JP2004136792A - 車両用モール - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用モールにおいて、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良いこと。
【解決手段】車両用モール2は、ルーフサイドパネル4とウインドガラス5との接合溝に装着されるウインドモール7と、ルーフサイドパネル4とルーフトップパネル3との接合溝に装着されるルーフモール8とから構成されている。ウインドモール7とルーフモール8は異なった断面形状を有しているが、略同一の断面形状を有する頭部が溶着されて、一体化される。ウインドモール7とルーフモール8とは一体に装着された後に、ウインドモール7,ルーフモール8の上面とルーフサイドパネル4上面との隙間は同一になるように、ウインドモール7,ルーフモール8の上面とルーフサイドパネル4上面との高さは略一致するように設定されている。
【選択図】 図2
【解決手段】車両用モール2は、ルーフサイドパネル4とウインドガラス5との接合溝に装着されるウインドモール7と、ルーフサイドパネル4とルーフトップパネル3との接合溝に装着されるルーフモール8とから構成されている。ウインドモール7とルーフモール8は異なった断面形状を有しているが、略同一の断面形状を有する頭部が溶着されて、一体化される。ウインドモール7とルーフモール8とは一体に装着された後に、ウインドモール7,ルーフモール8の上面とルーフサイドパネル4上面との隙間は同一になるように、ウインドモール7,ルーフモール8の上面とルーフサイドパネル4上面との高さは略一致するように設定されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウインドモールとルーフモールとを突き合わせて一体に接合し、またはウインドモールとルーフモールとを一体に成形した車両用モールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−46466号公報
従来のウインドモールとルーフモールの例を図6乃至図9を参照して説明する。図6は従来のウインドモールとルーフモールを車両に取り付けた状態の部分拡大図である。図7は図6のC−C断面を示したもので従来のウインドモールをウインドガラスとルーフサイドパネルの間の接合溝に取り付けた状態を示す断面図である。図8は図6のD−D断面を示したもので従来のルーフモールをルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝に取り付けた状態を示す断面図である。図9は図6のE−E断面を示したもので従来のウインドモールとルーフモールの間に接合用モールを取り付けた状態を示す断面図である。
【0003】
図6に示されるように、ウインドガラス5とルーフサイドパネル4の間にウインドモール21が取り付けられている。また、ルーフトップパネル3とルーフサイドパネル4の間にルーフモール19が取り付けられている。そして、ルーフトップパネル3及びウインドガラス5とルーフサイドパネル4の間に接合用モール20が射出成形により取り付けられている。
【0004】
図7は特許文献1の特開2002−46466号公報に記載の図であり、この公報に開示された技術においては、ウインドモール21は図7に示されるように、意匠部21aとそこから下方に向かう脚部21b、及びそれに設けられた鉤21c,21dを有する。そして、ルーフサイドパネル4に両面テープ22aで貼り付けられた固定クリップ22にその鉤21dが引っ掛かり固定される。
【0005】
また、図8に示されるように、ルーフモール19は意匠部19aとそこから下方に伸びる脚部19bとその先端に設けられたヒレ部19cを有しており、このヒレ部19cを押し込むことによって固定される。
【0006】
さらに、図9に示されるように、接合モール20は意匠部20aとそこから下方に伸びる脚部20bを有しており、その底面において接着剤20cによってルーフトップパネル3に固定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7の固定クリップによる固定方法ではウインドモール21は上方へ外れ易く、また安定も悪い。図8のルーフモール19の固定方法においては、ルーフトップパネル3とルーフサイドパネル4の隙間のバラツキにより左右位置がずれ易く見栄えが悪い。図9の接合モール20の固定方法においても事情は同じである。さらに、2箇所の継ぎ目があるのも意匠的に好ましくない。
【0008】
そこで、本発明は、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールを提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかる車両用モールは、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝内と、ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内とに装着される車両用モールであって、前記車両用モールの前記ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝内に装着されるウインドモール部分と前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に装着されるルーフモール部分とは、前記車両用モールの長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状が異なっており、両部分が突き合わされる位置で前記断面形状が略同一な頭部において両部分の上面高さが一致するように溶着されて一体となり、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記ルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に前記頭部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記リテーナに、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに固定されるものである。
【0010】
このように、本発明の車両用モールにおいては、ウインドモールとルーフモールの断面形状が異なっており、頭部(意匠部)のみの断面形状が略一致している。そこで、両者が突き合わされて、断面形状が略同一な意匠部同士が上面高さが一致するように溶着されてウインドモールとルーフモールが一体とされる。そして、ウインドモール部分はルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されて、また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに固定される。
【0011】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、両者の突き合わせ部分において予め頭部同士を溶着しておくことによって接続部分が目立たず見栄えが良くなる。
【0012】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【0013】
請求項2の発明にかかる車両用モールは、請求項1の構成において、前記ウインドモールは前記ルーフモール側へ向かってその断面形状が徐変し、前記ルーフモール側端面においては前記ルーフモールの断面形状と略同一となり、前記ウインドモールと前記ルーフモールの上面高さが一致するように溶着されて一体となることを特徴とするものである。
【0014】
このように、ウインドモールの断面形状を徐変させてルーフモールとの突き合わせ部分においてはルーフモールの断面形状と略同一とすることにより、両者の全断面を溶着することができ、より強固に両者を一体化することができる。これによって、両者をまず一体化させてから接合溝へ装着する際により丈夫になり、装着がより容易になる。
【0015】
請求項3の発明にかかる車両用モールは、ウインドモール部分とルーフモール部分とからなる車両用モールであって、前記ウインドモール部分と前記ルーフモール部分とは、前記車両用モールの長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状が異なっており、前記断面形状が略同一な頭部において両部分が接続され、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記ルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に前記頭部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記リテーナに固定されるとともに前記ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に前記頭部の端部が当接し、前記リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に前記頭部の下面が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致し、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されるとともに前記棚部に前記頭部の端部が当接し、前記ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に前記脚部の中間から前記ルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致するものである。
【0016】
このように、本発明の車両用モールにおいては、ウインドモール部分とルーフモール部分の断面形状が異なっており、頭部(意匠部)のみの断面形状が略一致している。そこで、両者が突き合わされて、断面形状が略同一な意匠部同士が上面高さが一致するように溶着されてウインドモール部分とルーフモール部分が一体とされる。
【0017】
ウインドモール部分は、ルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されてリテーナに固定されることによって、ウインドモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてウインドモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に意匠部の端部が当接し、リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に意匠部の下面が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0018】
また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されることによって、ルーフモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてルーフモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルの棚部に意匠部の端部が当接し、ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に脚部の中間からルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0019】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、両者の突き合わせ部分において予め頭部同士を溶着しておくことによって接続部分が目立たず見栄えが良くなる。そして、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれもルーフサイドパネルとの隙間が一定に保たれ、かつ意匠部上面とルーフサイドパネル上面との高さが略一致することによって、ルーフサイドパネルとの面一感が損なわれず、高級乗用車にも使用することができる。
