JP2004133483A - 画像表示装置およびアライメント調整方法 - Google Patents

画像表示装置およびアライメント調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来と比較して、より薄型化された画像表示装置を得る。
【解決手段】 画像情報を照明光に与えて光画像信号として送信する送信手段と、上記光画像信号を受光して、上記画像情報に基づく画像を表示する表示手段とを備えた画像表示装置において、光画像信号を反射する反射面を有する反射部と、光画像信号を上記反射部へ投影する屈折面を有する屈折光学部とから構成される投影光学手段17を備え、表示手段18は、上記投影光学手段17を介して光画像信号を受光するとともに、反射面および屈折面の少なくとも1面は非球面形状に形成される。
【選択図】    図1

Description

 この発明は、画像情報が与えられた光画像信号を表示手段に投影して画像を表示する画像表示装置に関するものであり、また、この画像表示装置に用いる光学系構成要素のアライメント調整方法に係るものである。
 図95は従来の画像表示装置の構成を示す図である。1は光を出力する発光体、2は発光体1から出力された光が概ね平行になるように反射する放物面リフレクタ、3は放物面リフレクタ2に反射された光を集光する集光レンズである。発光体1、放物面リフレクタ2および集光レンズ3から照明光源系が構成されている。
 4は集光レンズ3によって集光された光を画像情報に基づいて空間的に強度変調するライトバルブ、5はライトバルブ4によって強度変調された光をスクリーン6に投影する投影光学レンズ、6は投影光学レンズ5から投影された光を画像として表示するスクリーンである。光路は矢印で表示してある。
 次に動作について説明する。
 発光体1から出力された光は、放物面リフレクタ2によって反射され、集光レンズ3によってライトバルブ4へ集光される。ライトバルブ4は画像情報に基づいて集光された光を空間的に強度変調する。強度変調された光は投影光学レンズ5によってスクリーン6に後方(図95の左方)から投影されて、画像として表示される。画像表示装置の利用者は、図95のスクリーン6の前方(図95の右方)から画像を視認する。
 図95の画像表示装置の奥行は、発光体1、放物面リフレクタ2、集光レンズ3からなる照明光源系からスクリーン6までの距離に相当する。同じ大きさの画像を表示できる画像表示装置であれば、この奥行をなるべく薄く構成したものの方が好ましい。このような理由で、図95に示した従来の画像表示装置では、画像表示装置の奥行を極力抑えて薄型化できるように、広角の投影光学レンズ5を用いてスクリーン6に画像を表示している。
 しかしながら、投影光学レンズ5の広角には限界があるため、図95の画像表示装置をさらに薄型化するために、図96に示すように、水平方向に対して45°傾いた平面鏡7を設けて、投影光学レンズ5からの光路を折り曲げてスクリーン6に投影するように構成している。
 図96の画像表示装置では、照明光源系やライトバルブ4、投影光学レンズ5の各構成要素を画像表示装置の高さ方向(図96の上下方向)に配置し、画像表示装置の薄型化を可能にしている。この場合の画像表示装置の奥行は、平面鏡7からスクリーン6までの距離に相当する。水平方向に対する平面鏡7の傾きを45°よりも大きくすれば画像表示装置をさらに薄型化することができるが、ライトバルブ4および光源部分が投影光と干渉し、光がけられてしまってスクリーン6から光路が外れてしまう。
 また、特許文献1には、図96の平面鏡7の代わりに凸面鏡を用いて光を反射してスクリーン6に画像を拡大表示する画像表示装置が開示されているが、スクリーン6には歪んだ画像が表示されてしまう。
特開平6−11767号公報
 従来の画像表示装置は以上のように構成されているので、画像表示装置の薄型化には限界があり、これ以上の薄型化をすることができないという課題があった。
 この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、画像を歪ませることなく拡大表示することができるとともに、従来と比較してさらに薄型化することができる画像表示装置を得ることを目的とする。
 また、この発明は、上記の画像表示装置の光学系構成要素をアライメント調整するアライメント調整方法を得ることを目的とする。
 この発明に係る画像表示装置は、光画像信号を反射する反射面を有する反射部と、光画像信号を反射部へ投影する屈折面を有する屈折光学部とから構成される投影光学手段を備え、投影光学手段を介して光画像信号を表示手段が受光するとともに、反射面および屈折面の少なくとも1面は非球面形状に形成されるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、照明光を発する照明光源部と、照明光源部から発せられた照明光を受けるとともに、照明光に画像情報を与えて光画像信号として反射する反射型画像情報付与部とから送信手段が構成されるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、送信手段から送信された光画像信号を反射する回転非球面を反射部が備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、負のパワーを有する凸面鏡を反射部とするようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、負のパワーを有するフレネルミラーを反射部とするようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、送信手段から送信された光画像信号が透過する方向に積層された低分散媒質および高分散媒質から反射部が構成され、負のパワーを有し、低分散媒質および高分散媒質を透過した光画像信号を反射する反射面を反射部が備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、光軸の周りでは大きな凸の曲率を有し、周辺になるにしたがって曲率が小さくなるように形成された反射面を反射部が有するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、偶数次の項から成る多項式に奇数次の項を加えて求められる奇数次非球面形状の反射面を反射部が有するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、反射部または屈折光学部の光軸付近を避けて反射部または屈折光学部が光画像信号を導くようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、屈折光学部から反射部へ光画像信号を反射する光路折曲手段を投影光学手段が備え、反射部の光軸を含む水平面内で屈折光学部の光軸方向を適切な角度に折り曲げるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、第1のレンズ手段から第2のレンズ手段へ光画像信号を反射する光路折曲手段を屈折光学部が備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、合成樹脂によって製造された少なくとも1枚のレンズを屈折光学部が有するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、光軸を共通化して回転対称形で屈折光学部および反射部が構成されるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、投影光学手段からの光画像信号を表示手段へ反射する平面鏡を備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、表示手段の受光面と平面鏡の反射面とを平行の関係にするようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、屈折光学部が光路折曲手段から反射部までの光路を遮らない範囲で光路に近づけるように、光軸方向の折曲角度を設定するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、第1のレンズ手段が光路折曲手段から第2のレンズ手段までの光路を遮らない範囲で光路に近づけるように、光軸方向の折曲角度を設定するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、屈折光学部から反射部設置面までの最短距離を厚さ制限値以下の範囲で離すようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、反射部設置面から光路折曲手段までの最長距離または反射部設置面から屈折光学部までの最長距離のうちで、より長い最長距離を厚さ制限値と等しくするようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、反射部設置面から光路折曲手段までの最長距離と、反射部設置面から屈折光学部までの最長距離とを等しくするようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、光画像信号の通過しない非透過部分を屈折光学部から削除した形状とするようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を反射部から切り取った形状とするようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、屈折光学部および反射部を一体化して保持する保持機構を備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、屈折光学部、光路折曲手段および反射部を一体化して保持する保持機構を備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、投影光学手段が、使用しない光軸中心付近の光学性能を悪くして、使用する光軸外の範囲の結像性能を向上させるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、投影光学手段が、光軸中心の結像位置と光軸周辺の結像位置とが同一平面内に存在しないようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、投影光学手段が、光軸中心付近の歪曲収差を許容して、使用する大半の部分の結像性能を向上させるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、投影光学手段が、光学性能を劣化させる範囲を画面底辺のみ関係する画角範囲に制限するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、投影光学手段の歪曲収差を補正する形状を投影光学手段から光画像信号を表示手段へ反射する平面鏡が有するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、反射部の光軸近辺へ向う出射光の射出瞳と、反射部の周辺へ向う出射光の射出瞳とをずらして屈折光学部が構成され、反射部に対する出射光の入射位置および入射角を調整するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、光画像信号を反射する反射面としてのフロント面から、フロント面の背面に設けられたリア面までの反射部の厚さを等厚に形成するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、光画像信号を反射しない非投影フロント面に反射部の光軸を中心として設けた平面形状の低反射面と、低反射面よりも小さな面積を有し、低反射面内部に光軸を中心として設けられた平面形状の高反射面とを反射部が備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、画像情報光の出射面を保護するカバーガラスと、カバーガラスの光学的厚さのバラツキ増減に応じて、バラツキを逆に減増した光学的厚さを有する補償ガラスとを送信手段が備え、カバーガラスおよび補償ガラスを介して送信手段が屈折光学部へ光を出射するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、送信手段からの照明光の入射側に補償ガラスを着脱する補償ガラス着脱機構を屈折光学部が備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、平面鏡の反射面および表示手段の受光面と直交する底面を有し、表示手段に表示される4角形の画像の底辺上に存在し、画像の中心から最も離れた第1の点と、第1の点へ向う光線が反射される平面鏡上の第2の点と、第2の点へ向う光線が反射される反射部上の第3の点と、第1の点を底面の法線方向から底面へ投影した第1の投影点と、第2の点を底面の法線方向から底面へ投影した第2の投影点と、第3の点を底面の法線方向から底面へ投影した第3の投影点とを線分で各々結ぶことによってできる配置空間に構成要素を配置するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、照明光を発する照明光源部と、照明光源部の出射光を順次着色するカラーホイールと、照明光源部からの照明光による出射端面の照度分布を均一化して出射するロッドインテグレータと、ロッドインテグレータからの照明光をリレーするリレーレンズとから構成される集光光学系主要部と、リレーレンズからの照明光の主光線方向をそろえるフィールドレンズと、フィールドレンズからの照明光に画像情報を与えて光画像信号として反射する反射型画像情報付与部とから送信手段が構成され、集光光学系主要部を構成要素として配置空間に配置するとともに、集光光学系主要部からの照明光をフィールドレンズへ順次反射する第2の光路折曲手段および第3の光路折曲手段を備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、集光光学系主要部の光軸を表示手段の受光面および底面に平行に設置するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、集光光学系主要部の光軸を表示手段の受光面に平行に設置するとともに、リレーレンズと光軸との交点よりも照明光源部と光軸との交点が鉛直方向において高くなるよう傾斜させるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、集光光学系主要部およびフィールドレンズを設置する調整台を送信手段が備えるとともに、第3の光路折曲手段を収納する収納孔を調整台に備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、集光光学系主要部は、第2の光路折曲手段または第3の光路折曲手段の少なくとも一方の光学面を曲面形状にするようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、合成樹脂によって反射部が製造されるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、その光軸の方向から見た正面形状が長方形になるように、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を反射部が切り取られるとともに、長方形の下辺上において所定の偏芯距離で光軸近傍に設けられ、第1の反射部取付機構に対してピボット固定される第1のネジ留部と、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第2の反射部取付機構に対してスライド保持される第2のネジ留部と、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第3の反射部取付機構に対してスライド保持される第3のネジ留部とを備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、第1の反射部取付機構および第1のネジ留部がテーパネジによってネジ留されるとともに、テーパネジのテーパ部分と合致するテーパ形状のネジ孔を有するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、その光軸の方向から見た正面形状が長方形になるように、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を反射部が切り取られるとともに、長方形の下辺上において所定の偏芯距離で光軸近傍に設けられた凹部と、凹部にその曲面を嵌る円柱支持体と、凹部の左右にその一端がそれぞれ固定され、反射部に対して引っ張り力を与える2つのスプリングと、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第2の反射部取付機構に対してスライド保持される第2のネジ留部と、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第3の反射部取付機構に対してスライド保持される第3のネジ留部とを備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、その光軸の方向から見た正面形状が長方形になるように、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を反射部が切り取られるとともに、長方形の下辺上において所定の偏芯距離で光軸近傍に設けられた凸部と、そのV溝に凸部を嵌るV溝支持体と、凸部の左右にその一端がそれぞれ固定され、反射部に対して引っ張り力を与える2つのスプリングと、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第2の反射部取付機構に対してスライド保持される第2のネジ留部と、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第3の反射部取付機構に対してスライド保持される第3のネジ留部とを備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、第1のネジ留部の左右にその一端がそれぞれ固定されるとともに、共通の一点で他端が固定され、反射部に対して引っ張り力を与える2つのスプリングを反射部が備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、第1の反射部取付機構、第2の反射部取付機構および第3の反射部取付機構に対して、第1のネジ留部、第2のネジ留部および第3のネジ留部が光画像信号を反射する反射部のフロント面側をそれぞれ接触保持するようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、保持機構上に設けられ、屈折光学部の全レンズ群または屈折光学部の一部のレンズ群をスライド支持する2本のスライド支持柱と、2本のスライド支持柱の間に位置し、保持機構上に固定される第1の取付板と、2本のスライド支持柱の間に位置し、屈折光学部を構成する全レンズ群またはその一部レンズ群の下部に固定される第2の取付板と、第1の取付板および第2の取付板によって挟むように接触保持され、印加される制御電圧の増減によって屈折光学部の光軸の方向へ伸縮する圧電素子とを備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、保持機構上に設けられ、反射部、屈折光学部の全レンズ群または屈折光学部の一部レンズ群のうちいずれか一つを屈折光学部の光軸の方向へギア機構によって移動するギア支持柱を備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、保持機構に保持された屈折光学部または保持機構のうちの少なくとも一方を加熱冷却する加熱冷却器を備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、屈折光学部の鏡筒温度をセンシングする温度センサと、保持機構の内部温度をセンシングする温度センサと、鏡筒温度および内部温度から求められるピント補償量にしたがって、圧電素子、ギア機構または加熱冷却器のうちの少なくとも一つを制御するコントロールユニットとを備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、環境温度をセンシングする温度センサと、少なくとも2つ以上の異なるピント調整点から得られた線形補間式へ上記環境温度を与えて求められるピント補償量にしたがって、圧電素子、ギア機構または加熱冷却器のうちの少なくともいずれか一つを制御するコントロールユニットとを備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、表示手段の非画像表示領域へ入射する光を受光して、ピント情報を検出するCCD素子と、ピント情報の解析結果に応じて、圧電素子、ギア機構または加熱冷却器のうちの少なくとも一つを制御するコントロールユニットとを備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、表示手段の非画像表示領域へ入射する光をCCD素子へ反射する小型反射鏡を備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、CCD素子で受光された光強度分布をピント情報として、ピント情報のピーク値をコントロールユニットが解析して、ピーク値を大きくするように制御を行うようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、CCD素子で受光された光強度分布をピント情報として、ピント情報の所定レベルの幅をコントロールユニットが解析して、所定レベルの幅を小さくするように制御を行うようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、CCD素子で受光された光強度分布をピント情報として、ピント情報の肩部の傾きをコントロールユニットが解析して、傾きを大きくするように制御を行うようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、屈折光学部および反射部をそれぞれ支持する複数の支持柱を保持機構が備え、その鉛直方向の高さと線膨張率との積が支持柱で全て等しくするようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、高反射面および低反射面もしくは全面高反射面を有する反射凸部または反射凹部を反射部が備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、光画像信号を反射する反射面としてのフロント面にレンズ層を反射部が備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、筐体の底面上に設けられ、表示手段を有する前部筐体と、底面上に設けられる後部筐体と、前部筐体から後部筐体までの間に設けられ、底面とともに収納空間を形成する上部斜面、左部斜面および右部斜面とを備え、左部斜面および右部斜面が、表示手段と平行な平行面を前部筐体の裏面に残すとともに、表示手段と垂直な垂直面を後部筐体の側面に残すようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、画像表示装置の左右いずれか片側の平行面に接続される第1の端面と、平行面と同じ片側にある垂直面に接続される第2の端面と、第2の端面に平行な接続面とを有する接続部材とを備え、この接続面が他の接続部材の接続面と連結されるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、画像表示装置と同一の高さを接続部材が有するとともに、第1の端面および第2の端面に対してそれぞれ直交し、他の接続部材と連結される第3の端面を接続部材が備えるようにしたものである。
 この発明に係る画像表示装置は、左部斜面および右部斜面を介して、排気・排熱またはケーブル類を筐体の内部から外部へ通すようにしたものである。
 この発明に係るアライメント調整方法は、反射部へ直進光を入射するとともに、反射部の姿勢調整を行って、高反射面へ入射する直進光の往路と、高反射面で反射する直進光の復路とを一致させるステップと、屈折光学部を介した往路の直進光を高反射面へ入射するとともに、高反射面で反射した復路の直進光を屈折光学部から出射して、屈折光学部の姿勢調整を行って、屈折光学部から出射した復路の直進光のパワーを最大にするステップとを備えるようにしたものである。
 この発明に係るアライメント調整方法は、治具表示手段へ垂直に入射して第1の透過孔を透過した平行光束を高反射面で反射し、高反射面と第1の透過孔との間において平行光束の往路と復路とを一致させるステップと、屈折光学部の理想的な光軸を中心とする平行光束を光路折曲反射鏡から高反射面へと順次反射し、高反射面と光路折曲反射鏡との間において平行光束の往路と復路とを一致させるステップと、屈折光学部の光軸と対応して設けられた第2の透過孔を有する孔空反射鏡をレンズ保持フランジに設置して、屈折光学部の理想的な光軸を中心とする平行光束を第2の透過孔を介して光路折曲反射鏡から高反射面へと順次反射し、孔空反射鏡で反射した平行光束と、高反射面から光路折曲反射鏡へと順次反射した復路の平行光束との進行方向を一致させるステップと、レンズ保持フランジから孔空反射鏡を取り外して屈折光学部を設置するステップと、照明光源部および画像情報付与部を設置し、照明光源部から発した光を画像情報付与部によって光画像信号として、屈折光学部、光路折曲反射鏡および反射部を介して、治具表示手段上の正規の位置に光画像信号を結像させるステップとを備えるようにしたものである。
 この発明によれば、光画像信号を反射する反射面を有する反射部と、光画像信号を反射部へ投影する屈折面を有する屈折光学部とから構成される投影光学手段を備え、投影光学手段を介して光画像信号を表示手段が受光するとともに、反射面および屈折面の少なくとも1面は非球面形状に形成されるようにしたので、画像表示装置を薄型化して、表示手段へ投影する光の歪曲収差を補正することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、照明光を発する照明光源部と、照明光源部から発せられた照明光を受けるとともに、照明光に画像情報を与えて光画像信号として反射する反射型画像情報付与部とから送信手段が構成されるようにしたので、光画像信号が出射される反射型画像情報付与部の反射面側に照明光源部を配置できるようになり、液晶などの透過型の光空間変調素子を用いた従来の画像表示装置と比較して、より薄型化した画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、送信手段から送信された光画像信号を反射する回転非球面を反射部が備えるようにしたので、鏡面旋盤によって反射部を容易に製作することができるようになり、製造コストを大幅に削減することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、負のパワーを有する凸面鏡を反射部とするようにしたので、反射部の製造が容易になるという効果が得られる。
 この発明によれば、負のパワーを有するフレネルミラーを反射部とするようにしたので、屈折光学部によって歪曲収差を補正することなく画像を拡大することができるようになり、画像表示装置の設計、製造を容易にすることができるという効果が得られるとともに、更に薄型化した画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、送信手段から送信された光画像信号が透過する方向に積層された低分散媒質および高分散媒質から反射部が構成され、負のパワーを有し、低分散媒質および高分散媒質を透過した光画像信号を反射する反射面を反射部が備えるようにしたので、緩やかな凸面形状で光信号を広角に投影できるとともに、低分散媒質や高分散媒質の厚さを調整して反射面で生じる歪曲収差を光学素子の内部で補正することができるようになり、歪曲収差の補正が容易になるという効果が得られる。
 この発明によれば、光軸の周りでは大きな凸の曲率を有し、周辺になるにしたがって曲率が小さくなるように形成された反射面を反射部が有するようにしたので、表示手段へ投影する光の歪曲収差をより補正することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、偶数次の項から成る多項式に奇数次の項を加えて求められる奇数次非球面形状の反射面を反射部が有するようにしたので、歪曲収差の補正と軸外の投影光の良好な結像特性を両立した投影光学系を実現することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、反射部または屈折光学部の光軸付近を避けて反射部または屈折光学部が光画像信号を導くようにしたので、良好な結像性能を実現することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、屈折光学部から反射部へ光画像信号を反射する光路折曲手段を投影光学手段が備え、反射部の光軸を含む水平面内で屈折光学部の光軸方向を適切な角度に折り曲げるようにしたので、さらに薄型化し、かつスクリーン下部高さを低く抑えた画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、第1のレンズ手段から第2のレンズ手段へ光画像信号を反射する光路折曲手段を屈折光学部が備えるようにしたので、さらに薄型化し、かつスクリーン下部高さを低く抑えた画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、合成樹脂によって製造された少なくとも1枚のレンズを屈折光学部が有するようにしたので、屈折光学部の生産性が向上し、画像表示装置のコストを低減することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、光軸を共通化して回転対称形で屈折光学部および反射部が構成されるようにしたので、屈折光学部や反射部を回転成形によって容易に製造することができ、アライメントも容易に調整することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、投影光学手段からの光画像信号を表示手段へ反射する平面鏡を備えるようにしたので、画像表示装置の空間を最大限に利用して、画像表示装置を薄型化することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、表示手段の受光面と平面鏡の反射面とを平行の関係にするようにしたので、画像表示装置を薄型化して構成することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、屈折光学部が光路折曲手段から反射部までの光路を遮らない範囲で光路に近づけるように、光軸方向の折曲角度を設定するようにしたので、映像が投影できない影の部分を生じる事なく、厚さ制限値の制約を満足してスクリーン下部高さを低く抑えることができるという効果が得られる。
 この発明によれば、第1のレンズ手段が光路折曲手段から第2のレンズ手段までの光路を遮らない範囲で光路に近づけるように、光軸方向の折曲角度を設定するようにしたので、映像が投影できない影の部分を生じる事なく、厚さ制限値の制約を満足してスクリーン下部高さを低く抑えることができるという効果が得られる。
 この発明によれば、屈折光学部から反射部設置面までの最短距離を厚さ制限値以下の範囲で離すようにしたので、映像が投影できない影の部分を生じる事なく、厚さ制限値の制約を満足してスクリーン下部高さを低く抑えることができるという効果が得られる。
 この発明によれば、反射部設置面から光路折曲手段までの最長距離または反射部設置面から屈折光学部までの最長距離のうちで、より長い最長距離を厚さ制限値と等しくするようにしたので、映像が投影できない影の部分を生じる事なく、厚さ制限値の制約を満足してスクリーン下部高さを低く抑えることができるという効果が得られる。
 この発明によれば、反射部設置面から光路折曲手段までの最長距離と、反射部設置面から屈折光学部までの最長距離とを等しくするようにしたので、スクリーン下部高さを最も低く抑えることができるという効果が得られる。
 この発明によれば、光画像信号の通過しない非透過部分を屈折光学部から削除した形状とするようにしたので、光路折曲反射鏡から反射部までの光路に対して屈折光学部をより近づけることができるようになり、厚さ制限値の制約をさらに満足してスクリーン下部高さをさらに低く抑えることができるという効果が得られる。
 この発明によれば、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を反射部から切り取った形状とするようにしたので、非反射部分を切り取った分だけ反射部を小さく構成することができ、画像表示装置のコストを削減することができ、また画像表示装置内部の構成スペースを有効に利用することができるという効果が得られ、さらに回転成型された1つの凸面鏡を2等分して2台分の画像表示装置に適用することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、屈折光学部および反射部を一体化して保持する保持機構を備えるようにしたので、屈折光学部および反射部の相互の位置関係を固定して、構成要素間の光路を対応付けすることができるようになり、画像表示装置の性能をより安定化することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、屈折光学部、光路折曲手段および反射部を一体化して保持する保持機構を備えるようにしたので、屈折光学部、光路折曲手段および反射部の相互の位置関係を固定して、構成要素間の光路を対応付けすることができるようになり、画像表示装置の性能をより安定化することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、投影光学手段が、使用しない光軸中心付近の光学性能を悪くして、使用する光軸外の範囲の結像性能を向上させるようにしたので、ペッツバール条件から外れたレンズ構成が可能になり、屈折光学部を構成する光学材料の屈折率および分散の制限条件を緩和して設計の自由度を広げ、より高い結像性能を得ることができるという効果が得られる。
 この発明によれば、投影光学手段が、光軸中心の結像位置と光軸周辺の結像位置とが同一平面内に存在しないようにしたので、屈折光学部の設計上の自由度が増加し、優れた結像性能を有する画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、投影光学手段が、光軸中心付近の歪曲収差を許容して、使用する大半の部分の結像性能を向上させるようにしたので、光軸に最も近い矩形画面の一辺以外の他辺に対する相対的な歪量を少なくすることができ、境界部が曲線になりにくいという効果が得られる。
 この発明によれば、投影光学手段が、光学性能を劣化させる範囲を画面底辺のみ関係する画角範囲に制限するようにしたので、歪曲収差の影響を光軸中心付近の底辺のみに限定でき、他の3辺は正しい矩形形状に画像形成できるという効果が得られるとともに、縦方向に2面、横方向に多面のマルチディスプレイを構成する場合において、画面のつなぎ部分での絵の重なり、絵の隙間などが発生しないという効果が得られる。
 この発明によれば、投影光学手段の歪曲収差を補正する形状を投影光学手段から光画像信号を表示手段へ反射する平面鏡が有するようにしたので、画像表示装置全体の歪曲収差を補正できるという効果が得られる。
