JP2004137062A - トップチェーン - Google Patents
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Abstract
【課題】従来なら真っ直ぐに延ばしたチェーンへの取付けが困難な形態のトップ部品であっても、そのようなトップ部品を真っ直ぐに延ばしたチェーンに対し能率良く容易に取り付けていくことができるトップチェーンを提供する。
【解決手段】チェーン2の各ピンの両端8aがリンクから側方に突出し、各トップ部品3の各脚部10には第1,第2の嵌合部11,12が備えられ、第1嵌合部11について、第2嵌合部12の側とは反対の側に開く第1ピン端導入口13が備えられ、第2嵌合部12について、脚部10の先端側に開く第2ピン端導入口14が備えられ、チェーンのピン突出端8aを第1嵌合部11に嵌合し、トップ部品3を回転し、ピン突出端8aを第2嵌合部12内に嵌合して、トップ部品3がチェーン2に抜止め状態に保持されるようになされている。
【選択図】 図1
【解決手段】チェーン2の各ピンの両端8aがリンクから側方に突出し、各トップ部品3の各脚部10には第1,第2の嵌合部11,12が備えられ、第1嵌合部11について、第2嵌合部12の側とは反対の側に開く第1ピン端導入口13が備えられ、第2嵌合部12について、脚部10の先端側に開く第2ピン端導入口14が備えられ、チェーンのピン突出端8aを第1嵌合部11に嵌合し、トップ部品3を回転し、ピン突出端8aを第2嵌合部12内に嵌合して、トップ部品3がチェーン2に抜止め状態に保持されるようになされている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トップチェーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
リンク同士をピンで連結して構成された鋼製又はステンレス鋼製のチェーンに、多数のトップ部品をチェーンの延びる方向に2ピッチ単位で取り付けていった構造のトップチェーンは、従来より、提供されている(例えば特公昭35−6076号公報、特開平8−121542号公報)。
【0003】
上記のトップチェーンでは、チェーンへのトップ部品の取付けのため、次のような構造が採用されている。即ち、各トップ部品は、トップ部と、対の脚部とを備え、各脚部には、チェーンの延びる方向において隣り合う2つのピン突出端を嵌合させる2つの嵌合部が備えられ、各嵌合部についてそれぞれ、脚部の先端側に開くピン端導入口が備えられている。そして、チェーンの隣り合う2つのピン突出端をトップ部品の脚部の先端側から各ピン端導入口を通じて導入させていくと、その導入の過程でトップ部品の脚部が弾性的に外方に開き、ピン突出端が嵌合部内に嵌合するとトップ部品の脚部は弾性復帰し、それにより、隣り合うピン突出端がそれぞれ各嵌合部に抜止め状態に保持されるようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構造のトップチェーンでは、トップ部品の形態、例えばトップ部の形状やサイズによっては、チェーンを真っ直ぐに延ばしたままでは、先にチェーンに取り付けたトップ部品が次のトップ部品をチェーンに取り付ける際の妨げとなってトップ部品をチェーンに取り付けていくことが困難ないしは不可能である場合があり、トップ部品に備えさせることのできる形態の種類に制限があるという問題があった。
【0005】
そこで、トップ部品を先に取り付けたトップ部品に妨げられることなくチェーンに取り付けることができるよう、チェーンを屈曲させながらトップ部品を取り付けていくことも考えられるが、それでは、チェーンをいちいち屈曲させなければならずチェーンへのトップ部品の取付けを能率良く行っていくことができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、従来なら真っ直ぐに延ばしたチェーンへの取付けが困難ないし不可能な形態をしているトップ部品であっても、そうでないトップ部品であっても、そのようなトップ部品を真っ直ぐに延ばしたチェーンに対して能率良く容易に取り付けていくことができ、チェーンに能率良く容易に取り付けていくことのできるトップ部品の形態の拡大を図っていくことができる構造のトップチェーンを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、リンク同士をピンにて連結して構成された鋼製又はステンレス鋼製のチェーンに、多数のトップ部品がチェーンの延びる方向に2ピッチ単位で取り付けられたトップチェーンであって、
前記チェーンの各ピンの両端はリンクから側方に突出しており、
前記各トップ部品は、チェーンの周回時外周側となる側に位置するトップ部と、トップ部からチェーンの各側部に突出する脚部とを備え、
各脚部には、チェーンの延びる方向において隣り合う2つのピン突出端を嵌合させる第1,第2の嵌合部が備えられ、
第1嵌合部について、第2嵌合部の側とは反対の側に開く第1ピン端導入口が備えられると共に、第2嵌合部について、脚部の先端側に開く第2ピン端導入口が備えられ、
チェーンの隣り合う一方のピン突出端を第1ピン端導入口を通じて第1嵌合部に嵌合させた状態で、トップ部品を該一方のピン突出端を中心に回転させることにより、チェーンの隣り合うもう一方のピン突出端が第2ピン端導入口を通じて第2嵌合部内に嵌合され、これら嵌合状態が形成されることによりトップ部品がチェーンに抜止め状態に保持されるようになされていることを特徴とするトップチェーンによって解決される。
【0008】
