JP2004140890A - ステッピングモータ駆動装置、紙搬送装置、ステッピングモータ駆動方法、コンピュータプログラム、および記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステッピングモータの連続回転中に励磁モード切り替えを行なう際、切り替え前後で回転揺らぎなく同じスピードでスムーズに切り替える。
【解決手段】ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動装置であって、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が同じになるステップを検索し、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップに至った時点で第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える制御を行う。励磁ステップを進行させる基本クロックは、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いる。
【選択図】 図2
【解決手段】ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動装置であって、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が同じになるステップを検索し、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップに至った時点で第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える制御を行う。励磁ステップを進行させる基本クロックは、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータの駆動装置、その駆動装置を備えた紙搬送装置、ステッピングモータの駆動方法、その方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置においては、一般に記録紙の搬送機構の駆動源としてステッピングモータが利用されている。ステッピングモータは電気的制御により様々な起動方式で駆動させることが可能である。例えば、2相のステッピングモータの場合には、その励磁モードには2相励磁、1−2相励磁、W1−2相励磁、2W1−2相励磁、4W1−2相励磁がある。各励磁モードはモータの機構的特性によって予め定められたステップ角を複数の微少角に細分し、スッテプ駆動を行なう駆動方式である。
【0003】
具体的な例として、図12に2相励磁、1−2相励磁、W1−2相励磁の各出力電流ベクトル軌跡と1ステップ間の各相の電流値タイミングチャートを示す。図は2相バイポーラタイプステッピングモータの出力電流であり、実線がA相に流れる電流値を表しており、破線がB相に流れる電流値を表している。図中の各電流値では簡単の為、平坦に記載しているが実際には所定のチョッピング周波数に同期してチョッピングされ定電流に保たれている。
【0004】
図12の(a)は2相励磁の電流ベクトル軌跡を表しており、常にIA,IBの2相が正負どちらかの電流が流れることにより励磁されている。これにより4ステップで電流ベクトル軌跡は360°回転することになり、この4ステップによる1サイクルが前述したモータのステップ角分の回転量に相当する。
【0005】
また、図12の(b)は1−2相励磁の電流ベクトル軌跡を表しており、この励磁方式は1相励磁と2相励磁を交互に繰り返し、8ステップで電流ベクトル軌跡が360°回転することとなる。
【0006】
次に、図12の(c)はW1−2相励磁の電流ベクトル軌跡を表しており、さらに16ステップに細分化されていると共に、各ステップにおいて電流値を変化させていることにより、ステッピングモータの滑らかな駆動を実現している。
その他、2W1−2相励磁、4W1−2相励磁はそれぞれ32ステップ、64ステップに細分化され、更なる滑らかな駆動が可能である。
【0007】
各励磁方式の特徴として限られた巻線電流値の中で大きなトルクを得る為には、常に電流値100%で駆動を行なう2相励磁が適している。しかし、2相励磁はステップ角も大きく電流値も大きいため、振動や騒音が大きくなってしまう。一方、1−2相励磁〜4W1−2相励磁と駆動ステップが細分化されると、滑らかで静音化された回転を得ることができるが、そのかわりに2相励磁に比べて出力トルクが下がる。
【0008】
一方、画像形成装置において、記録紙の給紙搬送時等の際に、停止しているモータを起動して記録紙を給紙するためには、起動時及びスローアップ時に大きなトルクを必要とし、それに合わせて使用するステッピングモータの駆動方式も必要なトルクが十分に出力できる駆動方式を使用する。一方、定速時にはそれほどのトルクは必要なく、高いトルクが得られる駆動方式では逆に必要以上の電流値によりモータの騒音や振動を招いてしまう。
【0009】
この点を解決する方法として、ステッピングモータの加速・減速時と定速時でモータの相励磁方式を切り替える方式が知られている。図13にもとづいて従来のステッピングモータ駆動回路を説明する。
【0010】
図13は2相のバイポーラタイプのステッピングモータの駆動回路を示しており、図中の巻線7、8を前段のモータドライバ1から出力される励磁電流パターンに従って励磁することにより、ステッピングモータのロータ9が回転する。モータドライバ1はその内部に予め入力されたデータにもとづいて出力パルスを発生する出力制御部(図示しない)、出力パルスにもとづいてA相、B相に電流を出力する出力回路部(図示しない)、および定電流駆動するためのチョッピング用PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)発生部(図示しない)を備えており、具体的には例えば東芝(株)のモータドライバICであるTB62201AFがこれに相当する。
【0011】
モータドライバ1には内部ロジック駆動用電源としてVCCを供給しており、さらにモータ駆動用電源としてVMを供給している。モータドライバ1のVMAの端子はA相用電源入力端子であり、VMBの端子はB相用電源入力端子である。また、モータドライバ1のRRSA端子、RRSB端子には電流検出抵抗2、3によって検出された、巻線7、6に流れる電流値がそれぞれ入力される。巻線7、8の電流値を検出することにより、内部チョッピング用PWM発生部により、チョッピング周波数決定コンデンサ4、5によって定められる所定のチョッピング周波数で各相がチョッピングされることで、巻線6、7に流れる平均電流値を制御する。
【0012】
CPU(中央処理装置)6はROM(リードオンリメモリ)6a及びタイマ6bを具備しており、モータドライバ1にデータ信号、データ送信用クロック信号、ストローブ信号、ドライバリセット信号を出力する。
【0013】
CPU6からモータドライバ1にシリアル送信するデータ信号は、図14に示す16ビットの信号であり、各信号をデータ送信用クロック信号に同期させて、16ビット送信した後、ストローブ信号を送ってモータドライバ1内のデータを確定させる。モータドライバ1の内部では、データ送信用クロック信号に同期されて送られてきたビットデータを16ビットシフトレジスタ(図示しない)に格納し、これをストローブ信号の立ち上がりを検出してラッチすると共に、出力発生回路(図示しない)を通して所望の電流波形を出力する。すなわち、図13に示すストローブ信号が図12に示す各励磁モードの基本クロックとなる。
【0014】
図14に示している16ビットデータ信号は、東芝(株)のモータドライバICであるTB62201AFをモータドライバとして使用した場合を例にとって記載しており、図14の(b)に2相励磁パターンテーブル、図14の(c)に1−2相励磁パターンテーブル、図14の(d)にW1−2相励磁パターンテーブルを示している。
【0015】
そして、16ビットデータ信号の各ビットの内容は、図14の(a)の16ビット駆動パターンテーブルに示す通りである。詳しく説明すると、0ビット目・1ビット目の2ビットによりA相B相に流す最大電流値を決定される。具体的には00:50%、01:75%、10:80%、11:100%となり、本例では100%に固定している。この値は図13における抵抗2、3の値によって決定される各相の電流値に対する比率となる。
【0016】
2ビット目・3ビット目の2ビットによりB相チョッピング時のチョッピング周期内における電流のチャージ・ディスチャージのタイミングを4段階に設定する。4ビット目〜7ビット目までは、B相の出力電流値比率を、16段階に切替えることが可能である。ここで設定される出力電流値とは、前述した抵抗3の値と0ビット目・1ビット目で決定される最大電流値に対する電流値比率である。具体的な設定値に対する出力電流値比率を図14(e)に示す。また8ビット目でB相の出力電流値位相を設定する。
【0017】
図14の(b)〜(d)に示すように、上記4ビット目〜8ビット目の5ビットを各ステップごとに設定することで、B相電流値の階段状の細かい制御を可能としている。
【0018】
また、9ビット目〜15ビット目までは、A相のチョッピング時の減衰比率と電流値を設定するビットであり、B相における2ビット目〜8ビット目までと同様である為、説明は省く。
【0019】
従来における、駆動中の励磁モードの切替えでは、CPU1内部のROM6aに格納されたプログラムにより励磁モード切替信号が発生して、その信号にもとづいてすぐに遷移後の励磁モードによるデータ信号がモータドライバ1からステッピングモータに出力されていた。
【0020】
しかしながら、上記従来例の構成のように、ステップ駆動途中で励磁モードが変更され、すぐに励磁モードを切替えると、ステッピングモータのロータ位置が確定しておらず、次の励磁モードに移行した際に、別の相に移動してしまう可能性があり、これが場合によっては脱調の原因となってしまう。
【0021】
その為、このため、その解決策として特許文献1においては、第1のステップから第2のステップへ移行している途中で励磁モード切替え指示が送られてきても、その第2のステップに達するまでは相励磁モードを切り替えずに、第2のステップに達した時点で、励磁モードを切り替えるという構成が公開されている。
【0022】
【特許文献1】
特開平8−037799号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された方法であると、電流値の不連続により振動が発生してしまい、場合によっては脱調の原因となってしまう。図15に示すW1−2相励磁から2相励磁に遷移する際の場合を例にとって、これを具体的に説明する。W1−2相励磁モードで駆動中のステッピングモータに、2相励磁モードの13ステップ目と14ステップ目の間に励磁モード切替え指示が発生した場合には、W1−2相励磁モードの14ステップ目のクロック立ち上がりに同期して2相励磁に遷移する。しかしこの時、14ステップ目のW1−2相励磁と2相励磁ではA相に流れる電流値が異なる為、図15に示すような電流値の不連続が起ってしまう。この電流値の不連続はステッピングモータの振動や脱調を引き起こす原因となってしまうという、解決すべき点がある。
【0024】
さらに、上記特許文献1に開示された方法では、例えばW1−2相励磁から2相励磁に15ステップ目で遷移した場合、2相励磁にそれに相当するステップが無く、しかもW1−2相励磁と2相励磁では基本クロックが異なる為、遷移前後で同期をとることができず、PPS(pulse per second)を一定に保つことは不可能である。このことは、その方式のステップモータを画像形成装置の紙搬送装置に用いた場合、文字のずれや色ずれ等を引き起こす原因となってしまう。
【0025】
さらに、上記特許文献1に開示された方法によると、次のステップに移行するという、電流の切替えタイミングという非常に限定されたタイミングでのみ遷移が可能となっている。このことはCPU制御で動かす時に、内部処理時間によってこのタイミングがずれてディレイが発生してしまうといった課題もある。
【0026】
また、従来のようにステッピングモータの励磁モード切替え動作が、例えば予め格納されたプログラムによりCPU内部で発生して、内部割込みによってのみ動作し、外部からの指示、例えば操作パネルからの指示により切替え動作指示ができない構成であると、工場での工程における動作チェックや、サービスマンのステッピングモータ故障検知時に、外部からの操作により動作確認ができないといった課題がある。
【0027】
また、画像形成装置においては、励磁モード切替え機能がなく、起動時に必要なトルクを十分引き出せる励磁モードで定速時も駆動した場合には、紙搬送時にはステッピングモータの振動が紙に伝わることにより紙がばたつき騒音となる課題がある。
【0028】
本発明は、上記のような従来の課題に鑑みなされたもので、ステッピングモータが第1の励磁モードで駆動中に第2の励磁モードへの励磁切替えが要求され、第1の励磁モードから第2の励磁モードへ励磁モードが遷移する際に、相が全く別の相に移動してしまうことや、振動等による脱調を防止することを第1の目的とする。
