JP2004137264A - 血中ガストリン濃度上昇抑制剤 - Google Patents

血中ガストリン濃度上昇抑制剤 Download PDF

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JP2004137264A JP2003331119A JP2003331119A JP2004137264A JP 2004137264 A JP2004137264 A JP 2004137264A JP 2003331119 A JP2003331119 A JP 2003331119A JP 2003331119 A JP2003331119 A JP 2003331119A JP 2004137264 A JP2004137264 A JP 2004137264A
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methyl
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Keiichi Ito
伊藤 圭一
Hiroyuki Tomizawa
富澤 宏之
Masahiko Hagiwara
萩原 昌彦
Nobuhiko Shibakawa
柴川 信彦
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Sankyo Co Ltd
Ube Corp
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Sankyo Co Ltd
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Abstract

【課題】 優れた血中ガストリン濃度上昇抑制剤の提供。
【解決手段】 一般式
【化1】

 (式中、R1:アルケニル基、ハロゲノアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換されてもよいシクロアルキルアルキル基;R2:H、アルキル基;
3:H、アルキル基、ヒドロキシアルキル基;R4:H、アルキル基;R5:置換されてもよいフェニル基;A:アルキレン基;X:O、S。)
を有するピロロピリダジン化合物等。
【選択図】 なし。

Description

 本発明は、特定の化学構造を有するピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する血中ガストリン濃度上昇抑制剤(特に、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の投与により引き起こされる血中ガストリン濃度上昇を抑制するための血中ガストリン濃度上昇抑制剤);または、特定の化学構造を有するピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルの有効量を温血動物(特に、ヒト)に投与することからなる血中ガストリン濃度上昇(特に、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の投与により引き起こされる血中ガストリン濃度上昇)の抑制のための方法に関する。
 本発明は、また、特定の化学構造を有するピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する血中ガストリン濃度上昇抑制剤、及び、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる副作用の軽減された抗潰瘍剤;または、
特定の化学構造を有するピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステル、及び、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の有効量を温血動物(特に、ヒト)に投与することからなる、副作用の軽減された潰瘍性疾患の治療または予防のための方法に関する。
 ランソプラゾール、オメプラゾール等の胃酸分泌抑制剤は、抗潰瘍剤として汎用されている。しかし、これらの胃酸分泌抑制剤は、血中ガストリン濃度の上昇作用を有するため、投与を休止した時にガストリンの有する胃酸分泌作用に起因して、潰瘍が悪化するという副作用が問題とされている(Sandvik, A.K., Brenna, E., Waldum, H. L., Alimentary Pharmacology and Therapeutics, 1997年,第11巻,p.1013-1018; Gillen, D., McColl, K. E., Best Practice and Research Clinical Gastroenterology,2001年,第15巻,p.487-495等)。一方、特定の化学構造を有するピロロピリダジン化合物が、胃酸分泌抑制作用を有することが知られているが(例えば、特許文献1乃至5参照)、ガストリン濃度上昇抑制作用を有することは知られていない。
国際公開第95/19980号パンフレット(第2−3頁) 欧州特許出願公開第0742218号明細書(第4頁) 国際公開第00/77003号パンフレット(第3頁) 欧州特許出願公開第1186607号明細書(第4頁) 国際公開第01/58901号パンフレット(第2−3頁)
 発明者らは、特定の化学構造を有するピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルは、小さな血中ガストリン濃度上昇作用を有し、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤との併用において、それら胃酸分泌抑制剤の有する血中ガストリン濃度上昇作用を抑制するため、血中ガストリン濃度上昇抑制剤(特に、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の投与により引き起こされる血中ガストリン濃度上昇を抑制するための血中ガストリン濃度上昇抑制剤)として有用であること、また、このピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する血中ガストリン濃度上昇抑制剤、及び、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる医薬は、副作用の軽減された抗潰瘍剤(特に、潰瘍性疾患の治療または予防のための医薬)として有用であることを見出して、本発明を完成した。
 本発明の有効成分であるピロロピリダジン化合物は、
 一般式(I)
 [式中、R1は、C2−C6アルケニル基、ハロゲノC2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C3−C7シクロアルキル基またはC1−C4アルキルで置換されてもよい(C3−C7シクロアルキル)−C1−C6アルキル基を示し、
2は、水素原子またはC1−C6アルキル基を示し、
3は、水素原子、C1−C6アルキル基またはヒドロキシC1−C6アルキル基を示し、
4は、水素原子またはC1−C6アルキル基を示し、
5は、C1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群より選択される置換基で置換されてもよいフェニル基を示し、
Aは、C1−C3アルキレン基を示し、
Xは、酸素原子または硫黄原子を示す。]
を有する。
 上記一般式(I)において、R1のC2−C6アルケニル基またはハロゲノC2−C6アルケニル基のC2−C6アルケニル部分は、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、プロパン−1,2−ジエニル、ブタン−1,2−ジエニル、ペンタン−1,2−ジエニルまたはヘキサン−1,2−ジエニル基であり得、好適には、C2−C4アルケニル基(特に、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルまたは3−ブテニル基)であり、さらに好適には、C3−C4アルケニル基であり、最も好適には、2−プロペニルまたは2−ブテニル基である。
 R1のハロゲノC2−C6アルケニル基は、例えば、2,2−ジフルオロビニル、3−フルオロ−2−プロペニル、2−クロロ−2−プロペニル、3−クロロ−2−プロペニル、3−ブロモ−2−プロペニル、3−ヨード−2−プロペニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、2,3−ジクロロ−2−プロペニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニル、2,3−ジブロモ−2−プロペニル、3,3−ジブロモ−2−プロペニル、4,4,4−トリフルオロ−2−ブテニル、5−フルオロ−2−ペンテニルまたは6−フルオロ−2−ヘキセニル基であり得、好適には、フルオロ若しくはクロロC2−C4アルケニル基であり、さらに好適には、2,2−ジフルオロビニル、3−フルオロ−2−プロペニル、3−クロロ−2−プロペニル、2−クロロ−2−プロペニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニルまたは4,4,4−トリフルオロ−2−ブテニル基であり、最も好適には、3−クロロ−2−プロペニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニルまたは4,4,4−トリフルオロ−2−ブテニル基である。
 R1のC2−C6アルキニル基は、例えば、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、2−ペンチニルまたは2−ヘキシニル基であり得、好適には、C2−C4アルキニル基であり、最も好適には、2−プロピニル基である。
 R1のC3−C7シクロアルキル基またはC1−C4アルキルで置換されてもよい(C3−C7シクロアルキル)−C1−C6アルキル基のC3−C7シクロアルキル部分は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロへプチル基であり得、好適には、C3−C6シクロアルキル基であり、さらに好適には、シクロプロピルまたはシクロヘキシル基であり、最も好適には、シクロプロピル基である。
 R1のC1−C4アルキルで置換されてもよい(C3−C7シクロアルキル)−C1−C6アルキル基のC1−C4アルキル部分は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはt−ブチル基であり得、好適には、メチルまたはエチル基であり、最も好適には、メチル基である。
 R1のC1−C4アルキルで置換されてもよい(C3−C7シクロアルキル)−C1−C6アルキル基のC1−C6アルキル部分、R2、R3及びR4のC1−C6アルキル基、R3のヒドロキシC1−C6アルキル基のC1−C6アルキル部分、またはR5のC1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群より選択される置換基で置換されてもよいフェニル基のC1−C6アルキル部分若しくはハロゲノC1−C6アルキル部分のC1−C6アルキル部分は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルまたはヘキシル基であり得、好適には、C1−C4アルキル基であり、さらに好適には、メチルまたはエチル基であり、最も好適には、メチル基である。
