JP2004141250A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】始動領域へ進入したが始動時動作が行なわれずに無効となった無効始動に基づいて、変化に富んだ面白みのある遊技を行なうことが可能な弾球遊技機を提供することである。
【解決手段】無効始動が記憶され(S2,S3)、記憶されている無効始動数の範囲内で始動時動作を実行するか否かが判定され(S9)、始動時動作を実行する判定がされたときに、可変入賞球装置を始動時動作させる制御が行なわれる。
【選択図】 図6
【解決手段】無効始動が記憶され(S2,S3)、記憶されている無効始動数の範囲内で始動時動作を実行するか否かが判定され(S9)、始動時動作を実行する判定がされたときに、可変入賞球装置を始動時動作させる制御が行なわれる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機またはコイン遊技機等で代表される弾球遊技機に関する。詳しくは、遊技領域に設けられた始動領域へ打玉が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動時動作を行なう可変入賞球装置を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域へ打玉が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態に制御することが可能な弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の弾球遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、第2種パチンコ遊技機のように、遊技領域に設けられた始動領域へ打玉が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば、閉状態)から遊技者にとって有利な第1の状態(開状態)となる始動時動作を行なう可変入賞球装置を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域へ打玉が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態(大当り制御状態)に制御することが可能であるものがあった。
【0003】
このような従来の弾球遊技機では、始動時動作中と特定遊技状態中とにおいて、始動領域へ打玉が進入しても始動時動作が行なわれずに無効となる無効始動が生じていた。このような始動時動作の無効は遊技者の不満感を招くものであるため、そのような不満感を解消するために、無効となっていたタイミングでの始動領域への打玉の進入については、第1種パチンコ遊技機のように打玉の進入を記憶する始動入賞記憶をするようにし、その記憶データに基づいて順次始動入賞動作を実行していく制御が行なわれる弾球遊技機もあった。
【0004】
このように始動入賞記憶の記憶データに基づいて始動入賞動作を実行する従来の弾球遊技機の代表例としては、始動入賞記憶に基づいて実行される始動時動作の態様(たとえば、可変入賞球装置が第1の状態となる回数)を報知するもの(特許文献1)、および、次の始動入賞記憶に基づく始動時動作の実行タイミングを報知するもの(特許文献2)等があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−177515号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−186726号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の弾球遊技機では、始動入賞記憶が行なわれた場合、その始動入賞記憶データに基づく始動時動作が、始動入賞記憶データ数分だけ必ず順次行なわれるものであったため、特に大きな遊技の変化はもたらされず、弾球遊技機の遊技が単調なものになっていた。
【0008】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、始動領域へ進入したが始動時動作が行なわれずに無効となった無効始動に基づいて、変化に富んだ面白みのある遊技を行なうことが可能な弾球遊技機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 遊技領域(遊技領域3)に設けられた始動領域(始動入賞口4a〜4c)へ打玉が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態(閉状態)から遊技者にとって有利な第1の状態(開状態)となる始動時動作を行なう可変入賞球装置(可変入賞球装置20)を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域(特定受入口24)へ打玉が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御することが可能な弾球遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記可変入賞球装置を制御する制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ41)と、
前記始動領域へ打玉が進入したが前記始動時動作が行なわれずに無効となった無効始動があったことを予め定められた上限数まで記憶する無効始動記憶手段(RAM43)と、
予め定められた判定条件が成立したときに、該無効始動記憶手段の記憶データに基づいて、記憶されている前記無効始動数の範囲内で前記始動時動作を実行するか否かを判定する判定手段(S9)とを含み、
前記制御手段は、前記判定手段により前記無効始動記憶手段の記憶データに基づいて前記始動時動作を実行する判定がされたときに、前記可変入賞球装置を前記始動時動作させる(S13,S14)。
【0010】
このような構成によれば、無効始動が記憶され、記憶されている無効始動数の範囲内で始動時動作を実行するか否かが判定され、始動時動作を実行する判定がされたときに、可変入賞球装置が始動時動作させられる。記憶されている無効始動数の範囲内で始動時動作が実行され得るので、無効始動に対する遊技者の不満感を抑制することができる。さらに、始動時動作を実行するか否かの判定結果により無効始動の記憶データに基づいて始動時動作が行なわれるときと行なわれないときとが生じるため、無効始動に基づいて、変化に富んだ面白みのある遊技を行なうことが可能になる。
【0011】
(2) 前記無効始動記憶手段に記憶されている前記無効始動を特定可能な情報を表示する無効始動表示手段(無効始動記憶表示器22)をさらに含む。
【0012】
このような構成によれば、記憶されている無効始動を特定可能な情報が表示されるので、遊技者が無効始動がいくつ記憶されているかを明確に把握することができ、これにより、遊技者が無効始動の記憶に基づく始動時動作が行なわれる遊技に対する作戦を立てることが可能になる。
【0013】
(3) 前記判定手段は、前記無効始動記憶手段に記憶されているすべての前記無効始動数に対する前記始動時動作を連続的に実行するか否かを判定する(第2実施形態)。
【0014】
このような構成によれば、記憶されているすべての無効始動数に対する始動時動作を連続的に実行するか否かが判定されるので、記憶されているすべての無効始動数分の始動時動作が連続的に実行され得る。このため、記憶されている無効始動数に応じて遊技者のチャンスが広がることとなるので、無効始動に基づく遊技の付加価値を向上させることができる。
【0015】
(4) 前記判定手段における前記判定条件は、前記無効始動記憶手段に記憶されている前記無効始動の数が予め定められた無効始動数(開放判定設定数)に到達したときに成立する(S6〜S9)。
【0016】
このような構成によれば、記憶されている無効始動の数が予め定められた無効始動数に到達したときに、無効始動の記憶に基づく始動時動作を実行するか否かを判定するための判定条件が成立するので、無効始動が無駄にならずに始動記憶動作のために記憶されていくという意識を遊技者に持たせることに加えて、始動時動作を得るための判定条件到達への意欲を遊技者に持たせることができる。これにより、遊技の新たな面白さを提供することができる。また、無効始動の記憶以外の条件を設けるわけではないので、判定条件の成立の有無の判断が容易となる。
【0017】
(5) 前記判定手段による前記判定条件は、前記特定遊技状態の発生を条件として成立する(第3実施形態)。
【0018】
このような構成によれば、特定遊技状態の発生を条件として無効始動の記憶に基づく始動時動作を実行するか否かを判定するための判定条件が成立するので、特定遊技状態に付加価値が生じ、特定遊技状態に関する遊技の面白みを向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、弾球遊技機の一例としてパチンコ遊技機をとり上げて説明するが、本発明はこれに限らず、たとえば、コイン遊技機等であってもよく、遊技領域に設けられた始動領域へ打玉が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動時動作を行なう可変入賞球装置を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域へ打玉が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態に制御することが可能な弾球遊技機であればすべて対象となる。
【0020】
第1実施形態
まず、弾球遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面から見た正面図である。
【0021】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2aと、該外枠2aの内側に開閉可能に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠2bと、該前面枠2bの前面上部に開閉自在に軸支されて設けられる額縁状のガラス扉枠2とから構成されている。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿6aが設けられている。前面枠2bにおいて、打球供給皿6aの下部には、打球供給皿6aから溢れた貯留球を貯留する余剰球受皿6bと打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
【0022】
また、ガラス扉枠2の後方に位置する前面枠2bには、前面側に遊技領域3が形成された遊技盤100が着脱可能に設けられている。前面枠2bおよびガラス扉枠2は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。ガラス扉枠2には、遊技盤100の遊技領域3をほぼ透視し得る透視窓が開設され、該透視窓の裏面からガラス板が装着されている。
【0023】
この遊技領域7には、打球操作ハンドル5を操作することに応じて打球発射装置(図示省略)によって発射された遊技球が誘導レール76に誘導されて打ち込まれる。
【0024】
遊技領域3のほぼ中央には、本実施の形態の要部をなす可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の下方には、それぞれ始動玉検出器5a〜5cを内蔵した入賞領域である左,中,右の始動入賞口4a〜4cが配置されている。始動入賞口4a〜4cに打玉が進入すると、打玉が始動玉検出器5a〜5cにより玉の通過が検出され、始動入賞が発生する。そのような始動入賞が始動玉検出器5a〜5cにより検出されると、それに応じて、可変入賞球装置20を次のように閉鎖状態(打玉が入賞不可能な状態)から所定期間開放状態(打玉が入賞可能な状態)にする制御が行なわれる。
【0025】
具体的に、始動入賞口4a〜4cのうち左右の始動入賞口4a,4cに打玉が入賞した場合(進入して有効な始動入賞玉として検出された場合)は、可変入賞球装置20の開閉片23a,23bを1回開放(開閉)動作させる制御が行なわれる。また、始動入賞口4a〜4cのうち中央の始動入賞口4bに入賞した場合(進入して有効な始動入賞玉として検出された場合)は、可変入賞球装置20の開閉片23a,23bを2回開放(開閉)動作させる制御が行なわれる。
【0026】
このように始動玉検出器5a〜5cの入賞検出に伴って可変入賞球装置20が開放動作される状態を始動遊技状態と呼び、この時に行なわれる可変入賞球装置20の動作を始動時動作または始動入賞時動作と呼ぶ。また、始動時動作は、次のように言い換えることができる。すなわち、始動時動作は、始動玉検出器5a〜5cの玉検出により遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)から遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)となる動作である。
【0027】
