JP2004137261A - フッ素系界面活性剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】      水、及び/または親水性有機溶剤等の水系溶剤を用いて使用される、主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成形材料等に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として好適に用いることができるフッ素系界面活性剤を提供すること。
【解決手段】    下記一般式(1)
  【化1】
Figure 2004137261

(式中、Xは直接結合または2価の連結基であり、Yは酸基、そのアミン塩または金属塩であり、mは1〜6の整数であり、nは0〜12の整数であり、o、pはそれぞれ同一または異なる0〜4の整数であり、かつo+pが1以上である。)
で示されるフッ素系化合物(A)からなることを特徴とするフッ素系界面活性剤。
【選択図】     なし

Description

 本発明は、水、及び/または親水性有機溶剤等の水系溶剤を用いて使用される、主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成形材料等に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として好適に用いることができるフッ素系界面活性剤に関する。
 フッ素系界面活性剤は、表面張力低下能力が高く、コーティング用組成物や成形用組成物等に混合することで、優れた浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を実現する添加剤であり、これまでにも各種フッ素系界面活性剤が提案されてきた。
 一般に、フッ素系界面活性剤は表面張力低下機能を実現するためのパーフルオロアルキル(Rf)基と、例えば該活性剤を添加剤として使用する、コーティング用、成形材料用等の各種組成物に対する親和性に寄与する親媒性基とを同一分子内に有する化合物からなるものである。
 従来のフッ素系界面活性剤であるC17SON(R)(CH)COOM(式中、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、nは1〜4の整数であり、Mは水素原子、ナトリウム、カリウム、リチウムである。)は、界面活性効果に優れ、メッキ、各種コーティング用途に広く利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
 しかし、前記特許文献1に記載されているフッ素系界面活性剤は水に対する溶解性が不十分であるためその添加量が制限されることから、水系溶剤を用いて使用する重合乳化剤、写真用乳剤あるいはフォトレジスト感光液等のレベリング剤、塗料、インキ、床ワックスなどコーティング分野での塗工液の基材へのレベリング剤、顔料分散安定化剤等には界面活性効果が十分に機能しない問題があった。また近年、地球環境保護の観点から、工業分野で使用される溶剤は有機溶剤系から水系へ移行する傾向があり、水との親和性の高いフッ素系界面活性剤の開発が求められている。
 一方、フッ素系界面活性剤をその化合物の持つ表面張力低下機能を応用して各種コーティング用や成形材料用等の組成物に添加剤として使用するに際し、少量で十分な機能を発現するためにはRf鎖長を長くする必要があるが、この場合は必然的に、該組成物に対する親和性が低下するという現象がある。この現象は、該組成物が水、親水性有機溶剤、または親水性有機溶剤と水との混合溶剤等を用いてなる場合に顕著である。従って、水との親和性の高いフッ素系界面活性剤を得るためには、該界面活性剤に使用するフッ素系化合物の分子設計が極めて重要になる。
米国特許第2809990号明細書(第1−3頁)
 上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、水、及び/または親水性有機溶剤等の水系溶剤を用いて使用される、主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成形材料等に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として好適に用いることができるフッ素系界面活性剤を提供することにある。
 本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、下記一般式(1)で示されるフッ素系化合物(A)を有効な界面活性成分として含有するフッ素系界面活性剤が、水への溶解度が高く、且つ従来使用されているフッ素系界面活性剤が具備している界面活性効果を損なわないことを見出し、本発明を完成させた。
 すなわち、本発明は、下記一般式(1)
Figure 2004137261
(式中、Xは直接結合または2価の連結基であり、Yは酸基、そのアミン塩または金属塩であり、mは1〜6の整数であり、nは0〜12の整数であり、o、pはそれぞれ同一または異なる0〜4の整数であり、かつo+pが1以上である。)
で示されるフッ素系化合物(A)からなるフッ素系界面活性剤を提供するものである。
