JP2004135920A - 人体の生理状態計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】人体の胴部回りに巻き付け装着されるベルト13と、該ベルトに沿って一体的に設けられ前記胴部表面の動きを検出する第1センサ15と、該第1センサの検出信号から呼吸信号および脈波信号を抽出する信号抽出回路25とを備え、該信号抽出回路の基盤23は前記ベルトに面当たりに係止されてなる人体の生理状態計測装置11である。前記基盤には、自身の傾きを検出して傾斜角信号を出力するとともに、自身の加速度を検出して加速度信号を出力する第2センサ17が固設され、前記傾斜角信号および前記加速度信号を人体の姿勢信号および行動状態信号に変換する信号変換回路27を備える。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の胴部回りに巻き付け装着されて人体の生理状態を常時計測するための計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療、介護、およびスポーツ医学等の分野において、様々な疾患発症と生体リズムとの関係を調査するためには、日常生活下や運動状態下にて被験者の生体リズム等をリアルタイムに常時計測する必要がある。そして、その計測項目としては、呼吸、脈波、歩行や走行等の行動状態、および姿勢の4つが必須とされている。
この常時計測が可能な従来の計測装置としては、人体の胴部に巻き付け装着して生理状態を計測するベルト型生理機能モニタが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。このベルト型生理機能モニタは、そのベルトに設けられた圧電素子からの信号に基づいて被験者の呼吸および脈波を計測するものである。
また、姿勢を計測可能な従来の計測装置としては、人体に取り付けた2軸加速度センサの出力信号に基づいて姿勢計測するものが開示されている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−4315号公報(第1−2頁、第1図)
【0004】
【非特許文献1】
大西 潤、外4名,「心電図RRインターバルおよび姿勢記録システム」,平成12年度 電気・情報関連学会中国支部連合大会講演集,p.549
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の計測装置は、前述の4つの必須項目を全てについて計測できるものはなく、医療分野等においては、前記4項目を確実に常時計測可能な計測装置の完成が待たれていた。
また、前述の2軸加速度センサは、このセンサ自身の傾きを検出して傾斜角信号を出力するものであるため、人体への取り付け方によってはその人体の傾きを代替指示していない場合があり、人体の姿勢を誤判定する虞があった。
更には、前記ベルト型生理機能モニタは、前記胴部表面の動きに起因して圧電素子に作用する圧力が変化し、この圧力を起電力に変換して呼吸信号や脈波信号を抽出するものであるが、この起電力には、前述の呼吸や脈波に起因する起電力の他に、走行等の行動状態に起因して生じる大きな起電力が混在している。このため、この呼吸や脈波に起因する微小な起電力は、前記行動状態の起電力に埋もれてしまいがちであり、もって呼吸および脈波の正確な計測が困難となっていた。
【0006】
以上のような従来の技術が有する種々の問題点を解決すべく、本発明は、呼吸、脈波、行動状態、および姿勢を正確に常時計測可能な計測装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1に示す発明は、人体の胴部回りに巻き付け装着されるベルトと、該ベルトに沿って一体的に設けられ前記胴部表面の動きを検出する第1センサと、該第1センサの検出信号から呼吸信号および脈波信号を抽出する信号抽出回路とを備え、該信号抽出回路の基盤は前記ベルトに面当たりに係止されてなる人体の生理状態計測装置であって、前記基盤には、自身の傾きを検出して傾斜角信号を出力するとともに、自身の加速度を検出して加速度信号を出力する第2センサが固設され、前記傾斜角信号および前記加速度信号を人体の姿勢信号および行動状態信号に変換する信号変換回路を備えることを特徴とする。
【0008】
上記発明によれば、4つの必須項目である、呼吸、脈波、行動状態、および姿勢を常時計測することができる。
また、第2センサは人体の胴部に沿わされたベルトに面当たりする前記基盤に固設されている。従って、第2センサの自身の傾きは、胴部の傾きを代替して指示できて、この傾斜角信号に基づいて人体の姿勢を正確に判定可能となる。
更には、第2センサは基盤を介して人体の胴部と一体的になっているので、この第2センサの加速度信号は胴部の加速度を代替して指示できて、もってこの加速度信号から人体の行動状態を正確に判定可能となる。
また、前記信号抽出回路の基盤を、第2センサの基盤に兼用可能であり、装置構成の簡略化が図れる。
【0009】
請求項2に示す発明は、請求項1に記載の人体の生理状態計測装置であって、前記信号抽出回路は、少なくとも複数の信号源から発せられた信号である呼吸信号と脈波信号とが混在している混在信号X(t)としての前記検出信号から、信号源毎の信号を求めるための信号分離フィルタを備え、該信号分離フィルタは、前記混在信号X(t)について、対象とする時間帯を変えて、以下の(11)〜(17)のステップを複数回実行することを特徴とする人体の生理状態計測装置であって、
(11)対象とする時間帯において、前記混在信号X(t)を複数回サンプリングしてサンプリング毎の前記混在信号X(t)の値をサンプリング信号値として求める。
(12)前記サンプリング信号値をもとに、周波数毎の波形スペクトルを求める。
(13)前記波形スペクトルをもとに、周波数毎のパワーを求める。
