JP2004138004A - エンジン用燃料供給モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料ポンプ及び電動モータを備えるエンジン用燃料供給モジュールにおいて,集積製作誤差を少なくして,モータ出力軸及びポンプインペラの同軸性を確保し得るようする。
【解決手段】ポンプハウジング1に一体成形した円筒状のモータ支持部20の外周に電動モータMのステータ10を固定すると共に,その内周によりモータ出力軸16を支承し,燃料ポンプP及び電動モータMを収容して保持し,外側に燃料出口管40を有するアウタハウジング37に,燃料ポンプPの吐出ポート3及び燃料出口管40間を連通する燃料室41を形成し,この燃料室41の燃料を濾過する燃料フィルタFをアウタハウジング37に内装した。
【選択図】 図1
【解決手段】ポンプハウジング1に一体成形した円筒状のモータ支持部20の外周に電動モータMのステータ10を固定すると共に,その内周によりモータ出力軸16を支承し,燃料ポンプP及び電動モータMを収容して保持し,外側に燃料出口管40を有するアウタハウジング37に,燃料ポンプPの吐出ポート3及び燃料出口管40間を連通する燃料室41を形成し,この燃料室41の燃料を濾過する燃料フィルタFをアウタハウジング37に内装した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,エンジンの燃料噴射弁への燃料供給に使用されるエンジン用燃料供給モジュールに関し,特に,ポンプハウジングに形成されるポンプ室にポンプインペラを嵌装してなる燃料ポンプと,前記ポンプインペラに出力軸を連結する電動モータとを備える燃料供給モジュールの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝるエンジン用燃料供給モジュールは,例えば下記特許文献1に開示されているように既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−332204号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のかゝるエンジン用燃料供給モジュールでは,電動モータのステータ及び出力軸を支持するモータ支持部材と,ポンプ室を形成するポンプハウジングとは別体であって,アウタハウジングに個別に固着されるので,製作誤差の集積により,出力軸と,ポンプ室に嵌装されるポンプインペラとの同軸性が多少とも損なわれる。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,集積製作誤差を少なくして,出力軸及びポンプインペラの同軸性を確保し得るようにした前記エンジン用燃料供給モジュールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,ポンプハウジングに形成されるポンプ室にポンプインペラを嵌装してなる燃料ポンプと,前記ポンプインペラに出力軸を連結する電動モータとを備える,エンジン用燃料供給モジュールにおいて,前記ポンプハウジングに一体成形した円筒状のモータ支持部の外周に前記電動モータのステータを固定すると共に,その内周により前記出力軸を支承し,前記燃料ポンプ及び電動モータを収容して保持し,外側に燃料出口管を有するアウタハウジングに,燃料ポンプの吐出ポート及び前記燃料出口管間を連通する燃料室を形成し,この燃料室内の燃料を制御する燃料制御部品を前記アウタハウジングに内装したことを第1の特徴とする。
【0007】
この第1の特徴によれば,ポンプ室に嵌装されるポンプインペラ及び出力軸の,集積製作誤差による同軸性の狂いを防ぐことができ,したがって製作を容易にしつゝポンプインペラ及び出力軸の同軸精度を高めて,常に出力軸の支持を安定させると共に,軸受の摩耗を防ぐことができる。しかも電動モータは,これをポンプハウジングのモータ支持部に取り付けたとき,燃料ポンプとの連結が完了するので,その時点で電動モータ及び燃料ポンプの性能検査を行うことができ,合理的である。またこれらを収容保持するアウタハウジングに燃料制御部品を内装することにより,アウタハウジングが燃料制御部品のハウジングも兼ねることになり,それ専用のハウジングが不要となるから,部品点数削減すると共に,燃料制御部品を備える燃料供給モジュールのコンパクト化を図ることができる。
【0008】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記燃料制御部品を燃料フィルタとし,この燃料フィルタは,前記電動モータを囲繞し前記燃料室を,前記吐出ポートに連なる未浄化室と,前記燃料出口管に連なる浄化室とに仕切るように配置されることを第2の特徴とする。
【0009】
この第2の特徴によれば,燃料フィルタの内外周面に大なる濾過面積を与えて,吐出ポートから燃料出口管に向かい燃料室を流れる燃料を効果的に濾過することができ,しかも電動モータ及び燃料フィルタの同心配置により燃料フィルタ付き燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【0010】
さらに本発明は,第1の特徴に加えて,前記燃料制御部品を圧力レギュレータとし,この圧力レギュレータは,一端に前記燃料室に連なる弁座,他側に前記燃料タンクに開放される逃がし孔を有してアウタハウジングに形成される弁室と,この弁室に収容されて前記弁座と協働する弁体と,前記弁体を前記弁座との着座方向に付勢する調圧ばねとから構成されることを第3の特徴とする。
【0011】
この第3の特徴によれば,燃料室の圧力を一定に調整する圧力レギュレータを備える燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【0012】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記アウタハウジングの一側壁には,前記燃料ポンプの吸入ポートが開口する燃料入口室と,この燃料入口室から上方に延びて,前記燃料入口室で発生したベーパを受容,分離して外部に排出するベーパセパレータ室とを形成したことを第4の特徴とする。
