JP2004141213A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者に飽き難く、且つ、期待感を持たせる演出を実行することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】大当たり演出時には、待機中の変動表示の内容に基づいて第1コメントテーブル32aからモードを選択すると共に、各モード毎に予め定められたコメントの中からコメントを抽選して待機中の変動表示を開始する前に表示装置に表示する。遊技者には、大当たり演出の一部としてコメントを示し、変動表示の開始前から変動表示を期待させることができると共に、変動表示の内容に関連づいた変化に富んだ演出を行うことができ、飽き難い遊技性を遊技者に付与することができる。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パチンコ機等の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために液晶表示装置を用いたものが主流になっている。この液晶表示装置へ表示させる画像をどのように変化させて遊技者を満足させるかが各社の競争になっており、その為、液晶表示装置に表示させる画像にはさまざまなバリエーションを持たせる等の工夫がされている。一般的には、この液晶表示装置では、変動表示ゲームが行われ、遊技の興趣が高められている。
【0003】
変動表示ゲームは、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3の升目に9個の図柄等を表示し、所定の遊技条件に基づいて、表示される図柄等をスクロールして変動表示させるものである。そして、図柄等のスクロールが停止した際に(所定の停止位置において)、停止図柄等が予め定められた組み合わせとなっている場合を大当たりとするものである。また、図柄等のスクロール中に、時として通常時よりも高確率で大当たりとなることを事前に示唆する演出(例えばリーチ表示による演出等)が行われて、大当たりに対する期待感を遊技者に持たせる工夫もなされている。更に、大当たりまたはリーチになると、表示装置上に所定の画像を表示し、効果音を出力して大当たり演出やリーチ演出等の各種演出を行うことで、遊技者の心理的高揚感を高め、遊技興趣の向上が図られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−239162号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リーチ演出に代表される興趣演出によって大当たりに対する期待感の程度を示しても、遊技者は、変動表示の開始後の興趣演出が実行されてから表示結果が表示されるまでの短期間しか期待感を持つことができないため、遊技者に飽きられ易いという問題点があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者にとって飽き難い遊技性を付与することができる遊技機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示する表示装置と、始動条件が成立した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備え、その制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると前記動的表示に予め定められた表示結果を現出させると共に前記所定の遊技価値を付与するものであり、前記制御手段は、前記動的表示の始動条件が成立した場合にその動的表示の内容を選定する選定手段と、その選定手段によって選定された動的表示の内容に対応する情報を、少なくともその動的表示の実行を開始するまで待機中の動的表示の情報として記憶する動的表示記憶手段と、その動的表示記憶手段によって記憶される前記待機中の動的表示の情報に応じて予め定められた通知情報を、その待機中の動的表示の開始前に表出させる表出手段とを備えているものである。
【0008】
【発明の効果】本発明の遊技機によれば、動的表示記憶手段によって記憶される待機中の動的表示の内容に応じて予め定められた通知情報が、その待機中の動的表示の開始前に表出手段によって表出させられる。よって、遊技者には、表出した通知情報を演出の一部として示して、動的表示の開始前から、その後に行われる動的表示の内容を継続して期待させることができると共に、動的表示の内容に関連づいた変化に富んだ演出を行うことができ、飽き難い遊技性を遊技者に付与することができるという効果がある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0010】
図1は、本発明の実施例におけるパチンコ機1の遊技盤2の正面図である。遊技盤2の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)3が設けられている。このLCD3の表示画面は、横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示(動的表示)が行われる。
【0011】
LCD3の下方には、図柄作動口(第1種始動口)4が設けられ、球がこの図柄作動口4を通過(入賞)することにより、前記したLCD3の変動表示が開始される。LCD3の変動表示の最中に、球が新たに図柄作動口4を通過した場合、その通過による変動表示を即座に開始することはできないので、実行中の変動表示が終了するまで、その変動表示が保留される。本実施例におけるパチンコ機1では、この変動表示の保留回数が最大8回に設定されている。この変動表示の保留回数を表示する8つの保留ランプ5が、LCD3の上方に配設されている。保留回数の表示は、これら8つの保留ランプ5が保留回数に対する個数分だけ左側から順に点灯することにより行われる。
【0012】
図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)6が設けられている。この特定入賞口6は、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば30秒間経過するまで、あるいは、例えば球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口6内には、Vゾーン6aが設けられており、特定入賞口6の開放中に、球がVゾーン6a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口6の閉鎖後、再度、その特定入賞口6が所定時間(又は、特定入賞口6に球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口6の開閉動作は、最高で15回(15ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
【0013】
なお、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0014】
図柄作動口4の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口7が設けられている。LCD3の両側には、2つの普通図柄作動口8が設けられており、球がこの普通図柄作動口8を通過することにより、普通図柄表示装置9の変動表示が開始される。
【0015】
普通図柄表示装置9は、LCD3の上方に配設されており、「○」の図柄が表示された左図柄LED9aと、「×」の図柄が表示された右図柄LED9bとから構成されている。この普通図柄表示装置9の変動表示は、上述したように、球が普通図柄作動口8のいずれかを通過することにより開始され、その変動表示が左図柄LED9aの点灯状態(普通図柄当たり状態)で終了すると、球が入賞し易いように図柄作動口4の両脇に設けられた開閉弁が所定時間(例えば、略0.3秒または1.9秒)経過するまで所定回数(例えば、1回または3回)開放される。
【0016】
図2は、パチンコ機1の電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機1の主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21が搭載されている。このMPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。図3に示す第1テーブル22a及び第2テーブル22bは固定値データの一部としてROM22に記憶されており、これら各テーブルの詳細については図3を参照して後述する。また、図5から図9に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。
【0017】
RAM23は、保留球カウンタ23aと、内部乱数カウンタ23bと、リーチ乱数カウンタ23cと、大当たり図柄カウンタ23dと、ハズレ図柄カウンタ23eと、変動パターンカウンタ23fと、演出実行エリア23gと、演出実行1〜8メモリ23h〜23oと、カウンタ用バッファ23pと、バックアップエリア23qとを備えている。また、RAM23には、パチンコ機1の電源のオフ後においても、電源基板50からバックアップ電圧が供給されており、データを保持(バックアップ)できるように構成されている。
【0018】
保留球カウンタ23aは、実行待機中の当否演出の回数を記憶するカウンタである。保留球カウンタ23aの値は、LCD3で変動表示が行われていない場合または変動表示が行われているが待機中の変動表示がない場合には「0」、待機中の変動表示が1回の場合には「1」、・・・、待機中の変動表示が8回の場合には「8」となる。本実施例のパチンコ機1では、変動表示の最大待機回数は8回であるので、保留球カウンタ23aの値は「0」から「8」の範囲で変化する。保留球カウンタ23aの値のカウントアップは、図柄作動口4へ入賞した球が第1種始動口スイッチ24で検出された場合に行われ(図7、S33参照)、カウントダウンは、変動表示の開始時に行われる(図7、S38参照)。
【0019】
内部乱数カウンタ23bは、大当たりの発生を決定するためのカウンタであり、後述するカウンタ更新処理(図6、S23参照)によって、「0〜599」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり599に)に達した後に再び「0」に戻される。この内部乱数カウンタ23bの値は、遊技盤2の前面に打ち込まれた球が図柄作動口4へ入賞して後述する第1種始動口スイッチ24で検出されたとき(始動入賞時)に取得され、通常時には、このとき取得された内部乱数カウンタ23bの値が「7」または「307」であった場合に大当たりの発生が確定する。また、大当たりの発生確率が通常時よりも高確率とされる確率変動状態時には、「7」及び「307」を含めて「0〜599」の範囲内でほぼ均等の間隔に定められた10個の値に内部乱数カウンタ23bの値が一致する場合に大当たりが発生する。即ち、確率変動状態時の当たりの数は、2個から10個に増加されるので、大当たりとなる確率は、確率変動状態時には通常の5倍とされる。
【0020】
大当たりの発生が確定すると、主制御基板Cから後述する表示用制御基板Dへ大当たりとなる図柄の組み合わせ(大当たり図柄)を示す停止図柄コマンドが送信され、表示用制御基板Dは、その停止図柄コマンドに基づいてLCD3の変動後の表示結果を大当たりとなる図柄の組み合わせとする。なお、遊技者に所定の遊技価値(特別遊技状態)を付与するか否かの抽選は、この内部乱数カウンタ23bの値に基づいて後述する変動図柄コマンド決定処理(図8、S41参照)で行われる。始動入賞時に取得された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であれば、所定の遊技価値を付与する抽選結果の導出(当選)となる。
【0021】
リーチ乱数カウンタ23cは、ハズレリーチの発生を決定するためのカウンタである。変動表示の途中でリーチ表示を現出させてからハズレとなるハズレリーチとするか、リーチ表示を現出させない通常のハズレとするかは、リーチ乱数カウンタ23cの値に基づいて決定される。リーチ乱数カウンタ23cの値は、後述するカウンタ更新処理(図6、S23参照)によって、「0〜11」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり11)に達した後に再び「0」に戻される。
【0022】
このリーチ乱数カウンタ23cの値は、前記した内部乱数カウンタ23bの値と同様に始動入賞時に取得され、前記した内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、且つ、取得されたリーチ乱数カウンタ23cの値が「7」である場合にハズレリーチの発生が確定する。このハズレリーチの発生時には、後述するカウンタ用バッファ23pに記憶されるハズレリーチ図柄(ハズレリーチを構成する図柄の組み合わせ)が停止図柄コマンドに設定され(図8、S55参照)、そのハズレリーチ図柄が変動後の表示結果として現出する。なお、始動入賞時に取得されたリーチ乱数カウンタ23cの値は、前記した内部乱数カウンタ23bの値と共に、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜8メモリ23h〜23oに書き込まれて記憶される(図7、S35参照)。
【0023】
ここで、リーチ表示とは、LCD3において図柄の変動表示が開始された後、先に停留する図柄の組み合わせが大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆する表示である。
【0024】
大当たり図柄カウンタ23dは、大当たりのときにLCD3に停止表示される大当たり図柄(特別図柄)を決定するためのカウンタである。本実施例のパチンコ機1においては、「0」から「9」までの数字で構成された10種の図柄によってLCD3で変動表示が行われ、LCD3の表示領域に表示される3つの図柄が同一の図柄で停止表示された場合に大当たりが発生する。大当たり図柄カウンタ23dの値は、後述するカウンタ更新処理(図6、S23参照)によって、大当たりを発生させる10種の図柄に対応した「0〜9」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり9)に達した後に再び「0」に戻される。
【0025】