 本発明によれば、水、及び/または親水性有機溶剤等の水系溶剤を用いて使用される、主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成形材料等に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として好適に用いることができるフッ素系界面活性剤を提供できる。
 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明に係る界面活性効果としては、種々の界面活性効果、例えば、コーティング、モールディング用途における組成物の濡れ性、浸透性、はじき防止性、レベリング性、塗膜の均一性・均質性、表面改質性等が挙げられる。
 本発明のフッ素系界面活性剤は前記一般式(1)で示されるフッ素系化合物(A)を有効な界面活性成分として1種以上含有するものである。
 該化合物(A)中の部分フッ素化アルキル基〔F(CF2)2m(CH2)n−〕は、優れた界面活性効果を得るために必要不可欠なセグメントである。該基の鎖長は、界面活性剤として使用される場合の用途、これを添加剤として混合するコーティング材料や成形材料等の組成物の組成、目的とする性能のレベル等により適宜、選択されるものであるが、前記一般式(1)中のmが7以上のものは原料化合物の工業的入手が難しく、且つ前記組成物に対する溶解性が悪くなり、また、前記一般式(1)中のnが13以上では前記組成物に対する溶解性が悪くなるので、式中のmが1〜6の整数であること、およびnが0〜12の整数であることを必須とする。
 前記一般式(1)中のmは界面活性効果に優れたフッ素系化合物が得られ、且つ特に水系溶剤を用いる前述の組成物との親和性に優れることから、2〜4の整数であることが好ましい。またnは実用的な界面活性効果を有するフッ素系化合物が得られ、且つ前述の組成物との親和性が高く製造が容易なことから、2〜4の整数であることが好ましい。
 次に、親媒性基について述べる。一般に界面活性剤中の親媒性基は、これを添加剤として使用する場合に用いられる各種の溶媒、樹脂、顔料、フィラー等に対して親和性を向上させ界面活性効果を発現させるために必要不可欠なセグメントであり、該界面活性剤の用途、これを添加剤として混合するコーティング材料や成形材料等の組成物の組成、目的とする性能のレベル等により適宜検討される。
 前記フッ素系化合物(A)中の親媒性基は、水系溶剤を用いる用途に対して好適に用いられるために下記一般式(6)
Figure 2004137261
(式中、Yは酸基、そのアミン塩または金属塩であり、o、pはそれぞれ同一または異なる0〜4の整数であり、かつo+pが1以上である。)
で示される含窒素複素単環構造を有することが必須である。式中o、pは前記組成物との親和性と界面活性効果のバランスに優れたフッ素系化合物が得られることから0〜3の整数であること、かつo+pが1以上であることが好ましく、o+pが1〜3であることが特に好ましい。またo、pが5以上の整数では原料化合物の工業的入手が難しく、かつ前記組成物に対する溶解性が悪くなるので好ましくない。
 前記一般式(6)中のYは親水性基であり、例えば、SOH、COOH、PO(OH)等の酸基、これら酸基の有機アミン塩(アンモニア塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、n−プロピルアミン塩、iso−プロピルアミン塩、n−ブチルアミン塩、tert−ブチルアミン塩、ジ(n−ブチル)アミン塩、エチレンジアミン塩、ジエチレンジアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、プロパノールアミン塩、トルイジン塩、ピリジン塩等)、これら酸基の金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等)が挙げられる。
 これらの中でも、汎用性が有り、且つ水系溶剤を用いる前述の組成物との親和性に優れることから、-COOM(式中、Mは水素原子、NHまたはアルカリ金属である。)であることが好ましく、-COONH、-COOLi、-COONa、-COOKであることが最も好ましい。
 前記一般式(1)中のXは直接結合または2価の連結基であるが、工業的製造方法の容易性、原料の入手の容易性、界面活性剤として添加される時に混合するコーティング材料や成形材料等の組成物に対する親和性等に優れることから、-SO-、-SO2-、-CO-であることが好ましく、これらの中でも、-SO2-が特に好ましい。
 本発明のフッ素系界面活性剤に用いるフッ素系化合物(A)としては、例えば、下記一般式(1)で示され、式中のm、n、o、pおよびYが下記の表に記載されているものである化合物が挙げられる。
Figure 2004137261
Figure 2004137261
 尚、本発明がこれら具体例により、なんら限定されないことは勿論である。
 前記一般式(1)で示されるフッ素系化合物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、以下の(I)〜(III)の方法が挙げられる。
 (I)下記一般式(2)
F(CF)2m(CH)Z    (2)
(式中、mは1〜6の整数であり、nは0〜12の整数であり、Zはハロゲン原子またはスルホニルハロゲニド基である。)
で示される化合物(B)と下記一般式(3)
Figure 2004137261
(式中、o、pはそれぞれ同一または異なる0〜4の整数であり、かつo+pが1以上であり、Yは酸基である。)
で示される含窒素複素単環化合物(C)または下記一般式(4)