【0020】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【0021】
請求項4の発明にかかる車両用モールは、請求項3の構成において、前記ウインドモール部分は前記ルーフモール部分へ向かってその断面形状が徐変し、前記ルーフモール部分との接点においては前記ルーフモールの断面形状と略同一となり、前記ウインドモール部分は軟質樹脂で形成されるものである。
【0022】
この車両用モールはウインドモール部分とルーフモール部分が一体となって成形されたものであって、両部分の断面形状は異なるが、ウインドモール部分の断面形状がルーフモール部分へ向かって徐変して、両部分の接点において断面形状はルーフモール部分の断面形状と略一致している。したがって、両部分が接点において全断面が接続しているため接点の強度が高く、より取り扱い易い車両用モールとなる。また、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝と、ルーフトップパネルとルーフサイドパネルとの間の接合溝との製造誤差は、基本的に同一であることが望ましいが、ウインドモール部分を軟質樹脂で成形しているから、その弾性及び柔軟性により吸収できる寸法であれば良い。
【0023】
請求項5の発明にかかる車両用モールは、請求項1乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記ウインドモール及び前記ルーフモールにそれぞれ、または前記ウインドモール部分と前記ルーフモール部分に連続的に、前記接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金が充填されてなるものである。
【0024】
したがって、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝及びルーフトップパネルとルーフサイドパネルとの間の接合溝に一体に装着する場合に、その長さ方向に対して捩れが生じにくいからウインドガラスのエッジからルーフトップパネルまで意匠部の直線性を維持することができ、見栄えの良い装着が可能となる。この接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金は、所定の断面積以上であれば断面略正方形でも良いが、少なくとも断面積の小さい条件下では、接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短いことが必要となる。特に、この芯金は夏季の太陽光を浴びる酷暑条件から冬季の凍結条件に至るまでの温度差による車両用モールの熱変形を抑える作用により、長さ方向の膨張収縮を抑えることができ、車体から剥がれるのを防止することができる。
【0025】
請求項6の発明にかかる車両用モールは、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記前記ルーフサイドパネルに固定された前記リテーナとの間に前記頭部から下方に伸びた脚部が挿入されて前記脚部の下端に設けられたモール嵌合部が前記リテーナの先端に引っ掛かることで固定されるとともに前記ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に前記頭部の端部が当接し、前記リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に前記頭部の下面が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面の高さが略一致し、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されるとともに前記棚部に前記頭部の端部が当接し、前記ルーフトップパネル側に長手方向に沿って設けられた第2の棚部に前記脚部の中間から前記ルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致するものである。
【0026】
このように、ウインドモール部分は、ルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記脚部の下端に設けられたモール嵌合部が前記リテーナの先端に引っ掛かって固定されることによって、ウインドモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてウインドモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に意匠部の端部が当接し、リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に意匠部の下面が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0027】
また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されることによって、ルーフモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてルーフモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルの棚部に意匠部の端部が当接し、ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に脚部の中間からルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0028】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれもルーフサイドパネルとの隙間が一定に保たれ、かつ意匠部上面とルーフサイドパネル上面との高さが略一致することによって、ルーフサイドパネルとの面一感が損なわれず、高級乗用車にも使用することができる。
【0029】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図5を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態にかかる車両用モールを装着した実車の概観を示す斜視図である。図2は本発明の実施の形態にかかる車両用モールを装着した状態を示す部分拡大図である。図3は図2のA−A断面図であり、本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちウインドモールの断面形状を示す図である。図4は本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちウインドモールの取り付け方法を示す斜視図である。図5は図2のB−B断面図であり、本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちルーフモールの断面形状を示す図である。なお、図中、従来例で説明した符号と同一のものは、同一または相当する構成部分であることを示すものである。
【0031】
まず、本実施の形態の車両用モールの概略について、図1を参照して説明する。図1に示されるように、本実施の形態の車両用モール2は、車両1のルーフサイドパネル4とウインドガラス5との接合部の下端から伸びて、ルーフサイドパネル4とルーフトップパネル3との接合部の後端まで続いている。これによって、各接合部の溝を隠蔽して車両1の意匠性を向上させている。また、雨天時等は車両用モール2はウインドガラス5及びルーフトップパネル3の両側面に、後述するようにレインガータを形成することによって、ウインドガラス5上に溜まった雨水等が車両1の側部へ流出しないように、ルーフトップパネル3方向に案内することができる。
【0032】
次に、本実施の形態の車両用モールの詳細について、図2を参照して説明する。以下、車両1の左側の車両用モール2について説明するが、車両1の右側の車両用モールについても、左右対称になるだけで同様である。図2に示されるように、本実施の形態の車両用モール2は、ルーフサイドパネル4とウインドガラス5との接合溝に装着されるウインドモール7と、ルーフサイドパネル4とルーフトップパネル3との接合溝に装着されるルーフモール8とから構成されている。そして、ウインドモール7とルーフモール8とは突き合わせ部分6において溶着されて、一体化された後に、車両1に組み付けられる。
【0033】
次に、ウインドモール7の構造と装着の仕方について、図3の断面図を参照して説明する。ウインドモール7は、意匠部(頭部)7a及びそこから下方へ伸びた脚部7bを有し、脚部7b先端にはモール嵌合部9を有している。また、頭部7aには、ルーフサイドパネル4の長手方向に沿って設けられた棚部11に当接する端部12を有している。一方、ウインドガラス5側には頭部7aの下部から伸びたガラス圧接リップ7cが弾性力でウインドガラス5の上面を押さえ付けるとともに、ウインドモール7の取り付け構造を隠している。そして、このガラス圧接リップ7cと頭部7aのウインドガラス5側とでレインガータ25が形成されて、ウインドガラス5上に溜まった雨水等が車両の側面に流れないように堰き止めてルーフトップパネル3側へ案内する。また、頭部7aの中心付近には、接合溝26の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の真鍮製等の芯金24が紙面に垂直な方向に伸びてウインドモール7の端から端まで充填されている。
【0034】
かかる構造を有するウインドモール7の装着の手順について説明する。図4に示されるようにしてリテーナ10をルーフサイドパネル4に固定する。リテーナ10には間隔をおいて複数箇所に、長孔10aを有しルーフサイドパネル4側へ突出した固定部分10bが設けられている。この固定部分10bをルーフサイドパネル4の内面に密着させて、リベット17を長孔10a及びルーフサイドパネル4に穿設された取り付け孔18に貫通させることによってリテーナ10が固定される。
【0035】
ここで、リテーナ10とルーフサイドパネル4との間隔は、ウインドモール7の脚部7bの幅が通過できる幅に設定してある。また、ウインドモール7の脚部7bには、リテーナ10の固定部分10bが当接しないように、切り欠き16が設けられている。次に、ルーフサイドパネル4の底面に堤5aを接合しウインドガラス5をセットする。これによってウインドガラス5とルーフサイドパネル4の間の接合溝26が形成される。
【0036】
図3へ戻って、このようにしてリテーナ10が取り付けられた後に、ウインドガラス5に接着剤としての図示しないシーラントが所定の量付けられているため、ウインドガラス5の取付け時に接合溝26をシーラントが埋める。そして、ウインドモール7の脚部7bがリテーナ10とルーフサイドパネル4の間に挿入される。これによって、脚部7bの先端のモール嵌合部9がリテーナ10の下端に引っ掛かるとともに、ルーフサイドパネル4に設けられた棚部11にウインドモール7の頭部7aの端部12が当接し、リテーナ10の上端に設けられたリテーナ棚部23にウインドモール7の頭部の下面が当接して、ウインドモール7が接合溝26内に装着される。なお、ガラス圧接リップ7cは弾性変形してウインドガラス5の上面を押さえ付け、ウインドモール7の装着部分を隠蔽するとともに、上述したようにレインガータ25を形成する。また、接合溝26の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金24がウインドモール7中心部に充填されているため、挿入の容易性と装着の安定性が確保されている。
【0037】
