JP2004138650A - 電極棒及び光ファイバ融着接続装置並びに光ファイバ融着接続方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極棒の所定の箇所を絶縁体で覆い放電を行う先端部を特定しガラス等の付着による放電路への影響を防ぐ。
【解決手段】光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒13、19のうち少なくとも一方の電極棒を、放電を所定の放電路に保つため、先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆う。これにより、放電を行う位置が先端部17、23のみに限定される。そして、対の電極棒13、19との間で放電を行う。この結果、ガラスの付着が除去され安定した放電路が保たれる。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒13、19のうち少なくとも一方の電極棒を、放電を所定の放電路に保つため、先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆う。これにより、放電を行う位置が先端部17、23のみに限定される。そして、対の電極棒13、19との間で放電を行う。この結果、ガラスの付着が除去され安定した放電路が保たれる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極棒及び光ファイバ融着接続装置並びに光ファイバ融着接続方法に関し、さらに詳細には、放電用の電極棒の寿命を延ばすため絶縁体により先端部のみを露出した電極棒及びこの電極棒を備えた光ファイバ融着接続装置並びにその電極棒を使用した光ファイバ融着接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放電の熱により光ファイバを溶かして接続する融着接続装置では通常アーク放電を発生する電極棒にタングステンを使用する。図4(a)にこの構成を示す。従来の融着接続装置51は対の電極棒53、55により光ファイバ57と、光ファイバ59とを融着接続する。
【0003】
融着接続では光ファイバの損失が大変重要な要求性能になる。この接続損失はいくつかの要因により発生するが、もっとも大きな要因は接続時の光ファイバに加えられる熱量である。従ってこの熱量を常に一定にする必要がある。光ファイバに加えられる熱量は以下の3つの要因により決定される。
【0004】
第1の要因は、電極棒間の放電電流である。第2の要因は電極棒間の放電電圧である。そして、第3の要因は放電路と光ファイバの相対位置である。
【0005】
まず、上記第1の要因については通常、融着接続装置内の放電発生回路59に流れる放電電流を常に測定して、その値が一定になるように補正する補正回路が備え付けられている。この電気回路により電極棒間の放電電流は常に一定になっている。
【0006】
次に、上記第2の要因については、向かい合わせた電極棒の先端間隔(放電している場所の間隔)により一定となるので電極棒を動かないように固定しておけば常に一定の電圧で放電が行われる。
【0007】
ただし、放電している場所の気圧が変化した場合は放電電圧も変化する。そのため通常の融着接続装置では内部の気圧センサを装備して、常に気圧を測定して補正を行っている。この結果、図4(b)に示すように、対の電極棒53、55による放電路61は安定している。
【0008】
残る上記第3の要因については放電電極棒が新しいうちは放電が行われる位置は一定しているが接続される光ファイバの一部(例えば、石英ガラス)が付着する。するとガラスは絶縁物なのでこのガラスを避けて放電が行われる。図4(c)に示すように、この結果、対の電極棒53、55による放電路63は光ファイバの一部の堆積物65により安定しない。
【0009】
このガラスの付着物は小さいので初めは問題にならないが1000回程度接続を繰り返すとこの付着したガラスの堆積量が大きくなるので、このガラスを避けて放電が行われると放電の位置が大きくずれて、その結果光ファイバに加わる熱量が変わってしまう。このような状態になった場合、以前は電極棒を新しいものに交換していた。しかしこれは電極棒の費用の負担になる。
【0010】
そのため放電路を安定させて電極棒の寿命を伸ばす方法が提案されている。例えば、特許文献1では、電極棒先端に金属の輪を用意しこれに電圧をかけることで放電路の位置を制御する。もし電極棒先端にガラスが堆積して放電の発生する位置がずれたとしても、この金属の輪に加える電圧を変えることで放電路の位置を制御する。
【0011】
また特許文献2では放電電極棒を挟むように2枚の誘電体の板を設置することにより、誘電体が放電路周辺の電界を安定化することにより放電路を安定させる効果を示している。
【0012】
【特許文献1】
US6336750
【0013】
【特許文献2】
特開2001−66456
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記特許文献1の従来技術では金属の輪の設置が問題となる。放電電極の間は通常1〜2mmと狭くその間に光ファイバがセットされている。これらを避けるように金属の輪を配置する必要がある。また電気を流すために配線もこの付近を通す必要がある。
【0015】
