JP2004139206A - 画像表示・撮影システム - Google Patents
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Abstract
【課題】表示画面上に表示された基準画像を、撮像する際に発生するフリッカを除去することの出来る画像表示・撮影システムを提供する。
【解決手段】画像の取り込み開始スイッチ102がオンされたあとに表示された2種類の基準マーカが重畳された画像をそれぞれ所定フレームずつ取り込み、両者の差分を取ってマーカを検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】画像の取り込み開始スイッチ102がオンされたあとに表示された2種類の基準マーカが重畳された画像をそれぞれ所定フレームずつ取り込み、両者の差分を取ってマーカを検出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示されているマーカ信号を撮影しその位置を検出するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からディスプレイ装置のCRT管面を撮影して表示性能を検査したり、大画面のスクリーン上にプロジェクタによってマーカを投影し、これを撮影してその位置情報に基づいて投影する指標の位置制御をする技術が知られている。
例えば、特開平5−30544号公報、特開平8−317432号公報、特開平11−184445号公報、特開平6−35607号公報、特開平7−121293号公報などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種のシステムにおいては投影するマーカを撮影するタイミングに関して次に述べるような二通りの方法が考えられる。第1の方法は、画像の表示時間と撮像側の蓄積時間を等しくするとともにこれらの間の同期を取る方法である。これにより輝度ムラ(フリッカ)のない画像を撮影することが出来、それ以降の画像処理を容易にすることが出来る。また画像取り込みのサイクルも短くすることが出来る。しかしながらこの様に同期を取るには表示する画像の同期信号で撮影画像の同期を取る必要がある。即ち、撮影開始(蓄積開始)のためのスタート信号を表示装置側から撮影装置側に知らせなくてはならない。これでは画像表示装置と撮影装置とが独立したシステムにおいてはその信号伝達用のケーブルが必要になるとともに撮影装置内の同期発生部に専用のハードウェアが必要となってしまう。
【0004】
第2の方法は、通常のビデオカメラあるいはデジタルカメラで表示画像を撮影し、この撮影画像をビデオ出力として連続的に処理装置側に出力する方法である。この方法においては、表示画像信号と撮像素子駆動信号とがそれぞれ異なった周波数で動作し、さらにこれらが非同期であることから撮影した画像にフリッカが生じてしまいそれ以降の画像処理が複雑になってしまう。撮影時間を長くすればこのフリッカの影響を小さくすることが出来るが1回の画像取り込みのサイクル時間が長くなってしまう。
【0005】
さらに、背景画像にマーカを重畳して投影しようとした場合には上述した二通りの撮影方法の何れの場合であっても、投影する背景にマーカが埋もれてしまいマーカ検出が不可能となってしまう。これを避けるには、2種類の輝度のマーカを時系列に2回投影してそれらの画像の差分を取ることによりマーカを検出する必要がある。
【0006】
本発明は表示画像と撮影画像との同期状態に無関係にマーカが表示されている画像を撮影し、これからマーカを検出するとともに、2回の撮影のための画像取り込みサイクル時間も可能な限り短くした画像表示・撮影システムを提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決する為の手段】
上記問題点の解決のために、請求項1の発明は、表示画像上に予め定められた第1及び第2の基準表示画像を時系列的に表示し、前記第1及び第2の基準画像が表示された表示画面を順次撮像する表示画像撮影システムであって、被写体を撮影し同期信号を含む画像信号として出力する撮像部と、、所定の動作の開始を指示する指示信号を生成して出力する指示信号生成手段と、前記画像信号と前記指示信号とを画像表示装置に出力する出力部とを備えた撮像装置と、
表示画面に画像を表示する画像表示手段と、前記撮像装置から前記画像信号と前記指示信号とを入力する入力部と、前記画像表示手段が表示する画像の垂直同期部分を検出する表示画像同期部検出手段と、前記入力手段から入力した前記画像信号の垂直同期部分を検出する入力画像同期部検出手段と、前記入力部から前記指示信号が入力したならば、前記表示画像同期部検出手段による前記表示画像信号の垂直同期部分の検出に同期して前記画像表示手段に第1の画像を表示させ、前記入力画像同期部検出手段が前記第1の画像が表示された後の前記入力画像信号の第N+1番目(N:自然数)の垂直同期部分を検出したならば、前記表示画像同期部検出手段による前記表示画像信号の垂直同期部分の検出に同期して前記画像表示手段に第2の画像を表示させる様制御する制御手段とを備えた画像表示装置とから成ることを特徴としていて、これにより、第1の表示画像である白色マーカ信号を撮像装置で確実に撮像することが出来る。
【0008】
請求項2の発明は、前記制御手段はさらに、前記入力画像同期部検出手段が前記第2の画像が表示された後の第M+1番目の垂直同期部分を検出したならば、前記表示画像同期部検出手段による前記表示画像信号の垂直同期部分の検出に同期して前記画像表示手段に第3の表示画像を表示させる様制御することを特徴としていて、これにより、第2の表示画像である黒色マーカ信号を撮像装置で確実に撮像することが出来る。
【0009】
請求項3の発明は、前記制御手段はさらに、前記第1の画像が表示された後の前記入力画像同期部検出手段が検出したN画面分の垂直同期期間の入力画像信号を加算し、この加算信号から前記第2の画像が表示された後の前記入力画像同期信号検出手段が検出したM画面分の垂直同期期間の入力画像信号を減算する演算手段を備えたことを特徴としていて、フリッカによって撮影画面内の輝度レベルの違いがあったとしても背景画面の信号レベルを白色マーカ信号レベルより低く押さえることが出来る。
