JP2004140248A - バンプ付き配線基板およびその製造方法 - Google Patents

バンプ付き配線基板およびその製造方法 Download PDF

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清水 範征
Yoshihiro Hosoi
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Abstract

【課題】電子部品の電極と導体バンプとを正確かつ良好に接続することが可能な導体バンプ付き配線基板を提供すること。
【解決手段】導体バンプ5は、めっき導体から成り、耐半田樹脂層4から突出した部位に半田層11が被着されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子や抵抗器等の電子部品を搭載するためのバンプ付き配線基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子や抵抗器等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板には、ガラス基材および熱硬化性樹脂から成る絶縁板と銅箔等から成る配線導体層とを交互に複数積層して成るプリント基板や、絶縁板上に熱硬化性樹脂およびフィラーから成る絶縁層と銅めっき層から成る配線導体層とを複数積層して成るビルドアップ基板が用いられてきている。そして、このようなプリント基板やビルドアップ基板等の配線基板の上面には、半導体素子等の電子部品の電極を接続するための電子部品接続パッドおよびこの電子部品接続パッドの中央部を露出させる耐半田樹脂層が被着形成されており、さらに、耐半田樹脂層から露出した電子部品接続パッド上には電子部品と電子部品接続パッドとを接合するための半田バンプが形成されている。
【0003】
そして、このような半田バンプ付きの配線基板においては、電子部品をその各電極がそれぞれ対応する半田バンプに当接するようにして配線基板の上面に載置するとともに、これらを例えば電気炉等の加熱装置で加熱して半田バンプを溶融させて半田バンプと電子部品の電極とを接合させることによって、電子部品が配線基板上に実装される。
【0004】
なお、このような半田バンプ付きの配線基板は、内部および/または表面に複数の配線導体を有する絶縁基板の表面に、配線導体に接続された略円形の複数の電子部品接続パッドおよびこの電子部品接続パッドの中央部を露出させる開口部を有する耐半田樹脂層を被着させ、次に耐半田樹脂層から露出する電子部品接続パッド上にフラックスおよび半田粉末から成る半田ペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して印刷塗布するとともにこれを加熱して半田ペースト中のフラックスを気化除去するとともに半田ペースト中の半田粉末を溶融させて電子部品接続パッド上に半田バンプを形成することによって製作されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−100852号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、高集積化が進むICやLSI等の半導体素子を搭載する半導体素子収納用パッケージや各種電子部品を搭載する混成集積回路装置等に適用される配線基板においては、電子部品接続パッドの小型化および高密度配列化が要求されており、例えば電子部品接続パッドの直径が60μm以下で、配列ピッチが120μm以下のものが出現するようになってきている。ところが、従来のようにスクリーン印刷法を用いて各電子部品接続パッド上に半田ペーストを印刷した後、これを加熱して半田バンプを形成する方法では、半田ペーストの印刷量がばらつきやすいため、電子部品接続パッドの直径が60μm以下で、配列ピッチが120μm以下になると、半田バンプの高さのばらつきが大きくなって電子部品の電極と半田バンプとを正確かつ良好に接続させることが困難であった。また、半田バンプ同士のショートを防止するためには塗布される半田ペースト量を少なくする必要があり、そのため電子部品を実装するために必要な十分な高さの半田バンプを形成することが困難であった。