このようにしてウインドモール7が装着されることによって、ウインドモール7がルーフサイドパネル4側に押し付けられてウインドモール7の意匠部(頭部)7a上面とルーフサイドパネル4上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネル4に長手方向に沿って設けられた棚部11に頭部の端部12が当接し、リテーナ10の上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部23に頭部7aの下面が当接することによって、ルーフサイドパネル4の上面と意匠部7aの上面の高さが略一致する。
【0038】
次に、ルーフモール8の構造と装着の仕方について、図5の断面図を参照して説明する。ルーフモール8は、意匠部(頭部)8a及びそこから下方へ伸びた脚部8bを有し、脚部8b先端には脚リップ13を有している。また、頭部8aには、ルーフサイドパネル4の長手方向に沿って設けられた棚部11に当接する端部12を有しており、さらに脚部8bの中間にルーフトップパネル3の長手方向に沿って設けられた第2の棚部15に当接する突出部14を有している。さらに、脚部8bの頭部8aよりの中心付近には、接合溝27の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の真鍮製等の芯金24が紙面に垂直な方向に伸びてルーフモール8の端から端まで充填されている。
【0039】
かかる構造を有するルーフモール8の装着の手順について説明する。まずルーフトップパネル3とルーフサイドパネル4が溶接され、これによってルーフトップパネル3とルーフサイドパネル4の間の接合溝27が形成される。そして、ルーフモール8の脚部8bが接合溝27内に挿入されると、脚部8b先端の脚リップ13がルーフトップパネル3とルーフサイドパネル4の間の接合溝27内に挟持されてルーフトップパネル3の第2の棚15の下方に設けられた負角に引っ掛かって固定される。これによって、ルーフモール8がルーフサイドパネル4側に押し付けられて、ルーフモール8の意匠部8a上面とルーフサイドパネル4上面との隙間が一定に保たれる。なお、接合溝27の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金24がルーフモール8中心部に充填されているため、挿入の容易性と装着の安定性が確保されている。
【0040】
また、ルーフサイドパネル4の棚部11に意匠部8aの端部12が当接し、ルーフトップパネル3に長手方向に沿って設けられた第2の棚部15に脚部8bの中間からルーフトップパネル3側に伸びた突出部14の先端が当接することによってルーフサイドパネル4の上面と意匠部8aの上面の高さが略一致する。
【0041】
なお、突出部14は頭部8aのルーフトップパネル3側とともにレインガータ25を形成し、雨天時等にルーフトップパネル3上に溜まった雨水等が車両1の側面に流れ落ちるのを堰き止めて、車両1の後方へ案内する。
【0042】
以上のようにして、ウインドモール7及びルーフモール8がそれぞれ接合溝26,27に装着される。ウインドモール7とルーフモール8の長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状は異なっているが、頭部7a,8aのみは略同一の断面形状を有しているので、頭部7a,8aにおいて溶着されて一体となってから装着される。頭部7a,8aの上面の高さはいずれもルーフサイドモール4の上面の高さと略一致しているので、図2に示されるように、これによって、すっきりとした外観を得ることができる。
【0043】
さらに、上述したように、ウインドモール7及びルーフモール8の意匠部7a,8aの上面とルーフサイドパネル4の上面の隙間が一定であり、かつ意匠部7a,8aの上面の高さがいずれもルーフサイドパネル4の上面の高さと略一致しているので、ルーフサイドパネル4との面一感が損なわれず、高級乗用車にも使用することができる。
【0044】
このようにして、本実施の形態の車両用モールは、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良いものとなる。
【0045】
本実施の形態においては、断面形状の異なるウインドモール7及びルーフモール8を別々に押し出し成形で成形して、頭部7a,8aを先に溶着してウインドモール7とルーフモール8を一体化してから一度に接合溝26,27に装着する例について説明した。
【0046】
また、断面形状の異なるウインドモール及びルーフモールのうちウインドモールの断面形状をルーフモール側に向かって徐変させ、ルーフモール側端面においてはルーフモールの断面形状と略同一となり、全断面を先に溶着してウインドモールとルーフモールを一体化してから一度に接合溝に装着することができる。
【0047】
さらに、断面形状の異なるウインドモールとルーフモールを断面形状の略同一な頭部において接続することによって射出成形で一体に成形し、一度に装着しても良いし、断面形状の異なるウインドモール及びルーフモールのうちウインドモールの断面形状をルーフモール側に向かって徐変させ、ルーフモールとの接点においてはルーフモールの断面形状と略同一として射出成形で一体に成形し、一度に装着することもできる。
【0048】
車両用モールのその他の部分の構成、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、本実施の形態に限定されるものではない。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明にかかる車両用モールは、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝内と、ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内とに装着される車両用モールであって、前記車両用モールの前記ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝内に装着されるウインドモール部分と前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に装着されるルーフモール部分とは、前記車両用モールの長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状が異なっており、両部分が突き合わされる位置で前記断面形状が略同一な頭部において両部分の上面高さが一致するように溶着されて一体となり、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記ルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に前記頭部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記リテーナに、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに固定されるものである。
【0050】
このように、本発明の車両用モールにおいては、ウインドモールとルーフモールの断面形状が異なっており、頭部(意匠部)のみの断面形状が略一致している。そこで、両者が突き合わされて、断面形状が略同一な意匠部同士が上面高さが一致するように溶着されてウインドモールとルーフモールが一体とされる。そして、ウインドモール部分はルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されて、また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに固定される。
【0051】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、両者の突き合わせ部分において予め頭部同士を溶着しておくことによって接続部分が目立たず見栄えが良くなる。
【0052】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【0053】
請求項2の発明にかかる車両用モールは、請求項1の構成において、前記ウインドモールは前記ルーフモール側へ向かってその断面形状が徐変し、前記ルーフモール側端面においては前記ルーフモールの断面形状と略同一となり、前記ウインドモールと前記ルーフモールの上面高さが一致するように溶着されて一体となることを特徴とするものである。
【0054】
このように、ウインドモールの断面形状を徐変させてルーフモールとの突き合わせ部分においてはルーフモールの断面形状と略同一とすることにより、両者の全断面を溶着することができ、より強固に両者を一体化することができる。これによって、両者をまず一体化させてから接合溝へ装着する際により丈夫になり、装着がより容易になる。
【0055】
請求項3の発明にかかる車両用モールは、ウインドモール部分とルーフモール部分とからなる車両用モールであって、前記ウインドモール部分と前記ルーフモール部分とは、前記車両用モールの長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状が異なっており、前記断面形状が略同一な頭部において両部分が接続され、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記ルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に前記頭部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記リテーナに固定されるとともに前記ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に前記頭部の端部が当接し、前記リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に前記頭部の下面が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致し、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されるとともに前記棚部に前記頭部の端部が当接し、前記ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に前記脚部の中間から前記ルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致するものである。
【0056】
このように、本発明の車両用モールにおいては、ウインドモール部分とルーフモール部分の断面形状が異なっており、頭部(意匠部)のみの断面形状が略一致している。そこで、両者が突き合わされて、断面形状が略同一な意匠部同士が上面高さが一致するように溶着されてウインドモール部分とルーフモール部分が一体とされる。
【0057】
ウインドモール部分は、ルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されてリテーナに固定されることによって、ウインドモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてウインドモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に意匠部の端部が当接し、リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に意匠部の下面が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0058】
また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されることによって、ルーフモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてルーフモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルの棚部に意匠部の端部が当接し、ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に脚部の中間からルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0059】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、両者の突き合わせ部分において予め頭部同士を溶着しておくことによって接続部分が目立たず見栄えが良くなる。そして、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれもルーフサイドパネルとの隙間が一定に保たれ、かつ意匠部上面とルーフサイドパネル上面との高さが略一致することによって、ルーフサイドパネルとの面一感が損なわれず、高級乗用車にも使用することができる。