また、可変入賞球装置20には、8個のLED(Light Emitting Diode)22aからなる無効始動記憶表示器22が設けられている。この無効始動記憶表示器22の点灯している数により、始動入賞口4a〜4cへ打玉が進入(入賞)したが始動時動作が行なわれずに無効となったこと(以下、無効始動とも呼ぶ)が所定数(たとえば、8)を上限値(上限数)として記憶(後述するRAM43への記憶であり、無効始動記憶と呼ばれる)されていることが表示される。このような無効始動は、可変入賞球装置20が始動時動作をしているとき、および、可変入賞球装置20が後述する大当り時動作をしているときのそれぞれにおいて、始動入賞口4a〜4cに打玉が進入して打玉始動玉検出器5a〜5cに検出されても、その進入に応じた始動入賞が後述する遊技制御用マイクロコンピュータにより無効とされることにより生じる。
【0028】
遊技制御用マイクロコンピュータでは、始動玉検出器5a〜5cにより検出された玉の進入が無効始動であるとされた場合は、上限値内で無効始動に応じて無効始動記憶を増加させ、無効始動記憶に基づく記憶始動時作の実行条件が成立した場合には、実行条件の成立の判断のために用いられた分の無効始動記憶を減らすための制御が行なわれる。このような無効始動記憶の増減に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータでは、無効始動記憶表示器22において点灯されるLEDの数を制御する。
【0029】
なお、この例では、遊技者にとって不利な第2の状態が入賞不可能な状態であり、遊技者にとって有利な第1の状態が入賞可能な状態である可変入賞球装置20を示したが、これに限らず、第2の状態が入賞可能であるが入賞しにくい状態であり、第1の状態が第2の状態よりも入賞しやすい状態である可変入賞球装置を用いてもよい。
【0030】
可変入賞球装置20においては、飛行型の円盤の形状を模した固定部材29と、該固定部材の前方で駆動される可動部材27とが設けられている。可動部材27は、ソレノイド27aにより駆動され、後述する特定入賞口の上方で、可変入賞球装置20内に進入した玉を貯留可能な状態と、貯留不可能な状態とのいずれかの状態とされる。
【0031】
また、遊技領域3には、上記した構成以外にも、サイドランプ31等のランプ、複数の通常入賞口19、および、アウトロ11等が設けられている。また、遊技領域3の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ40が設けられている。また、遊技領域3の外周には、遊技効果ランプ(LEDよりなる)28a,28b,28cが設けられている。
【0032】
次に、可変入賞球装置20の左右両端部には、開口部20a,20bが設けられているとともに、それらの開口部20a,20bを同時に開放状態または閉塞状態にする(開閉する)左右一対の開閉片23a,23bが回動可能に設けられている。開閉片23a,23bには、それぞれ周知のリンク機構を介してソレノイド24a,24bが連結されている。
【0033】
開閉片23a,23bは、ソレノイド24a,24bがONしたときに、開口部20a,20bを開放する方向に回動する一方、ソレノイド24a,24bがOFFしたときに、開口部20a,20bを閉鎖する方向に回動するようになっている。このように、開閉片23a,23bが開口部20a,20bを開放した場合が前述した可変入賞球装置20の開放状態であり、開閉片23a,23bが開口部20a,20bを閉鎖した場合が前述した可変入賞球装置20の閉鎖状態である。
【0034】
可変入賞球装置20が開放された状態となって内部空間に玉が入賞すると、その玉は、内部空間内で固定部材29等の内部構造物に衝突しながら下方へ向けて流下する。
【0035】
固定部材29の下方には、特定入賞領域(V入賞領域)としての特定受入口24と、特定受入口24に入った玉以外の玉を受入れる通常受入口25a,25bとが設けられている。特定受入口24は、固定部材29の下方の中央に設けられ、通常受入口25a,25bは特定受入口24の左右両側に設けられている。
【0036】
特定受入口24の内部には、特定受入口24に進入した玉の通過を検出する通過検出型の検出スイッチである特定玉検出器48が設けられている。
【0037】
可変入賞球装置20は、可変入賞球装置20内に進入した玉が特定受入口24または通常受入口25a,25bのうちのいずれかに入るように構成されている。特定受入口24に進入した玉は、所謂V入賞を発生させる玉として検出される。このような特定受入口24に進入した玉が検出されると、V入賞と呼ばれる特定入賞が発生する。以下、V入賞を特定入賞と表現する。特定受入口24および通常受入口25a,25bのそれぞれに進入した玉は、図示しない玉通路を通って遊技盤1の裏面側に設けられた入賞玉集合カバー体(図示しない)に集められる。
【0038】
特定受入口24に入った玉が特定玉検出器48により検出されて特定入賞が発生した場合には、その検出に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ41により、特定遊技状態としての大当り遊技状態(当り遊技状態ともいう)を発生させる制御が行なわれる。この大当り遊技状態においては、開閉片23a,23bが最大限18回開閉する動作(大当り時動作)が最大限16回繰返し実行される制御が行なわれる。
【0039】
具体的に、大当り遊技状態においては、ソレノイド24a,24bがON/OFF制御されることで、開閉片23a,23bが所定時間の開閉動作を18回を上限として繰返す制御が行なわれる。このような開放動作の繰返しは、開閉サイクルと呼ばれる。開閉サイクルの開閉動作が18回終了する以前に、10個の入賞玉が検出された場合には、その時点で開閉片23a,23bの開閉動作が終了される。また、このような開閉サイクルは、後述する継続権の成立を条件として、最高16回までの継続が許容される。このように18回を上限とした開閉サイクルが行なわれる期間がラウンドと呼ばれる。開閉サイクルは、前述したように最高16回まで継続可能であるため、大当り遊技状態におけるラウンドは、第1ラウンド〜第16ラウンドの計16ラウンドを上限として継続可能である。
【0040】
各ラウンドにおいては、各ラウンドの開始後、18回の開閉動作または10個の入賞玉の検出が行なわれた時点(ラウンドの終了条件が成立した時点)から2秒を経過するまでに、特定受入口24に入った玉(入賞玉)が特定玉検出器48を通過することに応じて、18回の開閉サイクルの継続権を成立させる制御が行なわれる。そして、このような継続権が成立した場合、所定のインターバル時間の経過後に再度開閉片23a,23bを開放する制御が行なわれる。このような開閉サイクルの継続回数は、前述したように、最高16回(16ラウンド)まで許容されるようになっている。このようにラウンドを継続させる制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。ここで、繰返し継続制御は、纏めると、次のような制御であると言える。大当り遊技状態において、前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様(開閉片23a,23bの開閉サイクルを含む動作態様)で可変入賞球装置を第1の状態にした後遊技者にとって不利な第2の状態(開閉片23a,23bを閉鎖状態)にし、予め定められた継続条件の成立に基づいて再度第1の状態に繰返し継続制御する制御である。
【0041】
前述した可動部材27は、各ラウンドの開始時の段階から終了条件が成立する少し前の段階(たとえば、9個の入賞玉が検出された時、または開閉片23a,23bの開閉動作が16回実行された時)まで特定受入口24の上方で玉を貯留可能な状態に制御され、その後、玉を貯留不可能な状態に制御される。可動部材27が玉を貯留可能な状態から玉を貯留不可能に制御されるときに、貯留されていた玉は、特定受入口24の上方から落下する態様となる。このような状態では、ただ単に玉が可変入賞球装置20内に進入して貯留されずに流下する場合よりも玉が特定受入口24内に進入しやすくなる。
【0042】
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット50も示されている。カードユニットに挿入されたカード内に残額情報が記憶されている場合には、その残額の引落としに応じて、遊技者に対する遊技球の貸出しが行なわれる。
【0043】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ151、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を打球供給皿6aの近傍に設けられている度数表示LEDに生じさせるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、および、カード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0044】
次に、パチンコ遊技機1の制御回路について説明する。図2は、パチンコ遊技機1の制御回路を示すブロック図である。
【0045】
可変入賞球装置20等を構成する各種作動部材は、遊技制御用マイクロコンピュータ41が設けられた遊技制御基板40によってその作動が制御される。図2には、制御基板として、遊技制御基板40、払出制御基板37、音制御基板80、および、電飾制御基板70が示されている。
【0046】
遊技制御基板40には、遊技制御用マイクロコンピュータ41と、スイッチ回路46と、ソレノイド回路47と、アドレスデコード回路480とが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ41は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する。
【0047】
スイッチ回路46は、特定玉検出器48、始動玉検出器5a〜5c、通常入賞玉検出器19、および、入賞玉検出器26a,26bからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ41に与える。ソレノイド回路47は、開閉片23a,23bを開閉するソレノイド24a,24b、および、可動部材27を駆動するソレノイド27a等のソレノイドを遊技制御用マイクロコンピュータ41からの指令に従って駆動する。
【0048】
また、前述したような無効始動を記憶する機能(無効始動記憶機能)は、遊技制御用マイクロコンピュータ41の制御機能により実現される。
【0049】
遊技制御用マイクロコンピュータ41は、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM(Read Only Memory)42、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM43(Random Access Memory)、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU(Central Processing Unit )44およびI/Oポート部45を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。この実施の形態ではROM42,RAM43はCPU44に搭載されている。すなわち、CPU44は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU44とROM42,RAM43とは1チップ化されていなくてもよい。つまり、ROM42、RAM43およびI/Oポート部45は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部45は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。遊技制御用マイクロコンピュータ41は、接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、接続された制御対象の機器を駆動する制御を行なう。
【0050】
さらに、遊技制御基板40には、遊技制御用マイクロコンピュータ41から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部45のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路480が設けられている。なお、球払出装置97から遊技制御基板40に入力されるスイッチ情報もあるが、図2においてそれらは省略されている。
【0051】
また、この実施の形態では、電飾制御基板70に搭載されている電飾制御手段である電飾制御用マイクロコンピュータ71が、遊技効果LED28a,28b,28c、サイドランプ31、および、無効始動記憶表示器22のような発光体の表示制御を行なう。この電飾制御用マイクロコンピュータ71の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ41と同様である。
【0052】
遊技制御基板40から電飾制御基板70には、電飾制御基板70により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である電飾制御コマンド等の情報が伝送される。電飾制御基板70では、電飾制御用マイクロコンピュータ71が、電飾制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。遊技中には、電飾制御用マイクロコンピュータ71によって、遊技を演出するためにランプ等の発光体(電飾)の制御が行なわれる。
【0053】
