JP2004138573A - 電波探知装置及び電波探知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーダ等の電波発射源の方位探知に関し、電波発射源のスキャン周期が長く、電波照射時間が短く、パルス繰り返し間隔が長い場合であっても方位検出を行うことができる電波探知装置及び電波探知方法を提供する。
【解決手段】受信方位の異なる8個のアンテナ1a〜1hと、アンテナの接続を切り替えるアンテナ切替器11と、パルス信号を変換する信号処理器12と、メイン制御部13と、パルス信号を蓄積するパルス蓄積器14と、切替制御部15と、所定のリセット周期でリセット信号を出力するタイマ16と、蓄積制御部17と、方位検出部19と、リセット周期内にアンテナの個数分のパルス信号が蓄積されなかったときに、リセット時までに蓄積された消去前のパルス信号を蓄積するパルス2次蓄積器18を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】受信方位の異なる8個のアンテナ1a〜1hと、アンテナの接続を切り替えるアンテナ切替器11と、パルス信号を変換する信号処理器12と、メイン制御部13と、パルス信号を蓄積するパルス蓄積器14と、切替制御部15と、所定のリセット周期でリセット信号を出力するタイマ16と、蓄積制御部17と、方位検出部19と、リセット周期内にアンテナの個数分のパルス信号が蓄積されなかったときに、リセット時までに蓄積された消去前のパルス信号を蓄積するパルス2次蓄積器18を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波探知装置及び電波探知方法に係り、より詳しくは、方位の異なる複数のアンテナで受信されたパルス信号に基づいて方位検出を行う電波探知装置及び電波探知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
到来電波の受信方位を検出することにより、レーダ等の電波発射源の方位を探知する電波探知装置が従来から知られている。この種の電波探知装置は、受信方位の異なる複数のアンテナを備え、電波発射源から発信されたパルス信号をこれらのアンテナで受信し、受信されたパルス信号に基づいて方位探知を行っている。
【0003】
図8は、従来の電波探知装置の構成例を示したブロック図である。この電波探知装置100は、電波発射源から発信されたパルス信号を受信して方位探知を行うものであり、受信方位の異なる8個のアンテナ1a,1b,…,1hと、アンテナ切替器101と、信号処理器102と、メイン制御部103と、パルス蓄積器104と、切替制御部105と、タイマ106と、方位検出部107からなる。
【0004】
アンテナ1a〜1hは、電波発射源からのパルス変調波を受信するための指向性アンテナであり、互いに受信方位を異ならせて配置され、各アンテナ1a〜1hの受信方位によって全方位が等分割されている。また、各アンテナ1a〜1hはアンテナ切替器101に接続されている。
【0005】
アンテナ切替器101は、切替制御部105からの切替制御信号に基づいて、信号処理器102に接続するアンテナ1a〜1hを切り替える多入力一出力のスイッチング手段である。アンテナ切替器101によって、アンテナ1a〜1hのいずれか一つが選択され、被選択アンテナで受信されたパルス信号のみが信号処理器102へ出力される。
【0006】
切替制御部105は、メイン制御部103からの制御信号に基づいて、アンテナ切替器101へ切替制御信号を出力し、アンテナ切替器101によるアンテナ切替を制御している。すなわち、切替制御部105は、被選択アンテナによってパルス信号が受信されるごとに、アンテナ切替器101に対しアンテナ切替を指示して他のアンテナを選択させ、各アンテナ1a〜1hが順次に選択されるようにアンテナ切替器101を制御している。また、リセット時には初期状態へのアンテナ切替、例えばアンテナ1aの選択を指示する。
【0007】
信号処理器102は、アンテナ切替器101から出力されたRF信号(Radio Frequency)をIF信号(Intermediate Frequency)へ周波数変換し、パルス信号を検出する検波手段である。すなわち、アンテナ1a〜1hで受信されたパルス信号がアンテナ切替器101を介して入力されると、信号処理器102は、このパルス信号をダウンコンバートするとともに、その振幅を所定の検出レベルと比較し、振幅が当該検出レベルを超える信号をメイン制御部103へ出力する。
【0008】
メイン制御部103は、信号処理器102で検出されたパルス信号について蓄積処理を行う。この蓄積処理は、パルス信号データをパルス蓄積器104に格納することにより行われる。すなわち、メイン制御部103は、信号処理器102からのパルス信号について、信号の振幅レベルと、信号を受信したアンテナの受信方位と、信号の周波数と、信号検出時刻等を判別し、パルス信号データとしてパルス蓄積器104に記録する。また、メイン制御部103は、パルス蓄積器104にパルス信号データを蓄積させる毎に、アンテナ1a〜1hの切り替えを指示する制御信号を切替制御部105へ出力する。
【0009】
さらに、メイン制御部103は、リセット時にパルス蓄積器104から方位検出部107へパルス信号データを転送するとともに、パルス蓄積器104及びアンテナ切替器101のリセットを行う。すなわち、メイン制御部103は、タイマ106からリセット信号が入力されると、パルス蓄積器104に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器104から読み出して方位検出部107へ出力するとともに、パルス信号データの読み出し後にパルス蓄積器104をリセットして蓄積されたパルス信号データを消去する。また、アンテナ切替器101のリセットを指示する制御信号を切替制御部105へ出力する。
【0010】
パルス蓄積器104は、パルス信号データを蓄積するデータ記憶手段であり、メイン制御部103からのパルス信号データを格納する。また、パルス蓄積器104のリセット時には、パルス蓄積器104に蓄積されたパルス信号データがすべて消去される。
【0011】
タイマ106は、所定のリセット周期でリセット信号を生成するリセット信号生成手段であり、生成されたリセット信号はメイン制御部103へ出力される。タイマ106からメイン制御部103に対し、上記リセット周期でリセット信号が出力されることによって、パルス蓄積器104及びアンテナ切替器101も当該リセット周期でリセットされる。
【0012】
方位検出部107は、メイン制御部103から入力されたパルス信号データに基づいて、方位検出を行う方位検出手段である。すなわち、リセット時までに蓄積されたパルス信号データがメイン制御部103から入力されると、方位検出部107は、このパルス信号データに基づいて受信電波の到来方位を検出する。ただし、メイン制御部103から入力されたパルス信号数がアンテナ1a〜1hの個数である8個より少ない場合は、方位検出を行わない。つまり、所定のリセット周期内に全てのアンテナ1a〜1hにおいてパルス信号が受信され、パルス蓄積器104に8個以上のパルス信号が蓄積された場合に、方位検出が行われる。
【0013】
図9のステップS601〜S606は、従来の電波探知装置における探知処理を示したフローチャートである。
【0014】
アンテナ切替器101により選択されたアンテナ1a〜1hで受信されたパルス変調波は、アンテナ切替器101を経て信号処理器102に送られ、IF信号に変換された後にパルス信号として検出される。検出されたパルス信号は、信号処理器102からメイン制御部103に入力され、メイン制御部103によってパルス蓄積器104に記録される(ステップS601)。また、パルス信号を記録するのに伴って、アンテナ切替を指示する制御信号がメイン制御部103から切替制御部105へ出力される。
【0015】
つまり、選択されたアンテナ1a〜1hでパルス信号が受信されるごとに、受信パルスがパルス蓄積器104に蓄積されるとともに、アンテナの切り替えが行われ、他のアンテナ1a〜1hが選択される。そして、リセット信号がタイマ106からメイン制御部103に入力されるまで、この処理手順が繰り返される(ステップS602)。
【0016】
タイマ106からリセット信号が出力されると、メイン制御部103は、パルス蓄積器104に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器104からすべて読み出し、方位検出部107に出力する(ステップS603)。また、パルス信号データを方位検出部107に出力するのに伴って、パルス蓄積器104のリセットが行われる。パルス蓄積器104のリセットによって蓄積されたパルス信号データが全て消去される。また、アンテナ切替器101もリセットされる(ステップS604)。アンテナ切替器101のリセットによってアンテナ1a〜1hの選択は初期状態に戻る。
【0017】
次に、方位検出部107は、メイン制御部103から入力されたパルス信号データに基づいて方位検出処理を行う(ステップS605)。方位検出処理は、入力されたパルス信号データに基づいてパルス信号の到来方位を求める処理である。この方位検出処理は、蓄積されたパルス信号数が所定数、すなわち8個以上である場合には実行されるが(ステップS606)、蓄積されたパルス信号数が8個より少ない場合には実行されず、この場合は検出エラーとなる。
【0018】
つまり、リセット周期内に、少なくともアンテナ1a〜1hの個数分のパルス信号がパルス蓄積器104に蓄積されたときには、リセット時までに蓄積されたパルス信号データに基づいて方位検出が行われる。
【0019】
一方、リセット周期内にアンテナ1a〜1hの個数分のパルス信号が蓄積されなかったときには、方位検出は行われず、検出エラーとなる。従って、電波探知装置100において、受信電波の方位が検出されるためには、所定の周期内に少なくとも8個のパルス信号が蓄積される必要がある。
【0020】
ここで、レーダ等の電波発射源からの電波発信状況について説明する。レーダ等の電波発射源は、通常、送信アンテナを一定周期(スキャン周期SP)で回転させるサーキュラ走査を行いながら、送信波を出力している。従って、電波探知装置100がこの送信波を受信できるのは、電波発射源の送信アンテナが電波探知装置100の方向に向けられている期間に限られる。つまり、電波が受信可能であるのは、スキャン周期SPのうち、送信アンテナのビーム幅で決まる一定期間だけである。