【0010】
請求項4の発明は、前記制御手段は更に、前記演算手段の演算結果のピーク値を基に所定の閾値を設定し前記演算結果を2値化する2値化手段を備えたことを特徴としていて、検出レベルのピークレベルを基に2値化のための閾値を設定しているので確実に演算結果に対して2値化することが出来る。
【0011】
請求項5の発明は、前記N、MはN=Mなる関係にあることを特徴としていて、表示画像と撮像画像との周期がほぼ等しいことが予め分かっている場合にはN=M=1の場合に最短のサイクルで2種類の画像を取り込むことが出来る。一方、信号レベルが低くてS/Nが低い場合には適宜Nを2以上の値に設定すればよい。
【0012】
請求項6の発明は、前記N、MはM=2・Nなる関係にあることを特徴としていて、表示画面の駆動周波数fpとCCDの駆動周波数fCCDとが、fCCD≦fp<2・fCCDなる関係にあると予め分かっていた場合にはN=1、M=2(=2・N)に設定すれば両者の周波数の関係がこの範囲内にあったならば取り込みのアルゴリズムを変えることなく白マーカ、黒マーカ2種類の画像を確実に取り込むことが出来る。更に、(fCCD/2)<fp<2・fCCDなる関係にあることが予め分かっていた場合にはN=2、M=4(=2・N)に設定すれば取り込みのアルゴリズムを変えることなく2種類の画像を確実に取り込むことが出来る。一方、信号レベルが低くてS/Nが低い場合には適宜Nを2または3以上の値に設定すればよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の画像取り込みに関連した部分の概略構成ブロック図、図2は本実施の形態に係わる撮像画像表示システムの構成斜視図である。本発明の基本原理は、ポインティング部を備えたカメラ(撮像画像装置)によりプロジェクタ投影画面上の4個のマーカM1、M2、M3、M4を撮像し、その撮像画像上のマーカ位置座標からスクリーン110上の指示位置の座標Psを検出しようとするものである。これの位置検出原理は、本出願人らが出願した特願2001−62848号公報にて提案しているので詳細は省略する。
【0014】
輝度の異なるマーカを2回表示してこれをビデオカメラ等で撮影し、この2種類の撮影画像の差をとってマーカ部分を検出するというものである。図1において100はマーカを表示させるために操作者が手元で操作するポインタ部で、ここはスクリーン上に表示されている表示画像をCCD等の撮像素子を使用して撮像する撮像部101(ここにはCCDを駆動するタイミングジェネレータも含まれる)、画像の取り込み開始を指示するスイッチ等の操作部材102、操作部材の操作に基づいて画像の取り込み開始を指示する信号を生成する指示信号生成手段103、撮像部101からの画像信号と画像の取り込み開始信号をパーソナルコンピュータ等へ出力する出力部104から構成されている。即ちこのポインタ部は通常のビデオカメラとこれにスイッチを付加しただけの非常にシンプルな構成である。
【0015】
次にこのビデオ信号と取り込み開始信号とをパーソナルコンピュータ120の入力部106に入力する。このポインタ部100とパーソナルコンピュータ120とを接続する方法としてはUSB、IEEE1394や、IrDA、Bluetooth等有線、無線接続の各種方法を適宜採用することが出来る。撮像部101にA/Dコンバータを備えている場合には、ここでデジタル信号に変換してから出力しても良いし、アナログ信号のままパーソナルコンピュータ120に入力し、その後デジタル信号に変換しても良い。また、ビデオ信号の形態としては画像信号が同期信号とが一体となったコンポジット信号であっても良いし、画像信号と同期信号とが別々のセパレート信号の形態であっても良い。
【0016】
入力部106から入力した取り込み開始信号に基づいてCPU110が表示用の垂直同期信号に同期して画像表示手段130に通常の投影画面(以下、通常画面という)に白色または黒色のマーカを重畳させて時系列に2回表示する。本実施の形態では、この画像表示手段130はパーソナルコンピュータとは別体のプロジェクタを使用して大型のスクリーンに投影する形態であり、パーソナルコンピュータ120からはプロジェクタへのビデオ信号の出力部(不図示)が備わっている。また別の実施の形態として、パーソナルコンピュータと一体に構成されたCRTやLCDモニタであっても良い。その際には入力部106から同様にして入力した撮像ビデオ信号は同期検出手段108によりその同期信号が検出され、CPU400はこれに基づいて所定のタイミングで撮影部101からの画像信号を複数フレーム抜き出し、複数フレーム分の容量を備えたバッファ107に記録する。カウンタ401はこの抜き出すフレーム数をカウントする。これら抜き出され記録された複数フレーム信号は所定のアルゴリズムに従って演算手段402により加算または減算されて再びバッファ107に記録される。この最終的に演算が完了した信号に対して2値化手段403により所定の閾値で2値化する。
【0017】
上述したように一旦、バッファ107に複数フレーム分のビデオ信号を抜き取って記録した後に演算手段402で加減算をする代わりに、ビデオ信号を抜き取るタイミングになったなら演算手段402によりその前までに記録された信号に対してその都度同時に加算あるいは減算していく方法がマーカの検出時間を短縮するためには好ましい。
【0018】
次に図3〜6のフローチャート、図7のタイムチャートを基に動作を詳細に説明する。図3は本発明の基本動作を示している。ステップS101でポインタの操作者が操作部材102であるスタート釦を押したならばステップS102においてCPU400は第1のパターンである白色のマーカを通常画面に重畳して表示する。これをポインタ部の撮像部101で撮像し、パーソナルコンピュータ120はこの撮影画像の中から1画面あるいは複数画面分抜き取ってバッファ107に記録する。次にステップS103でも同様にして今度は黒画面を通常画面に重畳して表示し、撮影、記録する。ステップS104でこれら2種類の記録画像の差をとって2値化してマーカを検出する。次のステップS105では、得られたマーカの座標位置に基づいてスクリーン上の指示位置座標(図2のPs)を演算する。ステップS106で演算された指示位置座標にカーソルを表示したり、オブジェクト動作を行うための信号として出力して、表示画像取り込みの1サイクルの動作を終了する。
