JP2004140003A - エレクトロルミネッセンス素子の微細加工方法及びそれより得られた素子 - Google Patents
エレクトロルミネッセンス素子の微細加工方法及びそれより得られた素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004140003A JP2004140003A JP2004037840A JP2004037840A JP2004140003A JP 2004140003 A JP2004140003 A JP 2004140003A JP 2004037840 A JP2004037840 A JP 2004037840A JP 2004037840 A JP2004037840 A JP 2004037840A JP 2004140003 A JP2004140003 A JP 2004140003A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- organic
- laser
- electrode
- metal
- organic compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
Abstract
【課題】 透明電極に損傷を与えることなく、金属系電極に加工エッジ周辺部への熱的損傷の少ないシャープな微細加工を効率よく施し、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を微細加工する方法を提供すること。
【解決手段】 有機EL素子を微細加工するに当たり、レーザーアブレーション加工法を用い、有機化合物層と該有機化合物層上に積層された金属系電極とを同時に飛散させることを特徴とする有機EL素子の微細加工方法、及び有機化合物層上に積層された金属系電極側から、単位面積当たりのレーザー出力が10〜220mJ/cm2 になるようにレーザービームが照射され、この際生じるレーザーアブレーション現象により、前記有機化合物層と前記金属系電極とを同時に飛散させて微細加工された有機EL素子である。
【選択図】 なし
【解決手段】 有機EL素子を微細加工するに当たり、レーザーアブレーション加工法を用い、有機化合物層と該有機化合物層上に積層された金属系電極とを同時に飛散させることを特徴とする有機EL素子の微細加工方法、及び有機化合物層上に積層された金属系電極側から、単位面積当たりのレーザー出力が10〜220mJ/cm2 になるようにレーザービームが照射され、この際生じるレーザーアブレーション現象により、前記有機化合物層と前記金属系電極とを同時に飛散させて微細加工された有機EL素子である。
【選択図】 なし
Description
本発明は有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと略記する)素子の微細加工方法及び微細加工された有機EL素子に関する。さらに詳しくは、本発明は、レーザーアブレーション加工法を用いて、非接触的に有機EL素子を微細加工する方法、特に、金属系電極(陰極)/有機化合物層/透明電極(陽極)/基板の構成からなる有機EL素子を加工するに際し、レーザーアブレーション加工法により、透明電極に損傷を与えることなく、金属系電極に、加工エッジ周辺部への熱的損傷の少ないシャープな微細加工を効率よく施し、有機EL素子を微細加工する方法、及びこのレーザーアブレーション加工法により微細加工された有機EL素子に関するものである。
電界発光を利用したEL素子は、自己発光のため視認性が高く、かつ完全固体素子であるため、耐衝撃性に優れるなどの特徴を有することから、各種表示装置における発光素子としての利用が注目されている。
このEL素子には、発光材料に無機化合物を用いてなる無機EL素子と有機化合物を用いてなる有機EL素子とがあり、このうち、有機EL素子は、印加電圧を大幅に低くしうるために、次世代の表示素子としてその実用化研究が積極的になされている。
上記有機EL素子は、発光層を少なくとも含む有機化合物層と、この有機化合物層を挾持する一対の電極とを備えたものであって、具体的には、陽極/発光層/陰極の構成を基本とし、これに正孔注入輸送層や電子注入輸送層を適宜設けたもの、例えば陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極や、陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極などの構成のものが知られている。該正孔注入輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、また、電子注入輸送層は陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。そして、該正孔注入輸送層を発光層と陽極との間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入され、さらに、発光層に陰極又は電子注入輸送層より注入された電子は、正孔注入輸送層が電子を輸送しないので、正孔注入輸送層と発光層との界面に蓄積され発光効率が上がることが知られている。
このEL素子には、発光材料に無機化合物を用いてなる無機EL素子と有機化合物を用いてなる有機EL素子とがあり、このうち、有機EL素子は、印加電圧を大幅に低くしうるために、次世代の表示素子としてその実用化研究が積極的になされている。
上記有機EL素子は、発光層を少なくとも含む有機化合物層と、この有機化合物層を挾持する一対の電極とを備えたものであって、具体的には、陽極/発光層/陰極の構成を基本とし、これに正孔注入輸送層や電子注入輸送層を適宜設けたもの、例えば陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極や、陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極などの構成のものが知られている。該正孔注入輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、また、電子注入輸送層は陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。そして、該正孔注入輸送層を発光層と陽極との間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入され、さらに、発光層に陰極又は電子注入輸送層より注入された電子は、正孔注入輸送層が電子を輸送しないので、正孔注入輸送層と発光層との界面に蓄積され発光効率が上がることが知られている。