 この発明によれば、反射部の光軸近辺へ向う出射光の射出瞳と、反射部の周辺へ向う出射光の射出瞳とをずらして屈折光学部が構成され、反射部に対する出射光の入射位置および入射角を調整するようにしたので、反射部周辺部分での反り返りを抑制することができ、像面湾曲を抑制することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、光画像信号を反射する反射面としてのフロント面から、フロント面の背面に設けられたリア面までの反射部の厚さを等厚に形成するようにしたので、温度変化に対するフロント面の形状変化を抑制することができ、画像表示装置の環境特性を向上することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、光画像信号を反射しない非投影フロント面に反射部の光軸を中心として設けた平面形状の低反射面と、低反射面よりも小さな面積を有し、低反射面内部に光軸を中心として設けられた平面形状の高反射面とを反射部が備えるようにしたので、検出器によるパワーモニタおよび演算処理によって仮想光軸を作り出すことができるようになり、画像表示装置の組立工程において、反射部、屈折光学部のアライメント調整を容易に行うことができるという効果が得られる。
 この発明によれば、画像情報光の出射面を保護するカバーガラスと、カバーガラスの光学的厚さのバラツキ増減に応じて、バラツキを逆に減増した光学的厚さを有する補償ガラスとを送信手段が備え、カバーガラスおよび補償ガラスを介して送信手段が屈折光学部へ光を出射するようにしたので、カバーガラスの厚さのバラツキを相殺して、常に一定の光学的厚さを有するガラス媒質によって送信手段の出射面が保護されているようにみなすことができ、照明光源系や屈折光学部を設計変更することなく利用することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、送信手段からの照明光の入射側に補償ガラスを着脱する補償ガラス着脱機構を屈折光学部が備えるようにしたので、カバーガラスの厚さ変更や厚さバラツキに対応して適宜最適な厚さの補償ガラスに取り替えることができるという効果が得られる。
 この発明によれば、平面鏡の反射面および表示手段の受光面と直交する底面を有し、表示手段に表示される4角形の画像の底辺上に存在し、画像の中心から最も離れた第1の点と、第1の点へ向う光線が反射される平面鏡上の第2の点と、第2の点へ向う光線が反射される反射部上の第3の点と、第1の点を底面の法線方向から底面へ投影した第1の投影点と、第2の点を底面の法線方向から底面へ投影した第2の投影点と、第3の点を底面の法線方向から底面へ投影した第3の投影点とを線分で各々結ぶことによってできる配置空間に構成要素を配置するようにしたので、平面鏡と表示手段とによって定められた画像表示装置の薄さの範囲で、スクリーン下部の高さを抑制することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、照明光を発する照明光源部と、照明光源部の出射光を順次着色するカラーホイールと、照明光源部からの照明光による出射端面の照度分布を均一化して出射するロッドインテグレータと、ロッドインテグレータからの照明光をリレーするリレーレンズとから構成される集光光学系主要部と、リレーレンズからの照明光の主光線方向をそろえるフィールドレンズと、フィールドレンズからの照明光に画像情報を与えて光画像信号として反射する反射型画像情報付与部とから送信手段が構成され、構成要素として集光光学系主要部を配置空間に配置するとともに、集光光学系主要部からの照明光をフィールドレンズへ順次反射する第2の光路折曲手段および第3の光路折曲手段を備えるようにしたので、反射型の光空間変調素子に対して配置空間に配置した集光光学系主要部によって光を集光することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、集光光学系主要部の光軸を表示手段の受光面および底面に平行に設置するようにしたので、照明光源部の寿命を短くすることなく、スクリーン下部の高さを抑制して種々の利用形態に対応できる画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、集光光学系主要部の光軸を表示手段の受光面に平行に設置するとともに、リレーレンズと光軸との交点よりも照明光源部と光軸との交点が鉛直方向において高くなるよう傾斜させるようにしたので、照明光源部の寿命を短くすることなく、スクリーン下部の高さを抑制して種々の利用形態に対応できる画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、集光光学系主要部およびフィールドレンズを設置する調整台を送信手段が備えるとともに、第3の光路折曲手段を収納する収納孔を調整台に備えるようにしたので、スクリーン下部の高さをさらに抑制した画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、集光光学系主要部は、第2の光路折曲手段または第3の光路折曲手段の少なくとも一方の光学面を曲面形状にするようにしたので、その曲面形状を工夫することによって光線の制御に自由度を与えることができるようになり、種々の光学性能の改善を図ることができるという効果が得られる。
 この発明によれば、合成樹脂によって反射部が製造されるようにしたので、その形状を容易に成形できるとともに、低コストで大量生産できるという効果が得られる。
 この発明によれば、その光軸の方向から見た正面形状が長方形になるように、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を反射部が切り取られるとともに、長方形の下辺上において所定の偏芯距離で光軸近傍に設けられ、第1の反射部取付機構に対してピボット固定される第1のネジ留部と、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第2の反射部取付機構に対してスライド保持される第2のネジ留部と、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第3の反射部取付機構に対してスライド保持される第3のネジ留部とを備えるようにしたので、温度変化に起因する熱膨張・熱収縮によって、反射部の形状の変形や光軸のズレを抑制し、画像表示装置の光学性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
 この発明によれば、第1の反射部取付機構および第1のネジ留部がテーパネジによってネジ留されるとともに、テーパネジのテーパ部分と合致するテーパ形状のネジ孔を有するようにしたので、確実にピボット固定を行うことができるという効果が得られる。
 この発明によれば、その光軸の方向から見た正面形状が長方形になるように、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を反射部が切り取られるとともに、長方形の下辺上において所定の偏芯距離で光軸近傍に設けられた凹部と、凹部にその曲面を嵌る円柱支持体と、凹部の左右にその一端がそれぞれ固定され、反射部に対して引っ張り力を与える2つのスプリングと、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第2の反射部取付機構に対してスライド保持される第2のネジ留部と、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第3の反射部取付機構に対してスライド保持される第3のネジ留部とを備えるようにしたので、温度変化に起因する熱膨張・熱収縮によって、反射部の形状の変形や光軸のズレを抑制し、画像表示装置の光学性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
 この発明によれば、その光軸の方向から見た正面形状が長方形になるように、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を反射部が切り取られるとともに、長方形の下辺上において所定の偏芯距離で光軸近傍に設けられた凸部と、そのV溝に凸部を嵌るV溝支持体と、凸部の左右にその一端がそれぞれ固定され、反射部に対して引っ張り力を与える2つのスプリングと、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第2の反射部取付機構に対してスライド保持される第2のネジ留部と、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第3の反射部取付機構に対してスライド保持される第3のネジ留部とを備えるようにしたので、温度変化に起因する熱膨張・熱収縮によって、反射部の形状の変形や光軸のズレを抑制し、画像表示装置の光学性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
 この発明によれば、第1のネジ留部の左右にその一端がそれぞれ固定されるとともに、共通の一点で他端が固定され、反射部に対して引っ張り力を与える2つのスプリングを反射部が備えるようにしたので、画像表示装置を天地逆転して利用する際に第1のネジ留部に集中する応力をスプリングへ分散することができるようになり、第1のネジ留部の信頼性を向上することができる。
 この発明によれば、第1の反射部取付機構、第2の反射部取付機構および第3の反射部取付機構に対して、第1のネジ留部、第2のネジ留部および第3のネジ留部が光画像信号を反射する反射部のフロント面側をそれぞれ接触保持するようにしたので、反射部の反射面を精度良く配置することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、保持機構上に設けられ、屈折光学部の全レンズ群または屈折光学部の一部のレンズ群をスライド支持する2本のスライド支持柱と、2本のスライド支持柱の間に位置し、保持機構上に固定される第1の取付板と、2本のスライド支持柱の間に位置し、屈折光学部を構成する全レンズ群またはその一部レンズ群の下部に固定される第2の取付板と、第1の取付板および第2の取付板によって挟むように接触保持され、印加される制御電圧の増減によって屈折光学部の光軸の方向へ伸縮する圧電素子とを備えるようにしたので、温度変化で発生するピントの狂いを調整できるという効果が得られる。
 この発明によれば、保持機構上に設けられ、反射部、屈折光学部の全レンズ群または屈折光学部の一部レンズ群のうちいずれか一つを屈折光学部の光軸の方向へギア機構によって移動するギア支持柱を備えるようにしたので、温度変化で発生するピントの狂いを調整できるという効果が得られる。
 この発明によれば、保持機構に保持された屈折光学部または保持機構のうちの少なくとも一方を加熱冷却する加熱冷却器を備えるようにしたので、使用環境下で発生する温度勾配を抑制してピントの狂いを調整できるという効果が得られる。
 この発明によれば、屈折光学部の鏡筒温度をセンシングする温度センサと、保持機構の内部温度をセンシングする温度センサと、鏡筒温度および内部温度から求められるピント補償量にしたがって、圧電素子、ギア機構または加熱冷却器のうちの少なくとも一つを制御するコントロールユニットとを備えるようにしたので、温度変化で発生するピントの狂いを調整できるという効果が得られる。
 この発明によれば、環境温度をセンシングする温度センサと、少なくとも2つ以上の異なるピント調整点から得られた線形補間式へ上記環境温度を与えて求められるピント補償量にしたがって、圧電素子、ギア機構または加熱冷却器のうちの少なくともいずれか一つを制御するコントロールユニットとを備えるようにしたので、環境温度とピントとの関係を一対一に対応付けして、より正確なピント調整を行うことができるという効果が得られる。
 この発明によれば、表示手段の非画像表示領域へ入射する光を受光して、ピント情報を検出するCCD素子と、ピント情報の解析結果に応じて、圧電素子、ギア機構または加熱冷却器のうちの少なくとも一つを制御するコントロールユニットとを備えるようにしたので、温度などの2次的な情報を用いることなく、ピントの狂いを直接反映してピント調整できるという効果が得られる。
 この発明によれば、表示手段の非画像表示領域へ入射する光をCCD素子へ反射する小型反射鏡を備えるようにしたので、画像表示装置領域ぎりぎりに筐体が制限されている場合でもピント情報を検出できるという効果が得られる。
 この発明によれば、CCD素子で受光された光強度分布をピント情報として、ピント情報のピーク値をコントロールユニットが解析して、ピーク値を大きくするように制御を行うようにしたので、ピントの狂いを直接反映してピント調整できるという効果が得られる。
 この発明によれば、CCD素子で受光された光強度分布をピント情報として、ピント情報の所定レベルの幅をコントロールユニットが解析して、所定レベルの幅を小さくするように制御を行うようにしたので、ピントの狂いを直接反映してピント調整できるという効果が得られる。
 この発明によれば、CCD素子で受光された光強度分布をピント情報として、ピント情報の肩部の傾きをコントロールユニットが解析して、傾きを大きくするように制御を行うようにしたので、ピントの狂いを直接反映してピント調整できるという効果が得られる。
 この発明によれば、屈折光学部および反射部をそれぞれ支持する複数の支持柱を保持機構が備え、その鉛直方向の高さと線膨張率との積が支持柱で全て等しくするようにしたので、鉛直方向における光軸のズレを防ぐことができるという効果が得られる。
 この発明によれば、高反射面および低反射面もしくは全面高反射面を有する反射凸部または反射凹部を反射部が備えるようにしたので、光学系構成要素のアライメント調整を容易に行うことができるという効果が得られる。
 この発明によれば、光画像信号を反射する反射面としてのフロント面にレンズ層を反射部が備えるようにしたので、光路設計の自由度を増加させ、より緻密な光線制御を行うことができるという効果が得られる。
 この発明によれば、筐体の底面上に設けられ、表示手段を有する前部筐体と、底面上に設けられる後部筐体と、前部筐体から後部筐体までの間に設けられ、底面とともに収納空間を形成する上部斜面、左部斜面および右部斜面とを備え、左部斜面および右部斜面が、表示手段と平行な平行面を前部筐体の裏面に残すとともに、表示手段と垂直な垂直面を後部筐体の側面に残すようにしたので、画像表示装置を精度良くマルチ構成することができ、設置作業効率を向上することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、画像表示装置の左右いずれか片側の平行面に接続される第1の端面と、平行面と同じ片側にある垂直面に接続される第2の端面と、第2の端面に平行な接続面とを有する接続部材とを備え、この接続面が他の接続部材の接続面と連結されるようにしたので、直方体の筐体に収納された画像表示装置をマルチ構成するのと同様に、画像表示装置を精度良くマルチ構成することができ、設置作業効率を向上することができるという効果が得られる。
 この発明によれば、画像表示装置と同一の高さを接続部材が有するとともに、第1の端面および第2の端面に対してそれぞれ直交し、他の接続部材と連結される第3の端面を接続部材が備えるようにしたので、上下方向に画像表示装置をマルチ構成できるという効果が得られる。
 この発明によれば、左部斜面および右部斜面を介して、排気・排熱またはケーブル類を筐体の内部から外部へ通すようにしたので、部屋の壁面などに画像表示装置を完全に密着させることができるという効果が得られる。
 この発明によれば、反射部へ直進光を入射するとともに、反射部の姿勢調整を行って、高反射面へ入射する直進光の往路と、高反射面で反射する直進光の復路とを一致させるステップと、屈折光学部を介した往路の直進光を高反射面へ入射するとともに、高反射面で反射した復路の直進光を屈折光学部から出射して、屈折光学部の姿勢調整を行って、屈折光学部から出射した復路の直進光のパワーを最大にするステップとを備えるようにしたので、光学系構成要素のアライメント調整を系統的かつ容易に行うことができるという効果が得られる。
 この発明によれば、治具表示手段へ垂直に入射して第1の透過孔を透過した平行光束を高反射面で反射し、高反射面と第1の透過孔との間において平行光束の往路と復路とを一致させるステップと、屈折光学部の理想的な光軸を中心とする平行光束を光路折曲反射鏡から高反射面へと順次反射し、高反射面と光路折曲反射鏡との間において平行光束の往路と復路とを一致させるステップと、屈折光学部の光軸と対応して設けられた第2の透過孔を有する孔空反射鏡をレンズ保持フランジに設置して、屈折光学部の理想的な光軸を中心とする平行光束を第2の透過孔を介して光路折曲反射鏡から高反射面へと順次反射し、孔空反射鏡で反射した平行光束と、高反射面から光路折曲反射鏡へと順次反射した復路の平行光束との進行方向を一致させるステップと、レンズ保持フランジから孔空反射鏡を取り外して屈折光学部を設置するステップと、照明光源部および画像情報付与部を設置し、照明光源部から発した光を画像情報付与部によって光画像信号として、屈折光学部、光路折曲反射鏡および反射部を介して、治具表示手段上の正規の位置に光画像信号を結像させるステップとを備えるようにしたので、光学系構成要素のアライメント調整を系統的かつ容易に行うことができるという効果が得られる。
 以下、この発明の実施の一形態について説明する。
実施の形態1.
 図1はこの発明の実施の形態1による画像表示装置の構成を示す図である。11は光(照明光)を発する発光体、12は発光体11から発した光が概ね平行になるように反射する放物面リフレクタ、13は放物面リフレクタ12から反射された光を集光する集光レンズである。発光体11、放物面リフレクタ12および集光レンズ13から照明光源系(送信手段、照明光源部)が構成されている。
 14は反射型の光空間変調素子であるマイクロミラーデバイス(送信手段、反射型画像情報付与部、デジタルマイクロミラーデバイス、略はDMD,Texas Instruments Incorporated(TI)の登録商標)であり、マイクロミラーデバイス14は集光レンズ13によって集光された光をその反射面によって空間的に強度変調し、画像情報が与えられた光画像信号として強度変調光を反射する。この発明はあらゆる光空間変調素子を備えた画像表示装置に適用することができるが、以下では、マイクロミラーデバイス14を用いて説明を行う。15は樽型歪曲収差(補正収差)を有する屈折光学レンズ(屈折光学部)、16は糸巻型歪曲収差を有する凸面鏡(反射部)、17は屈折光学レンズ15と凸面鏡16とから構成される投影光学系(投影光学手段)である。投影光学系17はマイクロミラーデバイス14によって空間的に強度変調された光をスクリーン18に投影するものであり、マイクロミラーデバイス14によって強度変調された光は屈折光学レンズ15によって凸面鏡16へ投影されて反射する。凸面鏡16の反射面は負のパワーを有しており、入射光の像をスクリーン18に拡大して投影する。18は投影光学系17から投影された光を受光して画像を表示するスクリーン(表示手段)である。光路は矢印で表示してある。
 この実施の形態1では、マイクロミラーデバイス14の反射面とスクリーン18の受光面とを平行にして、画像表示装置の奥行が最小になるように設置している。また、投影する光のけられがないように、高さ方向においてマイクロミラーデバイス14とスクリーン18との重なりがないように配置している。さらに、上記のマイクロミラーデバイス14とスクリーン18との配置条件を満たしつつ、マイクロミラーデバイス14の像とスクリーン18の像との共役関係が保たれるように投影光学系17を配置している。
 次に動作について説明する。
 発光体11から出力された光は、放物面リフレクタ12によって反射され、集光レンズ13を介してマイクロミラーデバイス14の反射面に対して斜めの方向から入射する。マイクロミラーデバイス14は画像情報に基づいて入射した光を空間的に強度変調する。強度変調された光は投影光学系17によってスクリーン18に投影されて画像が表示される。画像表示装置の利用者は、図1のスクリーン18の左方から画像を視認する。
 ここで、マイクロミラーデバイス14について説明する。
 マイクロミラーデバイス14は16μm角の小ミラーが17μmピッチで2次元アレー状に配置された反射面を有しており、この小ミラーと画像フォーマットとは通常一対一に対応している。例えば図示しないコントローラから印加される電圧によって各小ミラーの傾きを個々に変化させ、各小ミラーからの反射光の方向をそれぞれ変化させることができる。
 つまり、ある小ミラーからの反射光をスクリーン18に投影する場合には、投影光学系17の開口の方向に光が反射するように、該当する小ミラーの傾きを変化させる。また、ある小ミラーからの反射光をスクリーン18に投影しない場合には、投影光学系17の開口から外れる方向に光が反射するように、該当する小ミラーの傾きを制御する。小ミラーの傾きを変化させるのに要する時間は10μsec以下であり、マイクロミラーデバイス14は光を高速に強度変調できる。
 マイクロミラーデバイス14は反射型の光空間変調素子であるため、その反射面に対して斜めの方向から入射した光を強度変調して反射することが可能である。光空間変調素子として例えば液晶を用いた場合には、液晶の裏面からほぼ垂直に光を入射しなければならないため、裏面に配置される照明光源系によって画像表示装置の薄型化が制約されることを考えると、マイクロミラーデバイス14の有効性が明らかになる。この実施の形態1のようにマイクロミラーデバイス14を用いることによって、マイクロミラーデバイス14が光を出射する側に照明光源系を配置して、光空間変調素子とスクリーン18への光路折り曲げを行う凸面鏡16の間に照明光源系を配置することが可能になり、画像表示装置の高さ方向の空間を有効利用でき、照明光源系の張り出しを防ぐことができる。
 次に投影光学系17について説明する。
 マイクロミラーデバイス14によって強度変調された光は、投影光学系17へ反射される。図1に示すように、屈折光学レンズ15の光軸はマイクロミラーデバイス14の反射面およびスクリーン18の受光面に対して垂直であり、かつ、マイクロミラーデバイス14の中心およびスクリーン18の中心からオフセットして設置している。したがって、屈折光学レンズ15の画角の一部のみをマイクロミラーデバイス14からの光の投影に使用していることになる。図1では、屈折光学レンズ15の下方から光が入射しているため、上方に光が出射する。
 図2は屈折光学レンズ15の樽型歪曲収差が凸面鏡16の糸巻型歪曲収差を補正する動作を概念的に説明する図である。図2に示すように、屈折光学レンズ15は樽型歪曲収差を有するように設計されており、マイクロミラーデバイス14から格子状の像(図2(a))を示す光を屈折光学レンズ15へ投影すると、この格子状の像が樽型状に変形する(図2(b))。この樽型歪曲収差は、凸面鏡16で生じる糸巻型歪曲収差(図2(c))を補正する特性(補正収差)であり、凸面鏡16の糸巻型歪曲収差をもとにして設計したものである。
 したがって、歪みが補正された光をスクリーン18に投影すると、拡大された格子状の像(図2(d))が歪むことなく表示されるようになる。一般に、光学系で生じた画像の歪みを信号処理によって補正することも可能であるが、画像の精細度は劣化してしまうので、この実施の形態1では、光学的に歪曲収差を補正するようにしている。
 ここで凸面鏡16の糸巻型歪曲収差について説明する。
 図3は無収差の屈折光学レンズ19を介して凸面鏡16または平面鏡21によってマイクロミラーデバイス14からの光を反射したときの像を光路追跡で求める方法を概念的に示した図である。図3では、平面鏡21で反射した光路は実線で、凸面鏡16で反射した光路は破線で示してある。
 マイクロミラーデバイス14から格子状の像(図3(a))を有する光を出射した場合、無収差の屈折光学レンズ19を透過した光の像は歪みを生じない(図3(b))。したがって、無収差の屈折光学レンズ19を透過した光を平面鏡21で反射させて、屈折光学レンズ19の光軸20に垂直なA−A’断面上で観察すると、黒点(●)が等間隔に存在するようになる(図3(d))。つまり、無収差の屈折光学レンズ19と平面鏡21とから構成される投影光学系の場合には、格子状の像を保ったままで歪曲収差を示さない。
 一方、無収差の屈折光学レンズ19を透過した光を凸面鏡16で反射した場合には、凸面鏡16の反射面における光軸方向の反射位置が各光路毎に異なるために、A−A’断面上では白丸(○)で示すようになって糸巻型歪曲収差(図3(c))が生じる。この糸巻型歪曲収差は凸面鏡16の形状を決めると光路追跡によって計算できるため、この計算結果をもとに図1の屈折光学レンズ15の歪曲収差を設計すれば良い。歪曲設計方法に関しては従来の屈折光学系の設計に基づき行えば良いためここでは省略する。
 このように、凸面鏡16の糸巻型歪曲収差を補正する樽型歪曲収差を有するように屈折光学レンズ15を用いるようにしたので、スクリーン18に歪みのない画像を拡大表示できるようになり、画像表示装置の各構成要素に対するスクリーン18の位置を薄型化に適するように構成することができる。
 なお、凸面鏡16は、2次曲線を軸の周りに回転して得られる回転非球面をその反射面の形状とすることによって、鏡面旋盤によって容易に製作することができ、製造コストを大幅に削減できる。凸面鏡16は画像表示装置の仕様に応じて自由に設計することが可能であり、設計された凸面鏡16の糸巻型歪曲収差を補正する樽型歪曲収差を持つ屈折光学レンズ15を設計すれば良い。
 また、従来の技術では、図96の平面鏡7のように投影光学系17とは別に光路を折り曲げる手段が必要であったが、この実施の形態1では投影光学系17の一部が光路を折り曲げる作用も持っているため、光学部品の点数が少なくなり、スクリーン18と凸面鏡16との間の距離を短くすることができる。
 また、図4に示すように、照明光源系が大きく突出してしまうような場合には、投影光学系17からの光を反射する平面鏡22を追加して、スクリーン18へ光路を折り曲げるようにすることで、画像表示装置の空間を最大限に利用することができる。なお、平面鏡22と投影光学系17とを入れ替えるようにしても良く、また、平面鏡22の代わりに投影光学系17とは別の投影光学系を用いるようにしても良い。
 以上のように、この実施の形態1によれば、照明光源系およびマイクロミラーデバイス14から構成され、画像情報に基づいて強度変調された光画像信号を出射する送信手段と、光画像信号を受光して画像情報に基づく画像を表示するスクリーン18と、負のパワーを有し、画像情報に基づいて強度変調された光をスクリーン18へ反射する凸面鏡16と、凸面鏡16が有する糸巻型歪曲収差を補正する樽型歪曲収差を有し、送信手段からの光を凸面鏡16へ投影するように設置される屈折光学レンズ15とを備えるようにしたので、画像情報に基づいて変調された光が凸面鏡16から受ける糸巻型歪曲収差を補正してスクリーン18に拡大画像を表示することができるようになり、画像表示装置の薄型化に最適な位置にスクリーン18を配置することができ、従来と比較してより薄型化した画像表示装置を構成することができるようになるという効果が得られる。
 また、この実施の形態1によれば、発光体11、放物面リフレクタ12および集光レンズ13から構成される照明光源系と、照明光源系から入射した光を画像情報に基づいて変調して反射するマイクロミラーデバイス14とから送信手段を構成するようにしたので、マイクロミラーデバイス14が光を出射する側に照明光源系を配置できるようになり、液晶などの透過型の光空間変調素子を用いた従来の画像表示装置と比較して、より薄型化した画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態1によれば、マイクロミラーデバイス14から反射された光を投影光学系17によってスクリーン18へ反射させるようにしたので、スクリーン18へ光路を折り曲げるための光学部品を別に設ける必要がなくなり、光学部品点数を減少させてスクリーン18と凸面鏡16との間の距離を短くすることができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態1によれば、凸面鏡16を回転非球面形状とするようにしたので、鏡面旋盤によって容易に製作することができ、製造コストを大幅に削減することができるという効果が得られる。
実施の形態2.
 実施の形態1では、樽型歪曲収差を有する屈折光学レンズ15と糸巻型歪曲収差を有する凸面鏡16とによって投影光学系17を構成するようにしたが、この実施の形態2では、凸面鏡と同様に短い投影距離で画像を拡大することができ、歪曲収差を有さないフレネルミラーによって投影光学系を構成した場合について説明する。
 図5はこの発明の実施の形態2による画像表示装置の構成を示す図である。図5において、23は無収差の屈折光学レンズ(屈折光学部)、24は屈折光学レンズ23からの光を反射してスクリーン18に投影するフレネルミラー(反射部)、25は屈折光学レンズ23とフレネルミラー24とから構成される投影光学系(投影光学手段)である。凸面鏡16と同様に、フレネルミラー24の反射面は負のパワーを有している。なお、ここでは照明光源系の図示を省略している。
 図6はフレネルミラー24を拡大した図である。図6には実施の形態1で示した凸面鏡16も同様に示している。図6の凸面鏡16とフレネルミラー24との対応のとおり、フレネルミラー24は、凸面鏡16の反射面を小区間毎にそれぞれ分割し、分割した位置に相当する部分と同じ傾きを持ち、かつ周期構造にした反射面の形状を有するものである。図6から分かるように、凸面鏡16よりもフレネルミラー24は薄い形状である。
 図7は凸面鏡16とフレネルミラー24との歪曲収差の違いを比較する図である。実施の形態1で述べたように、マイクロミラーデバイス14や無収差の屈折光学レンズ23における格子状の像(図7a,b)を凸面鏡16で反射した光路(図7の破線)は、凸面形状に起因する各光路の反射位置の違いから糸巻型歪曲収差(図7c,○)が屈折光学レンズ23の光軸27に垂直なA−A’断面上に発生する。一方、フレネルミラー24を用いた場合は、光軸方向の反射位置が全て同じであるため、図3の平面鏡21と同様に歪曲収差が発生しない(図7d,●)。したがって、フレネルミラー24を用いて投影光学系25を構成することによって、歪曲収差の補正を考慮する必要がなくなり、無収差の屈折光学レンズ23をそのまま用いれば良い。この他の構成や動作については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
 以上のように、この実施の形態2によれば、凸面鏡と同様に短い距離で画像を拡大し、透過する光の像に歪みを与えないフレネルミラー24と無収差の屈折光学レンズ23とを用いて投影光学系25を構成するようにしたので、実施の形態1の凸面鏡16の糸巻型歪曲収差を屈折光学レンズによって補正することなく、スクリーン18に画像を拡大表示することができるようになり、画像表示装置の設計、製造を容易にすることができるという効果が得られる。
 また、この実施の形態2によれば、凸面鏡16よりも薄く構成されるフレネルミラー24を投影光学系25に用いるようにしたので、実施の形態1と比較して更に薄型化した画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
実施の形態3.
 この実施の形態3では、光の入射面と反対側の面を凸面形状の反射面で構成した光学素子および屈折光学レンズから投影光学系を構成する場合について説明する。
 図8はこの発明の実施の形態3による画像表示装置の構成を示す図である。図8において、28は屈折光学レンズ(屈折光学部)、29は分散特性の異なる2つの光学材料から構成される光学素子(反射部)、30は屈折光学レンズ28と光学素子29とから構成される投影光学系(投影光学手段)である。なお、ここでは照明光源系の図示を省略している。
 図9は光学素子29を拡大した図である。31,33はそれぞれ低分散ガラス(低分散媒質)、高分散ガラス(高分散媒質)、32は低分散ガラス31と高分散ガラス33との境界面、34は高分散ガラス33と空気との境界となる反射面である。光の入射側から見ると、境界面32は正のパワーを有するように凹面形状に構成され、反射面34は負のパワーを有するように凸面形状となっている。プリズムの原理と同様に、光学素子29に光が入出射したときに色収差が発生するため、低分散ガラス31と高分散ガラス33とを組み合わせて色消しを行っている。
 次に動作について説明する。
 図10は光学素子29の内部において、入射した光路を示す図である。図10において、境界面32の左側が低分散ガラス31(屈折率n)、右側が高分散ガラス33(屈折率n)に相当する。n,nは任意に選択できるが、ここではn<nである。また、反射面34と同一の形状を有する凸面鏡を用意して、この凸面鏡を反射面34として入射光を単に折り曲げた光路を破線で示してある。
 実線と破線を比較して分かるように、単なる凸面鏡によって折り曲げた場合の光路より、低分散ガラス31、高分散ガラス33を順に透過して凸面形状の反射面34に入射するように構成された光学素子29による光路の方がより大きな角度で光路を折り曲げることができ、より広角の画像をスクリーン18に投影できる。
 この光学素子29を用いれば、実施の形態1の凸面鏡16と比較して、画像をより広角に投影できる分だけ反射面34の凸面形状を緩やかにすることができるので、反射面34の糸巻型歪曲収差を低減できる。また、低分散ガラス31や高分散ガラス33の光学材料の厚さを調整することによって光の出射位置を制御することができるので、反射面34で生じる歪曲収差を光学素子29の内部で補正することができる。
 次に光学素子29の色消しの原理的な説明を行う。図11は反射面34で折り返された光学素子29内の光路を一方向に展開した図である。図11では、赤、青の光路をそれぞれ実線、破線で示してある。波長の差に対する屈折率変化が大きい場合を高分散、小さい場合を低分散と称している。一般にガラス材料は波長が短くなると屈折率が高くなる特性をもっている。
 したがって、図11に示すように、低分散ガラス31で屈折した光では、短い波長の青は大きく屈折し、長い波長の赤は青ほど屈折しない。高分散ガラス33では色による屈折の度合いが低分散ガラス31と異なるため、低分散ガラス31より低いパワーのものでも低分散ガラス31で生じた色収差が補正できる分散が与えられる。よって、この組み合わせにより正のパワーの色消しレンズが構成できる。負のパワーの色消しレンズが必要な場合は低分散ガラス31と高分散ガラス33との組み合わせを逆にすれば良い。
 なお、図9において光の入射側に低分散ガラス31を配置しているが、図12のように光の入射側に高分散ガラス36を用い、次に低分散ガラス38、そして負のパワーを有する反射面39という構成を用いた光学素子35の方が高い色消し効果が得られる場合もある。これらは設計時に自由に選択が可能である。
 以上のように、この実施の形態3によれば、光の透過する方向に積層された低分散ガラス31と高分散ガラス33とから構成され、負のパワーを有し、低分散ガラス31および高分散ガラス33を透過した光を反射する反射面34が形成された光学素子29を用いてスクリーン18へ光を投影するようにしたので、実施の形態1の凸面鏡16と同等の広角を持つ光をより緩やかな凸面形状で投影できるとともに、低分散ガラス31や高分散ガラス33の厚さを調整して反射面34で生じる歪曲収差を光学素子29,35の内部で補正することができるようになり、反射面34で生じる糸巻型歪曲収差の補正が容易になるという効果が得られる。
実施の形態4.