【0019】
図4はステップS102の詳細なフローチャートである。これを説明する前に図7のタイミングチャートを先に説明する。図7(a)は指示信号生成手段103によって生成された取り込み開始信号、(b)はプロジェクタ等で投影表示される画像信号をコンポジット信号の形態で示している。フレームA、Bは通常画面に白色マーカが重畳された表示画面、フレームC、D、Eは通常画面に黒色マーカが重畳された表示画面、Fフレームは通常のみの表示画面を示しているが、ここでは、説明の都合上、A,Bは全画面白表示、C,D,Eは全画面黒表示を示している。(c)は撮像部101から出力される撮像信号の内の垂直同期信号部分を示していて、もしポインタ部100からコンポジットビデオの形態で撮像信号が出力されていたならば同期検出手段108で同期分離することでこの信号が得られる。また、(d)、(e)は各タイミング時において撮影される表示画面の状態を模式的に示したものである。(d)は投影されている画面、(b)に対するこの撮像部101のCCD受光面上での実際の露光状態、(e)は複数露光画面を加算した場合の状態である。CCDの垂直同期期間のうちの周期Xの期間ではA画面の後半が露光される。(d)に各フレーム毎の露光画面を斜線で示す。CCD周期Yの期間では前述した期間Xで露光した画面を出力してバッファ107に記録するとともにB画面の前半を露光している。この様にして図7(e)に示すように、期間Zでその前の期間Yに露光したB画面の前半とバッファ107に記録してある期間XのA画面後半の画像とを加算する。ここから分かるように図7(b)、(c)の様に表示画面の駆動周波数fpとCCDの駆動周波数fCCDとが(fCCD/2)<fp<2・fCCDなる関係にある場合にはA、B両方の画面が重なっている真ん中付近が明るく露光される。これがフリッカであり、更に投影画面と露光画面とは同期がとれていないためフリッカの生ずる場所も不定である。黒画面を露光し加算したWの期間においても同様にフリッカが発生する。ここで黒画面については都合4周期加算しているがその理由は後述する。
【0020】
図4において、スタート釦102が押されるとステップS201でカウンタ(C)401をリセットし、表示画面用の垂直同期信号に同期して(ステップS202、図7の時刻t1)白色マーカを重畳して表示させる(ステップS203)。その後ステップS204で同期検出手段108によってCCD側の垂直同期部分を検出した(時刻t2)ならばステップS205でカウンタ401をインクリメントする。ステップS206ではこのカウント値が所定値(ここではN+1)に達しているかどうか判定する。まだ達していなかったならばステップS206で最初の抜き取り画面かどうか判定し、最初の画面であったならばステップS208で単にバッファ107に記録する。ステップS209で1画面分の記録が終了したならばステップS205に戻りカウンタ401を更にインクリメントする。この様にして2回目以降の画面データはステップS210に示されるごとくそれまでの各画素毎の記録データに加算されたデータが記録されていく。この加算動作を所定回数(N回、図7ではN=2の場合を示している)繰り返したのち、N+1回目の同期部分を検出したならば(図7のt3)ステップS211で抜き取りを停止して白色マーカ検出のルーチンを終了する。
【0021】
図5は図3のステップS103の黒マーカ検出の詳細なフローチャートである。基本的な動作は図4の時と同様である。即ち、ステップS301でカウンタ401をリセットし、ステップS302で表示画面の垂直同期部分を検出したら(図7のt4)ステップS303で黒色マーカを重畳して表示させる。その後ステップS304で同期検出手段108によってCCD側の垂直同期部分を検出した(図7のt5)ならばステップS305でカウンタ401をインクリメントする。ステップS306ではこのカウント値が所定値(ここではM+1)に達しているかどうか判定する。まだ達していなかったならばステップS307これまで加算記録された各画素毎のデータに対して今度は減算処理して記録する。ステップS308で1画面分の減算記録が終了したならばステップS205に戻りカウンタ401を更にインクリメントする。この減算動作を所定回数(M回、図6ではM=4の場合を示している)繰り返したのち、M+1回目の同期部分を検出したならば(図7のt6)ステップS309で抜き取りを停止して黒色マーカ検出のルーチンを終了する。
【0022】
図6は、図3ステップS104の詳細フローチャートである。ステップS401で表示画面の垂直同期部分を検出したら(図7のt7)、ステップS402で通常の画面を表示させる。このステップS401、ステップS402と並行して2値化の処理を行う。
【0023】