ところで、EL素子を表示素子として利用するためには、電極のパターン化が必要不可欠であり、そして繊細な表示を行うために微細パターン化された電極が正常に作動することが必要となる。そのためには、(1)充分に微細な電極パターンと絶縁化された部分の幅が狭いこと、(2)電極のエッジ部分がシャープな形状となっていること、(3)微細加工された部分が完全に絶縁化されていること、(4)微細加工された電極部分がショートしないこと、(5)微細加工された電極の性能が損なわれないこと、(6)微細加工を行う際に除去に必要な部分以外の下地の部分に影響を与えないこと、などが重要な要件となる。
表示用EL素子のパターン化方法としては、電極を形成する際に同時にパターン化する方法と、EL素子を作成したのち、電極に微細加工を施す方法とが考えられる。
前者の方法としては、例えば電極を蒸着などの方法により形成する際に、マスクを用いてパターン化するマスク蒸着法が知られている。しかしながら、この方法においては、極めて微細なパターン、特に数十μm以下のものを作成するには、蒸着金属の回り込みなどの問題がある上、微細パターニングを行う場合、下地の蒸着層に対するマスクセッティングの位置精度が重要であり、そのため蒸着装置内に高度のマスクセッティング機構が必要となって、操作性が悪くなり生産性が低下するのを免れないなどの問題があった。したがって、このマスク蒸着法では、数十μmの高精細な表示パターンを得ることは困難であった。
前者の方法としては、例えば電極を蒸着などの方法により形成する際に、マスクを用いてパターン化するマスク蒸着法が知られている。しかしながら、この方法においては、極めて微細なパターン、特に数十μm以下のものを作成するには、蒸着金属の回り込みなどの問題がある上、微細パターニングを行う場合、下地の蒸着層に対するマスクセッティングの位置精度が重要であり、そのため蒸着装置内に高度のマスクセッティング機構が必要となって、操作性が悪くなり生産性が低下するのを免れないなどの問題があった。したがって、このマスク蒸着法では、数十μmの高精細な表示パターンを得ることは困難であった。
一方、後者の方法としては、代表的なものとして、フォトリソグラフィー技術を用いてパターン化する方法が知られている。しかしながら、この方法においては、レジスト塗布,ベーキング,露光,現像,エッチング及びレジスト剥離といった数多くの工程を経て作成されるために煩雑である上、レジスト塗布や現像などの工程において、電極が他の材料と接触するために、微細なパターンは得られるものの、電極材料の劣化などにより、電荷注入効率が落ち、EL素子としては使えないという本質的な問題を有している。
また、微細加工方法として、ドリルを用いた切削による方法も知られており、プリント基板の微細なホール加工などに用いられている。しかしながら、この方法は、強度的にそれほど強くない金属薄膜からなる陰極を加工するのに適しておらず、電極加工精度が不十分であったり、切削の際に生じる切削屑が電極のショートをもたらしたり、あるいは、陰極や発光層ばかりでなく、下地の陽極まで加工の影響をもたらし、断線する場合があるなどの問題を有している。
また、微細加工方法として、ドリルを用いた切削による方法も知られており、プリント基板の微細なホール加工などに用いられている。しかしながら、この方法は、強度的にそれほど強くない金属薄膜からなる陰極を加工するのに適しておらず、電極加工精度が不十分であったり、切削の際に生じる切削屑が電極のショートをもたらしたり、あるいは、陰極や発光層ばかりでなく、下地の陽極まで加工の影響をもたらし、断線する場合があるなどの問題を有している。
このような問題を解決する方法として、非接触ビームを用いて微細加工する方法が種々提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2には、EL素子に用いられる金属膜を切削する技術が提案されている。しかしながら、この技術は、切削は可能であるものの、操作性に問題があって効率的でなく、また周辺部へ熱的損傷をもたらし、微細加工プロセスとしては実用的でない。また、特許文献3には、金属導電膜又は透光性導電膜と金属導電膜との組合せに、線状のレーザーパルスビームを照射して、電極を光加工する方法が提案されている。しかしながら、この方法においては、適用される材料の光吸収が大きくないので、レーザーアブレーションを起こすことは難しく、熱的プロセスにより微細加工が行われるため、周辺部への損傷や透光性導電膜への影響も大きいなどの問題がある。さらに、特許文献4〜7などにおいても、非接触ビームを用いる微細加工技術が開示されているが、これらの技術は、いずれもレーザーアブレーション現象を利用するものではなく、必ずしも満足しうる方法とはいえない。
特開平5−3077号公報
特開平5−3078号公報
特開昭61−105885号公報
特開平1−130494号公報
特開平4−255692号公報
特開平5−290971号公報
特開平5−196949号公報
本発明は、このような従来のEL素子のパターン化方法がもつ欠点を改良し、有機EL素子の電極に、非接触的で、かつ加工エッジ周辺部や下地に対する熱的損傷をあまりもたらすことなく、シャープな微細加工を効率よく施し、しかも微細加工された電極が正常に作動しうる有機EL素子の微細加工方法及びそれにより得られた素子を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、有機EL素子の微細加工にレーザーアブレーション加工法を用いることにより、その目的を達成しうること、そして、特に金属系電極(陰極)/有機化合物層/透明電極(陽極)/基板の構成からなる有機EL素子においては、金属系電極側からレーザービームの照射を特定の強度で行うことにより、レーザーエネルギーの大部分が陰極の金属系材料及び有機化合物でのみ吸収され、この際生じるレーザーアブレーション現象によって、金属系材料及び有機化合物のみを同時に飛散させ、加工エッジ周辺部や透明電極に損傷を与えることがなく、金属系電極にシャープな微細加工を効率よく施すことができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、有機EL素子を微細加工するに当たり、レーザーアブレーション加工法を用い、有機化合物層と該有機化合物層上に積層された金属系電極とを同時に飛散させることを特徴とする有機EL素子の微細加工方法、及び有機化合物層上に積層された金属系電極側から、単位面積当たりのレーザー出力が10〜220mJ/cm2 になるようにレーザービームが照射され、この際生じるレーザーアブレーション現象により、前記有機化合物層と前記金属系電極とを同時に飛散させて微細加工された有機EL素子を提供するものである。