 R1のC1−C4アルキルで置換されてもよい(C3−C7シクロアルキル)−C1−C6アルキル基は、例えば、シクロプロピルメチル、1−メチルシクロプロピルメチル、2−メチルシクロプロピルメチル、2−エチルシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、メチルシクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、2−シクロプロピルエチル、3−シクロプロピルプロピル、4−シクロプロピルブチル、5−シクロプロピルペンチルまたは6−シクロプロピルヘキシル基であり得、好適には、C1−C2アルキルで置換されてもよい(C3−C6シクロアルキル)−C1−C4アルキル基であり、さらに好適には、シクロプロピルメチル、1−メチルシクロプロピルメチル、2−メチルシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルまたは2−シクロプロピルエチル基であり、さらにより好適には、2−メチルシクロプロピルメチル基であり、最も好適には、(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル基である。
 R3のヒドロキシC1−C6アルキル基は、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチルまたはヒドロキシヘキシル基であり得、好適には、ヒドロキシC1−C4アルキル基であり、さらに好適には、ヒドロキシメチルまたは1−ヒドロキシエチル基であり、最も好適には、ヒドロキシメチル基である。
 R5のC1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群より選択される置換基で置換されてもよいフェニル基のC1−C6アルキコキシ部分またはハロゲノC1−C6アルコキシ部分のC1−C6アルコキシ部分は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシまたはヘキシルオキシ基であり得、好適には、C1−C4アルコキシ基であり、さらに好適には、メトキシまたはエトキシ基であり、最も好適には、メトキシ基である。
 R5のC1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群より選択される置換基で置換されてもよいフェニル基のハロゲンは、例えば、弗素、塩素、臭素または沃素であり得、好適には、弗素または塩素であり、最も好適には、弗素である。
 R5のC1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群より選択される置換基で置換されてもよいフェニル基のハロゲノC1−C6アルキル部分は、例えば、フルオロメチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチルまたは6−フルオロヘキシル基であり得、好適には、ハロゲノC1−C4アルキル基であり、最も好適には、トリフルオロメチル基である。
 R5のC1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群より選択される置換基で置換されてもよいフェニル基のハロゲノC1−C6アルコキシ部分は、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2−ヨードエトキシ、2、2、2−トリフルオロエトキシ、3−フルオロプロポキシ、4−フルオロブトキシ、5−フルオロペントキシまたは6−フルオロヘキシルオキシ基であり得、好適には、ハロゲノC1−C4アルコキシ基であり、最も好適には、ジフルオロメトキシ基である。
 R5のフェニル基の置換基の数は、例えば、1乃至5個であり、好適には、1乃至3個であり、さらに好適には、1乃至2個であり、最も好適には、1個である。
 R5のフェニル基の置換位置は、例えば、2乃至6位であり、好適には、2、4または6位であり、さらに好適には、2または4位であり、最も好適には、4位である。
 R5のC1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群より選択される置換基で置換されてもよいフェニル基は、フェニル、メチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、メトキシフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、ジフルオロメトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、ジフルオロフェニル、クロロフルオロフェニル、ジクロロフェニル、トリフルオロフェニルまたはトリクロロフェニル基であり得、好適には、C1−C4アルキル、ハロゲノC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1−C4アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されてもよいフェニル基であり、より好適には、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されてもよいフェニル基であり、さらに好適には、弗素及び塩素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で、2位、4位及び6位からなる群より選択される1乃至3の置換位が置換されたフェニル基(特に、2−若しくは4−フルオロフェニル、2−若しくは4−クロロフェニル、2,4−若しくは2,6−ジフルオロフェニル、2,4−若しくは2,6−ジクロロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニルまたは2,4,6−トリクロロフェニル基)であり、さらにより好適には、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニルまたは2−クロロ−4−フルオロフェニル基であり、特に好適には、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニルまたは2,4−ジフルオロフェニル基であり、最も好適には、4−フルオロフェニル基である。
 AのC1−C3アルキレン基は、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、1−メチルエチレンまたは2−メチルエチレン基であり得、好適には、メチレン基である。
 Xは、好適には、酸素原子である。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物は、塩基性基を有し、酸と処理することにより、薬理上許容される塩にすることができ、このような塩も本発明に包含される。そのような塩は、例えば、弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩;硝酸塩;過塩素酸塩;硫酸塩;リン酸塩;炭酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ペンタフルオロエタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩のような弗素原子で置換されてもよいC1−C6アルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸塩のようなC6−C10アリールスルホン酸塩;酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩のようなカルボン酸塩;またはグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩等を挙げることができ、好適には、ハロゲン化水素酸塩、硫酸塩、C6−C10アリールスルホン酸塩またはカルボン酸塩であり、より好適には、塩酸塩、硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸塩またはフマル酸塩であり、最も好適には、p−トルエンスルホン酸塩またはフマル酸塩である。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物のうち、水酸基を有する化合物は、常法により、アシル化することにより、薬理上許容されるエステルにすることができ、このようなエステルも本発明に包含される。そのようなエステルは、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、クロトン酸、プロピオール酸のような脂肪族モノカルボン酸とのエステル;フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸のような脂肪族ジカルボン酸とのエステル;安息香酸、メチル安息香酸、メトキシ安息香酸、フルオロ安息香酸、クロロ安息香酸のような芳香族カルボン酸とのエステル;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸のようなスルホン酸とのエステル;グルタミン酸、アスパラギン酸のようなアミノ酸とのエステル;炭酸モノメチルエステル、炭酸ジメチルエステル、炭酸モノエチルエステル、炭酸ジエチルエステル、炭酸モノプロピルエステル、炭酸モノブチルエステル、炭酸モノフェニルエステル、炭酸ジフェニルエステルのような炭酸エステル類とのエステル;またはリン酸、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノエチルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸モノフェニルエステル、リン酸ジフェニルエステルのようなリン酸類とのエステル等を挙げることができ、好適には、脂肪族モノカルボン酸とのエステル、脂肪族ジカルボン酸とのエステルまたは芳香族カルボン酸とのエステルであり、最も好適には、C1−C10脂肪族モノカルボン酸とのエステルである。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物は、水和物または溶媒和物として存在することができ、その各々あるいはそれらの混合物のいずれも本発明に包含される。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物には、光学異性体及び/または幾何異性体が存在することがあるが、その各々あるいはそれらの混合物のいずれも本発明に包含される。
 本発明において、血中ガストリン濃度は、内因的または外因的に上昇し得、血中ガストリン濃度上昇の原因は、例えば、胃酸分泌抑制剤(特に、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤)の投与、ガストリン放出ペプチド、フェニルアラニン、トリプトファン、エピネフリン、ノルエピネフリン、食事、インスリン、ストレス等であり得る。本発明において、血中ガストリン濃度上昇抑制作用は、内因的または外因的な血中ガストリン濃度の上昇を抑制する作用(予防作用)、または、内因的または外因的に上昇した血中ガストリン濃度を低下させる作用(治療作用)であり得、好適には、内因的または外因的な血中ガストリン濃度の上昇を抑制する作用であり、より好適には、胃酸分泌抑制剤(特に、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤)の投与により引き起こされる血中ガストリン濃度の上昇を抑制する作用である。血中ガストリン濃度の上昇は、ガストリンの有する胃酸分泌作用に起因して、潰瘍が悪化するという副作用を引き起こす。上記血中ガストリン濃度上昇抑制作用においては、ガストリンの有する胃酸分泌作用に起因する潰瘍悪化を引き起こさない程度まで、血中ガストリン濃度の上昇を抑制すること、または、上昇した血中ガストリン濃度を低下させることが好ましい。
 本発明において、血中ガストリン濃度上昇抑制剤は、上記予防作用または上記治療作用(特に、治療作用)を有する医薬を示し、好適には、胃酸分泌抑制剤(特に、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤)の投与により引き起こされる血中ガストリン濃度の上昇を抑制する作用を有する医薬である。