この構造のトップチェーンでは、トップ部品の各脚部に備えられた第1、第2の嵌合部へのピン端導入口が、第1嵌合部については第2嵌合部とは反対の側に開いて備えられ、第2嵌合部については脚部の先端側に開いて備えられているので、真っ直ぐに延ばしたチェーンに対し、トップ部品を傾けるようにして第1ピン端導入口を通じて第1嵌合部に一方のピン突出端を嵌合し、次いで、傾きを直すようにトップ部品を回転させて第2ピン端導入口を通じて第2嵌合部にもう一方のピン突出端を嵌合するという取付け方をすることができ、これにより、トップ部品を、真っ直ぐに延ばしたチェーンに対し、先にチェーンに取り付けたトップ部品に妨げられることなく取り付けていくことができる。従って、従来なら真っ直ぐに延ばしたチェーンへの取付けが困難ないし不可能な形態のトップ部品であっても、そのような形態でないトップ部品であっても、そのような形態のトップ部品をチェーンに対して能率良く取り付けていくことができて、取付けの能率性を確保しながらトップ部品の形態の拡大を図っていくことができる。
【0009】
しかも、上記のように、トップ部品を傾けるようにして第1ピン端導入口を通じて第1嵌合部に一方のピン突出端を嵌合し、次いで、傾きを直すようにトップ部品を回転させて第2ピン端導入口を通じて第2嵌合部にもう一方のピン突出端を嵌合するというようにして取り付けていくことができるので、チェーンへのトップ部品の取付けを的確かつスムーズに遂行していくことができる。即ち、従来のように2つの嵌合部に2つのピン突出端を安定良く同時に嵌合させるのは実際上なかなか容易なことではなく熟練を要するのに対し、本発明のように2つの嵌合部にピン突出端を1つづつ順次に嵌合させて取り付けていく構造にすることによって、トップ部品の取付けを容易にかつ確実に行っていくことができる。
【0010】
また、上記のトップチェーンにおいて、隣り合う一方のピン突出端を第1ピン端導入口を通じて第1嵌合部内に嵌合させていく過程でトップ部品の脚部は外方に開かず、
隣り合うもう一方のピン突出端を第2ピン端導入口を通じて第2嵌合部内に嵌合させていく過程でトップ部品の脚部は弾性的に外方に開き、該ピン突出端が第2嵌合部内に嵌合することによってトップ部品の脚部が弾性復帰して、該ピン突出端が第2嵌合部内に抜止め状態に保持されるようになされており、
この抜止め保持作用によって、前記一方のピン突出端が第1嵌合部内に抜止め状態に保持されるようになされているのもよい。
【0011】
この場合は、第1嵌合部へのピン突出端の嵌合を、トップ部品の脚部を弾性的に開かせずにスムーズに行うことができ、残る第2嵌合部へのピン突出端の嵌合についてのみトップ部品の脚部を弾性的に開かせればよいので、ピン突出端を第2嵌合部に対し小さな押し込み力で容易に嵌合させていくことができる。
【0012】
しかも、こうして第2嵌合部にピン突出端が抜止め状態に保持されることによって、その保持作用で、第1嵌合部内のピン突出端も第1嵌合部内に抜止め状態に保持されるので、第1嵌合部の側に第2嵌合部の場合のような抜止め保持機構を備えさせる必要がなく、トップ部品を簡素な構造でチェーンに抜止め状態に取り付けることができる。
【0013】
加えて、チェーンの経月的、経年的な伸びによって隣り合うピン間の間隔寸法が大きくなるようなことがあっても、それを、第1嵌合部内のピン突出端が第1ピン端導入口の側へ変位することで吸収することができ、それでいてチェーンに対するトップ部品の取付け状態でのガタツキを小さく抑えることができる。
【0014】
前記チェーンがカーブドチェーンからなる場合には特に、先にチェーンに取り付けたトップ部品が次のトップ部品をチェーンに取り付ける際の妨げとなるような形態のトップ部品になりやすく、そのような場合のトップ部品の取付け構造として本発明の構造を有効的に採用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1乃至図4に示す実施形態のトップチェーン1は、搬送用のトップチェーンとしてチェーンコンベアに用いられるもので、2はチェーン、3はトップ部品である。
【0017】
チェーン2は、リンク同士をピンにて連結して構成されたもので、本実施形態では、一対の内リンクプレート4,4がブッシュ5,5(図6(イ)参照)で結合され、各ブッシュ5の外周側にローラー6が回転自在に設けられたローラーリンクと、一対の外リンクプレート7,7がピン8,8で結合されたピンリンクとを、ピン8をブッシュ5に通して交互につないで連結していき、しかも、連結部において外リンクプレート7と内リンクプレート4との間に遊びをもたせて側方にカーブさせることができるようになされたカーブドローラーチェーンからなっており、いわゆる昇降やカーブ等の三次元的な動きをすることができるようになされている。その材質は、一つの駆動部で長いコンベア機長を実現しうるよう、プラスチックチェーンに比べてはるかに高い引張り強度を発揮し得る、鋼製又はステンレス鋼製のものからなっている。
【0018】
このチェーン2において、ピン8は、その両端部8aが、外リンクプレート7の外面から側方に突出している。なお、ピン8aは外リンクプレート7への圧入によって外リンクプレート7と結合一体化されている。
【0019】
トップ部品3は、樹脂あるいは金属などからなる部品で、多数備えられ、各トップ部品3は、チェーン2の周回時外周側となる側に位置するトップ部9と、トップ部9からチェーン2の各側部に突出する脚部10,10とを備え、これらトップ部品3…がチェーン2に対してその延びる方向に2ピッチ単位で取り付けられることでトップチェーン1を構成するものとなされている。
【0020】
本実施形態におけるトップ部9は、トップチェーン1を、上述のように、チェーン2の機能を生かし、上り傾斜や下り傾斜、カーブを行う三次元カーブドトップチェーンとして用いるための形態をしており、この形態は、従来のように、トップ部品の脚部に先端側に開く2つのピン端導入口を備えさせたのでは、真っ直ぐなチェーンへの取付けが既に取り付けた隣りのトップ部品に妨げられて困難になりがちなものとなっている。
