JP2004138912A - ディスプレイ装置とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザの不安定性に起因するディスプレイ装置の表示不良を救済する。
【解決手段】アモルファスシリコン膜に短冊状のパターン305でレーザを照射して結晶化を行う際、アクティブ・マトリクス基板101の一辺と短冊状レーザ照射パターン305の長軸方向とのなす角度を隣接または近接する画素または同色画素で重ならない範囲とすることにより、画素405またはカラーフィルタ505を有する同色画素を駆動するレーザ強度の不安定性に起因する他と特性が異なる薄膜トランジスタ404を表示領域ARの面内で直線上になく、または隣接もしくは近接しない配置とする。
【選択図】 図1
【解決手段】アモルファスシリコン膜に短冊状のパターン305でレーザを照射して結晶化を行う際、アクティブ・マトリクス基板101の一辺と短冊状レーザ照射パターン305の長軸方向とのなす角度を隣接または近接する画素または同色画素で重ならない範囲とすることにより、画素405またはカラーフィルタ505を有する同色画素を駆動するレーザ強度の不安定性に起因する他と特性が異なる薄膜トランジスタ404を表示領域ARの面内で直線上になく、または隣接もしくは近接しない配置とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブ・マトリクス駆動方式のディスプレイ装置に係り、特に、絶縁基板上に形成されたアモルファスシリコン膜にレーザ光を照射して改質した多結晶シリコン膜の半導体層を用いて薄膜トランジスタ等のアクティブ素子を形成したディスプレイ装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のディスプレイ装置は、薄膜トランジスタ等のアクティブ素子を形成する一方の絶縁基板(以下、アクティブ・マトリクス基板とも言う)の表示領域の一方向に延在して並設された多数のデータ線(薄膜トランジスタではドレイン線)と、前記一方向と交差する他方向に延在して並設された多数の走査線(同じく、ゲート線)と、前記アクティブ・マトリクス基板上に形成されたポリシリコン膜で作り込まれて前記データ線と前記走査線の交差部に配置されたアクティブ素子、および前記アクティブ素子で駆動される画素電極を有する画素回路からなる画素をマトリクス状に配列して構成される。
【0003】
当該業者によく知られているように、現在、多くのアクティブ・マトリクス駆動方式のディスプレイ装置では、シリコン膜を半導体層としたアクティブ素子で構成される多数の画素回路で駆動される画素を絶縁基板上にマトリクス状に配置することで良質の画像を表示することができる。なお、アクティブ素子の典型は薄膜トランジスタであるので、以下では、アクティブ素子を薄膜トランジスタとして説明する。半導体層を構成するシリコン膜として一般的に用いられてきた非晶質シリコン膜(以下、アモルファスシリコン膜と称する)を用いた薄膜トランジスタでは、キャリア移動度(以下、単に移動度とも称する)に代表される薄膜トランジスタの性能に限界があるために、高速、高機能が要求される回路を得ることは困難であった。
【0004】
より優れた表示品質を提供するのに必要な高移動度の薄膜トランジスタの実現には半導体層となるアモルファスシリコン膜をあらかじめ結晶化して多結晶シリコン膜(以下、ポリシリコン膜と称する)とし、このポリシリコン膜を用いて薄膜トランジスタを作り込むのが有効である。かかる結晶化(結晶性改善、以下改質とも称する)のためにはアモルファスシリコン膜にレーザ光を照射してアニールすることによりポリシリコン膜に改質する手法が用いられている。このためのレーザ光には、エキシマレーザ、連続発振レーザ、その他の高エネルギーレーザが用いられるが、この中でもパルス発振のエキシマレーザが多く採用される。以下では、レーザとしてエキシマレーザを用いるものとして説明する。
【0005】
エキシマレーザ照射によるシリコン膜の改質方法は次のようになものである。すなわち、アクティブ・マトリクス基板となるガラス等の絶縁基板上に酸化シリコンや窒化シリコン等からなる下地膜を介して堆積したアモルファスシリコン膜に、当該基板上の単位照射パターンの長手方向(長軸方向)が数mm〜数100mm程度、あるいはそれ以上で、短手方向(短軸方向)が20μm〜1000μm程度の短冊状のパルス状のレーザを照射し、当該レーザ照射の1〜数パルス毎(すなわち、単位照射パターンの1または数パターン毎)に照射位置を上記長軸方向と交差する方向に前記絶縁基板に対して相対移動する走査を行うことで、絶縁基板全体のアモルファスシリコン膜を結晶化しポリシリコン膜に改質する。
【0006】
この様な方法で結晶性を改質したポリシリコン膜からなる半導体層にエッチングを施して所要のパターニングを行い、またイオン打ち込み等の種々の加工を施して、各々の画素部に駆動用の薄膜トランジスタからなる画素回路を形成する。また、表示のための電圧や信号を供給する各種の配線(ゲート線、ドレイン線等)を形成してアクティブ・マトリクス基板を作成する。そして、このアクティブ・マトリクス基板を用いて液晶ディスプレイや有機EL等のアクティブ・マトリクス方式のディスプレイ装置を製造する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記した如く、アモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に改質する場合、通常は外形が矩形状であるガラス等のアクティブ・マトリクス基板を製作する絶縁基板上にアモルファスシリコン膜を形成し、その表面に沿ってレーザを照射しながらアクティブ・マトリクス基板と相対的な移動で走査する。こうして改質されたポリシリコン膜を半導体層とすることで性能のよい、すなわち移動度の高い薄膜トランジスタを配置した絶縁基板(アクティブ・マトリクス基板)を製造できる。しかし、現在用いられているレーザは安定性に乏しいものが多く、照射強度の変動が激しい。なおかつ、アモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に改質する際のレーザ強度のマージンは狭い。
【0008】
レーザの強度変動は改質されたポリシリコン膜の結晶性のバラツキを招いてしまう。この結晶性のバラツキはトランジスタの電気的特性のバラツキとなるため、照射時のある瞬間にレーザ強度が適正値から外れると、その瞬間のレーザの短冊状の照射領域(単位照射パターン)がその前後の照射領域とで異なってしまう。すなわち、レーザの走査方向に伴う当該レーザで照射された短冊状の領域に、その前後の短冊状の照射領域とは結晶性の異なるポリシリコン膜(以下、これを異質結晶部分とも称する)が形成される。このような異質結晶部分のポリシリコン膜に形成される薄膜トランジスタの特性は、他の部分のものとは異なってしまう。
【0009】
通常、レーザは薄膜トランジスタを形成するアクティブ・マトリクス基板を製造する絶縁基板の一辺と平行な方向に走査されるため、レーザの不安定による他の部分とは特性の異なる薄膜トランジスタは同一データ線(ドレイン線)上に並ぶことになる。このように、他の部分と特性の著しく異なる薄膜トランジスタで駆動される画素がアクティブ・マトリクス基板上に直線的に並んであるいは隣接若しくは近接して配置されると、例えばカラーのディスプレイ装置ではこの薄膜トランジスタで駆動されるカラーフィルタの画素は他の同色のカラーフィルタの画素に対して微妙な色の違いを表示し、これが一直線上(一列)に並ぶ線欠陥または局部的な色相の違いとなる表示不良を招くことになる。そして、このような特性の異なる薄膜トランジスタが形成されたアクティブ・マトリクス基板は製造歩留りを低下させ、ディスプレイ装置のコスト低下を妨げる要因の一つとなっている。
【0010】
このような表示不良は、例えば薄膜トランジスタとして動作しているにもかかわらず、その特性が他の部分の薄膜トランジスタと若干異なることによる微妙な輝度差または色相差をもつ画素が一列に並ぶために、人間の視覚に線として認識されるために起こるものである。このような表示不良を解決することが課題の一つとなっている。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決することにあり、第一の目的は、レーザの不安定性に起因する薄膜トランジスタの特性のバラツキが生じたとしても、製品として良品のレベルにまで向上させた高性能なディスプレイ装置を提供することにある。また、本発明の第二の目的は、上記のディスプレイ装置の製造歩留まりを向上した製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第一の目的を達成するため、本発明は、特性が他と異なる薄膜トランジスタで駆動される画素を表示領域の面内で直線上に位置しないように散在させたアクティブ・マトリクス基板を用いてディスプレイ装置を構成する。上記薄膜トランジスタで駆動される画素を同一のドレイン線に対して平行な直線上から外れた位置に、または連続しない位置に散在させる。
【0013】
すなわち、本発明によるディスプレイ装置は、アクティブ・マトリクス基板の表示領域の一方向に延在して並設された多数のデータ線と、前記一方向と交差する他方向に延在して並設された多数の走査線と、前記アクティブ・マトリクス基板上に形成されたポリシリコン膜で作り込まれて前記データ線と前記走査線の交差部に配置されたアクティブ素子、および前記アクティブ素子で駆動される画素電極を有する画素回路からなる画素をマトリクス状に配列し、
前記アクティブ素子のうちの前記ポリシリコン膜が他と異なる異質結晶部分に作り込まれたアクティブ素子で駆動される画素またはカラーフィルタを有する画素を前記表示領域の面内に散在させて配置する。
【0014】
この構成により、上記薄膜トランジスタの特性の差による画素表示の輝度差あるいは色相差が連続せず、あるいは局部的に集中しないため、人間の視覚では識別できなくなり、前記した表示不良が救済される。また、製造の際の歩留まりが向上し、結果として低コストのディスプレイ装置を提供できる。
【0015】
また、上記第二の目的を達成するため、本発明の第1の手段は、アクティブ・マトリクスを製作する絶縁基板上に形成したアモルファスシリコン膜に短冊状の単位照射パターンをもつレーザを照射する際に、当該短冊状レーザの照射で改質されたポリシリコン膜の特性が他の部分と異なるものの配列方向が、絶縁基板の一辺に対して1〜45°の角度となるようにレーザを照射する。上記の角度は、画素を構成する薄膜トランジスタの作り込み部分の半導体層がドレイン線と平行な直線上に一列とならない角度であり、製作されるアクティブ・マトリクス基板に配置される画素のサイズやその配置、あるいは画素内での薄膜トランジスタの配置で決定される。例えば、他と特性が異なるポリシリコン膜(異質結晶部分)で形成され当該基板上の同一ドレイン線に接続する薄膜トランジスタで駆動される画素が当該ドレイン線と並行な直線上に配列されないような、あるいは同色のカラーフィルタを形成する画素が隣接または近接しないようにレーザ照射を行う。なお、短冊状レーザの長手方向が短手方向に対して極めて大きい短冊状の場合は直線で近似され、上記の角度は、この直線と絶縁基板の一辺とのなす角度と表現することができる。
【0016】
また、上記第二の目的を達成するための本発明の第2の手段として、ゲート線と平行な方向のレーザの短軸が隣接するドレイン線の間の間隔より狭い場合、レーザ照射で改質されるポリシリコン膜を半導体層として作り込まれて同一データ線に接続する薄膜トランジスタで駆動される画素を当該ドレイン線に関して互い違いとする(薄膜トランジスタを互い違いとする)ことでも、特性が他の部分と異なる薄膜トランジスタで駆動される画素がドレイン線と平行な直線上に連続して配置されず、線欠陥の視認性を低減させることができる。
【0017】
本発明では、基板に短冊状のレーザを照射する際の当該短冊状の照射パターンの短軸方向サイズが20μm〜1000μmであることが望ましい。かかるレーザのパターンは画素部分のシリコン膜の結晶化方法とレーザ強度と基板サイズとから勘案して定まるものである。アモルファスシリコン膜のポリシリコン膜化にはレーザを複数回のショットで照射することが望ましい。またレーザ照射パターンの短冊状の長手方向サイズは、絶縁基板のサイズ、レーザ強度とから勘案して定まるものである。短冊状レーザの長手方向サイズが基板の全面をカバーできない長さの場合は、当該レーザを短軸方向に逐次シフトさせて複数回の走査または複数レーザの平行走査、あるいは往復走査を行う。
【0018】
本発明で使用するレーザは波長200nm〜1000nmのパルス発振エキシマレーザであることが好ましい。レーザはシリコンに対して吸収のある波長、すなわち紫外波長〜可視波長が好ましく、より具体的にはXeClエキシマパルスレーザ(波長308nm)が好ましい。しかし、パルス化した連続発振レーザなどを使用することもできる。
【0019】
また、上記第二の目的を達成するための本発明の第3の手段として、同一ドレイン線に接続される薄膜トランジスタで駆動される画素を当該ドレイン線の延在方向に対して両側に対称に、または互い違いに配置することもできる。これによりレーザの不安定性に起因する特性がばらついた薄膜トランジスタで駆動される画素は一列に、または隣接もしくは近接して配列されず、表示領域の面内で分散させることが可能となる。好ましくは、同一ドレイン線上の薄膜トランジスタを当該ドレインに対して、その両側に交互に配置する。こうすることにより画素の周期と画素内の薄膜トランジスタの周期とが異なることになり、他と異なる特性の薄膜トランジスタの配置に規則性が無くなり、線欠陥を回避することができる。
【0020】
また、上記第二の目的を達成するため、本発明の第4の手段として、同一ドレイン線に対し両側に配置された画素をドレイン線の延在方向に対し、画素の一部が前記一方向で同一線上に配置され、ドレイン線の延在方向での表示の一部が一列上で重なるように配置することができる。これにより、レーザの不安定性に起因する特性がばらついた薄膜トランジスタで駆動される画素を同一ドレイン線上から分散させることができると共に、一本のドレイン線により書き込まれる線表示をより直線に近づけることができる。
【0021】
本発明では、絶縁基板に対して短冊状のレーザの当該短冊の長軸方向をガラス基板の一辺に対して所定の角度で傾ける場合は、当該角度をアクティブ素子の配置に応じて当該アクティブ素子で駆動される画素のカラーフィルタが隣接または近接しないような最適な角度範囲で角度をつけて走査させる。なお、絶縁基板上に作製する個々のパネルの辺を多面取りする母基板の辺と上記の最適角度をつけて配置することも可能であるが、大画面のアクティブ・マトリクス基板を一枚取りとする場合、多面パネル取りでは、個々のアクティブ・マトリクス基板に分離するための分離領域を充分に確保できる場合などに適用可能である。
【0022】
上記の本発明の構成としたアクティブ・マトリクス基板を使用することで輝度差に起因する線欠陥不良や局部的な色相変化のない優れた画質のディスプレイ装置を高い歩留りで安価に提供できる。本発明は、液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置、その他のアクティブ駆動の画素を有する各種のディスプレイ装置にも同様に適用できる。
【0023】
なお、本発明は、上記の構成および後述する実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施例では、前記発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段の記述と同様に、アクティブ素子として薄膜トランジスタを用いた液晶表示装置に本発明を適用するものとして説明する。
【0025】
図1は本発明のディスプレイ装置の一実施例を説明するための一枚のアクティブ・マトリクス基板の模式平面図である。同図(a)はアクティブ・マトリクス基板の全体平面図、同図(b)は同図(a)の画素部分のみを拡大して示したものである。図中、参照符号101は矩形状のガラス基板からなるアクティブ・マトリクス基板で、その表示領域ARに多数の画素403がマトリクス状に配列されている。また、参照符号Xは長辺、Yは短辺で、短辺Yに一辺にはゲート線駆動回路406が、長辺Xの一辺には画素にデータ信号を供給するドレイン駆動回路407が形成されている。ゲート線401はゲート線駆動回路406から長辺Xと平行な方向で表示領域ARにわたって多数配線され、ドレイン線(データ線とも言う)はドレイン線駆動回路407から表示領域ARにわたってゲート線401と交差して多数配線されている。
【0026】
各画素はゲート線401とドレイン線402で囲まれた領域に形成される。これを図1(b)で説明する。二本のゲート線401iと401i+1、二本のドレイン線402i−1と402iで囲まれた領域およびドレイン線402iと402i+1で囲まれた領域に画素403が配置されている。画素403のうちの他と結晶性が異なるポリシリコン膜(異質結晶部分)305で作り込まれた画素を参照符号405で示す。図7(a)における異質結晶部分305は不安定なレーザ照射で改質された部分であり、Y方向に5画素目、X方向に4画素目毎に存在する。他の画素403はレーザが安定した状態で改質されたポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタ404で駆動される画素である。なお、参照符号403に括弧で付記した503はレーザが安定した状態で改質されたポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタ404で駆動される画素のカラーフィルタ、参照符号405に括弧で付記した505は不安定なレーザ照射で改質されたポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタ405で駆動される画素のカラーフィルタを示す。薄膜トランジスタ404は画素の隅に形成され、ゲート線401とドレイン線402の交差部に設けられる。図1では、薄膜トランジスタ404は近接したドレイン線402およびゲート線401に接続されている。この薄膜トランジスタ404に接続する画素電極(図示せず)は画素403の大部分の領域を占めている。