【0029】
また、本発明は、ステッピングモータが第1の励磁モードで駆動中に第2の励磁モードへの励磁切替えが要求され、第1の励磁モードから第2の励磁モードへ励磁モードが遷移する際に、遷移前後でステッピングモータの回転時間やPPS(pulse per second)に不連続が起ってしまい、文字のずれや色ずれ等を引き起こすことを防止することを第2の目的とする。
【0030】
また、本発明は、励磁モード切替え動作についての工場の工程での動作チェックやサービスマンの動作確認が外部の操作からできることを第3の目的とする。さらに、本発明は、画像形成装置の紙搬送装置においてステッピングモータの振動が紙のばたつきを引き起こし、騒音となってしまう事の防止を第4の目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動装置は、ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動装置において、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードへの切替を指示する励磁モード切替信号を発生する励磁モード切替信号発生手段と、前記励磁モード切替信号が発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になる励磁ステップを検索する検索手段と、前記検索手段が検索した励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに現に至ったことを判断する判断手段と、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに至ったと前記判断手段が判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える励磁モード切替手段とを有することを特徴とする。
【0032】
ここで、前記判断手段は、前記検索手段が検索した励磁ステップの1つ手前の励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する1つ手前の励磁ステップに現に至ったことを判断することも含み、前記励磁モード切替手段は、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップの1つ手前の励磁ステップに現に至ったと前記判断手段が判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替えることも含むことを特徴とすることができる。
【0033】
また、上記第2の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動装置は、前記励磁ステップを進行させる基本クロックとして、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることを特徴とする。
【0034】
また、上記第3の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動装置は、前記励磁モード切替信号発生手段は、装置外部からの信号または内部信号に応じて前記励磁モード切替信号を発生することを特徴とする。
【0035】
また、上記第4の目的を達するため、本発明の紙搬送装置は、ステッピングモータ駆動装置を備えたことを特徴とする。
【0036】
同様に、上記第1の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動方法は、ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動方法において、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードへの切替を指示する励磁モード切替信号を発生する励磁モード切替信号発生手順と、前記励磁モード切替信号が発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になる励磁ステップを検索する検索手順と、前記検索手順で検索した励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに現に至ったことを判断する判断手順と、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに至ったと前記判断手順で判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える励磁モード切替手順とを有することを特徴とする。
【0037】
ここで、前記判断手順は、前記検索手順で検索した励磁ステップの1つ手前の励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する1つ手前の励磁ステップに現に至ったことを判断することも含み、前記励磁モード切替手順では、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップの1つ手前の励磁ステップに現に至ったと前記判断手順で判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替えることも含むことを特徴とすることができる。
【0038】
また、上記第2の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動方法は、前記励磁ステップを進行させる基本クロックとして、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることを特徴とする。
【0039】
また、上記第3の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動方法は、前記励磁モード切替信号発生手順では、装置外部からの信号または内部信号に応じて前記励磁モード切替信号を発生することを特徴とする。
【0040】
上記第1の目的を達するため、本発明のコンピュータプログラムは、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードへの切替を指示する励磁モード切替信号を発生する励磁モード切替信号発生ステップと、前記励磁モード切替信号が発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になる励磁ステップを検索する検索ステップと、前記検索ステップで検索した励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに現に至ったことを判断する判断ステップと、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに至ったと前記判断ステップで判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える励磁モード切替ステップとを有することを特徴とする。
【0041】
ここで、前記判断ステップでは、前記検索ステップで検索した励磁ステップの1つ手前の励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する1つ手前の励磁ステップに現に至ったことを判断することも含み、前記励磁モード切替ステップでは、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップの1つ手前の励磁ステップに現に至ったと前記判断ステップで判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替えることも含むことを特徴とすることができる。
【0042】
また、上記第2の目的を達するため、本発明のコンピュータプログラムは、前記励磁ステップを進行させる基本クロックとして、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることを特徴とする。
【0043】
また、上記第3の目的を達するため、本発明のコンピュータプログラムは、前記励磁モード切替信号発生ステップでは、装置外部からの信号または内部信号に応じて前記励磁モード切替信号を発生することを特徴とする。
【0044】
また、本発明の記憶媒体は、上記いずれかに記載のコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0045】
(作用)
本発明では、必ず第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップであることを判断し、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップで第1の励磁モードと第2の励磁モードへの励磁モード切替えを行なうようにしているので、ロータの相が不確定になってしまうことや電流値の不連続によるステッピングモータの振動や脱調を回避することが可能となる。さらなる作用として、本発明では、基本クロックに同期したタイミングのみが切替え可能なタイミングとならず、電流値が一致する領域全てが切替え可能なタイミングとなる。
【0046】
また、本発明では、基本クロックを切り替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いて全ての励磁モード動作させるようにしているので、ロータが1ステップ角移動する時間も励磁モード変更前後で保たれることが可能となる。
【0047】
また、本発明では、外部からの信号または内部割込み信号により励磁モード切替信号を発生することにより行うようにしているので、工場の工程やサービスマンの励磁モード切替え動作の動作確認を簡単にすることが可能である。
【0048】
また、本発明の紙搬送装置では、前記ステッピングモータ駆動装置の機能を備えるようにしているので、紙のばたつきを押さえ騒音を低下させることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。但し、本発明の実施形態はあくまで例示であり、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
【0050】
(第1の実施形態)
図1に画像形成装置の記録紙給紙装置の断面図を示す。図1において、10は給紙カセット、Pは記録紙、11はピックアップローラ、12はフィードローラ、12aはそのローラ軸、13はリタードローラ、13aはそのローラ軸、14は引張スプリング、15はホルダー、および15aはホルダー軸である。
【0051】
本構成におけるフィードローラ12と、分離回転体としてのリタードローラ13は、ステッピングモータ(図示しない)からの駆動力がそれぞれのローラ軸12a,13aに伝達されて回転するようになっている。また、ピックアップローラ11はフィードローラ12の駆動力がギア列(図示しない)を介して伝達されて回転する構成となっている。更に、リタードローラ13のローラ軸13aにはトルクリミッタ(図示しない)が設けられており、駆動源(図示しない)からギア列(図示しない)を介して矢印Aの方向に回転する力を受けているリタードローラ13に対して、フィードローラ12とのニップ部に所定トルク以上のトルクを受けると、矢印Bの方向に従動駆動される構成となっている。
【0052】
また、リタードローラ13のローラ軸13aがホルダー軸15aを中心に回動可能なホルダー15の一端に支持されており、このホルダー15の他端には引張スプリング14が掛け止めされている。これにより、リタードローラ13はフィードローラ12に所定の力で圧接し、シート分離の際の分離圧が付与されるようになっている。
【0053】
記録紙の給紙動作に関しては、まずピックアップローラ11によって給紙カセット10内の記録紙Pがフィードローラ12とリタードローラ13のニップ部まで給送され、その給送された記録紙Pが一枚のときは、ローラ12と記録紙P及び記録紙Pとローラ13の摩擦力に従って、リタードローラ13は矢印Bの方向に従動駆動される。一方、フィードローラ12とリタードローラ13のニップ部に記録紙Pが複数枚搬送された場合には、記録紙同士の摩擦が小さいために、トルクリミッタが作用せず、リタードローラ13は矢印Aの方向に回転し、最上の記録紙以外を給紙カセット10方向へ戻し、最上の記録紙Pのみを給送する。
【0054】
フィードローラ12と、リタードローラ13を伝達駆動するためのステッピングモータの駆動方式には、起動開始から所定時間、或いは所定ステップ数を1−2相励磁で駆動し、その後、後述する本発明による励磁モード切替え方式に従って、W1−2相励磁に切替える。これにより、ステッピングモータの起動時や記録紙の摩擦に抗して分離する際にはトルクを十分に得られ、一定速度での紙搬送時には振動の発生を抑えた静音化をはかることができる。
【0055】
これらローラを駆動する為のステッピングモータ駆動回路は、従来例で示した図13で説明されるものと同様である為、その説明は省略する。
【0056】