Figure 2004137261
(式中、o、pはそれぞれ同一または異なる0〜4の整数であり、かつo+pが1以上であり、Yは酸基のアミン塩または金属塩である。)
で示される含窒素複素単環化合物の塩(D)とを反応させる製造方法。
 (II)下記一般式(2)
F(CF)2m(CH)Z    (2)
(式中、m、n、Zは前記と同じである。)
で示される化合物(B)と、下記一般式(3)
Figure 2004137261
(式中、o、p、Yは前記と同じである。)
で示される含窒素複素単環化合物(C)とを反応させた後、中和する製造方法。
 (III)下記一般式(2)
F(CF)2m(CH)Z    (2)
(式中、m、n、Zは前記と同じである。)
で示される化合物(B)と、下記一般式(5)
Figure 2004137261
(式中、o、pは前記と同じであり、Yは酸基のエステルである。)
で示される含窒素複素単環化合物のエステル(E)とを反応させた後、ケン化する製造方法。
 まず(I)の製造方法について詳細に説明する。
 前記一般式(2)で示される化合物(B)としては、界面活性効果に優れ、且つ特に水系溶剤を用いる前述の組成物との親和性が良好なフッ素系化合物が得られることから、前記一般式(2)中のmが2〜4の整数であり、nが2〜4の整数であるものが好ましく、特に8−ヨード−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン、10−ヨード−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8-ヘプタデカフルオロデカン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタンスルホニルクロライド、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカンスルホニルクロライドが好ましい。
 また、前記一般式(2)で示される化合物(B)に反応させる前記一般式(3)で示される含窒素複素単環化合物(C)としては、界面活性効果に優れ、且つ特に水系溶剤を用いる前述の組成物との親和性が良好なフッ素系化合物が得られることから、前記一般式(3)中のoおよびpが0〜3の整数であり、且つo+pが1〜3のものが特に好ましく、Yは−COOHが好ましい。具体的には、アジリジン-2-カルボン酸、アゼチジン-2-カルボン酸、プロリン、ピペコリン酸、ピペリジン-3-カルボン酸、ピペリジン-4-カルボン酸が挙げられる。これらの化合物には光学異性体が存在するものもあるが、R、Sのどちらか一方の化合物でも、ラセミ体でも同様に好適に用いることができる。
 また、含窒素複素単環化合物(C)の塩(D)としては、前記化合物(C)のアミン塩および金属塩が挙げられ、アミン塩としてはアンモニウム塩が好ましく、金属塩としてはアルカリ金属塩が好ましく、例えば、アジリジン-2-カルボン酸アンモニウム、アゼチジン-2-カルボン酸アンモニウム、プロリンアンモニウム、ピペコリン酸アンモニウム、ピペリジン-3-カルボン酸アンモニウム、ピペリジン-4-カルボン酸アンモニウム、アジリジン-2-カルボン酸リチウム塩、アゼチジン-2-カルボン酸リチウム塩、プロリンリチウム塩、ピペコリン酸リチウム塩、ピペリジン-3-カルボン酸リチウム塩、ピペリジン-4-カルボン酸リチウム塩、アジリジン-2-カルボン酸ナトリウム塩、アゼチジン-2-カルボン酸ナトリウム塩、プロリンナトリウム塩、ピペコリン酸ナトリウム塩、ピペリジン-3-カルボン酸ナトリウム塩、ピペリジン-4-カルボン酸ナトリウム塩、アジリジン-2-カルボン酸カリウム塩、アゼチジン-2-カルボン酸カリウム塩、プロリンカリウム塩、ピペコリン酸カリウム塩、ピペリジン-3-カルボン酸カリウム塩、ピペリジン-4-カルボン酸カリウム塩等が挙げられる。これらの化合物には光学異性体が存在するものもあるが、R、Sのどちらか一方の化合物でも、ラセミ体でも同様に好適に用いることができる。
 前記含窒素複素単環化合物(C)またはその塩(D)は、前記一般式(2)で示される化合物(B)1モルに対し、0.5〜5.0モル使用され、好ましくは0.8〜1.5モル使用される。
 (I)の製造方法は、前記一般式(2)で示される化合物(B)と前記一般式(3)で示される含窒素複素単環化合物(C)またはその塩(D)を用いてフッ素系化合物(A)を得る製造方法であればよく、これ以外に特に制限されるものではないが、必要に応じて反応促進のための反応助剤を用いることも可能である。
 前記反応助剤としては、この反応が脱ハロゲン化水素反応であることから、副生するハロゲン化水素を補足できる塩基性化合物が好ましく、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等のアルカリ金属アルコラート、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン等のアミン類が挙げられ、これらの中でも金属水酸化物、トリエチルアミンが好ましい。前記反応助剤を用いる場合は、前記一般式(2)で表される化合物(B)1モルに対し、0.01〜5モル、好ましくは1.0〜2.5モル使用される。
 また、この反応は無溶剤でもまたは有機溶剤中でも行うことができるが、操作が容易であり、且つ操作の安全性が高いことから有機溶剤を使用することが好ましい。