【0027】
図1(a)中、参照符号305はレーザの照射でポリシリコン結晶に改質されたポリシリコン膜のうちの強度の異なるレーザで照射されて結晶性が他と異なる異質結晶部分を示し、短冊状のレーザの単位照射パターンを直線で示した。なお、この単位照射パターン305は1または複数の照射で構成される。図1(b)には、この異質結晶部分305が幅を有する短冊状であることを示してある。この短冊状の異質結晶部分305は画素405を駆動する薄膜トランジスタを構成し、この画素405にドレイン線402i−1に接続した画素403は安定なレーザの照射で改質されたポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタである。異質結晶部分305はガラス基板101の短辺Yに対して角度θをなし、矢印Sで示す方向にアクティブ・マトリクス10に対して相対的に移動して走査されたレーザ光で改質されたものである。このレーザの走査によるアニールでアモルファスシリコン膜がポリシリコン膜に改質されるが、前記したレーザ強度の不安定に起因して異質結晶部分305の半導体層で作り込まれる薄膜トランジスタ404の特性が他と異なったものとなる。
【0028】
異質結晶部分305のポリシリコン膜305で作り込まれる薄膜トランジスタで構成される画素は参照符号405を付した小さい四角で示した。薄膜トランジスタ404を構成する部分以外のポリシリコン膜は、薄膜トランジスタ404を形成する段階で除去されるため、薄膜トランジスタの特性とは無関係である。本実施例では、図1(a)に示したように、特性が異なる薄膜トランジスタで駆動される画素405は表示領域ARの面内で離れた位置にあり、かつ同一ドレイン線402と並行な直線上に位置しないため、観察者が認識するような線状の表示不良(線欠陥)は生じない。
【0029】
このように、短冊状レーザの単位照射パターンの長軸とアクティブ・マトリクス基板101の一辺とのなす角度θを選択することにより、レーザの強度が変化したことにより特性が異なるものとなった薄膜トランジスタで駆動される画素が表示領域の面内で分散されるため、前記線欠陥が視認されることによる表示不良が回避され、高品質の画像表示を得ることができる。
【0030】
次に、本発明のディスプレイ装置の製造方法およびこの製造方法で得られるアクティブ・マトリクス基板を図2乃至図5を参照して詳細に説明する。図2は本発明によるディスプレイ装置の製造方法の一実施例を説明する概略工程図であり、主要工程におけるアクティブ・マトリクス基板の要部断面で示す。本実施例では、アクティブ・マトリクス基板となる絶縁基板(以下、これをアクティブ・マトリクス基板と同一符号101で示す)として、厚さが0.3mm〜1.0mm程度で、好ましくは400°C〜600°Cの熱処理で変形や収縮の少ない耐熱性のガラス基板101を準備した。このガラス基板101上に、熱的、化学的なバリア膜として機能するおよそ50nm厚の窒化シリコン膜および約50nm厚の酸化シリコン膜をCVD法で連続かつ均一に堆積して下地膜102を形成する。この下地膜102上にアモルファスシリコン膜103を50nm程度の厚さにCVD法で堆積する。かかるCVD法を用いたバリア膜およびアモルファスシリコン膜の堆積方法については当該業者には周知である(図2(a))。
【0031】
その後、後述するレーザ照射法で長軸がガラス基板101の一辺とある角度(図1(a)のθ))を持った短冊状のレーザ105をアモルファスシリコン膜103に照射し、アモルファスシリコン膜103を結晶化させポリシリコン膜104を形成する(図2(b))。ここで、このレーザ照射装置の一例について説明する。
【0032】
図3は本発明によるディスプレイ装置の製造に用いられるレーザ照射装置の構成例を説明する模式図である。このレーザ照射装置は、XY駆動スレージ201、基準位置測定用カメラ202、制御装置204、駆動設備205、レーザ照射設備207で構成される。レーザ照射設備207は、レーザ光208を出射するレーザ光源209、光学系210、反射ミラー211、集光レンズ系212を有する。参照符号203は基準位置測定信号、206は駆動設備の制御信号、213はレーザ光源のオン/オフ信号、214は214はレーザ照射設備の制御信号である。
【0033】
先ず、図2(a)に示したアモルファスシリコン膜103を堆積したガラス母基板301をXY駆動ステージ201上に載置し、基準位置測定用カメラ202を用いてレーザ照射設備207との位置合わせを行う。基準位置測定用カメラ202からの基準位置測定信号203は制御装置204に入力され、駆動設備205に入力された制御信号206に基づいて照射位置の微調整を行い、所定の速度でXY駆動ステージ201を移動させ、レーザ光208に対して一方向に走査する。この走査に同期して照射設備207からのレーザ光208をアモルファスシリコン膜103に照射して結晶化を行う。ここで、アモルファスシリコン膜がレーザ照射でポリシリコン膜に改質される状態を説明する。
【0034】
図4はアモルファスシリコン膜がレーザ照射でポリシリコン膜に改質される状態を説明する模式図である。図4中、ガラス母基板301は図1に示した個々のパネルのアクティブ・マトリクス基板となるガラス基板101を複数個取る大きさを有する母材ガラス基板である。図4(a)のように、ガラス母基板301上に下地膜302を介して堆積したアモルファスシリコン膜303に長軸Wが数mm〜数百mm程度、短軸Tが20μm〜1000μm程度の投影断面が短冊状エキシマレーザビーム105を照射し、1〜数パルス毎に照射位置を矢印方向に移動する走査により、広い領域のアモルファスシリコン膜303をポリシリコン膜304に改質する(図4(b))。
【0035】
また、図5は本発明の製造方法の第1実施例により改質されたポリシリコン膜を有するガラス母基板と従来技術の製造方法により改質されたポリシリコン膜を有するガラス母基板とを比較して示すの平面図である。同図(a)は従来技術によるガラス母基板、同図(b)は本発明の製造方法によるガラス母基板である。同図(a)(b)に示したガラス母基板301は、所謂4枚どりのガラス板であり、最終的には点線306で個々のアクティブ・マトリクス基板となるガラス基板101に分離される。
【0036】
図5では、エキシマレーザの不安定性に起因する結晶性の異なる多結晶シリコン部分(異質結晶部分)305をストライプ状に示しており、一例としてレーザ照射はガラス母基板301の短辺の一方から他方へ矢印S1,S2で示した2列の走査を行った場合を示す。また、図5(a)では、ガラス母基板301の一辺(ここでは、短辺)と短冊状のレーザの長軸方向を平行に保持して走査するため、結晶性の異なる改質部分も当該ガラス母基板301の一辺と平行に存在する。ガラス母基板301の長辺にドレイン駆動回路を設けてドレイン線が短辺と平行に形成された場合、この結晶性の異なる部分のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタは当該ドレイン線に沿って並ぶことになる。そのため、前記したような線欠陥が発生する。
【0037】
これに対し、図5(b)に示したように、本実施例の製造方法によれば、ガラス母基板301の一辺と短冊状レーザの長軸方向に角度θを設けることにより、結晶性の異なる改質部分はドレイン線に沿って並ぶことはなくなる。図5では、ガラス母基板301に対してレーザの長軸方向に角度を持たせたが、ガラス母基板301上に配置する各アクティブ・マトリクス基板を角度θだけ回転させてレーザの長軸方向をガラス母基板301の一辺に平行な方向に走査させても同様の効果を得ることができる。しかし、この方法は、アクティブ・マトリクス基板の製造装置の構成、搬送系、切断用性、ガラス母基板の材料どりの効率等の因子を考慮した上で、場合により選択されるべきものである。
【0038】
このようにしてアモフファスシリコン膜をポリシリコン膜に改質した後の薄膜トランジスタの製造を図2に戻って説明する。図2(b)のレーザ照射で図5(b)に示したように改質されたポリシリコン膜104をエッチング処理で所定の回路に対応した形状にパターニングし、n型およびp型の不純物イオンをポリシリコン膜104のチャネル部を挟んで打ち込む。その上をゲート絶縁膜106で被覆する(図2(c))。なお、図2(c)には、このパターニング後およびイオン打ち込み後のポリシリコン膜104の構造は図示を省略した。
【0039】
次に、ゲート絶縁膜106上にゲート配線/電極107を形成し(図2(d))、その上層を層間絶縁膜108で覆い、この層間絶縁膜108およびゲート絶縁膜106を貫通するスルーホールを設けてソース・ドレイン配線109を形成する。ソース・ドレイン配線109の一方は、n型のポリシリコン膜に、他方はp型のポリシリコン膜に接続される。ソース・ドレイン配線109を覆ってパシベーション膜110を形成し、このパシベーション膜110を貫通するスルーホールを介してソース・ドレイン配線109の一方に画素電極となる透明電極111を形成する(図2(e))。
【0040】
このようにして、ポリシリコン膜104を用いた薄膜トランジスタを有する回路を画素に配置したアクティブ・マトリクス基板を得ることができる。ここで、前記図5(b)に示したレーザ照射方法で改質されたポリシリコン膜を有するガラス母基板を用いたアクティブ・マトリクス基板は、前記した図1に示された如く、結晶性の異なるストライプ状のポリシリコン膜から形成される薄膜トランジスタが例えばドレイン線と平行な同一線上に並ぶこと無く、結晶性の異なるポリシリコン膜から形成される薄膜トランジスタはアクティブ・マトリクス基板の表示領域の面内に分散される、線欠陥等の表示不良が抑制または低減される。
【0041】
上記したアクティブ・マトリクス基板を用いて液晶ディスプレイ装置を構成することができる。具体的な構成は後述するが、アクティブ・マトリクス基板上に液晶配向膜層を形成し、これにラビング等の手法で配向規制力を付与し、画素部の周辺に液晶封入口を残してシール剤を形成した後、同様に配向膜層を形成した対向基板であるカラーフィルタ基板を所定のギャップで対向させ、シール剤で貼り合わせ、固定する。そして、上記のギャップ内に液晶を封入し、シール剤の封入口を封止材で閉鎖する。次に、アクティブ・マトリクス基板の周辺部にゲート線駆動回路を含むゲート側周辺回路とドレイン線駆動回路を含むドレイン側周辺回路を実装搭載することで液晶表示パネルが得られる。この液晶表示パネルに偏光板を貼付し、光学補償シート類を介して照明装置を設置して液晶表示装置が完成する。照明装置は液晶表示パネルの背面に積層される導光板とこの導光板の側縁に配置される線状光源を有するサイドライト型、液晶表示パネルの背面に直接光源を配置する直下型などが採用される。
【0042】
本実施例によれば、画素にポリシリコン薄膜トランジスタを有する画素回路を配置することで電流駆動能力に優れた高速動作が実現され、さらに閾値電圧のバラツキが小さいために線欠陥等の表示不良のない均一な画質のディスプレイ装置を歩留りよく提供できる。
【0043】
また、本実施例のアクティブ・マトリクス基板を用いて有機ELディスプレイ装置を製造することができる。具体的には、アクティブ・マトリクス基板の各画素電極(この場合、陽極)上に有機EL素子分離のためのバンクパターンを形成し、画素電極の表面側から順次、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、および陰極となる金属層などを蒸着して積層体を構成する。この積層体を形成したアクティブ・マトリクス基板の表示領域の周囲にシール材を配置し、当該表示領域を封止缶で封止する。この封止では、画素を構成する有機ELを水分などから保護し、画像品質の劣化を抑制するために高度の気密性を持たせることが必要であり、封止缶内に乾燥剤を設置することも推奨される。
【0044】
有機EL用のアクティブ・マトリクス基板における画素の駆動では、有機EL素子が電流駆動発光方式であるために高性能の薄膜トランジスタを備えた画素回路の採用が良質な画像の提供には必須であり、特にCMOS型の薄膜トランジスタを用いるのが望ましい。本実施例のアクティブ・マトリクス基板は、このような要求を満たすことができ、本実施例のアクティブ・マトリクス基板を用いた有機ELディスプレイ装置は本発明の特長を最大限に発揮するディスプレイの1つであることも強調されるべきである。
【0045】
次に、本発明によるディスプレイ装置の他の実施例を説明する。本実施例では、基板またはガラス母基板内の液晶表示パネルの配置に対し結晶性の異なる短冊状の部分の角度を当該ガラス母基板の一辺に対して変えることなく特性の異なる薄膜トランジスタで駆動される画素を表示領域の面内に散在させた。すなわち、本実施例のアクティブ・マトリクス基板は、図5(a)に示した従来と同様のレーザ照射の走査でアモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に改質する。ガラス母基板のアモルファスシリコン膜に対し、エキシマパルスレーザを短冊状のパターンに照射し、その長軸と直角な矢印Sで示した方向に走査することにより多結晶シリコン膜を得る。先に説明したように、エキシマレーザの不安定性に起因する結晶性が他と異なるポリシリコン膜(異質結晶部分)がレーザの単位照射パターンに対応した短冊状に形成される。
【0046】
図6は同一ドレイン線により情報が書き込まれる画素の配置例の説明図である。図中、参照符号401はゲート線、402はドレイン線、403は同一ドレイン線に接続する画素、404は薄膜トランジスタである。なお、画素403のうち、異質結晶部分のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素を参照符号405で示す。
【0047】
図6(a)は同一ドレイン線に接続する薄膜トランジスタ404で駆動される画素403がゲート線401毎に順次互い違いで両側に配置された状態を示す。図1で説明した実施例のように、画素を構成する薄膜トランジスタがドレイン線402の延在方向に沿って、その一方の側に整列して配置されているが、図6(a)に示したように、隣接するゲート線401に関してドレイン線402の両側に互い違いに薄膜トランジスタ404を配置した場合でも、レーザの長軸方向とガラス基板101の一辺との間の角度を選択することで、同一照射時点にレーザで照射される薄膜トランジスタ404がドレイン線402に沿って一列に配列されないようにすることで、前記実施例と同一の効果をもつディスプレイ装置を得ることができる。
【0048】
図6(a)に示したような画素配置とすることにより、結晶性が他と異なる矩形状(図では線で示す)の領域すなわち異質結晶部分305に、ある画素列の薄膜トランジスタ404とが重なった場合にも、この異質結晶部分のポリシリコン膜により形成される薄膜トランジスタ404の数は従来の半分となり、同一ドレイン線402で駆動される画素は当該ドレイン線402と並行な直線状の一画素置きに配置されることになる。このような薄膜トランジスタの配置をとることにより、異質結晶部分305のポリシリコン膜で作り込まれる薄膜トランジスタ404で駆動される画素405は一画素置きの配列となるため、ディスプレイ装置とした場合の線欠陥不良等を低減することができる。
【0049】
また、図6(b)は同一ドレイン線402により駆動される(表示データが書き込まれる)画素の他の配置例の説明図で、図6(a)に示した各画素をドレイン線402に関して交互に左右逆方向に傾斜させることにより、同一色の画素のドレイン線402方向への重なりを大きくすることができる。図6(a)では同一のドレイン線で駆動される画素の当該ドレイン線方向の画素は一画素毎に途切れるが、図6(b)の構成とすることで同一のドレイン線で駆動される画素の当該ドレイン線方向の画素による表示をより直線に近づけることができる。
【0050】
また、図7は同一ドレイン線により情報が書き込まれる画素のさらに他の配置例の説明図である。図中、図6と同一の参照符号は同一機能部分に対応する。図7では、各画素403を交互に逆方向に傾斜させた上、さらに画素403を構成する薄膜トランジスタ404の位置を画素のゲート線401に沿って交互に設けた。同一ドレイン線402に接続されて異質結晶部分305のシリコン膜で作り込んだ薄膜トランジスタ404で駆動される画素405はドレイン線402の延在方向に離れた位置となる。図7では、この画素405はドレイン線402と並行な方向の四画素毎に配置されている。これにより、異質結晶部分305のポリシリコン膜で作り込まれる薄膜トランジスタ404の数を従来の4分の1に低減することができ、輝度差、色調等の違いによる線欠陥をさらに低減することができる。
【0051】
上記実施例のアクティブ・マトリクス基板を用いて液晶ディスプレイ装置、あるいは有機ELディスプレイ装置を構成することができる。具体的内容は前記実施例で説明したものと同様である。このように、本実施例によれば、画素にポリシリコン薄膜トランジスタ回路を配置することで電流駆動能力に優れた高速動作が実現され、さらに閾値電圧のバラツキが小さいために均一な画質のディスプレイ装置を歩留りよく提供できる。