次に、本発明に基づく励磁モード切替え方法の説明として、本実施形態では、1−2相励磁からW1−2相励磁への遷移を図2〜図4を用いて説明する。
【0057】
図2には、1−2相励磁の電流値タイムチャートと、W1−2相励磁の電流値タイムチャートを上下に並べて図示している。図2に示すXの領域では、A相電流値、B相電流値ともに一致している。例えば、電流値が一致している領域である7ステップ〜8ステップの間に後述する本発明による励磁モード切替え方法によって励磁モードを切替えた場合には、図3に示すに、各相の電流値が連続的に遷移を行なうこととなる。一方、電流値が一致する領域の1つ手前の領域である、例えば6ステップ〜7ステップの間に、励磁モードを切替えが行われた場合にも、基本クロックに伴った各相の電流値は図3に示すものと同様となり、連続的に遷移を行なうこととなる。すなわち、各相の電流値の不連続を起こさず、励磁モードの遷移を可能にする領域は電流値が一致する領域及びその1つ手前の領域である、図2のYで示す範囲となる。
【0058】
図2のYの領域内で励磁モード切替信号が割り込みとして入力された場合には、その時点で励磁モードが切り替えられ、次の基本クロックの立ち上がりから切替え後の励磁モードでの駆動がはじまる。一方、領域Y以外のタイミングで励磁モード切替信号が割り込みとして入力された場合には、励磁モード切替えフラグビットを1にしておき、Yの領域になってから励磁モードを切替え、次の基本クロックの立ち上がりから切替え後の励磁モードでの駆動がはじまる。
【0059】
さらに、本発明の特徴として1−2相励磁の基本クロックもW1−2相励磁のクロックと同じクロックで制御している。即ち、図4の(b)および(c)に示す1−2相励磁及びW1−2相励磁のパターンテーブルを、予め図13のCPU1のROM(図示しない)内に格納しておき、切り替える可能性のある励磁パターンの公倍数のクロックで全ての励磁モードを駆動させる。本実施形態の場合、W1−2相励磁のクロックで両励磁モードを駆動しており、図4の(b)に示すように、1−2相励磁の駆動パターンでは各偶数ステップと奇数スッテプが同じパターンを格納している。
【0060】
なお、各ステップにおける各bit(ビット)の内容は図4の(a)に示す通りである。即ち、15ビット目を用いてA相電流値位相を表わし、14ビット目から11ビット目を用いてA相出力電流を表わし、10ビット目と9ビット目を用いてA相のチョッピング減衰比率を表わし、8ビット目を用いてB相電流位相を表わし、7ビット目から4ビット目を用いてB相出力電流を表わし、3ビット目と2ビット目を用いてB相のチョッピング減衰比率を表わし、1ビット目と0ビット目を用いて最大電流値を表わしている。
【0061】
本実施形態における1−2相励磁からW1−2相励磁にモードを切り替えるシーケンスのフローを図5のフローチャートを用いて説明する。
本実施形態において、図5の励磁モードAとは1−2相励磁を表し、励磁モードBとはW1−2相励磁を表している。
【0062】
給紙指示があると、まず励磁ステップの為のポインタを1−2相励磁の励磁パターンテーブル(図4の(b))の0step(ステップ)目のアドレスを指すように初期化を行なう(S101)。ここで、図4で示す各励磁モードのパターンテーブルはそれぞれが0step目から15step目まで連続したアドレスに予め格納されており、ポインタのアドレスをインクリメントする度毎にポインタが指し示すアドレスの内容は1stepずつシフトしていくようになっている。
【0063】
その後、励磁切替え割り込みを許可する(S102)。これにより、モータドライバ1に各ステップの励磁パターンを出力する為の後述する割り込みシーケンスが、割り込み発生タイマカウンタ(図示しない)の設定値に従って、所定の間隔ごとに発生することとなる。
【0064】
一方、図5で説明されるメインのフローでは、常にステッピングモータの停止条件が満足されたか否かを監視し(S103)、また励磁モード切替えフラグビットがHigh(ハイ)か否かを監視している(S104)。
【0065】
ここで、ステッピングモータの停止条件とは例えば、所定時間の経過や、所定ステップ後、或いはセンサ(図示しない)や操作パネル(図示しない)による外部からの信号をトリガとした停止条件が考えられる。
【0066】
S103において停止条件が満足されていれば、励磁切替え割り込みを禁止にする(S108)。このように割り込みを禁止にすることで、ステップモータは最後の励磁された相の位置で停止する。
【0067】
一方、停止条件が満足されておらず、かつ励磁モード切替えフラグビットがHighであった場合には、後述のS105以降の各電流値一致検索・判断手順に移る。
【0068】
すなわち、遷移前後の各励磁モードの電流値が同じであることを検索・判断する手順としては、図4の(b)、(c)に示すパターンテーブルに従って、遷移前後の電流値が一致しているステップ、或いは電流値が一致しているステップの1つ手前のステップに現在至っているか否かを判断する。すなわち、図2において説明した遷移可能領域Yの領域であるか否かを判断し(S105、S106)、Yの領域であれば励磁モードの遷移を行なう(S107)。
【0069】
更に詳しく述べると、遷移可能領域Yであることの判断手順としては、例えば現在ポインタの指し示しているアドレスが、図4の(b)に示す1−2相励磁パターンテーブルのNstep目の16ビットデータを格納しているアドレスであった場合には、まず現在のポインタが指しているアドレスの16ビットデータと遷移先の図4の(c)に示すW1−2相励磁パターンテーブルの「0step目のデータが格納されているアドレス+N」番地に格納されている16ビットデータの比較を行なう(S105)。
【0070】
前述した通り、各励磁モードのパターンテーブルはそれぞれが0step目から15step目まで連続したアドレスに予め格納されている為、図4の(c)に示すW1−2相励磁パターンテーブルの「0step目のデータが格納されているアドレス+N」番地には、W1−2相励磁パターンテーブルのNstep目の16ビットデータが格納されていることとなり、その結果として、S105では、1−2相励磁とW1−2相励磁の現在のステップであるNstep目の電流値の一致を比較していることとなる。
【0071】
S105において、上記両者が一致している場合には、S107で励磁モードの遷移を行なう。
【0072】
励磁モードの遷移方法としては、1−2相励磁のNstep目のデータが格納されているアドレスを指し示している励磁ステップの為のポインタをW1−2相励磁のNstep目、すなわち、W1−2相励磁パターンテーブルの「0step目のデータが格納されているアドレス+N」番地を指し示すように変更する(S107)。
【0073】
これにより、励磁ステップ切替え割り込みシーケンスの中で参照される励磁モードパターンテーブルが図4(b)で示す1−2相励磁駆動パターンテーブルから図4(c)で示すW1−2相励磁駆動パターンテーブルに変更されることとなる。
【0074】
一方、S105において、上記両者が一致していない場合には、現在ポインタが指し示しているアドレスを仮想的にインクリメントした(N+1)step目の16ビットデータと、W1−2相励磁パターンテーブルの「0step目のデータが格納されているアドレス+(N+1)」番地に格納されているW1−2相励磁(N+1)step目の16ビットデータとを比較する(S106)。
【0075】
このように、S105、S106において、各励磁モードのNstep目と(N+1)step目を比較することで、図2で示す切替え可能領域Yであることを判断することができる。
【0076】
S106において、上記両者が一致している場合にはS105と同様に、S107で上述の励磁モードの遷移を行なう。
【0077】
一方、S106において、上記両者が一致していない場合には、S103に戻って、各励磁モードの電流値が一致するステップ、或いは一つ前のステップに至ったことを判断するS105、S106を各励磁モードの16ビットデータが一致するステップであると判断するまで繰り返し、一致した時点でS107を実行し、励磁モードの遷移を行なう。
【0078】
S104で判断される励磁モード切替えフラグビットがHigh(=1)となる条件としては、図13のROM6aに予め格納されたプログラムに従って所定のタイミングでLowからHighに切り替わる場合や、操作パネル(図示しない)やセンサ等(図示しない)の外部からの信号をトリガとして切り替わる場合がある。
【0079】
本実施形態では、励磁モード切替信号発生の所定のタイミングとして、図6で示すように、給紙動作が始まった後、予め定められた所定時間Tの経過後に(S201〜S204)、励磁モードを切替える(S205)。ここで、所定時間Tとはステップモータのスローアップが終了し、かつ記録紙の分離が終了したことにより、大きなトルクを必要としなくなった時点を想定しており、その具体的な時間は機器の構成により異なるものである。
【0080】
さらに詳細に説明すると、図6に示すように、給紙指示があると(S201)、図5で示すメインのフローとは別に、タイマカウンタt(図示しない)を0に初期化し(S202)、予め定められた所定時間Tを経過すると(S203,S204)、励磁モード切替えフラグビットをHighにする(S205)。
【0081】
また、図7のフローチャートに励磁ステップ切替え割り込みのフローを示す。まず、励磁ステップ切替え割り込みが発生すると、まず励磁ステップの為のポインタが指し示しているアドレスに格納された16ビットデータを、データ送信クロックに同期させてモータドライバ1に出力する(S121)。16ビットのデータを送信した後、すなわちデータ送信用クロックを16クロック出力したことが確認された(S122)後、ストローブ信号をHigh(ハイ)にし(S123)、モータドライバ1から所望の電流を各相に出力する。
【0082】
その後、割り込み発生のカウンタ値を設定する(S124)。これにより、次の励磁ステップ切替え割り込み発生の間隔を決定する。この間隔はスローアップ、スローダウン、定速回転時、とそれぞれ予め定められたテーブルを用意しておき、それに従って決定されるものである。
【0083】
さらに、ストローブ信号をLow(ロー)にした(S125)後、現在ポインタが指しているアドレスに格納されている16ビットデータのその励磁モードにおけるステップ数NがNmaxに達しているか否かを判断する(S126)。Nmaxとは動作している励磁モードによって異なり、それぞれ各テーブルのステップ数の最大値を表している。具体的には本実施形態では図4で示すようにNmax=15である。
【0084】
そして、S126の判断より、N=Nmaxでなかった場合には、ポインタのアドレスをインクリメントし(S127)、現在参照している励磁パターンテーブルの(N+1)ステップ目のデータが格納されているアドレスを指すようにした後、割り込みシーケンスを終了する。
【0085】
一方、N=Nmaxであった場合には、ポインタが指し示すアドレスを、現在参照している励磁パターンテーブルの0ステップ目のデータが格納されたアドレスに移動させた(S128)後、割り込みシーケンスを終了する。
以上、上記実施形態では、本発明を特徴的に説明する1例である1−2相励磁からW1−2相励磁への励磁モード切替えシーケンスと、それを備えた紙搬送装置に関して説明をした。しかし、本発明はその形態に限定されることなく、様々な励磁モードへの変更に関して適用される。
【0086】
(第2の実施形態)
その他の例として、2相励磁から1−2相励磁に励磁モード遷移する場合に関して説明する。図8には2相励磁の電流値タイムチャートと1−2相励磁の電流値タイムチャートを上下に並べて図示している。図2と同様、図8に示すXの領域ではA相電流値、B相電流値ともに一致しており、Xの領域及び一つ手前の領域において励磁モードは遷移可能となる。
【0087】
この場合、励磁モード切替信号が許可される領域はYで示す範囲となる。即ち、この場合、全ての領域で励磁モード遷移可能状態となる。各パターンテーブルを図9に示す。
【0088】
但し、上記例の場合には、2相励磁、1−2相励磁が共に1−2相励磁に必要な基本クロックで動作しており、このため全ての領域で励磁モード遷移可能状態となっている。
【0089】
(第3の実施形態)
仮に制御上、別のタイミングにおいてW1−2相励磁での駆動に切り替える可能性があった場合には、各励磁モードの基本クロックの公倍数の一つであるW1−2相励磁に必要な基本クロックで2相励磁、1−2相励磁も動作することとなり、図10のYで示す領域が励磁モード遷移可能領域となる。
【0090】
本例における、2相励磁から1−2相励磁に励磁モード遷移する場合のシーケンスフローは図5〜図6で説明されるものと同様である。但し図5で示す励磁モードAとは2相励磁を表し、励磁モードBとは1−2相励磁を表している。
【0091】
さらに、複数の励磁モードに遷移する可能性がある場合には、励磁モード切替えフラグビットには予め遷移する可能性があるそれぞれの励磁モードのビットを用意しておき、何の励磁モードに遷移する指示であったかを判別できるようになっている。
【0092】
(第4の実施形態)