また、この実施の形態では、音制御基板80に搭載されている音制御手段である音制御用マイクロコンピュータ81が、スピーカ40へ与える音制御信号を制御することによりスピーカ40から出力される(発生される)音声の制御を行なう。この音制御用マイクロコンピュータ81の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ41と同様である。
【0054】
遊技制御基板40から音制御基板80には、音制御基板80により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である音制御コマンド等の情報が伝送される。音制御基板80では、音制御用マイクロコンピュータ81が、音制御コマンドに応じて制御対象機器、すなわち、スピーカ40を駆動する制御を行なう。遊技中には、音制御用マイクロコンピュータ81によって、遊技を演出するために可変入賞球装置20の動作に合わせて音を発生させる制御が行なわれる。
【0055】
また、遊技制御基板40から払出制御基板37には、払出制御基板37により駆動制御される球払出装置97による賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝送される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御基板37では、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御手段)が搭載されており、この払出制御用マイクロコンピュータ370が、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。この払出制御用マイクロコンピュータ370の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ41と同様である。また、払出制御用マイクロコンピュータ370では、カードユニット50と相互に情報通信することにより、カードユニット50からの指令に応じた貸球の払出制御も行なわれる。
【0056】
遊技制御基板40(遊技制御用マイクロコンピュータ41)から各制御基板へ送信される情報には、制御の指令内容を示す制御コマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ41は、このような2バイトのデータを、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0057】
遊技制御基板40と、音制御基板80および電飾制御基板70のそれぞれとの間の情報通信は、遊技制御基板40から音制御基板80および電飾制御基板70のそれぞれへの一方向通信のみとされている。これにより、音制御基板80、および、電飾制御基板70のそれぞれから遊技制御基板40への不正なデータの入力により不正な遊技動作をさせる不正行為を防ぐことが可能となっている。
【0058】
なお、図2においては、音制御機能と電飾制御機能とをそれぞれ別のマイクロコンピュータに含ませる例を示したが、これに限らず、電飾制御機能および音制御機能の両方を1つのマイクロコンピュータに含ませ、そのマイクロコンピュータが前述したような音制御コマンドおよび電飾制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。
【0059】
前述したような遊技制御基板40、電飾制御基板70、音制御基板80、および、払出制御基板37は、互いに別体形成された基板により構成されている。
【0060】
次に、前述した遊技制御基板40における遊技制御用マイクロコンピュータ41を中心として行なわれる可変入賞球装置20の動作制御について説明する。
【0061】
まず、前述した始動入賞が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ41による直接的な制御により、ソレノイド24a,24bが所定時間ONされて開閉片23a,23bが開放される。開閉片23a,23bの開閉回数および開放時間は、1回開き始動入賞と、2回開き始動入賞とで異なる。開閉23a,23bの開放動作中に打玉が可変入賞球装置20内に進入すると、その玉が下方に落下する。
【0062】
また、大当り遊技状態以外の通常遊技状態においては、可動部材27が玉を貯留不可能な状態にされており、可変入賞球装置20に進入した玉がランダムな経路で落下する。
【0063】
特定受入口24に進入した玉(入賞した玉)が特定玉検出器48により検出されれば、特定入賞が発生し、遊技制御用マイクロコンピュータ41により、前述した大当り遊技状態を発生させる制御が行なわれる。
【0064】
大当り遊技状態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ41からの制御信号に応じてソレノイド24a,24bがON/OFF制御されることで、開閉片23a,23bが所定時間の開閉動作を18回を上限として繰返す前述したような繰返し継続制御が行なわれる。
【0065】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ41からのコマンドを受けた電飾制御用マイクロコンピュータ71の制御により、装飾用のLED表示器47が遊技の進行に合わせて動作される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ41からのコマンドを受けた音制御用マイクロコンピュータ201により、スピーカ203が動作され、効果音等の音声を発生させる制御が行なわれる。
【0066】
次に、無効始動記憶表示器22の動作態様を説明する。図3〜図5は、無効始動記憶表示器22の動作態様を説明するための可変入賞球装置20の正面図である。
【0067】
無効始動が記憶されていないときには、図3に示されるように、無効始動記憶表示器22において、8個のLED22aがすべて消灯されている。そして、無効始動が生じてその無効始動が記憶されると、その記憶数を示すために、図4に示されるように、無効始動記憶表示器22において、LED22aが順次点灯されていく。たとえば、図4の場合は、5つのLED22aが点灯することにより、無効始動記憶数が「5」であることが示されている。
【0068】
なお、無効始動記憶表示器22においては、表示される無効始動記憶が1回開き始動入賞の無効始動記憶と、2回開き始動入賞の無効始動記憶とのどちらであるかを特定可能とすることが好ましい。たとえば、1回開き始動入賞の無効始動記憶と2回開き始動入賞の無効始動記憶とで、たとえば、LED22aの発光色を異ならせる、LED22aの発光の明るさを異ならせる、または、LED22aの発光パターンを異ならせる(たとえば、点滅と点灯との相違、または、点滅周期の相違)のうちのいずれかを行なうようにしてもよい。また、1回開き始動入賞の無効始動記憶と2回開き始動入賞の無効始動記憶とで、複数のLED22aを2つにグループ分けしてグループ単位でLED22aを集合配置し、点灯しているLED22aの配置位置に基づいて1回開き始動入賞の無効始動記憶と2回開き始動入賞の無効始動記憶とのどちらであるかを識別可能となるように構成してもよい。
【0069】
また、この実施形態の場合には、無効始動記憶数が開放判定設定数である「4」以上となると、有効な始動入賞が検出されたことを条件として、4つの無効始動数の消化(クリア)と引換えに、無効始動記憶データに基づく始動時動作である記憶始動時動作を実行するか否かの判定が遊技制御用マイクロコンピュータ41により行なわれる。ここで、開放判定設定数とは、無効始動記憶に基づいて無効始動時動作を実行するか否かの判断をする開放判定を1回行なうために必要とされる無効始動記憶数の設定値をいう。このような判定の結果、実行する旨の判定がされたときには、前述したような1回開き始動入賞と同様の態様で開閉片23a,23bの開閉を行なう記憶始動時動作が実行される。このような判定が行なわれると、その判定のために使用された無効始動記憶数(たとえば、4)が減算され、その減算により更新された記憶数分だけLED22aがたとえば図5に示されるように消灯される。
【0070】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ41のCPU44により実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ44では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0071】
遊技制御用マイクロコンピュータ41により実行されるサブルーチンプログラムには、前述したような無効始動記憶に基づく記憶始動時動作を実行するか否かの判定のための処理を行なう無効始動判定処理と、記憶始動時動作を含む可変入賞球装置20の開放動作を実行するための可変入賞球装置開放処理とが含まれる。
【0072】
図6は、無効始動判定処理の処理内容を示すフローチャートである。
まず、ステップS(以下、単にSという)1により、無効始動となった玉の検出があったか否かが判断される。具体的に、S1においては、始動入賞口4a〜4cへ玉が進入して打玉始動玉検出器5a〜5cに検出されたが大当り遊技状態中または始動時動作中であることにより始動入賞が無効となった玉の検出があったか否かが判断される。
【0073】
S1により無効始動となった玉の検出がなかったと判断された場合は、後述するS5に進む。一方、S1により無効始動となった玉の検出があったと判断された場合は、S2に進み、現在の無効始動記憶数が上限値(8つ)に達しているか否かが判断される。S2により上限値に達していないと判断された場合は、S3により無効始動記憶数が「1」だけ加算更新され、S4に進む。一方、S2により上限値に達していると判断された場合は、無効始動記憶数を更新させずにS4に進む。
【0074】
S4では、無効始動記憶表示器22による無効始動記憶数の表示が更新される。具体的に、S3により無効始動記憶数が加算更新された場合は、無効始動記憶数の表示が、その加算後の無効始動記憶数に更新される。一方、無効始動記憶数が加算更新されなかった場合は、無効始動記憶数の表示が、それまでに表示されていた無効始動記憶数と同じ表示に更新される。
【0075】
次に、S5では、打玉始動玉検出器5a〜5cにより有効な始動入賞の検出がされたか否かが判断される。具体的に、有効な始動入賞の検出とは、大当り遊技状態中または始動時動作中以外の状態において、打玉始動玉検出器5a〜5cによる玉の検出が行なわれ、始動入賞が有効となったことをいう。
【0076】
S5により有効な始動入賞検出がされていないと判断された場合は、後述するS10に進む。一方、S5により有効な始動入賞検出がされたと判断された場合は、S6に進み、無効始動記憶数が開放判定設定数(この例では、4)に到達しているか否かが判断される。この例では、S5およびS6により、有効な始動入賞検出がされ、かつ、無効始動記憶数が開放判定設定数となると、無効始動記憶に基づいて無効始動時動作を実行するか否かの判断をする開放判定を行なうための条件である開放判定条件が成立する。
【0077】
S6により無効始動記憶数が開放判定設定数に到達していないと判断された場合は、後述するS10に進む。一方、S6により無効始動記憶数が開放判定設定数に到達していると判断された場合は、S7により、無効始動記憶数が開放判定設定数(この例では、4)分だけ減算更新される。このS7では、後述するS9により開放判定を行なうこととの引換えに、無効始動記憶数が開放判定設定数だけ減算されるのである。
【0078】
次に、S8により、開放判定用ランダムカウンタの値が抽出される。ここで、開放判定用ランダムカウンタとは、前述した開放判定を行なうためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(2msecごと)で1ずつ加算されることとなる。
【0079】
そして、S9により、前述した開放判定が行なわれる。具体的に、S9においては、S8により抽出されたランダムカウンタの値と、予め定められた開放判定値とが一致した場合に、記憶始動時動作を実行することが決定され、一致しない場合に、記憶始動時動作を実行しないことが決定される。このように、S9においては、記憶されている無効始動数の範囲内で記憶始動時動作を実行するか否かが判定される。S9の後、S10に進む。
【0080】
S10では、無効始動記憶表示器22による無効始動記憶数の表示が更新される。具体的に、S7により無効始動記憶数が減算更新された場合は、無効始動記憶数の表示が、その減算後の無効始動記憶数に更新される。一方、S5またはS6からS10に進んだことにより無効始動記憶数が減算更新されなかった場合は、無効始動記憶数の表示が、それまでに表示されていた無効始動記憶数と同じ表示に更新される。S10の後、無効始動判定処理が終了し、リターンする。
【0081】
図7は、可変入賞球装置開放処理の処理内容を示すフローチャートである。まず、S11により、打玉始動玉検出器5a〜5cにより有効な始動入賞検出がされたか否かが判断される。S11の具体的な処理内容は、前述したS5と同様である。
【0082】
S11により有効な始動入賞検出がされたと判断された場合は、S12により、有効始動用の開閉片23a,23bの開放動作、すなわち、前述した始動時動作を実行させるための処理が行なわれた後、S13に進む。具体的に、S12においては、玉を検出した始動玉検出器5a〜5cに応じて、始動時動作としての1回開放(開閉)動作または2回開放(開閉)動作が実行される。一方、S11により有効な始動入賞検出がされなかったと判断された場合は、そのままS13に進む。
【0083】