 前記有機溶剤としては、前記一般式(2)で示される化合物(B)と含窒素複素単環化合物(C)またはその塩(D)に対して不活性であれば特に制限されるものではないが、例えば、水、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル類、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらの中でも、水、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましく、特に、水、ケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。また、溶剤は単独で使用しても、あるいは複数を混合して用いてもよい。
 この反応の反応条件にも特に制限はないが、反応温度は、通常0〜100℃であり、好ましくは10〜70℃である。反応雰囲気にも制限はないが、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
 次に、(II)の製造方法について述べる。
 前記一般式(2)で示される化合物(B)に前記一般式(3)で示される含窒素複素単環化合物(C)とを反応させる方法は前述の(I)の製造方法と同じである。ここで得られた生成物を中和することによって、前記一般式(1)で示されるフッ素系化合物を得ることができる。
 前記中和反応に使用する中和剤としては、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等のアミン類等が挙げられる。これら中和剤の使用量は中和を行う前の化合物に対し、1〜5モル、好ましくは1〜2.5モルである。
 前記中和反応時の反応条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、反応溶剤として、水単独、あるいは水とメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類との混合溶剤等が挙げられる。また、反応温度は5〜50℃、特に10〜30℃であることが好ましい。反応雰囲気にも制限はないが、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
 次に、(III)の製造方法について説明する。
 この反応は、前述の(I)の製造方法において、含窒素複素単環化合物(C)またはその塩(D)の代わりに前記一般式(5)で示される含窒素複素単環化合物のエステル(E)を用いる以外は(I)の製造方法と同様の手法で、前記一般式(2)で示される化合物との反応を行い、得られた生成物をケン化することによって、前記一般式(1)で示されるフッ素系化合物を得ることができる。
 ここで用いる含窒素複素単環化合物のエステル(E)としては、界面活性効果に優れ、且つ特に水系溶剤を用いる前述の組成物との親和性が良好なフッ素系化合物が得られることから、前記一般式(5)中のoおよびpが0〜3の整数であり、且つo+pが1〜3のものが特に好ましく、エステルとしては-COOR(式中、Rはアルキル基である。)が好ましく、Rとしては炭素数1〜7のアルキル基が特に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が最も好ましい。
 具体的には、アジリジン-2-カルボン酸メチルエステル、アゼチジン-2-カルボン酸メチルエステル、プロリンメチルエステル、ピペコリン酸メチルエステル、ピペリジン-3-カルボン酸メチルエステル、ピペリジン-4-カルボン酸メチルエステル、アジリジン-2-カルボン酸エチルエステル、アゼチジン-2-カルボン酸エチルエステル、プロリンエチルエステル、ピペコリン酸エチルエステル、ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル等が挙げられる。これらの化合物には光学異性体が存在するものもあるが、R、Sのどちらか一方の化合物でも、ラセミ体でも同様に好適に用いることができる。
 前記ケン化反応時に使用するケン化剤としては、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等のアミン類等が挙げられる。これらケン化剤の使用量はケン化を行う前の化合物に対し、1〜5モル、好ましくは1〜2.5モルである。
 前記ケン化反応時の反応条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、反応溶剤として、水単独、あるいは水とメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類との混合溶剤等が挙げられる。また、反応温度は10℃〜還流温度、特に40〜90℃であることが好ましい。反応雰囲気にも制限はないが、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
 前記の(I)〜(III)の製造方法により得られたフッ素系化合物(A)は、使用する用途、目的あるいは用いる含窒素複素単環化合物の種類によって、未精製で用いることも出来るが、必要に応じて、蒸留、溶媒による洗浄、再結晶、各種クロマトグラフィー、吸着剤等により、精製することも可能である。また、本発明のフッ素系界面活性剤は、単独で用いても良いが2種類以上のフッ素系化合物(A)を同時に用いても構わない。