【0007】
本発明はかかる従来の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、絶縁基板の表面に形成された電子部品接続パッドの直径および配列ピッチが小さい場合であっても、電子部品接続パッド上に形成された導体バンプに高さばらつきがなく、しかも電子部品を実装するために必要な十分な高さの導体バンプを備え、それにより電子部品の電極と導体バンプとを正確かつ良好に接続することが可能な導体バンプ付き配線基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のバンプ付き配線基板は、表面に電子部品接続パッドが形成された絶縁基板と、この絶縁基板の表面に被着されており、電子部品接続パッドの中央部を露出させる開口部を有するとともに電子部品接続パッドの外周部を被覆する耐半田樹脂層と、耐半田樹脂層の開口部内に露出した電子部品接続パッド上に、耐半田樹脂層の開口部内を埋めるとともに耐半田樹脂層から突出するようにして被着されためっき導体から成る導体バンプと、この導体バンプの耐半田樹脂層から突出した部位に被着された半田層とを具備することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のバンプ付き配線基板の製造方法は、表面に電子部品接続パッドを有する絶縁基板を準備する工程と、次に絶縁基板の表面に電子部品接続パッドの中央部を露出させる第一の開口部を有するとともに電子部品接続パッドの外周部を被覆する耐半田樹脂層を被着する工程と、次に耐半田樹脂層上に第一の開口部を露出させる第二の開口部を有する耐めっき樹脂層を被着する工程と、次に第一の開口部内に露出した電子部品接続パッド上に第一および第二の開口部を充填するようにめっき導体を被着させる工程と、次に耐めっき樹脂層を除去することにより電子部品接続パッド上に第一の開口部を埋めるとともに耐半田樹脂層から突出する前記めっき導体から成る導体バンプを形成する工程と、次に導体バンプの耐半田樹脂層から突出した部位に半田層を被着させる工程とを順次行なうことを特徴とするものである。
【0010】
本発明のバンプ付き配線基板によれば、電子部品接続パッド上に、耐半田樹脂層の開口部内を埋めるとともに耐半田樹脂層から突出するようにしてめっき導体から成る導体バンプを被着させ、その導体バンプの露出表面に半田層を被着させたことから、電子部品接続パッドの直径および配列ピッチが小さい場合であっても各電子部品接続パッド上に均一な高さでかつ電子部品を実装するのに十分な高さの導体バンプが形成されており、導体バンプ表面の半田と電子部品の電極とが良好に接触して電子部品の電極と配線基板の導体バンプとを半田を介して正確かつ良好に接続することができる。
【0011】
また、本発明のバンプ付き配線基板の製造方法によれば、電子部品接続パッドの中央部を露出させる第一の開口部を有する耐半田樹脂層上に、第一の開口部を露出させる第二の開口部を有する耐めっき樹脂層を被着させ、次に第一の開口部内に露出した電子部品接続パッド上に第一および第二の開口部を充填するようにめっき導体を被着させ、次に耐めっき樹脂層を除去することにより電子部品接続パッド上に第一の開口部を埋めるとともに耐半田樹脂層から突出する前記めっき導体から成る導体バンプを形成し、次に導体バンプの耐半田樹脂層から突出した部位に半田層を被着させることから、電子部品接続パッドの直径および配列ピッチが小さい場合であっても各電子部品接続パッド上に均一な高さでかつ電子部品を実装するのに十分な高さの導体バンプを形成することができ、その結果、導体バンプ表面の半田と電子部品の電極とが良好に接触して電子部品の電極と配線基板の導体バンプとを半田を介して正確かつ良好に接続することが可能なバンプ付き配線基板を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付の図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明のバンプ付き配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2はその要部拡大断面図である。また、図3は本発明のバンプ付き配線基板の製造方法を説明するための工程毎の要部断面図である。