すなわち、本発明は、有機EL素子を微細加工するに当たり、レーザーアブレーション加工法を用い、有機化合物層と該有機化合物層上に積層された金属系電極とを同時に飛散させることを特徴とする有機EL素子の微細加工方法、及び有機化合物層上に積層された金属系電極側から、単位面積当たりのレーザー出力が10〜220mJ/cm2 になるようにレーザービームが照射され、この際生じるレーザーアブレーション現象により、前記有機化合物層と前記金属系電極とを同時に飛散させて微細加工された有機EL素子を提供するものである。
また、本発明を実施するための好ましい態様は、金属系電極(陰極)/有機化合物層/透明電極(陽極)/基板の構成からなる有機EL素子に対し、金属系電極側から、単位面積当たりのレーザー出力が10〜220mJ/cm2 になるようにレーザービームの照射を行い、この際生じるレーザーアブレーション現象により前記有機化合物層と前記金属系電極とを同時に飛散させて金属系電極に微細加工する方法である。
本発明の方法は、レーザーアブレーション加工法により非接触で金属系電極(陰極)に微細加工を施し、有機EL素子を微細加工する方法であって、(1)透明電極に損傷を与えることなく、金属系電極に、加工エッジ周辺部への熱的損傷の少ないシャープな微細加工を効率よく施すことができる、(2)不安定な陰極の金属系材料に対して、非接触で加工が行われるため、該金属系材料に寿命低下などの悪影響を与えない、(3)レーザー光を絞ることにより、原理的に波長程度までの極めて高精細な微細加工が可能である、(4)大気中で加工を行うことができ、かつ装置が簡便で、容易に微細加工が行える、(5)レーザービームを走査することにより、容易に任意の微細パターンを得ることができる、(6)レーザービームを細長い形状にすることにより、生産性よく加工を行うことができる、(7)レーザービームを一括大面積照射することにより、マスクパターンの転写も可能であり、高い生産性で加工を行うことができる、などの利点を有している。
本発明の方法において用いられる有機EL素子においては、陽極として透明電極が用いられる。この透明電極としては、例えばITO(In−Sn−Oxide),ZnO,CuSなどの無機系材料、あるいは有機系透明導電性材料を、ガラスなどの透明基板上に、蒸着やスパッタリングなどの方法により薄膜を形成させたものが用いられる。この透明電極のパターン化は、リソグラフィーなどの通常の微細加工によって形成される。
一方、陰極としては、金属単体又は金属合金などの金属系材料が用いられるが、電子の注入効率が高く、劣化の少ない材料が好ましく、特にマグネシウム・銀合金やアルミニウム・リチウム合金などの金属合金が好適である。該陰極は、これらの金属系材料を蒸着やスパッタリングなどの方法により、後述の発光層又は多層構造の有機化合物層の上に薄膜を形成させることによって作製することができる。
一方、陰極としては、金属単体又は金属合金などの金属系材料が用いられるが、電子の注入効率が高く、劣化の少ない材料が好ましく、特にマグネシウム・銀合金やアルミニウム・リチウム合金などの金属合金が好適である。該陰極は、これらの金属系材料を蒸着やスパッタリングなどの方法により、後述の発光層又は多層構造の有機化合物層の上に薄膜を形成させることによって作製することができる。
一方、有機EL素子は、上記陽極の透明電極と陰極の金属系電極との間に、有機発光材料からなる発光層を少なくとも含む有機化合物層を介在させたものであり、一般に金属系電極(陰極)/有機化合物層/透明電極(陽極)/基板の構成からなっている。ここで、有機化合物層は発光層のみからなる層であってもよく、また発光層とともに、正孔注入輸送層,電子注入輸送層などを積層した多層構造のものであってもよい。この有機EL素子の素子構成としては、例えば金属系電極(陰極)/発光層/透明電極(陽極)/基板,金属系電極(陰極)/発光層/正孔注入輸送層/透明電極(陽極)/基板,金属系電極(陰極)/電子注入輸送層/発光層/透明電極(陽極)/基板,金属系電極(陰極)/電子注入輸送層/発光層/正孔注入輸送層/透明電極(陽極)/基板などを挙げることができる。
この有機EL素子において、発光層は(1)電界印加時に、陽極又は正孔注入輸送層により正孔を注入することができ、かつ陰極又は電子注入層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能などを有している。この発光層に用いられる発光材料の種類については特に制限はなく、従来有機EL素子における発光材料として公知のものを用いることができる。また、正孔注入輸送層は、正孔伝達化合物からなる層であって、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入輸送層を陽極と発光層との間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。その上、発光層に陰極又は電子注入層により注入された電子は、発光層と正孔注入輸送層の界面に存在する電子の障壁により、この発光層内の界面付近に蓄積され有機EL素子の発光効率を向上させ、発光性能の優れた有機EL素子とする。この正孔注入輸送層に用いられる正孔伝達化合物については特に制限はなく、従来有機EL素子における正孔伝達化合物として公知のものを使用することができる。さらに、電子注入輸送層は、陰極より注入される電子を発光層に伝達する機能を有している。この電子注入輸送層に用いられる電子伝達化合物については特に制限はなく、従来有機EL素子における電子伝達化合物として公知のものを使用することができる。この有機化合物層は、各有機材料を蒸着やスパッタリングなどの方法により、透明電極上に積層して薄膜を形成させることにより、作製することができる。