(14)前記周波数毎のパワーをもとに、信号源ごとのパワーの時間的変化を求める。
(15)前記信号源ごとのパワーの時間的変化をもとに、信号源それぞれについて、周波数毎のパワーの時間的変化を求める。
(16)前記(12)のステップで求めた波形スペクトル、及び、前記(15)のステップで求めた信号源それぞれについての周波数毎のパワーの時間的変化、に基づいて、信号源それぞれについて、周波数毎の波形スペクトルを求める。
(17)前記信号源それぞれについての周波数毎の波形スペクトルをもとに、ある時刻における各信号源の信号値を求める。
【0010】
上記発明によれば、出力の大きい他の信号に埋もれがちな微小出力の呼吸信号および脈波信号を、第1センサの検出信号の中から確実に分離抽出することができる。また、これらの信号を分離抽出する処理を正確かつ高速に行うことができる。
【0011】
請求項3に示す発明は、人体の胴部回りに巻き付け装着されるベルトと、該ベルトに沿って一体的に設けられ前記胴部表面の動きを検出する第1センサと、該第1センサの検出信号から呼吸信号、脈波信号、および人体の行動状態信号を分離抽出する信号分離フィルタとを備え、該信号分離フィルタの基盤は前記ベルトに面当たりに係止されてなる人体の生理状態計測装置であって、前記基盤には、自身の傾きを検出して傾斜角信号を出力する第2センサが固設され、前記傾斜角信号を胴部の姿勢信号に変換する信号変換回路を備えることを特徴とする。
【0012】
上記発明によれば、4つの必須項目である、呼吸、脈波、行動状態、および姿勢を常時計測することができる。
また、第2センサは人体の胴部に沿わされたベルトに面当たりする前記基盤に固設されている。従って、第2センサの自身の傾きは、胴部の傾きを代替して指示できて、この傾斜角信号に基づいて人体の姿勢を確実に判定可能となる。
更には、出力の大きい行動状態信号と、微小出力の呼吸信号および脈波信号との三者が混在する第1センサの検出信号から、これら3つの信号を確実に分離抽出可能となる。
【0013】
請求項4に示す発明は、請求項3に記載の人体の生理状態計測装置であって、前記信号分離フィルタは、少なくとも複数の信号源から発せられた信号である呼吸信号、脈波信号、および人体の行動状態信号が混在している混在信号X(t)としての前記検出信号から、信号源毎の信号を求めるフィルタであり、前記混在信号X(t)について、対象とする時間帯を変えて、以下の(11)〜(17)のステップを複数回実行することを特徴とする。
(11)対象とする時間帯において、前記混在信号X(t)を複数回サンプリングしてサンプリング毎の前記混在信号X(t)の値をサンプリング信号値として求める。
(12)前記サンプリング信号値をもとに、周波数毎の波形スペクトルを求める。
(13)前記波形スペクトルをもとに、周波数毎のパワーを求める。
(14)前記周波数毎のパワーをもとに、信号源ごとのパワーの時間的変化を求める。
(15)前記信号源ごとのパワーの時間的変化をもとに、信号源それぞれについて、周波数毎のパワーの時間的変化を求める。
(16)前記(12)のステップで求めた波形スペクトル、及び、前記(15)のステップで求めた信号源それぞれについての周波数毎のパワーの時間的変化、に基づいて、信号源それぞれについて、周波数毎の波形スペクトルを求める。
(17)前記信号源それぞれについての周波数毎の波形スペクトルをもとに、ある時刻における各信号源の信号値を求める。
【0014】
上記発明によれば、呼吸信号、脈波信号、および人体の行動状態信号が混在する圧電フィルタの検出信号から、上記3つの信号を分離抽出する処理を正確かつ高速に行うことができる。
【0015】
請求項5に示す発明は、請求項2または4のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置であって、前記(12)のステップにおける周波数毎の波形スペクトルを求める方法として、フーリエ変換を行うことを特徴とする。
上記発明によれば、請求項2または4に記載の発明の作用を更に有効に奏することができる。
【0016】
請求項6に示す発明は、請求項2若しくは4または5のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置であって、前記(14)のステップは、少なくとも独立成分分離処理を含むことを特徴とする。
上記発明によれば、請求項2または4に記載の発明の作用を更に有効に奏することができる。
【0017】
請求項7に示す発明は、請求項2若しくは4または5のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置であって、前記(14)のステップは、原点において連続でありながら、負の領域では原点から遠ざかるに従って急速に減少する関数を利用して、分離行列Wを求める処理を含むことを特徴とする。
上記発明によれば、請求項2または4に記載の発明の作用を更に有効に奏することができる。
【0018】
請求項8に示す発明は、請求項2、または請求項4乃至7のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置であって、前記(16)のステップでは、前記(15)のステップで求めた信号源それぞれについての周波数毎のパワーの時間的変化に基づいて、各信号源の波形スペクトルの振幅比率を求める処理を含むことを特徴とする。
上記発明によれば、請求項2または4に記載の発明の作用を更に有効に奏することができる。
【0019】
請求項9に示す発明は、請求項2乃至8のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置において、前記信号分離フィルタから抽出された呼吸信号を更にローパスフィルタに通して取り出すとともに、前記信号分離フィルタから抽出された脈波信号を更にハイパスフィルタに通して取り出すことを特徴とする。