この大当たり図柄カウンタ23dの値は、前記した内部乱数カウンタ23b及びリーチ乱数カウンタ23cと共に始動入賞時に取得され、同時に取得された内部乱数カウンタ23bの値に基づいて大当たりの発生が確定すると、その大当たりを発生させる変動表示に対して停止表示される大当たり図柄として、大当たり図柄カウンタ23dの値が使用される。即ち、大当たり図柄カウンタ23dの値と同一の数字を3つ並べて組み合わせた図柄が停止図柄コマンドとして設定される(図8、S52参照)。なお、始動入賞時に取得された大当たり図柄カウンタ23dの値は、前記した内部乱数カウンタ23b及びリーチ乱数カウンタ23cの値と共に、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜8メモリ23h〜23oに書き込まれて記憶される(図7、S35参照)。
【0026】
ここで、本実施例のパチンコ機1においては、遷移する遊技状態が異なる2種類の大当たりが定められており、大当たり時に停止表示された図柄に基づいて、いずれか一方の大当たりが選択される。具体的には、大当たり時に停止表示された図柄が「0」又は偶数の図柄(通常図柄)である場合には通常大当たりとなって、特別遊技状態の終了後、通常状態に遷移する。一方、大当たり時に停止表示された図柄が奇数の図柄(確変図柄)である場合には確率変動大当たりとなって、特別遊技状態の終了後、次の大当たりまで大当たりの発生確率が通常状態時の5倍とされる確率変動状態に遷移する。
【0027】
ハズレ図柄カウンタ23eは、ハズレ時にLCD3に停止表示される図柄の組み合わせ(ハズレ図柄)を決定するためのカウンタである。このハズレ図柄カウンタ23eは、各カウンタがLCD3の右側、中央、左側の3つの表示領域に表示される図柄に対応づけられた3つの図柄カウンタで構成されている。ハズレ図柄カウンタ23eは、後述するハズレ図柄カウンタ更新処理(図6、S25参照)によって「0」から「9」まで1ずつ加算されて更新され、最大値「9」に達した後に再び「0」に戻される。また、右側の図柄の図柄カウンタが最大値に達した場合に中央の図柄カウンタが1加算されて更新され、中央の図柄の図柄カウンタが最大値に達した場合に左側の図柄の図柄カウンタが1加算されるようになっている。前記した内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、且つ、リーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合における変動表示の停止図柄は、ハズレ図柄カウンタ23eの値に従ってLCD3に表示されるものであり、ハズレ図柄カウンタ23eの値が停止図柄コマンドに設定することにより行われる(図8、S57参照)。
【0028】
変動パターンカウンタ23fは、LCD3を変動表示させるパターン(変動パターン)の決定に使用するカウンタであり、本実施例では「0〜99」まで順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり99)に達した後再び「0」に戻される。この変動パターンカウンタ23fの値は、変動表示の開始時に実行される変動図柄コマンド決定処理(図8、S41参照)において参照される場合があり、この場合には、参照された変動パターンカウンタ23fの値に応じたデータ(パターン)が図3に示す第1,第2テーブル22a,22bのいずれかから読み出され、表示用制御基板Dに送信される変動パターンコマンドとして設定される(図8、S53及びS56参照)。
【0029】
演出実行エリア23gは、LCD3で実行中の変動表示に対する内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、ハズレ図柄カウンタ23e、及び変動パターンカウンタ23fの値を変動表示のデータ(変動表示情報)として記憶するためのエリアである。この演出実行エリア23gには、LCD3で変動表示が実行中でなく、且つ、保留球カウンタ23aの値が「1」以上で待機中の変動表示がある場合に、待機中の変動表示のうち最初に書き込みが行われた演出実行1メモリ23hに記憶されている変動表示のデータが書き込まれる(図7、S39参照)。
【0030】
演出実行1〜8メモリ23h〜23oは、待機中の変動表示に対する内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、ハズレ図柄カウンタ23e、及び変動パターンカウンタ23fの値を変動表示のデータとして記憶するメモリである。この演出実行1〜8メモリ23h〜23oへの変動表示のデータの書き込みは、始動入賞時に実行される。また、本実施例における変動表示の最大待機回数は8回であるので、8つの演出実行1〜8メモリ23h〜23oが設けられている。これら8つの演出実行1〜8メモリ23h〜23oに待機中のデータがある場合には、1回の変動表示毎に1つずつ演出実行エリア23gにデータが書き込まれて使用される。
【0031】
また、演出実行1〜8メモリ23h〜23oへの変動表示のデータの書き込みは、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜8メモリ23h〜23oに対して行われる。即ち、保留球カウンタ23aの値が「1」の場合には演出実行1メモリ23hへ、保留球カウンタ23aの値が「2」の場合には演出実行2メモリ23iへ、・・・、保留球カウンタ23aの値が「8」の場合には演出実行8メモリ23oへ変動表示のデータが書き込まれる(図7、S35参照)。
【0032】
なお、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶する変動表示のデータとしては、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、ハズレ図柄カウンタ23e、及び変動パターンカウンタ23fの値をそのまま使用しても、これらカウンタ23b〜23fの値に対応づけて変換した別の値や文字等を使用しても良い。
【0033】
カウンタ用バッファ23pは、更新中のカウンタ値を一時的に記憶するための領域であり、上記した各カウンタ23b〜23fの値は、更新される毎にカウンタ用バッファ23pに書き込まれて記憶される。また、後述するハズレ図柄カウンタ更新処理(図6、S25参照)によってハズレ図柄カウンタ23eの値が更新された場合に、ハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値(カウント値)となったとき、そのカウント値をハズレリーチの発生時に使用する値として記憶する。具体的には、ハズレ図柄カウンタ23eを構成する左側の図柄の図柄カウンタと右側の図柄の図柄カウンタとが1のライン上に同一図柄を停止表示させるカウント値の組み合わせとなり、且つ、その図柄とは異なる図柄を中央の図柄の図柄カウンタが示している場合(例えば、左側、中央、右側の図柄の組み合わせが「767」や「151」などとなっている場合)に、ハズレ図柄カウンタ23eのカウント値がハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値としてカウンタ用バッファ23pに記憶される。
【0034】
バックアップエリア23qは、停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パチンコ機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるため、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア23qへの書き込みは、NMI割込処理(図5参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア23qに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下、同様)にメイン処理(図6参照)において実行される。なお、MPU21のNMI(Non Maskable Interrupt)端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路50bから出力される停電信号51が入力されるように構成されており、停電の発生により、図5の停電時処理(NMI割込処理)が即座に実行される。
【0035】
かかるROM22およびRAM23を内蔵したMPU21は入出力ポート25と接続されており、入出力ポート25は、電源基板50に設けられたクリアスイッチ50cと、払出モータ26によって賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板Hと、前記した図柄の変動表示等の制御を行う表示用制御基板Dと、第1種始動口スイッチ24と、その他入出力装置29とにそれぞれ接続されている。
【0036】
表示用制御基板Dは、MPU31、ビデオRAM34、キャラクタROM35、画像コントローラ36、入出力ポート39、出力ポート37等を備えている。入出力ポート39の一方には主制御基板Cの入出力ポート25と、音声ランプ制御基板Lとが接続され、入出力ポート39の他方には、バスラインを介してMPU31が接続されている。また、出力ポート37の入力には画像コントローラ36が接続され、出力ポート37の出力にはLCD3が接続されている。
【0037】
表示用制御基板DのMPU31は、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、LCD3の(変動)表示を制御するためのものであり、ROM32とRAM33とを備えている。ROM32には、MPU31により実行される各種の制御プログラムや固定値データが記憶されている。図4に示す第1〜第3コメントテーブル32a〜32cは固定値データの一部としてROM32に記憶されており、これら各テーブルの詳細については図4を参照して後述する。また、図10及び図11に示すフローチャートのプログラムは制御プログラムの一部としてROM32に記憶されている。
【0038】
RAM33は、MPU31による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグが記憶されるメモリであり、演出実行エリア33aと、変動回数カウンタ33bと、コメントカウンタ33cとを備えている。
【0039】
演出実行エリア33aは、主制御基板Cから送信される変動図柄コマンドを受信した場合に、その変動図柄コマンドに付加される変動パターン及び停止図柄に関するデータを記憶するためのものである。表示用制御基板Dが変動図柄コマンドを受信すると、その変動図柄コマンドに付加される変動パターン及び停止図柄に関するデータが演出実行エリア33aに書き込まれ(図10、S82参照)、その書き込まれたデータに従って変動表示が行われる。
【0040】
変動回数カウンタ33bは、前回の大当たりからの図柄の変動回数を記憶するカウンタである。変動回数カウンタ33bの値は、LCD3に表示される変動図柄が変動表示を開始する毎に「1」ずつ加算され(図10、S83参照)、大当たりが発生し、後述するコメント(通知情報)(図4参照)がLCD3に表示されると「0」クリアされる(図11、S94参照)。この変動回数カウンタ33bの値は、大当たり中に実行されるコメント表示処理(図11、S89参照)において参照される。本実施例のパチンコ機1は、大当たりが発生した後の特別遊技状態中にLCD3に表示される大当たり演出に複数種類のコメントから1のコメントを選択してLCD3に表示するものであり、変動回数カウンタ33bは、そのコメントを選択する際に使用される。
【0041】
大当たりの発生時に変動回数カウンタ33bには、前回の大当たりから今回の大当たりまでの図柄の変動回数が記憶されており、この変動回数カウンタ33bの値に応じたコメントが、時として、複数種類のコメントが設定された第2コメントテーブル及び第3コメントテーブルから選択され、大当たり演出時にLCD3に表示される(図11、S96及びS97参照)。よって、パチンコ機1の前回の大当たりから今回の大当たりまでの変動図柄の変動回数に応じたコメントをLCD3に表示することができ、遊技者毎に異なる遊技の内容に応じたコメントを遊技者に視認させて、遊技の演出に対する画一感を排除することができる。
【0042】
コメントカウンタ33cは、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータの状態に関するコメントの決定に使用されるカウンタであり、後述するコメントカウンタ更新処理(図10、S84参照)によって、「0〜99」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり99)に達した後に再び「0」に戻される。このコメントカウンタ33cの値は、大当たり中に実行されるコメント表示処理(図11、S89参照)において参照され、演出実行1〜8メモリ23h〜23oの内容に応じて参照されるモード毎のテーブルからコメントカウンタ33cに応じたデータ(コメント)が読み出され、LCD3に表示される(図11、S93参照)。従って、同一のモードに対してコメントカウンタ33cの値に応じた異なったコメントを表示することができる。なお、必ずしもコメントカウンタ33cの値に基づいて複数種類のコメントから表示するコメントを選択する必要はなく、内部乱数カウンタ23bなどの他のカウンタの値に基づいてコメントを選択するものであっても良い。
【0043】
ビデオRAM34は、LCD3に表示される表示データが記憶されるメモリであり、このビデオRAM34の内容を書き換えることにより、LCD3の表示内容が変更される。キャラクタROM35は、LCD3に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ36は、MPU31、ビデオRAM34、出力ポート37のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM34に記憶される表示データをキャラクタROM35を参照して所定のタイミングでLCD3に表示させるものである。
【0044】
音声ランプ制御基板Lは、スピーカ27から出力される効果音の音声制御とLEDや各種ランプ28の点灯制御を行うものである。音声ランプ制御基板Lは、表示用制御基板Dから送信されるコマンドによって制御されるものであり、表示用制御基板Dによって制御されるLCD3と、音声ランプ制御基板Lによって制御されるスピーカ27と各種ランプ28とが同期して各種演出等が実行される。
【0045】