本発明においては、上記有機EL素子の微細加工方法として、レーザーアブレーション加工法が用いられる。ここでいうレーザーアブレーション加工法とは、レーザービームを固体物質表面に照射した際、このレーザーエネルギーを吸収した物質が大きなエネルギーをもつフラグメントとして飛散する現象、すなわちレーザーアブレーション現象を利用して微細加工を施す方法のことである。このレーザーアブレーション現象は、1980年初頭に見出され、レーザー特有の多光子過程により生じるものと考えられている。エキシマーレーザーに代表される高いエネルギーをもつ紫外レーザーを、例えばポリマーに照射した場合には、通常の化学結合を解離し、余剰エネルギーはフラグメントの飛散に用いられるため、熱的作用の小さい過程によりエッチングが行われ、周囲に熱的影響を与えないシャープな微細加工が可能となる。このような現象はポリマー分子に限らず、通常の有機固体においても起こるものと考えられ、また、最近では有機液体物質のアブレーション現象についても報告されている。
一方、金属やセラミックスにおけるレーザーアブレーション現象についても数多く報告されており、薄膜形成などへの応用が進められている。しかしながら、金属やセラミックスの場合には、フラグメントとして飛散させるためには、通常有機物に比べて1桁ないし2桁高いレーザーフルエンス(単位面積当たりのレーザー出力)で照射しなければならない。例えばポリマーの場合では、数十mJ/cm2 ないし数百mJ/cm2 フルエンスでレーザーアブレーション現象を起こすことができるが、金属やセラミックスの場合では、数J/cm2 ないし数十J/cm2 のフルエンスが必要とされる。
本発明の有機EL素子の微細加工方法においては、有機EL素子に対し、上記のレーザーアブレーション加工法が施されるが、特に金属系電極(陰極)/有機化合物層/透明電極(陽極)/基板の構成からなる有機EL素子に対し、レーザーアブレーション加工法を施すのが有利である。この場合、金属系電極側からレーザービームを照射することにより、金属系電極を透過したレーザービームが吸収係数の大きな有機化合物層で吸収され、それより下に存在する透明電極には影響を及ぼさずに、レーザーアブレーション現象により、有機化合物が陰極の金属系材料と共に飛散し、微細加工が施される。したがって、このような方法によると、熱的な影響の少ないシャープなエッチングが可能となり、かつ下地の透明電極に損傷を与えないため、断線やショートのない微細パターンを形成することができる。有機化合物層が存在しない場合には、低いレーザーフルエンスではアブレーション現象を起こすことができないため、微細加工を行うには、高いレーザーフルエンスでレーザービームを照射しなければならず、熱的な影響により、照射した部分以外の部位が加工されてしまったり、周囲が溶融してしまったり、下地部分をも加工されてしまうなどの現象が起こり、所望の微細加工ができないという問題が生じる。
本発明において、レーザーアブレーション加工に用いられるレーザーとしては、波長10nmないし20μmのレーザービーム(赤外線,可視光線,紫外線,X線)を発振できるものであれば、いずれのものであってもよい。このようなレーザーとしては、例えば炭酸ガスレーザー,一酸化炭素レーザー,HFレーザー,ヨウ素レーザー,YAGレーザー,ガラスレーザー,YLFレーザー,アレクサンドライトレーザー,半導体レーザー,色素レーザー,窒素レーザー,エキシマーレーザー,X線レーザー,自由電子レーザーなどが挙げられ、また、高調波素子などを用いて波長変換したものを使用することができる。
これらの中で、産業用に用いられているレーザーが安定的に発振するので好ましく、特に加工用レーザーとして知られているものが操作性や生産性の点から好ましい。さらに、大出力のレーザーが生産性の点から好適である。また、波長の短いものほどビームを微細に絞ることができるので好ましく、特に紫外レーザーは熱的な寄与の少ないアブレーション現象による加工を行うことができるので最適である。このような条件を満たす大出力の加工用産業レーザーとして、エキシマーレーザーが知られており、このエキシマーレーザーを用いて、ポリイミドなどの材料の加工が実用的に行われている。
本発明においては、金属系電極(陰極)/有機化合物層/透明電極(陽極)/基板の構成からなる有機EL素子の微細加工には、上記レーザーを用いて、金属系電極側からレーザービームが照射される。この際、レーザービームの照射は、レーザーフルエンスが10〜220mJ/cm2 の範囲になるように行うことが必要である。このレーザーフルエンスが10mJ/cm2 未満では陰極の金属系材料が飛散せずに残存するおそれがある上、飛散物が充分なエネルギーをもつことができないため、加工表面から飛散しないことがあるなどの好ましくない事態を招来し、所望の微細加工を行うことができない。一方、220mJ/cm2 を超えるレーザーフルエンスでは、陰極の金属系材料及び有機化合物は飛散するものの、有機化合物層の下に存在する透明電極が損傷や熱的な影響を受けて、導電性の低下をもたらす。また、照射周辺部への熱的な影響が大きくなり、微細加工幅が広がってしまったり、残すべき陰極の金属系材料が溶けてしまったり、変質したりして所望の微細パターンが得られない。
本発明においては、レーザーの発振方式としては、パルス発振方式が有利である。連続発振方式では、ステージを駆動させることにより、比較的自由に加工操作を行うことができるが、アブレーション現象が生じにくく、熱的蓄積が起こるため、加工精度などの問題が生じ、所望の微細加工を行うことが困難である。一方、パルス発振方式では、パルス間隔とステージの駆動速度を考慮してレーザービームを照射する必要があるが、パルス的にレーザービームを照射することにより、アブレーション現象を起こすことができ、熱的損傷の少ない微細加工を行うことができるので、このパルス発振方式が有利である。パルス幅は短いほど、熱的な損傷を少なくすることができるため、有利である。パルス幅としては100μ秒以下が望ましく、より好ましくは100ナノ秒以下、さらに好ましくはピコ秒,フェムト秒である。