【0021】
このようなトップ部9を備えたトップ部品3を対象とし、これら各トップ部品3をチェーン2に取り付けることができるようにするため、次のような構造が採用されている。即ち、トップ部品3の各脚部10には、チェーン2の延びる方向において隣り合う2つのピン突出端を嵌合させる第1,第2の嵌合部11,12が備えられている。また、第1嵌合部11については、第2嵌合部12の側とは反対の側に開く第1ピン端導入口13が備えられ、第2嵌合部12については、脚部10の先端側に開く第2ピン端導入口14が備えられている。そして、図5に示すように、チェーン2の隣り合う一方のピン突出端8aを第1ピン端導入口13を通じて第1嵌合部11に嵌合させた状態で、トップ部品3を該一方のピン突出端8aを中心に回転させることにより、チェーン2の隣り合うもう一方のピン突出端8aが第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12内に嵌合されるようになされている。
【0022】
本実施形態では、隣り合う一方のピン突出端8aを第1ピン端導入口13を通じて第1嵌合部11内に嵌合させていく過程でトップ部品3の脚部10,10は外方に開かないように構成されており、かつ、こうして第1嵌合部11内に嵌合されたピン突出端8aは、第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12にもう一方のピン突出端8aが嵌合される前の状態では、引っかかりや抵抗等の抜止め作用が働くことなく、第1ピン端導入口13を通じて外に取り外せるようになされている。
【0023】
また、隣り合うもう一方のピン突出端8aを第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12内に嵌合させていく過程では、図6に示すように、トップ部品3の脚部10,10は弾性的に外方に開き、該ピン突出端8aが第2嵌合部12内に嵌合することによってトップ部品3の脚部10,10が弾性復帰して、該ピン突出端8aが第2嵌合部12内に抜止め状態に保持されるようになされている。即ち、ピン突出端8aが第2ピン端導入口14を通じて外に外れてしまわないようになされている。
【0024】
これを具体的に実現するため、本実施形態では、各脚部10の内面部に、図4に示すように、第2ピン端導入口14から第2嵌合部12に至る溝15が設けられ、この溝15の底面16が、第2嵌合部12から脚部10の先端側に向けて開く傾斜面に形成されていて、この傾斜面16をピン突出端8aが第2嵌合部12に向かうことで脚部10,10が弾性的に開いていき、ピン突出端8aが傾斜面16を越えて第2嵌合部12に嵌合すると脚部10,10が弾性復帰するようになされている。なお、脚部10は、ピン突出端8aが第2ピン端導入口14に入ってから傾斜面16の作用で開き始めるようになされていて、脚部10,10を人為的に開かなくてもよいようになされている。
【0025】
また、溝15は、図4(イ)に示すように、その幅寸法が第2嵌合部12の側から第2ピン端導入口14に向けて漸次大きくなっていくようにつくられ、ピン突出端8aが第2ピン端導入口14に入り込みやすくなっている。
【0026】
そして、第2嵌合部12へのピン突出端8aの嵌合による上記の抜止め保持作用によって、第1嵌合部11内のピン突出端8aが第1ピン端導入口13を通じて外に抜け出ない抜止め状態に保持されるようになされている。
【0027】
チェーン2へのトップ部品3の取付けは、図5(イ)(ロ)に示すように、真っ直ぐに延ばしたチェーン2に対し、トップ部品3を第1嵌合部11の側が下寄りとなるように傾けて第1ピン端導入口13を通じて第1嵌合部11に一方のピン突出端8aを嵌合する。それにより、トップ部品3は、先に取り付けた隣のトップ部品3に妨げられることなく、第1嵌合部11にピン突出端8aを嵌合させることができる。なお、この嵌合の過程で、トップ部品3の脚部10,10が開くことはなく、ピン突出端8aは第1嵌合部11に引っかかりや抵抗なくスッと差し込れる。
【0028】
しかる後、図5(ロ)(ハ)に示すように、傾きを直すようにトップ部品3を前記一方のピン突出端8aを軸に回転させていき、もう一方のピン突出端8aを第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12へと嵌合させていく。この嵌合過程で、図6(イ)(ロ)に示すように、溝15の傾斜面16の作用によって、トップ部品3の脚部10,10は弾性的に開いていき、図6(ハ)に示すように、ピン突出端8aが第2嵌合部12に嵌合することによってトップ部品3の脚部10,10は弾性復帰し、このピン突出端8aは第2嵌合部12に抜止め状態に保持され、それによってまた、図5(ハ)に示すように、第1嵌合部11内のピン突出端8aも第1ピン端導入口13を通じて外に出るのを規制され、第1嵌合部11内に抜止め状態に保持されて、トップ部品3がチェーン2に対して取付け状態となる。
【0029】
なお、各トップ部品3…は、内リンクプレート4の両端のピン突出端を嵌合させるようにして取り付けるのではなく、外リンクプレート7の両端のピン突出端8aを嵌合させるようにして取り付けていくようにする。
【0030】
このように、上記のような取付け構造とすることで、トップ部品3を、真っ直ぐに延ばしたチェーン2に対し、先にチェーン2に取り付けたトップ部品に妨げられることなく容易に取り付けていくことができ、従来なら真っ直ぐに延ばしたチェーンへの取付けが困難になりがちな形態をしている上記のようなトップ部品3を、真っ直ぐに延ばしたチェーン2に対して能率良く容易に取り付けていくことができる。
【0031】