 前述の3通りの製造方法のうち、含窒素複素単環化合物(C)またはその塩(D)は有機溶剤に対する溶解性が低いため、化合物(B)との反応による操作性が低くなり、また、含窒素複素単環化合物の塩(D)を用いる場合は、化合物(B)との反応により副生するハロゲン化水素とハロゲン化水素キャッチャー(塩基)とにより生成するアミン塩またはハロゲン化アルカリ金属が水溶性のため、水溶解性が比較的高いフッ素系化合物(A)との分離が難しく収率低下を伴うので、効率よくフッ素系化合物(A)を得る方法としては、(III)の含窒素複素単環化合物のエステル(E)を用いる方法が好ましい。
 本発明のフッ素系界面活性剤は、特に水単独、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド等の水と1%以上、好ましくは10%以上混合可能な親水性有機溶剤単独、水と有機溶剤の混合溶剤を含む組成物、その中でも水単独または水を10%以上含む水と有機溶剤の混合溶剤を含む組成物において、その親和性が高いことから、添加量の許容範囲が広く、用途に応じて優れた界面活性効果を発現させ得ることができる。
 前記組成物の形態としては、例えば、該フッ素系界面活性剤を1種又は2種以上の溶媒に混合したもの、該フッ素系界面活性剤を、溶剤を必須成分として含有し、溶質として高分子化合物、低分子有機化合物、無機化合物等の1種類以上の化合物と、必要に応じて、後述する各種添加剤から構成されたものに混合したもの等が挙げられる。
 前記溶剤としては、水、親水性の有機溶剤が挙げられ、親水性の有機溶剤としては例えば、メタノール、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n−ブタノ−ル、iso−ブタノ−ル、tert−ブタノ−ル等のアルコ−ル類、アセトン、メチルエチルケトン等の親水性のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤、 メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の親水性のセロソルブ類、エチレングリコール、プロピレングリコ−ル等の親水性のグリコ−ル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の親水性のエーテル類等が挙げられる。これらの溶剤は、1種類であっても2種類以上の混合溶剤系であっても良い。尚、ここでいう溶剤とは、系中で分散媒として働いているものも溶剤と称する。
 前述の親水性の有機溶剤以外の、水と混和しにくい溶剤は、前記親水性の有機溶剤と併用し、2成分以上の混合溶剤として使用することが好ましい。
 前記溶質としては、前記親水性の有機溶剤に溶解或いは分散するものが好ましく、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース、キチン、キトサン等の天然高分子等、ゼラチン等が挙げられる。これらの溶質は、1種類のみを用いても2種類以上を同時に用いても良い。
 前記以外の親水性の有機溶剤に溶解或いは分散しにくい溶質は、水と混和しにくい溶剤と、前述の親水性の有機溶剤を併用した混合溶剤を用いて使用することが好ましい。
 前記添加剤としては、親水性のものが好ましいが、その使用量が極少量である場合が多いことより、水溶解度が低いものでも使用でき、例えば、シラン系、チタン系、ジルコ−アルミネート系等のカップリング剤、更にフッ素原子含有アルコキシシラン化合物、フッ素原子含有チタンアシレ−ト化合物、フッ素原子含有アルコキシジルコニウム化合物等のフッ素系カップリング剤、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ガラスフィラー等の無機粉末・充填材、高級脂肪酸、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリエチレン、アクリルビーズ、カーボン等の有機微粉末、感光剤、増感剤、耐光性向上剤、耐候性向上剤、耐熱性向上剤、導電剤、酸化防止剤、防錆剤、レオロジーコントロール剤、増粘剤、沈降防止剤、消泡剤、防臭剤等の各種充填剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種類のみを用いても2種類以上を同時に用いても良い。
 また、本発明のフッ素系界面活性剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、その他のフッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、炭化水素系界面活性剤等の種々の界面活性剤を自由な組み合わせで併用して前述の各種組成物に適用することもできる。その混合割合としては、特に制限されるものではなく、目的とする界面活性効果のレベル、適応する前述の各種組成物との相溶性等に応じて適宜選択されるものであるが、本発明のフッ素系化合物(A)からなるフッ素系界面活性剤とその他の界面活性剤との重量比として、(フッ素系界面活性剤)/(その他の界面活性剤)が1/99〜99/1であることが好ましく、安定した充分な界面活性効果が得られる点から、前記重量比として80/20〜10/90であることが特に好ましく、50/50〜20/80であることが最も好ましい。
 一般に、フッ素系界面活性剤は炭化水素系界面活性剤と併用することにより、界面活性剤を添加した組成物が接触する材料(例えば、塗布される場合、ガラス、鋼板やプラスチックフィルム、成形される場合には金型)に対する界面張力を低下させる働きが増し、さらには経済的な観点からも有効である。