【0013】
図1において、1は絶縁基板、2は配線導体、3は電子部品接続パッド、4は耐半田樹脂層、5は導体バンプ、6は外部リードピンであり、主にこれらで本例のバンプ付き配線基板が構成されている。なお、この例では外部リードピン6を有する例を示したが、外部リードピン6は必ずしも必要ではなく、外部リードピン6に代えて例えば半田から成る外部接続用の端子を設けてもよい。
【0014】
絶縁基板1は、例えばガラス繊維を縦横に織り込んだガラス織物にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る板状の芯体1aの上下面にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂から成る絶縁層1bをそれぞれ複数層ずつ積層して成り、芯体1aや各絶縁層1bの表面には銅箔や銅めっき膜等の導体層から成る複数の配線導体2が形成されている。
【0015】
絶縁基板1を構成する芯体1aは、厚みが0.3〜1.5mm程度であり、その上面から下面にかけて直径が0.1〜1.0mm程度の複数の貫通孔7を有している。そして、各貫通孔7の内壁には配線導体2の一部が被着されており、芯体1aの上下面に形成された配線導体2同士が貫通孔7内の配線導体2を介して電気的に接続されている。
【0016】
このような芯体1aは、ガラス織物に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたシートを熱硬化させた後、これに上面から下面にかけて貫通孔7用のドリル加工を施すことにより製作される。なお、芯体1aの上下面の配線導体2は、芯体1a用のシートの上下全面に厚みが3〜50μm程度の銅箔を貼着しておくとともに、この銅箔をシートの硬化後にエッチング加工することにより芯体1aの上下面に所定のパターンに形成される。また、貫通孔7内の配線導体2は、芯体1aに貫通孔7を設けた後に、この貫通孔7の内壁に無電解めっき法および電解めっき法により厚みが3〜50μm程度の銅めっき膜を析出させることにより貫通孔7の内壁に被着形成される。
【0017】
さらに、芯体1aは、その貫通孔7の内部にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂から成る樹脂柱8が充填されている。樹脂柱8は、貫通孔7を塞ぐことにより貫通孔7の直上および直下に絶縁層1bを形成可能とするためのものであり、未硬化のペースト状の熱硬化性樹脂を貫通孔7内にスクリーン印刷法により充填し、これを熱硬化させた後、その上下面を略平坦に研磨することにより形成される。そして、この樹脂柱8を含む芯体1aの上下面に絶縁層1bが積層されている。
【0018】
芯体1aの上下面に積層された絶縁層1bは、それぞれの厚みが20〜60μm程度であり、各層の上面から下面にかけて直径が30〜100μm程度の複数の貫通孔9を有しており、これらの貫通孔9内には配線導体2の一部が被着形成されている。これらの絶縁層1bは、配線導体2を高密度に配線するための絶縁間隔を提供するためのものである。そして、上層の配線導体2と下層の配線導体2とを貫通孔9内の配線導体2を介して電気的に接続することにより高密度配線を立体的に形成可能としている。
【0019】
このような絶縁層1bは、厚みが20〜60μm程度の未硬化の熱硬化性樹脂のフィルムを芯体1a上下面に貼着し、これを熱硬化させるとともにレーザー加工により貫通孔9を穿孔し、さらにその上に同様にして次の絶縁層1bを順次積み重ねることによって形成される。なお、各絶縁層1b表面および貫通孔9内に被着された配線導体2は、各絶縁層1bを形成する毎に各絶縁層1bの表面および貫通孔9内に5〜50μm程度の厚みの銅めっき膜を公知のセミアディティブ法やサブトラクティブ法等のパターン形成法により所定のパターンに被着させることによって形成される。
【0020】