しかも、本実施形態では、第1嵌合部11へのピン突出端8aの嵌合は、トップ部品3の脚部10,10を弾性的に開かせずに抵抗なくスムーズに行うことができ、残る第2嵌合部12へのピン突出端8aの嵌合についてのみトップ部品3の脚部10,10を弾性的に開かせればよいので、ピン突出端8aを第2嵌合部12に対し小さな押し込み力で安定良く容易に嵌合させていくことができる。
【0032】
更に、こうして第2嵌合部12にピン突出端8aが抜止め状態に保持されることによって、その保持作用で、第1嵌合部11内のピン突出端8aも第1嵌合部11内に抜止め状態に保持されるので、第1嵌合部11の側に第2嵌合部12の場合のような傾斜面16などによる抜止め保持機構を備えさせる必要がなく、トップ部品3を簡素な構造でチェーン2に抜止め状態に取り付けることができる。
【0033】
加えて、チェーン2の経日的、経月的、経年的な伸びによって隣り合うピン8a,8a間の間隔寸法が大きくなるようなことがあっても、それを、第1嵌合部11内のピン突出端8aが第1ピン端導入口13の側へ変位することで吸収することができ、それでいて、従来の場合において遊びを持たせてピン8a,8a間の伸びを吸収させるようなことをする場合に比べて、遊びを少なくしあるいはなくすことができて、チェーン2に対するトップ部品3の取付け状態でのガタツキを小さく抑えることができる。
【0034】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、本発明におけるトップ部品ないしはトップチェーンは、トップ部を載荷部とする搬送用のものとして構成されてもよいし、トップ部と脚部とでチェーンを隠すチェーンカバーとしての機能をもった伝動用として構成されてもよく、「トップチェーン」や「トップ部品」「トップ部」の語は、そのような意味において解釈すべきものである。また、トップ部品の材質は、上記のように樹脂であってもよいし、金属であってもよいし、特に制限はない。
【0035】
また、上記の実施形態では、チェーン2のピン突出端8aを第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12に嵌合させていく過程で溝15の傾斜面16の作用でトップ部品3の脚部10,10を開かせ、ピン突出端8aが第2嵌合部12内に嵌合することによってトップ部品3の脚部10,10が弾性復帰して、該ピン突出端8aが第2嵌合部内に抜止め状態に保持されるようになされ、この抜止め保持作用によって、もう一方のピン突出端8aが第1嵌合部11内に抜止め状態に保持されるようになされているが、これに限らない。即ち、チェーン2のピン突出端8aが第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12に嵌合していく過程でトップ部品3の脚部10,10は開かず、ピン突出端8aが第2嵌合部12内などに仕込まれたバネ保持部による保持作用で抜止め状態に保持されるようになされていてもよい。また、第1嵌合部11でのチェーン2のピン突出端8aの抜止め保持は、第2嵌合部側と同じ傾斜面を利用した弾性的な脚部の開きとその弾性復帰を利用したり、あるいは、第1嵌合部11内などに仕込まれたバネ保持部による保持作用を利用して、第2嵌合部12とピン突出端8aとの嵌合とは関係なく、それ単独でチェーン2のピン突出端8aに抜止め状態に保持されるようになされていてもよい。
【0036】
また、上記の実施形態では、チェーン2としてローラーチェーンを用いた場合を示しているが、その他、サイレントチェーンやリーフチェーン、ブッシュドチェーンなど、各種チェーンであってよいし、単列チェーンであっても、複数列チェーンであってもよい。更に、トップ部9の形態や脚部10の形態に制限はないし、更に、第1,第2の嵌合部11,12の具体的形態についても、有底の凹所か貫通の凹所かなどは問わず、種々のものであってよく、その具体的形態に制限はない。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、従来なら真っ直ぐに延ばしたチェーンへの取付けが困難ないし不可能な形態をしているトップ部品であっても、そうでないトップ部品であっても、そのようなトップ部品を真っ直ぐに延ばしたチェーンに対して能率良く容易に取り付けていくことができ、チェーンに能率良く容易に取り付けていくことのできるトップ部品の形態の拡大を図っていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示すもので、図(イ)はトップ部品の斜視図、図(ロ)はチェーンの斜視図である。
【図2】実施形態のトップチェーンの斜視図である。
【図3】図(イ)はトップ部品の底面図、図(ロ)は同正面図、図(ハ)は同側面図、図(ニ)はチェーンの側面図である。
【図4】トップ部品の要部を示すもので、図(イ)は脚部付近の一部断面正面図、図(ロ)は脚部の内面図である。
【図5】図(イ)乃至図(ハ)はチェーンへのトップ部品の取付け方法を順次に示す側面図である。
【図6】図(イ)乃至図(ハ)はチェーンへのトップ部品の取付け方法を順次に示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
1…トップチェーン
2…チェーン
3…トップ部品
4…内リンクプレート(リンク)
7…外リンクプレート(リンク)
8…ピン
8a…ピン突出端
9…トップ部
10…脚部
11…第1嵌合部
12…第2嵌合部
13…第1ピン端導入口
14…第2ピン端導入口
【発明の属する技術分野】
本発明は、トップチェーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