【0060】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【0061】
請求項4の発明にかかる車両用モールは、請求項3の構成において、前記ウインドモール部分は前記ルーフモール部分へ向かってその断面形状が徐変し、前記ルーフモール部分との接点においては前記ルーフモールの断面形状と略同一となり、前記ウインドモール部分は軟質樹脂で形成されるものである。
【0062】
この車両用モールはウインドモール部分とルーフモール部分が一体となって成形されたものであって、両部分の断面形状は異なるが、ウインドモール部分の断面形状がルーフモール部分へ向かって徐変して、両部分の接点において断面形状はルーフモール部分の断面形状と略一致している。したがって、両部分が接点において全断面が接続しているため接点の強度が高く、より取り扱い易い車両用モールとなる。また、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝と、ルーフトップパネルとルーフサイドパネルとの間の接合溝との製造誤差は、基本的に同一であることが望ましいが、ウインドモール部分を軟質樹脂で成形しているから、その弾性及び柔軟性により吸収できる寸法であれば良い。
【0063】
請求項5の発明にかかる車両用モールは、請求項1乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記ウインドモール及び前記ルーフモールにそれぞれ、または前記ウインドモール部分と前記ルーフモール部分に連続的に、前記接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金が充填されてなるものである。
【0064】
したがって、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝及びルーフトップパネルとルーフサイドパネルとの間の接合溝に一体に装着する場合に、その長さ方向に対して捩れが生じにくいからウインドガラスのエッジからルーフトップパネルまで意匠部の直線性を維持することができ、見栄えの良い装着が可能となる。この接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金は、所定の断面積以上であれば断面略正方形でも良いが、少なくとも断面積の小さい条件下では、接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短いことが必要となる。特に、この芯金は夏季の太陽光を浴びる酷暑条件から冬季の凍結条件に至るまでの温度差による車両用モールの熱変形を抑える作用により、長さ方向の膨張収縮を抑えることができ、車体から剥がれるのを防止することができる。
【0065】
請求項6の発明にかかる車両用モールは、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記前記ルーフサイドパネルに固定された前記リテーナとの間に前記頭部から下方に伸びた脚部が挿入されて前記脚部の下端に設けられたモール嵌合部が前記リテーナの先端に引っ掛かることで固定されるとともに前記ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に前記頭部の端部が当接し、前記リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に前記頭部の下面が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面の高さが略一致し、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されるとともに前記棚部に前記頭部の端部が当接し、前記ルーフトップパネル側に長手方向に沿って設けられた第2の棚部に前記脚部の中間から前記ルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致するものである。
【0066】
このように、ウインドモール部分は、ルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記脚部の下端に設けられたモール嵌合部が前記リテーナの先端に引っ掛かって固定されることによって、ウインドモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてウインドモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に意匠部の端部が当接し、リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に意匠部の下面が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0067】
また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されることによって、ルーフモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてルーフモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルの棚部に意匠部の端部が当接し、ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に脚部の中間からルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0068】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれもルーフサイドパネルとの隙間が一定に保たれ、かつ意匠部上面とルーフサイドパネル上面との高さが略一致することによって、ルーフサイドパネルとの面一感が損なわれず、高級乗用車にも使用することができる。
【0069】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる車両用モールを装着した実車の概観を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかる車両用モールを装着した状態を示す部分拡大図である。
【図3】図3は図2のA−A断面図であり、本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちウインドモールの断面形状を示す図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちウインドモールの取り付け方法を示す斜視図である。
【図5】図5は図2のB−B断面図であり、本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちルーフモールの断面形状を示す図である。
【図6】図6は従来のウインドモールとルーフモールを車両に取り付けた状態の部分拡大図である。
【図7】図7は図6のC−C断面を示したもので従来のウインドモールをウインドガラスとルーフサイドパネルの間の接合溝に取り付けた状態を示す断面図である。
【図8】図8は図6のD−D断面を示したもので従来のルーフモールをルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝に取り付けた状態を示す断面図である。
【図9】図9は図6のE−E断面を示したもので従来のウインドモールとルーフモールの間に接合用モールを取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2 車両用モール
3 ルーフトップパネル
4 ルーフサイドパネル
5 ウインドガラス
7 ウインドモール
7a,8a 頭部
7b,8b 脚部
7c ガラス圧接リップ
8 ルーフモール
9 モール嵌合部
10 リテーナ
11 棚部
12 頭部の端部
13 脚リップ
14 突出部
15 第2の棚部
23 リテーナ棚部
24 芯金
26 ウインドガラスとルーフサイドパネルの間の接合溝
27 ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの接合溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウインドモールとルーフモールとを突き合わせて一体に接合し、またはウインドモールとルーフモールとを一体に成形した車両用モールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−46466号公報
従来のウインドモールとルーフモールの例を図6乃至図9を参照して説明する。図6は従来のウインドモールとルーフモールを車両に取り付けた状態の部分拡大図である。図7は図6のC−C断面を示したもので従来のウインドモールをウインドガラスとルーフサイドパネルの間の接合溝に取り付けた状態を示す断面図である。図8は図6のD−D断面を示したもので従来のルーフモールをルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝に取り付けた状態を示す断面図である。図9は図6のE−E断面を示したもので従来のウインドモールとルーフモールの間に接合用モールを取り付けた状態を示す断面図である。
【0003】
図6に示されるように、ウインドガラス5とルーフサイドパネル4の間にウインドモール21が取り付けられている。また、ルーフトップパネル3とルーフサイドパネル4の間にルーフモール19が取り付けられている。そして、ルーフトップパネル3及びウインドガラス5とルーフサイドパネル4の間に接合用モール20が射出成形により取り付けられている。
【0004】
図7は特許文献1の特開2002−46466号公報に記載の図であり、この公報に開示された技術においては、ウインドモール21は図7に示されるように、意匠部21aとそこから下方に向かう脚部21b、及びそれに設けられた鉤21c,21dを有する。そして、ルーフサイドパネル4に両面テープ22aで貼り付けられた固定クリップ22にその鉤21dが引っ掛かり固定される。
【0005】
また、図8に示されるように、ルーフモール19は意匠部19aとそこから下方に伸びる脚部19bとその先端に設けられたヒレ部19cを有しており、このヒレ部19cを押し込むことによって固定される。
【0006】
さらに、図9に示されるように、接合モール20は意匠部20aとそこから下方に伸びる脚部20bを有しており、その底面において接着剤20cによってルーフトップパネル3に固定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7の固定クリップによる固定方法ではウインドモール21は上方へ外れ易く、また安定も悪い。図8のルーフモール19の固定方法においては、ルーフトップパネル3とルーフサイドパネル4の隙間のバラツキにより左右位置がずれ易く見栄えが悪い。図9の接合モール20の固定方法においても事情は同じである。さらに、2箇所の継ぎ目があるのも意匠的に好ましくない。
【0008】