【0052】
以上の実施例では、アクティブ・マトリクス基板に形成される薄膜トランジスタの特性のバラツキに起因する表示不良を解消する観点で本発明の構成を説明した。しかし、この種のディスプレイ装置をカラー表示装置とする場合は、薄膜トランジスタ等のスイッチング素子(以下、薄膜トランジスタと言う)を形成したアクティブ・マトリクス基板と、このアクティブ・マトリクス基板に対向配置されてカラーフィルタを有する対向基板(カラーフィルタ基板とも称する)を貼り合わせ、あるいはアクティブ・マトリクス基板側にカラーフィルタを有する対向基板を貼り合わせてでカラー表示が実現される。しがたって、上記したアクティブ・マトリクス基板の薄膜トランジスタを構成するポリシリコン膜の異質結晶部分による表示欠陥の発生は個々のカラーフィルタの配置に関係する。
【0053】
以下、カラーフィルタの配列との関係を考慮した実施例について説明する。ここでは、カラー液晶ディスプレイ装置に本発明を適用した実施例を説明するが、カラーフィルタを用いた他のカラーディスプレイ装置にも同様に適用できることは言うまでもない。上記したように、カラー液晶ディスプレイ装置には、配向膜が形成された薄膜トランジスタアレイを有するアクティブ・マトリクス基板と、カラーフィルタと配向膜が形成されたカラーフィルタ基板とを液晶層を介して対向させる方式と、アクティブ・マトリクス基板側にカラーフィルタを形成した方式とが知られている。本実施例においては、各画素を選択する薄膜トランジスタと対応するカラーフィルタの関係は、上記何れの方式でも同様である。
【0054】
また、アクティブ・マトリクス基板とは別個のカラーフィルタ基板を用いるカラー液晶ディスプレイ装置には、カラーフィルタ基板には対向電極を有する方式(例えば、TN型)と、アクティブ・マトリクス基板側に対向電極を形成する方式(イン・プレーン・スイッチング方式)があるが、各画素を選択する薄膜トランジスタと対応するカラーフィルタの関係は、上記何れの方式でも同様である。
【0055】
この種のカラー液晶ディスプレイ装置では、選択された画素の薄膜トランジスタの駆動により、画像データ(表示信号)に対応する電圧が薄膜トランジスタ基板側に設けた画素電極とカラーフィルタ基板側に設けた対向電極との間に印加される。この印加電圧に応じた電界が液晶層を構成する液晶分子の配向方向(ねじれ角)を変化させ、アクティブ・マトリクス基板とカラーフィルタ基板の双方または一方に設置した偏光板を通過する光量の変化で対応するカラーフィルタを透過させることでカラー表示を行う。すなわち、赤(R)、緑(G)、青(B)の各カラーフィルタ(各色の単位カラー画素に相当)を透過する光量変化で、所謂フルカラー表示を行うものである。
【0056】
図8は薄膜トランジスタの異質結晶部分による表示欠陥をカラーフィルタの配列から見た説明図であり、所定の角度でレーザ照射を行った場合の異質結晶部分となった薄膜トランジスタに対応するカラーフィルタのパターンを示す。図8では3色のカラーフィルタR,G,Bのそれぞれが図8の上下方向に同色で、左右方向にR,G,Bで繰り返し配列されている。図8において、参照符号305はレーザ照射で改質されたポリシリコン膜のうちの強度の異なるレーザで照射され、結晶性が他の部分と異なる異質結晶部分に対応する。また、参照符号503は通常の(良好な)ポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素のカラーフィルタ、505は異質結晶部分のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素のカラーフィルタで、このカラーフィルタ505の画素が輝度不足となっている場合を示す。
【0057】
図8(A)では異質結晶部分305に作り込まれた薄膜トランジスタがRのカラーフィルタのみに集中している状態、同(B)はGのカラーフィルタのみに集中している状態、同(C)はBのカラーフィルタみに集中している状態を示す。図8(A)(B)(C)に示したように、隣接または近接する同色のカラーフィルタの画素が輝度不足であると、人間の目には表示欠陥として目立つ。これに対し、図8(D)に示したように、異質結晶部分305に作り込まれた薄膜トランジスタに対応する画素が異なる色のカラーフィルタの画素に分散されていれば、このような表示欠陥の目立ちは少なくなる。
【0058】
特開平10−96913号公報に開示されているようなカラーフィルタをアクティブ・マトリクス基板側に形成した構造を持つカラー液晶表示装置(CFonTFTとも称する)は、対向基板には対向電極と配向膜をベタ形成すればよく、アクティブ・マトリクス基板と対向基板の位置合わせが容易であることから、大型画面のディスプレイ装置に適用して有利である。このような構造のディスプレイ装置でも、異質結晶部分とカラーフィルタの配列により上記と同様の表示欠陥が発生する。
【0059】
図9はアクティブ・マトリクス基板に成膜されたシリコン膜の改質のためのレーザ照射方法の一例の説明図である。ここでは、レーザ光として短冊状のエキシマレーザを用いる。図9(A)はアクティブ・マトリクス基板に成膜したシリコン膜上でのレーザ照射パターンを示し、参照符号Sはレーザ光の走査方向である。このレーザ照射パターンのサイズは、例えば幅Wが100μm〜500μm、長さLが100μm〜500μmである。図9(B)はレーザ光の照射態様の説明図であり、同図(A)に示したパルス状のレーザ光を走査方向SにピッチPで移動させながら照射位置の一箇所あたり数回〜数十回ショトで照射する。図9(C)は薄膜トランジスタ形成領域の大きさの目安を示す。
【0060】
ここで、最終的な結晶状態に最も大きく影響を与えるのは、最後に照射される(ショットされる)パルスである。パルスのピッチPは数〜数十μmであり、ここで突発的なレーザ出力異常があると、このパルスの幅で改質されるシリコン膜が他の部分と異なる異質結晶部分となる。薄膜トランジスタの形成領域は数〜数十μmであるので、1ショットの異常パルスが丁度薄膜トランジスタ一列分に対応する。
【0061】
若し、レーザの長さ方向Lを薄膜トランジスタの配列方向(一色のカラーフィルタの配列方向)と平行にして照射した場合、カラーフィルタR、G、Bに対応する同一色が配列方向の一列にわたって表示異常となると、これが線欠陥となる。レーザの長さ方向Lを走査方向Sに対して傾斜させて照射した場合でも、当該レーザの長さ方向L方向に沿って隣接または近接した部分が視覚的に連続的あるいは不連続的に繋がり、やはり線欠陥や断続する表示欠陥として認識される。このような表示欠陥を回避するため、以下に説明する実施例では、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならないようにした。
【0062】
図10は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図10の(A)はカラーフィルタの配列とレーザ光の照射角の説明図、(B)は画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例では、各画素は図10(A)に示したように、カラーフィルタは図のX方向にR1の列,G1の列,B1の列の繰り返しで図のY方向にa段,b段,c段,d段,・・・のように配列されている。ここでは、各単位画素(副画素とも言う、以下では単に画素として説明する)をR1a,R1b,R1c,R1d,・・・、G1a,G1b,G1c,G1d,・・・、B1a,B1b,B1c,B1d,・・・で表現する。
【0063】
画素の相対サイズは図10(B)に示したように、Y方向に30×X方向に10であり、各画素の左上隅に薄膜トランジスタ404が位置する。薄膜トランジスタ404の相対サイズはY方向に1×X方向に1である。実際のサイズ例は、1カラー画素(R,G,B)がX,Y共200μm〜300μmの四角形、薄膜トランジスタ領域はX,Y共数μmの四角形である。ここで、画素R1aを基準として考える。直線AはY方向で画素R1aに隣接する次段の同色画素R1bの薄膜トランジスタ404に重ならない角度を示す。Y方向と直線Aのなす角をαとすると、tanα=1/30であり、α=1.90°となる。
【0064】
一方、画素R1aから見てY方向、X方向の次の同色画素R2bの薄膜トランジスタ404に重ならない直線BのY方向に対する角度βは45°である。したがって、走査方向Sで走査されるレーザパターンの傾斜範囲γは、1.90°〜45°となる。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0065】
図9では、各画素の薄膜トランジスタは左上隅に位置した場合であるが、X方向の2画素でまとめて配置される場合、あるいはX方向およびY方向の4画素でまとめて配置される場合の実施例を以下で説明する。
【0066】
エキシマレーザにより種結晶(または微結晶)を形成した後、連続発振レーザにより種結晶(または微結晶)を起点として結晶を引き延ばすシリコン結晶成長法においても、種結晶(または微結晶)の結晶性が最終的なシリコン結晶性に影響を与えるため、エキシマレーザによる結晶性の制御が重要となる。この場合、エキシマレーザにより種結晶(または微結晶)の成長には、先に説明した短冊状のレーザビームにより基板全体のアモルファスシリコンに改質を施し、連続発振レーザによる結晶化は、薄膜トランジスタのパターン形成後に薄膜トランジスタとなる部分のみに施す方法がある。
【0067】
この場合、固体発振レーザによる結晶化は、現実的に得られるレーザ強度の制約から、パターン形成後にエッチングで除去される部位に施すことはスループットの観点から無駄となる。したがって、薄膜トランジスタの作り込み部分にのみ選択的に固体発振レーザによる結晶化を施すのが効率的である。このような考え方に基づいて、複数の薄膜トランジスタを基板上にまとめて配置することがスループットの向上につながる。例えば、隣接画素の薄膜トランジスタをX方向に交互左右に配することにより、効率的なレーザ照射が可能となる。さらに、Y方向についても同様の薄膜トランジスタ配置とすれば、より効率的なレーザ照射が可能となる。
【0068】
図11は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図12は図11の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。図11および図12において、図10と同一の参照符号は同一部分に対応する。本実施例では、図12に示したように、薄膜トランジスタのY方向周期が画素周期の半分の場合、すなわち薄膜トランジスタのピッチが画素ピッチの2倍の場合を図11に示した画素配置で説明する。
【0069】
図11の画素R1aを基準として考えると、画素R1aとR1bの薄膜トランジスタ404はY方向で隣接しているため、これらの薄膜トランジスタを作り込むシリコン膜の結晶性は同じものとなる。すなわち、画素R1aが表示不良であれば画素R1bも表示不良となる。画素の相対サイズは図12に示したとおりであり、図12(A)に示したように、直線AがY方向に隣接する同色の画素R1c(またはR1d)の薄膜トランジスタと重ならない角度は、tanα=1/60であるから、α=0.95°である。
【0070】
また、図12(B)の直線Bに示したように、画素R1a(R1b)の薄膜トランジスタから見て、Y方向かつX方向で隣接する画素R2c(R2d)の薄膜トランジスタと重ならない角度は、tanβ=30/60であるから、β=26.6°である。したがって、レーザパターンの傾斜範囲γは、0.95°〜26.6°の範囲である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0071】
図13は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図14は図13の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。図13および図14において、図10〜図12と同一の参照符号は同一部分に対応する。本実施例では、図14に示したように、薄膜トランジスタのX方向およびY方向の周期が画素周期の半分の場合、すなわち薄膜トランジスタのピッチが画素ピッチの2倍の場合を図13に示した画素配置で説明する。
【0072】
図13の画素R1aを基準として考えると、画素R1aとR1bの薄膜トランジスタ404はY方向で隣接しているため、これらの薄膜トランジスタを作り込むシリコン膜の結晶性は同じものとなる。すなわち、画素R1aが表示不良であれば画素R1bも表示不良となる。画素の相対サイズは図14に示したとおりであり、図14(A)に示したように、画素R1aとR1bの薄膜トランジスタ404から見て直線AがY方向に隣接する同色の画素R2c(またはR2d)の薄膜トランジスタと重ならない角度は、tanα=2/60であるから、α=1.90°である。
【0073】
また、図12(B)の直線Bに示したように、画素R1a(R1b)の薄膜トランジスタから見て、Y方向かつX方向で隣接する画素R2c(R2d)の薄膜トランジスタと重ならない角度は、tanβ=40/60であるから、β=33.7°である。したがって、Rの場合のレーザパターンの傾斜範囲γは、1.90°〜33.7°の範囲である。一方、Gの画素については、図14(B)に示したように、tanβ=20/60であるから、β=18.4°である。したがって、Gの場合のレーザパターンの傾斜範囲γは、1.90°〜18.4°の範囲である。図14に示したRとGの関係は、X方向に一周期毎に交互に現れるため、1.90〜18.4゜の範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0074】
図15は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図16は図15の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、薄膜トランジスタ404のXおよびY方向周期が画素周期の半分(薄膜トランジスタのピッチが画素ピッチの2倍)で、かつ薄膜トランジスタ404がX方向の一列毎に左右交互に配列されている場合である。
【0075】
図15に示した画素配置において、画素R1aを基準に考える。画素R1aの薄膜トランジスタが同一部位にある隣接同色の画素R1cの薄膜トランジスタと次列次段の画素R2cbと重ならない直線AのY方向に対する角度αは、tanα=1/60であるから、α=0.95°となる。カラー画素は30×30の正方形であるから、直線BのY方向に対する角度βは45°である。したがって、レーザパターンの傾斜範囲γは、0.95°〜45°の範囲である。
【0076】
一方、画素R1bを基準に考えると、R1cとR2bと重ならない直線AのY方向に対する角度αは、tanα=2/30であるから、α=3.8゜となる。直線BのY方向に対する角度βは、tanβ=30/30であるから、β=45゜となる。したがって、レーザパターンの傾斜範囲γは、3.8゜〜45゜の範囲である。図15に示したR1aとR1bの関係は、Y方向に一周期毎に現れるため、3.8゜〜45゜の範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0077】
図17は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図18は図17の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、薄膜トランジスタ404のXおよびY方向周期が画素周期の半分(薄膜トランジスタのピッチが画素ピッチの2倍)で、かつ薄膜トランジスタ404がX方向の一列毎に左右にX方向の上下交互に配列されている場合である。画素R1については図17に示したR1a〜R1dの4通りがあるが、最も範囲の狭い角度を考える。
【0078】
図18の(A)および(B)から、画素R1aの薄膜トランジスタ404から見て、薄膜トランジスタが同一部位にある隣接同色の画素R1bと画素R2bとに重ならない角度範囲γは、1.9゜〜90゜である。また、R1bを基準に考えると、R1cとR2cとに重ならない角度範囲γは3.8゜〜45゜である。また、R1cを基準に考えると、R1dとR2dとに重ならない角度範囲γは0゜〜26.6゜である。
【0079】
同様にR1dを基準に考えると、R1eとR2eとに重ならない角度範囲γは3.8゜〜45゜である。したがって、3.8゜〜26.6゜の範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0080】
図19は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図20は図19の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、レーザの走査方向SをR,G,Bの各色のカラーフィルタのY方向配列と平行とした場合で、かつ各画素の薄膜トランジスタ404が図10と同様の配置とした場合である。ここでも、画素R1aを基準として考える。
【0081】
この場合、隣接同色の画素R2aと重ならない直線AのX方向に対する角度αは、図20においてα=1/30であるから、α=1.90°となる。画素R2bと重ならない直線BのX方向に対する角度βは45°であるから、隣接同色の画素R1bと次段次列の画素R2bと重ならない範囲の直線Aと直線Bの間の角度範囲γは1.9°〜45°である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0082】
