JP2004057276A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技者の遊技への参加意識を高めることができる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機1の上皿16には、前面側に突出して形成された部位にトラックボール19aが設けられ、そのトラックボール19aが遊技者によって回動操作されると、トラックボール19aの回動量及び回動方向がトラックボール装置19に内蔵されたボール回動検出器に検出され、その回動量及び回動方向を示す信号情報が変動表示を制御する表示用制御基板に入力される。表示用制御基板は、その信号情報に基づいてLCD10の中段10bに表示される図柄リールを加速(又は減速)してスクロールさせる。よって、遊技者には、中段10bの図柄リールを操作する遊技性を付与すると共に、その操作後に表示される表示結果を遊技者自身が引き当てる気分を持たせることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】パチンコ機1の上皿16には、前面側に突出して形成された部位にトラックボール19aが設けられ、そのトラックボール19aが遊技者によって回動操作されると、トラックボール19aの回動量及び回動方向がトラックボール装置19に内蔵されたボール回動検出器に検出され、その回動量及び回動方向を示す信号情報が変動表示を制御する表示用制御基板に入力される。表示用制御基板は、その信号情報に基づいてLCD10の中段10bに表示される図柄リールを加速(又は減速)してスクロールさせる。よって、遊技者には、中段10bの図柄リールを操作する遊技性を付与すると共に、その操作後に表示される表示結果を遊技者自身が引き当てる気分を持たせることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パチンコ機等の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために液晶表示装置を用いたものが主流となっている。この液晶表示装置へ表示させる画像をどのように変化させて遊技者を満足させるかが各社の競争になっており、その為、液晶表示装置に表示させる画像に様々なバリエーションを持たせる等の工夫がなされている。一般的には、この液晶表示装置では変動表示ゲームが行われ、遊技の興趣が高められている。
【0003】
変動表示ゲームは、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3の升目に9個の図柄等を表示し、所定の遊技条件に基づいて、表示される図柄等をスクロールして変動表示させるものである。そして、図柄等のスクロールが停止した際に(所定の停止位置において)、停止図柄等が予め定められた組み合わせとなっている場合を大当たりとするものである。また、図柄等のスクロール中に、時として通常時よりも高確率で大当たりとなることを事前に示唆する演出(例えばリーチ表示による演出等)が行われて、大当たりに対する期待感を遊技者に持たせる工夫もなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、停止図柄の組み合わせや演出の内容等は、遊技機毎に前もって設定された多種の図柄の組み合わせや演出の中から抽選される固定的なものであり、遊技者は、固定的な変動表示ゲームを見守るだけとなり易い。このため、遊技者の遊技への参加意識が低下してしまうという問題点があった。また、遊技者の中には、表示装置上に手をかざして大当たりの図柄の組み合わせとなるように手を一定方向に動かす仕草をしたり、図柄等のスクロール時における特定のタイミングで遊技機本体を叩くなどして、変動表示ゲームの内容に直接的に関与しようとする者も存在するが、変動表示ゲームの内容には全く影響が与えられず、結果的には固定的な変動表示ゲームを見守ることになってしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技への参加意識を高めることができる遊技機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示する表示装置と、その表示装置に識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備え、前記識別情報の動的表示が予め定めた表示結果を現出した場合に遊技者に所定の遊技価値を付与するものであり、遊技者によって前記制御手段に情報を入力する入力手段を備え、前記制御手段は、その入力手段によって入力される情報に前記識別情報の動的表示を従動させる従動手段を備えている。
【0007】
【発明の効果】本発明の遊技機によれば、遊技者の入力操作によって入力手段から制御手段に情報が入力された場合に、その入力される情報に識別情報の動的表示を従動させる従動手段を備えているので、従動手段によって従動させられる動的表示に遊技者の入力操作が反映され、識別情報の動的表示を操作する遊技性が遊技者に付与される。よって、遊技者の入力操作が反映された動的表示の表示結果には、遊技者自身が直接的に関与した気分を持たせることができ、遊技者の遊技への参加意識を高めることができるという効果がある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0009】
図1は、本発明の第1実施例におけるパチンコ機1の正面図である。パチンコ機1の前面には前面枠2が配設されており、その略中央部分には略矩形状の開口2aが穿設され、かかる開口2aの内周には金枠3が周設されている。この金枠3の内側の上方には、2枚のガラス板が装着されたガラス扉枠4が開閉可能に配設されており、ガラス扉枠4の後方に遊技盤5が配置されている。
【0010】
遊技盤5の前面には略円弧状の外レール6が植立され、その外レール6の内側位置には円弧状の内レール7が植立されている。この内レール7と外レール6とにより囲まれた遊技盤5の前面には、球が打ち込まれる遊技領域8が形成されており、その遊技領域8の周囲には、1の球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の入賞口9が配設されている。遊技領域8の略中央部分には、複数種類の識別情報としての図柄などを変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)10を備えた可変表示装置11が配設されている。なお、LCD10に代えて、例えば、リール等を用いて可変表示装置を構成するようにしても良い。
【0011】
可変表示装置11の下方には、図柄作動口(第1種始動口)12が配設されている。この図柄作動口12へ球が入賞すると、第1種始動口スイッチ24(図2参照)がオンして、上述したLCD10で変動表示が開始されると共に、5個の球が賞球として払い出される。また、図柄作動口12の下方には可変入賞装置13が配設されており、その略中央部分に特定入賞口(大入賞口)13aが設けられている。この特定入賞口13aは、LCD10の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に大当たりとなって、球が入賞し易いように所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が所定個数10個入賞するまで)開放される入賞口である。
【0012】
ここで、LCD10に表示される図柄について説明する。LCD10の表示領域は、上段10a、中段10b、下段10cの3段で構成され、各段ごとに左図柄、中図柄、右図柄の3個の図柄が表示され、右から左へ水平方向に図柄がスクロールして変動表示が行われる。LCD10の変動表示を制御する表示用制御基板Dは、図柄作動口12への球の入賞を検知したときに上段10a、中段10b、下段10cのそれぞれに表示される一連の図柄(図柄リール)を変動表示させる。図柄リールは、数字で構成された主図柄と、「○」の印からなる副図柄とにより構成されており、周期性を持って主図柄と副図柄とが右から左へと変動表示される。
【0013】
図柄リールを構成する図柄の表示順序は、中段10b、及び、下段10cにおいては、主図柄としての数字が「1」から「9」まで昇順となっており、数字「9」で示す主図柄の後には、数字「1」で示す主図柄に戻る順序となっている。また、隣り合う主図柄の間には、副図柄としての「○」の印が1つずつ配列されている。一方、上段10aにおいても、同様の図柄リールが表示されるが、主図柄の表示順序は昇順ではなく降順である。そして、上段10a、下段10c、中段10bの順に図柄リールの変動が停止して変動後の表示結果を現出したとき、各段10a〜10cに主図柄が縦方向又は斜め方向に3つ並んで停止した場合に大当たりとなる。つまり、主図柄が3つ並んで停止した図柄の組み合わせが、大当たりとなる予め定められた図柄の組み合わせである。
【0014】
この特定入賞口13a内には、Vゾーン13bが設けられており、特定入賞口13aの開放中に、球がVゾーン13bを通過すると、継続権が成立して、特定入賞口13aの閉鎖後、再度、その特定入賞口13aが所定時間開放される。この特定入賞口13aの開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)である。
【0015】
尚、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD10の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0016】
かかる可変入賞装置13の下方であって、遊技領域8の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった球を遊技領域8外へ排出するためのアウト口14が形成されている。
【0017】
アウト口14の下方、即ちガラス扉枠4の下方には、金枠3に開閉可能に取着された前面扉板(腰板)15が配設されている。この前面扉板15の前面(図1の紙面垂直方向手前側)には、球を貯留すると共に球発射装置(図示せず)へ球を供給するための上皿16が配設されている。
【0018】
上皿16の正面視略中央部には、前面側(図1の紙面垂直方向手前側)に突出して形成されたトラックボール装置19が設けられている。トラックボール装置19は、LCD10に表示される図柄を遊技者によって操作させるための操作装置であり、球状の回転体(トラックボール)19aがその上部を上方に露出して支持されている。このトラックボール19aが遊技者によって回動操作されると、トラックボール19aの回動量及び回動方向は、トラックボール装置19に内蔵されたボール回動検出器20に検出され、その回動量及び回動方向を示す信号情報が図柄の変動表示を制御する表示用制御基板Dに入力される。表示用制御基板Dは、後述する特別演出フラグ33cがオンである場合に、ボール回動検出器20から送信される信号情報に基づいてLCD10の中段10bに表示される図柄リールを加速(又は減速)してスクロールさせるので、遊技者には、トラックボール装置19を介して中段10bの図柄リールを操作する遊技性を提供することができる。
【0019】
なお、図柄を操作させるための操作装置は、必ずしもトラックボール装置に限定されるものでなく、棒状のレバーを揺動自在に配置し、その揺動方向及びその揺動量に応じた信号情報を出力する所謂ジョイスティックであっても良く、1以上の押しボタンを配置しその操作に応じてオンオフの信号情報を出力する装置であっても良い。
【0020】
上皿16の下方であって、前面枠2の下側部分には上皿16に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿17が配設されている。下皿17の右側には、球を遊技領域8へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル18が配設され、かかる操作ハンドル18の内部には球発射装置の発射用モータを駆動させるためのハンドルスイッチ18aが内蔵されている。操作ハンドル18が遊技者によって右回りに回動操作されると、ハンドルスイッチ18aがオンされると共に図示しない発射用モータが駆動され、遊技領域8へ球が打ち込まれる。
【0021】
図2は、パチンコ機1の電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機1の主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21が搭載されている。このMPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。図3に示す第1テーブル22a及び第2テーブル22bは固定値データの一部としてROM22に記憶されており、これら各テーブルの詳細については図3を参照して後述する。また、図4から図7に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。
【0022】
RAM23は、保留球カウンタ23aと、内部乱数カウンタ23bと、リーチ乱数カウンタ23cと、大当たり図柄カウンタ23dと、ハズレ図柄カウンタ23eと、変動パターンカウンタ23fと、演出実行エリア23gと、演出実行1〜4メモリ23h〜23kと、カウンタ用バッファ23lと、バックアップエリア23mとを備えている。また、RAM23には、パチンコ機1の電源のオフ後においても、電源基板50からバックアップ電圧が供給されており、データを保持(バックアップ)できるように構成されている。
【0023】
保留球カウンタ23aは、実行待機中の当否演出の回数を記憶するカウンタである。保留球カウンタ23aの値は、LCD10で変動表示が行われていない場合または変動表示が行われているが待機中の変動表示がない場合には「0」、待機中の変動表示が1回の場合には「1」、・・・、待機中の変動表示が4回の場合には「4」となる。本実施例のパチンコ機Pでは、変動表示の最大待機回数は4回であるので、保留球カウンタ23aの値は「0」から「4」の範囲で変化する。保留球カウンタ23aの値のカウントアップは、図柄作動口12へ入賞した球が第1種始動口スイッチ24で検出された場合に行われ(図6、S33参照)、カウントダウンは、変動表示の開始時に行われる(図6、S38参照)。
【0024】
内部乱数カウンタ23bは、大当たりの発生を決定するためのカウンタであり、後述するカウンタ更新処理(図5、S23参照)によって、「0〜599」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり599に)に達した後に再び「0」に戻される。この内部乱数カウンタ23bの値は、パチンコ機1の遊技領域8に打ち込まれた球が図柄作動口12へ入賞して後述する第1種始動口スイッチ24で検出されたとき(始動入賞時)に取得され、このとき取得された内部乱数カウンタ23bの値が「7」または「307」であった場合に大当たりの発生が確定する。大当たりの発生が確定すると、主制御基板Cから後述する表示用制御基板Dへ大当たりとなる図柄の組み合わせ(大当たり図柄)を示す停止図柄コマンドが送信され、表示用制御基板Dは、その停止図柄コマンドに基づいてLCD10の変動後の表示結果を大当たりとなる図柄の組み合わせとする。
【0025】
リーチ乱数カウンタ23cは、ハズレリーチの発生を決定するためのカウンタである。変動表示の途中でリーチ表示を現出させてからハズレとなるハズレリーチとするか、リーチ表示を現出させない通常のハズレとするかは、リーチ乱数カウンタ23cの値に基づいて決定される。リーチ乱数カウンタ23cの値は、後述するカウンタ更新処理(図5、S23参照)によって、「0〜11」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり11)に達した後に再び「0」に戻される。
【0026】
このリーチ乱数カウンタ23cの値は、前記した内部乱数カウンタ23bの値と同様に始動入賞時に取得され、前記した内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、且つ、取得されたリーチ乱数カウンタ23cの値が「7」である場合にハズレリーチの発生が確定する。このハズレリーチの発生時には、後述するカウンタ用バッファ23lに記憶されるハズレリーチ図柄(ハズレリーチを構成する図柄の組み合わせ)が停止図柄コマンドに設定され(図7、S55参照)、そのハズレリーチ図柄が変動後の表示結果として現出する。なお、始動入賞時に取得されたリーチ乱数カウンタ23cの値は、前記した内部乱数カウンタ23bの値と共に、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに書き込まれて記憶される(図6、S35参照)。
【0027】
ここで、リーチ表示とは、LCD10において図柄の変動表示が開始された後、先に停留する上下段10a,10cの表示領域に表示される図柄の組み合わせが大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている中段10bの表示領域の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆する表示である。
【0028】
大当たり図柄カウンタ23dは、大当たりのときにLCD10に停止表示される大当たり図柄(特別図柄)を決定するためのカウンタである。この大当たり図柄カウンタ23dは、後述するカウンタ更新処理(図5、S23参照)によって、「0〜44」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり44)に達した後に再び「0」に戻される。この大当たり図柄カウンタ23dの値は、前記した内部乱数カウンタ23b及びリーチ乱数カウンタ23cと共に始動入賞時に取得され、同時に取得された内部乱数カウンタ23bの値に基づいて大当たりの発生が確定すると、その大当たりを発生させる変動表示に対して停止表示される大当たり図柄が、大当たり図柄カウンタ23dの値に基づいて決定される。具体的には、この決定は、演出実行1〜4メモリ23h〜23kに同時に格納される大当たり図柄カウンタ23dの値に対応した図柄の組み合わせ(大当たり図柄)を示す値を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタ23dの値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、停止図柄コマンドに設定することにより行われる(図7、S52参照)。
【0029】
ハズレ図柄カウンタ23eは、ハズレ時にLCD10に停止表示される図柄の組み合わせ(ハズレ図柄)を決定するためのカウンタである。このハズレ図柄カウンタ23eは、各カウンタがLCD10の上段10a、中段10b、下段10cに表示される図柄(図1参照)に対応づけられた3つの図柄カウンタで構成されている。ハズレ図柄カウンタ23eは、後述するハズレ図柄カウンタ更新処理(図5、S25参照)によって「0」から図柄リールを構成する図柄の数まで1ずつ加算されて更新され、最大値に達した後に再び「0」に戻される。また、下段10cの図柄カウンタが最大値に達した場合に中段10bの図柄カウンタが1加算されて更新され、中段10bの図柄カウンタが最大値に達した場合に上段10aの図柄カウンタが1加算されるようになっている。前記した内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、且つ、リーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合における変動表示の停止図柄は、ハズレ図柄カウンタ23eの値に従ってLCD10に表示されるものであり、ハズレ図柄カウンタ23eの値が停止図柄コマンドに設定することにより行われる(図7、S57参照)。
【0030】
変動パターンカウンタ23fは、LCD10の上段10a、中段10b、下段10cを変動表示させるパターン(変動パターン)の決定に使用するカウンタであり、本実施例では「0〜99」まで順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり99)に達した後再び「0」に戻される。この変動パターンカウンタ23fの値は、変動表示の開始時に実行される表示コマンド決定処理(図6、S41参照)において参照される場合があり、この場合には、参照された変動パターンカウンタ23fの値に応じたデータ(パターン)が第1,第2テーブル22a,22bのうちいずれか1つから読み出され、表示用制御基板Dに送信される変動パターンコマンドとして設定される(図7、S53及びS56参照)。
【0031】
演出実行エリア23gは、LCD10で実行中の変動表示に対する内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの値を変動表示のデータ(変動表示情報)として記憶するためのエリアである。この演出実行エリア23gには、LCD10で変動表示が実行中でなく、且つ、保留球カウンタ23aの値が「1」以上で待機中の変動表示がある場合に、待機中の変動表示のうち最初に書き込みが行われた演出実行1メモリ23hに記憶されている変動表示のデータが書き込まれる(図6、S39参照)。
【0032】
演出実行1〜4メモリ23h〜23kは、待機中の変動表示に対する内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの値を変動表示のデータとして記憶するメモリである。この演出実行1〜4メモリ23h〜23kへの変動表示のデータの書き込みは、始動入賞時に実行される。また、本実施例における変動表示の最大待機回数は4回であるので、4つの演出実行1〜4メモリ23h〜23kが設けられている。これら4つの演出実行1〜4メモリ23h〜23kに待機中のデータがある場合には、1回の変動表示毎に1つずつ演出実行エリア23gにデータが書き込まれて使用される。
【0033】
また、演出実行1〜4メモリ23h〜23kへの変動表示のデータの書き込みは、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに対して行われる。即ち、保留球カウンタ23aの値が「1」の場合には演出実行1メモリ23hへ、保留球カウンタ23aの値が「2」の場合には演出実行2メモリ23iへ、・・・、保留球カウンタ23aの値が「4」の場合には演出実行4メモリ23kへ変動表示のデータが書き込まれる(図6、S35参照)。
【0034】
なお、演出実行1〜4メモリ23h〜23kに記憶する変動表示のデータとしては、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの値をそのまま使用しても、これらカウンタ23b〜23eの値に対応づけて変換した別の値や文字等を使用しても良い。
【0035】
カウンタ用バッファ23lは、更新中のカウンタ値を一時的に記憶するための領域であり、上記した各カウンタ23b〜23fの値は、更新される毎にカウンタ用バッファ23lに書き込まれて記憶される。また、後述するハズレ図柄カウンタ更新処理(図5、S25参照)によってハズレ図柄カウンタ23eの値が更新された場合に、ハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値(カウント値)となったとき、そのカウント値をハズレリーチの発生時に使用する値として記憶する。具体的には、ハズレ図柄カウンタ23eを構成する上段10aの図柄カウンタと下段10cの図柄カウンタとが1のライン上に同一図柄を停止表示させるカウント値の組み合わせとなり、且つ、その図柄とは異なる図柄を中段10bの図柄カウンタが示している場合(例えば、上段、中段、下段の図柄の組み合わせが「767」や「151」などとなっている場合)に、ハズレ図柄カウンタ23eのカウント値がハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値としてカウンタ用バッファ23lに記憶される。
【0036】
バックアップエリア23mは、停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パチンコ機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるため、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア23mへの書き込みは、NMI割込処理(図4参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア23mに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下、同様)にメイン処理(図5参照)において実行される。なお、MPU21のNMI(Non Maskable Interrupt)端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路50bから出力される停電信号51が入力されるように構成されており、停電の発生により、図4の停電時処理(NMI割込処理)が即座に実行される。
【0037】
かかるROM22およびRAM23を内蔵したMPU21は入出力ポート25と接続されており、入出力ポート25は、電源基板50に設けられたクリアスイッチ50cと、払出モータ26によって賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板Hと、前記した図柄の変動表示等の制御を行う表示用制御基板Dと、第1種始動口スイッチ24と、そのほか、他の入出力装置29とにそれぞれ接続されている。
【0038】
表示用制御基板Dは、MPU31、ビデオRAM34、キャラクタROM35、画像コントローラ36、入力ポート39、出力ポート37等を備えている。入力ポート39の一方には主制御基板Cの入出力ポート25と、ボール回動検出器20と、音声ランプ制御基板Lとが接続され、入力ポート39の他方には、バスラインを介してMPU31が接続されている。また、出力ポート37の入力には画像コントローラ36が接続され、出力ポート37の出力にはLCD10が接続されている。
【0039】
表示用制御基板DのMPU31は、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、LCD10の(変動)表示を制御するためのものであり、ROM32とRAM33とを備えている。ROM32には、MPU31により実行される各種の制御プログラムや固定値データが記憶されている。図8及び図9に示すフローチャートのプログラムは制御プログラムの一部としてROM32に記憶されている。
【0040】
RAM33は、MPU31による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグが記憶されるメモリであり、演出実行エリア33aと、入力表示フラグ33bと、特別演出フラグ33cと、前回操作フラグ33dと、再変動演出フラグ33eとを備えている。
【0041】