また、放電電極棒の間で放電を行うため片方の電極棒には数千ボルトの高圧がかけられる。このとき金属輪が近くにあるとこの輪を通じて他の部分に放電が飛んでしまう恐れがあるため十分な絶縁手段を講じる必要がある。また金属の輪に電圧を加えるために別途電源が必要になる。このようにして上記特許文献1に記載の従来技術は実際の装置に適用する場合は問題が多い。
【0016】
また特許文献2の場合は誘電体により外部からの放電電解に対する影響や風による空気の揺らぎを抑える効果があるが、本特許で問題としている電極棒先端にガラスが付着することにより発生する放電位置の移動を抑制する効果については開示されていない。また電極棒の寿命に関しても考慮されていない。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、光ファイバの融着接続に使用する放電用の電極棒において、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒の先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆い、放電を行う位置を前記先端部のみに限定した電極棒である。
【0018】
請求項2に係る発明は、光ファイバの融着接続に使用する放電用の電極棒において、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、絶縁体板が有する貫通穴に前記電極棒の先端部を挿入して固定し、放電を行う位置を先端部のみに限定した電極棒である。
【0019】
請求項3に係る発明は、露出している先端部の長さが2mm以下である上記電極棒である。
【0020】
請求項4に係る発明は、光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続装置において、光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒の先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆い、放電を行う位置を前記先端部のみに限定した光ファイバ融着接続装置である。
【0021】
請求項5に係る発明は、光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続装置において、光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、絶縁体板が有する貫通穴に前記電極棒の先端部を挿入して固定し、放電を行う位置を前記先端部のみに限定した光ファイバ融着接続装置である。
【0022】
請求項6に係る発明は、露出している先端部の長さが2mm以下である上記光ファイバ融着接続装置である。
【0023】
請求項7に係る発明は、光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続方法において、光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒の先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆い、放電を行う位置を前記先端部のみに限定した光ファイバ融着接続方法である。
【0024】
請求項8に係る発明は、光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続方法において、光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、絶縁体板が有する貫通穴に前記電極棒の先端部を挿入して固定し、放電を行う位置を先端部のみに限定した光ファイバ融着接続方法である。
【0025】
請求項9に係る発明は、露出している先端部の長さが2mm以下である光ファイバ融着接続方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0027】
図1を参照する。光ファイバ融着接続装置1は、光ファイバをV溝により位置決めし移動させる光ファイバガイド3、5を備えている。そして、例えばアーク放電を行いながら前記光ファイバガイド3に位置決めされた光ファイバ7を矢印AR1方向に移動し、前記光ファイバガイド5に位置決めされた光ファイバ9を矢印AR2方向に移動させ融着する。
【0028】
放電回路11は電気線を介して一方の電極棒13に接続されている。同じく電気線を介して他方の電極棒19に接続されている。そして、対になっている前記電極棒13、19による放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒13の先端部17以外の少なくとも一部分を絶縁体15で覆う。また、前記電極棒19の先端部21以外の少なくとも一部分を絶縁体21で覆う。これにより、放電を行う位置を前記先端部17、23のみに限定できる。
【0029】
図2に電極棒13を絶縁体で覆う例を示す(なお、説明を省略するが電極棒19についても同様である)。図2(a)に示すよう円柱の電極棒13の一端側を円錐形に形成する。そして、この円錐形の先端付近を覆う先端に穴のあいたキャップ状の絶縁体15を用意して、前記電極棒13の先端を矢印AR3方向に挿入し固定する。
【0030】