 本発明の血中ガストリン濃度上昇抑制剤及びベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる抗潰瘍剤は、胃酸分泌抑制剤の投与休止後の血中ガストリン濃度上昇による潰瘍悪化という副作用の軽減された抗潰瘍剤となり得る。
 本発明において、抗潰瘍剤は、潰瘍性疾患の治療または予防(特に、治療)のための医薬を示す。本発明において、潰瘍性疾患は、胃、食道、十二指腸等の消化管の粘膜が障害を受けた病態を示し、内因性または外因性の疾患であり得る。内因性の潰瘍性疾患は、例えば、消化性潰瘍、急性もしくは慢性胃潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃食道反射疾患、消化不良、胃酸過多症またはゾーリンガー・エリソン症候群であり得る。また、外因性の潰瘍性疾患は、外的原因による攻撃因子(胃酸分泌等)の増強あるいは防御因子(粘膜防御能等)の低下によって引き起こされる疾患であり、外的原因は、例えば、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)、シクロオキシゲネース2(COX-2)阻害剤あるいは一酸化窒素放出非ステロイド性抗炎症剤(nitric oxide releasing NSAIDs, NO-NSAIDs)等の抗炎症剤、ビスホスホネート、エタノール等の化学物質、ヘリコバクター ピロリー(Helicobacter pylori)等の微生物、細菌毒素またはストレスなどであり得る。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物と併用されるベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤は、公知であり、例えば、US4628098(米国特許第4628098号)、US4255431(米国特許第4255431号)、WO94/27988(国際公開第94/27988号)、US5045552(米国特許第5045552号)、または、US4758579(米国特許第4758579号)等に記載されている胃酸分泌抑制作用を有する化合物であり得る。ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤は、好適には、上記公報の請求項に記載されている化合物であり、より好適には、ランソプラゾール[US4628098(米国特許第4628098号)に記載された[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]ベンズイミダゾール]、オメプラゾール[US4255431(米国特許第4255431号)に記載された5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]ベンズイミダゾールまたはその水和物]、エスオメプラゾール[WO94/27988(国際公開第94/27988号)に記載された5−メトキシ−2−[(S)−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]ベンズイミダゾールもしくはその金属塩(特に、マグネシウム塩)、またはそれらの水和物]、ラベプラゾール[US5045552(米国特許第5045552号)に記載された2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]ベンズイミダゾールまたはそのナトリウム塩]、または、パントプラゾール[US4758579(米国特許第4758579号)に記載された5−メトキシ−2−[[(4,6−ジメトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]ベンズイミダゾール]であり、さらに好適には、ランソプラゾール、オメプラゾールまたはエスオメプラゾールであり、最も好適には、ランソプラゾールである。
 本発明の血中ガストリン濃度上昇抑制剤、及び、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる抗潰瘍剤において、それぞれの有効成分を同時に投与してもよく、時間をおいて別々に投与してもよい。
 上記それぞれの有効成分を同時に投与する場合、その投与形態は、ほぼ同じ時間に投与できる投与形態であれば特に限定はなく、例えば、それぞれの有効成分を、別々の組成物の組み合わせの形態で、または、単一の組成物(配合剤)の形態で、投与することができ、別々の組成物の組み合わせの形態で投与することが好ましい。
 上記それぞれの有効成分を時間を置いて別々に投与する場合、その投与形態は、異なった時間に別々に投与できる投与形態であれば特に限定はなく、例えば、始めに、血中ガストリン濃度上昇抑制剤を投与して、決められた時間の後、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤を投与したり、または、始めに、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤を投与して、決められた時間の後、血中ガストリン濃度上昇抑制剤を投与することができる。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物は、好適には、上記一般式(I)において、
(1)R1が、C2−C4アルケニル基、フルオロ若しくはクロロC2−C4アルケニル基、2−プロピニル基、C3−C6シクロアルキル基またはC1−C2アルキルで置換されてもよい(C3−C6シクロアルキル)−C1−C4アルキル基である化合物、
(2)R1が、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2,2−ジフルオロビニル、3−フルオロ−2−プロペニル、3−クロロ−2−プロペニル、2−クロロ−2−プロペニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニル、4,4,4−トリフルオロ−2−ブテニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、1−メチルシクロプロピルメチル、2−メチルシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルまたは2−シクロプロピルエチル基である化合物、
(3)R1が、2−メチルシクロプロピルメチル基である化合物、
(4)R1が、(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル基である化合物、
(5)R2が、水素原子またはC−Cアルキル基である化合物、
(6)R2が、メチル基である化合物、
(7)R3が、水素原子、C1−C4アルキル基またはヒドロキシC1−C4アルキル基である化合物、
(8)R3が、メチルまたはヒドロキシメチル基である化合物、
(9)R4が、水素原子である化合物、
(10)R5が、C1−C4アルキル、ハロゲノC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1−C4アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されてもよいフェニル基である化合物、
(11)R5が、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されてもよいフェニル基である化合物、
(12)R5が、弗素及び塩素からなる群より選択される1乃至2個の置換基で、2位、4位及び6位からなる群より選択される1乃至2の置換位が置換されたフェニル基である化合物、
(13)R5が、弗素及び塩素からなる群より選択される1乃至2個の置換基で、4位または2,4−位の置換位が置換されたフェニル基である化合物、
(14)Aが、メチレン基である化合物、または、
(15)Xが、酸素原子である化合物、
である。
 また、(1)乃至(4)から選択されたR1、(5)乃至(6)から選択されたR2、(7)乃至(8)から選択されたR3、(9)から選択されたR4、(10)乃至(13)から選択されたR5、(14)から選択されたA、及び、(15)から選択されたXを任意に組み合わせて得られる化合物は、さらに好適であり、例えば、以下の化合物は、さらに好適である:
(16)R1が、C2−C4アルケニル基、フルオロ若しくはクロロC2−C4アルケニル基、2−プロピニル基、C3−C6シクロアルキル基またはC1−C2アルキルで置換されてもよい(C3−C6シクロアルキル)−C1−C4アルキル基であり、R2が、水素原子またはC1−C4アルキル基であり、R3が、水素原子、C1−C4アルキル基またはヒドロキシC1−C4アルキル基であり、R4が、水素原子であり、R5が、C1−C4アルキル、ハロゲノC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1−C4アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されてもよいフェニル基であり、Aが、メチレン基であり、Xが、酸素原子である化合物、
(17)R1が、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2,2−ジフルオロビニル、3−フルオロ−2−プロペニル、3−クロロ−2−プロペニル、2−クロロ−2−プロペニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニル、4,4,4−トリフルオロ−2−ブテニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、1−メチルシクロプロピルメチル、2−メチルシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルまたは2−シクロプロピルエチル基であり、R2が、メチル基であり、R3が、メチルまたはヒドロキシメチル基であり、R4が、水素原子であり、R5が、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されてもよいフェニル基であり、Aが、メチレン基であり、Xが、酸素原子である化合物、
(18)R1が、2−メチルシクロプロピルメチル基であり、R2が、メチル基であり、R3が、メチルまたはヒドロキシメチル基であり、R4が、水素原子であり、R5が、弗素及び塩素からなる群より選択される1乃至2個の置換基で、2位、4位及び6位からなる群より選択される1乃至2の置換位が置換されたフェニル基であり、Aが、メチレン基であり、Xが、酸素原子である化合物、
(19)R1が、(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル基であり、R2が、メチル基であり、R3が、メチルまたはヒドロキシメチル基であり、R4が、水素原子であり、R5が、弗素及び塩素からなる群より選択される1乃至2個の置換基で、4位または2,4−位の置換位が置換されたフェニル基であり、Aが、メチレン基であり、Xが、酸素原子である化合物、
(20)7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 7−(4−クロロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 7−(4−フルオロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 7−(4−クロロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 1−(2−ブテニル)−7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジン、及び、