また、本発明の励磁モード切替え方法を用いた場合の、従来例で示したようなW1−2相励磁から2相励磁に遷移する際の電流値を図11に示す。図11はW1−2相励磁モードで駆動中のステッピングモータに13ステップ目と14ステップ目の間に、励磁モード切替え指示が発生した場合を表している。ここでも従来例と異なり、電流値が連続的に遷移することとなる。
【0093】
以上説明したように、本発明によれば画像形成装置の給紙動作時に使用するステッピングモータの励磁モード切替えシーケンスにおいて、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切り替える際に、励磁モード切替信号発生手段から第1の励磁モードから第2の励磁モードに切替る信号を受け付けた場合には、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップに至ったことを判断し、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップに至ったことを判断した時点で、励磁モードを切り替えるので、ロータの相が不確定になってしまうことや電流値の不連続によるステッピングモータの振動や脱調を回避することが可能となる。
【0094】
さらに、励磁モード動作の基準となる基本クロックは切り替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いて全ての励磁モードをクロック同期動作させるので、ロータが1ステップ角移動する時間も励磁モード変更前後で保たれることとなる。
【0095】
さらに、上記ステッピングモータ励磁モード切替えシーケンスを紙搬送装置に備えることにより、紙搬送中の紙のばたつきを押さえ装置の騒音を低下させることが可能となる。
【0096】
(他の実施の形態)
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0097】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラム(本実施形態では、図5〜図7に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがその供給されたプログラムを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0098】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、そのコンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0099】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OS(オペレーティングシステム)に供給するスクリップトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0100】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード(ICメモリカード)、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などがある。
【0101】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのプラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、このホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルをユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0102】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて本発明を実現することも可能である。
【0103】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した本発明の実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した本発明の実施形態の機能が実現され得る。
【0104】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した本発明の実施形態の機能が実現される。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動装置において、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードに切替える励磁モード切替信号を発生し、かつ励磁モード切替信号を発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になるステップの検索をし、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップに至ったことを判断して、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップに至った時点でステッピングモータ駆動手段の励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切替えるので、ロータの相が不確定になってしまうことや、電流値の不連続によるステッピングモータの振動や脱調を回避することが可能となる。
【0106】
さらに、2つのモード間で電流値が一致している間のどこでも遷移可能なため、遷移タイミングの自由度が増し、スピードの遅いCPUを用いてもその内部処理のディレイが問題にならない。
【0107】
また、本発明によれば、ステッピングモータ駆動手段の励磁ステップを進行させる基本クロックは、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることにより、ロータが1ステップ角移動する時間も励磁モード変更前後で保たれることが可能となる。
【0108】
また、本発明によれば、外部からの信号または内部割込み信号により励磁モード切替信号を発生することにより、工場の工程やサービスマンの励磁モード切替え動作の動作確認を簡単にすることが可能である。
【0109】
また、本発明によれば、紙搬送装置に本発明の上記ステッピングモータ駆動装置の機能を有することにより、紙搬送中の紙のばたつきを押さえ、装置の騒音を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における記録紙給紙装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における1−2相励磁モードからW1−2相励磁モードへの励磁モード切替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図3】本発明の一実施形態における1−2相励磁モードからW1−2相励磁モードへの励磁モード切替え時のA相・B相電流値波形を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における1−2相励磁モードとW1−2相励磁モードのパターンテーブルを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態における相励磁モード切替えシーケンスを示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態における励磁モード切替えビット制御を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態におけるステッピングモータ駆動励磁切替え割り込みシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態における2相励磁モードから1−2相励磁モードへの励磁モード切替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態における2相励磁モードと1−2相励磁モードのパターンテーブルを示す図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態における2相励磁モードから1−2相励磁モードへの励磁モード切替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図11】本発明の更に他の実施形態における2相励磁モードからW1−2相励磁モードへの励磁モード切替え時のA相電流値波形を示すタイミングチャートである。
【図12】一般的な、ステッピングモータ2相励磁モード、1−2相励磁モード、W1−2相励磁モードにおける電流値波形を示すタイミングチャートである。
【図13】従来例におけるステッピングモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図14】従来例における2相励磁モード、1−2相励磁モード、W1−2相励磁モードのパターンテーブルを示す図である。
【図15】従来例における励磁モード切替え方式の課題を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 ステッピングモータのモータドライバ
6 CPU
7、8 バイポーラステッピングモータ用巻線
9 ロータ
10 給紙カセット
11 ピックアップローラ
12 フィードローラ
12a ローラ軸
13 リタードローラ
13a ローラ軸
14 引張スプリング
15 ホルダー
15a ホルダー軸
P 記録紙
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータの駆動装置、その駆動装置を備えた紙搬送装置、ステッピングモータの駆動方法、その方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置においては、一般に記録紙の搬送機構の駆動源としてステッピングモータが利用されている。ステッピングモータは電気的制御により様々な起動方式で駆動させることが可能である。例えば、2相のステッピングモータの場合には、その励磁モードには2相励磁、1−2相励磁、W1−2相励磁、2W1−2相励磁、4W1−2相励磁がある。各励磁モードはモータの機構的特性によって予め定められたステップ角を複数の微少角に細分し、スッテプ駆動を行なう駆動方式である。
【0003】
具体的な例として、図12に2相励磁、1−2相励磁、W1−2相励磁の各出力電流ベクトル軌跡と1ステップ間の各相の電流値タイミングチャートを示す。図は2相バイポーラタイプステッピングモータの出力電流であり、実線がA相に流れる電流値を表しており、破線がB相に流れる電流値を表している。図中の各電流値では簡単の為、平坦に記載しているが実際には所定のチョッピング周波数に同期してチョッピングされ定電流に保たれている。
【0004】
図12の(a)は2相励磁の電流ベクトル軌跡を表しており、常にIA,IBの2相が正負どちらかの電流が流れることにより励磁されている。これにより4ステップで電流ベクトル軌跡は360°回転することになり、この4ステップによる1サイクルが前述したモータのステップ角分の回転量に相当する。
【0005】
また、図12の(b)は1−2相励磁の電流ベクトル軌跡を表しており、この励磁方式は1相励磁と2相励磁を交互に繰り返し、8ステップで電流ベクトル軌跡が360°回転することとなる。
【0006】
次に、図12の(c)はW1−2相励磁の電流ベクトル軌跡を表しており、さらに16ステップに細分化されていると共に、各ステップにおいて電流値を変化させていることにより、ステッピングモータの滑らかな駆動を実現している。
その他、2W1−2相励磁、4W1−2相励磁はそれぞれ32ステップ、64ステップに細分化され、更なる滑らかな駆動が可能である。
【0007】
各励磁方式の特徴として限られた巻線電流値の中で大きなトルクを得る為には、常に電流値100%で駆動を行なう2相励磁が適している。しかし、2相励磁はステップ角も大きく電流値も大きいため、振動や騒音が大きくなってしまう。一方、1−2相励磁〜4W1−2相励磁と駆動ステップが細分化されると、滑らかで静音化された回転を得ることができるが、そのかわりに2相励磁に比べて出力トルクが下がる。
【0008】
一方、画像形成装置において、記録紙の給紙搬送時等の際に、停止しているモータを起動して記録紙を給紙するためには、起動時及びスローアップ時に大きなトルクを必要とし、それに合わせて使用するステッピングモータの駆動方式も必要なトルクが十分に出力できる駆動方式を使用する。一方、定速時にはそれほどのトルクは必要なく、高いトルクが得られる駆動方式では逆に必要以上の電流値によりモータの騒音や振動を招いてしまう。
【0009】
この点を解決する方法として、ステッピングモータの加速・減速時と定速時でモータの相励磁方式を切り替える方式が知られている。図13にもとづいて従来のステッピングモータ駆動回路を説明する。
【0010】