そこで、本発明は、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールを提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかる車両用モールは、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝内と、ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内とに装着される車両用モールであって、前記車両用モールの前記ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝内に装着されるウインドモール部分と前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に装着されるルーフモール部分とは、前記車両用モールの長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状が異なっており、両部分が突き合わされる位置で前記断面形状が略同一な頭部において両部分の上面高さが一致するように溶着されて一体となり、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記ルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に前記頭部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記リテーナに、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに固定されるものである。
【0010】
このように、本発明の車両用モールにおいては、ウインドモールとルーフモールの断面形状が異なっており、頭部(意匠部)のみの断面形状が略一致している。そこで、両者が突き合わされて、断面形状が略同一な意匠部同士が上面高さが一致するように溶着されてウインドモールとルーフモールが一体とされる。そして、ウインドモール部分はルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されて、また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに固定される。
【0011】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、両者の突き合わせ部分において予め頭部同士を溶着しておくことによって接続部分が目立たず見栄えが良くなる。
【0012】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【0013】
請求項2の発明にかかる車両用モールは、請求項1の構成において、前記ウインドモールは前記ルーフモール側へ向かってその断面形状が徐変し、前記ルーフモール側端面においては前記ルーフモールの断面形状と略同一となり、前記ウインドモールと前記ルーフモールの上面高さが一致するように溶着されて一体となることを特徴とするものである。
【0014】
このように、ウインドモールの断面形状を徐変させてルーフモールとの突き合わせ部分においてはルーフモールの断面形状と略同一とすることにより、両者の全断面を溶着することができ、より強固に両者を一体化することができる。これによって、両者をまず一体化させてから接合溝へ装着する際により丈夫になり、装着がより容易になる。
【0015】
請求項3の発明にかかる車両用モールは、ウインドモール部分とルーフモール部分とからなる車両用モールであって、前記ウインドモール部分と前記ルーフモール部分とは、前記車両用モールの長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状が異なっており、前記断面形状が略同一な頭部において両部分が接続され、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記ルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に前記頭部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記リテーナに固定されるとともに前記ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に前記頭部の端部が当接し、前記リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に前記頭部の下面が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致し、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されるとともに前記棚部に前記頭部の端部が当接し、前記ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に前記脚部の中間から前記ルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致するものである。
【0016】
このように、本発明の車両用モールにおいては、ウインドモール部分とルーフモール部分の断面形状が異なっており、頭部(意匠部)のみの断面形状が略一致している。そこで、両者が突き合わされて、断面形状が略同一な意匠部同士が上面高さが一致するように溶着されてウインドモール部分とルーフモール部分が一体とされる。
【0017】
ウインドモール部分は、ルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されてリテーナに固定されることによって、ウインドモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてウインドモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に意匠部の端部が当接し、リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に意匠部の下面が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0018】
また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されることによって、ルーフモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてルーフモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルの棚部に意匠部の端部が当接し、ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に脚部の中間からルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0019】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、両者の突き合わせ部分において予め頭部同士を溶着しておくことによって接続部分が目立たず見栄えが良くなる。そして、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれもルーフサイドパネルとの隙間が一定に保たれ、かつ意匠部上面とルーフサイドパネル上面との高さが略一致することによって、ルーフサイドパネルとの面一感が損なわれず、高級乗用車にも使用することができる。
【0020】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【0021】
請求項4の発明にかかる車両用モールは、請求項3の構成において、前記ウインドモール部分は前記ルーフモール部分へ向かってその断面形状が徐変し、前記ルーフモール部分との接点においては前記ルーフモールの断面形状と略同一となり、前記ウインドモール部分は軟質樹脂で形成されるものである。
【0022】
この車両用モールはウインドモール部分とルーフモール部分が一体となって成形されたものであって、両部分の断面形状は異なるが、ウインドモール部分の断面形状がルーフモール部分へ向かって徐変して、両部分の接点において断面形状はルーフモール部分の断面形状と略一致している。したがって、両部分が接点において全断面が接続しているため接点の強度が高く、より取り扱い易い車両用モールとなる。また、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝と、ルーフトップパネルとルーフサイドパネルとの間の接合溝との製造誤差は、基本的に同一であることが望ましいが、ウインドモール部分を軟質樹脂で成形しているから、その弾性及び柔軟性により吸収できる寸法であれば良い。
【0023】
請求項5の発明にかかる車両用モールは、請求項1乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記ウインドモール及び前記ルーフモールにそれぞれ、または前記ウインドモール部分と前記ルーフモール部分に連続的に、前記接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金が充填されてなるものである。
【0024】
したがって、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝及びルーフトップパネルとルーフサイドパネルとの間の接合溝に一体に装着する場合に、その長さ方向に対して捩れが生じにくいからウインドガラスのエッジからルーフトップパネルまで意匠部の直線性を維持することができ、見栄えの良い装着が可能となる。この接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金は、所定の断面積以上であれば断面略正方形でも良いが、少なくとも断面積の小さい条件下では、接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短いことが必要となる。特に、この芯金は夏季の太陽光を浴びる酷暑条件から冬季の凍結条件に至るまでの温度差による車両用モールの熱変形を抑える作用により、長さ方向の膨張収縮を抑えることができ、車体から剥がれるのを防止することができる。
【0025】
請求項6の発明にかかる車両用モールは、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記前記ルーフサイドパネルに固定された前記リテーナとの間に前記頭部から下方に伸びた脚部が挿入されて前記脚部の下端に設けられたモール嵌合部が前記リテーナの先端に引っ掛かることで固定されるとともに前記ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に前記頭部の端部が当接し、前記リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に前記頭部の下面が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面の高さが略一致し、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されるとともに前記棚部に前記頭部の端部が当接し、前記ルーフトップパネル側に長手方向に沿って設けられた第2の棚部に前記脚部の中間から前記ルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致するものである。
【0026】
このように、ウインドモール部分は、ルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記脚部の下端に設けられたモール嵌合部が前記リテーナの先端に引っ掛かって固定されることによって、ウインドモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてウインドモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に意匠部の端部が当接し、リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に意匠部の下面が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0027】