ここで、絶縁体は電気を通さないものなら何でも良いが放電路付近は比較的高熱となるため融点の高い石英ガラス、セラミック、又は耐熱プラスチック等が望ましい。また、予め絶縁体を加工しなくてもガラス溶射等の方法により電極棒に直接ガラスを吹き付けて固めても良い。このとき先端部17にガラスが付かないように予めカバーをしておくかあるいはガラスの吹きつけ後に先端部のガラスを除去するのは当然である。
【0031】
この結果、図2(b)に示すように、前記電極棒13の先端以外の少なくとも一部分を絶縁体15で覆い、放電を行う位置を先端部17のみに限定した電極棒13が形成される。ここで、この電極棒13の放電を行う先端部17の長さDAは2(mm)以下であることが望ましい。電極棒13の先端部17の露出する長さは長すぎるとその範囲内で放電路の位置ずれが発生して結果接続損失が悪化するためである。
【0032】
電極棒の先端のみを絶縁体から露出させる別の例を示す。図2(c)に示すように、絶縁体で形成された絶縁体板25に貫通穴27を設ける。そして、この貫通穴27に電極棒13の先端を矢印AR4方向に挿入し固定する。
【0033】
図2(d)に示すように、絶縁体板25を備えた電極棒13と、同じく絶縁体板29を備えた電極棒19ができる。そして、電極棒13、19は放電を行う位置を先端部23のみに限定されている。これなら絶縁体の加工も容易であり、また電極棒を交換する際も絶縁体を取り外す必要が無い。
【0034】
ここで、上述したように電極棒13の先端部17の長さDBと、電極棒19の先端部23の長さDCとは2mm以下であることが望ましい。
【0035】
図3は本発明に係る光ファイバ融着装置1の対の電極棒13、19の放電路を示す。
【0036】
初めに、図3(a)に示すように、電極棒13の先端部17から、電極棒19の先端部23へ放電が行われる。このとき、放電回路11(図1参照)により電極棒13、19間の放電電流、及び放電電圧は一定になるようになっている。この結果、安定した放電路31の放電が行われる。そして、先端部にガラスが堆積しようとしてもその部分で放電しようとするため結果、堆積したガラスを除去する効果があり、常に同じ場所で放電が行われる。そのため、放電電極棒を長時間使用することができ、交換回数が減り、新品の電極棒の費用及び交換の手間により発生する人件費が減りコストダウンができる。
【0037】
また、図3(b)に示すように、仮に電極棒13の先端部17にガラス27が堆積した場合でも、本発明の電極棒では、電極棒13の先端部17付近に絶縁体を設けてあるので、所定の位置からしか放電が行われない。このように放電する箇所が電極棒の先端部17、23のみなので放電路33が移動してしまうことがない。従って、放電路35が一定に保たれる。これにより、安定した光りファイバの融着接続を行うことができる。また、放電を繰り返すことにより、仮に堆積したガラス27は除去される。
【0038】
この結果、図3(c)に示すように、電極棒に付着しようとするガラス等が放電により除去されて安定した放電路35を保つことができる。
【0039】
なお、本発明は、上述した実施の態様の例に限定されることなく、適宜の変更を加えることにより、その他の態様で実施できるものである。
【0040】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、例えば、簡単な構造のガラスの筒や板により、電極棒に付着するガラス等を除去でき、また、付着しても放電路が変化しないため電極棒の寿命を長くし、ランニングコストを抑えることができるという効果がある。また、先端部を2mm以下にすることにより、その範囲内で放電路の位置ずれをさらに発生させないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ融着接続装置の概略を説明する説明図である。
【図2】(a)、(b)、(c)、(d)は電極棒を説明する説明図である。
【図3】(a)、(b)、(c)は放電路を説明する説明図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は従来の技術を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ融着接続装置
3 光ファイバガイド
5 光ファイバガイド
7 光ファイバ
9 光ファイバ
11 放電回路
13 電極棒
15 絶縁体
17 先端部
19 電極棒
21 絶縁体
23 先端部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極棒及び光ファイバ融着接続装置並びに光ファイバ融着接続方法に関し、さらに詳細には、放電用の電極棒の寿命を延ばすため絶縁体により先端部のみを露出した電極棒及びこの電極棒を備えた光ファイバ融着接続装置並びにその電極棒を使用した光ファイバ融着接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放電の熱により光ファイバを溶かして接続する融着接続装置では通常アーク放電を発生する電極棒にタングステンを使用する。図4(a)にこの構成を示す。従来の融着接続装置51は対の電極棒53、55により光ファイバ57と、光ファイバ59とを融着接続する。
【0003】
