JP2004137687A - 耐火合成部材 - Google Patents

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菅野 良一
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Abstract

【課題】構造が簡単で、しかも低コストな耐火被覆した鋼材とした、耐火合成部材を提供すること。
【解決手段】複数の貫通孔4を有するほぼH形断面形状部分を有する鋼材2と、コンクリート7好ましくは繊維混入補強コンクリート7を一体化して構成する。ほぼH形断面形状の鋼材2はウエブ部分3だけに複数の貫通孔4を有する鋼材2であり、ウエブ部3の両側にウエブ部分3を埋め込むように設けられたコンクリート7または繊維混入補強コンクリート7が、貫通孔4に充填されたコンクリート7または繊維混入補強コンクリート7により一体化されている。ウエブ部3両側のコンクリートまたは繊維混入補強コンクリート7が、ウエブ部3とフランジ部5(5a,5b)によって形成された溝6内に打設されて、鋼材2に内包される形態で一体化されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物を構成する梁、柱等の部材の耐火性能を向上させるために、鋼材に耐火被覆を施して一体化した耐火合成部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、火災による加熱によって、鉄骨構造が急速に耐力を低下することは周知の事実である。
【0003】
従来、鉄骨構造の耐火性能を向上させるために、日本国内では、例えば、図6に示すように、鉄骨構造を構成する梁材等の鋼材2にロックウールの吹きつけなどの耐火被覆18を行うのが一般である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、高温時の強度特性に優れた「耐火鋼」も開発され(例えば、特許文献2参照)、無耐火被覆で実用化されているものの、火災時温度上昇の比較的小さい立体駐車場に限定されているのが実状である。
【0005】
一方、欧州では、コンクリートを形鋼の内外部に被覆することによるコンクリートの断熱・蓄熱作用によって、鋼材の火災時温度上昇を抑える方法の採用が広く普及している。例えば、図7(a),(b),(c)にその一例を示す。この形態では、H形鋼2aのウエブ部3に局部的にコンクリート19を充填することにより、H形鋼2aのウエブ部3と上フランジ部5aの火災時温度上昇を抑えて、耐火性能を向上するものである。また、欧州では、図7のような構造で1時間〜2時間の耐火構造を実現している(例えば、非特許文献1または2参照)。
【0006】
他方、日本国内でも、図7のような構造を採用することは可能であるが、日本国内では、(1)性能規定型耐火設計法が整備されていなかったため、図7のような新しい構造の実用化には、相当な困難が存在していたこと、(2)コンクリート19自身の補強とH形鋼2aとの一体化確保のため、ウエブ部3に補強鉄筋20,21,22の設置やスタッド23の打設、あるいは補強筋20,21,22とH形鋼2aの溶接等によるH形鋼2aへの接合材の配設固定作業、コンクリート打設のためのH形鋼2aの反転作業が必要となるため、日本国内では、必ずしも安価な解決策とは見なされていなかった。などの理由から、ほとんど普及していないのが実状である。
【0007】
ただし、日本国内でも、最近の建築基準法の性能規定化により、新たな耐火構造の実用化のための環境が整備されたこともあり、図7のような耐火構造が実用化され始めている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−158820号公報
【特許文献2】
特公平4−50362号公報
【非特許文献1】
リンダージェイムスとブッダシス・エヌ(Linder,J.and Budassis,N.)著「レタラル トーショナル バックリング オブ パーシャリー エンケースヅ コンポジット ビームス ウイズアウト コンクリートスラブ,コンポジット コンストラクション イン スチール アンド コンクリート IV,アメリカン ソサエティー オブ シビル エンジニアーズ(Lateral torsional buckling of partially encased composite beams without concrete slab, Composite Construction in Steel and Concrete IV American Society of Civil Engineers)P.117−128,2002年
【非特許文献2】
ブチャナン,エイ.エイチ(Buchanan, A.H.)著 ストラクチャラル デザイン フォー ファイアー セイフティ,ジョン ワイリー アンド サンズ(Structural design for fire safety ,John Wiley and Sons)P185,2001年