上記発明によれば、呼吸信号および脈波信号を、更に高精度に抽出することができる。
【0020】
請求項10に示す発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置において、前記胴部におけるベルトの装着位置は下腹部であり、該下腹部の中央における前記傾斜角信号に基づいて人体の立位姿勢と座位姿勢とを区別して判定することを特徴とする。
上記発明によれば、前記ベルトを下腹部に装着して下腹部の中央における傾斜角を計測可能にしたので、人体の姿勢の中で、傾斜角に基づく識別が困難な立位姿勢と座位姿勢とを識別可能となる。
【0021】
請求項11に示す発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置において、前記基盤は、前記呼吸信号、脈波信号、行動状態信号、および姿勢信号を、無線により遠方の記録装置に送信するための信号送信回路を備えることを特徴とする。
上記発明によれば、計測した前記4つの信号を、無線によって遠方の記録装置に送信するので、計測対象である被験者は、その行動を何等規制されることなく、日常生活を送ったり運動をすることができて、もって日常生活下または運動状態下において前記4つの信号を常時計測可能となる。
【0022】
請求項12に示す発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置において、前記第1センサは圧電センサであるとともに、前記第2センサは2軸加速度センサであることを特徴とする。
上記発明によれば、既存の汎用センサを用いているので、当該生理状態計測装置を安価に製造可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の第1実施形態に係る生理状態計測装置の装着状態における斜視図を、また、図2に、同装置の展開状態における正面図、背面図、および平面図を示す。図3は、同装置を人体に装着した様子を示す概念図である。また、図4は、図2(c)中のIV−IV線矢視の断面図である。尚、図1では人体は図示していない。
【0024】
図1乃至図4に示すように、本第1実施形態に係る人体の生理状態計測装置11は、被験者1の下腹部に巻き付け装着されるベルトタイプとなっている。すなわち本装置11は、人体1の下腹部回りに巻き付け装着されるベルト13と、前記下腹部表面の動きを検出する第1センサとしての圧電センサ15と、前記下腹部の傾斜角および加速度を検出する第2センサとしての2軸加速度センサ17と、これら両センサ15,17からの検出信号を取り込んで適宜処理して呼吸信号、脈波信号、姿勢信号、および行動状態信号の4信号を出力する信号処理部21とを一体的に備えている。そして、この信号処理部21に設けられた信号送信回路29によって、これら4信号を遠方の記録装置(不図示)に無線送信し、もってリアルタイムで人体1の生理状態等を常時計測または常時監視可能となっている。
以下、これら各構成要素について個別に説明する。
【0025】
===ベルト===
図1および図2に示すように、ベルト13は、適度な絶縁性および可撓性を備えた軽量な服地素材からなる矩形帯状体であり、その代表寸法は、幅5cm、長さ1m、厚み数mmである。そして、このベルト13の長手方向の一端部には、面ファスナーの雄材14aが固定され、これをベルト13の表面の適宜位置に固定された面ファスナー雌材14bに係合させることによって、下腹部へのフリーサイズの巻き付け装着を可能にしている。
【0026】
===圧電センサ===
図2に示すように、圧電センサ15は、幅1cm、長さ28cm、厚み28μmの代表寸法の圧電フィルムと、この圧電フィルムが発する後記起電力のリーク防止のために当該圧電フィルムを覆って密封する膜厚0.1mmのポリエステルフィルムとから構成される。そして、図2(b)に示すように、前記ベルト13の裏面における被験者の下腹部中央が当たる部分に、この圧電センサ15は、対面状態で互いの長手方向を揃えつつ縫いつけられている。よって、前記ベルト13を下腹部に巻き付け装着した際には、この圧電センサ15が、被験者の下腹部表面に面当たりして、当該下腹部表面の動きを検出可能となっている。
詳細には、この圧電センサ15は、前記長手方向と直角に折れ曲がる変形等を受けると起電力を発するいわゆる圧電効果を奏し、よってこれが当接する下腹部表面の動きを、自身の変形を介して起電力に変換して出力可能となっている。この下腹部表面の動きの起点となるのは呼吸や脈波等であり、もってこの起電力はこれら呼吸や脈波等に応じて変化する。そして、この起電力は、圧電フィルム15の表裏面のそれぞれに設けられた一対の電極からリード線(不図示)を介して取り出され、後記信号処理部21に入力される。
この圧電フィルムとしては、柔軟性、加工性、耐衝撃性、耐水性、および化学的安定性を有するポリフッ化ビニリデン圧電プラスチックフィルム等が好適に使用可能である。
尚、この圧電センサ15は、下腹部表面である肌皮に直接当接させなくても良く、例えば、図3に示すように、下着等の比較的薄地の衣類上から肌皮に間接的に当てても良い。但し、前記検出性の観点からは、下腹部表面と圧電センサとの間の介在物は少ない方が望ましい。
【0027】
===信号処理部===
図4に示すように、信号処理部21は、前記圧電センサ15および2軸加速度センサ17からの検出信号を処理するための各種処理回路を備えた平坦矩形板状の回路基盤23と、この回路基盤23を収容するための収容ケース24とから主に構成される。
【0028】
収容ケース24は、その内部に前記回路基盤23用の収容スペース24aを有する平坦な直方体状のプラスチック製容器である。そして、その平坦面に一体成形された一対のベルト通し24b,24b(図1および図2を参照)に前記ベルト13が通されて、もって収容ケース24の平坦面がベルト13表面に面当たりで当接しつつ、収容ケース24はベルト13に係止保持されるようになっている。尚、この係止保持状態においてこの収容ケース24は、図3に示すように被験者の下腹部表面の中央に位置している。