融着接続では光ファイバの損失が大変重要な要求性能になる。この接続損失はいくつかの要因により発生するが、もっとも大きな要因は接続時の光ファイバに加えられる熱量である。従ってこの熱量を常に一定にする必要がある。光ファイバに加えられる熱量は以下の3つの要因により決定される。
【0004】
第1の要因は、電極棒間の放電電流である。第2の要因は電極棒間の放電電圧である。そして、第3の要因は放電路と光ファイバの相対位置である。
【0005】
まず、上記第1の要因については通常、融着接続装置内の放電発生回路59に流れる放電電流を常に測定して、その値が一定になるように補正する補正回路が備え付けられている。この電気回路により電極棒間の放電電流は常に一定になっている。
【0006】
次に、上記第2の要因については、向かい合わせた電極棒の先端間隔(放電している場所の間隔)により一定となるので電極棒を動かないように固定しておけば常に一定の電圧で放電が行われる。
【0007】
ただし、放電している場所の気圧が変化した場合は放電電圧も変化する。そのため通常の融着接続装置では内部の気圧センサを装備して、常に気圧を測定して補正を行っている。この結果、図4(b)に示すように、対の電極棒53、55による放電路61は安定している。
【0008】
残る上記第3の要因については放電電極棒が新しいうちは放電が行われる位置は一定しているが接続される光ファイバの一部(例えば、石英ガラス)が付着する。するとガラスは絶縁物なのでこのガラスを避けて放電が行われる。図4(c)に示すように、この結果、対の電極棒53、55による放電路63は光ファイバの一部の堆積物65により安定しない。
【0009】
このガラスの付着物は小さいので初めは問題にならないが1000回程度接続を繰り返すとこの付着したガラスの堆積量が大きくなるので、このガラスを避けて放電が行われると放電の位置が大きくずれて、その結果光ファイバに加わる熱量が変わってしまう。このような状態になった場合、以前は電極棒を新しいものに交換していた。しかしこれは電極棒の費用の負担になる。
【0010】
そのため放電路を安定させて電極棒の寿命を伸ばす方法が提案されている。例えば、特許文献1では、電極棒先端に金属の輪を用意しこれに電圧をかけることで放電路の位置を制御する。もし電極棒先端にガラスが堆積して放電の発生する位置がずれたとしても、この金属の輪に加える電圧を変えることで放電路の位置を制御する。
【0011】
また特許文献2では放電電極棒を挟むように2枚の誘電体の板を設置することにより、誘電体が放電路周辺の電界を安定化することにより放電路を安定させる効果を示している。
【0012】
【特許文献1】
US6336750
【0013】
【特許文献2】
特開2001−66456
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記特許文献1の従来技術では金属の輪の設置が問題となる。放電電極の間は通常1〜2mmと狭くその間に光ファイバがセットされている。これらを避けるように金属の輪を配置する必要がある。また電気を流すために配線もこの付近を通す必要がある。
【0015】
また、放電電極棒の間で放電を行うため片方の電極棒には数千ボルトの高圧がかけられる。このとき金属輪が近くにあるとこの輪を通じて他の部分に放電が飛んでしまう恐れがあるため十分な絶縁手段を講じる必要がある。また金属の輪に電圧を加えるために別途電源が必要になる。このようにして上記特許文献1に記載の従来技術は実際の装置に適用する場合は問題が多い。
【0016】
また特許文献2の場合は誘電体により外部からの放電電解に対する影響や風による空気の揺らぎを抑える効果があるが、本特許で問題としている電極棒先端にガラスが付着することにより発生する放電位置の移動を抑制する効果については開示されていない。また電極棒の寿命に関しても考慮されていない。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、光ファイバの融着接続に使用する放電用の電極棒において、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒の先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆い、放電を行う位置を前記先端部のみに限定した電極棒である。
【0018】
請求項2に係る発明は、光ファイバの融着接続に使用する放電用の電極棒において、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、絶縁体板が有する貫通穴に前記電極棒の先端部を挿入して固定し、放電を行う位置を先端部のみに限定した電極棒である。
【0019】
請求項3に係る発明は、露出している先端部の長さが2mm以下である上記電極棒である。
【0020】
請求項4に係る発明は、光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続装置において、光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒の先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆い、放電を行う位置を前記先端部のみに限定した光ファイバ融着接続装置である。
【0021】