リンク同士をピンで連結して構成された鋼製又はステンレス鋼製のチェーンに、多数のトップ部品をチェーンの延びる方向に2ピッチ単位で取り付けていった構造のトップチェーンは、従来より、提供されている(例えば特公昭35−6076号公報、特開平8−121542号公報)。
【0003】
上記のトップチェーンでは、チェーンへのトップ部品の取付けのため、次のような構造が採用されている。即ち、各トップ部品は、トップ部と、対の脚部とを備え、各脚部には、チェーンの延びる方向において隣り合う2つのピン突出端を嵌合させる2つの嵌合部が備えられ、各嵌合部についてそれぞれ、脚部の先端側に開くピン端導入口が備えられている。そして、チェーンの隣り合う2つのピン突出端をトップ部品の脚部の先端側から各ピン端導入口を通じて導入させていくと、その導入の過程でトップ部品の脚部が弾性的に外方に開き、ピン突出端が嵌合部内に嵌合するとトップ部品の脚部は弾性復帰し、それにより、隣り合うピン突出端がそれぞれ各嵌合部に抜止め状態に保持されるようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構造のトップチェーンでは、トップ部品の形態、例えばトップ部の形状やサイズによっては、チェーンを真っ直ぐに延ばしたままでは、先にチェーンに取り付けたトップ部品が次のトップ部品をチェーンに取り付ける際の妨げとなってトップ部品をチェーンに取り付けていくことが困難ないしは不可能である場合があり、トップ部品に備えさせることのできる形態の種類に制限があるという問題があった。
【0005】
そこで、トップ部品を先に取り付けたトップ部品に妨げられることなくチェーンに取り付けることができるよう、チェーンを屈曲させながらトップ部品を取り付けていくことも考えられるが、それでは、チェーンをいちいち屈曲させなければならずチェーンへのトップ部品の取付けを能率良く行っていくことができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、従来なら真っ直ぐに延ばしたチェーンへの取付けが困難ないし不可能な形態をしているトップ部品であっても、そうでないトップ部品であっても、そのようなトップ部品を真っ直ぐに延ばしたチェーンに対して能率良く容易に取り付けていくことができ、チェーンに能率良く容易に取り付けていくことのできるトップ部品の形態の拡大を図っていくことができる構造のトップチェーンを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、リンク同士をピンにて連結して構成された鋼製又はステンレス鋼製のチェーンに、多数のトップ部品がチェーンの延びる方向に2ピッチ単位で取り付けられたトップチェーンであって、
前記チェーンの各ピンの両端はリンクから側方に突出しており、
前記各トップ部品は、チェーンの周回時外周側となる側に位置するトップ部と、トップ部からチェーンの各側部に突出する脚部とを備え、
各脚部には、チェーンの延びる方向において隣り合う2つのピン突出端を嵌合させる第1,第2の嵌合部が備えられ、
第1嵌合部について、第2嵌合部の側とは反対の側に開く第1ピン端導入口が備えられると共に、第2嵌合部について、脚部の先端側に開く第2ピン端導入口が備えられ、
チェーンの隣り合う一方のピン突出端を第1ピン端導入口を通じて第1嵌合部に嵌合させた状態で、トップ部品を該一方のピン突出端を中心に回転させることにより、チェーンの隣り合うもう一方のピン突出端が第2ピン端導入口を通じて第2嵌合部内に嵌合され、これら嵌合状態が形成されることによりトップ部品がチェーンに抜止め状態に保持されるようになされていることを特徴とするトップチェーンによって解決される。
【0008】
この構造のトップチェーンでは、トップ部品の各脚部に備えられた第1、第2の嵌合部へのピン端導入口が、第1嵌合部については第2嵌合部とは反対の側に開いて備えられ、第2嵌合部については脚部の先端側に開いて備えられているので、真っ直ぐに延ばしたチェーンに対し、トップ部品を傾けるようにして第1ピン端導入口を通じて第1嵌合部に一方のピン突出端を嵌合し、次いで、傾きを直すようにトップ部品を回転させて第2ピン端導入口を通じて第2嵌合部にもう一方のピン突出端を嵌合するという取付け方をすることができ、これにより、トップ部品を、真っ直ぐに延ばしたチェーンに対し、先にチェーンに取り付けたトップ部品に妨げられることなく取り付けていくことができる。従って、従来なら真っ直ぐに延ばしたチェーンへの取付けが困難ないし不可能な形態のトップ部品であっても、そのような形態でないトップ部品であっても、そのような形態のトップ部品をチェーンに対して能率良く取り付けていくことができて、取付けの能率性を確保しながらトップ部品の形態の拡大を図っていくことができる。
【0009】
しかも、上記のように、トップ部品を傾けるようにして第1ピン端導入口を通じて第1嵌合部に一方のピン突出端を嵌合し、次いで、傾きを直すようにトップ部品を回転させて第2ピン端導入口を通じて第2嵌合部にもう一方のピン突出端を嵌合するというようにして取り付けていくことができるので、チェーンへのトップ部品の取付けを的確かつスムーズに遂行していくことができる。即ち、従来のように2つの嵌合部に2つのピン突出端を安定良く同時に嵌合させるのは実際上なかなか容易なことではなく熟練を要するのに対し、本発明のように2つの嵌合部にピン突出端を1つづつ順次に嵌合させて取り付けていく構造にすることによって、トップ部品の取付けを容易にかつ確実に行っていくことができる。
【0010】
また、上記のトップチェーンにおいて、隣り合う一方のピン突出端を第1ピン端導入口を通じて第1嵌合部内に嵌合させていく過程でトップ部品の脚部は外方に開かず、