 前記炭化水素系界面活性剤としては、1分子中に親水性基と親油性基とを有する炭化水素系化合物からなり、通常、主に親水性基のイオン性により、アニオン、カチオン、ノニオン、ベタインタイプに分類される。本発明のフッ素系界面活性剤と併用することができる炭化水素系界面活性剤としては、何れのタイプも制限なく使用することができる。代表的なアニオン系界面活性剤としては、スルホン塩、リン酸塩、カルボン酸塩等が挙げられ、具体的には、花王株式会社製エマールシリーズ、ペレックスシリーズ等が例示される。また、カチオン系界面活性剤としては、オキソニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩が挙げられ、具体的には花王株式会社製アセタミンシリーズ、コータミンシリーズが例示される。またノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、具体的には、花王株式会社製エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ等が例示される。またベタイン系界面活性剤として、アミノ酸塩、アミンオキシド等が挙げられ、具体的には、花王株式会社製アンヒトールシリーズ等が例示される。
 前述の本発明のフッ素系界面活性剤を含む組成物は、種々の加工方法を適用することにより、優れた浸透・濡れ性およびレベリング性等が得られる。加工方法としては特に制限されるものではなく、例えば、グラビアコーター、ナイフコーター、ロールコーター、コンマコーター、スピンコーター、バーコーター、刷毛塗り、デイッピング塗布、スプレー塗布、静電塗装、スクリーン印刷等のコーティング方法・装置、インクジェット法、射出、押し出し、中空、圧縮、反応、真空、FRP、熱、ロールシート、カレンダー、2軸延伸フィルム、積層、回転等の各種成形方法、各種金型、スタンパを用いた射出成形等が挙げられる。
 また、前述の組成物の用途にも制限はなく、種々の用途に使用できるが、特に、水単独または水と有機溶剤混合系等の親水性が高い溶剤系組成物中で用いる場合に優れた界面活性効果を発揮し、例えば、PS版等の帯電防止剤、LCD、LSI、有機EL、プラズマディスプレイ製造用各種フォトレジスト等の感光性材料、LSI製造用反射防止膜剤、LCD、LSI、有機EL、プラズマディスプレイ製造用洗浄剤、エッチング剤、剥離剤、現像液、乳剤等の写真材料、自動車、航空機、船舶、建材、家電用等の塗料、染料、洗浄剤、フロアポリッシュ、泡消火薬剤、メッキ浴ミスト防止剤、レンズシート、光ファイバ等の光学材料、または有機化学反応用分散媒等に用いられ、浸透・濡れ性、レベリング性等のコーティング・モールディング適正を向上させることが可能である。
 本発明のフッ素系界面活性剤は、前述の親水性の有機溶剤や溶質以外の一般的に使用されている溶剤、溶質に対する親和性も高く、表面偏析性にも優れ、従来のフッ素系界面活性剤の持つ界面活性効果を損なわないものであるため、前述の親水性の組成物並びに用途に限定されるものではなく、従来より一般的に有機溶剤系で使用される場合が多い用途、例えば、工業用および家庭用等の接着剤、耐擦傷性、滑り性、非粘着性、撥水撥油性、ガスバリア性、耐熱性、耐光性、耐候性、生理活性、耐水性、防湿性、防汚性、潤滑性等の表面機能性保護膜形成材料、衣料、家具、靴、雑貨等の繊維、人工皮革、合成皮革不織布等の処理剤、紙、フィルム、カード等の各種コーティング剤、自動車、建材、家電、医用材料、OA機器、電気・電子機器、光学部材、電線・配線材料、各種工業用部品等の成形材料、グリース、各種封止材料、離型剤、防錆剤、防曇剤、防霧剤、ブロッキング防止剤等としても好適に用いることができる。
 次に本発明をより詳細に説明するために実施例及び比較例を掲げる。
 実施例1
 i)エステルの合成
 攪拌装置、滴下ロートおよび温度計を付した200mlの四ツ口フラスコに、プロリンメチルエステル(ラセミ体)5.0g、炭酸水素ナトリウム7.6gおよび水50mlを仕込み、更に、滴下ロートに3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタンスルホニルクロライド14.9gのジイソプロピルエーテル溶液30mlを入れた。窒素雰囲気下、室温(25℃)で撹拌しながら、10分かけて3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタンスルホニルクロライドのジイソプロピルエーテル溶液を滴下した。更に室温で5時間攪拌した。得られた反応溶液に酢酸エチル50mlを加え、有機層を分離した後、水、希塩酸、飽和食塩水で有機層を洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで減圧下で溶剤を留去し、残った固体を減圧乾燥してN−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチルスルホニル)−プロリンメチルエステル11.0gを得た。
 ii)ケン化反応