さらに、最表層の絶縁層1b上には耐半田樹脂層4が被着されている。耐半田樹脂層4は、例えばアクリル変性エポキシ樹脂にシリカやタルク等の無機物粉末フィラーを30〜70質量%程度分散させた絶縁材料から成り、表層の配線導体2同士の電気的絶縁信頼性を高めるとともに、後述する電子部品接続パッド3やピン接合パッド10の絶縁基板1への接合強度を大きなものとする作用をなす。
【0021】
このような耐半田樹脂層4は、その厚みが10〜50μm程度であり、感光性を有する耐半田樹脂層4用の未硬化樹脂ペーストをロールコーター法やスクリーン印刷法を採用して最表層の絶縁層1b上に塗布し、これを乾燥させた後、露光および現像処理を行なって電子部品接続パッド3やピン接合パッド10の中央部を露出させる開口部4a、4bを形成した後、これを熱硬化させることによって形成される。あるいは、耐半田樹脂層4用の未硬化の樹脂フィルムを最上層の絶縁層1b上に貼着した後、これを熱硬化させ、しかる後、電子部品接続パッド3やピン接合パッド10に対応する位置にレーザービームを照射し、硬化した樹脂フィルムを部分的に除去することによって電子部品接続パッド3やピン接合パッド10を露出させる開口部4a、4bを有するように形成される。
【0022】
また、絶縁基板1の上面から下面にかけて形成された配線導体2は、電子部品の各電極を外部電気回路基板に接続するための導電路として機能し、絶縁基板1の上面の実装領域に設けられた部位の一部が電子部品の各電極に導体バンプ5を介して接合される電子部品接続パッド3を、絶縁基板1の下面に露出した部位の一部が外部電気回路基板に接続される外部リードピン6を接合するためのピン接合パッド10を形成している。このような電子部品接続パッド3やピン接合パッド10は、配線導体2に接続された導体層から成る略円形のパターンの外周部を耐半田樹脂層4により15〜35μm程度の幅で被覆してその露出する外周縁を画定することによりその露出する直径が、電子部品接続パッド3であれば70〜200μm程度に、ピン接合パッド10であれば0.5〜2.5mm程度になるように形成されている。このように電子部品接続パッド3およびピン接合パッド10の外周部を耐半田樹脂層4により被覆することによって、電子部品接続パッド3同士やピン接合パッド10同士の電気的な短絡が有効に防止されるとともに、電子部品接続パッド3やピン接合パッド10の絶縁基板1に対する接合強度が高いものとなっている。
【0023】
なお、ピン接合パッド10の露出する表面には、ピン接合パッド10の酸化腐蝕の防止と外部リードピン6との接続を良好にするために、ニッケル、金等の良導電性で耐腐蝕性に優れた金属をめっき法により1〜20μmの厚さに被着することが好ましい。
【0024】
さらに、電子部品接合パッド3上には導体バンプ5が、耐半田樹脂層4の開口部4aを埋めるとともに耐半田樹脂層4から突出するようにして固着形成されている。導体バンプ5は、銅めっきやニッケルめっき等のめっき導体から成り、図2に要部拡大断面図で示すように、その耐半田樹脂層4から突出する表面には錫や錫合金から成る半田層11が被着されている。このような導体バンプ5は、電子部品接続パッド3と電子部品の電極とを電気的および機械的に接続するための端子として機能し、電子部品の各電極がそれぞれ対応する導体バンプ5に当接するようにして電子部品を載置するとともに、これらを例えば電気炉などの加熱装置で加熱して導体バンプ5の露出表面の半田層11を溶融させることにより導体バンプ5と電子部品の電極とが接続される。
【0025】
このように、本発明の配線基板においては、電子部品接続パッド3上に、耐半田樹脂層4の開口部4aを埋めるとともに耐半田樹脂層4から突出する導体バンプ5がめっき導体により形成されていることから、電子部品接続パッド3の直径および配列ピッチが小さくても、後述するように、各電子部品接続パッド3上に均一な高さでかつ電子部品を実装するのに十分な高さを有する導体バンプ5が形成され、その結果、導体バンプ5の表面に被着させた半田層11と電子部品4の電極とが良好に接触して電子部品4の電極と導体バンプ5とが半田層11を介して正確かつ良好に接続される。
【0026】