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す吹付けの場合には、吹付けにより、耐火被覆を鋼材表面に設ける形式であるので、環境公害上の問題があると共に、耐火層と鋼部材の一体性が比較的弱く、特にH形鋼のウエブ部分を厚く耐火被覆層を厚く設けることが困難であるという問題がある。
【0010】
また、図7に示す従来の場合には、耐火被覆材とH形鋼との一体化を高めるために、ウエブ部に補強鉄筋あるいはスタッド等の接合材を固定する必要があり、この作業が煩雑で、非常にコストを高くしている要因である。
また、比較的高価な耐火鋼を使用しても、その価格をなるべく低減して、その用途を、火災時温度上昇の比較的小さい立体駐車場に限定されることなく、広範な用途に適用できる安価な耐火被覆鋼材が望まれる。
【0011】
本発明は、ウエブ部に補強鉄筋あるいはスタッド等を設けることなく、構造が簡単で、しかも低コストな耐火被覆した鋼部材とした、耐火合成部材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明では、次のように構成する。
【0013】
第1発明の耐火合成部材では、複数の貫通孔を有するほぼH形断面形状部分を有する鋼材と、コンクリートを一体化して構成したことを特徴とする。
【0014】
第2発明では、第1発明において、前記ほぼH形断面形状の鋼材はウエブ部分だけに複数の貫通孔を有する鋼材であり、前記ウエブ部の両側にウエブ部分を埋め込むように設けられたコンクリートが、前記貫通孔に充填されたコンクリートにより一体化されていることを特徴とする。
【0015】
第3発明では、第1または第2発明において、ウエブ両側の繊維混入補強コンクリートが、ウエブ部とフランジ部によって形成された溝内に打設されて、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材に内包される形態で一体化され、鋼材とコンクリートの一体性を高めるためにスタッドなどの接合材を備えていないことを特徴とする。
第4発明では、第1〜3のいずれかの発明であって、コンクリートが繊維混入補強コンクリートであることを特徴とする。
【0016】
第5発明では、第1〜4のいずれかの発明であって、コンクリート骨材が人工軽量骨材であることを特徴とする。
【0017】
第6発明では、第1〜5のいずれかの発明であって、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材の素材の600℃での降伏強度が、400N規格鋼で、155N/mm以上、490N規格鋼で、215N/mm以上の耐火鋼であることを特徴とする。
【0018】
本発明によると、構造が簡単で、しかも低コストな耐火被覆した耐火合成部材とすることができ、また、ウエブ部分だけに複数の貫通孔を有する鋼材を使用すると、ウエブ部に設けた貫通孔が、コンクリートまたは繊維混入補強コンクリートと鋼材との間の一体性の確保に極めて効果的に貢献し、鋼材へのスタッドなどの取り付けが省略できる。
さらに、ウエブ部両側のコンクリートまたは繊維混入補強コンクリートが、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材に内包される形態で一体化されていると、プレキャスト製部材とした場合、耐火合成部材は、その搬送およびハンドリング中に、コンクリートまたは繊維混入補強コンクリート部分が他物に衝突して損傷する恐れが少ないコンパクトな耐火合成部材とすることができる。
さらにまた、繊維混入補強コンクリートを用いると、繊維混入補強コンクリートそれ自身がコンクリートを補強するものであるので、前記従来のようにコンクリートの破壊を抑制するための鋼材に固定する鉄筋は不要となり、従来必要であった、鉄筋やスタッドなどの接合材、さらにはこれらの部品の溶接作業を不要とすることができる。
また、コンクリート骨材が人工軽量骨材であると、耐火合成部材を軽量にすることができ、耐火鋼を使用した場合には、比較的経済的に耐火性能をさらに一層向上させることができ、その上で、比較的軽量にすることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1〜図3は、本発明の第1実施形態の耐火合成部材1およびその製作方法並びに耐火合成部材1の使用形態の一形態を示すものであって、まず、図1に示すように、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材2として、H形鋼2aを使用し、そのウエブ部3に、複数の貫通孔4が設けられている。複数の貫通孔4は、H形鋼2aの長手方向に間隔をおいて設けられていると共に、H形鋼2aの幅方向(ウエブ部3の幅方向)両側のフランジ部5に寄った位置に間隔をおいて設けられて、H形鋼2aとの一体化が十分になるように構成されている。
【0021】