 攪拌装置、還流冷却器および温度計を付した200mlのフラスコに、得られたN−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチルスルホニル)−プロリンメチルエステル11.0g、4規定水酸化リチウム水溶液7.7mlおよび水30mlを仕込み、80℃で4時間攪拌した後、イソプロパノール30gを加えて更に30分撹拌してケン化反応を行った。次いで、溶剤を留去して、残った固体を送風乾燥器中にて乾燥することにより、フッ素系化合物(A−3)[N−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチルスルホニル)−プロリンリチウム塩]11.5gを得た。
 実施例2
 3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタンスルホニルクロライド14.9gの代わりに、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカンスルホニルクロライド18.2gを用いた以外は実施例1と同様にして、フッ素系化合物(A−9)[N−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカンスルホニル)−プロリンリチウム塩]13.0gを得た。
 実施例3
 プロリンメチルエステル5.0gの代わりに、ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル4.7gを用いた以外は実施例1と同様にして、フッ素系化合物(A−7)[N−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチルスルホニル)−ピペリジン−4−カルボン酸リチウム塩]15.5gを得た。
 実施例4
 プロリンメチルエステル5.0gの代わりに、ピペリジン−3−カルボン酸メチルエステル(ラセミ体)4.7gを用い、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタンスルホニルクロライド14.9gの代わりに、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカンスルホニルクロライド18.2gを用いた以外は実施例1と同様にして、フッ素系化合物(A−14)[N−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカンスルホニル)−ピペリジン−3−カルボン酸リチウム塩]20.0gを得た。
 実施例5
 攪拌装置、滴下ロートおよび温度計を付した1000mlフラスコに、プロリン(ラセミ体)12.7g、トリエチルアミン50mlおよび酢酸エチル400mlを仕込み、攪拌下、室温で3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカンスルホニルクロライド(C17CHCHSOCl)55.0gの酢酸エチル溶液200ml溶液を滴下した。さらに室温で8時間攪拌して反応させた。沈殿を濾別した後、濾液を1規定塩酸300mlで洗浄した。減圧下、溶媒を留去し、濃縮することでN-[3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカンスルホニル]-プロリン60.0gを得た。
 攪拌装置、滴下ロートおよび温度計を付した500mlフラスコにN-[3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカンスルホニル]-プロリン60.0g、イオン交換水300mlおよび4規定水酸化リチウム30mlを仕込み、80℃で1時間、加熱攪拌することによって中和反応を行った。得られた反応溶液を蒸留し、溶剤を留去した後、送風乾燥機にて乾燥して、フッ素化合物(A−9’)N-[3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカンスルホニル]-プロリンリチウム塩64.0gを得た
 実施例6
 攪拌装置、滴下ロートおよび温度計を付した1000mlフラスコに、ピペリジン−4−カルボン酸リチウム塩18.0g、炭酸ナトリウム18g、水300mlを仕込み、更に、滴下ロートに3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタンスルホニルクロライド(C13CHCHSOCl)45.0gのアセトン懸濁溶液100mlをいれた。フラスコ内を撹拌によって均一とした後、更に撹拌を続けながら、室温で3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタンスルホニルクロライドのアセトン懸濁溶液100mlを滴下し、さらに室温で8時間攪拌して反応させた。減圧下、アセトンを留去した後、酢酸エチル400mlを加え、15分間攪拌後、有機層を分取し、蒸留によって溶剤を留去し、更に濃縮することでフッ素系化合物(A−7’)N−[3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタンスルホニル]−ピペリジン−4−カルボン酸リチウム塩48.0gを得た。
 試験例1〜6および比較試験例1
 実施例1〜6で得られたフッ素系化合物からなるフッ素系界面活性剤の水溶解度と表面張力を以下の方法で測定し試験例1〜6として表1及び表2に示す。
 試験方法
 水溶解度:25℃においてイオン交換水で攪拌、目視で濁りのないクリアーな状態を完溶とした。(単位:重量%)
 表面張力:自動表面張力計CBPV−Z(協和界面化学株式会社製)を用いて、ウィルヘルミー白金プレート法にて、20℃における各濃度(イオン交換水溶液)での表面張力を測定した。(単位:mN/m)