次に、この2値化処理について図8、9も参照して説明する。図8においてM1、M2、M3、M4はマーカ部分で、これら4個所のマーカが、通常画面に重畳して白色(図7で示した表示画像信号のA、B画面に対応する)、黒色(図7のC、D、E画面に対応する)を表示する。またマーカを表示しない場合はその他の背景部分のみ、すなわち通常画面のみが表示される。図7(e)の模式図からも分かるように期間Zに相当する中間部(図8に斜線で示すFW期間)は白画面加算時の高輝度部分、期間Wに相当する中間部(図8に斜線で示すFB期間)は黒画面加算時の高輝度部分を示す。また、図8に示すように、白画面加算時の高輝度期間の一部が白マーカM1、M2にかかっているものとする。黒画面の場合は高輝度部分FBがどこの黒マーカにかかっていてもレベルはゼロとなる。図9は図8のAB方向から見た垂直方向の輝度分布を示している。ここでマーカM3部分についてはマーカM1の前半と同様であるので図9では省略している。図中波線期間は通常画面表示期間でありこの期間でのレベルは投影画像によるので白レベル(V)から黒レベル(0)の間で不定である。図9(a)に示すごとくFW期間では輝度レベルは0から2Vのいずれかのレベルとなり、図9(b)に示すごとくFB期間では0から3Vのいずれかのレベルとなる。図9(c)は図9(a)と(b)との差を取った場合の信号レベルを示している。このレベルが図4のステップS309で記録を停止した場合の記録レベルとなっている。図6のステップS403では図9(c)からも分かるようにまず最大輝度レベルBmax(ここでは2V)を検出する。これに対してステップS404でVth=(1/K)・Bmaxを満たす閾値Vthを設定し、この値に基づいてステップS405で演算画面を2値化してマーカを検出する。ここでKは予め実験等に基づいて決定されるが2<K<4程度が適当である。
【0024】
次に、これまでの説明に使用したN、Mについて説明する。前述したようにN=2、M=4(=2・N)の場合というのは表示画面の駆動周波数fpとCCDの駆動周波数fCCDとが(fCCD/2)<fp<2・fCCDなる関係にあるときに適応可能である。通常ビデオ信号は60Hzまたは50Hzであり、一方パーソナルコンピュータの表示周波数は50〜80Hz程度であるのでN、Mをこの値に設定しておけばビデオカメラ及びパーソナルコンピュータがどんなものであっても殆ど対応可能である。しかしながらこの方法では2値化するまで撮像側の同期信号の周期で10周期程度かかってしまいそれ以降の処理も考えるとマーカ検出が必ずしも早いとはいえない。もし表示周波数と撮影周波数とが予め分かっていた場合には次に述べる方法により、より高速の処理が可能となる。
【0025】
図10はfCCD≦fp<2・fCCDなる関係にあると予め分かっていた場合のタイミングである。この場合はN=1、M=2(=2・N)を採用すればよい。図10(a)〜(e)の関係は図7の場合と同様である。図からも分かるように最大で撮像側周期の6周期分程度で差信号を検出することが出来るので以前に比べ高速に処理することが可能となる。
【0026】
図11は表示周波数と撮影周波数とがほぼ等しいいうことが予め分かっている場合のタイミングである。この場合はN=1、M=1(=N)を採用すればよい。ここでも(a)〜(e)の関係及び表示を変更させるタイミングt1〜t7の関係はこれまでと同様である。この場合は黒マーカ画面の取り込みが1画面で済むのでこれまで述べた中では最速の処理が可能である。
【0027】
これまで述べてきたN、Mについてはマーカ検出の処理時間が最短になるようにこれらの数値を選択していたが、場合によっては表示画像の輝度レベルあるいは撮像画像の検出レベルが低くてS/Nが低くて差分信号に対して背景レベルとマーカの分離がうまくいかないこともある。そのような場合にはこれまで述べてきた図7、図10、図11においてNとMとの関係を保ったまま適宜数値Nを大きくしていけば良い。
【0028】
以上説明したごとくマーカを含んだフリッカのある2種類の信号の差信号に対して背景画面の信号レベルを白レベルより小さいレベルとするようにしたので確実にマーカを検出することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる画像表示・撮影システムの概略構成ブロック図である。
【図2】本発明に関わる画像表示・撮影システムの概略構成斜視図である。
【図3】本発明に関わる画像表示・撮影システムの概略動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明に関わる画像表示・撮影システムの詳細動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に関わる画像表示・撮影システムの詳細動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明に関わる画像表示・撮影システムの詳細動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明に関わる画像表示・撮影システムの画面表示と撮影信号取り込みを示すタイミングチャートである。
【図8】本発明に関わる画像表示・撮影システムのフリッカのある画面表示の一例である。
【図9】本発明に関わる画像表示・撮影システムの垂直方向の輝度分布および差分を取った図である。
【図10】本発明に関わる画像表示・撮影システムの画面表示と撮影信号取り込みを示す他のタイミングチャートである。
【図11】本発明に関わる画像表示・撮影システムの画面表示と撮影信号取り込みを示す他のタイミングチャートである。
【符号の説明】
100 撮像装置
101 撮像部
102 操作部材
103 指示信号生成手段
104 出力部
106 入力部
107 バッファ
108 同期検出手段
120 パーソナルコンピュータ
130 画像表示手段
400 CPU
401 カウンタ
402 演算手段
403 2値化手段
【発明の属する技術分野】本発明は、表示されているマーカ信号を撮影しその位置を検出するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からディスプレイ装置のCRT管面を撮影して表示性能を検査したり、大画面のスクリーン上にプロジェクタによってマーカを投影し、これを撮影してその位置情報に基づいて投影する指標の位置制御をする技術が知られている。