 この実施の形態4では、屈折面や反射面に非球面形状を用いた屈折光学レンズ、凸面鏡による歪曲収差の補正について説明する。
 図13はこの発明の実施の形態4による画像表示装置の構成を示す図である。図13において、40は正のパワーを有する屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、41は非球面形状の反射面を有する非球面凸面鏡(投影光学手段、反射部)、42は非球面形状の屈折面を有する非球面レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、43は球面形状の反射面を有する球面凸面鏡(投影光学手段、反射部)、44は屈折光学レンズ40、非球面凸面鏡41、非球面レンズ42、球面凸面鏡43が共有する光軸である。なお、照明光源系、スクリーンの図示は省略する。
 フェルマの原理によって解析を行うと、レンズの屈折面やミラーの反射面を球面形状にした場合には無収差が得られないのに対して、レンズの屈折面やミラーの反射面を非球面形状にすると収差を減じられることが知られている。この実施の形態4では、主光線のバラけた所にこの非球面形状を有する光学素子を適用することによって、歪曲収差を補正するようにしている。
 例えば、図13(a)に示すように、屈折光学レンズ40を介して光空間変調素子としてのマイクロミラーデバイス14からの光を非球面凸面鏡41によって反射し、不図示のスクリーン18へ光を投影している。
 また、図13(b)に示すように、屈折光学レンズ40と球面凸面鏡43との間の主光線のバラけた所に非球面レンズ42を設置して、マイクロミラーデバイス14からの光を屈折光学レンズ40、非球面レンズ42を介して球面凸面鏡43によって反射し、スクリーン18へ光を投影している。
 非球面凸面鏡41の反射面形状や非球面レンズ42の屈折面形状と歪曲収差とが一対一に対応するので、いずれの場合も歪曲収差を軽減するようにその形状を光路追跡によって設計している。
 したがって、図13(a),(b)いずれの場合も、非球面形状を有する非球面凸面鏡41、非球面レンズ42を媒介してスクリーン18へ光を投影するようにしているので、画像表示装置を薄型化構成できるとともに、スクリーン18へ投影された画像の歪みを補正することができる。
 また、図13(c)に示すように、非球面レンズ42、非球面凸面鏡41をともに備えるようにしても良い。このようにすることで、歪曲収差をさらに容易に補正することができるようになる。
 さらに、図示は省略するが、非球面レンズ42は1枚に限定されるものではなく、屈折光学レンズ40と非球面凸面鏡41(または球面凸面鏡43)との間に複数枚の非球面レンズ42を備えるようにしても良く、歪曲収差をさらに補正することができる。
 以上説明してきた非球面形状による歪曲収差の補正をより効果的にするために次の3つの方法が考えられる。
 図14はこの発明の実施の形態4による画像表示装置の構成を示す図である。照明光源系、スクリーンの図示は省略する。図14において、45は光軸44中心では大きな凸の曲率を持ち、周辺になるに従って小さな曲率となる反射面を有する非球面凸面鏡(投影光学手段、反射部)である。比較のために球面凸面鏡43(点線)および球面凸面鏡43による反射光線(点線矢印)を図示してある。
 実施の形態1で説明したように、球面凸面鏡43では糸巻型歪曲収差が発生して画像の歪みの原因になっていた。この糸巻型歪曲収差は球面凸面鏡43の周辺形状において発生するため、光軸44中心では大きな凸の曲率を持ち、周辺になるに従って小さな曲率を有する反射面形状の非球面凸面鏡45を用いて、球面凸面鏡43の周辺形状を補正している。このことによって、歪曲収差をより低減することができる。
 図15はこの発明の実施の形態4による画像表示装置の構成を示す図である。照明光源系、スクリーンの図示は省略する。図15において、46は奇数次非球面を反射面として有する非球面凸面鏡(投影光学手段、反射部)である。
 一般に、3次元の曲面は偶数次の項から構成される多項式によって表される。この多項式に奇数次の項を加算して、各非球面係数を適切な値にすることによって図15の非球面凸面鏡46の奇数次非球面が形成される。図14の非球面凸面鏡45の非球面(点線)と比較すると、非球面凸面鏡46の奇数次非球面は光軸44の近傍において凸状の出っぱり(もしくは凹状のくぼみ)が形成されていることが図15から分かる。
 この光軸44近傍の凸状の出っぱり(もしくは凹状のくぼみ)は奇数次の項を加算することによって形成されるものであり、図15のように、マイクロミラーデバイス14を光軸44外に偏芯配置した場合には、この光軸44近傍の反射面による光の投影は行われない。したがって、非球面凸面鏡46の中心部分の曲率不連続性による光軸近傍の投影結像性能の劣化があっても、表示性能には問題がない。非球面凸面鏡46を用いることで、歪曲収差の補正と軸外の投影光の良好な結像特性を両立した投影光学系を実現できる。
 1次の奇数次項を含む奇数次の非球面ミラー、非球面レンズの中心部は原理上曲率の不連続により、反射光/屈折光の乱れが生じ、結像性能が劣化する。
 そこで、この実施の形態4では、これら奇数次非球面の中心部(光軸上の点)を避けて反射/透過させて投影光束(光画像信号)をスクリーン18上に導くことにより、良好な結像性能を実現するようにしている。また、このためにマイクロミラーデバイス14は光軸外に有効表示面をシフトさせて偏芯配置している。
 奇数次非球面を屈折光学レンズに適用することもできる。
 図16はこの発明の実施の形態4による画像表示装置の構成を示す図である。図16において、47は非球面凸面鏡45を向く屈折面が奇数次非球面に形成された非球面レンズ(投影光学手段、屈折光学部)である。
 特に、屈折光学レンズの非球面凸面鏡45に近い屈折面の出射部分ほど主光線がバラけるため、この出射部分の形状を局部的に変更して、歪曲収差を減ずるようにその形状をコントロールすることができる。
 以上のように、この実施の形態4によれば、非球面形状の反射面を有する非球面凸面鏡41を備えるようにしたので、スクリーン18へ投影する光の歪曲収差を補正することができるという効果が得られる。
 また、この実施の形態4によれば、屈折光学レンズ40と凸面鏡との間の主光線のバラけた所に少なくとも1枚の非球面形状の屈折面を有する非球面レンズ42を設けるようにしたので、スクリーン18へ投影する光の歪曲収差を補正することができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態4によれば、光軸中心では大きな凸の曲率を持ち、周辺になるに従って小さな曲率を有する非球面凸面鏡45を備えるようにしたので、スクリーン18へ投影する光の歪曲収差をより補正することができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態4によれば、偶数次非球面を表す偶数次の多項式に奇数次の項を加算して形成される奇数次非球面を反射面として有する非球面凸面鏡46を備えるようにしたので、歪曲収差の補正と軸外の投影光の良好な結像特性を両立した投影光学系を実現することができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態4によれば、偶数次非球面を表す偶数次の多項式に奇数次の項を加算して形成される奇数次非球面を屈折面として有する非球面レンズ47を備えるようにしたので、屈折面の形状を局部的に変えられ、歪曲収差を容易に軽減でき、さらに軸外の結像性能の改良が可能になるという効果が得られる。
 なお、以上の屈折光学レンズと凸面鏡とに適用する各形状は画像表示装置の設計時に任意に選択することが可能であり、適切な組み合わせを選ぶようにすれば良い。
 また、屈折光学レンズ40、非球面レンズ42、非球面レンズ47などの屈折光学部の一部、つまり屈折光学部を構成する少なくとも1枚の屈折光学レンズを、例えばポリカーボネイト、アクリルなどに代表されるプラスチック合成樹脂を射出成形加工することによって、所望の非球面形状の型から大量生産することが可能である。一般にレンズの材料となるガラスの融点は約700℃、モールド用ガラスの融点は500℃であるのに対して、プラスチック合成樹脂はこれらの材料よりも低い融点であり、屈折光学レンズをプラスチック合成樹脂で製造することによって生産性が向上し、画像表示装置のコストを低減することができるという効果が得られる。
 もちろん、非球面レンズ42,47などを公知のガラスモールド法により成型して製造することも可能である。この場合には、非球面レンズをガラス材料で構成しているので、プラスチック材料で製造する場合よりも環境特性(使用温度範囲、湿度範囲など)を向上できる。屈折光学部のレンズ材料の選定は、各々の材料の長所を生かして画像表示装置の目的・用途・仕様によって定めるようにすれば良い。
実施の形態5.
 実施の形態4で示したように、非球面形状の反射面を有する非球面凸面鏡や非球面形状の屈折面を有する屈折光学レンズを用いて歪曲収差を補正するようにしたが、この際にスクリーン18に投影された画像には像面湾曲が発生し、いわゆるピンボケ現象を生じる。この実施の形態5では像面湾曲を軽減する手法について説明する。
 像面湾曲の大きさを考察する上で一般的によく用いられるのはペッツバール和Pであり、これは式(1)のように表される。
P=ΣPi
 =Σ[1/(ni・fi)]
 =Σ[φi/ni] (i=1,…,N)       (1)
 式(1)において、Σは和の指数iに関する総和を意味する演算子、iは光学素子の番号、Nは光学素子の総数である。Piはi番目の光学素子のペッツバール和寄与成分、niはi番目の光学素子の屈折率、fiはi番目の光学素子の焦点距離、φiはi番目の光学素子が有するパワーを表している。
 平面物体に対して、像面湾曲のない平面像を得るための条件はペッツバール条件と呼ばれ、P=0のときにペッツバール条件が満たされる。つまり、画像表示装置において、ペッツバール和を0に近づけることによって像面湾曲が軽減された画像をスクリーン18に表示することができるようになる。
 図17に示すように、屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部、ペッツバール和補償レンズ)48を例えば図13(a)に適用する場合を考える。屈折光学レンズ48は正レンズ48Aと負レンズ48Bとから構成される色消しレンズである。
 いま、非球面凸面鏡41(i=3)について考えると、屈折率n3=−1であり、かつ絶対値の大きな負のパワーφ3(<0)を持つため、負の値どうしの除算によってペッツバール和Pに寄与する非球面凸面鏡41のペッツバール和寄与成分P3は正の値になりやすい。
 したがって、非球面凸面鏡41の寄与成分P3を相殺する屈折光学レンズ48を設計することによって像面湾曲を補正する。すなわち、正のパワーを有する正レンズ48A(i=1)と負のパワーを有する負レンズ48B(i=2)とから構成される屈折光学レンズ48によって、ペッツバール和に対して寄与する成分P1+P2を負の値にし、非球面凸面鏡41の成分P3と相殺するようにする。
 まず、正レンズ48Aは正のパワーφ1(>0)を有するため、正レンズ48Aの屈折率n1を大きくすることによって、寄与成分P1=φ1/n1≒0に近づけ、ペッツバール和Pに対する影響を軽減するようにする。
 また、負レンズ48Bは負のパワーφ2(<0)を有するため、負レンズ48Bの屈折率n2を小さくすることによって、絶対値が大きく、負の値の寄与成分P2=φ2/n2を作り出すようにする。
 以上のように、正レンズ48A、負レンズ48Bの屈折率をn1>n2となるようにすることで、P1+P2をできるだけ負の値に近づけて、P3に対するP1+P2の影響を軽減することができるようになる。
 さらに、正レンズ48Aのアッベ数ν1と負レンズ48Bのアッベ数ν2とを近い値に設定することによって、ペッツバール条件をさらに満たすようにすることができる。一般に、波長変化による屈折率変化をΔnとすると、アッベ数ν=(n−1)/Δn(nは屈折率)で定義され、アッベ数が小さい場合には分散値が高い光学材料を意味する。
 図17の屈折光学レンズ48の正レンズ48A、負レンズ48Bの合成パワーをΦとすると、合成パワーの式Φ=Σ(φi)と色消し条件の式Σ(φi/νi)=0とから式(2),(3)が得られる。
φ1=Φ・ν1/(ν1−ν2)            (2)
φ2=−Φ・ν2/(ν1−ν2)           (3)
 式(2),(3)を式(4),(5)のようにそれぞれ変形して、(ν2/ν1)に対する(φ1/Φ),(φ2/Φ)の絶対値の変化の様子を図18に示す。
φ1/Φ=1/[1−(ν2/ν1)]         (4)
φ2/Φ=−(ν2/ν1)/[1−(ν2/ν1)]  (5)
 図18では、横軸は(ν2/ν1)を、縦軸は(4),(5)式の絶対値、|φ1/Φ|,|φ2/Φ|をそれぞれ表している。図18から分かるように、(ν2/ν1)を1の値に近づけるほど、すなわちν1,ν2の値を近い値にするほど、正レンズ48A、負レンズ48Bのパワーφ1,φ2は大きくなる。
 このことを利用して、屈折光学レンズ48を構成する正レンズ48A、負レンズ48Bのパワーを大きくし、ペッツバール条件をさらに満たすようにすることができる。つまり、正レンズ48Aの屈折率n1を大きくし、負レンズ48Bの屈折率n2を小さくして、正レンズ48Aのアッベ数ν1と負レンズ48Bのアッベ数ν2とを近い値になるように設定する。
 例えば、正レンズ48A、負レンズ48Bの屈折率をそれぞれn1=n2=1.6とし、正レンズ48A、負レンズ48Bのアッベ数をそれぞれν1=50,ν2=30とし、式(2),(3)において合成パワーΦ=1と仮定することで、φ1=50/(50−30)=2.5,φ2=−30/(50−30)=−1.5となり、このときの屈折光学レンズ48のペッツバール和は、P1+P2=(2.5/1.6)+(−1.5/1.6)=0.625となっている。
 この状態からペッツバール条件に近づくように、正レンズ48Aの屈折率を大きく、負レンズ48Bの屈折率を小さくする。例えばn1=1.8,n2=1.6と負レンズ48Bより正レンズ48Aの屈折率を大きくすると、ペッツバール和P1+P2=(2.5/1.8)+(−1.5/1.6)=0.4514となって、屈折率n1,n2を変化させる前よりも負の値に近づき、ペッツバール和Pが改善されるようになる。
 続いて、正レンズ48A、負レンズ48Bの各アッベ数ν1,ν2を近い値にする。例えばν1=45,ν2=43のように、アッベ数の差分ν1−ν2を小さくすると、式(2),(3)からφ1=45/(45−43)=22.5,φ2=−43/(45−43)=−21.5となって(Φ=1とする)、ペッツバール和P1+P2=(22.5/1.8)+(−21.5/1.6)=−0.9375となり、屈折光学レンズ48のペッツバール和P1+P2を負の値にすることができる。したがって、非球面凸面鏡41を含めた図17のペッツバール和Pの値を0に近づけることができるようになり、像面湾曲を軽減することができる。
 以上のように、この実施の形態5によれば、正のパワーを有する正レンズ48Aと負のパワーを有する負レンズ48Bとから構成され、正レンズ48Aの屈折率を負レンズ48Bの屈折率よりも大きくし、正レンズ48Aのアッベ数と負レンズ48Bのアッベ数とを近い値に設定した屈折光学レンズ48を備えるようにしたので、歪曲収差を補償するとともに、ペッツバール条件を満たすようにして像面湾曲を補償することができるようになり、結像性能を向上することができるという効果が得られる。
 なお、以上の説明では、図17の屈折光学レンズ48を図13(a)に用いたが、この実施の形態5はこれに限定されるものではなく、実施の形態4で示した他の構成に適用することも可能である。
実施の形態6.
 この実施の形態6では、非球面凸面鏡で発生する像面湾曲を補償するために、屈折光学レンズでオーバーな像面湾曲を発生させる手法について説明する。
 図19は非球面凸面鏡で発生するアンダーな像面湾曲を説明する図である。図19(a)において、49は屈折光学レンズ、50は屈折光学レンズ49の光軸、51は光軸50に垂直な平面である。屈折光学レンズ49を透過した光は平面51上に結像するようになっており、図19(a)ではフラットな画像が得られる。
 この屈折光学レンズ49を介して実施の形態4の非球面凸面鏡に光を投影すると、非球面凸面鏡で発生するアンダーな像面湾曲のためにベスト像面が投影光学系側に凹面を向けた曲面になってしまう。
 例えば図19(b)に示すように、非球面凸面鏡41に対して屈折光学レンズ49から光を出射すると、反射された光は像面52のように像面湾曲を示し、ピンボケの画像がスクリーン18に表示されてしまう。この非球面凸面鏡41のアンダーな像面湾曲を補正するために、屈折光学系でオーバーな像面湾曲を発生させるようにして、投影像面を平坦化するようにする。
 すなわち、図20に示すように、光軸44から離れるほど焦点までの距離が遠くなるオーバーな像面湾曲を有する像面53をマイクロミラーデバイス14と非球面凸面鏡41との間に備えた屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部、像面湾曲補償レンズ)54によって発生し、屈折光学レンズ54のオーバーな像面湾曲と非球面凸面鏡41のアンダーな像面湾曲とを相殺している。このようにすることで、歪曲収差を補正するために用いた非球面凸面鏡41のアンダーな像面湾曲を補正することができるようになり、歪曲収差がなく、かつ像面湾曲の生じない画像を表示することができる。
 屈折光学レンズ54の屈折面の形状は、計算機を用いた光路追跡の数値計算によって、最適な屈折面形状を決定することができる。
 また、主光線のバラけた所や主光線のまとまっている所に非球面形状の光学素子を適用することで、主光線のバラけた所では歪曲収差、主光線のまとまった所では像面湾曲を効果的に軽減できることが光路追跡の数値計算の結果から分かっている。この一例を図21に示す。
 図21は光路追跡の数値計算結果を示す図であり、不図示のマイクロミラーデバイス14からの光のまとまった所に非球面レンズ(投影光学手段、屈折光学部、非球面形状光学素子)55を、非球面レンズ55からの光のバラけた所に非球面レンズ(投影光学手段、屈折光学部、非球面形状光学素子)56A,56Bを、非球面レンズ56Bからの光のバラけた所に非球面凸面鏡(投影光学手段、反射部、非球面形状光学素子)57を設けるようにして、非球面凸面鏡57によって反射した光を不図示のスクリーン18へ投影している。非球面レンズ55は像面湾曲を、非球面レンズ56A,56B、非球面凸面鏡57は歪曲収差を効果的に軽減することができる。
<数値実施例6A>
 図21の数値計算結果の一例を図22に示す。図22で用いる非球面形状の定義式は式(6),(7)の通りである。ただし、zは光学面の回転中心を通る接平面からのサグ量、cは面頂点での曲率(曲率半径の逆数)、kは円錐係数、rはz軸からの距離をそれぞれ表している。なお、図22の諸元は、f=5.57mm(波長546.1nmでの焦点距離)、NA=0.17(マイクロミラーデバイス側開口数)、Yob=14.22mm(マイクロミラーデバイス側物体高)、M=86.3×(投影倍率)である。
z=cr/[1+{1−(1+k)c0.5
     +Ar+Br+Cr+Dr10+Er12
     +Fr14+Gr16+Hr18+Jr20  (6)
z=cr/[1+{1−(1+k)c0.5
     +AR1r+AR2r+AR3r+…
     +ARnr+…+AR30r30    (7)
 以上のように、この実施の形態6によれば、非球面凸面鏡41のアンダーな像面湾曲と相殺するオーバーな像面湾曲を屈折光学レンズ54で発生させるようにしたので、歪曲収差を補正するとともに、像面湾曲を補正した画像を表示できるという効果が得られる。
 また、この実施の形態6によれば、主光線のバラけた所と主光線のまとまった所に非球面形状の光学面を適用するようにしたので、主光線のまとまった所では像面湾曲を、主光線のバラけた所では歪曲収差を効果的に軽減できるという効果が得られる。
 なお、屈折光学レンズ54は実施の形態4で示した他の非球面凸面鏡に適用しても良く、同様の効果が得られる。
実施の形態7.
 図23はこの発明の実施の形態7による画像表示装置の構成を示す図である。図23(a),(b),(c)はそれぞれ画像表示装置の正面図、上面図、側面図である。図23において、58はマイクロミラーデバイス14からの光を媒介する屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)であり、各実施の形態で説明した屈折光学レンズに相当する。59は屈折光学レンズ58からの光を反射する光路折曲反射鏡(光路折曲手段)、60は負のパワーを有する凸面鏡(投影光学手段、反射部)であり、各実施の形態で説明した凸面鏡である。61は凸面鏡60の光軸である。なお、図23では、照明光源系の図示を省略している。
 図23の屈折光学レンズ58と凸面鏡60とは共通の光軸で製造されており、図23の配置構成とするために、光路折曲反射鏡59を用いることで屈折光学レンズ58の光軸方向を凸面鏡60の光軸61を含む水平面内で適切な角度に折り曲げるようにしている。換言すると、屈折光学レンズ58、凸面鏡60の光軸が一致した状態から、凸面鏡60の光軸61を含む水平面の法線の周りに屈折光学レンズ58の光軸を適切な方位になるまで回転させている。このようにして、屈折光学レンズ58を画像表示装置の空スペースに配置している。
 図23では、屈折光学レンズ58を透過したマイクロミラーデバイス14からの光を光路折曲反射鏡59によってまず凸面鏡60側へ反射し、反射光を凸面鏡60が反射した光を実施の形態1で説明した平面鏡22によって反射して、スクリーン18へ広角投影するようにしている。特に、平面鏡22の反射面とスクリーン18の受光面(または画像表示面)とを平行に配置することによって、最も薄型化した画像表示装置を構成することができる。この実施の形態7でポイントとなるのは、画像表示装置の空スペースに配置した屈折光学レンズ58からの光を凸面鏡60へ光路折曲反射鏡59によって反射している点である。空スペースに屈折光学レンズ58や不図示の照明光源系を配置できるので、画像表示装置の厚さを低減できる。
 この光路折曲反射鏡59の効果は、図23と図24,25とを比較することによって理解できる。
 つまり、図24では、光路折曲反射鏡59を備えていないため屈折光学レンズ58を透過した光を凸面鏡60へ直接出射することになり、スクリーン18、平面鏡22、凸面鏡60から定まる位置にマイクロミラーデバイス14、屈折光学レンズ58などを配置する必要が生じて、図23の画像表示装置より厚く構成されてしまう。
 また、図25では、光路折曲反射鏡59は設けているものの、屈折光学レンズ58の光軸方向を凸面鏡60の光軸を含む水平面以外の面内(図25では垂直面内)に折り曲げているため、屈折光学レンズ58、マイクロミラーデバイス14、不図示の照明光源系などを凸面鏡60よりも下側に配置することになり、図23の画像表示装置よりスクリーン下部高さが高く構成されてしまう。
 したがって、図23のように空スペースに配置した屈折光学レンズ58からの光を凸面鏡60へ反射する光路折曲反射鏡59を用いることによって、画像表示装置をさらに薄型化し、スクリーン下部高さを低く構成することができる。
 また、図示は省略するが、複数のレンズから構成された屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)に光路折曲反射鏡を用いるようにしても良い。つまり、屈折光学レンズを構成する複数のレンズのうちの第1のレンズ手段と第2のレンズ手段との間に光路折曲反射鏡を挿入し、光路折曲反射鏡による反射によって2つのレンズ間の光を媒介させるようにする。第1のレンズ手段、第2のレンズ手段は少なくとも1枚の屈折光学レンズから構成されるレンズ群である。この場合には、第1のレンズ手段の光軸と第2のレンズ手段の光軸とを同軸に構成する必要がなくなるので、2つの光軸を折り曲げて屈折光学レンズを構成することができるようになる。このようにしても、図23と同様に、画像表示装置を薄型化することが可能である。
 なお、屈折光学レンズが多数のレンズから構成される場合には、レンズの個数に応じて複数の光路折曲反射鏡を用いるようにしても良い。
 また、屈折光学レンズからの光を凸面鏡へ反射する光路折曲反射鏡と、屈折光学レンズの任意のレンズからの光を別のレンズへ反射する光路折曲反射鏡とを併用するようにしても良く、画像表示装置の仕様に応じて設計することが可能である。
 以上のように、この実施の形態7によれば、凸面鏡60の光軸61を含む水平面内で屈折光学レンズ58の光軸方向を適切な角度に折り曲げて、屈折光学レンズ58が出射した光を凸面鏡60へ反射する光路折曲反射鏡59を備えるようにしたので、屈折光学レンズ58や照明光源系を画像表示装置の空スペースに配置することができるようになり、さらに薄型化し、かつスクリーン下部高さを低く抑えた画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 また、この実施の形態7によれば、屈折光学レンズを構成する第1のレンズ手段からの光を第2のレンズ手段へ反射する光路折曲反射鏡を備えるようにしたので、第1のレンズ手段の光軸と第2のレンズ手段の光軸とを折り曲げて屈折光学レンズを構成することができるようになり、空スペースを利用してレンズを配置して、さらに薄型化し、かつスクリーン下部高さを低く抑えた画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 なお、この実施の形態7は各実施の形態1〜6に適用することが可能である。
実施の形態8.
 実施の形態6の数値実施例6Aで説明したように、計算機を用いた光線追跡の数値計算によって、この発明の目的を達成するための光学系の最適な構成を具体的に求めることができる。この実施の形態8では、この数値計算の結果について開示する。
 図26はこの発明の実施の形態8による画像表示装置の構成を示す図であり、数値実施例6A(図21)を用いている。図1と同一の符号14はマイクロミラーデバイスである。図26において、62は正のパワーを持つ正レンズ群および負のパワーを持つ負レンズ群から構成されたレトロ光学系(投影光学手段、屈折光学部)、63は光の出射角度を微調整する屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、64は屈折光学レンズからの光を反射し、歪曲収差を補正する非球面凸面鏡(投影光学手段、反射部)である。照明光源部、スクリーンの図示は省略している。
 不図示のマイクロミラーデバイスからの光はレトロ光学系62を透過し、屈折光学レンズ63を介して凸面鏡64へ出射され、不図示のスクリーンへ投影される。このとき、レトロ光学系62は集光作用を有するとともに、スクリーンへ投影する光線の画角を広げる働きを補助している。また、屈折光学レンズ63は非球面凸面鏡64で補正しきれなかった歪曲収差を補正する働きをしている。レトロ光学系62や屈折光学レンズ63は、各実施の形態で説明した種々の屈折光学レンズを含んでいる。
 より具体的には、図27(a)の2つの正レンズ群62A,62Bおよび1つの負レンズ群62Cから、図27(b)の2つの正レンズ群62D,62Eおよび1つの負レンズ群62Fから、そして図27(c)の1つの正レンズ群62Gおよび1つの負レンズ群62Hからレトロ光学系62をそれぞれ構成している。
 以上の構成は、この発明の目的を達成するために数値計算によって導かれた構成であり、歪曲収差や像面湾曲を抑制し、薄型化した画像表示装置を構成できるという効果は、各数値実施例に示す数値計算の結果を用いて数値計算を再び行うことによって容易に理解できよう。具体的な数値計算の結果を数値実施例8A,8B,8Cとしてそれぞれ示す。
<数値実施例8A>
 図28,29は数値実施例8Aの数値データ、構成をそれぞれ示す図であり、図27(a)に対応している。正レンズ群62Bは、正レンズおよび負レンズから構成された色消しレンズである。
<数値実施例8B>
 図30,31は数値実施例8Bの数値データ、構成をそれぞれ示す図であり、図27(b)に対応している。ここでは、正レンズ群62Eは1枚のレンズから構成されている。
<数値実施例8C>
 図32,33は数値実施例8Cの数値データ、構成をそれぞれ示す図であり、図27(c)に対応している。
 さらに、図34〜37には実施の形態4に関する数値実施例4A,4Bを、図38,39には実施の形態7に関する数値実施例7Aをそれぞれ開示する。
<数値実施例4A,4B>
 図34,35は数値実施例4Aの数値データ、構成をそれぞれ示す図であり、図36,37は数値実施例4Bの数値データ、構成をそれぞれ示す図である。いずれも実施の形態4に対応しており、2つの非球面レンズ47のうち、非球面凸面鏡46に近い方をアクリル、遠い方をポリカーボネイトでそれぞれ製造している。
 一般に、プラスチックの屈折率温度係数、線膨張率温度係数はガラスよりも2桁ほど大きな値であるため温度変化の大きな環境で使用する際には使用方法に関して特別な配慮が必要になる。そこで、特に数値実施例4Bでは、2つの非球面レンズ47の形状において、中心部分の厚さと周辺部分の厚さとをほぼ等しくしており、温度変化に対する非球面レンズ47の形状の変化の影響を軽減できるようにして、環境特性を向上させている。
<数値実施例7A>
 図38,39は数値実施例7Aの数値データ、構成をそれぞれ示す図である。実施の形態7に対応しており、光路折曲反射鏡を図の折り曲げ位置に挿入して画像表示装置の薄型化を狙った場合に相当する。
 なお、上記の全数値実施例に関する諸元や非球面形状の計算式は、波長546.1nmでの焦点距離fの値を除いて数値実施例6Aの場合と同様である。各数値実施例の焦点距離fは次のようになっている。
数値実施例4A:f=5.3881mm
数値実施例4B:f=4.9898mm
数値実施例7A:f=4.8675mm
数値実施例8A:f=5.2190mm
数値実施例8B:f=5.0496mm
数値実施例8C:f=5.5768mm
 以上の各数値実施例に示した数値データを検証すると、レトロ光学系62が有するレンズに次のような特徴を見つけることができる。
(特徴1) 負のパワーを持つ負レンズの屈折率の平均値ave_Nn,正のパワーを持つ正レンズの屈折率の平均値ave_Npは、それぞれ1.45≦ave_Nn≦1.722,1.722<ave_Np≦1.9となっている。
(特徴2) 負レンズのアッベ数の平均値ave_νdn,正レンズのアッベ数の平均値ave_νdpは、それぞれ25≦ave_νdn≦38,38<ave_νdp≦60となっている。
(特徴3) 正レンズを構成する硝材の屈折率の平均値と負レンズを構成する硝材の屈折率の平均値との差分dif_ave_Nは、0.04≦dif_ave_N≦1となっている。
(特徴4) 正レンズを構成する硝材のアッベ数の平均値と負レンズを構成する硝材のアッベ数の平均値との差分dif_ave_νdは、0≦dif_ave_νd≦16となっている。
 特徴1,2は、実施の形態5で示した屈折光学レンズ48(ペッツバール和補償レンズ)において、正レンズ48Aの屈折率を高くし、負レンズの屈折率48Bを低くすることに相当している。また、一般には色消しなどの用途でアッベ数70〜90のものも用いられているが、特徴2から分かるように、アッベ数の値は60以下となっている。
 以上が、計算機を用いた光線追跡の数値計算によって導かれた数値実施例の結果である。
 さて、この発明では、投影光学系共通の光軸外にマイクロミラーデバイスを偏芯配置し、光学系へ斜めに光を入射しているので、光線の一部がレンズ枠などにけられて有効な光束を減少させないように留意しなければならない。この実施の形態8では、この光のけられをなくすために図26のように構成している。
 すなわち、図26の構成では、マイクロミラーデバイス14に最も近いレンズからマイクロミラーデバイス14(送信手段光出射面)までの距離である後側焦点距離(Back focal length:英語、BFLと略す)と、マイクロミラーデバイス14からレトロ光学系62の入射瞳位置までの距離とを一致させるようにしている。このようにすることによって、光のけられを最小化して、スクリーンへの照明効率を高めることができる。この理由について、次に説明する。
 マイクロミラーデバイス14の小ミラーからそれぞれ反射された主光線は入射瞳位置に集まる。各小ミラーからの反射光の広がり角は一定なので、図40(a)に示すように入射瞳位置がBFLに一致している場合には、BFLの位置で光線が最も集まるようになるので、BFLに配置された屈折光学レンズ66の大きさ(径)を最小化することができる。また、このときには、不図示の照明光源系からの光をマイクロミラーデバイス14へ媒介する屈折光学レンズ65は、マイクロミラーデバイス14から屈折光学レンズ66へ向かう光をけることはない。
 これに対して、例えば図40(b)に示すように、屈折光学レンズ65,66,マイクロミラーデバイス14の大きさや配置をそのままにして、入射瞳位置をBFLからズラすようにすると、各小ミラーからの主光線はズレた入射瞳位置に集まり、光の広がり角が一定なので、図40(a)と比べてBFLの位置の光線は広がり、この光を受光するレンズ径が大きくなる。また、マイクロミラーデバイス14から屈折光学レンズ66へ入射する光が屈折光学レンズ65によってけられてしまう。このことは、有効光束の減少につながり、照明効率を劣化させてしまう。
 以上のような理由によって、マイクロミラーデバイス14から入射瞳位置までの距離をBFLに等しくするようにしており、このことによって、屈折光学レンズの大きさ(径)を最小化できるとともに、光のけられを少なくし、照明効率を向上することができる。もちろん、ここで示したけられを最小化する手法は、他の実施の形態にも適用することが可能である。なお、数値実施例4A,4Bに関しては、入射瞳位置がBFLとほぼ一致した状態になっているが、完全に一致させることによって最良の効果を得ることができる。
 以上のように、この実施の形態8によれば、正レンズ群および負レンズ群から構成されるレトロ光学系62と、光の出射角度を微調整する屈折光学レンズ63と、歪曲収差を補正する非球面凸面鏡64とを備えるようにしたので、歪曲収差や像面湾曲を抑制し、薄型化した画像表示装置を構成できるという効果が得られる。
 また、この実施の形態8によれば、正レンズ群62A(62D),正レンズ群62B(62E),負レンズ群62C(62F)からレトロ光学系62を構成するようにしたので、歪曲収差や像面湾曲を抑制し、薄型化した画像表示装置をより具体的に構成できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態8によれば、正レンズ群62G,負レンズ群62Hからレトロ光学系62を構成するようにしたので、歪曲収差や像面湾曲を抑制し、薄型化した画像表示装置をより具体的に構成できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態8によれば、負レンズの屈折率平均値を1.45以上1.722以下の範囲に、正レンズの屈折率平均値を1.722より大きく1.9以下の範囲にしたので、歪曲収差や像面湾曲を抑制し、薄型化した画像表示装置をより具体的に構成できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態8によれば、負レンズを構成する硝材のアッベ数の平均値を25以上38以下とし、正レンズを構成する硝材のアッベ数の平均値を38より大きく60以下としたので、歪曲収差や像面湾曲を抑制し、薄型化した画像表示装置をより具体的に構成できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態8によれば、正レンズを構成する硝材の屈折率の平均値と負レンズを構成する硝材の屈折率の平均値との差分が0.04以上1以下のレンズ硝材から屈折光学レンズを構成するようにしたので、歪曲収差や像面湾曲を抑制し、薄型化した画像表示装置をより具体的に構成できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態8によれば、正レンズを構成する硝材のアッベ数の平均値と負レンズを構成する硝材のアッベ数の平均値との差分が0以上16以下のレンズ硝材から屈折光学レンズを構成するようにしたので、歪曲収差や像面湾曲を抑制し、薄型化した画像表示装置をより具体的に構成できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態8によれば、マイクロミラーデバイス14に最も近い屈折光学レンズからマイクロミラーデバイス14までのBFLと、マイクロミラーデバイス14からレトロ光学系62の入射瞳位置までの距離とを一致させるようにしたので、屈折光学レンズの大きさ(径)を最小化できるとともに、光のけられを最小化して、照明効率を向上することができるという効果が得られる。
実施の形態9.