【0029】
図4に示すように、回路基盤23は、収容ケース24内に前記平坦面と平行に収容され、当該収容状態にて四隅をビス止め固定されている。従って、この回路基盤23は、収容ケース24を介して間接的にベルト13表面に面当たりで係止されていることになり、もってこの回路基盤23の傾きは、ベルト13が装着された前記下腹部表面における中央の傾きと揃っていて、つまり回路基盤23の傾きは下腹部表面の中央の傾きを代替指示可能となっている。このことは、後述する2軸加速度センサ17による姿勢の検出において重要な意味をなす。
【0030】
図5にこの回路基盤23が備える処理回路のブロック図を示す。この回路基盤23には、前記圧電センサ15の検出信号を取り込んで呼吸信号および脈波信号を抽出する信号抽出回路25と、後記2軸加速度センサ17の傾斜角信号および加速度信号を取り込んで姿勢信号および行動状態信号に変換する信号変換回路27と、これら呼吸信号、脈波信号、姿勢信号、および行動状態信号の4信号を遠方の前記記録装置へ無線送信するための信号送信回路29と、これらの電源であるリチウム電池31(図4を参照)とが設けられている。
【0031】
前記信号抽出回路25は、電界効果型トランジスタを用いたインピーダンス変換器(不図示)と、遮断周波数が0.5Hzのローパスフィルタ25aと、遮断周波数が1.5Hzのハイパスフィルタ25bとを備える。そして、前記圧電センサ15から入力された起電力を前記インピーダンス変換器に通して電圧出力に変換し、この電圧出力をローパスフィルタ25aに通して呼吸信号を抽出する。また、これと同時に、前記電圧出力をハイパスフィルタ25bに通して脈波信号を抽出する。そして、これら抽出した両信号を、前記信号変換回路27として機能するマイクロコンピュータに送る。尚、前述の遮断周波数は代表値であり、被験者に応じて、例えばその単位時間当たりの呼吸数や脈拍数に応じて適宜変更しても良い。
【0032】
前記信号変換回路27は、A/D変換器と、プログラムメモリと、データメモリとを内蔵したRISCタイプのマイクロコンピュータである。そして、これに入力された信号の変換処理、すなわちA/D変換や前記プログラムメモリに格納されたプログラムに基づく変換処理を行う。
【0033】
この信号変換回路27には、圧電センサ15からは前記信号抽出回路25を介して前記呼吸信号および脈波信号が入力され、これらに対してはA/D変換だけを行う。一方、後述する2軸加速度センサ17からは、傾斜角信号および加速度信号が入力されるが、これらに対してはA/D変換をした後に、前記プログラムに基づく後述の変換処理を施して、傾斜角信号を姿勢信号に、また加速度信号を行動状態信号に変換する。そして、これら変換後の信号を、A/D変換済みの前記呼吸信号および脈波信号と共に前記信号送信回路29へ送る。尚、この傾斜角信号および加速度信号の変換処理については、2軸加速度センサ17の説明のところで詳細に説明する。
【0034】
前記信号送信回路29には、人体への電波の影響を考慮して微弱電波無線送信機(例えば、SR315F送信モジュール(商品名):アイトロンデータ・テック(株)製)を用いている。そして、前記信号変換回路27から送られた4信号を、リアルタイムで遠方の前記記録装置に送信する。この記録装置は、微弱電波無線受信機(例えば、SR315F受信モジュール(商品名):アイトロンデータ・テック(株)製)を備え、これによって前記4信号を受信して、当該4信号を適宜な記録媒体に記録する。この記録装置としては、4信号の波形を並列印字するチャート式記録計や4信号の波形を並列表示するディスプレイ等を適用することができる。
【0035】
===2軸加速度センサ===
2軸加速度センサ17としては、例えばADXL202(商品名:アナログデバイセス社製)を使用可能である。そして、これによれば、センサ自身の加速度を、互いに直交するXY方向の2軸方向について計測して加速度信号として出力可能であるとともに、前記2軸方向についてセンサ自身の傾斜角度を計測して傾斜角信号として出力することができる。
【0036】
この2軸加速度センサ17は、前述の、下腹部表面における中央の傾きを代替指示可能な前記回路基盤23に固定される。尚、この固定の際には、被験者の前後屈方向を2軸加速度センサ17のX方向に、また左右の側屈方向をY方向に揃えるように固定される。すなわち、X方向に関しては、回路基盤23面が鉛直となる状態を零点として、そこから回路基盤23が前方に傾くに従って傾斜角信号が正方向に変化し、後方に傾くに従って負方向に変化するように配されている。また、Y方向については、ベルト13の長手方向が水平となる状態を零点として、そこからベルト13の左側よりも右側が下がる方向に傾くに従って傾斜角度が正方向に変化し、これと逆方向に傾くに従って負方向に変化するように配されている。
【0037】
このように固定配置した2軸加速度センサ17の傾斜角信号と人体の実姿勢との対応関係を調査した結果を、図6のグラフに示す。尚、この調査は、5名の被験者の下腹部に、それぞれ前記ベルト13を巻き付け装着するとともに当該各被験者に6つの姿勢(仰臥位、伏臥位、座位、立位、右側臥位、左側臥位)をとってもらい、これら実姿勢と傾斜角信号とを対比して行った。尚、実姿勢の判定は目視により行い、図6中の各シンボルはその実姿勢を表している。
【0038】