例えば、特開平5−30544号公報、特開平8−317432号公報、特開平11−184445号公報、特開平6−35607号公報、特開平7−121293号公報などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種のシステムにおいては投影するマーカを撮影するタイミングに関して次に述べるような二通りの方法が考えられる。第1の方法は、画像の表示時間と撮像側の蓄積時間を等しくするとともにこれらの間の同期を取る方法である。これにより輝度ムラ(フリッカ)のない画像を撮影することが出来、それ以降の画像処理を容易にすることが出来る。また画像取り込みのサイクルも短くすることが出来る。しかしながらこの様に同期を取るには表示する画像の同期信号で撮影画像の同期を取る必要がある。即ち、撮影開始(蓄積開始)のためのスタート信号を表示装置側から撮影装置側に知らせなくてはならない。これでは画像表示装置と撮影装置とが独立したシステムにおいてはその信号伝達用のケーブルが必要になるとともに撮影装置内の同期発生部に専用のハードウェアが必要となってしまう。
【0004】
第2の方法は、通常のビデオカメラあるいはデジタルカメラで表示画像を撮影し、この撮影画像をビデオ出力として連続的に処理装置側に出力する方法である。この方法においては、表示画像信号と撮像素子駆動信号とがそれぞれ異なった周波数で動作し、さらにこれらが非同期であることから撮影した画像にフリッカが生じてしまいそれ以降の画像処理が複雑になってしまう。撮影時間を長くすればこのフリッカの影響を小さくすることが出来るが1回の画像取り込みのサイクル時間が長くなってしまう。
【0005】
さらに、背景画像にマーカを重畳して投影しようとした場合には上述した二通りの撮影方法の何れの場合であっても、投影する背景にマーカが埋もれてしまいマーカ検出が不可能となってしまう。これを避けるには、2種類の輝度のマーカを時系列に2回投影してそれらの画像の差分を取ることによりマーカを検出する必要がある。
【0006】
本発明は表示画像と撮影画像との同期状態に無関係にマーカが表示されている画像を撮影し、これからマーカを検出するとともに、2回の撮影のための画像取り込みサイクル時間も可能な限り短くした画像表示・撮影システムを提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決する為の手段】
上記問題点の解決のために、請求項1の発明は、表示画像上に予め定められた第1及び第2の基準表示画像を時系列的に表示し、前記第1及び第2の基準画像が表示された表示画面を順次撮像する表示画像撮影システムであって、被写体を撮影し同期信号を含む画像信号として出力する撮像部と、、所定の動作の開始を指示する指示信号を生成して出力する指示信号生成手段と、前記画像信号と前記指示信号とを画像表示装置に出力する出力部とを備えた撮像装置と、
表示画面に画像を表示する画像表示手段と、前記撮像装置から前記画像信号と前記指示信号とを入力する入力部と、前記画像表示手段が表示する画像の垂直同期部分を検出する表示画像同期部検出手段と、前記入力手段から入力した前記画像信号の垂直同期部分を検出する入力画像同期部検出手段と、前記入力部から前記指示信号が入力したならば、前記表示画像同期部検出手段による前記表示画像信号の垂直同期部分の検出に同期して前記画像表示手段に第1の画像を表示させ、前記入力画像同期部検出手段が前記第1の画像が表示された後の前記入力画像信号の第N+1番目(N:自然数)の垂直同期部分を検出したならば、前記表示画像同期部検出手段による前記表示画像信号の垂直同期部分の検出に同期して前記画像表示手段に第2の画像を表示させる様制御する制御手段とを備えた画像表示装置とから成ることを特徴としていて、これにより、第1の表示画像である白色マーカ信号を撮像装置で確実に撮像することが出来る。
【0008】
請求項2の発明は、前記制御手段はさらに、前記入力画像同期部検出手段が前記第2の画像が表示された後の第M+1番目の垂直同期部分を検出したならば、前記表示画像同期部検出手段による前記表示画像信号の垂直同期部分の検出に同期して前記画像表示手段に第3の表示画像を表示させる様制御することを特徴としていて、これにより、第2の表示画像である黒色マーカ信号を撮像装置で確実に撮像することが出来る。
【0009】
請求項3の発明は、前記制御手段はさらに、前記第1の画像が表示された後の前記入力画像同期部検出手段が検出したN画面分の垂直同期期間の入力画像信号を加算し、この加算信号から前記第2の画像が表示された後の前記入力画像同期信号検出手段が検出したM画面分の垂直同期期間の入力画像信号を減算する演算手段を備えたことを特徴としていて、フリッカによって撮影画面内の輝度レベルの違いがあったとしても背景画面の信号レベルを白色マーカ信号レベルより低く押さえることが出来る。
【0010】
請求項4の発明は、前記制御手段は更に、前記演算手段の演算結果のピーク値を基に所定の閾値を設定し前記演算結果を2値化する2値化手段を備えたことを特徴としていて、検出レベルのピークレベルを基に2値化のための閾値を設定しているので確実に演算結果に対して2値化することが出来る。
【0011】
請求項5の発明は、前記N、MはN=Mなる関係にあることを特徴としていて、表示画像と撮像画像との周期がほぼ等しいことが予め分かっている場合にはN=M=1の場合に最短のサイクルで2種類の画像を取り込むことが出来る。一方、信号レベルが低くてS/Nが低い場合には適宜Nを2以上の値に設定すればよい。
【0012】
請求項6の発明は、前記N、MはM=2・Nなる関係にあることを特徴としていて、表示画面の駆動周波数fpとCCDの駆動周波数fCCDとが、fCCD≦fp<2・fCCDなる関係にあると予め分かっていた場合にはN=1、M=2(=2・N)に設定すれば両者の周波数の関係がこの範囲内にあったならば取り込みのアルゴリズムを変えることなく白マーカ、黒マーカ2種類の画像を確実に取り込むことが出来る。更に、(fCCD/2)<fp<2・fCCDなる関係にあることが予め分かっていた場合にはN=2、M=4(=2・N)に設定すれば取り込みのアルゴリズムを変えることなく2種類の画像を確実に取り込むことが出来る。一方、信号レベルが低くてS/Nが低い場合には適宜Nを2または3以上の値に設定すればよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の画像取り込みに関連した部分の概略構成ブロック図、図2は本実施の形態に係わる撮像画像表示システムの構成斜視図である。本発明の基本原理は、ポインティング部を備えたカメラ(撮像画像装置)によりプロジェクタ投影画面上の4個のマーカM1、M2、M3、M4を撮像し、その撮像画像上のマーカ位置座標からスクリーン110上の指示位置の座標Psを検出しようとするものである。これの位置検出原理は、本出願人らが出願した特願2001−62848号公報にて提案しているので詳細は省略する。