 この実施の形態9では、マイクロミラーデバイスから反射鏡までの間において、マージナルレイ(marginal ray:英語)の低い所に負のパワーを有する負レンズを配置して、ペッツバール条件を満足させる手法について説明する。
 図41はこの発明の実施の形態9による画像表示装置の構成を示す図であり、図41(a),(b)はそれぞれ全体図、拡大図である。照明光源部、マイクロミラーデバイス、スクリーンなどの図示は省略している。図41において、67,68はそれぞれ屈折光学レンズ、69は正のペッツバール和寄与成分を有する凸面鏡、70は屈折光学レンズ67,68および凸面鏡69が共有する光軸、71は不図示のマイクロミラーデバイスから凸面鏡69へ進行する光のマージナルレイ、72はマージナルレイ71の低い所に配置された負のパワーを有する負レンズである。
 実施の形態5で述べたように、凸面鏡69は正のペッツバール和寄与成分を有しているので、屈折光学レンズ67,68,凸面鏡69から構成される投影光学系全体のペッツバール和は正の値になりやすく、像面湾曲が生じる。そこで、絶対値の大きい負のパワーを有する負レンズ72を追加することによって負のペッツバール和寄与成分を作り出し、光学系全体のペッツバール和を0になるようにすれば、像面湾曲を低減することが可能になる。
 この負レンズ72を配置する際に、マージナルレイ71の低い所を負レンズ72の配置箇所として選択している点がこの実施の形態9のポイントである。つまり、この実施の形態9では、不図示のマイクロミラーデバイスから凸面鏡69までの間において、マージナルレイ71の低い所に負レンズ72を配置するようにしている。マージナルレイ71の低い所では、光軸70の周りに光が集中している。
 このようにすることで、負レンズ72の中心周辺の微小部分に集中して光が透過するようになるため、光に対する負レンズ72のレンズ効果をほとんど無視することができるようになる。したがって、屈折光学レンズ67,68および凸面鏡69をもとにした光路設計に対して、負レンズ72の影響を考慮すること必要がなく、かつ、投影光学系の正のペッツバール和寄与成分を相殺することができる。光路に対する影響を考慮する必要がなく、負のパワーの絶対値およびガラス材料の屈折率だけを考えてペッツバール条件を満たすようにすれば良いので、像面湾曲の軽減を容易に行うことができる。
 より具体的には、実施の形態8のレトロ光学系62に負レンズ72を設けるようにしても良いし、また、マイクロミラーデバイスの反射面(液晶などの透過型の光空間変調素子の場合には出射面)はマージナルレイ71の低い所に相当するため、コンデンサレンズ(フィールドフラットナ)を負レンズ72として反射面(出射面)に近接して備えるようにしても良い。
 負レンズ72の構成は特に1枚のレンズに限定されるものではなく、複数枚のレンズより構成された負レンズ72を備えるようにすることも可能である。
 以上のように、この実施の形態9によれば、マージナルレイ71の低い所に負のパワーを有する負レンズ72を配置するようにしたので、負レンズ72の透過光に対するレンズ効果を考慮することなく、投影光学系の正のペッツバール和寄与成分を相殺する負のペッツバール和寄与成分を作り出してペッツバール条件を容易に満たすことができるようになり、像面湾曲を低減した画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
実施の形態10.
 実施の形態7では、画像表示装置の厚さ・スクリーン下部高さの双方を最小化するため、屈折光学レンズ58と凸面鏡60との間に光路折曲反射鏡59を挿入して、光軸61を含む水平面内で光路を折り曲げるようにした。この実施の形態10では、実施の形態7で示した光路折曲反射鏡59と屈折光学レンズ58の凸面鏡60に対する相対的な配置条件について説明する。
 図42は光路折曲反射鏡の配置条件を説明するための図であり、図42(a)および(b)はそれぞれ側面図および上面図、図42(c)は凸面鏡60の正面図である。図23と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。図42において、73は屈折光学レンズ58の光軸、58zは光路折曲反射鏡59を仮想的に取り除き、凸面鏡60の光軸61と光軸73とを一致させた場合の屈折光学レンズ58である。
 光軸61と光軸73とは水平面において折曲角度θで交差している。光軸73は、光軸61と一致した状態から、水平面内で180−θ度だけ回転して図42(b)のようになる。P,Qはそれぞれ光軸73を含む水平面と屈折光学レンズ58との交線上の2点であり、光路折曲反射鏡59から凸面鏡60へ向う光路に最も近い点をP,平面鏡22が設けられた画像表示装置の平面鏡設置面に最も近い点をQとしてある。
 また、凸面鏡60が設けられた画像表示装置の凸面鏡設置面(反射部設置面)から光路折曲反射鏡59の位置(光軸61と光軸73との交点)までの距離はb,光軸61を含む水平面と光路折曲反射鏡59との交線上の点において凸面鏡設置面に最も近い点を最近点、凸面鏡設置面に最も遠い点を最遠点と呼ぶと、最近点から凸面鏡設置面までの距離はa,最遠点から凸面鏡設置面までの距離はcである。距離cは凸面鏡設置面から光折曲反射鏡59までの最長距離となっている。
 さらに、光路折曲反射鏡59の最も高い点から光軸61までの高さをm,点Qから凸面鏡設置面までの距離をg,屈折光学レンズ58zの出射瞳位置から凸面鏡設置面までの距離をfとしてある。距離gは凸面鏡設置面から屈折光学レンズ58までの最長距離となっている。したがって、屈折光学レンズ58の出射瞳位置から光路折曲反射鏡59の位置までの距離と、光路折曲反射鏡59の位置から凸面鏡設置面までの水平方向の距離との合計距離もfになる。
 図42(a)から分かるように、スクリーン18の最下端から光軸61までの距離であるスクリーン下部高さを最小化するには、スクリーン18の最下端へ向う凸面鏡60の反射光線75をできる限り光軸61に接近させた低い位置を通過させた方が有利である。一方で、過度に低い位置を光路が通過すると、光路折曲反射鏡59に光路が遮られてスクリーン上に影となって表示できない部分が発生し、実用に供しない。したがって、スクリーン18の最下端へ向う凸面鏡60の反射光線を光路折曲反射鏡59で遮らないように、光路折曲反射鏡59のサイズ・位置を定めなければならない。
 光路折曲反射鏡59の位置に関しては、凸面鏡60の反射光線をできるだけ低い光路で通過させるために、距離aをできるだけ大きくする。一方で、画像表示装置の厚さには薄型化の仕様から決まる厚さ制限値があるので、距離cはこの厚さ制限値以下とする必要がある。
 以上の条件の下で光路を折り曲げる場合、距離fが短すぎると、屈折光学レンズ58の点Pを含む部分が光路折曲反射鏡59から凸面鏡60までの光線を遮ってしまう。または屈折光学レンズ58の点Pを含む部分が光路折曲反射鏡59から凸面鏡60までの光線を遮らないように設定すると、距離aが必要以上に短くなる。一方、距離fが長すぎると、凸面鏡60の受光面や光路折曲反射鏡59の位置の条件から屈折光学レンズ58の位置が光路折曲反射鏡59から必要以上に離れ、結果として光路折曲反射鏡59が大きくなり、光路折曲反射鏡59の高さmを大きな値にしなければならず、凸面鏡60から反射してスクリーン18の最下端に向う反射光線75を遮ってしまう。このため、距離fには最適値が存在する。
 折曲角度θについては、図42(b)から分かるように、折曲角度θをあまり大きく設定してしまうと、距離gまたは距離cが厚さ制限値を超えてしまうとともに、距離aが短くなりスクリーン18の最下端へ向う凸面鏡60からの反射光線の高さを引き上げてしまうことになる。
 逆に、折曲角度θを小さくするようにすれば距離gまたは距離cも小さくなるので、屈折光学レンズ58または光路折曲反射鏡59は厚さの観点からは有利になる。しかし、折曲角度θをあまり小さくしてしまうと、光路折曲反射鏡59から凸面鏡60までの光路に屈折光学レンズ58の点Pを含む部分が入り込んで光を遮り、映像を投影できない影の部分が発生してしまう。したがって、折曲角度θにも最適値が存在する。
 以上のことを踏まえて、光路折曲反射鏡59から凸面鏡60までの光路に対して、光を遮らない範囲で点Pをできるだけ接近させるように光路の折曲角度θを決める。
 また折曲角度θが決まると、このときの画像表示装置の厚さを制約するのは距離gまたは距離cなので、これらの距離のうちでより大きな方を厚さ制限値となるように距離fを決める。特に、距離cと距離gとを等しく設定すると、スクリーン下部高さを最も低く抑えることができる。
 なお、折曲角度θは画像表示装置の他の条件によってあらかじめ定められている場合もあるが、上記の場合と同様に考えれば良い。
 以上の結果を次の1〜3にまとめておく。距離fおよび折曲角度θを以下の1〜3のように最適化することで、映像が投影できない影の部分を生じる事なく、厚さ制限値の制約を満足してスクリーン下部高さを低く抑えることができるという効果が得られる。
 1.光路折曲反射鏡59によって光路を折り曲げる場合には、光路折曲反射鏡59から凸面鏡60までの光路を遮らない範囲で、屈折光学レンズ58の点Pをできるだけ上記光路に近づけるように折曲角度θを設定する。
 2.画像表示装置の他の配置条件によって折曲角度θがあらかじめ決まっている場合には、光路折曲反射鏡59から凸面鏡60までの光路を遮らない範囲で、屈折光学レンズ58の点Pをできるだけ上記光路に近づけ、距離cまたは距離gが厚さ制限値となるように距離fを設定する。
 3.スクリーン下部高さを最も低く抑えるために、光路折曲反射鏡59から凸面鏡60までの光路を遮らない範囲で、屈折光学レンズ58の点Pをできるだけ上記光路に近づけるように折曲角度θを設定するとともに、距離cと距離gとを等しくし、かつ距離cおよび距離gが厚さ制限値となるように距離fを設定する。
 なお、光線の通過しない点Pを含んだレンズ部分(非透過部分)を屈折光学レンズ58から削除することによって、光路折曲反射鏡59から凸面鏡60までの光路に点Pを近づける際に、光路折曲反射鏡59から凸面鏡60までの光路に対して削除していない場合と比べて屈折光学レンズ58をより接近させることができる。
 また、例えば図1や図4から分かるように、凸面鏡の反射面を全て用いてスクリーンへ光を投影しているわけではなく、凸面鏡の半分以下の反射面だけで投影している。したがって、例えば図42(c)の凸面鏡60のように、スクリーンへ光を投影しない不用な反射面を有する部分(非反射部分)を切り取って構成するようにすれば、不用部分を切り取った分だけ凸面鏡を小さく構成して、画像表示装置のコストを削減することができ、また画像表示装置内部の構成スペースを有効に利用することができるという効果が得られる。さらに、回転成型された1つの凸面鏡を2等分して切り取り、2等分した各凸面鏡を2台分の画像表示装置に適用することも可能であり、画像表示装置の製造工程を簡略化できる。
 この発明では、歪曲収差を補正するように光線追跡を行い、屈折光学レンズ58や光路折曲反射鏡59,凸面鏡61の各構成要素の形状を決定してこれらを配置するようにしているので、構成要素の位置関係を保持して光路を正確に形成する必要がある。このために、図43に示すような保持機構74を設けるようにして、屈折光学レンズ58,光路折曲反射鏡59,凸面鏡60を一体化して保持するようにする。このようにすることで、相互の位置関係を固定して、構成要素間の光路を精度良く製造できるようになり、光学系の外部より加わる応力や、各種の環境条件(温度、湿度等)の変化が生じても屈折光学レンズ58,反射鏡59,凸面鏡60の相対位置関係が変化しにくくなり、画像表示装置の性能をより安定化することができるという効果が得られる。もちろん、光路折曲反射鏡59がない場合、つまり屈折光学レンズ58と凸面鏡60とだけを保持機構によって保持しても良い。
 また、実施の形態7で述べたように、屈折光学レンズ58と凸面鏡60との間に光路折曲反射鏡59を配置する代わりに、屈折光学レンズ58を構成する第1のレンズ手段と第2のレンズ手段との間に光路折曲反射鏡を設けることで光路を折り曲げ、画像表示装置の厚さを抑えることも可能である。図44はこのときの画像表示装置の構成を示す図である。図42と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。不図示のマイクロミラーデバイスからの光は、屈折光学レンズ58の第1のレンズ手段を透過して、光路折曲反射鏡59によって反射されてから屈折光学レンズ58の第2のレンズ手段を透過して凸面鏡60へ進行する。
 この場合、距離gは凸面鏡設置面から屈折光学レンズまでの最長距離となっている。また、スクリーン18の最下端から光軸61までの距離であるスクリーン下部高さを最小化するために、スクリーン18の最下端へ向う凸面鏡60の反射光線75をできる限り光軸61に接近させた低い位置を通過すべく設定するため、屈折光学レンズ58をできるだけ凸面鏡60よりも離した方が有利である。特に屈折光学レンズ58の出射面の最高部Rより反射光線75が低い位置を通過すると屈折光学レンズ58により光路が遮られる。このため、距離gが厚さを超えない範囲で凸面鏡設置面から屈折光学レンズ58までの最短距離aはできるだけ長くすべく配置する。以上の条件より、図44の場合にも、凸面鏡設置面から屈折光学レンズ58の出射瞳までの距離fには最適値が存在する。
 また、光路の折曲角度θはレンズと凸面鏡の間に光路折曲反射鏡を用いた場合と同様に、薄型化の観点からはできるだけ小さい値に設定すべきである。しかし、あまり折曲角度θが小さいと、第1のレンズ手段が光路折曲反射鏡から第2のレンズ手段までの光路を遮ってしまう。したがって、図44の場合にも、折曲角度θの最適値が存在することが分かる。
 なお、実施の形態7,10では、光路折曲反射鏡の代わりに、光路折曲手段としてプリズムを用いるようにしても良く、同様の効果を得ることができる。
実施の形態11.
 この実施の形態11では、マイクロミラーデバイスから反射鏡までの間の屈折光学レンズの入射光側および出射光側のレンズ径をレンズ中央部に比べて小さく構成することにより、ペッツバール条件を満たすと共に折り曲げ条件に有利な光学系を構成する手法について説明する
 図45はこの発明の実施の形態11による画像表示装置の構成を示す図であり、照明光学部、スクリーンなどの図示は省略している。図45において、14はマイクロミラーデバイス、76は屈折光学レンズ(屈折光学部)、77は正のペッツバール和寄与成分を有する凸面鏡、78は屈折光学レンズ76および凸面鏡77が共有する光軸、79はマイクロミラーデバイス14から凸面鏡77へ進行する光のマージナルレイである。
 屈折光学レンズ76において、80はマージナルレイ79の高い所に配置された正のパワーを有する正レンズ、81および82はおのおの正レンズ80の入射側レンズ群および出射側レンズ群であり、マイクロミラーデバイス14からの光は、入射側レンズ群81,正レンズ80,出射側レンズ群82の順に透過して凸面鏡77へ向う。
 実施の形態5で述べたように凸面鏡77は正のペッツバール和寄与成分を有しているので、投影光学系全体のペッツバール和は正の値になりやすく、像面湾曲が生じる。そこで、屈折光学レンズ76を構成する正のパワーを有する正レンズ80のパワーをできるだけ小さくすればペッツバール和の増加を抑制することができる。
 正レンズ80をマージナルレイ79の高い所に配置している点がこの実施の形態11のポイントである。つまり、ペッツバール条件を考慮して正レンズ80のパワーを小さくすると、これに応じて正レンズ80のレンズ作用の効果も小さくなるが、小パワーの正レンズ80の配置箇所として、光軸から見て光が広がるマージナルレイの高い所を選択するようにすれば、正レンズ80の入射面・出射面の各微小面積とこれを透過する各光線との対応付けが容易になる。したがって、透過光に対する正レンズ80の入射面・出射面の形状をより緻密に設計することができ、小パワーの正レンズ80のレンズ作用を十分効果的にすることができる。
 このように、マージナルレイ71の低い所に負レンズ72を配置して、レンズ作用効果をほとんど無視できるようにした実施の形態9とは逆の発想で、正の小パワーを持つ正レンズ80をマージナルレイ79の高い所に配置することで、正レンズ80のレンズ作用を損なうことなく、ペッツバール和の増加を抑制することが可能となる。
 図45を用いて具体的に説明する。図45において、屈折光学レンズ76中央部の正レンズ80がこの実施の形態11による正のパワーを有する正レンズであり、マージナルレイ79の高い所に設置している。正レンズ80の入射側レンズ群81および出射側レンズ群82を設置することで、正レンズ80でのマージナルレイ79が高くなるような構成をとっている。
 図46はこの実施の形態11の数値実施例11Aを示す図である。図46の諸元は、f=−0.74mm(波長546.1nmでの焦点距離)、NA=0.17(マイクロミラーデバイス側開口数)、Yob=14.2mm(マイクロミラーデバイス側物体高)、M=86.3(投影倍率)である。図46における非球面形状の定義は数値実施例6A記載のものと同様である。
 この数値計算の結果を検証すると、屈折光学レンズ76に入射する光のマージナルレイ79の高さをhi,屈折光学レンズ76中央部の正レンズ80を通る光のマージナルレイ79の最大高さをhm,屈折光学レンズ76から出射する光のマージナルレイ79の高さをhoとすれば、これらhi,hm,hoは、1.05hi<hm<3hiおよび0.3hi<ho<hiを満たすような関係になっている。つまり、0.3hi<ho<hi<hm/1.05<3/1.05・hiとなるので、上の2つの不等式を満足するhi,hm,hoではhoが最も小さくなる。
 また、図45に示す構成は、出射部分のレンズ径を小さくすることによって先のペッツバール条件以外に、実施の形態7で説明したように屈折光学部を光路折曲手段から反射部までの光路を遮らない範囲でレンズ径の大きい場合より光路に近づけることができるため、光路折曲反射鏡の挿入範囲についても余裕ができる。なお、正レンズ80は、後に述べる数値実施例14Aに係る図53に示すように、複数のレンズで構成することも可能である。
 以上のように、この実施の形態11によれば、マイクロミラーデバイス14から凸面鏡77までの間のマージナルレイ79の高い所に正のパワーを有する正レンズ80を配置して、光学系のペッツバール和の増加を抑制するよう正レンズ80のパワーを小さくしたので、正レンズ80のレンズ作用を効果的に利用して、投影光学系の正のペッツバール和寄与成分を抑制することができ、像面湾曲を低減した画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 また、屈折光学レンズ76に入射する光のマージナルレイ79の高さhi,屈折光学レンズ76中央部の正レンズ80を通る光のマージナルレイ79の最大高さhm,屈折光学レンズ76から出射する光のマージナルレイ79の高さhoを1.05hi<hm<3hiおよび0.3hi<ho<hiを満たすようにしたので、投影光学系の正のペッツバール和寄与成分を抑制することができ、像面湾曲を低減した画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 また、1.05hi<hm<3hiおよび0.3hi<ho<hiの関係を満足すれば、屈折光学レンズ76出射部分のレンズ径を小さくでき、光路折曲反射鏡の挿入範囲に余裕を持った画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
実施の形態12.
 実施の形態4では、マイクロミラーデバイス14の有効表示面を奇数次非球面の光軸外にシフトして偏芯配置し、奇数次非球面の中心部(光軸上の点)を避けて反射/透過させて投影光束(光画像信号)をスクリーン18上に導くようにした。光軸中心付近を使用しないため、奇数次非球面が使用でき、これによって非球面凸面鏡の自由度が向上して結像性能が向上することを述べたが、この実施の形態12では光軸中心における光軸方向の結像位置に対して周辺部における光軸方向の結像位置をずらした構成をとることにより光学系の自由度を持たせて結像性能を向上させる例について説明する。
 図47は一般の光学系の結像関係を示す図である。図47において、14は光軸に対して偏芯配置されたマイクロミラーデバイス、83は屈折光学レンズ(投影光学手段)、84は凸面鏡(投影光学手段)、85は光軸中心の結像位置を含み光軸に垂直な平面である結像面、86Aおよび86Bは光軸外の結像面85上の結像位置である。
 図47の光学系では、光軸中心の結像位置を基準として光軸に垂直に平面を取り、これを結像面85とすると軸外の結像位置86Aおよび86Bも結像面85上に存在するように設計する。しかし、広角光学系では結像位置を同じ平面内におさめることは難しく、結像位置のズレの大小はあるが像面は湾曲してしまう。この対策についてはすでに実施の形態5、実施の形態9、実施の形態11等に示したペッツバール条件を満足する光学系の条件を示し、像面湾曲を低減する手法を説明した。
 一方、この実施の形態12では光軸中心を使用しないため、この部分の結像位置と実際に使用する軸外の結像位置とは異なっても構わない。図48は像面が湾曲した光学系の例を示したもので、87は屈折光学レンズ、88は凸面鏡、89は湾曲した像面、90Aおよび90Bは軸外の結像位置である。
 図48のように、曲線状の像面89で示したような像面湾曲が許されることに着目したことがこの実施の形態12のポイントである。この条件下ではペッツバール条件から外れたレンズ構成が可能になり、屈折光学レンズ87を構成する光学材料の屈折率および分散の制限条件が緩和されるため、設計の自由度が広がることになる。このため、より高い結像性能が得られやすくなることがわかる。
 以上のように、この実施の形態12によれば、光軸中心の結像位置を光軸周辺の結像位置が存在する同一平面からはずすようにしたので、屈折光学レンズ87の設計上の自由度が増加し、優れた結像性能を有する画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
実施の形態13.
 この実施の形態13では実施の形態5で示した像面湾曲を軽減する手法に加え、さらに像面湾曲を軽減できる手法について説明する。
 上記の数値実施例で示したように凸面鏡の形状は、周辺部が反り返る形状になりやすい。この凸面鏡の局所的な曲率に着目すると、光軸中心部分の凸面鏡の曲率は凸であっても反り返った部分の凸面鏡の曲率は凹になっている。凸の曲率の反射鏡では光が発散し、凹の曲率の反射鏡では光が集光することから、スクリーン上に結像するには凸面鏡へ入射する屈折光学部からの出射光は光軸中心で収束光が必要となり、周辺部では発散光が必要となる。
 光軸中心で収束光を発生するレンズは周辺部でも収束光を発生することを考慮すると、この条件にかなう屈折光学レンズを設計することは非常に困難であることが容易に推定できる。換言すれば、一般の屈折光学レンズを使用した場合、大きな像面湾曲を生じることになる。よって凸面鏡の周辺部の反り返りを抑制することは像面湾曲の抑制に大きな効果がある。この実施の形態13では、この凸面鏡周辺部の反り返りを屈折光学レンズの射出瞳に瞳収差を持たせることによって抑制することができることを示すものである。以下にその理由を示す。
 図49はこの発明の実施の形態13による画像表示装置の構成を示す図である。図49において、91は屈折光学レンズ(屈折光学部)、92は周辺部が反り返った凸面鏡、93は周辺部の反り返りが改善された凸面鏡、94は屈折光学レンズ91と凸面鏡92,93が共有する光軸、95は光軸近辺の出射光、96は周辺部の出射光、97は光軸近辺の出射光95に対する屈折光学レンズ91の射出瞳、98は周辺部の出射光96に対する屈折光学レンズ91の射出瞳、99は射出瞳97から出射した場合の周辺部の出射光である。
 屈折光学レンズ91から出射する光は図49の光軸94近辺を通過した出射光95と周辺部の出射光99のように、どちらも射出瞳97から出射するのが一般的である。ここで、図49の出射光96、凸面鏡92および凸面鏡93の関係から判るように、出射光96が凸面鏡92により反射され、歪曲収差が補正された状態にするには射出瞳は97の位置で良いが、凸面鏡93のように反り返りの無い形状を満たし、かつ出射光96が凸面鏡93により反射され、歪曲収差が補正された状態にするには射出瞳98のように光軸94中心付近の射出瞳97と、周辺部の出射光の射出瞳98とを図49に示すように意図的にずらせば良い。
 以上のように凸面鏡93への光の入射位置と入射角を調整することで、凸面鏡93のように端の部分での反り返りを抑制することができ、像面湾曲を抑制することができるという効果が得られる。なお、この特徴は上記の全ての数値実施例において認められる特徴である。
実施の形態14.
 この実施の形態14では、投影光学部において光軸中心付近の歪曲収差を許容して結像性能を向上させる手法について説明する。
 図50はこの発明の実施の形態14による画像表示装置の構成を示す図である。図50において、100はスクリーン、101は不図示の投影光学系とスクリーン100が共有する光軸、102は光軸101を中心とした円がスクリーン100の底辺のみで交わる最大の範囲を示したものである。
 光学系において歪曲収差の制約は結像性能を規定する大きな要因なので、この制約をはずすことにより結像性能を向上させることができる。しかし、歪曲収差が発生するとスクリーン周辺での画像がスクリーン枠に対してゆがんで表示されたり、スクリーン枠の辺よりも画像が過大もしくは過小に表示されるという不都合が発生する。これらの不具合を極力少なくするには、歪曲収差の影響を受ける部分を極力抑える必要がある。
 図50におけるスクリーン100上の範囲102に示されるように、光軸101を中心として円を描いた場合に、スクリーン100の底辺と交差し、他の辺と交差しない範囲まで、投影光学部の発生する歪曲収差の絶対値を大きくし、この円よりも外側の領域で歪曲収差の絶対値を小さく抑制することにより、歪曲収差の影響をスクリーン100底辺のみに限定でき、他の3辺は正しい矩形形状に画像形成できる。
 また、光学系で発生する歪曲収差は、光軸からの距離に対する歪の割合で定義されている。つまり、歪曲収差の値が同一であっても光軸からの距離が近いほど実際の歪の量は少ない。また、視覚的な観点からすると画像の歪感は画面内部の映像については判り難く、画面の最外周部が歪んで本来直線である画面境界部が曲線になると容易に判別できる。本発明によれば光軸に近い一辺については歪曲を発生し、この辺の直線性を失うが、光軸からこの一辺までの距離が短いため、他の辺に対する相対的な歪量は少なくなり、境界部が曲線になりにくいという効果が得られる。さらに、この辺上に光軸があれば、外面境界部に関しては直線性を失わない。
 この特徴はディスプレイを組み合わせてマルチ構成で使用する場合、特に有効である。図51はマルチ構成で用いた場合の画像表示装置を示す図である。図51において、100A〜100Fはスクリーン、101A〜101Fは各画像表示装置の不図示の投影光学部とスクリーン100A〜100Fが共有する光軸、102A〜102Fは光軸101A〜101Fを中心とした円がスクリーン100A〜100Fの底辺のみで交わる最大の範囲を示したものである。
 図51のように縦方向に2面、横方向に多面のマルチディスプレイを構成する場合でも底辺を除いた部分の歪曲収差が抑制されていれば画面のつなぎ部分での絵の重なり、絵の隙間などがほとんど発生しない。
 以上の構成は数値計算によって導かれた結果である。具体的な数値計算の結果を数値実施例14Aとして示す。
<数値実施例14A>
 図52,53は数値実施例14Aの数値データ、構成をそれぞれ示す図である。図52の諸元は、f=3.31mm(波長546.1nmでの焦点距離)、NA=0.17(マイクロミラーデバイス側開口数)、Yob=14.65mm(マイクロミラーデバイス側物体高)、M=86.96(投影倍率)である。
 この数値実施例14Aにおける歪曲収差の数値計算結果を図54に示す。歪曲収差を許した設計との対比として、図55に数値実施例4Aの歪曲収差を示す。図55から分かるように数値実施例4Aの歪曲収差はほぼ0.1%以下であるのに対し、図54に示した数値実施例14Aの歪曲収差は光軸からの距離を示す像高が小さい範囲において最大2%ほどの歪曲収差を許していることが分かる。
 なお、歪曲収差を許した設計を行った結果光学系で発生した歪曲収差は、光路折り曲げ等で使用する鏡面の形状を変形させることにより補正可能である。つまり、上記の歪曲収差を補正するように、投影光学系17からの光を反射してスクリーン18へ光路を折り曲げる平面鏡22の形状を歪ませれば、画像表示装置全体の歪曲収差を補正することができる。
実施の形態15.
