JP2004133057A - 感光性樹脂積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】IRアブレーション層に印刷に影響しうる皺が発生しない感光性樹脂原版を提供すること。
【解決手段】▲1▼支持体、感光性樹脂層、IRアブレーション層およびカバーフィルムを有する感光性印刷用原版において、IRアブレーション層がIR吸収性金属を含有し、さらに露光前における感光性樹脂層の押し込み変位量が100μm以下であることを特徴とする感光性印刷用原版。▲2▼IRアブレーション層が金属層を含有する前記▲1▼記載の感光性印刷用刷原版。▲3▼感光性樹脂中の架橋性あるいは非架橋性の液状成分の含有量が35重量部以下である前記▲1▼記載の感光性印刷用刷原版。▲4▼感光性樹脂中に、95℃以上、2分以上の熱処理で結晶化するナイロン系樹脂が含有されている前記▲1▼記載の感光性印刷用刷原版。
【選択図】なし
【解決手段】▲1▼支持体、感光性樹脂層、IRアブレーション層およびカバーフィルムを有する感光性印刷用原版において、IRアブレーション層がIR吸収性金属を含有し、さらに露光前における感光性樹脂層の押し込み変位量が100μm以下であることを特徴とする感光性印刷用原版。▲2▼IRアブレーション層が金属層を含有する前記▲1▼記載の感光性印刷用刷原版。▲3▼感光性樹脂中の架橋性あるいは非架橋性の液状成分の含有量が35重量部以下である前記▲1▼記載の感光性印刷用刷原版。▲4▼感光性樹脂中に、95℃以上、2分以上の熱処理で結晶化するナイロン系樹脂が含有されている前記▲1▼記載の感光性印刷用刷原版。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性印刷原版や、その他のレリーフ板となり得る感光性樹脂積層体に関し、詳しくは、特にコンピュータ製版技術で印刷版を作製する際に使用する感光性樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、レタープレスやフレキソなどの凸版印刷の分野において、デジタル画像形成技術としても知られているコンピュータ製版技術(コンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術)は、極めて一般的なものとなってきている。CTP技術では、感光性印刷版の重合するべきでない領域を覆うために従来から使用されている写真マスク(フォトマスクやネガフィルムともいう)は、印刷版内で形成統合されるマスクに取って代わられている。このような統合マスクを得るための方法として、市場には主に2つの技術が存在する。一つは感光性印刷原版上にインクジェットプリンターでマスクを印刷する方法であり、もう一つは感光層上に紫外線に対して実質的に不透明で(即ち紫外線を実質的に通さない)、かつ、IRレーザの照射により融除可能な層(この層は、一般に「IRアブレーション層」や「赤外融除層」等と呼ばれており、本明細書では「IRアブレーション層」と呼ぶこととする。)を設け、当該層にIRレーザで画像形成をすることでマスクを形成する方法である。これらの技術を用いることで画像(マスク)が版上に直接形成され、次の工程で当該画像(マスク)を介して紫外線が照射され、製版へといたる。
【0003】
なお、CTP技術はネガフィルムが必要でないという利便性を有するだけでなく、ネガフィルムを使用する従来技術に比べて遙かに高い解像度を与え得る。このようなCTP技術の従来技術に対する優位性について詳細な議論がなされている(例えば非特許文献1参照)。
【0004】
ところで、上記IRアブレーション層を有する感光性印刷用原版において、IRアブレーション層には、一般に、高分子バインダにカーボンブラックを多量に含有させた組成物が使用されている(例えば特許文献1参照)。また、通常、IRアブレーション層上には、原版の保存時や取り扱いの際のIRアブレーション層の保護のためにカバーフィルムが設けられており、このカバーフィルムはIRレーザの照射前またはIRレーザの照射後(通常、主露光後、現像前の時点)に除去される。しかし、本発明者等の研究の結果、カバーフィルムを剥がす際にIRアブレーション層に破れ(破損)やキズを生じ、それが最終的に得られる印刷画像に悪影響を及ぼしていることが判った。また、IRアブレーションを実施後、主露光し(紫外線の照射を行い)、現像液で現像する際に、IRアブレーション層中のカーボンブラックが現像液へ移行して現像液が汚れ、現像液を一回の製版作業毎に交換しなければならず、これが印刷コストの上昇の原因になっている。そこで、本発明者等は、先に、IRアブレーション層がIR吸収性金属層を含む感光性印刷用原版を提案した。しかしながら、かかる技術においては感光性樹脂層が柔らかいと原版からカバーフィルムを剥し、IRアブレーション装置のドラム上に装着してアブレーション実施後に原版をドラムから取り外す際にIRアブレーション層に多数の皺が発生し、現像後もレリーフに皺が残り、ひいては印刷に影響を与えるという問題が生じることが新たに判明した。
【0005】
【非特許文献1】Deutsher Drucker, Nr. 21/3.6.99,w12−w16頁