隣り合うもう一方のピン突出端を第2ピン端導入口を通じて第2嵌合部内に嵌合させていく過程でトップ部品の脚部は弾性的に外方に開き、該ピン突出端が第2嵌合部内に嵌合することによってトップ部品の脚部が弾性復帰して、該ピン突出端が第2嵌合部内に抜止め状態に保持されるようになされており、
この抜止め保持作用によって、前記一方のピン突出端が第1嵌合部内に抜止め状態に保持されるようになされているのもよい。
【0011】
この場合は、第1嵌合部へのピン突出端の嵌合を、トップ部品の脚部を弾性的に開かせずにスムーズに行うことができ、残る第2嵌合部へのピン突出端の嵌合についてのみトップ部品の脚部を弾性的に開かせればよいので、ピン突出端を第2嵌合部に対し小さな押し込み力で容易に嵌合させていくことができる。
【0012】
しかも、こうして第2嵌合部にピン突出端が抜止め状態に保持されることによって、その保持作用で、第1嵌合部内のピン突出端も第1嵌合部内に抜止め状態に保持されるので、第1嵌合部の側に第2嵌合部の場合のような抜止め保持機構を備えさせる必要がなく、トップ部品を簡素な構造でチェーンに抜止め状態に取り付けることができる。
【0013】
加えて、チェーンの経月的、経年的な伸びによって隣り合うピン間の間隔寸法が大きくなるようなことがあっても、それを、第1嵌合部内のピン突出端が第1ピン端導入口の側へ変位することで吸収することができ、それでいてチェーンに対するトップ部品の取付け状態でのガタツキを小さく抑えることができる。
【0014】
前記チェーンがカーブドチェーンからなる場合には特に、先にチェーンに取り付けたトップ部品が次のトップ部品をチェーンに取り付ける際の妨げとなるような形態のトップ部品になりやすく、そのような場合のトップ部品の取付け構造として本発明の構造を有効的に採用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1乃至図4に示す実施形態のトップチェーン1は、搬送用のトップチェーンとしてチェーンコンベアに用いられるもので、2はチェーン、3はトップ部品である。
【0017】
チェーン2は、リンク同士をピンにて連結して構成されたもので、本実施形態では、一対の内リンクプレート4,4がブッシュ5,5(図6(イ)参照)で結合され、各ブッシュ5の外周側にローラー6が回転自在に設けられたローラーリンクと、一対の外リンクプレート7,7がピン8,8で結合されたピンリンクとを、ピン8をブッシュ5に通して交互につないで連結していき、しかも、連結部において外リンクプレート7と内リンクプレート4との間に遊びをもたせて側方にカーブさせることができるようになされたカーブドローラーチェーンからなっており、いわゆる昇降やカーブ等の三次元的な動きをすることができるようになされている。その材質は、一つの駆動部で長いコンベア機長を実現しうるよう、プラスチックチェーンに比べてはるかに高い引張り強度を発揮し得る、鋼製又はステンレス鋼製のものからなっている。
【0018】
このチェーン2において、ピン8は、その両端部8aが、外リンクプレート7の外面から側方に突出している。なお、ピン8aは外リンクプレート7への圧入によって外リンクプレート7と結合一体化されている。
【0019】
トップ部品3は、樹脂あるいは金属などからなる部品で、多数備えられ、各トップ部品3は、チェーン2の周回時外周側となる側に位置するトップ部9と、トップ部9からチェーン2の各側部に突出する脚部10,10とを備え、これらトップ部品3…がチェーン2に対してその延びる方向に2ピッチ単位で取り付けられることでトップチェーン1を構成するものとなされている。
【0020】
本実施形態におけるトップ部9は、トップチェーン1を、上述のように、チェーン2の機能を生かし、上り傾斜や下り傾斜、カーブを行う三次元カーブドトップチェーンとして用いるための形態をしており、この形態は、従来のように、トップ部品の脚部に先端側に開く2つのピン端導入口を備えさせたのでは、真っ直ぐなチェーンへの取付けが既に取り付けた隣りのトップ部品に妨げられて困難になりがちなものとなっている。
【0021】
このようなトップ部9を備えたトップ部品3を対象とし、これら各トップ部品3をチェーン2に取り付けることができるようにするため、次のような構造が採用されている。即ち、トップ部品3の各脚部10には、チェーン2の延びる方向において隣り合う2つのピン突出端を嵌合させる第1,第2の嵌合部11,12が備えられている。また、第1嵌合部11については、第2嵌合部12の側とは反対の側に開く第1ピン端導入口13が備えられ、第2嵌合部12については、脚部10の先端側に開く第2ピン端導入口14が備えられている。そして、図5に示すように、チェーン2の隣り合う一方のピン突出端8aを第1ピン端導入口13を通じて第1嵌合部11に嵌合させた状態で、トップ部品3を該一方のピン突出端8aを中心に回転させることにより、チェーン2の隣り合うもう一方のピン突出端8aが第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12内に嵌合されるようになされている。
【0022】
本実施形態では、隣り合う一方のピン突出端8aを第1ピン端導入口13を通じて第1嵌合部11内に嵌合させていく過程でトップ部品3の脚部10,10は外方に開かないように構成されており、かつ、こうして第1嵌合部11内に嵌合されたピン突出端8aは、第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12にもう一方のピン突出端8aが嵌合される前の状態では、引っかかりや抵抗等の抜止め作用が働くことなく、第1ピン端導入口13を通じて外に取り外せるようになされている。
【0023】