【0013】
この第4の特徴によれば,ベーパセパレータ室を備える燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の第1実施例に係るエンジン用燃料供給モジュールの縦断面図,図2は本発明の第2実施例に係るエンジン用燃料供給モジュールの縦断面図である。
【0016】
先ず,図1に示す本発明の第1実施例の説明より始める。
【0017】
本発明のエンジン用燃料供給モジュールAは,ウエスコ型の燃料ポンプPと,それを駆動する電動モータMと,燃料ポンプPの吸入燃料を濾過する燃料ストレーナSと,燃料ポンプPの吐出燃料を濾過する燃料フィルタFと,燃料の出口圧力を調整する圧力レギュレータRと,出口側で燃料の逆流を阻止する残圧保持弁Cとを備えるもので,燃料タンクT内の燃料中に浸漬配置され,その燃料をエンジンの燃料噴射弁Iへ圧送するのに供される。
【0018】
燃料ポンプPのポンプハウジング1は,吸入ポート2を下面に開口するアルミ合金製の第1ポンプハウジング半体1aと,吐出ポート3を上面に開口して第1ポンプハウジング半体1aとかしめ結合される,同じくアルミ合金製の第2ポンプハウジング半体1bとからなっている。第2ポンプハウジング半体1bには,吸入ポート2及び吐出ポート3の各内端が開口するポンプ室5が形成され,このポンプ室5にポンプインペラ6が回転自在に嵌装される。
【0019】
電動モータMは,ステータコア12及びステータコイル13からなるステータ10と,このステータ10を囲繞する有底円筒状のロータ本体14及びその内周面に付設した永久磁石15からなるアウタロータ11と,ロータ本体14の端壁中心部のハブ14aに固着された出力軸16とでブラシレス型に構成される。
【0020】
ステータコア12は,前記第2ポンプハウジング半体1bに一体成形されて,その上面から突出する中空円筒状のモータ支持部20の外周面に圧入により固定される。
【0021】
上記モータ支持部20の基部及び先端部の内周面には第1及び第2軸受ハウジング23,24が形成され,これらに第1及び第2軸受23,24がそれぞれ圧入により装着され,これら第1及び第2軸受23,24によって前記出力軸16の両端部が支承される。図示例の場合,第1及び第2軸受23,24にはメタル軸受が使用される。
【0022】
出力軸16は,断面半月状の先端部16aを有しており,これを前記ポンプインペラ6中心部の半月状の連結孔6aに嵌合することにより,ポンプインペラ6と連結される。
【0023】
ロータ本体14の端壁には,その内外を連通する複数の透孔17が穿設されている。
【0024】
第2ポンプハウジング半体1bの,ポンプ室5に開口する凹部25において,出力軸16には抜け止め部材26が圧入により固定され,この抜け止め部材26がポンプインペラ6と第1軸受23との対向面に当接することにより,出力軸16の軸方向移動が規制されるようになっている。
【0025】
ポンプハウジング1の外周面には,モータ支持部20の基部を囲繞する環状のフィルタベース30がシール部材31を介して嵌合され,このフィルタベース30に燃料フィルタFが取り付けられる。この燃料フィルタFは,電動モータMのアウタロータ11を囲繞する円筒状のフィルタエレメント32と,このフィルタエレメント32の一端を支持してフィルタベース30の上端部外周面にシール部材31を介して嵌合される端環34と,フィルタエレメント32の他端を支持してアウタロータ11の外端面に対向する端板35とから構成される。
【0026】
上記燃料ポンプP,電動モータM及び燃料フィルタFは,合成樹脂製のアウタハウジング37に収容される。アウタハウジング37は,フィルタベース30の外周面に内外一対のシール部材38,39を介して嵌合されてポンプハウジング1及び燃料フィルタFを覆う円筒状のハウジング本体37aと,燃料フィルタFの端板35を押さえながらハウジング本体37aの端面に溶着される蓋体37bとからなっており,その蓋体37bには燃料出口管40が一体成形されている。
【0027】
アウタハウジング37の内部は燃料室41とされ,この燃料室41は,燃料フィルタFによって,燃料ポンプPの吐出ポート3が開口する未浄化室41aと,燃料出口管40の内端が開口する浄化室41bとに区画される。
【0028】
ハウジング本体37aの,ポンプハウジング1側の端部には,吸入ポート2を覆う燃料ストレーナSが取り付けられる。
【0029】
蓋体37bの燃料出口管40には,エンジンの燃料噴射弁Iに連なる高圧燃料導管42が接続される。また燃料出口管40に,燃料の逆流を阻止する残圧保持弁Cが設けられる。
【0030】
蓋体37bには,また,燃料出口管40の一側に連なる弁筒45が一体成形され,その弁筒45に,燃料噴射弁Iに供給される燃料の圧力を一定に調整する圧力レギュレータRが設けられる。この圧力レギュレータRは,弁筒45内に形成され,一端に燃料出口管40内に連通する円錐状弁座46を持つ弁室47と,この弁室47内に収容されて弁座46と協働する弁体48と,弁室47内で弁体48を弁座46との着座方向に付勢する調圧ばね49とから構成され,調圧ばね49の固定端は,弁室47の他端を閉塞する栓体50により支承される。弁筒45には,弁室47を燃料タンクT内に開放する逃がし孔51が設けられる。
【0031】
この第1実施例の作用について説明する。
【0032】
電動モータMが作動すると,その出力軸16によりポンプインペラ6が回転駆動される。これに伴い,先ず燃料ストレーナSにより濾過された,燃料タンクT内の燃料が吸入ポート2からポンプ室5に吸入され,ポンプインペラ6により昇圧されて吐出ポート3から,燃料室41の未浄化室41aに吐出される。そして燃料フィルタFにより濾過されながら浄化室41bに移り,残圧保持弁Cを開いて高圧燃料導管42を経て燃料噴射弁Iに供給され,その開弁時に,図示しないエンジンの吸入ポートへ向けて噴射される。
【0033】
この間,燃料室41内の圧力が所定値以上に上昇すると,圧力レギュレータRの弁体48が開弁し,燃料室41の燃料を余剰圧力分だけ逃がし孔51を通して燃料タンクT内に解放する。これによって燃料室41から燃料噴射弁Iに至る燃料通路中の圧力は一定に調整される。