演出実行エリア33aは、主制御基板Cから送信される表示コマンドを受信した場合に、その表示コマンドに付加される変動パターン及び停止図柄に関するデータを記憶するためのものである。表示用制御基板Dが表示コマンドを受信すると、その表示コマンドに付加される変動パターン及び停止図柄に関するデータが演出実行エリア33aに書き込まれ(図8、S62参照)、その書き込まれたデータに従って変動表示が行われる。
【0042】
入力表示フラグ33bは、LCD10に「ボールを回せ!」の表示を現出させるためのフラグである。この入力表示フラグ33bは、主制御基板Cから表示コマンドを受信した場合に、トラックボール19aを操作してLCD10の中段10bに表示される図柄リールのスクロール速度を変化可能な変速期間が設定された変動表示の開始時にオンされる(図8、S65参照)。この入力表示フラグ33bがオンであって、変動表示にリーチ表示が現出した場合、表示用制御基板Dは、LCD10に「ボールを回せ!」の表示をする(図8、S74参照)。LCD10に「ボールを回せ!」の表示がされてから(リーチ表示が現出してから)、3秒経過前にボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出した場合(図8、S75:Yes)、或いは、LCD10に「ボールを回せ!」の表示がされてから3秒経過してもボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出しなければ(図8、S76:Yes)、「ボールを回せ!」の表示が消去され、入力表示フラグ33bはオフされる(図8、S80参照)。
【0043】
特別演出フラグ33cは、図柄のスクロール速度を変化可能な変速期間中であることを示すフラグである。この特別演出フラグ33cは、LCD10に「ボールを回せ!」の表示がされている間にボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出した場合に(図8、S75:Yes)、オンされる。この特別演出フラグ33cがオンである場合には、演出実行処理(図9参照)によってトラックボール19aの回動がボール回動検出器20に検出されると、そのボール回動検出器20に検出されたトラックボールの回動方向及び回動量に従って、中段10bに表示される図柄リールが加速又は減速して表示される(図9、S103参照)。また、特別演出フラグ33cは、そのオン時に中段10bの図柄リールを停止するタイミングとなった場合にオフされる(図9、S109参照)。この中段10bの図柄リールを停止するタイミングは、変動開始からの経過時間を計時することによって行われ、主制御基板Cから送信された表示コマンドに付加される変動パターンのデータ毎に異なった所定時間が経過した場合に中段10bの図柄リールが停止される。
【0044】
前回操作フラグ33dは、前回に変速期間が設定された変動表示に対し遊技者がトラックボール19aを操作して図柄リールのスクロール速度を変化させたか否かを示すフラグである。この前回操作フラグ33dは、LCD10に「ボールを回せ!」の表示がされている間にボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出した場合に(図8、S75:Yes)、オンされる。一方、LCD10に「ボールを回せ!」の表示がされてから3秒経過してもボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出しない場合に(図8、S76:Yes)、オフされる。表示用制御基板Dは、前回操作フラグ33dがオンであるか否かに対応させて変速期間の設定条件を変更する(図8、S63参照)。
【0045】
再変動演出フラグ33eは、変速期間が設定された変動表示に対して再変動演出を実行させるか否かを示すフラグである。再変動演出は、中段10bの図柄リールが一旦停止した後、その図柄リールが高速にスクロールして、大当たりを示す図柄の組み合わせで停止する演出である。再変動演出フラグ33eがオンである場合には、演出実行処理として再変動演出を実行する再変動演出実行処理を行って大当たりを発生させると共に、大当たりの発生後に再変動演出実行処理の一部として再変動演出フラグ33eはオフされる。かかる再変動演出フラグ33eは、中段10bの図柄リールが停止するタイミングにおいて、演出実行エリア33aに記憶されたデータの示す中段10bの停止図柄がリーチ図柄(上下段10a,10cの停止図柄)と同一であり、且つ、中段10bの図柄停止領域に表示される図柄が、リーチ図柄から2図柄分以上ずれている(偏倚している)場合にオンされる。
【0046】
ビデオRAM34は、LCD10に表示される表示データが記憶されるメモリであり、このビデオRAM34の内容を書き換えることにより、LCD10の表示内容が変更される。キャラクタROM35は、LCD10に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ36は、MPU31、ビデオRAM34、出力ポート37のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM34に記憶される表示データをキャラクタROM35を参照して所定のタイミングでLCD10に表示させるものである。
【0047】
音声ランプ制御基板Lは、スピーカ27から出力される効果音の音声制御とLEDや各種ランプ28の点灯制御を行うものである。音声ランプ制御基板Lは、表示用制御基板Dから送信されるコマンドによって制御されるものであり、表示用制御基板Dによって制御されるLCD10と、音声ランプ制御基板Lによって制御されるスピーカ27と各種ランプ28等とが同期して各種演出等が実行される。
【0048】
ボール回動検出器20は、トラックボール19aの回動に連動する円盤状に形成されると共にその外周面に多数の穴が設けられたスリット板や、そのスリット板に設けられた穴に向けて光を発光しその穴から通過した光を受光する発光受光素子などによって構成された所謂エンコーダによって構成されている。トラックボール19aが回動されると、その回動方向及び回動量に従ったパルス信号が信号情報として表示用制御基板DのMPU31に入力される。特別演出フラグ33cがオンである変速期間中には、そのボール回動検出器20から出力されるパルス信号に応じてLCD10の中段10bの図柄リールが加速又は減速して表示される。
【0049】
第1種始動口スイッチ24は、図柄作動口(第1種始動口)12に入賞した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口12の近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ24によって球が検出されると、図示しない払出装置によって5個の賞球が払い出される。また、第1種始動口スイッチ24によって球が検出された場合には、内部乱数カウンタ23b等の値が取得され、その取得された値に従った変動表示が実行される。
【0050】
電源基板50は、パチンコ機1の各部に電力を供給するための電源部50aと、停電監視回路50bと、クリアスイッチ50cとを備えている。停電監視回路50bは、停電等の発生による電源断時に、主制御基板CのMPU21のNMI端子へ停電信号51を出力するための回路である。停電監視回路50bは、電源部50aから出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号51を主制御基板C及び払出制御基板Hへ出力するように構成されている。この停電信号51の出力によって、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電の発生を認識し、停電時処理(主制御基板Cの場合は図4のNMI割込処理)を実行する。なお、電源部50aは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電時処理を正常に実行することができるのである。
【0051】
クリアスイッチ50cは、主制御基板CのRAM23および払出制御基板HのRAM(図示せず)にバックアップされるデータをクリアするためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ50cが押下された状態でパチンコ機1の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御基板Cおよび払出制御基板Hによって、それぞれのRAM23のデータがクリアされる。
【0052】
次に、図3を参照して、変動パターンカウンタ23fの値に応じたデータ(パターン)が設定された第1,第2テーブル22a,22bについて説明する。図3は、変動パターンの設定に使用する第1,第2テーブル22a,22bの構成を模式的に示した図である。
【0053】
各テーブル22a,22bには、変動パターンとして「パターンB」から「パターンF」までの5種類の変動パターンが設定されている。この5種類の変動パターンの他に、リーチ表示を伴わないハズレの変動表示に対する変動パターンとして「パターンA」が設定され、パチンコ機1には、計6種類の変動パターンが設定されている。
【0054】
各パターンについて順に説明すると、「パターンA」は、リーチ表示を伴わないハズレ図柄を表示するパターンであり、変動表示の開始後、7秒後に上段10aの図柄リールの変動を停止し、8秒後に下段10cの図柄リールの変動を停止し、9秒後に中段10bの図柄リールの変動を停止する。
【0055】
「パターンB」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、変動表示の開始後、7秒後に上段10aの図柄リールの変動を停止し、8秒後に下段10cの図柄リールの変動を停止してリーチ表示を現出させ、その後中段10bの図柄リールを特別な変化を加えることなく低速度で7秒間(即ち、変動開始後15秒経過するまで)スクロールさせて停止する。
【0056】
「パターンC」は、いわゆるスーパーリーチのパターンであり、パターンBにおける中段10bの図柄リールを停止するタイミングでこの中段10bの図柄リールを停止することなく高速度で更に5秒間(即ち、変動開始後20秒経過するまで)変動表示した後に停止するパターンとして設定されている。また、表示用制御基板Dに設けられた前回操作フラグ33dがオンである場合に(図8、S63:Yes)、「パターンC」が設定されると、入力表示フラグ33bがオンされ(図8、S65参照)、リーチ表示の現出後にLCD10に「ボールを回せ!」の表示が行われる。その表示中にトラックボール19aが操作されると、中段10bの図柄リールのスクロール速度を変化可能な変速期間が変動の開始後20秒経過するまで行われ、遊技者によって図柄リールを操作可能な特別演出が実行される。
【0057】
「パターンD」は、いわゆるスペシャルリーチのパターンであり、「パターンC」の中段10bの図柄リールを停止するタイミングでこの中段10bの図柄リールを停止することなく低速度で更に10秒間(即ち、変動開始後30秒経過するまで)変動表示した後に大当たり図柄または大当たり図柄の前後の図柄で停止するパターンとして設定されている。また、表示用制御基板Dに設けられた前回操作フラグ33dがオフである場合に(図8、S63:No)、「パターンD」が設定されると、入力表示フラグ33bがオンされ(図8、S65参照)、LCD10に「ボールを回せ!」の表示が行われる。その表示中にトラックボール19aが操作されると遊技者によって図柄リールを操作可能な変速期間が変動開始後30秒経過するまで行われる。なお、スーパーリーチやスペシャルリーチでは、単に上段10a、中段10b、下段10cの各図柄を変動表示するだけでなく、リーチ用アニメの表示などが行われる。
【0058】
「パターンE」は、いわゆるプレミアムリーチのパターンであり、ハズレリーチ時の変動パターンを設定するための第2テーブル22bには設定されず、大当たり時の変動パターンの設定に使用する第1テーブル22aにのみ設定されている。つまり、「パターンE」が設定された変動表示は、100%大当りになるものである。本実施例においては、変動表示の開始後、7秒後に上段10aの図柄リールの変動を停止し、8秒後に下段10cの図柄リールの変動を停止し、その後8秒かけて中段10bにスクロール中の主図柄を徐々に巨大化し、更にその巨大化した図柄を10秒間コマ送りした後に大当たり図柄を表示させる。
【0059】
「パターンF」は、ハズレリーチにのみ設定される変動パターンであり、「パターンE」のプレミアムリーチと同一の態様で変動表示が進行した後、そのプレミアムリーチが表示結果を現出するタイミングより早いタイミングでハズレの図柄の組み合わせを表示するハズレリーチの1パターン(プレミアムハズレリーチ)である。この「パターンF」は、変動表示の開始後、7秒後に上段10aの図柄リールの変動を停止し、8秒後に下段10cの図柄リールの変動を停止し、その後6秒かけて中段10bにスクロール中の主図柄を徐々に巨大化した後、その1秒後に通常サイズに戻して変動を終了する。
【0060】
図3(a)は、大当たりを発生させる変動表示の変動パターンの設定に使用される第1テーブル22aの構成を模式的に示した図である。第1テーブル22aには、4種類の変動パターンが設定されており、その4種類の変動パターンのそれぞれに変動パターンカウンタ23fの値が対応している。具体的には「0〜99」の範囲内で更新される変動パターンカウンタ23fの値は、ノーマルリーチの「パターンB」に対して「0〜9」、スーパーリーチの「パターンC」に対して「10〜49」、スペシャルリーチの「パターンD」に対して「50〜94」、プレミアムリーチの「パターンE」に対して「95〜99」の4つの範囲に区分けされている。つまり、「パターンB」、「パターンC」、「パターンD」及び「パターンE」の変動パターンが10:40:45:5の比率に区分けされている。
【0061】
また、図3(b)は、ハズレリーチを発生させる変動表示の変動パターンの設定に使用される第2テーブル22bの構成を模式的に示した図であり、第1テーブル22aと同様に、4種類の変動パターンが設定され、その4種類の演出パターンのそれぞれに変動パターンカウンタ23fの値が対応している。具体的には、「0〜99」の範囲内で合計100個の値を取り得る変動パターンカウンタ23dの値は、ノーマルリーチの「パターンB」に対して「0〜49」、スーパーリーチの「パターンC」に対して「50〜84」、スペシャルリーチの「パターンD」に対して「85〜94」、ハズレリーチの1パターンである「パターンE」に対して「95〜99」の4つの範囲に区分けされている。つまり、「パターンB」、「パターンC」、「パターンD」及び「パターンF」の変動パターンが50:35:10:5の比率に区分けされている。
【0062】
変動パターンを設定するための第1,第2テーブル22a,22bに基づいて変動パターンが決定されると、各変動パターン毎に対応させた「B〜F」のデータが表示コマンドを構成する1つのコマンド(変動パターンコマンド)として表示用制御基板Dに出力される。表示用制御基板Dは、変動パターンコマンドを受信した場合に、各変動パターンのデータに対応して設定された時間分の演出を実行する。
【0063】
ここで、第1テーブル22aと、第2テーブル22bとを使用した場合における変動パターンの設定比率を比較すると、大当たり時の変動パターンの設定に使用する第1テーブル22aは、ハズレリーチ時の変動パターンの設定に使用する第2テーブル22bに対してノーマルリーチの「パターンB」が設定されやすい一方、スペシャルリーチの「パターンD」が設定されにくくなっている。即ち、スペシャルリーチになった場合には大当りになることが多く、ノーマルリーチになった場合にはハズレリーチになることが多い設定となっている。
【0064】
また、スーパーリーチの「パターンC」と、スペシャルリーチの「パターンD」との発生確率を比較すると、スーパーリーチの「パターンC」の方がスペシャルリーチより高確率で設定されるようになっている。即ち、変動表示に対して1/12の確率で発生するハズレリーチ時に使用される第2テーブル22bには、「パターンC」が「パターンD」の3.5倍の比率で設定される構成となっている。大当たり時に使用される第1テーブル22aは、1/300の確率で使用されるものであるため、「パターンC」が「パターンD」の約0.9倍の比率で設定される構成となっているものの、全体として見ると「パターンC」の方が「パターンD」の3倍以上の高確率で設定されるのである。
【0065】
また、本実施例のパチンコ機1においては、上述したように、変動表示の変動パターンが「パターンC」又は「パターンD」に設定された場合に、トラックボール19aを介して図柄リールを操作可能な変速期間が設定される。この「パターンC」(又は「パターンD」)の設定確率は、大当たりを発生させる変動表示に対して40%(「パターンD」においては45%)である一方、ハズレの変動表示に対して約3%(「パターンD」においては約1%)であり、大当たりを発生させる変動表示に「パターンC」(又は「パターンD」)は、10倍以上の高確率で設定される。このため、「パターンC」(又は「パターンD」)の設定により変速期間が設定される変動表示に大当たりが発生する確率(期待値)を、変速期間が設定されなかった場合に比して高めることができ、遊技者がトラックボール19aを操作して図柄リールのスクロール速度を変化させた後に大当たりを発生させ易くすることができる。よって、遊技者には図柄リールを操作して遊技者自身が大当たりを引き当てる遊技性を強調して提供することができる。
【0066】
次に、上記のように構成されたパチンコ機1で実行される各処理を、図4から図9の各フローチャートを参照して説明する。図4は、停電の発生等によるパチンコ機1の電源断時に、主制御基板Cで実行されるNMI割込処理のフローチャートである。このNMI割込処理により、停電の発生等による電源断時の主制御基板Cの状態がバックアップエリア23mに記憶される。
【0067】
停電の発生等によりパチンコ機1の電源が断されると、停電監視回路50bから停電信号51が主制御基板CのMPU21のNMI(Non Maskable Interrupt)端子へ出力される。すると、MPU21は、実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始する。停電信号51が出力された後所定時間は、主制御基板Cの処理が実行可能なように電源基板50の電源部50aから電力供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
【0068】
NMI割込処理では、まず、各レジスタおよびI/O等の値をスタックエリアへ書き込み(S1)、次に、スタックポインタの値をバックアップエリア23mへ書き込んで退避する(S2)。更に、停電発生情報をバックアップエリア23mへ書き込んで(S3)、停電の発生等による電源断時の状態を記憶する。その後、その他停電処理を実行した後(S4)、電源が完全に断して処理が実行できなくなるまで、処理をループする。
【0069】
図5は、パチンコ機1の主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。メイン処理では、バックアップが有効であれば、バックアップエリア54aに記憶された各データを元の状態に戻し、遊技の制御を電源が断される前の状態から続行する。一方、バックアップが有効でなかったり、或いは、バックアップが有効であっても電源入時にクリアスイッチ30cが押下された場合には、RAMクリア及び初期化処理(S18)を実行して、パチンコ機Pを初期化する。
【0070】
メイン処理では、まず、割込を禁止した後(S11)、スタックポインタを設定し(S12)、クリアスイッチ50cがオンされているか否かを確認する(S13)。クリアスイッチ50cがオンされていなければ(S13:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S14)。この確認は、RAM23の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。
【0071】
バックアップが有効であれば(S14:Yes)、バックアップエリア23mからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックポインタへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S15)。次に、スタックポインタの値を戻した後のスタックエリア、即ちバックアップエリア54aへ退避した各レジスタやI/O等のデータをそのバックアップエリア54aから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込み(S16)、その後、割込の状態を停電発生時に実行される図4の処理で記憶しておいた電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻し(S17)、NMI割込リターンを実行して処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0072】
一方、クリアスイッチ50cがオンされていたり(S13:Yes)、或いはバックアップが有効でなければ(S14:No)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S18)、RAM23及びI/O等の各値を初期化する。その後、タイマ割込等の各割込の設定を行って(S19)、割込が発生可能な状態にした上で、割込を許可する(S20)。
【0073】
割込の許可後は、S21からS26の各処理を所定時間毎(例えば、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。以下に、S21からS26の各処理を説明する。
【0074】
始動入賞変動開始処理(S21)では、球が図柄作動口(第1種始動口)12へ入賞したか否かを確認して変動表示の内容を設定すると共に、変動開始のタイミングであれば、変動表示を開始させる表示コマンドを表示用制御基板Dへ送信する。この始動入賞変動開始処理(S21)の詳細については、図7を参照して後述する。
【0075】
変動停止処理(S22)では、まず、大当たり中であるか否かを判定する。ここで、大当たり中には、大当たりの際にLCD10で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機1の各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当たり中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する。この処理は、各変動パターン毎に設定された時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了していれば、変動の停止と確認のために制御用コマンドの1つである確定コマンドを表示用制御基板Dへ出力し、この処理を終了する。表示用制御基板Dは、確定コマンドを入力すると、LCD10の変動表示を停止表示(確定)させる(図8、S92参照)。
【0076】
カウンタ更新処理(S23)では、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、変動パターンカウンタ23fの各カウンタの値を更新する。大当たり処理(S24)では、大当たりか否かを判定し、大当たりである場合には大入賞口(特定入賞口)13aの開放処理を行う。一方、大当たりでない場合には、該処理をスキップしてこの処理を終了する。大入賞口13aの開放処理では、球が入賞しやすいように大入賞口13aを所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放する。大入賞口13aの開放中に、球がVゾーン13bを通過すると、継続権を成立させて、大入賞口13aの閉鎖後、再度、その大入賞口13aを所定時間(又は、球が10個入賞するまで)開放する。この大入賞口13aの開閉動作を、最高で16回(16ラウンド)繰り返す。
【0077】
ハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)では、ハズレ図柄カウンタ23eの値を更新する。その後、次のS21の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間の間、ハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)を繰り返し実行する。S21〜S24の各処理は定期的に実行する必要があるので、S26の処理において、前回のS21の処理の実行からの経過時間をチェックする(S26)。チェックの結果、前回のS21の処理の実行から所定時間(例えば2ms)経過していれば(S26:Yes)、処理をS21へ移行する。一方、所定時間経過していなければ(S26:No)、処理をS25へ移行して、ハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)を繰り返す。ここで、S21〜S24の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のS21の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用してハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)を繰り返し実行することにより、ハズレ図柄カウンタ23eの値をランダムに更新することができる。
【0078】
図6は、主制御基板Cのメイン処理(図5参照)の中で実行される始動入賞変動開始処理(S21)のフローチャートである。この始動入賞変動開始処理(S21)は、保留球カウンタ23aの値が「3」以下であって演出実行1〜4メモリ23h〜23kに変動表示のデータを記憶可能な状態である場合に第1種始動口スイッチ24が球を検出して始動入賞が成立したとき、その始動入賞時における内部乱数カウンタ23bなどの値を変動表示のデータとして取得し、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに記憶させる処理である。また、始動入賞変動開始処理(S21)は、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるとき、LCD10において変動表示が行われていなく、且つ、大当たり中でなければ保留球カウンタ23aの値を「1」減算して待機中の変動表示のデータを演出実行エリア23gに書き込んで変動表示を実行させ、一方、変動表示が行われていれば待機中の変動表示の実行を保留(待機)させる処理である。
【0079】