【0021】
また、電波発射源は、常時電波を発射しているのではなく、一定周期(パルス繰り返し間隔PRI)ごとに一定時間(電波照射時間DOI)だけ電波を発信している。従って、電波探知装置100が電波を受信できるのは、電波発射源の送信アンテナが電波探知装置100に向けられている場合であって、電波発射源が電波を送信している場合に限られる。
【0022】
このため、電波発射源のスキャン周期SPが長い場合、ビーム幅が狭い場合、パルス繰り返し間隔PRIが長い場合、あるいは、これらが重畳する様な場合には、電波探知装置100において方位探知を行うことができない場合が生ずるという問題があった。
【0023】
すなわち、電波発射源のスキャン周期SPが長くなり、ビーム幅が狭くなり、あるいは、パルス繰り返し間隔PRIが長くなると、電波探知装置100が一定期間内に受信できるパルス変調波の数が減少する。従来の電波探知装置100では、リセット周期内に方位検出に必要な数のパルス信号を蓄積できなければ検出エラーとなるため、この様な場合に方位検出を行うことができないという問題があった。
【0024】
ところで、レーダ等の方位を探知する従来の電波探知装置の他の例として、例えば、特許文献1に記載のものがある。この電波探知装置は、各アンテナのそれぞれに、アンテナの切り替え時間差に相当する遅延量を有するディレイラインを接続し、受信信号を遅延させることで、到来した1つのパルス信号を全アンテナから検出できるようにしたものである。
【0025】
この電波探知装置は、上述した方位探知装置の様に、複数のパルスを受信して方位検出を行っているのではなく、各アンテナにおいてパルス信号の一部だけを受信しているに過ぎず、パルス幅などの諸元データを取得することができない。このため、例えば、異なる電波発射源から2以上の電波が到来している場合に、電波の到来方位を正しく検出できない場合が生じ得る。また、パルス幅内で、信号強度などが変動する場合にも電波の到来方位を正しく検出できない場合が生じ得る。
【0026】
【特許文献1】
特開平8−68841号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電波発射源のスキャン周期SPが長い場合、送信波のビーム幅が狭い場合、或いは、送信波のパルス繰り返し間隔PRIが長い場合であっても電波発信源の方位を検出することができる電波探知装置を提供することを目的としている。また、早期に電波発信源の概略方位を検出することができる電波探知装置を提供することを目的としている。
【0028】
また、電波発射源のスキャン周期SPが長い場合、送信波のビーム幅が狭い場合、或いは、送信波のパルス繰り返し間隔PRIが長い場合であっても方位の検出を行うことができる電波探知方法を提供することを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明による電波探知装置は、受信方位の異なる複数のアンテナのいずれかを選択し、被選択アンテナで受信されたパルス信号に基づいてアンテナを切り替えるアンテナ切替手段と、所定のリセット周期ごとにリセット信号を生成するリセット信号生成手段と、被選択アンテナで受信されたパルス信号を格納し、リセット信号に基づいて蓄積されたパルス信号を消去するパルス蓄積手段と、リセット信号に基づいて、パルス蓄積手段に蓄積された消去前のパルス信号を格納する2次蓄積手段と、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行い、切替可能なアンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行う方位検出手段により構成される。
【0030】
パルス蓄積手段に蓄積された後、リセット信号によって消去されるパルス信号を2次蓄積手段に格納することにより、必要に応じて、最後のリセット周期よりも前のパルス信号を方位検出に用いることができる。すなわち、リセット周期内に受信されたパルス信号数がアンテナ数以上の場合には、当該パルス信号を用いて高精度の方位検出を行う一方、リセット周期内に受信されたパルス信号数がアンテナ数よりも少ない場合には、複数のリセット周期内に受信されたパルス信号を用いて比較的精度良く方位検出を行う。
【0031】
本発明による電波探知装置は、上記方位検出手段が、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行うように構成される。この様な構成により、リセット周期内に受信されたパルス信号数がアンテナ数に満たない場合、複数のリセット周期にわたり受信したパルス信号を蓄積し、アンテナ数以上のパルス信号を用いて精度良く方位検出を行うことができる。
【0032】
本発明による電波探知装置は、上記アンテナ切替手段が、一部のアンテナであって各受信方位により全方位を等分割する複数の先行アンテナについて順次に切り替えを行った後に、残るアンテナについて順次に切り替えを行い、上記方位検出手段が、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて概略方位を検出するように構成される。この様な構成により、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数がアンテナ数よりも少ない場合でも、先行アンテナ数以上であれば、概略方位を検出することができる。
【0033】
本発明による電波探知装置は、上記アンテナ切替手段が、一部のアンテナであって各受信方位により全方位を等分割する複数の先行アンテナについて順次に切り替えを行った後に、残るアンテナについて順次に切り替えを行い、上記方位検出手段が、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて概略方位を検出するように構成される。この様な構成により、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数よりも少ない場合でも、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数以上であれば、概略方位を検出することができる。
【0034】
本発明による電波探知方法は、受信方位の異なる複数のアンテナのいずれかを選択し、被選択アンテナで受信されたパルス信号に基づいてアンテナを切り替えるアンテナ切替ステップと、所定のリセット周期ごとにリセット信号を生成するリセット信号生成ステップと、被選択アンテナで受信されたパルス信号をパルス蓄積手段に格納するパルス信号蓄積ステップと、リセット信号に基づいてパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号を消去する消去ステップと、リセット信号に基づいて、パルス蓄積手段に蓄積された消去前のパルス信号を2次蓄積手段に格納する2次蓄積ステップと、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行い、切替可能なアンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行う方位検出ステップからなる。
【0035】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による電波探知装置の一構成例を示したブロック図である。電波探知装置10は、アンテナ1a〜1hと、アンテナ切替器11と、信号処理器12と、メイン制御部13と、パルス蓄積器14と、切替制御部15と、タイマ16と、蓄積制御部17と、パルス2次蓄積器18と、方位検出部19により構成される。従来の電波探知装置と比較すれば、蓄積制御部17及びパルス2次蓄積器18を備える点で異なる。
【0036】
アンテナ1a〜1hは、各アンテナ1a〜1hの受信方位によって全方位が等分割されるように配置されている。ここでは、水平面内において360°を8等分割するように、8個のアンテナ1a〜1hが順に時計回りに配置されている。つまり、隣接するアンテナ間の受信方位は45°異なっている。なお、ここでの全方位とは電波探知装置により探知可能な範囲の方位であればよく、必ずしも360°でなくてもよい。
【0037】
アンテナ切替器11は、切替制御部15の切替制御信号に基づいて、アンテナ1a〜1hを切り替えている。このアンテナ切替は、アンテナ1a,1b,…,1h,1a,1b…の順に、隣接するアンテナからアンテナへ時計回りに順次に行われる。また、アンテナ切替器11のリセット時には、予め定められたアンテナが選択された初期状態に戻される。例えば、アンテナ1aが信号処理器12に接続された状態に戻される。
【0038】
信号処理器12は、アンテナ切替器11を介してアンテナ1a〜1hに接続され、アンテナ1a〜1hで受信されたパルス変調波をIF信号に周波数変換するとともに、その振幅を所定の検出レベルと比較してパルス信号を検出する。この様にして、検出されたパルス信号が、メイン制御部13へ出力される。
【0039】
メイン制御部13は、信号処理器12で検出されたパルス信号について第1の蓄積処理を行う。この第1の蓄積処理は、従来の電波探知装置における蓄積処理に相当する処理である。すなわち、検出されたパルス信号の振幅レベルなどを判別して、パルス信号データとしてパルス蓄積器14に格納する。また、メイン制御部13は、パルス蓄積器14にパルス信号データを蓄積させる毎に、アンテナ1a〜1hの切り替えを指示する制御信号を切替制御部15へ出力する。
【0040】
更に、メイン制御部13は、タイマ16から所定のリセット周期でリセット信号が入力されると、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器14からすべて読み出し、蓄積制御部17へ出力する。パルス蓄積器14はパルス信号データの読み出し後にリセットされ、蓄積していたパルス信号データは全て消去される。
【0041】
パルス2次蓄積器18は、リセットによって消去されるパルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データを格納するデータ記憶手段である。パルス信号データの書き込み及び読み出しは蓄積制御部17によって行われる。また、蓄積制御部17によってセットされ、蓄積されていたパルス信号データが消去される。