また、隣り合うもう一方のピン突出端8aを第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12内に嵌合させていく過程では、図6に示すように、トップ部品3の脚部10,10は弾性的に外方に開き、該ピン突出端8aが第2嵌合部12内に嵌合することによってトップ部品3の脚部10,10が弾性復帰して、該ピン突出端8aが第2嵌合部12内に抜止め状態に保持されるようになされている。即ち、ピン突出端8aが第2ピン端導入口14を通じて外に外れてしまわないようになされている。
【0024】
これを具体的に実現するため、本実施形態では、各脚部10の内面部に、図4に示すように、第2ピン端導入口14から第2嵌合部12に至る溝15が設けられ、この溝15の底面16が、第2嵌合部12から脚部10の先端側に向けて開く傾斜面に形成されていて、この傾斜面16をピン突出端8aが第2嵌合部12に向かうことで脚部10,10が弾性的に開いていき、ピン突出端8aが傾斜面16を越えて第2嵌合部12に嵌合すると脚部10,10が弾性復帰するようになされている。なお、脚部10は、ピン突出端8aが第2ピン端導入口14に入ってから傾斜面16の作用で開き始めるようになされていて、脚部10,10を人為的に開かなくてもよいようになされている。
【0025】
また、溝15は、図4(イ)に示すように、その幅寸法が第2嵌合部12の側から第2ピン端導入口14に向けて漸次大きくなっていくようにつくられ、ピン突出端8aが第2ピン端導入口14に入り込みやすくなっている。
【0026】
そして、第2嵌合部12へのピン突出端8aの嵌合による上記の抜止め保持作用によって、第1嵌合部11内のピン突出端8aが第1ピン端導入口13を通じて外に抜け出ない抜止め状態に保持されるようになされている。
【0027】
チェーン2へのトップ部品3の取付けは、図5(イ)(ロ)に示すように、真っ直ぐに延ばしたチェーン2に対し、トップ部品3を第1嵌合部11の側が下寄りとなるように傾けて第1ピン端導入口13を通じて第1嵌合部11に一方のピン突出端8aを嵌合する。それにより、トップ部品3は、先に取り付けた隣のトップ部品3に妨げられることなく、第1嵌合部11にピン突出端8aを嵌合させることができる。なお、この嵌合の過程で、トップ部品3の脚部10,10が開くことはなく、ピン突出端8aは第1嵌合部11に引っかかりや抵抗なくスッと差し込れる。
【0028】
しかる後、図5(ロ)(ハ)に示すように、傾きを直すようにトップ部品3を前記一方のピン突出端8aを軸に回転させていき、もう一方のピン突出端8aを第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12へと嵌合させていく。この嵌合過程で、図6(イ)(ロ)に示すように、溝15の傾斜面16の作用によって、トップ部品3の脚部10,10は弾性的に開いていき、図6(ハ)に示すように、ピン突出端8aが第2嵌合部12に嵌合することによってトップ部品3の脚部10,10は弾性復帰し、このピン突出端8aは第2嵌合部12に抜止め状態に保持され、それによってまた、図5(ハ)に示すように、第1嵌合部11内のピン突出端8aも第1ピン端導入口13を通じて外に出るのを規制され、第1嵌合部11内に抜止め状態に保持されて、トップ部品3がチェーン2に対して取付け状態となる。
【0029】
なお、各トップ部品3…は、内リンクプレート4の両端のピン突出端を嵌合させるようにして取り付けるのではなく、外リンクプレート7の両端のピン突出端8aを嵌合させるようにして取り付けていくようにする。
【0030】
このように、上記のような取付け構造とすることで、トップ部品3を、真っ直ぐに延ばしたチェーン2に対し、先にチェーン2に取り付けたトップ部品に妨げられることなく容易に取り付けていくことができ、従来なら真っ直ぐに延ばしたチェーンへの取付けが困難になりがちな形態をしている上記のようなトップ部品3を、真っ直ぐに延ばしたチェーン2に対して能率良く容易に取り付けていくことができる。
【0031】
しかも、本実施形態では、第1嵌合部11へのピン突出端8aの嵌合は、トップ部品3の脚部10,10を弾性的に開かせずに抵抗なくスムーズに行うことができ、残る第2嵌合部12へのピン突出端8aの嵌合についてのみトップ部品3の脚部10,10を弾性的に開かせればよいので、ピン突出端8aを第2嵌合部12に対し小さな押し込み力で安定良く容易に嵌合させていくことができる。
【0032】
更に、こうして第2嵌合部12にピン突出端8aが抜止め状態に保持されることによって、その保持作用で、第1嵌合部11内のピン突出端8aも第1嵌合部11内に抜止め状態に保持されるので、第1嵌合部11の側に第2嵌合部12の場合のような傾斜面16などによる抜止め保持機構を備えさせる必要がなく、トップ部品3を簡素な構造でチェーン2に抜止め状態に取り付けることができる。
【0033】
加えて、チェーン2の経日的、経月的、経年的な伸びによって隣り合うピン8a,8a間の間隔寸法が大きくなるようなことがあっても、それを、第1嵌合部11内のピン突出端8aが第1ピン端導入口13の側へ変位することで吸収することができ、それでいて、従来の場合において遊びを持たせてピン8a,8a間の伸びを吸収させるようなことをする場合に比べて、遊びを少なくしあるいはなくすことができて、チェーン2に対するトップ部品3の取付け状態でのガタツキを小さく抑えることができる。
【0034】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、本発明におけるトップ部品ないしはトップチェーンは、トップ部を載荷部とする搬送用のものとして構成されてもよいし、トップ部と脚部とでチェーンを隠すチェーンカバーとしての機能をもった伝動用として構成されてもよく、「トップチェーン」や「トップ部品」「トップ部」の語は、そのような意味において解釈すべきものである。また、トップ部品の材質は、上記のように樹脂であってもよいし、金属であってもよいし、特に制限はない。
