JP2004138802A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチギャップ方式を用いたときの透過表示領域と反射表示領域との境に位置する傾斜領域での光学特性の低下を軽減し、表示品位を向上させる。
【解決手段】アレイ基板1において透明電極12が形成された透過表示領域と絶縁層13上に反射電極14が形成された反射表示領域との境に位置する傾斜領域における絶縁層の下に、透過率および反射率が低い遮光膜10を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】アレイ基板1において透明電極12が形成された透過表示領域と絶縁層13上に反射電極14が形成された反射表示領域との境に位置する傾斜領域における絶縁層の下に、透過率および反射率が低い遮光膜10を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過表示領域と反射表示領域を備えた半透過型の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯情報端末等の表示装置として、透過表示領域と反射表示領域を併せ持つ半透過型の液晶表示装置が多く用いられている。このような液晶表示装置では、反射表示領域においては外光を、透過表示領域においてはバックライトを画像表示の光源として用いている(例えば、特許文献1参照)。半透過型の液晶表示装置には、透過表示領域の液晶層の厚み(以下「セルギャップ」という)と反射表示領域のセルギャップが同一である、いわゆるシングルギャップ方式のものと、透過表示領域のセルギャップの方が反射表示領域のセルギャップよりも厚い、いわゆるマルチギャップ方式のものとがある。
【0003】
マルチギャップ方式の液晶表示装置は、図12の概略的な断面図に示すように、アレイ基板1と対向基板2との間隙に液晶層3を備え、アレイ基板1上に透明電極12が形成された透過表示領域56と、アレイ基板1上に絶縁層13を介して反射電極14が凹凸状に形成された反射表示領域57を画素毎に備える。透過表示領域56ではバックライト4からの光をアレイ基板1、液晶層3、対向基板2を介して外部へ透過し、反射表示領域57では外部から対向基板2を介して入射してきた光を反射電極14で反射する。
【0004】
透過表示領域56の透過率が最大となるリタデーション値は、反射表示領域57の反射率が最大となるリタデーション値の約2倍であるため、透過表示領域56のセルギャップが反射表示領域57のセルギャップよりも厚いマルチギャップ方式は、シングルギャップ方式と比べて透過輝度が高く、高品位な液晶表示装置を実現することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−275660号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マルチギャップ方式の液晶表示装置は、図12の断面図に示すように、セルギャップの薄い領域とセルギャップの厚い領域との境に、絶縁層13が傾斜した領域(以下「傾斜領域」という)58が存在する。傾斜領域58は、各画素で開口領域の約1割〜2割程度を占めるため、傾斜領域58による光学特性の影響を無視することができない。
【0007】
同図に示すように、傾斜領域58において絶縁層13上に反射電極14を形成することにより、傾斜領域58を反射表示領域57の一部とした場合には、傾斜領域58は反射表示領域57の他の部分に比べセルギャップが厚い領域となり、傾斜領域58のリタデーション値が狙い値より大きくなるため、傾斜領域58で白表示に黄色味がかることとなる。また、図13の反射率−印加電圧特性に示すように、セルギャップの薄い領域では、反射率が高い白表示から反射率が低い黒表示までの範囲において、反射率と液晶層3に印加する印加電圧とがほぼ比例関係にあるので、印加電圧を変化させることによって階調を連続的に変化させることが可能である。しかし、傾斜領域58を一部に含む反射表示領域57の全体としては白表示においてこの比例関係がなく、印加電圧の変化方向に対して階調の変化方向が反転してしまう。このため、反射表示領域57における表示品位が著しく低下するといった問題がある。
【0008】
また、図14の断面図に示すように、傾斜領域58において絶縁層上に透明電極12を形成することにより傾斜領域58を透過表示領域56の一部とした場合には、傾斜領域58は透過表示領域56の他の部分に比べてセルギャップが薄い領域となり、傾斜領域58のリタデーション値は狙い値より小さくなる。このため、図15の透過率−印加電圧特性に示すように、傾斜領域58では透過率が低い黒表示において印加電圧の変化方向に対して階調の変化方向が反転してしまい、光抜けが発生し、コントラストが低下し、透過表示領域56における表示品が著しく低下するといった問題がある。
【0009】
本発明は、上記に鑑みなてなされたものであり、その目的とするところは、マルチギャップ方式を用いたときの透過表示領域と反射表示領域との境に位置する傾斜領域での光学特性の低下を軽減し、表示品位を向上させた半透過型の液晶表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明に係る液晶表示装置は、透明電極が形成された透過表示領域、絶縁層を介して反射電極が形成された反射表示領域、前記透過表示領域と前記反射表示領域の境に位置する絶縁層が傾斜した傾斜領域を画素毎に備え、前記傾斜領域における絶縁層の下に遮光膜を備えたアレイ基板と、前記アレイ基板の前記透明電極および前記反射電極が形成された側に対向して配置された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間隙に設けられた液晶層と、前記アレイ基板の前記液晶層との反対側に配置されたバックライトと、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、傾斜領域における絶縁層の下に遮光膜を設けたことで、傾斜領域での光の透過および反射を防ぎ、傾斜領域が透過表示にも反射表示にも影響を与えないようにしている。
【0012】