さらに、本発明のバンプ付き配線基板においては、導体バンプ5の耐半田樹脂層4から突出した部位の径を耐半田樹脂層4の開口部4aの径よりも大きなものとしておくことが好ましい。このように、導体バンプ5の耐半田樹脂層4から突出した部位の径を耐半田樹脂層4の開口部4aの径よりも大きなものとしておくことによって、導体バンプ5の上端面の面積が大きなものとなり、その結果、電子部品を配線基板の上面に搭載する際に、面積の大きな上端面を有する導体バンプ5の表面に被着させた半田層11と電子部品の電極とが良好に接触して電子部品の電極と導体バンプ5とを半田層11を介して正確かつ良好に接続することができる。
【0027】
なお、本発明において、このような形状の導体バンプ5を電子部品接続パッド3上に形成するには、まず、図3(a)に要部断面図で示すように、絶縁基板1の上面に電子部品接続パッド3およびこの電子部品接続パッド3の中央部を露出させる開口部4aを有する耐半田樹脂層4を形成する。
【0028】
次に、図3(b)に要部断面図で示すように、耐半田樹脂層4の上に開口部4aを露出させる開口部12aを有する耐めっき樹脂層12を被着する。このような耐めっき樹脂層12は、感光性の樹脂ペーストを耐半田樹脂層4の上面に塗布するとともに周知のフォトリソグラフィ法により露光および現像することにより耐半田樹脂層4の開口部4aを露出させる開口部12aを有するように形成される。なお、このとき耐めっき樹脂層12の開口部12aの径を耐半田樹脂層4の開口部4aの径よりも大きなものとしておくと、後述するように、電子部品接続パッド3上に開口部4aおよび開口部12aを充填するようにめっき導体を被着させて導体バンプ5を形成する際に、導体バンプ5の耐半田樹脂層4から突出する部位の径を開口部4aの径よりも大きなものとして、導体バンプ5の上端面の面積を広いものとすることができる。したがって、耐めっき樹脂層12の開口部12aは耐半田樹脂層4の開口部4aよりも大きなものとしておくことが好ましい。
【0029】
次に図3(c)に要部断面図で示すように、電子部品接続パッド3および耐半田樹脂層4および耐めっき樹脂層12の露出する表面の全面に厚みが1〜2μm程度の無電解めっき導体層5aを被着させる。無電解めっき導体層5aは、後述する電解めっき導体5bを耐半田樹脂層4の開口部4aおよび耐めっき樹脂層12の開口部12aを充填するように被着させるための下地用めっき導体として機能し、この無電解めっき導体層5aから電解めっきのための電流を印加することにより無電解めっき導体層5a上に後述する電解めっき導体5bを被着させることができる。このような無電解めっき導体層5aとしては、例えば無電解銅めっきや無電解ニッケルめっきが用いられ、無電解めっき導体層5aが例えば無電解銅めっきから成る場合であれば、無電解めっき用のパラジウム触媒水溶液を用いて電子部品接続パッド3および耐半田樹脂層4および耐めっき樹脂層12の露出表面にパラジウム触媒を付着させ、次に硫酸銅、ロッセル塩、ホルマリン、EDTAナトリウム塩、安定剤等を含有する無電解銅めっき液を用いて電子部品接続パッド3および耐半田樹脂層4および耐めっき樹脂層12のパラジウム触媒が付着された露出表面に厚みが1〜2m程度の無電解銅めっきを析出させることにより被着される。
【0030】
次に、図3(d)に要部断面図で示すように、電子部品接続パッド3および耐半田樹脂層4および耐めっき樹脂層12の露出する表面に被着された無電解めっき導体層5aの表面に電解めっき導体5bを耐半田樹脂層4の開口部4aおよび耐めっき樹脂層12の開口部12aを充填するように被着させる。電解めっき導体5bとしては、電解銅めっきや電解ニッケルめっきが用いられ、例えば電解めっき導体5bが電解銅めっきから成る場合であれば、硫酸、硫酸銅5水和物、塩素、光沢剤等を含有する電解銅めっき液を用いて無電解めっき層5aから数A/dmの電流を印加しながら無電解めっき層5aの表面に電解銅めっきを析出させることにより被着される。
【0031】