また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されることによって、ルーフモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてルーフモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルの棚部に意匠部の端部が当接し、ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に脚部の中間からルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0028】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれもルーフサイドパネルとの隙間が一定に保たれ、かつ意匠部上面とルーフサイドパネル上面との高さが略一致することによって、ルーフサイドパネルとの面一感が損なわれず、高級乗用車にも使用することができる。
【0029】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図5を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態にかかる車両用モールを装着した実車の概観を示す斜視図である。図2は本発明の実施の形態にかかる車両用モールを装着した状態を示す部分拡大図である。図3は図2のA−A断面図であり、本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちウインドモールの断面形状を示す図である。図4は本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちウインドモールの取り付け方法を示す斜視図である。図5は図2のB−B断面図であり、本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちルーフモールの断面形状を示す図である。なお、図中、従来例で説明した符号と同一のものは、同一または相当する構成部分であることを示すものである。
【0031】
まず、本実施の形態の車両用モールの概略について、図1を参照して説明する。図1に示されるように、本実施の形態の車両用モール2は、車両1のルーフサイドパネル4とウインドガラス5との接合部の下端から伸びて、ルーフサイドパネル4とルーフトップパネル3との接合部の後端まで続いている。これによって、各接合部の溝を隠蔽して車両1の意匠性を向上させている。また、雨天時等は車両用モール2はウインドガラス5及びルーフトップパネル3の両側面に、後述するようにレインガータを形成することによって、ウインドガラス5上に溜まった雨水等が車両1の側部へ流出しないように、ルーフトップパネル3方向に案内することができる。
【0032】
次に、本実施の形態の車両用モールの詳細について、図2を参照して説明する。以下、車両1の左側の車両用モール2について説明するが、車両1の右側の車両用モールについても、左右対称になるだけで同様である。図2に示されるように、本実施の形態の車両用モール2は、ルーフサイドパネル4とウインドガラス5との接合溝に装着されるウインドモール7と、ルーフサイドパネル4とルーフトップパネル3との接合溝に装着されるルーフモール8とから構成されている。そして、ウインドモール7とルーフモール8とは突き合わせ部分6において溶着されて、一体化された後に、車両1に組み付けられる。
【0033】
次に、ウインドモール7の構造と装着の仕方について、図3の断面図を参照して説明する。ウインドモール7は、意匠部(頭部)7a及びそこから下方へ伸びた脚部7bを有し、脚部7b先端にはモール嵌合部9を有している。また、頭部7aには、ルーフサイドパネル4の長手方向に沿って設けられた棚部11に当接する端部12を有している。一方、ウインドガラス5側には頭部7aの下部から伸びたガラス圧接リップ7cが弾性力でウインドガラス5の上面を押さえ付けるとともに、ウインドモール7の取り付け構造を隠している。そして、このガラス圧接リップ7cと頭部7aのウインドガラス5側とでレインガータ25が形成されて、ウインドガラス5上に溜まった雨水等が車両の側面に流れないように堰き止めてルーフトップパネル3側へ案内する。また、頭部7aの中心付近には、接合溝26の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の真鍮製等の芯金24が紙面に垂直な方向に伸びてウインドモール7の端から端まで充填されている。
【0034】
かかる構造を有するウインドモール7の装着の手順について説明する。図4に示されるようにしてリテーナ10をルーフサイドパネル4に固定する。リテーナ10には間隔をおいて複数箇所に、長孔10aを有しルーフサイドパネル4側へ突出した固定部分10bが設けられている。この固定部分10bをルーフサイドパネル4の内面に密着させて、リベット17を長孔10a及びルーフサイドパネル4に穿設された取り付け孔18に貫通させることによってリテーナ10が固定される。
【0035】
ここで、リテーナ10とルーフサイドパネル4との間隔は、ウインドモール7の脚部7bの幅が通過できる幅に設定してある。また、ウインドモール7の脚部7bには、リテーナ10の固定部分10bが当接しないように、切り欠き16が設けられている。次に、ルーフサイドパネル4の底面に堤5aを接合しウインドガラス5をセットする。これによってウインドガラス5とルーフサイドパネル4の間の接合溝26が形成される。
【0036】
図3へ戻って、このようにしてリテーナ10が取り付けられた後に、ウインドガラス5に接着剤としての図示しないシーラントが所定の量付けられているため、ウインドガラス5の取付け時に接合溝26をシーラントが埋める。そして、ウインドモール7の脚部7bがリテーナ10とルーフサイドパネル4の間に挿入される。これによって、脚部7bの先端のモール嵌合部9がリテーナ10の下端に引っ掛かるとともに、ルーフサイドパネル4に設けられた棚部11にウインドモール7の頭部7aの端部12が当接し、リテーナ10の上端に設けられたリテーナ棚部23にウインドモール7の頭部の下面が当接して、ウインドモール7が接合溝26内に装着される。なお、ガラス圧接リップ7cは弾性変形してウインドガラス5の上面を押さえ付け、ウインドモール7の装着部分を隠蔽するとともに、上述したようにレインガータ25を形成する。また、接合溝26の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金24がウインドモール7中心部に充填されているため、挿入の容易性と装着の安定性が確保されている。
【0037】
このようにしてウインドモール7が装着されることによって、ウインドモール7がルーフサイドパネル4側に押し付けられてウインドモール7の意匠部(頭部)7a上面とルーフサイドパネル4上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネル4に長手方向に沿って設けられた棚部11に頭部の端部12が当接し、リテーナ10の上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部23に頭部7aの下面が当接することによって、ルーフサイドパネル4の上面と意匠部7aの上面の高さが略一致する。
【0038】
次に、ルーフモール8の構造と装着の仕方について、図5の断面図を参照して説明する。ルーフモール8は、意匠部(頭部)8a及びそこから下方へ伸びた脚部8bを有し、脚部8b先端には脚リップ13を有している。また、頭部8aには、ルーフサイドパネル4の長手方向に沿って設けられた棚部11に当接する端部12を有しており、さらに脚部8bの中間にルーフトップパネル3の長手方向に沿って設けられた第2の棚部15に当接する突出部14を有している。さらに、脚部8bの頭部8aよりの中心付近には、接合溝27の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の真鍮製等の芯金24が紙面に垂直な方向に伸びてルーフモール8の端から端まで充填されている。
【0039】
かかる構造を有するルーフモール8の装着の手順について説明する。まずルーフトップパネル3とルーフサイドパネル4が溶接され、これによってルーフトップパネル3とルーフサイドパネル4の間の接合溝27が形成される。そして、ルーフモール8の脚部8bが接合溝27内に挿入されると、脚部8b先端の脚リップ13がルーフトップパネル3とルーフサイドパネル4の間の接合溝27内に挟持されてルーフトップパネル3の第2の棚15の下方に設けられた負角に引っ掛かって固定される。これによって、ルーフモール8がルーフサイドパネル4側に押し付けられて、ルーフモール8の意匠部8a上面とルーフサイドパネル4上面との隙間が一定に保たれる。なお、接合溝27の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金24がルーフモール8中心部に充填されているため、挿入の容易性と装着の安定性が確保されている。
【0040】
また、ルーフサイドパネル4の棚部11に意匠部8aの端部12が当接し、ルーフトップパネル3に長手方向に沿って設けられた第2の棚部15に脚部8bの中間からルーフトップパネル3側に伸びた突出部14の先端が当接することによってルーフサイドパネル4の上面と意匠部8aの上面の高さが略一致する。
【0041】
なお、突出部14は頭部8aのルーフトップパネル3側とともにレインガータ25を形成し、雨天時等にルーフトップパネル3上に溜まった雨水等が車両1の側面に流れ落ちるのを堰き止めて、車両1の後方へ案内する。
【0042】
以上のようにして、ウインドモール7及びルーフモール8がそれぞれ接合溝26,27に装着される。ウインドモール7とルーフモール8の長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状は異なっているが、頭部7a,8aのみは略同一の断面形状を有しているので、頭部7a,8aにおいて溶着されて一体となってから装着される。頭部7a,8aの上面の高さはいずれもルーフサイドモール4の上面の高さと略一致しているので、図2に示されるように、これによって、すっきりとした外観を得ることができる。
【0043】
さらに、上述したように、ウインドモール7及びルーフモール8の意匠部7a,8aの上面とルーフサイドパネル4の上面の隙間が一定であり、かつ意匠部7a,8aの上面の高さがいずれもルーフサイドパネル4の上面の高さと略一致しているので、ルーフサイドパネル4との面一感が損なわれず、高級乗用車にも使用することができる。
【0044】
このようにして、本実施の形態の車両用モールは、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良いものとなる。
【0045】
本実施の形態においては、断面形状の異なるウインドモール7及びルーフモール8を別々に押し出し成形で成形して、頭部7a,8aを先に溶着してウインドモール7とルーフモール8を一体化してから一度に接合溝26,27に装着する例について説明した。
【0046】
また、断面形状の異なるウインドモール及びルーフモールのうちウインドモールの断面形状をルーフモール側に向かって徐変させ、ルーフモール側端面においてはルーフモールの断面形状と略同一となり、全断面を先に溶着してウインドモールとルーフモールを一体化してから一度に接合溝に装着することができる。
【0047】
さらに、断面形状の異なるウインドモールとルーフモールを断面形状の略同一な頭部において接続することによって射出成形で一体に成形し、一度に装着しても良いし、断面形状の異なるウインドモール及びルーフモールのうちウインドモールの断面形状をルーフモール側に向かって徐変させ、ルーフモールとの接点においてはルーフモールの断面形状と略同一として射出成形で一体に成形し、一度に装着することもできる。