この始動入賞変動開始処理では、まず、第1種始動口スイッチ24が球を検出したか否かを確認する(S31)。第1種始動口スイッチ24が球を検出していれば(S31:Yes)、次に、保留球カウンタ23aの値が「4」以上であるか否かを確認する(S32)。保留球カウンタ23aの値が「4」未満であれば(S32:No)、変動表示のデータが待機回数分記憶されていないので、保留球カウンタ23aの値に「1」を加算する(S33)。その後、実行が保留されている変動表示の回数を示す保留ランプを1つ点灯させるコマンドを表示用制御基板Dへ送信し(S34)、更に、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの各値を変動表示のデータとして保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに書き込み(S35)、処理をS36へ移行する。
【0080】
一方、S31の処理において、第1種始動口スイッチ24が球を検出していなければ(S31:No)、始動入賞の成立時でなく、また、S32の処理において保留球カウンタ23aの値が「4」以上であれば(S32:Yes)、変動表示の待機回数分設けられた演出実行1〜4メモリ23h〜23kの全てに変動表示のデータが書き込まれているので、S33〜S35の処理をスキップして処理をS36へ移行する。
【0081】
S36からの処理では、まず、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるか否かを確認する(S36)。保留球カウンタ23aの値が「1」以上であれば(S36:Yes)、変動表示中か又は大当たり中(所定の遊技価値が付与される特別遊技状態中)であるか否かを確認する(S37)。確認の結果、変動表示中でなく且つ大当たり中でなければ(S37:No)、保留球カウンタ23aの値から「1」を減算して(S38)、演出実行1メモリ23hに記憶されている変動表示のデータを演出実行エリア23gに書き込む(S39)。
【0082】
次に、演出実行2〜4メモリ23i〜23kに記憶されている変動表示のデータを演出実行1〜3メモリ23h〜23jへそれぞれ1つずつシフトし(S40)、変動パターンと停止図柄とを設定する表示コマンド決定処理を行い(S41、図7参照)、その表示コマンド決定処理(S41)により決定された表示コマンドを表示用制御基板Dに送信して(S42)、この始動入賞変動開始処理(S21)を終了する。一方、S36の処理において保留球カウンタ23aの値が「1」未満、即ち、「0」であることが確認された場合(S36:No)、及び、S37の処理において変動表示中か又は大当たり中であることが確認された場合には(S37:Yes)、S38からS42の処理をスキップして始動入賞変動開始処理(S21)を終了する。
【0083】
図7は、図6に示す始動入賞変動開始処理(S21)の中で実行される表示コマンド決定処理(S41)のフローチャートである。表示コマンドは、主制御基板Cから表示用制御基板Dに送信されるものであり、LCD10の上段10a、中段10b、下段10cの図柄リールを水平方向に変動表示させた後の停止時の図柄を指定するための停止図柄コマンドと、変動表示の変動パターンを指定するための変動パターンコマンドとから構成されている。表示コマンド決定処理(S41)では、始動入賞時に取得された変動表示のデータに基づいて、表示コマンドを構成する停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを決定する。
【0084】
この表示コマンド決定処理(S41)では、まず、演出実行エリア23gに記憶された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であるか否かを確認する(S51)。その値が大当たりを発生させる値であれば(S51:Yes)、演出実行エリア23gに記憶された大当たり図柄カウンタ23dの値に対応した図柄の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定し(S52)、更に、変動パターンカウンタ23fの値が示すデータ(パターン)を第1テーブル22aから読み出して変動パターンコマンドに設定し(S53)、この表示コマンド決定処理(S41)を終了する。
【0085】
S51の処理において内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でない場合には(S51:No)、演出実行エリア23gに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値であるか確認する(S54)。その値がハズレリーチを発生させる値であれば(S54:Yes)、カウンタ用バッファ23lに記憶されたハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定し(S55)、更に、変動パターンカウンタ23fの値が示すデータ(パターン)を第2テーブル22bから読み出して変動パターンコマンドに設定し(S56)、この表示コマンド決定処理(S41)を終了する。
【0086】
S54の処理において演出実行エリア23gに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合には(S54:No)、演出実行エリア23gに記憶されたハズレ図柄カウンタ23eの値を停止図柄コマンドに設定し(S57)、更にリーチ表示を伴わないハズレの変動表示である「パターンA」の変動パターンを示す「A」のデータを変動パターンコマンドのデータとして設定して(S58)、この表示コマンド決定処理(S41)を終了する。
【0087】
図8は、表示用制御基板Dで実行される演出設定実行処理のフローチャートである。この演出設定実行処理は、表示用制御基板Dにおいて所定時間毎(例えば2ms毎)に繰り返して実行される処理である。かかる演出設定実行処理は、主制御基板Cから送信される変動パターンのデータに基づいて、LCD10の中段10bに表示される図柄リールのスクロール速度をトラックボール19aに連動させて変化させる変速期間を設定し、その変速期間中にはトラックボール19aの操作量及び操作方向を検出して中段10bの図柄リールのスクロール速度を変化させるための処理である。
【0088】
この演出設定実行処理では、まず、主制御基板Cから表示コマンドを受信したかタイミングか否かを確認する(S61)。表示コマンドを受信していれば(S61:Yes)、表示コマンドに付加された変動パターン及び停止図柄に関するデータを演出実行エリア33aに書き込み、図柄の変動表示を開始する(S62)。その後、前回操作フラグ33dがオンであるか否かを確認する(S63)。前回操作フラグ33dがオンでなければ(S63:No)、演出実行エリア33aに記憶された変動パターンのデータがスペシャルリーチを示す「D」であるか否かを確認する(S64)。その変動パターンのデータが「D」であれば(S64:Yes)、入力表示フラグ33bをオンして(S65)、処理をS71に移行する。一方、S64の処理において変動パターンのデータが「D」でなければ(S64:No)、入力表示フラグ33bをオンすることなく、処理をS71に移行する。
【0089】
S63の処理において前回操作フラグ33dがオンであれば(S63:Yes)、演出実行エリア33aに記憶された変動パターンのデータがスーパーリーチを示す「C」であるか否かを確認する(S66)。その変動パターンのデータが「C」であれば(S66:Yes)、入力表示フラグ33bをオンして(S65)、処理をS71に移行する。一方、S66の処理において変動パターンのデータが「C」でなければ(S66:No)、入力表示フラグ33bをオンすることなく、処理をS71に移行する。
【0090】
ここで、入力表示フラグ33bがオンされた場合には、トラックボール19aを操作して図柄リールのスクロール速度を変化させる変速期間が設定されるが、この設定は、変動パターンのデータが「C」(スーパーリーチ)又は「D」(スペシャルリーチ)の場合に限定して行われる。変動パターンがスーパーリーチ又はスペシャルリーチとなるのは、大当たりか、又は、ハズレリーチを発生させる抽選に当選し、更に主制御基板Cの表示コマンド決定処理(図7参照)によって変動パターンカウンタ23fに基づく決定における抽選に当選した場合にのみ設定される。よって、遊技者には、変速期間の設定が行われる変動表示を稀少なものとすることができ、飽き難い遊技性を付与することができる。
【0091】
また、S63の処理において前回操作フラグ33dがオンであるか否かに基づいて入力表示フラグ33bをオンさせるための条件とする変動パターンのデータが「C」(スーパーリーチ)又は「D」(スペシャルリーチ)のいずれかとされる。よって、前回の変速期間の設定時にトラックボール19aを操作した遊技者と、その操作をしなかった遊技者とのそれぞれに対して別々の確率で変動表示に変速期間を設定することができる。
【0092】
本実施例においては、前回操作フラグ33dがオンである場合には、スーパーリーチであるときに変速期間が設定されるが、スーパーリーチが設定される確率は、スペシャルリーチが設定される確率よりも高いので、積極的にトラックボール19aを操作する遊技者には、より頻繁にトラックボール19aを操作する機会を提供することができる。この前回操作フラグ33dがオンであるか否かに基づいた入力表示フラグ33bをオンする条件は、必ずしもスーパーリーチとスペシャルリーチとで行う必要はない。前回の変速期間の設定時にトラックボール19aが操作されて前回操作フラグ33dがオンであれば、プレミアムリーチを設定して変速期間が設定されると大当たりが確実に発生する遊技性としても良い。
【0093】
なお、S61の処理において主制御基板Cから表示コマンドを受信したタイミングでないことが確認された場合(S61:No)、変動表示中か、或いは、表示コマンドの受信を待機中の状態であるため、変動表示を開始させるためのS62〜S65の処理をスキップして処理をS71に移行する。
【0094】
S71の処理では、変動表示中であるか確認し(S71)、変動表示中でなければ(S71:No)、LCD10の表示領域に機種名やキャラクタなどのデモ画面を表示させるなど、他の処理を行って(S93)、演出設定実行処理を終了する。一方、S71の処理において変動表示中であることが確認された場合には(S71:Yes)、入力表示フラグ33bがオンか確認する(S72)。入力表示フラグ33bがオンであれば(S72:Yes)、更に変動表示にリーチ表示が現出中か確認する(S73)。リーチ表示が現出中でない場合には(S73:No)、入力表示フラグ33bがオンであってLCD10に「ボールを回せ!」の表示をさせる変動表示の実行中であるものの、LCD10の上段10a及び下段10cの図柄が停止する前であるので、「ボールを回せ!」の表示を行わせる等のS74からS79の処理をスキップして処理をS90へ移行する。
【0095】
一方、入力表示フラグがオンであって(S72:Yes)、且つ、変動表示にリーチ表示が現出中である場合には(S73:Yes)、LCD10に「ボールを回せ!」の表示をして(S74)、トラックボール19aの操作が有効となっていることをLCD10を通して外部に告知する。
【0096】
その後、ボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出したか否かを確認し(S75)、その回動をボール回動検出器20が検出していなければ(S75:No)、変動表示にリーチ表示が現出した後に3秒経過したか確認する(S76)。リーチ表示の現出後に3秒が経過していれば(S76:Yes)、「ボールを回せ!」の表示をしたにも拘わらずボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出していない、即ち、遊技者によってトラックボール19aの操作が行われていないので、前回操作フラグ33dをオフして(S77)、遊技者によるトラックボール19aの操作が行われなかったことを記憶する。更に、「ボールを回せ!」の表示を消去すると共に(S78)、入力表示フラグ33bをオフして(S79)、LCD10に変動表示を実行させる演出実行処理を行わせる(S90)。
【0097】
また、S75の処理において、ボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出した場合には(S75:Yes)、特別演出フラグ33cをオンして(S80)、図柄のスクロール速度を変化可能な変速期間を開始させ、更に前回操作フラグ33dをオンして(S81)、処理をS78に移行する。S72の処理において入力表示フラグ33bがオンでない場合(S72:No)、又は、S76の処理においてリーチ表示現出後に3秒経過する前であることが確認された場合には(S76:No)、その後の処理をスキップして処理を演出実行処理(S90)へ移行する。
【0098】
ここで、図9を参照して、演出実行処理(S90)について説明する。図9は、表示用制御基板Dの演出設定実行処理の中で実行される演出実行処理(S90)のフローチャートである。この演出設定実行処理(S90)では、まず、特別演出フラグ33cがオンであるか確認し(S101)、オンであれば(S101:Yes)、ボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出したか否かを確認する(S102)。その回動をボール回動検出器20が検出していれば(S102:Yes)、ボール回動検出器20に検出されたトラックボール19aの回動方向及び回動量に従ってLCD10の中段10bに表示される図柄リールを加速又は減速して表示する。一方、S102の処理においてボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出していなければ(S102:No)、LCD10の中段10bに表示される図柄リールを一定速度で左方にスクロールして表示する(S104)。よって、遊技者には、トラックボール19aを左方又は右方に回動させることにより、中段10bの図柄リールに表示される図柄を上下段10a,10cにリーチ表示された図柄に一致するように操作させる遊技性を提供することができる。なお、S104の処理においては必ずしも図柄リールを一定速度で左方にスクロールさせる必要はなく、速度を変速させたり、移動方向を左右に変化させたりしても良い。
【0099】
S105の処理では、LCD10の中段10bの図柄リールの変動を停止するタイミングか確認する(S105)。その変動を停止するタイミングであれば(S105:Yes)、演出実行エリア33aに記憶されたデータの示す中段10bの停止図柄が、リーチ表示を構成する上下段10a,10cの停止図柄(リーチ図柄)と同一か確認し(S106)、それらが同一であれば(S106:Yes)、大当たりを発生させる変動表示であって、変動後の表示結果は大当たりを示す図柄の組み合わせとする必要がある。このため、中段10bの図柄停止領域に表示中の図柄が、リーチ図柄か又はその隣の図柄であるか確認し(S107)、中段10bの図柄停止領域に表示中の図柄が、リーチ図柄でなく、又その隣の図柄でもないことが確認された場合(S107:No)、即ち、中段10bの図柄停止領域に表示される図柄がリーチ図柄から2図柄分以上ずれている場合には、再変動演出フラグ33eをオンし(S108)、再変動演出を実行して大当たりを示す図柄の組み合わせを表示させる設定とする。その後、特別演出フラグ33cをオフして(S109)、変動期間を終了させ、この演出実行処理(S90)を終了する。なお、変速期間中における中段10bの図柄停止領域は、リーチ表示を構成する上下段10a,10cのリーチ図柄の間に表示された矢印10dが指向した升目内の領域である(図10(b)参照)。
【0100】
また、S106の処理において、演出実行エリア33aに記憶されたデータの示す中段10bの停止図柄が、リーチ図柄と異なっている場合には(S106:No)、ハズレリーチを発生させる変動表示であるので、変動後の表示結果は、ハズレリーチを示す図柄の組み合わせとする必要がある。このため、中段10bの図柄停止領域に表示中の図柄が、リーチ図柄と同一か確認し(S110)、それらが同一であれば(S110:Yes)、演出実行エリア33aに記憶された中段10bの停止図柄のデータを、リーチ図柄に対して右隣りに位置する図柄のデータに書き換える(S111)。
【0101】
ここで、例えば、主制御基板Cから停止図柄コマンドで指示された図柄の組み合わせが「717」であるとき、遊技者が中段10bの図柄リールを操作して中段10bの図柄停止領域に「7」を表示させていたとしても、S111の処理による停止図柄の変更を行わなければ、中段10bの図柄停止領域には「1」の図柄を表示させる必要がある。しかし、「1」の図柄と「7」の図柄とは、10図柄分(「○」で表示される副図柄を含む)ずれた位置に配置されており、遊技者の操作によって表示された「7」の図柄を無効にして「1」の図柄を表示してしまうと、遊技者には、トラックボール19aの操作が無意味なものに感じ取られてしまう。これに対し、S111の処理によって中段10bの停止図柄をリーチ図柄に対して右隣りに位置する図柄に変更することにより、遊技者が中段10bの図柄リールを操作して表示させた図柄と変動後の表示結果として表示する図柄とのずれを最小に抑えることができ、遊技者にトラックボールを介して図柄リールを操作する遊技の興趣を維持させることができる。
【0102】
S110の処理において、中段10bの図柄停止領域に表示中の図柄がリーチ図柄とは異なることが確認された場合には(S110:No)、演出実行エリア33aに記憶された中段10bの停止図柄のデータを、中段10bの図柄停止領域に表示中の図柄のデータに書き換える(S112)。この書き換えによって、遊技者が中段10bの図柄リールを操作して表示させた図柄と変動後の表示結果として表示する図柄とのずれを無くすことができる。なお、S111及びS112の処理をした後には、処理をS109に移行する。
【0103】
ここで、必ずしもS106からS112の処理をして再変動演出を設定したり、中段10bの停止図柄を変更したりする必要はなく、中段10bの図柄リールの変動を停止するときに、主制御基板Cによって予め定められた停止図柄をそのまま表示させて中段10bの図柄リールを停止させるものとしても良い。処理をより簡略化することができる。
【0104】
S101の処理において、特別演出フラグ33cがオフである場合には(S101:No)、変速期間中でないので、再変動演出フラグ33eがオンであるか確認し(S113)、オンであれば(S113:Yes)、再変動演出をする再変動演出実行処理を行い(S114)、演出実行処理(S90)を終了する。S113の処理において、再変動演出フラグ33eがオンでないことが確認されると(S113:No)、通常の演出を実行する通常演出実行処理を行って(S115)、この演出実行処理(S90)を終了する。演出実行処理(S90)の終了後には、図8に示すS91からの処理が行われる。
【0105】
図9に戻って演出設定実行処理について説明する。S90の演出実行処理(S90)の実行後、主制御基板Cから確定コマンドを受信したか確認し(S91)、確定コマンドを受信していれば(S91:Yes)、変動表示を停止表示(確定)させて(S92)、更にその他の処理を行って(S93)、この演出設定実行処理を終了する。S91の処理において主制御基板Cから確定コマンドを受信していなければ(S91:No)、変動表示を確定させることなく継続させたまま、処理をS93へ移行する。
【0106】
以上説明したように、演出設定実行処理では、特別演出フラグ33cがオンとなっている変速期間中にボール回動検出器20によってトラックボール19aの回動が検出されると、トラックボール19aの回動方向及び回動量に従ってLCD10の中段10bに表示される図柄(図柄リール)が加速又は減速して表示されるので、トラックボール19aを操作した遊技者の行為が変動表示の内容に反映される。よって、変動表示のスクロール速度が変化した後に現出する変動後の表示結果を遊技者自身が引き当てたと感じさせることができ、遊技者の遊技への参加意識を高めることができる。このため、従来の遊技機において、LCD上に手をかざして大当たり図柄の組み合わせとなるように手を一定方向に動かす仕草をする等して変動表示の内容に直接的に関与しようとしていた遊技者には、その意志が現実的に変動表示の内容に反映される遊技性を提供することができ、遊技への参加意識をより一層高めることができる。
【0107】
また、トラックボール19aの回動方向及び回動量に従ってスクロール速度が変化させられるのは、実行中の変動表示が大当たりであるかハズレであるかを遊技者に示すためにLCD10の中段10bに表示される図柄(図柄リール)であり、特に、このLCD10の中段10bに表示される図柄が大当たりか否かを最終的に決定づけるものであるため、遊技者にとっては、最初に停留する上下段10a,10cの図柄や変動表示の中で行われる他の演出とは比較にならない程に最重視されるものである。よって、最重視していたにも拘わらず、従来にはその変動に全く関与することができなかった図柄を遊技者の手で直接的に操作する遊技性を付与することができ、その操作によって図柄のスクロール速度が変化する遊技に遊技者を積極的に参加させると共にその遊技に熱中させることができる。
【0108】
更に、変速期間中においては、S102の処理においてトラックボール19aの回動が検出された場合に、LCD10の中段10bに表示される図柄(図柄リール)がトラックボール19aの回動方向及び回動量に従って加速又は減速して表示される(S103)。このため、変速期間中においては、遊技者は、LCD10の図柄リールの状態を視認しつつ、遊技者自身が意図する方向へ意図する量分だけトラックボール19aを操作して図柄リールのスクロール速度を変化させることができ、その変化後のスクロール状態を視認しつつ何度も繰り返して図柄リールのスクロール速度を変化させることができる。よって、演出が行われる前の選択操作によってその後に予め定められた固定的な演出が導出される場合に比較して、遊技者には、図柄の変動が停止して表示結果が導出されるまで継続した緊張感を持たせつつ図柄リールを操作する遊技を楽しませることができる。それゆえに、単純に複数の選択肢の中から選択操作を行った後に予め定められた固定的な演出が行われるような遊技機とは比較にならないほどの遊技の興趣が生まれるのである。
【0109】
また、本実施例においては、表示用制御基板Dで実行されるS103の処理においてトラックボール19aの操作に図柄のスクロール速度を変化させているので、遊技の制御を行う主制御手段Cの負担を軽くして制御速度の向上や制御の信頼性を高めることができると共に、従来から使用されている主制御手段Cを流用して図柄のスクロール速度を変化させる遊技性を備えたパチンコ機を低コストで開発することができる。
【0110】
次に、図10を参照してLCD10の表示について説明する。図10(a)は、LCD10の変動表示中に「ボールを回せ!」の表示が行われた状態を示した図であり、図10(b)は、変速期間中におけるLCD10の表示画面を示した図である。
【0111】
図10(a)に示すように、LCD10の上段10a及び下段10cには、左右方向に沿った中央部に「7」の図柄が表示されてリーチ表示が現出した状態となっており、中段10bには、図柄リールが変動表示されると共に、中段10bの図柄リールに重なって「ボールを回せ!」の表示が行われている。この「ボールを回せ!」の表示が行われている間には、遊技者によってトラックボール19aが操作されると、そのトラックボール19aの操作がボール回動検出器20に検出されることにより(図9、S75参照)、特別演出フラグ33cがオンされて変速期間が開始される。
【0112】
このように、遊技者には、LCD10に「ボールを回せ!」の表示をすることにより、トラックボール19aを操作して図柄リールの操作が可能な変速期間が設定された変動表示であることを容易に認識させることができる。また、遊技中の遊技者は、大当たりの発生を図柄の組み合わせで示すLCD10に意識を傾注しており、特に、最後に変動が停止する図柄リールが表示されたLCD10の中段10bに意識を傾注しているので、そのLCD10(特に、その中段10bに)図柄リールの操作が可能なことを示唆する表示を行うことにより、遊技者に変速期間が設定されて図柄リールの操作が可能な変動表示が行われていることをより確実に告知することができる。
【0113】
なお、この変速期間が設定された変動表示であることは、必ずしもLCD10に表示して外部に告知する必要は無く、遊技盤5の前面や前面枠2に設置されたランプなどで行っても、スピーカから特定の音声や効果音を出力して行っても良い。
【0114】
図10(b)に示す変速期間中のLCD10の表示画面には、LCD10の上下段10a,10cにリーチ図柄(「7」の図柄)が表示されてリーチ表示が現出した状態となっている。上下段10a,10cに表示された「7」のリーチ図柄の間には、中段10bに指向された矢印10dが表示されている。この矢印10dに指向された升目状の領域が図柄停止領域であり、変動表示が停止表示される時には図柄停止領域に表示されていた図柄が、停止図柄の組み合わせを構成する図柄となる。この変速期間中には、LCD10の中段10bに表示される図柄リールが約半分に縮小して表示され、中段10bに6つの図柄が連続して表示されるようになっており、遊技者には、所望の図柄の位置をより視認しやすくするようになっている。
【0115】
また、変速期間中には、図10(b)に示すように、LCD10の上段10aの右上側に略矩形状の時間表示領域10eが設けられ、遊技者によって中段10bの図柄リールを操作可能な残り時間が文字表示されている。遊技者には、時間表示領域10eの表示に基づいて図柄リールを操作可能な残り時間を認識させることができる。なお、時間表示領域10eの表示は、必ずしも文字表示する必要はなく、赤色で表示された棒の長さを縮めて表示するなど、表示態様を次第に異ならせる情報を表示して残り時間を示唆しても良い。
【0116】
更に、LCD10の下段10aの右下側には、「挑戦中」の文字が表示された略矩形状の操作実行表示領域10fが設けられ、遊技者によって中段10bの図柄リールを操作中であることを遊技者に解り易く示している。図10(a)に示す「ボールを回せ!」の表示が行われている間に、意図しないで偶然にトラックボール19aを回動させてしまった遊技者にも、トラックボール19aによる図柄リールの操作が可能な変速期間が開始されたことを的確に示すことができる。なお、操作実行表示領域10fの表示は、必ずしも文字表示する必要はなく、LCD10の背景色を変更して表示するなど、変速期間以外とは異なる表示態様となる情報を表示して変速期間中であることを示唆しても良い。
【0117】
次に、図11を参照して第2実施例について説明する。図11は、第2実施例における変速期間中のLCD10の表示画面を示した図である。以下、第2実施例の説明にあたり、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
【0118】
第2実施例においては、「ボールを回せ!」の表示が行われている間(図10(a)に示す表示状態の間)にトラックボール19aが回動操作され、そのトラックボール19aの回動操作をボール回動検出器20が検出した場合に表示されるものである。LCD10の左上側には、リーチ図柄を表示するリーチ図柄表示領域10gが形成されると共に、LCD10の中央部に形成された中央表示領域10gには、リーチ図柄と同一の当たり図柄Zと、その当たり図柄を内部に含められる大きさの丸形の図柄で表示されたカーソルTとが表示される。
