JP2004136745A - 牽引フックの取付手段及び牽引フックの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の前面衝突時において、衝突荷重を効率的に吸収することができ、ボルト本数を削減することができる牽引フックの取付手段及び牽引フックの取付部構造を提供する。
【解決手段】一端側が車両前端部のサイドメンバー14に結合され、車両前方に向けて延びる第1の筒状部材18と、第1の筒状部材18の他端側に、車両前方向には不動で車両後方向に摺動可能に取り付けられた第2の筒状部材19とから構成される牽引フックの取付手段17である。
【選択図】 図2
【解決手段】一端側が車両前端部のサイドメンバー14に結合され、車両前方に向けて延びる第1の筒状部材18と、第1の筒状部材18の他端側に、車両前方向には不動で車両後方向に摺動可能に取り付けられた第2の筒状部材19とから構成される牽引フックの取付手段17である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、牽引フックの取付手段及び牽引フックの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、牽引フックは、車体前部に車両前後方向に沿って配設されたサイドメンバーの前端にアーマチャーとアーマチャーステーを介して取り付けられている。即ち、サイドメンバーの前端にアーマチャー及びアーマチャーステーを把持し、該アーマチャーの前端にメネジを切り、このメネジ部に牽引フックの後端部を螺合させることによって、牽引フックを車体に取り付けている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−53066号公報(図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の牽引フックの取付手段によっては、車両の前面衝突時において、衝突荷重が牽引フックからアーマチャー及びアーマチャーステーを介してそのままサイドメンバーに入力するという問題があった。また、牽引フックの取付強度を向上させるためにボルトを多く用いなければならなかった。
【0005】
そこで、本発明は、車両の前面衝突時において、衝突荷重を効率的に吸収することができ、少ないボルト本数で取付強度を保持することができる牽引フックの取付手段及び牽引フックの取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、一端側が車両前端部の車体部材に結合され、車両前方に向けて延びる第1の筒状部材と、該第1の筒状部材の他端側に、車両前方向には不動で車両後方向に摺動可能に取り付けられた牽引フック取付部材とから構成されることを特徴とする牽引フックの取付手段である。この車体部材は、例えば車両前部に配設されるサイドメンバー等である。
【0007】
また、請求項2に係る発明では、前記牽引フック取付部材が、その車両後方側の端部が第1の筒状部材の他端側に嵌合されて、その車両前方側の端部が第1の筒状部材から車両前方に向けて突出してその先端に牽引フックが取り付けられる第2の筒状部材であることを特徴とする。
【0008】
さらに、請求項3に係る発明では、前記第2の筒状部材の車両前方側の端部に、牽引フックが螺合するフック締結部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
そして、請求項4に係る発明では、前記第1の筒状部材の一端側には、車体部材に螺合される車体締結部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
そして、請求項5に係る発明では、前記第1の筒状部材と第2の筒状部材とは、その軸周りに相対的に不動の状態で嵌合され、かつ、第2の筒状部材の車両前方側の端部のフック締結部には、前記第1の筒状部材の一端側の車体締結部に車体への締結作業時に回動力が付与される工具結合部が形成されていることを特徴とする。このフック締結部を例えば六角ナットとすれば、慣用の工具を用いて六角ナットを回動させることにより、第1の筒状部材を車体部材に締結することができる。
【0011】
また、請求項6に係る発明では、前記牽引フック取付部材を第1の筒状部材に対して車両後方向に所定の摺動抵抗をもって摺動自在に構成したことを特徴とする。牽引フック取付部材を第1の筒状部材に嵌合し、この嵌合代を適宜変更することによって、所望の摺動抵抗を得ることができる。
【0012】