 1−(2−ブテニル)−7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジンからなる群より選択されるピロロピリダジン化合物、
(21)7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 7−(4−フルオロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 1−(2−ブテニル)−7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジン、及び、
 1−(2−ブテニル)−7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジンからなる群より選択されるピロロピリダジン化合物、または、
(22) 7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン。
 本発明は、
(23)一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物[特に、上記(1)乃至(22)のいずれかに記載の化合物]、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する血中ガストリン濃度上昇抑制剤、
(24)血中ガストリン濃度上昇が、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の投与により引き起こされるものである(23)に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤、
(25)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール、エスオメプラゾール、パントプラゾール及びラベプラゾールからなる群より選択される薬剤である(24)に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤、
(26)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール及びエスオメプラゾールからなる群より選択される薬剤である(24)に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤、または、
(27)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾールである(24)に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤、
(28)一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物[特に、上記(1)乃至(22)のいずれかに記載の化合物]、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する血中ガストリン濃度上昇抑制剤、及び、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる副作用の軽減された抗潰瘍剤、
(29)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール、エスオメプラゾール、パントプラゾール及びラベプラゾールからなる群より選択される薬剤である(28)に記載の抗潰瘍剤、
(30)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール及びエスオメプラゾールからなる群より選択される薬剤である(28)に記載の抗潰瘍剤、または、
(31)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾールである(28)に記載の抗潰瘍剤を提供する。
 本発明は、また、
(32)一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物[特に、上記(1)乃至(22)のいずれかに記載の化合物]、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルの有効量を温血動物に投与することからなる血中ガストリン濃度上昇の抑制のための方法、
(33)血中ガストリン濃度上昇が、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の投与により引き起こされるものである(32)に記載の方法、
(34)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール、エスオメプラゾール、パントプラゾール及びラベプラゾールからなる群より選択される薬剤である(33)に記載の方法、
(35)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール及びエスオメプラゾールからなる群より選択される薬剤である(33)に記載の方法、
(36)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾールである(33)に記載の方法、
(37)温血動物が、ヒトである(32)乃至(36)のいずれかに記載の方法、
(38)一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物[特に、上記(1)乃至(22)のいずれかに記載の化合物]、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステル、及び、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の有効量を温血動物に投与することからなる、副作用の軽減された潰瘍性疾患の治療または予防のための方法、
(39)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール、エスオメプラゾール、パントプラゾール及びラベプラゾールからなる群より選択される薬剤である(38)に記載の方法、
(40)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール及びエスオメプラゾールからなる群より選択される薬剤である(38)に記載の方法、
(41)ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾールである(38)に記載の方法、または、
(42)温血動物が、ヒトである(38)乃至(41)のいずれかに記載の方法を提供する。

 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物において、好適な化合物は、例えば、表1に示す化合物であり得るが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。なお、表1に記載された化合物は、一般式(II)で表される構造を有する。

[表1]

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例示化合物
番号   R1        R2  R3       R4 R5      X
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1   CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  Ph      O
2   CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  Ph      O
3   CH2CH=CH2       Me  Me        H  4-FPh     O
4   CH2CH=CHCH3      Me  Me        H  4-FPh     O
5   Prc          Me  Me        H  4-FPh     O
6   CH2Prc         Me  Me        H  4-FPh     O
7   CH2Hxc         Me  Me        H  4-FPh     O
8   CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  4-FPh     O
9   CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-FPh     O
10  CH2CH2Prc       Me  Me        H  4-FPh     O
11  CH2CH=CH2       Me  Me        H  2,4-diFPh   O
12  CH2CH=CHCH3      Me  Me        H  2,4-diFPh   O
13  CH2Prc         Me  Me        H  2,4-diFPh   O
14  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  2,4-diFPh   O
15  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2,4-diFPh   O
16  CH2CH=CH2       Me  Me        H  4-ClPh    O
17  CH2CH=CHCH3      Me  Me        H  4-ClPh    O
18  CH2Prc         Me  Me        H  4-ClPh    O
19  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  4-ClPh    O
20  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-ClPh    O
21  CH2CH=CH2       Me  Me        H  2,4-diClPh  O
22  CH2CH=CHCH3      Me  Me        H  2,4-diClPh  O
23  CH2Prc         Me  Me        H  2,4-diClPh  O
24  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  2,4-diClPh  O
25  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2,4-diClPh  O
26  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  2-FPh     O
27  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2-FPh     O
28  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  3-FPh     O
29  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  3-FPh     O
30  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  2-ClPh    O
31  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2-ClPh    O
32  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  3-ClPh    O