第2の本発明に係る液晶表示装置は、前記遮光膜が、Mo,W,Ta,Alを含む金属のうちのいずれかを単独で用いた金属膜、或いはこれらの金属を少なくとも1つ以上用いた合金膜、或いはこれら金属膜と合金膜のうちの少なくとも2層以上を積層した膜のいずれかにより形成されることを特徴とする。
【0013】
第3の本発明に係る液晶表示装置は、前記遮光膜が、ポリシリコン膜により形成されることを特徴とする。
【0014】
第4の本発明に係る液晶表示装置は、前記遮光膜が、各画素において前記遮光膜により覆われていない傾斜領域の面積が透過開口面積の5%〜25%の範囲となるように形成されることを特徴とする。
【0015】
第5の本発明に係る液晶表示装置は、前記反射電極の端部が傾斜領域に入り込み、前記反射表示領域と前記傾斜領域が一部重複するものであって、前記遮光膜の幅は、一方が前記傾斜領域の反射表示領域側の端部と前記反射表示領域の端部との間にあり、他方が当該傾斜領域の透過表示領域側の端部を超える範囲の幅で形成されることを特徴とする。
【0016】
第6の本発明に係る液晶表示装置は、前記反射電極の端部が傾斜領域に入り込み、前記反射表示領域と前記傾斜領域が一部重複するものであって、前記遮光膜の幅は、一方が前記傾斜領域の反射表示領域側の端部と前記反射領域の端部との間にあり、他方が当該傾斜領域の透過表示領域側の端部を超えない範囲の幅で形成されることを特徴とする。
【0017】
第7の本発明に係る液晶表示装置は、前記遮光膜が、電気的に独立して形成されることを特徴とする。
【0018】
第8の本発明に係る液晶表示装置は、透明電極が形成された透過表示領域、光吸収性絶縁層を介して反射電極が形成された反射表示領域、前記透過表示領域と前記反射表示領域との境に位置する光吸収性絶縁層が傾斜した傾斜領域を画素毎に備えたアレイ基板と、前記アレイ基板の前記透明電極および前記反射電極が形成された側に対向して配置された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間隙に設けられた液晶層と、前記アレイ基板の前記液晶層との反対側に配置されたバックライトと、を有することを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、光吸収性絶縁層を介して反射電極を形成するようにしたことで、傾斜領域での光の透過および反射を防ぎ、傾斜領域が透過表示にも反射表示にも影響を与えないようにしている。
【0020】
第9の本発明にに係る液晶表示装置は、前記透明電極が、前記光吸収性絶縁層の下まで延出され、液晶層を駆動する閾値に満たない電圧が印加されている状態で黒表示となるノーマリブラック型であることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
本実施の形態における液晶表示装置は、図1の断面図に示すように、対向配置されたアレイ基板1と対向基板2との間隙に液晶層3を備え、アレイ基板1の液晶層3との反対側にバックライト4が配置された構成である。
【0023】
アレイ基板1は、ガラス基板11上に透明電極12が形成された透過表示領域と、ガラス基板11上に凸凹状の絶縁層13を介して反射電極14が形成された反射表示領域とを画素毎に備える。透過表示領域と反射表示領域では、絶縁層13の厚さの分だけセルギャップが異なる。各画素では、透明電極12と反射電極14によりいわゆる画素電極が形成される。反射電極14は、隣接する別の画素の反射電極と接しないように形成される。絶縁層13は、ガラス基板11上に設けられた画素駆動用の薄膜トランジスタ15や信号線16を覆うように形成される。透過表示領域と反射表示領域との境に位置する絶縁層13が傾斜した傾斜領域では、絶縁層13上に透明電極12が形成される。この傾斜領域における絶縁層13の下には遮光膜10が配置される。
【0024】
遮光膜10は、光透過率および光反射率を低くするため、Mo,W,Ta,Alを含む金属のうちのいずれかを単独で用いた金属膜、或いはこれらの金属を少なくとも1つ以上用いた合金膜、或いはこれら金属膜および合金膜のうちの少なくとも2層以上を積層した膜、或いはポリシリコン膜により形成される。また、遮光膜10は、遮光膜上部の積層膜の形状に影響を及ぼさない程度の膜厚に形成される。例えば、遮光膜10をMoWの合金膜で形成し、その幅を4μm、膜厚を250nmとする。また、遮光膜10は、周辺の液晶駆動回路に電気的な影響を与えないように、周辺の液晶駆動回路に接触しないように電気的に独立して形成される。
【0025】
対向基板2は、ガラス基板21上にカラーフィルタ層22が形成され、このカラーフィルタ層22を覆うように透明電極24が形成される。対向基板2は、カラーフィルタ層22をアレイ基板1に向けた状態でアレイ基板1に対向して配置される。
【0026】
液晶層3では、電圧を印加していない状態で液晶分子がほぼ同一方向に並ぶように配置される。アレイ基板1の透明電極12および反射電極14上、および対向基板2の透明電極24上には互いに平行で逆の方向にラビング配向処理が施された配向膜が形成される。液晶層3の厚みは、使用する液晶の種類によって透過表示領域と反射表示領域とでそれぞれ適切な値を設定する。
【0027】
アレイ基板1とバックライト4との間には、位相差板31、位相差板32、偏光板33がこの順で配置される。また、対向基板2の液晶層3との反対側には、位相差板41、位相差板42、偏光板43がこの順で配置される。
【0028】
本液晶表示装置は、バックライト4から透明電極12に入射する光および外部から入射して反射電極14で反射する光を光源として用い、液晶層3への印加電圧を変化させることにより階調を連続的に変化可能として画像表示を行う半透過型の液晶表示装置である。
【0029】
透明電極12および反射電極14は、対向基板2の透明電極24との間に液晶層3を駆動するための電圧を印加するために、絶縁層13に設けられたコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ15に接続される。
【0030】