図6から、2軸加速度センサ17の傾斜角信号と実姿勢との対応は良くとれているのがわかる。図7に、この傾斜角信号と6つの姿勢との対応関係を表状にまとめて示すが、前述の信号変換回路27が行う、傾斜角信号から姿勢信号(姿勢コード)への変換処理は、この対応表に基づいてなされる。すなわち、2軸加速度センサ17から信号変換回路27に、X方向およびY方向の傾斜角信号が入力されると、その傾斜角信号に該当する姿勢を前記対応表から割り出して姿勢信号(姿勢コード)として出力するようになっている。但し、実際には、前記信号変換回路27のプログラムメモリに、図8に示す姿勢判定フローチャートを実行するプログラムが実装されており、このフローチャートに従って傾斜角信号を姿勢信号に変換する。この信号変換回路27のサンプリング周波数は100Hzであり、この周波数で取り込んだ前記傾斜角信号に基づいて、2秒毎に姿勢信号への変換処理をする。尚、望ましくは、この傾斜角信号の信号変換回路27への入力前に、傾斜角信号をローパスフィルタに通すと良い。これは、元々姿勢は静的なものであるためである。ちなみに、このローパスフィルタの遮断周波数は、姿勢変更に要する時間が最大3秒程度であることから0.3Hzに設定すると良い。
【0039】
ここで特に注目すべきは、一般に胴部の傾斜角度による識別が困難とされる立位姿勢と座位姿勢との間でX方向の傾斜角度が大きく異なっており(図6を参照)、つまり、この傾斜角度によって立位姿勢と座位姿勢とを識別可能であることである。これは、ベルト13を、胸部等ではなくて下腹部に装着して、下腹部表面における中央の傾きを2軸加速度センサ17によって計測するようにしたためである。すなわち、座位姿勢における胸部は鉛直になりがちであるため、立位姿勢との傾斜角度上の差異が出にくいが、座位姿勢における下腹部表面の中央は、鉛直から大きく斜めに傾斜しており、もって立位姿勢に対する傾斜角度上の差異が出やすいことに起因している。従って、本実施形態にあっては、下腹部にベルトを装着することによって立位姿勢と座位姿勢とを正確に識別可能となっている。
【0040】
他方、この2軸加速度センサ17のもう一つの出力信号である加速度信号であるが、当該2軸加速度センサ17は、前記X方向たる前後方向およびY方向たる左右の側方方向との2軸方向に関して加速度信号を出力するようになっている。そして、この加速度信号は、前記信号変換回路27たるマイクロコンピュータに入力されて、歩行や走行等の行動状態信号に変換処理された後、前記姿勢信号等と共に信号送信回路29へ送られる。
【0041】
図10に、前記加速度信号を行動状態信号へ変換する変換処理のフローチャートを示すが、この変換処理は、入力されたX方向の加速度信号を積分して、その時点におけるX方向の速度を算出する積分ステップと、この算出した速度に該当する行動状態信号(行動状態コード)を、図9の判定基準から割り出して判定する判定ステップとから構成される。このフローチャートを実行するプログラムは、前記信号変換回路27のプログラムメモリに実装されており、当該信号処理変換回路27は、前記フローチャートに従って、前記X方向の加速度信号を行動状態信号(行動状態コード)に変換する。
【0042】
尚、本実施形態では、加速度信号から行動状態信号への変換処理の一例として、X方向の加速度信号のみ用いた変換処理を例示したが、Y方向の加速度信号を更に組み合わせて用いれば、斜め歩行や回転等といった様々な行動状態信号に変換可能となる。
【0043】
===第2実施形態===
図11は、第2実施形態に係る生理状態計測装置の回路基盤が備える処理回路のブロック図である。尚、図11においては、前記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して示し、その同じ構成部分の説明は省略する。
前記第1実施形態では、人体の行動状態信号を2軸加速度センサ17から取り出していたところ、本第2実施形態では、行動状態信号を圧電センサ15の検出信号から抽出する点で相違する。すなわち、信号抽出回路25としての前記ローパスおよびハイパスフィルタ25a,25bに代えて信号分離フィルタ25cを設置することによって、圧電センサ15の検出信号から呼吸、脈波に加えて行動状態信号を抽出可能にし、2軸加速度センサ17からは姿勢信号のみを取り出すようにしている。
【0044】
ここで、図12を参照して、圧電センサ15の検出信号について説明する。この検出信号は、基本的に下腹部表面の動きを検出することにより生じている。このため、前述の呼吸や脈拍以外に、歩行や走行等といった行動状態によっても検出信号は変化し、すなわち、この圧電センサ15の検出信号に基づく電圧出力は、呼吸信号、脈波信号、および行動状態信号の3信号が混在した混在信号(右図を参照)の形態で出力されている。したがって、この検出信号から前記行動状態信号を抽出することができる。
【0045】
本第2実施形態では、前記信号分離フィルタ25cを用いることによって、これら3つの信号を分離抽出するようにしている。そして、この信号分離フィルタ25cによって分離抽出された呼吸信号、脈波信号、および行動状態信号は信号変換回路27へ送られた後、前記2軸加速度センサ17に基づく姿勢信号と共に信号送信回路29へと送られる。
【0046】
このような信号分離フィルタ25cは、前記インピーダンス変換器と、A/D変換器と、プログラムメモリと、データメモリとを内蔵したRISCタイプのマイクロコンピュータによって実現されている。すなわち、前記プログラムメモリには、後記図13に示す分離抽出方法のフローチャートを実行するプログラムが実装されており、これによって、圧電センサ15の検出信号から前記3つの信号を分離抽出可能となっている。
【0047】
ここで、当該信号分離フィルタ25cの分離抽出方法の原理を説明する。
図12に示す圧電センサの検出信号である生の観測信号波形Xc(t)は、時刻tにおける圧電センサの出力信号(電圧出力)であり、本実施形態では、行動状態、呼吸、脈波の3つの信号が混合されているのであるが、一般にはN個の未知信号u1(t)〜uN(t)が混合されており、数式1で表される。
【数1】
【0048】