33  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  3-ClPh    O
34  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  4-MePh    O
35  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-MePh    O
36  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  4-OMePh    O
37  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-OMePh    O
38  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  4-CF3Ph    O
39  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-CF3Ph    O
40  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  4-OCHF2Ph   O
41  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-OCHF2Ph   O
42  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Et  Me        H  4-FPh     O
43  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Pr  Me        H  4-FPh     O
44  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Pri  Me        H  4-FPh     O
45  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Bu  Me        H  4-FPh     O
46  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Bui  Me        H  4-FPh     O
47  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Bus  Me        H  4-FPh     O
48  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  But  Me        H  4-FPh     O
49  CH2(2-MePrc)      Me  Me        Me  4-FPh     O
50  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        Me  4-FPh     O
51  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  H   Me        H  4-FPh     O
52  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  H        H  4-FPh     O
53  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-BrPh    O
54  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-OCF3Ph   O
55  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2,6-diFPh   O
56  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2,6-diClPh  O
57  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2,4,6-triFPh O
58  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2,4,6-triClPh O
59  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2-Cl-6-FPh  O
60  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2-Cl-4-FPh  O
61  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-Cl-2-FPh  O
62  CH2(2-MePrc)      Me  Me        H  4-FPh     S
63  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-FPh     S
64  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2,4-diFPh   S
65  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  4-ClPh    S
66  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Me        H  2,4-diClPh  S
67  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  2-FPh     O
68  CH2(2-MePrc)      Me  CH2OH      H  4-FPh     O
69  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  4-FPh     O
70  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  2,4-diFPh   O
71  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  2-ClPh    O
72  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  4-ClPh    O
73  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  2,4-diClPh  O
74  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  2-FPh     O
75  CH2(2-MePrc)      Me  CH2OAc      H  4-FPh     O
76  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  4-FPh     O
77  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  2,4-diFPh   O
78  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  4-ClPh    O
79  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  2,4-diClPh  O
80  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OPrp     H  4-FPh     O
81  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OBur     H  4-FPh     O
82  CH2(2-MePrc)      Me  CH2OCOPh     H  4-FPh     O
83  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCOPh     H  4-FPh     O
84  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO(4-MePh)  H  4-FPh     O
85  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO(4-OMePh) H  4-FPh     O
86  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO(4-FPh)  H  4-FPh     O
87  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO(4-ClPh)  H  4-FPh     O
88  CH2(2-MePrc)      Me  CH2OCO2Me    H  4-FPh     O
89  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO2Me    H  4-FPh     O
90  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO2Et    H  4-FPh     O
91  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO2Pr    H  4-FPh     O
92  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO2Bu    H  4-FPh     O
93  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO2Ph    H  4-FPh     O
94  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Et  CH2OH      H  4-FPh     O
95  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Et  CH2OAc     H  4-FPh     O
96  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  4-MePh    O
97  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  4-CF3Ph    O
98  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  4-OMePh    O
99  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  4-OCHF2Ph   O
100  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  4-OCF3Ph   O
101  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  4-BrPh    O
102  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  4-MePh    O
103  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  4-CF3Ph    O