【0014】
輝度の異なるマーカを2回表示してこれをビデオカメラ等で撮影し、この2種類の撮影画像の差をとってマーカ部分を検出するというものである。図1において100はマーカを表示させるために操作者が手元で操作するポインタ部で、ここはスクリーン上に表示されている表示画像をCCD等の撮像素子を使用して撮像する撮像部101(ここにはCCDを駆動するタイミングジェネレータも含まれる)、画像の取り込み開始を指示するスイッチ等の操作部材102、操作部材の操作に基づいて画像の取り込み開始を指示する信号を生成する指示信号生成手段103、撮像部101からの画像信号と画像の取り込み開始信号をパーソナルコンピュータ等へ出力する出力部104から構成されている。即ちこのポインタ部は通常のビデオカメラとこれにスイッチを付加しただけの非常にシンプルな構成である。
【0015】
次にこのビデオ信号と取り込み開始信号とをパーソナルコンピュータ120の入力部106に入力する。このポインタ部100とパーソナルコンピュータ120とを接続する方法としてはUSB、IEEE1394や、IrDA、Bluetooth等有線、無線接続の各種方法を適宜採用することが出来る。撮像部101にA/Dコンバータを備えている場合には、ここでデジタル信号に変換してから出力しても良いし、アナログ信号のままパーソナルコンピュータ120に入力し、その後デジタル信号に変換しても良い。また、ビデオ信号の形態としては画像信号が同期信号とが一体となったコンポジット信号であっても良いし、画像信号と同期信号とが別々のセパレート信号の形態であっても良い。
【0016】
入力部106から入力した取り込み開始信号に基づいてCPU110が表示用の垂直同期信号に同期して画像表示手段130に通常の投影画面(以下、通常画面という)に白色または黒色のマーカを重畳させて時系列に2回表示する。本実施の形態では、この画像表示手段130はパーソナルコンピュータとは別体のプロジェクタを使用して大型のスクリーンに投影する形態であり、パーソナルコンピュータ120からはプロジェクタへのビデオ信号の出力部(不図示)が備わっている。また別の実施の形態として、パーソナルコンピュータと一体に構成されたCRTやLCDモニタであっても良い。その際には入力部106から同様にして入力した撮像ビデオ信号は同期検出手段108によりその同期信号が検出され、CPU400はこれに基づいて所定のタイミングで撮影部101からの画像信号を複数フレーム抜き出し、複数フレーム分の容量を備えたバッファ107に記録する。カウンタ401はこの抜き出すフレーム数をカウントする。これら抜き出され記録された複数フレーム信号は所定のアルゴリズムに従って演算手段402により加算または減算されて再びバッファ107に記録される。この最終的に演算が完了した信号に対して2値化手段403により所定の閾値で2値化する。
【0017】
上述したように一旦、バッファ107に複数フレーム分のビデオ信号を抜き取って記録した後に演算手段402で加減算をする代わりに、ビデオ信号を抜き取るタイミングになったなら演算手段402によりその前までに記録された信号に対してその都度同時に加算あるいは減算していく方法がマーカの検出時間を短縮するためには好ましい。
【0018】
次に図3〜6のフローチャート、図7のタイムチャートを基に動作を詳細に説明する。図3は本発明の基本動作を示している。ステップS101でポインタの操作者が操作部材102であるスタート釦を押したならばステップS102においてCPU400は第1のパターンである白色のマーカを通常画面に重畳して表示する。これをポインタ部の撮像部101で撮像し、パーソナルコンピュータ120はこの撮影画像の中から1画面あるいは複数画面分抜き取ってバッファ107に記録する。次にステップS103でも同様にして今度は黒画面を通常画面に重畳して表示し、撮影、記録する。ステップS104でこれら2種類の記録画像の差をとって2値化してマーカを検出する。次のステップS105では、得られたマーカの座標位置に基づいてスクリーン上の指示位置座標(図2のPs)を演算する。ステップS106で演算された指示位置座標にカーソルを表示したり、オブジェクト動作を行うための信号として出力して、表示画像取り込みの1サイクルの動作を終了する。
【0019】
図4はステップS102の詳細なフローチャートである。これを説明する前に図7のタイミングチャートを先に説明する。図7(a)は指示信号生成手段103によって生成された取り込み開始信号、(b)はプロジェクタ等で投影表示される画像信号をコンポジット信号の形態で示している。フレームA、Bは通常画面に白色マーカが重畳された表示画面、フレームC、D、Eは通常画面に黒色マーカが重畳された表示画面、Fフレームは通常のみの表示画面を示しているが、ここでは、説明の都合上、A,Bは全画面白表示、C,D,Eは全画面黒表示を示している。(c)は撮像部101から出力される撮像信号の内の垂直同期信号部分を示していて、もしポインタ部100からコンポジットビデオの形態で撮像信号が出力されていたならば同期検出手段108で同期分離することでこの信号が得られる。また、(d)、(e)は各タイミング時において撮影される表示画面の状態を模式的に示したものである。(d)は投影されている画面、(b)に対するこの撮像部101のCCD受光面上での実際の露光状態、(e)は複数露光画面を加算した場合の状態である。CCDの垂直同期期間のうちの周期Xの期間ではA画面の後半が露光される。(d)に各フレーム毎の露光画面を斜線で示す。CCD周期Yの期間では前述した期間Xで露光した画面を出力してバッファ107に記録するとともにB画面の前半を露光している。この様にして図7(e)に示すように、期間Zでその前の期間Yに露光したB画面の前半とバッファ107に記録してある期間XのA画面後半の画像とを加算する。ここから分かるように図7(b)、(c)の様に表示画面の駆動周波数fpとCCDの駆動周波数fCCDとが(fCCD/2)<fp<2・fCCDなる関係にある場合にはA、B両方の画面が重なっている真ん中付近が明るく露光される。これがフリッカであり、更に投影画面と露光画面とは同期がとれていないためフリッカの生ずる場所も不定である。黒画面を露光し加算したWの期間においても同様にフリッカが発生する。ここで黒画面については都合4周期加算しているがその理由は後述する。