以下、図13に示すフローチャートと、図14(a)〜(d)及び図15(e)〜(g)のグラフを参照しつつ、各ステップ(s201〜s217)について説明する。まず、図12右側に示すように、まず、Xc(t)の開始時刻t3からtsまでの時間帯を対象として、T個の時点でXc(t)のデータをサンプリングする(s201)。こうして出来たデータを、x(ts)、x(ts−1)、・・・、x(ts−T+1)とする。
【0049】
次に、上記サンプリングにより得られたデータx(t)を、離散フーリエ変換により波形スペクトルに分解する(s203)。具体的には、数式2の式により、波形スペクトルxウエイブを求める。xウェイブ(t,k)は、周波数k/Tの波(k=0,・・・T−1)のフーリエ係数である。xウェイブのイメージを示すために、その概略的なグラフを図14(a)に示す。
【数2】
【0050】
次に、数式3により、周波数毎のパワーとなるxバーを計算する(s205)。ここで記号[ ]は中の値を超えない整数を表すガウス記号である。
【数3】
【0051】
数式3の右辺のxウェイブに、上記数式1の両辺をフーリエ変換した右辺を代入すると、数式4が得られる。
【数4】
【0052】
ここで、uウェーブにアスタリスク(*)をつけた項は、uウェーブ(uiより求められる波形スペクトル)の共役複素数である。数式4の第2項は、次の2つの仮定▲1▼及び▲2▼により無視できる。仮定▲1▼:uiとui‘ は異なる信号源からのデータであるため独立なので打ち消す。仮定▲2▼:異なる信号源は、完全に同時に信号を発生することはない。この結果、ある時刻tにおける周波数k/Tのパワーは、結局数式5により表される。xバーのイメージを示すグラフを図14(b)に示す。
【数5】
【0053】
次に、数式5の形で求められたパワー(xバー)を、信号源毎のパワー(yiバー)に分離するステップ(s207)に移る。計算の工夫のために、まず、1つの仮定▲3▼を行う。仮定▲3▼:i番目の信号源が発する周波数毎のパワー(uiバー)は、時間のみの関数si(t)バーに比例する。その周波数k/Tの比例係数をai (k)として式に示すと数式6のようになる。
【数6】
【0054】
仮定▲3▼はつまり、ある1つの信号源からの波動は時間経過に従って、ほぼ相似形に変化するという事実を表す。数式6を数式5に代入することにより、数式7が得られる。
【数7】
【0055】
数式7の左辺であるパワー(xバー)を行列及びベクトル形式で表示すると、数式8及び数式9となる。
【数8】
【数9】
【0056】
この形は、いわゆる独立成分分離法の形と似ているが、以下の2点において異なるので工夫が必要となる。▲1▼:行列Aは正方行列ではない。▲2▼:xバーはパワーなので正の値であり、関数si(t)バー、及び係数ai (k)もそれぞれ正の値である。そこで、以下の様な手順で、周波数毎のパワー(xバー)から信号源毎のパワー(yバー)を計算する(s207)。まず、ターゲットである信号源毎のパワー(yバー)は、関数si(t)バーの推定値であり、数式10のように、分離行列Wを用いて表される。
【数10】
【0057】
数式10における分離行列Wを求めるには、数式11の△Wを用いる。
【数11】
【0058】
数式11において、関数ψ(y)は数式12により定義する。ここでq(y)は、信号y(t)の分布型を示す。また、ベクトルyバーの関数であるψの内容を数式11の「注」に示している。
【数12】
【0059】
ここで、正負の値をとる通常の音声信号の場合と異なり正の値のみのパワーを扱うため、関数q(y)の形は通常のようにスーパーガウス関数などとすることができない。そこで、負の側の値を小さくでき、かつ原点で不連続とならないように式を工夫をしている。q(y)のグラフを図16に示す。
【0060】
数式11の△Wを用いて、△W=0となるまで数式13のように繰り返し計算を行い、分離行列Wを求める。求められたWを用いて数式10により、信号源毎に分離されたパワーを表すベクトルyバーが求められる。
【数13】
【0061】
ここで求められた信号源毎のパワーの概略イメージを、図14(c)のグラフに示す。ここではyバーは、周波数の関数でなく時間の関数である点に注意されたい。また、本実施形態では、A〜Cの3つの波動が混合されているので、結果として3つの信号源のパワーが求められている。これら3つ以外のyiバーの値はゼロとなってしまったのである。
【0062】
次に、上記信号源毎のパワー(yバー)を、さらに周波数成分毎のパワーにスペクトル分解する(s209)。数式14に示すように、前記数式10に示した行列Wの逆行列を利用する。
【数14】
【0063】
ここで、求められたベクトルxバーハットは、時刻tにおいて各信号源からの生の信号ui(t)に含まれる、周波数成分k/T毎のパワーを推定した値ということになる。信号源A〜Cのそれぞれの、ベクトルxバーハット(周波数毎のパワー推定値)のイメージを、図14(d)のグラフに示す。
【0064】
次に、各信号源i=1〜N(本実施形態ではN=3)全ての、周波数毎の振幅比率(全信号源中の当該信号源の割合)を、上記信号源毎の周波数別パワー(ベクトルxバーハット)より計算する(s211)。振幅の2乗がパワーに比例することを利用して、振幅比率σi(t,k)は数式15のようになる。
【数15】
振幅比率σiは、比率なので0から1までの値をとる。各信号源A〜Cのそれぞれの振幅比率のイメージを図15(e)に示す。
【0065】
次に、この振幅比率σiを利用して、各信号源からの信号ui(t)の、周波数毎のスペクトル推定値を求める(s213)。数式16のように、振幅比率σiに、数式2において求めた混合信号Xc(t)の波形スペクトル(Xウェイブ)を乗ずることにより計算される。求められた信号源毎の波形スペクトル推定値のイメージを、図15(f)に示す。
【数16】
【0066】
最後に、数式17の式の様に、Xiウェーブに逆フーリエ変換を施すことにより、信号源毎の推定振幅値xiハットを求める(s215)。