【特許文献1】特許第2916408号公報(第1頁特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、IRアブレーション層に印刷に影響しうる皺が発生しない感光性樹脂原版を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するため、鋭意、研究、検討した結果、IRアブレーション層をIR吸収性金属からなる金属層(以下、「IR吸収性金属層」ともいう)を含む構成とし、さらに露光前の感光性樹脂層の押し込み変位量を制御することで、感光性印刷用原版からカバーフィルムを剥離した後に該原版に曲げ変形を与えてもIR吸収性金属層に、印刷に影響しうる皺が発生しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の通りである。
▲1▼少なくとも支持体、感光性樹脂層、IRアブレーション層およびカバーフィルムを有する感光性樹脂積層体において、IRアブレーション層がIR吸収性金属を含有し、さらに露光前における感光性樹脂層の押し込み変位量が100μm以下であることを特徴とする感光性樹脂積層体。▲2▼IRアブレーション層が金属層を含有する前記▲1▼記載の感光性樹脂積層体。▲3▼感光性樹脂中の架橋性あるいは非架橋性の液状成分の含有量が35重量部以下である前記▲1▼記載の感光性樹脂積層体版。▲4▼感光性樹脂中に、95℃以上、2分以上の熱処理で結晶化するナイロン系樹脂が含有されている前記▲1▼記載の感光性樹脂積層体。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「IR吸収性金属」とは、IRを吸収して融除され得る、金属、合金または含金属化合物を意味し、ここでの合金とは、2種以上の金属元素の融合物だけでなく、2種以上の金属元素とともに金属元素以外の元素を含む融合物も含む。また、「IR吸収性金属」は1種の材料でも2種以上の材料を併用してもよい。
【0010】
上記金属の好ましい例としては、Al、Zn、Cuが挙げられる。また、上記合金の好ましい例としては、Ca、Sc、Tl、V、Sb、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Ta、W、Au、BiおよびPbから選ばれる2種以上の金属の合金や、かかる2種以上の金属とともに、さらに非金属元素(炭素、ケイ素等)および/または希土類元素(Nd、Sm、Gd、Tb等)を含む合金、が挙げられる。また、含金属化合物としては、IRを吸収して融除され得るものであれば、金属酸化物、金属窒化物等の各種化合物を使用できるが、それらの中でも、亜クロム酸銅、酸化クロム、アルミン酸コバルト−クロム等の暗色無機顔料が好ましい。
【0011】
なお、IRアブレーション層の破れやキズつきの防止(膜強度)の点から、IR吸収性金属には、金属、合金を用いるのが好ましく、特に好ましくはAl、Zn、Cu、Bi−In−Cu合金であり、とりわけ好ましくはAlである。
【0012】
IR吸収性金属層の厚みは、50〜15000Åが好ましく、特に好ましくは70〜8000Å、とりわけ好ましくは100〜5000Åである。厚みが50Å未満であると、IRアブレーション後のマスクとしての機能が劣るので好ましくなく、また、15000Åを超えると、画像形成用のIRではアブレーション(融除)することが困難になるので、好ましくない。
【0013】
なお、本発明において、前記IR吸収性金属層とカバーフィルムとの間に、非IR感受性高分子樹脂層を設けてもよく、具体的にはポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、両性インターポリマー、アルキルセルローズ、セルローズ系ポリマー(特にヒドロキシプロピルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ニトロセルローズ)、エチレンとビニルアセテートのコポリマー、セルローズアセテートブチレート、ポリブチラール、環状ゴム等が挙げられる。これらは、いずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。なお、両性インターポリマーは米国特許第4,293,635号に記載されているものである。
【0014】
上記例示の材料の中でも、水又は水性媒体で現像できることや、皺の発生等を考慮して、本発明では、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシドが挙げられ、なかでも重合度500〜4000、好ましくは1000〜3000で、かつ、ケン化度70%以上、好ましくは80〜99%、さらに好ましくは80〜90%のポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールが望ましい。ここで、変性ポリビニルアルコールとは、ポリビニルアルコールの水酸基と反応性を有する化合物(例えば、カルボキシル基、二重結合、芳香族環等を有する化合物)を二次的に反応させたり、酢酸ビニルと他のビニルモノマーとの共重合体をケン化したりして、末端や主鎖中にカルボキシル基、カルボニル基、ポリオキシアルキレン基、アセトアセチル基、スルホン基、シラノール基を導入したものである。
【0015】