本発明においては、レーザーの発振方式としては、パルス発振方式が有利である。連続発振方式では、ステージを駆動させることにより、比較的自由に加工操作を行うことができるが、アブレーション現象が生じにくく、熱的蓄積が起こるため、加工精度などの問題が生じ、所望の微細加工を行うことが困難である。一方、パルス発振方式では、パルス間隔とステージの駆動速度を考慮してレーザービームを照射する必要があるが、パルス的にレーザービームを照射することにより、アブレーション現象を起こすことができ、熱的損傷の少ない微細加工を行うことができるので、このパルス発振方式が有利である。パルス幅は短いほど、熱的な損傷を少なくすることができるため、有利である。パルス幅としては100μ秒以下が望ましく、より好ましくは100ナノ秒以下、さらに好ましくはピコ秒,フェムト秒である。
なお、電子ビームやイオン(クラスター)ビームも微細加工に用いることができるが、これらの方法においては、装置が大がかりで高価である上、真空を必要とするなど操作性の点で大きな問題を有し、微細加工法としては実用的でない。 本発明においては、レーザービームを照射し、この際生じるアブレーション現象を利用して微細加工を行うが、レーザービーム、特にエキシマーレーザーから得られたビームは不均一なものが多いので、ビームホモジナイザーなどを用いて均一化したビームを使用するのが望ましい。ビームの形状については、点状のものでも矩形状のものでもよいが、短形状のものはビームを細長くすることができるため、特に薄加工を行う場合には1パルス照射で大きな部分の加工ができ、効率よく微細加工ができることから、有利である。また、ビームを集光することにより、レーザーフルエンスを高めることができ、容易に加工を行いうるとともに、原理的に数μm程度にまで絞ることが可能であり、微細加工を行うのに有利である。しかし、必ずしも焦点で加工を行う必要がなく、むしろ焦点で加工を行う場合は、レーザーフルエンスが高くなりすぎて、下地に影響を与えたり、周辺部に熱的な損傷を与えるなどの好ましくない事態を生じる場合がある。
また、大面積に微細加工を行う場合は、レーザービームをふりながら固定化した被加工物に照射するか、あるいは被加工物をステージに乗せて、このステージを駆動させる方法が用いられるが、操作性の点から後者の方法が好ましい。ステージの駆動をレーザーの発振と同期させることにより、任意の形状のパターンを得ることができる。なお、微細なパターンを得るためには、それに見合った精度をもつステージを用いることが必要である。
さらに、予め所望のパターンをもつマスクを作成しておき、このマスクを介してレーザービームを照射することにより、大面積に一括パターン転写を施すことができ、極めて効率よく微細加工を行うことができる。しかし、この場合、マスクの劣化やマスク材料のコンタミ(汚染)などの問題がある。
さらに、予め所望のパターンをもつマスクを作成しておき、このマスクを介してレーザービームを照射することにより、大面積に一括パターン転写を施すことができ、極めて効率よく微細加工を行うことができる。しかし、この場合、マスクの劣化やマスク材料のコンタミ(汚染)などの問題がある。
本発明においては、レーザーアブレーション現象を利用して微細加工を行うため、加工の際に被加工物からフラグメントが飛散する。この飛散物は再び被加工物上に堆積して電極の短絡などの好ましくない事態を招来する場合があり、飛散物を堆積させないことが重要である。
本発明においては、前記したようにエキシマーレーザーが好ましく用いられる。このエキシマーレーザーは、高い励起エネルギーをもつ大出力のレーザーであって、このレーザーを用いた高分子材料などのアブレーション加工法が知られている。このエキシマーレーザーは紫外領域で発振するため、熱的な寄与の少ない加工が行える利点を有している。さらに、高励起エネルギーで大出力のエキシマーレーザーを用いることにより、フラグメントの分解を促進し、原子や分子やイオンなどの小さなフラグメントにまですることが可能である上、フラグメントに大きな並進エネルギーを与えることができるため、フラグメントが加工領域から離れた遠くにまで飛散することになる。これらの点から、本発明においてはエキシマーレーザーを用いるのが最適である。
本発明においては、前記したようにエキシマーレーザーが好ましく用いられる。このエキシマーレーザーは、高い励起エネルギーをもつ大出力のレーザーであって、このレーザーを用いた高分子材料などのアブレーション加工法が知られている。このエキシマーレーザーは紫外領域で発振するため、熱的な寄与の少ない加工が行える利点を有している。さらに、高励起エネルギーで大出力のエキシマーレーザーを用いることにより、フラグメントの分解を促進し、原子や分子やイオンなどの小さなフラグメントにまですることが可能である上、フラグメントに大きな並進エネルギーを与えることができるため、フラグメントが加工領域から離れた遠くにまで飛散することになる。これらの点から、本発明においてはエキシマーレーザーを用いるのが最適である。
本発明においては、この微細加工を真空中で行うことにより、フラグメントを遠くに飛散させることができる。空気や不活性ガスなどが存在すると、フラグメントはこれらと衝突してエネルギーを失い、遠くに飛散できなくなる場合がある。また、加工領域に不活性ガスなどを強制的に吹き込むことにより、フラグメントを飛散させる方法も有効である。
このようにして、金属系電極(陰極)に微細加工を施し、有機EL素子の微細パターン化を行ったのち、素子の劣化を防ぎ、寿命を延ばすために、通常封止処理が施される。
本発明は、またこのようなレーザーアブレーション加工法により微細加工化された有機EL素子をも提供するものである。
図1は、金属系電極(陰極)に微細加工を施す前の有機EL素子の一例の構成を示す斜視図であり、ガラス基板1上にパターン化されたITO電極2,有機化合物層3及び金属系電極4が順次積層されている。図2は、この図1に示す有機EL素子の金属系電極4に微細加工を施すことにより、微細パターン化された有機EL素子の一例の斜視図を示す。
このようにして、金属系電極(陰極)に微細加工を施し、有機EL素子の微細パターン化を行ったのち、素子の劣化を防ぎ、寿命を延ばすために、通常封止処理が施される。
本発明は、またこのようなレーザーアブレーション加工法により微細加工化された有機EL素子をも提供するものである。
