JP2004136283A - 浸透性吸水防止層の形成方法 - Google Patents

浸透性吸水防止層の形成方法 Download PDF

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和田 純治
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Abstract

【課題】セメント系基材に対して適用することで、基材内部での撥水層形成と、基材表面での皮膜形成とを同時に行うことができるとともに、塗装を行う際の重ね塗り部のハジキを防止し、作業性が良好で、優れた仕上り性を有し、美麗な外観を得ることができる吸水防止性組成物を用いた吸水防止層の形成方法を得る。
【解決手段】アクリル系合成樹脂エマルションを固形分換算で100重量部に対し、シラン系浸透性吸水防止材を固形分換算で30〜400重量部、溶解性パラメータ(SP値)8.5以上、かつ水に対する溶解度20wt%以上の有機溶剤を5〜50重量部含有する浸透性吸水防止材含有組成物を塗布することを特徴とする浸透性吸水防止層の形成方法。
【選択図】なし

Description

 本発明は、コンクリート、セメントモルタル、セメント系二次製品等のセメント系基材を保護するために使用する水性の浸透性吸水防止材含有組成物を用いた浸透性吸水防止層の形成方法に関するものである。
 従来、建築物や土木構造物等の躯体として用いられているコンクリート、セメントモルタル、セメント系二次製品等のセメント系基材に、吸水防止性を付与し、耐久性を向上させる方法として、シラン系化合物を主成分とする溶剤系の浸透性吸水防止材を塗付する方法が広く用いられている。
 浸透性吸水防止材は、コンクリート、セメントモルタル、セメント系二次製品等のセメント系基材の中に深く浸透して撥水層を形成し、外部からの水や炭酸ガス等の浸入を遮断することで基材の中性化による強度低下を防止し、さらに駆体内部に存在する鉄骨あるいは鉄筋の腐食を抑制する効果を発揮する。また、基材内部のカルシウム成分の移行による基材表層でのエフロレッセンス発生を防止することもできる。このような浸透性吸水防止材を基材に塗付した後、塗膜形成性を有する溶剤系樹脂塗料を塗付することで、さらに耐久性を向上させることも行われている。
 しかし近年、周辺環境や作業衛生への配慮から、このような材料においても水性化の要望が高まりつつあり、水性の浸透性吸水防止材が種々提案されている。さらには、工程短縮化を図ることを目的として、吸水防止性と皮膜形成性の両方を有する水性系の組成物が提案されている。このような水性系の組成物としては、特許文献における発明が挙げられる(特許文献1を参照)。該発明は、固形分比で、塗料50〜80重量%にシラン系浸透性吸水防止成分20〜50重量%を含有させた組成物であり、塗料としてアクリルエマルション樹脂塗料、エポキシ樹脂エマルション塗料等の水系塗料が挙げられている。
 該発明はコンクリート構造物に対し適用するものであり、該発明組成物をコンクリート表面に塗付すると、コンクリート表面での塗膜形成とともに、シラン系浸透性吸水防止成分がコンクリート内部に入り込むことで、耐久性、美装性、防蝕性等を同時に付与できるとされている。
 しかしながら、実際、該発明組成物を塗装する際には、重ね塗り部において、シラン成分の作用によってハジキを生じてしまい、均一な塗膜を形成することができず、作業上の支障をきたすだけでなく、仕上り外観性も不良なものとなってしまう。
 このような重ね塗り部でのハジキの問題は、一度塗装を行った部分が乾燥硬化してしまった後に補修等の目的で再度塗装を行う場合は勿論、通常の塗装作業を行う場合においても発生しやすいものである。例えば、ローラー塗装を行う場合は、帯状に塗料を塗付していくが、仕上り外観性を良好なものとするために、通常は、ローラー塗装による帯の端部を重ね合せるようにして塗装を行う。この重ね合せにおいて、下層となる塗料の乾燥がある程度進行してしまうと、上層となる塗料がハジキを生じてしまう。特に、浸透性吸水防止材を含有した塗料は、セメント系基材内部に浸透する性質が強いために、基材表面に形成される層は薄膜となる。このため、塗料の乾燥速度が速くなる傾向となり、ハジキ現象も発生しやすい。
 一方、前記発明組成物を塗装した後に、さらに該組成物とは異なる組成の上塗材を塗装する際にも、乾燥条件、基材の種類等によっては、上塗材がハジキを生じてしまう場合がある。特に、該組成物中のシラン成分の含有量が増加するほどハジキが発生しやすくなり、均一な塗膜を形成することは困難である。
特開平05−97542号公報