【0034】
またアウタハウジング37内では,燃料室41で流動する燃料により電動モータMの各部及び第2軸受24が冷却され,第2ポンプハウジング半体1bの凹部25では,第1軸受23がポンプ室5の燃料により冷却される。
【0035】
ところで,ポンプ室5を有する第2ポンプハウジング半体1bにモータ支持部20が一体成形され,このモータ支持部20の外周に電動モータMのステータ10が固定されると共に,その内周でアウタロータ11の出力軸16の両端部が一対の軸受21,22を介して支承されるので,ポンプ室5に嵌装されるポンプインペラ6及び出力軸16の,集積製作誤差による同軸性の狂いを防ぐことができ,したがって製作を容易にしつゝポンプインペラ6及び出力軸16の同軸精度を高めて,常に出力軸16の支持を安定させ,アウタロータ11の回転振動や軸受23,24の偏摩耗を防ぐことができる。
【0036】
しかも電動モータMは,これをポンプハウジング1のモータ支持部20に取り付けたとき,燃料ポンプPとの連結が完了するので,その時点で電動モータM及び燃料ポンプPの性能検査を行うことができ,合理的である。
【0037】
また軸方向に上下に並ぶ電動モータM及び燃料ポンプPを収容,保持するアウタハウジング37の内部は,吐出ポート3及び燃料出口管40間に介在する燃料室41とされ,この燃料室41には,電動モータMを囲繞して燃料室41を,吐出ポート3側の未浄化室41aと,燃料出口管40側の未浄化室41aとに仕切る燃料フィルタFが配置されるので,燃料フィルタFの内外周面に大なる濾過面積を与えて,吐出ポート3から燃料出口管40に向かい燃料室41を流れる燃料を効果的に濾過することができ,しかも電動モータM及び燃料フィルタFの同心配置により燃料フィルタ付き燃料供給モジュールAをコンパクトに構成することができる。
【0038】
またアウタハウジング37の端壁には,燃料噴射弁Iに供給される燃料の圧力を調整する圧力レギュレータRが設けられるので,圧力レギュレータ付き燃料供給モジュールAをコンパクトに構成することができる。
【0039】
次に,図2に示す本発明の第2実施例について説明する。
【0040】
第2ポンプハウジング半体1bの外周には,一側にカプラ55を一体に備えた合成樹脂製のカプラベース56が嵌合され,このカプラベース56からカプラ55にかけて,ステータコイル13に接続した接続端子57が埋設される。カプラベース56及び第1,第2ポンプハウジング半体1a,1bの三者はかしめリング58により結合される。
【0041】
アウタハウジング37は,燃料ポンプP及びカプラベース56を収容する有底のアウタハウジング下部37cと,電動モータMを収容してカプラベース56の外周にシール部材59を介して嵌合すると共に,シール部材60を挟んでアウタハウジング下部37cと接合されるアウタハウジング上部37dとから構成される。アウタハウジング上部37dには,カプラ55を上方に突出させるカプラ孔61が設けられており,このカプラ孔61を囲むシール部材62がカプラベース56とアウタハウジング上部37dとの間に介裝される。
【0042】
アウタハウジング下部37cは底部に燃料入口管63を備える。アウタハウジング下部37cの内部は,上記燃料入口管63及び吸入ポート2間を連通する燃料入口室64とされ,この燃料入口室64において第1ポンプハウジング半体1aに,吸入ポート2を覆う燃料ストレーナSが装着される。
【0043】
アウタハウジング上部及び下部37c,37dの一側壁には,上記燃料ストレーナSより下方の燃料入口室64に下端部を連ねる縦長のベーパセパレータ室65が形成される。
【0044】
燃料入口管63には,燃料タンクTから延出した低圧燃料導管66が接続される。この低圧燃料導管66の途中には,1次燃料ストレーナ67が設けられる。
【0045】
アウタハウジング上部37dの内部は,燃料ポンプPの吐出ポート3が開口する燃料室41とされ,この燃料室41の上部に燃料フィルタFが装着される。アウタハウジング上部37dの天井壁には,燃料フィルタFを介して燃料室41に連通する燃料出口管40が一体に形成され,この燃料出口管40に,燃料噴射弁Iを保持する噴射弁ホルダ70が結合される。噴射弁ホルダ70は,燃料出口管40及び燃料噴射弁I間を連通する燃料通路71を有し,この燃料通路71に,燃料の逆流を阻止する残圧保持弁Cが設けられる。
【0046】
またアウタハウジング上部37dには,燃料噴射弁Iに供給される燃料の圧力を一定に調整する圧力レギュレータRが取り付けられる。この圧力レギュレータRは,アウタハウジング上部37dの天井壁に取り付けられる弁ケース72と,この弁ケース72を,燃料室41に連通する円筒状の弁室73と大気に連通する大気室74との間を仕切るダイヤフラム75とを備えており,弁室73の下端には弁座76が形成されている。弁室73には,弁座76に着座し得る球状の弁体48が配設される一方,ダイヤフラム75の中心部には,この弁体48に接する作動部材77が設けられ,この作動部材77を介して弁体48を所定の荷重をもって弁座76側に押圧する調圧ばね78が大気室74に縮設される。また弁ケース72には,弁体48を弁座76から離座させる方向に,調圧ばね78より遙に弱い荷重をもって付勢する開きばね79が装着される。
【0047】
またアウタハウジング上部37dには,弁座76の下流側に連通する逃がし孔80が設けられると共に,この逃がし孔80に連なる燃料戻し管81が外側面に突設され,それに,燃料タンクTに開放される燃料戻し導管83が接続される。
【0048】
前記ベーパセパレータ室65の上部は,小孔82を介して逃がし孔80に開放される。
【0049】
その他の構成は前実施例と同様であるので,図2中,前実施例に対応する部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0050】
而して,燃料ポンプPの作動中,燃料室41の圧力が所定値以上に上昇すると,ダイヤフラム75が調整ばね78の荷重に抗して上動し,弁体48が開きばね79の付勢力で開弁する。したがって,燃料室41の燃料は余剰圧力分だけ逃がし孔80及び燃料戻し導管83を通して燃料タンクT内に還流する。これによって燃料室41の圧力,即ち燃料噴射弁Iに供給される燃料の圧力は一定に調整される。