S13においては、前述したS9の判定において無効始動記憶に基づく記憶始動時動作を実行する判定がされたか否かが判断される。S13により記憶始動時動作を実行する判定がされていないと判断された場合は、この可変入賞球装置開放処理が終了し、リターンする。一方、S13により記憶始動時動作を実行する判定がされたと判断された場合は、S14により、無効始動記憶用の開閉片23a,23bの開放動作、すなわち、前述した記憶始動時動作を実行させるための処理が行なわれた後、この可変入賞球装置開放処理が終了し、リターンする。
【0084】
以上のような第1実施形態によれば、有効な始動入賞に基づいて可変入賞球装置20の始動時動作が実行されることに加えて、無効始動記憶数に基づいて可変入賞球装置の始動時動作(記憶始動時動作)が実行される。無効始動は、前述した開放判定条件が成立するまでストックされていく態様で無効始動記憶データとして記憶され、そのデータの少なくとも一部(最大8つ記憶される記憶データのうちの4つの記憶データ)が、開放判定条件が成立したときの開放判定のために用いられる。無効始動に基づく始動時動作を行なうか否かは前述したようにランダムに決定されるため、ストックされた無効始動がすべて始動時動作に結び付くわけではなく遊技制御が多様化する。無効始動に基づく始動時動作を行なう判定がされると、本来的には無効となって始動時動作に結び付かない無効始動に基づいて始動時動作が生じるという所謂チャンスタイム的な遊技状態が発生することとなる。
【0085】
次に、この第1実施形態により得られる主な効果を説明する。
前述したように無効始動が記憶され、図6のS7〜S9に示されるように、記憶されている無効始動数の範囲内で記憶始動時動作を実行するか否かが判定され、S13およびS14に示されるように記憶始動時動作を実行する判定がされたときに、可変入賞球装置20が記憶始動時動作させられる。記憶されている無効始動数の範囲内で始動時動作が実行され得るので、無効始動に対する遊技者の不満感を抑制することができる。さらに、記憶始動時動作を実行するか否かの判定結果により無効始動の記憶データに基づいて始動時動作が行なわれるときと行なわれないときとが生じるため、無効始動に基づいて、変化に富んだ面白みのある遊技を行なうことが可能になる。
【0086】
また、記憶されている無効始動を特定可能な情報が無効始動記憶表示器22により表示されるので、遊技者が無効始動の記憶データがいくつ記憶されているかを明確に把握することができ、これにより、遊技者が無効始動の記憶に基づく記憶始動時動作が行なわれる遊技に対する作戦を立てることが可能になる。
【0087】
また、S6〜S9に示されるように、無効始動記憶数が開放判定設定数として予め定められた無効始動記憶数に到達したときに、無効始動の記憶に基づく記憶始動時動作を実行するか否かを判定するための判定条件が成立するので、無効始動が無駄にならずに始動記憶動作のために記憶されていくという意識を遊技者に持たせることに加えて、記憶始動時動作を得るための判定条件到達への意欲を遊技者に持たせることができる。これにより、遊技の新たな面白さを提供することができる。また、無効始動の記憶以外の条件を設けるわけではないので、判定条件の成立の有無の判断が容易となる。
【0088】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。前述した第1実施形態では、無効始動記憶データの少なくとも一部を用いて開放判定を行なう例を示したが、この第2実施形態においては、開放判定条件が成立するごとに、その時点で記憶されているすべての無効始動記憶データを用いて、すべての無効始動記憶数に対応する回数分の始動時動作を実行するか否かを判定し、その判定結果に基づいてその時点でのすべての無効始動記憶数に対する始動時動作を行なう例を説明する。この第2実施形態については、前述した第1実施形態との相違点を主として説明し、前述した第1実施形態との共通点については、重複した説明を繰り返さない。
【0089】
この第2実施形態の場合、開放判定条件が成立するごとに、その時点で記憶されているすべての数の無効始動記憶データの消化との引換えに、そのすべての無効始動記憶データに対する回数分の始動時動作を実行するか否かの判定がされる。
【0090】
そして、そのような判定の結果、実行することが決定されたときは、すべての無効始動記憶数に対する回数分の始動時動作を実行する制御が行なわれる。たとえば、無効始動記憶数が4つであるときにおいて、すべての無効始動記憶データに対応する回数分の始動時動作を実行する決定がされた場合には、4つの無効始動記憶数に対応して、4回の始動時動作(可変入賞球装置20の開閉動作)が連続的に実行される。一方、そのような判定の結果、実行しないことが決定されたときは、始動時動作が実行されず、判定の対象となったすべての無効始動記憶のデータがクリアされる。
【0091】
なお、ここでは、すべての無効始動記憶データに対応する回数分の始動時動作を実行しないことが決定されたときに、判定の対象となったすべての無効始動記憶のデータをクリアする例を示した。しかし、これに限らず、すべての無効始動記憶データに対応する回数分の始動時動作を実行しないことが決定されたときには、判定の対象となったすべての無効始動記憶のデータのうちの一部(所定数)をクリアするようにしてもよく、または、判定の対象となったすべての無効始動記憶のデータをまったくクリアしないようにしてもよい。
【0092】
以上のような第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の場合と共通する構成について、前述したような各種の効果が得られる他、特徴的な構成により次のような効果を得ることができる。記憶されているすべての無効始動数に対する記憶始動時動作を連続的に実行するか否かが判定されるので、記憶されているすべての無効始動数分の記憶始動時動作が連続的に実行され得る。このため、記憶されている無効始動数に応じて遊技者のチャンスが広がることとなるので、無効始動に基づく遊技の付加価値を向上させることができる。
【0093】
第3実施形態
次に、第3実施形態を説明する。この第3実施形態においては、大当り遊技状態が発生するごとに開放判定条件が成立し、始動時動作を実行するか否かの判定がされる例を説明する。この第3実施形態については、前述した第1実施形態との相違点を主として説明し、前述した第1実施形態との共通点については、重複した説明を繰り返さない。
【0094】
この第3実施形態の場合、大当り遊技状態が成立するごとに開放判定条件が成立し、無効始動記憶データに基づく始動時動作を実行するか否かの判定がされる。たとえば、開放判定条件の成立タイミングは、特定受入口24への打玉の進入が検出された時である。なお、開放判定条件の成立は、大当り遊技状態の終了時等のその他のタイミングであってもよく、大当り遊技状態の発生を条件として成立するものであればどのようなタイミングであってもよい。
【0095】
この第3実施形態の場合の開放判定処理は、第1実施形態に示したような無効始動記憶数の少なくとも一部を用いて行なうものであってもよく、また、第2実施形態に示したような無効始動記憶数のすべてを用いて行なうものであってもよい。
【0096】
以上のような第3実施形態によれば、前述した実施形態の場合と共通する構成について、前述したような各種の効果が得られる他、特徴的な構成により次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の発生を条件として無効始動の記憶に基づく記憶始動時動作を実行するか否かを判定するための判定条件が成立するので、大当り遊技状態に付加価値が生じ、大当り遊技状態に関する遊技の面白みを向上させることができる。
【0097】
次に、本発明の変形例等の特徴点を列挙する。
(1) 前述した第1実施形態においては、図6に示されるように、有効な始動入賞が発生し、かつ、そのときに無効始動記憶数が開放判定設定数に達していることを開放判定条件が成立する例を示した。しかし、開放判定条件は、有効な始動入賞が発生したか否かにかかわらず、無効始動記憶数が開放判定設定数に達したときに成立するようにしてもよい。また、開放判定条件は、無効始動記憶数が開放判定設定数に達しているかどうかにかかわらず、有効な始動入賞が発生したときに成立するようにしてもよい。
【0098】
(2) 開放判定条件は、大当り遊技状態の終了後に成立するようにしてもよい。
【0099】
(3) 前述した始動入賞口の代わりに、打玉の通過が可能な始動領域としてのゲート(以下、始動ゲートという)を遊技領域に設けるとともに、その始動ゲートに進入した玉を始動玉として検出する検出器(以下、始動検出器という)を設け、その始動検出器により始動ゲートに進入した玉が有効な始動玉として検出されたときに始動時動作を実行させる制御が行なわれるパチンコ遊技機の場合には、始動ゲートの通過が検出されたことを、前述した開放判定条件としてもよい。つまり、打玉が始動ゲートを通過するごとに開放判定が行なわれるようにしてもよい。
【0100】
(4) 遊技領域に打玉の通過が可能な開放判定条件成立判断用のゲート(以下開放ゲートという)を設けるとともに、その開放ゲートに進入した玉を検出する検出器(以下、開放玉検出器という)を設け、その開放玉検出器により開放ゲートに進入した玉が検出されたときに開放判定条件が成立するようにしてもよい。
【0101】
(5) 遊技領域に打玉の通過が可能な開放判定条件成立判断用の入賞口(以下開放入賞口)を設けるとともに、その開放入賞口に進入した玉を検出する検出器(以下、開放玉検出器という)を設け、その開放玉検出器により開放入賞口に進入した玉が検出されたときに開放判定条件が成立するようにしてもよい。
【0102】
(6) 前述した第3実施形態においては、大当り遊技状態の終了時に開放判定条件が成立する例を示したが、これに代えて、大当り遊技状態の終了後の所定時間(大当り遊技状態と関連性があると遊技者が感じられる程度の時間)経過後に開放判定条件が成立するようにしてもよい。
【0103】
(7) 前述した開放判定条件は、前述した始動入賞口への有効な始動入賞の検出時、前述した特定入賞の発生時、前述した大当り遊技状態の終了時、前述した始動ゲートを通過した有効な始動通過の検出時、前述した開放ゲートへの打玉の進入の検出時、および、前述した開放入賞口への打玉の進入の検出時のそれぞれの単独の事象が生じたときに成立するようにしてもよく、これらそれぞれの事象が発生し、かつ、前述した無効始動記憶数が開放判定設定数に達したときに成立するようにしてもよい。
【0104】
(8) 前述した開放判定条件は、前述した始動入賞口への有効な始動入賞の検出時、前述した特定入賞の発生時、前述した大当り遊技状態の終了時、前述した始動ゲートを通過した有効な始動通過の検出時、前述した開放ゲートへの打玉の進入の検出時、前述した開放入賞口への打玉の進入の検出時、および、前述した無効始動記憶数が開放判定設定数に達したときの事象のうちから順列組合せにより選択可能な複数の事象のそれぞれが発生したときに成立するようにしてもよい。たとえば、開放入賞口への打玉の進入の検出時に開放判定条件が成立するとともに、特定入賞の発生時にも開放判定条件が成立するようにしてもよい。
【0105】
(9) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機が遊技者がパチンコ玉を直接手にすることが可能な遊技機である場合を説明したが、これに限らず、前述したパチンコ遊技機は、その内部に封入されたパチンコ玉が循環して遊技に使用されるタイプの玉封入式のパチンコ遊技機にも適用可能である。
【0106】
(10) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【図3】無効始動記憶表示器の動作態様を説明するための可変入賞球装置の正面図である。
【図4】無効始動記憶表示器の動作態様を説明するための可変入賞球装置の正面図である。
【図5】無効始動記憶表示器の動作態様を説明するための可変入賞球装置の正面図である。
【図6】無効始動判定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】可変入賞球装置開放処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 遊技領域、5a〜5c 始動入賞口、20 可変入賞球装置、24 特定受入口、1 パチンコ遊技機、41 遊技制御用マイクロコンピュータ、43 RAM、22 無効始動記憶表示器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機またはコイン遊技機等で代表される弾球遊技機に関する。詳しくは、遊技領域に設けられた始動領域へ打玉が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動時動作を行なう可変入賞球装置を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域へ打玉が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態に制御することが可能な弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の弾球遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、第2種パチンコ遊技機のように、遊技領域に設けられた始動領域へ打玉が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば、閉状態)から遊技者にとって有利な第1の状態(開状態)となる始動時動作を行なう可変入賞球装置を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域へ打玉が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態(大当り制御状態)に制御することが可能であるものがあった。