【0119】
当たり図柄Zは、表示用制御基板Dの制御によって中央表示領域10g内をランダムに移動するように構成されると共に、カーソルTは、トラックボール19aの回動操作に連動させて平面上を上下左右方向に自在に移動可能に構成される。遊技者がカーソルTを操作し、当たり図柄Zが丸形の枠内に収められた表示結果が現出したときに大当たりとなって遊技者には所定の遊技価値が付与される。よって、第1実施例においては、左右方向のいずれかにしか操作し得なかった図柄をより多方向に操作させることができ、遊技者に付与する遊技の興趣を一層高めることができる。
【0120】
なお、上記実施例において、請求項1記載の従動手段としては、図9のS103の処理が該当する。
【0121】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0122】
例えば、上記実施例では、パチンコ機1の上皿16に設けられたトラックボール19aへの入力操作に基づいて中段10bの図柄リールのスクロール速度を変化させる制御を表示用制御基板Dに行わせたが、必ずしも上皿16にトラックボール19a(トラックボール装置19)を設ける必要は無く、操作ハンドル18にトラックボール装置を一体化させて設けても良い。パチンコ機1を操作する遊技者は、常に操作ハンドル18を把持し続けなければならない。このため、操作ハンドル18へトラックボール装置を設けることにより、遊技者は、操作ハンドル18を把持した手で簡易に入力操作を行うことができる。よって、図柄リールのスクロール速度を変化させる操作を簡易に行わせることができ、遊技者にかける負担を軽減しつつ遊技への参加意識を高めることができる。なお、図柄リールのスクロール速度を変化させるための操作装置を必ずしも1箇所に設ける必要は無く、例えば上皿16及び操作ハンドル18等、2箇所以上に設けても良い。
【0123】
更に、上記実施例では、表示用制御基板Dの制御によって、リーチ表示の現出後に図柄リールのスクロール速度を操作可能としたが、必ずしもリーチ表示の現出後に図柄リールのスクロール速度を操作可能とする必要はなく、リーチ表示の現出前から図柄リールのスクロール速度を操作可能としても良い。また、必ずしも図柄リールのスクロール速度を操作可能とする必要はなく、図柄リールのスクロール方向のみを選択的に操作させるものであっても良い。また、必ずしも遊技者によって操作可能とする対象を図柄リールとする必要はなく、一定の表示領域内に表示された図柄(例えば、1から10の図柄)の態様が一定の順序(例えば、昇順)に従って規則的に変化して変動表示が行われる場合における図柄の態様が変化する速さや、その変化する順序を遊技者によって操作させても良い。
【0124】
また、上記実施例では、表示用制御基板Dの制御によって、トラックボール19aの操作に応じて図柄リールのスクロール速度を変化させたが、必ずしも表示用制御基板Dの制御によって図柄リールのスクロール速度を変化させる必要はなく、主制御基板Cで図柄リールのスクロール速度を変化させる制御を行わせても良い。遊技の制御を主制御基板Cでより集中して管理させることができる。
【0125】
更に、上記実施例では、変速期間中にトラックボール19aの操作に応じてスクロール速度が変化する中段10bの図柄リールは、通常時と同一の配列のものを使用したが、必ずしもその図柄リールを通常時と同一の配列とする必要はなく、図柄リールを構成する図柄を少なくしても良い。例えば、リーチ図柄と、リーチ図柄とは異なる1の図柄との2つだけで図柄リールを構成しても良い。遊技者にとっては中段10bの図柄停止領域にリーチ図柄を一致させ易い(大当たり図柄を表示させ易い)状態にすることができ、トラックボール19aをより積極的に操作させることによって遊技への参加意識を一層高めることができる。
【0126】
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0127】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0128】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0129】
以下に変形例を示す。請求項1記載の遊技機において、前記従動手段は、前記入力手段によって入力される情報に応じて前記表示装置に表示される前記識別情報の動的速さを変化させる変速手段を備えていることを特徴とする遊技機1。遊技者の入力行為によって入力手段から制御手段に情報が入力された場合に、その入力される情報に応じて表示装置に表示される識別情報の動的速さが変化する。よって、遊技者には、入力手段を介して動的速さが変化した後に現出する動的表示の表示結果を遊技者自身が引き当てる気分を持たせることができる。
【0130】
なお、遊技機1において、識別情報の動的速さを変化させるとは、特定の方向に進行中の識別情報の動的速さを加速又は減速させる場合に限定されるものでなく、停止(停留)状態の識別情報を特定の方向に加速して動的表示を開始させる場合、特定の方向に沿って進行中の識別情報の動的速さをその進行する速さと同一の速さ分減速して静止させる場合、又は、特定の方向に沿って進行中の識別情報の動的速さをその進行する速さ以上に減速してその進行方向の反対側に逆行させる場合をも含む趣旨である。また、遊技機1における動的速さとは、必ずしも識別情報の表示位置が特定の方向に移動する場合に限定されるものでなく、同一位置に表示される識別情報の表示態様が動的に変化する場合における動的速さをも含む趣旨である。また、変速手段としては、例えば、入力手段としてのボール回動検出器20に検出されたトラックボール19aの回動方向及び回動量に従ってLCD10に表示される中段10bの図柄リールを加速又は減速して表示する処理(図9のS103の処理)が例示される。
【0131】
請求項1記載の遊技機または遊技機1において、前記従動手段は、前記入力手段によって入力される情報に応じて前記表示装置に表示される前記識別情報の移動方向を変更する方向変更手段を備えていることを特徴とする遊技機2。遊技者の入力行為によって入力手段から制御手段に情報が入力された場合に、その入力される情報に応じて表示装置に表示される識別情報の移動方向が変化する。よって、遊技者には、入力手段を介して移動方向が変化した後に現出する動的表示の表示結果を遊技者自身が引き当てる気分を持たせることができる。なお、方向変更手段としては、例えば、LCDに表示される識別情報としてのカーソルの移動方向を、入力手段としてのトラックボール装置によって入力される情報に応じて、トラックボールの回動方向に従動させて変更する処理等が例示される。
【0132】
請求項1記載の遊技機または遊技機1若しくは2において、前記制御手段は、始動条件の成立した動的表示に対し前記従動手段によって前記識別情報の動的表示を従動させる従動期間を設定するか否かを抽選する従動抽選手段を備え、前記従動手段は、その従動抽選手段による抽選結果によって前記従動期間が設定された場合にその従動期間中に前記入力手段によって入力される情報に前記識別情報の動的表示を従動させるものであることを特徴とする遊技機3。従来の遊技機にボタンなどの操作装置を設け、その操作装置を遊技者に操作させることにより、表示装置に表示される演出内容を選択的に決定すると、操作装置の操作後には、予め定められた固定的な演出が実行される。このため、遊技者は、その操作後に表示装置に表示される演出を見守るだけとなり易く、断続的にしか遊技者に遊技への参加意識を付与することができない。
【0133】
遊技機3によれば、始動条件の成立した動的表示に対して従動手段によって識別情報の動的表示を従動させる従動期間が従動抽選手段によって設定されるので、遊技者には、従動期間中に継続して識別情報の動的表示を操作する遊技性を付与することができ、遊技に対する参加意識を継続的に持たせることができる。また、従動抽選手段による抽選によって従動期間の設定が行われた動的表示に対して(限定して)識別情報の動的表示を従動させるので、遊技者にとって識別情報の動的表示を操作する遊技性が稀少なものとなり、飽き難い遊技性を遊技者に付与することができる。なお、従動期間としては、例えば、入力手段としてのトラックボール装置(トラックボール)を操作して表示装置に表示される図柄リールのスクロール速度を変化可能とする変速期間が例示される。また、従動抽選手段としては、例えば、従動期間としての変速期間を設定するために変動パターンを決定するための第1,第2テーブル22a,22bと、そのテーブル22a,22bの値の参照時に使用する変動パターンカウンタ23fと、変速期間を設定するための変動パターンの設定を行う表示コマンド決定処理(図6及び図7のS41の処理)と、表示用制御基板Dで行われる演出設定実行処理の入力表示フラグ33bをオンさせる処理(図8のS64〜S66の処理)とが例示される。
【0134】
遊技機3において、前記従動抽選手段によって前記従動期間が設定された場合にその従動期間が設定された動的表示であることを外部に告知する告知手段を備えていることを特徴とする遊技機4。始動条件の成立した動的表示に対して従動抽選手段によって従動期間が設定された場合には、その従動期間の設定が告知手段によって外部に告知される。よって、遊技者には、入力手段による情報の入力によって識別情報の動的表示を操作可能な動的表示であるか否かを、告知手段による告知に基づいて容易に認識させることができる。なお、告知手段による外部への告知は、ランプ、ネオン菅、LED又はLCD等の表示態様を特定の表示態様に変更したり、複数の態様を有するキャラクタ又は役物等の態様を特定の態様に変更したりして行うものであっても良く、又は、スピーカー等から特定の効果音を出力して行うものであっても良く、或いは、操作ハンドルを振動させるモータ等遊技者の触覚を通じて行うものであっても良い。また、告知手段としては、上記実施例におけるLCD10と、LCD10に「ボールを回せ!」の表示を行わせる表示用制御基板Dでの処理(図8のS74の処理)とが例示される。
【0135】
遊技機3または4において、始動条件の成立した動的表示を、前記所定の遊技価値を付与する当たり動的表示とするか否かを抽選する遊技価値抽選手段を備え、前記従動抽選手段は、その遊技価値抽選手段による抽選結果に基づいて始動条件の成立した動的表示を前記当たり動的表示とする場合に前記従動期間の設定を第1条件に基づいて抽選する第1従動抽選手段と、前記遊技価値抽選手段による抽選結果に基づいて始動条件の成立した動的表示を前記当たり動的表示以外の動的表示とする場合に前記第1条件より前記従動期間の設定確率が低い第2条件に基づいて抽選する第2従動抽選手段とを備えていることを特徴とする遊技機5。遊技機5によれば、当たり動的表示に対して従動期間が設定される確率は、第1条件に基づくものであり、当たり動的表示以外の動的表示に対しては、その第1条件より従動期間の設定確率が低い第2条件に基づいて従動期間が設定される。このため、従動期間が設定された動的表示において所定の遊技価値が付与される確率(期待値)を、従動期間が設定されなかった場合に比して高めることができる。よって、入力手段を介して動的表示を操作させた後に、所定の遊技価値を付与する表示結果を現出し易くすることができ、遊技者には、識別情報の動的表示を操作した後に所定の遊技価値をより高確率に引き当てる遊技性を提供することができる。
【0136】
ここで、当たり動的表示とは、所定の遊技価値を付与し得るものであれば良く、必ずしも所定の遊技価値を付与する表示結果を現出させるものである必要は無い。即ち、当たり動的表示は、所定条件が成立しなければ所定の遊技価値を付与する表示結果を現出せず、所定条件が成立した場合に限って所定の遊技価値を付与する表示結果を現出するものであっても良い。例えば、遊技者の操作に従って識別情報の動的表示が停止させられる所謂スロットマシンなどにおいて動的表示の停止操作が一定範囲から外れていることによって所定の遊技価値を付与する表示結果を現出しない当たり動的表示等が例示される。なお、遊技価値抽選手段としては、例えば、主制御基板Cに設けられる内部乱数カウンタ23bと、その内部乱数カウンタ23bの値を始動入賞時に取得する処理(図6のS35の処理)とが例示される。また、第1従動抽選手段としては、例えば、従動期間としての変速期間を設定するために変動パターンを決定するための第1テーブル22aと、そのテーブル22aの値の参照時に使用する変動パターンカウンタ23fと、変速期間を設定するための変動パターンの設定を行う処理(図7のS53の処理)と、表示用制御基板Dで行われる演出設定実行処理の入力表示フラグ33bをオンさせる処理(図8のS64〜S66の処理)とが例示される。また、第2従動抽選手段としては、例えば、ハズレリーチの発生を決定するためのリーチ乱数カウンタ23cと、そのリーチ乱数カウンタ23cの値を始動入賞時に取得する処理(図6のS35の処理)と、従動期間としての変速期間を設定するためにハズレリーチ時の変動パターンを決定するための第2テーブル22bと、そのテーブル22bの値の参照時に使用する変動パターンカウンタ23fと、変速期間を設定するための変動パターンの設定を行う処理(図7のS56の処理)と、表示用制御基板Dで行われる演出設定実行処理の入力表示フラグ33bをオンさせる処理(図8のS64〜S66の処理)とが例示される。
【0137】
遊技機5において、前記当たり動的表示に対し前記従動手段によって前記識別情報の動的表示が従動させられた後に前記動的表示の表示結果を現出する場合において前記識別情報が前記予め定めた表示結果から所定量以上に偏倚しているか否かを判断する第1判断手段と、その第1判断手段によって前記識別情報が予め定めた表示結果から所定量以上に偏倚していると判断された場合に所定の変動を行った後に前記予め定めた表示結果を現出させる第1表示手段と、前記第1判断手段によって前記識別情報が予め定めた表示結果から所定量以上は偏倚していないと判断された場合に前記所定の変動を行わずに前記予め定めた表示結果を現出させる第2表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機6。一般に、所定の遊技価値を付与するか否かは、動的表示の開始以前に予め決定されており、その決定に基づいて所定の遊技価値が付与される場合には、所定の遊技価値を付与する予め定めた表示結果を現出させる必要がある。しかし、遊技者によって識別情報の動的表示が操作された場合に表示結果の現出時期において識別情報が予め定めた表示結果を現出していないと、所定の遊技価値を付与する表示結果を現出させることができない。
【0138】
遊技機6によれば、動的表示の表示結果を現出する場合に、第1判断手段によって識別情報が予め定めた表示結果から所定量以上に偏倚している(例えば、予め定めた表示結果に対して中段の停止図柄が2図柄分以上偏倚している)と判断された場合には、第1表示手段によって所定の変動が行われた後に予め定めた表示結果が現出する。一方、第1判断手段によって識別情報が予め定めた表示結果から所定量以上は偏倚していないと判断された場合には、第2表示手段によって所定の変動が行われることなく予め定めた表示結果が現出する。よって、当たり動的表示に対し、従動手段による動的表示の操作によって予め定めた表示結果から識別情報を所定量以内に偏倚した状態にまで近づけた遊技者に対しては、所定の変動が行われずに表示結果が現出することにより、遊技者自身が予め定めた表示結果を引き当てた気分を持たせることができる。また、予め定めた表示結果から所定量以上に識別情報を偏倚させてしまった遊技者に対しては、その後に所定の変動を行った後に予め定めた表示結果が現出することにより、付与されるべき所定の遊技価値を失わせることなく的確に提供することができる。なお、上記実施例において、第1判断手段としては、例えば、図9のS107の処理が例示される。また、第1表示手段としては、例えば、表示用制御基板Dに設けられる再変動演出フラグ33eと、図9のS108、S113、S114の処理とが例示され、第2表示手段としては、例えば、図9のS115の処理が例示される。
【0139】
遊技機5又は6において、前記当たり動的表示以外の動的表示に対して前記従動手段によって前記識別情報の動的表示が従動させられた後に前記動的表示の表示結果を現出する場合において前記識別情報が前記予め定めた表示結果となっているか否かを判断する第2判断手段と、その第2判断手段によって前記識別情報が前記予め定めた表示結果となっていると判断された場合にその予め定めた表示結果以外の表示結果となる所定量分偏倚させて表示結果を現出させる第3表示手段を備えていることを特徴とする遊技機7。一般に、所定の遊技価値を付与するか否かは、動的表示の開始以前に予め決定されており、その決定に基づいて所定の遊技価値が付与されない場合には、所定の遊技価値を付与する予め定めた表示結果以外の表示結果を現出させる必要がある。
【0140】
遊技機7によれば、当たり動的表示以外の動的表示に対して識別情報が予め定めた表示結果となっているとき、第3表示手段によって、その予め定めた表示結果以外の表示結果となる所定量(例えば、隣りの図柄までの距離に相当する量)分偏倚させて表示結果が現出する。よって、当たり動的表示以外の動的表示に対し、従動手段による動的表示の操作によって予め定めた表示結果となっている場合であっても、遊技者には、予め決定されたとおり、所定の遊技価値を付与する予め定めた表示結果以外の表示結果を視認させて、所定の遊技価値が付与されないことを示すことができる。なお、第2判断手段としては、例えば、上記実施例における図9のS110の処理が例示される。また、第3表示手段としては、例えば、上記実施例における図9のS111の処理が例示される。
【0141】
遊技機7において、前記第2判断手段によって前記識別情報が前記予め定めた表示結果以外の表示結果となっていると判断された場合にその予め定めた表示結果以外の表示結果を前記動的表示の表示結果として現出させる第4表示手段を備えていることを特徴とする遊技機8。一般に、所定の遊技価値が付与されない場合であっても、動的表示の表示結果は、その動的表示の開始以前に予め決定されており、その決定に基づいて動的表示の表示結果が現出する。
【0142】
遊技機8によれば、当たり動的表示以外の動的表示に対して識別情報が予め定めた表示結果以外の表示結果となっているとき、第4表示手段によって、その予め定めた表示結果以外の表示結果が動的表示の表示結果として現出させられる。よって、当たり動的表示以外の動的表示に対し、従動手段による動的表示の操作によって予め定めた表示結果以外の表示結果となっている場合に、遊技者には、動的表示を操作したときの結果と同一の表示結果を視認させて、遊技者による入力操作が的確に識別情報の表示結果に反映されることを遊技者に示唆することができる。なお、第4表示手段としては、例えば、上記実施例における図9のS112の処理が例示される。
【0143】
遊技機3から8のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記従動抽選手段によって設定された前記従動期間中に遊技者によって前記入力手段を介して前記制御手段に入力された情報に基づく履歴情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された履歴情報に基づいて前記従動抽選手段によって抽選される前記従動期間の抽選条件を変更する変更手段とを備えていることを特徴とする遊技機9。遊技機9によれば、入力手段を介して制御手段に入力された情報に基づく履歴情報が、記憶手段に記憶され、その記憶手段に記憶された履歴情報に基づいて従動期間の抽選条件が変化する。よって、入力手段を積極的に使用して識別情報の動的表示を操作する遊技者と、入力手段を使用しない遊技者とのそれぞれに対して別々の抽選条件に従った識別情報の動的表示を実行することができる。例えば、積極的に入力手段を操作する遊技者には、頻繁に従動期間を設定して遊技への参加の機会を高めつつ、入力手段の操作をしない遊技者には、従動期間の設定確率を低くして他の演出による遊技の興趣を付与することができる。なお、記憶手段としては、例えば、表示用制御基板Dに設けられる前回操作フラグ33dが例示され、変更手段としては、表示用制御基板Dで行われる前回操作フラグ33dがオンかを確認する分岐の処理(図8のS63の処理)が例示される。
【0144】
遊技機3から9のいずれかにおいて、前記従動期間は、前記動的表示がリーチ表示を現出した後に開始されるものであり、前記従動手段は、複数の識別情報からなる複数の識別情報列のうち最後に停止する識別情報列の動的表示を従動させるものであることを特徴とする遊技機10。遊技者によって入力手段から情報を入力して、最後に停止する識別情報列の動的表示を従動させることにより、遊技者には、所定の遊技価値が付与されることをより強く意識して積極的に入力手段への入力操作を促すことができ、所定の遊技価値が付与される表示結果を遊技者自身が引き当てる遊技性をより強調して遊技者の遊技への参加意識を高めることができる。
【0145】
なお、リーチ表示とは、複数の識別情報からなる複数の識別情報列が予め定めた識別情報の組み合わせで確定停止して所定の遊技価値が付与される遊技機において、少なくとも1つの識別情報列を残して他の識別情報列の動的表示が停留して表示されたとき、その停留した識別情報が所定の遊技価値を付与する組み合わせの1部を構成し、動的表示中の表示結果如何によって所定の遊技価値が付与されることを示唆する表示である。
【0146】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から10のいずれかにおいて、前記制御手段は、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて前記表示装置に識別情報の動的表示を行わせる表示用制御手段とを備え、前記従動手段は、その表示用制御手段に設けられていることを特徴とする遊技機11。従動手段が表示用制御手段に設けられているので、遊技の制御を行う主制御手段の負担を軽くすることができると共に従来から使用されている主制御手段を流用することができる。よって、遊技機全体としての開発コストを低減すると共に遊技機の開発に必要な期間を短縮することができる。
【0147】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から11のいずれかにおいて、前記入力手段は、回転体と、その回転体の回動量及び回動方向を検出する検出器とを備え、前記従動手段は、前記検出器によって検出される回動量及び回動方向に基づいて前記識別情報の動的表示を従動させるものであることを特徴とする遊技機12。回転体としては、例えばトラックボール19aが例示され、検出器としては、例えばボール回動検出器20が例示される。
【0148】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から12のいずれかにおいて、前記入力手段は、揺動可能に支持される操作部材と、その操作部材の揺動量及び揺動方向を検出する検出器とを備え、前記従動手段は、前記検出器によって検出される揺動量及び揺動方向に基づいて前記識別情報の動的表示を従動させるものであることを特徴とする遊技機13。操作部材としては、ジョイスティックを構成するレバーが例示され、検出器としては、そのレバーの揺動量を電気的な信号情報に変換して制御手段に入力する検出器(例えばポテンショメータ等)が例示される。
【0149】
遊技機12または13によれば、遊技者によって入力手段が操作(回動操作又は揺動操作)された場合に、その操作量(回動量又は揺動量)及び操作方向(回動方向又は揺動方向)が検出器によって検出され、その検出器に検出された操作量及び操作方向に基づいて識別情報の動的表示が従動させられる。よって、遊技者の意志をより詳細に制御手段に入力し、遊技者が意図する方向及び量に応じて識別情報の動的表示を従動させることができ、識別情報を操作する興趣を高めることができる。なお、入力手段は必ずしも1箇所に設けられる必要は無く、2箇所以上に設けられても良い。
【0150】
遊技機12または13において、遊技媒体を所定の遊技領域へ発射するための操作ハンドルを備えており、前記回転体又は操作部材は、その操作ハンドルの一部に(或いはその操作ハンドルに近接して)設けられることを特徴とする遊技機14。操作ハンドルの一部に(或いは操作ハンドルに近接して)回転体又は操作部材が設けられるので、遊技を行う遊技者は、操作ハンドルを把持した手で入力手段を気軽に操作することができ、遊技者にかける負担を軽減しつつ遊技への参加意識を持たせることができる。
【0151】
遊技機12から14のいずれかにおいて、遊技媒体を所定の遊技領域へ発射するための操作ハンドルを備えており、前記回転体又は操作部材は、その操作ハンドルから離間して設けられていることを特徴とする遊技機15。操作ハンドルから離間して回転体又は操作部材が設けられるので、遊技を実行中の遊技者は、操作ハンドルを把持した手とは別の手を使用するか、或いは、操作ハンドルから一旦手を離して操作部材を操作する。よって、遊技者が積極的に動作をしなければ回転体又は操作部材を介して入力手段から情報を入力することができず、遊技者の遊技への参加意識をより高めることができる。なお、操作ハンドルから離間して回転体又は操作部材が設けられるとは、操作ハンドルを把持した手が回転体又は操作部材に届かない位置であり、例えば、上皿16や下皿17に回転体又は操作部材が設けられることが例示される。
【0152】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機16。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0153】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から15のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機17。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0154】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機18。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】(a)は、大当たり時の変動パターンの設定に使用する第1テーブルの構成を示した図であり、(b)は、ハズレリーチ時の変動パターンの設定に使用する第2テーブルの構成を示した図である。
【図4】停電の発生等によるパチンコ機の電源断時に、主制御基板で実行されるNMI割込処理のフローチャートである。
【図5】主制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図6】主制御基板のメイン処理の中で実行される始動入賞変動開始処理のフローチャートである。
【図7】図6の始動入賞変動開始処理の中で実行される表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図8】表示用制御基板Dで実行される演出設定実行処理のフローチャートである。
【図9】図8の演出設定実行処理の中で実行される演出実行処理のフローチャートである。