図1は、金属系電極(陰極)に微細加工を施す前の有機EL素子の一例の構成を示す斜視図であり、ガラス基板1上にパターン化されたITO電極2,有機化合物層3及び金属系電極4が順次積層されている。図2は、この図1に示す有機EL素子の金属系電極4に微細加工を施すことにより、微細パターン化された有機EL素子の一例の斜視図を示す。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
フッ化クリプトンエキシマーレーザービーム(45mJ,縦10mm×横30mm)を、シリンドリカルレンズを用い、まず2枚のレンズにより横方向に拡大した後に平行光線とし、次いで縦方向に縮小した。
次に、このようにして得られた細長状のレーザービーム(フルエンス180mJ/cm2 ,縦250μm×横100mm)を、予め作製した有機EL素子(MgAg合金電極/有機発光層/ITO電極/ガラス基板)に照射した。この有機EL素子はステージ上に固定されており、マイクロメーターを用いることにより、500μmずつ動かすことが可能であるので、最終的に250μmのギャップと電極幅をもつ微細電極パターンを得ることができた。
実施例1
フッ化クリプトンエキシマーレーザービーム(45mJ,縦10mm×横30mm)を、シリンドリカルレンズを用い、まず2枚のレンズにより横方向に拡大した後に平行光線とし、次いで縦方向に縮小した。
次に、このようにして得られた細長状のレーザービーム(フルエンス180mJ/cm2 ,縦250μm×横100mm)を、予め作製した有機EL素子(MgAg合金電極/有機発光層/ITO電極/ガラス基板)に照射した。この有機EL素子はステージ上に固定されており、マイクロメーターを用いることにより、500μmずつ動かすことが可能であるので、最終的に250μmのギャップと電極幅をもつ微細電極パターンを得ることができた。
これら一連のプロセスの概略を図3(a)〜(c)に示した。この微細加工された有機EL素子について光学顕微鏡〔三菱化学(株)製,マイクロウオッチャーVS−205〕を用いて形状を観察したところ、図4の写真図に示すように、シャープなエッジをもち、陰極材料及び発光層の有機材料が完全にアブレーションされており、ITO薄膜は飛散せずに残存していることが明らかとなった。
このようにして微細加工が施された有機EL素子に、図5に示すように9Vの定電圧を共通のITO電極と微細化された陰極部分との間にかけて発光試験を行ったところ、微細化された部分のみが発光することが確認された。このことは、有機EL素子の陰極の加工が充分に完了しており、切断された微細電極部分同士は短絡されておらず、かつITO電極は損傷をうけていないことを示している。
このようにして微細加工が施された有機EL素子に、図5に示すように9Vの定電圧を共通のITO電極と微細化された陰極部分との間にかけて発光試験を行ったところ、微細化された部分のみが発光することが確認された。このことは、有機EL素子の陰極の加工が充分に完了しており、切断された微細電極部分同士は短絡されておらず、かつITO電極は損傷をうけていないことを示している。
また、微細電極パターンの深さ方向の掘れ具合を、触針式膜厚計(Sloan社製,DEK TAK3030)を用いて測定したところ、電極パターンの立ち上りは20μm以内であることが分かった。
図3(a)〜(c)及び図5において、1はガラス基板,2はITO電極,3は有機化合物層(有機発光層)及び4は金属系電極(MgAg合金電極)である。
また、図4において、(1)の部分はレーザービームにより溝加工された部分を示し、最表面はITO電極で、幅250μmである。一方(2)の部分はレーザービーム未照射部分を示し、MgAg合金電極及び有機化合物層は残存しており、幅は250μmである。なお、スケール数値はmmを示す。
実施例2
実施例1において、フッ化クリプトンエキシマーレーザービームの代わりにフッ化アルゴンエキシマーレーザービーム(50mJ,縦10mm×横30mm)を用いた以外は、実施例1と同様に微細加工を行った。この微細加工された有機EL素子について、光学顕微鏡(前出)を用いて形状を観察したところ、シャープなエッジをもち、陰極材料及び発光層の有機材料が完全にアブレーションされており、ITO薄膜は飛散せずに残存している金属合金電極微細パターンが作製されていることが明らかとなった。
図3(a)〜(c)及び図5において、1はガラス基板,2はITO電極,3は有機化合物層(有機発光層)及び4は金属系電極(MgAg合金電極)である。
また、図4において、(1)の部分はレーザービームにより溝加工された部分を示し、最表面はITO電極で、幅250μmである。一方(2)の部分はレーザービーム未照射部分を示し、MgAg合金電極及び有機化合物層は残存しており、幅は250μmである。なお、スケール数値はmmを示す。
実施例2
実施例1において、フッ化クリプトンエキシマーレーザービームの代わりにフッ化アルゴンエキシマーレーザービーム(50mJ,縦10mm×横30mm)を用いた以外は、実施例1と同様に微細加工を行った。この微細加工された有機EL素子について、光学顕微鏡(前出)を用いて形状を観察したところ、シャープなエッジをもち、陰極材料及び発光層の有機材料が完全にアブレーションされており、ITO薄膜は飛散せずに残存している金属合金電極微細パターンが作製されていることが明らかとなった。
実施例3
実施例1において、有機EL素子のマイクロメーターで駆動する距離を250μmから1mmに変えた以外は、実施例1と同様にして微細加工を行った。この微細加工された有機EL素子の金属合金電極の形状を光学顕微鏡(前出)を用いて観察したところ、図6の写真図に示すように、電極の幅750μm、電極間のピッチ250μmのものであった。
図6において、(1)の部分はレーザービームにより溝加工された部分を示し、最表面はITO電極で、幅250μmである。一方(2)の部分はレーザービーム未照射部分を示し、MgAg合金電極及び有機化合物層は残存しており、幅は750μmである。なお、スケール数値はmmを示す。
実施例1において、有機EL素子のマイクロメーターで駆動する距離を250μmから1mmに変えた以外は、実施例1と同様にして微細加工を行った。この微細加工された有機EL素子の金属合金電極の形状を光学顕微鏡(前出)を用いて観察したところ、図6の写真図に示すように、電極の幅750μm、電極間のピッチ250μmのものであった。