【0042】
蓄積制御部17は、リセット時にメイン制御部13から出力されたパルス信号データをパルス2次蓄積器18に格納する第2の蓄積処理を行う。この第2の蓄積処理は、パルス蓄積器14に蓄積されていたパルス信号データが、方位検出部19において方位検出可能な数よりも少ない場合に行われる。すなわち、パルス蓄積器14での蓄積数がアンテナ1a〜1hの個数である8個よりも少ない場合には、これらのパルス信号データがパルス2次蓄積器18に格納される。
【0043】
また、蓄積制御部17は、リセット時に、パルス信号データを方位検出部19へ出力する。すなわち、パルス蓄積器14での蓄積数が8個以上であれば、メイン制御部13からのパルス信号データをそのまま方位検出部19へ出力し、従来の電波探知装置と同様に動作する。一方、パルス蓄積器14での蓄積数が8個より少ない場合でも、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18での蓄積数の合計が8個以上であれば、両蓄積器14,18に蓄積された全てのパルス信号データが方位検出部19へ出力される。ただし、両蓄積器14,18での蓄積数の合計が8個よりも少なければ、方位検出部19への出力は行われない。
【0044】
つまり、パルス蓄積器14での蓄積数が方位検出部19において方位検出可能な数であれば、蓄積制御部17を有しない従来の電波探知装置と同様の動作となる。一方、パルス蓄積器14での蓄積数がこれよりも少ない場合には、パルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号データも加えて方位検出可能な数か否かを判別する。この結果、方位検出可能であれば、蓄積制御部17は、これらのパルス信号データを方位検出部19へ出力する。
【0045】
更に、蓄積制御部17は、方位検出部19に対しパルス信号データを出力する場合には、パルス2次蓄積器18をリセットして蓄積されたパルス信号データを全て消去するとともに、アンテナ切替器11をリセットする制御信号を切替制御部15へ出力し、アンテナの選択を初期状態に戻す。
【0046】
方位検出部19は、蓄積制御部17からパルス信号データが出力されると、このパルス信号データに基づいて方位検出を行う方位検出手段である。例えば、蓄積制御部17から入力されたパルス信号の振幅を比較し、最大振幅のパルス信号を受信したアンテナ1a〜1hの受信方位から受信電波の到来方位を検出することができる。
【0047】
切替制御部15は、メイン制御部13からアンテナ1a〜1hの接続を切り替える制御信号が入力されると、接続を切り替える制御をアンテナ切替器11に対して行う。また、切替制御部15は、蓄積制御部17からアンテナ切替器11をリセットする制御信号が入力されると、アンテナ切替器11をリセットする。
【0048】
タイマ16は、所定のリセット周期でリセット信号を生成し、メイン制御部13へ出力する。
【0049】
図2〜図4のステップS101〜S105、S201〜S204、S301〜S307及びS401〜S404は、図1の電波探知装置10における探知処理の一例を示したフローチャートである。はじめに、電波探知装置10は初期状態にあるものとする。すなわち、アンテナ切替器11、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18はリセットされ、アンテナ切替器11はアンテナ1aを選択し、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18にはパルス信号データが蓄積されていない状態にあるものとする。この状態において方位探知が開始される。
【0050】
アンテナ切替器11により選択されたアンテナ1a〜1h(初期状態ではアンテナ1a)で受信されたパルス変調波は、アンテナ切替器11を経て信号処理器12に送られ、IF信号に変換されてパルス信号が検出される。そして、信号処理器12からパルス信号が出力されると、メイン制御部13は、パルス信号データとしてパルス蓄積器14に記録する(ステップS101)。
【0051】
ステップS101において、メイン制御部13は、パルス信号をパルス蓄積器14に記録するのに伴って、アンテナ1a〜1hの接続を切り替える制御信号を切替制御部15に出力する。
【0052】
つまり、メイン制御部13は、選択されたアンテナ1a〜1hでパルス信号が受信される毎に、当該パルス信号をパルス蓄積器14に蓄積させるとともに、アンテナ1a〜1hの切り替えを行う。そして、リセット信号がタイマ16から入力されるまで、この処理手順を繰り返す(ステップS102)。
【0053】
リセット信号が入力されると、メイン制御部13は、ステップS101及びステップS102においてパルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器14からすべて読み出し、蓄積制御部17に出力する(ステップS103)。
【0054】
メイン制御部13は、ステップS103においてパルス信号データを読み出した後にパルス蓄積器14をリセットして、蓄積されたパルス信号データを消去する(ステップS104)。
【0055】
メイン制御部13からパルス信号データが出力された場合における蓄積制御部17の動作は、出力されたパルス信号データの数によって異なる(ステップS105)。すなわち、メイン制御部13から出力されたパルス信号数がアンテナ1a〜1hの個数、すなわち、8個以上である場合、蓄積制御部17は、メイン制御部13からのパルス信号データをそのまま方位検出部19へ出力する(ステップS201)。
【0056】
また、蓄積制御部17は、パルス信号データを方位検出部19に出力する際、パルス2次蓄積器18をリセットして蓄積されたパルス信号を消去するとともに、アンテナ切替器11をリセットする制御信号を切替制御部15に出力する(ステップS202,S203)。
【0057】
蓄積制御部17から方位検出部19へパルス信号データが出力されると、方位検出部19において、蓄積制御部17からのパルス信号データに基づいて方位検出が行われる(ステップS204)。
【0058】
一方、ステップS105において、メイン制御部13から出力されたパルス信号数が8個より少ない場合、蓄積制御部17は、メイン制御部13からのパルス信号データをパルス2次蓄積器18に記録し、メイン制御部13からパルス信号データが新たに入力されるまで待機する(ステップS301)。
【0059】
なお、蓄積制御部17は、方位検出部19において方位検出が行われない場合には、アンテナ切替器11をリセットする制御信号は出力しない。このため、アンテナ切替器11のリセットは行われず、方位探知は継続される。
【0060】
ステップS301に続いて、ステップS101からステップS104までの処理手順と同様の処理が行われる(ステップS302〜S305)。また、ステップS304において、メイン制御部13から蓄積制御部17へ新たに出力されたパルス信号数が8個以上の場合には、ステップS105、S201〜204の処理手順と同様の処理が行われる(ステップS306)。
【0061】
一方、メイン制御部13から新たに出力されたパルス信号数が8個よりも少ない場合における蓄積制御部17の動作は、メイン制御部13から出力されるパルス信号数及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号数の合計によって異なる(ステップS307)。
【0062】
すなわち、これらの合計が8個以上であれば、蓄積制御部17は、メイン制御部13からのパルス信号データとともに、パルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号データを方位検出器19へ出力し(ステップS401)、パルス2次蓄積器18及びアンテナ切替器11をリセットする(ステップS402,403)。
【0063】
蓄積制御部17から方位検出部19へパルス信号データが出力されると、方位検出部19は、蓄積制御部17からのパルス信号データに基づいて方位検出を行う(ステップS404)。すなわち、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号データに基づいて方位検出が行われる。
【0064】
一方、ステップS106において、メイン制御部13から出力されたパルス信号数及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号数の合計が8個よりも少ない場合には、方位検出を行うことなく、ステップS301に戻り、新たなリセット期間において同様の処理手順が開始される。
【0065】
このようにして、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号数が8個より少ない場合には、パルス信号データをパルス2次蓄積器18に蓄積して探知処理を継続し、8個以上のパルス信号が蓄積されると、蓄積されたパルス信号データに基づいて方位検出が行われ、探知処理は終了する。
【0066】
本実施形態によれば、リセット周期内にアンテナ数以上のパルス信号を受信することができない場合に、パルス蓄積器14のリセット前に蓄積されたパルス信号をパルス2次蓄積器に蓄積している。このため、リセット周期内に方位探知に必要な数のパルス信号が受信できれば、従来の電波探知装置と同様にして、高精度の方位検知を行う一方、リセット周期内に方位探知に必要な数のパルス信号が受信できなかった場合でも、パルス2次蓄積器18に蓄積されたデータを用いて、複数のリセット周期にわたる方位検出を行うことができ、比較的精度良く方位検出を行うことができる。
【0067】
従って、電波発射源のスキャン周期SPが長いために、送信波のビーム幅が狭いために、あるいは、送信波のパルス繰り返し間隔PRIが長いために、リセット時までにアンテナ数分のパルス信号をパルス蓄積器14に蓄積することが困難な場合であっても、方位の検出を行うことができる。
【0068】
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2による電波探知装置の一構成例を示したブロック図である。本実施形態の電波探知装置30は、図1の電波探知装置(実施の形態1)と比較すれば、概略方位を検出するための概略方位検出部31を備える点で異なる。
【0069】