【0051】
また低圧燃料導管66から燃料入口室64に導入される燃料にベーパが発生すると,燃料ストレーナSにより吸入ポート2への移行を阻止され,側方のベーパセパレータ室65に移り,上昇して小孔82から逃がし孔80に排出され,逃がし孔80を通る燃料と共に,燃料タンクTに送られる。したがって,燃料ポンプPは,ベーパを含まない良好な燃料を吸入することができる。
【0052】
この第2実施例によれば,カプラ55,燃料フィルタF,圧力レギュレータR及びベーパセパレータ室65を備える燃料供給モジュールAをコンパクトに構成することができる。
【0053】
本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を変更することなく種々の設計変更が可能である。例えば,第1及び第2ポンプハウジング半体1a,1bを合成樹脂製とすることもできる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,ポンプハウジングに形成されるポンプ室にポンプインペラを嵌装してなる燃料ポンプと,前記ポンプインペラに出力軸を連結する電動モータとを備える,エンジン用燃料供給モジュールにおいて,前記ポンプハウジングに一体成形した円筒状のモータ支持部の外周に前記電動モータのステータを固定すると共に,その内周により前記出力軸を支承し,前記燃料ポンプ及び電動モータを収容して保持し,外側に燃料出口管を有するアウタハウジングに,燃料ポンプの吐出ポート及び前記燃料出口管間を連通する燃料室を形成し,この燃料室内の燃料を制御する燃料制御部品を前記アウタハウジングに内装したので,ポンプ室に嵌装されるポンプインペラ及び出力軸の,集積製作誤差による同軸性の狂いを防ぐことができ,したがって製作を容易にしつゝポンプインペラ及び出力軸の同軸精度を高めて,常に出力軸の支持を安定させると共に,軸受の摩耗を防ぐことができる。しかも電動モータは,これをポンプハウジングのモータ支持部に取り付けたとき,燃料ポンプとの連結が完了するので,その時点で電動モータ及び燃料ポンプの性能検査を行うことができ,合理的である。またこれらを収容保持するアウタハウジングに燃料制御部品を内装することにより,アウタハウジングが燃料制御部品のハウジングも兼ねることになり,それ専用のハウジングが不要となるから,部品点数削減すると共に,燃料制御部品を備える燃料供給モジュールのコンパクト化を図ることができる。
【0055】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記燃料制御部品を燃料フィルタとし,この燃料フィルタは,前記電動モータを囲繞し前記燃料室を,前記吐出ポートに連なる未浄化室と,前記燃料出口管に連なる浄化室とに仕切るように配置されるので,燃料フィルタの内外周面に大なる濾過面積を与えて,吐出ポートから燃料出口管に向かい燃料室を流れる燃料を効果的に濾過することができ,しかも電動モータ及び燃料フィルタの同心配置により燃料フィルタ付き燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【0056】
さらに本発明の第3の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記燃料制御部品を圧力レギュレータとし,この圧力レギュレータは,一端に前記燃料室に連なる弁座,他側に前記燃料タンクに開放される逃がし孔を有してアウタハウジングに形成される弁室と,この弁室に収容されて前記弁座と協働する弁体と,前記弁体を前記弁座との着座方向に付勢する調圧ばねとから構成されるので,燃料室の圧力を一定に調整する圧力レギュレータを備える燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【0057】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記アウタハウジングの一側壁には,前記燃料ポンプの吸入ポートが開口する燃料入口室と,この燃料入口室から上方に延びて,前記燃料入口室で発生したベーパを受容,分離して外部に排出するベーパセパレータ室とを形成したので,ベーパセパレータ室を備える燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るエンジン用燃料供給モジュールの縦断面図
【図2】本発明の第2実施例に係るエンジン用燃料供給モジュールの縦断面図
【符号の説明】
A・・・・・燃料供給モジュール
F・・・・・燃料フィルタ
I・・・・・燃料噴射弁
M・・・・・電動モータ
P・・・・・燃料ポンプ
R・・・・・圧力レギュレータ
T・・・・・燃料タンク
1・・・・・ポンプハウジング
2・・・・・吸入ポート
3・・・・・吐出ポート
5・・・・・ポンプ室
6・・・・・ポンプインペラ
16・・・・出力軸
20・・・・モータ支持部
37・・・・アウタハウジング
40・・・・燃料出口管
41・・・・燃料室
41a・・・未浄化室
41b・・・浄化室
47・・・・弁座
48・・・・弁体
49・・・・調圧ばね
64・・・・入口室
65・・・・ベーパセパレータ室
【発明の属する技術分野】