【数17】
【0067】
時刻ts−T/2における振幅推定値(xハット)が得られた。この推定値のイメージを、図15(g)に示す。結局、サンプリングした時間帯t3〜tsにおける代表時刻(ts−T/2)における、それぞれの信号源の振幅値が推定された。
【0068】
次に、サンプリング時間帯を1つずらして同様にステップs201〜s215の処理を繰り返す。入力信号Xc(t)の終了時刻teまでこの処理を繰り返したと判断(s217)したところで処理を終了する。
【0069】
尚、上記信号分離フィルターにおいては、入力された信号のスペクトル分解を行うためにフーリエ変換を利用したが、ウェーブレット変換などの方法を利用することとしてもよい。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
(a)本第1実施形態における信号抽出回路は、ローパスおよびハイパスフィルタによって、圧電センサの出力信号から呼吸信号と脈波信号とを抽出したが、これらフィルタに通す前に、前述の信号分離フィルタによって呼吸信号と脈波信号とを分離抽出してから前記ローパスフィルタまたはハイパスフィルタに通すようにしても良い。そして、この構成によれば、図12に示すように、出力の大きい行動状態信号に埋もれがちな微小出力の呼吸信号および脈波信号を、圧電センサの検出信号の中から確実に分離抽出可能となる。
【0071】
(b)本実施形態においては、ベルトを下腹部に沿って巻き付け装着したが、胴部であればこれに限るものではなく、状況に応じて胸部等に巻き付け装着しても良い。
【0072】
(c)本実施形態においては、ベルトに一体的に設けた信号処理部に信号変換回路を設けたが、これに限るものではない。例えば、信号変換回路を遠方の記録装置が備えるようにして、傾斜角信号から姿勢信号への変換および加速度信号から行動状態信号への変換を前記記録装置が行うようにしても良い。
【0073】
(d)本実施形態においては、信号処理部のマイクロコンピュータは前記4信号をA/D変換等する信号変換回路として単に機能させていたが、これに限るものではなく、このマイクロコンピュータに、これら4信号に基づいて被験者の身体状態を診断する機能を付与しても良い。例えば、前記信号の波形振幅の大きさ(所定周期内の最大値と最小値との差)に基づいて、被験者の身体状態の正常異常を判定し、異常と判定した際には警報を発するようにしても良い。すなわち、呼吸信号や脈波信号等の波形振幅が、所定時間に亘って継続して設定下限値を下回った場合には異常状態と判定して、前記ベルトや記録装置に設けた警報ブザーを鳴らすようにしても良い。
【0074】
(e)本第2実施形態における信号変換回路は、行動状態信号の変換を実施せずに信号送信回路へ送信したが、これに限る物ではない。例えば、前記信号変換回路に入力された行動状態信号の波形振幅の大小に基づいて、走行状態、歩行状態、静止状態の判定を行って、これらに対応する行動状態コードに変換して、これを新たな行動状態信号として信号送信回路へ送るようにしても良い。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、呼吸、脈波、行動状態、および姿勢を正確に常時計測可能な計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る人体の生理状態計測装置の装着状態における斜視図である。
【図2】展開状態における前記人体の生理状態計測装置を示す図であって、図2(a)はその正面図、図2(b)は背面図、図2(c)は平面図である。
【図3】前記人体の生理状態計測装置を人体に装着した様子を示す概念図である。
【図4】図2(c)中のIV−IV線矢視の断面図である。
【図5】回路基盤が備える処理回路のブロック図である。
【図6】2軸加速度センサの傾斜角信号と人体の実姿勢との対応関係を示すグラフである。
【図7】2軸加速度センサの傾斜角信号と人体の実姿勢との対応関係を表状にまとめて示す図である。
【図8】信号変換回路が実行する姿勢判定のフローチャートである。
【図9】人体の行動状態の判定基準を表状にまとめて示す図である。
【図10】加速度信号を行動状態信号へ変換する変換処理のフローチャートである。
【図11】第2実施形態に係る生理状態計測装置の回路基盤が備える処理回路のブロック図である。
【図12】右側は圧電センサの検出信号Xc(t)の波形を示すグラフであり、左側はXc(t)を構成する行動状態信号、呼吸信号、および脈波信号の三つの信号波形である。
【図13】分離抽出方法のステップを示すフローチャートである。
【図14】各ステップで求められる物理量の概略イメージを示すグラフである。
【図15】図14のグラフに続く各ステップの物理量の、概略イメージを示すグラフである。
【図16】分離行列Wを求める際に利用する関数q(y)のグラフである。
【符号の説明】
1 人体
11 人体の生理状態計測装置
13 ベルト
15 圧電センサ(第1センサ)
17 2軸加速度センサ(第2センサ)
21 信号処理部
23 回路基盤(基盤)
24 収容ケース
25 信号抽出回路
27 信号変換回路、マイクロコンピュータ
29 信号送信回路
31 電池
Claims (12)
- 人体の胴部回りに巻き付け装着されるベルトと、
該ベルトに沿って一体的に設けられ前記胴部表面の動きを検出する第1センサと、
該第1センサの検出信号から呼吸信号および脈波信号を抽出する信号抽出回路とを備え、
該信号抽出回路の基盤は前記ベルトに面当たりに係止されてなる人体の生理状態計測装置であって、
前記基盤には、自身の傾きを検出して傾斜角信号を出力するとともに、自身の加速度を検出して加速度信号を出力する第2センサが固設され、
前記傾斜角信号および前記加速度信号を人体の姿勢信号および行動状態信号に変換する信号変換回路を備えることを特徴とする人体の生理状態計測装置。 - 請求項1に記載の人体の生理状態計測装置であって、