本発明においては、前記非IR感受性高分子樹脂層中に、UV吸収物質を含有していることが好ましく、該UV吸収物質としては、一般的なUV吸収剤であるベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール化合物、インドール系化合物、サリシレート系化合物等や顔料、染料、色素、あるいは有機や無機のフィラー等が挙げられる。これらは、いずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、後者としては、アクリル酸(メチル)、メタクリル酸(メチル)、スチレン等のモノマーと共重合可能なベンゾフェノン骨格、ベンゾトリアゾール骨格、インドール骨格、サリシレート骨格等を有する化合物との反応生成物等が挙げられる。
【0016】
本発明において、感光性樹脂層は、ポリマー、重合性化合物(以下、架橋剤ともいう)及び光開始剤を少なくとも含む組成物の層であり、その組成は、一般に、ポリマー100重量部に対し、重合性化合物を5〜150重量部程度、光開始剤を0.1〜10重量部程度含む。なお、公知のレタープレスやフレキソなどの凸版印刷原版で使用されている感光性樹脂層をそのまま適用してもよい。また、単一層であっても、組成の異なる2つ以上の層を積層して使用してもよい。
【0017】
また、本発明における露光前における感光性樹脂層の押し込み変位量とは、以下の方法によって測定された値である。
押し込み変位量測定方法:支持体の上に1.70mmの厚みを有する感光性樹脂層が配置された感光性印刷用原版に直径10mmの円盤状の圧子を120g重の荷重の下、60秒間負荷した際の変位量をONO SOKKI製LINEAR SENSOR(GS−112)を用いて測定した。
本発明においては前記押し込み変位量が100μm以下であることが必要であり、100μmを超えると、IRアブレーション装置のドラムへの脱着などで曲げ変形を与えた際にIRアブレーション層に多数の大きな皺が生じ、その後の印刷性に影響を及ぼすため好ましくない。より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下である。
【0018】
なお、本発明における押し込み変位量を100μm以下にする手段としては、フレキソ用感光性樹脂中の架橋性あるいは非架橋性の液状成分の量を35重量部以下にする方法や、レタープレス用感光性樹脂においては、95℃以上、2分以上の熱処理で結晶化するナイロン系樹脂を使用する方法等が挙げられる。
前記液状成分としては、例えば末端官能基を有さないポリブタジエンオリゴマー、ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、ポリアクリロニトリル−ブタジエンオリゴマー、ポリイソプレンオリゴマー、ポリクロロプレンオリゴマー、末端アリル基含有ポリブタジエンオリゴマー、末端アリル基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、末端アリル基ポリアクリロニトリル−ブタジエンオリゴマー、末端アリル基含有ポリイソプレンオリゴマー、末端アリル基含有ポリクロロプレンオリゴマー、末端水酸基含有ポリブタジエンオリゴマー、末端水酸基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、末端水酸基含有ポリアクリロニトリルーブタジエンオリゴマー、末端水酸基含有ポリイソプレンオリゴマー、末端水酸基含有ポリクロロプレンオリゴマー、末端カルボキシル基含有ポリブタジエンオリゴマー、末端カルボキシル基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、末端カルボキシル基含有ポリアクリロニトリルーブタジエンオリゴマー、末端カルボキシル基含有ポリイソプレンオリゴマー、末端カルボキシル基含有ポリクロロプレンオリゴマー、末端アミノ基含有ポリブタジエンオリゴマー、末端アミノ基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、末端アミノ基含有ポリアクリロニトリルーブタジエンオリゴマー、末端アミノ基含有ポリイソプレンオリゴマー、末端アミノ基含有ポリクロロプレンオリゴマー、流動パラフィン等を添加し、さらに添加量は多くとも40重量部以下にする方法が挙げられる。また、レタープレス用感光性樹脂においては、95℃以上、2分以上の熱処理で結晶化するナイロン系樹脂およびポリエーテルウレアウレタン等を使用する方法が挙げられる。
【0019】
レタープレス用途に使用されるポリマーとしては、水または水とアルコールの混合物に溶解または分散可能な高分子結合剤としては公知の合成高分子結合剤を使用できる。例えばポリエーテルアミド(例えば特開昭55−79437号公報等)、ポリエーテルエステルアミド(例えば特開昭58−113537号公報等)、三級窒素含有ポリアミド(例えば特開昭50−76055公報等)、アンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミド(例えば特開昭53−36555公報等)、アミド結合を1つ以上有するアミド化合物と有機ジイソシアネート化合物の付加重合体(例えば特開昭58−140737号公報等)、アミド結合を有しないジアミンと有機ジイソシアネート化合物の付加重合体(例えば特開平4−97154号公報等)などが挙げられ、そのなかでも三級窒素原子含有ポリアミドおよびアンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミドが好ましい。
【0020】