そして、請求項7に係る発明では、前記第2の筒状部材は、第1の筒状部材の他端側の内部に嵌合され、前記第1の筒状部材の他端側に径方向へ突出した抜止部を設け、前記第2の筒状部材の車両後方側の端部に、前記抜止部に係止可能な係止部を設けたことを特徴とする。この係止部が抜止部に係止されることによって、第2の筒状部材が車両前方側には不動で、車両後方側にのみ摺動可能に構成されている。
【0013】
なお、請求項8に係る発明は、車両前端部の車体部材に、牽引フックの取付手段を介して牽引フックが固定される牽引フックの取付構造であって、前記車体部材と取付手段との間に車体構成部材を介在させ、これらの車体部材と取付手段とによって前記車体構成部材を挟持したことを特徴とする牽引フックの取付構造である。この車体構成部材としては、例えば、ラジエータコアサポートやバンパーアーマチャー等がある。
【0014】
【発明の効果】
前記請求項1に記載された発明によれば、車両の前面衝突時には牽引フック取付部材から車体部材に衝突荷重が入力されるが、牽引フック取付部材が車両後方へ摺動し衝突荷重の吸収を阻害することがない。
【0015】
前記請求項2に記載された発明によれば、車体部材と牽引フック先端とが離れたものであっても適用することができる。また、取り付ける牽引フックの長さを小さいものとすることができる。
【0016】
前記請求項3に記載された発明によれば、牽引フックを第2の筒状部材に対して着脱可能にすることができる。
【0017】
前記請求項4に記載された発明によれば、第1の筒状部材を車体部材に対して着脱可能にすることができる。
【0018】
前記請求項5に記載された発明によれば、第2の筒状部材の先端を回動させることによって第1の筒状部材を着脱可能にすることができる。
【0019】
前記請求項6に記載された発明によれば、第2の筒状部材と第1の筒状部材間の摺動抵抗を調整することにより、アイボルトの取付けが可能となり、また、衝突時には第2の筒状部材が車両後方へ摺動することで、アーマチャー等による衝突荷重の吸収を阻害することなく、衝突荷重を効率的に吸収することができる。前記請求項7に記載された発明によれば、第2の筒状部材が第1の筒状部材に外嵌するものに比べ、先端の牽引フック取付部も第1の筒状部材の中に収めることが可能となるため、第2の筒状部材の後方への移動量を大きくとることができる。
【0020】
前記請求項8に記載された発明によれば、ラジエータコアサポートやバンパーアーマチャー等の車体構成部材を挟持することができるため、締結具の大幅な削減及び車体構成部材の取付作業工数の大幅な低減を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図5は、本発明の第1実施形態による牽引フックの取付手段を示している。
【0023】
図1は、第1実施形態による牽引フックの取付手段を配設した車両10を示している。車両前端部のバンパーフェイシア11には略矩形状の開口部12が左右に形成されており、牽引時において開口部12を覆うカバー(図示せず)を外した状態で牽引フック13,13がそれぞれの開口部12,12から突出して設けられている。なお、通常は、牽引フック13のみ別に車載されて、牽引時に開口部12から挿入して取り付ける。
【0024】
図1のA−A線による拡大断面図を図2に示す。車体部材であるサイドメンバー14が車両前方に向けて配設され、このサイドメンバー14の前端には、メネジが形成された取付穴15が設けられている。一方、車両前端には樹脂製のバンパーフェイシア16が配置され、該バンパーフェイシア16には前記開口部12が形成されている。
【0025】
前記サイドメンバー14の前端には、第1実施形態による牽引フックの取付手段17が設けられている。該牽引フックの取付手段17は、サイドメンバー14に取り付けられた第1の筒状部材18と、該第1の筒状部材18に組み付けられた牽引フック取付部材である第2の筒状部材19とから構成される。
【0026】
前記第1の筒状部材18は、筒状本体部20の一端側に車体締結部であるボルト21が固定され、他端側に抜止部22が形成されている。筒状本体部20は、図3に示すように、その一端側から他端側に至る全長に亘って断面正六角形状に形成されている。また、前記抜止部22は、筒状本体部20の他端を全周に亘り径方向内方に向けて縮管させることによって形成しており、23はアーク溶接部を示す。このようにアーク溶接等の慣用の固定手段によってボルト21を筒状本体部20に固定することができる。
【0027】