請求項5に係る発明は、光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続装置において、光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、絶縁体板が有する貫通穴に前記電極棒の先端部を挿入して固定し、放電を行う位置を前記先端部のみに限定した光ファイバ融着接続装置である。
【0022】
請求項6に係る発明は、露出している先端部の長さが2mm以下である上記光ファイバ融着接続装置である。
【0023】
請求項7に係る発明は、光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続方法において、光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒の先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆い、放電を行う位置を前記先端部のみに限定した光ファイバ融着接続方法である。
【0024】
請求項8に係る発明は、光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続方法において、光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、絶縁体板が有する貫通穴に前記電極棒の先端部を挿入して固定し、放電を行う位置を先端部のみに限定した光ファイバ融着接続方法である。
【0025】
請求項9に係る発明は、露出している先端部の長さが2mm以下である光ファイバ融着接続方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0027】
図1を参照する。光ファイバ融着接続装置1は、光ファイバをV溝により位置決めし移動させる光ファイバガイド3、5を備えている。そして、例えばアーク放電を行いながら前記光ファイバガイド3に位置決めされた光ファイバ7を矢印AR1方向に移動し、前記光ファイバガイド5に位置決めされた光ファイバ9を矢印AR2方向に移動させ融着する。
【0028】
放電回路11は電気線を介して一方の電極棒13に接続されている。同じく電気線を介して他方の電極棒19に接続されている。そして、対になっている前記電極棒13、19による放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒13の先端部17以外の少なくとも一部分を絶縁体15で覆う。また、前記電極棒19の先端部21以外の少なくとも一部分を絶縁体21で覆う。これにより、放電を行う位置を前記先端部17、23のみに限定できる。
【0029】
図2に電極棒13を絶縁体で覆う例を示す(なお、説明を省略するが電極棒19についても同様である)。図2(a)に示すよう円柱の電極棒13の一端側を円錐形に形成する。そして、この円錐形の先端付近を覆う先端に穴のあいたキャップ状の絶縁体15を用意して、前記電極棒13の先端を矢印AR3方向に挿入し固定する。
【0030】
ここで、絶縁体は電気を通さないものなら何でも良いが放電路付近は比較的高熱となるため融点の高い石英ガラス、セラミック、又は耐熱プラスチック等が望ましい。また、予め絶縁体を加工しなくてもガラス溶射等の方法により電極棒に直接ガラスを吹き付けて固めても良い。このとき先端部17にガラスが付かないように予めカバーをしておくかあるいはガラスの吹きつけ後に先端部のガラスを除去するのは当然である。
【0031】
この結果、図2(b)に示すように、前記電極棒13の先端以外の少なくとも一部分を絶縁体15で覆い、放電を行う位置を先端部17のみに限定した電極棒13が形成される。ここで、この電極棒13の放電を行う先端部17の長さDAは2(mm)以下であることが望ましい。電極棒13の先端部17の露出する長さは長すぎるとその範囲内で放電路の位置ずれが発生して結果接続損失が悪化するためである。
【0032】
電極棒の先端のみを絶縁体から露出させる別の例を示す。図2(c)に示すように、絶縁体で形成された絶縁体板25に貫通穴27を設ける。そして、この貫通穴27に電極棒13の先端を矢印AR4方向に挿入し固定する。
【0033】
図2(d)に示すように、絶縁体板25を備えた電極棒13と、同じく絶縁体板29を備えた電極棒19ができる。そして、電極棒13、19は放電を行う位置を先端部23のみに限定されている。これなら絶縁体の加工も容易であり、また電極棒を交換する際も絶縁体を取り外す必要が無い。
【0034】
ここで、上述したように電極棒13の先端部17の長さDBと、電極棒19の先端部23の長さDCとは2mm以下であることが望ましい。
【0035】
図3は本発明に係る光ファイバ融着装置1の対の電極棒13、19の放電路を示す。
【0036】
初めに、図3(a)に示すように、電極棒13の先端部17から、電極棒19の先端部23へ放電が行われる。このとき、放電回路11(図1参照)により電極棒13、19間の放電電流、及び放電電圧は一定になるようになっている。この結果、安定した放電路31の放電が行われる。そして、先端部にガラスが堆積しようとしてもその部分で放電しようとするため結果、堆積したガラスを除去する効果があり、常に同じ場所で放電が行われる。そのため、放電電極棒を長時間使用することができ、交換回数が減り、新品の電極棒の費用及び交換の手間により発生する人件費が減りコストダウンができる。
【0037】