【0048】
車両用モールのその他の部分の構成、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、本実施の形態に限定されるものではない。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明にかかる車両用モールは、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝内と、ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内とに装着される車両用モールであって、前記車両用モールの前記ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝内に装着されるウインドモール部分と前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に装着されるルーフモール部分とは、前記車両用モールの長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状が異なっており、両部分が突き合わされる位置で前記断面形状が略同一な頭部において両部分の上面高さが一致するように溶着されて一体となり、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記ルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に前記頭部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記リテーナに、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに固定されるものである。
【0050】
このように、本発明の車両用モールにおいては、ウインドモールとルーフモールの断面形状が異なっており、頭部(意匠部)のみの断面形状が略一致している。そこで、両者が突き合わされて、断面形状が略同一な意匠部同士が上面高さが一致するように溶着されてウインドモールとルーフモールが一体とされる。そして、ウインドモール部分はルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されて、また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに固定される。
【0051】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、両者の突き合わせ部分において予め頭部同士を溶着しておくことによって接続部分が目立たず見栄えが良くなる。
【0052】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【0053】
請求項2の発明にかかる車両用モールは、請求項1の構成において、前記ウインドモールは前記ルーフモール側へ向かってその断面形状が徐変し、前記ルーフモール側端面においては前記ルーフモールの断面形状と略同一となり、前記ウインドモールと前記ルーフモールの上面高さが一致するように溶着されて一体となることを特徴とするものである。
【0054】
このように、ウインドモールの断面形状を徐変させてルーフモールとの突き合わせ部分においてはルーフモールの断面形状と略同一とすることにより、両者の全断面を溶着することができ、より強固に両者を一体化することができる。これによって、両者をまず一体化させてから接合溝へ装着する際により丈夫になり、装着がより容易になる。
【0055】
請求項3の発明にかかる車両用モールは、ウインドモール部分とルーフモール部分とからなる車両用モールであって、前記ウインドモール部分と前記ルーフモール部分とは、前記車両用モールの長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状が異なっており、前記断面形状が略同一な頭部において両部分が接続され、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記ルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に前記頭部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記リテーナに固定されるとともに前記ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に前記頭部の端部が当接し、前記リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に前記頭部の下面が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致し、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されるとともに前記棚部に前記頭部の端部が当接し、前記ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に前記脚部の中間から前記ルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致するものである。
【0056】
このように、本発明の車両用モールにおいては、ウインドモール部分とルーフモール部分の断面形状が異なっており、頭部(意匠部)のみの断面形状が略一致している。そこで、両者が突き合わされて、断面形状が略同一な意匠部同士が上面高さが一致するように溶着されてウインドモール部分とルーフモール部分が一体とされる。
【0057】
ウインドモール部分は、ルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されてリテーナに固定されることによって、ウインドモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてウインドモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に意匠部の端部が当接し、リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に意匠部の下面が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0058】
また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されることによって、ルーフモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてルーフモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルの棚部に意匠部の端部が当接し、ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に脚部の中間からルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0059】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、両者の突き合わせ部分において予め頭部同士を溶着しておくことによって接続部分が目立たず見栄えが良くなる。そして、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれもルーフサイドパネルとの隙間が一定に保たれ、かつ意匠部上面とルーフサイドパネル上面との高さが略一致することによって、ルーフサイドパネルとの面一感が損なわれず、高級乗用車にも使用することができる。
【0060】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【0061】
請求項4の発明にかかる車両用モールは、請求項3の構成において、前記ウインドモール部分は前記ルーフモール部分へ向かってその断面形状が徐変し、前記ルーフモール部分との接点においては前記ルーフモールの断面形状と略同一となり、前記ウインドモール部分は軟質樹脂で形成されるものである。
【0062】
この車両用モールはウインドモール部分とルーフモール部分が一体となって成形されたものであって、両部分の断面形状は異なるが、ウインドモール部分の断面形状がルーフモール部分へ向かって徐変して、両部分の接点において断面形状はルーフモール部分の断面形状と略一致している。したがって、両部分が接点において全断面が接続しているため接点の強度が高く、より取り扱い易い車両用モールとなる。また、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝と、ルーフトップパネルとルーフサイドパネルとの間の接合溝との製造誤差は、基本的に同一であることが望ましいが、ウインドモール部分を軟質樹脂で成形しているから、その弾性及び柔軟性により吸収できる寸法であれば良い。
【0063】
請求項5の発明にかかる車両用モールは、請求項1乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記ウインドモール及び前記ルーフモールにそれぞれ、または前記ウインドモール部分と前記ルーフモール部分に連続的に、前記接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金が充填されてなるものである。
【0064】
したがって、ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝及びルーフトップパネルとルーフサイドパネルとの間の接合溝に一体に装着する場合に、その長さ方向に対して捩れが生じにくいからウインドガラスのエッジからルーフトップパネルまで意匠部の直線性を維持することができ、見栄えの良い装着が可能となる。この接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金は、所定の断面積以上であれば断面略正方形でも良いが、少なくとも断面積の小さい条件下では、接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短いことが必要となる。特に、この芯金は夏季の太陽光を浴びる酷暑条件から冬季の凍結条件に至るまでの温度差による車両用モールの熱変形を抑える作用により、長さ方向の膨張収縮を抑えることができ、車体から剥がれるのを防止することができる。
【0065】
請求項6の発明にかかる車両用モールは、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記前記ルーフサイドパネルに固定された前記リテーナとの間に前記頭部から下方に伸びた脚部が挿入されて前記脚部の下端に設けられたモール嵌合部が前記リテーナの先端に引っ掛かることで固定されるとともに前記ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に前記頭部の端部が当接し、前記リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に前記頭部の下面が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面の高さが略一致し、前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されるとともに前記棚部に前記頭部の端部が当接し、前記ルーフトップパネル側に長手方向に沿って設けられた第2の棚部に前記脚部の中間から前記ルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致するものである。
【0066】