【図10】(a)は、LCDに「ボールを回せ!」の表示が行われた状態を示した図であり、(b)は、変速期間中におけるLCDの表示画面を示した図である。
【図11】第2実施例における変速期間中のLCDの表示画面を示した図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
10 LCD(表示装置)
19 トラックボール装置(入力手段)
19a トラックボール(入力手段の一部)
20 ボール回動検出器(入力手段の一部)
C 主制御基板(制御手段の一部)
D 表示用制御基板(制御手段の一部)
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パチンコ機等の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために液晶表示装置を用いたものが主流となっている。この液晶表示装置へ表示させる画像をどのように変化させて遊技者を満足させるかが各社の競争になっており、その為、液晶表示装置に表示させる画像に様々なバリエーションを持たせる等の工夫がなされている。一般的には、この液晶表示装置では変動表示ゲームが行われ、遊技の興趣が高められている。
【0003】
変動表示ゲームは、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3の升目に9個の図柄等を表示し、所定の遊技条件に基づいて、表示される図柄等をスクロールして変動表示させるものである。そして、図柄等のスクロールが停止した際に(所定の停止位置において)、停止図柄等が予め定められた組み合わせとなっている場合を大当たりとするものである。また、図柄等のスクロール中に、時として通常時よりも高確率で大当たりとなることを事前に示唆する演出(例えばリーチ表示による演出等)が行われて、大当たりに対する期待感を遊技者に持たせる工夫もなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、停止図柄の組み合わせや演出の内容等は、遊技機毎に前もって設定された多種の図柄の組み合わせや演出の中から抽選される固定的なものであり、遊技者は、固定的な変動表示ゲームを見守るだけとなり易い。このため、遊技者の遊技への参加意識が低下してしまうという問題点があった。また、遊技者の中には、表示装置上に手をかざして大当たりの図柄の組み合わせとなるように手を一定方向に動かす仕草をしたり、図柄等のスクロール時における特定のタイミングで遊技機本体を叩くなどして、変動表示ゲームの内容に直接的に関与しようとする者も存在するが、変動表示ゲームの内容には全く影響が与えられず、結果的には固定的な変動表示ゲームを見守ることになってしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技への参加意識を高めることができる遊技機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示する表示装置と、その表示装置に識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備え、前記識別情報の動的表示が予め定めた表示結果を現出した場合に遊技者に所定の遊技価値を付与するものであり、遊技者によって前記制御手段に情報を入力する入力手段を備え、前記制御手段は、その入力手段によって入力される情報に前記識別情報の動的表示を従動させる従動手段を備えている。
【0007】
【発明の効果】本発明の遊技機によれば、遊技者の入力操作によって入力手段から制御手段に情報が入力された場合に、その入力される情報に識別情報の動的表示を従動させる従動手段を備えているので、従動手段によって従動させられる動的表示に遊技者の入力操作が反映され、識別情報の動的表示を操作する遊技性が遊技者に付与される。よって、遊技者の入力操作が反映された動的表示の表示結果には、遊技者自身が直接的に関与した気分を持たせることができ、遊技者の遊技への参加意識を高めることができるという効果がある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0009】
図1は、本発明の第1実施例におけるパチンコ機1の正面図である。パチンコ機1の前面には前面枠2が配設されており、その略中央部分には略矩形状の開口2aが穿設され、かかる開口2aの内周には金枠3が周設されている。この金枠3の内側の上方には、2枚のガラス板が装着されたガラス扉枠4が開閉可能に配設されており、ガラス扉枠4の後方に遊技盤5が配置されている。
【0010】
遊技盤5の前面には略円弧状の外レール6が植立され、その外レール6の内側位置には円弧状の内レール7が植立されている。この内レール7と外レール6とにより囲まれた遊技盤5の前面には、球が打ち込まれる遊技領域8が形成されており、その遊技領域8の周囲には、1の球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の入賞口9が配設されている。遊技領域8の略中央部分には、複数種類の識別情報としての図柄などを変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)10を備えた可変表示装置11が配設されている。なお、LCD10に代えて、例えば、リール等を用いて可変表示装置を構成するようにしても良い。
【0011】
可変表示装置11の下方には、図柄作動口(第1種始動口)12が配設されている。この図柄作動口12へ球が入賞すると、第1種始動口スイッチ24(図2参照)がオンして、上述したLCD10で変動表示が開始されると共に、5個の球が賞球として払い出される。また、図柄作動口12の下方には可変入賞装置13が配設されており、その略中央部分に特定入賞口(大入賞口)13aが設けられている。この特定入賞口13aは、LCD10の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に大当たりとなって、球が入賞し易いように所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が所定個数10個入賞するまで)開放される入賞口である。
【0012】
ここで、LCD10に表示される図柄について説明する。LCD10の表示領域は、上段10a、中段10b、下段10cの3段で構成され、各段ごとに左図柄、中図柄、右図柄の3個の図柄が表示され、右から左へ水平方向に図柄がスクロールして変動表示が行われる。LCD10の変動表示を制御する表示用制御基板Dは、図柄作動口12への球の入賞を検知したときに上段10a、中段10b、下段10cのそれぞれに表示される一連の図柄(図柄リール)を変動表示させる。図柄リールは、数字で構成された主図柄と、「○」の印からなる副図柄とにより構成されており、周期性を持って主図柄と副図柄とが右から左へと変動表示される。
【0013】
図柄リールを構成する図柄の表示順序は、中段10b、及び、下段10cにおいては、主図柄としての数字が「1」から「9」まで昇順となっており、数字「9」で示す主図柄の後には、数字「1」で示す主図柄に戻る順序となっている。また、隣り合う主図柄の間には、副図柄としての「○」の印が1つずつ配列されている。一方、上段10aにおいても、同様の図柄リールが表示されるが、主図柄の表示順序は昇順ではなく降順である。そして、上段10a、下段10c、中段10bの順に図柄リールの変動が停止して変動後の表示結果を現出したとき、各段10a〜10cに主図柄が縦方向又は斜め方向に3つ並んで停止した場合に大当たりとなる。つまり、主図柄が3つ並んで停止した図柄の組み合わせが、大当たりとなる予め定められた図柄の組み合わせである。
【0014】
この特定入賞口13a内には、Vゾーン13bが設けられており、特定入賞口13aの開放中に、球がVゾーン13bを通過すると、継続権が成立して、特定入賞口13aの閉鎖後、再度、その特定入賞口13aが所定時間開放される。この特定入賞口13aの開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)である。
【0015】
尚、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD10の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0016】
かかる可変入賞装置13の下方であって、遊技領域8の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった球を遊技領域8外へ排出するためのアウト口14が形成されている。
【0017】
アウト口14の下方、即ちガラス扉枠4の下方には、金枠3に開閉可能に取着された前面扉板(腰板)15が配設されている。この前面扉板15の前面(図1の紙面垂直方向手前側)には、球を貯留すると共に球発射装置(図示せず)へ球を供給するための上皿16が配設されている。
【0018】
上皿16の正面視略中央部には、前面側(図1の紙面垂直方向手前側)に突出して形成されたトラックボール装置19が設けられている。トラックボール装置19は、LCD10に表示される図柄を遊技者によって操作させるための操作装置であり、球状の回転体(トラックボール)19aがその上部を上方に露出して支持されている。このトラックボール19aが遊技者によって回動操作されると、トラックボール19aの回動量及び回動方向は、トラックボール装置19に内蔵されたボール回動検出器20に検出され、その回動量及び回動方向を示す信号情報が図柄の変動表示を制御する表示用制御基板Dに入力される。表示用制御基板Dは、後述する特別演出フラグ33cがオンである場合に、ボール回動検出器20から送信される信号情報に基づいてLCD10の中段10bに表示される図柄リールを加速(又は減速)してスクロールさせるので、遊技者には、トラックボール装置19を介して中段10bの図柄リールを操作する遊技性を提供することができる。
【0019】
なお、図柄を操作させるための操作装置は、必ずしもトラックボール装置に限定されるものでなく、棒状のレバーを揺動自在に配置し、その揺動方向及びその揺動量に応じた信号情報を出力する所謂ジョイスティックであっても良く、1以上の押しボタンを配置しその操作に応じてオンオフの信号情報を出力する装置であっても良い。
【0020】
上皿16の下方であって、前面枠2の下側部分には上皿16に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿17が配設されている。下皿17の右側には、球を遊技領域8へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル18が配設され、かかる操作ハンドル18の内部には球発射装置の発射用モータを駆動させるためのハンドルスイッチ18aが内蔵されている。操作ハンドル18が遊技者によって右回りに回動操作されると、ハンドルスイッチ18aがオンされると共に図示しない発射用モータが駆動され、遊技領域8へ球が打ち込まれる。
【0021】
図2は、パチンコ機1の電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機1の主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21が搭載されている。このMPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。図3に示す第1テーブル22a及び第2テーブル22bは固定値データの一部としてROM22に記憶されており、これら各テーブルの詳細については図3を参照して後述する。また、図4から図7に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。
【0022】
RAM23は、保留球カウンタ23aと、内部乱数カウンタ23bと、リーチ乱数カウンタ23cと、大当たり図柄カウンタ23dと、ハズレ図柄カウンタ23eと、変動パターンカウンタ23fと、演出実行エリア23gと、演出実行1〜4メモリ23h〜23kと、カウンタ用バッファ23lと、バックアップエリア23mとを備えている。また、RAM23には、パチンコ機1の電源のオフ後においても、電源基板50からバックアップ電圧が供給されており、データを保持(バックアップ)できるように構成されている。
【0023】
保留球カウンタ23aは、実行待機中の当否演出の回数を記憶するカウンタである。保留球カウンタ23aの値は、LCD10で変動表示が行われていない場合または変動表示が行われているが待機中の変動表示がない場合には「0」、待機中の変動表示が1回の場合には「1」、・・・、待機中の変動表示が4回の場合には「4」となる。本実施例のパチンコ機Pでは、変動表示の最大待機回数は4回であるので、保留球カウンタ23aの値は「0」から「4」の範囲で変化する。保留球カウンタ23aの値のカウントアップは、図柄作動口12へ入賞した球が第1種始動口スイッチ24で検出された場合に行われ(図6、S33参照)、カウントダウンは、変動表示の開始時に行われる(図6、S38参照)。
【0024】
内部乱数カウンタ23bは、大当たりの発生を決定するためのカウンタであり、後述するカウンタ更新処理(図5、S23参照)によって、「0〜599」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり599に)に達した後に再び「0」に戻される。この内部乱数カウンタ23bの値は、パチンコ機1の遊技領域8に打ち込まれた球が図柄作動口12へ入賞して後述する第1種始動口スイッチ24で検出されたとき(始動入賞時)に取得され、このとき取得された内部乱数カウンタ23bの値が「7」または「307」であった場合に大当たりの発生が確定する。大当たりの発生が確定すると、主制御基板Cから後述する表示用制御基板Dへ大当たりとなる図柄の組み合わせ(大当たり図柄)を示す停止図柄コマンドが送信され、表示用制御基板Dは、その停止図柄コマンドに基づいてLCD10の変動後の表示結果を大当たりとなる図柄の組み合わせとする。
【0025】
リーチ乱数カウンタ23cは、ハズレリーチの発生を決定するためのカウンタである。変動表示の途中でリーチ表示を現出させてからハズレとなるハズレリーチとするか、リーチ表示を現出させない通常のハズレとするかは、リーチ乱数カウンタ23cの値に基づいて決定される。リーチ乱数カウンタ23cの値は、後述するカウンタ更新処理(図5、S23参照)によって、「0〜11」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり11)に達した後に再び「0」に戻される。
【0026】
このリーチ乱数カウンタ23cの値は、前記した内部乱数カウンタ23bの値と同様に始動入賞時に取得され、前記した内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、且つ、取得されたリーチ乱数カウンタ23cの値が「7」である場合にハズレリーチの発生が確定する。このハズレリーチの発生時には、後述するカウンタ用バッファ23lに記憶されるハズレリーチ図柄(ハズレリーチを構成する図柄の組み合わせ)が停止図柄コマンドに設定され(図7、S55参照)、そのハズレリーチ図柄が変動後の表示結果として現出する。なお、始動入賞時に取得されたリーチ乱数カウンタ23cの値は、前記した内部乱数カウンタ23bの値と共に、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに書き込まれて記憶される(図6、S35参照)。
【0027】
ここで、リーチ表示とは、LCD10において図柄の変動表示が開始された後、先に停留する上下段10a,10cの表示領域に表示される図柄の組み合わせが大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている中段10bの表示領域の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆する表示である。
【0028】
大当たり図柄カウンタ23dは、大当たりのときにLCD10に停止表示される大当たり図柄(特別図柄)を決定するためのカウンタである。この大当たり図柄カウンタ23dは、後述するカウンタ更新処理(図5、S23参照)によって、「0〜44」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり44)に達した後に再び「0」に戻される。この大当たり図柄カウンタ23dの値は、前記した内部乱数カウンタ23b及びリーチ乱数カウンタ23cと共に始動入賞時に取得され、同時に取得された内部乱数カウンタ23bの値に基づいて大当たりの発生が確定すると、その大当たりを発生させる変動表示に対して停止表示される大当たり図柄が、大当たり図柄カウンタ23dの値に基づいて決定される。具体的には、この決定は、演出実行1〜4メモリ23h〜23kに同時に格納される大当たり図柄カウンタ23dの値に対応した図柄の組み合わせ(大当たり図柄)を示す値を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタ23dの値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、停止図柄コマンドに設定することにより行われる(図7、S52参照)。
【0029】
ハズレ図柄カウンタ23eは、ハズレ時にLCD10に停止表示される図柄の組み合わせ(ハズレ図柄)を決定するためのカウンタである。このハズレ図柄カウンタ23eは、各カウンタがLCD10の上段10a、中段10b、下段10cに表示される図柄(図1参照)に対応づけられた3つの図柄カウンタで構成されている。ハズレ図柄カウンタ23eは、後述するハズレ図柄カウンタ更新処理(図5、S25参照)によって「0」から図柄リールを構成する図柄の数まで1ずつ加算されて更新され、最大値に達した後に再び「0」に戻される。また、下段10cの図柄カウンタが最大値に達した場合に中段10bの図柄カウンタが1加算されて更新され、中段10bの図柄カウンタが最大値に達した場合に上段10aの図柄カウンタが1加算されるようになっている。前記した内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、且つ、リーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合における変動表示の停止図柄は、ハズレ図柄カウンタ23eの値に従ってLCD10に表示されるものであり、ハズレ図柄カウンタ23eの値が停止図柄コマンドに設定することにより行われる(図7、S57参照)。
【0030】
変動パターンカウンタ23fは、LCD10の上段10a、中段10b、下段10cを変動表示させるパターン(変動パターン)の決定に使用するカウンタであり、本実施例では「0〜99」まで順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり99)に達した後再び「0」に戻される。この変動パターンカウンタ23fの値は、変動表示の開始時に実行される表示コマンド決定処理(図6、S41参照)において参照される場合があり、この場合には、参照された変動パターンカウンタ23fの値に応じたデータ(パターン)が第1,第2テーブル22a,22bのうちいずれか1つから読み出され、表示用制御基板Dに送信される変動パターンコマンドとして設定される(図7、S53及びS56参照)。
【0031】
演出実行エリア23gは、LCD10で実行中の変動表示に対する内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの値を変動表示のデータ(変動表示情報)として記憶するためのエリアである。この演出実行エリア23gには、LCD10で変動表示が実行中でなく、且つ、保留球カウンタ23aの値が「1」以上で待機中の変動表示がある場合に、待機中の変動表示のうち最初に書き込みが行われた演出実行1メモリ23hに記憶されている変動表示のデータが書き込まれる(図6、S39参照)。
【0032】
演出実行1〜4メモリ23h〜23kは、待機中の変動表示に対する内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの値を変動表示のデータとして記憶するメモリである。この演出実行1〜4メモリ23h〜23kへの変動表示のデータの書き込みは、始動入賞時に実行される。また、本実施例における変動表示の最大待機回数は4回であるので、4つの演出実行1〜4メモリ23h〜23kが設けられている。これら4つの演出実行1〜4メモリ23h〜23kに待機中のデータがある場合には、1回の変動表示毎に1つずつ演出実行エリア23gにデータが書き込まれて使用される。
【0033】
また、演出実行1〜4メモリ23h〜23kへの変動表示のデータの書き込みは、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに対して行われる。即ち、保留球カウンタ23aの値が「1」の場合には演出実行1メモリ23hへ、保留球カウンタ23aの値が「2」の場合には演出実行2メモリ23iへ、・・・、保留球カウンタ23aの値が「4」の場合には演出実行4メモリ23kへ変動表示のデータが書き込まれる(図6、S35参照)。
【0034】
なお、演出実行1〜4メモリ23h〜23kに記憶する変動表示のデータとしては、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの値をそのまま使用しても、これらカウンタ23b〜23eの値に対応づけて変換した別の値や文字等を使用しても良い。
【0035】
カウンタ用バッファ23lは、更新中のカウンタ値を一時的に記憶するための領域であり、上記した各カウンタ23b〜23fの値は、更新される毎にカウンタ用バッファ23lに書き込まれて記憶される。また、後述するハズレ図柄カウンタ更新処理(図5、S25参照)によってハズレ図柄カウンタ23eの値が更新された場合に、ハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値(カウント値)となったとき、そのカウント値をハズレリーチの発生時に使用する値として記憶する。具体的には、ハズレ図柄カウンタ23eを構成する上段10aの図柄カウンタと下段10cの図柄カウンタとが1のライン上に同一図柄を停止表示させるカウント値の組み合わせとなり、且つ、その図柄とは異なる図柄を中段10bの図柄カウンタが示している場合(例えば、上段、中段、下段の図柄の組み合わせが「767」や「151」などとなっている場合)に、ハズレ図柄カウンタ23eのカウント値がハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値としてカウンタ用バッファ23lに記憶される。
【0036】
バックアップエリア23mは、停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パチンコ機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるため、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア23mへの書き込みは、NMI割込処理(図4参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア23mに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下、同様)にメイン処理(図5参照)において実行される。なお、MPU21のNMI(Non Maskable Interrupt)端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路50bから出力される停電信号51が入力されるように構成されており、停電の発生により、図4の停電時処理(NMI割込処理)が即座に実行される。
【0037】
かかるROM22およびRAM23を内蔵したMPU21は入出力ポート25と接続されており、入出力ポート25は、電源基板50に設けられたクリアスイッチ50cと、払出モータ26によって賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板Hと、前記した図柄の変動表示等の制御を行う表示用制御基板Dと、第1種始動口スイッチ24と、そのほか、他の入出力装置29とにそれぞれ接続されている。
【0038】
表示用制御基板Dは、MPU31、ビデオRAM34、キャラクタROM35、画像コントローラ36、入力ポート39、出力ポート37等を備えている。入力ポート39の一方には主制御基板Cの入出力ポート25と、ボール回動検出器20と、音声ランプ制御基板Lとが接続され、入力ポート39の他方には、バスラインを介してMPU31が接続されている。また、出力ポート37の入力には画像コントローラ36が接続され、出力ポート37の出力にはLCD10が接続されている。
【0039】
表示用制御基板DのMPU31は、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、LCD10の(変動)表示を制御するためのものであり、ROM32とRAM33とを備えている。ROM32には、MPU31により実行される各種の制御プログラムや固定値データが記憶されている。図8及び図9に示すフローチャートのプログラムは制御プログラムの一部としてROM32に記憶されている。
【0040】
RAM33は、MPU31による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグが記憶されるメモリであり、演出実行エリア33aと、入力表示フラグ33bと、特別演出フラグ33cと、前回操作フラグ33dと、再変動演出フラグ33eとを備えている。
【0041】
演出実行エリア33aは、主制御基板Cから送信される表示コマンドを受信した場合に、その表示コマンドに付加される変動パターン及び停止図柄に関するデータを記憶するためのものである。表示用制御基板Dが表示コマンドを受信すると、その表示コマンドに付加される変動パターン及び停止図柄に関するデータが演出実行エリア33aに書き込まれ(図8、S62参照)、その書き込まれたデータに従って変動表示が行われる。
【0042】
入力表示フラグ33bは、LCD10に「ボールを回せ!」の表示を現出させるためのフラグである。この入力表示フラグ33bは、主制御基板Cから表示コマンドを受信した場合に、トラックボール19aを操作してLCD10の中段10bに表示される図柄リールのスクロール速度を変化可能な変速期間が設定された変動表示の開始時にオンされる(図8、S65参照)。この入力表示フラグ33bがオンであって、変動表示にリーチ表示が現出した場合、表示用制御基板Dは、LCD10に「ボールを回せ!」の表示をする(図8、S74参照)。LCD10に「ボールを回せ!」の表示がされてから(リーチ表示が現出してから)、3秒経過前にボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出した場合(図8、S75:Yes)、或いは、LCD10に「ボールを回せ!」の表示がされてから3秒経過してもボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出しなければ(図8、S76:Yes)、「ボールを回せ!」の表示が消去され、入力表示フラグ33bはオフされる(図8、S80参照)。