本発明は,エンジンの燃料噴射弁への燃料供給に使用されるエンジン用燃料供給モジュールに関し,特に,ポンプハウジングに形成されるポンプ室にポンプインペラを嵌装してなる燃料ポンプと,前記ポンプインペラに出力軸を連結する電動モータとを備える燃料供給モジュールの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝるエンジン用燃料供給モジュールは,例えば下記特許文献1に開示されているように既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−332204号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のかゝるエンジン用燃料供給モジュールでは,電動モータのステータ及び出力軸を支持するモータ支持部材と,ポンプ室を形成するポンプハウジングとは別体であって,アウタハウジングに個別に固着されるので,製作誤差の集積により,出力軸と,ポンプ室に嵌装されるポンプインペラとの同軸性が多少とも損なわれる。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,集積製作誤差を少なくして,出力軸及びポンプインペラの同軸性を確保し得るようにした前記エンジン用燃料供給モジュールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,ポンプハウジングに形成されるポンプ室にポンプインペラを嵌装してなる燃料ポンプと,前記ポンプインペラに出力軸を連結する電動モータとを備える,エンジン用燃料供給モジュールにおいて,前記ポンプハウジングに一体成形した円筒状のモータ支持部の外周に前記電動モータのステータを固定すると共に,その内周により前記出力軸を支承し,前記燃料ポンプ及び電動モータを収容して保持し,外側に燃料出口管を有するアウタハウジングに,燃料ポンプの吐出ポート及び前記燃料出口管間を連通する燃料室を形成し,この燃料室内の燃料を制御する燃料制御部品を前記アウタハウジングに内装したことを第1の特徴とする。
【0007】
この第1の特徴によれば,ポンプ室に嵌装されるポンプインペラ及び出力軸の,集積製作誤差による同軸性の狂いを防ぐことができ,したがって製作を容易にしつゝポンプインペラ及び出力軸の同軸精度を高めて,常に出力軸の支持を安定させると共に,軸受の摩耗を防ぐことができる。しかも電動モータは,これをポンプハウジングのモータ支持部に取り付けたとき,燃料ポンプとの連結が完了するので,その時点で電動モータ及び燃料ポンプの性能検査を行うことができ,合理的である。またこれらを収容保持するアウタハウジングに燃料制御部品を内装することにより,アウタハウジングが燃料制御部品のハウジングも兼ねることになり,それ専用のハウジングが不要となるから,部品点数削減すると共に,燃料制御部品を備える燃料供給モジュールのコンパクト化を図ることができる。
【0008】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記燃料制御部品を燃料フィルタとし,この燃料フィルタは,前記電動モータを囲繞し前記燃料室を,前記吐出ポートに連なる未浄化室と,前記燃料出口管に連なる浄化室とに仕切るように配置されることを第2の特徴とする。
【0009】
この第2の特徴によれば,燃料フィルタの内外周面に大なる濾過面積を与えて,吐出ポートから燃料出口管に向かい燃料室を流れる燃料を効果的に濾過することができ,しかも電動モータ及び燃料フィルタの同心配置により燃料フィルタ付き燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【0010】
さらに本発明は,第1の特徴に加えて,前記燃料制御部品を圧力レギュレータとし,この圧力レギュレータは,一端に前記燃料室に連なる弁座,他側に前記燃料タンクに開放される逃がし孔を有してアウタハウジングに形成される弁室と,この弁室に収容されて前記弁座と協働する弁体と,前記弁体を前記弁座との着座方向に付勢する調圧ばねとから構成されることを第3の特徴とする。
【0011】
この第3の特徴によれば,燃料室の圧力を一定に調整する圧力レギュレータを備える燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【0012】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記アウタハウジングの一側壁には,前記燃料ポンプの吸入ポートが開口する燃料入口室と,この燃料入口室から上方に延びて,前記燃料入口室で発生したベーパを受容,分離して外部に排出するベーパセパレータ室とを形成したことを第4の特徴とする。
【0013】
この第4の特徴によれば,ベーパセパレータ室を備える燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の第1実施例に係るエンジン用燃料供給モジュールの縦断面図,図2は本発明の第2実施例に係るエンジン用燃料供給モジュールの縦断面図である。
【0016】
先ず,図1に示す本発明の第1実施例の説明より始める。
【0017】
本発明のエンジン用燃料供給モジュールAは,ウエスコ型の燃料ポンプPと,それを駆動する電動モータMと,燃料ポンプPの吸入燃料を濾過する燃料ストレーナSと,燃料ポンプPの吐出燃料を濾過する燃料フィルタFと,燃料の出口圧力を調整する圧力レギュレータRと,出口側で燃料の逆流を阻止する残圧保持弁Cとを備えるもので,燃料タンクT内の燃料中に浸漬配置され,その燃料をエンジンの燃料噴射弁Iへ圧送するのに供される。
【0018】
燃料ポンプPのポンプハウジング1は,吸入ポート2を下面に開口するアルミ合金製の第1ポンプハウジング半体1aと,吐出ポート3を上面に開口して第1ポンプハウジング半体1aとかしめ結合される,同じくアルミ合金製の第2ポンプハウジング半体1bとからなっている。第2ポンプハウジング半体1bには,吸入ポート2及び吐出ポート3の各内端が開口するポンプ室5が形成され,このポンプ室5にポンプインペラ6が回転自在に嵌装される。
【0019】
電動モータMは,ステータコア12及びステータコイル13からなるステータ10と,このステータ10を囲繞する有底円筒状のロータ本体14及びその内周面に付設した永久磁石15からなるアウタロータ11と,ロータ本体14の端壁中心部のハブ14aに固着された出力軸16とでブラシレス型に構成される。
【0020】
ステータコア12は,前記第2ポンプハウジング半体1bに一体成形されて,その上面から突出する中空円筒状のモータ支持部20の外周面に圧入により固定される。
【0021】
上記モータ支持部20の基部及び先端部の内周面には第1及び第2軸受ハウジング23,24が形成され,これらに第1及び第2軸受23,24がそれぞれ圧入により装着され,これら第1及び第2軸受23,24によって前記出力軸16の両端部が支承される。図示例の場合,第1及び第2軸受23,24にはメタル軸受が使用される。
【0022】