【0003】
このような従来の弾球遊技機では、始動時動作中と特定遊技状態中とにおいて、始動領域へ打玉が進入しても始動時動作が行なわれずに無効となる無効始動が生じていた。このような始動時動作の無効は遊技者の不満感を招くものであるため、そのような不満感を解消するために、無効となっていたタイミングでの始動領域への打玉の進入については、第1種パチンコ遊技機のように打玉の進入を記憶する始動入賞記憶をするようにし、その記憶データに基づいて順次始動入賞動作を実行していく制御が行なわれる弾球遊技機もあった。
【0004】
このように始動入賞記憶の記憶データに基づいて始動入賞動作を実行する従来の弾球遊技機の代表例としては、始動入賞記憶に基づいて実行される始動時動作の態様(たとえば、可変入賞球装置が第1の状態となる回数)を報知するもの(特許文献1)、および、次の始動入賞記憶に基づく始動時動作の実行タイミングを報知するもの(特許文献2)等があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−177515号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−186726号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の弾球遊技機では、始動入賞記憶が行なわれた場合、その始動入賞記憶データに基づく始動時動作が、始動入賞記憶データ数分だけ必ず順次行なわれるものであったため、特に大きな遊技の変化はもたらされず、弾球遊技機の遊技が単調なものになっていた。
【0008】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、始動領域へ進入したが始動時動作が行なわれずに無効となった無効始動に基づいて、変化に富んだ面白みのある遊技を行なうことが可能な弾球遊技機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 遊技領域(遊技領域3)に設けられた始動領域(始動入賞口4a〜4c)へ打玉が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態(閉状態)から遊技者にとって有利な第1の状態(開状態)となる始動時動作を行なう可変入賞球装置(可変入賞球装置20)を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域(特定受入口24)へ打玉が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御することが可能な弾球遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記可変入賞球装置を制御する制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ41)と、
前記始動領域へ打玉が進入したが前記始動時動作が行なわれずに無効となった無効始動があったことを予め定められた上限数まで記憶する無効始動記憶手段(RAM43)と、
予め定められた判定条件が成立したときに、該無効始動記憶手段の記憶データに基づいて、記憶されている前記無効始動数の範囲内で前記始動時動作を実行するか否かを判定する判定手段(S9)とを含み、
前記制御手段は、前記判定手段により前記無効始動記憶手段の記憶データに基づいて前記始動時動作を実行する判定がされたときに、前記可変入賞球装置を前記始動時動作させる(S13,S14)。
【0010】
このような構成によれば、無効始動が記憶され、記憶されている無効始動数の範囲内で始動時動作を実行するか否かが判定され、始動時動作を実行する判定がされたときに、可変入賞球装置が始動時動作させられる。記憶されている無効始動数の範囲内で始動時動作が実行され得るので、無効始動に対する遊技者の不満感を抑制することができる。さらに、始動時動作を実行するか否かの判定結果により無効始動の記憶データに基づいて始動時動作が行なわれるときと行なわれないときとが生じるため、無効始動に基づいて、変化に富んだ面白みのある遊技を行なうことが可能になる。
【0011】
(2) 前記無効始動記憶手段に記憶されている前記無効始動を特定可能な情報を表示する無効始動表示手段(無効始動記憶表示器22)をさらに含む。
【0012】
このような構成によれば、記憶されている無効始動を特定可能な情報が表示されるので、遊技者が無効始動がいくつ記憶されているかを明確に把握することができ、これにより、遊技者が無効始動の記憶に基づく始動時動作が行なわれる遊技に対する作戦を立てることが可能になる。
【0013】
(3) 前記判定手段は、前記無効始動記憶手段に記憶されているすべての前記無効始動数に対する前記始動時動作を連続的に実行するか否かを判定する(第2実施形態)。
【0014】
このような構成によれば、記憶されているすべての無効始動数に対する始動時動作を連続的に実行するか否かが判定されるので、記憶されているすべての無効始動数分の始動時動作が連続的に実行され得る。このため、記憶されている無効始動数に応じて遊技者のチャンスが広がることとなるので、無効始動に基づく遊技の付加価値を向上させることができる。
【0015】
(4) 前記判定手段における前記判定条件は、前記無効始動記憶手段に記憶されている前記無効始動の数が予め定められた無効始動数(開放判定設定数)に到達したときに成立する(S6〜S9)。
【0016】
このような構成によれば、記憶されている無効始動の数が予め定められた無効始動数に到達したときに、無効始動の記憶に基づく始動時動作を実行するか否かを判定するための判定条件が成立するので、無効始動が無駄にならずに始動記憶動作のために記憶されていくという意識を遊技者に持たせることに加えて、始動時動作を得るための判定条件到達への意欲を遊技者に持たせることができる。これにより、遊技の新たな面白さを提供することができる。また、無効始動の記憶以外の条件を設けるわけではないので、判定条件の成立の有無の判断が容易となる。
【0017】
(5) 前記判定手段による前記判定条件は、前記特定遊技状態の発生を条件として成立する(第3実施形態)。
【0018】
このような構成によれば、特定遊技状態の発生を条件として無効始動の記憶に基づく始動時動作を実行するか否かを判定するための判定条件が成立するので、特定遊技状態に付加価値が生じ、特定遊技状態に関する遊技の面白みを向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、弾球遊技機の一例としてパチンコ遊技機をとり上げて説明するが、本発明はこれに限らず、たとえば、コイン遊技機等であってもよく、遊技領域に設けられた始動領域へ打玉が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動時動作を行なう可変入賞球装置を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域へ打玉が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態に制御することが可能な弾球遊技機であればすべて対象となる。
【0020】
第1実施形態
まず、弾球遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面から見た正面図である。
【0021】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2aと、該外枠2aの内側に開閉可能に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠2bと、該前面枠2bの前面上部に開閉自在に軸支されて設けられる額縁状のガラス扉枠2とから構成されている。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿6aが設けられている。前面枠2bにおいて、打球供給皿6aの下部には、打球供給皿6aから溢れた貯留球を貯留する余剰球受皿6bと打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
【0022】
また、ガラス扉枠2の後方に位置する前面枠2bには、前面側に遊技領域3が形成された遊技盤100が着脱可能に設けられている。前面枠2bおよびガラス扉枠2は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。ガラス扉枠2には、遊技盤100の遊技領域3をほぼ透視し得る透視窓が開設され、該透視窓の裏面からガラス板が装着されている。
【0023】
この遊技領域7には、打球操作ハンドル5を操作することに応じて打球発射装置(図示省略)によって発射された遊技球が誘導レール76に誘導されて打ち込まれる。
【0024】
遊技領域3のほぼ中央には、本実施の形態の要部をなす可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の下方には、それぞれ始動玉検出器5a〜5cを内蔵した入賞領域である左,中,右の始動入賞口4a〜4cが配置されている。始動入賞口4a〜4cに打玉が進入すると、打玉が始動玉検出器5a〜5cにより玉の通過が検出され、始動入賞が発生する。そのような始動入賞が始動玉検出器5a〜5cにより検出されると、それに応じて、可変入賞球装置20を次のように閉鎖状態(打玉が入賞不可能な状態)から所定期間開放状態(打玉が入賞可能な状態)にする制御が行なわれる。
【0025】
具体的に、始動入賞口4a〜4cのうち左右の始動入賞口4a,4cに打玉が入賞した場合(進入して有効な始動入賞玉として検出された場合)は、可変入賞球装置20の開閉片23a,23bを1回開放(開閉)動作させる制御が行なわれる。また、始動入賞口4a〜4cのうち中央の始動入賞口4bに入賞した場合(進入して有効な始動入賞玉として検出された場合)は、可変入賞球装置20の開閉片23a,23bを2回開放(開閉)動作させる制御が行なわれる。
【0026】
このように始動玉検出器5a〜5cの入賞検出に伴って可変入賞球装置20が開放動作される状態を始動遊技状態と呼び、この時に行なわれる可変入賞球装置20の動作を始動時動作または始動入賞時動作と呼ぶ。また、始動時動作は、次のように言い換えることができる。すなわち、始動時動作は、始動玉検出器5a〜5cの玉検出により遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)から遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)となる動作である。
【0027】
また、可変入賞球装置20には、8個のLED(Light Emitting Diode)22aからなる無効始動記憶表示器22が設けられている。この無効始動記憶表示器22の点灯している数により、始動入賞口4a〜4cへ打玉が進入(入賞)したが始動時動作が行なわれずに無効となったこと(以下、無効始動とも呼ぶ)が所定数(たとえば、8)を上限値(上限数)として記憶(後述するRAM43への記憶であり、無効始動記憶と呼ばれる)されていることが表示される。このような無効始動は、可変入賞球装置20が始動時動作をしているとき、および、可変入賞球装置20が後述する大当り時動作をしているときのそれぞれにおいて、始動入賞口4a〜4cに打玉が進入して打玉始動玉検出器5a〜5cに検出されても、その進入に応じた始動入賞が後述する遊技制御用マイクロコンピュータにより無効とされることにより生じる。
【0028】
遊技制御用マイクロコンピュータでは、始動玉検出器5a〜5cにより検出された玉の進入が無効始動であるとされた場合は、上限値内で無効始動に応じて無効始動記憶を増加させ、無効始動記憶に基づく記憶始動時作の実行条件が成立した場合には、実行条件の成立の判断のために用いられた分の無効始動記憶を減らすための制御が行なわれる。このような無効始動記憶の増減に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータでは、無効始動記憶表示器22において点灯されるLEDの数を制御する。
【0029】
なお、この例では、遊技者にとって不利な第2の状態が入賞不可能な状態であり、遊技者にとって有利な第1の状態が入賞可能な状態である可変入賞球装置20を示したが、これに限らず、第2の状態が入賞可能であるが入賞しにくい状態であり、第1の状態が第2の状態よりも入賞しやすい状態である可変入賞球装置を用いてもよい。
【0030】
可変入賞球装置20においては、飛行型の円盤の形状を模した固定部材29と、該固定部材の前方で駆動される可動部材27とが設けられている。可動部材27は、ソレノイド27aにより駆動され、後述する特定入賞口の上方で、可変入賞球装置20内に進入した玉を貯留可能な状態と、貯留不可能な状態とのいずれかの状態とされる。
【0031】