 この実施の形態15では、凸面鏡に2つの工夫を施している。一方の工夫によって温度変化に対する環境特性を向上することができ、他方の工夫によって画像表示装置の組立工程におけるアライメント調整を容易にすることができる。
 図56はこの発明の実施の形態15による画像表示装置の構成を示す図である。図56(a)は画像表示装置の側面図であり、照明光学系やスクリーンなどの図示を省略している。また、図56(b),(c)はそれぞれ凸面鏡の上面図、正面図である。図56では、凸面鏡が有する光軸の方向にz軸を、光軸を含む水平面においてz軸と直交するようにx軸を、x軸およびz軸と直交するようにy軸をそれぞれとっている。
 図56において、14はマイクロミラーデバイス、103A,103Bはそれぞれ各実施の形態で示した屈折光学レンズ(屈折光学部)、104はこの実施の形態15を特徴付ける凸面鏡(反射部)、105は屈折光学レンズ103A,103Bや凸面鏡104が共有する光軸である。凸面鏡104は、光軸105を中心とした回転対称形の凸面鏡104Oから非反射部分104Cを切り取って凸面鏡104を構成している(図56(b),(c),実施の形態10参照)。
 凸面鏡104において、104Fは屈折光学レンズ103A,103Bからの光を反射する凸面鏡104の反射面としてのフロント面、104Rはフロント面104Fの背側に設けられた凸面鏡104のリア面である。
 この発明では、歪曲収差を補正するためにフロント面104Fの非球面形状を緻密な光線追跡によって設計しているので、使用環境の温度変化によって凸面鏡104の各部位毎に収縮や膨張の度合いに違いが生じると、フロント面104Fの形状が微妙に変化して歪曲収差の補正に影響を与える。この温度変化に対する対策として、フロント面104Fからリア面104Rまでの厚さを均一にしている点が、凸面鏡104に施した一つ目の工夫である。
 図57は温度変化に対する凸面鏡の厚さ方向の形状変化を説明するための図であり、図57(a)は収縮する凸面鏡104,図57(b)は膨張する凸面鏡104を表している。図56と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。
 線膨張率が一様な材質によって凸面鏡104を製造しているので、フロント面104Fからリア面104Rまでの厚さを均一にすることによって、温度変化に対する凸面鏡104の厚さ変化が各部位で全て等しくなる。したがって、光線追跡によって表面形状を設計し製造されたフロント面104F(破線)、リア面104R(破線)の各部位は、光軸105に対して平行に収縮、膨張してフロント面104F’(実線)、リア面104R’(実線)になる。凸面鏡104の厚さ変化が各部位で全て等しいので、フロント面104F’はフロント面104Fの形状を保っており、環境の温度変化に対するフロント面104Fの形状変化を抑制することができる。
 凸面鏡104に施したもう一方の工夫は、フロント面104Fの光軸105近傍に低反射面104Lおよび高反射面104Hを形成した点である(図56)。低反射面104Lの反射率は、高反射面104Hの反射率よりもかなり低く設定している。
 光軸105に対してマイクロミラーデバイス14を偏芯配置したこの発明の画像表示装置の凸面鏡104では、フロント面104Fの光軸105近傍(非投影フロント面)をスクリーンまたは平面鏡に対する光の反射に利用しないので、このフロント面104Fの光軸105近傍に低反射面104L,高反射面104Hを設けている。
 フロント面104Fの光軸105近傍は、例えば、光軸105を含みx軸と直交する図56(a)の断面図において、屈折光学レンズ103B〜凸面鏡104間の最も光軸105に近い光路を通過する光線106のフロント面104Fにおける反射点106Pよりも低い部分に相当する。
 低反射面104L,高反射面104Hは非球面形状ではなく、いずれも光軸105を中心とした円形(半円)形状の光軸105と直交する小さな平面上に形成されている。フロント面104Fと光軸105との交点から反射点106Pまでの距離をRとすると、Rよりも小さな値rL,rHをそれぞれ低反射面104L,高反射面104Hの半径として、光軸105を中心とした同心円(半円)で低反射面104L,高反射面104Hをそれぞれ形成している。rL>rHと設定しているので、低反射面104Lの内部に高反射面104Hが存在し、低反射面104Lよりも高反射面104Hは光軸105に近くなっている。
 低反射面104L,高反射面104Hを凸面鏡104に設けるようにすることで、画像表示装置の組立工程におけるアライメント調整を容易にすることができる。
 図58は凸面鏡104を用いたアライメント調整方法を示す図である。図56と同一符号は同一の構成である。
 図58において、107は直進性の高いレーザ光(直進光)を出力するレーザ、108はレーザ107からのレーザ光を一方向にのみ通過してレーザ107を戻りレーザ光から保護するアイソレータ、109はアイソレータ108と凸面鏡104の間に設けられたハーフミラー、110はハーフミラー109からのレーザ光のパワーを検出する検出器である。また、符号111,112を付した矢印はそれぞれアライメント調整時の往路、復路のレーザ光であり、符号113を付した2点破線はレーザ光111,112によって作り出された仮想光軸である。
 まず始めに、図58(a)の構成によって、凸面鏡104に対する仮想光軸113を設定する。水平面と平行にレーザ107から出射するレーザ光は、アイソレータ108,ハーフミラー109を通過して凸面鏡104へ向う。このとき、x軸方向の並進調整Mx,x軸周りの回転調整Rx,y軸方向の並進調整My,y軸周りの回転調整Ryに関する凸面鏡104の姿勢をマニピュレータなどで微調整し、ハーフミラー109へレーザ光111を高反射面104Hによって反射して、ハーフミラー109を介して検出器110で検出されるレーザ光112のパワーが最大となるようにする。
 最大パワーが検出される状態は、凸面鏡104が最も望ましい姿勢になったときであり、つまりハーフミラー109から凸面鏡104へ向う往路のレーザ光111と、凸面鏡104からハーフミラー109へ向う復路のレーザ光112とが完全に一致する場合である。高反射率を有する平面鏡の高反射面104Hをレーザ光111に対して直交させると、レーザ光は直進性が高いため、レーザ光111,112が完全に一致して仮想光軸113を作り出すことができる。
 凸面鏡104の姿勢が大きくズレている場合には、凸面鏡104が反射したレーザ光112はハーフミラー109を介し、検出器110に入射しないので、検出器110はパワーを検出しない。また、凸面鏡104の姿勢が望ましい状態に近づいても、光軸ズレがあると平面鏡の低反射面104Lがハーフミラー109へレーザ光111を反射する。低反射面104Lの反射率が低いので、ハーフミラー109を介して検出器110によって検出されるレーザ光112のパワーは低いレベルであるため、光軸ズレが検知できる。この方法から考えると、高反射面104Hの半径rHの値は、光軸ズレの許容範囲から定めれば良いことが分かる。
 また、4つの受光素子110A,110B,110C,110Dによって検出器110の受光面を「田の字型」(2行2列のマトリクス、図58(c))に分割し、各受光素子110A〜110Dの出力信号の差動演算を行うことにより、凸面鏡104の傾きRx,Ryを高精度に検出調整可能である。
 さらに、4分割した受光素子110A〜110Dの出力の加算演算により受光素子に入射する総光パワーも求めることができ、光軸ズレMx,Myも検出可能である。よって、この構成にすることで、Mx,My,Rx,Ryの総合調整が行える。
 このように、検出器110で検出されるレーザ光112をモニタしながら、凸面鏡104の姿勢を微調整することによって、レーザ光111,112による仮想光軸113を作り出すことができる。
 次に、図58(b)の構成によって、屈折光学レンズ103A,103Bのアライメント調整を行う。図58(a)の仮想光軸113が作り出された構成に対して屈折光学レンズ103A,103Bを挿入する。この場合にも、屈折光学レンズ103A,103Bの姿勢が望ましい状態になると、屈折光学レンズ103A,103Bの中心をレーザ光111,112が通過するようになる。
 つまり、屈折光学レンズ103A,103Bの中心に対してレーザ光111,112が直交して通過すると、屈折光学レンズ103A,103Bのレーザ光112に与えるレンズ作用が発生しないので、最大パワーが検出器110で得られる。この望ましい状態は屈折光学レンズ103A,103Bの光軸が仮想光軸113と一致する場合に当たる。
 以上のように、この実施の形態15によれば、フロント面104Fからリア面104Rまでを等厚にした凸面鏡104を備えるようにしたので、温度変化に対するフロント面104Fの形状変化を抑制することができ、画像表示装置の環境特性を向上することができるという効果が得られる。
 また、この実施の形態15によれば、フロント面104Fの光軸105近傍に設けた低反射面104Lと、低反射面104Lよりもさらにフロント面104Fの光軸105近傍に光軸ズレの許容範囲の大きさを有する高反射面104Hとを凸面鏡104に備えるようにしたので、検出器110によるパワーモニタおよび演算処理によって仮想光軸113を作り出すことができるようになり、画像表示装置の組立工程において、凸面鏡104,屈折光学レンズ103A,103Bのアライメント調整を容易に行うことができるという効果が得られる。
実施の形態16.
 図59はこの発明の実施の形態16による画像表示装置の構成を示す図である。照明光源系、平面鏡やスクリーンなどの図示は省略する。
 図59において、14はマイクロミラーデバイス(送信手段)、114はマイクロミラーデバイス14の反射面(出射面)を保護するカバーガラス(送信手段)、115はカバーガラス114の光学的厚さのバラツキを補償する補償ガラス(送信手段)、76および77はそれぞれ各実施の形態で示した屈折光学レンズ(屈折光学部)および凸面鏡(反射部)、78は屈折光学レンズ76,凸面鏡77の光軸である。
 マイクロミラーデバイス14には、多数の小ミラーから構成される反射面を保護するためのカバーガラス114が実装されている。発光体、放物面リフレクタおよび集光レンズなどから構成される不図示の照明光源系からの光は、カバーガラス114を介して反射面へ入射する。また、反射面で強度変調された光は、カバーガラス114を通過してから屈折光学レンズ76,凸面鏡77へ向う。
 ところで、カバーガラス114の厚さは常に一定の基準値になっているとは限らず、許容される最大寸法厚さと最小寸法厚さとの差、いわゆる公差の範囲内で製造される。したがって、カバーガラス114の厚さには個体差が生じているのが普通である。また、厚さの基準値が将来的に仕様変更される場合も想定される。画像表示装置に利用される光はカバーガラス114を必ず通過するので,厚さの個体差や基準値の仕様変更による厚さのバラツキは、カバーガラス114を通過する光に対して影響を与えることになり、光学系全体の光路設計がカバーガラス114の厚さの固体差に左右されてしまうことになる。
 この実施の形態16では、カバーガラス114の厚さのバラツキを補償するために、不図示の照明光源系または屈折光学レンズ76とカバーガラス114との間に補償ガラス115を設けるようにしている。
 図60を用いて、補償ガラス115によるカバーガラス114厚さの個体差を補償する手法について次に説明する。
 図60はカバーガラス114の厚さと補償ガラス115の厚さとの関係を示す図である。ここでは説明を簡単にするために、カバーガラス114の屈折率n1と補償ガラス115の屈折率n2とは等しい(n1=n2=nとする)ものとするが、後述するように、屈折率n1,n2に差異があっても良い。
* 基準状態
 図60(a)は、カバーガラス114の厚さt1が基準値T1の場合を表している。このときには、厚さt2=T2の補償ガラス115を介して、カバーガラス114が実装されたマイクロミラーデバイス14と光をやりとりする。したがって、この光は、厚さt=T1+T2,屈折率nのガラス媒質を等価的に通過することになる。照明光源系や屈折光学レンズ76,凸面鏡77などの他の光学系は、厚さt=T1+T2,屈折率nのガラス媒質が存在するものとみなして設計する。
* 補償例1
 図60(b)は、基準値T1から個体差ΔT(ΔTは正負の符号を含む)だけズレて、カバーガラス114の厚さt1がT1+ΔTとなった場合を表している。このときには、厚さt2=T2−ΔTの補償ガラス115を介して、カバーガラス114が実装されたマイクロミラーデバイス14と光をやりとりする。
 すなわち、カバーガラス114の厚さt1=T1+ΔTと補償ガラス115の厚さt2=T1−ΔTとの合計値は、上記の基準状態と同じ厚さt=T1+T2なので、マイクロミラーデバイス14とやりとりされる光は、厚さt=T1+T2,屈折率nのガラス媒質を等価的に通過することになる。したがって、カバーガラス114の厚さt1の固体差によってバラツキΔTが生じているにもかかわらず、このバラツキΔTを補償ガラス115の厚さt2を変更することによって相殺し、基準状態の光学系を設計変更することなく利用することができる。
* 補償例2
 図60(c)は、カバーガラス114の厚さt1が基準値T1から基準値T3へ仕様変更された場合を表している。このときには、補償例1のΔTをT3−T1と考えて、厚さt2=T2−(T3−T1)=T2−ΔTの補償ガラス115を介して、カバーガラス114が実装されたマイクロミラーデバイス14と光をやりとりする。
 補償例1と同様に、カバーガラス114の厚さt1=T1+(T3−T1)=T1+ΔTと補償ガラス115の厚さt2=T2−(T3−T1)=T2−ΔTとの合計値は、上記の基準状態と同じt=T1+T2になるので、マイクロミラーデバイス14とやりとりされる光は、厚さt=T1+T2,屈折率nのガラス媒質を等価的に通過することになる。したがって、カバーガラス114の厚さt1は基準値T1から基準値T3へ仕様変更されたことによる厚さ偏差ΔTが生じているにもかかわらず、この厚さ偏差ΔTを補償ガラス115の厚さt2を変更することによって相殺し、基準状態の光学系を設計変更することなく利用することができる。
 以上の基準状態、補償例1,2から分かるように、この実施の形態16では、カバーガラス114の厚さt1が有する基準値T1からのバラツキ(もしくは厚さ偏差)ΔTの増減に応じて、補償ガラス115の厚さt2の基準値T2をバラツキ(もしくは厚さ偏差)ΔTだけ逆に減増して、合計値t=T1+T2と一定になるようにしているので、屈折率n,厚さt=T1+T2のガラス媒質がマイクロミラーデバイス14の反射面に等価的に実装されているものとみなすことができ、バラツキ(もしくは厚さ偏差)に左右されることなく、基準状態の光学系をそのまま利用することができる。もちろん、マイクロミラーデバイス14に限らず、液晶など他の光空間変調素子にもこの実施の形態16を適用できる。
 以上では、カバーガラス114と補償ガラス115を等しい屈折率nを有するものとして考えてきたが、カバーガラス114,補償ガラス115が異なる屈折率n1,n2をそれぞれ有するものとして、屈折率n1,n2も加味した光学的厚さで考えた方がより一般的である。
 つまり、カバーガラス114の光学的厚さt1/n1と、補償ガラス115の光学的厚さt2/n2とを考えて、「t1/n1+t2/n2=一定」の条件を満たすように、補償ガラス115の厚さt2,屈折率n2を定めるようにする。このようにして、カバーガラス115の厚さt1,屈折率n1のバラツキを補償することができるようになる。
 また、屈折光学レンズ76(屈折光学部)を保持する不図示の鏡筒の入射側(マイクロミラーデバイス14側)に補償ガラス115を着脱できる構成(補償ガラス着脱機構)をとれば、カバーガラス114の厚さ変更や厚さバラツキに対応して適宜最適な厚さの補償ガラス115に取り替えることができる。
<数値実施例16A>
 補償ガラス115を用いた場合の数値計算結果についてもここで開示しておく。
 図61,62は数値実施例16Aの数値データ、構成をそれぞれ示す図である。図45,59と同一符号は同一または相当する構成要素である。図61の諸元は、f=3.39mm(波長546.1nmでの焦点距離)、NA=0.17(マイクロミラーデバイス側開口数)、Yob=14.65mm(マイクロミラーデバイス側物体高)、M=86.96(投影倍率)である。カバーガラス114は補償ガラス115に含めて計算したため、図62ではまとめて図示した。
 図61に示した数値データでは、第2面の厚さ4.5mmがカバーガラス114と補償ガラス115の和として表されている。例えば、カバーガラスの基準厚さ3mm,補償ガラスの厚さ1.5mmの状況を想定して収差補正した結果である。
 以上のように、この実施の形態16によれば、マイクロミラーデバイス14の反射面に実装されたカバーガラス114と屈折光学レンズ76や照明光源系との間において、製造上の公差や設計変更によって増減するカバーガラス114の光学的厚さのバラツキに応じて、このバラツキを逆に減増した光学的厚さを有する補償ガラス115を設け、マイクロミラーデバイス14の反射面と光をやりとりするようにしたので、カバーガラス114の厚さのバラツキを相殺して、常に一定の光学的厚さを有するガラス媒質によってマイクロミラーデバイス14の反射面が保護されているようにみなすことができ、照明光源系や屈折光学レンズ76,凸面鏡77を設計変更することなく利用することができるという効果が得られる。
 また、この実施の形態16によれば、屈折光学レンズ76を保持する不図示の鏡筒の入射側(マイクロミラーデバイス14側)に補償ガラス115を着脱できる構成を備えるようにしたので、カバーガラス114の厚さ変更や厚さバラツキに対応して適宜最適な厚さの補償ガラス115に取り替えることができるという効果が得られる。
実施の形態17.
 図63は実施の形態1の平面鏡22(図4)、実施の形態7,10の光路折曲反射鏡59(図23など)を用いた画像表示装置の構成を示す図であり、画像表示装置の透視斜視図である。図4,23と同一または相当する構成については同一の符号を付してある。また、照明光源系を含む集光光学系、マイクロミラーデバイス、屈折光学レンズなどの図示は省略している。
 図63において、116は直方体形状の画像表示装置、117は画像表示装置116のスクリーン下部、118は画像表示装置116の水平な底面であり、スクリーン18および凸面鏡60が設けられた面と、平面鏡22が設けられた面とは底面118に直交している。図63では、光軸61を含み底面118に直交する平面によって画像表示装置116を半分に切断している。スクリーン18の法線方向にξ軸を、底面118の法線方向にψ軸を、そしてξ,ψ軸と直交する方向にζ軸をとっている。
 119は凸面鏡(反射部)60上の点P(第3の点)で反射されて平面鏡22上の点Q(第2の点)へ向う光線、120は平面鏡22上の点Qで反射されてスクリーン(表示手段)18上の点R(第1の点)へ向う光線である。点Rは、スクリーン18に表示される4角形の画像の底辺(底面118と平行かつ底面118に近い辺)上に存在し、画像の中心から最も離れた点である。また、121,122はψ軸方向から底面118へ光線119,120をそれぞれ投影したときの線分であり、点P’,Q’,R’(それぞれ第3,2,1の投影点)は点P,Q,Rをψ軸方向から底面118へそれぞれ投影したときの点である。
 このときに、点P,Q,R,P’,Q’,R’から成る空間(配置空間)Sを抜き出すと図63(b)のようになる。この実施の形態17では、集光光学系などの配置スペースとして空間Sに着目し、スクリーン下部117の高さが増加しないようにしている。光線119,120は点Rに対応する光線なので、空間Sに集光光学系の構成要素を配置する際には、光線119,120をケラないように注意すれば、他の全ての光線もケラないようになる。
 図64はこの発明の実施の形態17による画像表示装置の構成を示す図であり、図64(a)はξ軸方向から見た画像表示装置116のスクリーン下端より下の部分の正面図、図64(b)はψ軸方向から見た画像表示装置116の上面図である。図1,4,23,63と同一符号は同一又は相当する構成である。また、図65(a),(b)はスクリーン18と直交するA−A’,B−B’平面による画像表示装置116の断面をそれぞれ示す図である。B−B’平面は、A−A’平面よりも線分Q−Q’に近い面である。
 図64において、123は発光体11,放物面鏡12および集光レンズ13から成る照明光源系(送信手段、照明光源部、集光光学系主要部)、124は照明光源系123からの光(照明光)を3原色に順次着色するカラーホイール(送信手段、集光光学系主要部)、125はカラーホイール124からの光を入射面で受け、照度分布が均一化された光を出射面から出射するロッドインテグレータ(送信手段、集光光学系主要部)、126はロッドインテグレータ125からの光をリレーするリレーレンズ(送信手段、集光光学系主要部)である。
 また、127および128はそれぞれこの実施の形態17を特徴付ける第2の光路折曲反射鏡(第2の光路折曲手段)および第3の光路折曲反射鏡(第3の光路折曲手段)、129はリレーレンズ126からの光の主光線方向をそろえてマイクロミラーデバイス(送信手段、反射型画像情報付与部)14へ入射するフィールドレンズ(送信手段)である。リレーレンズ126からの光は第2,3の光路折曲反射鏡127,128によって順に反射されてフィールドレンズ129へ向う。
 マイクロミラーデバイス14へ光を集光する集光光学系は、照明光源系123,カラーホイール124,ロッドインテグレータ125,リレーレンズ126,第2の光路折曲反射鏡127,第3の光路折曲反射鏡128,フィールドレンズ129から構成されており、特に、照明光源系123,カラーホイール124,ロッドインテグレータ125,リレーレンズ126を集光光学系主要部と呼ぶことにする。
 130は集光光学系主要部が共有する光軸、131は画像表示装置116の余剰空間であり、通常の画像表示装置116を構成する際には、余剰空間131は切り取られるため、構成要素の配置スペースとして考えない。図64では、画像表示装置116の底面118およびスクリーン18の受光面に対して光軸130を平行にして集光光学系主要部を空間Sに配置している。
 この理由の一つは、図66に示すように、水平面上の光軸130を有する照明光源系123が傾いて、光軸130Aの照明光源系123Aになった場合に、光軸130と光軸130Aとのなす角θが規定値(例えば15°)を超えると、照明光源系123を構成する発光体11(ショートアーク放電ランプ)の内部温度分布が規定状態から外れて、照明光源系123の寿命が短くなってしまうからである。光軸130を中心とした回転運動に対しては照明光源系123は問題を生じない。
 さらにもう一つの理由は、図67に示すように、画像表示装置116は底面118を水平にした利用形態(図67(a))だけに限らず、例えば壁掛け用の画像表示装置として用いられる場合に、水平面から底面118を若干傾斜させた利用形態(図67(b))や、天地を逆転して水平面から底面118を若干傾斜させた利用形態(図67(c))なども想定されるからである。
 以上の2つの理由に加えて、画像表示装置116の薄型化(ξ軸方向のサイズ最小化)や、スクリーン下部117の高さの抑制(スクリーン下部117のψ軸方向の最小化)を満たすために、図64の配置構成を採用している。このようにすることで、図67(b),(c)のように画像表示装置116を傾斜させた場合でも、照明光源系123にとっては光軸130を中心とした回転運動になるので、照明光源系123の寿命を損なうことなく、画像表示装置116の種々の利用形態に対応できるようになる。このときに、図65に示すように、凸面鏡60からスクリーン18へ向う光(斜線部分)をケラないように、A−A’平面よりもB−B’平面に近い領域に大きな構成要素を配置する。
 ところで、実施の形態7,10で述べたように、スクリーン18に対して平面鏡22は平行に設置されており、この平面鏡22に対して適切に配置された光路折曲反射鏡59,凸面鏡60の位置から屈折光学レンズ58,マイクロミラーデバイス14の位置が定めらている。したがって、空間Sに設置された集光光学系主要部からの光をマイクロミラーデバイス14へ入射するために第2,3の光路折曲反射鏡127,128をリレーレンズ126とフィールドレンズ129との間に設けるようにして光を媒介している。凸面鏡60の出射光をケラないように、第3の光路折曲反射鏡128よりも高い位置にある第2の光路折曲反射鏡127はできる限り低い位置に設置する。
 第2,3の光路折曲反射鏡127,128の配置位置として、リレーレンズ126とフィールドレンズ129との間を選んでいる理由は、他の構成要素の相互位置関係は結像などの光学的条件によって定められてしまうのに対し、リレーレンズ126の焦点距離とフィールドレンズ129の焦点距離を調節することによって、リレーレンズ126からフィールドレンズ129までの光路長を適切に定めることができるからである。
 このように、画像表示装置116の底面118およびスクリーン18に対して光軸130を平行にして集光光学系主要部を空間Sに配置し、第2,3の光路折曲反射鏡127,128によってリレーレンズ126からフィールドレンズ129へ向う光を媒介するようにして、反射型の光空間変調素子であるマイクロミラーデバイス14へ空間Sの集光光学系主要部から光を集光することができる。
 さらに、スクリーン下部117の高さを抑制するために次のようにしても良い。つまり、光軸130が底面118と平行に設置されると、照明光源系123およびカラーホイール124などの径の大きな構成要素によって、スクリーン下部117の高さ(底面118のψ軸方向の位置)が決定される場合も想定される。そこで、図68に示すように、照明光源系123B,カラーホイール124B,ロッドインテグレータ125B,リレーレンズ126Bからなる集光光学系主要部の光軸130Bを傾斜角θで傾けるようにする。もちろん、傾斜角θは照明光源系123Bの規定値以内である。
 光軸130Bは、スクリーン18の受光面に平行で、かつ、リレーレンズ126Bと光軸130Bとの交点よりも照明光源系123Bと光軸130Bの交点がψ軸方向(鉛直方向)において高くなるように傾斜させることである。この場合に、傾斜角θを規定値以内に収めるとともに、照明光源系123Bやカラーホイール124Bによって光線119,120をケラないように留意する。光軸130Bの傾斜にともなって、第2の光路折曲反射鏡127Bのψ軸方向における位置が低くなり、照明光源系123B,カラーホイール124Bのψ軸方向の位置が高くなる。そして、スクリーン下部117の高さは、最も低い位置にある第3の光路折曲反射鏡128で決まるようになる。
 さらに、上の状態において、集光光学系の下部に配置されて各構成要素を保持するとともにその設置位置調整を行う調整台132に第3の光路折曲反射鏡128を収納する収納孔133を設けるようにしても良い(図69)。このことによって、スクリーン下部117の高さをより抑制することが可能となる。
 以上の説明では、第2,3の光路折曲反射鏡127,128を平面鏡として扱ってきたが、この実施の形態17はこれに限定されるものではなく、2枚もしくは1枚の曲面鏡を用いるようにしてもよい。第2,3の光路折曲反射鏡127,128の少なくとも一方を曲面鏡とし、その曲面形状の反射面(光学面)を工夫することによって、光線の制御に自由度を与えることができるようになる。
 また、実施の形態7,10の光路折曲反射鏡59と同様に、第2,3の光路折曲反射鏡127,128の少なくとも一方を平面または曲面形状の屈折面(光学面)を有するプリズムにしても良い。
 このようにすることで、マイクロミラーデバイス14への照明効率、マイクロミラーデバイス14へのロッドインテグレータ125出射面の結像条件、屈折光学レンズ58の入射瞳へのリレーレンズ126系のフーリエ変換面の結像条件、マイクロミラーデバイス14の照明光の照度分布均一化など、種々の光学性能の改善を図ることが可能となる。
 以上のように、この実施の形態17によれば、スクリーン18に表示される4角形の画像の底辺上に存在して画像の中心から最も離れた点Rと、平面鏡22から点Rへ向う光線120の平面鏡22上の反射点Qと、凸面鏡60から反射点Qへ向う光線119の凸面鏡60上の反射点Pと、水平な底面118の法線方向から底面118へ点P,Q,Rをそれぞれ投影した点P’,Q’,R’とを線分で各々結ぶことによってできる空間Sに集光光学系主要部(図64の例では、照明光源系123からリレーレンズ126まで)を配置するようにしたので、平面鏡22とスクリーン18とによって定められた画像表示装置の薄さの範囲で、スクリーン下部117の高さを抑制することができるという効果が得られる。
 また、この実施の形態17によれば、照明光源系123からリレーレンズ126までの集光光学系主要部からの光を反射する第2の光路折曲反射鏡127と、第2の光路折曲反射鏡127からの反射光をフィールドレンズ129を介してマイクロミラーデバイス14へ入射する第3の光路折り曲げ反射鏡128とを備えるようにしたので、反射型の光空間変調素子であるマイクロミラーデバイス14に対して空間Sに配置した集光光学系主要部によって光を集光することができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態17によれば、集光光学系主要部の光軸130をスクリーン18および底面118に平行に設置するようにしたので、照明光源系123の寿命を短くすることなく、スクリーン下部117の高さを抑制して種々の利用形態に対応できる画像表示装置116を構成することができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態17によれば、集光光学系主要部の光軸130Bをスクリーン18に平行にするとともに、照明光源系123Bの発光体11Bのψ軸方向の位置がリレーレンズ126Bのψ軸方向の位置よりも高くなるように光軸130Bを照明光源系123Bの傾斜角の規定値以内で傾斜するようにしたので、照明光源系123Bの寿命を短くすることなく、スクリーン下部117の高さを抑制して種々の利用形態に対応できる画像表示装置116を構成することができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態17によれば、集光光学系を設置する調整台132を備えるとともに、第3の光路折曲反射鏡128を収納する収納孔133を調整台132に設けるようにしたので、スクリーン下部117の高さをさらに抑制した画像表示装置を構成することができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態17によれば、第2の光路折曲反射鏡127,第3の光路折曲反射鏡128の少なくとも一方を曲面鏡としたので、その曲面形状を工夫することによって光線の制御に自由度を与えることができるようになり、種々の光学性能の改善を図ることができるという効果が得られる。
 なお、図63(a)の画像表示装置116は半分に切断されているので、1台の画像表示装置116には互いに対称形をなす2つの空間Sが存在し、集光光学系を一方の空間Sに配置するとともに、電源などの他の構成要素を他方の空間Sに配置するようにしても良い。
 また、液晶などの透過型の光空間変調素子をこの画像表示装置に適用する場合には、第2,3の光路折曲反射鏡127,128を用いることなく、光軸130を共有化した照明光源系123からフィールドレンズ129までの集光光学系を空間Sに配置し、図64や図68に準じてξ−ζ面に光軸130をほぼ平行にし、透過型の光空間変調素子へ直接光を入射するようにすれば良い。
 さらに、第3の光路折曲反射鏡128からマイクロミラーデバイス14までの光と、マイクロミラーデバイス14から屈折光学レンズ58までの光とを媒介する公知のTIRプリズム(全反射プリズム)を設けるようにすることで、屈折光学レンズ58の入射瞳位置が見かけ上無限点にあるテレセントリック投影光学系にもこの実施の形態17を適用することができる。
実施の形態18.