このように、ウインドモール部分は、ルーフサイドパネルとルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に意匠部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記脚部の下端に設けられたモール嵌合部が前記リテーナの先端に引っ掛かって固定されることによって、ウインドモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてウインドモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に意匠部の端部が当接し、リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に意匠部の下面が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0067】
また、ルーフモール部分は意匠部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップがルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されてルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されることによって、ルーフモール部分がルーフサイドパネル側に押し付けられてルーフモール部分の意匠部上面とルーフサイドパネル上面との隙間が一定に保たれる。そして、ルーフサイドパネルの棚部に意匠部の端部が当接し、ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に脚部の中間からルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによってルーフサイドパネルの上面と意匠部の上面の高さが略一致する。
【0068】
この結果、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれも接合溝への装着が容易で、一度取り付けたら容易に外れることはなく、ウインドモール部分、ルーフモール部分いずれもルーフサイドパネルとの隙間が一定に保たれ、かつ意匠部上面とルーフサイドパネル上面との高さが略一致することによって、ルーフサイドパネルとの面一感が損なわれず、高級乗用車にも使用することができる。
【0069】
このようにして、装着し易く、かつ容易に外れることがなく、さらに意匠的にも見栄えの良い車両用モールとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる車両用モールを装着した実車の概観を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかる車両用モールを装着した状態を示す部分拡大図である。
【図3】図3は図2のA−A断面図であり、本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちウインドモールの断面形状を示す図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちウインドモールの取り付け方法を示す斜視図である。
【図5】図5は図2のB−B断面図であり、本発明の実施の形態にかかる車両用モールのうちルーフモールの断面形状を示す図である。
【図6】図6は従来のウインドモールとルーフモールを車両に取り付けた状態の部分拡大図である。
【図7】図7は図6のC−C断面を示したもので従来のウインドモールをウインドガラスとルーフサイドパネルの間の接合溝に取り付けた状態を示す断面図である。
【図8】図8は図6のD−D断面を示したもので従来のルーフモールをルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝に取り付けた状態を示す断面図である。
【図9】図9は図6のE−E断面を示したもので従来のウインドモールとルーフモールの間に接合用モールを取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2 車両用モール
3 ルーフトップパネル
4 ルーフサイドパネル
5 ウインドガラス
7 ウインドモール
7a,8a 頭部
7b,8b 脚部
7c ガラス圧接リップ
8 ルーフモール
9 モール嵌合部
10 リテーナ
11 棚部
12 頭部の端部
13 脚リップ
14 突出部
15 第2の棚部
23 リテーナ棚部
24 芯金
26 ウインドガラスとルーフサイドパネルの間の接合溝
27 ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの接合溝
Claims (6)
- ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝内と、ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内とに装着される車両用モールであって、
前記車両用モールの前記ウインドガラスとルーフサイドパネルとの間の接合溝内に装着されるウインドモール部分と前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に装着されるルーフモール部分とは、前記車両用モールの長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状が異なっており、両部分が突き合わされる位置で前記断面形状が略同一な頭部において両部分の上面高さが一致するように溶着されて一体となり、
前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記ルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に前記頭部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記リテーナに、
前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに固定されることを特徴とする車両用モール。 - 前記ウインドモールは前記ルーフモール側へ向かってその断面形状が徐変し、前記ルーフモール側端面においては前記ルーフモールの断面形状と略同一となり、前記ウインドモールと前記ルーフモールの上面高さが一致するように溶着されて一体となることを特徴とする請求項1に記載の車両用モール。
- ウインドモール部分とルーフモール部分とからなる車両用モールであって、
前記ウインドモール部分と前記ルーフモール部分とは、前記車両用モールの長さ方向に垂直に切断した断面の断面形状が異なっており、前記断面形状が略同一な頭部において両部分が接続され、
前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記ルーフサイドパネルに固定されたリテーナとの間に前記頭部から下方へ伸びた脚部が挿入されて前記リテーナに固定されるとともに前記ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に前記頭部の端部が当接し、前記リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に前記頭部の下面が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致し、
前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されるとともに前記棚部に前記頭部の端部が当接し、前記ルーフトップパネルに長手方向に沿って設けられた第2の棚部に前記脚部の中間から前記ルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致することを特徴とする車両用モール。 - 前記ウインドモール部分は前記ルーフモール部分へ向かってその断面形状が徐変し、前記ルーフモール部分との接点においては前記ルーフモールの断面形状と略同一となり、前記ウインドモール部分は軟質樹脂で形成されることを特徴とする請求項3に記載の車両用モール。
- 前記ウインドモール及び前記ルーフモールにそれぞれ、または前記ウインドモール部分と前記ルーフモール部分に連続的に、前記接合溝の幅方向に長く、その深さ方向に短い断面略長方形の芯金が充填されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の車両用モール。
- 前記ウインドモール部分は、前記ルーフサイドパネルと前記前記ルーフサイドパネルに固定された前記リテーナとの間に前記頭部から下方に伸びた脚部が挿入されて前記脚部の下端に設けられたモール嵌合部が前記リテーナの先端に引っ掛かることで固定されるとともに前記ルーフサイドパネルに長手方向に沿って設けられた棚部に前記頭部の端部が当接し、前記リテーナの上端に長手方向に沿って設けられたリテーナ棚部に前記頭部の下面が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面の高さが略一致し、
前記ルーフモール部分は、前記頭部から下方へ伸びた脚部の先端に設けられた脚リップが前記ルーフトップパネルとルーフサイドパネルの間の接合溝内に挟持されて前記ルーフトップパネルに設けられた負角に引っ掛かって固定されるとともに前記棚部に前記頭部の端部が当接し、前記ルーフトップパネル側に長手方向に沿って設けられた第2の棚部に前記脚部の中間から前記ルーフトップパネル側に伸びた突出部の先端が当接することによって前記ルーフサイドパネルの上面と前記頭部の上面の高さが略一致することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の車両用モール。
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007137748A (ja) * | 2005-11-22 | 2007-06-07 | Asahi Glass Co Ltd | 塗布膜付きガラス板及びその製造方法 |
JP2016527142A (ja) * | 2013-08-01 | 2016-09-08 | サン−ゴバン グラス フランス | 成形ジョイントおよびトリムを備えたグレージング、トリム、ならびにグレージングの製造方法 |
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CN112440892A (zh) * | 2019-08-30 | 2021-03-05 | 比亚迪股份有限公司 | 挡风玻璃装饰条和车辆 |
-
2002
- 2002-10-17 JP JP2002303479A patent/JP2004136792A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007137748A (ja) * | 2005-11-22 | 2007-06-07 | Asahi Glass Co Ltd | 塗布膜付きガラス板及びその製造方法 |
JP2016527142A (ja) * | 2013-08-01 | 2016-09-08 | サン−ゴバン グラス フランス | 成形ジョイントおよびトリムを備えたグレージング、トリム、ならびにグレージングの製造方法 |
DE102018117241A1 (de) | 2017-07-18 | 2019-01-24 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fahrzeugaußenstruktur |
US10589610B2 (en) | 2017-07-18 | 2020-03-17 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle exterior structure |
CN112440892A (zh) * | 2019-08-30 | 2021-03-05 | 比亚迪股份有限公司 | 挡风玻璃装饰条和车辆 |
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