また、前記第2の筒状部材19は、第1の筒状部材18に組み付けられた筒状本体部24と該筒状本体部24の車両前方側の端部にアーク溶接によって固定されたフック締結部である六角ナット25とによって構成されている。該六角ナット25は、後部26が第2の筒状部材19の前端部に嵌合されて内側にメネジが形成されており、前部27が拡管部に形成され、該拡管部が筒状本体部24の前端に溶接されて固定されている。この筒状本体部24も、図4に示すように、断面正六角形状に形成されているが、図3の正六角形よりも小さい径に形成されている。図5に示すように、六角ナット25の拡管部の外面も正六角形状であり、第2の筒状部材19における筒状本体部24の外面と同じ径の大きさに形成されている。また、筒状本体部24の車両後方側の端部には、筒状本体部24よりも径が拡大した係止部28が形成されている。この係止部28及び前記抜止部22の双方とも、断面六角形状に形成されているため、第2の筒状部材19を車両前方側に引っ張って係止部28を抜止部22に当接させると、六角形の各辺同士が係合するため、確実に回り止めの効果を有する。
【0028】
そして、牽引フック13は前部がリング状のフック部30に形成され、後部にはオネジが形成された取付部31が設けられている。この牽引フック13は、取付部31が六角ナット25のメネジ部に螺合して固定されるように構成されている。なお、第2の筒状部材19の係止部28の先端28aは、第1の筒状部材18における筒状本体部20の内面20aに嵌合されているため、第2の筒状部材19に車両後方への荷重が入力されると、係止部先端28aが第1の筒状部材18の内面20aを所定の摺動抵抗を受けながら、車両後方に摺動する。
【0029】
以上の構成を有する第1実施形態による牽引フックの取付手段17を取り付けるには、サイドメンバー14の前端に形成された取付穴15にボルト21を螺合させて牽引フックの取付手段17を車体側に固定する。そして、牽引作業が必要となった時にバンパフェイシア16の開口部12を覆っていたカバー(図示せず)を外し、この開口部12から六角ナット25の先端を臨ませたのち、この取付手段17の前端に配設された六角ナット25に、別に車載されていた牽引フック13を螺合させる。
【0030】
前述したように、フック締結部である六角ナット25は正六角形状の工具結合部に形成され、前記係止部28と抜止部22とは確実に係合しているため、締結工具を用いて六角ナットを回動させると、この回動力が第2の筒状部材19から第1の筒状部材18のボルト21に伝達され、該ボルト21がサイドメンバー14の取付穴15に確実に螺合する。また、開口部12は、取付手段17(第1、第2の筒状部材18,19)が入る程度の大きさとされている。
【0031】
次いで、第2の実施形態による牽引フックの取付手段37を図6を用いて説明する。なお、前記第1の実施形態と同じ部位には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0032】
第2実施形態による牽引フックの取付手段37は、前記第1実施形態に比較して、牽引フックの取付部材が異なっている。第2の実施形態による牽引フックの取付部材38は、軸方向の長さが短い、一体に形成された部材である。後部は拡管された係止部48に形成され、前部47の内面にはメネジが形成されている。また、牽引フックの取付部材38が第1実施形態の場合よりも短いため、長いタイプの牽引フック49を用いている。なお、牽引フック49の前端はバンパーフェイシア16の開口部12’から突出しておらず、開口部12’にはリッド50が脱着自在に配設されている。従って、牽引フック49を使用するときだけリッド50を外し、通常時はリッド50で開口部12’を塞ぐことによって、車両外観の見栄え向上を図ることができる。なお、第1実施形態の開口部12に比べ、本実施形態では、フック49のリング部49’にアクセスできるように開口部12’は大きくなっている。
【0033】
なお、第3実施形態による牽引フックの取付部構造では、図7に示すように、サイドメンバー14と牽引フックの取付手段17との間に、ラジエータコアサポート51及びバンパーアーマチャー52が配置され、サイドメンバー14と牽引フックの取付手段17とによって挟持されている。これらのラジエータコアサポート51及びバンパーアーマチャー52の双方には、同一径の取付孔53,54が穿設されている。
【0034】
本実施形態では、まず、ラジエータコアサポート51とバンパーアーマチャー52をそれぞれの取付孔53,54を合致させた状態でサイドメンバー14に当接させ、前記取付孔53,54に牽引フックの取付手段17のボルト21を挿入する。次いで、第2の筒状部材19の六角ナット25を工具を用いて回動させることによって、前記ボルト21をサイドメンバー14の取付穴15に螺合させて、ラジエータコアサポート51とバンパーアーマチャー52を挟持する。なお、ラジエータコアサポート51あるいはバンパーアーマチャー52のいずれか一方のみ取付手段17のボルトで挟持しても良い。