本実施形態では、全てのアンテナ1a〜1hのうち、一部のアンテナを先行アンテナとする。先行アンテナは複数のアンテナからなり、各受信方位によって全方位を等分割するアンテナの組み合わせからなる。ここでは、アンテナ1a,1c,1e,1gが先行アンテナである場合について説明する。
【0070】
切替制御部15は、全てのアンテナ1a〜1hを順次に選択するようにアンテナ切替を行っているが、その際、隣接するアンテナへ切り替えるのではなく、先行アンテナ1a,1c,1e,1gを他のアンテナ1b,1d,1f,1hよりも先行させて選択する。ここでは、1a→1e→1c→1g→1b→1f→1d→1h→1a→…の順になるように接続を切り替えるものとする。
【0071】
この様にして、全方位をカバーする4個のアンテナ1a,1c,1e,1gを先行アンテナとし、リセット期間内において、アンテナ切替器11がこれらの先行アンテナを先に選択することにより、蓄積されたパルス信号数が4個となった時点で、全方位を粗くカバーすることができる。
【0072】
概略方位検出部31は、方位検出部19と同様、パルス信号データに基づいて受信方位を求める方位検出手段であるが、先行アンテナで受信されたパルス信号に基づいて概略方位を検出している点で、全てのアンテナで受信されたパルス信号に基づいて方位検出を行う方位検出部19とは異なる。パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号数が4個以上になった場合、あるいは、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号数の合計が4個以上になった場合に、4個のパルス信号データに基づいて、概略方位の検出を行う。
【0073】
メイン制御部13は、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号数が4個となったときに、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器14から読み出して蓄積制御部17へ出力する。また、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号数の合計を監視し、これらの合計が4個となったときには、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器14から読み出して蓄積制御部17へ出力する。このとき、パルス蓄積器14はリセットしない。
【0074】
蓄積制御部17は、メイン制御部13から概略方位検出用のパルス信号データが入力されると、入力されたパルス信号データ及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号データを概略方位検出部31へ出力する。このとき、パルス信号データをパルス2次蓄積器18に格納せず、パルス2次蓄積器18をリセットせず、アンテナ切替器11のリセットを指示する制御信号も出力しない。
【0075】
この様にして、蓄積制御部17から概略方位検出部31へ4個のパルス信号データが出力され、概略方位検出部31において概略方位の検出が行われる。なお、メイン制御部13、蓄積制御部17及び方位検出部19におけるリセット時の動作は、実施の形態1の場合と全く同様である。
【0076】
図7のステップS501〜S504は、図6の電波探知装置30における概略方位検出処理の一例を示したフローチャートであり、図2のステップS101及び図4のステップS302において実行される。
【0077】
メイン制御部13は、受信したパルス信号をパルス蓄積器14に記録した後(ステップS101、S302)、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号数の合計をチェックする。その結果、合計数が4個以上であれば、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データを概略方位検出用データとして蓄積制御部17へ出力する(ステップS501,S502)。
【0078】
メイン制御部13から概略方位検出用データが出力されると、蓄積制御部17は、必要に応じてパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号データを読み出す。メイン制御部13からのパルス信号に読み出されたパルス信号が加えられて得られた4個のパルス信号データが概略方位検出部31へ出力される(ステップS503)。
【0079】
蓄積制御部17から概略方位検出部31へ4個のパルス信号データが出力されると、概略方位検出部31は、4個のパルス信号データに基づいて、概略方位を検出する。その後は、図2のステップS102又は図4のステップS303に戻る。また、ステップS501において、合計数が4個よりも少ない場合も、同様にして図2又は図4に戻る。
【0080】
この電波探知装置30は、概略方位検出を行う点を除き、実施の形態1の場合と全く同様の動作を行っており、図2、図4に戻った後、8個以上のパルス信号が蓄積されれば、正確な方位検出が行われる。
【0081】
つまり、探知開始後、パルス信号が4個蓄積された時点で概略の方位が検出され、8個以上蓄積された時点で正確な方位が検出される。なお、概略方位とは、切替可能なアンテナのうち、一部のアンテナ1a,1c,1e,1gに基づいて検出されたおおまかな方位であり、正確な方位とは、切替可能な全てのアンテナ1a〜1hに基づいて検出された高精度な方位である。
【0082】
本実施の形態によれば、リセット時までにアンテナ1a〜1hの個数分、すなわち、8個以上のパルス信号が蓄積されなかった場合であっても、探知処理が継続され、8個以上のパルス信号が蓄積されたときに、蓄積されたパルス信号データに基づいて方位の検出を行う一方、4個のパルス信号が蓄積された時点で概略方位を検出する。
【0083】
このため、電波発射源のスキャン周期SPが長いために、送信波のビーム幅が狭いために、或いは、送信波のパルス繰り返し間隔PRIが長いために、リセット時までに8個以上のパルス信号をパルス蓄積器14に蓄積することが困難である場合であっても方位の検出を行うことができるとともに、正確な方位検出よりも早期に概略方位を検出することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の電波探知装置及び電波探知方法によれば、リセット時までにアンテナの個数分のパルス信号がパルス蓄積手段に蓄積されなかった場合であっても、方位探知が継続される。このため、電波発射源のスキャン周期SPが長い場合、送信波のビーム幅が狭い場合、或いは、送信波のパルス繰り返し間隔PRIが長い場合であっても方位の検出を行うことができる。
【0085】
また、本発明の電波探知装置及び電波探知方法によれば、先行アンテナについてパルス信号が蓄積された時点で、概略方位の検出を行っている。このため、正確な方位が検出されるよりも早期に概略方位を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による電波探知装置の一構成例を示したブロック図である。
【図2】図1の電波探知装置における探知処理の一例を示したフローチャートである。
【図3】図1の電波探知装置における探知処理の一例を示したフローチャートである。
【図4】図1の電波探知装置における探知処理の一例を示したフローチャートである。
【図5】図1の電波探知装置における探知処理の一例を示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2による電波探知装置の一構成例を示したブロック図である。
【図7】図6の電波探知装置30における概略方位検出処理の一例を示したフローチャートである。
【図8】従来の電波探知装置の構成例を示したブロック図である。
【図9】図8の電波探知装置における探知処理の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1a〜1h アンテナ、10,30 電波探知装置、11 アンテナ切替器、
12 信号処理器、13 メイン制御部、14 パルス蓄積器、
15 切替制御部、16 タイマ、17 蓄積制御部、
18 パルス2次蓄積器、19 方位検出部、31 概略方位検出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波探知装置及び電波探知方法に係り、より詳しくは、方位の異なる複数のアンテナで受信されたパルス信号に基づいて方位検出を行う電波探知装置及び電波探知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
到来電波の受信方位を検出することにより、レーダ等の電波発射源の方位を探知する電波探知装置が従来から知られている。この種の電波探知装置は、受信方位の異なる複数のアンテナを備え、電波発射源から発信されたパルス信号をこれらのアンテナで受信し、受信されたパルス信号に基づいて方位探知を行っている。
【0003】
図8は、従来の電波探知装置の構成例を示したブロック図である。この電波探知装置100は、電波発射源から発信されたパルス信号を受信して方位探知を行うものであり、受信方位の異なる8個のアンテナ1a,1b,…,1hと、アンテナ切替器101と、信号処理器102と、メイン制御部103と、パルス蓄積器104と、切替制御部105と、タイマ106と、方位検出部107からなる。
【0004】
アンテナ1a〜1hは、電波発射源からのパルス変調波を受信するための指向性アンテナであり、互いに受信方位を異ならせて配置され、各アンテナ1a〜1hの受信方位によって全方位が等分割されている。また、各アンテナ1a〜1hはアンテナ切替器101に接続されている。
【0005】
アンテナ切替器101は、切替制御部105からの切替制御信号に基づいて、信号処理器102に接続するアンテナ1a〜1hを切り替える多入力一出力のスイッチング手段である。アンテナ切替器101によって、アンテナ1a〜1hのいずれか一つが選択され、被選択アンテナで受信されたパルス信号のみが信号処理器102へ出力される。
【0006】
切替制御部105は、メイン制御部103からの制御信号に基づいて、アンテナ切替器101へ切替制御信号を出力し、アンテナ切替器101によるアンテナ切替を制御している。すなわち、切替制御部105は、被選択アンテナによってパルス信号が受信されるごとに、アンテナ切替器101に対しアンテナ切替を指示して他のアンテナを選択させ、各アンテナ1a〜1hが順次に選択されるようにアンテナ切替器101を制御している。また、リセット時には初期状態へのアンテナ切替、例えばアンテナ1aの選択を指示する。