ウエブ部3と上下両側のフランジ部5(5a,5b)とにより形成された両側の溝6と、各貫通孔4とに、コンクリート7好ましくは繊維混入補強コンクリート7が充填硬化されて、耐火合成部材1が構成され、ウエブ部3と上下両側のフランジ部5とにより形成された両側の溝6に充填硬化された、ウエブ部3を埋め込むように被覆する左右のコンクリート7好ましくは繊維混入補強コンクリート7は、各貫通孔4に充填されているコンクリート7または繊維混入補強コンクリート7自身によって連結されて、ウエブ部3の左右のコンクリート7または繊維混入補強コンクリート7は一体化され、かつH形鋼2aとの一体化も図られている。
【0022】
前記貫通孔4の直径寸法は、コンクリート7または繊維混入補強コンクリート7の充填性の観点から、コンクリート骨材寸法の4/3倍以上の寸法、好ましくは、コンクリート粗骨材寸法の2倍以上であれば良く、また、貫通孔4の形状は、円形孔あるいは、三角形孔、矩形孔、六角形孔等適宜の形状であってもよい。ウエブ部3の長手方向および幅方向に設ける貫通孔4の間隔は、耐火合成部材1の設計強度により、適宜設定される。また、貫通孔4は全長に渡って一様に設けたり、例えば、作用するせん断力の大きさに応じて、長手方向に設ける間隔を、部材中央側で長手方向の間隔を大きな間隔になるようにして、鋼材の製作コストを低減することもできる。
【0023】
また、コンクリートに混入させる繊維として、例えば、直径0.5mm、長さ30mmのスチールファイバーからなる鋼製短繊維を使用する場合、コンクリートに対する体積混入率で、2%程度混入させると良い。
【0024】
なお、繊維を混入していないコンクリート7を用いる場合、鋼材2を梁材として用いた場合の梁材に作用するせん断力の大きさおよび貫通孔4の大きさにより、貫通孔4からコンクリート7に作用する応力度は異なるが、この応力度が大きいことによりコンクリート7にクラックが生じて割裂破壊の恐れがある場合には、これを防止するために、必要に応じ、図1(c)に示すように、メッシュ筋(例えば直径6mm程度の丸鋼を格子状に構成した網状の鉄筋)のような簡単な補強材24をコンクリート7内に挿入してもよい。
【0025】
このような耐火合成部材1を製作する場合には、例えば、図2に示すように、複数の貫通孔4を有するH形鋼2aを、平坦な下型枠8上にフランジ端面側を載置するように配置すると共に、H形鋼2aの側端部等に側部型枠9を当接配置して、コンクリート7好ましくは繊維混入補強コンクリート7をウエブ部3の上部側から打設すると、前記複数の貫通孔4を通して、ウエブ部3下側の溝6内に、コンクリート7または繊維混入補強コンクリート7を容易に充填でき、このようにして、ウエブ部3の上側にも、フランジ端面まで、コンクリート7または繊維混入補強コンクリート7を充填して硬化させ、側部型枠9を脱型して、プレキャスト製の耐火合成部材1とすることができる。
【0026】
前記のように、ウエブ部3に設けた貫通孔4は、コンクリート7または繊維混入補強コンクリート7と鋼材2との間の一体性の確保に極めて効果的に貢献し、鋼材2へのスタッドなどの取り付けが省略できる。さらに、ウエブ部3には複数の貫通孔4を設けているため、図2に示すように、コンクリート7または繊維混入補強コンクリート7を圧送ホースから吐出させて、片側からのコンクリートまたは繊維混入補強コンクリート7の打設により、耐火合成部材1を容易に製造することが可能となり、耐火合成部材1を製造する場合に、従来のような鋼材の反転作業を省略することができる。
【0027】
このように、耐火合成部材1が、複数の貫通孔4を有するほぼH形断面形状部分を有する鋼材2とコンクリート7好ましくは繊維混入補強コンクリート7のみによって構成される単純な構造であるので、安価に製作することが可能な耐火合成部材1とされ、しかも、繊維混入補強コンクリート7の場合は、それ自身がコンクリートを補強するものであるので、前記従来のようにコンクリートの破壊を抑制するための鋼材に固定する鉄筋は不要となり、従来必要であった、鉄筋やスタッドなどの接合材、さらにはこれらの部品の溶接作業を不要とし、さらにまた、図1(c)に示す鋼材2に固定しないメッシュ筋等の補強材24も不要にしている。
【0028】
この実施形態では、耐火合成部材1がウエブ部3と上下両側のフランジ部5(5a,5b)とにより形成された両側の溝6内にコンクリート7好ましくは繊維混入補強コンクリート7が収容されている構成で、コンクリート7または繊維混入補強コンクリート7がH形鋼2aの外側に配置されていない、H形鋼2aの外形寸法の内側に内包する形態の耐火合成部材1とされている。このようにプレキャスト製部材とした場合、耐火合成部材1は、その搬送およびハンドリング中に、コンクリート7または繊維混入補強コンクリート7部分が他物に衝突して損傷する恐れが少ないコンパクトな部材とされている。
【0029】
コンクリート内に混入させる繊維としては、一般鋼、ステンレス鋼、スチールコード等を素材とした鋼製短繊維を使用すると、安価でよいが、ロックウールなどの鉱物製繊維を使用してもよく、あるいはこれら複数種を混合してもよく、短繊維状にしたものを用いるとよい。
【0030】
なお、耐火合成部材1の部材長手方向の一端部または両端部には、現場において耐火被覆されるボルト接合等の継ぎ手(図示を省略した)を備えていると良い。
【0031】