【0020】
図4において、スタート釦102が押されるとステップS201でカウンタ(C)401をリセットし、表示画面用の垂直同期信号に同期して(ステップS202、図7の時刻t1)白色マーカを重畳して表示させる(ステップS203)。その後ステップS204で同期検出手段108によってCCD側の垂直同期部分を検出した(時刻t2)ならばステップS205でカウンタ401をインクリメントする。ステップS206ではこのカウント値が所定値(ここではN+1)に達しているかどうか判定する。まだ達していなかったならばステップS206で最初の抜き取り画面かどうか判定し、最初の画面であったならばステップS208で単にバッファ107に記録する。ステップS209で1画面分の記録が終了したならばステップS205に戻りカウンタ401を更にインクリメントする。この様にして2回目以降の画面データはステップS210に示されるごとくそれまでの各画素毎の記録データに加算されたデータが記録されていく。この加算動作を所定回数(N回、図7ではN=2の場合を示している)繰り返したのち、N+1回目の同期部分を検出したならば(図7のt3)ステップS211で抜き取りを停止して白色マーカ検出のルーチンを終了する。
【0021】
図5は図3のステップS103の黒マーカ検出の詳細なフローチャートである。基本的な動作は図4の時と同様である。即ち、ステップS301でカウンタ401をリセットし、ステップS302で表示画面の垂直同期部分を検出したら(図7のt4)ステップS303で黒色マーカを重畳して表示させる。その後ステップS304で同期検出手段108によってCCD側の垂直同期部分を検出した(図7のt5)ならばステップS305でカウンタ401をインクリメントする。ステップS306ではこのカウント値が所定値(ここではM+1)に達しているかどうか判定する。まだ達していなかったならばステップS307これまで加算記録された各画素毎のデータに対して今度は減算処理して記録する。ステップS308で1画面分の減算記録が終了したならばステップS205に戻りカウンタ401を更にインクリメントする。この減算動作を所定回数(M回、図6ではM=4の場合を示している)繰り返したのち、M+1回目の同期部分を検出したならば(図7のt6)ステップS309で抜き取りを停止して黒色マーカ検出のルーチンを終了する。
【0022】
図6は、図3ステップS104の詳細フローチャートである。ステップS401で表示画面の垂直同期部分を検出したら(図7のt7)、ステップS402で通常の画面を表示させる。このステップS401、ステップS402と並行して2値化の処理を行う。
【0023】
次に、この2値化処理について図8、9も参照して説明する。図8においてM1、M2、M3、M4はマーカ部分で、これら4個所のマーカが、通常画面に重畳して白色(図7で示した表示画像信号のA、B画面に対応する)、黒色(図7のC、D、E画面に対応する)を表示する。またマーカを表示しない場合はその他の背景部分のみ、すなわち通常画面のみが表示される。図7(e)の模式図からも分かるように期間Zに相当する中間部(図8に斜線で示すFW期間)は白画面加算時の高輝度部分、期間Wに相当する中間部(図8に斜線で示すFB期間)は黒画面加算時の高輝度部分を示す。また、図8に示すように、白画面加算時の高輝度期間の一部が白マーカM1、M2にかかっているものとする。黒画面の場合は高輝度部分FBがどこの黒マーカにかかっていてもレベルはゼロとなる。図9は図8のAB方向から見た垂直方向の輝度分布を示している。ここでマーカM3部分についてはマーカM1の前半と同様であるので図9では省略している。図中波線期間は通常画面表示期間でありこの期間でのレベルは投影画像によるので白レベル(V)から黒レベル(0)の間で不定である。図9(a)に示すごとくFW期間では輝度レベルは0から2Vのいずれかのレベルとなり、図9(b)に示すごとくFB期間では0から3Vのいずれかのレベルとなる。図9(c)は図9(a)と(b)との差を取った場合の信号レベルを示している。このレベルが図4のステップS309で記録を停止した場合の記録レベルとなっている。図6のステップS403では図9(c)からも分かるようにまず最大輝度レベルBmax(ここでは2V)を検出する。これに対してステップS404でVth=(1/K)・Bmaxを満たす閾値Vthを設定し、この値に基づいてステップS405で演算画面を2値化してマーカを検出する。ここでKは予め実験等に基づいて決定されるが2<K<4程度が適当である。
【0024】
次に、これまでの説明に使用したN、Mについて説明する。前述したようにN=2、M=4(=2・N)の場合というのは表示画面の駆動周波数fpとCCDの駆動周波数fCCDとが(fCCD/2)<fp<2・fCCDなる関係にあるときに適応可能である。通常ビデオ信号は60Hzまたは50Hzであり、一方パーソナルコンピュータの表示周波数は50〜80Hz程度であるのでN、Mをこの値に設定しておけばビデオカメラ及びパーソナルコンピュータがどんなものであっても殆ど対応可能である。しかしながらこの方法では2値化するまで撮像側の同期信号の周期で10周期程度かかってしまいそれ以降の処理も考えるとマーカ検出が必ずしも早いとはいえない。もし表示周波数と撮影周波数とが予め分かっていた場合には次に述べる方法により、より高速の処理が可能となる。
【0025】