【0035】
以上述べたように、本発明に係る牽引フックの取付手段及び牽引フックの取付部構造は、前記実施形態に例をとって説明したが、勿論、この実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による牽引フックの取付手段を適用した車両の前端部を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線による拡大断面図である。
【図3】図2のB−B線による断面図である。
【図4】図2のC−C線による断面図である。
【図5】図2のD方向から見た正面図である。
【図6】第2実施形態による牽引フックの取付手段を配設した車両前端部の断面図である。
【図7】第3実施形態による牽引フックの取付部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
13,49 牽引フック
14 サイドメンバー(車体部材)
18 第1の筒状部材
19 第2の筒状部材(牽引フック取付部材)
21 ボルト(車体締結部)
25 六角ナット(牽引フック締結部)
37 牽引フックの取付手段
38 牽引フック取付部材
51 ラジエータコアサポート(車体構成部材)
52 バンパーアーマチャー(車体構成部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、牽引フックの取付手段及び牽引フックの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、牽引フックは、車体前部に車両前後方向に沿って配設されたサイドメンバーの前端にアーマチャーとアーマチャーステーを介して取り付けられている。即ち、サイドメンバーの前端にアーマチャー及びアーマチャーステーを把持し、該アーマチャーの前端にメネジを切り、このメネジ部に牽引フックの後端部を螺合させることによって、牽引フックを車体に取り付けている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−53066号公報(図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の牽引フックの取付手段によっては、車両の前面衝突時において、衝突荷重が牽引フックからアーマチャー及びアーマチャーステーを介してそのままサイドメンバーに入力するという問題があった。また、牽引フックの取付強度を向上させるためにボルトを多く用いなければならなかった。
【0005】
そこで、本発明は、車両の前面衝突時において、衝突荷重を効率的に吸収することができ、少ないボルト本数で取付強度を保持することができる牽引フックの取付手段及び牽引フックの取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、一端側が車両前端部の車体部材に結合され、車両前方に向けて延びる第1の筒状部材と、該第1の筒状部材の他端側に、車両前方向には不動で車両後方向に摺動可能に取り付けられた牽引フック取付部材とから構成されることを特徴とする牽引フックの取付手段である。この車体部材は、例えば車両前部に配設されるサイドメンバー等である。
【0007】
また、請求項2に係る発明では、前記牽引フック取付部材が、その車両後方側の端部が第1の筒状部材の他端側に嵌合されて、その車両前方側の端部が第1の筒状部材から車両前方に向けて突出してその先端に牽引フックが取り付けられる第2の筒状部材であることを特徴とする。
【0008】
さらに、請求項3に係る発明では、前記第2の筒状部材の車両前方側の端部に、牽引フックが螺合するフック締結部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
そして、請求項4に係る発明では、前記第1の筒状部材の一端側には、車体部材に螺合される車体締結部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
そして、請求項5に係る発明では、前記第1の筒状部材と第2の筒状部材とは、その軸周りに相対的に不動の状態で嵌合され、かつ、第2の筒状部材の車両前方側の端部のフック締結部には、前記第1の筒状部材の一端側の車体締結部に車体への締結作業時に回動力が付与される工具結合部が形成されていることを特徴とする。このフック締結部を例えば六角ナットとすれば、慣用の工具を用いて六角ナットを回動させることにより、第1の筒状部材を車体部材に締結することができる。
【0011】