図3は、図1に示す耐火合成部材1の一使用形態を示したもので、耐火合成部材1を梁材として使用し、上フランジ部5aにスタッドジベル10を固着し、鋼製デッキプレート11の一端部を載置し、格子状のメッシュ筋12を配置して、鋼製デッキプレート11およびメッシュ筋12を埋め込むようにスラブコンクリート13が打設されて、上フランジ部5aを被覆するように構成されている。
【0032】
図3のように、耐火合成部材1の上フランジ部5aも、スラブコンクリート13によって被覆されていると、火災時に、少なくともウエブ部の耐火性能を向上させることができ、また上フランジ部5aの耐火性能を向上させることができる。
【0033】
前記各実施形態では、本発明の耐火合成部材1を梁材とした場合について主に説明したが、梁材以外にも、柱材あるいはその他の建築用部材用の耐火合成部材1であっても良い。
【0034】
なお、コンクリート好ましくは鋼繊維補強コンクリートを、ウエブ部3とフランジ部5とによって形成される溝内に設けた上で、さらにH形鋼全体を被覆し、耐火性能をより一層向上させることを否定するものではない。
【0035】
例えば、前記各実施形態の場合、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材に、高温時の強度性能が保証された耐火鋼(600℃での降伏強度が、常温規格値の2/3を保証した鋼材)を組み合わせて使用することもできる。例えば、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材2の素材の600℃での降伏強度が、400N規格鋼で、155N/mm以上、490N規格鋼で、215N/mm以上の耐火鋼を使用すると、比較的経済的に耐火性能を高めることができる。
【0036】
ウエブ部3を埋め込むようにコンクリート7好ましくは繊維混入補強コンクリート7を充填して耐火合成部材1を梁材の部材とした場合、梁等の部材の重量増による施工性の低下が懸念される所であるが、この場合には、公知の人工軽量骨材を用いて繊維混入補強コンクリートを軽量にする事により、軽量化を図ることも可能である。
【0037】
<第2実施形態>
図4(a)および(b)は、本発明の第2実施形態を示すものであって、この実施形態では、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材2を、H形鋼2aの下フランジ5bの下面に一体となるように、下フランジ5bから張り出すように帯状の支持鋼板14を溶接により固定して、上下不等辺フランジ5としたほぼH形断面形状部分を有する鋼材2としている。
【0038】
この第2実施形態では、下フランジ5bの下面に一体に設けられた支持鋼板14の張り出し部分15を利用して、例えば、梁材として使用した場合には、前記張り出し部分15に、RC床版等の床版の端部を載置して支持することができる。その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な部分には、同様な符号を付して説明を省略する。
【0039】
<第3実施形態>
図5(a)および(b)は、本発明の第3実施形態を示すものであって、この実施形態は、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材2を、断面ほぼC字状の例えば、ウエブ部3に前記と同様な複数の貫通孔4を有する溝形鋼(あるいはリップ付き溝形鋼)16を背中合わせに当接して、その当接部の上下両端部で、部材長手方向に溶接17により一体化した構成としているが、その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な部分には、同様な符号を付して説明を省略する。
【0040】
なお、図では、溝形鋼の例を示しているが、リップ付き溝形鋼などの場合にも適用可能である。
【0041】
本発明の複数の貫通孔を有するほぼH形断面形状部分を有する鋼材2としては、前記各実施形態以外にも、H形断面形状のハニカムビーム等でもよい。
【0042】
【発明の効果】
第1発明によると、複数の貫通孔を有するほぼH形断面形状部分を有する鋼材と、コンクリートを一体化して構成したので、構造が簡単で、しかも低コストな耐火被覆した耐火合成部材とすることができる。
【0043】
第2発明によると、ウエブ部分だけに複数の貫通孔を有する鋼材を使用しているので、ウエブ部に設けた貫通孔が、コンクリートと鋼材との間の一体性の確保に極めて効果的に貢献し、鋼材へのスタッドなどの取り付けが省略できる。さらに、H型鋼等を鋼材として使用した場合には、片側からのコンクリート打設により、耐火合成部材を容易に製造することが可能となり、耐火合成部材を製造する場合、反転作業を省略することができる。
【0044】
第3発明によると、ウエブ部両側のコンクリートが、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材に内包される形態で一体化されているので、プレキャスト製部材とした場合、耐火合成部材は、その搬送およびハンドリング中に、コンクリート部分が他物に衝突して損傷する恐れが少ないコンパクトな耐火合成部材とすることができる。また、鉄筋やスタッドなどの材料を取付ける必要のない安価な耐火合成部材とすることができる。