次に、図3(e)に要部断面図で示すように、耐めっき樹脂層12の上に突出した無電解めっき導体層5aおよび電解めっき導体5bを研磨やエッチングにより除去する。このとき、耐半田樹脂層4の開口部4aおよび耐めっき樹脂層12の開口部12a内に導体バンプ5となる無電解めっき導体層5aと電解めっき導体5bが残る。このように導体バンプ5が耐半田樹脂層4の開口部4aおよび耐めっき樹脂層12の開口部12a内にめっき導体を充填することによって形成されることから、電子部品接続パッド3の直径および配列ピッチが小さくても、均一な高さでかつ電子部品を実装するのに十分な高さの導体バンプ5を形成することができる。さらに、耐めっき樹脂層12の開口部12aの径が耐半田樹脂層4の開口部4aの径よりも大きなものであると、導体バンプ5の耐半田樹脂層4から突出する部位の径を開口部4aの径よりも大きなものとして、導体バンプ5の上端面の面積を大きなものとすることができ、その結果、電子部品を配線基板の上面に搭載する際に、面積の大きな上端面を有する導体バンプ5と電子部品の電極とが良好に接触して電子部品の電極と導体バンプ5とを正確かつ良好に接続することができる。
【0032】
次に、図3(f)に要部断面図で示すように、耐めっき樹脂層12を水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液を用いて剥離することにより、電子部品接続パッド3上に、耐半田樹脂層4の開口部4aを埋めるとともに耐半田樹脂層4から突出するめっき導体からなる導体バンプ5を形成する。
【0033】
最後に、図3(g)に要部断面図で示すように、導体バンプ5の耐半田樹脂層4から突出した部位に半田層11を被着させることにより本発明のバンプ付き配線基板が完成する。なお、半田層11としては、例えば鉛−錫合金やビスマス−錫−インジウム合金等の錫を含有する合金や錫が用いられ、半田層11が例えば鉛−錫合金から成る場合であれば、ホウフッ化第一錫、ホウフッ化第一鉛、ホウフッ化第一水素酸、ホウフッ化第一ホウ素等を含有する半田めっき液を用いてめっきすることにより導体バンプ5の耐半田樹脂層4から突出した部位に被着される。
【0034】
このように本発明の製造方法によれば、電子部品接続パッド3の直径および配列ピッチが小さい場合であっても各電子部品接続パッド3上に均一な高さでかつ電子部品を実装するのに十分な高さの導体バンプ5を備え、電子部品の電極と導体バンプ5とを正確かつ良好に接続可能なバンプ付き配線基板を提供することができる。
【0035】
また、ピン接合パッド10には、銅や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る外部リードピン6が半田を介して接合されている。外部リードピン6は、配線基板に実装される電子部品を外部電気回路基板に電気的に接続するための端子部材として機能し、外部リードピン6を外部電気回路基板の配線導体に半田やソケットを介して接続することにより、電子部品が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0036】
かくして本発明により提供されるバンプ付き配線基板によると、配線基板の上面に電子部品をその電極が、表面に半田層11が被着された導体バンプ5に当接するようにして載置するとともに、半田層11を溶融させて電子部品の電極と導体バンプ5とを接合させることにより電子装置となる。
【0037】
なお、本発明は、上述の実施形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能であることはいうまでもない。例えば、上述の実施の形態例では、電子部品接続パッド3および耐半田樹脂層4および耐めっき樹脂層12の露出する表面に無電解めっき導体層5aを被着させ、その上に電解めっき導体5bを被着させることにより、耐半田樹脂層4の開口部4aと耐めっき樹脂層12の開口部12aを充填したが、無電解めっき導体のみによって耐半田樹脂層4の開口部4aと耐めっき樹脂層12の開口部12aを充填してもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明のバンプ付き配線基板によれば、電子部品接続パッド上に、耐半田樹脂層の開口部内を埋めるとともに耐半田樹脂層から突出するようにしてめっき導体から成る導体バンプを被着させ、その導体バンプの露出表面に半田層を被着させたことから、電子部品接続パッドの直径および配列ピッチが小さい場合であっても各電子部品接続パッド上に均一な高さでかつ電子部品を実装するのに十分な高さの導体バンプが形成されており、導体バンプ表面の半田と電子部品の電極とが良好に接触して電子部品の電極と配線基板の導体バンプとを半田を介して正確かつ良好に接続することができる。