第1種始動口スイッチ24は、図柄作動口(第1種始動口)4に入賞した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口4の近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ24によって球が検出されると、図示しない払出装置によって5個の賞球が払い出される。また、第1種始動口スイッチ24によって球が検出された場合には、内部乱数カウンタ23b等の値が取得され、その取得された値に従った変動表示が実行される。
【0046】
電源基板50は、パチンコ機1の各部に電力を供給するための電源部50aと、停電監視回路50bと、クリアスイッチ50cとを備えている。停電監視回路50bは、停電等の発生による電源断時に、主制御基板CのMPU21のNMI端子へ停電信号51を出力するための回路である。停電監視回路50bは、電源部50aから出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号51を主制御基板C及び払出制御基板Hへ出力するように構成されている。この停電信号51の出力によって、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電の発生を認識し、停電時処理(主制御基板Cの場合は図5のNMI割込処理)を実行する。なお、電源部50aは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電時処理を正常に実行することができるのである。
【0047】
クリアスイッチ50cは、主制御基板CのRAM23および払出制御基板HのRAM(図示せず)にバックアップされるデータをクリアするためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ50cが押下された状態でパチンコ機1の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御基板Cおよび払出制御基板Hによって、それぞれのRAM23、RAMのデータがクリアされる。
【0048】
次に、図3を参照して、変動パターンカウンタ23fの値に応じたデータ(パターン)が設定された第1,第2テーブル22a,22bについて説明する。図3は、変動パターンの設定に使用する第1,第2テーブル22a,22bの構成を模式的に示した図である。
【0049】
第1,第2テーブル22a、22bには、変動パターンとして「パターン1」、及び、「パターン2」の2種類の変動パターンが設定されている。この2種類の変動パターンの他に、リーチを伴わないハズレの変動表示に対する変動パターンとして「パターン3」が設定されている。パチンコ機1には、計3種類の変動パターンが設定されている。
【0050】
各パターンについて順に説明すると、「パターン1」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、変動表示の開始後、7秒後に左側の図柄リールの変動を停止し、8秒後に右側の図柄リールの変動を停止してリーチ表示を現出させ、その後中央の図柄リールを特別な変化を加えることなく低速度で7秒間(即ち、変動開始後15秒経過するまで)スクロールさせて停止する。なお、図柄リールとは、LCD3に表示される「0〜9」の図柄が縦方向に順に並べられた仮想的なリールである。
【0051】
「パターン2」は、いわゆるスーパーリーチであり、パターン1における中央の図柄リールを停止するタイミングで、この中央の図柄リールを停止することなく高速度でさらに5秒間(即ち、変動開始後20秒経過するまで)変動表示した後に停止するパターンとして設定されている。
【0052】
「パターン3」は、リーチ状態を伴わないハズレ図柄を表示するパターンであり、変動表示の開始後、7秒後に左側の図柄リールの変動を停止し、8秒後に右側の図柄リールの変動を停止し、9秒後に中央の図柄リールの変動を停止する。
【0053】
図3(a)は、大当たりを発生させる変動表示の変動パターンの設定に使用される第1テーブル22aの構成を模式的に示した図である。第1テーブル22aには、2種類の変動パターンが設定されており、その2種類の変動パターンのそれぞれに変動パターンカウンタ23fの値が対応している。具体的には、「0〜99」の範囲内で更新される変動パターンカウンタ23fの値は、ノーマルリーチの「パターン1」に対して「0〜29」、スーパーリーチの「パターン2」に対して「30〜99」の2つの範囲に区分されている。つまり、「パターン1」及び「パターン2」の変動パターンが30:70の比率に区分されている。
【0054】
また、図3(b)は、ハズレリーチを発生させる変動表示の変動パターンの設定に使用される第2テーブル22bの構成を模式的に示した図であり、第1テーブル22aと同様に、2種類の変動パターンが設定され、その2種類の演出パターンのそれぞれに変動パターンカウンタ23fの値が対応している。具体的には、「0〜99」の範囲内で更新される変動パターンカウンタ23fの値は、ノーマルリーチの「パターン1」に対して「0〜79」、スーパーリーチの「パターン2」に対して「80〜99」の2つの範囲に区分けされている。つまり、「パターン1」及び「パターン2」の変動パターンが80:20の比率に区分けされている。
【0055】
変動パターンを設定するための第1,第2テーブル22a,22bに基づいて変動パターンが決定されると、各変動パターン毎に対応させた「1」又は「2」のデータが表示コマンドを構成する1つのコマンド(変動パターンコマンド)として表示用制御基板Dに出力される。表示用制御基板Dは、変動パターンコマンドを受信した場合に、各変動パターンのデータに対応して設定された時間分の演出を実行する。
【0056】
ここで、図3(a)の第1テーブル22a及び図3(b)の第2テーブル22bに設定された「パターン1」と「パターン2」との比率を比較すると、大当たり時の変動パターンの設定に使用する第1テーブル22aには、ハズレリーチ時の変動パターンの設定に使用する第2テーブル22bに対して、ノーマルリーチの「パターン1」が設定され難い一方、スーパーリーチの「パターン2」が設定され易いものとなっている。このため、スーパーリーチになった場合には大当たりになることが多く、ノーマルリーチになった場合にはハズレリーチになることが多い設定となっている。よって、遊技者は、スーパーリーチの発生時には、大当たりが発生して特別遊技状態となることをノーマルリーチの発生時より強く期待することができる。
【0057】
次に、図4を参照して、大当たり演出時にLCD3に表示されるコメントが設定された第1〜第3テーブル32a〜32cについて説明する。図4(a)は、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータの状態に関するコメントの設定に使用される第1コメントテーブル32aの構成を模式的に示した図である。図4(b)は、第1コメントテーブル32aに示す各モード(モードA〜モードD)を選択する条件を示した図である。図4(c)は、確率変動大当たり時のコメントの設定に使用される第2コメントテーブル32bの構成を模式的に示した図である。図4(d)は、通常大当たり時のコメントの設定に使用される第3コメントテーブル32cの構成を模式的に示した図である。
【0058】
図4(a)の第1コメントテーブル32aには、4つのコメントに対するコメントカウンタ33cの値が、4つのモード(モードA〜モードD)に対応してそれぞれ区分けされており、第1コメントテーブル32a内には各モード毎にコメントカウンタ33cの値が別々の比率で区分けされている。4つのモードのいずれが選択されるかは、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータ(変動表示の情報)に応じて後述する大当たり処理(図9、S24参照)の中で決定される(図9、S24参照)。大当たり処理によっていずれかのモードが選択されると、選択されたモードを示すデータがコメント表示コマンドによって表示用制御基板Dへ送信され、表示用制御基板Dによって選択されたモードと第1コメントテーブル32aとを使用していずれのコメントを表示するかの選択がコメント表示処理(図11、S89参照)で行われる。
【0059】
ここで、図4(b)を参照して、モードA〜Dについて説明する。演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータによって確率変動大当たりが発生する場合には、モードAが選択される。演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータによって通常大当たりが発生する場合には、モードBが選択される。演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータによってスーパーリーチが発生してからハズレとなる場合には、モードCが選択される。演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータによってノーマルリーチが発生してからハズレとなる場合には、モードDが選択される。
【0060】
第1コメントテーブル32aには、図4(a)に示すように、各コメントの内容に対応して、4つのモードA〜モードDに対するコメントカウンタ33cの値が区分けされている。具体的には、「0〜99」の範囲内で更新されるコメントカウンタ33cの値は、「モードA」には、「席を離れるな!!何やらとてつもないこと幸運が近づいてくる!」に対して「0〜24」、「席を離れるな!!近いうちに何か良いことがおきるぞ!」に対して「25〜49」、「チャンス到来!!目を離すな!!」に対して「50〜74」、「チャンス到来!!これをモノにできれば勝利まちがいなしだ!!」に対して「75〜99」の4つの範囲に区分けされている。つまり、「席を離れるな!!…近づいてくる!」、「席を離れるな!!…おきるぞ!」、「チャンス到来!!…離すな!!」及び「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」に対してコメントカウンタ33cの値が25:25:25:25の比率に区分けされている。また、「モードB」には、「席を離れるな!!…おきるぞ!」、「チャンス到来!!…離すな!!」、「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」に対してコメントカウンタ33cの値が33:32:35の比率に区分けされている。「モードC」には、「チャンス到来!!…離すな!!」、「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」に対してコメントカウンタ33cの値が50:50の比率に区分けされている。「モードD」には、「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」のみが設定されており、コメントカウンタ33cの全ての値が対応している。なお、同テーブル中で数値データが示されていない横棒が記されている部分は、そのコメントが選択されないことを表している。このように、各モードには、1又は複数種類のコメントが設定されており、モードの選択とコメントカウンタ33cの値とから表示するコメントを選択することによって、大当たり演出時にLCD3に表示されるコメントにランダム性を持たせることができる。
【0061】
ここで、各コメントの選択のされ方について説明する。まず、「席を離れるな!!…近づいてくる!」のコメントはモードAが選択された場合にのみ表示される。このモードAは、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータによって確率変動大当たりが発生する場合に選択されるので、「席を離れるな!!…近づいてくる!」のコメントがLCD3に表示される場合には、遊技者に、待機中の変動表示の変動表示開始後に確率変動大当たりが発生することを即座に認識させることができ、「席を離れるな!!…近づいてくる!」が表示された場合は、必ず遊技者に確率変動大当たりを付与することになる。
【0062】
「席を離れるな!!…おきるぞ!」のコメントは、モードA、又は、モードBが選択された場合に表示される。モードAは上記したように、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータによって確率変動大当たりが発生する場合に選択され、モードBは演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータによって通常大当たりが発生する場合に選択される。即ち、「席を離れるな!!…おきるぞ!」のコメントは演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータによって大当たりが発生する場合に表示されるので、遊技者は「席を離れるな!!…おきるぞ!」がLCD3に表示されることによって、待機中の変動表示によって、大当たりが発生することを確認することができると共に通常大当たり、又は、確率変動大当たりが発生することを確認することができる。よって、「席を離れるな!!…おきるぞ!」が表示された場合には、遊技者には、待機中の変動表示によって大当たりが発生する嬉しさと共にその大当たりが通常大当たり、又は、確率変動大当たりのいずれであるかの期待感と緊張感を持たせることができる。なお、必ずしも「席を離れるな!!…近づいてくる!」のコメントと、「席を離れるな!!…おきるぞ!」のコメントとを大当たりが発生する場合にのみ表示される設定とする必要はなく、大当たりが発生しない場合であっても大当たりが発生する場合より低確率で表示される設定としても良い。これにより、遊技者に大当たりに高確率で遷移することを前もって示唆することができる。
【0063】
また、「席を離れるな!!…おきるぞ!」のコメントは、モードAが選択される場合にはコメントカウンタ33cの値が「25〜49」の計25個のカウント値である場合に選択され、モードBが参照される場合にはコメントカウンタ33cの値が「0〜32」の33個のカウント値である場合に選択される。つまり、モードBの方がモードAに比べて選択されやすくなっており、モードBで「席を離れるな!!…おきるぞ!」が選択される確率がモードAで選択される確率に比べると高くなっている。よって、「席を離れるな!!…おきるぞ!」のコメントがLCD3に表示された場合には、遊技者に、大当たりの発生を確認させると共に高確率で待機中の変動表示によってモードB、即ち、通常大当たりが発生することを示唆することができる。
【0064】
