JP2004136175A - 汚泥乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】汚泥81を収容する収容室1と、収容室1をほぼ真空状態に維持する真空吸引ポンプ2と、収容室1における汚泥81中の水を加熱し気化させる加熱手段3とを備える。また、収容室1における汚泥81中の水を吸い出して排水する排水ポンプ4を備える。さらに、収容室1における汚泥81を攪拌する攪拌手段5を備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として一般家庭や工場等において排出される汚泥を用いて行う乾燥汚泥の生産に用いられる汚泥乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の汚泥乾燥装置としては、例えば遠心薄膜方式により汚泥水中の水を除去して乾燥汚泥にする脱水手段と、乾燥汚泥を収容する収容室としてのコンベヤー室と、コンベヤー室における乾燥汚泥中の水を加熱し気化させて乾燥汚泥の含水量を小さくする加熱手段と、含水量が小さくされたコンベヤー室における乾燥汚泥を外部に排出するコンベヤーとを備えるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平8−318300号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、産業廃棄物の減容化を図るとともにリサイクルを促進しようとする観点からすれば、一般家庭や工場等の事業所単位においても汚泥の乾燥を行って、乾燥した汚泥を煉瓦や飼料などとして再利用することが好ましい。
しかしながら、従来の汚泥乾燥装置においては、ボイラー設備や遠心薄膜乾燥機などを備えた大規模なプラント設備を建設する必要があり、そのような大規模プラント設備を建設するためには、相当な資金、資材、労働力を投ずる必要があることから、一般家庭や工場等の小規模な事業所単位で乾燥した汚泥を再利用することは実際上かなり困難である。
そこで、本発明の課題は、一般家庭や工場等の小規模な事業所単位でも、簡易な設備で確実に汚泥乾燥ができる汚泥乾燥装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る汚泥乾燥装置は、汚泥を収容する収容室と、収容室をほぼ真空状態に維持する真空吸引ポンプと、収容室における汚泥中の水を加熱し気化させる加熱手段とを備えることを特徴としている。
このような汚泥乾燥装置によれば、このような真空吸引ポンプ及び加熱手段を備えることを特徴として構成されるので、真空状態において汚泥中の水がより低い温度で効率的かつ確実に気化することとなり、一般家庭や工場等の小規模な事業所単位でも、簡易な設備で確実に汚泥乾燥ができることとなる。
したがって、これによれば、産業廃棄物の減容化効果やリサイクルの促進効果が確実かつ十分に得られることとなる。
【0006】
このような技術的手段において、汚泥中の水を強制的に排除することとして、産業廃棄物の減容化効果やリサイクルの促進効果がより確実かつ十分に得られるようにする観点からすれば、収容室における汚泥中の水を吸い出して排水する排水ポンプを備えることが好ましい。
【0007】
加えて、汚泥を可及的に均等に処理することとして、汚泥の乾燥を迅速かつ的確に行うという観点からすれば、収容室における汚泥を攪拌する攪拌手段を備えることが好ましい。
【0008】
この場合において、汎用品を可及的に利用することとして、より安価な製品を市場に供給しようとする観点からすれば、前記攪拌手段は、汚泥中に挿入され上下方向に立設されるケーシングと、ケーシングの中に挿入されケーシングの底部から頂部まで汚泥を押し出すオーガーと、ケーシングの頂部に設けられ、オーガーにより送り出された汚泥を回動しながらケーシングの周辺にばらまくターンテーブルとからなることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
なお、ここでは、一般家庭や工場等の小規模な事業所単位における乾燥汚泥の生産に用いられる場合について説明するが、これに限られるものではなく、下水道処理設備など、大規模な事業所単位で用いられる場合でも、以下の説明が妥当する。
【0011】
図1は本発明の一実施の形態に係る汚泥乾燥装置の全体構成を示す断面図である。
【0012】
なお、同図において、符号81は、乾燥すべき汚泥又は生産された乾燥汚泥を示している。
【0013】
本実施の形態において、汚泥乾燥装置は、一般家庭や工場等の小規模な事業所単位において排出される汚泥を用いて行う乾燥汚泥の生産に用いられるものとして構成されている。