次に、遮光膜10の様々な形態について説明する。図2の断面拡大図に示すように、反射電極14の端部は傾斜領域58に入り込むように形成される。この場合、反射表示領域57と傾斜領域58は一部重複することとなる。遮光膜10の幅は、一例として、一方が傾斜領域58の反射表示領域側の端部51と反射表示領域57の端部52との間にあり、他方が傾斜領域58の透過表示領域側の端部53を超える範囲の幅で形成される。すなわち、遮光膜10は、その幅が傾斜領域58の幅を完全に覆うように形成される。あるいは、図3の断面拡大図に示すように、遮光膜10の幅は、一方が傾斜領域58の反射表示領域側の端部51と反射表示領域57の端部52との間にあり、他方が傾斜領域58の透過表示領域側の端部53を超えない範囲の幅で形成される。また、図4の画素の平面図に示すように、透明電極12と反射電極14との境に傾斜領域58が長方形の形状に形成される場合に、遮光膜10は、例えば傾斜領域58の2辺について形成される。もちろん4辺全てについて遮光膜10が形成されるようにしてもよい。すなわち、遮光膜10は、傾斜領域58の一部あるいは全てを覆うように形成される。
【0031】
このように、遮光膜10の形態は様々なものがあり得るが、各画素における遮光膜10の面積は、透過開口面積に対する光抜け面積の比率をどの程度に設定するかによって決定される。ここで、光抜け面積とは、遮光膜10によって覆われていない傾斜領域58の面積のことをいうものとする。図5のグラフに示すように、光抜け面積が透過開口面積の25%以下になると、コントラストが50以上になることが確認された。また、光抜け面積が透過開口面積の5%以下になると、透過開口率が低くなり透過表示において十分な明るさが得られなくなる。そこで、本実施の形態では、光り抜け面積を透過開口面積の5%〜25%の範囲とする。このような比率が得られるように、図2乃至図4を用いて説明した手法で遮光膜10を形成するようにする。
【0032】
遮光膜10は、前述したように透過率および反射率が低いので、図6の断面図に示すように、バックライト4から照射された光は遮光膜10を透過せず、外部から対向基板2を介して入射してきた光は遮光膜10で反射しないこととなる。すなわち、遮光膜10が設けられた傾斜領域58は、透過表示にも反射表示にも影響を与えないこととなる。
【0033】
したがって、本実施の形態によれば、傾斜領域58における絶縁層の下に遮光膜10を設けたことで、バックライト4から照射された光が遮光膜10を透過しなくなるので、透過表示における黒表示の際の光抜けを防止でき、傾斜領域58での光学特性の低下を軽減することができる。これによって、コントラストの低下を抑えることができ、もって表示品位を向上させることができる。
【0034】
また、本実施の形態によれば、外部から対向基板2を介して入射してきた光が遮光膜10により反射しなくなるので、階調の変化方向の反転を防止でき、もって表示品位を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、傾斜領域58における絶縁層13上に透明電極12を形成し、傾斜領域58を透過表示領域56の一部としたが、これに限られるものではない。例えば、傾斜領域58における絶縁層13上に反射電極14を形成し、傾斜領域58を反射表示領域57の一部とした場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0036】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、図7の断面図に示すように、光吸収材からなる絶縁層(以下「光吸収性絶縁層」という)61を介して反射電極14が形成される。光吸収性絶縁層61の形状は、図1の絶縁層13の形状と同様である。この光吸収性絶縁層61の厚さの分だけ、透過表示領域ではセルギャップが厚くなり、反射表示領域ではセルギャップが薄くなる。なお、その他、図1と同一物には同一の符号を付すこととし、ここでは説明を省略する。
【0037】
光吸収性絶縁層61は、例えば、黒色顔料を25wt%添加した感光性アクリル性透明樹脂をスピンナー塗布して90℃で10分乾燥し、フォトマスクを介して365nmの波長で100mJ/cm2の露光処理を行い、pH11.5のアルカリ水溶液を用いて現像し、200℃で60分焼成し、厚さ3.6μmになるように形成する。このように形成した場合の光吸収性絶縁層61の光学濃度は2.2となった。
【0038】
反射電極14の端部は、図8の拡大断面図に示すように、光吸収性絶縁層61に沿って傾斜領域58に入り込むように形成される。この場合、反射表示領域57と傾斜領域58は一部重複することとなる。あるいは、反射電極14の端部は、図9の拡大断面図に示すように、傾斜領域58に入り込まないように傾斜領域58の端部まで形成することとしてもよい。この場合は、反射表示領域57と傾斜領域58に重複は生じない。
【0039】
透明電極12は、図8、図9のいずれにおいても、傾斜領域58において光吸収性絶縁層61の上に形成される。これにより、透過表示において傾斜領域58における液晶分子を駆動できる。
【0040】
傾斜領域58の反射表示領域側では、光吸収性絶縁層61が厚く光吸収の効果が大きいので、光吸収性絶縁層61によりバックライト4からの光が吸収される。また、傾斜領域58の透過表示領域側では、光吸収性絶縁層61が薄くなり光吸収の効果が少なくなるが、この部分でのセルギャップの厚さは透過表示領域56のものに近く、狙い値に近いリタデーション値が得られるので、透過表示に対する影響は小さい。
【0041】
したがって、本実施の形態によれば、光吸収性絶縁層61を介して反射電極14を形成するようにしたことで、傾斜領域58の反射表示領域側ではバックライト4からの光が吸収されるので、透過表示における黒表示での光抜けを防ぎ、コントラストの低下を抑えることができ、もって表示品位を向上させることができる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、外部から対向基板2を介して入射してきた光は傾斜領域58で光吸収性絶縁層61により反射しなくなるので、階調の変化方向の反転を防止でき、もって表示品位を向上させることができる。
【0043】
[第3の実施の形態]