「チャンス到来!!…離すな!!」のコメントは、モードA、モードB、又は、モードCが選択された場合に表示される。上記したように、モードAは確率変動大当たりが発生する場合に選択され、モードBは通常大当たりが発生する場合に選択される。モードCは、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータによってスーパーリーチが発生してからハズレとなる場合に選択される。「チャンス到来!!…離すな!!」のコメントがLCD3に表示された場合には、遊技者に、待機中の変動表示の変動表示開始後にスーパーリーチ以上の遊技状態、即ち、確率変動大当たり、通常大当たり、又は、スーパーリーチが発生することを確認させることができる。従って、遊技者には、少なくともスーパーリーチ以上の状態が発生する嬉しさを与えることができる。更に、「チャンス到来!!…離すな!!」はモードA、又は、モードBが選択された場合にも表示されるため、遊技者は、大当たりの発生、即ち、通常大当たり、確率変動大当たりが発生することを期待させることができる。また、モードCが選択された場合には、ハズレを発生させるスーパーリーチ時においても設定されるので、遊技者には、コメントの表示後にも大当たりになるか否かの緊張感と期待感とを持たせて遊技を行わせることができる。
【0065】
「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」のコメントは、モードA〜モードDのいずれが選択された場合であっても表示される。上記したように、モードAは確率変動大当たりが発生する場合に選択され、モードBは通常大当たりが発生する場合に選択され、モードCは、スーパーリーチが発生してからハズレとなる場合に選択される。また、モードDは、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているデータによってノーマルリーチが発生してからハズレとなる場合に選択される。「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」のコメントが選択された場合には、遊技者に、待機中の変動表示の変動表示開始後にノーマルリーチ以上の遊技状態、即ち、確率変動大当たり、通常大当たり、スーパーリーチ、又は、ノーマルリーチが発生することを確認させることができる。よって、遊技者には、少なくともリーチが発生するという嬉しさを与えることができる。更に、「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」はモードA、又は、モードBが選択された場合にも表示されるため、遊技者は、大当たりの発生、即ち、通常大当たり、又は、確率変動大当たりが発生することを期待させることができる。また、「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」のコメントは、モードA及びモードBの大当たりが発生する場合の他に、リーチが発生してからハズレとなるモードC及びモードDでも選択されるため、遊技者には、はずれるか否かの緊張感と期待感を持たせることができる。
【0066】
更に、大当たりを発生しないモードCとモードDとのコメントカウンタ33cの値を比べると、モードDの方がモードCに比べて選択されやすくなっている。即ち、モードCではコメントカウンタ33cの値の幅は「50」であるのに対して、モードDではコメントカウンタ33cの値の幅は「100」である。従って、モードDで「チャンス到来!!…まちがいなしだ!」のコメントが選択される確率がモードCで選択される確率に比べて高くなる。よって、「チャンス到来!!…まちがいなしだ!」をLCD3に表示することによって遊技者に、高確率でノーマルリーチ状態を付与することができる。
【0067】
図4(c)は、確率変動大当たり時のコメントの設定に使用される第2コメントテーブル32bの構成を模式的に示した図である。第2コメントテーブル32bには、大当たり発生時に表示される5種類のコメント内容が設定されており、その5種類のコメント内容のそれぞれに変動回数カウンタ33bの値が対応している。具体的には、前回の大当たりから今回の大当たりまでの図柄の変動回数である変動回数カウンタ33bの値は、「なんという強運だ!!大勝利の予感だ!!」に対して「0〜49」、「絶好調だ!がんばれ!」に対して「50〜149」、「まだまだこれから!気を抜くな!」に対して「150〜299」、「よくぞ耐え抜いた!反撃開始だ!」に対して「300〜599」、「まずは確変の継続だ!チャンスはあるぞ!あきらめるな!」に対して「600以上」の5つの範囲に区分けされている。
【0068】
また、図4(d)は、通常大当たり時のコメント設定に使用される第3コメントテーブル32cの構成を模式的に示した図であり、第3コメントテーブル32bと同様に、5種類のコメント内容が設定され、その5種類のコメント内容のそれぞれに変動回数カウンタ33bの値が対応している。具体的には、前回の大当たりから今回の大当たりまでの図柄の変動回数である変動回数カウンタ33bの値は、「なんという強運!次は確変めざしてがんばれ!」に対して「0〜49」、「引き続き状態は良いぞ!気を抜くな!」に対して「50〜149」、「ホッと一息だ!まだまだ確率内だぞ!」に対して「150〜299」、「ホッと一息だ!一休みしてはどうかな?」に対して「300〜599」、「引く時は引くことも大切!無理はするな!」に対して「600以上」の5つの範囲に区分けされている。
【0069】
第2,第3コメントテーブル32b,32cは、発生した大当たりの種類(確率変動大当たり、通常大当たり)に応じてそれぞれ選択され(図11、S95,S96及びS97参照)、遊技状態が確率変動大当たりの場合には第2コメントテーブル32bが選択され、遊技状態が通常大当たりの場合には第3コメントテーブル32cが選択される。また、第2,第3コメントテーブル32b,32cのいずれかが選択されると、変動回数カウンタ33bの値によって各コメントが選択される。よって、各遊技者の遊技状態と、前回の大当たりから今回の大当たりまでの図柄の変動回数という遊技の内容によって異なるコメントを表示することができ、大当たり演出の画一感を排除することができる。なお、必ずしも図柄の変動回数によって異なるコメントを表示するものとする必要はなく、前回から今回までのリーチの発生回数などに応じて異なるコメントを表示するものであっても良い。このように、コメントの内容を決定するための第1〜第3コメントテーブル32a〜32cに基づいてコメントの内容が決定されると、後述するコメント表示処理(図11、S89参照)において各コメントが各テーブルから読み出され、LCD3に表示される。
【0070】
次に、上記のように構成されたパチンコ機1で実行される各処理を、図5から図11の各フローチャートを参照して説明する。図5は、停電の発生等によるパチンコ機1の電源断時に、主制御基板Cで実行されるNMI割込処理のフローチャートである。このNMI割込処理により、停電の発生等による電源断時の主制御基板Cの状態がバックアップエリア23qに記憶される。
【0071】
停電の発生等によりパチンコ機1の電源が断されると、停電監視回路50bから停電信号51が主制御基板CのMPU21のNMI(Non Maskable Interrupt)端子へ出力される。すると、MPU21は、実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始する。停電信号51が出力された後所定時間は、主制御基板Cの処理が実行可能なように電源基板50の電源部50aから電力供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
【0072】
NMI割込処理では、まず、各レジスタおよびI/O等の値をスタックエリアへ書き込み(S1)、次に、スタックポインタの値をバックアップエリア23qへ書き込んで退避する(S2)。更に、停電発生情報をバックアップエリア23qへ書き込んで(S3)、停電の発生等による電源断時の状態を記憶する。その後、その他停電処理を実行した後(S4)、電源が完全に断して処理が実行できなくなるまで、処理をループする。
【0073】
図6は、パチンコ機1の主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。メイン処理では、バックアップが有効であれば、バックアップエリア23qに記憶された各データを元の状態に戻し、遊技の制御を電源が断される前の状態から続行する。一方、バックアップが有効でなかったり、或いは、バックアップが有効であっても電源入時にクリアスイッチ50cが押下された場合には、RAMクリア及び初期化処理(S18)を実行して、パチンコ機1を初期化する。
【0074】
メイン処理では、まず、割込を禁止した後(S11)、スタックポインタを設定し(S12)、クリアスイッチ50cがオンされているか否かを確認する(S13)。クリアスイッチ50cがオンされていなければ(S13:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S14)。この確認は、RAM23の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。
【0075】
バックアップが有効であれば(S14:Yes)、バックアップエリア23qからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックポインタへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S15)。次に、スタックポインタの値を戻した後のスタックエリア、即ちバックアップエリア23qへ退避した各レジスタやI/O等のデータをそのバックアップエリア23qから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込み(S16)、その後、割込の状態を停電発生時に実行される図5の処理で記憶しておいた電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻し(S17)、NMI割込リターンを実行して処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0076】
一方、クリアスイッチ50cがオンされていたり(S13:Yes)、或いはバックアップが有効でなければ(S14:No)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S18)、RAM23及びI/O等の各値を初期化する。その後、タイマ割込等の各割込の設定を行って(S19)、割込が発生可能な状態にした上で、割込を許可する(S20)。
【0077】
割込の許可後は、S21からS26の各処理を所定時間毎(例えば、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。以下に、S21からS26の各処理を説明する。
【0078】
始動入賞変動開始処理(S21)では、球が図柄作動口(第1種始動口)4へ入賞したか否かを確認して変動表示の内容を設定すると共に、変動開始のタイミングであれば、変動表示を開始させる表示コマンドを表示用制御基板Dへ送信する。この始動入賞変動開始処理(S21)の詳細については、図7を参照して後述する。
【0079】
変動停止処理(S22)では、まず、大当たり中であるか否かを判定する。ここで、大当たり中には、大当たりの際にLCD3で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機1の各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当たり中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する。この処理は、各変動パターン毎に設定された時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了していれば、変動の停止と確認のために制御用コマンドの1つである確定コマンドを表示用制御基板Dへ出力し、この処理を終了する。表示用制御基板Dは、確定コマンドを入力すると、LCD3の変動表示を停止表示(確定)させる(図10、S87参照)。
【0080】
カウンタ更新処理(S23)では、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、変動パターンカウンタ23fの各カウンタの値を更新する。大当たり処理(S24)では、大当たり中に特定入賞口6を所定時間開放する特定入賞口開放処理(図9、S62参照)を実行すると共に、最終ラウンド(本実施例では、15ラウンド)の開始タイミングであれば、LCD3に表示するコメントの内容を決定するためのコメント表示コマンドを表示用制御基板Dへ送信する。この大当たり処理(S24)の詳細については図9を参照して後述する。
【0081】
ハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)では、ハズレ図柄カウンタ23eの値を更新する。その後、次のS21の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間の間、ハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)を繰り返し実行する。S21〜S24の各処理は定期的に実行する必要があるので、S26の処理において、前回のS21の処理の実行からの経過時間をチェックする(S26)。チェックの結果、前回のS21の処理の実行から所定時間(例えば2ms)経過していれば(S26:Yes)、処理をS21へ移行する。一方、所定時間経過していなければ(S26:No)、処理をS25へ移行して、ハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)を繰り返す。ここで、S21〜S24の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のS21の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用してハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)を繰り返し実行することにより、ハズレ図柄カウンタ23eの値をランダムに更新することができる。
【0082】