【0007】
信号処理器102は、アンテナ切替器101から出力されたRF信号(Radio Frequency)をIF信号(Intermediate Frequency)へ周波数変換し、パルス信号を検出する検波手段である。すなわち、アンテナ1a〜1hで受信されたパルス信号がアンテナ切替器101を介して入力されると、信号処理器102は、このパルス信号をダウンコンバートするとともに、その振幅を所定の検出レベルと比較し、振幅が当該検出レベルを超える信号をメイン制御部103へ出力する。
【0008】
メイン制御部103は、信号処理器102で検出されたパルス信号について蓄積処理を行う。この蓄積処理は、パルス信号データをパルス蓄積器104に格納することにより行われる。すなわち、メイン制御部103は、信号処理器102からのパルス信号について、信号の振幅レベルと、信号を受信したアンテナの受信方位と、信号の周波数と、信号検出時刻等を判別し、パルス信号データとしてパルス蓄積器104に記録する。また、メイン制御部103は、パルス蓄積器104にパルス信号データを蓄積させる毎に、アンテナ1a〜1hの切り替えを指示する制御信号を切替制御部105へ出力する。
【0009】
さらに、メイン制御部103は、リセット時にパルス蓄積器104から方位検出部107へパルス信号データを転送するとともに、パルス蓄積器104及びアンテナ切替器101のリセットを行う。すなわち、メイン制御部103は、タイマ106からリセット信号が入力されると、パルス蓄積器104に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器104から読み出して方位検出部107へ出力するとともに、パルス信号データの読み出し後にパルス蓄積器104をリセットして蓄積されたパルス信号データを消去する。また、アンテナ切替器101のリセットを指示する制御信号を切替制御部105へ出力する。
【0010】
パルス蓄積器104は、パルス信号データを蓄積するデータ記憶手段であり、メイン制御部103からのパルス信号データを格納する。また、パルス蓄積器104のリセット時には、パルス蓄積器104に蓄積されたパルス信号データがすべて消去される。
【0011】
タイマ106は、所定のリセット周期でリセット信号を生成するリセット信号生成手段であり、生成されたリセット信号はメイン制御部103へ出力される。タイマ106からメイン制御部103に対し、上記リセット周期でリセット信号が出力されることによって、パルス蓄積器104及びアンテナ切替器101も当該リセット周期でリセットされる。
【0012】
方位検出部107は、メイン制御部103から入力されたパルス信号データに基づいて、方位検出を行う方位検出手段である。すなわち、リセット時までに蓄積されたパルス信号データがメイン制御部103から入力されると、方位検出部107は、このパルス信号データに基づいて受信電波の到来方位を検出する。ただし、メイン制御部103から入力されたパルス信号数がアンテナ1a〜1hの個数である8個より少ない場合は、方位検出を行わない。つまり、所定のリセット周期内に全てのアンテナ1a〜1hにおいてパルス信号が受信され、パルス蓄積器104に8個以上のパルス信号が蓄積された場合に、方位検出が行われる。
【0013】
図9のステップS601〜S606は、従来の電波探知装置における探知処理を示したフローチャートである。
【0014】
アンテナ切替器101により選択されたアンテナ1a〜1hで受信されたパルス変調波は、アンテナ切替器101を経て信号処理器102に送られ、IF信号に変換された後にパルス信号として検出される。検出されたパルス信号は、信号処理器102からメイン制御部103に入力され、メイン制御部103によってパルス蓄積器104に記録される(ステップS601)。また、パルス信号を記録するのに伴って、アンテナ切替を指示する制御信号がメイン制御部103から切替制御部105へ出力される。
【0015】
つまり、選択されたアンテナ1a〜1hでパルス信号が受信されるごとに、受信パルスがパルス蓄積器104に蓄積されるとともに、アンテナの切り替えが行われ、他のアンテナ1a〜1hが選択される。そして、リセット信号がタイマ106からメイン制御部103に入力されるまで、この処理手順が繰り返される(ステップS602)。
【0016】
タイマ106からリセット信号が出力されると、メイン制御部103は、パルス蓄積器104に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器104からすべて読み出し、方位検出部107に出力する(ステップS603)。また、パルス信号データを方位検出部107に出力するのに伴って、パルス蓄積器104のリセットが行われる。パルス蓄積器104のリセットによって蓄積されたパルス信号データが全て消去される。また、アンテナ切替器101もリセットされる(ステップS604)。アンテナ切替器101のリセットによってアンテナ1a〜1hの選択は初期状態に戻る。
【0017】
次に、方位検出部107は、メイン制御部103から入力されたパルス信号データに基づいて方位検出処理を行う(ステップS605)。方位検出処理は、入力されたパルス信号データに基づいてパルス信号の到来方位を求める処理である。この方位検出処理は、蓄積されたパルス信号数が所定数、すなわち8個以上である場合には実行されるが(ステップS606)、蓄積されたパルス信号数が8個より少ない場合には実行されず、この場合は検出エラーとなる。
【0018】
つまり、リセット周期内に、少なくともアンテナ1a〜1hの個数分のパルス信号がパルス蓄積器104に蓄積されたときには、リセット時までに蓄積されたパルス信号データに基づいて方位検出が行われる。
【0019】
一方、リセット周期内にアンテナ1a〜1hの個数分のパルス信号が蓄積されなかったときには、方位検出は行われず、検出エラーとなる。従って、電波探知装置100において、受信電波の方位が検出されるためには、所定の周期内に少なくとも8個のパルス信号が蓄積される必要がある。
【0020】
ここで、レーダ等の電波発射源からの電波発信状況について説明する。レーダ等の電波発射源は、通常、送信アンテナを一定周期(スキャン周期SP)で回転させるサーキュラ走査を行いながら、送信波を出力している。従って、電波探知装置100がこの送信波を受信できるのは、電波発射源の送信アンテナが電波探知装置100の方向に向けられている期間に限られる。つまり、電波が受信可能であるのは、スキャン周期SPのうち、送信アンテナのビーム幅で決まる一定期間だけである。
【0021】
また、電波発射源は、常時電波を発射しているのではなく、一定周期(パルス繰り返し間隔PRI)ごとに一定時間(電波照射時間DOI)だけ電波を発信している。従って、電波探知装置100が電波を受信できるのは、電波発射源の送信アンテナが電波探知装置100に向けられている場合であって、電波発射源が電波を送信している場合に限られる。
【0022】
このため、電波発射源のスキャン周期SPが長い場合、ビーム幅が狭い場合、パルス繰り返し間隔PRIが長い場合、あるいは、これらが重畳する様な場合には、電波探知装置100において方位探知を行うことができない場合が生ずるという問題があった。
【0023】
すなわち、電波発射源のスキャン周期SPが長くなり、ビーム幅が狭くなり、あるいは、パルス繰り返し間隔PRIが長くなると、電波探知装置100が一定期間内に受信できるパルス変調波の数が減少する。従来の電波探知装置100では、リセット周期内に方位検出に必要な数のパルス信号を蓄積できなければ検出エラーとなるため、この様な場合に方位検出を行うことができないという問題があった。
【0024】
ところで、レーダ等の方位を探知する従来の電波探知装置の他の例として、例えば、特許文献1に記載のものがある。この電波探知装置は、各アンテナのそれぞれに、アンテナの切り替え時間差に相当する遅延量を有するディレイラインを接続し、受信信号を遅延させることで、到来した1つのパルス信号を全アンテナから検出できるようにしたものである。
【0025】
この電波探知装置は、上述した方位探知装置の様に、複数のパルスを受信して方位検出を行っているのではなく、各アンテナにおいてパルス信号の一部だけを受信しているに過ぎず、パルス幅などの諸元データを取得することができない。このため、例えば、異なる電波発射源から2以上の電波が到来している場合に、電波の到来方位を正しく検出できない場合が生じ得る。また、パルス幅内で、信号強度などが変動する場合にも電波の到来方位を正しく検出できない場合が生じ得る。
【0026】
【特許文献1】
特開平8−68841号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電波発射源のスキャン周期SPが長い場合、送信波のビーム幅が狭い場合、或いは、送信波のパルス繰り返し間隔PRIが長い場合であっても電波発信源の方位を検出することができる電波探知装置を提供することを目的としている。また、早期に電波発信源の概略方位を検出することができる電波探知装置を提供することを目的としている。
【0028】
また、電波発射源のスキャン周期SPが長い場合、送信波のビーム幅が狭い場合、或いは、送信波のパルス繰り返し間隔PRIが長い場合であっても方位の検出を行うことができる電波探知方法を提供することを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明による電波探知装置は、受信方位の異なる複数のアンテナのいずれかを選択し、被選択アンテナで受信されたパルス信号に基づいてアンテナを切り替えるアンテナ切替手段と、所定のリセット周期ごとにリセット信号を生成するリセット信号生成手段と、被選択アンテナで受信されたパルス信号を格納し、リセット信号に基づいて蓄積されたパルス信号を消去するパルス蓄積手段と、リセット信号に基づいて、パルス蓄積手段に蓄積された消去前のパルス信号を格納する2次蓄積手段と、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行い、切替可能なアンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行う方位検出手段により構成される。