また、請求項6に係る発明では、前記牽引フック取付部材を第1の筒状部材に対して車両後方向に所定の摺動抵抗をもって摺動自在に構成したことを特徴とする。牽引フック取付部材を第1の筒状部材に嵌合し、この嵌合代を適宜変更することによって、所望の摺動抵抗を得ることができる。
【0012】
そして、請求項7に係る発明では、前記第2の筒状部材は、第1の筒状部材の他端側の内部に嵌合され、前記第1の筒状部材の他端側に径方向へ突出した抜止部を設け、前記第2の筒状部材の車両後方側の端部に、前記抜止部に係止可能な係止部を設けたことを特徴とする。この係止部が抜止部に係止されることによって、第2の筒状部材が車両前方側には不動で、車両後方側にのみ摺動可能に構成されている。
【0013】
なお、請求項8に係る発明は、車両前端部の車体部材に、牽引フックの取付手段を介して牽引フックが固定される牽引フックの取付構造であって、前記車体部材と取付手段との間に車体構成部材を介在させ、これらの車体部材と取付手段とによって前記車体構成部材を挟持したことを特徴とする牽引フックの取付構造である。この車体構成部材としては、例えば、ラジエータコアサポートやバンパーアーマチャー等がある。
【0014】
【発明の効果】
前記請求項1に記載された発明によれば、車両の前面衝突時には牽引フック取付部材から車体部材に衝突荷重が入力されるが、牽引フック取付部材が車両後方へ摺動し衝突荷重の吸収を阻害することがない。
【0015】
前記請求項2に記載された発明によれば、車体部材と牽引フック先端とが離れたものであっても適用することができる。また、取り付ける牽引フックの長さを小さいものとすることができる。
【0016】
前記請求項3に記載された発明によれば、牽引フックを第2の筒状部材に対して着脱可能にすることができる。
【0017】
前記請求項4に記載された発明によれば、第1の筒状部材を車体部材に対して着脱可能にすることができる。
【0018】
前記請求項5に記載された発明によれば、第2の筒状部材の先端を回動させることによって第1の筒状部材を着脱可能にすることができる。
【0019】
前記請求項6に記載された発明によれば、第2の筒状部材と第1の筒状部材間の摺動抵抗を調整することにより、アイボルトの取付けが可能となり、また、衝突時には第2の筒状部材が車両後方へ摺動することで、アーマチャー等による衝突荷重の吸収を阻害することなく、衝突荷重を効率的に吸収することができる。前記請求項7に記載された発明によれば、第2の筒状部材が第1の筒状部材に外嵌するものに比べ、先端の牽引フック取付部も第1の筒状部材の中に収めることが可能となるため、第2の筒状部材の後方への移動量を大きくとることができる。
【0020】
前記請求項8に記載された発明によれば、ラジエータコアサポートやバンパーアーマチャー等の車体構成部材を挟持することができるため、締結具の大幅な削減及び車体構成部材の取付作業工数の大幅な低減を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図5は、本発明の第1実施形態による牽引フックの取付手段を示している。
【0023】
図1は、第1実施形態による牽引フックの取付手段を配設した車両10を示している。車両前端部のバンパーフェイシア11には略矩形状の開口部12が左右に形成されており、牽引時において開口部12を覆うカバー(図示せず)を外した状態で牽引フック13,13がそれぞれの開口部12,12から突出して設けられている。なお、通常は、牽引フック13のみ別に車載されて、牽引時に開口部12から挿入して取り付ける。
【0024】
図1のA−A線による拡大断面図を図2に示す。車体部材であるサイドメンバー14が車両前方に向けて配設され、このサイドメンバー14の前端には、メネジが形成された取付穴15が設けられている。一方、車両前端には樹脂製のバンパーフェイシア16が配置され、該バンパーフェイシア16には前記開口部12が形成されている。
【0025】
前記サイドメンバー14の前端には、第1実施形態による牽引フックの取付手段17が設けられている。該牽引フックの取付手段17は、サイドメンバー14に取り付けられた第1の筒状部材18と、該第1の筒状部材18に組み付けられた牽引フック取付部材である第2の筒状部材19とから構成される。
【0026】
前記第1の筒状部材18は、筒状本体部20の一端側に車体締結部であるボルト21が固定され、他端側に抜止部22が形成されている。筒状本体部20は、図3に示すように、その一端側から他端側に至る全長に亘って断面正六角形状に形成されている。また、前記抜止部22は、筒状本体部20の他端を全周に亘り径方向内方に向けて縮管させることによって形成しており、23はアーク溶接部を示す。このようにアーク溶接等の慣用の固定手段によってボルト21を筒状本体部20に固定することができる。