図10はfCCD≦fp<2・fCCDなる関係にあると予め分かっていた場合のタイミングである。この場合はN=1、M=2(=2・N)を採用すればよい。図10(a)〜(e)の関係は図7の場合と同様である。図からも分かるように最大で撮像側周期の6周期分程度で差信号を検出することが出来るので以前に比べ高速に処理することが可能となる。
【0026】
図11は表示周波数と撮影周波数とがほぼ等しいいうことが予め分かっている場合のタイミングである。この場合はN=1、M=1(=N)を採用すればよい。ここでも(a)〜(e)の関係及び表示を変更させるタイミングt1〜t7の関係はこれまでと同様である。この場合は黒マーカ画面の取り込みが1画面で済むのでこれまで述べた中では最速の処理が可能である。
【0027】
これまで述べてきたN、Mについてはマーカ検出の処理時間が最短になるようにこれらの数値を選択していたが、場合によっては表示画像の輝度レベルあるいは撮像画像の検出レベルが低くてS/Nが低くて差分信号に対して背景レベルとマーカの分離がうまくいかないこともある。そのような場合にはこれまで述べてきた図7、図10、図11においてNとMとの関係を保ったまま適宜数値Nを大きくしていけば良い。
【0028】
以上説明したごとくマーカを含んだフリッカのある2種類の信号の差信号に対して背景画面の信号レベルを白レベルより小さいレベルとするようにしたので確実にマーカを検出することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる画像表示・撮影システムの概略構成ブロック図である。
【図2】本発明に関わる画像表示・撮影システムの概略構成斜視図である。
【図3】本発明に関わる画像表示・撮影システムの概略動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明に関わる画像表示・撮影システムの詳細動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に関わる画像表示・撮影システムの詳細動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明に関わる画像表示・撮影システムの詳細動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明に関わる画像表示・撮影システムの画面表示と撮影信号取り込みを示すタイミングチャートである。
【図8】本発明に関わる画像表示・撮影システムのフリッカのある画面表示の一例である。
【図9】本発明に関わる画像表示・撮影システムの垂直方向の輝度分布および差分を取った図である。
【図10】本発明に関わる画像表示・撮影システムの画面表示と撮影信号取り込みを示す他のタイミングチャートである。
【図11】本発明に関わる画像表示・撮影システムの画面表示と撮影信号取り込みを示す他のタイミングチャートである。
【符号の説明】
100 撮像装置
101 撮像部
102 操作部材
103 指示信号生成手段
104 出力部
106 入力部
107 バッファ
108 同期検出手段
120 パーソナルコンピュータ
130 画像表示手段
400 CPU
401 カウンタ
402 演算手段
403 2値化手段
Claims (6)
- 表示画像上に予め定められた第1及び第2の基準表示画像を時系列的に表示し、前記第1及び第2の基準画像が表示された表示画面を順次撮像する画像表示撮影システムであって、
被写体を撮影し同期信号を含む画像信号として出力する撮像部と、所定の動作の開始を指示する指示信号を生成して出力する指示信号生成手段と、前記画像信号と前記指示信号とを画像表示装置に出力する出力部とを備えた撮像装置と、
表示画面に画像を表示する画像表示手段と、前記撮像装置から前記画像信号と前記指示信号とを入力する入力部と、前記画像表示手段が表示する画像信号に重畳されている同期信号の垂直同期部分を検出する表示画像同期部検出手段と、前記入力手段から入力した前記画像信号の垂直同期部分を検出する入力画像同期部検出手段と、前記入力部から前記指示信号が入力したならば、前記表示画像同期部検出手段による前記表示画像信号の垂直同期部分の検出に同期して前記画像表示手段に第1の画像を表示させ、前記入力画像同期部検出手段が前記第1の画像が表示された後の前記入力画像信号の第N+1番目(N:自然数)の垂直同期部分を検出したならば、前記表示画像同期部検出手段による前記表示画像信号の垂直同期部分の検出に同期して前記画像表示手段に第2の画像を表示させる様制御する制御手段とを備えた画像表示装置とから成る画像表示・撮影システム。 - 前記制御手段はさらに、前記入力画像同期部検出手段が前記第2の画像が表示された後の第M+1番目(M:自然数)の垂直同期部分を検出したならば、前記表示画像同期部検出手段による前記表示画像信号の垂直同期部分の検出に同期して前記画像表示手段に第3の表示画像を表示させる様制御することを特徴とする請求項1に記載の画像表示・撮影システム。
- 前記制御手段はさらに、前記第1の画像が表示された後の前記入力画像同期部検出手段が検出したN画面分の垂直同期期間の入力画像信号を加算し、この加算信号から前記第2の画像が表示された後の前記入力画像同期信号検出手段が検出したM画面分の垂直同期期間の入力画像信号を減算する演算手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示・撮影システム。
- 前記制御手段は更に、前記演算手段の演算結果のピーク値を基に所定の閾値を設定し前記演算結果を2値化する2値化手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像表示・撮影システム。
- 前記N、MはN=Mなる関係にあることを特徴とする請求項1に記載の画像表示・撮影システム。
- 前記N、MはM=2×Nなる関係にあることを特徴とする請求項5に記載の画像表示・撮影システム。
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