図21は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図22は図21の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、図19と同様にレーザの走査方向SをR,G,Bの各色のカラーフィルタのY方向配列と平行とした場合で、かつ各画素の薄膜トランジスタ404のY方向周期が画素周期の半分の場合、すなわち薄膜トランジスタのピッチが画素ピッチの2倍である場合である。ここでも、画素R1aを基準として考える。
【0083】
図22から、画素R1aを基準として見ると、画素R1aとR1bとは隣接しているため、これら両画素の薄膜トランジスタの結晶性は同じである。すなわち、図21における画素R1aの薄膜トランジスタと画素R1bの薄膜トランジスタとは同一特性である。画素R1a(R1b)の薄膜トランジスタから見て、隣接同色の画素R1c(R1d)の薄膜トランジスタと重ならない直線AのX方向に対する角度αは図22(a)に示されたように、tanα=2/30であるか、α=3.8°である。
【0084】
一方、次段の画素R2c(R2d)と重ならない直線BのX方向に対する角度βは図22(b)に示されたように、tanβ=60/30であるか、β=63.4°である。したがって、隣接または近接する同色の画素の薄膜トランジスタと重ならない範囲の直線Aと直線Bの間の角度範囲γは3.8°〜63.4°である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0085】
図23は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図24は図22の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、図23に示されたように、薄膜トランジスタのY方向周期が画素周期の半分(薄膜トランジスタが画素ピッチの2倍)の場合である。図23の画素配置において、画素R1aとR1bの薄膜トランジスタ404は隣接しているため、これらの結晶性は同じものとなる。
【0086】
図24(a)に示されたように、隣接または近接する同色画素の薄膜トランジスタが重ならない直線AのX方向となす角度αは、tanα=2/20であるから、α=5.71°である。一方、図24(b)に示されたように、隣接または近接する同色画素の薄膜トランジスタが重ならない直線BのX方向となす角度βは、R画素についてはtanβ=60/40であるから、β=56.3°である。また、G画素についてはtanβ=60/20であるから、β=71.6°である。したがって、隣接または近接する同色の画素の薄膜トランジスタと重ならない範囲の直線Aと直線Bの間の角度範囲γは、R画素についてはγ=5.71°〜56.3°、G画素についてはγ=5.71°〜71.6°である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0087】
図25は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図26は図25の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、図25に示されたように、薄膜トランジスタのY方向周期が画素周期の半分(薄膜トランジスタが画素ピッチの2倍)の場合である。図26の画素配置において、画素R1aの薄膜トランジスタ404は隣接または近接する同色画素R1cの薄膜トランジスタ404と重ならない直線AのX方向とのなす角度αは、図26(a)に示されたように、tanα=1/30であるから、α=1.9°である。
【0088】
一方、画素R1aの薄膜トランジスタ404はY方向で隣接または近接する同色画素R1bの薄膜トランジスタ404と重ならない直線BのX方向とのなす角度βは、図26(b)に示されたように、tanβ=30/30であるから、β=45°である。したがって、隣接または近接する同色の画素の薄膜トランジスタと重ならない範囲の直線Aと直線Bの間の角度範囲γは、γ=1.9°〜45°である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0089】
図27は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図28は図27の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、図27に示されたように、薄膜トランジスタのX方向およびY方向の周期が画素周期の半分(薄膜トランジスタが画素ピッチの2倍)、かつ薄膜トランジスタ404が一行、一列毎に左右上下で交互に配列された場合である。図27の画素配置において、画素R0bの薄膜トランジスタ404から見て薄膜トランジスタが同一部位にある隣接または近接する同色画素R1cと次列次段の画素R2cの重ならない直線AのX方向となる角度αは、tanα=2/30でありから、α=3.81°である。
【0090】
一方、画素R1aの薄膜トランジスタ404はY方向で隣接または近接する同色画素R2cの薄膜トランジスタ404と重ならない直線BのX方向とのなす角度βは、図28(b)に示されたように、tanβ=30/30であるから、β=45°である。したがって、隣接または近接する同色の画素の薄膜トランジスタと重ならない範囲の直線Aと直線Bの間の角度範囲γは、γ=3.81°〜45°である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0091】
図29は本発明のディスプレイ装置の一例としての液晶ディスプレイ装置の駆動システムの概要説明図である。前記した本発明の実施例で製造されたアクティブ・マトリクス基板に液晶を封入してカラーフィルタ基板を貼り合わせた液晶表示パネル500の周縁に、ゲート線駆動回路406とドレイン線駆動回路407が配置されている。ゲート線駆動回路406とドレイン線駆動回路407から、それぞれゲート線408、ドレイン線402が液晶表示パネル500の表示領域に延在している。なお、共通電極線408はカラーフィルタ基板側にあり、アクティブ・マトリクス基板に有する端子Vcomから共通電極電圧が給電される。なお、この共通電極線408はカラーフィルタ基板の内面に形成され、ベタ電極であってもよい。
【0092】
ゲート線駆動回路406とドレイン線駆動回路407はコントローラ409で制御される。コントローラ409は、外部信号源411から入力する表示データに基づいて液晶表示パネル500での表示に適合した形式に変換し、かつ所要のタイミング信号を生成してゲート線駆動回路406とドレイン線駆動回路407に供給する。電源回路410はこのディスプレイ装置の駆動に必要な各種の電圧を生成する。
【0093】
図30は本発明によるアクティブ・マトリクス基板を用いた液晶ディスプレイ装置の構造例を説明する模式断面図である。この液晶ディスプレイ装置は、液晶表示パネル500に、所謂サイドライト型の照明装置を組み込んだものである。液晶表示パネル500には、その周縁にゲート線駆動回路やドレイン線駆動回路を構成する半導体回路チップ503が取り付けられている。この例では、この半導体回路チップ503がテープキャリアパッケージ504として設置されている。半導体回路チップ503を搭載したテープキャリアパッケージ504はコントローラを搭載したプリント基板505に接続されている。この液晶表示パネル500の背面には拡散シートやプリズムシートの積層体からなる光学補償シート501を介して照明装置502が設置されている。
【0094】
この照明装置502は、導光板とその端縁に沿って設けた冷陰極蛍光ランプなどから構成され、液晶表示パネル500の背面から光を照射し、当該液晶表示パネル500の液晶の配向方向の制御で形成される電子潜像を可視化する。これらの構成部材は中間モールド506と上シールドケース507および下ケース508で液晶ディスプレイ装置として一体化される。
【0095】
図31は本発明によるディスプレイ装置の具体的な実装例の説明図であり、テレビ受像機のディスプレイデバイスに本発明のディスプレイ装置を適用したものである。このテレビ受像機は表示部DSPとスタンド部STDで構成され、その表示部DSPに、例えば前記図9で説明した液晶ディスプレイ装置組み込んだものである。特に、テレビ受像機は動画を多く表示するものであるため、前記した線欠陥が目立ち易い。表示部DSPに本発明の前記実施例の何れかのアクティブ・マトリクス基板を用いたディスプレイ装置を実装することで、このような線欠陥が視認され難く、高品質で歩留りを向上させたテレビ受像機を提供できる。なお、パソコンモニター、あるいは携帯電話機等の携帯情報端末、他のディスプレイモニターなどのディスプレイ装置として本発明によるディスプレイ装置を適用できることは言うまでもない。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画素部のアモルファスシリコン膜を結晶化する際に短冊状のレーザをパネルの一辺に対し傾斜させて照射することにより異質結晶部分のポリシリコン膜で作り込まれるアクティブ素子を表示領域に散在させ、あるいはパネルの一辺と並行に照射した場合には同一のドレイン線に接続する薄膜トランジスタを互い違いに配置する等で、レーザの不安定性に起因する特性のはずれた薄膜トランジスタをアクティブ・マトリクス基板の面内に分散させることができ、一方向に連続する画素を駆動する薄膜トランジスタの特性の相違による輝度不足等に起因する線欠陥を目立たなくすることが可能となる。
【0097】
また、隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならないような角度範囲で上記のレーザ照射の傾斜を制御することで薄膜トランジスタの特性の相違による色相不足等に起因する表示欠陥を目立たなくすることが可能となる。これにより、製造歩留まりを著しく向上させた高表示品質のディスプレイ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスプレイ装置の一実施例を説明するための一枚のアクティブ・マトリクス基板の模式平面図である。
【図2】本発明によるディスプレイ装置の製造方法の一実施例を説明する概略工程図である。
【図3】本発明によるディスプレイ装置の製造に用いられるレーザ照射装置の構成例を説明する模式図である。
【図4】アモルファスシリコン膜がレーザ照射でポリシリコン膜に改質される状態を説明する模式図である。
【図5】本発明の製造方法の第1実施例により改質されたポリシリコン膜を有するガラス母基板と従来技術の製造方法により改質されたポリシリコン膜を有するガラス母基板とを比較して示すの平面図である。
【図6】同一ドレイン線により情報が書き込まれる画素の配置例の説明図である。
【図7】同一ドレイン線により情報が書き込まれる画素のさらに他の配置例の説明図である。
【図8】薄膜トランジスタの異質結晶部分による表示欠陥をカラーフィルタの配列から見た説明図である。
【図9】アクティブ・マトリクス基板に成膜されたシリコン膜の改質のためのレーザ照射方法の一例の説明図である。
【図10】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図11】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図12】図11の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図13】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図14】図13の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図15】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図16】図15の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図17】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図18】図17の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図19】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図20】図19の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図21】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図22】図21の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図23】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図24】図22の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図25】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図26】図25の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図27】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図28】図27の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図29】本発明のディスプレイ装置の一例としての液晶ディスプレイ装置の駆動システムの概要説明図である。
【図30】本発明によるアクティブ・マトリクス基板を用いた液晶ディスプレイ装置の構造例を説明する模式断面図である。
【図31】本発明によるディスプレイ装置の具体的な実装例の説明図である。
【符号の説明】
101・・・ガラス基板、401・・・ゲート線、402・・・ドレイン線、403・・・通常のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素、405・・・・異質結晶部分のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素、404・・・薄膜トランジスタ、406・・・ゲート側周辺回路部、407・・・ドレイン側周辺回路部、503・・・良好なポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素のカラーフィルタ、505は異質結晶部分のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素のカラーフィルタ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブ・マトリクス駆動方式のディスプレイ装置に係り、特に、絶縁基板上に形成されたアモルファスシリコン膜にレーザ光を照射して改質した多結晶シリコン膜の半導体層を用いて薄膜トランジスタ等のアクティブ素子を形成したディスプレイ装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のディスプレイ装置は、薄膜トランジスタ等のアクティブ素子を形成する一方の絶縁基板(以下、アクティブ・マトリクス基板とも言う)の表示領域の一方向に延在して並設された多数のデータ線(薄膜トランジスタではドレイン線)と、前記一方向と交差する他方向に延在して並設された多数の走査線(同じく、ゲート線)と、前記アクティブ・マトリクス基板上に形成されたポリシリコン膜で作り込まれて前記データ線と前記走査線の交差部に配置されたアクティブ素子、および前記アクティブ素子で駆動される画素電極を有する画素回路からなる画素をマトリクス状に配列して構成される。
【0003】
当該業者によく知られているように、現在、多くのアクティブ・マトリクス駆動方式のディスプレイ装置では、シリコン膜を半導体層としたアクティブ素子で構成される多数の画素回路で駆動される画素を絶縁基板上にマトリクス状に配置することで良質の画像を表示することができる。なお、アクティブ素子の典型は薄膜トランジスタであるので、以下では、アクティブ素子を薄膜トランジスタとして説明する。半導体層を構成するシリコン膜として一般的に用いられてきた非晶質シリコン膜(以下、アモルファスシリコン膜と称する)を用いた薄膜トランジスタでは、キャリア移動度(以下、単に移動度とも称する)に代表される薄膜トランジスタの性能に限界があるために、高速、高機能が要求される回路を得ることは困難であった。
【0004】
より優れた表示品質を提供するのに必要な高移動度の薄膜トランジスタの実現には半導体層となるアモルファスシリコン膜をあらかじめ結晶化して多結晶シリコン膜(以下、ポリシリコン膜と称する)とし、このポリシリコン膜を用いて薄膜トランジスタを作り込むのが有効である。かかる結晶化(結晶性改善、以下改質とも称する)のためにはアモルファスシリコン膜にレーザ光を照射してアニールすることによりポリシリコン膜に改質する手法が用いられている。このためのレーザ光には、エキシマレーザ、連続発振レーザ、その他の高エネルギーレーザが用いられるが、この中でもパルス発振のエキシマレーザが多く採用される。以下では、レーザとしてエキシマレーザを用いるものとして説明する。
【0005】