【0027】
また、前記第2の筒状部材19は、第1の筒状部材18に組み付けられた筒状本体部24と該筒状本体部24の車両前方側の端部にアーク溶接によって固定されたフック締結部である六角ナット25とによって構成されている。該六角ナット25は、後部26が第2の筒状部材19の前端部に嵌合されて内側にメネジが形成されており、前部27が拡管部に形成され、該拡管部が筒状本体部24の前端に溶接されて固定されている。この筒状本体部24も、図4に示すように、断面正六角形状に形成されているが、図3の正六角形よりも小さい径に形成されている。図5に示すように、六角ナット25の拡管部の外面も正六角形状であり、第2の筒状部材19における筒状本体部24の外面と同じ径の大きさに形成されている。また、筒状本体部24の車両後方側の端部には、筒状本体部24よりも径が拡大した係止部28が形成されている。この係止部28及び前記抜止部22の双方とも、断面六角形状に形成されているため、第2の筒状部材19を車両前方側に引っ張って係止部28を抜止部22に当接させると、六角形の各辺同士が係合するため、確実に回り止めの効果を有する。
【0028】
そして、牽引フック13は前部がリング状のフック部30に形成され、後部にはオネジが形成された取付部31が設けられている。この牽引フック13は、取付部31が六角ナット25のメネジ部に螺合して固定されるように構成されている。なお、第2の筒状部材19の係止部28の先端28aは、第1の筒状部材18における筒状本体部20の内面20aに嵌合されているため、第2の筒状部材19に車両後方への荷重が入力されると、係止部先端28aが第1の筒状部材18の内面20aを所定の摺動抵抗を受けながら、車両後方に摺動する。
【0029】
以上の構成を有する第1実施形態による牽引フックの取付手段17を取り付けるには、サイドメンバー14の前端に形成された取付穴15にボルト21を螺合させて牽引フックの取付手段17を車体側に固定する。そして、牽引作業が必要となった時にバンパフェイシア16の開口部12を覆っていたカバー(図示せず)を外し、この開口部12から六角ナット25の先端を臨ませたのち、この取付手段17の前端に配設された六角ナット25に、別に車載されていた牽引フック13を螺合させる。
【0030】
前述したように、フック締結部である六角ナット25は正六角形状の工具結合部に形成され、前記係止部28と抜止部22とは確実に係合しているため、締結工具を用いて六角ナットを回動させると、この回動力が第2の筒状部材19から第1の筒状部材18のボルト21に伝達され、該ボルト21がサイドメンバー14の取付穴15に確実に螺合する。また、開口部12は、取付手段17(第1、第2の筒状部材18,19)が入る程度の大きさとされている。
【0031】
次いで、第2の実施形態による牽引フックの取付手段37を図6を用いて説明する。なお、前記第1の実施形態と同じ部位には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0032】
第2実施形態による牽引フックの取付手段37は、前記第1実施形態に比較して、牽引フックの取付部材が異なっている。第2の実施形態による牽引フックの取付部材38は、軸方向の長さが短い、一体に形成された部材である。後部は拡管された係止部48に形成され、前部47の内面にはメネジが形成されている。また、牽引フックの取付部材38が第1実施形態の場合よりも短いため、長いタイプの牽引フック49を用いている。なお、牽引フック49の前端はバンパーフェイシア16の開口部12’から突出しておらず、開口部12’にはリッド50が脱着自在に配設されている。従って、牽引フック49を使用するときだけリッド50を外し、通常時はリッド50で開口部12’を塞ぐことによって、車両外観の見栄え向上を図ることができる。なお、第1実施形態の開口部12に比べ、本実施形態では、フック49のリング部49’にアクセスできるように開口部12’は大きくなっている。
【0033】
なお、第3実施形態による牽引フックの取付部構造では、図7に示すように、サイドメンバー14と牽引フックの取付手段17との間に、ラジエータコアサポート51及びバンパーアーマチャー52が配置され、サイドメンバー14と牽引フックの取付手段17とによって挟持されている。これらのラジエータコアサポート51及びバンパーアーマチャー52の双方には、同一径の取付孔53,54が穿設されている。
【0034】