また、遊技領域3には、上記した構成以外にも、サイドランプ31等のランプ、複数の通常入賞口19、および、アウトロ11等が設けられている。また、遊技領域3の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ40が設けられている。また、遊技領域3の外周には、遊技効果ランプ(LEDよりなる)28a,28b,28cが設けられている。
【0032】
次に、可変入賞球装置20の左右両端部には、開口部20a,20bが設けられているとともに、それらの開口部20a,20bを同時に開放状態または閉塞状態にする(開閉する)左右一対の開閉片23a,23bが回動可能に設けられている。開閉片23a,23bには、それぞれ周知のリンク機構を介してソレノイド24a,24bが連結されている。
【0033】
開閉片23a,23bは、ソレノイド24a,24bがONしたときに、開口部20a,20bを開放する方向に回動する一方、ソレノイド24a,24bがOFFしたときに、開口部20a,20bを閉鎖する方向に回動するようになっている。このように、開閉片23a,23bが開口部20a,20bを開放した場合が前述した可変入賞球装置20の開放状態であり、開閉片23a,23bが開口部20a,20bを閉鎖した場合が前述した可変入賞球装置20の閉鎖状態である。
【0034】
可変入賞球装置20が開放された状態となって内部空間に玉が入賞すると、その玉は、内部空間内で固定部材29等の内部構造物に衝突しながら下方へ向けて流下する。
【0035】
固定部材29の下方には、特定入賞領域(V入賞領域)としての特定受入口24と、特定受入口24に入った玉以外の玉を受入れる通常受入口25a,25bとが設けられている。特定受入口24は、固定部材29の下方の中央に設けられ、通常受入口25a,25bは特定受入口24の左右両側に設けられている。
【0036】
特定受入口24の内部には、特定受入口24に進入した玉の通過を検出する通過検出型の検出スイッチである特定玉検出器48が設けられている。
【0037】
可変入賞球装置20は、可変入賞球装置20内に進入した玉が特定受入口24または通常受入口25a,25bのうちのいずれかに入るように構成されている。特定受入口24に進入した玉は、所謂V入賞を発生させる玉として検出される。このような特定受入口24に進入した玉が検出されると、V入賞と呼ばれる特定入賞が発生する。以下、V入賞を特定入賞と表現する。特定受入口24および通常受入口25a,25bのそれぞれに進入した玉は、図示しない玉通路を通って遊技盤1の裏面側に設けられた入賞玉集合カバー体(図示しない)に集められる。
【0038】
特定受入口24に入った玉が特定玉検出器48により検出されて特定入賞が発生した場合には、その検出に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ41により、特定遊技状態としての大当り遊技状態(当り遊技状態ともいう)を発生させる制御が行なわれる。この大当り遊技状態においては、開閉片23a,23bが最大限18回開閉する動作(大当り時動作)が最大限16回繰返し実行される制御が行なわれる。
【0039】
具体的に、大当り遊技状態においては、ソレノイド24a,24bがON/OFF制御されることで、開閉片23a,23bが所定時間の開閉動作を18回を上限として繰返す制御が行なわれる。このような開放動作の繰返しは、開閉サイクルと呼ばれる。開閉サイクルの開閉動作が18回終了する以前に、10個の入賞玉が検出された場合には、その時点で開閉片23a,23bの開閉動作が終了される。また、このような開閉サイクルは、後述する継続権の成立を条件として、最高16回までの継続が許容される。このように18回を上限とした開閉サイクルが行なわれる期間がラウンドと呼ばれる。開閉サイクルは、前述したように最高16回まで継続可能であるため、大当り遊技状態におけるラウンドは、第1ラウンド〜第16ラウンドの計16ラウンドを上限として継続可能である。
【0040】
各ラウンドにおいては、各ラウンドの開始後、18回の開閉動作または10個の入賞玉の検出が行なわれた時点(ラウンドの終了条件が成立した時点)から2秒を経過するまでに、特定受入口24に入った玉(入賞玉)が特定玉検出器48を通過することに応じて、18回の開閉サイクルの継続権を成立させる制御が行なわれる。そして、このような継続権が成立した場合、所定のインターバル時間の経過後に再度開閉片23a,23bを開放する制御が行なわれる。このような開閉サイクルの継続回数は、前述したように、最高16回(16ラウンド)まで許容されるようになっている。このようにラウンドを継続させる制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。ここで、繰返し継続制御は、纏めると、次のような制御であると言える。大当り遊技状態において、前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様(開閉片23a,23bの開閉サイクルを含む動作態様)で可変入賞球装置を第1の状態にした後遊技者にとって不利な第2の状態(開閉片23a,23bを閉鎖状態)にし、予め定められた継続条件の成立に基づいて再度第1の状態に繰返し継続制御する制御である。
【0041】
前述した可動部材27は、各ラウンドの開始時の段階から終了条件が成立する少し前の段階(たとえば、9個の入賞玉が検出された時、または開閉片23a,23bの開閉動作が16回実行された時)まで特定受入口24の上方で玉を貯留可能な状態に制御され、その後、玉を貯留不可能な状態に制御される。可動部材27が玉を貯留可能な状態から玉を貯留不可能に制御されるときに、貯留されていた玉は、特定受入口24の上方から落下する態様となる。このような状態では、ただ単に玉が可変入賞球装置20内に進入して貯留されずに流下する場合よりも玉が特定受入口24内に進入しやすくなる。
【0042】
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット50も示されている。カードユニットに挿入されたカード内に残額情報が記憶されている場合には、その残額の引落としに応じて、遊技者に対する遊技球の貸出しが行なわれる。
【0043】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ151、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を打球供給皿6aの近傍に設けられている度数表示LEDに生じさせるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、および、カード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0044】
次に、パチンコ遊技機1の制御回路について説明する。図2は、パチンコ遊技機1の制御回路を示すブロック図である。
【0045】
可変入賞球装置20等を構成する各種作動部材は、遊技制御用マイクロコンピュータ41が設けられた遊技制御基板40によってその作動が制御される。図2には、制御基板として、遊技制御基板40、払出制御基板37、音制御基板80、および、電飾制御基板70が示されている。
【0046】
遊技制御基板40には、遊技制御用マイクロコンピュータ41と、スイッチ回路46と、ソレノイド回路47と、アドレスデコード回路480とが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ41は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する。
【0047】
スイッチ回路46は、特定玉検出器48、始動玉検出器5a〜5c、通常入賞玉検出器19、および、入賞玉検出器26a,26bからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ41に与える。ソレノイド回路47は、開閉片23a,23bを開閉するソレノイド24a,24b、および、可動部材27を駆動するソレノイド27a等のソレノイドを遊技制御用マイクロコンピュータ41からの指令に従って駆動する。
【0048】
また、前述したような無効始動を記憶する機能(無効始動記憶機能)は、遊技制御用マイクロコンピュータ41の制御機能により実現される。
【0049】
遊技制御用マイクロコンピュータ41は、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM(Read Only Memory)42、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM43(Random Access Memory)、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU(Central Processing Unit )44およびI/Oポート部45を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。この実施の形態ではROM42,RAM43はCPU44に搭載されている。すなわち、CPU44は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU44とROM42,RAM43とは1チップ化されていなくてもよい。つまり、ROM42、RAM43およびI/Oポート部45は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部45は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。遊技制御用マイクロコンピュータ41は、接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、接続された制御対象の機器を駆動する制御を行なう。
【0050】
さらに、遊技制御基板40には、遊技制御用マイクロコンピュータ41から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部45のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路480が設けられている。なお、球払出装置97から遊技制御基板40に入力されるスイッチ情報もあるが、図2においてそれらは省略されている。
【0051】
また、この実施の形態では、電飾制御基板70に搭載されている電飾制御手段である電飾制御用マイクロコンピュータ71が、遊技効果LED28a,28b,28c、サイドランプ31、および、無効始動記憶表示器22のような発光体の表示制御を行なう。この電飾制御用マイクロコンピュータ71の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ41と同様である。
【0052】
遊技制御基板40から電飾制御基板70には、電飾制御基板70により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である電飾制御コマンド等の情報が伝送される。電飾制御基板70では、電飾制御用マイクロコンピュータ71が、電飾制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。遊技中には、電飾制御用マイクロコンピュータ71によって、遊技を演出するためにランプ等の発光体(電飾)の制御が行なわれる。
【0053】
また、この実施の形態では、音制御基板80に搭載されている音制御手段である音制御用マイクロコンピュータ81が、スピーカ40へ与える音制御信号を制御することによりスピーカ40から出力される(発生される)音声の制御を行なう。この音制御用マイクロコンピュータ81の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ41と同様である。
【0054】
遊技制御基板40から音制御基板80には、音制御基板80により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である音制御コマンド等の情報が伝送される。音制御基板80では、音制御用マイクロコンピュータ81が、音制御コマンドに応じて制御対象機器、すなわち、スピーカ40を駆動する制御を行なう。遊技中には、音制御用マイクロコンピュータ81によって、遊技を演出するために可変入賞球装置20の動作に合わせて音を発生させる制御が行なわれる。
【0055】
また、遊技制御基板40から払出制御基板37には、払出制御基板37により駆動制御される球払出装置97による賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝送される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御基板37では、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御手段)が搭載されており、この払出制御用マイクロコンピュータ370が、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。この払出制御用マイクロコンピュータ370の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ41と同様である。また、払出制御用マイクロコンピュータ370では、カードユニット50と相互に情報通信することにより、カードユニット50からの指令に応じた貸球の払出制御も行なわれる。