104  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  4-OMePh    O
105  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  4-OCHF2Ph   O
106  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  4-OCF3Ph   O
107  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  4-BrPh    O
108  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  4-FPh     S
109  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  2,4-diFPh   S
110  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  4-ClPh    S
111  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OH      H  2,4-diClPh  S
112  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OAc      H  4-FPh     S
113  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCOPh     H  4-FPh     S
114  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO2Me    H  4-FPh     S
115  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2OCO2Et    H  4-FPh     S
116  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Et        H  4-FPh     O
117  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Pr        H  4-FPh     O
118  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Pri       H  4-FPh     O
119  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Bu        H  4-FPh     O
120  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Bui       H  4-FPh     O
121  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  BuS       H  4-FPh     O
122  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  But       H  4-FPh     O
123  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  Pn        H  4-FPh     O
124  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH(OH)CH3    H  4-FPh     O
125  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH2CH2OH     H  4-FPh     O
126  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH(OAc)CH3    H  4-FPh     O
127  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH(OH)CH2CH3   H  4-FPh     O
128  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH(OH)(CH2)2CH3  H  4-FPh     O
129  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH(OH)(CH2)3CH3  H  4-FPh     O
130  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH(OH)(CH2)4CH3  H  4-FPh     O
131  CH2[(1S,2S)-2-MePrc]  Me  CH(OH)CH3    H  4-FPh     S
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 上記表1において、略号は以下の基を示す。
Ac:アセチル基
Bu:ブチル基
Bui:イソブチル基
Bur:ブチリル基
Bus:s−ブチル基
But:t−ブチル基
Et:エチル基
Hxc:シクロヘキシル基
Me:メチル基
Ph:フェニル基
Pn:ペンチル基
Pr:プロピル基
Prc:シクロプロピル基
Pri:イソプロピル基、及び
Prp:プロピオニル基。
 上記表1において、好適な化合物は、
 例示化合物番号1、2、3、4、6、8、9、12、14、15、19、20、24、25、27、29、31、33、35、37、39、41、42、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、73、74、76、77、78、79、80、81、83、84、85、86、87、89、90、91、92、93、108、109、110、111、112、113、114、115、124、125の化合物であり、より好適には、
 例示化合物番号2、4、9、12、15、20、25、27、31、35、37、39、41、53、54、55、56、57、58、59、60、61、63、64、65、66、69、70、72、73、76、77、78、79、83、89、108、109、110、111、112の化合物であり、さらに好適には、
 例示化合物番号4、9、12、15、20、25、27、31、55、56、60、61、63、69、70、72、76、77、78、108の化合物であり、さらにより好適には、
 例示化合物番号4:1−(2−ブテニル)−7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 例示化合物番号9:7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 例示化合物番号12:1−(2−ブテニル)−7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 例示化合物番号15:7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 例示化合物番号20:7−(4−クロロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 例示化合物番号69:7−(4−フルオロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 例示化合物番号70:7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、または、
 例示化合物番号72:7−(4−クロロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジンの化合物であり、特に好適には、
 例示化合物番号4:1−(2−ブテニル)−7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 例示化合物番号9:7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
 例示化合物番号12:1−(2−ブテニル)−7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジン、または、
 例示化合物番号69:7−(4−フルオロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジンの化合物であり、最も好適には、
 例示化合物番号9:7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジンの化合物である。

 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物は、公知の方法[例えば、WO95/19980(=EP−0742218A)、WO00/77003(=EP−1186607A)、WO01/58901公報等]またはそれらに準じた方法に従い、容易に製造することができる。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物のうち、水酸基を有する化合物を、前述したように、常法により、アシル化して、その薬理上許容されるエステルを製造することができる。すなわち、不活性溶剤中、水酸基を有する化合物を、相当する酸ハライドまたは酸無水物と、塩基の存在下、常法にしたがって反応させることにより、その薬理上許容されるエステルを製造することができる(例えば、WO01/58901公報等)。
 本発明の血中ガストリン濃度上昇抑制剤及びベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる抗潰瘍剤を使用する場合は、それぞれの有効成分を別々の単位投与形態に調製することができ、または、混合して物理的に単一の投与形態に調製することができる。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステル、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤、または、それらからなる抗潰瘍剤を医薬として使用する場合には、それぞれの有効成分を、それ自体(原末のまま)で投与することができ、あるいは適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合して、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等の製剤として、経口的に、または、注射剤若しくは坐剤等の製剤として、非経口的に(好適には、経口的に)投与することができる。
 これらの製剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、乳化剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、注射剤用溶剤等の添加剤を用いて、周知の方法で製造される。
 賦形剤は、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプンのようなデンプン誘導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;リン酸カルシウムのようなリン酸塩誘導体;炭酸カルシウムのような炭酸塩誘導体;または硫酸カルシウムのような硫酸塩誘導体等であり得る。
 結合剤は、例えば、上記の賦形剤;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;またはポリエチレングリコール等であり得る。