本実施形態では、まず、ラジエータコアサポート51とバンパーアーマチャー52をそれぞれの取付孔53,54を合致させた状態でサイドメンバー14に当接させ、前記取付孔53,54に牽引フックの取付手段17のボルト21を挿入する。次いで、第2の筒状部材19の六角ナット25を工具を用いて回動させることによって、前記ボルト21をサイドメンバー14の取付穴15に螺合させて、ラジエータコアサポート51とバンパーアーマチャー52を挟持する。なお、ラジエータコアサポート51あるいはバンパーアーマチャー52のいずれか一方のみ取付手段17のボルトで挟持しても良い。
【0035】
以上述べたように、本発明に係る牽引フックの取付手段及び牽引フックの取付部構造は、前記実施形態に例をとって説明したが、勿論、この実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による牽引フックの取付手段を適用した車両の前端部を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線による拡大断面図である。
【図3】図2のB−B線による断面図である。
【図4】図2のC−C線による断面図である。
【図5】図2のD方向から見た正面図である。
【図6】第2実施形態による牽引フックの取付手段を配設した車両前端部の断面図である。
【図7】第3実施形態による牽引フックの取付部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
13,49 牽引フック
14 サイドメンバー(車体部材)
18 第1の筒状部材
19 第2の筒状部材(牽引フック取付部材)
21 ボルト(車体締結部)
25 六角ナット(牽引フック締結部)
37 牽引フックの取付手段
38 牽引フック取付部材
51 ラジエータコアサポート(車体構成部材)
52 バンパーアーマチャー(車体構成部材)
Claims (8)
- 一端側が車両前端部の車体部材(14)に結合され、車両前方に向けて延びる第1の筒状部材(18)と、該第1の筒状部材(18)の他端側に、車両前方向には不動で車両後方向に摺動可能に取り付けられた牽引フック取付部材(19,38)とから構成されることを特徴とする牽引フックの取付手段。
- 前記牽引フック取付部材(19,38)は、その車両後方側の端部が第1の筒状部材(18)の他端側に嵌合されて、その車両前方側の端部が第1の筒状部材(18)から車両前方に向けて突出してその先端に牽引フック(13)が取り付けられる第2の筒状部材(19)とされていることを特徴とする請求項1に記載の牽引フックの取付手段。
- 前記第2の筒状部材(19)の車両前方側の端部に、牽引フック(13)が螺合するフック締結部(25)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の牽引フックの取付手段。
- 前記第1の筒状部材(18)の一端側には、車体部材(14)に螺合される車体締結部(21)が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の牽引フックの取付手段。
- 前記第1の筒状部材(18)と第2の筒状部材(19)とは、その軸周りに相対的に不動の状態で嵌合され、かつ、第2の筒状部材(19)の車両前方側の端部のフック締結部(25)には、前記第1の筒状部材(18)の一端側の車体締結部(21)に車体への締結作業時に回動力が付与される工具結合部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の牽引フックの取付手段。
- 前記牽引フック取付部材(19,38)を第1の筒状部材(18)に対して車両後方向に所定の摺動抵抗をもって摺動自在に構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の牽引フックの取付手段。
- 前記第2の筒状部材(19)は、第1の筒状部材(18)の他端側の内部に嵌合され、前記第1の筒状部材(18)の他端側に径方向へ突出した抜止部(22)を設け、前記第2の筒状部材(19)の車両後方側の端部に、前記抜止部(22)に係止可能な係止部(28)を設けたことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の牽引フックの取付手段。
- 車両前端部の車体部材(14)に取付手段(17,37)を介して牽引フック(13,49)が固定される牽引フックの取付構造であって、前記車体部材(14)と取付手段(17,37)との間に車体構成部材(51,52)を介在させ、これらの車体部材(14)と取付手段(17,37)とによって前記車体構成部材(51,52)を挟持したことを特徴とする牽引フックの取付構造。
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