本実施の形態の液晶表示装置は、図7の光吸収性絶縁層61の上に形成された透明電極12に代えて、図10の断面図に示すように、透過表示領域を形成する透明電極62を光吸収性絶縁層61の下まで延出した構成である。より具体的には、透明電極62は、図11の断面拡大図に示すように、反射表示領域57の内部まで延出される。また、透明電極62は、液晶層駆動用の電圧以外の電圧が印加されないように、信号線16に接触しないように形成される。反射電極14の端部は、一例として傾斜領域58に入り込むように光吸収性絶縁層61の上に沿って形成される。
【0044】
液晶層3では、電圧を印加していない状態で液晶分子がほぼ同一方向に並ぶように配置される。ここでは、液晶分子がアレイ基板1と対向基板2に対して垂直方向に並ぶようにラビング配向処理が施された垂直配向膜を透明電極62と反射電極14上および対向基板2の透明電極24上に形成し、液晶層3を駆動する閾値に満たない電圧が印加されている状態で黒表示となるノーマリブラック型液晶表示装置とする。閾値未満の電圧が印加されている状態には、電圧が全く印加されない状態も含むものとする。なお、その他、図1と同一物には同一の符号を付すこととし、ここでは説明を省略する。
【0045】
透明電極62および反射電極14に閾値以上の電圧が印加されると、透過表示領域56および反射表示領域57では白表示あるいは中間調表示の状態となる。傾斜領域58では、透明電極62が光吸収性絶縁層61の下に形成されているので液晶層3に電圧が印加されず、傾斜領域58では黒表示の状態が保持される。
【0046】
透明電極62および反射電極14に閾値未満の電圧が印加されると、透過表示領域56および反射表示領域57は黒表示の状態となる。この場合、傾斜領域58の反射表示領域側では、光吸収性絶縁層61が厚く光吸収の効果が大きいので、光吸収性絶縁層61によりバックライト4からの光が吸収される。また、傾斜領域58の透過表示領域側では、光吸収性絶縁層61が薄くなり光吸収の効果が少なくなるが、この部分でのセルギャップの厚さは透過表示領域56のものに近く、狙い値に近いリタデーション値が得られるので、透過表示に対する影響は小さい。
【0047】
したがって、本実施の形態によれば、透明電極62を光吸収性絶縁層61の下まで延出し、さらにノーマリブラック型の液晶表示装置としたことで、透明電極62および反射電極14に閾値以上の電圧が印加された場合に、傾斜領域58上における液晶層3には電圧が印加されず、傾斜領域58では黒表示の状態が保持されるので、階調の変化方向の反転を防止でき、もって表示品位を向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、光吸収性絶縁層61を用いたことで、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る液晶表示装置によれば、透過表示領域と反射表示領域との境に位置する傾斜領域での光学特性の低下を軽減し、表示品位を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図2】上記液晶表示装置の構成を示す拡大断面図である。
【図3】上記液晶表示装置の別の構成を示す拡大断面図である。
【図4】上記液晶表示装置における画素の構成を示す平面図である。
【図5】透過開口面積に対する光抜け面積の比率とコントラストとの関係を示すグラフである。
【図6】上記液晶表示装置の遮光膜によりバックライトからの光が透過せず、外部からの光が反射しない様子を示す断面図である。
【図7】第2の実施の形態における液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図8】図7に示す液晶表示装置の構成を示す拡大断面図である。
【図9】図7に示す液晶表示装置の別の構成を示す拡大断面図である。
【図10】第3の実施の形態における液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図11】図10に示す液晶表示装置の構成を示す拡大断面図である。
【図12】従来の液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図13】図7に示す液晶表示装置の反射率−印加電圧特性を示すグラフである。
【図14】従来の液晶表示装置の別の構成を示す断面図である。
【図15】図7に示す液晶表示装置の透過率−印加電圧特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…アレイ基板
2…対向基板
3…液晶層
4…バックライト
7…反射電極
11…ガラス基板
12…透明電極
13…絶縁層
14…反射電極
15…薄膜トランジスタ
16…信号線
21…ガラス基板
22…カラーフィルタ層
24…透明電極
31,32…位相差板
33,43…偏光板
41,42…位相差板
56…透過表示領域
57…反射表示領域
58…傾斜領域
61…光吸収性絶縁層
62…透明電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過表示領域と反射表示領域を備えた半透過型の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯情報端末等の表示装置として、透過表示領域と反射表示領域を併せ持つ半透過型の液晶表示装置が多く用いられている。このような液晶表示装置では、反射表示領域においては外光を、透過表示領域においてはバックライトを画像表示の光源として用いている(例えば、特許文献1参照)。半透過型の液晶表示装置には、透過表示領域の液晶層の厚み(以下「セルギャップ」という)と反射表示領域のセルギャップが同一である、いわゆるシングルギャップ方式のものと、透過表示領域のセルギャップの方が反射表示領域のセルギャップよりも厚い、いわゆるマルチギャップ方式のものとがある。
【0003】
マルチギャップ方式の液晶表示装置は、図12の概略的な断面図に示すように、アレイ基板1と対向基板2との間隙に液晶層3を備え、アレイ基板1上に透明電極12が形成された透過表示領域56と、アレイ基板1上に絶縁層13を介して反射電極14が凹凸状に形成された反射表示領域57を画素毎に備える。透過表示領域56ではバックライト4からの光をアレイ基板1、液晶層3、対向基板2を介して外部へ透過し、反射表示領域57では外部から対向基板2を介して入射してきた光を反射電極14で反射する。