エキシマレーザ照射によるシリコン膜の改質方法は次のようになものである。すなわち、アクティブ・マトリクス基板となるガラス等の絶縁基板上に酸化シリコンや窒化シリコン等からなる下地膜を介して堆積したアモルファスシリコン膜に、当該基板上の単位照射パターンの長手方向(長軸方向)が数mm〜数100mm程度、あるいはそれ以上で、短手方向(短軸方向)が20μm〜1000μm程度の短冊状のパルス状のレーザを照射し、当該レーザ照射の1〜数パルス毎(すなわち、単位照射パターンの1または数パターン毎)に照射位置を上記長軸方向と交差する方向に前記絶縁基板に対して相対移動する走査を行うことで、絶縁基板全体のアモルファスシリコン膜を結晶化しポリシリコン膜に改質する。
【0006】
この様な方法で結晶性を改質したポリシリコン膜からなる半導体層にエッチングを施して所要のパターニングを行い、またイオン打ち込み等の種々の加工を施して、各々の画素部に駆動用の薄膜トランジスタからなる画素回路を形成する。また、表示のための電圧や信号を供給する各種の配線(ゲート線、ドレイン線等)を形成してアクティブ・マトリクス基板を作成する。そして、このアクティブ・マトリクス基板を用いて液晶ディスプレイや有機EL等のアクティブ・マトリクス方式のディスプレイ装置を製造する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記した如く、アモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に改質する場合、通常は外形が矩形状であるガラス等のアクティブ・マトリクス基板を製作する絶縁基板上にアモルファスシリコン膜を形成し、その表面に沿ってレーザを照射しながらアクティブ・マトリクス基板と相対的な移動で走査する。こうして改質されたポリシリコン膜を半導体層とすることで性能のよい、すなわち移動度の高い薄膜トランジスタを配置した絶縁基板(アクティブ・マトリクス基板)を製造できる。しかし、現在用いられているレーザは安定性に乏しいものが多く、照射強度の変動が激しい。なおかつ、アモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に改質する際のレーザ強度のマージンは狭い。
【0008】
レーザの強度変動は改質されたポリシリコン膜の結晶性のバラツキを招いてしまう。この結晶性のバラツキはトランジスタの電気的特性のバラツキとなるため、照射時のある瞬間にレーザ強度が適正値から外れると、その瞬間のレーザの短冊状の照射領域(単位照射パターン)がその前後の照射領域とで異なってしまう。すなわち、レーザの走査方向に伴う当該レーザで照射された短冊状の領域に、その前後の短冊状の照射領域とは結晶性の異なるポリシリコン膜(以下、これを異質結晶部分とも称する)が形成される。このような異質結晶部分のポリシリコン膜に形成される薄膜トランジスタの特性は、他の部分のものとは異なってしまう。
【0009】
通常、レーザは薄膜トランジスタを形成するアクティブ・マトリクス基板を製造する絶縁基板の一辺と平行な方向に走査されるため、レーザの不安定による他の部分とは特性の異なる薄膜トランジスタは同一データ線(ドレイン線)上に並ぶことになる。このように、他の部分と特性の著しく異なる薄膜トランジスタで駆動される画素がアクティブ・マトリクス基板上に直線的に並んであるいは隣接若しくは近接して配置されると、例えばカラーのディスプレイ装置ではこの薄膜トランジスタで駆動されるカラーフィルタの画素は他の同色のカラーフィルタの画素に対して微妙な色の違いを表示し、これが一直線上(一列)に並ぶ線欠陥または局部的な色相の違いとなる表示不良を招くことになる。そして、このような特性の異なる薄膜トランジスタが形成されたアクティブ・マトリクス基板は製造歩留りを低下させ、ディスプレイ装置のコスト低下を妨げる要因の一つとなっている。
【0010】
このような表示不良は、例えば薄膜トランジスタとして動作しているにもかかわらず、その特性が他の部分の薄膜トランジスタと若干異なることによる微妙な輝度差または色相差をもつ画素が一列に並ぶために、人間の視覚に線として認識されるために起こるものである。このような表示不良を解決することが課題の一つとなっている。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決することにあり、第一の目的は、レーザの不安定性に起因する薄膜トランジスタの特性のバラツキが生じたとしても、製品として良品のレベルにまで向上させた高性能なディスプレイ装置を提供することにある。また、本発明の第二の目的は、上記のディスプレイ装置の製造歩留まりを向上した製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第一の目的を達成するため、本発明は、特性が他と異なる薄膜トランジスタで駆動される画素を表示領域の面内で直線上に位置しないように散在させたアクティブ・マトリクス基板を用いてディスプレイ装置を構成する。上記薄膜トランジスタで駆動される画素を同一のドレイン線に対して平行な直線上から外れた位置に、または連続しない位置に散在させる。
【0013】
すなわち、本発明によるディスプレイ装置は、アクティブ・マトリクス基板の表示領域の一方向に延在して並設された多数のデータ線と、前記一方向と交差する他方向に延在して並設された多数の走査線と、前記アクティブ・マトリクス基板上に形成されたポリシリコン膜で作り込まれて前記データ線と前記走査線の交差部に配置されたアクティブ素子、および前記アクティブ素子で駆動される画素電極を有する画素回路からなる画素をマトリクス状に配列し、
前記アクティブ素子のうちの前記ポリシリコン膜が他と異なる異質結晶部分に作り込まれたアクティブ素子で駆動される画素またはカラーフィルタを有する画素を前記表示領域の面内に散在させて配置する。
【0014】
この構成により、上記薄膜トランジスタの特性の差による画素表示の輝度差あるいは色相差が連続せず、あるいは局部的に集中しないため、人間の視覚では識別できなくなり、前記した表示不良が救済される。また、製造の際の歩留まりが向上し、結果として低コストのディスプレイ装置を提供できる。
【0015】
また、上記第二の目的を達成するため、本発明の第1の手段は、アクティブ・マトリクスを製作する絶縁基板上に形成したアモルファスシリコン膜に短冊状の単位照射パターンをもつレーザを照射する際に、当該短冊状レーザの照射で改質されたポリシリコン膜の特性が他の部分と異なるものの配列方向が、絶縁基板の一辺に対して1〜45°の角度となるようにレーザを照射する。上記の角度は、画素を構成する薄膜トランジスタの作り込み部分の半導体層がドレイン線と平行な直線上に一列とならない角度であり、製作されるアクティブ・マトリクス基板に配置される画素のサイズやその配置、あるいは画素内での薄膜トランジスタの配置で決定される。例えば、他と特性が異なるポリシリコン膜(異質結晶部分)で形成され当該基板上の同一ドレイン線に接続する薄膜トランジスタで駆動される画素が当該ドレイン線と並行な直線上に配列されないような、あるいは同色のカラーフィルタを形成する画素が隣接または近接しないようにレーザ照射を行う。なお、短冊状レーザの長手方向が短手方向に対して極めて大きい短冊状の場合は直線で近似され、上記の角度は、この直線と絶縁基板の一辺とのなす角度と表現することができる。
【0016】
また、上記第二の目的を達成するための本発明の第2の手段として、ゲート線と平行な方向のレーザの短軸が隣接するドレイン線の間の間隔より狭い場合、レーザ照射で改質されるポリシリコン膜を半導体層として作り込まれて同一データ線に接続する薄膜トランジスタで駆動される画素を当該ドレイン線に関して互い違いとする(薄膜トランジスタを互い違いとする)ことでも、特性が他の部分と異なる薄膜トランジスタで駆動される画素がドレイン線と平行な直線上に連続して配置されず、線欠陥の視認性を低減させることができる。
【0017】
本発明では、基板に短冊状のレーザを照射する際の当該短冊状の照射パターンの短軸方向サイズが20μm〜1000μmであることが望ましい。かかるレーザのパターンは画素部分のシリコン膜の結晶化方法とレーザ強度と基板サイズとから勘案して定まるものである。アモルファスシリコン膜のポリシリコン膜化にはレーザを複数回のショットで照射することが望ましい。またレーザ照射パターンの短冊状の長手方向サイズは、絶縁基板のサイズ、レーザ強度とから勘案して定まるものである。短冊状レーザの長手方向サイズが基板の全面をカバーできない長さの場合は、当該レーザを短軸方向に逐次シフトさせて複数回の走査または複数レーザの平行走査、あるいは往復走査を行う。
【0018】
本発明で使用するレーザは波長200nm〜1000nmのパルス発振エキシマレーザであることが好ましい。レーザはシリコンに対して吸収のある波長、すなわち紫外波長〜可視波長が好ましく、より具体的にはXeClエキシマパルスレーザ(波長308nm)が好ましい。しかし、パルス化した連続発振レーザなどを使用することもできる。
【0019】
また、上記第二の目的を達成するための本発明の第3の手段として、同一ドレイン線に接続される薄膜トランジスタで駆動される画素を当該ドレイン線の延在方向に対して両側に対称に、または互い違いに配置することもできる。これによりレーザの不安定性に起因する特性がばらついた薄膜トランジスタで駆動される画素は一列に、または隣接もしくは近接して配列されず、表示領域の面内で分散させることが可能となる。好ましくは、同一ドレイン線上の薄膜トランジスタを当該ドレインに対して、その両側に交互に配置する。こうすることにより画素の周期と画素内の薄膜トランジスタの周期とが異なることになり、他と異なる特性の薄膜トランジスタの配置に規則性が無くなり、線欠陥を回避することができる。
【0020】
また、上記第二の目的を達成するため、本発明の第4の手段として、同一ドレイン線に対し両側に配置された画素をドレイン線の延在方向に対し、画素の一部が前記一方向で同一線上に配置され、ドレイン線の延在方向での表示の一部が一列上で重なるように配置することができる。これにより、レーザの不安定性に起因する特性がばらついた薄膜トランジスタで駆動される画素を同一ドレイン線上から分散させることができると共に、一本のドレイン線により書き込まれる線表示をより直線に近づけることができる。
【0021】
本発明では、絶縁基板に対して短冊状のレーザの当該短冊の長軸方向をガラス基板の一辺に対して所定の角度で傾ける場合は、当該角度をアクティブ素子の配置に応じて当該アクティブ素子で駆動される画素のカラーフィルタが隣接または近接しないような最適な角度範囲で角度をつけて走査させる。なお、絶縁基板上に作製する個々のパネルの辺を多面取りする母基板の辺と上記の最適角度をつけて配置することも可能であるが、大画面のアクティブ・マトリクス基板を一枚取りとする場合、多面パネル取りでは、個々のアクティブ・マトリクス基板に分離するための分離領域を充分に確保できる場合などに適用可能である。
【0022】
上記の本発明の構成としたアクティブ・マトリクス基板を使用することで輝度差に起因する線欠陥不良や局部的な色相変化のない優れた画質のディスプレイ装置を高い歩留りで安価に提供できる。本発明は、液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置、その他のアクティブ駆動の画素を有する各種のディスプレイ装置にも同様に適用できる。
【0023】
なお、本発明は、上記の構成および後述する実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施例では、前記発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段の記述と同様に、アクティブ素子として薄膜トランジスタを用いた液晶表示装置に本発明を適用するものとして説明する。
【0025】
図1は本発明のディスプレイ装置の一実施例を説明するための一枚のアクティブ・マトリクス基板の模式平面図である。同図(a)はアクティブ・マトリクス基板の全体平面図、同図(b)は同図(a)の画素部分のみを拡大して示したものである。図中、参照符号101は矩形状のガラス基板からなるアクティブ・マトリクス基板で、その表示領域ARに多数の画素403がマトリクス状に配列されている。また、参照符号Xは長辺、Yは短辺で、短辺Yに一辺にはゲート線駆動回路406が、長辺Xの一辺には画素にデータ信号を供給するドレイン駆動回路407が形成されている。ゲート線401はゲート線駆動回路406から長辺Xと平行な方向で表示領域ARにわたって多数配線され、ドレイン線(データ線とも言う)はドレイン線駆動回路407から表示領域ARにわたってゲート線401と交差して多数配線されている。
【0026】
各画素はゲート線401とドレイン線402で囲まれた領域に形成される。これを図1(b)で説明する。二本のゲート線401iと401i+1、二本のドレイン線402i−1と402iで囲まれた領域およびドレイン線402iと402i+1で囲まれた領域に画素403が配置されている。画素403のうちの他と結晶性が異なるポリシリコン膜(異質結晶部分)305で作り込まれた画素を参照符号405で示す。図7(a)における異質結晶部分305は不安定なレーザ照射で改質された部分であり、Y方向に5画素目、X方向に4画素目毎に存在する。他の画素403はレーザが安定した状態で改質されたポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタ404で駆動される画素である。なお、参照符号403に括弧で付記した503はレーザが安定した状態で改質されたポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタ404で駆動される画素のカラーフィルタ、参照符号405に括弧で付記した505は不安定なレーザ照射で改質されたポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタ405で駆動される画素のカラーフィルタを示す。薄膜トランジスタ404は画素の隅に形成され、ゲート線401とドレイン線402の交差部に設けられる。図1では、薄膜トランジスタ404は近接したドレイン線402およびゲート線401に接続されている。この薄膜トランジスタ404に接続する画素電極(図示せず)は画素403の大部分の領域を占めている。
【0027】
図1(a)中、参照符号305はレーザの照射でポリシリコン結晶に改質されたポリシリコン膜のうちの強度の異なるレーザで照射されて結晶性が他と異なる異質結晶部分を示し、短冊状のレーザの単位照射パターンを直線で示した。なお、この単位照射パターン305は1または複数の照射で構成される。図1(b)には、この異質結晶部分305が幅を有する短冊状であることを示してある。この短冊状の異質結晶部分305は画素405を駆動する薄膜トランジスタを構成し、この画素405にドレイン線402i−1に接続した画素403は安定なレーザの照射で改質されたポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタである。異質結晶部分305はガラス基板101の短辺Yに対して角度θをなし、矢印Sで示す方向にアクティブ・マトリクス10に対して相対的に移動して走査されたレーザ光で改質されたものである。このレーザの走査によるアニールでアモルファスシリコン膜がポリシリコン膜に改質されるが、前記したレーザ強度の不安定に起因して異質結晶部分305の半導体層で作り込まれる薄膜トランジスタ404の特性が他と異なったものとなる。
【0028】
異質結晶部分305のポリシリコン膜305で作り込まれる薄膜トランジスタで構成される画素は参照符号405を付した小さい四角で示した。薄膜トランジスタ404を構成する部分以外のポリシリコン膜は、薄膜トランジスタ404を形成する段階で除去されるため、薄膜トランジスタの特性とは無関係である。本実施例では、図1(a)に示したように、特性が異なる薄膜トランジスタで駆動される画素405は表示領域ARの面内で離れた位置にあり、かつ同一ドレイン線402と並行な直線上に位置しないため、観察者が認識するような線状の表示不良(線欠陥)は生じない。
【0029】
このように、短冊状レーザの単位照射パターンの長軸とアクティブ・マトリクス基板101の一辺とのなす角度θを選択することにより、レーザの強度が変化したことにより特性が異なるものとなった薄膜トランジスタで駆動される画素が表示領域の面内で分散されるため、前記線欠陥が視認されることによる表示不良が回避され、高品質の画像表示を得ることができる。
【0030】
次に、本発明のディスプレイ装置の製造方法およびこの製造方法で得られるアクティブ・マトリクス基板を図2乃至図5を参照して詳細に説明する。図2は本発明によるディスプレイ装置の製造方法の一実施例を説明する概略工程図であり、主要工程におけるアクティブ・マトリクス基板の要部断面で示す。本実施例では、アクティブ・マトリクス基板となる絶縁基板(以下、これをアクティブ・マトリクス基板と同一符号101で示す)として、厚さが0.3mm〜1.0mm程度で、好ましくは400°C〜600°Cの熱処理で変形や収縮の少ない耐熱性のガラス基板101を準備した。このガラス基板101上に、熱的、化学的なバリア膜として機能するおよそ50nm厚の窒化シリコン膜および約50nm厚の酸化シリコン膜をCVD法で連続かつ均一に堆積して下地膜102を形成する。この下地膜102上にアモルファスシリコン膜103を50nm程度の厚さにCVD法で堆積する。かかるCVD法を用いたバリア膜およびアモルファスシリコン膜の堆積方法については当該業者には周知である(図2(a))。
【0031】
その後、後述するレーザ照射法で長軸がガラス基板101の一辺とある角度(図1(a)のθ))を持った短冊状のレーザ105をアモルファスシリコン膜103に照射し、アモルファスシリコン膜103を結晶化させポリシリコン膜104を形成する(図2(b))。ここで、このレーザ照射装置の一例について説明する。