図13は2相のバイポーラタイプのステッピングモータの駆動回路を示しており、図中の巻線7、8を前段のモータドライバ1から出力される励磁電流パターンに従って励磁することにより、ステッピングモータのロータ9が回転する。モータドライバ1はその内部に予め入力されたデータにもとづいて出力パルスを発生する出力制御部(図示しない)、出力パルスにもとづいてA相、B相に電流を出力する出力回路部(図示しない)、および定電流駆動するためのチョッピング用PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)発生部(図示しない)を備えており、具体的には例えば東芝(株)のモータドライバICであるTB62201AFがこれに相当する。
【0011】
モータドライバ1には内部ロジック駆動用電源としてVCCを供給しており、さらにモータ駆動用電源としてVMを供給している。モータドライバ1のVMAの端子はA相用電源入力端子であり、VMBの端子はB相用電源入力端子である。また、モータドライバ1のRRSA端子、RRSB端子には電流検出抵抗2、3によって検出された、巻線7、6に流れる電流値がそれぞれ入力される。巻線7、8の電流値を検出することにより、内部チョッピング用PWM発生部により、チョッピング周波数決定コンデンサ4、5によって定められる所定のチョッピング周波数で各相がチョッピングされることで、巻線6、7に流れる平均電流値を制御する。
【0012】
CPU(中央処理装置)6はROM(リードオンリメモリ)6a及びタイマ6bを具備しており、モータドライバ1にデータ信号、データ送信用クロック信号、ストローブ信号、ドライバリセット信号を出力する。
【0013】
CPU6からモータドライバ1にシリアル送信するデータ信号は、図14に示す16ビットの信号であり、各信号をデータ送信用クロック信号に同期させて、16ビット送信した後、ストローブ信号を送ってモータドライバ1内のデータを確定させる。モータドライバ1の内部では、データ送信用クロック信号に同期されて送られてきたビットデータを16ビットシフトレジスタ(図示しない)に格納し、これをストローブ信号の立ち上がりを検出してラッチすると共に、出力発生回路(図示しない)を通して所望の電流波形を出力する。すなわち、図13に示すストローブ信号が図12に示す各励磁モードの基本クロックとなる。
【0014】
図14に示している16ビットデータ信号は、東芝(株)のモータドライバICであるTB62201AFをモータドライバとして使用した場合を例にとって記載しており、図14の(b)に2相励磁パターンテーブル、図14の(c)に1−2相励磁パターンテーブル、図14の(d)にW1−2相励磁パターンテーブルを示している。
【0015】
そして、16ビットデータ信号の各ビットの内容は、図14の(a)の16ビット駆動パターンテーブルに示す通りである。詳しく説明すると、0ビット目・1ビット目の2ビットによりA相B相に流す最大電流値を決定される。具体的には00:50%、01:75%、10:80%、11:100%となり、本例では100%に固定している。この値は図13における抵抗2、3の値によって決定される各相の電流値に対する比率となる。
【0016】
2ビット目・3ビット目の2ビットによりB相チョッピング時のチョッピング周期内における電流のチャージ・ディスチャージのタイミングを4段階に設定する。4ビット目〜7ビット目までは、B相の出力電流値比率を、16段階に切替えることが可能である。ここで設定される出力電流値とは、前述した抵抗3の値と0ビット目・1ビット目で決定される最大電流値に対する電流値比率である。具体的な設定値に対する出力電流値比率を図14(e)に示す。また8ビット目でB相の出力電流値位相を設定する。
【0017】
図14の(b)〜(d)に示すように、上記4ビット目〜8ビット目の5ビットを各ステップごとに設定することで、B相電流値の階段状の細かい制御を可能としている。
【0018】
また、9ビット目〜15ビット目までは、A相のチョッピング時の減衰比率と電流値を設定するビットであり、B相における2ビット目〜8ビット目までと同様である為、説明は省く。
【0019】
従来における、駆動中の励磁モードの切替えでは、CPU1内部のROM6aに格納されたプログラムにより励磁モード切替信号が発生して、その信号にもとづいてすぐに遷移後の励磁モードによるデータ信号がモータドライバ1からステッピングモータに出力されていた。
【0020】
しかしながら、上記従来例の構成のように、ステップ駆動途中で励磁モードが変更され、すぐに励磁モードを切替えると、ステッピングモータのロータ位置が確定しておらず、次の励磁モードに移行した際に、別の相に移動してしまう可能性があり、これが場合によっては脱調の原因となってしまう。
【0021】
その為、このため、その解決策として特許文献1においては、第1のステップから第2のステップへ移行している途中で励磁モード切替え指示が送られてきても、その第2のステップに達するまでは相励磁モードを切り替えずに、第2のステップに達した時点で、励磁モードを切り替えるという構成が公開されている。
【0022】
【特許文献1】
特開平8−037799号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された方法であると、電流値の不連続により振動が発生してしまい、場合によっては脱調の原因となってしまう。図15に示すW1−2相励磁から2相励磁に遷移する際の場合を例にとって、これを具体的に説明する。W1−2相励磁モードで駆動中のステッピングモータに、2相励磁モードの13ステップ目と14ステップ目の間に励磁モード切替え指示が発生した場合には、W1−2相励磁モードの14ステップ目のクロック立ち上がりに同期して2相励磁に遷移する。しかしこの時、14ステップ目のW1−2相励磁と2相励磁ではA相に流れる電流値が異なる為、図15に示すような電流値の不連続が起ってしまう。この電流値の不連続はステッピングモータの振動や脱調を引き起こす原因となってしまうという、解決すべき点がある。
【0024】
さらに、上記特許文献1に開示された方法では、例えばW1−2相励磁から2相励磁に15ステップ目で遷移した場合、2相励磁にそれに相当するステップが無く、しかもW1−2相励磁と2相励磁では基本クロックが異なる為、遷移前後で同期をとることができず、PPS(pulse per second)を一定に保つことは不可能である。このことは、その方式のステップモータを画像形成装置の紙搬送装置に用いた場合、文字のずれや色ずれ等を引き起こす原因となってしまう。
【0025】
さらに、上記特許文献1に開示された方法によると、次のステップに移行するという、電流の切替えタイミングという非常に限定されたタイミングでのみ遷移が可能となっている。このことはCPU制御で動かす時に、内部処理時間によってこのタイミングがずれてディレイが発生してしまうといった課題もある。
【0026】
また、従来のようにステッピングモータの励磁モード切替え動作が、例えば予め格納されたプログラムによりCPU内部で発生して、内部割込みによってのみ動作し、外部からの指示、例えば操作パネルからの指示により切替え動作指示ができない構成であると、工場での工程における動作チェックや、サービスマンのステッピングモータ故障検知時に、外部からの操作により動作確認ができないといった課題がある。
【0027】
また、画像形成装置においては、励磁モード切替え機能がなく、起動時に必要なトルクを十分引き出せる励磁モードで定速時も駆動した場合には、紙搬送時にはステッピングモータの振動が紙に伝わることにより紙がばたつき騒音となる課題がある。
【0028】
本発明は、上記のような従来の課題に鑑みなされたもので、ステッピングモータが第1の励磁モードで駆動中に第2の励磁モードへの励磁切替えが要求され、第1の励磁モードから第2の励磁モードへ励磁モードが遷移する際に、相が全く別の相に移動してしまうことや、振動等による脱調を防止することを第1の目的とする。
【0029】
また、本発明は、ステッピングモータが第1の励磁モードで駆動中に第2の励磁モードへの励磁切替えが要求され、第1の励磁モードから第2の励磁モードへ励磁モードが遷移する際に、遷移前後でステッピングモータの回転時間やPPS(pulse per second)に不連続が起ってしまい、文字のずれや色ずれ等を引き起こすことを防止することを第2の目的とする。
【0030】
また、本発明は、励磁モード切替え動作についての工場の工程での動作チェックやサービスマンの動作確認が外部の操作からできることを第3の目的とする。さらに、本発明は、画像形成装置の紙搬送装置においてステッピングモータの振動が紙のばたつきを引き起こし、騒音となってしまう事の防止を第4の目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動装置は、ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動装置において、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードへの切替を指示する励磁モード切替信号を発生する励磁モード切替信号発生手段と、前記励磁モード切替信号が発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になる励磁ステップを検索する検索手段と、前記検索手段が検索した励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに現に至ったことを判断する判断手段と、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに至ったと前記判断手段が判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える励磁モード切替手段とを有することを特徴とする。
【0032】
ここで、前記判断手段は、前記検索手段が検索した励磁ステップの1つ手前の励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する1つ手前の励磁ステップに現に至ったことを判断することも含み、前記励磁モード切替手段は、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップの1つ手前の励磁ステップに現に至ったと前記判断手段が判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替えることも含むことを特徴とすることができる。
【0033】
また、上記第2の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動装置は、前記励磁ステップを進行させる基本クロックとして、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることを特徴とする。
【0034】
また、上記第3の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動装置は、前記励磁モード切替信号発生手段は、装置外部からの信号または内部信号に応じて前記励磁モード切替信号を発生することを特徴とする。
【0035】
また、上記第4の目的を達するため、本発明の紙搬送装置は、ステッピングモータ駆動装置を備えたことを特徴とする。
【0036】
同様に、上記第1の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動方法は、ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動方法において、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードへの切替を指示する励磁モード切替信号を発生する励磁モード切替信号発生手順と、前記励磁モード切替信号が発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になる励磁ステップを検索する検索手順と、前記検索手順で検索した励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに現に至ったことを判断する判断手順と、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに至ったと前記判断手順で判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える励磁モード切替手順とを有することを特徴とする。
【0037】
ここで、前記判断手順は、前記検索手順で検索した励磁ステップの1つ手前の励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する1つ手前の励磁ステップに現に至ったことを判断することも含み、前記励磁モード切替手順では、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップの1つ手前の励磁ステップに現に至ったと前記判断手順で判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替えることも含むことを特徴とすることができる。