図7は、主制御基板Cのメイン処理(図6参照)の中で実行される始動入賞変動開始処理(S21)のフローチャートである。この始動入賞変動開始処理(S21)は、保留球カウンタ23aの値が「7」以下であって演出実行1〜8メモリ23h〜23oに変動表示のデータを記憶可能な状態である場合に第1種始動口スイッチ24が球を検出して始動入賞が成立したとき、その始動入賞時における内部乱数カウンタ23bなどの値を変動表示のデータとして取得し、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶させる処理である。また、始動入賞変動開始処理(S21)は、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるとき、LCD3において変動表示が行われていなく、且つ、大当たり中でなければ保留球カウンタ23aの値を「1」減算して待機中の変動表示のデータを演出実行エリア23gに書き込んで変動表示を実行させ、一方、変動表示が行われていれば待機中の変動表示の実行を保留(待機)させる処理である。
【0083】
この始動入賞変動開始処理(S21)では、まず、第1種始動口スイッチ24が球を検出したか否かを確認する(S31)。第1種始動口スイッチ24が球を検出していれば(S31:Yes)、次に、保留球カウンタ23aの値が「8」以上であるか否かを確認する(S32)。保留球カウンタ23aの値が「8」未満であれば(S32:No)、変動表示のデータが待機回数分記憶されていないので、保留球カウンタ23aの値に「1」を加算する(S33)。その後、実行が保留されている変動表示の回数を示す保留ランプ5を1つ点灯させるコマンドを表示用制御基板Dへ送信し(S34)、更に、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、ハズレ図柄カウンタ23e、及び、変動パターンカウンタ23fの各値を変動表示のデータとして保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜8メモリ23h〜23oに書き込み(S35)、処理をS36へ移行する。
【0084】
一方、S31の処理において、第1種始動口スイッチ24が球を検出していなければ(S31:No)、始動入賞の成立時でなく、また、S32の処理において保留球カウンタ23aの値が「8」以上であれば(S32:Yes)、変動表示の待機回数分設けられた演出実行1〜8メモリ23h〜23oの全てに変動表示のデータが書き込まれているので、S33〜S35の処理をスキップして処理をS36へ移行する。
【0085】
S36からの処理では、まず、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるか否かを確認する(S36)。保留球カウンタ23aの値が「1」以上であれば(S36:Yes)、変動表示中か又は大当たり中(所定の遊技価値が付与される特別遊技状態中)であるか否かを確認する(S37)。確認の結果、変動表示中でなく且つ大当たり中でなければ(S37:No)、保留球カウンタ23aの値から「1」を減算して(S38)、演出実行1メモリ23hに記憶されている変動表示のデータを演出実行エリア23gに書き込む(S39)。
【0086】
次に、演出実行2〜8メモリ23i〜23oに記憶されている変動表示のデータを演出実行1〜7メモリ23h〜23nへそれぞれ1つずつシフトし(S40)、変動パターンと停止図柄とを設定する変動図柄コマンド決定処理を行い(S41、図8参照)、その変動図柄コマンド決定処理(S41)により決定された変動図柄コマンドを表示用制御基板Dに送信して(S42)、この始動入賞変動開始処理(S21)を終了する。一方、S36の処理において保留球カウンタ23aの値が「1」未満、即ち、「0」であることが確認された場合(S36:No)、及び、S37の処理において変動表示中か又は大当たり中であることが確認された場合には(S37:Yes)、S38からS42の処理をスキップして始動入賞変動開始処理(S21)を終了する。
【0087】
図8は、図7に示す始動入賞変動開始処理(S21)の中で実行される変動図柄コマンド決定処理(S41)のフローチャートである。変動図柄コマンドは、主制御基板Cから表示用制御基板Dに送信されるものであり、LCD3に表示される3つの図柄リールを下方に変動表示させた後の停止時の図柄を指定するための停止図柄コマンドと、変動表示の変動パターンを指定するための変動パターンコマンドとから構成されている。変動図柄コマンド決定処理(S41)では、始動入賞時に取得された変動表示のデータに基づいて、表示コマンドを構成する停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを決定する。
【0088】
この変動図柄コマンド決定処理(S41)では、まず、演出実行エリア23gに記憶された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であるか否かを確認する(S51)。その値が大当たりを発生させる値であれば(S51:Yes)、演出実行エリア23gに記憶された大当たり図柄カウンタ23dの値に対応した図柄の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定し(S52)、更に、演出実行エリア23gに記憶された変動パターンカウンタ23fの値が示すデータ(パターン)を第1テーブル22aから読み出して変動パターンコマンドに設定し(S53)、この表示コマンド決定処理(S41)を終了する。
【0089】
S51の処理において内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でない場合には(S51:No)、演出実行エリア23gに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値であるか確認する(S54)。その値がハズレリーチを発生させる値であれば(S54:Yes)、カウンタ用バッファ23pに記憶されたハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定し(S55)、更に、演出実行エリア23gに記憶された変動パターンカウンタ23fの値が示すデータ(パターン)を第2テーブル22bから読み出して変動パターンコマンドに設定し(S56)、この表示コマンド決定処理(S41)を終了する。
【0090】
S54の処理において演出実行エリア23gに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合には(S54:No)、演出実行エリア23gに記憶されたハズレ図柄カウンタ23eの値を停止図柄コマンドに設定し(S57)、更にリーチ表示を伴わないハズレの変動表示である「パターン3」の変動パターンを示す「3」のデータを変動パターンコマンドのデータとして設定して(S58)、この表示コマンド決定処理(S41)を終了する。
【0091】
図9は、主制御基板Cのメイン処理(図6参照)の中で実行される大当たり処理(S24)のフローチャートである。この大当たり処理(S24)は、大当たり中であれば特定入賞口開放処理(S62)を実行する処理である。また、大当たり処理(S24)は、、最終ラウンドの開始タイミングであれば、演出実行1〜8メモリに記憶されている変動表示の情報に基づいて待機中の変動表示の内容を確認し、その情報に応じて異なるデータを付加したコメント表示コマンドを表示用制御基板Dに送信する処理である。
【0092】
この大当たり処理(S24)では、まず、大当たり中か否かを確認する(S61)。大当たり中である場合には(S61:Yes)、特定入賞口開放処理(S62)を実行する。この特定入賞口開放処理(S62)では、球が入賞しやすいように特定入賞口6を所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放する。特定入賞口6の開放中に、球がVゾーン6aを通過すると、継続権を成立させて、特定入賞口6の閉鎖後、再度、その特定入賞口6を所定時間(又は、球が10個入賞するまで)開放する。この特定入賞口6の開閉動作を、最高で15回(15ラウンド)繰り返す。
【0093】
特定入賞口開放処理(S62)後、最終ラウンド(本実施例では、15ラウンド)を開始するタイミングであるか否かを確認する(S63)。最終ラウンドの開始タイミングであれば(S63:Yes)、保留球カウンタ23aの値が「1」以上か否かを確認する。保留球カウンタ23bの値が「1」以上(S64:Yes)、即ち、待機中の変動表示が存在する場合には、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値か否かを確認する(S65)。このとき、複数の変動表示が待機中である場合には、各変動表示に対応する演出実行1〜8メモリ23h〜23oのいずれかに大当たりを発生させる値があるか否かを確認する。
【0094】
大当たりを発生させる値が1つでもあれば(S65:Yes)、その大当たりを発生させる値を記憶した演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されている大当たり図柄カウンタ23dの値が確率変動大当たりを発生させる値か否かを確認する(S66)。この確認は、大当たりを発生させる値が演出実行1〜8メモリ23h〜23oに複数記憶されている場合には、大当たりを初めに発生させる変動表示に対する演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶された大当たり図柄カウンタ23dの値に対して行われる。なお、S66の処理における確認は、大当たりを発生させる値を記憶した複数の演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶された複数の大当たり図柄カウンタ23dの値のいずれかに確率変動大当たりを発生させる値があるか否かを確認することにより行っても良い。
【0095】
S66の処理において確率変動大当たりを発生させる値でないことを確認した場合には(S66:No)、コメント表示コマンドに「B」のデータを設定し(S67)、「B」のデータを付加したコメント表示コマンドを表示用制御基板Dに送信して(S68)、この大当たり処理(S24)を終了する。
【0096】
一方、S66の処理において確率変動大当たりを発生させる値であることを確認した場合には(S66:Yes)、コメント表示コマンドにコマンドパターンデータとして「A」を設定し(S69)、「A」のデータを付加したコメント表示コマンドを表示用制御基板Dに送信して(S68)、この大当たり処理(S24)を終了する。
【0097】
S65の処理において、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でない場合には(S65:No)、待機中の変動表示によって大当たりは発生しないので、次に、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値か否かを確認する(S70)。S65の確認と同様に、複数の変動表示が待機中である場合には、各変動表示に対応する演出実行1〜8メモリ23h〜23oのいずれかにハズレリーチを発生させる値があるか否かを確認する。
【0098】
ハズレリーチを発生させる値が1つでもあれば(S70:Yes)、そのハズレリーチを発生させる演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されている変動パターンカウンタ23fの値はスーパーリーチを発生させる値か否かを確認する(S71)。ハズレリーチを発生させる値が演出実行1〜8メモリ23h〜23oに複数記憶されている場合には、ハズレリーチを発生させる値を記憶した複数の演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶された複数の変動パターンカウンタ23fの値のいずれかにスーパーリーチを発生させる値があるか否かを確認して行われる。
【0099】
S71の処理においてスーパーリーチを発生させる値であることを確認した場合には(S71:Yes)、コメント表示コマンドに「C」のデータを設定し(S72)、「C」のデータを付加したコメント表示コマンドを表示用制御基板Dに送信して(S68)、この大当たり処理(S24)を終了する。一方、S71の処理において演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されている変動パターンカウンタ23fの値がスーパーリーチを発生させる値でなければ(S71:No)、コメント表示コマンドに「D」のデータを設定し(S73)、「D」のデータを付加したコメント表示コマンドを表示用制御基板Dに送信して(S68)、この大当たり処理(S24)を終了する。
【0100】
S64の処理において保留球カウンタ23a値が「1」以上でない(S64:No)、即ち、待機中の変動表示が存在しない場合、または、S70の処理において演出実行1〜8メモリ23h〜23oに記憶されているリーチ乱数カウンタ23cの値にハズレリーチを発生させる値がない場合には(S70:No)、コメント表示コマンドに「E」のデータを設定し(S74)、「E」のデータを付加したコメント表示コマンドを表示用制御基板Dに送信して(S68)この大当たり処理を終了する。
【0101】
S61の処理において大当たり中でないことが確認された場合(S61:No)、または、S63の処理において最終ラウンドの開始タイミングでないことが確認された場合には(S63:No)、S64からS74の処理をスキップしてこの大当たり処理(S24)を終了する。
【0102】
このように、S63の処理で最終ラウンドの開始タイミングであることが確認されると、演出実行1〜8メモリに記憶されている変動表示の情報に基づいて待機中の変動表示の内容を確認し、その情報に応じて「A〜E」のうちのいずれかのデータを付加したコメント表示コマンドを表示用制御基板Dに送信する。表示用制御基板Dにおいては、コメント表示コマンドに基づいて、最終ラウンドの開始時期に待機中の変動表示の内容を認識させることができ、待機中の変動表示の有無、及び、待機中の変動表示の内容に応じたコメントをLCD3に表示する制御を行うことができる。よって、遊技者には、大当たり終了後に実行される変動表示の内容や、その後に遷移する遊技状態(特別遊技状態)に対応したコメントを前もって示すことができる。
【0103】