 したがって、本発明が解決しようとする課題は、コンクリート、セメントモルタル、セメント系二次製品等のセメント系基材に対して適用することで、基材内部での撥水層形成と、基材表面での皮膜形成とを同時に行い、吸水防止性、中性化防止性、腐食防止性、エフロレッセンス発生防止性、耐候性、耐久性等を兼ね備えることができるとともに、塗装を行う際の重ね塗り部のハジキを防止し、作業性が良好で、優れた仕上り性を有し、美麗な外観を得ることができる吸水防止性組成物を用いた吸水防止層の形成方法を得ることである。
 本発明者らは、鋭意検討の結果、アクリル系合成樹脂エマルション、シラン系浸透性吸水防止材、特定有機溶剤を特定比率で含有する組成物を用いることによって、このような課題がすべて解決できることを見出し、本発明を完成した。
 すなわち、本発明の浸透性吸水防止層の形成方法は、以下の特徴を有するものである。
 第1の工程として、アクリル系合成樹脂エマルションを固形分換算で100重量部に対し、シラン系浸透性吸水防止材を固形分換算で30〜400重量部、溶解性パラメータ(SP値)8.5以上、かつ水に対する溶解度20wt%以上の有機溶剤を5〜50重量部含有する浸透性吸水防止材含有組成物を塗付し、第2の工程として、溶解性パラメータ(SP値)8.5以上、かつ水に対する溶解度20wt%以上の有機溶剤を、合成樹脂エマルションの固形分に対し5〜50重量部含有する合成樹脂エマルション系塗料を塗付することを特徴とする浸透性吸水防止層の形成方法。
 本発明の浸透性吸水防止材含有組成物を、コンクリート、セメントモルタル、セメント系二次製品等のセメント系基材に塗付することによって、基材内部での撥水層形成と、基材表面での皮膜形成とを同時に行い、吸水防止性、中性化防止性、腐食防止性、エフロレッセンス発生防止性、耐候性、耐久性等を兼ね備えることができるとともに、塗装を行う際の重ね塗り部のハジキを防止し、作業性が良好で、優れた仕上り性を有し、美麗な外観を得ることができる。
 本発明組成物の塗装においては、組成物がどのような乾燥状態であっても塗装作業に支障を生じることがない。即ち、本発明組成物によって形成される層が乾燥硬化してしまっていても、あるいは、最表面のみが乾燥した程度であっても、重ね塗りが可能で、ハジキを生じることがない。
 また、本発明の浸透性吸水防止材含有組成物を塗装した後、さらに上塗材を塗装する場合は、上塗材として特定溶剤を含有する合成樹脂エマルション系塗料を用いると、ハジキ発生を防止でき、密着性が良好となり、耐水性、耐候性、耐汚染性等が一段と向上した吸水防止層を得ることができる。
 以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
 本発明組成物におけるアクリル系合成樹脂エマルションは、セメント系基材表面に皮膜を形成する成分であり、防水性を付与し、耐候性、耐久性等を向上させる役割を果たすものである。
 アクリル系合成樹脂エマルションとしては、アクリル系単量体、および必要に応じて、アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体とをラジカル共重合により得られるものが使用できる。
 アクリル系単量体は、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート(メチルアクリレートまたはメチルメタアクリレートのいずれかであることを示す。以下において同じ。)、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル基含有(メタ)アクリル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド含有(メタ)アクリル系単量体;アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリル系単量体等を例示できる。
 アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル単量体;マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸含有ビニル単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレンなどの塩素含有単量体;ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテルなどの水酸基含有アルキルビニルエーテル;エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテルジエチレングリコールモノアリルエーテルなどのアルキレングリコールモノアリルエーテル;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのα−オレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテルなどのアリルエーテル;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの加水分解性シリル基含有ビニル系単量体;フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどのフルオロオレフィン;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリレート等を例示できる。
 アクリル系合成樹脂エマルションの平均粒径は80〜300nm(さらには150〜250nm)であることが好ましい。平均粒径がこのような範囲内であることにより、重ね塗りを行った際のハジキ防止性を高めることができる。これは、平均粒径をこのような範囲とすることにより、皮膜に適当な空隙が形成され、シラン系浸透性吸水防止材が透過しやすくなるためと考えられる。80nmより小さい場合は、皮膜に空隙が形成されにくく、重ね塗り部でのハジキが発生しやすい傾向となる。300nmより大きい場合は、防水性、耐水白化性等が低下しやすくなるため好ましくない。
 なお、エマルションの平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定され、測定した粒度分布から求められるメジアン径で表されるものである。
 本発明組成物におけるシラン系浸透性吸水防止材は、セメント系基材に浸透して撥水層を形成し、吸水防止性、中性化防止性、腐食防止性、エフロレッセンス発生防止性等を付与する成分である。
 シラン系浸透性吸水防止材としては、加水分解性シラン化合物を各種界面活性剤で水性エマルション化したものが挙げられる。
 加水分解性シラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメチルシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリプロポキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは単独もしくは複数の種類を混合して使用することができる。
 このような加水分解性シラン化合物を水性エマルション化するための界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種、または2種以上を適宜使用することが可能である。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤;高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルアミン塩酸塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤があげられる。このうち、ノニオン性界面活性剤が加水分解性シラン化合物の安定性を向上させることができ、好ましい。
 溶解性パラメータ(以下、SP値という)8.5以上、かつ水に対する溶解度20wt%以上の有機溶剤は、本発明組成物において、塗装時のハジキを防止するために必須の成分である。本発明では、この成分を含むことによって、塗装を行う際の重ね塗り部のハジキを防止することができ、作業性が良好で、優れた仕上り性を有し、美麗な外観を得ることができる。さらには、シラン系浸透性吸水防止材のセメント系基材への浸透性を高める効果も有する。
 本発明においては、特に、SP値9.0〜11.5、かつ水に対する溶解度20wt%以上の有機溶剤を用いると、ハジキ防止性や浸透性をより高めることができ好ましい。
 このような有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−3ブタンジオール、1−5ペンタンジオール、ジアセトンアルコール、Nメチルピロリドン等が挙げられる。
 本発明組成物における各成分の重量比は、アクリル系合成樹脂エマルションを固形分換算で100重量部に対し、シラン系浸透性吸水防止材を固形分換算で30〜400重量部(好ましくは120〜200重量部)、SP値8.5以上、かつ水に対する溶解度20wt%以上の有機溶剤を5〜50重量部(好ましくは10〜30重量部)とする。各成分がこのような範囲内で混合されることにより、撥水層形成性、皮膜形成性、ハジキ防止性等のバランスが良好となる。