 実施の形態4では、プラスチック合成樹脂によって射出成形加工した屈折光学レンズについて述べたが、プラスチック合成樹脂で各実施の形態の凸面鏡(投影光学手段、反射部)を製造するようにしても良く、屈折光学レンズの場合と同様に、非球面などのその形状を容易に成形できるとともに、低コストで大量生産できるという効果が得られる。
 さて、画像表示装置に適用する凸面鏡を合成樹脂で作る際には、画像表示装置の使用環境下における温度変化対策が一つのポイントになる。温度変化に起因する熱膨張・熱収縮によって、凸面鏡の非球面形状が変形したり、光軸ズレが生じたりすると、画像表示装置の光学性能が劣化してしまうからである。以下、この実施の形態18では、温度変化対策を施した凸面鏡について述べる。
 図70はこの発明の実施の形態18による画像表示装置に適用する凸面鏡の構成を示す図であり、図70(a),(b)はそれぞれ正面図、側面図である。
 図70において、134は合成樹脂製の凸面鏡(投影光学手段、反射部)であり、各実施の形態で示したものである。135は凸面鏡134の光軸である。凸面鏡134は、光軸135を中心として回転対称な非球面形状の凸面鏡134Oからスクリーンへ光(光画像信号)を投影しない非反射部分を切り取った形状を成形しており(図70(a),実施の形態10参照)、フロント面134Fからリア面134Rまでを等厚(図70(b),実施の形態15参照)にしている。
 そして非反射部分を切り取る際に、ネジ孔136H,137H,138Hをそれぞれ有する第1のネジ留部136,第2のネジ留部137,第3のネジ留部138を凸面鏡134に設けるようにしており、第1〜3のネジ留部136〜138の3点を以下に説明するようにネジ留して、画像表示装置に凸面鏡134を保持するようにしている。なお、凸面鏡134の反射面の歪を最小に抑える上で、ネジ留部136〜138とそのネジ孔136H〜138Hは、凸面鏡134と同時に成形することが望ましい。
 第1のネジ留部136は、光軸135の近傍に設けられている。つまり、光軸135の方向から見た正面図(図70(a))で長方形に見える凸面鏡134において、フロント面134Fと光軸135との凸面鏡頂点135P(図70(a)の×印)に最も近い下辺上にあって、光軸135からネジ孔136Hの中心までの偏芯距離がこの下辺上で最短になるように、第1のネジ留部136を位置させている。偏芯距離の許容範囲については後で言及する。
 そして、第1のネジ留部136は、画像表示装置に固定された凸面鏡取付機構(第1の反射部取付機構)140,テーパネジ139,ワッシャ139Wおよびナット139Nによって凸面鏡134の光軸135に垂直な面内位置が凸面鏡取付機構140の取付面に対してピボット(英語でpivot,旋回軸)固定される。ピボット固定することによって、ネジ孔136Hへのテーパネジ139の挿入方向を軸とした回転運動を除いて、凸面鏡134の自由度を全て固定している。
 このピボット固定のために、凸面鏡取付機構140および第1のネジ留部136のネジ孔136Hまでは、テーパネジ139のテーパ部分に合わせて孔の形状(テーパ形状)を決めており、テーパネジ139は、凸面鏡取付機構140を通過してからネジ孔136Hを通過し、例えばワッシャ139W,ナット139Nを用いて締め付けられる。凸面鏡取付機構140および第1のネジ留部136のネジ孔136Hまでをテーパ形状にすることによって、ピボット固定を確実に行うことができる。ネジ留が完了すると、テーパネジ139のテーパ部分は凸面鏡取付機構140の内部に留まり、凸面鏡取付機構140から飛び出た部分はワッシャ139W,ナット139Nで固定される。
 このような第1のネジ留部136に対して、第2のネジ留部137,第3のネジ留部138は、図70(a)の凸面鏡134正面図の左辺・右辺にそれぞれ設けられており、第2のネジ留部137の中心点、第3のネジ留部138の中心点および凸面鏡頂点135Pを線分で結んでなる2等辺3角形の面積ができるだけ大きくなるようにしている。
 これらの第2のネジ留部137,第3のネジ留部138は、画像表示装置の凸面鏡取付機構(それぞれ第2の反射部取付機構、第3の反射部取付機構)142の取付面に対して直ネジ141を用いてそれぞれスライド保持される。スライド保持とは、凸面鏡134が熱膨張・熱収縮すると、第2のネジ留部137,第3のネジ留部138が凸面鏡取付機構142の取付面に沿ってそれぞれズレるようにすることである。
 このスライド保持のために、第2のネジ留部137のネジ孔137H,第3のネジ留部138のネジ孔138Hは、いずれも直ネジ141のネジ径よりも大きな孔径にしており、また凸面鏡取付機構142の取付面は面積を大きくしてスライド方向の傾斜を持っており、第2のネジ留部137,第3のネジ留部138と接触保持される。直ネジ141は、凸面鏡取付機構142を通過してからネジ孔137H(138H)を通過し、例えばワッシャ141Wやナット141Nを用いて、凸面鏡134が熱膨張・熱収縮した場合に凸面鏡取付機構142の取付面に沿ってスライドする程度の強度でゆるやかに締め付けられる。また、上記のスライドを滑らかに起こすように、凸面鏡取付機構142の取付面とネジ留部137(136)の間には潤滑剤からなる潤滑層が必要に応じて設けられる。
 以上説明してきたように、第1〜第3のネジ留部136〜138によって、凸面鏡134を画像表示装置に3点留で保持し、凸面鏡134の温度変化対策を図っている点がこの実施の形態18の特徴である。温度変化に対する凸面鏡134の動作について次に説明する。
 図71は常温下の凸面鏡134が温度変化によって熱膨張する様子を示す図である。図70と同一符号は同一の構成要素である。図71では、常温下の凸面鏡134と、常温から温度上昇して熱膨張した凸面鏡134’とを重ねて図示している。記号「’(ダッシュ)」のない符号は常温の凸面鏡134の構成要素、記号「’(ダッシュ)」を付した符号は熱膨張の凸面鏡134の構成要素をそれぞれ示している。
 図71(a)において、第1のネジ留部136は光軸135に対する面内位置がピボット固定されているので応力変形の不動点となり、熱膨張による形状変化の応力は凸面鏡134の他の部分へかかるようになる。このとき、第1のネジ留部136が所定の偏芯距離で光軸135近傍に設けられているので、光軸135のズレを最小限に抑えることができる。
 そして、温度変化によって熱膨張に転じた際に発生する応力は、スライド保持された第2のネジ留部137,第3のネジ留部138のズレに変換されるようになる。図71(b)は常温下の第3のネジ留部138(破線)と最大熱膨張時の第3のネジ留部138’(実線)とを拡大した図である。
 前述したように、直ネジ141のネジ径と比較して、第3のネジ留部138のネジ孔138H(137H)はその孔径が大きく作られているので、第3のネジ留部138は凸面鏡取付機構142の取付面に沿ってスライドし、凸面鏡134のフロント面134Fは常温下と熱膨張後とでその形状を保って相似的に変化するようになり、温度変化に対する画像表示装置の光学性能の劣化を抑制することができる。もちろん、熱収縮が発生しても同様に考えられる。
 図71(c)から分かるように、ネジ孔138Hの孔径と、直ネジ141のネジ径との相対的大きさは、画像表示装置の温度仕様をもとにして、最大膨張時のネジ孔138H’および最小収縮時のネジ孔138H’’のシフト位置関係(ズレ量)から決定すれば良い。ネジ孔137Hと直ネジ141のネジ径との相対的大きさも同様に決定できる。
 なお、第1のネジ留部136の凸面鏡頂点135Pからの偏芯距離は、例えば次のようにして定めることができる。図72は偏芯距離EXCの第1のネジ留部136を中心として凸面鏡134が回転運動した際の凸面鏡頂点135PのズレΔ(θ)を説明するための図である。図70と同一符号は同一構成要素である。
 第1のネジ留部136によって凸面鏡134がピボット固定されているので、凸面鏡134の凸面鏡頂点135Pの位置もまた第1のネジ留部136によって決まる。したがって、画像表示装置の組立工程において、第1のネジ留部136をピボット固定する際に凸面鏡頂点135PのズレΔ(θ)が発生するようになる。
 つまり、図72(a)に示すように、凸面鏡頂点135Pから偏芯距離EXCだけ偏芯したネジ孔136Hを中心として、凸面鏡134が角度θだけ回転したときの鉛直方向における凸面鏡頂点135PのズレΔ(θ)が組立誤差によって生じることになる。このことから考えると、凸面鏡134の大きさや組立工程における回転誤差θの調整可能範囲からズレΔ(θ)が許容範囲に収まるように、第1のネジ留部136の偏芯距離EXCを決定してやれば良い。
 いま、図72(a)において、光軸135のズレΔ(θ)は、Δ(θ)=EXC・[1−cos(θ・π/180)]と求めることができる。この式をもとにして、例えば偏芯距離EXC=20mmとしたときの回転誤差θとズレΔ(θ)との関係を図72(b)に示している。横軸、縦軸はそれぞれ回転誤差θ,ズレΔ(θ)である。
 例として、回転誤差θの調整可能範囲を2deg.,ズレΔ(θ)の最大許容値を0.1mmとすると、図72(b)の曲線からθ=2deg.に対してΔ(θ)<0.02mmなので、第1のネジ留部136を偏芯距離EXC=20mmとして製造した凸面鏡134は、5倍以上の十分な組立マージンを持っていることが分かる。
 なお、偏芯距離EXC=0mm,つまりネジ孔136Hの中心を凸面鏡頂点135Pと一致させるようにしても良い。当然この場合には、上記の凸面鏡頂点135PのズレΔ(θ)が発生しないため、凸面鏡134をより理想的な状態で保持することができる。
 また、図70では、凸面鏡取付機構140,142よりも第1〜3のネジ留部136〜138がリア面134R側になるようネジ留を行ったが、この理由は、高精度に成形されたフロント面134Fの形状ならびに位置が凸面鏡取付機構140,142によって維持され、温度変化によって発生する凸面鏡134の応力がリア面134Rの形状変化になるようにするためである。このことにより、フロント面134Fの形状変化を抑制することができる。
 以上、温度変化対策を施した凸面鏡134について説明してきたが、その形状は図70に示したものに限定されるわけではなく、例えば図73に示すような凸面鏡134も考えることができる。
 図73は温度変化対策を施した凸面鏡134の構成バリエーションを示す図であり、いずれも正面図である。図70と同一符号は同一または相当する構成である。
 図73(a)では、第1のネジ留部136に代わって凹部144を形成し、円柱支持体145の曲面を凹部144に嵌るようにしている。この際に、円柱支持体145に凹部144を押し付ける必要があるので、鉛直下方へ凸面鏡134を引くスプリング143を凹部144の左右に設けている。
 図73(b)では、第1のネジ留部136に代わって凸部146を形成し、V溝支持体147のV溝部分に凸部146を嵌るようにしている。図70(a)と同様に、V溝支持体147に凸部146を押し付ける必要があるので、鉛直下方へ凸面鏡134を引く2つのスプリング143を凸部146の左右に設けている。この場合、円弧状の凸部146の中心に凸面鏡頂点135Pが位置するようにすれば、図72で説明した偏芯距離が0になり、凸面鏡134をより理想的な状態で保持することができる。
 また、図73(c)に示すように、第1のネジ留部136が設けられた一辺と向い合う上辺に第2のネジ留部137,第3のネジ留部138を設けるようにしても良く、図70の場合と同様の効果が得られる。
 さらに、画像表示装置の天地を逆転させて用いる場合(実施の形態17参照)も想定されるため、このときには図74の正面図に示すように、天地逆転した凸面鏡134において、第1のネジ留部136の左右のスプリング留部146A,146Bに2つのスプリング143の一端をそれぞれ固定し、スプリング143の他端をいずれも1点Psに固定して、凸面鏡134をスプリング143で引っ張るようにしても良い。
 このとき、スプリング143の1点固定の位置は第1のネジ留部136よりも高くなり、凸面鏡134に対するスプリング143の引っ張り力が左右でバランス良くなるようにする。このようにすることで、第1のネジ留部136に集中する応力をスプリング143へ分散することができるようになり、第1のネジ留部136の信頼性を向上することができる。
 以上のように、この実施の形態18によれば、プラスチック合成樹脂で凸面鏡を製造するようにしたので、その形状を容易に成形できるとともに、低コストで大量生産できるという効果が得られる。
 また、この実施の形態18によれば、凸面鏡134の正面下辺に所定の偏芯距離EXCで凸面鏡頂点135P近傍に設けられてピボット固定される第1のネジ留部136と、凸面鏡134の正面左辺にスライド保持される第2のネジ留部137と、凸面鏡134の正面右辺にスライド保持される第3のネジ留部138とを凸面鏡134に設けるようにしたので、温度変化に起因する熱膨張・熱収縮によって、凸面鏡134の形状の変形や凸面鏡頂点135Pのズレを抑制し、画像表示装置の光学性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態18によれば、凸面鏡取付機構140および第1のネジ留部136は、テーパネジ139によってネジ留されるとともに、テーパネジ139のテーパ部分と合致するテーパ形状の孔を有するようにしたので、確実にピボット固定を行うことができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態18によれば、凸面鏡134の正面下辺に所定の偏芯距離EXCで凸面鏡頂点135P近傍に設けられた凹部144と、その曲面を凹部144に嵌る円柱支持体145と、凹部144の左右にその一端がそれぞれ固定されて引っ張り力を持った2つのスプリング143と、スライド保持される第2のネジ留部137と、スライド保持される第3のネジ留部138とを凸面鏡134に設けるようにしたので、温度変化に起因する熱膨張・熱収縮によって、凸面鏡134の形状の変形や光軸135のズレを抑制し、画像表示装置の光学性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態18によれば、凸面鏡134の正面下辺に凸面鏡頂点135P近傍に設けられた円弧状の凸部146と、凸部146をそのV溝に嵌るV溝支持体147と、凸部146の左右にその一端がそれぞれ固定されて引っ張り力を持った2つのスプリング143と、スライド保持される第2のネジ留部137と、スライド保持される第3のネジ留部138とを凸面鏡134に設けるようにしたので、温度変化に起因する熱膨張・熱収縮によって、凸面鏡134の形状の変形や光軸135のズレを抑制し、画像表示装置の光学性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態18によれば、第1のネジ留部136の左右にその一端がそれぞれ固定されるとともに、他端は共通の一点で固定されて引っ張り力を持った2つのスプリング143を備えるようにしたので、画像表示装置を天地逆転して利用する際に第1のネジ留部136に集中する応力をスプリング143へ分散することができるようになり、第1のネジ留部136の信頼性を向上することができる。
 さらに、この実施の形態18によれば、凸面鏡取付機構140,142に対して、ネジ留部136,137,138のうち、凸面鏡134の反射面であるフロント面134F側を接触保持するようにしたので、凸面鏡134の反射面を精度良く配置することができるという効果が得られる。
 なお、以上の説明では、凸面鏡134を光軸135周りに回転対称な形状としていたが、この実施の形態18は、非回転対称な合成樹脂製の構成要素に適用することも可能である。
 また、第2のネジ留部137,第3のネジ留部138は各1個に限定されるわけではなく、各2個以上設けるようにしても良い。
実施の形態19.
 実施の形態18に続いて、この実施の形態19も温度変化対策を施した画像表示装置について説明する。
 図75はこの発明の実施の形態19による画像表示装置の構成を示す図であり、照明光源系や凸面鏡以降の構成については図示を省略している。
 図75において、148はマイクロミラーデバイス(送信手段、画像情報付与部)、149は各実施の形態の屈折光学レンズ、150は屈折光学レンズ149の光軸、151はマイクロミラーデバイス148や屈折光学レンズ149などの光学系を設置する光学ベース(保持機構)である。光学ベース151は、図43に示した保持機構74(実施の形態10参照)に相当し、屈折光学レンズ149や不図示の光路折曲反射鏡・凸面鏡を一体化して保持するとともに、ここではマイクロミラーデバイス148も保持している。
 152,153は光学ベース151に固定されて屈折光学レンズ149をスライド支持する2本のスライド支持柱である。屈折光学レンズ149はスライド支持柱152,153上を光軸150の方向へスライドできるようになっている。
 154は光学ベース151上に固定された取付板、155は屈折光学レンズ149下部に固定された取付板、156は不図示の電源から印加される直流の制御電圧によって光軸150方向の長さが変化する圧電素子である。取付板154,155は、いずれもスライド支持柱152とスライド支持柱153との間にあって、互いに対向する面で圧電素子156をちょうど挟むようにして、圧電素子156とそれぞれ接触保持している。
 マイクロミラーデバイス148から出射した光(光画像信号)は、屈折光学レンズ149を介して、各実施の形態で示したように、不図示の凸面鏡、平面鏡、スクリーンへと順次進んでいく。このとき、スクリーンに表示される画像のピントを例えば常温下で初期調整した場合、画像表示装置の使用環境の温度変化によって、画像のピントが狂ってしまうことが起こる。
 このピントの狂いは、屈折光学レンズ149内の各レンズ群および各レンズの間隔、さらに光学ベース151や光学ベース151上の各光学系構成要素の温度分布・線膨張率の差異によって生じるものであり、光軸150方向における熱膨張・熱収縮の度合いが各々異なって光学系各構成要素の相対的な位置関係がズレてしまうことに起因する。特に問題となるのは、マイクロミラーデバイス148から屈折光学レンズ149までの光軸150方向の長さL0の変化であり、ピントの狂いに対して大きな影響を与えることが数値解析などの結果から分かっている。これは、レンズそのものの温度変化によりピントが最適となるL0の値が変化し、最適値L0がL0Aになることと、物理的に温度変化によりL0の値そのものが変化して物理距離L0がL0Bになるという、2つの要因が存在する。ここで、温度が変化してもL0A=L0Bの関係が保存されれば、ピントに狂いは生じない。しかしL0A≠L0Bの場合はピントの狂いを生じる。
 この長さL0B−L0Aの変化を補償するために、図75では制御電圧によって光軸150方向の長さが調整できる圧電素子156を設けるようにしている。つまり、圧電素子156に対して制御電圧の初期オフセットを印加した状態で最初のピント調整を行っておく。そして、画像表示装置に対する使用環境の温度変化に応じて圧電素子156へ印加する制御電圧を増減する。
 こうして、圧電素子156の光軸150方向の長さを変化させ、圧電素子156に接触保持された取付板154,155間の距離を変化させると、スライド支持柱152,153の上で屈折光学レンズ149が光軸150に沿ってスライドするようになる。
 例えば、温度変化によって長さL0B−L0Aが初期調整状態より長くなった場合には、制御電圧を減じて圧電素子156の長さを減少させる。これにより、屈折光学レンズ149はスライド支持柱152,153上をスライドし、マイクロミラーデバイス148へ光軸150方向に沿って接近するので、温度変化の影響を受けた長さL0を初期調整状態へ戻すことができる。
 逆に、長さL0B−L0Aが短くなった場合には、制御電圧を増やして圧電素子156の長さを増加させる。これにより、屈折光学レンズ149はスライド支持柱152,153上をスライドし、マイクロミラーデバイス148から光軸150方向に沿って離れ、温度変化の影響を受けた長さL0を初期調整状態へ戻すことができる。
 このように、図75の構成では、ピントの狂いに対して大きな影響を与える長さL0の変化を圧電素子156への制御電圧を調整することによって補償できるようになっており、温度変化に起因するピントの狂いを調整できる。
 また、ピントの狂いに対する温度変化対策には、図76に示すような構成も考えられる。図76はこの発明の実施の形態19による画像表示装置の構成を示す図である。図75と同一符号は同一構成要素であり、照明光源系や凸面鏡以降の構成については図示を省略している。
 図76において、157は光学ベース151上に固定されたギア支持柱であり、モータなどを含んだギア機構157Gによって精密に且つ光軸150方向へのガタを少なく屈折光学レンズ149を光軸150方向へ移動させるものである。158,159は温度センサであり、温度センサ158は屈折光学レンズ149の鏡筒温度T1を、温度センサ159は光学ベース151の温度T2をそれぞれセンシングする。
 また、160は光学ベース151を加熱・冷却する加熱冷却器であり、ペルチェ素子がこの代表例である。161はCPUなどのコントロールユニットであり、温度T1,T2にしたがってギア機構157Gや加熱冷却器160をフィードバック制御する。
 図75では圧電素子156によって長さL0B−L0Aを調整していたが、図76ではギア機構157Gによって屈折光学レンズ149を光軸150の方向へ移動させ、長さL0B−L0Aの調整を図っている。このようにしても、図75の場合と同様の効果が得られる。
 また、図76で特徴的な点は、温度センサ158,159によって屈折光学レンズ149,光学ベース151の温度T1,T2をそれぞれリアルタイムでセンシングし、これらの温度T1,T2にしたがってコントロールユニット161がギア機構157G,加熱冷却器160をフィードバック制御している点である。
 いま、屈折光学レンズ149の鏡筒の線膨張率、光学ベース151の線膨張率をそれぞれρ1,ρ2とし、その光入射端からギア支持柱157の位置までの光軸150方向における屈折光学レンズ149の長さをL1(L0+L1=L2),ピント初期調整時における屈折光学レンズ149,光学ベース151の各温度をともにT0とする。
 そして、画像表示装置が使用環境下に置かれてその内部に温度勾配が発生し、長さL0がL0B=L0+ΔL0に変化したときに、温度センサ158,159が屈折光学レンズ149,光学ベース151の温度をT1,T2(T1≠T2)とそれぞれセンシングされたものとする。このとき変化分ΔL0Bは、ΔL0B=L2・ρ2・(T2−T0)−L1・ρ1・(T1−T0)と求めることができる。また、あらかじめレンズ鏡筒温度T1に対するピントが最適となるL0の値の変化量ΔL0Bをコントロールユニット161に記憶させておく。
 この長さL0の物理的な変化分ΔL0Bをコントロールユニット161が算出し、、コントロールユニット161がギア機構157Gを調整して光学的ピント移動量ΔL0B−ΔL0AをゼロにするようにL0の長さを補償する。このようにすることで、光学的ピント移動量ΔL0B−ΔL0A(ピント補償量)を打ち消すように、屈折光学レンズ149はギア機構157Gによって光軸150の方向へ移動するようになり、使用環境下の温度変化に依存することなく、不図示のスクリーンに表示された画像のピントを維持することができる。もちろん、圧電素子156と同様に、ギア機構157Gは制御電圧で動作させても良い。
 また、コントロールユニット161は、温度センサ158,159から温度T1,T2が与えられると、ギア機構157Gを調整してL0の長さを調整する代わりに意図的に加熱冷却器160によって光学ベース151を加熱・冷却し、光学ベース151の熱膨張・熱収縮を利用してL2の長さを制御しても良い。このようにすることで、ピントの狂いを誘発した温度勾配を抑制することができるようになり、使用環境下の温度変化に依存することなく、不図示のスクリーンに表示された画像のピントを維持することができる。
 なお、温度センサ158,159,コントロールユニット161およびギア機構157Gによる温度変化対策と、温度センサ158,159,コントロールユニット161および加熱冷却器160による温度変化対策とは、どちらか一方だけを行っても良いし併用しても良い。
 また、温度センサ158,159の数量は特に限定されるわけではなく、同様に加熱冷却器160の数量も限定されず、温度センサ158,159および加熱冷却器160の位置も限定されない。
 さらに、画像表示装置の性能上、特に問題が生じない範囲であれば、屈折光学レンズ149を過熱冷却器160によって加熱・冷却することも考えられる。
 さらに、図76の温度センサ158,159,コントロールユニット161を図75の圧電素子156に適用しても良い。
 さらに、温度センサ158,159でセンシングされた温度T1,T2が画像のピントを必ずしも反映しているとは限らないので、コントロールユニット161に学習機能を設けて、この学習機能によって温度変化対策を図っても良い。
 つまり、ある環境温度T3下で画像表示装置のピント初期調整を調整者が行い、このときの長さ[L0]T3をコントロールユニット161に記憶させる。続いて同様に、環境温度T4(≠T3)下でもピント初期調整を行い、このときの長さ[L0]T4もコントロールユニット161に記憶させる。
 これによって、コントロールユニット161は、(T3,[L0]T3),(T4,[L0]T4)の2つのピント調整点から、この2点を直線補間して補間関係式を導出する。そしてコントロールユニット161は、実環境下に置かれた画像表示装置の任意の環境温度Txを温度センサでセンシングし、環境温度Txに対する最適な長さ[L0]Txを補間関係式から求めて、圧電素子156やギア機構157Gで長さL0(ピント補償量)を補償する。
 また、学習回数を3回以上のn回(ピント調整点を3つ以上)とし、それぞれの温度に対応した最適の長さのn個の値と温度の関係から補間関係式を導入すれば、より正確なピント補償が可能になる。
 この学習制御方式の場合、環境温度とピントとの関係を調整者の目で一対一に対応付けし、この結果をコントロールユニット161に学習させているので、より正確なピント調整を行うことができる。なお、この場合の温度センサは、環境温度をセンシングできるように画像表示装置に設けられる。
 さらに、上記の学習制御方式と同様の理由により、ピントの狂いを必ずしも反映しない温度T1,T2ではなく、画像表示装置に表示される画像のピントを直接検出して、フィードバック制御するようにしても良い。
 図77はこの発明の実施の形態19による画像表示装置の構成を示す図である。図75,76と同一符号は同一または相当する構成要素である。
 図77において、162は各実施の形態の凸面鏡(投影光学手段、反射部)、163は平面鏡(実施の形態1)、164はスクリーン(表示手段)である。スクリーン164上の表示画像はオーバースキャン表示されて画像表示領域165と非画像表示領域166に分割されている。例えば1024×768のXGA規格で画像の上下左右から12ドットずつ削ると、画像表示領域165は1000×744になり、非画像表示領域166は斜線を施した12ドット幅の帯になる。
 また、167は小型反射鏡、168はCCD素子である。小型反射鏡167は平面鏡163から非画像表示領域166へ投影される光を反射し、CCD素子168は小型反射鏡167で反射された光を受光すると、この光から得られたピント情報をコントロールユニット161へ出力する。
 ここでは、マイクロミラーデバイス148の小ミラーを制御して、例えば1ドット表示画像に相当する光がCCD素子168で常に受光されるようにしている。なお、CCD素子168の受光面とスクリーン164の画像形成面とは、屈折光学レンズ149,凸面鏡162からなる投影光学系に対して等しい光路長の位置に配置される。
 次に動作について説明する。
 マイクロミラーデバイス148からの大部分の光は、屈折光学レンズ149,凸面鏡162,平面鏡163,スクリーン164へと順次進み、画像表示領域165に画像を表示する。同様の順番でスクリーン164の非画像表示領域166へ入射する1ドット表示画像の光は、小型反射鏡167で反射してCCD素子168へ入射する。
 CCD素子168ではCCD素子内の全画素を参照し、画像表示領域165に表示される画像のピント情報を1ドット表示画像の光から得て、コントロールユニット161へ1回目のピント情報として出力する。コントロールユニット161は、1回目のピント情報を解析し、図75や図76の構成を備えた屈折光学レンズ149をフィードバック制御して、画像のピント調整を行う。
 一般的にピント調整を行なうと、光学的な不均一性によりピントが最も合った画面上の位置が若干移動する場合がある。そのため、ピント調整のたびにCCD素子168内の全画素を参照することで、CCD素子168上でのピント位置のズレを補償することができる。
 フィードバック制御された屈折光学レンズ149からの大部分の光は、画像表示領域165に画像を表示する。非画像表示領域166へ向う1ドット表示画像の光は、小型反射鏡167,CCD素子168によって2回目のピント情報として検出され、屈折光学レンズ149に対するコントロールユニット161のフィードバック制御に用いられる。以下、3回目以降も同様の動作が繰り返される。
 このように、非画像表示領域166へ入射する1ドット表示画像の光からピント情報をCCD素子168によって検出しているので、温度などの2次的な情報を用いることなく、ピントの狂いを直接反映したピント調整が可能になる。
 投影光学系に対してピント調整を行なうと、投影光学系が若干機械的に動く、または歪曲特性が微量変化して、CCD素子168上の1ドット表示画像位置がわずかに動くことがある。また、画像表示装置全体を移動した場合でも、画像表示装置に外部から加わる応力が変化することで投影光学系が機械的に微小量変形して1ドット表示画像位置がわずかに動くことがある。
 いずれの場合でも、像の移動範囲に対してCCD素子168の大きさを十分に大きくして(画像移動量および測定エリアを満足する大きさにして)、たとえ1ドット表示画像が移動してもCCD素子168からはみ出ることのないようにしておく。このようにすることで、測定毎に1ドット表示画像位置およびその周辺情報を測定すれば、画像の移動(ズレ)が生じても測定結果に影響を与えることなく正確なピント調整を行なうことができるようになる。
 以上の動作の中で、コントロールユニット161によるピント情報の解析方法についてもう少し述べておく。
 図78はコントロールユニット161のピント情報の解析方法を示す図であり、図78(a)〜(c)の3通りの方法を図示している。横軸はCCD素子168の受光面の位置座標であり、実際には2次元座標になる。また、縦軸は光の強度を表している。
 図78(a)〜(c)において、Cm,Cm+1はそれぞれm回目、m+1回目(m=1,2,…)のピント情報であり、光の強度分布特性を示している。具体的には、Cm,Cm+1は2次元アレイ状のCCD素子168の各単位受光素子から得られる電気信号であり、CCD素子168上に入射する1ドット表示画像の光の照度分布に比例したプロファイルを有する。
 また、図78(a)のPeakm,Peakm+1はそれぞれピント情報Cm,Cm+1の強度ピーク値、図78(b)のFWHMm,FWHMm+1はそれぞれピント情報Cm,Cm+1の半値全幅(Full Width Half Maximum)である。
 さらに、図78(c)のGRADm,GRADm+1はそれぞれピント情報Cm,Cm+1におけるピーク値から換算される肩部の傾きの大きさであり、例えばピーク値強度の10%,90%が得られるピント情報Cm,Cm+1上の特定点を結ぶ直線の傾きを表している。肩部の傾きとは、ピーク値のα,β%(0%<α,β<100%,α≠β)が得られる2点を結ぶ直線の傾きとする。
 図78(a)の解析方法にしたがった場合、m回目のピント情報から得られるピーク値Peakmよりもm+1回目のピント情報のピーク値Peakm+1が大きくなるように、コントロールユニット161は屈折光学レンズ149をフィードバック制御する。
 図78(b)の場合であれば、m回目のピント情報から得られる半値全幅FWHMmよりもm+1回目のピント情報の半値全幅FWHMm+1が小さくなるように、図78(c)の場合であれば、m回目のピント情報から得られる肩部の傾きGRADmよりもm+1回目のピント情報の肩部の傾きGRADm+1が大きくなるように、コントロールユニット161は屈折光学レンズ149をフィードバック制御する。
 なお、ピント情報の半遅全幅以外の幅、例えば1/10の強度の幅1/eの強度の幅などのように、ピント情報において所定レベルを与える幅(所定レベルの幅)を最小化しても良いことはもちろんである。
 図78(a)〜(c)いずれの場合も、CCD素子168で得られるピント情報から、画像表示領域165に表示される画像のピント調整を行うことができる。
 なお、図77(a)では小型反射鏡167,CCD素子168を非画像表示領域166に配置したが、図77(b)に示すように、画像表示領域165ぎりぎりに画像表示装置の筐体(2点破線で示す)を制限した場合に、小型反射鏡167はとりわけ有効な効果を示す。つまり、筐体の制限の下において、画像表示領域165に投影される光のケラレを生じることなく小型反射鏡167,CCD素子168を筐体内部に配置して、ピント情報を検出できる。
 小型反射鏡167,CCD素子168の配置位置に関しては、以下の条件を満足するように配置する。
小型反射鏡167をスクリーン164から離した位置に配置する
小型反射鏡167とCCD素子168との間隔は、小型反射鏡167からスクリーン164までの光路長と等しくする
 もちろん、図79のように、非画像表示領域166の任意の箇所にCCD素子168だけを配置して、1ドット相当の光の照度分布を直接検出するようにしても良い。
 また、ピント調整用の表示パターンは、1ドット表示画像以外にライン状や十字線のような表示画像としても良い。
 ここで、温度変化対策に関連する数値実施例を一つ記載する。
 以上の説明では、屈折光学レンズ149全体を移動して、温度変化に対するピント調整を行ってきたが、この実施の形態19はこれに限定されるわけではない。この明細書の各箇所で説明しているように、屈折光学レンズ149は複数のレンズから構成されているので、ピント調整するために屈折光学レンズ149を構成する全レンズ群の一部もしくは凸面鏡162を、図75〜図78と同様の手法によって移動させるようにしても良い。凸面鏡162を移動させる際には、ギア機構157Gを備えたギア支持柱157を凸面鏡の保持に用いて、ギア機構157Gを駆動制御すれば良い。
 例えば、数値実施例14Aで示した画像表示装置の構成(図53)を図80に再掲する。
 屈折光学レンズ149を構成する全レンズ群のうちで、図80中不図示の凸面鏡に最も近いレンズ149Aと、レンズ149Aに次いで凸面鏡に近いレンズ149Bと、レンズ149Bに次いで凸面鏡に近いレンズ149Cとの3枚のレンズを光軸150の方向へ移動させると、結像性能の劣化を最小限に抑えながら、マイクロミラーデバイス148から屈折光学レンズ149までの距離L0の変化を補償できることが、数値計算の結果から分かっている。
 この実施の形態19の最後として、各構成要素の鉛直方向における温度変化対策を述べる。
 図81に示すように、光学ベース(保持機構)151上の各構成要素が温度変化によって受ける鉛直方向(光学ベース151の法線方向)のズレについては、例えば屈折光学レンズ149のスライド支持柱152,153,凸面鏡161を光学ベース上に固定支持する固定支持柱169において、スライド支持柱152,153,固定支持柱169の鉛直方向の高さと線膨張率との積が等しくなるように設計すれば良い。
 このようにすることで、温度変化による鉛直方向のズレがいずれの構成要素においても一定になり、鉛直方向における光軸150のズレを防ぐことができる。なお、図81では、マイクロミラーデバイス148の支持柱の図示を省略しているが、マイクロミラーデバイス148の支持柱に関しても、鉛直方向の高さと線膨張率との積を他の支持柱と等しくする。
 以上のように、この実施の形態19によれば、光学ベース151上に設けられ、屈折光学レンズ149の全レンズ群または一部のレンズ群をスライド支持する2本のスライド支持柱152,153と、光学ベース151上および屈折光学レンズ149の全体またはその一部のレンズ群の下部にそれぞれ固定され、スライド支持柱152,153の間に位置する取付板154,155と、取付板154,155によって挟むように接触保持され、制御電圧の増減によって光軸150の方向へその長さが変化する圧電素子156とを備えるようにしたので、温度変化で発生するピントの狂いを調整できるという効果が得られる。
 また、この実施の形態19によれば、光学ベース151上に設けられ、ギア機構157Gによって屈折光学レンズ149全体またはその一部のレンズ群をギア機構157Gによって光軸150の方向へ移動するギア支持柱157を備えるようにしたので、温度変化で発生するピントの狂いを調整できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態19によれば、光学ベース151または屈折光学レンズ149のうちの少なくとも一方に加熱冷却器160を設けるようにしたので、使用環境下で発生する温度勾配を抑制してピントの狂いを調整できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態19によれば、屈折光学レンズ149の鏡筒温度T1をセンシングする温度センサ158と、光学ベース151の内部温度T2をセンシングする温度センサ159と、鏡筒温度T1および内部温度T2から長さL0の最適値または温度差分ΔTを算出し、圧電素子156,ギア機構157Gまたは加熱冷却器160のうちの少なくとも一つをフィードバック制御するコントロールユニット161とを備えるようにしたので、温度変化で発生するピントの狂いを調整できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態19によれば、使用環境下の温度をセンシングする温度センサと、ピント初期調整における環境温度T3の長さ[L0]T3と、ピント初期調整における環境温度T4の長さ[L0]T4とを線形補間した線形補間式にしたがって使用環境下の温度に適する長さL0を算出し、圧電素子156またはギア機構157Gをフィードバック制御するコントロールユニット161とを備えるようにしたので、環境温度とピントとの関係を一対一に対応付けして、より正確なピント調整を行うことができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態19によれば、スクリーン164の非画像表示領域166へ入射する光からピント情報を検出するCCD素子168と、CCD素子168から得られたピント情報を解析し、圧電素子156またはギア機構157Gをフィードバック制御するコントロールユニット161とを備えるようにしたので、温度などの2次的な情報を用いることなく、ピントの狂いを直接反映してピント調整できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態19によれば、非画像表示領域166へ入射する光をCCD素子168へ反射する小型反射鏡167を備えるようにしたので、画像表示装置領域165ぎりぎりに筐体が制限されている場合でもピント情報を検出できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態19によれば、コントロールユニット161は、CCD素子168へ入射する光の強度分布特性プロファイルをピント情報とし、ピント情報のピーク値Peakmをできるだけ大きくするようにフィードバック制御を行うので、ピントの狂いを直接反映してピント調整できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態19によれば、コントロールユニット161は、CCD素子168へ入射する光の強度分布特性プロファイルをピント情報とし、ピント情報の半値全幅FWHMmをできるだけ小さくするようにフィードバック制御を行うので、ピントの狂いを直接反映してピント調整できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態19によれば、コントロールユニット161は、CCD素子168へ入射する光の強度分布特性プロファイルをピント情報とし、ピント情報の肩部の傾きGRADmをできるだけ大きくするようにフィードバック制御を行うので、ピントの狂いを直接反映してピント調整できるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態19によれば、屈折光学レンズ149のスライド支持柱152,153,凸面鏡161の固定支持柱169を鉛直方向の高さと線膨張率との積が全て等しくなるようにしたので、鉛直方向における光軸150のズレを防ぐことができるという効果が得られる。
 なお、以上では、光空間変調素子としてマイクロミラーデバイスで説明を行なったが、透過型または反射型液晶など、他の光空間変調素子を用いても同様の効果が得られる。
実施の形態20.