図6において、(1)の部分はレーザービームにより溝加工された部分を示し、最表面はITO電極で、幅250μmである。一方(2)の部分はレーザービーム未照射部分を示し、MgAg合金電極及び有機化合物層は残存しており、幅は750μmである。なお、スケール数値はmmを示す。
比較例1
実施例1において、レーザー出力を2mJ(レーザーフルエンスとして8mJ/cm2)とした以外は、実施例1と同様にして微細加工を行ったところ、MgAg合金電極は飛散せず、微細な溝加工はできなかった。この合金電極表面を光学顕微鏡(前出)で観察したところ、図7に示すように表面が班状になっていることが確認された。
比較例2
実施例1において、レーザー出力を10J(レーザーフルエンスとして40J/cm2)とした以外は、実施例1と同様にして微細加工を行い、MgAg合金電極の表面を光学顕微鏡(前出)で観察したところ、図8に示すようにMgAg合金電極は飛散し、溝加工されたが、照射されない部分も融けた状態となったり、一部飛散したりしており、微細加工された金属合金電極は作製できなかった。
比較例3
板厚0.5mmのSUS304からなるマスクを用い、板厚1.1mmのガラス基板上に、開口部が3mmのマスクを装着し、Mg14Å/sec,Ag1Å/secの速度で共蒸着を行いMgAgの微細電極パターンを作製した。この深さプロファイルを、実施例1と同様の方法により測定したところ、電極パターンの立ち上りは80μmであった。
実施例1において、レーザー出力を2mJ(レーザーフルエンスとして8mJ/cm2)とした以外は、実施例1と同様にして微細加工を行ったところ、MgAg合金電極は飛散せず、微細な溝加工はできなかった。この合金電極表面を光学顕微鏡(前出)で観察したところ、図7に示すように表面が班状になっていることが確認された。
比較例2
実施例1において、レーザー出力を10J(レーザーフルエンスとして40J/cm2)とした以外は、実施例1と同様にして微細加工を行い、MgAg合金電極の表面を光学顕微鏡(前出)で観察したところ、図8に示すようにMgAg合金電極は飛散し、溝加工されたが、照射されない部分も融けた状態となったり、一部飛散したりしており、微細加工された金属合金電極は作製できなかった。
比較例3
板厚0.5mmのSUS304からなるマスクを用い、板厚1.1mmのガラス基板上に、開口部が3mmのマスクを装着し、Mg14Å/sec,Ag1Å/secの速度で共蒸着を行いMgAgの微細電極パターンを作製した。この深さプロファイルを、実施例1と同様の方法により測定したところ、電極パターンの立ち上りは80μmであった。
1:ガラス基板
2:ITO電極
3:有機化合物層
4:金属系電極
2:ITO電極
3:有機化合物層
4:金属系電極
Claims (5)
- 有機エレクトロルミネッセンス素子を微細加工するに当たり、レーザーアブレーション加工法を用い、有機化合物層と該有機化合物層上に積層された金属系電極とを同時に飛散させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の微細加工方法。
- 金属系電極(陰極)/有機化合物層/透明電極(陽極)/基板の構成からなる有機エレクトロルミネッセンス素子に対し、金属系電極側から、単位面積当たりのレーザー出力が10〜220mJ/cm2 になるようにレーザービームの照射を行い、この際生じるレーザーアブレーション現象により金属系電極に微細加工を施す請求項1記載の方法。
- パルス発振方式により、レーザービームを照射する請求項1又は2記載の方法。
- エキシマーレーザーを用いてレーザービームを発振させる請求項1又は2記載の方法。
- 有機化合物層上に積層された金属系電極側から、単位面積当たりのレーザー出力が10〜220mJ/cm2 になるようにレーザービームが照射され、この際生じるレーザーアブレーション現象により、前記有機化合物層と前記金属系電極とを同時に飛散させて微細加工された有機エレクトロルミネッセンス素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004037840A JP2004140003A (ja) | 2004-02-16 | 2004-02-16 | エレクトロルミネッセンス素子の微細加工方法及びそれより得られた素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004037840A JP2004140003A (ja) | 2004-02-16 | 2004-02-16 | エレクトロルミネッセンス素子の微細加工方法及びそれより得られた素子 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04658995A Division JP3556990B2 (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | 有機エレクトロルミネッセンス素子の微細パターン化方法及びそれより得られた素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004140003A true JP2004140003A (ja) | 2004-05-13 |
Family
ID=32464265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004037840A Pending JP2004140003A (ja) | 2004-02-16 | 2004-02-16 | エレクトロルミネッセンス素子の微細加工方法及びそれより得られた素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004140003A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8258505B2 (en) | 2008-06-27 | 2012-09-04 | Canon Kabushiki Kaisha | Organic electroluminescence display apparatus and manufacturing method therefor |