【0056】
遊技制御基板40(遊技制御用マイクロコンピュータ41)から各制御基板へ送信される情報には、制御の指令内容を示す制御コマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ41は、このような2バイトのデータを、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0057】
遊技制御基板40と、音制御基板80および電飾制御基板70のそれぞれとの間の情報通信は、遊技制御基板40から音制御基板80および電飾制御基板70のそれぞれへの一方向通信のみとされている。これにより、音制御基板80、および、電飾制御基板70のそれぞれから遊技制御基板40への不正なデータの入力により不正な遊技動作をさせる不正行為を防ぐことが可能となっている。
【0058】
なお、図2においては、音制御機能と電飾制御機能とをそれぞれ別のマイクロコンピュータに含ませる例を示したが、これに限らず、電飾制御機能および音制御機能の両方を1つのマイクロコンピュータに含ませ、そのマイクロコンピュータが前述したような音制御コマンドおよび電飾制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。
【0059】
前述したような遊技制御基板40、電飾制御基板70、音制御基板80、および、払出制御基板37は、互いに別体形成された基板により構成されている。
【0060】
次に、前述した遊技制御基板40における遊技制御用マイクロコンピュータ41を中心として行なわれる可変入賞球装置20の動作制御について説明する。
【0061】
まず、前述した始動入賞が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ41による直接的な制御により、ソレノイド24a,24bが所定時間ONされて開閉片23a,23bが開放される。開閉片23a,23bの開閉回数および開放時間は、1回開き始動入賞と、2回開き始動入賞とで異なる。開閉23a,23bの開放動作中に打玉が可変入賞球装置20内に進入すると、その玉が下方に落下する。
【0062】
また、大当り遊技状態以外の通常遊技状態においては、可動部材27が玉を貯留不可能な状態にされており、可変入賞球装置20に進入した玉がランダムな経路で落下する。
【0063】
特定受入口24に進入した玉(入賞した玉)が特定玉検出器48により検出されれば、特定入賞が発生し、遊技制御用マイクロコンピュータ41により、前述した大当り遊技状態を発生させる制御が行なわれる。
【0064】
大当り遊技状態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ41からの制御信号に応じてソレノイド24a,24bがON/OFF制御されることで、開閉片23a,23bが所定時間の開閉動作を18回を上限として繰返す前述したような繰返し継続制御が行なわれる。
【0065】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ41からのコマンドを受けた電飾制御用マイクロコンピュータ71の制御により、装飾用のLED表示器47が遊技の進行に合わせて動作される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ41からのコマンドを受けた音制御用マイクロコンピュータ201により、スピーカ203が動作され、効果音等の音声を発生させる制御が行なわれる。
【0066】
次に、無効始動記憶表示器22の動作態様を説明する。図3〜図5は、無効始動記憶表示器22の動作態様を説明するための可変入賞球装置20の正面図である。
【0067】
無効始動が記憶されていないときには、図3に示されるように、無効始動記憶表示器22において、8個のLED22aがすべて消灯されている。そして、無効始動が生じてその無効始動が記憶されると、その記憶数を示すために、図4に示されるように、無効始動記憶表示器22において、LED22aが順次点灯されていく。たとえば、図4の場合は、5つのLED22aが点灯することにより、無効始動記憶数が「5」であることが示されている。
【0068】
なお、無効始動記憶表示器22においては、表示される無効始動記憶が1回開き始動入賞の無効始動記憶と、2回開き始動入賞の無効始動記憶とのどちらであるかを特定可能とすることが好ましい。たとえば、1回開き始動入賞の無効始動記憶と2回開き始動入賞の無効始動記憶とで、たとえば、LED22aの発光色を異ならせる、LED22aの発光の明るさを異ならせる、または、LED22aの発光パターンを異ならせる(たとえば、点滅と点灯との相違、または、点滅周期の相違)のうちのいずれかを行なうようにしてもよい。また、1回開き始動入賞の無効始動記憶と2回開き始動入賞の無効始動記憶とで、複数のLED22aを2つにグループ分けしてグループ単位でLED22aを集合配置し、点灯しているLED22aの配置位置に基づいて1回開き始動入賞の無効始動記憶と2回開き始動入賞の無効始動記憶とのどちらであるかを識別可能となるように構成してもよい。
【0069】
また、この実施形態の場合には、無効始動記憶数が開放判定設定数である「4」以上となると、有効な始動入賞が検出されたことを条件として、4つの無効始動数の消化(クリア)と引換えに、無効始動記憶データに基づく始動時動作である記憶始動時動作を実行するか否かの判定が遊技制御用マイクロコンピュータ41により行なわれる。ここで、開放判定設定数とは、無効始動記憶に基づいて無効始動時動作を実行するか否かの判断をする開放判定を1回行なうために必要とされる無効始動記憶数の設定値をいう。このような判定の結果、実行する旨の判定がされたときには、前述したような1回開き始動入賞と同様の態様で開閉片23a,23bの開閉を行なう記憶始動時動作が実行される。このような判定が行なわれると、その判定のために使用された無効始動記憶数(たとえば、4)が減算され、その減算により更新された記憶数分だけLED22aがたとえば図5に示されるように消灯される。
【0070】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ41のCPU44により実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ44では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0071】
遊技制御用マイクロコンピュータ41により実行されるサブルーチンプログラムには、前述したような無効始動記憶に基づく記憶始動時動作を実行するか否かの判定のための処理を行なう無効始動判定処理と、記憶始動時動作を含む可変入賞球装置20の開放動作を実行するための可変入賞球装置開放処理とが含まれる。
【0072】
図6は、無効始動判定処理の処理内容を示すフローチャートである。
まず、ステップS(以下、単にSという)1により、無効始動となった玉の検出があったか否かが判断される。具体的に、S1においては、始動入賞口4a〜4cへ玉が進入して打玉始動玉検出器5a〜5cに検出されたが大当り遊技状態中または始動時動作中であることにより始動入賞が無効となった玉の検出があったか否かが判断される。
【0073】
S1により無効始動となった玉の検出がなかったと判断された場合は、後述するS5に進む。一方、S1により無効始動となった玉の検出があったと判断された場合は、S2に進み、現在の無効始動記憶数が上限値(8つ)に達しているか否かが判断される。S2により上限値に達していないと判断された場合は、S3により無効始動記憶数が「1」だけ加算更新され、S4に進む。一方、S2により上限値に達していると判断された場合は、無効始動記憶数を更新させずにS4に進む。
【0074】
S4では、無効始動記憶表示器22による無効始動記憶数の表示が更新される。具体的に、S3により無効始動記憶数が加算更新された場合は、無効始動記憶数の表示が、その加算後の無効始動記憶数に更新される。一方、無効始動記憶数が加算更新されなかった場合は、無効始動記憶数の表示が、それまでに表示されていた無効始動記憶数と同じ表示に更新される。
【0075】
次に、S5では、打玉始動玉検出器5a〜5cにより有効な始動入賞の検出がされたか否かが判断される。具体的に、有効な始動入賞の検出とは、大当り遊技状態中または始動時動作中以外の状態において、打玉始動玉検出器5a〜5cによる玉の検出が行なわれ、始動入賞が有効となったことをいう。
【0076】
S5により有効な始動入賞検出がされていないと判断された場合は、後述するS10に進む。一方、S5により有効な始動入賞検出がされたと判断された場合は、S6に進み、無効始動記憶数が開放判定設定数(この例では、4)に到達しているか否かが判断される。この例では、S5およびS6により、有効な始動入賞検出がされ、かつ、無効始動記憶数が開放判定設定数となると、無効始動記憶に基づいて無効始動時動作を実行するか否かの判断をする開放判定を行なうための条件である開放判定条件が成立する。
【0077】
S6により無効始動記憶数が開放判定設定数に到達していないと判断された場合は、後述するS10に進む。一方、S6により無効始動記憶数が開放判定設定数に到達していると判断された場合は、S7により、無効始動記憶数が開放判定設定数(この例では、4)分だけ減算更新される。このS7では、後述するS9により開放判定を行なうこととの引換えに、無効始動記憶数が開放判定設定数だけ減算されるのである。
【0078】
次に、S8により、開放判定用ランダムカウンタの値が抽出される。ここで、開放判定用ランダムカウンタとは、前述した開放判定を行なうためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(2msecごと)で1ずつ加算されることとなる。
【0079】
そして、S9により、前述した開放判定が行なわれる。具体的に、S9においては、S8により抽出されたランダムカウンタの値と、予め定められた開放判定値とが一致した場合に、記憶始動時動作を実行することが決定され、一致しない場合に、記憶始動時動作を実行しないことが決定される。このように、S9においては、記憶されている無効始動数の範囲内で記憶始動時動作を実行するか否かが判定される。S9の後、S10に進む。
【0080】
S10では、無効始動記憶表示器22による無効始動記憶数の表示が更新される。具体的に、S7により無効始動記憶数が減算更新された場合は、無効始動記憶数の表示が、その減算後の無効始動記憶数に更新される。一方、S5またはS6からS10に進んだことにより無効始動記憶数が減算更新されなかった場合は、無効始動記憶数の表示が、それまでに表示されていた無効始動記憶数と同じ表示に更新される。S10の後、無効始動判定処理が終了し、リターンする。
【0081】
図7は、可変入賞球装置開放処理の処理内容を示すフローチャートである。まず、S11により、打玉始動玉検出器5a〜5cにより有効な始動入賞検出がされたか否かが判断される。S11の具体的な処理内容は、前述したS5と同様である。
【0082】
S11により有効な始動入賞検出がされたと判断された場合は、S12により、有効始動用の開閉片23a,23bの開放動作、すなわち、前述した始動時動作を実行させるための処理が行なわれた後、S13に進む。具体的に、S12においては、玉を検出した始動玉検出器5a〜5cに応じて、始動時動作としての1回開放(開閉)動作または2回開放(開閉)動作が実行される。一方、S11により有効な始動入賞検出がされなかったと判断された場合は、そのままS13に進む。
【0083】
S13においては、前述したS9の判定において無効始動記憶に基づく記憶始動時動作を実行する判定がされたか否かが判断される。S13により記憶始動時動作を実行する判定がされていないと判断された場合は、この可変入賞球装置開放処理が終了し、リターンする。一方、S13により記憶始動時動作を実行する判定がされたと判断された場合は、S14により、無効始動記憶用の開閉片23a,23bの開放動作、すなわち、前述した記憶始動時動作を実行させるための処理が行なわれた後、この可変入賞球装置開放処理が終了し、リターンする。
【0084】
以上のような第1実施形態によれば、有効な始動入賞に基づいて可変入賞球装置20の始動時動作が実行されることに加えて、無効始動記憶数に基づいて可変入賞球装置の始動時動作(記憶始動時動作)が実行される。無効始動は、前述した開放判定条件が成立するまでストックされていく態様で無効始動記憶データとして記憶され、そのデータの少なくとも一部(最大8つ記憶される記憶データのうちの4つの記憶データ)が、開放判定条件が成立したときの開放判定のために用いられる。無効始動に基づく始動時動作を行なうか否かは前述したようにランダムに決定されるため、ストックされた無効始動がすべて始動時動作に結び付くわけではなく遊技制御が多様化する。無効始動に基づく始動時動作を行なう判定がされると、本来的には無効となって始動時動作に結び付かない無効始動に基づいて始動時動作が生じるという所謂チャンスタイム的な遊技状態が発生することとなる。
【0085】
次に、この第1実施形態により得られる主な効果を説明する。