【0004】
透過表示領域56の透過率が最大となるリタデーション値は、反射表示領域57の反射率が最大となるリタデーション値の約2倍であるため、透過表示領域56のセルギャップが反射表示領域57のセルギャップよりも厚いマルチギャップ方式は、シングルギャップ方式と比べて透過輝度が高く、高品位な液晶表示装置を実現することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−275660号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マルチギャップ方式の液晶表示装置は、図12の断面図に示すように、セルギャップの薄い領域とセルギャップの厚い領域との境に、絶縁層13が傾斜した領域(以下「傾斜領域」という)58が存在する。傾斜領域58は、各画素で開口領域の約1割〜2割程度を占めるため、傾斜領域58による光学特性の影響を無視することができない。
【0007】
同図に示すように、傾斜領域58において絶縁層13上に反射電極14を形成することにより、傾斜領域58を反射表示領域57の一部とした場合には、傾斜領域58は反射表示領域57の他の部分に比べセルギャップが厚い領域となり、傾斜領域58のリタデーション値が狙い値より大きくなるため、傾斜領域58で白表示に黄色味がかることとなる。また、図13の反射率−印加電圧特性に示すように、セルギャップの薄い領域では、反射率が高い白表示から反射率が低い黒表示までの範囲において、反射率と液晶層3に印加する印加電圧とがほぼ比例関係にあるので、印加電圧を変化させることによって階調を連続的に変化させることが可能である。しかし、傾斜領域58を一部に含む反射表示領域57の全体としては白表示においてこの比例関係がなく、印加電圧の変化方向に対して階調の変化方向が反転してしまう。このため、反射表示領域57における表示品位が著しく低下するといった問題がある。
【0008】
また、図14の断面図に示すように、傾斜領域58において絶縁層上に透明電極12を形成することにより傾斜領域58を透過表示領域56の一部とした場合には、傾斜領域58は透過表示領域56の他の部分に比べてセルギャップが薄い領域となり、傾斜領域58のリタデーション値は狙い値より小さくなる。このため、図15の透過率−印加電圧特性に示すように、傾斜領域58では透過率が低い黒表示において印加電圧の変化方向に対して階調の変化方向が反転してしまい、光抜けが発生し、コントラストが低下し、透過表示領域56における表示品が著しく低下するといった問題がある。
【0009】
本発明は、上記に鑑みなてなされたものであり、その目的とするところは、マルチギャップ方式を用いたときの透過表示領域と反射表示領域との境に位置する傾斜領域での光学特性の低下を軽減し、表示品位を向上させた半透過型の液晶表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明に係る液晶表示装置は、透明電極が形成された透過表示領域、絶縁層を介して反射電極が形成された反射表示領域、前記透過表示領域と前記反射表示領域の境に位置する絶縁層が傾斜した傾斜領域を画素毎に備え、前記傾斜領域における絶縁層の下に遮光膜を備えたアレイ基板と、前記アレイ基板の前記透明電極および前記反射電極が形成された側に対向して配置された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間隙に設けられた液晶層と、前記アレイ基板の前記液晶層との反対側に配置されたバックライトと、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、傾斜領域における絶縁層の下に遮光膜を設けたことで、傾斜領域での光の透過および反射を防ぎ、傾斜領域が透過表示にも反射表示にも影響を与えないようにしている。
【0012】
第2の本発明に係る液晶表示装置は、前記遮光膜が、Mo,W,Ta,Alを含む金属のうちのいずれかを単独で用いた金属膜、或いはこれらの金属を少なくとも1つ以上用いた合金膜、或いはこれら金属膜と合金膜のうちの少なくとも2層以上を積層した膜のいずれかにより形成されることを特徴とする。
【0013】
第3の本発明に係る液晶表示装置は、前記遮光膜が、ポリシリコン膜により形成されることを特徴とする。
【0014】
第4の本発明に係る液晶表示装置は、前記遮光膜が、各画素において前記遮光膜により覆われていない傾斜領域の面積が透過開口面積の5%〜25%の範囲となるように形成されることを特徴とする。
【0015】
第5の本発明に係る液晶表示装置は、前記反射電極の端部が傾斜領域に入り込み、前記反射表示領域と前記傾斜領域が一部重複するものであって、前記遮光膜の幅は、一方が前記傾斜領域の反射表示領域側の端部と前記反射表示領域の端部との間にあり、他方が当該傾斜領域の透過表示領域側の端部を超える範囲の幅で形成されることを特徴とする。
【0016】
第6の本発明に係る液晶表示装置は、前記反射電極の端部が傾斜領域に入り込み、前記反射表示領域と前記傾斜領域が一部重複するものであって、前記遮光膜の幅は、一方が前記傾斜領域の反射表示領域側の端部と前記反射領域の端部との間にあり、他方が当該傾斜領域の透過表示領域側の端部を超えない範囲の幅で形成されることを特徴とする。
【0017】
第7の本発明に係る液晶表示装置は、前記遮光膜が、電気的に独立して形成されることを特徴とする。
【0018】
第8の本発明に係る液晶表示装置は、透明電極が形成された透過表示領域、光吸収性絶縁層を介して反射電極が形成された反射表示領域、前記透過表示領域と前記反射表示領域との境に位置する光吸収性絶縁層が傾斜した傾斜領域を画素毎に備えたアレイ基板と、前記アレイ基板の前記透明電極および前記反射電極が形成された側に対向して配置された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間隙に設けられた液晶層と、前記アレイ基板の前記液晶層との反対側に配置されたバックライトと、を有することを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、光吸収性絶縁層を介して反射電極を形成するようにしたことで、傾斜領域での光の透過および反射を防ぎ、傾斜領域が透過表示にも反射表示にも影響を与えないようにしている。