 図82はこの発明の実施の形態20による画像表示装置に適用する凸面鏡の構成を示す図である。図82において、170は各実施の形態の凸面鏡(投影光学手段、反射部)で、光軸171を中心として回転対称な凸面鏡170Oから非反射部分を切り取った形状を成形したものであり、凸面鏡170のフロント面の光軸171近傍(非投影フロント面)に反射凸部172を持っている。
 反射凸部172は、実施の形態15で示した凸面鏡104の高反射面104Hおよび低反射面104Lを凸型化したもの、もしくは全面を高反射平面としたものであり、凸面鏡170のフロント面よりも突出しており、以下に述べる画像表示装置のアライメント調整方法を行う際に利用するものである。反射凸部172の代わりに、図82(b)に示す反射凹部173を凸面鏡170に設けるようにしても良い。当然、反射凹部173は、実施の形態15で示した凸面鏡104の高反射面104Hおよび低反射面104Lを凹型化したもの、もしくは全面を高反射面としたものである。反射凸部172,反射凹部173の反射面は平面であり、この平面の法線は光軸171に平行である。
 図83はこの発明の実施の形態20によるアライメント調整方法のフローチャートを示す図である。また、図84〜88は図83のアライメント調整方法の各ステップにしたがって光学系構成要素が順次配置されていく様子を示す図である。図82と同一符号は同一構成要素である。
<ステップST1:治具スクリーンに対する凸面鏡のアライメント調整>
 図84(a)において、レーザ光源174から出射される平行光束と、治具スクリーン(治具表示手段)176の法線とが平行になるように設置する。レーザ光源174からは、反射凸部172よりも大きな断面積の平行光束が出射しており、ビームスプリッタ175を介して治具スクリーン176へ平行光束が垂直に入射する。
 治具スクリーン176の光軸周りには透過孔(第1の透過孔)176Hが設けられており(図84(b))、ビームスプリッタ175を透過した平行光束の一部は、透過孔176Hを透過して光学ベース177(保持機構、図43,実施の形態10参照)上に設置された凸面鏡170の反射凸部172へ進んでいく。
 凸面鏡170では、反射凸部172で平行光束を反射して、往路の平行光束と逆方向に透過孔176Hを透過させる。この復路の平行光束は透過孔176Hを透過した後にビームスプリッタ175へ入射し、レーザ光源174からの平行光束と直交する方向へ進んでから、集光レンズ178で四分割検出器179(図58(c)の検出器)の中心へ集光される。
 凸面鏡170の姿勢を調整することによって、四分割検出器179の4つの受光素子でそれぞれ検出される各光パワーを等しくすると、透過孔176H−反射凸部172間における平行光束の往路と復路とが光軸171と一致した状態(仮想光軸)になり、治具スクリーン176に対する凸面鏡170のアライメント調整が完了する。
<ステップST2:凸面鏡に対する光路折曲反射鏡のアライメント調整>
 図84(a)の状態から、相互関係を維持したまま、レーザ光源174,ビームスプリッタ175,集光レンズ178および四分割検出器179を移動して、レーザ光源174,ビームスプリッタ175からの平行光束の中心を屈折光学レンズの理想的な光軸180と一致させる。そして、凸面鏡170に対する光路折曲反射鏡(図23など、実施の形態7,10参照)181のアライメント調整を行う(図85)。
 図85において、反射凸部172よりも大きな断面積の平行光束をレーザ光源174からビームスプリッタ175を介して出射し、所定の位置に配置された光路折曲反射鏡181によって反射凸部172へ反射する。反射凸部172は入射する平行光束よりも小さな反射面となっているので、平行光束の一部だけが光路折曲反射鏡181へ反射する。
 反射凸部172からの平行光束は、光路折曲反射鏡181で反射されてビームスプリッタ175へ向かい、集光レンズ178を介して四分割検出器179で検出される。図84(a)の場合と同様に、凸面鏡170に対する光路折曲反射鏡181のアライメント調整(2軸のあおり角調整)が理想的になると、四分割検出器179の各受光素子でそれぞれ検出される各光パワーが全て等しくなる。
 このとき、反射凸部172−ビームスプリッタ175間の平行光束は、光路折曲反射鏡181を介して往路と復路とが一致しており、屈折光学レンズの理想的な光軸180の仮想光軸がレーザ光源174の光束で作り出される。
<ステップST3:孔空反射鏡によるレンズ保持フランジのアライメント調整>
 図85で作り出された理想的な光軸180に対して、屈折光学レンズを保持するレンズ保持フランジ182と、屈折光学レンズの代わりに取り付けた孔空反射鏡183をレンズ保持フランジ182に設置する(図86(a))。孔空反射鏡183は、光の透過する透過孔(第2の透過孔)183Hをその中心に持っており(図86(b))、レーザ光源174,ビームスプリッタ175からの平行光束を透過するようになっている。透過孔183Hの周辺は反射面になっている。
 図86(a)において、透過孔183Hを透過した平行光束は、光路折曲反射鏡181から反射凸部172へと向う。反射凸部172で反射された平行光束は、光路折曲反射鏡181で反射され、孔空反射鏡183の透過孔183Hを透過してビームスプリッタ175へ向かい、集光レンズ178を介して四分割検出器179で検出される。
 また、孔空反射鏡183の透過孔183H周辺の反射面で反射された光束も同時に四分割検出器179に重畳して入射する。凸面鏡170に対するレンズ保持フランジ182,孔空反射鏡183のアライメント調整(レンズ保持フランジ182の2軸あおり調整)が理想的になると、四分割検出器179の各受光素子で検出される光パワーが全て等しくなる。
<ステップST4:レンズ保持フランジに屈折光学レンズを設置>
 理想的なアライメント状態となったレンズ保持フランジ182から孔空反射鏡183を取り外し、屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)184を代わりに設置して、レーザ光源174,ビームスプリッタ175,集光レンズ178および四分割検出器179を取り外す(図87)。
<ステップST5:マイクロミラーデバイスの画像を治具スクリーンへ投影>
 図88において、マイクロミラーデバイス(送信手段、画像情報付与部)185を所定の位置に設置し、マイクロミラーデバイス185に対して照明光源系(送信手段、照明光源部)186から光を照射する。マイクロミラーデバイス185で画像情報を得た照明光源系186からの光は、屈折光学レンズ184,光路折曲反射鏡181,凸面鏡170を介して治具スクリーン176へ投影される。
 投影された光が治具スクリーン176上でスクリーン面内の正規の位置に結像するように、照明光源系186,マイクロミラーデバイス185のアライメント調整(主に、マイクロミラーデバイス185の(1)面内位置2軸、(2)面の法線回りの回転1軸、(3)あおり2軸、(4)面の法線方向移動1軸よりなる調整で、(1)および(2)は表示位置、(3)および(4)は結像性能確保のための重要な調整)を行うと、一連のアライメント調整が完了する。
 以上のように、この実施の形態20によれば、凸面鏡170のフロント面の光軸105近傍に反射凸部172または反射凹部173を設けるようにしたので、画像表示装置の組立工程において、光学系構成要素のアライメント調整を容易に行うことができるという効果が得られる。
 また、この実施の形態20によれば、治具スクリーン176の透過孔176Hを透過した平行光束を反射凸部172(または反射凹部173)で反射して、反射凸部172(または反射凹部173)と透過孔176Hとの間において往路と復路とを一致させるステップST1と、屈折光学レンズの理想的な光軸180と一致する平行光束を光路折曲反射鏡181,反射凸部172(または反射凹部173)の順に反射して、反射凸部172(または反射凹部173)と光路折曲反射鏡181との間において往路と復路とを一致させるステップST2と、レンズ保持フランジ182に設置された孔空反射鏡183の透過孔183Hを介して光路折曲反射鏡181へ入射する平行光束を透過させ、孔空反射鏡183の透過孔183Hの周辺部で反射した光束と、光路折曲反射鏡181,反射凸部172(または反射凹部173)を往復反射する光束との進行方向を一致させるステップST3と、レンズ保持フランジ182から孔空反射鏡183を取り外し屈折光学レンズ184を代わりに設置するステップST4と、屈折光学レンズ184,光路折曲反射鏡181,凸面鏡170を介して照明光源系186およびマイクロミラーデバイス185からの光を治具スクリーン176上の正規の位置に結像させるステップST5とを備えるようにしたので、画像表示装置の組立工程において、光学系構成要素のアライメント調整を系統的かつ容易に行うことができるという効果が得られる。
 なお、ステップST1〜ST5において、四分割検出器179の分割検出器出力を等しくすることで多要素のアライメント調整を行う例を示したが、この他に四分割検出器179の位置にアライメントの目標となる十字線などを描いたスリガラス治具を配置し、このスリガラス治具上への集光光束を接眼レンズなどを介して目視観測する目視観測装置でも調整することが可能である。
 また、以上に示したアライメント調整は、反射面の角度ズレを調整する方法を示しているため、同じ治具を用いて面の傾きを測定できる装置(例えばオートコリメータなど)を使用して調整することもできる。
 もちろん、この実施の形態20で示したアライメント調整方法は実施の形態15の凸面鏡104でも可能であり、実施の形態15で示したアライメント調整方法はこの実施の形態20の凸面鏡170でも可能である。
実施の形態21.
 図89はこの発明の実施の形態21による画像表示装置の構成を示す図である。照明光源系や平面鏡、スクリーンなどの図示は省略している。
 図89において、187はマイクロミラーデバイス、188は各実施の形態の屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、189は各実施の形態の凸面鏡(投影光学手段、反射部)、190は屈折光学レンズ188および凸面鏡189の光軸、191は凸面鏡189のフロント面189Fに接合形成されたガラスや合成樹脂などのレンズ層である。
 図89では、マイクロミラーデバイス187,屈折光学レンズ188からの光(光画像信号)は、レンズ層191の入出射面191Iφでまず屈折し、レンズ層191の内部を透過してから凸面鏡189のフロント面189Fへ入射する。そして、凸面鏡189のフロント面189Fで反射した光は、レンズ層191の内部を再び透過してその入出射面191Iφで屈折して不図示の平面鏡またはスクリーンへと向かう。
 つまり、凸面鏡189とやりとりされる光は、レンズ層191の入出射面191Iφの形状やその媒質によって光学的作用を受けるようになっている。したがって、レンズ層191の表面形状、構成材料(屈折率、分散)などを適切に設計することによって、光路制御をより緻密に行うことが可能になる。
 以上のように、この実施の形態21によれば、凸面鏡189のフロント面189Fにレンズ層191を設けるようにしたので、レンズ層191自身の入出射面191Iφの形状やその屈折率・分散を適切なものにすることにより、光路設計の自由度を増加させ、より緻密な光線制御を行うことができるという効果が得られる。
実施の形態22.
 画像表示装置の筐体をデザインする際には、複数の斜面を効果的に利用した形状がしばしば採用される。このことによって、薄型化した画像表示装置を視覚的により一層薄く感じられるようにしている。
 図90は各実施の形態で示した画像表示装置を従来の筐体に収納した場合の概観を示す図であり、図90(a),(b),(c)はそれぞれ筐体の正面図、側面図、上面図である。照明光源系から凸面鏡までの光学系構成要素は図示を省略している。
 図90において、192はスクリーン、193は不図示の光学系構成要素が収納されるスクリーン下部、194はスクリーン192およびスクリーン下部193からなる筐体前部、195はスクリーン192と平行に設置された平面鏡(図4の平面鏡22,実施の形態1参照)、196は平面鏡195が収納された筐体後部、また197U,197L,197Rは画像表示装置の筐体をそれぞれ形成する上部および左右部の斜面(上部斜面、左部斜面、右部斜面)、198は画像表示装置の底面である。
 図90の場合には、筐体前部194の高さはスクリーン192の鉛直方向設置高さおよびスクリーン下部193の高さによって決まり、筐体前部194の幅はスクリーン192の水平方向長さによって決まる。また、筐体後部196の高さ・幅は平面鏡195の鉛直方向設置高さ・水平方向長さによってそれぞれ決まる(ただし筐体後部196の大きさを決めるのは平面鏡195に限定されず、画像表示装置の構成によって例えば平面鏡195を用いない場合には凸面鏡などに変わることもある)。
 筐体前部194および筐体後部196の高さ・幅をそれぞれ比較すると、筐体前部194にはスクリーン192が設けられているので、筐体前部194よりも筐体後部196の方が小さくなっていると言える。このことは、一般の画像表示装置についても言えることである。
 図90の画像表示装置の筐体は、3つの斜面197U,197L,197Rおよび水平な底面198によって、大きな筐体前部194から小さな筐体後部196までの空間を囲むように設計されている。ここで、筐体前部194と筐体後部196は、左右の斜面197L,197Rによって直方体からそのコーナーがそれぞれ切り取られた形状になっている(図90(c))。
 このようにすることで、画像表示装置を斜め(図90(c)のブロック矢印の方向)から見た場合に、何物にも遮られることなく筐体後部196を見通すことができるようになり、画像表示装置の薄型化を視覚的に印象付けることができる。しかしながら、直方体の筐体をマルチ構成する場合と比較すると、斜面197U,197L,197Rを用いた画像表示装置は、スクリーン192を同一平面に保つと斜面どうしが接触しないため、マルチ構成(実施の形態14)しにくいという難点がある。
 さて、この実施の形態22の画像表示装置はマルチ構成を念頭において、図90の筐体に次のような工夫を凝らしている。
 図91はこの発明の実施の形態22による画像表示装置の筐体の概観を示す図であり、図91(a),(b),(c)はそれぞれ正面図、側面図、上面図である。図90と同一または相当する構成については同一符号を付してある。
 図91において特徴的な点は、斜面197L,197Rによって前部筐体194のコーナー194C,後部筐体196のコーナー196Cをいずれも切り取らないようにし、筐体前部194の背面(筐体後部196側)にスクリーン192と平行な平行面194Pを、筐体後部196の側方にスクリーン192と垂直な垂直面196Vを残すようにしている点である(図91(c))。
 このようにすることで、上記の薄型化を印象付ける視覚的な効果を保ちつつ、画像表示装置をマルチ構成した場合に以下の効果を得ることができる。
 図92,93は図91の画像表示装置を2台でマルチ構成した場合を示す図であり、図92,93はそれぞれ上面図、斜視図である。図90,91と同一または相当する構成については同一符号を付してある。ここでのマルチ構成は、2台の画像表示装置の天地を同一にして隣接して接続し、横方向に大きな画像を表示するようにしている。
 図92,93において、199はL字形断面の接続部材であり、画像表示装置をマルチ構成で接続保持するために用いる。マルチ構成する図92(a)左の画像表示装置において、画像表示装置の右側にある平行面194Pと接続部材199の端面(第1の端面)199Aとを接続し、やはり画像表示装置の右側にある垂直面196Vと接続部材199の端面(第2の端面)199Bとを接続する(図92(b))。そして、図92(a)右の画像表示装置の左側においても、別の接続部材199を同様に接続して、2つの接続部材199を接続面199Cどうしで連結する。
 端面199A,199Bは互いに直交しており、かつ平行面194P,直交面196Vとそれぞれほぼ同一面積であり、また、端面199Bと接続面199Cとは平行の関係にあるので、直方体の筐体に収納された画像表示装置をマルチ構成するのと同様に、画像表示装置を精度良くマルチ構成することができ、設置作業効率を向上することができるという効果が得られる。
 この効果は、接続部材199を用いることができるように、画像表示装置の筐体に平行面194Pと直交面196Vとを設けたことによるものであり、図90の筐体の場合では、斜面197L,197Rの接続部材に対する力のかかり方がズレる方向に働くため、同様の効果は簡単に得られない。
 また、接続部材199の接続面199Cや裏面199Dをくり貫いて孔199Hを設けるようにし、接続部材199および斜面197L,197Rによって形成される空間を利用して、排気・排熱やケーブル類のやりとりなどを孔199Hを介して行うこともできる。
 このときには、画像表示装置の筐体外へ斜面197L,197Rから排気・排熱やケーブル類を出すようにする。斜面197L,197Rから孔199Hを介してケーブル類をやりとりすると、画像表示装置の背面は完全な平面になり、画像表示装置の背面を例えば部屋の壁面などに密着させることができるようになる。
 なお、接続部材199の鉛直方向高さは特に限定されるものではなく、通常は画像表示装置の高さ以下である。
 図94は画像表示装置を4台でマルチ構成した場合を示す図であり、図94(a),(b)はそれぞれ前方斜視図、後方斜視図である。図90〜93と同一符号は同一構成要素である。ここでのマルチ構成は、天地を同一にして隣接接続した2台の画像表示装置を二組用意し、一方の組の天地を逆転して他方の組の上部に載せ、縦方向・横方向ともに大きな画像を表示するようにしている。
 図94の場合には、上下の画像表示装置の斜面197Uどうしで構成される空間に排気・排熱やケーブル類を通すようにしても良い。この場合にも、部屋の壁面などに画像表示装置を完全に密着させることができるようになる。しかも、上下の画像表示装置の接続を接続部材199の斜面197U側の端面を接触させるように配置することで、上下の画像表示装置の配列を精度良く、簡単かつ短時間でセッティング可能である。接続部材199の第3の端面を接触させて上下を連結できるように、接続部材199の高さは画像表示装置の高さと同じにし、かつ第3の端面をスクリーンに垂直に形成する(第3の端面は端面199A,199Bのいずれにも直交している)。
 以上のように、この実施の形態22によれば、底面198上に設けられ、スクリーン192が設けられた前部筐体194と、底面198上に設けられ、平面鏡195を収納する後部筐体196と、前部筐体194から後部筐体196までの間に設けられた斜面197U,197L,197Rとを備え、スクリーン192と平行な平行面194Pを前部筐体194の後部筐体196側に残すとともに、スクリーン192と垂直な垂直面196Vを残すように、斜面197Lおよび斜面197Rを形成したので、画像表示装置を精度良くマルチ構成することができ、設置作業効率を向上することができるという効果が得られる。
 また、この実施の形態22によれば、画像表示装置の左右いずれか片側の平行面194Pに接続される端面199Aと、平行面194Pと同じ側の垂直面196Cに接続される端面199Bと、端面199Bに平行な接続面199Cとを有する接続部材199によって、他の画像表示装置に接続された接続部材199の接続面199Cと連結するようにしたので、直方体の筐体に収納された画像表示装置をマルチ構成するのと同様に、画像表示装置を精度良くマルチ構成することができ、設置作業効率を向上することができるという効果が得られる。
 さらに、この実施の形態22によれば、斜面197U、斜面197Lおよび斜面197Rを介して、排気・排熱またはケーブル類を画像表示装置の筐体内部から外部へ通すようにしたので、部屋の壁面などに画像表示装置を完全に密着させることができるという効果が得られる。背面を壁につけ、かつ上部および下部を開放にした状態では、接続部材199と斜面197R(197L)によって囲まれる三角柱の領域は、上下方向の排熱用ダクトとして用いることができる。この構造にすれば、エントツ同様の効果が期待でき、排熱効果を向上させることができる。
 以上の各実施の形態では、光空間変調素子としてマイクロミラーデバイスを用いる場合について説明してきたが、光空間変調素子に液晶を用いて画像表示装置を構成するようにしても良く、液晶を用いた従来の画像表示装置と比較して、より薄型化された画像表示装置を構成することができる。
 また、実施の形態1でも既に述べたように、マイクロミラーデバイス、液晶以外の各種の光空間変調素子に対してもこの発明を適用することは当然可能であり、画像表示装置を薄型化に構成できる効果を発揮できる。
 さらに、図3や図13などの各図で示したように、この発明では屈折光学レンズと凸面鏡との光軸を共通化するようにして光学系全体を回転対称形で構成している。光軸を共通化しない場合には、光軸に対する非対称性が発生してしまうことを考えると、光軸を共通化することによって、屈折光学レンズや凸面鏡を回転成形によって容易に製造することができ、アライメントも容易に調整することができるという効果が得られる。
この発明の実施の形態1による画像表示装置の構成を示す図である。 屈折光学レンズの樽型歪曲収差が凸面鏡の糸巻型歪曲収差を補正する動作を概念的に説明する図である。 無収差の屈折光学レンズを介して凸面鏡または平面鏡によって光を反射したときの像を光路追跡で求める方法を概念的に示した図である。 平面鏡を追加したこの発明の実施の形態1による画像表示装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2による画像表示装置の構成を示す図である。 凸面鏡とフレネルミラーとを拡大した図である。 凸面鏡とフレネルミラーとの歪曲収差の違いを比較する図である。 この発明の実施の形態3による画像表示装置の構成を示す図である。 光学素子を拡大した図である。 光学素子の内部において、入射した光路を示す図である。 反射面で折り返された光学素子内の光路を一方向に展開した図である。 光学素子を拡大した図である。 この発明の実施の形態4による画像表示装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態4による画像表示装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態4による画像表示装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態4による画像表示装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態5による画像表示装置の構成を示す図である。 正レンズ、負レンズのアッベ数の比に対するパワーの変化の様子を示す図である。 非球面凸面鏡で発生するアンダーな像面湾曲を説明する図である。 この発明の実施の形態6による画像表示装置の構成を示す図である。 光のまとまった所や光のバラけた所に非球面を適用した図である。 図21の数値計算結果の一例を示す図である。 この発明の実施の形態7による画像表示装置の構成を示す図である。 図23の画像表示装置の効果を説明するための図である。 図23の画像表示装置の効果を説明するための図である。 この発明の実施の形態8による画像表示装置の構成を示す図である。 レトロ光学系の構成を示す図である。 数値実施例8Aの数値データを示す図である。 数値実施例8Aの構成を示す図である。 数値実施例8Bの数値データを示す図である。 数値実施例8Bの構成を示す図である。 数値実施例8Cの数値データを示す図である。 数値実施例8Cの構成を示す図である。 数値実施例4Aの数値データを示す図である。 数値実施例4Aの構成を示す図である。 数値実施例4Bの数値データを示す図である。 数値実施例4Bの構成を示す図である。 数値実施例7Aの数値データを示す図である。 数値実施例7Aの構成を示す図である。 後側焦点距離、入射瞳位置および屈折光学レンズの関係を示す図である。 この発明の実施の形態9による画像表示装置の構成を示す図である。 光路折曲反射鏡の配置条件を説明するための図である。 屈折光学レンズ、光路折曲反射鏡および凸面鏡を保持する保持機構を示す図である。 光路折曲反射鏡の配置条件を説明するための図である。 この発明の実施の形態11による画像表示装置の構成を示す図である。 この実施の形態11の数値実施例11Aを示す図である。 一般の光学系の結像関係を示す図である。 像面が湾曲した光学系の例を示す図である。 この発明の実施の形態13による画像表示装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態14による画像表示装置の構成を示す図である。 マルチ構成で用いた場合の画像表示装置を示す図である。 数値実施例14Aの数値データを示す図である。 数値実施例14Aの構成を示す図である。 数値実施例14Aにおける歪曲収差の数値計算結果を示す図である。 数値実施例4Aにおける歪曲収差の数値計算結果を示す図である。 この発明の実施の形態15による画像表示装置の構成を示す図である。 温度変化に対する凸面鏡の厚さ方向の形状変化を説明するための図である。 凸面鏡を用いたアライメント調整方法を示す図である。 この発明の実施の形態16による画像表示装置の構成を示す図である。 カバーガラスの厚さと補償ガラスの厚さとの関係を示す図である。 数値実施例16Aの数値データを示す図である。 数値実施例16Aの構成を示す図である。 平面鏡、光路折曲反射鏡を用いた画像表示装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態17による画像表示装置の構成を示す図である。 スクリーンと直交するA−A’,B−B’平面による画像表示装置の断面をそれぞれ示す図である。 光軸が傾いた照明光源系の状態を示す図である。 画像表示装置の種々の利用形態を示す図である。 この発明の実施の形態17による画像表示装置の構成を示す図である。 第3の光路折曲反射鏡を収納する収納孔を設けた調整台を示す図である。 この発明の実施の形態18による画像表示装置に適用する非球面凸面鏡の構成を示す図である。 温度変化によって熱膨張する凸面鏡の動作を説明するための図である。 偏芯距離EXCの第1のネジ留部を中心として凸面鏡が角度θだけ回転した際の光軸のズレΔ(θ)を説明するための図である。 温度変化対策を施した凸面鏡の構成バリエーションを示す図である。 天地逆転した場合の画像表示装置に適用するための温度変化対策用凸面鏡の構成バリエーションを示す図である。 この発明の実施の形態19による画像表示装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態19による画像表示装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態19による画像表示装置の構成を示す図である。 コントロールユニットのピント情報の解析方法を示す図である。 この発明の実施の形態19による画像表示装置の構成を示す図である。 屈折光学レンズの一部レンズ群を移動してピントズレを補償する一例を示す図である。 この発明の実施の形態19による画像表示装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態20による画像表示装置に適用する凸面鏡の構成を示す図である。 この発明の実施の形態20によるアライメント調整方法のフローチャートを示す図である。 アライメント調整方法にしたがって光学系構成要素が順次配置されていく様子を示す図である。 アライメント調整方法にしたがって光学系構成要素が順次配置されていく様子を示す図である。 アライメント調整方法にしたがって光学系構成要素が順次配置されていく様子を示す図である。 アライメント調整方法にしたがって光学系構成要素が順次配置されていく様子を示す図である。 アライメント調整方法にしたがって光学系構成要素が順次配置されていく様子を示す図である。 この発明の実施の形態21による画像表示装置の構成を示す図である。 各実施の形態で示した画像表示装置を従来の筐体に収納した場合の概観を示す図である。 この発明の実施の形態22による画像表示装置の筐体の概観を示す図である。 画像表示装置を2台でマルチ構成した場合を示す図である。 画像表示装置を2台でマルチ構成した場合を示す図である。 画像表示装置を4台でマルチ構成した場合を示す図である。 従来の画像表示装置の構成を示す図である。 平面鏡を追加した従来の画像表示装置の構成を示す図である。
符号の説明