【0032】
図3は本発明によるディスプレイ装置の製造に用いられるレーザ照射装置の構成例を説明する模式図である。このレーザ照射装置は、XY駆動スレージ201、基準位置測定用カメラ202、制御装置204、駆動設備205、レーザ照射設備207で構成される。レーザ照射設備207は、レーザ光208を出射するレーザ光源209、光学系210、反射ミラー211、集光レンズ系212を有する。参照符号203は基準位置測定信号、206は駆動設備の制御信号、213はレーザ光源のオン/オフ信号、214は214はレーザ照射設備の制御信号である。
【0033】
先ず、図2(a)に示したアモルファスシリコン膜103を堆積したガラス母基板301をXY駆動ステージ201上に載置し、基準位置測定用カメラ202を用いてレーザ照射設備207との位置合わせを行う。基準位置測定用カメラ202からの基準位置測定信号203は制御装置204に入力され、駆動設備205に入力された制御信号206に基づいて照射位置の微調整を行い、所定の速度でXY駆動ステージ201を移動させ、レーザ光208に対して一方向に走査する。この走査に同期して照射設備207からのレーザ光208をアモルファスシリコン膜103に照射して結晶化を行う。ここで、アモルファスシリコン膜がレーザ照射でポリシリコン膜に改質される状態を説明する。
【0034】
図4はアモルファスシリコン膜がレーザ照射でポリシリコン膜に改質される状態を説明する模式図である。図4中、ガラス母基板301は図1に示した個々のパネルのアクティブ・マトリクス基板となるガラス基板101を複数個取る大きさを有する母材ガラス基板である。図4(a)のように、ガラス母基板301上に下地膜302を介して堆積したアモルファスシリコン膜303に長軸Wが数mm〜数百mm程度、短軸Tが20μm〜1000μm程度の投影断面が短冊状エキシマレーザビーム105を照射し、1〜数パルス毎に照射位置を矢印方向に移動する走査により、広い領域のアモルファスシリコン膜303をポリシリコン膜304に改質する(図4(b))。
【0035】
また、図5は本発明の製造方法の第1実施例により改質されたポリシリコン膜を有するガラス母基板と従来技術の製造方法により改質されたポリシリコン膜を有するガラス母基板とを比較して示すの平面図である。同図(a)は従来技術によるガラス母基板、同図(b)は本発明の製造方法によるガラス母基板である。同図(a)(b)に示したガラス母基板301は、所謂4枚どりのガラス板であり、最終的には点線306で個々のアクティブ・マトリクス基板となるガラス基板101に分離される。
【0036】
図5では、エキシマレーザの不安定性に起因する結晶性の異なる多結晶シリコン部分(異質結晶部分)305をストライプ状に示しており、一例としてレーザ照射はガラス母基板301の短辺の一方から他方へ矢印S1,S2で示した2列の走査を行った場合を示す。また、図5(a)では、ガラス母基板301の一辺(ここでは、短辺)と短冊状のレーザの長軸方向を平行に保持して走査するため、結晶性の異なる改質部分も当該ガラス母基板301の一辺と平行に存在する。ガラス母基板301の長辺にドレイン駆動回路を設けてドレイン線が短辺と平行に形成された場合、この結晶性の異なる部分のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタは当該ドレイン線に沿って並ぶことになる。そのため、前記したような線欠陥が発生する。
【0037】
これに対し、図5(b)に示したように、本実施例の製造方法によれば、ガラス母基板301の一辺と短冊状レーザの長軸方向に角度θを設けることにより、結晶性の異なる改質部分はドレイン線に沿って並ぶことはなくなる。図5では、ガラス母基板301に対してレーザの長軸方向に角度を持たせたが、ガラス母基板301上に配置する各アクティブ・マトリクス基板を角度θだけ回転させてレーザの長軸方向をガラス母基板301の一辺に平行な方向に走査させても同様の効果を得ることができる。しかし、この方法は、アクティブ・マトリクス基板の製造装置の構成、搬送系、切断用性、ガラス母基板の材料どりの効率等の因子を考慮した上で、場合により選択されるべきものである。
【0038】
このようにしてアモフファスシリコン膜をポリシリコン膜に改質した後の薄膜トランジスタの製造を図2に戻って説明する。図2(b)のレーザ照射で図5(b)に示したように改質されたポリシリコン膜104をエッチング処理で所定の回路に対応した形状にパターニングし、n型およびp型の不純物イオンをポリシリコン膜104のチャネル部を挟んで打ち込む。その上をゲート絶縁膜106で被覆する(図2(c))。なお、図2(c)には、このパターニング後およびイオン打ち込み後のポリシリコン膜104の構造は図示を省略した。
【0039】
次に、ゲート絶縁膜106上にゲート配線/電極107を形成し(図2(d))、その上層を層間絶縁膜108で覆い、この層間絶縁膜108およびゲート絶縁膜106を貫通するスルーホールを設けてソース・ドレイン配線109を形成する。ソース・ドレイン配線109の一方は、n型のポリシリコン膜に、他方はp型のポリシリコン膜に接続される。ソース・ドレイン配線109を覆ってパシベーション膜110を形成し、このパシベーション膜110を貫通するスルーホールを介してソース・ドレイン配線109の一方に画素電極となる透明電極111を形成する(図2(e))。
【0040】
このようにして、ポリシリコン膜104を用いた薄膜トランジスタを有する回路を画素に配置したアクティブ・マトリクス基板を得ることができる。ここで、前記図5(b)に示したレーザ照射方法で改質されたポリシリコン膜を有するガラス母基板を用いたアクティブ・マトリクス基板は、前記した図1に示された如く、結晶性の異なるストライプ状のポリシリコン膜から形成される薄膜トランジスタが例えばドレイン線と平行な同一線上に並ぶこと無く、結晶性の異なるポリシリコン膜から形成される薄膜トランジスタはアクティブ・マトリクス基板の表示領域の面内に分散される、線欠陥等の表示不良が抑制または低減される。
【0041】
上記したアクティブ・マトリクス基板を用いて液晶ディスプレイ装置を構成することができる。具体的な構成は後述するが、アクティブ・マトリクス基板上に液晶配向膜層を形成し、これにラビング等の手法で配向規制力を付与し、画素部の周辺に液晶封入口を残してシール剤を形成した後、同様に配向膜層を形成した対向基板であるカラーフィルタ基板を所定のギャップで対向させ、シール剤で貼り合わせ、固定する。そして、上記のギャップ内に液晶を封入し、シール剤の封入口を封止材で閉鎖する。次に、アクティブ・マトリクス基板の周辺部にゲート線駆動回路を含むゲート側周辺回路とドレイン線駆動回路を含むドレイン側周辺回路を実装搭載することで液晶表示パネルが得られる。この液晶表示パネルに偏光板を貼付し、光学補償シート類を介して照明装置を設置して液晶表示装置が完成する。照明装置は液晶表示パネルの背面に積層される導光板とこの導光板の側縁に配置される線状光源を有するサイドライト型、液晶表示パネルの背面に直接光源を配置する直下型などが採用される。
【0042】
本実施例によれば、画素にポリシリコン薄膜トランジスタを有する画素回路を配置することで電流駆動能力に優れた高速動作が実現され、さらに閾値電圧のバラツキが小さいために線欠陥等の表示不良のない均一な画質のディスプレイ装置を歩留りよく提供できる。
【0043】
また、本実施例のアクティブ・マトリクス基板を用いて有機ELディスプレイ装置を製造することができる。具体的には、アクティブ・マトリクス基板の各画素電極(この場合、陽極)上に有機EL素子分離のためのバンクパターンを形成し、画素電極の表面側から順次、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、および陰極となる金属層などを蒸着して積層体を構成する。この積層体を形成したアクティブ・マトリクス基板の表示領域の周囲にシール材を配置し、当該表示領域を封止缶で封止する。この封止では、画素を構成する有機ELを水分などから保護し、画像品質の劣化を抑制するために高度の気密性を持たせることが必要であり、封止缶内に乾燥剤を設置することも推奨される。
【0044】
有機EL用のアクティブ・マトリクス基板における画素の駆動では、有機EL素子が電流駆動発光方式であるために高性能の薄膜トランジスタを備えた画素回路の採用が良質な画像の提供には必須であり、特にCMOS型の薄膜トランジスタを用いるのが望ましい。本実施例のアクティブ・マトリクス基板は、このような要求を満たすことができ、本実施例のアクティブ・マトリクス基板を用いた有機ELディスプレイ装置は本発明の特長を最大限に発揮するディスプレイの1つであることも強調されるべきである。
【0045】
次に、本発明によるディスプレイ装置の他の実施例を説明する。本実施例では、基板またはガラス母基板内の液晶表示パネルの配置に対し結晶性の異なる短冊状の部分の角度を当該ガラス母基板の一辺に対して変えることなく特性の異なる薄膜トランジスタで駆動される画素を表示領域の面内に散在させた。すなわち、本実施例のアクティブ・マトリクス基板は、図5(a)に示した従来と同様のレーザ照射の走査でアモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に改質する。ガラス母基板のアモルファスシリコン膜に対し、エキシマパルスレーザを短冊状のパターンに照射し、その長軸と直角な矢印Sで示した方向に走査することにより多結晶シリコン膜を得る。先に説明したように、エキシマレーザの不安定性に起因する結晶性が他と異なるポリシリコン膜(異質結晶部分)がレーザの単位照射パターンに対応した短冊状に形成される。
【0046】
図6は同一ドレイン線により情報が書き込まれる画素の配置例の説明図である。図中、参照符号401はゲート線、402はドレイン線、403は同一ドレイン線に接続する画素、404は薄膜トランジスタである。なお、画素403のうち、異質結晶部分のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素を参照符号405で示す。
【0047】
図6(a)は同一ドレイン線に接続する薄膜トランジスタ404で駆動される画素403がゲート線401毎に順次互い違いで両側に配置された状態を示す。図1で説明した実施例のように、画素を構成する薄膜トランジスタがドレイン線402の延在方向に沿って、その一方の側に整列して配置されているが、図6(a)に示したように、隣接するゲート線401に関してドレイン線402の両側に互い違いに薄膜トランジスタ404を配置した場合でも、レーザの長軸方向とガラス基板101の一辺との間の角度を選択することで、同一照射時点にレーザで照射される薄膜トランジスタ404がドレイン線402に沿って一列に配列されないようにすることで、前記実施例と同一の効果をもつディスプレイ装置を得ることができる。
【0048】
図6(a)に示したような画素配置とすることにより、結晶性が他と異なる矩形状(図では線で示す)の領域すなわち異質結晶部分305に、ある画素列の薄膜トランジスタ404とが重なった場合にも、この異質結晶部分のポリシリコン膜により形成される薄膜トランジスタ404の数は従来の半分となり、同一ドレイン線402で駆動される画素は当該ドレイン線402と並行な直線状の一画素置きに配置されることになる。このような薄膜トランジスタの配置をとることにより、異質結晶部分305のポリシリコン膜で作り込まれる薄膜トランジスタ404で駆動される画素405は一画素置きの配列となるため、ディスプレイ装置とした場合の線欠陥不良等を低減することができる。
【0049】
また、図6(b)は同一ドレイン線402により駆動される(表示データが書き込まれる)画素の他の配置例の説明図で、図6(a)に示した各画素をドレイン線402に関して交互に左右逆方向に傾斜させることにより、同一色の画素のドレイン線402方向への重なりを大きくすることができる。図6(a)では同一のドレイン線で駆動される画素の当該ドレイン線方向の画素は一画素毎に途切れるが、図6(b)の構成とすることで同一のドレイン線で駆動される画素の当該ドレイン線方向の画素による表示をより直線に近づけることができる。
【0050】
また、図7は同一ドレイン線により情報が書き込まれる画素のさらに他の配置例の説明図である。図中、図6と同一の参照符号は同一機能部分に対応する。図7では、各画素403を交互に逆方向に傾斜させた上、さらに画素403を構成する薄膜トランジスタ404の位置を画素のゲート線401に沿って交互に設けた。同一ドレイン線402に接続されて異質結晶部分305のシリコン膜で作り込んだ薄膜トランジスタ404で駆動される画素405はドレイン線402の延在方向に離れた位置となる。図7では、この画素405はドレイン線402と並行な方向の四画素毎に配置されている。これにより、異質結晶部分305のポリシリコン膜で作り込まれる薄膜トランジスタ404の数を従来の4分の1に低減することができ、輝度差、色調等の違いによる線欠陥をさらに低減することができる。
【0051】
上記実施例のアクティブ・マトリクス基板を用いて液晶ディスプレイ装置、あるいは有機ELディスプレイ装置を構成することができる。具体的内容は前記実施例で説明したものと同様である。このように、本実施例によれば、画素にポリシリコン薄膜トランジスタ回路を配置することで電流駆動能力に優れた高速動作が実現され、さらに閾値電圧のバラツキが小さいために均一な画質のディスプレイ装置を歩留りよく提供できる。
【0052】
以上の実施例では、アクティブ・マトリクス基板に形成される薄膜トランジスタの特性のバラツキに起因する表示不良を解消する観点で本発明の構成を説明した。しかし、この種のディスプレイ装置をカラー表示装置とする場合は、薄膜トランジスタ等のスイッチング素子(以下、薄膜トランジスタと言う)を形成したアクティブ・マトリクス基板と、このアクティブ・マトリクス基板に対向配置されてカラーフィルタを有する対向基板(カラーフィルタ基板とも称する)を貼り合わせ、あるいはアクティブ・マトリクス基板側にカラーフィルタを有する対向基板を貼り合わせてでカラー表示が実現される。しがたって、上記したアクティブ・マトリクス基板の薄膜トランジスタを構成するポリシリコン膜の異質結晶部分による表示欠陥の発生は個々のカラーフィルタの配置に関係する。
【0053】
以下、カラーフィルタの配列との関係を考慮した実施例について説明する。ここでは、カラー液晶ディスプレイ装置に本発明を適用した実施例を説明するが、カラーフィルタを用いた他のカラーディスプレイ装置にも同様に適用できることは言うまでもない。上記したように、カラー液晶ディスプレイ装置には、配向膜が形成された薄膜トランジスタアレイを有するアクティブ・マトリクス基板と、カラーフィルタと配向膜が形成されたカラーフィルタ基板とを液晶層を介して対向させる方式と、アクティブ・マトリクス基板側にカラーフィルタを形成した方式とが知られている。本実施例においては、各画素を選択する薄膜トランジスタと対応するカラーフィルタの関係は、上記何れの方式でも同様である。
【0054】
また、アクティブ・マトリクス基板とは別個のカラーフィルタ基板を用いるカラー液晶ディスプレイ装置には、カラーフィルタ基板には対向電極を有する方式(例えば、TN型)と、アクティブ・マトリクス基板側に対向電極を形成する方式(イン・プレーン・スイッチング方式)があるが、各画素を選択する薄膜トランジスタと対応するカラーフィルタの関係は、上記何れの方式でも同様である。
【0055】
この種のカラー液晶ディスプレイ装置では、選択された画素の薄膜トランジスタの駆動により、画像データ(表示信号)に対応する電圧が薄膜トランジスタ基板側に設けた画素電極とカラーフィルタ基板側に設けた対向電極との間に印加される。この印加電圧に応じた電界が液晶層を構成する液晶分子の配向方向(ねじれ角)を変化させ、アクティブ・マトリクス基板とカラーフィルタ基板の双方または一方に設置した偏光板を通過する光量の変化で対応するカラーフィルタを透過させることでカラー表示を行う。すなわち、赤(R)、緑(G)、青(B)の各カラーフィルタ(各色の単位カラー画素に相当)を透過する光量変化で、所謂フルカラー表示を行うものである。
【0056】
図8は薄膜トランジスタの異質結晶部分による表示欠陥をカラーフィルタの配列から見た説明図であり、所定の角度でレーザ照射を行った場合の異質結晶部分となった薄膜トランジスタに対応するカラーフィルタのパターンを示す。図8では3色のカラーフィルタR,G,Bのそれぞれが図8の上下方向に同色で、左右方向にR,G,Bで繰り返し配列されている。図8において、参照符号305はレーザ照射で改質されたポリシリコン膜のうちの強度の異なるレーザで照射され、結晶性が他の部分と異なる異質結晶部分に対応する。また、参照符号503は通常の(良好な)ポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素のカラーフィルタ、505は異質結晶部分のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素のカラーフィルタで、このカラーフィルタ505の画素が輝度不足となっている場合を示す。
【0057】
図8(A)では異質結晶部分305に作り込まれた薄膜トランジスタがRのカラーフィルタのみに集中している状態、同(B)はGのカラーフィルタのみに集中している状態、同(C)はBのカラーフィルタみに集中している状態を示す。図8(A)(B)(C)に示したように、隣接または近接する同色のカラーフィルタの画素が輝度不足であると、人間の目には表示欠陥として目立つ。これに対し、図8(D)に示したように、異質結晶部分305に作り込まれた薄膜トランジスタに対応する画素が異なる色のカラーフィルタの画素に分散されていれば、このような表示欠陥の目立ちは少なくなる。