US10256285B2 (en) | 2015-11-12 | 2019-04-09 | Japan Display Inc. | Organic electroluminescence display device with improved brightness evenness and manufacturing method thereof |
US10658602B2 (en) | 2016-01-26 | 2020-05-19 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Organic EL element production method and organic EL element having conductive member on external connection area of first electrode |
CN114141975A (zh) * | 2021-11-30 | 2022-03-04 | 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 | 改善oled器件阳极膜层粗糙度的方法以及激光器 |
-
2004
- 2004-02-16 JP JP2004037840A patent/JP2004140003A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8258505B2 (en) | 2008-06-27 | 2012-09-04 | Canon Kabushiki Kaisha | Organic electroluminescence display apparatus and manufacturing method therefor |
US10256285B2 (en) | 2015-11-12 | 2019-04-09 | Japan Display Inc. | Organic electroluminescence display device with improved brightness evenness and manufacturing method thereof |
US10658602B2 (en) | 2016-01-26 | 2020-05-19 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Organic EL element production method and organic EL element having conductive member on external connection area of first electrode |
CN114141975A (zh) * | 2021-11-30 | 2022-03-04 | 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 | 改善oled器件阳极膜层粗糙度的方法以及激光器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3556990B2 (ja) | 有機エレクトロルミネッセンス素子の微細パターン化方法及びそれより得られた素子 | |
JP6181031B2 (ja) | バースト超高速のレーザーパルスのエネルギー移転による基板への前方堆積の方法および装置 | |
JP4909657B2 (ja) | サファイア基板の加工方法 | |
US20130164506A1 (en) | Apparatus for the selective separation of two layers of material using an ultrashort pulse source of electromagnetic radiation | |
KR20210096038A (ko) | 인쇄 회로 트레이스 수리 | |
US20070090100A1 (en) | Glass cutting method and apparatus therefor | |
CN105722798B (zh) | 将玻璃板与载体分离的方法 | |
KR100497624B1 (ko) | 유기 반도체 소자 및 그의 제조 방법 | |
JP2005310771A (ja) | 有機発光ダイオードデバイスをパターニングする方法 | |
KR20120098869A (ko) | 레이저 가공과 스크라이빙 시스템 및 방법 | |
JP2007157659A (ja) | 有機el素子の配線パターンの形成方法及び有機el素子の形成装置 | |
JP2006035710A (ja) | レーザによるガラス加工方法ならびに装置 | |
JP2010274328A (ja) | レーザ加工方法及びレーザ加工装置 | |
JP5805008B2 (ja) | ガラス微細穴加工用レーザ加工機及びガラス微細穴加工方法 | |
JP2015150609A (ja) | レーザ加工方法 | |
JP2004140003A (ja) | エレクトロルミネッセンス素子の微細加工方法及びそれより得られた素子 | |
CN105458531A (zh) | 一种基于激光切割的硬脆材料异型孔加工设备及方法 | |
KR101069582B1 (ko) | 전계 방출 장치에서 탄소나노튜브를 가지는 캐소드 전극 및 이의 제조 방법 | |
JP3830830B2 (ja) | レーザ加工方法 | |
JP2000128556A (ja) | ガラス基板の穴開方法及びガラス穴抜き装置 | |
JP2002124380A (ja) | 有機発光膜の加工方法 | |
JP2002164167A (ja) | 有機el素子の製造方法 | |
JP2004230458A (ja) | レーザー加工装置 | |
KR20130094893A (ko) | 극초단 펄스 레이저를 이용한 유연 능동형 유기 자체 발광 소자의 비열 리페어 방법 및 장치 | |
JP2001062574A (ja) | 微細加工装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132 Effective date: 20060502 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070109 |