【0043】
特別演出フラグ33cは、図柄のスクロール速度を変化可能な変速期間中であることを示すフラグである。この特別演出フラグ33cは、LCD10に「ボールを回せ!」の表示がされている間にボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出した場合に(図8、S75:Yes)、オンされる。この特別演出フラグ33cがオンである場合には、演出実行処理(図9参照)によってトラックボール19aの回動がボール回動検出器20に検出されると、そのボール回動検出器20に検出されたトラックボールの回動方向及び回動量に従って、中段10bに表示される図柄リールが加速又は減速して表示される(図9、S103参照)。また、特別演出フラグ33cは、そのオン時に中段10bの図柄リールを停止するタイミングとなった場合にオフされる(図9、S109参照)。この中段10bの図柄リールを停止するタイミングは、変動開始からの経過時間を計時することによって行われ、主制御基板Cから送信された表示コマンドに付加される変動パターンのデータ毎に異なった所定時間が経過した場合に中段10bの図柄リールが停止される。
【0044】
前回操作フラグ33dは、前回に変速期間が設定された変動表示に対し遊技者がトラックボール19aを操作して図柄リールのスクロール速度を変化させたか否かを示すフラグである。この前回操作フラグ33dは、LCD10に「ボールを回せ!」の表示がされている間にボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出した場合に(図8、S75:Yes)、オンされる。一方、LCD10に「ボールを回せ!」の表示がされてから3秒経過してもボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出しない場合に(図8、S76:Yes)、オフされる。表示用制御基板Dは、前回操作フラグ33dがオンであるか否かに対応させて変速期間の設定条件を変更する(図8、S63参照)。
【0045】
再変動演出フラグ33eは、変速期間が設定された変動表示に対して再変動演出を実行させるか否かを示すフラグである。再変動演出は、中段10bの図柄リールが一旦停止した後、その図柄リールが高速にスクロールして、大当たりを示す図柄の組み合わせで停止する演出である。再変動演出フラグ33eがオンである場合には、演出実行処理として再変動演出を実行する再変動演出実行処理を行って大当たりを発生させると共に、大当たりの発生後に再変動演出実行処理の一部として再変動演出フラグ33eはオフされる。かかる再変動演出フラグ33eは、中段10bの図柄リールが停止するタイミングにおいて、演出実行エリア33aに記憶されたデータの示す中段10bの停止図柄がリーチ図柄(上下段10a,10cの停止図柄)と同一であり、且つ、中段10bの図柄停止領域に表示される図柄が、リーチ図柄から2図柄分以上ずれている(偏倚している)場合にオンされる。
【0046】
ビデオRAM34は、LCD10に表示される表示データが記憶されるメモリであり、このビデオRAM34の内容を書き換えることにより、LCD10の表示内容が変更される。キャラクタROM35は、LCD10に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ36は、MPU31、ビデオRAM34、出力ポート37のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM34に記憶される表示データをキャラクタROM35を参照して所定のタイミングでLCD10に表示させるものである。
【0047】
音声ランプ制御基板Lは、スピーカ27から出力される効果音の音声制御とLEDや各種ランプ28の点灯制御を行うものである。音声ランプ制御基板Lは、表示用制御基板Dから送信されるコマンドによって制御されるものであり、表示用制御基板Dによって制御されるLCD10と、音声ランプ制御基板Lによって制御されるスピーカ27と各種ランプ28等とが同期して各種演出等が実行される。
【0048】
ボール回動検出器20は、トラックボール19aの回動に連動する円盤状に形成されると共にその外周面に多数の穴が設けられたスリット板や、そのスリット板に設けられた穴に向けて光を発光しその穴から通過した光を受光する発光受光素子などによって構成された所謂エンコーダによって構成されている。トラックボール19aが回動されると、その回動方向及び回動量に従ったパルス信号が信号情報として表示用制御基板DのMPU31に入力される。特別演出フラグ33cがオンである変速期間中には、そのボール回動検出器20から出力されるパルス信号に応じてLCD10の中段10bの図柄リールが加速又は減速して表示される。
【0049】
第1種始動口スイッチ24は、図柄作動口(第1種始動口)12に入賞した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口12の近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ24によって球が検出されると、図示しない払出装置によって5個の賞球が払い出される。また、第1種始動口スイッチ24によって球が検出された場合には、内部乱数カウンタ23b等の値が取得され、その取得された値に従った変動表示が実行される。
【0050】
電源基板50は、パチンコ機1の各部に電力を供給するための電源部50aと、停電監視回路50bと、クリアスイッチ50cとを備えている。停電監視回路50bは、停電等の発生による電源断時に、主制御基板CのMPU21のNMI端子へ停電信号51を出力するための回路である。停電監視回路50bは、電源部50aから出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号51を主制御基板C及び払出制御基板Hへ出力するように構成されている。この停電信号51の出力によって、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電の発生を認識し、停電時処理(主制御基板Cの場合は図4のNMI割込処理)を実行する。なお、電源部50aは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電時処理を正常に実行することができるのである。
【0051】
クリアスイッチ50cは、主制御基板CのRAM23および払出制御基板HのRAM(図示せず)にバックアップされるデータをクリアするためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ50cが押下された状態でパチンコ機1の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御基板Cおよび払出制御基板Hによって、それぞれのRAM23のデータがクリアされる。
【0052】
次に、図3を参照して、変動パターンカウンタ23fの値に応じたデータ(パターン)が設定された第1,第2テーブル22a,22bについて説明する。図3は、変動パターンの設定に使用する第1,第2テーブル22a,22bの構成を模式的に示した図である。
【0053】
各テーブル22a,22bには、変動パターンとして「パターンB」から「パターンF」までの5種類の変動パターンが設定されている。この5種類の変動パターンの他に、リーチ表示を伴わないハズレの変動表示に対する変動パターンとして「パターンA」が設定され、パチンコ機1には、計6種類の変動パターンが設定されている。
【0054】
各パターンについて順に説明すると、「パターンA」は、リーチ表示を伴わないハズレ図柄を表示するパターンであり、変動表示の開始後、7秒後に上段10aの図柄リールの変動を停止し、8秒後に下段10cの図柄リールの変動を停止し、9秒後に中段10bの図柄リールの変動を停止する。
【0055】
「パターンB」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、変動表示の開始後、7秒後に上段10aの図柄リールの変動を停止し、8秒後に下段10cの図柄リールの変動を停止してリーチ表示を現出させ、その後中段10bの図柄リールを特別な変化を加えることなく低速度で7秒間(即ち、変動開始後15秒経過するまで)スクロールさせて停止する。
【0056】
「パターンC」は、いわゆるスーパーリーチのパターンであり、パターンBにおける中段10bの図柄リールを停止するタイミングでこの中段10bの図柄リールを停止することなく高速度で更に5秒間(即ち、変動開始後20秒経過するまで)変動表示した後に停止するパターンとして設定されている。また、表示用制御基板Dに設けられた前回操作フラグ33dがオンである場合に(図8、S63:Yes)、「パターンC」が設定されると、入力表示フラグ33bがオンされ(図8、S65参照)、リーチ表示の現出後にLCD10に「ボールを回せ!」の表示が行われる。その表示中にトラックボール19aが操作されると、中段10bの図柄リールのスクロール速度を変化可能な変速期間が変動の開始後20秒経過するまで行われ、遊技者によって図柄リールを操作可能な特別演出が実行される。
【0057】
「パターンD」は、いわゆるスペシャルリーチのパターンであり、「パターンC」の中段10bの図柄リールを停止するタイミングでこの中段10bの図柄リールを停止することなく低速度で更に10秒間(即ち、変動開始後30秒経過するまで)変動表示した後に大当たり図柄または大当たり図柄の前後の図柄で停止するパターンとして設定されている。また、表示用制御基板Dに設けられた前回操作フラグ33dがオフである場合に(図8、S63:No)、「パターンD」が設定されると、入力表示フラグ33bがオンされ(図8、S65参照)、LCD10に「ボールを回せ!」の表示が行われる。その表示中にトラックボール19aが操作されると遊技者によって図柄リールを操作可能な変速期間が変動開始後30秒経過するまで行われる。なお、スーパーリーチやスペシャルリーチでは、単に上段10a、中段10b、下段10cの各図柄を変動表示するだけでなく、リーチ用アニメの表示などが行われる。
【0058】
「パターンE」は、いわゆるプレミアムリーチのパターンであり、ハズレリーチ時の変動パターンを設定するための第2テーブル22bには設定されず、大当たり時の変動パターンの設定に使用する第1テーブル22aにのみ設定されている。つまり、「パターンE」が設定された変動表示は、100%大当りになるものである。本実施例においては、変動表示の開始後、7秒後に上段10aの図柄リールの変動を停止し、8秒後に下段10cの図柄リールの変動を停止し、その後8秒かけて中段10bにスクロール中の主図柄を徐々に巨大化し、更にその巨大化した図柄を10秒間コマ送りした後に大当たり図柄を表示させる。
【0059】
「パターンF」は、ハズレリーチにのみ設定される変動パターンであり、「パターンE」のプレミアムリーチと同一の態様で変動表示が進行した後、そのプレミアムリーチが表示結果を現出するタイミングより早いタイミングでハズレの図柄の組み合わせを表示するハズレリーチの1パターン(プレミアムハズレリーチ)である。この「パターンF」は、変動表示の開始後、7秒後に上段10aの図柄リールの変動を停止し、8秒後に下段10cの図柄リールの変動を停止し、その後6秒かけて中段10bにスクロール中の主図柄を徐々に巨大化した後、その1秒後に通常サイズに戻して変動を終了する。
【0060】
図3(a)は、大当たりを発生させる変動表示の変動パターンの設定に使用される第1テーブル22aの構成を模式的に示した図である。第1テーブル22aには、4種類の変動パターンが設定されており、その4種類の変動パターンのそれぞれに変動パターンカウンタ23fの値が対応している。具体的には「0〜99」の範囲内で更新される変動パターンカウンタ23fの値は、ノーマルリーチの「パターンB」に対して「0〜9」、スーパーリーチの「パターンC」に対して「10〜49」、スペシャルリーチの「パターンD」に対して「50〜94」、プレミアムリーチの「パターンE」に対して「95〜99」の4つの範囲に区分けされている。つまり、「パターンB」、「パターンC」、「パターンD」及び「パターンE」の変動パターンが10:40:45:5の比率に区分けされている。
【0061】
また、図3(b)は、ハズレリーチを発生させる変動表示の変動パターンの設定に使用される第2テーブル22bの構成を模式的に示した図であり、第1テーブル22aと同様に、4種類の変動パターンが設定され、その4種類の演出パターンのそれぞれに変動パターンカウンタ23fの値が対応している。具体的には、「0〜99」の範囲内で合計100個の値を取り得る変動パターンカウンタ23dの値は、ノーマルリーチの「パターンB」に対して「0〜49」、スーパーリーチの「パターンC」に対して「50〜84」、スペシャルリーチの「パターンD」に対して「85〜94」、ハズレリーチの1パターンである「パターンE」に対して「95〜99」の4つの範囲に区分けされている。つまり、「パターンB」、「パターンC」、「パターンD」及び「パターンF」の変動パターンが50:35:10:5の比率に区分けされている。
【0062】
変動パターンを設定するための第1,第2テーブル22a,22bに基づいて変動パターンが決定されると、各変動パターン毎に対応させた「B〜F」のデータが表示コマンドを構成する1つのコマンド(変動パターンコマンド)として表示用制御基板Dに出力される。表示用制御基板Dは、変動パターンコマンドを受信した場合に、各変動パターンのデータに対応して設定された時間分の演出を実行する。
【0063】
ここで、第1テーブル22aと、第2テーブル22bとを使用した場合における変動パターンの設定比率を比較すると、大当たり時の変動パターンの設定に使用する第1テーブル22aは、ハズレリーチ時の変動パターンの設定に使用する第2テーブル22bに対してノーマルリーチの「パターンB」が設定されやすい一方、スペシャルリーチの「パターンD」が設定されにくくなっている。即ち、スペシャルリーチになった場合には大当りになることが多く、ノーマルリーチになった場合にはハズレリーチになることが多い設定となっている。
【0064】
また、スーパーリーチの「パターンC」と、スペシャルリーチの「パターンD」との発生確率を比較すると、スーパーリーチの「パターンC」の方がスペシャルリーチより高確率で設定されるようになっている。即ち、変動表示に対して1/12の確率で発生するハズレリーチ時に使用される第2テーブル22bには、「パターンC」が「パターンD」の3.5倍の比率で設定される構成となっている。大当たり時に使用される第1テーブル22aは、1/300の確率で使用されるものであるため、「パターンC」が「パターンD」の約0.9倍の比率で設定される構成となっているものの、全体として見ると「パターンC」の方が「パターンD」の3倍以上の高確率で設定されるのである。
【0065】
また、本実施例のパチンコ機1においては、上述したように、変動表示の変動パターンが「パターンC」又は「パターンD」に設定された場合に、トラックボール19aを介して図柄リールを操作可能な変速期間が設定される。この「パターンC」(又は「パターンD」)の設定確率は、大当たりを発生させる変動表示に対して40%(「パターンD」においては45%)である一方、ハズレの変動表示に対して約3%(「パターンD」においては約1%)であり、大当たりを発生させる変動表示に「パターンC」(又は「パターンD」)は、10倍以上の高確率で設定される。このため、「パターンC」(又は「パターンD」)の設定により変速期間が設定される変動表示に大当たりが発生する確率(期待値)を、変速期間が設定されなかった場合に比して高めることができ、遊技者がトラックボール19aを操作して図柄リールのスクロール速度を変化させた後に大当たりを発生させ易くすることができる。よって、遊技者には図柄リールを操作して遊技者自身が大当たりを引き当てる遊技性を強調して提供することができる。
【0066】
次に、上記のように構成されたパチンコ機1で実行される各処理を、図4から図9の各フローチャートを参照して説明する。図4は、停電の発生等によるパチンコ機1の電源断時に、主制御基板Cで実行されるNMI割込処理のフローチャートである。このNMI割込処理により、停電の発生等による電源断時の主制御基板Cの状態がバックアップエリア23mに記憶される。
【0067】
停電の発生等によりパチンコ機1の電源が断されると、停電監視回路50bから停電信号51が主制御基板CのMPU21のNMI(Non Maskable Interrupt)端子へ出力される。すると、MPU21は、実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始する。停電信号51が出力された後所定時間は、主制御基板Cの処理が実行可能なように電源基板50の電源部50aから電力供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
【0068】
NMI割込処理では、まず、各レジスタおよびI/O等の値をスタックエリアへ書き込み(S1)、次に、スタックポインタの値をバックアップエリア23mへ書き込んで退避する(S2)。更に、停電発生情報をバックアップエリア23mへ書き込んで(S3)、停電の発生等による電源断時の状態を記憶する。その後、その他停電処理を実行した後(S4)、電源が完全に断して処理が実行できなくなるまで、処理をループする。
【0069】
図5は、パチンコ機1の主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。メイン処理では、バックアップが有効であれば、バックアップエリア54aに記憶された各データを元の状態に戻し、遊技の制御を電源が断される前の状態から続行する。一方、バックアップが有効でなかったり、或いは、バックアップが有効であっても電源入時にクリアスイッチ30cが押下された場合には、RAMクリア及び初期化処理(S18)を実行して、パチンコ機Pを初期化する。
【0070】
メイン処理では、まず、割込を禁止した後(S11)、スタックポインタを設定し(S12)、クリアスイッチ50cがオンされているか否かを確認する(S13)。クリアスイッチ50cがオンされていなければ(S13:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S14)。この確認は、RAM23の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。
【0071】
バックアップが有効であれば(S14:Yes)、バックアップエリア23mからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックポインタへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S15)。次に、スタックポインタの値を戻した後のスタックエリア、即ちバックアップエリア54aへ退避した各レジスタやI/O等のデータをそのバックアップエリア54aから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込み(S16)、その後、割込の状態を停電発生時に実行される図4の処理で記憶しておいた電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻し(S17)、NMI割込リターンを実行して処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0072】
一方、クリアスイッチ50cがオンされていたり(S13:Yes)、或いはバックアップが有効でなければ(S14:No)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S18)、RAM23及びI/O等の各値を初期化する。その後、タイマ割込等の各割込の設定を行って(S19)、割込が発生可能な状態にした上で、割込を許可する(S20)。
【0073】
割込の許可後は、S21からS26の各処理を所定時間毎(例えば、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。以下に、S21からS26の各処理を説明する。
【0074】
始動入賞変動開始処理(S21)では、球が図柄作動口(第1種始動口)12へ入賞したか否かを確認して変動表示の内容を設定すると共に、変動開始のタイミングであれば、変動表示を開始させる表示コマンドを表示用制御基板Dへ送信する。この始動入賞変動開始処理(S21)の詳細については、図7を参照して後述する。
【0075】
変動停止処理(S22)では、まず、大当たり中であるか否かを判定する。ここで、大当たり中には、大当たりの際にLCD10で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機1の各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当たり中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する。この処理は、各変動パターン毎に設定された時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了していれば、変動の停止と確認のために制御用コマンドの1つである確定コマンドを表示用制御基板Dへ出力し、この処理を終了する。表示用制御基板Dは、確定コマンドを入力すると、LCD10の変動表示を停止表示(確定)させる(図8、S92参照)。
【0076】
カウンタ更新処理(S23)では、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、変動パターンカウンタ23fの各カウンタの値を更新する。大当たり処理(S24)では、大当たりか否かを判定し、大当たりである場合には大入賞口(特定入賞口)13aの開放処理を行う。一方、大当たりでない場合には、該処理をスキップしてこの処理を終了する。大入賞口13aの開放処理では、球が入賞しやすいように大入賞口13aを所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放する。大入賞口13aの開放中に、球がVゾーン13bを通過すると、継続権を成立させて、大入賞口13aの閉鎖後、再度、その大入賞口13aを所定時間(又は、球が10個入賞するまで)開放する。この大入賞口13aの開閉動作を、最高で16回(16ラウンド)繰り返す。
【0077】
ハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)では、ハズレ図柄カウンタ23eの値を更新する。その後、次のS21の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間の間、ハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)を繰り返し実行する。S21〜S24の各処理は定期的に実行する必要があるので、S26の処理において、前回のS21の処理の実行からの経過時間をチェックする(S26)。チェックの結果、前回のS21の処理の実行から所定時間(例えば2ms)経過していれば(S26:Yes)、処理をS21へ移行する。一方、所定時間経過していなければ(S26:No)、処理をS25へ移行して、ハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)を繰り返す。ここで、S21〜S24の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のS21の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用してハズレ図柄カウンタ更新処理(S25)を繰り返し実行することにより、ハズレ図柄カウンタ23eの値をランダムに更新することができる。
【0078】
図6は、主制御基板Cのメイン処理(図5参照)の中で実行される始動入賞変動開始処理(S21)のフローチャートである。この始動入賞変動開始処理(S21)は、保留球カウンタ23aの値が「3」以下であって演出実行1〜4メモリ23h〜23kに変動表示のデータを記憶可能な状態である場合に第1種始動口スイッチ24が球を検出して始動入賞が成立したとき、その始動入賞時における内部乱数カウンタ23bなどの値を変動表示のデータとして取得し、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに記憶させる処理である。また、始動入賞変動開始処理(S21)は、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるとき、LCD10において変動表示が行われていなく、且つ、大当たり中でなければ保留球カウンタ23aの値を「1」減算して待機中の変動表示のデータを演出実行エリア23gに書き込んで変動表示を実行させ、一方、変動表示が行われていれば待機中の変動表示の実行を保留(待機)させる処理である。
【0079】
この始動入賞変動開始処理では、まず、第1種始動口スイッチ24が球を検出したか否かを確認する(S31)。第1種始動口スイッチ24が球を検出していれば(S31:Yes)、次に、保留球カウンタ23aの値が「4」以上であるか否かを確認する(S32)。保留球カウンタ23aの値が「4」未満であれば(S32:No)、変動表示のデータが待機回数分記憶されていないので、保留球カウンタ23aの値に「1」を加算する(S33)。その後、実行が保留されている変動表示の回数を示す保留ランプを1つ点灯させるコマンドを表示用制御基板Dへ送信し(S34)、更に、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの各値を変動表示のデータとして保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに書き込み(S35)、処理をS36へ移行する。
【0080】
一方、S31の処理において、第1種始動口スイッチ24が球を検出していなければ(S31:No)、始動入賞の成立時でなく、また、S32の処理において保留球カウンタ23aの値が「4」以上であれば(S32:Yes)、変動表示の待機回数分設けられた演出実行1〜4メモリ23h〜23kの全てに変動表示のデータが書き込まれているので、S33〜S35の処理をスキップして処理をS36へ移行する。
【0081】
S36からの処理では、まず、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるか否かを確認する(S36)。保留球カウンタ23aの値が「1」以上であれば(S36:Yes)、変動表示中か又は大当たり中(所定の遊技価値が付与される特別遊技状態中)であるか否かを確認する(S37)。確認の結果、変動表示中でなく且つ大当たり中でなければ(S37:No)、保留球カウンタ23aの値から「1」を減算して(S38)、演出実行1メモリ23hに記憶されている変動表示のデータを演出実行エリア23gに書き込む(S39)。