【0038】
また、上記第2の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動方法は、前記励磁ステップを進行させる基本クロックとして、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることを特徴とする。
【0039】
また、上記第3の目的を達するため、本発明のステッピングモータ駆動方法は、前記励磁モード切替信号発生手順では、装置外部からの信号または内部信号に応じて前記励磁モード切替信号を発生することを特徴とする。
【0040】
上記第1の目的を達するため、本発明のコンピュータプログラムは、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードへの切替を指示する励磁モード切替信号を発生する励磁モード切替信号発生ステップと、前記励磁モード切替信号が発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になる励磁ステップを検索する検索ステップと、前記検索ステップで検索した励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに現に至ったことを判断する判断ステップと、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに至ったと前記判断ステップで判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える励磁モード切替ステップとを有することを特徴とする。
【0041】
ここで、前記判断ステップでは、前記検索ステップで検索した励磁ステップの1つ手前の励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する1つ手前の励磁ステップに現に至ったことを判断することも含み、前記励磁モード切替ステップでは、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップの1つ手前の励磁ステップに現に至ったと前記判断ステップで判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替えることも含むことを特徴とすることができる。
【0042】
また、上記第2の目的を達するため、本発明のコンピュータプログラムは、前記励磁ステップを進行させる基本クロックとして、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることを特徴とする。
【0043】
また、上記第3の目的を達するため、本発明のコンピュータプログラムは、前記励磁モード切替信号発生ステップでは、装置外部からの信号または内部信号に応じて前記励磁モード切替信号を発生することを特徴とする。
【0044】
また、本発明の記憶媒体は、上記いずれかに記載のコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0045】
(作用)
本発明では、必ず第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップであることを判断し、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップで第1の励磁モードと第2の励磁モードへの励磁モード切替えを行なうようにしているので、ロータの相が不確定になってしまうことや電流値の不連続によるステッピングモータの振動や脱調を回避することが可能となる。さらなる作用として、本発明では、基本クロックに同期したタイミングのみが切替え可能なタイミングとならず、電流値が一致する領域全てが切替え可能なタイミングとなる。
【0046】
また、本発明では、基本クロックを切り替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いて全ての励磁モード動作させるようにしているので、ロータが1ステップ角移動する時間も励磁モード変更前後で保たれることが可能となる。
【0047】
また、本発明では、外部からの信号または内部割込み信号により励磁モード切替信号を発生することにより行うようにしているので、工場の工程やサービスマンの励磁モード切替え動作の動作確認を簡単にすることが可能である。
【0048】
また、本発明の紙搬送装置では、前記ステッピングモータ駆動装置の機能を備えるようにしているので、紙のばたつきを押さえ騒音を低下させることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。但し、本発明の実施形態はあくまで例示であり、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
【0050】
(第1の実施形態)
図1に画像形成装置の記録紙給紙装置の断面図を示す。図1において、10は給紙カセット、Pは記録紙、11はピックアップローラ、12はフィードローラ、12aはそのローラ軸、13はリタードローラ、13aはそのローラ軸、14は引張スプリング、15はホルダー、および15aはホルダー軸である。
【0051】
本構成におけるフィードローラ12と、分離回転体としてのリタードローラ13は、ステッピングモータ(図示しない)からの駆動力がそれぞれのローラ軸12a,13aに伝達されて回転するようになっている。また、ピックアップローラ11はフィードローラ12の駆動力がギア列(図示しない)を介して伝達されて回転する構成となっている。更に、リタードローラ13のローラ軸13aにはトルクリミッタ(図示しない)が設けられており、駆動源(図示しない)からギア列(図示しない)を介して矢印Aの方向に回転する力を受けているリタードローラ13に対して、フィードローラ12とのニップ部に所定トルク以上のトルクを受けると、矢印Bの方向に従動駆動される構成となっている。
【0052】
また、リタードローラ13のローラ軸13aがホルダー軸15aを中心に回動可能なホルダー15の一端に支持されており、このホルダー15の他端には引張スプリング14が掛け止めされている。これにより、リタードローラ13はフィードローラ12に所定の力で圧接し、シート分離の際の分離圧が付与されるようになっている。
【0053】
記録紙の給紙動作に関しては、まずピックアップローラ11によって給紙カセット10内の記録紙Pがフィードローラ12とリタードローラ13のニップ部まで給送され、その給送された記録紙Pが一枚のときは、ローラ12と記録紙P及び記録紙Pとローラ13の摩擦力に従って、リタードローラ13は矢印Bの方向に従動駆動される。一方、フィードローラ12とリタードローラ13のニップ部に記録紙Pが複数枚搬送された場合には、記録紙同士の摩擦が小さいために、トルクリミッタが作用せず、リタードローラ13は矢印Aの方向に回転し、最上の記録紙以外を給紙カセット10方向へ戻し、最上の記録紙Pのみを給送する。
【0054】
フィードローラ12と、リタードローラ13を伝達駆動するためのステッピングモータの駆動方式には、起動開始から所定時間、或いは所定ステップ数を1−2相励磁で駆動し、その後、後述する本発明による励磁モード切替え方式に従って、W1−2相励磁に切替える。これにより、ステッピングモータの起動時や記録紙の摩擦に抗して分離する際にはトルクを十分に得られ、一定速度での紙搬送時には振動の発生を抑えた静音化をはかることができる。
【0055】
これらローラを駆動する為のステッピングモータ駆動回路は、従来例で示した図13で説明されるものと同様である為、その説明は省略する。
【0056】
次に、本発明に基づく励磁モード切替え方法の説明として、本実施形態では、1−2相励磁からW1−2相励磁への遷移を図2〜図4を用いて説明する。
【0057】
図2には、1−2相励磁の電流値タイムチャートと、W1−2相励磁の電流値タイムチャートを上下に並べて図示している。図2に示すXの領域では、A相電流値、B相電流値ともに一致している。例えば、電流値が一致している領域である7ステップ〜8ステップの間に後述する本発明による励磁モード切替え方法によって励磁モードを切替えた場合には、図3に示すに、各相の電流値が連続的に遷移を行なうこととなる。一方、電流値が一致する領域の1つ手前の領域である、例えば6ステップ〜7ステップの間に、励磁モードを切替えが行われた場合にも、基本クロックに伴った各相の電流値は図3に示すものと同様となり、連続的に遷移を行なうこととなる。すなわち、各相の電流値の不連続を起こさず、励磁モードの遷移を可能にする領域は電流値が一致する領域及びその1つ手前の領域である、図2のYで示す範囲となる。
【0058】
図2のYの領域内で励磁モード切替信号が割り込みとして入力された場合には、その時点で励磁モードが切り替えられ、次の基本クロックの立ち上がりから切替え後の励磁モードでの駆動がはじまる。一方、領域Y以外のタイミングで励磁モード切替信号が割り込みとして入力された場合には、励磁モード切替えフラグビットを1にしておき、Yの領域になってから励磁モードを切替え、次の基本クロックの立ち上がりから切替え後の励磁モードでの駆動がはじまる。
【0059】
さらに、本発明の特徴として1−2相励磁の基本クロックもW1−2相励磁のクロックと同じクロックで制御している。即ち、図4の(b)および(c)に示す1−2相励磁及びW1−2相励磁のパターンテーブルを、予め図13のCPU1のROM(図示しない)内に格納しておき、切り替える可能性のある励磁パターンの公倍数のクロックで全ての励磁モードを駆動させる。本実施形態の場合、W1−2相励磁のクロックで両励磁モードを駆動しており、図4の(b)に示すように、1−2相励磁の駆動パターンでは各偶数ステップと奇数スッテプが同じパターンを格納している。
【0060】
なお、各ステップにおける各bit(ビット)の内容は図4の(a)に示す通りである。即ち、15ビット目を用いてA相電流値位相を表わし、14ビット目から11ビット目を用いてA相出力電流を表わし、10ビット目と9ビット目を用いてA相のチョッピング減衰比率を表わし、8ビット目を用いてB相電流位相を表わし、7ビット目から4ビット目を用いてB相出力電流を表わし、3ビット目と2ビット目を用いてB相のチョッピング減衰比率を表わし、1ビット目と0ビット目を用いて最大電流値を表わしている。
【0061】
本実施形態における1−2相励磁からW1−2相励磁にモードを切り替えるシーケンスのフローを図5のフローチャートを用いて説明する。
本実施形態において、図5の励磁モードAとは1−2相励磁を表し、励磁モードBとはW1−2相励磁を表している。
【0062】
給紙指示があると、まず励磁ステップの為のポインタを1−2相励磁の励磁パターンテーブル(図4の(b))の0step(ステップ)目のアドレスを指すように初期化を行なう(S101)。ここで、図4で示す各励磁モードのパターンテーブルはそれぞれが0step目から15step目まで連続したアドレスに予め格納されており、ポインタのアドレスをインクリメントする度毎にポインタが指し示すアドレスの内容は1stepずつシフトしていくようになっている。
【0063】
その後、励磁切替え割り込みを許可する(S102)。これにより、モータドライバ1に各ステップの励磁パターンを出力する為の後述する割り込みシーケンスが、割り込み発生タイマカウンタ(図示しない)の設定値に従って、所定の間隔ごとに発生することとなる。
【0064】
一方、図5で説明されるメインのフローでは、常にステッピングモータの停止条件が満足されたか否かを監視し(S103)、また励磁モード切替えフラグビットがHigh(ハイ)か否かを監視している(S104)。
【0065】
ここで、ステッピングモータの停止条件とは例えば、所定時間の経過や、所定ステップ後、或いはセンサ(図示しない)や操作パネル(図示しない)による外部からの信号をトリガとした停止条件が考えられる。
【0066】
S103において停止条件が満足されていれば、励磁切替え割り込みを禁止にする(S108)。このように割り込みを禁止にすることで、ステップモータは最後の励磁された相の位置で停止する。
【0067】
一方、停止条件が満足されておらず、かつ励磁モード切替えフラグビットがHighであった場合には、後述のS105以降の各電流値一致検索・判断手順に移る。
【0068】
すなわち、遷移前後の各励磁モードの電流値が同じであることを検索・判断する手順としては、図4の(b)、(c)に示すパターンテーブルに従って、遷移前後の電流値が一致しているステップ、或いは電流値が一致しているステップの1つ手前のステップに現在至っているか否かを判断する。すなわち、図2において説明した遷移可能領域Yの領域であるか否かを判断し(S105、S106)、Yの領域であれば励磁モードの遷移を行なう(S107)。
【0069】
更に詳しく述べると、遷移可能領域Yであることの判断手順としては、例えば現在ポインタの指し示しているアドレスが、図4の(b)に示す1−2相励磁パターンテーブルのNstep目の16ビットデータを格納しているアドレスであった場合には、まず現在のポインタが指しているアドレスの16ビットデータと遷移先の図4の(c)に示すW1−2相励磁パターンテーブルの「0step目のデータが格納されているアドレス+N」番地に格納されている16ビットデータの比較を行なう(S105)。