前述したように無効始動が記憶され、図6のS7〜S9に示されるように、記憶されている無効始動数の範囲内で記憶始動時動作を実行するか否かが判定され、S13およびS14に示されるように記憶始動時動作を実行する判定がされたときに、可変入賞球装置20が記憶始動時動作させられる。記憶されている無効始動数の範囲内で始動時動作が実行され得るので、無効始動に対する遊技者の不満感を抑制することができる。さらに、記憶始動時動作を実行するか否かの判定結果により無効始動の記憶データに基づいて始動時動作が行なわれるときと行なわれないときとが生じるため、無効始動に基づいて、変化に富んだ面白みのある遊技を行なうことが可能になる。
【0086】
また、記憶されている無効始動を特定可能な情報が無効始動記憶表示器22により表示されるので、遊技者が無効始動の記憶データがいくつ記憶されているかを明確に把握することができ、これにより、遊技者が無効始動の記憶に基づく記憶始動時動作が行なわれる遊技に対する作戦を立てることが可能になる。
【0087】
また、S6〜S9に示されるように、無効始動記憶数が開放判定設定数として予め定められた無効始動記憶数に到達したときに、無効始動の記憶に基づく記憶始動時動作を実行するか否かを判定するための判定条件が成立するので、無効始動が無駄にならずに始動記憶動作のために記憶されていくという意識を遊技者に持たせることに加えて、記憶始動時動作を得るための判定条件到達への意欲を遊技者に持たせることができる。これにより、遊技の新たな面白さを提供することができる。また、無効始動の記憶以外の条件を設けるわけではないので、判定条件の成立の有無の判断が容易となる。
【0088】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。前述した第1実施形態では、無効始動記憶データの少なくとも一部を用いて開放判定を行なう例を示したが、この第2実施形態においては、開放判定条件が成立するごとに、その時点で記憶されているすべての無効始動記憶データを用いて、すべての無効始動記憶数に対応する回数分の始動時動作を実行するか否かを判定し、その判定結果に基づいてその時点でのすべての無効始動記憶数に対する始動時動作を行なう例を説明する。この第2実施形態については、前述した第1実施形態との相違点を主として説明し、前述した第1実施形態との共通点については、重複した説明を繰り返さない。
【0089】
この第2実施形態の場合、開放判定条件が成立するごとに、その時点で記憶されているすべての数の無効始動記憶データの消化との引換えに、そのすべての無効始動記憶データに対する回数分の始動時動作を実行するか否かの判定がされる。
【0090】
そして、そのような判定の結果、実行することが決定されたときは、すべての無効始動記憶数に対する回数分の始動時動作を実行する制御が行なわれる。たとえば、無効始動記憶数が4つであるときにおいて、すべての無効始動記憶データに対応する回数分の始動時動作を実行する決定がされた場合には、4つの無効始動記憶数に対応して、4回の始動時動作(可変入賞球装置20の開閉動作)が連続的に実行される。一方、そのような判定の結果、実行しないことが決定されたときは、始動時動作が実行されず、判定の対象となったすべての無効始動記憶のデータがクリアされる。
【0091】
なお、ここでは、すべての無効始動記憶データに対応する回数分の始動時動作を実行しないことが決定されたときに、判定の対象となったすべての無効始動記憶のデータをクリアする例を示した。しかし、これに限らず、すべての無効始動記憶データに対応する回数分の始動時動作を実行しないことが決定されたときには、判定の対象となったすべての無効始動記憶のデータのうちの一部(所定数)をクリアするようにしてもよく、または、判定の対象となったすべての無効始動記憶のデータをまったくクリアしないようにしてもよい。
【0092】
以上のような第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の場合と共通する構成について、前述したような各種の効果が得られる他、特徴的な構成により次のような効果を得ることができる。記憶されているすべての無効始動数に対する記憶始動時動作を連続的に実行するか否かが判定されるので、記憶されているすべての無効始動数分の記憶始動時動作が連続的に実行され得る。このため、記憶されている無効始動数に応じて遊技者のチャンスが広がることとなるので、無効始動に基づく遊技の付加価値を向上させることができる。
【0093】
第3実施形態
次に、第3実施形態を説明する。この第3実施形態においては、大当り遊技状態が発生するごとに開放判定条件が成立し、始動時動作を実行するか否かの判定がされる例を説明する。この第3実施形態については、前述した第1実施形態との相違点を主として説明し、前述した第1実施形態との共通点については、重複した説明を繰り返さない。
【0094】
この第3実施形態の場合、大当り遊技状態が成立するごとに開放判定条件が成立し、無効始動記憶データに基づく始動時動作を実行するか否かの判定がされる。たとえば、開放判定条件の成立タイミングは、特定受入口24への打玉の進入が検出された時である。なお、開放判定条件の成立は、大当り遊技状態の終了時等のその他のタイミングであってもよく、大当り遊技状態の発生を条件として成立するものであればどのようなタイミングであってもよい。
【0095】
この第3実施形態の場合の開放判定処理は、第1実施形態に示したような無効始動記憶数の少なくとも一部を用いて行なうものであってもよく、また、第2実施形態に示したような無効始動記憶数のすべてを用いて行なうものであってもよい。
【0096】
以上のような第3実施形態によれば、前述した実施形態の場合と共通する構成について、前述したような各種の効果が得られる他、特徴的な構成により次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の発生を条件として無効始動の記憶に基づく記憶始動時動作を実行するか否かを判定するための判定条件が成立するので、大当り遊技状態に付加価値が生じ、大当り遊技状態に関する遊技の面白みを向上させることができる。
【0097】
次に、本発明の変形例等の特徴点を列挙する。
(1) 前述した第1実施形態においては、図6に示されるように、有効な始動入賞が発生し、かつ、そのときに無効始動記憶数が開放判定設定数に達していることを開放判定条件が成立する例を示した。しかし、開放判定条件は、有効な始動入賞が発生したか否かにかかわらず、無効始動記憶数が開放判定設定数に達したときに成立するようにしてもよい。また、開放判定条件は、無効始動記憶数が開放判定設定数に達しているかどうかにかかわらず、有効な始動入賞が発生したときに成立するようにしてもよい。
【0098】
(2) 開放判定条件は、大当り遊技状態の終了後に成立するようにしてもよい。
【0099】
(3) 前述した始動入賞口の代わりに、打玉の通過が可能な始動領域としてのゲート(以下、始動ゲートという)を遊技領域に設けるとともに、その始動ゲートに進入した玉を始動玉として検出する検出器(以下、始動検出器という)を設け、その始動検出器により始動ゲートに進入した玉が有効な始動玉として検出されたときに始動時動作を実行させる制御が行なわれるパチンコ遊技機の場合には、始動ゲートの通過が検出されたことを、前述した開放判定条件としてもよい。つまり、打玉が始動ゲートを通過するごとに開放判定が行なわれるようにしてもよい。
【0100】
(4) 遊技領域に打玉の通過が可能な開放判定条件成立判断用のゲート(以下開放ゲートという)を設けるとともに、その開放ゲートに進入した玉を検出する検出器(以下、開放玉検出器という)を設け、その開放玉検出器により開放ゲートに進入した玉が検出されたときに開放判定条件が成立するようにしてもよい。
【0101】
(5) 遊技領域に打玉の通過が可能な開放判定条件成立判断用の入賞口(以下開放入賞口)を設けるとともに、その開放入賞口に進入した玉を検出する検出器(以下、開放玉検出器という)を設け、その開放玉検出器により開放入賞口に進入した玉が検出されたときに開放判定条件が成立するようにしてもよい。
【0102】
(6) 前述した第3実施形態においては、大当り遊技状態の終了時に開放判定条件が成立する例を示したが、これに代えて、大当り遊技状態の終了後の所定時間(大当り遊技状態と関連性があると遊技者が感じられる程度の時間)経過後に開放判定条件が成立するようにしてもよい。
【0103】
(7) 前述した開放判定条件は、前述した始動入賞口への有効な始動入賞の検出時、前述した特定入賞の発生時、前述した大当り遊技状態の終了時、前述した始動ゲートを通過した有効な始動通過の検出時、前述した開放ゲートへの打玉の進入の検出時、および、前述した開放入賞口への打玉の進入の検出時のそれぞれの単独の事象が生じたときに成立するようにしてもよく、これらそれぞれの事象が発生し、かつ、前述した無効始動記憶数が開放判定設定数に達したときに成立するようにしてもよい。
【0104】
(8) 前述した開放判定条件は、前述した始動入賞口への有効な始動入賞の検出時、前述した特定入賞の発生時、前述した大当り遊技状態の終了時、前述した始動ゲートを通過した有効な始動通過の検出時、前述した開放ゲートへの打玉の進入の検出時、前述した開放入賞口への打玉の進入の検出時、および、前述した無効始動記憶数が開放判定設定数に達したときの事象のうちから順列組合せにより選択可能な複数の事象のそれぞれが発生したときに成立するようにしてもよい。たとえば、開放入賞口への打玉の進入の検出時に開放判定条件が成立するとともに、特定入賞の発生時にも開放判定条件が成立するようにしてもよい。
【0105】
(9) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機が遊技者がパチンコ玉を直接手にすることが可能な遊技機である場合を説明したが、これに限らず、前述したパチンコ遊技機は、その内部に封入されたパチンコ玉が循環して遊技に使用されるタイプの玉封入式のパチンコ遊技機にも適用可能である。
【0106】
(10) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【図3】無効始動記憶表示器の動作態様を説明するための可変入賞球装置の正面図である。
【図4】無効始動記憶表示器の動作態様を説明するための可変入賞球装置の正面図である。
【図5】無効始動記憶表示器の動作態様を説明するための可変入賞球装置の正面図である。
【図6】無効始動判定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】可変入賞球装置開放処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 遊技領域、5a〜5c 始動入賞口、20 可変入賞球装置、24 特定受入口、1 パチンコ遊技機、41 遊技制御用マイクロコンピュータ、43 RAM、22 無効始動記憶表示器。
Claims (5)
- 遊技領域に設けられた始動領域へ打玉が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動時動作を行なう可変入賞球装置を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域へ打玉が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態に制御することが可能な弾球遊技機であって、
前記可変入賞球装置を制御する制御手段と、
前記始動領域へ打玉が進入したが前記始動時動作が行なわれずに無効となった無効始動があったことを予め定められた上限数まで記憶する無効始動記憶手段と、
予め定められた判定条件が成立したときに、該無効始動記憶手段の記憶データに基づいて、記憶されている前記無効始動数の範囲内で前記始動時動作を実行するか否かを判定する判定手段とを含み、
前記制御手段は、前記判定手段により前記無効始動記憶手段の記憶データに基づいて前記始動時動作を実行する判定がされたときに、前記可変入賞球装置を前記始動時動作させることを特徴とする、弾球遊技機。 - 前記無効始動記憶手段に記憶されている前記無効始動を特定可能な情報を表示する無効始動表示手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の弾球遊技機。
- 前記判定手段は、前記無効始動記憶手段に記憶されているすべての前記無効始動数に対する前記始動時動作を連続的に実行するか否かを判定することを特徴とする、請求項1または2に記載の弾球遊技機。
- 前記判定手段における前記判定条件は、前記無効始動記憶手段に記憶されている前記無効始動の数が予め定められた無効始動数に到達したときに成立することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の弾球遊技機。
- 前記判定手段における前記判定条件は、前記特定遊技状態の発生を条件として成立することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の弾球遊技機。
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Cited By (2)
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-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002307259A patent/JP2004141250A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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