【0014】
そして、この汚泥乾燥装置は、同図に示すように、収容室1と、真空吸引ポンプ2と、加熱手段3と、排水ポンプ4と、攪拌手段5と、脱臭手段6とを含むものとして構成されている。
【0015】
以下、これらの各構成要素についてさらに詳細に説明する。
【0016】
(1)収容室1
収容室1は、同図に示すように、汚泥81を収容する機能を果たすものとして構成されている。
【0017】
すなわち、このような収容室1によれば、汚泥81が収容されることとなり、これにより、真空吸引ポンプ2、加熱手段3及び排水ポンプ4の各手段を用いて汚泥81を乾燥させることが可能となっている。
【0018】
具体的には、この収容室1としては、同図に示すように、一方では、側部において乾燥すべき汚泥81を投入するための汚泥用投入口11であって内部を密閉状態におくことが可能となっているものが設けられており、他方では、底部において生産され所定の値まで含水比が低下した乾燥汚泥81を排出するための汚泥用排出口12であって内部を密閉状態におくことが可能となっているものが設けられている。
【0019】
ここで、汚泥用排出口12には、同図に示すように、収容室1の内部を密閉状態におくための汚泥用バルブ12aが設けられており、適宜タイミングで汚泥用バルブ12aを開閉させることにより、収容室1をほぼ真空状態に維持することが効率的にできることとなっている。
【0020】
また、この収容室1の下方においては、同図に示すように、汚泥用排出口12から排出された乾燥汚泥81をストックヤードまで搬送するためのベルトコンベヤー71が設置されている。
【0021】
もちろん、この収容室1としては、これに限られるものではなく、乾燥すべき汚泥81を投入するための汚泥用投入口11が設けられているものであれば、乾燥汚泥81を排出するための汚泥用排出口12が設けられているか否かの別を問わず、乾燥すべき汚泥81の汚染状態や生産された乾燥汚泥81の処理方法などに応じて適宜選定して差し支えない。このような収容室1としては、例えば乾燥汚泥81を処理することなく収容室1ごと保管する目的であるために、乾燥汚泥81を排出するための汚泥用排出口12が設けられていないものなども用いることができる。
【0022】
(2)真空吸引ポンプ2
真空吸引ポンプ2は、収容室1をほぼ真空状態に維持する機能を果たすものとして構成されている。
【0023】
すなわち、このような真空吸引ポンプ2によれば、収容室1の内部がほぼ真空状態に維持されることとなり、これにより、汚泥81に含まれる水その他の液体の沸点温度を低下させることが可能となっている。
【0024】
具体的には、この真空吸引ポンプ2としては、同図に示すように、収容室1の内部の空気を空気用管路21を通じて外部に排出する機能を果たすものが用いられている。
【0025】
ここで、空気用管路21には、同図に示すように、収容室1の内部を密閉状態におくための空気用バルブ21aが設けられており、適宜タイミングで空気用バルブ21aを開閉させることにより、収容室1をほぼ真空状態に維持することが効率的にできることとなっている。
【0026】
(3)加熱手段3
加熱手段3は、ほぼ真空状態にある収容室1における汚泥81中の水を加熱し気化させる機能を果たすものとして構成されている。
【0027】
すなわち、このような加熱手段3によれば、ほぼ真空状態にある収容室1における汚泥81に含まれる水が加熱されることで気化することとなり、これにより、汚泥81に含まれる水を汚泥81から排除することが可能となっている。
【0028】
具体的には、この加熱手段3としては、同図に示すように、マフラー(図示外)から排出され熱気用管路31を通じて収容室1の底部から内部に熱気を送り込む機能を果たす発電機32が用いられている。
【0029】
もちろん、これに限られるものではなく、ほぼ真空状態にある収容室1における汚泥81に含まれる水を加熱によって気化させ得るものであれば、直接的に加熱するか間接的に加熱するか等の加熱方式の別を問わず、沸点温度低下の信頼性や汚泥81に含まれる液体の種類等に応じて適宜選定して差し支えない。このような加熱手段3としては、例えば汚泥81中において設けられ、汚泥81を電磁波によって加熱する電磁波発生装置なども用いることができる。この態様は、収容室1の内部に熱気を送り込む態様と異なり、真空吸引ポンプ2にとって適合的でない場合があり得ない点で、そのような熱気を送り込む態様よりも有利となる。
【0030】