【0030】
パルス蓄積手段に蓄積された後、リセット信号によって消去されるパルス信号を2次蓄積手段に格納することにより、必要に応じて、最後のリセット周期よりも前のパルス信号を方位検出に用いることができる。すなわち、リセット周期内に受信されたパルス信号数がアンテナ数以上の場合には、当該パルス信号を用いて高精度の方位検出を行う一方、リセット周期内に受信されたパルス信号数がアンテナ数よりも少ない場合には、複数のリセット周期内に受信されたパルス信号を用いて比較的精度良く方位検出を行う。
【0031】
本発明による電波探知装置は、上記方位検出手段が、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行うように構成される。この様な構成により、リセット周期内に受信されたパルス信号数がアンテナ数に満たない場合、複数のリセット周期にわたり受信したパルス信号を蓄積し、アンテナ数以上のパルス信号を用いて精度良く方位検出を行うことができる。
【0032】
本発明による電波探知装置は、上記アンテナ切替手段が、一部のアンテナであって各受信方位により全方位を等分割する複数の先行アンテナについて順次に切り替えを行った後に、残るアンテナについて順次に切り替えを行い、上記方位検出手段が、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて概略方位を検出するように構成される。この様な構成により、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数がアンテナ数よりも少ない場合でも、先行アンテナ数以上であれば、概略方位を検出することができる。
【0033】
本発明による電波探知装置は、上記アンテナ切替手段が、一部のアンテナであって各受信方位により全方位を等分割する複数の先行アンテナについて順次に切り替えを行った後に、残るアンテナについて順次に切り替えを行い、上記方位検出手段が、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて概略方位を検出するように構成される。この様な構成により、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数よりも少ない場合でも、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数以上であれば、概略方位を検出することができる。
【0034】
本発明による電波探知方法は、受信方位の異なる複数のアンテナのいずれかを選択し、被選択アンテナで受信されたパルス信号に基づいてアンテナを切り替えるアンテナ切替ステップと、所定のリセット周期ごとにリセット信号を生成するリセット信号生成ステップと、被選択アンテナで受信されたパルス信号をパルス蓄積手段に格納するパルス信号蓄積ステップと、リセット信号に基づいてパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号を消去する消去ステップと、リセット信号に基づいて、パルス蓄積手段に蓄積された消去前のパルス信号を2次蓄積手段に格納する2次蓄積ステップと、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行い、切替可能なアンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行う方位検出ステップからなる。
【0035】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による電波探知装置の一構成例を示したブロック図である。電波探知装置10は、アンテナ1a〜1hと、アンテナ切替器11と、信号処理器12と、メイン制御部13と、パルス蓄積器14と、切替制御部15と、タイマ16と、蓄積制御部17と、パルス2次蓄積器18と、方位検出部19により構成される。従来の電波探知装置と比較すれば、蓄積制御部17及びパルス2次蓄積器18を備える点で異なる。
【0036】
アンテナ1a〜1hは、各アンテナ1a〜1hの受信方位によって全方位が等分割されるように配置されている。ここでは、水平面内において360°を8等分割するように、8個のアンテナ1a〜1hが順に時計回りに配置されている。つまり、隣接するアンテナ間の受信方位は45°異なっている。なお、ここでの全方位とは電波探知装置により探知可能な範囲の方位であればよく、必ずしも360°でなくてもよい。
【0037】
アンテナ切替器11は、切替制御部15の切替制御信号に基づいて、アンテナ1a〜1hを切り替えている。このアンテナ切替は、アンテナ1a,1b,…,1h,1a,1b…の順に、隣接するアンテナからアンテナへ時計回りに順次に行われる。また、アンテナ切替器11のリセット時には、予め定められたアンテナが選択された初期状態に戻される。例えば、アンテナ1aが信号処理器12に接続された状態に戻される。
【0038】
信号処理器12は、アンテナ切替器11を介してアンテナ1a〜1hに接続され、アンテナ1a〜1hで受信されたパルス変調波をIF信号に周波数変換するとともに、その振幅を所定の検出レベルと比較してパルス信号を検出する。この様にして、検出されたパルス信号が、メイン制御部13へ出力される。
【0039】
メイン制御部13は、信号処理器12で検出されたパルス信号について第1の蓄積処理を行う。この第1の蓄積処理は、従来の電波探知装置における蓄積処理に相当する処理である。すなわち、検出されたパルス信号の振幅レベルなどを判別して、パルス信号データとしてパルス蓄積器14に格納する。また、メイン制御部13は、パルス蓄積器14にパルス信号データを蓄積させる毎に、アンテナ1a〜1hの切り替えを指示する制御信号を切替制御部15へ出力する。
【0040】
更に、メイン制御部13は、タイマ16から所定のリセット周期でリセット信号が入力されると、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器14からすべて読み出し、蓄積制御部17へ出力する。パルス蓄積器14はパルス信号データの読み出し後にリセットされ、蓄積していたパルス信号データは全て消去される。
【0041】
パルス2次蓄積器18は、リセットによって消去されるパルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データを格納するデータ記憶手段である。パルス信号データの書き込み及び読み出しは蓄積制御部17によって行われる。また、蓄積制御部17によってセットされ、蓄積されていたパルス信号データが消去される。
【0042】
蓄積制御部17は、リセット時にメイン制御部13から出力されたパルス信号データをパルス2次蓄積器18に格納する第2の蓄積処理を行う。この第2の蓄積処理は、パルス蓄積器14に蓄積されていたパルス信号データが、方位検出部19において方位検出可能な数よりも少ない場合に行われる。すなわち、パルス蓄積器14での蓄積数がアンテナ1a〜1hの個数である8個よりも少ない場合には、これらのパルス信号データがパルス2次蓄積器18に格納される。
【0043】
また、蓄積制御部17は、リセット時に、パルス信号データを方位検出部19へ出力する。すなわち、パルス蓄積器14での蓄積数が8個以上であれば、メイン制御部13からのパルス信号データをそのまま方位検出部19へ出力し、従来の電波探知装置と同様に動作する。一方、パルス蓄積器14での蓄積数が8個より少ない場合でも、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18での蓄積数の合計が8個以上であれば、両蓄積器14,18に蓄積された全てのパルス信号データが方位検出部19へ出力される。ただし、両蓄積器14,18での蓄積数の合計が8個よりも少なければ、方位検出部19への出力は行われない。
【0044】
つまり、パルス蓄積器14での蓄積数が方位検出部19において方位検出可能な数であれば、蓄積制御部17を有しない従来の電波探知装置と同様の動作となる。一方、パルス蓄積器14での蓄積数がこれよりも少ない場合には、パルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号データも加えて方位検出可能な数か否かを判別する。この結果、方位検出可能であれば、蓄積制御部17は、これらのパルス信号データを方位検出部19へ出力する。
【0045】
更に、蓄積制御部17は、方位検出部19に対しパルス信号データを出力する場合には、パルス2次蓄積器18をリセットして蓄積されたパルス信号データを全て消去するとともに、アンテナ切替器11をリセットする制御信号を切替制御部15へ出力し、アンテナの選択を初期状態に戻す。
【0046】
方位検出部19は、蓄積制御部17からパルス信号データが出力されると、このパルス信号データに基づいて方位検出を行う方位検出手段である。例えば、蓄積制御部17から入力されたパルス信号の振幅を比較し、最大振幅のパルス信号を受信したアンテナ1a〜1hの受信方位から受信電波の到来方位を検出することができる。
【0047】
切替制御部15は、メイン制御部13からアンテナ1a〜1hの接続を切り替える制御信号が入力されると、接続を切り替える制御をアンテナ切替器11に対して行う。また、切替制御部15は、蓄積制御部17からアンテナ切替器11をリセットする制御信号が入力されると、アンテナ切替器11をリセットする。
【0048】
タイマ16は、所定のリセット周期でリセット信号を生成し、メイン制御部13へ出力する。
【0049】
図2〜図4のステップS101〜S105、S201〜S204、S301〜S307及びS401〜S404は、図1の電波探知装置10における探知処理の一例を示したフローチャートである。はじめに、電波探知装置10は初期状態にあるものとする。すなわち、アンテナ切替器11、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18はリセットされ、アンテナ切替器11はアンテナ1aを選択し、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18にはパルス信号データが蓄積されていない状態にあるものとする。この状態において方位探知が開始される。
【0050】