出力軸16は,断面半月状の先端部16aを有しており,これを前記ポンプインペラ6中心部の半月状の連結孔6aに嵌合することにより,ポンプインペラ6と連結される。
【0023】
ロータ本体14の端壁には,その内外を連通する複数の透孔17が穿設されている。
【0024】
第2ポンプハウジング半体1bの,ポンプ室5に開口する凹部25において,出力軸16には抜け止め部材26が圧入により固定され,この抜け止め部材26がポンプインペラ6と第1軸受23との対向面に当接することにより,出力軸16の軸方向移動が規制されるようになっている。
【0025】
ポンプハウジング1の外周面には,モータ支持部20の基部を囲繞する環状のフィルタベース30がシール部材31を介して嵌合され,このフィルタベース30に燃料フィルタFが取り付けられる。この燃料フィルタFは,電動モータMのアウタロータ11を囲繞する円筒状のフィルタエレメント32と,このフィルタエレメント32の一端を支持してフィルタベース30の上端部外周面にシール部材31を介して嵌合される端環34と,フィルタエレメント32の他端を支持してアウタロータ11の外端面に対向する端板35とから構成される。
【0026】
上記燃料ポンプP,電動モータM及び燃料フィルタFは,合成樹脂製のアウタハウジング37に収容される。アウタハウジング37は,フィルタベース30の外周面に内外一対のシール部材38,39を介して嵌合されてポンプハウジング1及び燃料フィルタFを覆う円筒状のハウジング本体37aと,燃料フィルタFの端板35を押さえながらハウジング本体37aの端面に溶着される蓋体37bとからなっており,その蓋体37bには燃料出口管40が一体成形されている。
【0027】
アウタハウジング37の内部は燃料室41とされ,この燃料室41は,燃料フィルタFによって,燃料ポンプPの吐出ポート3が開口する未浄化室41aと,燃料出口管40の内端が開口する浄化室41bとに区画される。
【0028】
ハウジング本体37aの,ポンプハウジング1側の端部には,吸入ポート2を覆う燃料ストレーナSが取り付けられる。
【0029】
蓋体37bの燃料出口管40には,エンジンの燃料噴射弁Iに連なる高圧燃料導管42が接続される。また燃料出口管40に,燃料の逆流を阻止する残圧保持弁Cが設けられる。
【0030】
蓋体37bには,また,燃料出口管40の一側に連なる弁筒45が一体成形され,その弁筒45に,燃料噴射弁Iに供給される燃料の圧力を一定に調整する圧力レギュレータRが設けられる。この圧力レギュレータRは,弁筒45内に形成され,一端に燃料出口管40内に連通する円錐状弁座46を持つ弁室47と,この弁室47内に収容されて弁座46と協働する弁体48と,弁室47内で弁体48を弁座46との着座方向に付勢する調圧ばね49とから構成され,調圧ばね49の固定端は,弁室47の他端を閉塞する栓体50により支承される。弁筒45には,弁室47を燃料タンクT内に開放する逃がし孔51が設けられる。
【0031】
この第1実施例の作用について説明する。
【0032】
電動モータMが作動すると,その出力軸16によりポンプインペラ6が回転駆動される。これに伴い,先ず燃料ストレーナSにより濾過された,燃料タンクT内の燃料が吸入ポート2からポンプ室5に吸入され,ポンプインペラ6により昇圧されて吐出ポート3から,燃料室41の未浄化室41aに吐出される。そして燃料フィルタFにより濾過されながら浄化室41bに移り,残圧保持弁Cを開いて高圧燃料導管42を経て燃料噴射弁Iに供給され,その開弁時に,図示しないエンジンの吸入ポートへ向けて噴射される。
【0033】
この間,燃料室41内の圧力が所定値以上に上昇すると,圧力レギュレータRの弁体48が開弁し,燃料室41の燃料を余剰圧力分だけ逃がし孔51を通して燃料タンクT内に解放する。これによって燃料室41から燃料噴射弁Iに至る燃料通路中の圧力は一定に調整される。
【0034】
またアウタハウジング37内では,燃料室41で流動する燃料により電動モータMの各部及び第2軸受24が冷却され,第2ポンプハウジング半体1bの凹部25では,第1軸受23がポンプ室5の燃料により冷却される。
【0035】
ところで,ポンプ室5を有する第2ポンプハウジング半体1bにモータ支持部20が一体成形され,このモータ支持部20の外周に電動モータMのステータ10が固定されると共に,その内周でアウタロータ11の出力軸16の両端部が一対の軸受21,22を介して支承されるので,ポンプ室5に嵌装されるポンプインペラ6及び出力軸16の,集積製作誤差による同軸性の狂いを防ぐことができ,したがって製作を容易にしつゝポンプインペラ6及び出力軸16の同軸精度を高めて,常に出力軸16の支持を安定させ,アウタロータ11の回転振動や軸受23,24の偏摩耗を防ぐことができる。
【0036】
しかも電動モータMは,これをポンプハウジング1のモータ支持部20に取り付けたとき,燃料ポンプPとの連結が完了するので,その時点で電動モータM及び燃料ポンプPの性能検査を行うことができ,合理的である。
【0037】
また軸方向に上下に並ぶ電動モータM及び燃料ポンプPを収容,保持するアウタハウジング37の内部は,吐出ポート3及び燃料出口管40間に介在する燃料室41とされ,この燃料室41には,電動モータMを囲繞して燃料室41を,吐出ポート3側の未浄化室41aと,燃料出口管40側の未浄化室41aとに仕切る燃料フィルタFが配置されるので,燃料フィルタFの内外周面に大なる濾過面積を与えて,吐出ポート3から燃料出口管40に向かい燃料室41を流れる燃料を効果的に濾過することができ,しかも電動モータM及び燃料フィルタFの同心配置により燃料フィルタ付き燃料供給モジュールAをコンパクトに構成することができる。
【0038】
またアウタハウジング37の端壁には,燃料噴射弁Iに供給される燃料の圧力を調整する圧力レギュレータRが設けられるので,圧力レギュレータ付き燃料供給モジュールAをコンパクトに構成することができる。
【0039】
次に,図2に示す本発明の第2実施例について説明する。
【0040】