【0045】
第4発明によると、繊維混入補強コンクリートを用いたので、繊維混入補強コンクリートそれ自身がコンクリートを補強するものであるので、前記従来のようにコンクリートの破壊を抑制するための鋼材に固定する鉄筋は不要となり、従来必要であった、鉄筋やスタッドなどの接合材、さらにはこれらの部品の溶接作業を不要にすることができる。
【0046】
第4発明によると、繊維混入補強コンクリートにおけるコンクリート骨材が人工軽量骨材であると、耐火合成部材を軽量にすることができる。
【0047】
第6発明によると、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材の素材の600℃での降伏強度が、400N規格鋼で、155N/mm以上、490N規格鋼で、215N/mm以上であるので、600℃での降伏強度が低い一般構造用圧延鋼材等の鋼材を使用した場合に比べて、比較的経済的に耐火性能をさらに向上させることができ、その上で、比較的軽量にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の耐火合成部材を示すものであって、(a)は一部切欠縦断側面図、(b)は(a)の縦断正面図、(c)は繊維を混入していないコンクリートを用いる場合に、補強材をコンクリート7内に配置した形態を示す縦断正面図である。
【図2】ウエブ長手方向に間隔をおいて貫通孔を有するH形鋼を使用して、本発明の耐火合成部材におけるウエブ部を埋め込むように繊維混入コンクリートを充填している状態を示す一部切欠概略斜視図である。
【図3】(a)は本発明の一実施形態の耐火被覆合成部材を梁材として使用して、コンクリート製床スラブを支持している状態を示す縦断正面図、(b)は(a)の一部縦断側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態の耐火合成部材を示すものであって、(a)は一部切欠縦断側面図、(b)は縦断正面図である。
【図5】本発明の第3実施形態の耐火合成部材を示すものであって、(a)は一部切欠縦断側面図、(b)は(a)の縦断正面図である。
【図6】梁材を耐火被覆とした従来例を示す一部縦断正面図である。
【図7】(a),(b),(c)は、それぞれ他の従来例を示す縦断正面図であり、(b)および(c)の図においては、使用されている鉄筋部品の一部を右側に取り出して示している。
【符号の説明】
1 耐火合成部材
2 ほぼH形断面形状部分を有する鋼材
2a H形鋼
3 ウエブ部
4 貫通孔
5 フランジ部
5a 下フランジ部
5b 上フランジ部
6 溝
7 コンクリートまたは繊維混入補強コンクリート
8 下型枠
9 側部型枠
10 スタッドジベル
11 デッキプレート
12 メッシュ筋
13 スラブコンクリート
14 支持鋼板
15 張り出し部分
16 溝形鋼
17 溶接
18 耐火被覆
19 コンクリート
20 補強鉄筋
21 補強鉄筋
22 補強鉄筋
23 スタッド
24 補強材

Claims (6)

  1. 複数の貫通孔を有するほぼH形断面形状部分を有する鋼材と、コンクリートを一体化して構成した耐火合成部材。
  2. 前記ほぼH形断面形状の鋼材はウエブ部分だけに複数の貫通孔を有する鋼材であり、前記ウエブ部の両側にウエブ部分を埋め込むように設けられたコンクリートが、前記貫通孔に充填されたコンクリートにより一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の耐火合成部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の耐火合成部材であって、ウエブ部両側のコンクリートが、ウエブ部とフランジ部によって形成された溝内に打設されて、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材に内包される形態で一体化され、鋼材とコンクリートの一体性を高めるためにスタッドなどの接合材を備えていないことを特徴とする耐火合成部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火合成部材であって、コンクリートが繊維混入補強コンクリートであることを特徴とする耐火合成部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐火合成部材であって、コンクリート骨材が人工軽量骨材であることを特徴とする耐火合成部材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐火合成部材であって、ほぼH形断面形状部分を有する鋼材の素材の600℃での降伏強度が、400N規格鋼で、155N/mm以上、490N規格鋼で、215N/mm以上の耐火鋼であることを特徴とする耐火合成部材。
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