【0020】
第9の本発明にに係る液晶表示装置は、前記透明電極が、前記光吸収性絶縁層の下まで延出され、液晶層を駆動する閾値に満たない電圧が印加されている状態で黒表示となるノーマリブラック型であることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
本実施の形態における液晶表示装置は、図1の断面図に示すように、対向配置されたアレイ基板1と対向基板2との間隙に液晶層3を備え、アレイ基板1の液晶層3との反対側にバックライト4が配置された構成である。
【0023】
アレイ基板1は、ガラス基板11上に透明電極12が形成された透過表示領域と、ガラス基板11上に凸凹状の絶縁層13を介して反射電極14が形成された反射表示領域とを画素毎に備える。透過表示領域と反射表示領域では、絶縁層13の厚さの分だけセルギャップが異なる。各画素では、透明電極12と反射電極14によりいわゆる画素電極が形成される。反射電極14は、隣接する別の画素の反射電極と接しないように形成される。絶縁層13は、ガラス基板11上に設けられた画素駆動用の薄膜トランジスタ15や信号線16を覆うように形成される。透過表示領域と反射表示領域との境に位置する絶縁層13が傾斜した傾斜領域では、絶縁層13上に透明電極12が形成される。この傾斜領域における絶縁層13の下には遮光膜10が配置される。
【0024】
遮光膜10は、光透過率および光反射率を低くするため、Mo,W,Ta,Alを含む金属のうちのいずれかを単独で用いた金属膜、或いはこれらの金属を少なくとも1つ以上用いた合金膜、或いはこれら金属膜および合金膜のうちの少なくとも2層以上を積層した膜、或いはポリシリコン膜により形成される。また、遮光膜10は、遮光膜上部の積層膜の形状に影響を及ぼさない程度の膜厚に形成される。例えば、遮光膜10をMoWの合金膜で形成し、その幅を4μm、膜厚を250nmとする。また、遮光膜10は、周辺の液晶駆動回路に電気的な影響を与えないように、周辺の液晶駆動回路に接触しないように電気的に独立して形成される。
【0025】
対向基板2は、ガラス基板21上にカラーフィルタ層22が形成され、このカラーフィルタ層22を覆うように透明電極24が形成される。対向基板2は、カラーフィルタ層22をアレイ基板1に向けた状態でアレイ基板1に対向して配置される。
【0026】
液晶層3では、電圧を印加していない状態で液晶分子がほぼ同一方向に並ぶように配置される。アレイ基板1の透明電極12および反射電極14上、および対向基板2の透明電極24上には互いに平行で逆の方向にラビング配向処理が施された配向膜が形成される。液晶層3の厚みは、使用する液晶の種類によって透過表示領域と反射表示領域とでそれぞれ適切な値を設定する。
【0027】
アレイ基板1とバックライト4との間には、位相差板31、位相差板32、偏光板33がこの順で配置される。また、対向基板2の液晶層3との反対側には、位相差板41、位相差板42、偏光板43がこの順で配置される。
【0028】
本液晶表示装置は、バックライト4から透明電極12に入射する光および外部から入射して反射電極14で反射する光を光源として用い、液晶層3への印加電圧を変化させることにより階調を連続的に変化可能として画像表示を行う半透過型の液晶表示装置である。
【0029】
透明電極12および反射電極14は、対向基板2の透明電極24との間に液晶層3を駆動するための電圧を印加するために、絶縁層13に設けられたコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ15に接続される。
【0030】
次に、遮光膜10の様々な形態について説明する。図2の断面拡大図に示すように、反射電極14の端部は傾斜領域58に入り込むように形成される。この場合、反射表示領域57と傾斜領域58は一部重複することとなる。遮光膜10の幅は、一例として、一方が傾斜領域58の反射表示領域側の端部51と反射表示領域57の端部52との間にあり、他方が傾斜領域58の透過表示領域側の端部53を超える範囲の幅で形成される。すなわち、遮光膜10は、その幅が傾斜領域58の幅を完全に覆うように形成される。あるいは、図3の断面拡大図に示すように、遮光膜10の幅は、一方が傾斜領域58の反射表示領域側の端部51と反射表示領域57の端部52との間にあり、他方が傾斜領域58の透過表示領域側の端部53を超えない範囲の幅で形成される。また、図4の画素の平面図に示すように、透明電極12と反射電極14との境に傾斜領域58が長方形の形状に形成される場合に、遮光膜10は、例えば傾斜領域58の2辺について形成される。もちろん4辺全てについて遮光膜10が形成されるようにしてもよい。すなわち、遮光膜10は、傾斜領域58の一部あるいは全てを覆うように形成される。
【0031】
このように、遮光膜10の形態は様々なものがあり得るが、各画素における遮光膜10の面積は、透過開口面積に対する光抜け面積の比率をどの程度に設定するかによって決定される。ここで、光抜け面積とは、遮光膜10によって覆われていない傾斜領域58の面積のことをいうものとする。図5のグラフに示すように、光抜け面積が透過開口面積の25%以下になると、コントラストが50以上になることが確認された。また、光抜け面積が透過開口面積の5%以下になると、透過開口率が低くなり透過表示において十分な明るさが得られなくなる。そこで、本実施の形態では、光り抜け面積を透過開口面積の5%〜25%の範囲とする。このような比率が得られるように、図2乃至図4を用いて説明した手法で遮光膜10を形成するようにする。
【0032】
遮光膜10は、前述したように透過率および反射率が低いので、図6の断面図に示すように、バックライト4から照射された光は遮光膜10を透過せず、外部から対向基板2を介して入射してきた光は遮光膜10で反射しないこととなる。すなわち、遮光膜10が設けられた傾斜領域58は、透過表示にも反射表示にも影響を与えないこととなる。
【0033】