【0082】
次に、演出実行2〜4メモリ23i〜23kに記憶されている変動表示のデータを演出実行1〜3メモリ23h〜23jへそれぞれ1つずつシフトし(S40)、変動パターンと停止図柄とを設定する表示コマンド決定処理を行い(S41、図7参照)、その表示コマンド決定処理(S41)により決定された表示コマンドを表示用制御基板Dに送信して(S42)、この始動入賞変動開始処理(S21)を終了する。一方、S36の処理において保留球カウンタ23aの値が「1」未満、即ち、「0」であることが確認された場合(S36:No)、及び、S37の処理において変動表示中か又は大当たり中であることが確認された場合には(S37:Yes)、S38からS42の処理をスキップして始動入賞変動開始処理(S21)を終了する。
【0083】
図7は、図6に示す始動入賞変動開始処理(S21)の中で実行される表示コマンド決定処理(S41)のフローチャートである。表示コマンドは、主制御基板Cから表示用制御基板Dに送信されるものであり、LCD10の上段10a、中段10b、下段10cの図柄リールを水平方向に変動表示させた後の停止時の図柄を指定するための停止図柄コマンドと、変動表示の変動パターンを指定するための変動パターンコマンドとから構成されている。表示コマンド決定処理(S41)では、始動入賞時に取得された変動表示のデータに基づいて、表示コマンドを構成する停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを決定する。
【0084】
この表示コマンド決定処理(S41)では、まず、演出実行エリア23gに記憶された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であるか否かを確認する(S51)。その値が大当たりを発生させる値であれば(S51:Yes)、演出実行エリア23gに記憶された大当たり図柄カウンタ23dの値に対応した図柄の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定し(S52)、更に、変動パターンカウンタ23fの値が示すデータ(パターン)を第1テーブル22aから読み出して変動パターンコマンドに設定し(S53)、この表示コマンド決定処理(S41)を終了する。
【0085】
S51の処理において内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でない場合には(S51:No)、演出実行エリア23gに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値であるか確認する(S54)。その値がハズレリーチを発生させる値であれば(S54:Yes)、カウンタ用バッファ23lに記憶されたハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定し(S55)、更に、変動パターンカウンタ23fの値が示すデータ(パターン)を第2テーブル22bから読み出して変動パターンコマンドに設定し(S56)、この表示コマンド決定処理(S41)を終了する。
【0086】
S54の処理において演出実行エリア23gに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合には(S54:No)、演出実行エリア23gに記憶されたハズレ図柄カウンタ23eの値を停止図柄コマンドに設定し(S57)、更にリーチ表示を伴わないハズレの変動表示である「パターンA」の変動パターンを示す「A」のデータを変動パターンコマンドのデータとして設定して(S58)、この表示コマンド決定処理(S41)を終了する。
【0087】
図8は、表示用制御基板Dで実行される演出設定実行処理のフローチャートである。この演出設定実行処理は、表示用制御基板Dにおいて所定時間毎(例えば2ms毎)に繰り返して実行される処理である。かかる演出設定実行処理は、主制御基板Cから送信される変動パターンのデータに基づいて、LCD10の中段10bに表示される図柄リールのスクロール速度をトラックボール19aに連動させて変化させる変速期間を設定し、その変速期間中にはトラックボール19aの操作量及び操作方向を検出して中段10bの図柄リールのスクロール速度を変化させるための処理である。
【0088】
この演出設定実行処理では、まず、主制御基板Cから表示コマンドを受信したかタイミングか否かを確認する(S61)。表示コマンドを受信していれば(S61:Yes)、表示コマンドに付加された変動パターン及び停止図柄に関するデータを演出実行エリア33aに書き込み、図柄の変動表示を開始する(S62)。その後、前回操作フラグ33dがオンであるか否かを確認する(S63)。前回操作フラグ33dがオンでなければ(S63:No)、演出実行エリア33aに記憶された変動パターンのデータがスペシャルリーチを示す「D」であるか否かを確認する(S64)。その変動パターンのデータが「D」であれば(S64:Yes)、入力表示フラグ33bをオンして(S65)、処理をS71に移行する。一方、S64の処理において変動パターンのデータが「D」でなければ(S64:No)、入力表示フラグ33bをオンすることなく、処理をS71に移行する。
【0089】
S63の処理において前回操作フラグ33dがオンであれば(S63:Yes)、演出実行エリア33aに記憶された変動パターンのデータがスーパーリーチを示す「C」であるか否かを確認する(S66)。その変動パターンのデータが「C」であれば(S66:Yes)、入力表示フラグ33bをオンして(S65)、処理をS71に移行する。一方、S66の処理において変動パターンのデータが「C」でなければ(S66:No)、入力表示フラグ33bをオンすることなく、処理をS71に移行する。
【0090】
ここで、入力表示フラグ33bがオンされた場合には、トラックボール19aを操作して図柄リールのスクロール速度を変化させる変速期間が設定されるが、この設定は、変動パターンのデータが「C」(スーパーリーチ)又は「D」(スペシャルリーチ)の場合に限定して行われる。変動パターンがスーパーリーチ又はスペシャルリーチとなるのは、大当たりか、又は、ハズレリーチを発生させる抽選に当選し、更に主制御基板Cの表示コマンド決定処理(図7参照)によって変動パターンカウンタ23fに基づく決定における抽選に当選した場合にのみ設定される。よって、遊技者には、変速期間の設定が行われる変動表示を稀少なものとすることができ、飽き難い遊技性を付与することができる。
【0091】
また、S63の処理において前回操作フラグ33dがオンであるか否かに基づいて入力表示フラグ33bをオンさせるための条件とする変動パターンのデータが「C」(スーパーリーチ)又は「D」(スペシャルリーチ)のいずれかとされる。よって、前回の変速期間の設定時にトラックボール19aを操作した遊技者と、その操作をしなかった遊技者とのそれぞれに対して別々の確率で変動表示に変速期間を設定することができる。
【0092】
本実施例においては、前回操作フラグ33dがオンである場合には、スーパーリーチであるときに変速期間が設定されるが、スーパーリーチが設定される確率は、スペシャルリーチが設定される確率よりも高いので、積極的にトラックボール19aを操作する遊技者には、より頻繁にトラックボール19aを操作する機会を提供することができる。この前回操作フラグ33dがオンであるか否かに基づいた入力表示フラグ33bをオンする条件は、必ずしもスーパーリーチとスペシャルリーチとで行う必要はない。前回の変速期間の設定時にトラックボール19aが操作されて前回操作フラグ33dがオンであれば、プレミアムリーチを設定して変速期間が設定されると大当たりが確実に発生する遊技性としても良い。
【0093】
なお、S61の処理において主制御基板Cから表示コマンドを受信したタイミングでないことが確認された場合(S61:No)、変動表示中か、或いは、表示コマンドの受信を待機中の状態であるため、変動表示を開始させるためのS62〜S65の処理をスキップして処理をS71に移行する。
【0094】
S71の処理では、変動表示中であるか確認し(S71)、変動表示中でなければ(S71:No)、LCD10の表示領域に機種名やキャラクタなどのデモ画面を表示させるなど、他の処理を行って(S93)、演出設定実行処理を終了する。一方、S71の処理において変動表示中であることが確認された場合には(S71:Yes)、入力表示フラグ33bがオンか確認する(S72)。入力表示フラグ33bがオンであれば(S72:Yes)、更に変動表示にリーチ表示が現出中か確認する(S73)。リーチ表示が現出中でない場合には(S73:No)、入力表示フラグ33bがオンであってLCD10に「ボールを回せ!」の表示をさせる変動表示の実行中であるものの、LCD10の上段10a及び下段10cの図柄が停止する前であるので、「ボールを回せ!」の表示を行わせる等のS74からS79の処理をスキップして処理をS90へ移行する。
【0095】
一方、入力表示フラグがオンであって(S72:Yes)、且つ、変動表示にリーチ表示が現出中である場合には(S73:Yes)、LCD10に「ボールを回せ!」の表示をして(S74)、トラックボール19aの操作が有効となっていることをLCD10を通して外部に告知する。
【0096】
その後、ボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出したか否かを確認し(S75)、その回動をボール回動検出器20が検出していなければ(S75:No)、変動表示にリーチ表示が現出した後に3秒経過したか確認する(S76)。リーチ表示の現出後に3秒が経過していれば(S76:Yes)、「ボールを回せ!」の表示をしたにも拘わらずボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出していない、即ち、遊技者によってトラックボール19aの操作が行われていないので、前回操作フラグ33dをオフして(S77)、遊技者によるトラックボール19aの操作が行われなかったことを記憶する。更に、「ボールを回せ!」の表示を消去すると共に(S78)、入力表示フラグ33bをオフして(S79)、LCD10に変動表示を実行させる演出実行処理を行わせる(S90)。
【0097】
また、S75の処理において、ボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出した場合には(S75:Yes)、特別演出フラグ33cをオンして(S80)、図柄のスクロール速度を変化可能な変速期間を開始させ、更に前回操作フラグ33dをオンして(S81)、処理をS78に移行する。S72の処理において入力表示フラグ33bがオンでない場合(S72:No)、又は、S76の処理においてリーチ表示現出後に3秒経過する前であることが確認された場合には(S76:No)、その後の処理をスキップして処理を演出実行処理(S90)へ移行する。
【0098】
ここで、図9を参照して、演出実行処理(S90)について説明する。図9は、表示用制御基板Dの演出設定実行処理の中で実行される演出実行処理(S90)のフローチャートである。この演出設定実行処理(S90)では、まず、特別演出フラグ33cがオンであるか確認し(S101)、オンであれば(S101:Yes)、ボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出したか否かを確認する(S102)。その回動をボール回動検出器20が検出していれば(S102:Yes)、ボール回動検出器20に検出されたトラックボール19aの回動方向及び回動量に従ってLCD10の中段10bに表示される図柄リールを加速又は減速して表示する。一方、S102の処理においてボール回動検出器20がトラックボール19aの回動を検出していなければ(S102:No)、LCD10の中段10bに表示される図柄リールを一定速度で左方にスクロールして表示する(S104)。よって、遊技者には、トラックボール19aを左方又は右方に回動させることにより、中段10bの図柄リールに表示される図柄を上下段10a,10cにリーチ表示された図柄に一致するように操作させる遊技性を提供することができる。なお、S104の処理においては必ずしも図柄リールを一定速度で左方にスクロールさせる必要はなく、速度を変速させたり、移動方向を左右に変化させたりしても良い。
【0099】
S105の処理では、LCD10の中段10bの図柄リールの変動を停止するタイミングか確認する(S105)。その変動を停止するタイミングであれば(S105:Yes)、演出実行エリア33aに記憶されたデータの示す中段10bの停止図柄が、リーチ表示を構成する上下段10a,10cの停止図柄(リーチ図柄)と同一か確認し(S106)、それらが同一であれば(S106:Yes)、大当たりを発生させる変動表示であって、変動後の表示結果は大当たりを示す図柄の組み合わせとする必要がある。このため、中段10bの図柄停止領域に表示中の図柄が、リーチ図柄か又はその隣の図柄であるか確認し(S107)、中段10bの図柄停止領域に表示中の図柄が、リーチ図柄でなく、又その隣の図柄でもないことが確認された場合(S107:No)、即ち、中段10bの図柄停止領域に表示される図柄がリーチ図柄から2図柄分以上ずれている場合には、再変動演出フラグ33eをオンし(S108)、再変動演出を実行して大当たりを示す図柄の組み合わせを表示させる設定とする。その後、特別演出フラグ33cをオフして(S109)、変動期間を終了させ、この演出実行処理(S90)を終了する。なお、変速期間中における中段10bの図柄停止領域は、リーチ表示を構成する上下段10a,10cのリーチ図柄の間に表示された矢印10dが指向した升目内の領域である(図10(b)参照)。
【0100】
また、S106の処理において、演出実行エリア33aに記憶されたデータの示す中段10bの停止図柄が、リーチ図柄と異なっている場合には(S106:No)、ハズレリーチを発生させる変動表示であるので、変動後の表示結果は、ハズレリーチを示す図柄の組み合わせとする必要がある。このため、中段10bの図柄停止領域に表示中の図柄が、リーチ図柄と同一か確認し(S110)、それらが同一であれば(S110:Yes)、演出実行エリア33aに記憶された中段10bの停止図柄のデータを、リーチ図柄に対して右隣りに位置する図柄のデータに書き換える(S111)。
【0101】
ここで、例えば、主制御基板Cから停止図柄コマンドで指示された図柄の組み合わせが「717」であるとき、遊技者が中段10bの図柄リールを操作して中段10bの図柄停止領域に「7」を表示させていたとしても、S111の処理による停止図柄の変更を行わなければ、中段10bの図柄停止領域には「1」の図柄を表示させる必要がある。しかし、「1」の図柄と「7」の図柄とは、10図柄分(「○」で表示される副図柄を含む)ずれた位置に配置されており、遊技者の操作によって表示された「7」の図柄を無効にして「1」の図柄を表示してしまうと、遊技者には、トラックボール19aの操作が無意味なものに感じ取られてしまう。これに対し、S111の処理によって中段10bの停止図柄をリーチ図柄に対して右隣りに位置する図柄に変更することにより、遊技者が中段10bの図柄リールを操作して表示させた図柄と変動後の表示結果として表示する図柄とのずれを最小に抑えることができ、遊技者にトラックボールを介して図柄リールを操作する遊技の興趣を維持させることができる。
【0102】
S110の処理において、中段10bの図柄停止領域に表示中の図柄がリーチ図柄とは異なることが確認された場合には(S110:No)、演出実行エリア33aに記憶された中段10bの停止図柄のデータを、中段10bの図柄停止領域に表示中の図柄のデータに書き換える(S112)。この書き換えによって、遊技者が中段10bの図柄リールを操作して表示させた図柄と変動後の表示結果として表示する図柄とのずれを無くすことができる。なお、S111及びS112の処理をした後には、処理をS109に移行する。
【0103】
ここで、必ずしもS106からS112の処理をして再変動演出を設定したり、中段10bの停止図柄を変更したりする必要はなく、中段10bの図柄リールの変動を停止するときに、主制御基板Cによって予め定められた停止図柄をそのまま表示させて中段10bの図柄リールを停止させるものとしても良い。処理をより簡略化することができる。
【0104】
S101の処理において、特別演出フラグ33cがオフである場合には(S101:No)、変速期間中でないので、再変動演出フラグ33eがオンであるか確認し(S113)、オンであれば(S113:Yes)、再変動演出をする再変動演出実行処理を行い(S114)、演出実行処理(S90)を終了する。S113の処理において、再変動演出フラグ33eがオンでないことが確認されると(S113:No)、通常の演出を実行する通常演出実行処理を行って(S115)、この演出実行処理(S90)を終了する。演出実行処理(S90)の終了後には、図8に示すS91からの処理が行われる。
【0105】
図9に戻って演出設定実行処理について説明する。S90の演出実行処理(S90)の実行後、主制御基板Cから確定コマンドを受信したか確認し(S91)、確定コマンドを受信していれば(S91:Yes)、変動表示を停止表示(確定)させて(S92)、更にその他の処理を行って(S93)、この演出設定実行処理を終了する。S91の処理において主制御基板Cから確定コマンドを受信していなければ(S91:No)、変動表示を確定させることなく継続させたまま、処理をS93へ移行する。
【0106】
以上説明したように、演出設定実行処理では、特別演出フラグ33cがオンとなっている変速期間中にボール回動検出器20によってトラックボール19aの回動が検出されると、トラックボール19aの回動方向及び回動量に従ってLCD10の中段10bに表示される図柄(図柄リール)が加速又は減速して表示されるので、トラックボール19aを操作した遊技者の行為が変動表示の内容に反映される。よって、変動表示のスクロール速度が変化した後に現出する変動後の表示結果を遊技者自身が引き当てたと感じさせることができ、遊技者の遊技への参加意識を高めることができる。このため、従来の遊技機において、LCD上に手をかざして大当たり図柄の組み合わせとなるように手を一定方向に動かす仕草をする等して変動表示の内容に直接的に関与しようとしていた遊技者には、その意志が現実的に変動表示の内容に反映される遊技性を提供することができ、遊技への参加意識をより一層高めることができる。
【0107】
また、トラックボール19aの回動方向及び回動量に従ってスクロール速度が変化させられるのは、実行中の変動表示が大当たりであるかハズレであるかを遊技者に示すためにLCD10の中段10bに表示される図柄(図柄リール)であり、特に、このLCD10の中段10bに表示される図柄が大当たりか否かを最終的に決定づけるものであるため、遊技者にとっては、最初に停留する上下段10a,10cの図柄や変動表示の中で行われる他の演出とは比較にならない程に最重視されるものである。よって、最重視していたにも拘わらず、従来にはその変動に全く関与することができなかった図柄を遊技者の手で直接的に操作する遊技性を付与することができ、その操作によって図柄のスクロール速度が変化する遊技に遊技者を積極的に参加させると共にその遊技に熱中させることができる。
【0108】
更に、変速期間中においては、S102の処理においてトラックボール19aの回動が検出された場合に、LCD10の中段10bに表示される図柄(図柄リール)がトラックボール19aの回動方向及び回動量に従って加速又は減速して表示される(S103)。このため、変速期間中においては、遊技者は、LCD10の図柄リールの状態を視認しつつ、遊技者自身が意図する方向へ意図する量分だけトラックボール19aを操作して図柄リールのスクロール速度を変化させることができ、その変化後のスクロール状態を視認しつつ何度も繰り返して図柄リールのスクロール速度を変化させることができる。よって、演出が行われる前の選択操作によってその後に予め定められた固定的な演出が導出される場合に比較して、遊技者には、図柄の変動が停止して表示結果が導出されるまで継続した緊張感を持たせつつ図柄リールを操作する遊技を楽しませることができる。それゆえに、単純に複数の選択肢の中から選択操作を行った後に予め定められた固定的な演出が行われるような遊技機とは比較にならないほどの遊技の興趣が生まれるのである。
【0109】
また、本実施例においては、表示用制御基板Dで実行されるS103の処理においてトラックボール19aの操作に図柄のスクロール速度を変化させているので、遊技の制御を行う主制御手段Cの負担を軽くして制御速度の向上や制御の信頼性を高めることができると共に、従来から使用されている主制御手段Cを流用して図柄のスクロール速度を変化させる遊技性を備えたパチンコ機を低コストで開発することができる。
【0110】
次に、図10を参照してLCD10の表示について説明する。図10(a)は、LCD10の変動表示中に「ボールを回せ!」の表示が行われた状態を示した図であり、図10(b)は、変速期間中におけるLCD10の表示画面を示した図である。
【0111】
図10(a)に示すように、LCD10の上段10a及び下段10cには、左右方向に沿った中央部に「7」の図柄が表示されてリーチ表示が現出した状態となっており、中段10bには、図柄リールが変動表示されると共に、中段10bの図柄リールに重なって「ボールを回せ!」の表示が行われている。この「ボールを回せ!」の表示が行われている間には、遊技者によってトラックボール19aが操作されると、そのトラックボール19aの操作がボール回動検出器20に検出されることにより(図9、S75参照)、特別演出フラグ33cがオンされて変速期間が開始される。
【0112】
このように、遊技者には、LCD10に「ボールを回せ!」の表示をすることにより、トラックボール19aを操作して図柄リールの操作が可能な変速期間が設定された変動表示であることを容易に認識させることができる。また、遊技中の遊技者は、大当たりの発生を図柄の組み合わせで示すLCD10に意識を傾注しており、特に、最後に変動が停止する図柄リールが表示されたLCD10の中段10bに意識を傾注しているので、そのLCD10(特に、その中段10bに)図柄リールの操作が可能なことを示唆する表示を行うことにより、遊技者に変速期間が設定されて図柄リールの操作が可能な変動表示が行われていることをより確実に告知することができる。
【0113】
なお、この変速期間が設定された変動表示であることは、必ずしもLCD10に表示して外部に告知する必要は無く、遊技盤5の前面や前面枠2に設置されたランプなどで行っても、スピーカから特定の音声や効果音を出力して行っても良い。
【0114】
図10(b)に示す変速期間中のLCD10の表示画面には、LCD10の上下段10a,10cにリーチ図柄(「7」の図柄)が表示されてリーチ表示が現出した状態となっている。上下段10a,10cに表示された「7」のリーチ図柄の間には、中段10bに指向された矢印10dが表示されている。この矢印10dに指向された升目状の領域が図柄停止領域であり、変動表示が停止表示される時には図柄停止領域に表示されていた図柄が、停止図柄の組み合わせを構成する図柄となる。この変速期間中には、LCD10の中段10bに表示される図柄リールが約半分に縮小して表示され、中段10bに6つの図柄が連続して表示されるようになっており、遊技者には、所望の図柄の位置をより視認しやすくするようになっている。
【0115】
また、変速期間中には、図10(b)に示すように、LCD10の上段10aの右上側に略矩形状の時間表示領域10eが設けられ、遊技者によって中段10bの図柄リールを操作可能な残り時間が文字表示されている。遊技者には、時間表示領域10eの表示に基づいて図柄リールを操作可能な残り時間を認識させることができる。なお、時間表示領域10eの表示は、必ずしも文字表示する必要はなく、赤色で表示された棒の長さを縮めて表示するなど、表示態様を次第に異ならせる情報を表示して残り時間を示唆しても良い。
【0116】
更に、LCD10の下段10aの右下側には、「挑戦中」の文字が表示された略矩形状の操作実行表示領域10fが設けられ、遊技者によって中段10bの図柄リールを操作中であることを遊技者に解り易く示している。図10(a)に示す「ボールを回せ!」の表示が行われている間に、意図しないで偶然にトラックボール19aを回動させてしまった遊技者にも、トラックボール19aによる図柄リールの操作が可能な変速期間が開始されたことを的確に示すことができる。なお、操作実行表示領域10fの表示は、必ずしも文字表示する必要はなく、LCD10の背景色を変更して表示するなど、変速期間以外とは異なる表示態様となる情報を表示して変速期間中であることを示唆しても良い。
【0117】
次に、図11を参照して第2実施例について説明する。図11は、第2実施例における変速期間中のLCD10の表示画面を示した図である。以下、第2実施例の説明にあたり、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
【0118】
第2実施例においては、「ボールを回せ!」の表示が行われている間(図10(a)に示す表示状態の間)にトラックボール19aが回動操作され、そのトラックボール19aの回動操作をボール回動検出器20が検出した場合に表示されるものである。LCD10の左上側には、リーチ図柄を表示するリーチ図柄表示領域10gが形成されると共に、LCD10の中央部に形成された中央表示領域10gには、リーチ図柄と同一の当たり図柄Zと、その当たり図柄を内部に含められる大きさの丸形の図柄で表示されたカーソルTとが表示される。
【0119】
当たり図柄Zは、表示用制御基板Dの制御によって中央表示領域10g内をランダムに移動するように構成されると共に、カーソルTは、トラックボール19aの回動操作に連動させて平面上を上下左右方向に自在に移動可能に構成される。遊技者がカーソルTを操作し、当たり図柄Zが丸形の枠内に収められた表示結果が現出したときに大当たりとなって遊技者には所定の遊技価値が付与される。よって、第1実施例においては、左右方向のいずれかにしか操作し得なかった図柄をより多方向に操作させることができ、遊技者に付与する遊技の興趣を一層高めることができる。
【0120】
なお、上記実施例において、請求項1記載の従動手段としては、図9のS103の処理が該当する。
【0121】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0122】