【0070】
前述した通り、各励磁モードのパターンテーブルはそれぞれが0step目から15step目まで連続したアドレスに予め格納されている為、図4の(c)に示すW1−2相励磁パターンテーブルの「0step目のデータが格納されているアドレス+N」番地には、W1−2相励磁パターンテーブルのNstep目の16ビットデータが格納されていることとなり、その結果として、S105では、1−2相励磁とW1−2相励磁の現在のステップであるNstep目の電流値の一致を比較していることとなる。
【0071】
S105において、上記両者が一致している場合には、S107で励磁モードの遷移を行なう。
【0072】
励磁モードの遷移方法としては、1−2相励磁のNstep目のデータが格納されているアドレスを指し示している励磁ステップの為のポインタをW1−2相励磁のNstep目、すなわち、W1−2相励磁パターンテーブルの「0step目のデータが格納されているアドレス+N」番地を指し示すように変更する(S107)。
【0073】
これにより、励磁ステップ切替え割り込みシーケンスの中で参照される励磁モードパターンテーブルが図4(b)で示す1−2相励磁駆動パターンテーブルから図4(c)で示すW1−2相励磁駆動パターンテーブルに変更されることとなる。
【0074】
一方、S105において、上記両者が一致していない場合には、現在ポインタが指し示しているアドレスを仮想的にインクリメントした(N+1)step目の16ビットデータと、W1−2相励磁パターンテーブルの「0step目のデータが格納されているアドレス+(N+1)」番地に格納されているW1−2相励磁(N+1)step目の16ビットデータとを比較する(S106)。
【0075】
このように、S105、S106において、各励磁モードのNstep目と(N+1)step目を比較することで、図2で示す切替え可能領域Yであることを判断することができる。
【0076】
S106において、上記両者が一致している場合にはS105と同様に、S107で上述の励磁モードの遷移を行なう。
【0077】
一方、S106において、上記両者が一致していない場合には、S103に戻って、各励磁モードの電流値が一致するステップ、或いは一つ前のステップに至ったことを判断するS105、S106を各励磁モードの16ビットデータが一致するステップであると判断するまで繰り返し、一致した時点でS107を実行し、励磁モードの遷移を行なう。
【0078】
S104で判断される励磁モード切替えフラグビットがHigh(=1)となる条件としては、図13のROM6aに予め格納されたプログラムに従って所定のタイミングでLowからHighに切り替わる場合や、操作パネル(図示しない)やセンサ等(図示しない)の外部からの信号をトリガとして切り替わる場合がある。
【0079】
本実施形態では、励磁モード切替信号発生の所定のタイミングとして、図6で示すように、給紙動作が始まった後、予め定められた所定時間Tの経過後に(S201〜S204)、励磁モードを切替える(S205)。ここで、所定時間Tとはステップモータのスローアップが終了し、かつ記録紙の分離が終了したことにより、大きなトルクを必要としなくなった時点を想定しており、その具体的な時間は機器の構成により異なるものである。
【0080】
さらに詳細に説明すると、図6に示すように、給紙指示があると(S201)、図5で示すメインのフローとは別に、タイマカウンタt(図示しない)を0に初期化し(S202)、予め定められた所定時間Tを経過すると(S203,S204)、励磁モード切替えフラグビットをHighにする(S205)。
【0081】
また、図7のフローチャートに励磁ステップ切替え割り込みのフローを示す。まず、励磁ステップ切替え割り込みが発生すると、まず励磁ステップの為のポインタが指し示しているアドレスに格納された16ビットデータを、データ送信クロックに同期させてモータドライバ1に出力する(S121)。16ビットのデータを送信した後、すなわちデータ送信用クロックを16クロック出力したことが確認された(S122)後、ストローブ信号をHigh(ハイ)にし(S123)、モータドライバ1から所望の電流を各相に出力する。
【0082】
その後、割り込み発生のカウンタ値を設定する(S124)。これにより、次の励磁ステップ切替え割り込み発生の間隔を決定する。この間隔はスローアップ、スローダウン、定速回転時、とそれぞれ予め定められたテーブルを用意しておき、それに従って決定されるものである。
【0083】
さらに、ストローブ信号をLow(ロー)にした(S125)後、現在ポインタが指しているアドレスに格納されている16ビットデータのその励磁モードにおけるステップ数NがNmaxに達しているか否かを判断する(S126)。Nmaxとは動作している励磁モードによって異なり、それぞれ各テーブルのステップ数の最大値を表している。具体的には本実施形態では図4で示すようにNmax=15である。
【0084】
そして、S126の判断より、N=Nmaxでなかった場合には、ポインタのアドレスをインクリメントし(S127)、現在参照している励磁パターンテーブルの(N+1)ステップ目のデータが格納されているアドレスを指すようにした後、割り込みシーケンスを終了する。
【0085】
一方、N=Nmaxであった場合には、ポインタが指し示すアドレスを、現在参照している励磁パターンテーブルの0ステップ目のデータが格納されたアドレスに移動させた(S128)後、割り込みシーケンスを終了する。
以上、上記実施形態では、本発明を特徴的に説明する1例である1−2相励磁からW1−2相励磁への励磁モード切替えシーケンスと、それを備えた紙搬送装置に関して説明をした。しかし、本発明はその形態に限定されることなく、様々な励磁モードへの変更に関して適用される。
【0086】
(第2の実施形態)
その他の例として、2相励磁から1−2相励磁に励磁モード遷移する場合に関して説明する。図8には2相励磁の電流値タイムチャートと1−2相励磁の電流値タイムチャートを上下に並べて図示している。図2と同様、図8に示すXの領域ではA相電流値、B相電流値ともに一致しており、Xの領域及び一つ手前の領域において励磁モードは遷移可能となる。
【0087】
この場合、励磁モード切替信号が許可される領域はYで示す範囲となる。即ち、この場合、全ての領域で励磁モード遷移可能状態となる。各パターンテーブルを図9に示す。
【0088】
但し、上記例の場合には、2相励磁、1−2相励磁が共に1−2相励磁に必要な基本クロックで動作しており、このため全ての領域で励磁モード遷移可能状態となっている。
【0089】
(第3の実施形態)
仮に制御上、別のタイミングにおいてW1−2相励磁での駆動に切り替える可能性があった場合には、各励磁モードの基本クロックの公倍数の一つであるW1−2相励磁に必要な基本クロックで2相励磁、1−2相励磁も動作することとなり、図10のYで示す領域が励磁モード遷移可能領域となる。
【0090】
本例における、2相励磁から1−2相励磁に励磁モード遷移する場合のシーケンスフローは図5〜図6で説明されるものと同様である。但し図5で示す励磁モードAとは2相励磁を表し、励磁モードBとは1−2相励磁を表している。
【0091】
さらに、複数の励磁モードに遷移する可能性がある場合には、励磁モード切替えフラグビットには予め遷移する可能性があるそれぞれの励磁モードのビットを用意しておき、何の励磁モードに遷移する指示であったかを判別できるようになっている。
【0092】
(第4の実施形態)
また、本発明の励磁モード切替え方法を用いた場合の、従来例で示したようなW1−2相励磁から2相励磁に遷移する際の電流値を図11に示す。図11はW1−2相励磁モードで駆動中のステッピングモータに13ステップ目と14ステップ目の間に、励磁モード切替え指示が発生した場合を表している。ここでも従来例と異なり、電流値が連続的に遷移することとなる。
【0093】
以上説明したように、本発明によれば画像形成装置の給紙動作時に使用するステッピングモータの励磁モード切替えシーケンスにおいて、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切り替える際に、励磁モード切替信号発生手段から第1の励磁モードから第2の励磁モードに切替る信号を受け付けた場合には、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップに至ったことを判断し、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップに至ったことを判断した時点で、励磁モードを切り替えるので、ロータの相が不確定になってしまうことや電流値の不連続によるステッピングモータの振動や脱調を回避することが可能となる。
【0094】
さらに、励磁モード動作の基準となる基本クロックは切り替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いて全ての励磁モードをクロック同期動作させるので、ロータが1ステップ角移動する時間も励磁モード変更前後で保たれることとなる。
【0095】
さらに、上記ステッピングモータ励磁モード切替えシーケンスを紙搬送装置に備えることにより、紙搬送中の紙のばたつきを押さえ装置の騒音を低下させることが可能となる。
【0096】
(他の実施の形態)
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0097】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラム(本実施形態では、図5〜図7に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがその供給されたプログラムを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0098】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、そのコンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0099】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OS(オペレーティングシステム)に供給するスクリップトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0100】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード(ICメモリカード)、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などがある。
【0101】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのプラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、このホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルをユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0102】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて本発明を実現することも可能である。
【0103】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した本発明の実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した本発明の実施形態の機能が実現され得る。
【0104】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した本発明の実施形態の機能が実現される。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動装置において、第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードに切替える励磁モード切替信号を発生し、かつ励磁モード切替信号を発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になるステップの検索をし、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップに至ったことを判断して、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致するステップに至った時点でステッピングモータ駆動手段の励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切替えるので、ロータの相が不確定になってしまうことや、電流値の不連続によるステッピングモータの振動や脱調を回避することが可能となる。