前記信号抽出回路は、少なくとも複数の信号源から発せられた信号である呼吸信号と脈波信号とが混在している混在信号X(t)としての前記検出信号から、信号源毎の信号を求めるための信号分離フィルタを備え、
該信号分離フィルタは、前記混在信号X(t)について、対象とする時間帯を変えて、以下の(11)〜(17)のステップを複数回実行することを特徴とする。
(11)対象とする時間帯において、前記混在信号X(t)を複数回サンプリングしてサンプリング毎の前記混在信号X(t)の値をサンプリング信号値として求める。
(12)前記サンプリング信号値をもとに、周波数毎の波形スペクトルを求める。
(13)前記波形スペクトルをもとに、周波数毎のパワーを求める。
(14)前記周波数毎のパワーをもとに、信号源ごとのパワーの時間的変化を求める。
(15)前記信号源ごとのパワーの時間的変化をもとに、信号源それぞれについて、周波数毎のパワーの時間的変化を求める。
(16)前記(12)のステップで求めた波形スペクトル、及び、前記(15)のステップで求めた信号源それぞれについての周波数毎のパワーの時間的変化、に基づいて、信号源それぞれについて、周波数毎の波形スペクトルを求める。
(17)前記信号源それぞれについての周波数毎の波形スペクトルをもとに、ある時刻における各信号源の信号値を求める。 - 人体の胴部回りに巻き付け装着されるベルトと、
該ベルトに沿って一体的に設けられ前記胴部表面の動きを検出する第1センサと、
該第1センサの検出信号から呼吸信号、脈波信号、および人体の行動状態信号を分離抽出する信号分離フィルタとを備え、
該信号分離フィルタの基盤は前記ベルトに面当たりに係止されてなる人体の生理状態計測装置であって、
前記基盤には、自身の傾きを検出して傾斜角信号を出力する第2センサが固設され、
前記傾斜角信号を胴部の姿勢信号に変換する信号変換回路を備えることを特徴とする人体の生理状態計測装置。 - 請求項3に記載の人体の生理状態計測装置であって、
前記信号分離フィルタは、少なくとも複数の信号源から発せられた信号である呼吸信号、脈波信号、および人体の行動状態信号が混在している混在信号X(t)としての前記検出信号から、信号源毎の信号を求めるフィルタであり、
前記混在信号X(t)について、対象とする時間帯を変えて、以下の(11)〜(17)のステップを複数回実行することを特徴とする。
(11)対象とする時間帯において、前記混在信号X(t)を複数回サンプリングしてサンプリング毎の前記混在信号X(t)の値をサンプリング信号値として求める。
(12)前記サンプリング信号値をもとに、周波数毎の波形スペクトルを求める。
(13)前記波形スペクトルをもとに、周波数毎のパワーを求める。
(14)前記周波数毎のパワーをもとに、信号源ごとのパワーの時間的変化を求める。
(15)前記信号源ごとのパワーの時間的変化をもとに、信号源それぞれについて、周波数毎のパワーの時間的変化を求める。
(16)前記(12)のステップで求めた波形スペクトル、及び、前記(15)のステップで求めた信号源それぞれについての周波数毎のパワーの時間的変化、に基づいて、信号源それぞれについて、周波数毎の波形スペクトルを求める。
(17)前記信号源それぞれについての周波数毎の波形スペクトルをもとに、ある時刻における各信号源の信号値を求める。 - 前記(12)のステップにおける周波数毎の波形スペクトルを求める方法として、フーリエ変換を行うことを特徴とする請求項2または4のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置。
- 前記(14)のステップは、少なくとも独立成分分離処理を含むことを特徴とする請求項2若しくは4または5のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置。
- 前記(14)のステップは、原点において連続でありながら、負の領域では原点から遠ざかるに従って急速に減少する関数を利用して、分離行列Wを求める処理を含むことを特徴とする請求項2若しくは4または5のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置。
- 前記(16)のステップでは、前記(15)のステップで求めた信号源それぞれについての周波数毎のパワーの時間的変化に基づいて、各信号源の波形スペクトルの振幅比率を求める処理を含むことを特徴とする請求項2、または請求項4乃至7のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置。
- 前記信号分離フィルタから抽出された呼吸信号を更にローパスフィルタに通して取り出すとともに、前記信号分離フィルタから抽出された脈波信号を更にハイパスフィルタに通して取り出すことを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置。
- 前記胴部におけるベルトの装着位置は下腹部であり、該下腹部の中央における前記傾斜角信号に基づいて人体の立位姿勢と座位姿勢とを区別して判定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置。
- 前記基盤は、前記呼吸信号、脈波信号、行動状態信号、および姿勢信号を、無線により遠方の記録装置に送信するための信号送信回路を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置。
- 前記第1センサは圧電センサであるとともに、前記第2センサは2軸加速度センサであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の人体の生理状態計測装置。
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