 崩壊剤は、例えば、上記の賦形剤;クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムのような化学修飾された、デンプンまたはセルロース誘導体;または架橋ポリビニルピロリドン等であり得る。
 滑沢剤は、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイロウのようなワックス類;硼酸;グリコール;D,L−ロイシン;フマル酸、アジピン酸のようなカルボン酸類;安息香酸ナトリウムのようなカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;または上記の賦形剤におけるデンプン誘導体等であり得る。
 乳化剤は、例えば、ベントナイト、ビーガムのようなコロイド性粘土;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのような金属水酸化物;ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムのような陰イオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウムのような陽イオン界面活性剤;またはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルのような非イオン界面活性剤等であり得る。
 安定剤は、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラヒドロキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;無水酢酸;またはソルビン酸等であり得る。
 矯味矯臭剤は、例えば、通常使用される、甘味料、酸味料または香料等であり得る。
 希釈剤は、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコールまたはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等であり得る。
 注射剤用溶剤は、例えば、水、エタノール、グリセリン等であり得る。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルは、温血動物(特に、ヒト)に投与することができ、その投与量は、個々の薬剤の活性、患者の症状、年齢、体重等の種々の条件により変化し得る。その投与量は、症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、各々、1回当たり下限0.1mg(好適には、0.5mg)、上限1000mg(好適には、500mg)を、非経口的投与の場合には、1回当たり下限0.01mg(好適には、0.05mg)、上限100mg(好適には、50mg)を、成人に対して、1日当たり1乃至6回、症状に応じて、投与することができる。
 本発明の血中ガストリン濃度上昇抑制剤及びベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる抗潰瘍剤におけるそれぞれの有効成分の投与量は、上記と同様である。なお、一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルは、それ自体胃酸分泌抑制作用を有するため、併用により、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の投与量をさらに下げることができる。
 また、本発明の血中ガストリン濃度上昇抑制剤とベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤を併用する場合のそれらの投与量の比率は、大幅に変わり得るが、例えば、重量比で、1:500乃至500:1の範囲内であり得、好適には、1:10乃至10:1であり、より好適には、1:5乃至5:1である。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルは、小さな血中ガストリン濃度上昇作用を有し、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤との併用において、それら胃酸分泌抑制剤の有する血中ガストリン濃度上昇作用を抑制するため、温血動物用(特に、ヒト用)の血中ガストリン濃度上昇抑制剤(特に、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の投与により引き起こされる血中ガストリン濃度上昇を抑制するための血中ガストリン濃度上昇抑制剤)として有用である。また、一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する血中ガストリン濃度上昇抑制剤、及び、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる医薬は、副作用の軽減された抗潰瘍剤(特に、潰瘍性疾患の治療または予防のための医薬)として有用である。
 以下、試験例及び製剤例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(試験例1)連投後の血中ガストリン上昇作用
 一群9乃至11匹のラット四群を用いた。試験化合物(コントロールを含む)は、以下に示す1日あたりの投与量で、14日間連日投与した。すなわち、A群には、コントロールとして、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩及び0.4%ポリソルベート80水溶液(以下、投与媒体という)を体重1kgあたり2ml投与し、B群には、7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン[例示化合物番号9の化合物:WO00/77003(=EP−1186607A)の実施例1に記載された化合物:以下化合物(III)という]を15mg/mlの濃度で投与媒体に懸濁した液を体重1kgあたり2ml投与し、C群には、ランソプラゾール[US4628098(米国特許第4628098号)に記載された[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]ベンズイミダゾール]を15mg/mlの濃度で投与媒体に懸濁した液を体重1kgあたり2ml投与し、D群には、化合物(III)を投与媒体に15mg/mlの濃度で懸濁した液及びランソプラゾールを投与媒体に15mg/mlの濃度で懸濁した液を、それぞれ体重1kgあたり2mlずつ投与した。
 最終投与の翌日に、ラットをエーテルで麻酔した後、腹部切開して腹部大動脈より採血した。血清中ガストリン濃度をラジオイムノアッセイ法で測定した。
 A群、B群、C群及びD群の血清中ガストリン濃度は、それぞれ270pg/ml、330pg/ml、920pg/ml及び470pg/mlであった。テューキー(Tukey)法により各群間の有意差を検討したところ、A群とC群、A群とD群、B群とC群、及び、C群とD群の間に有意差を認めた。
 以上の結果より、化合物(III)による血中ガストリン濃度上昇作用は小さく、化合物(III)とランソプラゾールを併用すると、ランソプラゾール単独投与の場合の血中ガストリン濃度上昇を著しく抑制することが示された。したがって、本発明の有効成分であるピロロピリダジン化合物は、血中ガストリン濃度上昇抑制剤として有用であり、また、これらピロロピリダジン化合物及びベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる医薬は、副作用の軽減された抗潰瘍剤として有用である。

(製剤例1)錠剤
 化合物(III)(30.0mg)、乳糖(144.0mg)、トウモロコシデンプン(25.0mg)及びステアリン酸マグネシウム(1.0mg)を混合し、打錠機により打錠して、1錠200mgの錠剤とする。この錠剤は、必要に応じて、コーティング(好適には、糖衣)を施すことができる。
 本発明の有効成分である一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルは、小さな血中ガストリン濃度上昇作用を有し、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤との併用において、それら胃酸分泌抑制剤の有する血中ガストリン濃度上昇作用を抑制するため、温血動物用(特に、ヒト用)の血中ガストリン濃度上昇抑制剤(特に、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の投与により引き起こされる血中ガストリン濃度上昇を抑制するための血中ガストリン濃度上昇抑制剤)として有用である。また、一般式(I)で表されるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する血中ガストリン濃度上昇抑制剤、及び、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる医薬は、副作用の軽減された抗潰瘍剤(特に、潰瘍性疾患の治療または予防のための医薬)として有用である。

Claims (31)

  1.  一般式


     [式中、R1は、C2−C6アルケニル基、ハロゲノC2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C3−C7シクロアルキル基またはC1−C4アルキルで置換されてもよい(C3−C7シクロアルキル)−C1−C6アルキル基を示し、
    2は、水素原子またはC1−C6アルキル基を示し、
    3は、水素原子、C1−C6アルキル基またはヒドロキシC1−C6アルキル基を示し、
    4は、水素原子またはC1−C6アルキル基を示し、
    5は、C1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ及びハロゲンからなる群より選択される置換基で置換されてもよいフェニル基を示し、
    Aは、C1−C3アルキレン基を示し、
    Xは、酸素原子または硫黄原子を示す。]