【0035】
また、上記の実施形態では、チェーン2のピン突出端8aを第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12に嵌合させていく過程で溝15の傾斜面16の作用でトップ部品3の脚部10,10を開かせ、ピン突出端8aが第2嵌合部12内に嵌合することによってトップ部品3の脚部10,10が弾性復帰して、該ピン突出端8aが第2嵌合部内に抜止め状態に保持されるようになされ、この抜止め保持作用によって、もう一方のピン突出端8aが第1嵌合部11内に抜止め状態に保持されるようになされているが、これに限らない。即ち、チェーン2のピン突出端8aが第2ピン端導入口14を通じて第2嵌合部12に嵌合していく過程でトップ部品3の脚部10,10は開かず、ピン突出端8aが第2嵌合部12内などに仕込まれたバネ保持部による保持作用で抜止め状態に保持されるようになされていてもよい。また、第1嵌合部11でのチェーン2のピン突出端8aの抜止め保持は、第2嵌合部側と同じ傾斜面を利用した弾性的な脚部の開きとその弾性復帰を利用したり、あるいは、第1嵌合部11内などに仕込まれたバネ保持部による保持作用を利用して、第2嵌合部12とピン突出端8aとの嵌合とは関係なく、それ単独でチェーン2のピン突出端8aに抜止め状態に保持されるようになされていてもよい。
【0036】
また、上記の実施形態では、チェーン2としてローラーチェーンを用いた場合を示しているが、その他、サイレントチェーンやリーフチェーン、ブッシュドチェーンなど、各種チェーンであってよいし、単列チェーンであっても、複数列チェーンであってもよい。更に、トップ部9の形態や脚部10の形態に制限はないし、更に、第1,第2の嵌合部11,12の具体的形態についても、有底の凹所か貫通の凹所かなどは問わず、種々のものであってよく、その具体的形態に制限はない。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、従来なら真っ直ぐに延ばしたチェーンへの取付けが困難ないし不可能な形態をしているトップ部品であっても、そうでないトップ部品であっても、そのようなトップ部品を真っ直ぐに延ばしたチェーンに対して能率良く容易に取り付けていくことができ、チェーンに能率良く容易に取り付けていくことのできるトップ部品の形態の拡大を図っていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示すもので、図(イ)はトップ部品の斜視図、図(ロ)はチェーンの斜視図である。
【図2】実施形態のトップチェーンの斜視図である。
【図3】図(イ)はトップ部品の底面図、図(ロ)は同正面図、図(ハ)は同側面図、図(ニ)はチェーンの側面図である。
【図4】トップ部品の要部を示すもので、図(イ)は脚部付近の一部断面正面図、図(ロ)は脚部の内面図である。
【図5】図(イ)乃至図(ハ)はチェーンへのトップ部品の取付け方法を順次に示す側面図である。
【図6】図(イ)乃至図(ハ)はチェーンへのトップ部品の取付け方法を順次に示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
1…トップチェーン
2…チェーン
3…トップ部品
4…内リンクプレート(リンク)
7…外リンクプレート(リンク)
8…ピン
8a…ピン突出端
9…トップ部
10…脚部
11…第1嵌合部
12…第2嵌合部
13…第1ピン端導入口
14…第2ピン端導入口
Claims (3)
- リンク同士をピンにて連結して構成された鋼製又はステンレス鋼製のチェーンに、多数のトップ部品がチェーンの延びる方向に2ピッチ単位で取り付けられたトップチェーンであって、
前記チェーンの各ピンの両端はリンクから側方に突出しており、
前記各トップ部品は、チェーンの周回時外周側となる側に位置するトップ部と、トップ部からチェーンの各側部に突出する脚部とを備え、
各脚部には、チェーンの延びる方向において隣り合う2つのピン突出端を嵌合させる第1,第2の嵌合部が備えられ、
第1嵌合部について、第2嵌合部の側とは反対の側に開く第1ピン端導入口が備えられると共に、第2嵌合部について、脚部の先端側に開く第2ピン端導入口が備えられ、
チェーンの隣り合う一方のピン突出端を第1ピン端導入口を通じて第1嵌合部に嵌合させた状態で、トップ部品を該一方のピン突出端を中心に回転させることにより、チェーンの隣り合うもう一方のピン突出端が第2ピン端導入口を通じて第2嵌合部内に嵌合され、これら嵌合状態が形成されることによりトップ部品がチェーンに抜止め状態に保持されるようになされていることを特徴とするトップチェーン。 - 隣り合う一方のピン突出端を第1ピン端導入口を通じて第1嵌合部内に嵌合させていく過程でトップ部品の脚部は外方に開かず、
隣り合うもう一方のピン突出端を第2ピン端導入口を通じて第2嵌合部内に嵌合させていく過程でトップ部品の脚部は弾性的に外方に開き、該ピン突出端が第2嵌合部内に嵌合することによってトップ部品の脚部が弾性復帰して、該ピン突出端が第2嵌合部内に抜止め状態に保持されるようになされており、
この抜止め保持作用によって、前記一方のピン突出端が第1嵌合部内に抜止め状態に保持されるようになされている請求項1に記載のトップチェーン。 - 前記チェーンがカーブドチェーンからなる請求項1又は2に記載のトップチェーン。
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2002
- 2002-10-18 JP JP2002304958A patent/JP2004137062A/ja active Pending
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