本実施の形態において、加熱手段3としての発電機32は、真空吸引ポンプ2(後記する排水ポンプ4)及び後記するオーガー52の動力並びに後記する脱臭手段6としても用いられている。すなわち、加熱手段3は、他の技術的手段としても兼用されており、これにより、エネルギー効率の向上効果が十分に得られることとなっている。
【0031】
なお、熱気用管路31の途中には、同図に示すようなフィルター31aが配設されており、これにより、排気ガスに含まれる有害物質や臭気をマフラーから排出される熱気から除去することが可能となっている。
【0032】
(4)排水ポンプ4
排水ポンプ4は、収容室1における汚泥81中の水を吸い出して排水する機能を果たすものとして構成されている。
【0033】
すなわち、このような排水ポンプ4によれば、収容室1における汚泥81中の水が収容室1の外部に吸い出されることとなり、これにより、汚泥81に含まれる水を汚泥81から排除することが可能となっている。
【0034】
具体的には、この排水ポンプ4は、同図に示すように、汚泥81中において設けられる穴あき管41であって棒状を呈するもの及び穴あき管41に接続された水用管路42であって穴あき管41を通じて吸い込んだ水を外部に排出するものを通じて、汚泥81中の水を吸い出して排水するものが用いられている。
なお、汚泥81中の水を吸い出すときに汚泥81自体も吸い出すことのないようにする観点からすれば、穴あき管41の周囲にフィルターを備えることが好ましいといえる。
そして、本実施の形態における排水ポンプ4としては、前記した真空吸引ポンプ2が兼用されている。
【0035】
ここで、このような排水ポンプ4は、図示しないが、穴あき管41の穴において目詰まりが発生した場合に詰まった汚泥81を送気により押し出す機能を果たすコンプレッサーを備えている。
【0036】
もちろん、この排水ポンプ4としては、これに限られるものではなく、収容室1における汚泥81中の水を吸い出し得るものであれば、汚泥81中において設けられる部分がどのような形状を呈するかの別を問わず、汚泥81の状態(水の含みぐあいや間隙の割合等)、汚泥81の粒度やコンシステンシー、吸引能力などに応じて適宜選定して差し支えない。このような排水ポンプ4としては、例えば汚泥81中又は汚泥81下において敷設される穴あきシート等を備えるものなども用いることができる。
【0037】
(5)攪拌手段5
攪拌手段5は、収容室1における汚泥81を攪拌する機能を果たすものとして構成されている。
【0038】
すなわち、このような攪拌手段5によれば、汚泥81がミキシングされ可及的に均等に処理されることとなり、これにより、汚泥81の乾燥は迅速かつ的確に行われることとなっている。
【0039】
ここで、攪拌手段5は、同図に示すように、汚泥81中に挿入され上下方向に立設されるケーシング51と、ケーシング51の中に挿入されケーシング51の底部から頂部まで汚泥81を押し出すオーガー52と、ケーシング51の頂部に設けられ、オーガー52により送り出された汚泥81を回動しながらケーシング51の周辺にばらまく傘状のターンテーブル53とからなっている。
【0040】
つまり、このような攪拌手段5によれば、汎用品が可及的に利用されることとなり、その結果、より安価な製品が市場に供給されることとなっている。
【0041】
(6)脱臭手段6
脱臭手段6は、収容室1における汚泥81から排出された臭気を消失させる機能を果たすものとして構成されている。
【0042】
すなわち、このような脱臭手段6によれば、収容室1における汚泥81から排出された臭気が消失することとなり、これにより、周辺環境に対しても十分に配慮しながら汚泥81乾燥を行うことが可能となっている。
【0043】
具体的には、この脱臭手段6としては、同図に示すように、収容室1の内部から排出され臭気用管路61を通じて取り込まれた臭気をエンジンの燃焼により消失させる機能を果たす発電機62が用いられている。
【0044】
ここで、臭気用管路61には、同図に示すように、収容室1の内部を密閉状態におくための臭気用バルブ61aが設けられており、適宜タイミングで臭気用バルブ61aを開閉させることにより、収容室1をほぼ真空状態に維持することが効率的にできることとなっている。
【0045】
次に、図1を用いて、本実施の形態に係る汚泥乾燥装置を用いて行う汚泥乾燥方法について、説明する。
【0046】
まず、乾燥させるべき汚泥81が汚泥用投入口11から投入されると、汚泥81は収容室1の内部に収容された状態におかれる。
【0047】
このような状態において、発電機62を駆動させると、真空吸引ポンプ2によって、収容室1の内部の空気が外部に排出され、収容室1の内部はほぼ真空状態に維持された状態におかれる。
【0048】