また、図3(b)に示すように、仮に電極棒13の先端部17にガラス27が堆積した場合でも、本発明の電極棒では、電極棒13の先端部17付近に絶縁体を設けてあるので、所定の位置からしか放電が行われない。このように放電する箇所が電極棒の先端部17、23のみなので放電路33が移動してしまうことがない。従って、放電路35が一定に保たれる。これにより、安定した光りファイバの融着接続を行うことができる。また、放電を繰り返すことにより、仮に堆積したガラス27は除去される。
【0038】
この結果、図3(c)に示すように、電極棒に付着しようとするガラス等が放電により除去されて安定した放電路35を保つことができる。
【0039】
なお、本発明は、上述した実施の態様の例に限定されることなく、適宜の変更を加えることにより、その他の態様で実施できるものである。
【0040】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、例えば、簡単な構造のガラスの筒や板により、電極棒に付着するガラス等を除去でき、また、付着しても放電路が変化しないため電極棒の寿命を長くし、ランニングコストを抑えることができるという効果がある。また、先端部を2mm以下にすることにより、その範囲内で放電路の位置ずれをさらに発生させないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ融着接続装置の概略を説明する説明図である。
【図2】(a)、(b)、(c)、(d)は電極棒を説明する説明図である。
【図3】(a)、(b)、(c)は放電路を説明する説明図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は従来の技術を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ融着接続装置
3 光ファイバガイド
5 光ファイバガイド
7 光ファイバ
9 光ファイバ
11 放電回路
13 電極棒
15 絶縁体
17 先端部
19 電極棒
21 絶縁体
23 先端部
Claims (9)
- 光ファイバの融着接続に使用する放電用の電極棒において、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒の先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆い、放電を行う位置を前記先端部のみに限定したことを特徴とする電極棒。
- 光ファイバの融着接続に使用する放電用の電極棒において、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、絶縁体板が有する貫通穴に前記電極棒の先端部を挿入して固定し、放電を行う位置を先端部のみに限定したことを特徴とする電極棒。
- 露出している先端部の長さが2mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の電極棒。
- 光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続装置において、
光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒の先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆い、放電を行う位置を前記先端部のみに限定したことを特徴とする光ファイバ融着接続装置。 - 光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続装置において、
光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、絶縁体板が有する貫通穴に前記電極棒の先端部を挿入して固定し、放電を行う位置を先端部のみに限定したことを特徴とする光ファイバ融着接続装置。 - 露出している先端部の長さが2mm以下であることを特徴とする請求項4又は5記載の光ファイバ融着接続装置。
- 光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続方法において、
光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、前記電極棒の先端部以外の少なくとも一部分を絶縁体で覆い、放電を行う位置を前記先端部のみに限定したことを特徴とする光ファイバ融着接続方法。 - 光ファイバを融着接続させる光ファイバ融着接続方法において、
光ファイバの融着接続に使用する放電用の対の電極棒のうち少なくとも一方の電極棒は、前記電極棒からの放電を所定の放電路に保つため、絶縁体板が有する貫通穴に前記電極棒の先端部を挿入して固定し、放電を行う位置を先端部のみに限定したことを特徴とする光ファイバ融着接続方法。 - 露出している先端部の長さが2mm以下であることを特徴とする請求項7又は8記載の光ファイバ融着接続方法。
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- 2002-10-15 JP JP2002300644A patent/JP2004138650A/ja active Pending
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