したがって、本実施の形態によれば、傾斜領域58における絶縁層の下に遮光膜10を設けたことで、バックライト4から照射された光が遮光膜10を透過しなくなるので、透過表示における黒表示の際の光抜けを防止でき、傾斜領域58での光学特性の低下を軽減することができる。これによって、コントラストの低下を抑えることができ、もって表示品位を向上させることができる。
【0034】
また、本実施の形態によれば、外部から対向基板2を介して入射してきた光が遮光膜10により反射しなくなるので、階調の変化方向の反転を防止でき、もって表示品位を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、傾斜領域58における絶縁層13上に透明電極12を形成し、傾斜領域58を透過表示領域56の一部としたが、これに限られるものではない。例えば、傾斜領域58における絶縁層13上に反射電極14を形成し、傾斜領域58を反射表示領域57の一部とした場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0036】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、図7の断面図に示すように、光吸収材からなる絶縁層(以下「光吸収性絶縁層」という)61を介して反射電極14が形成される。光吸収性絶縁層61の形状は、図1の絶縁層13の形状と同様である。この光吸収性絶縁層61の厚さの分だけ、透過表示領域ではセルギャップが厚くなり、反射表示領域ではセルギャップが薄くなる。なお、その他、図1と同一物には同一の符号を付すこととし、ここでは説明を省略する。
【0037】
光吸収性絶縁層61は、例えば、黒色顔料を25wt%添加した感光性アクリル性透明樹脂をスピンナー塗布して90℃で10分乾燥し、フォトマスクを介して365nmの波長で100mJ/cm2の露光処理を行い、pH11.5のアルカリ水溶液を用いて現像し、200℃で60分焼成し、厚さ3.6μmになるように形成する。このように形成した場合の光吸収性絶縁層61の光学濃度は2.2となった。
【0038】
反射電極14の端部は、図8の拡大断面図に示すように、光吸収性絶縁層61に沿って傾斜領域58に入り込むように形成される。この場合、反射表示領域57と傾斜領域58は一部重複することとなる。あるいは、反射電極14の端部は、図9の拡大断面図に示すように、傾斜領域58に入り込まないように傾斜領域58の端部まで形成することとしてもよい。この場合は、反射表示領域57と傾斜領域58に重複は生じない。
【0039】
透明電極12は、図8、図9のいずれにおいても、傾斜領域58において光吸収性絶縁層61の上に形成される。これにより、透過表示において傾斜領域58における液晶分子を駆動できる。
【0040】
傾斜領域58の反射表示領域側では、光吸収性絶縁層61が厚く光吸収の効果が大きいので、光吸収性絶縁層61によりバックライト4からの光が吸収される。また、傾斜領域58の透過表示領域側では、光吸収性絶縁層61が薄くなり光吸収の効果が少なくなるが、この部分でのセルギャップの厚さは透過表示領域56のものに近く、狙い値に近いリタデーション値が得られるので、透過表示に対する影響は小さい。
【0041】
したがって、本実施の形態によれば、光吸収性絶縁層61を介して反射電極14を形成するようにしたことで、傾斜領域58の反射表示領域側ではバックライト4からの光が吸収されるので、透過表示における黒表示での光抜けを防ぎ、コントラストの低下を抑えることができ、もって表示品位を向上させることができる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、外部から対向基板2を介して入射してきた光は傾斜領域58で光吸収性絶縁層61により反射しなくなるので、階調の変化方向の反転を防止でき、もって表示品位を向上させることができる。
【0043】
[第3の実施の形態]
本実施の形態の液晶表示装置は、図7の光吸収性絶縁層61の上に形成された透明電極12に代えて、図10の断面図に示すように、透過表示領域を形成する透明電極62を光吸収性絶縁層61の下まで延出した構成である。より具体的には、透明電極62は、図11の断面拡大図に示すように、反射表示領域57の内部まで延出される。また、透明電極62は、液晶層駆動用の電圧以外の電圧が印加されないように、信号線16に接触しないように形成される。反射電極14の端部は、一例として傾斜領域58に入り込むように光吸収性絶縁層61の上に沿って形成される。
【0044】
液晶層3では、電圧を印加していない状態で液晶分子がほぼ同一方向に並ぶように配置される。ここでは、液晶分子がアレイ基板1と対向基板2に対して垂直方向に並ぶようにラビング配向処理が施された垂直配向膜を透明電極62と反射電極14上および対向基板2の透明電極24上に形成し、液晶層3を駆動する閾値に満たない電圧が印加されている状態で黒表示となるノーマリブラック型液晶表示装置とする。閾値未満の電圧が印加されている状態には、電圧が全く印加されない状態も含むものとする。なお、その他、図1と同一物には同一の符号を付すこととし、ここでは説明を省略する。
【0045】
透明電極62および反射電極14に閾値以上の電圧が印加されると、透過表示領域56および反射表示領域57では白表示あるいは中間調表示の状態となる。傾斜領域58では、透明電極62が光吸収性絶縁層61の下に形成されているので液晶層3に電圧が印加されず、傾斜領域58では黒表示の状態が保持される。
【0046】
透明電極62および反射電極14に閾値未満の電圧が印加されると、透過表示領域56および反射表示領域57は黒表示の状態となる。この場合、傾斜領域58の反射表示領域側では、光吸収性絶縁層61が厚く光吸収の効果が大きいので、光吸収性絶縁層61によりバックライト4からの光が吸収される。また、傾斜領域58の透過表示領域側では、光吸収性絶縁層61が薄くなり光吸収の効果が少なくなるが、この部分でのセルギャップの厚さは透過表示領域56のものに近く、狙い値に近いリタデーション値が得られるので、透過表示に対する影響は小さい。
【0047】