第2ポンプハウジング半体1bの外周には,一側にカプラ55を一体に備えた合成樹脂製のカプラベース56が嵌合され,このカプラベース56からカプラ55にかけて,ステータコイル13に接続した接続端子57が埋設される。カプラベース56及び第1,第2ポンプハウジング半体1a,1bの三者はかしめリング58により結合される。
【0041】
アウタハウジング37は,燃料ポンプP及びカプラベース56を収容する有底のアウタハウジング下部37cと,電動モータMを収容してカプラベース56の外周にシール部材59を介して嵌合すると共に,シール部材60を挟んでアウタハウジング下部37cと接合されるアウタハウジング上部37dとから構成される。アウタハウジング上部37dには,カプラ55を上方に突出させるカプラ孔61が設けられており,このカプラ孔61を囲むシール部材62がカプラベース56とアウタハウジング上部37dとの間に介裝される。
【0042】
アウタハウジング下部37cは底部に燃料入口管63を備える。アウタハウジング下部37cの内部は,上記燃料入口管63及び吸入ポート2間を連通する燃料入口室64とされ,この燃料入口室64において第1ポンプハウジング半体1aに,吸入ポート2を覆う燃料ストレーナSが装着される。
【0043】
アウタハウジング上部及び下部37c,37dの一側壁には,上記燃料ストレーナSより下方の燃料入口室64に下端部を連ねる縦長のベーパセパレータ室65が形成される。
【0044】
燃料入口管63には,燃料タンクTから延出した低圧燃料導管66が接続される。この低圧燃料導管66の途中には,1次燃料ストレーナ67が設けられる。
【0045】
アウタハウジング上部37dの内部は,燃料ポンプPの吐出ポート3が開口する燃料室41とされ,この燃料室41の上部に燃料フィルタFが装着される。アウタハウジング上部37dの天井壁には,燃料フィルタFを介して燃料室41に連通する燃料出口管40が一体に形成され,この燃料出口管40に,燃料噴射弁Iを保持する噴射弁ホルダ70が結合される。噴射弁ホルダ70は,燃料出口管40及び燃料噴射弁I間を連通する燃料通路71を有し,この燃料通路71に,燃料の逆流を阻止する残圧保持弁Cが設けられる。
【0046】
またアウタハウジング上部37dには,燃料噴射弁Iに供給される燃料の圧力を一定に調整する圧力レギュレータRが取り付けられる。この圧力レギュレータRは,アウタハウジング上部37dの天井壁に取り付けられる弁ケース72と,この弁ケース72を,燃料室41に連通する円筒状の弁室73と大気に連通する大気室74との間を仕切るダイヤフラム75とを備えており,弁室73の下端には弁座76が形成されている。弁室73には,弁座76に着座し得る球状の弁体48が配設される一方,ダイヤフラム75の中心部には,この弁体48に接する作動部材77が設けられ,この作動部材77を介して弁体48を所定の荷重をもって弁座76側に押圧する調圧ばね78が大気室74に縮設される。また弁ケース72には,弁体48を弁座76から離座させる方向に,調圧ばね78より遙に弱い荷重をもって付勢する開きばね79が装着される。
【0047】
またアウタハウジング上部37dには,弁座76の下流側に連通する逃がし孔80が設けられると共に,この逃がし孔80に連なる燃料戻し管81が外側面に突設され,それに,燃料タンクTに開放される燃料戻し導管83が接続される。
【0048】
前記ベーパセパレータ室65の上部は,小孔82を介して逃がし孔80に開放される。
【0049】
その他の構成は前実施例と同様であるので,図2中,前実施例に対応する部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0050】
而して,燃料ポンプPの作動中,燃料室41の圧力が所定値以上に上昇すると,ダイヤフラム75が調整ばね78の荷重に抗して上動し,弁体48が開きばね79の付勢力で開弁する。したがって,燃料室41の燃料は余剰圧力分だけ逃がし孔80及び燃料戻し導管83を通して燃料タンクT内に還流する。これによって燃料室41の圧力,即ち燃料噴射弁Iに供給される燃料の圧力は一定に調整される。
【0051】
また低圧燃料導管66から燃料入口室64に導入される燃料にベーパが発生すると,燃料ストレーナSにより吸入ポート2への移行を阻止され,側方のベーパセパレータ室65に移り,上昇して小孔82から逃がし孔80に排出され,逃がし孔80を通る燃料と共に,燃料タンクTに送られる。したがって,燃料ポンプPは,ベーパを含まない良好な燃料を吸入することができる。
【0052】
この第2実施例によれば,カプラ55,燃料フィルタF,圧力レギュレータR及びベーパセパレータ室65を備える燃料供給モジュールAをコンパクトに構成することができる。
【0053】
本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を変更することなく種々の設計変更が可能である。例えば,第1及び第2ポンプハウジング半体1a,1bを合成樹脂製とすることもできる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,ポンプハウジングに形成されるポンプ室にポンプインペラを嵌装してなる燃料ポンプと,前記ポンプインペラに出力軸を連結する電動モータとを備える,エンジン用燃料供給モジュールにおいて,前記ポンプハウジングに一体成形した円筒状のモータ支持部の外周に前記電動モータのステータを固定すると共に,その内周により前記出力軸を支承し,前記燃料ポンプ及び電動モータを収容して保持し,外側に燃料出口管を有するアウタハウジングに,燃料ポンプの吐出ポート及び前記燃料出口管間を連通する燃料室を形成し,この燃料室内の燃料を制御する燃料制御部品を前記アウタハウジングに内装したので,ポンプ室に嵌装されるポンプインペラ及び出力軸の,集積製作誤差による同軸性の狂いを防ぐことができ,したがって製作を容易にしつゝポンプインペラ及び出力軸の同軸精度を高めて,常に出力軸の支持を安定させると共に,軸受の摩耗を防ぐことができる。しかも電動モータは,これをポンプハウジングのモータ支持部に取り付けたとき,燃料ポンプとの連結が完了するので,その時点で電動モータ及び燃料ポンプの性能検査を行うことができ,合理的である。またこれらを収容保持するアウタハウジングに燃料制御部品を内装することにより,アウタハウジングが燃料制御部品のハウジングも兼ねることになり,それ専用のハウジングが不要となるから,部品点数削減すると共に,燃料制御部品を備える燃料供給モジュールのコンパクト化を図ることができる。