図10は、表示用制御基板Dで実行される演出表示処理のフローチャートである。この演出表示処理は、表示用制御基板Dにおいて所定時間(例えば2ms毎)に繰り返して実行される処理である。この演出表示処理は、主制御基板Cから送信されたコメント表示コマンドに付加されたデータに基づいて待機中の変動表示の内容に応じたコメントをLCD3に表示する処理である。
【0104】
この演出表示処理では、まず、大当たり中か否かを確認する(S80)。大当たり中でなければ(S80:No)、主制御基板Cから変動図柄コマンドを受信したか否かを確認する(S81)。変動図柄コマンドを受信していれば(S81:Yes)、変動図柄コマンドに付加された変動パターン及び停止図柄に関するデータを演出実行エリア33aに書き込み、図柄の変動表示を開始する(S82)。更に、図柄の変動回数を計数するための変動回数カウンタ33bの値に「1」を加算し(S83)、処理をS84に移行する。
【0105】
S81の処理において、主制御基板Cから変動図柄コマンドを受信していなければ(S81:No)、主制御基板Cから確定コマンドを受信したか否かを確認する(S86)。確定コマンドを受信していれば(S86:Yes)、変動表示を停止するタイミングであるので、変動表示を停止表示(確定)させてから(S87)、処理をS84に移行する。一方、S86の処理において確定コマンドを受信していなければ(S86:No)、変動表示の継続中か又は変動待機中であるので、S87の処理をスキップして処理をS84に移行する。
【0106】
S80の処理において大当たり中であれば(S80:Yes)、大当たり演出処理(S88)を実行する。大当たり演出処理(S88)においては、主制御基板Cから送信される実行中のラウンドに関するコマンドや、特定入賞口6への入賞に関するコマンドなどに基づいてLCD3にラウンド数を示すアニメーションや、入賞球数を示す数字を表示するなどの表示演出を実行する。S88の処理後には、コメント表示処理(S89)を実行する。このコメント表示処理については、図11を参照して後述する。
【0107】
S89のコメント表示処理(S89)実行後、処理をS84へ移行する。S84では、コメントカウンタ33cの値を更新するコメントカウンタ更新処理(S84)を実行し、その後、その他処理(S85)を実行して、この演出表示処理を終了する。
【0108】
次に、図11を参照して、表示用制御基板Dの演出表示処理の中で実行されるコメント表示処理(S89)について説明する。図11は、コメント表示処理(S89)のフローチャートである。このコメント表示処理(S89)は、大当たりの最終ラウンド中に、待機中の変動表示の有無及び待機中の変動表示の内容に応じたコメントをLCD3に表示するための処理である。
【0109】
このコメント表示処理では、まず、主制御基板Cから大当たりの最終ラウンドを開始するタイミングで送信されるコメント表示コマンドを受信したか否かを確認する(S91)。コメント表示コマンドを受信していれば(S91:Yes)、コメント表示コマンドに付加されたデータが「E」であるか否かを確認する(S91)。コメント表示コマンドに付加されたデータが「E」である場合としては、保留球カウンタ23aの値が「1」以上でない場合(図9、S64:No)、又は、演出実行1〜8メモリ23h〜23oに大当たりを発生させる変動表示の情報またはハズレリーチを発生させる変動表示の情報が記憶されていない場合がある。
【0110】
S91の処理においてコメント表示コマンドに付加されたデータが「E」でなければ(S92:No)、コメント表示コマンドに付加されたデータが示すモード(モードA〜Dのいずれか)を第1コメントテーブル32aから選択し、その選択したモードにおけるコメントカウンタ33cの値が示すデータ(コメント)を読み出してLCD3の表示画面に表示する(S93)。コメント表示コマンドに付加されたデータは、主制御基板Cによって行われる大当たり処理(S24)において待機中の変動表示の内容を確認して設定されるものであり、待機中の変動表示の内容に応じて異なるデータを付加したコメント表示コマンドが表示用制御基板Dに送信されたものである。なお、LCD3の表示画面へのコメントの表示は、最終ラウンド中に継続して行われ、最終ラウンド終了時に図示しない処理によって消去される。S96及びS97の処理におけるコメントの表示についても同様に行われる。S93の処理でコメントを表示した後には、処理をS94へ移行する。
【0111】
一方、S92の処理において、コメント表示コマンドに付加されたデータが「E」であれば(S92:Yes)、確率変動大当たり中か、それとも通常大当たり中かを確認する(S95)。この確認は、演出実行エリア33aに記憶された大当たりを示す停止図柄が偶数図柄であるか奇数図柄であるかに基づいて行われる。確率変動大当たり中であれば(S95:Yes)、変動回数カウンタ33bの値が示すデータ(コメント)を第2コメントテーブル32bから読み出し(S96)、LCD3の表示画面に表示して処理をS94へ移行する。一方、確率変動大当たり中でなければ(S95:No)、変動回数カウンタ33bの値が示すデータ(コメント)を、通常大当たりに対応したコメントが記憶された第3コメントテーブル32cから読み出し、LCD3の表示画面に表示して(S97)、処理をS94へ移行する。
【0112】
S94の処理では、変動表示の回数を計数するための変動回数カウンタ33bの値を「0」クリアして(S94)、大当たり発生後に行われる変動表示の回数を変動回数カウンタ33bに記憶させる。S94の処理後に、コメント表示処理(S89)を終了する。また、S91の処理において、主制御基板Cからコメント表示コマンドを受信しなければ(S91:No)、コメント表示を実行しないためS91からS97の処理をスキップしてこのコメント表示処理を終了する。
【0113】
このように、コメント表示処理(S89)では、大当たりの最終ラウンドの開始時期に主制御基板Cから送信されたコメント表示コマンドに基づいてS93の処理によって待機中の変動表示の内容に応じたコメントをLCD3に表示する。遊技者には、第1コメントテーブル32aに設定されたコメントのうち、大当たり終了後に開始される変動表示の内容やその変動表示の後に遷移する遊技状態(特別遊技状態)に応じたコメントが、待機中の変動表示の開始前に示される。よって、遊技者は、大当たり中の演出の一部として待機中の変動表示の情報に関連したコメントを視認してその後に実行される変動表示の内容や遷移する遊技状態を推測する遊技の興趣を得ることができる。
【0114】
また、表示用制御基板Dの制御によってLCD3に表示されるのは、待機中の変動表示の内容に応じたコメントであるので、パチンコ機の設計段階において設計者が変動表示の開始前に大当たりの発生やその大当たりの内容、或いは、スーパーリーチの発生する可能性など遊技者に伝えたいと考えて設定した情報を遊技者に文字で判り易く示すことができ、アニメーションや可動式の部材による動作によって遊技者に情報を伝える場合に比べて、遊技に不慣れな初心者や複雑な演出を好まない客層にも変動表示の内容を推測する興趣を付与することができる。
【0115】
更に、コメントは、大当たりの最終ラウンドで毎回固定的に表示されるので、遊技者には、最終ラウンドまでは大当たり遊技に集中させることができる。また、大当たりの最終ラウンドで待機中の変動表示の情報に応じたコメントが表示されるので、遊技者には、大当たり遊技が終了すると遊技に対して一区切りをつけ、次の大当たりを期待させて、遊技を継続させることができる。また、大当たりの最終ラウンドで表示することによって、変動表示がより多く待機された状態で待機中の変動表示の内容に基づいて表示されるコメントを選択することができ、遊技者にとって期待感を持つことができるコメントが表示される可能性を高めることができる。更に、S89の処理で第1,第2,第3コメントテーブル32a,32b,32cのいずれかのコメントが大当たりの最終ラウンド毎に表示されるので、コメントの表示時期が固定的となり、遊技者には、コメントが毎回表示される大当たりの最終ラウンドを期待させることができる。なお、コメントは、必ずしも大当たりの最終ラウンド中に表示する必要はない。大当たりの最終ラウンド終了後であって変動表示が開始されるまでの間に表示するものであっても良く、大当たり中であって最終ラウンド以外に表示されるものであっても良い。また、コメントは、大当たりの最終ラウンドで必ず表示する設定とする必要はなく、例えば、10回の大当たりに対して1回の割合で表示しないようにしても良い。これにより、遊技者に対して、コメントの表示に対する期待感を高めると共に、コメントの表示に満足感を高めることができる。
【0116】
また、従来、複数回の変動表示の中で繰り返して行われる演出や表示によって段階的に待機中の変動表示の内容を遊技者に期待させる連続演出を行う遊技機がある。しかし、連続演出の場合には、遊技者は、一回の演出や表示だけでは待機中の変動表示の内容を期待することができないため、演出が繰り返し実行されることを祈念してその後の遊技を視認し続けなければならず、連続演出に焦れったさを感じてしまう。これに対し、パチンコ機1によれば、コメントは大当たりの最終ラウンドにおいて一時的に表示される。よって、遊技者に対しては、連続演出に比べて、待機中の変動表示の内容を推測するまでの焦れったさを回避させ、コメントが表示される大当たりの最終ラウンドに期待感を集中させることができ、更に、コメントが表示された場合には、遊技者に、即座に待機中の変動表示の内容を推測させることができる。
【0117】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0118】
例えば、上記実施例では、通知情報として多数の文字と記号とを含むコメントを表示させたが、1文字以上の文字または記号のいずれか少なくとも一方を含むものであれば良い。また、必ずしもコメントを表示させる必要はなく、待機中の変動表示の内容に基づいたアニメーションを表示させても良い。
【0119】
更に、上記実施例では、図柄の変動表示を行うLCD3に待機中の変動表示の内容に基づいてコメントを表示させたが必ずしも図柄の変動表示を行うLCD3にコメントを表示させる必要はなく、LCD3とは別に液晶表示装置や、ドット演出装置などの表示装置を設けて、LCD3の表示領域を使用しないで待機中の変動表示の内容に基づいたコメントを表示させても良い。また、必ずしもコメントは、表示装置に表示するものである必要はなく、音声ランプ制御基板Lによって制御されるスピーカ27を使用して音声でコメントの音声出力を行わせてコメントを表出するものであっても良い。
【0120】
また、上記実施例では、変動表示の待機回数は、8回に設定したが、必ずしも8回に限定されるものでなく、4回であっても、6回であっても良いが、その数が多すぎると大当たり中に待機中の変動表示が溜まり過ぎる一方、少なすぎると待機中の変動表示の内容として大当たりやスーパーリーチが設定され難くなる。このため、変動表示の待機回数は、上記実施例のように、5回以上であることが好ましく、8回にすることが好適である。
【0121】
更に、上記実施例では、待機中の変動表示の内容に基づいて大当たり演出時にコメントを表示したが、必ずしも大当たり演出時にコメントを表示するものとする必要はなく、ハズレリーチなどの特定の変動表示が行われた後でコメントを表示するものであっても良い。
【0122】
また、上記実施例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、LCD3上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる表示演出なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
【0123】
更に、上記実施例では、実行中の大当たりの種類、または、待機中の変動表示の大当たりの種類によって異なるテーブルを使用して異なる選定条件で選択され、大当たりの最終ラウンド毎に表示されるコメントが設定されている。大当たりの種類としては、通常大当たりと確率変動大当たりの2種類の大当たりが定められているが、必ずしも通常大当たりと確率変動大当たりに限定されるものでなく、異なる遊技価値が付与される2種類以上の大当たりが定められていれば良い。異なる遊技価値としては、例えば、15回(ラウンド)で構成される特別遊技状態が付与される第1の遊技価値と、6回(ラウンド)で構成される特別遊技状態が付与される第2の遊技価値としても良い。
【0124】
本発明を上記実施例とは異なる種類のパチンコ機であって、変動表示の保留が可能なパチンコ機に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。
【0125】
以下に変形例を示す。請求項1記載の遊技機において、前記制御手段は、前記動的表示記憶手段によって記憶される前記待機中の動的表示の情報に、前記所定の遊技価値の付与を示す価値情報が記憶されているか否かを判断する価値判断手段を備えており、前記表出手段は、その価値判断手段によって前記待機中の動的表示の情報に前記価値情報が記憶されていると判断された場合には、前記価値判断手段によって前記待機中の動的表示の情報に前記価値情報が記憶されていないと判断された場合に比べて高い比率で、前記通知情報の少なくとも一部を構成する価値通知情報を前記待機中の動的表示の開始前に表出させるものであることを特徴とする遊技機1。
【0126】
遊技機1によれば、待機中の動的表示の情報に所定の遊技価値の付与を示す価値情報が記憶されている場合には、待機中の動的表示の情報に所定の遊技価値の付与を示す価値情報が記憶されていない場合に比べて高い比率で、待機中の動的表示の開始前に価値通知情報が表出される。このため、価値通知情報が表出された場合には、価値通知情報が表出されない場合に比べて待機中の動的表示によって所定の遊技価値を付与する比率を高めることができる。よって、遊技者には、価値通知情報の表出を遊技の演出の一部とし、その後に遷移する遊技状態を動的表示の開始前から継続して期待させることができると共に、遊技の状態に関連づいた変化に富んだ演出を行うことができ、飽き難い遊技性を遊技者に付与することができる。
【0127】
なお、遊技機1における表出手段は、価値判断手段によって待機中の動的表示の情報に価値情報が記憶されていないと判断された場合に価値通知情報を表出しないものであっても良い。価値通知情報が表出させられた場合には、待機中の動的表示の情報に価値情報が確実に記憶されることとなるので、遊技者には、その後に遷移する遊技状態を動的表示の開始前に確信して遊技を行う興趣を付与することができる。また、価値通知情報としては、例えば、上記実施例における図4(a)の第1コメントテーブル32a中の「席を離れるな!!…近づいてくる!」というコメントと、「席を離れるな!!…おきるぞ!」というコメントとが例示され、価値判断手段としては、例えば、上記実施例における図9のS65の処理が例示される。