 シラン系浸透性吸水防止材が30重量部より少ない場合は、撥水層が十分に形成されず、吸水防止性、中性化防止性、腐食防止性、エフロレッセンス発生防止性等が低下する。400重量部より多い場合は、皮膜形成性が低下し、塗装時のハジキも発生しやすくなる。
 SP値8.5以上、かつ水に対する溶解度20wt%以上の有機溶剤が5重量部より少ない場合は、塗装時のハジキを抑制することができない。50重量部より多い場合は、組成物の貯蔵安定性が低下するおそれがある。
 この他、本発明の浸透性吸水防止材組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて通常塗料に用いられる無機系着色顔料、有機系着色顔料、造膜助剤、体質顔料、防腐剤、防黴剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、pH緩衝剤、艶消し剤などの添加剤を単独あるいは併用して配合することができる。
 本発明の浸透性吸水防止材含有組成物をセメント系基材に塗付することにより、吸水防止性、耐久性等を有する浸透性吸水防止層を形成することが可能であるが、さらに上塗材を積層することで、耐水性、耐候性、耐汚染性等を一段と向上させることができる。この場合、上塗材としては、溶解性パラメータ(SP値)8.5以上、かつ水に対する溶解度20wt%以上の有機溶剤を、合成樹脂エマルションの固形分に対し5〜50重量部含有する合成樹脂エマルション系塗料を用いる。このような上塗材を用いることにより、塗装時のハジキを防止することができ、さらに密着性を高め、長期にわたり耐久性に優れた吸水防止層を得ることができる。
 上塗材における合成樹脂エマルションとしては、特に限定されず、例えば、浸透性吸水防止材組成物と同様のものも使用できる。本発明では、耐水性、耐候性、耐汚染性等向上の点から、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの加水分解性シリル基含有ビニル系単量体を共重合したアクリル系合成樹脂エマルションを用いることが好ましい。
 さらに、上塗材に、アルコキシシランの変性縮合物、好ましくは、少なくとも1つ以上のポリオキシアルキレン基(好ましくは、繰り返し単位の炭素数が1〜4)およびアルコキシル基(好ましくは、炭素数が1〜4)を有するアルコキシシランの変性縮合物を含有させると、耐汚染性を飛躍的に向上させることができる。
 上塗材における有機溶剤は、浸透性吸水防止材組成物と同様のものを使用できる。本発明では、浸透性吸水防止材組成物と上塗材において同一の溶剤を用いると、より安定した密着性を得ることができ、好ましい。
 この他、上塗材には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて通常塗料に用いられる無機系着色顔料、有機系着色顔料、体質顔料、造膜助剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤などの添加剤を単独あるいは併用して配合することができる。
 本発明の浸透性吸水防止材含有組成物及び上塗材を塗装する際の施工手段としては特に限定されず、刷毛塗り、スプレー塗装、ローラー塗装、ロールコーター、フローコーター等、公知の塗装方法を用いることができる。浸透性吸水防止材含有組成物の塗付量は、塗装する材料や基材の種類等により適宜設定すればよいが、通常、アクリル系合成樹脂エマルションとシラン系浸透性吸水防止材の合計固形分で、25g/m2 〜250g/m2 程度の塗付量にて塗装を行う。このような塗付量で塗装することにより、十分な吸水防止性や耐久性等を有する吸水防止層を得ることができる。上塗材の塗付量は、通常、合成樹脂エマルションの固形分で、20g/m2 〜300g/m2 程度の塗付量にて塗装を行う。このような塗付量で塗装することにより、耐水性、耐候性、耐汚染性等が良好な塗膜を得ることができる。
 また、セメント系基材が元来有する質感を維持しようとする場合は、クリヤー性を有する浸透性吸水防止材含有組成物および上塗材を塗装すればよい。
 以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
 [I]浸透性吸水防止材含有組成物の評価
 表1及び表2に示すアクリル系樹脂エマルション、シラン系浸透性吸収防止材、有機溶剤を用い、表3に示す配合にて浸透性吸水防止材含有組成物を作製し、試験を行った。
Figure 2004136283
Figure 2004136283
Figure 2004136283