【0055】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記燃料制御部品を燃料フィルタとし,この燃料フィルタは,前記電動モータを囲繞し前記燃料室を,前記吐出ポートに連なる未浄化室と,前記燃料出口管に連なる浄化室とに仕切るように配置されるので,燃料フィルタの内外周面に大なる濾過面積を与えて,吐出ポートから燃料出口管に向かい燃料室を流れる燃料を効果的に濾過することができ,しかも電動モータ及び燃料フィルタの同心配置により燃料フィルタ付き燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【0056】
さらに本発明の第3の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記燃料制御部品を圧力レギュレータとし,この圧力レギュレータは,一端に前記燃料室に連なる弁座,他側に前記燃料タンクに開放される逃がし孔を有してアウタハウジングに形成される弁室と,この弁室に収容されて前記弁座と協働する弁体と,前記弁体を前記弁座との着座方向に付勢する調圧ばねとから構成されるので,燃料室の圧力を一定に調整する圧力レギュレータを備える燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【0057】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記アウタハウジングの一側壁には,前記燃料ポンプの吸入ポートが開口する燃料入口室と,この燃料入口室から上方に延びて,前記燃料入口室で発生したベーパを受容,分離して外部に排出するベーパセパレータ室とを形成したので,ベーパセパレータ室を備える燃料供給モジュールをコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るエンジン用燃料供給モジュールの縦断面図
【図2】本発明の第2実施例に係るエンジン用燃料供給モジュールの縦断面図
【符号の説明】
A・・・・・燃料供給モジュール
F・・・・・燃料フィルタ
I・・・・・燃料噴射弁
M・・・・・電動モータ
P・・・・・燃料ポンプ
R・・・・・圧力レギュレータ
T・・・・・燃料タンク
1・・・・・ポンプハウジング
2・・・・・吸入ポート
3・・・・・吐出ポート
5・・・・・ポンプ室
6・・・・・ポンプインペラ
16・・・・出力軸
20・・・・モータ支持部
37・・・・アウタハウジング
40・・・・燃料出口管
41・・・・燃料室
41a・・・未浄化室
41b・・・浄化室
47・・・・弁座
48・・・・弁体
49・・・・調圧ばね
64・・・・入口室
65・・・・ベーパセパレータ室
Claims (4)
- ポンプハウジング(1)に形成されるポンプ室(5)にポンプインペラ(6)を嵌装してなる燃料ポンプ(P)と,前記ポンプインペラ(6)に出力軸(16)を連結する電動モータ(M)とを備える,エンジン用燃料供給モジュールにおいて,
前記ポンプハウジング(1)に一体成形した円筒状のモータ支持部(20)の外周に前記電動モータ(M)のステータ(10)を固定すると共に,その内周により前記出力軸(16)を支承し,前記燃料ポンプ(P)及び電動モータ(M)を収容して保持し,外側に燃料出口管(40)を有するアウタハウジング(37)に,燃料ポンプ(P)の吐出ポート(3)及び前記燃料出口管(40)間を連通する燃料室(41)を形成し,この燃料室(41)内の燃料を制御する燃料制御部品(F,R)を前記アウタハウジング(37)に内装したことを特徴とするエンジン用燃料供給モジュール。 - 請求項1記載のエンジン用燃料供給モジュールにおいて,
前記燃料制御部品を燃料フィルタ(F)とし,この燃料フィルタ(F)は,前記電動モータ(M)を囲繞し前記燃料室(41)を,前記吐出ポート(3)に連なる未浄化室(41a)と,前記燃料出口管(40)に連なる浄化室(41b)とに仕切るように配置されることを特徴とするエンジン用燃料供給モジュール。 - 請求項1記載のエンジン用燃料供給モジュールにおいて,
前記燃料制御部品を圧力レギュレータ(R)とし,この圧力レギュレータ(R)は,一端に前記燃料室(41)に連なる弁座(46),他側に前記燃料タンク(T)に開放される逃がし孔(51)を有してアウタハウジング(37)に形成される弁室(47)と,この弁室(47)に収容されて前記弁座(46)と協働する弁体(48)と,前記弁体(48)を前記弁座(46)との着座方向に付勢する調圧ばね(49)とから構成されることを特徴とするエンジン用燃料供給モジュール。 - 請求項1記載のエンジン用燃料供給モジュールにおいて,
前記アウタハウジング(37)の一側壁には,前記燃料ポンプ(P)の吸入ポート(2)が開口する燃料入口室(64)と,この燃料入口室(64)から上方に延びて,前記燃料入口室(64)で発生したベーパを受容,分離して外部に排出するベーパセパレータ室(65)とを形成したことを特徴とするエンジン用燃料供給モジュール。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4939413B2 (ja) * | 2005-07-06 | 2012-05-23 | 株式会社ミツバ | 燃料ポンプ |
US9556776B2 (en) | 2007-07-10 | 2017-01-31 | Inergy Automotive Systems Research | System for supplying a liquid for a vehicle and integrated pump/filter module |
-
2002
- 2002-10-18 JP JP2002304769A patent/JP2004138004A/ja active Pending
Cited By (2)
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