例えば、上記実施例では、パチンコ機1の上皿16に設けられたトラックボール19aへの入力操作に基づいて中段10bの図柄リールのスクロール速度を変化させる制御を表示用制御基板Dに行わせたが、必ずしも上皿16にトラックボール19a(トラックボール装置19)を設ける必要は無く、操作ハンドル18にトラックボール装置を一体化させて設けても良い。パチンコ機1を操作する遊技者は、常に操作ハンドル18を把持し続けなければならない。このため、操作ハンドル18へトラックボール装置を設けることにより、遊技者は、操作ハンドル18を把持した手で簡易に入力操作を行うことができる。よって、図柄リールのスクロール速度を変化させる操作を簡易に行わせることができ、遊技者にかける負担を軽減しつつ遊技への参加意識を高めることができる。なお、図柄リールのスクロール速度を変化させるための操作装置を必ずしも1箇所に設ける必要は無く、例えば上皿16及び操作ハンドル18等、2箇所以上に設けても良い。
【0123】
更に、上記実施例では、表示用制御基板Dの制御によって、リーチ表示の現出後に図柄リールのスクロール速度を操作可能としたが、必ずしもリーチ表示の現出後に図柄リールのスクロール速度を操作可能とする必要はなく、リーチ表示の現出前から図柄リールのスクロール速度を操作可能としても良い。また、必ずしも図柄リールのスクロール速度を操作可能とする必要はなく、図柄リールのスクロール方向のみを選択的に操作させるものであっても良い。また、必ずしも遊技者によって操作可能とする対象を図柄リールとする必要はなく、一定の表示領域内に表示された図柄(例えば、1から10の図柄)の態様が一定の順序(例えば、昇順)に従って規則的に変化して変動表示が行われる場合における図柄の態様が変化する速さや、その変化する順序を遊技者によって操作させても良い。
【0124】
また、上記実施例では、表示用制御基板Dの制御によって、トラックボール19aの操作に応じて図柄リールのスクロール速度を変化させたが、必ずしも表示用制御基板Dの制御によって図柄リールのスクロール速度を変化させる必要はなく、主制御基板Cで図柄リールのスクロール速度を変化させる制御を行わせても良い。遊技の制御を主制御基板Cでより集中して管理させることができる。
【0125】
更に、上記実施例では、変速期間中にトラックボール19aの操作に応じてスクロール速度が変化する中段10bの図柄リールは、通常時と同一の配列のものを使用したが、必ずしもその図柄リールを通常時と同一の配列とする必要はなく、図柄リールを構成する図柄を少なくしても良い。例えば、リーチ図柄と、リーチ図柄とは異なる1の図柄との2つだけで図柄リールを構成しても良い。遊技者にとっては中段10bの図柄停止領域にリーチ図柄を一致させ易い(大当たり図柄を表示させ易い)状態にすることができ、トラックボール19aをより積極的に操作させることによって遊技への参加意識を一層高めることができる。
【0126】
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0127】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0128】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0129】
以下に変形例を示す。請求項1記載の遊技機において、前記従動手段は、前記入力手段によって入力される情報に応じて前記表示装置に表示される前記識別情報の動的速さを変化させる変速手段を備えていることを特徴とする遊技機1。遊技者の入力行為によって入力手段から制御手段に情報が入力された場合に、その入力される情報に応じて表示装置に表示される識別情報の動的速さが変化する。よって、遊技者には、入力手段を介して動的速さが変化した後に現出する動的表示の表示結果を遊技者自身が引き当てる気分を持たせることができる。
【0130】
なお、遊技機1において、識別情報の動的速さを変化させるとは、特定の方向に進行中の識別情報の動的速さを加速又は減速させる場合に限定されるものでなく、停止(停留)状態の識別情報を特定の方向に加速して動的表示を開始させる場合、特定の方向に沿って進行中の識別情報の動的速さをその進行する速さと同一の速さ分減速して静止させる場合、又は、特定の方向に沿って進行中の識別情報の動的速さをその進行する速さ以上に減速してその進行方向の反対側に逆行させる場合をも含む趣旨である。また、遊技機1における動的速さとは、必ずしも識別情報の表示位置が特定の方向に移動する場合に限定されるものでなく、同一位置に表示される識別情報の表示態様が動的に変化する場合における動的速さをも含む趣旨である。また、変速手段としては、例えば、入力手段としてのボール回動検出器20に検出されたトラックボール19aの回動方向及び回動量に従ってLCD10に表示される中段10bの図柄リールを加速又は減速して表示する処理(図9のS103の処理)が例示される。
【0131】
請求項1記載の遊技機または遊技機1において、前記従動手段は、前記入力手段によって入力される情報に応じて前記表示装置に表示される前記識別情報の移動方向を変更する方向変更手段を備えていることを特徴とする遊技機2。遊技者の入力行為によって入力手段から制御手段に情報が入力された場合に、その入力される情報に応じて表示装置に表示される識別情報の移動方向が変化する。よって、遊技者には、入力手段を介して移動方向が変化した後に現出する動的表示の表示結果を遊技者自身が引き当てる気分を持たせることができる。なお、方向変更手段としては、例えば、LCDに表示される識別情報としてのカーソルの移動方向を、入力手段としてのトラックボール装置によって入力される情報に応じて、トラックボールの回動方向に従動させて変更する処理等が例示される。
【0132】
請求項1記載の遊技機または遊技機1若しくは2において、前記制御手段は、始動条件の成立した動的表示に対し前記従動手段によって前記識別情報の動的表示を従動させる従動期間を設定するか否かを抽選する従動抽選手段を備え、前記従動手段は、その従動抽選手段による抽選結果によって前記従動期間が設定された場合にその従動期間中に前記入力手段によって入力される情報に前記識別情報の動的表示を従動させるものであることを特徴とする遊技機3。従来の遊技機にボタンなどの操作装置を設け、その操作装置を遊技者に操作させることにより、表示装置に表示される演出内容を選択的に決定すると、操作装置の操作後には、予め定められた固定的な演出が実行される。このため、遊技者は、その操作後に表示装置に表示される演出を見守るだけとなり易く、断続的にしか遊技者に遊技への参加意識を付与することができない。
【0133】
遊技機3によれば、始動条件の成立した動的表示に対して従動手段によって識別情報の動的表示を従動させる従動期間が従動抽選手段によって設定されるので、遊技者には、従動期間中に継続して識別情報の動的表示を操作する遊技性を付与することができ、遊技に対する参加意識を継続的に持たせることができる。また、従動抽選手段による抽選によって従動期間の設定が行われた動的表示に対して(限定して)識別情報の動的表示を従動させるので、遊技者にとって識別情報の動的表示を操作する遊技性が稀少なものとなり、飽き難い遊技性を遊技者に付与することができる。なお、従動期間としては、例えば、入力手段としてのトラックボール装置(トラックボール)を操作して表示装置に表示される図柄リールのスクロール速度を変化可能とする変速期間が例示される。また、従動抽選手段としては、例えば、従動期間としての変速期間を設定するために変動パターンを決定するための第1,第2テーブル22a,22bと、そのテーブル22a,22bの値の参照時に使用する変動パターンカウンタ23fと、変速期間を設定するための変動パターンの設定を行う表示コマンド決定処理(図6及び図7のS41の処理)と、表示用制御基板Dで行われる演出設定実行処理の入力表示フラグ33bをオンさせる処理(図8のS64〜S66の処理)とが例示される。
【0134】
遊技機3において、前記従動抽選手段によって前記従動期間が設定された場合にその従動期間が設定された動的表示であることを外部に告知する告知手段を備えていることを特徴とする遊技機4。始動条件の成立した動的表示に対して従動抽選手段によって従動期間が設定された場合には、その従動期間の設定が告知手段によって外部に告知される。よって、遊技者には、入力手段による情報の入力によって識別情報の動的表示を操作可能な動的表示であるか否かを、告知手段による告知に基づいて容易に認識させることができる。なお、告知手段による外部への告知は、ランプ、ネオン菅、LED又はLCD等の表示態様を特定の表示態様に変更したり、複数の態様を有するキャラクタ又は役物等の態様を特定の態様に変更したりして行うものであっても良く、又は、スピーカー等から特定の効果音を出力して行うものであっても良く、或いは、操作ハンドルを振動させるモータ等遊技者の触覚を通じて行うものであっても良い。また、告知手段としては、上記実施例におけるLCD10と、LCD10に「ボールを回せ!」の表示を行わせる表示用制御基板Dでの処理(図8のS74の処理)とが例示される。
【0135】
遊技機3または4において、始動条件の成立した動的表示を、前記所定の遊技価値を付与する当たり動的表示とするか否かを抽選する遊技価値抽選手段を備え、前記従動抽選手段は、その遊技価値抽選手段による抽選結果に基づいて始動条件の成立した動的表示を前記当たり動的表示とする場合に前記従動期間の設定を第1条件に基づいて抽選する第1従動抽選手段と、前記遊技価値抽選手段による抽選結果に基づいて始動条件の成立した動的表示を前記当たり動的表示以外の動的表示とする場合に前記第1条件より前記従動期間の設定確率が低い第2条件に基づいて抽選する第2従動抽選手段とを備えていることを特徴とする遊技機5。遊技機5によれば、当たり動的表示に対して従動期間が設定される確率は、第1条件に基づくものであり、当たり動的表示以外の動的表示に対しては、その第1条件より従動期間の設定確率が低い第2条件に基づいて従動期間が設定される。このため、従動期間が設定された動的表示において所定の遊技価値が付与される確率(期待値)を、従動期間が設定されなかった場合に比して高めることができる。よって、入力手段を介して動的表示を操作させた後に、所定の遊技価値を付与する表示結果を現出し易くすることができ、遊技者には、識別情報の動的表示を操作した後に所定の遊技価値をより高確率に引き当てる遊技性を提供することができる。
【0136】
ここで、当たり動的表示とは、所定の遊技価値を付与し得るものであれば良く、必ずしも所定の遊技価値を付与する表示結果を現出させるものである必要は無い。即ち、当たり動的表示は、所定条件が成立しなければ所定の遊技価値を付与する表示結果を現出せず、所定条件が成立した場合に限って所定の遊技価値を付与する表示結果を現出するものであっても良い。例えば、遊技者の操作に従って識別情報の動的表示が停止させられる所謂スロットマシンなどにおいて動的表示の停止操作が一定範囲から外れていることによって所定の遊技価値を付与する表示結果を現出しない当たり動的表示等が例示される。なお、遊技価値抽選手段としては、例えば、主制御基板Cに設けられる内部乱数カウンタ23bと、その内部乱数カウンタ23bの値を始動入賞時に取得する処理(図6のS35の処理)とが例示される。また、第1従動抽選手段としては、例えば、従動期間としての変速期間を設定するために変動パターンを決定するための第1テーブル22aと、そのテーブル22aの値の参照時に使用する変動パターンカウンタ23fと、変速期間を設定するための変動パターンの設定を行う処理(図7のS53の処理)と、表示用制御基板Dで行われる演出設定実行処理の入力表示フラグ33bをオンさせる処理(図8のS64〜S66の処理)とが例示される。また、第2従動抽選手段としては、例えば、ハズレリーチの発生を決定するためのリーチ乱数カウンタ23cと、そのリーチ乱数カウンタ23cの値を始動入賞時に取得する処理(図6のS35の処理)と、従動期間としての変速期間を設定するためにハズレリーチ時の変動パターンを決定するための第2テーブル22bと、そのテーブル22bの値の参照時に使用する変動パターンカウンタ23fと、変速期間を設定するための変動パターンの設定を行う処理(図7のS56の処理)と、表示用制御基板Dで行われる演出設定実行処理の入力表示フラグ33bをオンさせる処理(図8のS64〜S66の処理)とが例示される。
【0137】
遊技機5において、前記当たり動的表示に対し前記従動手段によって前記識別情報の動的表示が従動させられた後に前記動的表示の表示結果を現出する場合において前記識別情報が前記予め定めた表示結果から所定量以上に偏倚しているか否かを判断する第1判断手段と、その第1判断手段によって前記識別情報が予め定めた表示結果から所定量以上に偏倚していると判断された場合に所定の変動を行った後に前記予め定めた表示結果を現出させる第1表示手段と、前記第1判断手段によって前記識別情報が予め定めた表示結果から所定量以上は偏倚していないと判断された場合に前記所定の変動を行わずに前記予め定めた表示結果を現出させる第2表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機6。一般に、所定の遊技価値を付与するか否かは、動的表示の開始以前に予め決定されており、その決定に基づいて所定の遊技価値が付与される場合には、所定の遊技価値を付与する予め定めた表示結果を現出させる必要がある。しかし、遊技者によって識別情報の動的表示が操作された場合に表示結果の現出時期において識別情報が予め定めた表示結果を現出していないと、所定の遊技価値を付与する表示結果を現出させることができない。
【0138】
遊技機6によれば、動的表示の表示結果を現出する場合に、第1判断手段によって識別情報が予め定めた表示結果から所定量以上に偏倚している(例えば、予め定めた表示結果に対して中段の停止図柄が2図柄分以上偏倚している)と判断された場合には、第1表示手段によって所定の変動が行われた後に予め定めた表示結果が現出する。一方、第1判断手段によって識別情報が予め定めた表示結果から所定量以上は偏倚していないと判断された場合には、第2表示手段によって所定の変動が行われることなく予め定めた表示結果が現出する。よって、当たり動的表示に対し、従動手段による動的表示の操作によって予め定めた表示結果から識別情報を所定量以内に偏倚した状態にまで近づけた遊技者に対しては、所定の変動が行われずに表示結果が現出することにより、遊技者自身が予め定めた表示結果を引き当てた気分を持たせることができる。また、予め定めた表示結果から所定量以上に識別情報を偏倚させてしまった遊技者に対しては、その後に所定の変動を行った後に予め定めた表示結果が現出することにより、付与されるべき所定の遊技価値を失わせることなく的確に提供することができる。なお、上記実施例において、第1判断手段としては、例えば、図9のS107の処理が例示される。また、第1表示手段としては、例えば、表示用制御基板Dに設けられる再変動演出フラグ33eと、図9のS108、S113、S114の処理とが例示され、第2表示手段としては、例えば、図9のS115の処理が例示される。
【0139】
遊技機5又は6において、前記当たり動的表示以外の動的表示に対して前記従動手段によって前記識別情報の動的表示が従動させられた後に前記動的表示の表示結果を現出する場合において前記識別情報が前記予め定めた表示結果となっているか否かを判断する第2判断手段と、その第2判断手段によって前記識別情報が前記予め定めた表示結果となっていると判断された場合にその予め定めた表示結果以外の表示結果となる所定量分偏倚させて表示結果を現出させる第3表示手段を備えていることを特徴とする遊技機7。一般に、所定の遊技価値を付与するか否かは、動的表示の開始以前に予め決定されており、その決定に基づいて所定の遊技価値が付与されない場合には、所定の遊技価値を付与する予め定めた表示結果以外の表示結果を現出させる必要がある。
【0140】
遊技機7によれば、当たり動的表示以外の動的表示に対して識別情報が予め定めた表示結果となっているとき、第3表示手段によって、その予め定めた表示結果以外の表示結果となる所定量(例えば、隣りの図柄までの距離に相当する量)分偏倚させて表示結果が現出する。よって、当たり動的表示以外の動的表示に対し、従動手段による動的表示の操作によって予め定めた表示結果となっている場合であっても、遊技者には、予め決定されたとおり、所定の遊技価値を付与する予め定めた表示結果以外の表示結果を視認させて、所定の遊技価値が付与されないことを示すことができる。なお、第2判断手段としては、例えば、上記実施例における図9のS110の処理が例示される。また、第3表示手段としては、例えば、上記実施例における図9のS111の処理が例示される。
【0141】
遊技機7において、前記第2判断手段によって前記識別情報が前記予め定めた表示結果以外の表示結果となっていると判断された場合にその予め定めた表示結果以外の表示結果を前記動的表示の表示結果として現出させる第4表示手段を備えていることを特徴とする遊技機8。一般に、所定の遊技価値が付与されない場合であっても、動的表示の表示結果は、その動的表示の開始以前に予め決定されており、その決定に基づいて動的表示の表示結果が現出する。
【0142】
遊技機8によれば、当たり動的表示以外の動的表示に対して識別情報が予め定めた表示結果以外の表示結果となっているとき、第4表示手段によって、その予め定めた表示結果以外の表示結果が動的表示の表示結果として現出させられる。よって、当たり動的表示以外の動的表示に対し、従動手段による動的表示の操作によって予め定めた表示結果以外の表示結果となっている場合に、遊技者には、動的表示を操作したときの結果と同一の表示結果を視認させて、遊技者による入力操作が的確に識別情報の表示結果に反映されることを遊技者に示唆することができる。なお、第4表示手段としては、例えば、上記実施例における図9のS112の処理が例示される。
【0143】
遊技機3から8のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記従動抽選手段によって設定された前記従動期間中に遊技者によって前記入力手段を介して前記制御手段に入力された情報に基づく履歴情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された履歴情報に基づいて前記従動抽選手段によって抽選される前記従動期間の抽選条件を変更する変更手段とを備えていることを特徴とする遊技機9。遊技機9によれば、入力手段を介して制御手段に入力された情報に基づく履歴情報が、記憶手段に記憶され、その記憶手段に記憶された履歴情報に基づいて従動期間の抽選条件が変化する。よって、入力手段を積極的に使用して識別情報の動的表示を操作する遊技者と、入力手段を使用しない遊技者とのそれぞれに対して別々の抽選条件に従った識別情報の動的表示を実行することができる。例えば、積極的に入力手段を操作する遊技者には、頻繁に従動期間を設定して遊技への参加の機会を高めつつ、入力手段の操作をしない遊技者には、従動期間の設定確率を低くして他の演出による遊技の興趣を付与することができる。なお、記憶手段としては、例えば、表示用制御基板Dに設けられる前回操作フラグ33dが例示され、変更手段としては、表示用制御基板Dで行われる前回操作フラグ33dがオンかを確認する分岐の処理(図8のS63の処理)が例示される。
【0144】
遊技機3から9のいずれかにおいて、前記従動期間は、前記動的表示がリーチ表示を現出した後に開始されるものであり、前記従動手段は、複数の識別情報からなる複数の識別情報列のうち最後に停止する識別情報列の動的表示を従動させるものであることを特徴とする遊技機10。遊技者によって入力手段から情報を入力して、最後に停止する識別情報列の動的表示を従動させることにより、遊技者には、所定の遊技価値が付与されることをより強く意識して積極的に入力手段への入力操作を促すことができ、所定の遊技価値が付与される表示結果を遊技者自身が引き当てる遊技性をより強調して遊技者の遊技への参加意識を高めることができる。
【0145】
なお、リーチ表示とは、複数の識別情報からなる複数の識別情報列が予め定めた識別情報の組み合わせで確定停止して所定の遊技価値が付与される遊技機において、少なくとも1つの識別情報列を残して他の識別情報列の動的表示が停留して表示されたとき、その停留した識別情報が所定の遊技価値を付与する組み合わせの1部を構成し、動的表示中の表示結果如何によって所定の遊技価値が付与されることを示唆する表示である。
【0146】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から10のいずれかにおいて、前記制御手段は、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて前記表示装置に識別情報の動的表示を行わせる表示用制御手段とを備え、前記従動手段は、その表示用制御手段に設けられていることを特徴とする遊技機11。従動手段が表示用制御手段に設けられているので、遊技の制御を行う主制御手段の負担を軽くすることができると共に従来から使用されている主制御手段を流用することができる。よって、遊技機全体としての開発コストを低減すると共に遊技機の開発に必要な期間を短縮することができる。
【0147】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から11のいずれかにおいて、前記入力手段は、回転体と、その回転体の回動量及び回動方向を検出する検出器とを備え、前記従動手段は、前記検出器によって検出される回動量及び回動方向に基づいて前記識別情報の動的表示を従動させるものであることを特徴とする遊技機12。回転体としては、例えばトラックボール19aが例示され、検出器としては、例えばボール回動検出器20が例示される。
【0148】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から12のいずれかにおいて、前記入力手段は、揺動可能に支持される操作部材と、その操作部材の揺動量及び揺動方向を検出する検出器とを備え、前記従動手段は、前記検出器によって検出される揺動量及び揺動方向に基づいて前記識別情報の動的表示を従動させるものであることを特徴とする遊技機13。操作部材としては、ジョイスティックを構成するレバーが例示され、検出器としては、そのレバーの揺動量を電気的な信号情報に変換して制御手段に入力する検出器(例えばポテンショメータ等)が例示される。
【0149】
遊技機12または13によれば、遊技者によって入力手段が操作(回動操作又は揺動操作)された場合に、その操作量(回動量又は揺動量)及び操作方向(回動方向又は揺動方向)が検出器によって検出され、その検出器に検出された操作量及び操作方向に基づいて識別情報の動的表示が従動させられる。よって、遊技者の意志をより詳細に制御手段に入力し、遊技者が意図する方向及び量に応じて識別情報の動的表示を従動させることができ、識別情報を操作する興趣を高めることができる。なお、入力手段は必ずしも1箇所に設けられる必要は無く、2箇所以上に設けられても良い。
【0150】
遊技機12または13において、遊技媒体を所定の遊技領域へ発射するための操作ハンドルを備えており、前記回転体又は操作部材は、その操作ハンドルの一部に(或いはその操作ハンドルに近接して)設けられることを特徴とする遊技機14。操作ハンドルの一部に(或いは操作ハンドルに近接して)回転体又は操作部材が設けられるので、遊技を行う遊技者は、操作ハンドルを把持した手で入力手段を気軽に操作することができ、遊技者にかける負担を軽減しつつ遊技への参加意識を持たせることができる。
【0151】
遊技機12から14のいずれかにおいて、遊技媒体を所定の遊技領域へ発射するための操作ハンドルを備えており、前記回転体又は操作部材は、その操作ハンドルから離間して設けられていることを特徴とする遊技機15。操作ハンドルから離間して回転体又は操作部材が設けられるので、遊技を実行中の遊技者は、操作ハンドルを把持した手とは別の手を使用するか、或いは、操作ハンドルから一旦手を離して操作部材を操作する。よって、遊技者が積極的に動作をしなければ回転体又は操作部材を介して入力手段から情報を入力することができず、遊技者の遊技への参加意識をより高めることができる。なお、操作ハンドルから離間して回転体又は操作部材が設けられるとは、操作ハンドルを把持した手が回転体又は操作部材に届かない位置であり、例えば、上皿16や下皿17に回転体又は操作部材が設けられることが例示される。
【0152】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機16。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0153】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から15のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機17。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0154】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機18。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】(a)は、大当たり時の変動パターンの設定に使用する第1テーブルの構成を示した図であり、(b)は、ハズレリーチ時の変動パターンの設定に使用する第2テーブルの構成を示した図である。
【図4】停電の発生等によるパチンコ機の電源断時に、主制御基板で実行されるNMI割込処理のフローチャートである。
【図5】主制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図6】主制御基板のメイン処理の中で実行される始動入賞変動開始処理のフローチャートである。
【図7】図6の始動入賞変動開始処理の中で実行される表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図8】表示用制御基板Dで実行される演出設定実行処理のフローチャートである。
【図9】図8の演出設定実行処理の中で実行される演出実行処理のフローチャートである。
【図10】(a)は、LCDに「ボールを回せ!」の表示が行われた状態を示した図であり、(b)は、変速期間中におけるLCDの表示画面を示した図である。
【図11】第2実施例における変速期間中のLCDの表示画面を示した図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
10 LCD(表示装置)
19 トラックボール装置(入力手段)
19a トラックボール(入力手段の一部)
20 ボール回動検出器(入力手段の一部)
C 主制御基板(制御手段の一部)
D 表示用制御基板(制御手段の一部)
Claims (1)
- 識別情報を表示する表示装置と、その表示装置に識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備え、前記識別情報の動的表示が予め定めた表示結果を現出した場合に遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
遊技者によって前記制御手段に情報を入力する入力手段を備え、
前記制御手段は、その入力手段によって入力される情報に前記識別情報の動的表示を従動させる従動手段を備えていることを特徴とする遊技機。
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