【0128】
更に、遊技機1における表出手段は、所定時間毎に更新されるカウンタとそのカウンタのカウント値に対応づけて価値通知情報を表出させるか否かが予め設定されたテーブルとを備え、所定のタイミングで参照したカウンタのカウント値がテーブルに設定された価値通知情報を表出させるカウント値に対応している場合に価値通知情報を待機中の動的表示の開始前に表出させるものであっても良い。予め設定された確率に従って表出手段によって価値通知情報を表出させることができる。この場合におけるカウンタとしては、上記実施例におけるコメントカウンタ33cが該当し、テーブルとしては、上記実施例における図4(a)の第1コメントテーブル32aが該当する。
【0129】
遊技機1において、前記所定の遊技価値は、所定の遊技価値が付与される第1の遊技価値と、その第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値とを備え、前記表出手段は、前記価値判断手段によって前記待機中の動的表示の情報に前記第1の遊技価値、又は、前記第2の遊技価値の付与を示す価値情報が記憶されていると判断された場合にのみ前記価値通知情報を前記待機中の動的表示の開始前に表出させるものであることを特徴とする遊技機2。
【0130】
遊技機2によれば、価値通知情報は、価値判断手段によって待機中の動的表示の情報に第1の遊技価値、又は、第2の遊技価値の付与を示す価値情報が記憶されていると判断された場合にのみ待機中の動的表示の開始前に表出される。価値通知情報が表出された後には、第1の遊技価値、又は、第2の遊技価値のうちいずれか一方の遊技価値が付与される。よって、遊技者には、価値通知情報の表出によって、少なくとも第1の遊技価値、又は、第2の遊技価値のうちいずれか一方が付与されることを期待させることができると共に第1の遊技価値、又は、第2の遊技価値のいずれが付与されるのかという期待感と緊張感を持たせることができ、飽き難い遊技性を遊技者に付与することができる。なお、価値通知情報としては、例えば、上記実施例における図4(a)の第1コメントテーブル32a中の「席を離れるな!!…おきるぞ!」というコメントが例示され、価値内容判断手段としては、例えば、上記実施例における図9のS66の処理が例示される。
【0131】
遊技機1又は2において、前記所定の遊技価値は、所定の遊技状態が付与される第1の遊技価値と、その第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値とを備え、前記制御手段は、前記待機中の動的表示の情報に前記価値情報が記憶されている場合に、その価値情報が前記第1の遊技価値と前記第2の遊技価値とのうちいずれの遊技価値を付与する情報であるかを判断する価値内容判断手段を備えており、前記表出手段は、その価値内容判断手段によって判断された遊技価値に応じて異なる条件で、前記価値通知情報を前記待機中の動的表示の開始前に表出させるものであることを特徴とする遊技機3。
【0132】
遊技機3によれば、価値内容判断手段によって判断された遊技価値に応じて異なる条件で待機中の動的表示の開始前に価値通知情報が表出されるので、価値通知情報が表出された後には、第1の遊技価値と第2の遊技価値とのうち価値通知情報が表出条件に基づいてより高い比率で表出される一方の遊技価値が高い比率で付与される。よって、遊技者には、価値通知情報の表出に基づいてその後に遷移する遊技状態だけでなく、付与される遊技価値の内容をも期待させることができ、更に変化に富んだ演出によって飽き難い遊技性を遊技者に付与することができる。
【0133】
なお、遊技機3における所定の遊技価値は、第1の遊技価値と第2の遊技価値以外の遊技価値を備えていても良い。また、第1の遊技価値としては、第1の回数(ラウンド)で構成される特別遊技状態が付与される遊技価値が例示され、第2の遊技価値としては、第1の回数と異なる第2の回数(ラウンド)で構成される特別遊技状態が付与される遊技価値が例示される。また、条件としては、予め定められた確率、又は、比率などが例示される。
【0134】
遊技機3において、前記第1の遊技価値は、特別遊技状態を付与するものであり、前記第2の遊技価値は、特別遊技状態を付与すると共にその特別遊技状態の終了後に前記第1の遊技価値における特別遊技状態終了後の遊技状態より遊技者にとって有利な遊技状態を付与するものであることを特徴とする遊技機4。
【0135】
なお、第1の遊技価値における特別遊技状態終了後の遊技状態より遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、特別遊技状態の終了後に所定の遊技価値が高確率で付与される遊技状態に一定期間遷移するものであっても良く、また、特別遊技状態の終了後の一定期間は、可変入賞装置が作動し易く動的表示の始動条件が成立し易い状態となり、特別遊技状態の終了後に開始する動的表示の変動時間が通常の遊技状態より短いものであっても良い。更に、特別遊技状態の終了後に所定の遊技価値が高確率で付与される遊技状態に一定期間遷移し、且つ、その一定期間は、可変入賞装置が作動し易く動的表示の始動条件が成立し易い状態となり、特別遊技状態の終了後に開始する動的表示の変動時間が通常の遊技状態より短いものであっても良い。また、価値通知情報としては、例えば、上記実施例における図4(a)の第1コメントテーブル32a中の「席を離れるな!!…おきるぞ!」というコメントが例示され、価値内容判断手段としては、例えば、上記実施例における図9のS66の処理が例示される。
【0136】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から4のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記動的表示記憶手段によって記憶される前記待機中の動的表示の情報に、遊技者に所定の遊技価値の付与を期待させる興趣演出の実行を示す特定遊技情報が記憶されているか否かを判断する演出判断手段を備えており、前記表出手段は、その演出判断手段によって前記待機中の動的表示の情報に前記特定遊技情報が記憶されていると判断された場合には、前記演出判断手段によって前記待機中の動的表示の情報に前記特定遊技情報が記憶されていないと判断された場合に比べて高い比率で、前記通知情報の少なくとも一部を構成する遊技通知情報を前記待機中の動的表示の開始前に表出させるものであることを特徴とする遊技機5。
【0137】
遊技機5によれば、待機中の動的表示の情報に興趣演出の実行を示す特定遊技情報が記憶されている場合には、待機中の動的表示の情報に特定遊技情報が記憶されていない場合に比べて高い比率で遊技通知情報が表出される。このため、遊技通知情報が表出された場合には、遊技通知情報が表出されない場合に比べて待機中の動的表示によって興趣演出が実行される比率を高めることができる。よって、遊技者には、興趣演出の実行を動的表示の開始前から継続して期待させることができると共に、その興趣演出の実行によって期待することができる所定の遊技価値の付与を間接的に期待させることができる。また、所定の遊技価値の付与される確率に比べて興趣演出の実行される確率の方が一般に高く設定されているので、所定の遊技価値の付与される場合にのみ通知情報を表出させる場合に比較して変化に富んだ演出を実行することができ、飽き難い遊技性を遊技者に付与することができる。
【0138】
なお、興趣演出としては、上記実施例におけるノーマルリーチやスーパーリーチによる演出であって、その実行があった場合に高確率で所定の遊技価値が付与される演出が例示される。また、演出判断手段は、遊技機1における価値判断手段により所定の遊技価値の付与を示す価値情報が記憶されていないと判断された場合に判断するとしても良い。また、遊技通知情報としては、例えば、上記実施例における図4(a)の第1コメントテーブル32a中の「チャンス到来!!…離すな!!」というコメントと、「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」というコメントとが例示され、演出判断手段としては、例えば、上記実施例における図9のS70の処理が例示される。
【0139】
遊技機5において、前記興趣演出には、所定の遊技価値の付与を期待させる程度の異なる少なくとも2種以上の興趣演出が設定されており、前記表出手段は、前記演出判断手段によって前記待機中の動的表示の情報に所定の遊技価値の付与を期待させる程度の異なる少なくとも2種以上の興趣演出のいずれかを示す特定遊技情報が記憶されていると判断された場合にのみ前記遊技通知情報を前記待機中の動的表示の開始前に表出させるものであることを特徴とする遊技機6。
【0140】
遊技機6によれば、興趣演出には、所定の遊技価値の付与を期待させる程度の異なる少なくとも2種以上の興趣演出が設定されており、遊技通知情報は、演出判断手段によって待機中の動的表示の情報に所定の遊技価値の付与を期待させる程度の異なる少なくとも2種以上の興趣演出のいずれかを示す特定遊技情報が記憶されていると判断された場合にのみ待機中の動的表示の開始前に表出される。このため、遊技通知情報が表出された後には、特定遊技情報によって示される2種以上の興趣演出のうちいずれか1種の興趣演出が実行される。よって、遊技者には、遊技通知情報の表出によって、少なくとも興趣演出が実行されることを期待させると共にいずれの興趣演出が実行されるのかという期待感を持たせることができる。更に、興趣演出は所定の遊技価値の付与を期待させるものであるため、遊技者には、遊技通知情報の表出によって所定の遊技価値の付与を期待させることができる。なお、遊技通知情報としては、例えば、上記実施例における図4(a)の第1コメントテーブル32a中の「チャンス到来!!…離すな!!」というコメントと、「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」というコメントとが例示され、演出判断手段としては、例えば、上記実施例における図9のS70の処理が例示される。
【0141】
遊技機6において、前記興趣演出には、所定の遊技価値の付与を期待させる程度の異なる少なくとも2種以上の興趣演出が設定されており、前記制御手段は、前記待機中の動的表示の情報に前記特定遊技情報が記憶されている場合に、その特定遊技情報が前記少なくとも2種以上の興趣演出のうちいずれの興趣演出が実行されるかを判断する演出種別判断手段を備えており、前記表出手段は、その演出種別判断手段によって判断された興趣演出の種別に応じて異なる条件で、前記遊技通知情報を前記待機中の動的表示の開始前に表出させるものであることを特徴とする遊技機7。
【0142】
遊技機7によれば、興趣演出には、所定の遊技価値の付与を期待させる程度の異なる少なくとも2種以上の興趣演出が設定されており、遊技通知情報は、演出種別判断手段によって判断された興趣演出の種別に応じて異なる条件で遊技通知情報が表出される。このため、遊技通知情報が表出された後には、2種以上の興趣演出のうち、遊技通知情報が表出条件に基づいてより高い比率で表出される一方の興趣演出が高い比率で実行される。よって、遊技者には、遊技通知情報の表出に基づいて興趣演出の実行の有無だけでなく、興趣演出の種別をも推測させることができ、更に変化に富んだ演出によって飽き難い遊技性を遊技者に付与することができる。
【0143】
なお、遊技通知情報としては、例えば、上記実施例における図4(a)の第1コメントテーブル32a中の「チャンス到来!!…まちがいなしだ!!」というコメントが例示され、演出種別判断手段としては、例えば、上記実施例における図9のS71の処理が例示される。
【0144】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から7のいずれかにおいて、前記表出手段は、前記動的表示記憶手段によって記憶される前記待機中の動的表示の情報に基づいて遷移する1の遊技状態に対し、複数種類の通知情報から抽選した通知情報を、前記待機中の動的表示の開始前に表出させるものであることを特徴とする遊技機8。遊技機8によれば、1の遊技状態に対して複数種類の通知情報から選択した通知情報が、表出手段によって待機中の動的表示の開始前に表出する。よって、遷移する1の遊技状態に対して表出する通知情報にランダム性を持たせることができ、通知情報の表出による遊技の演出を飽き難いものとすることができる。
【0145】
なお、遊技機8における通知情報の抽選は、カウンタとテーブルとを使用して行うものであっても良い。即ち、所定期間毎に更新されるカウンタと、そのカウンタのカウント値に対応づけて複数種類の通知情報が別々に設定されたテーブルとを備え、表出手段は、カウンタのカウント値に基づいて、複数種類の通知情報から通知情報を選択し、その通知情報を前記待機中の動的表示の開始前に表出させるものであっても良い。また、カウンタとしては、例えば、上記実施例における表示用制御基板Dに設けられるコメントカウンタ33cが例示され、テーブルとしては、例えば、上記実施例における図4(a)の第1コメントテーブル32aが例示される。
【0146】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から8のいずれかにおいて、前記表出手段は、少なくとも前記表示装置に前記通知情報の表示を行わせて、前記通知情報を表出させるものであることを特徴とする遊技機9。遊技者は、遊技中に識別情報の動的表示が行われる表示装置に注目している。遊技機9によれば、その表示装置に通知情報の表示を行うので、遊技者に通知情報を簡単に視認させることができる。
【0147】
なお、表示装置としては、例えば、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオードによるドット演出装置などが例示される。また、通知情報の表出は、必ずしも識別情報の動的表示が行われる表示装置に通知情報を表示することによって行う必要はない。動的表示が行われる表示装置とは別の第2の表示装置を備え、表出手段は、その別の表示装置に通知情報の表示を行わせて通知情報を表出させるものとしても良い。通知情報の表示によって動的表示の表示領域が狭められることを防止することができる。
【0148】