【0058】
特開平10−96913号公報に開示されているようなカラーフィルタをアクティブ・マトリクス基板側に形成した構造を持つカラー液晶表示装置(CFonTFTとも称する)は、対向基板には対向電極と配向膜をベタ形成すればよく、アクティブ・マトリクス基板と対向基板の位置合わせが容易であることから、大型画面のディスプレイ装置に適用して有利である。このような構造のディスプレイ装置でも、異質結晶部分とカラーフィルタの配列により上記と同様の表示欠陥が発生する。
【0059】
図9はアクティブ・マトリクス基板に成膜されたシリコン膜の改質のためのレーザ照射方法の一例の説明図である。ここでは、レーザ光として短冊状のエキシマレーザを用いる。図9(A)はアクティブ・マトリクス基板に成膜したシリコン膜上でのレーザ照射パターンを示し、参照符号Sはレーザ光の走査方向である。このレーザ照射パターンのサイズは、例えば幅Wが100μm〜500μm、長さLが100μm〜500μmである。図9(B)はレーザ光の照射態様の説明図であり、同図(A)に示したパルス状のレーザ光を走査方向SにピッチPで移動させながら照射位置の一箇所あたり数回〜数十回ショトで照射する。図9(C)は薄膜トランジスタ形成領域の大きさの目安を示す。
【0060】
ここで、最終的な結晶状態に最も大きく影響を与えるのは、最後に照射される(ショットされる)パルスである。パルスのピッチPは数〜数十μmであり、ここで突発的なレーザ出力異常があると、このパルスの幅で改質されるシリコン膜が他の部分と異なる異質結晶部分となる。薄膜トランジスタの形成領域は数〜数十μmであるので、1ショットの異常パルスが丁度薄膜トランジスタ一列分に対応する。
【0061】
若し、レーザの長さ方向Lを薄膜トランジスタの配列方向(一色のカラーフィルタの配列方向)と平行にして照射した場合、カラーフィルタR、G、Bに対応する同一色が配列方向の一列にわたって表示異常となると、これが線欠陥となる。レーザの長さ方向Lを走査方向Sに対して傾斜させて照射した場合でも、当該レーザの長さ方向L方向に沿って隣接または近接した部分が視覚的に連続的あるいは不連続的に繋がり、やはり線欠陥や断続する表示欠陥として認識される。このような表示欠陥を回避するため、以下に説明する実施例では、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならないようにした。
【0062】
図10は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図10の(A)はカラーフィルタの配列とレーザ光の照射角の説明図、(B)は画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例では、各画素は図10(A)に示したように、カラーフィルタは図のX方向にR1の列,G1の列,B1の列の繰り返しで図のY方向にa段,b段,c段,d段,・・・のように配列されている。ここでは、各単位画素(副画素とも言う、以下では単に画素として説明する)をR1a,R1b,R1c,R1d,・・・、G1a,G1b,G1c,G1d,・・・、B1a,B1b,B1c,B1d,・・・で表現する。
【0063】
画素の相対サイズは図10(B)に示したように、Y方向に30×X方向に10であり、各画素の左上隅に薄膜トランジスタ404が位置する。薄膜トランジスタ404の相対サイズはY方向に1×X方向に1である。実際のサイズ例は、1カラー画素(R,G,B)がX,Y共200μm〜300μmの四角形、薄膜トランジスタ領域はX,Y共数μmの四角形である。ここで、画素R1aを基準として考える。直線AはY方向で画素R1aに隣接する次段の同色画素R1bの薄膜トランジスタ404に重ならない角度を示す。Y方向と直線Aのなす角をαとすると、tanα=1/30であり、α=1.90°となる。
【0064】
一方、画素R1aから見てY方向、X方向の次の同色画素R2bの薄膜トランジスタ404に重ならない直線BのY方向に対する角度βは45°である。したがって、走査方向Sで走査されるレーザパターンの傾斜範囲γは、1.90°〜45°となる。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0065】
図9では、各画素の薄膜トランジスタは左上隅に位置した場合であるが、X方向の2画素でまとめて配置される場合、あるいはX方向およびY方向の4画素でまとめて配置される場合の実施例を以下で説明する。
【0066】
エキシマレーザにより種結晶(または微結晶)を形成した後、連続発振レーザにより種結晶(または微結晶)を起点として結晶を引き延ばすシリコン結晶成長法においても、種結晶(または微結晶)の結晶性が最終的なシリコン結晶性に影響を与えるため、エキシマレーザによる結晶性の制御が重要となる。この場合、エキシマレーザにより種結晶(または微結晶)の成長には、先に説明した短冊状のレーザビームにより基板全体のアモルファスシリコンに改質を施し、連続発振レーザによる結晶化は、薄膜トランジスタのパターン形成後に薄膜トランジスタとなる部分のみに施す方法がある。
【0067】
この場合、固体発振レーザによる結晶化は、現実的に得られるレーザ強度の制約から、パターン形成後にエッチングで除去される部位に施すことはスループットの観点から無駄となる。したがって、薄膜トランジスタの作り込み部分にのみ選択的に固体発振レーザによる結晶化を施すのが効率的である。このような考え方に基づいて、複数の薄膜トランジスタを基板上にまとめて配置することがスループットの向上につながる。例えば、隣接画素の薄膜トランジスタをX方向に交互左右に配することにより、効率的なレーザ照射が可能となる。さらに、Y方向についても同様の薄膜トランジスタ配置とすれば、より効率的なレーザ照射が可能となる。
【0068】
図11は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図12は図11の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。図11および図12において、図10と同一の参照符号は同一部分に対応する。本実施例では、図12に示したように、薄膜トランジスタのY方向周期が画素周期の半分の場合、すなわち薄膜トランジスタのピッチが画素ピッチの2倍の場合を図11に示した画素配置で説明する。
【0069】
図11の画素R1aを基準として考えると、画素R1aとR1bの薄膜トランジスタ404はY方向で隣接しているため、これらの薄膜トランジスタを作り込むシリコン膜の結晶性は同じものとなる。すなわち、画素R1aが表示不良であれば画素R1bも表示不良となる。画素の相対サイズは図12に示したとおりであり、図12(A)に示したように、直線AがY方向に隣接する同色の画素R1c(またはR1d)の薄膜トランジスタと重ならない角度は、tanα=1/60であるから、α=0.95°である。
【0070】
また、図12(B)の直線Bに示したように、画素R1a(R1b)の薄膜トランジスタから見て、Y方向かつX方向で隣接する画素R2c(R2d)の薄膜トランジスタと重ならない角度は、tanβ=30/60であるから、β=26.6°である。したがって、レーザパターンの傾斜範囲γは、0.95°〜26.6°の範囲である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0071】
図13は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図14は図13の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。図13および図14において、図10〜図12と同一の参照符号は同一部分に対応する。本実施例では、図14に示したように、薄膜トランジスタのX方向およびY方向の周期が画素周期の半分の場合、すなわち薄膜トランジスタのピッチが画素ピッチの2倍の場合を図13に示した画素配置で説明する。
【0072】
図13の画素R1aを基準として考えると、画素R1aとR1bの薄膜トランジスタ404はY方向で隣接しているため、これらの薄膜トランジスタを作り込むシリコン膜の結晶性は同じものとなる。すなわち、画素R1aが表示不良であれば画素R1bも表示不良となる。画素の相対サイズは図14に示したとおりであり、図14(A)に示したように、画素R1aとR1bの薄膜トランジスタ404から見て直線AがY方向に隣接する同色の画素R2c(またはR2d)の薄膜トランジスタと重ならない角度は、tanα=2/60であるから、α=1.90°である。
【0073】
また、図12(B)の直線Bに示したように、画素R1a(R1b)の薄膜トランジスタから見て、Y方向かつX方向で隣接する画素R2c(R2d)の薄膜トランジスタと重ならない角度は、tanβ=40/60であるから、β=33.7°である。したがって、Rの場合のレーザパターンの傾斜範囲γは、1.90°〜33.7°の範囲である。一方、Gの画素については、図14(B)に示したように、tanβ=20/60であるから、β=18.4°である。したがって、Gの場合のレーザパターンの傾斜範囲γは、1.90°〜18.4°の範囲である。図14に示したRとGの関係は、X方向に一周期毎に交互に現れるため、1.90〜18.4゜の範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0074】
図15は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図16は図15の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、薄膜トランジスタ404のXおよびY方向周期が画素周期の半分(薄膜トランジスタのピッチが画素ピッチの2倍)で、かつ薄膜トランジスタ404がX方向の一列毎に左右交互に配列されている場合である。
【0075】
図15に示した画素配置において、画素R1aを基準に考える。画素R1aの薄膜トランジスタが同一部位にある隣接同色の画素R1cの薄膜トランジスタと次列次段の画素R2cbと重ならない直線AのY方向に対する角度αは、tanα=1/60であるから、α=0.95°となる。カラー画素は30×30の正方形であるから、直線BのY方向に対する角度βは45°である。したがって、レーザパターンの傾斜範囲γは、0.95°〜45°の範囲である。
【0076】
一方、画素R1bを基準に考えると、R1cとR2bと重ならない直線AのY方向に対する角度αは、tanα=2/30であるから、α=3.8゜となる。直線BのY方向に対する角度βは、tanβ=30/30であるから、β=45゜となる。したがって、レーザパターンの傾斜範囲γは、3.8゜〜45゜の範囲である。図15に示したR1aとR1bの関係は、Y方向に一周期毎に現れるため、3.8゜〜45゜の範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0077】
図17は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図18は図17の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、薄膜トランジスタ404のXおよびY方向周期が画素周期の半分(薄膜トランジスタのピッチが画素ピッチの2倍)で、かつ薄膜トランジスタ404がX方向の一列毎に左右にX方向の上下交互に配列されている場合である。画素R1については図17に示したR1a〜R1dの4通りがあるが、最も範囲の狭い角度を考える。
【0078】
図18の(A)および(B)から、画素R1aの薄膜トランジスタ404から見て、薄膜トランジスタが同一部位にある隣接同色の画素R1bと画素R2bとに重ならない角度範囲γは、1.9゜〜90゜である。また、R1bを基準に考えると、R1cとR2cとに重ならない角度範囲γは3.8゜〜45゜である。また、R1cを基準に考えると、R1dとR2dとに重ならない角度範囲γは0゜〜26.6゜である。
【0079】
同様にR1dを基準に考えると、R1eとR2eとに重ならない角度範囲γは3.8゜〜45゜である。したがって、3.8゜〜26.6゜の範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0080】
図19は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図20は図19の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、レーザの走査方向SをR,G,Bの各色のカラーフィルタのY方向配列と平行とした場合で、かつ各画素の薄膜トランジスタ404が図10と同様の配置とした場合である。ここでも、画素R1aを基準として考える。
【0081】
この場合、隣接同色の画素R2aと重ならない直線AのX方向に対する角度αは、図20においてα=1/30であるから、α=1.90°となる。画素R2bと重ならない直線BのX方向に対する角度βは45°であるから、隣接同色の画素R1bと次段次列の画素R2bと重ならない範囲の直線Aと直線Bの間の角度範囲γは1.9°〜45°である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0082】
図21は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図22は図21の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、図19と同様にレーザの走査方向SをR,G,Bの各色のカラーフィルタのY方向配列と平行とした場合で、かつ各画素の薄膜トランジスタ404のY方向周期が画素周期の半分の場合、すなわち薄膜トランジスタのピッチが画素ピッチの2倍である場合である。ここでも、画素R1aを基準として考える。
【0083】
図22から、画素R1aを基準として見ると、画素R1aとR1bとは隣接しているため、これら両画素の薄膜トランジスタの結晶性は同じである。すなわち、図21における画素R1aの薄膜トランジスタと画素R1bの薄膜トランジスタとは同一特性である。画素R1a(R1b)の薄膜トランジスタから見て、隣接同色の画素R1c(R1d)の薄膜トランジスタと重ならない直線AのX方向に対する角度αは図22(a)に示されたように、tanα=2/30であるか、α=3.8°である。
【0084】
一方、次段の画素R2c(R2d)と重ならない直線BのX方向に対する角度βは図22(b)に示されたように、tanβ=60/30であるか、β=63.4°である。したがって、隣接または近接する同色の画素の薄膜トランジスタと重ならない範囲の直線Aと直線Bの間の角度範囲γは3.8°〜63.4°である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0085】
図23は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図24は図22の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、図23に示されたように、薄膜トランジスタのY方向周期が画素周期の半分(薄膜トランジスタが画素ピッチの2倍)の場合である。図23の画素配置において、画素R1aとR1bの薄膜トランジスタ404は隣接しているため、これらの結晶性は同じものとなる。
【0086】
図24(a)に示されたように、隣接または近接する同色画素の薄膜トランジスタが重ならない直線AのX方向となす角度αは、tanα=2/20であるから、α=5.71°である。一方、図24(b)に示されたように、隣接または近接する同色画素の薄膜トランジスタが重ならない直線BのX方向となす角度βは、R画素についてはtanβ=60/40であるから、β=56.3°である。また、G画素についてはtanβ=60/20であるから、β=71.6°である。したがって、隣接または近接する同色の画素の薄膜トランジスタと重ならない範囲の直線Aと直線Bの間の角度範囲γは、R画素についてはγ=5.71°〜56.3°、G画素についてはγ=5.71°〜71.6°である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0087】
図25は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図26は図25の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、図25に示されたように、薄膜トランジスタのY方向周期が画素周期の半分(薄膜トランジスタが画素ピッチの2倍)の場合である。図26の画素配置において、画素R1aの薄膜トランジスタ404は隣接または近接する同色画素R1cの薄膜トランジスタ404と重ならない直線AのX方向とのなす角度αは、図26(a)に示されたように、tanα=1/30であるから、α=1.9°である。
【0088】
一方、画素R1aの薄膜トランジスタ404はY方向で隣接または近接する同色画素R1bの薄膜トランジスタ404と重ならない直線BのX方向とのなす角度βは、図26(b)に示されたように、tanβ=30/30であるから、β=45°である。したがって、隣接または近接する同色の画素の薄膜トランジスタと重ならない範囲の直線Aと直線Bの間の角度範囲γは、γ=1.9°〜45°である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0089】