 11 発光体(送信手段、照明光源部)、12 放物面リフレクタ(送信手段、照明光源部)、13 集光レンズ(送信手段、照明光源部)、14 マイクロミラーデバイス(送信手段、反射型画像情報付与部)、15 屈折光学レンズ(屈折光学部)、16 凸面鏡(反射部)、17 投影光学系(投影光学手段)、18 スクリーン(表示手段)、19 屈折光学レンズ、20 光軸、21 平面鏡、22 平面鏡、23 屈折光学レンズ(屈折光学部)、24 フレネルミラー(反射部)、25 投影光学系(投影光学手段)、27 光軸、28 屈折光学レンズ(屈折光学部)、29 光学素子(反射部)、30 投影光学系(投影光学手段)、31 低分散ガラス(低分散媒質)、32 境界面、33 高分散ガラス(高分散媒質)、34 反射面、35 光学素子、36 高分散ガラス、37 境界面、38 低分散ガラス、39 反射面、40 屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、41 非球面凸面鏡(投影光学手段、反射部)、42 非球面レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、43 球面凸面鏡(投影光学手段、反射部)、44 光軸、45 非球面凸面鏡(投影光学手段、反射部)、46 非球面凸面鏡(投影光学手段、反射部)、47 非球面レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、48 屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部、ペッツバール和補償レンズ)、48A 正レンズ、48B 負レンズ、49 屈折光学レンズ、50 光軸、51 平面、52 像面、53 像面、54 屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部、像面湾曲補償レンズ)、55 非球面レンズ(投影光学手段、屈折光学部、非球面形状光学素子)、56A,56B 非球面レンズ(投影光学手段、屈折光学部、非球面形状光学素子)、57 非球面凸面鏡(投影光学手段、反射部、非球面形状光学素子)、58 屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、58z 屈折光学レンズ、59 光路折曲反射鏡(光路折曲手段)、60 凸面鏡(投影光学手段、反射部)、61 光軸、62 レトロ光学系(投影光学手段、屈折光学部)、63 屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、64 非球面凸面鏡(投影光学手段、反射部)、65,66 屈折光学レンズ、67,68 屈折光学レンズ、69 凸面鏡、70 光軸、71 マージナルレイ、72 負レンズ、73 光軸、74 保持機構、75 反射光線、76 屈折光学レンズ(屈折光学部)、77 凸面鏡、78 光軸、79 マージナルレイ、80 正レンズ、81 入射側レンズ群、82 出射側レンズ群、83 屈折光学レンズ(投影光学手段)、84 凸面鏡(投影光学手段)、85 結像面、86A,86B 結像位置、87 屈折光学レンズ、88 凸面鏡、89 像面、90A,90B 結像位置、91 屈折光学レンズ(屈折光学部)、92,93 凸面鏡、94 光軸、95,96 出射光、97,98 射出瞳、99 出射光、100,100A〜100F スクリーン、101,101A〜101F 光軸、102,102A〜102F 最大範囲、103A,103B 屈折光学レンズ(屈折光学部)、104 凸面鏡(反射部)、104O 凸面鏡、104C 非反射部分、104F,104F’ フロント面、104R,104R’ リア面、104L 低反射面、104H 高反射面、105 光軸、106 光線、106P 反射点、107 レーザ、108 アイソレータ、109 ハーフミラー、110 検出器、110A,110B,110C,110D 受光素子、111,112 往路、復路のレーザ光、113 仮想光軸、114 カバーガラス(送信手段)、115 補償ガラス(送信手段)、116 画像表示装置、117 スクリーン下部、118 底面、119 光線、120 光線、121,122 線分、S 空間(配置空間)、123,123A,123B 照明光源系(送信手段、照明光源部、集光光学系主要部)、124,124B カラーホイール(送信手段、集光光学系主要部)、125,125B ロッドインテグレータ(送信手段、集光光学系主要部)、126,126B リレーレンズ(送信手段、集光光学系主要部)、127、127B 第2の光路折曲反射鏡(第2の光路折曲手段)、128 第3の光路折曲反射鏡(第3の光路折曲手段)、129 フィールドレンズ(送信手段)、130,130A,130B 光軸、131 余剰空間、132 調整台、133 収納孔、134 凸面鏡(投影光学手段、反射部)、134O 凸面鏡、134F フロント面、134R リア面、135 光軸、135P 凸面鏡頂点、136 第1のネジ留部、136H ネジ孔、137 第2のネジ留部、137H ネジ孔、138 第3のネジ留部、138H ネジ孔、139 テーパネジ、139W ワッシャ、139N ナット、140 凸面鏡取付機構(反射部取付機構)、141 直ネジ、141W ワッシャ、141N ナット、142 凸面鏡取付機構(反射部取付機構)、143 スプリング、144 凹部、145 円柱支持体、146 凸部、146A,146B スプリング留部、147 V溝支持体、148 マイクロミラーデバイス(送信手段、画像情報付与部)、149 屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、149A,149B,149C レンズ、150 光軸、151 光学ベース(保持機構)、152,153 スライド支持柱、154,155 取付板、156 圧電素子、157 ギア支持柱、157G ギア機構、158,159 温度センサ、160 加熱冷却器、161 コントロールユニット、162 凸面鏡(投影光学手段、反射部)、163 平面鏡、164 スクリーン(表示手段)、165 画像表示領域、166 非画像表示領域、167 小型反射鏡、168 CCD素子、169 固定支持柱、170 凸面鏡(投影光学手段、反射部)、170O 凸面鏡、171 光軸、172 反射凸部、173 反射凹部、174 レーザ光源、175 ビームスプリッタ、176 治具スクリーン(治具表示手段)、176H 透過孔(第1の透過孔)、177 光学ベース(保持機構)、178 集光レンズ、179 四分割検出器、180 光軸、181 光路折曲反射鏡、182 レンズ保持フランジ、183 孔空反射鏡、183H 透過孔(第2の透過孔)、184 屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、185 マイクロミラーデバイス(送信手段、画像情報付与部)、186 照明光源系(送信手段、照明光源部)、187 マイクロミラーデバイス(送信手段、画像情報付与部)、188 屈折光学レンズ(投影光学手段、屈折光学部)、189 凸面鏡(投影光学手段、反射部)、189F フロント面、190 光軸、191 レンズ層、191Iφ 入出射面、192 スクリーン(表示手段)、193 スクリーン下部、194 筐体前部、194C コーナー、194P 平行面、195 平面鏡、196 筐体後部、196C コーナー、196V 垂直面、197U,197L,197R 斜面(上部斜面、左部斜面、右部斜面)、198 底面、199 接続部材、199A,199B 端面(第1,2の端面)、199C 接続面、199D 裏面。

Claims (66)

  1.  画像情報を照明光に与えて光画像信号として送信する送信手段と、上記光画像信号を受光して、上記画像情報に基づく画像を表示する表示手段とを備えた画像表示装置において、
     上記光画像信号を反射する反射面を有する反射部と、
     上記光画像信号を上記反射部へ投影する屈折面を有する屈折光学部とから構成される投影光学手段を備え、
     上記表示手段は、上記投影光学手段を介して上記光画像信号を受光するとともに、
     上記反射面および上記屈折面の少なくとも1面は非球面形状に形成されることを特徴とする画像表示装置。
  2.  送信手段は、照明光を発する照明光源部と、
     上記照明光源部から発せられた照明光を受けるとともに、上記照明光に画像情報を与えて光画像信号として反射する反射型画像情報付与部とから構成されることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3.  反射部は、送信手段から送信された光画像信号を反射する回転非球面を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像表示装置。
  4.  反射部は、負のパワーを有する凸面鏡とすることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  5.  反射部は、負のパワーを有するフレネルミラーとすることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  6.  反射部は、送信手段から送信された光画像信号が透過する方向に積層された低分散媒質および高分散媒質から構成され、負のパワーを有し、上記低分散媒質および高分散媒質を透過した上記光画像信号を反射する反射面を備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  7.  反射部は、光軸の周りでは大きな凸の曲率を有し、周辺になるにしたがって上記曲率が小さくなるように形成された反射面を有することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  8.  反射部は、偶数次の項から成る多項式に奇数次の項を加えて求められる奇数次非球面形状の反射面を有することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  9.  反射部または屈折光学部は、上記反射部または上記屈折光学部の光軸付近を避けて光画像信号を導くことを特徴とする請求項8記載の画像表示装置。
  10.  投影光学手段は、屈折光学部から反射部へ光画像信号を反射する光路折曲手段を備え、上記反射部の光軸を含む水平面内で上記屈折光学部の光軸方向を適切な角度に折り曲げることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  11.  屈折光学部は、第1のレンズ手段から第2のレンズ手段へ光画像信号を反射する光路折曲手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  12.  屈折光学部は、合成樹脂によって製造された少なくとも1枚のレンズを有することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  13.  屈折光学部および反射部は、光軸を共通化して回転対称形で構成されることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  14.  投影光学手段からの光画像信号を表示手段へ反射する平面鏡を備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  15.  表示手段の受光面と平面鏡の反射面とを平行の関係にすることを特徴とする請求項14記載の画像表示装置。
  16.  屈折光学部が光路折曲手段から反射部までの光路を遮らない範囲で上記光路に近づけるように、光軸方向の折曲角度を設定することを特徴とする請求項10記載の画像表示装置。
  17.  第1のレンズ手段が光路折曲手段から第2のレンズ手段までの光路を遮らない範囲で上記光路に近づけるように、光軸方向の折曲角度を設定することを特徴とする請求項11記載の画像表示装置。
  18.  屈折光学部から反射部設置面までの最短距離を厚さ制限値以下の範囲で離すことを特徴とする請求項11記載の画像表示装置。
  19.  反射部設置面から光路折曲手段までの最長距離または上記反射部設置面から屈折光学部までの最長距離のうちで、より長い上記最長距離を厚さ制限値と等しくすることを特徴とする請求項16または請求項17記載の画像表示装置。
  20.  反射部設置面から光路折曲手段までの最長距離と、上記反射部設置面から屈折光学部までの最長距離とを等しくすることを特徴とする請求項16または請求項17記載の画像表示装置。
  21.  屈折光学部は、光画像信号の通過しない非透過部分を削除した形状とすることを特徴とする請求項16から請求項20のうちのいずれか1項記載の画像表示装置。
  22.  反射部は、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を切り取った形状とすることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  23.  屈折光学部および反射部を一体化して保持する保持機構を備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  24.  屈折光学部、光路折曲手段および反射部を一体化して保持する保持機構を備えることを特徴とする請求項10または請求項11記載の画像表示装置。
  25.  投影光学手段は、使用しない光軸中心付近の光学性能を悪くして、使用する上記光軸外の範囲の結像性能を向上させることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  26.  投影光学手段は、光軸中心の結像位置と上記光軸周辺の結像位置とが同一平面内に存在しないことを特徴とする請求項25記載の画像表示装置。
  27.  投影光学手段は、光軸中心付近の歪曲収差を許容して、使用する大半の部分の結像性能を向上させることを特徴とする請求項25または請求項26記載の画像表示装置。
  28.  投影光学手段は、光学性能を劣化させる範囲を画面底辺のみ関係する画角範囲に制限することを特徴とする請求項25から請求項27のうちのいずれか1項記載の画像表示装置。
  29.  投影光学手段から光画像信号を表示手段へ反射する平面鏡は、上記投影光学手段の歪曲収差を補正する形状を有することを特徴とする請求項27または請求項28記載の画像表示装置。
  30.  屈折光学部は、反射部の光軸近辺へ向う出射光の射出瞳と、上記反射部の周辺へ向う出射光の射出瞳とをずらして構成され、上記反射部に対する上記出射光の入射位置および入射角を調整することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  31.  反射部は、光画像信号を反射する反射面としてのフロント面から、上記フロント面の背面に設けられたリア面までの厚さを等厚に形成することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  32.  反射部は、光画像信号を反射しない非投影フロント面に上記反射部の光軸を中心として設けた平面形状の低反射面と、上記低反射面よりも小さな面積を有し、上記低反射面内部に上記光軸を中心として設けられた平面形状の高反射面とを備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  33.  送信手段は、画像情報光の出射面を保護するカバーガラスと、上記カバーガラスの光学的厚さのバラツキ増減に応じて、上記バラツキを逆に減増した光学的厚さを有する補償ガラスとを備え、上記カバーガラスおよび上記補償ガラスを介して屈折光学部へ光を出射することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  34.  屈折光学部は、送信手段からの照明光の入射側に補償ガラスを着脱する補償ガラス着脱機構を備えることを特徴とする請求項33記載の画像表示装置。
  35.  平面鏡の反射面および表示手段の受光面と直交する底面を有し、
     上記表示手段に表示される4角形の画像の底辺上に存在し、上記画像の中心から最も離れた第1の点と、上記第1の点へ向う光線が反射される平面鏡上の第2の点と、上記第2の点へ向う光線が反射される反射部上の第3の点と、上記第1の点を上記底面の法線方向から上記底面へ投影した第1の投影点と、上記第2の点を上記底面の法線方向から上記底面へ投影した第2の投影点と、上記第3の点を上記底面の法線方向から上記底面へ投影した第3の投影点とを線分で各々結ぶことによってできる配置空間に構成要素を配置することを特徴とする請求項15記載の画像表示装置。
  36.  送信手段は、照明光を発する照明光源部と、上記照明光源部の出射光を順次着色するカラーホイールと、上記照明光源部からの照明光による出射端面の照度分布を均一化して出射するロッドインテグレータと、上記ロッドインテグレータからの照明光をリレーするリレーレンズとから構成される集光光学系主要部と、上記リレーレンズからの照明光の主光線方向をそろえるフィールドレンズと、上記フィールドレンズからの照明光に画像情報を与えて光画像信号として反射する反射型画像情報付与部とから構成され、
     上記集光光学系主要部を構成要素として配置空間に配置するとともに、上記集光光学系主要部からの照明光を上記フィールドレンズへ順次反射する第2の光路折曲手段および第3の光路折曲手段を備えることを特徴とする請求項35記載の画像表示装置。
  37.  集光光学系主要部の光軸を表示手段の受光面および底面に平行に設置することを特徴とする請求項36記載の画像表示装置。
  38.  集光光学系主要部の光軸を表示手段の受光面に平行に設置するとともに、リレーレンズと上記光軸との交点よりも照明光源部と上記光軸との交点が鉛直方向において高くなるよう傾斜させることを特徴とする請求項36記載の画像表示装置。
  39.  送信手段は、集光光学系主要部およびフィールドレンズを設置する調整台を備えるとともに、第3の光路折曲手段を収納する収納孔を上記調整台に備えることを特徴とする請求項38記載の画像表示装置。
  40.  集光光学系主要部は、第2の光路折曲手段または第3の光路折曲手段の少なくとも一方の光学面を曲面形状にすることを特徴とする請求項36記載の画像表示装置。
  41.  反射部は、合成樹脂によって製造されることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  42.  反射部は、その光軸の方向から見た正面形状が長方形になるように、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を切り取られるとともに、
     上記長方形の下辺上において所定の偏芯距離で光軸近傍に設けられ、第1の反射部取付機構に対してピボット固定される第1のネジ留部と、
     上記長方形の下辺以外の辺に設けられ、第2の反射部取付機構に対してスライド保持される第2のネジ留部と、
     上記長方形の下辺以外の辺に設けられ、第3の反射部取付機構に対してスライド保持される第3のネジ留部とを備えることを特徴とする請求項41記載の画像表示装置。
  43.  第1の反射部取付機構および第1のネジ留部は、テーパネジによってネジ留されるとともに、上記テーパネジのテーパ部分と合致するテーパ形状のネジ孔を有することを特徴とする請求項42記載の画像表示装置。
  44.  反射部は、その光軸の方向から見た正面形状が長方形になるように、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を切り取られるとともに、
     上記長方形の下辺上において所定の偏芯距離で光軸近傍に設けられた凹部と、
     上記凹部にその曲面を嵌る円柱支持体と、
     上記凹部の左右にその一端がそれぞれ固定され、上記反射部に対して引っ張り力を与える2つのスプリングと、
     上記長方形の下辺以外の辺に設けられ、第2の反射部取付機構に対してスライド保持される第2のネジ留部と、
     上記長方形の下辺以外の辺に設けられ、第3の反射部取付機構に対してスライド保持される第3のネジ留部とを備えることを特徴とする請求項41記載の画像表示装置。
  45.  反射部は、その光軸の方向から見た正面形状が長方形になるように、表示手段へ光画像信号を反射しない非反射部分を切り取られるとともに、
     上記長方形の下辺上において所定の偏芯距離で光軸近傍に設けられた凸部と、
     そのV溝に上記凸部を嵌るV溝支持体と、
     上記凸部の左右にその一端がそれぞれ固定され、上記反射部に対して引っ張り力を与える2つのスプリングと、
     上記長方形の下辺以外の辺に設けられ、第2の反射部取付機構に対してスライド保持される第2のネジ留部と、
     上記長方形の下辺以外の辺に設けられ、第3の反射部取付機構に対してスライド保持される第3のネジ留部とを備えることを特徴とする請求項41記載の画像表示装置。
  46.  反射部は、第1のネジ留部の左右にその一端がそれぞれ固定されるとともに、
     共通の一点で他端が固定され、上記反射部に対して引っ張り力を与える2つのスプリングを備えることを特徴とする請求項42記載の画像表示装置。
  47.  第1のネジ留部、第2のネジ留部および第3のネジ留部は、第1の反射部取付機構、第2の反射部取付機構および第3の反射部取付機構に対して、光画像信号を反射する反射部のフロント面側をそれぞれ接触保持することを特徴とする請求項42記載の画像表示装置。
  48.  保持機構上に設けられ、屈折光学部の全レンズ群または上記屈折光学部の一部のレンズ群をスライド支持する2本のスライド支持柱と、
     上記2本のスライド支持柱の間に位置し、上記保持機構上に固定される第1の取付板と、
     上記2本のスライド支持柱の間に位置し、上記屈折光学部を構成する全レンズ群またはその一部レンズ群の下部に固定される第2の取付板と、
     上記第1の取付板および上記第2の取付板によって挟むように接触保持され、印加される制御電圧の増減によって上記屈折光学部の光軸の方向へ伸縮する圧電素子とを備えることを特徴とする請求項23記載の画像表示装置。
  49.  保持機構上に設けられ、反射部、屈折光学部の全レンズ群または上記屈折光学部の一部レンズ群のうちいずれか一つを上記屈折光学部の光軸の方向へギア機構によって移動するギア支持柱を備えることを特徴とする請求項23記載の画像表示装置。
  50.  保持機構に保持された屈折光学部または上記保持機構のうちの少なくとも一方を加熱冷却する加熱冷却器を備えることを特徴とする請求項23記載の画像表示装置。
  51.  屈折光学部の鏡筒温度をセンシングする温度センサと、
     保持機構の内部温度をセンシングする温度センサと、
     上記鏡筒温度および上記内部温度から求められるピント補償量にしたがって、圧電素子、ギア機構または加熱冷却器のうちの少なくとも一つを制御するコントロールユニットとを備えることを特徴とする請求項48から請求項50のうちいずれか1項記載の画像表示装置。
  52.  環境温度をセンシングする温度センサと、
     少なくとも2つ以上の異なるピント調整点から得られた線形補間式へ上記環境温度を与えて求められるピント補償量にしたがって、圧電素子、ギア機構または加熱冷却器のうちの少なくともいずれか一つを制御するコントロールユニットとを備えることを特徴とする請求項48から請求項50のうちいずれか1項記載の画像表示装置。
  53.  表示手段の非画像表示領域へ入射する光を受光して、ピント情報を検出するCCD素子と、
     上記ピント情報の解析結果に応じて、圧電素子、ギア機構または加熱冷却器のうちの少なくとも一つを制御するコントロールユニットとを備えることを特徴とする請求項48から請求項50のうちいずれか1項記載の画像表示装置。
  54.  表示手段の非画像表示領域へ入射する光をCCD素子へ反射する小型反射鏡を備えることを特徴とする請求項53記載の画像表示装置。
  55.  コントロールユニットは、CCD素子で受光された光強度分布をピント情報として、上記ピント情報のピーク値を解析して、上記ピーク値を大きくするように制御を行うことを特徴とする請求項記53載の画像表示装置。
  56.  コントロールユニットは、CCD素子で受光された光強度分布をピント情報として、上記ピント情報の所定レベルの幅を解析して、上記所定レベルの幅を小さくするように制御を行うことを特徴とする請求項53記載の画像表示装置。
  57.  コントロールユニットは、CCD素子で受光された光強度分布をピント情報として、上記ピント情報の肩部の傾きを解析して、上記傾きを大きくするように制御を行うことを特徴とする請求項53記載の画像表示装置。
  58.  保持機構は、屈折光学部および反射部をそれぞれ支持する複数の支持柱を備え、
     上記支持柱は、その鉛直方向の高さと線膨張率との積が全て等しくすることを特徴とする請求項23記載の画像表示装置。
  59.  反射部は、高反射面および低反射面もしくは全面高反射面を有する反射凸部または反射凹部を備えることを特徴とする請求項32記載の画像表示装置。
  60.  反射部は、光画像信号を反射する反射面としてのフロント面にレンズ層を備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  61.  筐体の底面上に設けられ、表示手段を有する前部筐体と、
     上記底面上に設けられる後部筐体と、
     上記前部筐体から上記後部筐体までの間に設けられ、上記底面とともに収納空間を形成する上部斜面、左部斜面および右部斜面とを備え、
     上記左部斜面および上記右部斜面は、上記表示手段と平行な平行面を上記前部筐体の裏面に残すとともに、上記表示手段と垂直な垂直面を上記後部筐体の側面に残すことを特徴とする画像表示装置。
  62.  画像表示装置の左右いずれか片側の平行面に接続される第1の端面と、上記平行面と同じ片側にある垂直面に接続される第2の端面と、上記第2の端面に平行な接続面とを有する接続部材とを備え、
     上記接続面は、他の接続部材の接続面と連結されることを特徴とする請求項61記載の画像表示装置。
  63.  接続部材は、画像表示装置と同一の高さを有するとともに、第1の端面および第2の端面に対してそれぞれ直交し、他の接続部材と連結される第3の端面を備えることを特徴とする請求項62記載の画像表示装置。
  64.  上部斜面、左部斜面および右部斜面を介して、排気・排熱またはケーブル類を筐体の内部から外部へ通すことを特徴とする請求項61記載の画像表示装置。
  65.  光軸を中心として回転成形されて光にレンズ作用を与える屈折光学部と、上記光軸を中心として回転成形されて上記光を反射するとともに、上記光軸を中心として設けられた平面形状の高反射面を有する反射部とのアライメント調整を行うアライメント調整方法において、
     上記反射部へ直進光を入射するとともに、上記反射部の姿勢調整を行って、上記高反射面へ入射する上記直進光の往路と、上記高反射面で反射する上記直進光の復路とを一致させるステップと、
     上記屈折光学部を介した上記往路の直進光を上記高反射面へ入射するとともに、上記高反射面で反射した上記復路の直進光を上記屈折光学部から出射して、上記屈折光学部の姿勢調整を行って、上記屈折光学部から出射した上記復路の直進光のパワーを最大にするステップとを備えることを特徴とするアライメント調整方法。
  66.  照明光を発する照明光源部と、上記照明光に画像情報を与えて光画像信号を出射する画像情報付与部と、光軸を中心として回転成形されて上記光画像信号にレンズ作用を与える屈折光学部と、上記屈折光学部からの上記光画像信号を反射する光路折曲反射鏡と、上記光軸を中心として回転成形されて上記光路折曲反射鏡からの上記光画像信号を反射するとともに、上記光軸を中心として設けられた平面形状の高反射面を有する反射部と、上記反射部からの光画像信号を受光して画像を表示するとともに、上記光軸と対応して設けられた第1の透過孔を有する治具表示手段とのアライメント調整を行うアライメント調整方法において、
     上記治具表示手段へ垂直に入射して上記第1の透過孔を透過した平行光束を上記高反射面で反射し、上記高反射面と上記第1の透過孔との間において上記平行光束の往路と復路とを一致させるステップと、
     上記屈折光学部の理想的な光軸を中心とする平行光束を上記光路折曲反射鏡から上記高反射面へと順次反射し、上記高反射面と上記光路折曲反射鏡との間において上記平行光束の往路と復路とを一致させるステップと、
     上記屈折光学部の光軸と対応して設けられた第2の透過孔を有する孔空反射鏡をレンズ保持フランジに設置して、上記屈折光学部の理想的な光軸を中心とする平行光束を上記第2の透過孔を介して上記光路折曲反射鏡から上記高反射面へと順次反射し、上記孔空反射鏡で反射した上記平行光束と、上記高反射面から上記光路折曲反射鏡へと順次反射した復路の上記平行光束との進行方向を一致させるステップと、
     上記レンズ保持フランジから上記孔空反射鏡を取り外して上記屈折光学部を設置するステップと、
     上記照明光源部および上記画像情報付与部を設置し、上記照明光源部から発した光を上記画像情報付与部によって上記光画像信号として、上記屈折光学部、上記光路折曲反射鏡および上記反射部を介して、治具表示手段上の正規の位置に上記光画像信号を結像させるステップとを備えることを特徴とするアライメント調整方法。
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