    を有するピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  2.  R1が、C2−C4アルケニル基、フルオロ若しくはクロロC2−C4アルケニル基、2−プロピニル基、C3−C6シクロアルキル基またはC1−C2アルキルで置換されてもよい(C3−C6シクロアルキル)−C1−C4アルキル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  3.  R1が、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2,2−ジフルオロビニル、3−フルオロ−2−プロペニル、3−クロロ−2−プロペニル、2−クロロ−2−プロペニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニル、4,4,4−トリフルオロ−2−ブテニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、1−メチルシクロプロピルメチル、2−メチルシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルまたは2−シクロプロピルエチル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  4.  R1が、2−メチルシクロプロピルメチル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  5.  R1が、(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  6.  R2が、水素原子またはC1−C4アルキル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  7.  R2が、メチル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  8.  R3が、水素原子、C1−C4アルキル基またはヒドロキシC1−C4アルキル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至7のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  9.  R3が、メチルまたはヒドロキシメチル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至7のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  10.  R4が、水素原子であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至9のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  11.  R5が、C1−C4アルキル、ハロゲノC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1−C4アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されてもよいフェニル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至10のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  12.  R5が、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されてもよいフェニル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至10のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  13.  R5が、弗素及び塩素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で、2位、4位及び6位からなる群より選択される1乃至3の置換位が置換されたフェニル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至10のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  14.  R5が、弗素及び塩素からなる群より選択される1乃至2個の置換基で、4位または2,4−位の置換位が置換されたフェニル基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至10のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  15.  Aが、メチレン基であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至14のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  16.  Xが、酸素原子であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1乃至15のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  17.  R1が、C2−C4アルケニル基、フルオロ若しくはクロロC2−C4アルケニル基、2−プロピニル基、C3−C6シクロアルキル基またはC1−C2アルキルで置換されてもよい(C3−C6シクロアルキル)−C1−C4アルキル基であり、R2が、水素原子またはC1−C4アルキル基であり、R3が、水素原子、C1−C4アルキル基またはヒドロキシC1−C4アルキル基であり、R4が、水素原子であり、R5が、C1−C4アルキル、ハロゲノC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1−C4アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されてもよいフェニル基であり、Aが、メチレン基であり、Xが、酸素原子であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  18.  R1が、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2,2−ジフルオロビニル、3−フルオロ−2−プロペニル、3−クロロ−2−プロペニル、2−クロロ−2−プロペニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニル、4,4,4−トリフルオロ−2−ブテニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、1−メチルシクロプロピルメチル、2−メチルシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルまたは2−シクロプロピルエチル基であり、R2が、メチル基であり、R3が、メチルまたはヒドロキシメチル基であり、R4が、水素原子であり、R5が、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されてもよいフェニル基であり、Aが、メチレン基であり、Xが、酸素原子であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  19.  R1が、2−メチルシクロプロピルメチル基であり、R2が、メチル基であり、R3が、メチルまたはヒドロキシメチル基であり、R4が、水素原子であり、R5が、弗素及び塩素からなる群より選択される1乃至2個の置換基で、2位、4位及び6位からなる群より選択される1乃至2の置換位が置換されたフェニル基であり、Aが、メチレン基であり、Xが、酸素原子であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  20.  R1が、(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル基であり、R2が、メチル基であり、R3が、メチルまたはヒドロキシメチル基であり、R4が、水素原子であり、R5が、弗素及び塩素からなる群より選択される1乃至2個の置換基で、4位または2,4−位の置換位が置換されたフェニル基であり、Aが、メチレン基であり、Xが、酸素原子であるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  21.  7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
     7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
     7−(4−クロロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
     7−(4−フルオロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
     7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
     7−(4−クロロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
     1−(2−ブテニル)−7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジン、及び、
     1−(2−ブテニル)−7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジンからなる群より選択されるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  22.  7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
     7−(4−フルオロベンジルオキシ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、
     1−(2−ブテニル)−7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジン、及び、
     1−(2−ブテニル)−7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチルピロロ[2,3−d]ピリダジンからなる群より選択されるピロロピリダジン化合物、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  23.  7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、その薬理上許容される塩またはその薬理上許容されるエステルを有効成分として含有する請求項1に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  24.  血中ガストリン濃度上昇が、ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤の投与により引き起こされるものである、請求項1乃至23のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  25.  ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール、エスオメプラゾール、パントプラゾール及びラベプラゾールからなる群より選択される薬剤である請求項24に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  26.  ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール及びエスオメプラゾールからなる群より選択される薬剤である請求項24に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  27.  ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾールである請求項24に記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤。
  28.  請求項1乃至23のいずれかに記載の血中ガストリン濃度上昇抑制剤及びベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤からなる副作用の軽減された抗潰瘍剤。
  29.  ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール、エスオメプラゾール、パントプラゾール及びラベプラゾールからなる群より選択される薬剤である請求項28に記載の抗潰瘍剤。
  30.  ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾール、オメプラゾール及びエスオメプラゾールからなる群より選択される薬剤である請求項28に記載の抗潰瘍剤。
  31.  ベンズイミダゾール骨格を有する胃酸分泌抑制剤が、ランソプラゾールである請求項28に記載の抗潰瘍剤。
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