 (試験方法)
(1)浸透深さ
 標準モルタル(寸法:75×75×20mm)上面に各浸透性吸水防止材含有組成物を塗付量200g/m2 で塗装し、室温にて7日間養生した。その後、試験体を割裂し、浸透深さを測定した。
(2)耐エフロレッセンス性
 セメント、5号珪砂、酸化鉄顔料を1:3:0.01の比率にて混合した粉粒体と水を用いて、モルタル(寸法:75×75×20mm)を作製した。作製したモルタル上面に各浸透性吸水防止材含有組成物を塗付量300g/m2 で塗装し、側面を無溶剤2液エポキシ樹脂によりシールを行ったものを試験体とした。室温にて3日間養生した後、試験体を水に半没させ、2週間放置後のエフロレッセンス発生状態を目視にて評価した。評価は以下の通りとした。
○:ほとんどエフロレッセンスが発生しない
△:一部エフロレッセンスが発生
×:著しくエフロレッセンスが発生
(3)重ね塗り性
 各浸透性吸水防止材含有組成物をスレート板(寸法:300×150×3mm)に塗付量150g/m2 で刷毛塗りした。次に、室温2時間放置後に同一塗料を塗付量150g/m2 で刷毛塗りした。さらに、室温7日間放置後に同一塗料を塗付量150g/m2 で刷毛塗りした。2時間放置後、及び室温7日間放置後に刷毛塗りを行った際のハジキの状態を目視にて評価した。評価は以下の通りとした。
◎:全くハジキを生じない
○:ほとんどハジキを生じない
△:一部ハジキが発生
×:著しいハジキが発生
 試験結果を表4に示す。
 (実施例1〜5)
 本発明の浸透性吸水防止材含有組成物であり、基材への浸透性も高く、耐エフロレッセンス性も良好で、重ね塗り性に優れる結果であった。
 (比較例1〜3)
 SP値8.5以上の有機溶剤を含有させなかったところ、重ね塗り性試験において、ハジキを発生してしまった。また浸透深さも十分ではなかった。
 (比較例4)
 SP値が8.5より小さい有機溶剤を用いたところ、重ね塗り性試験において、ハジキを発生してしまった。また浸透深さも十分ではなかった。
Figure 2004136283
 [II]上塗材適性
 次に、上塗材を下記の通り作製し、浸透性吸水防止材含有組成物に対する上塗材適性を検討した。
 上塗材P:表1に示すアクリル系合成樹脂エマルション1の固形分100重量部に対し、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを20重量部、表2に示す有機溶剤1を15重量部混合。
上塗材Q:表1に示すアクリル系合成樹脂エマルション1の固形分100重量部に対し、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを20重量部混合。
 (試験方法)
 各浸透性吸水防止材含有組成物をスレート板(寸法:300×150×3mm)に塗付量150g/m2 で刷毛塗りした。その後室温7日間放置後、各上塗材を150g/m2 刷毛塗りし,ハジキの状態を目視にて評価するとともに、上塗材との密着性をJIS K 5400碁盤目テープ法により確認した。
ハジキ評価は以下の通りとした。
◎:全くハジキを生じない
○:ほとんどハジキを生じない
△:一部ハジキが発生
×:著しいハジキが発生
また、上塗材との密着性の評価は以下の通りとした。
◎:欠損部面積が5%以内
○:欠損部面積が10%以内
△:欠損部面積が10〜35%
×:欠損部面積が35%以上
 浸透性吸水防止材含有組成物と上塗材との組み合わせ、及び上塗材適性の試験結果を表5に示す。
 (実施例6、7)
 本発明における浸透性吸水防止材含有組成物と上塗材との組み合わせであり、ハジキ発生がなく、密着性にも優れていた。
 (比較例5、6)
 浸透性吸水防止材含有組成物及び上塗材に、SP値8.5以上の有機溶剤を含有させなかったところ、著しいハジキが発生してしまい、密着性も十分ではなかった。
Figure 2004136283

Claims (1)

  1. 第1の工程として、アクリル系合成樹脂エマルションを固形分換算で100重量部に対し、シラン系浸透性吸水防止材を固形分換算で30〜400重量部、溶解性パラメータ(SP値)8.5以上、かつ水に対する溶解度20wt%以上の有機溶剤を5〜50重量部含有する浸透性吸水防止材含有組成物を塗付し、第2の工程として、溶解性パラメータ(SP値)8.5以上、かつ水に対する溶解度20wt%以上の有機溶剤を、合成樹脂エマルションの固形分に対し5〜50重量部含有する合成樹脂エマルション系塗料を塗付することを特徴とする浸透性吸水防止層の形成方法。
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