【0039】
また、本発明のバンプ付き配線基板の製造方法によれば、電子部品接続パッドの中央部を露出させる第一の開口部を有する耐半田樹脂層上に、第一の開口部を露出させる第二の開口部を有する耐めっき樹脂層を被着させ、次に第一の開口部内に露出した電子部品接続パッド上に第一および第二の開口部を充填するようにめっき導体を被着させ、次に耐めっき樹脂層を剥離することにより電子部品接続パッド上に第一の開口部を埋めるとともに耐半田樹脂層から突出する前記めっき導体から成る導体バンプを形成し、次に導体バンプの耐半田樹脂層から突出した部位に半田層を被着させることから、電子部品接続パッドの直径および配列ピッチが小さい場合であっても各電子部品接続パッド上に均一な高さでかつ電子部品を実装するのに十分な高さの導体バンプを形成することができ、その結果、導体バンプ表面の半田と電子部品の電極とが良好に接触して電子部品の電極と配線基板の導体バンプとを半田を介して正確かつ良好に接続することが可能なバンプ付き配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバンプ付き配線基板の実施形態例の断面図である。
【図2】図1に示すバンプ付き配線基板の要部拡大断面図である。
【図3】(a)乃至(g)は本発明のバンプ付き配線基板の製造方法を説明するための工程毎の要部断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・絶縁基板
2・・・・・・配線導体
3・・・・・・電子部品接続パッド
4・・・・・・耐半田樹脂層
4a・・・・・耐半田樹脂層4の開口部(第一の開口部)
5・・・・・・導体バンプ
11・・・・・半田層
12・・・・・耐めっき樹脂層
12a・・・・耐めっき樹脂層12の開口部(第二の開口部)

Claims (4)

  1. 表面に電子部品接続パッドが形成された絶縁基板と、該絶縁基板の表面に被着されており、前記電子部品接続パッドの中央部を露出させる開口部を有するとともに前記電子部品接続パッドの外周部を被覆する耐半田樹脂層と、前記開口部内に露出した前記電子部品接続パッド上に、前記開口部内を埋めるとともに前記耐半田樹脂層から突出するようにして被着されためっき導体から成る導体バンプと、該導体バンプの前記耐半田樹脂層から突出した部位に被着された半田層とを具備することを特徴とするバンプ付き配線基板。
  2. 前記導体バンプは、前記耐半田樹脂層から突出する部位の径が前記開口部内の径よりも大きなことを特徴とする請求項1記載のバンプ付き配線基板。
  3. 表面に電子部品接続パッドを有する絶縁基板を準備する工程と、次に前記絶縁基板の表面に前記電子部品接続パッドの中央部を露出させる第一の開口部を有するとともに前記電子部品接続パッドの外周部を被覆する耐半田樹脂層を被着する工程と、次に前記耐半田樹脂層上に前記第一の開口部を露出させる第二の開口部を有する耐めっき樹脂層を被着する工程と、次に前記第一の開口部内に露出した前記電子部品接続パッド上に前記第一および第二の開口部を充填するようにめっき導体を被着させる工程と、次に前記耐めっき樹脂層を除去することにより前記電子部品接続パッド上に前記第一の開口部を埋めるとともに前記耐半田樹脂層から突出する前記めっき導体から成る導体バンプを形成する工程と、次に前記導体バンプの前記耐半田樹脂層から突出した部位に半田層を被着させる工程とを行なうことを特徴とするバンプ付き配線基板の製造方法。
  4. 前記第二の開口部の径が前記第一の開口部の径よりも大きいことを特徴とする請求項3記載のバンプ付き配線基板の製造方法。
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