遊技機9において、前記通知情報は、1文字以上の文字または記号のいずれか少なくとも一方を含むコメントであることを特徴とする遊技機10。通知情報は待機中の動的表示の内容に応じたコメントである。遊技機10によれば、通知情報は、1文字以上の文字または記号を含むコメントである。よって、パチンコ機の設計段階において設計者が動的表示の開始前に大当たりの発生やその大当たりの内容、或いは、スーパーリーチの発生する可能性など遊技者に伝えたいと考えて設定した情報を遊技者に文字で判り易く示すことができ、アニメーションや可動式の部材による動作によって遊技者に情報を伝える場合に比べて、遊技に不慣れな初心者や複雑な演出を好まない客層にも変動表示の内容を推測する興趣を付与することができる。なお、コメントとしては、例えば、上記実施例における図4(a)に示す第1コメントテーブル32aに示される各コメントが例示される。
【0149】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から10のいずれかにおいて、音声を出力可能な音声出力装置を備え、前記表出手段は、少なくともその音声出力装置に前記通知情報の音声出力を行わせて、前記通知情報を表出させるものであることを特徴とする遊技機11。遊技機11によれば、遊技者は、表示装置などが設けられる位置に視線を向けなくとも、音声出力装置によって出力される音声出力に基づいて簡単に通知情報を認識することができる。なお、表出手段は、音声出力装置に1文字以上の文字を示すコメントを表現する音声の音声出力を行わせても良い。1文字以上の文字を示すコメントを表現する音声の音声出力を音声出力装置によって出力することによって、遊技者は音声出力された内容を容易に認識することができる。よって、遊技者にとって判り易い通知情報を表出することができる。また、表出手段は、音声出力装置に通知情報として効果音の音声出力を行わせても良い。なお、音声出力装置としては、例えば、スピーカーが例示される。
【0150】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から11のいずれかにおいて、前記表出手段は、前記所定の遊技価値の付与期間中に前記通知情報を表出させるものであることを特徴とする遊技機12。一般に所定の遊技価値の付与期間中には、特定の演出(大当たり演出)が実行されるが、この特定の演出は画一的であって、遊技者を飽きさせてしまう。遊技機12によれば、所定の遊技価値を付与する間に通知情報が表出させられるので、所定の遊技価値を付与する間における特定の演出の画一感を排除し、遊技者を飽きさせない演出を行うことができる。
【0151】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から12のいずれかにおいて、前記所定の遊技価値は、複数の有利状態の集合からなる一連の集合遊技で付与されるものであり、前記表出手段は、その一連の集合遊技を構成する有利状態のうち最後に開始される有利状態の開始後であってその有利状態の終了後に行われる最初の動的表示の開始前に、前記通知情報を表出させるものであることを特徴とする遊技機13。所定の遊技価値が付与される間に遊技者が遊技媒体を遊技領域に打ち続ける場合には、所定の遊技価値が付与される期間の後になるほど待機中の動的表示が増える可能性が高く、待機中の動的表示によって所定の遊技価値が付与される可能性や遊技者に有利な遊技状態になる可能性が高くなる。
【0152】
遊技機13によれば、一連の集合遊技を構成する有利状態のうち最後に開始される有利状態の開始後であってその有利状態の終了後に行われる最初の動的表示の開始前に、毎回固定的に表出手段によって通知情報の表示が行われる。よって、遊技者には、所定の遊技価値が付与される期間は、最後に開始される有利状態まで遊技媒体を遊技領域へ打ち続けることに集中させることができる。また、最後に開始される有利状態の終了後に行われる最初の動的表示の開始前に通知情報を表出することによって、遊技者には、最後の有利状態が終了すると遊技に対して一区切りをつけ、次の所定の遊技価値が付与されることを期待させて、遊技を継続させることができる。更に、より多く待機された待機中の動的表示の情報に応じた通知情報を表出することができ、遊技者にとって期待感を持つことができる通知情報を高頻度で表示することができる。なお、有利状態としては、上記実施例における15回(ラウンド)で構成される特別遊技状態における各ラウンドが例示される。
【0153】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から13のいずれかにおいて、前記表出手段は、前記動的表示の途中で前記所定の遊技価値の付与を期待させる興趣演出の実行後に前記予め定めた表示結果以外の不利益な表示結果が現出した後であって、その不利益な表示結果を現出させた動的表示の終了後に行われる最初の動的表示の開始前に、前記通知情報を表出させるものであることを特徴とする遊技機14。遊技者は、予め定めた表示結果以外の不利益な表示結果が現出すると、失望感を生じる。遊技機14によれば、通知情報は不利益な表示結果が現出した後であって、その不利益な表示結果を現出させた動的表示の終了後に行われる最初の動的表示の開始前に表出されるため、遊技者は不利益な表示結果によって失望するものの、その後の通知情報表示によってその後に行われる遊技に意識を向けさせることができ、遊技の継続意欲を持たせることができる。
【0154】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から14のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記動的表示の実行既出態様に関する既出態様情報を記憶する動的既出態様記憶手段と、その動的既出態様記憶手段によって記憶される前記既出態様情報に応じて予め定められた既出態様通知情報を、前記表出手段によって前記通知情報を表出させる所定のタイミングで表出させる第2表出手段とを備えていることを特徴とする遊技機15。動的表示の内容は、始動条件が成立する毎に選定手段によって選定されるので、動的表示の実行既出態様は各遊技者毎に異なるものである。遊技機15によれば、表出手段によって通知情報を表出させるタイミングで、動的表示の実行既出態様に関する既出態様情報に応じて予め定められた既出態様通知情報を、第2表出手段によって表出させる。よって、表出手段による通知情報の表出時期において、遊技者毎に異なる遊技の内容に応じて表示される通知情報の種類を増やすことができ、遊技の演出に対する画一感をより効果的に排除することができる。
【0155】
なお、動的表示の実行既出態様としては、例えば、所定期間中に行われた動的表示の実行回数、所定期間中に行われた興趣演出の実行回数などが例示され、所定期間としては、例えば、前回の特別遊技状態の発生や特定の興趣演出が行われるなどの特定の開始時期から通知情報を表示するまでの期間などが例示される。また、第2表出手段は、必ずしも既出態様情報のみに基づいて予め定められた既出態様通知情報を表出するものである必要はなく、既出態様情報と実行中の遊技状態(又は遷移が確定した遊技状態)とに応じて予め定められた既出態様通知情報を表出するものであっても良い。実行中の遊技状態(又は遷移が確定した遊技状態)としては、例えば、通常の遊技状態と、通常の遊技状態より所定の遊技価値が高確率で付与される高確率遊技状態とが発生し得る遊技機における実行中の遊技状態(又は遷移が確定した遊技状態)が例示される。なお、動的既出態様記憶手段としては、例えば、上記実施例における変動回数カウンタ33bが例示され、既出態様通知情報としては、例えば、上記実施例における図4(b)に示す第2コメントテーブル32bと図4(d)に示す第3コメントテーブル32cとに通知情報の内容として示される各コメントが例示される。
【0156】
遊技機15において、前記制御手段は、前記所定のタイミングで待機中の前記動的表示があるか否かを判断する待機判断手段を備え、前記第2表出手段は、その待機判断手段によって前記所定のタイミングで前記動的表示が待機中でないと判断された場合に、前記既出態様通知情報を表出させるものであることを特徴とする遊技機16。表出手段によって通知情報を表出させる所定のタイミングであっても、動的表示が待機中でなければ待機中の動的表示の情報が無いため動的表示の情報に応じた通知情報を表出することができず、遊技者にとってつまらないものとなってしまう。遊技機16によれば、所定のタイミングで待機判断手段によって動的表示が待機中でないと判断された場合には、既出態様通知情報が表出されるので、動的表示の情報に応じた通知情報に代わるものとして、既出態様通知情報を表出することができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0157】
なお、待機判断手段は、動的表示の待機回数を記憶する待機回数記憶手段を備え、その待機回数記憶手段に記憶された値が「1」以上であるか否かを判断するものであっても良く、又は、動的表示記憶手段に記憶される待機中の動的表示の情報が記憶されているか否かを判断するものであっても良い。また、待機判断手段としては、例えば、上記実施例における図9のS64の処理が例示される。
【0158】
遊技機15または16のいずれかにおいて、前記所定のタイミングで前記動的表示記憶手段に予め定めた有利な遊技状態を発生させる有利遊技情報が記憶されているか否かを判断する状態判断手段を備え、前記第2表出手段は、その状態判断手段によって前記動的表示記憶手段に前記有利遊技情報が記憶されていないと判断された場合に、前記既出態様通知情報を表出させるものであることを特徴とする遊技機17。動的表示記憶手段に有利遊技情報が記憶されていない場合には、待機中の動的表示の情報に応じて予め定められた通知情報を表出しても遊技者にその後の遊技状態を期待させ難い。
【0159】
遊技機17によれば、動的表示記憶手段に予め定めた有利な遊技状態を発生させる有利遊技情報が記憶されていないと状態判断手段によって判断された場合には、既出態様通知情報が表出されるので、動的表示の情報に応じた通知情報に代わるものとして、既出態様通知情報を表出することができ、遊技の興趣を高めることができる。なお、状態判断手段としては、例えば、上記実施例における図9のS70が例示される。
【0160】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機18。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動領域に入球(作動口に入賞又は作動ゲートを通過)することを始動条件の成立として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、所定の遊技価値を付与する特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるパチンコ機の遊技盤を示した正面図である。
【図2】パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】(a)は、大当たり時の変動パターンの設定に使用する第1テーブルの構成を示した図であり、(b)は、ハズレリーチ時の変動パターンの設定に使用する第2テーブルの構成を示した図である。
【図4】(a)は、待機中の変動表示の情報に関するコメントの設定に使用する第1コメントテーブルの構成を示した図であり、(b)は、第1コメントテーブルに示す各モードを選択する条件の説明に使用する図であり、(c)は、確率変動大当たり時のコメントの設定に使用する第2コメントテーブルの構成を示した図であり、(d)は、通常大当たり時のコメントの設定に使用する第3コメントテーブルの構成を示した図である。
【図5】停電の発生等によるパチンコ機の電源断時に、主制御基板で実行されるNMI割込処理のフローチャートである。
【図6】主制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図7】主制御基板のメイン処理の中で実行される始動入賞変動開始処理のフローチャートである。
【図8】図7の始動入賞変動開始処理の中で実行される変動図柄コマンド決定処理のフローチャートである。
【図9】主制御基板のメイン処理の中で実行される大当たり処理のフローチャートである。
【図10】表示用制御基板で実行される演出表示処理のフローチャートである。
【図11】図10の演出表示処理の中で実行されるコメント表示処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1       パチンコ機(遊技機)
3       LCD(表示装置、表出手段の一部)
21      主制御基板のMPU
23      主制御基板のRAM
23b     内部乱数カウンタ(選定手段の一部)
23c     リーチ乱数カウンタ(選定手段の一部)
23d     大当たり図柄カウンタ(選定手段の一部)
23f     変動パターンカウンタ(選定手段の一部)
23h〜23o 演出実行1〜8メモリ(動的表示記憶手段)
31      表示用制御基板のMPU
32      表示用制御基板のROM
32a     第1コメントテーブル(表出手段の一部)
33      表示用制御基板のRAM
33c     コメントカウンタ(表出手段の一部)
C       主制御基板(制御手段の一部)
D       表示用制御基板(制御手段の一部)

Claims (1)

  1. 識別情報を表示する表示装置と、始動条件が成立した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備え、その制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると前記動的表示に予め定められた表示結果を現出させると共に前記所定の遊技価値を付与する遊技機において、
    前記制御手段は、前記動的表示の始動条件が成立した場合にその動的表示の内容を選定する選定手段と、
    その選定手段によって選定された動的表示の内容に対応する情報を、少なくともその動的表示の実行を開始するまで待機中の動的表示の情報として記憶する動的表示記憶手段と、
    その動的表示記憶手段によって記憶される前記待機中の動的表示の情報に応じて予め定められた通知情報を、その待機中の動的表示の開始前に表出させる表出手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
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