アンテナ切替器11により選択されたアンテナ1a〜1h(初期状態ではアンテナ1a)で受信されたパルス変調波は、アンテナ切替器11を経て信号処理器12に送られ、IF信号に変換されてパルス信号が検出される。そして、信号処理器12からパルス信号が出力されると、メイン制御部13は、パルス信号データとしてパルス蓄積器14に記録する(ステップS101)。
【0051】
ステップS101において、メイン制御部13は、パルス信号をパルス蓄積器14に記録するのに伴って、アンテナ1a〜1hの接続を切り替える制御信号を切替制御部15に出力する。
【0052】
つまり、メイン制御部13は、選択されたアンテナ1a〜1hでパルス信号が受信される毎に、当該パルス信号をパルス蓄積器14に蓄積させるとともに、アンテナ1a〜1hの切り替えを行う。そして、リセット信号がタイマ16から入力されるまで、この処理手順を繰り返す(ステップS102)。
【0053】
リセット信号が入力されると、メイン制御部13は、ステップS101及びステップS102においてパルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器14からすべて読み出し、蓄積制御部17に出力する(ステップS103)。
【0054】
メイン制御部13は、ステップS103においてパルス信号データを読み出した後にパルス蓄積器14をリセットして、蓄積されたパルス信号データを消去する(ステップS104)。
【0055】
メイン制御部13からパルス信号データが出力された場合における蓄積制御部17の動作は、出力されたパルス信号データの数によって異なる(ステップS105)。すなわち、メイン制御部13から出力されたパルス信号数がアンテナ1a〜1hの個数、すなわち、8個以上である場合、蓄積制御部17は、メイン制御部13からのパルス信号データをそのまま方位検出部19へ出力する(ステップS201)。
【0056】
また、蓄積制御部17は、パルス信号データを方位検出部19に出力する際、パルス2次蓄積器18をリセットして蓄積されたパルス信号を消去するとともに、アンテナ切替器11をリセットする制御信号を切替制御部15に出力する(ステップS202,S203)。
【0057】
蓄積制御部17から方位検出部19へパルス信号データが出力されると、方位検出部19において、蓄積制御部17からのパルス信号データに基づいて方位検出が行われる(ステップS204)。
【0058】
一方、ステップS105において、メイン制御部13から出力されたパルス信号数が8個より少ない場合、蓄積制御部17は、メイン制御部13からのパルス信号データをパルス2次蓄積器18に記録し、メイン制御部13からパルス信号データが新たに入力されるまで待機する(ステップS301)。
【0059】
なお、蓄積制御部17は、方位検出部19において方位検出が行われない場合には、アンテナ切替器11をリセットする制御信号は出力しない。このため、アンテナ切替器11のリセットは行われず、方位探知は継続される。
【0060】
ステップS301に続いて、ステップS101からステップS104までの処理手順と同様の処理が行われる(ステップS302〜S305)。また、ステップS304において、メイン制御部13から蓄積制御部17へ新たに出力されたパルス信号数が8個以上の場合には、ステップS105、S201〜204の処理手順と同様の処理が行われる(ステップS306)。
【0061】
一方、メイン制御部13から新たに出力されたパルス信号数が8個よりも少ない場合における蓄積制御部17の動作は、メイン制御部13から出力されるパルス信号数及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号数の合計によって異なる(ステップS307)。
【0062】
すなわち、これらの合計が8個以上であれば、蓄積制御部17は、メイン制御部13からのパルス信号データとともに、パルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号データを方位検出器19へ出力し(ステップS401)、パルス2次蓄積器18及びアンテナ切替器11をリセットする(ステップS402,403)。
【0063】
蓄積制御部17から方位検出部19へパルス信号データが出力されると、方位検出部19は、蓄積制御部17からのパルス信号データに基づいて方位検出を行う(ステップS404)。すなわち、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号データに基づいて方位検出が行われる。
【0064】
一方、ステップS106において、メイン制御部13から出力されたパルス信号数及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号数の合計が8個よりも少ない場合には、方位検出を行うことなく、ステップS301に戻り、新たなリセット期間において同様の処理手順が開始される。
【0065】
このようにして、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号数が8個より少ない場合には、パルス信号データをパルス2次蓄積器18に蓄積して探知処理を継続し、8個以上のパルス信号が蓄積されると、蓄積されたパルス信号データに基づいて方位検出が行われ、探知処理は終了する。
【0066】
本実施形態によれば、リセット周期内にアンテナ数以上のパルス信号を受信することができない場合に、パルス蓄積器14のリセット前に蓄積されたパルス信号をパルス2次蓄積器に蓄積している。このため、リセット周期内に方位探知に必要な数のパルス信号が受信できれば、従来の電波探知装置と同様にして、高精度の方位検知を行う一方、リセット周期内に方位探知に必要な数のパルス信号が受信できなかった場合でも、パルス2次蓄積器18に蓄積されたデータを用いて、複数のリセット周期にわたる方位検出を行うことができ、比較的精度良く方位検出を行うことができる。
【0067】
従って、電波発射源のスキャン周期SPが長いために、送信波のビーム幅が狭いために、あるいは、送信波のパルス繰り返し間隔PRIが長いために、リセット時までにアンテナ数分のパルス信号をパルス蓄積器14に蓄積することが困難な場合であっても、方位の検出を行うことができる。
【0068】
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2による電波探知装置の一構成例を示したブロック図である。本実施形態の電波探知装置30は、図1の電波探知装置(実施の形態1)と比較すれば、概略方位を検出するための概略方位検出部31を備える点で異なる。
【0069】
本実施形態では、全てのアンテナ1a〜1hのうち、一部のアンテナを先行アンテナとする。先行アンテナは複数のアンテナからなり、各受信方位によって全方位を等分割するアンテナの組み合わせからなる。ここでは、アンテナ1a,1c,1e,1gが先行アンテナである場合について説明する。
【0070】
切替制御部15は、全てのアンテナ1a〜1hを順次に選択するようにアンテナ切替を行っているが、その際、隣接するアンテナへ切り替えるのではなく、先行アンテナ1a,1c,1e,1gを他のアンテナ1b,1d,1f,1hよりも先行させて選択する。ここでは、1a→1e→1c→1g→1b→1f→1d→1h→1a→…の順になるように接続を切り替えるものとする。
【0071】
この様にして、全方位をカバーする4個のアンテナ1a,1c,1e,1gを先行アンテナとし、リセット期間内において、アンテナ切替器11がこれらの先行アンテナを先に選択することにより、蓄積されたパルス信号数が4個となった時点で、全方位を粗くカバーすることができる。
【0072】
概略方位検出部31は、方位検出部19と同様、パルス信号データに基づいて受信方位を求める方位検出手段であるが、先行アンテナで受信されたパルス信号に基づいて概略方位を検出している点で、全てのアンテナで受信されたパルス信号に基づいて方位検出を行う方位検出部19とは異なる。パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号数が4個以上になった場合、あるいは、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号数の合計が4個以上になった場合に、4個のパルス信号データに基づいて、概略方位の検出を行う。
【0073】
メイン制御部13は、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号数が4個となったときに、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器14から読み出して蓄積制御部17へ出力する。また、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号数の合計を監視し、これらの合計が4個となったときには、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データをパルス蓄積器14から読み出して蓄積制御部17へ出力する。このとき、パルス蓄積器14はリセットしない。
【0074】
蓄積制御部17は、メイン制御部13から概略方位検出用のパルス信号データが入力されると、入力されたパルス信号データ及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号データを概略方位検出部31へ出力する。このとき、パルス信号データをパルス2次蓄積器18に格納せず、パルス2次蓄積器18をリセットせず、アンテナ切替器11のリセットを指示する制御信号も出力しない。
【0075】
この様にして、蓄積制御部17から概略方位検出部31へ4個のパルス信号データが出力され、概略方位検出部31において概略方位の検出が行われる。なお、メイン制御部13、蓄積制御部17及び方位検出部19におけるリセット時の動作は、実施の形態1の場合と全く同様である。
【0076】
図7のステップS501〜S504は、図6の電波探知装置30における概略方位検出処理の一例を示したフローチャートであり、図2のステップS101及び図4のステップS302において実行される。
【0077】