【0106】
さらに、2つのモード間で電流値が一致している間のどこでも遷移可能なため、遷移タイミングの自由度が増し、スピードの遅いCPUを用いてもその内部処理のディレイが問題にならない。
【0107】
また、本発明によれば、ステッピングモータ駆動手段の励磁ステップを進行させる基本クロックは、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることにより、ロータが1ステップ角移動する時間も励磁モード変更前後で保たれることが可能となる。
【0108】
また、本発明によれば、外部からの信号または内部割込み信号により励磁モード切替信号を発生することにより、工場の工程やサービスマンの励磁モード切替え動作の動作確認を簡単にすることが可能である。
【0109】
また、本発明によれば、紙搬送装置に本発明の上記ステッピングモータ駆動装置の機能を有することにより、紙搬送中の紙のばたつきを押さえ、装置の騒音を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における記録紙給紙装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における1−2相励磁モードからW1−2相励磁モードへの励磁モード切替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図3】本発明の一実施形態における1−2相励磁モードからW1−2相励磁モードへの励磁モード切替え時のA相・B相電流値波形を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における1−2相励磁モードとW1−2相励磁モードのパターンテーブルを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態における相励磁モード切替えシーケンスを示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態における励磁モード切替えビット制御を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態におけるステッピングモータ駆動励磁切替え割り込みシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態における2相励磁モードから1−2相励磁モードへの励磁モード切替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態における2相励磁モードと1−2相励磁モードのパターンテーブルを示す図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態における2相励磁モードから1−2相励磁モードへの励磁モード切替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図11】本発明の更に他の実施形態における2相励磁モードからW1−2相励磁モードへの励磁モード切替え時のA相電流値波形を示すタイミングチャートである。
【図12】一般的な、ステッピングモータ2相励磁モード、1−2相励磁モード、W1−2相励磁モードにおける電流値波形を示すタイミングチャートである。
【図13】従来例におけるステッピングモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図14】従来例における2相励磁モード、1−2相励磁モード、W1−2相励磁モードのパターンテーブルを示す図である。
【図15】従来例における励磁モード切替え方式の課題を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 ステッピングモータのモータドライバ
6 CPU
7、8 バイポーラステッピングモータ用巻線
9 ロータ
10 給紙カセット
11 ピックアップローラ
12 フィードローラ
12a ローラ軸
13 リタードローラ
13a ローラ軸
14 引張スプリング
15 ホルダー
15a ホルダー軸
P 記録紙
Claims (14)
- ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動装置において、
第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードへの切替を指示する励磁モード切替信号を発生する励磁モード切替信号発生手段と、
前記励磁モード切替信号が発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になる励磁ステップを検索する検索手段と、
前記検索手段が検索した励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに現に至ったことを判断する判断手段と、
第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに至ったと前記判断手段が判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える励磁モード切替手段と
を有することを特徴とするステッピングモータ駆動装置。 - 前記励磁ステップを進行させる基本クロックとして、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ駆動装置。
- 前記励磁モード切替信号発生手段は、装置外部からの信号または内部信号に応じて前記励磁モード切替信号を発生することを特徴とする請求項1または2に記載のステッピングモータ駆動装置。
- 前記判断手段は、前記検索手段が検索した励磁ステップの1つ手前の励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する1つ手前の励磁ステップに現に至ったことを判断することも含み、
前記励磁モード切替手段は、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップの1つ手前の励磁ステップに現に至ったと前記判断手段が判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替えることも含む
ことを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ駆動装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のステッピングモータ駆動装置を備えたことを特徴とする紙搬送装置。
- ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動方法において、
第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードへの切替を指示する励磁モード切替信号を発生する励磁モード切替信号発生手順と、
前記励磁モード切替信号が発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になる励磁ステップを検索する検索手順と、
前記検索手順で検索した励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに現に至ったことを判断する判断手順と、
第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに至ったと前記判断手順で判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える励磁モード切替手順と
を有することを特徴とするステッピングモータ駆動方法。 - 前記励磁ステップを進行させる基本クロックとして、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることを特徴とする請求項6に記載のステッピングモータ駆動方法。
- 前記励磁モード切替信号発生手順では、装置外部からの信号または内部信号に応じて前記励磁モード切替信号を発生することを特徴とする請求項6または7に記載のステッピングモータ駆動方法。
- 前記判断手順は、前記検索手順で検索した励磁ステップの1つ手前の励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する1つ手前の励磁ステップに現に至ったことを判断することも含み、
前記励磁モード切替手順では、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップの1つ手前の励磁ステップに現に至ったと前記判断手順で判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替えることも含む
ことを特徴とする請求項6に記載のステッピングモータ駆動方法。 - ステッピングモータを2種類以上の励磁モードで駆動可能なステッピングモータ駆動用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムは、
第1の励磁モードで駆動中のステッピングモータを第2の励磁モードでの駆動に切替える際に、第1の励磁モードから第2の励磁モードへの切替を指示する励磁モード切替信号を発生する励磁モード切替信号発生ステップと、
前記励磁モード切替信号が発生した際に、第2の励磁モードで第1の励磁モードと同じ電流値になる励磁ステップを検索する検索ステップと、
前記検索ステップで検索した励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに現に至ったことを判断する判断ステップと、
第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップに至ったと前記判断ステップで判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替える励磁モード切替ステップと
を有することを特徴とするコンピュータプログラム。 - 前記励磁ステップを進行させる基本クロックとして、切替える可能性のある各励磁モードの1周期当たりに必要な各クロック数の公倍数のクロック数を用いることを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム。
- 前記励磁モード切替信号発生ステップでは、装置外部からの信号または内部信号に応じて前記励磁モード切替信号を発生することを特徴とする請求項10または11に記載のコンピュータプログラム。
- 前記判断ステップでは、前記検索ステップで検索した励磁ステップの1つ手前の励磁ステップであって第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する1つ手前の励磁ステップに現に至ったことを判断することも含み、
前記励磁モード切替ステップでは、第1の励磁モードと第2の励磁モードの電流値が一致する励磁ステップの1つ手前の励磁ステップに現に至ったと前記判断ステップで判断した時点で、前記ステッピングモータの励磁モードを第1の励磁モードから第2の励磁モードに切り替えることも含む
ことを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム。 - 請求項10ないし13のいずれかに記載のコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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JP2002301068A JP2004140890A (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | ステッピングモータ駆動装置、紙搬送装置、ステッピングモータ駆動方法、コンピュータプログラム、および記憶媒体 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010141876A (ja) * | 2008-11-12 | 2010-06-24 | Ricoh Co Ltd | 画像読み取り装置、画像読み取り方法及び画像読み取りプログラム |
JP2010273533A (ja) * | 2009-04-24 | 2010-12-02 | Canon Inc | ステッピングモータの駆動制御装置及び画像形成装置 |
US7948200B2 (en) | 2007-03-14 | 2011-05-24 | Ricoh Company, Limited | Motor drive device, image reading device, image forming apparatus, and motor drive method |
-
2002
- 2002-10-15 JP JP2002301068A patent/JP2004140890A/ja active Pending
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