図27は本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。図28は図27の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。本実施例は、図27に示されたように、薄膜トランジスタのX方向およびY方向の周期が画素周期の半分(薄膜トランジスタが画素ピッチの2倍)、かつ薄膜トランジスタ404が一行、一列毎に左右上下で交互に配列された場合である。図27の画素配置において、画素R0bの薄膜トランジスタ404から見て薄膜トランジスタが同一部位にある隣接または近接する同色画素R1cと次列次段の画素R2cの重ならない直線AのX方向となる角度αは、tanα=2/30でありから、α=3.81°である。
【0090】
一方、画素R1aの薄膜トランジスタ404はY方向で隣接または近接する同色画素R2cの薄膜トランジスタ404と重ならない直線BのX方向とのなす角度βは、図28(b)に示されたように、tanβ=30/30であるから、β=45°である。したがって、隣接または近接する同色の画素の薄膜トランジスタと重ならない範囲の直線Aと直線Bの間の角度範囲γは、γ=3.81°〜45°である。この角度範囲でレーザを走査することにより、同一色の列および隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならず、前記した表示欠陥の発生は低減される。
【0091】
図29は本発明のディスプレイ装置の一例としての液晶ディスプレイ装置の駆動システムの概要説明図である。前記した本発明の実施例で製造されたアクティブ・マトリクス基板に液晶を封入してカラーフィルタ基板を貼り合わせた液晶表示パネル500の周縁に、ゲート線駆動回路406とドレイン線駆動回路407が配置されている。ゲート線駆動回路406とドレイン線駆動回路407から、それぞれゲート線408、ドレイン線402が液晶表示パネル500の表示領域に延在している。なお、共通電極線408はカラーフィルタ基板側にあり、アクティブ・マトリクス基板に有する端子Vcomから共通電極電圧が給電される。なお、この共通電極線408はカラーフィルタ基板の内面に形成され、ベタ電極であってもよい。
【0092】
ゲート線駆動回路406とドレイン線駆動回路407はコントローラ409で制御される。コントローラ409は、外部信号源411から入力する表示データに基づいて液晶表示パネル500での表示に適合した形式に変換し、かつ所要のタイミング信号を生成してゲート線駆動回路406とドレイン線駆動回路407に供給する。電源回路410はこのディスプレイ装置の駆動に必要な各種の電圧を生成する。
【0093】
図30は本発明によるアクティブ・マトリクス基板を用いた液晶ディスプレイ装置の構造例を説明する模式断面図である。この液晶ディスプレイ装置は、液晶表示パネル500に、所謂サイドライト型の照明装置を組み込んだものである。液晶表示パネル500には、その周縁にゲート線駆動回路やドレイン線駆動回路を構成する半導体回路チップ503が取り付けられている。この例では、この半導体回路チップ503がテープキャリアパッケージ504として設置されている。半導体回路チップ503を搭載したテープキャリアパッケージ504はコントローラを搭載したプリント基板505に接続されている。この液晶表示パネル500の背面には拡散シートやプリズムシートの積層体からなる光学補償シート501を介して照明装置502が設置されている。
【0094】
この照明装置502は、導光板とその端縁に沿って設けた冷陰極蛍光ランプなどから構成され、液晶表示パネル500の背面から光を照射し、当該液晶表示パネル500の液晶の配向方向の制御で形成される電子潜像を可視化する。これらの構成部材は中間モールド506と上シールドケース507および下ケース508で液晶ディスプレイ装置として一体化される。
【0095】
図31は本発明によるディスプレイ装置の具体的な実装例の説明図であり、テレビ受像機のディスプレイデバイスに本発明のディスプレイ装置を適用したものである。このテレビ受像機は表示部DSPとスタンド部STDで構成され、その表示部DSPに、例えば前記図9で説明した液晶ディスプレイ装置組み込んだものである。特に、テレビ受像機は動画を多く表示するものであるため、前記した線欠陥が目立ち易い。表示部DSPに本発明の前記実施例の何れかのアクティブ・マトリクス基板を用いたディスプレイ装置を実装することで、このような線欠陥が視認され難く、高品質で歩留りを向上させたテレビ受像機を提供できる。なお、パソコンモニター、あるいは携帯電話機等の携帯情報端末、他のディスプレイモニターなどのディスプレイ装置として本発明によるディスプレイ装置を適用できることは言うまでもない。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画素部のアモルファスシリコン膜を結晶化する際に短冊状のレーザをパネルの一辺に対し傾斜させて照射することにより異質結晶部分のポリシリコン膜で作り込まれるアクティブ素子を表示領域に散在させ、あるいはパネルの一辺と並行に照射した場合には同一のドレイン線に接続する薄膜トランジスタを互い違いに配置する等で、レーザの不安定性に起因する特性のはずれた薄膜トランジスタをアクティブ・マトリクス基板の面内に分散させることができ、一方向に連続する画素を駆動する薄膜トランジスタの特性の相違による輝度不足等に起因する線欠陥を目立たなくすることが可能となる。
【0097】
また、隣接または近接する同一色のカラーフィルタに対応する薄膜トランジスタが異質結晶部分とならないような角度範囲で上記のレーザ照射の傾斜を制御することで薄膜トランジスタの特性の相違による色相不足等に起因する表示欠陥を目立たなくすることが可能となる。これにより、製造歩留まりを著しく向上させた高表示品質のディスプレイ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスプレイ装置の一実施例を説明するための一枚のアクティブ・マトリクス基板の模式平面図である。
【図2】本発明によるディスプレイ装置の製造方法の一実施例を説明する概略工程図である。
【図3】本発明によるディスプレイ装置の製造に用いられるレーザ照射装置の構成例を説明する模式図である。
【図4】アモルファスシリコン膜がレーザ照射でポリシリコン膜に改質される状態を説明する模式図である。
【図5】本発明の製造方法の第1実施例により改質されたポリシリコン膜を有するガラス母基板と従来技術の製造方法により改質されたポリシリコン膜を有するガラス母基板とを比較して示すの平面図である。
【図6】同一ドレイン線により情報が書き込まれる画素の配置例の説明図である。
【図7】同一ドレイン線により情報が書き込まれる画素のさらに他の配置例の説明図である。
【図8】薄膜トランジスタの異質結晶部分による表示欠陥をカラーフィルタの配列から見た説明図である。
【図9】アクティブ・マトリクス基板に成膜されたシリコン膜の改質のためのレーザ照射方法の一例の説明図である。
【図10】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図11】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図12】図11の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図13】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図14】図13の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図15】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図16】図15の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図17】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図18】図17の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図19】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図20】図19の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図21】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図22】図21の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図23】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図24】図22の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図25】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図26】図25の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図27】本発明のディスプレイ装置の他の実施例を説明するためのカラーフィルタとレーザ光の照射範囲の説明図である。
【図28】図27の画素を構成するカラーフィルタと薄膜トランジスタ領域の相対サイズ例の説明図である。
【図29】本発明のディスプレイ装置の一例としての液晶ディスプレイ装置の駆動システムの概要説明図である。
【図30】本発明によるアクティブ・マトリクス基板を用いた液晶ディスプレイ装置の構造例を説明する模式断面図である。
【図31】本発明によるディスプレイ装置の具体的な実装例の説明図である。
【符号の説明】
101・・・ガラス基板、401・・・ゲート線、402・・・ドレイン線、403・・・通常のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素、405・・・・異質結晶部分のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素、404・・・薄膜トランジスタ、406・・・ゲート側周辺回路部、407・・・ドレイン側周辺回路部、503・・・良好なポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素のカラーフィルタ、505は異質結晶部分のポリシリコン膜で作り込まれた薄膜トランジスタで駆動される画素のカラーフィルタ。
Claims (18)
- アクティブ・マトリクス基板の表示領域の一方向に延在して並設された多数のデータ線と、前記一方向と交差する他方向に延在して並設された多数の走査線と、前記アクティブ・マトリクス基板上に形成されたポリシリコン膜で作り込まれて前記データ線と前記走査線の交差部に配置されたアクティブ素子、および前記アクティブ素子で駆動される画素電極を有する画素回路からなる画素をマトリクス状に配列したディスプレイ装置であって、
前記アクティブ素子のうちの前記ポリシリコン膜が他と異なる異質結晶部分に作り込まれたアクティブ素子で駆動される画素が前記表示領域の面内に散在していることを特徴とするディスプレイ装置。 - 前記異質結晶部分に作り込まれたアクティブ素子で駆動される画素が、同一のデータ線に平行な直線上から外れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
- 前記異質結晶部分に作り込まれたアクティブ素子で駆動される画素が、同一のドレイン線上で1または複数の画素毎に不連続した位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
- 前記アクティブ・マトリクス基板上に形成されたアクティブ素子で駆動される画素配列の周期性と前記アクティブ素子配列の周期性とが異なることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のディスプレイ装置。
- 前記アクティブ素子配列の周期が前記画素配列の周期の2倍であることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ装置。
- 同一のデータ線によってデータが書き込まれる画素が、当該データ線の両側に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のディスプレイ装置。
- 同一のデータ線によってデータが書き込まれる画素が、当該データ線の両側に交互に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
- 同一のデータ線により情報が書き込まれる画素のうち、当該データ線の一側に配置されている画素の一部が前記一方向で同一線上に配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載のディスプレイ装置。
- アクティブ・マトリクス基板の表示領域の一方向に延在して並設された多数のデータ線と、前記一方向と交差する他方向に延在して並設された多数の走査線と、前記アクティブ・マトリクス基板上に形成されたポリシリコン膜で作り込まれて前記データ線と前記走査線の交差部に配置されたアクティブ素子と、前記アクティブ素子で駆動される画素電極を有する画素回路、および前記画素電極のそれぞれに対応してカラー画素を形成する複数色のカラーフィルタをマトリクス状に配列したディスプレイ装置であって、
前記アクティブ素子のうちの前記ポリシリコン膜が他と異なる異質結晶部分に作り込まれたアクティブ素子で駆動される画素のカラーフィルタが前記表示領域の面内に散在していることを特徴とするディスプレイ装置。 - 前記異質結晶部分に作り込まれたアクティブ素子で駆動される画素のカラーフィルタが、同一のデータ線に並行な直線上から外れた位置に配置されていることを特徴とする請求項9に記載のディスプレイ装置。
- 前記異質結晶部分に作り込まれたアクティブ素子で駆動される画素のカラーフィルタが、同一のドレイン線上で1または複数の画素毎に不連続した位置に配置されていることを特徴とする請求項9に記載のディスプレイ装置。
- 前記アクティブ・マトリクス基板上に形成されたアクティブ素子で駆動される画素を形成するカラーフィルタの配列の周期性と前記アクティブ素子配列の周期性とが異なることを特徴とする請求項9〜11の何れかに記載のディスプレイ装置。
- 前記アクティブ素子配列の周期が前記画素配列の周期の2倍であることを特徴とする請求項12に記載のディスプレイ装置。
- 同一のデータ線によってデータが書き込まれる画素のアクティブ素子が、当該データ線の両側に配置されていることを特徴とする請求項9〜11の何れかに記載のディスプレイ装置。
- 同一のデータ線によってデータが書き込まれる画素のアクティブ素子が、当該データ線の両側に交互に配置されていることを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ装置。
- アクティブ・マトリクス基板の表示領域の一方向に延在して並設された多数のデータ線と、前記一方向と交差する他方向に延在して並設された多数の走査線と、前記アクティブ・マトリクス基板上に形成されたポリシリコン膜で作り込まれて前記データ線と前記走査線の交差部に配置されたアクティブ素子、および前記アクティブ素子で駆動される画素電極を有する画素回路からなる画素をマトリクス状に配列したディスプレイ装置の製造方法であって、
長軸と短軸を有する短冊状の単位照射パターンを有するレーザの前記長軸を前記アクティブ・マトリクス基板の一辺に対して1〜45°の範囲の交差角で交差させ、かつ前記アクティブ・マトリクス基板の一辺に平行な方向に前記単位照射パターンの1または数パターンごとに移動させて走査することにより前記アモルファスシリコン膜を結晶化してポリシリコン膜に改質する工程と、
前記レーザ照射で改質されたポリシリコン膜に前記アクティブ素子を作り込む工程と、
を少なくとも有することを特徴とするディスプレイ装置の製造方法。 - アクティブ・マトリクス基板の表示領域の一方向に延在して並設された多数のデータ線と、前記一方向と交差する他方向に延在して並設された多数の走査線と、前記アクティブ・マトリクス基板上に形成されたポリシリコン膜で作り込まれて前記データ線と前記走査線の交差部に配置されたアクティブ素子、および前記アクティブ素子で駆動される画素電極を有する画素回路からなる画素をマトリクス状に配列したディスプレイ装置の製造方法であって、
長軸と短軸を有する短冊状の単位照射パターンを有するレーザの前記長軸を前記アクティブ・マトリクス基板の一辺に平行、かつ前記アクティブ・マトリクス基板の一辺に平行な方向に前記単位照射パターンの1または数パターンごとに移動させて走査することにより前記アモルファスシリコン膜を結晶化してポリシリコン膜に改質する工程と、
前記単位照射パターンのレーザ照射で改質されたポリシリコン膜に、前記データ線の延在方向の両側に交互に配置させて前記アクティブ素子を作り込む工程と、
を少なくとも有することを特徴とするディスプレイ装置の製造方法。 - 前記レーザの前記長軸と前記アクティブ・マトリクス基板の一辺となす角度を、隣接または近接する同色の画素の前記アクティブ素子を通る直線から外した角度にある如く前記走査を行うことを特徴とする請求項16または17に記載のディスプレイ装置の製造方法。
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