの遠隔操作によって切り換えることができるようにしたことを特徴とする内視鏡の流体噴出装置。
  2. 上記ノズルを上記流体管路の出口開口部分から退避させたときに上記ノズルを収容するためのノズル収容空間が上記挿入部の先端内に形成されている請求項1記載の内視鏡の流体噴出装置。
  3. 上記ノズルが弾力性のある材料により形成されていて、上記流体管路の出口開口部分から退避する時は弾力的に変形しながら上記ノズル収容空間内に収容される請求項2記載の内視鏡の流体噴出装置。
  4. 上記ノズルが上記流体管路の出口開口部分から退避した状態においては、流体が上記流体管路の出口開口から観察光軸に対して略平行の方向に噴出される請求項1、2又は3記載の内視鏡の流体噴出装置。
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