メイン制御部13は、受信したパルス信号をパルス蓄積器14に記録した後(ステップS101、S302)、パルス蓄積器14及びパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号数の合計をチェックする。その結果、合計数が4個以上であれば、パルス蓄積器14に蓄積されたパルス信号データを概略方位検出用データとして蓄積制御部17へ出力する(ステップS501,S502)。
【0078】
メイン制御部13から概略方位検出用データが出力されると、蓄積制御部17は、必要に応じてパルス2次蓄積器18に蓄積されたパルス信号データを読み出す。メイン制御部13からのパルス信号に読み出されたパルス信号が加えられて得られた4個のパルス信号データが概略方位検出部31へ出力される(ステップS503)。
【0079】
蓄積制御部17から概略方位検出部31へ4個のパルス信号データが出力されると、概略方位検出部31は、4個のパルス信号データに基づいて、概略方位を検出する。その後は、図2のステップS102又は図4のステップS303に戻る。また、ステップS501において、合計数が4個よりも少ない場合も、同様にして図2又は図4に戻る。
【0080】
この電波探知装置30は、概略方位検出を行う点を除き、実施の形態1の場合と全く同様の動作を行っており、図2、図4に戻った後、8個以上のパルス信号が蓄積されれば、正確な方位検出が行われる。
【0081】
つまり、探知開始後、パルス信号が4個蓄積された時点で概略の方位が検出され、8個以上蓄積された時点で正確な方位が検出される。なお、概略方位とは、切替可能なアンテナのうち、一部のアンテナ1a,1c,1e,1gに基づいて検出されたおおまかな方位であり、正確な方位とは、切替可能な全てのアンテナ1a〜1hに基づいて検出された高精度な方位である。
【0082】
本実施の形態によれば、リセット時までにアンテナ1a〜1hの個数分、すなわち、8個以上のパルス信号が蓄積されなかった場合であっても、探知処理が継続され、8個以上のパルス信号が蓄積されたときに、蓄積されたパルス信号データに基づいて方位の検出を行う一方、4個のパルス信号が蓄積された時点で概略方位を検出する。
【0083】
このため、電波発射源のスキャン周期SPが長いために、送信波のビーム幅が狭いために、或いは、送信波のパルス繰り返し間隔PRIが長いために、リセット時までに8個以上のパルス信号をパルス蓄積器14に蓄積することが困難である場合であっても方位の検出を行うことができるとともに、正確な方位検出よりも早期に概略方位を検出することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の電波探知装置及び電波探知方法によれば、リセット時までにアンテナの個数分のパルス信号がパルス蓄積手段に蓄積されなかった場合であっても、方位探知が継続される。このため、電波発射源のスキャン周期SPが長い場合、送信波のビーム幅が狭い場合、或いは、送信波のパルス繰り返し間隔PRIが長い場合であっても方位の検出を行うことができる。
【0085】
また、本発明の電波探知装置及び電波探知方法によれば、先行アンテナについてパルス信号が蓄積された時点で、概略方位の検出を行っている。このため、正確な方位が検出されるよりも早期に概略方位を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による電波探知装置の一構成例を示したブロック図である。
【図2】図1の電波探知装置における探知処理の一例を示したフローチャートである。
【図3】図1の電波探知装置における探知処理の一例を示したフローチャートである。
【図4】図1の電波探知装置における探知処理の一例を示したフローチャートである。
【図5】図1の電波探知装置における探知処理の一例を示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2による電波探知装置の一構成例を示したブロック図である。
【図7】図6の電波探知装置30における概略方位検出処理の一例を示したフローチャートである。
【図8】従来の電波探知装置の構成例を示したブロック図である。
【図9】図8の電波探知装置における探知処理の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1a〜1h アンテナ、10,30 電波探知装置、11 アンテナ切替器、
12 信号処理器、13 メイン制御部、14 パルス蓄積器、
15 切替制御部、16 タイマ、17 蓄積制御部、
18 パルス2次蓄積器、19 方位検出部、31 概略方位検出部
Claims (14)
- 受信方位の異なる複数のアンテナのいずれかを選択し、被選択アンテナで受信されたパルス信号に基づいてアンテナを切り替えるアンテナ切替手段と、
所定のリセット周期ごとにリセット信号を生成するリセット信号生成手段と、被選択アンテナで受信されたパルス信号を格納し、リセット信号に基づいて蓄積されたパルス信号を消去するパルス蓄積手段と、
リセット信号に基づいて、パルス蓄積手段に蓄積された消去前のパルス信号を格納する2次蓄積手段と、
リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行い、切替可能なアンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行う方位検出手段を備えたことを特徴とする電波探知装置。 - 上記方位検出手段は、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の電波探知装置。
- 上記2次蓄積手段は、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段に蓄積された消去前のパルス信号を格納することを特徴とする請求項1に記載の電波探知装置。
- 上記アンテナ切替手段は、各受信方位により全方位を等分割する8つのアンテナを順次に切り替えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の電波探知装置。
- 上記アンテナ切替手段は、一部のアンテナであって各受信方位により全方位を等分割する複数の先行アンテナについて順次に切り替えを行った後に、残るアンテナについて順次に切り替えを行い、
上記方位検出手段は、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて概略方位を検出することを特徴とする請求項1に記載の電波探知装置。 - 上記アンテナ切替手段は、一部のアンテナであって各受信方位により全方位を等分割する複数の先行アンテナについて順次に切り替えを行った後に、残るアンテナについて順次に切り替えを行い、
上記方位検出手段は、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて概略方位を検出することを特徴とする請求項1に記載の電波探知装置。 - 上記方位検出手段は、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて概略方位を検出することを特徴とする請求項5又は6に記載の電波探知装置。
- 上記アンテナ切替手段は、各受信方位により全方位を等分割する8つのアンテナを順次に切り替える際、先行アンテナとして受信方位が直交する4つのアンテナを切り替えることを特徴とする請求項5、6又は7のいずれかに記載の電波探知装置。
- 受信方位の異なる複数のアンテナのいずれかを選択し、被選択アンテナで受信されたパルス信号に基づいてアンテナを切り替えるアンテナ切替ステップと、
所定のリセット周期ごとにリセット信号を生成するリセット信号生成ステップと、
被選択アンテナで受信されたパルス信号をパルス蓄積手段に格納するパルス信号蓄積ステップと、
リセット信号に基づいてパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号を消去する消去ステップと、
リセット信号に基づいて、パルス蓄積手段に蓄積された消去前のパルス信号を2次蓄積手段に格納する2次蓄積ステップと、
リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行い、切替可能なアンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行う方位検出ステップからなることを特徴とする電波探知方法。 - 上記方位検出ステップでは、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて方位検出を行うことを特徴とする請求項9に記載の電波探知方法。
- 上記2次蓄積ステップでは、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が切替可能なアンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段に蓄積された消去前のパルス信号を2次蓄積手段に格納することを特徴とする請求項9に記載の電波探知方法。
- 上記アンテナ切替ステップでは、一部のアンテナであって各受信方位により全方位を等分割する複数の先行アンテナについて順次に切り替えを行った後に、残るアンテナについて順次に切り替えを行い、
上記方位検出ステップでは、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて概略方位を検出することを特徴とする請求項9に記載の電波探知方法。 - 上記アンテナ切替ステップでは、一部のアンテナであって各受信方位により全方位を等分割する複数の先行アンテナについて順次に切り替えを行った後に、残るアンテナについて順次に切り替えを行い、
上記方位検出ステップでは、リセット時にパルス蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数より少ない場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて概略方位を検出することを特徴とする請求項9に記載の電波探知方法。 - 上記方位検出ステップでは、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号数が先行アンテナ数以上の場合に、パルス蓄積手段及び2次蓄積手段に蓄積されたパルス信号に基づいて概略方位を検出することを特徴とする請求項12又は13に記載の電波探知方法。
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