このような状態において、一方では、発電機32のマフラーから熱気が排出されると、熱気は、熱気用管路31及び収容室1の底部を通じて収容室1の内部に送り込まれる。
【0049】
すると、ほぼ真空状態にある収容室1における汚泥81に含まれる水が加熱されることで気化することとなり、その結果、汚泥81に含まれる水が汚泥81から排除されていく。
このとき、収容室1がほぼ真空状態に維持されているので、汚泥81に含まれる水は、より低い温度で効率的かつ確実に気化することとなる。
ここで、収容室1の内部が真空状態に維持されている場合において水が気化する温度は、およそ40℃〜60℃程度である。
【0050】
また、他方では、排水ポンプ4によって、穴あき管41の穴及び水用管路42を通じて収容室1における汚泥81中の水が収容室1の外部に吸い出されることとなり、その結果、汚泥81に含まれる水が汚泥81から排除されていく。
【0051】
汚泥81に含まれる水が汚泥81から排除されていく過程において、収容室1における汚泥81が、ケーシング51及びオーガー52によってケーシング51の底部から頂部まで押し出されると、押し出された汚泥81は、ターンテーブル53によってケーシング51の周辺にばらまかれる。
【0052】
その結果、収容室1における汚泥81は、ミキシングされ可及的に均等に処理されることとなり、これにより、汚泥81の乾燥が迅速かつ的確に行われることとなる。
【0053】
汚泥81に含まれる水が汚泥81から排除され、所定の値まで含水比が低下した時点で本実施の形態に係る汚泥乾燥方法が終了する。生産された乾燥汚泥81は、汚泥用排出口12から排出され、ベルトコンベヤー71によってストックヤードまで搬送されることとなる。
【0054】
上記したように、このような汚泥乾燥装置によれば、同図に示すような特徴的態様である真空吸引ポンプ2及び加熱手段3を含むものとして構成されており、真空状態において汚泥中の水がより低い温度で効率的かつ確実に気化することとなるので、ボイラー設備や遠心薄膜乾燥機などを備えた大規模なプラント設備を建設することなく、一般家庭や工場等の事業所単位で適切な汚泥の乾燥を行うことが可能となっている。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る汚泥乾燥装置によれば、一般家庭や工場等の小規模な事業所単位でも、簡易な設備で確実に汚泥乾燥ができ、産業廃棄物の減容化効果やリサイクルの促進効果が十分に得られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る汚泥乾燥装置の全体構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 収容室
2 真空吸引ポンプ
3 加熱手段
4 排水ポンプ
5 攪拌手段
6 脱臭手段
11 汚泥用投入口
12 汚泥用排出口
12a 汚泥用バルブ
21 空気用管路
21a 空気用バルブ
31 熱気用管路
31a フィルター
32 発電機
41 穴あき管
42 水用管路
43 真空吸引ポンプ
51 ケーシング
52 オーガー
53 ターンテーブル
61 臭気用管路
61a 臭気用バルブ
62 発電機
71 ベルトコンベヤー
81 汚泥
Claims (4)
- 汚泥を収容する収容室と、
前記収容室をほぼ真空状態に維持する真空吸引ポンプと、
前記収容室における汚泥中の水を加熱し気化させる加熱手段とを備えることを特徴とする汚泥乾燥装置。 - 前記収容室における汚泥中の水を吸い出して排水する排水ポンプを備えることを特徴とする請求項1に記載の汚泥乾燥装置。
- 前記収容室における汚泥を攪拌する攪拌手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の汚泥乾燥装置。
- 前記攪拌手段は、
汚泥中に挿入され上下方向に立設されるケーシングと、
前記ケーシングの中に挿入され該ケーシングの底部から頂部まで汚泥を押し出すオーガーと、
前記ケーシングの頂部に設けられ、前記オーガーにより送り出された汚泥を回動しながら該ケーシングの周辺にばらまくターンテーブルとからなることを特徴とする請求項3に記載の汚泥乾燥装置。
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-
2002
- 2002-10-16 JP JP2002301733A patent/JP4155789B2/ja not_active Expired - Fee Related
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