 また、比較試験例1として、大日本インキ化学工業株式会社製のメガファックF−120(C17SON(CHCHCH)CHCOOK)の水溶解度並びに水溶液での表面張力を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
 なお、実施例で合成したフッ素系化合物は下記一般式で示され、式中のm、n、o、p、Yが下記表1中に記載のものである。
Figure 2004137261
Figure 2004137261
Figure 2004137261
 本発明のフッ素系化合物からなるフッ素系界面活性剤を用いた試験例1〜6では、従来使用されているフッ素系界面活性剤よりも水への溶解度が高く、且つ表面張力低下作用にも優れていることを確認した。
 試験例7〜8、および比較試験例2〜3
 実施例1で得られたフッ素系化合物(A−3)及びメガファックF−120を用いて、メタノール(試験例7、比較試験例2)および、イオン交換水/メタノール=1/1(重量比)混合溶剤(試験例8、比較試験例3)における溶解度、並びに表面張力を測定した。これらの結果を表3に示す。
Figure 2004137261
 本発明のフッ素系化合物からなるフッ素系界面活性剤は、水のみならず、親水性有機溶剤に対しても溶解度が高く、且つ水単独使用時と同様に優れた界面活性効果を発現しうることを確認した。
 試験例9、10
 実施例2で得られたフッ素系化合物(A−9)を用いて、炭化水素系界面活性剤との併用効果を確認した。フッ素系化合物(A−9)と炭化水素系界面活性剤(ポリオキシエチレンオレイルエーテル:花王株式会社製エマルゲン430)との混合物の0.001重量%水溶液における表面張力を測定し、試験例9、10として結果を表4に示す。
Figure 2004137261
 本発明のフッ素系化合物からなるフッ素系界面活性剤は、その他の界面活性剤との併用においても優れた界面活性効果を発現することを確認した。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2004137261
    (式中、Xは直接結合または2価の連結基であり、Yは酸基、そのアミン塩または金属塩であり、mは1〜6の整数であり、nは0〜12の整数であり、o、pはそれぞれ同一または異なる0〜4の整数であり、かつo+pが1以上である。)
    で示されるフッ素系化合物(A)からなることを特徴とするフッ素系界面活性剤。
  2. フッ素系化合物(A)が下記一般式(2)
    F(CF)2m(CH)Z    (2)
    (式中、m、nは前記と同じであり、Zはハロゲン原子またはスルホニルハロゲニド基である。)
    で示される化合物(B)と下記一般式(3)
    Figure 2004137261
    (式中、o、pは前記と同じであり、Yは酸基である。)
    で示される含窒素複素単環化合物(C)または下記一般式(4)
    Figure 2004137261
    (式中、o、pは前記と同じであり、Yは酸基のアミン塩または金属塩である。)
    で示される含窒素複素単環化合物の塩(D)とを反応させることにより得られる化合物である請求項1記載のフッ素系界面活性剤。
  3. フッ素系化合物(A)が下記一般式(2)
    F(CF)2m(CH)Z    (2)
    (式中、m、nは前記と同じであり、Zはハロゲン原子またはスルホニルハロゲニド基である。)
    で示される化合物(B)と、下記一般式(3)
    Figure 2004137261
    (式中、o、pは前記と同じであり、Yは酸基である。)
    で示される含窒素複素単環化合物(C)とを反応させた後、中和して得られる化合物、または、
    前記一般式(2)で示される化合物(B)と、下記一般式(5)
    Figure 2004137261
    (式中、o、pは前記と同じであり、Yは酸基のエステルである。)
    で示される含窒素複素単環化合物のエステル(E)とを反応させた後、ケン化して得られる化合物である請求項1記載のフッ素系界面活性剤。
  4. 前記一般式(1)中のXが直接結合または−SO−であり、Yが−COOM(式中、Mは水素、NHまたはアルカリ金属である。)であり、mが2〜4の整数であり、nが2〜4の整数であり、o、pはそれぞれ同一または異なる0〜3の整数であり、かつo+pが1以上である請求項1記載のフッ素系界面活性剤。
  5. 前記一般式(2)中のmが2〜4の整数であり、nが2〜4の整数であり、前記一般式(3)中のYが-COOHであり、前記一般式(4)中のYが-COOM2(式中、MはNHまたはアルカリ金属である。)であり、前記一般式(3)、(4)中のo、pがそれぞれ同一または異なる0〜3の整数であり、かつo+pが1以上である請求項2記載のフッ素系界面活性剤。
  6. 前記一般式(2)中のmが2〜4の整数であり、nが2〜4の整数であり、前記一般式(3)中のYが-COOHであり、前記一般式(5)中のYが-COOR(式中、Rはアルキル基である。)であり、前記一般式(3)、(5)中のo、pがそれぞれ同一または異なる0〜3の整数であり、かつo+pが1以上である請求項3記載のフッ素系界面活性剤。
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