したがって、本実施の形態によれば、透明電極62を光吸収性絶縁層61の下まで延出し、さらにノーマリブラック型の液晶表示装置としたことで、透明電極62および反射電極14に閾値以上の電圧が印加された場合に、傾斜領域58上における液晶層3には電圧が印加されず、傾斜領域58では黒表示の状態が保持されるので、階調の変化方向の反転を防止でき、もって表示品位を向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、光吸収性絶縁層61を用いたことで、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る液晶表示装置によれば、透過表示領域と反射表示領域との境に位置する傾斜領域での光学特性の低下を軽減し、表示品位を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図2】上記液晶表示装置の構成を示す拡大断面図である。
【図3】上記液晶表示装置の別の構成を示す拡大断面図である。
【図4】上記液晶表示装置における画素の構成を示す平面図である。
【図5】透過開口面積に対する光抜け面積の比率とコントラストとの関係を示すグラフである。
【図6】上記液晶表示装置の遮光膜によりバックライトからの光が透過せず、外部からの光が反射しない様子を示す断面図である。
【図7】第2の実施の形態における液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図8】図7に示す液晶表示装置の構成を示す拡大断面図である。
【図9】図7に示す液晶表示装置の別の構成を示す拡大断面図である。
【図10】第3の実施の形態における液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図11】図10に示す液晶表示装置の構成を示す拡大断面図である。
【図12】従来の液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図13】図7に示す液晶表示装置の反射率−印加電圧特性を示すグラフである。
【図14】従来の液晶表示装置の別の構成を示す断面図である。
【図15】図7に示す液晶表示装置の透過率−印加電圧特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…アレイ基板
2…対向基板
3…液晶層
4…バックライト
7…反射電極
11…ガラス基板
12…透明電極
13…絶縁層
14…反射電極
15…薄膜トランジスタ
16…信号線
21…ガラス基板
22…カラーフィルタ層
24…透明電極
31,32…位相差板
33,43…偏光板
41,42…位相差板
56…透過表示領域
57…反射表示領域
58…傾斜領域
61…光吸収性絶縁層
62…透明電極
Claims (9)
- 透明電極が形成された透過表示領域と絶縁層を介して反射電極が形成された反射表示領域とを画素毎に備え、前記透過表示領域と前記反射表示領域との境に位置する絶縁層が傾斜した傾斜領域における当該絶縁層の下に遮光膜を備えたアレイ基板と、
前記アレイ基板の前記透明電極および前記反射電極が形成された側に対向して配置された対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間隙に設けられた液晶層と、
前記アレイ基板の前記液晶層との反対側に配置されたバックライトと、
を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 前記遮光膜は、Mo,W,Ta,Alを含む金属のうちのいずれかを単独で用いた金属膜、或いはこれらの金属を少なくとも1つ以上用いた合金膜、或いはこれら金属膜と合金膜のうちの少なくとも2層以上を積層した膜のいずれかにより形成されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
- 前記遮光膜は、ポリシリコン膜により形成されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
- 前記遮光膜は、各画素において前記遮光膜により覆われていない傾斜領域の面積が透過開口面積の5%〜25%の範囲となるように形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記反射電極の端部が傾斜領域に入り込み、前記反射表示領域と前記傾斜領域が一部重複するものであって、
前記遮光膜の幅は、一方が前記傾斜領域の反射表示領域側の端部と前記反射表示領域の端部との間にあり、他方が当該傾斜領域の透過表示領域側の端部を超える範囲の幅で形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 前記反射電極の端部が傾斜領域に入り込み、前記反射表示領域と前記傾斜領域が一部重複するものであって、
前記遮光膜の幅は、一方が前記傾斜領域の反射表示領域側の端部と前記反射領域の端部との間にあり、他方が当該傾斜領域の透過表示領域側の端部を超えない範囲の幅で形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 前記遮光膜は、電気的に独立して形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 透明電極が形成された透過表示領域、光吸収性絶縁層を介して反射電極が形成された反射表示領域、前記透過表示領域と前記反射表示領域との境に位置する光吸収性絶縁層が傾斜した傾斜領域を画素毎に備えたアレイ基板と、
前記アレイ基板の前記透明電極および前記反射電極が形成された側に対向して配置された対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間隙に設けられた液晶層と、
前記アレイ基板の前記液晶層との反対側に配置されたバックライトと、
を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 前記透明電極が、前記光吸収性絶縁層の下まで延出され、前記液晶層を駆動する閾値に満たない電圧が印加されている状態で黒表示となるノーマリブラック型であることを特徴とする請求項8記載の液晶表示装置。
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