フレキソ用途に使用されるポリマーとしては、単一のポリマーでも、ポリマー混合物でもよい。また、疎水性のポリマーでも、親水性のポリマーでも、疎水性のポリマーと親水性のポリマーの混合物でもよい。疎水性ポリマーとしては、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、シリコーンゴム、ウレタンゴムが好適である。これらはそれぞれを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。親水性ポリマーとしては、−COOH、−COOM(Mは1価、2価、或いは3価の金属イオンまたは置換または無置換のアンモニウムイオン)、−OH、−NH2、−SO3H、リン酸エステル基などの親水基を有するものが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸またはその塩類の重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類と酢酸ビニルとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアクリロニトリルとの共重合体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、−COOM基を有するポリウレタン、−COOM基を有するポリウレアウレタン、−COOM基を有するポリアミド酸およびこれらの塩類または誘導体が挙げられる。これらはそれぞれを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0021】
重合性化合物とは、感光性印刷版の製造に使用でき且つポリマーと相溶性である慣用の重合可能なエチレン性モノ又はポリ不飽和有機化合物である。当該化合物の例としては、スチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,3−ジクロロプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールアリルオキシジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンチルジメチレンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタデカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチルジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、オリゴブタジエン(メタ)アクリレート、オリゴイソプレン(メタ)アクリレート、オリゴプロピレン(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらはいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0022】
光開始剤の例としては、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類などが好適であり、具体的には、ベンゾフェノン、クロロベンゾフェノン、ベンゾイン、アセトフェノン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジイソプロピルケタール、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−アリルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントンなどが挙げられる。これらはいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明における感光性樹脂層は、ポリマー、重合性化合物及び光開始剤以外に、添加剤、例えば、可塑剤、熱重合防止剤、染料、酸化防止剤等を含んでもよい。
【0023】
感光性樹脂層は、各成分の材料を適宜変更することにより、水溶性現像液、半水溶性現像液又は有機溶剤性現像液に可溶或いは分散するものに調製できるが、水又は水性媒体で現像できるものとするのが好ましい。
【0024】
支持体は、可撓性を有し、かつ、寸法安定性に優れた材料が好ましく用いられ、例えばスチール、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属製またはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、或いはポリカーボネートなどのプラスチックフイルムを挙げることができ、なかでもポリエチレンテレフタレートフイルムが寸法安定性に優れ、かつ可撓性に優れた支持体材料として使用される。ここで使用される支持体の厚みは50〜350μm、好ましくは100〜250μmが機械的特性、形状安定化あるいは印刷版製版時の取り扱い性等から望ましい。50μm以下の厚みでは支持体自身が折れなどの変形を生じ易くまた、350μm以上の厚みでは可撓性が低下し、IRアブレーション時のシリンダーへの装着性が低下し好ましくない。また必要により、支持体と感光性樹脂層との接着を向上させるために、一般に用いられる接着剤を設けても良い。
【0025】
本発明の感光性印刷用原版を作製する方法は特に限定されないが、一般的には、支持体上に塗布、スプレーコーティング等で感光性樹脂層を形成するか、若しくは、市販の感光性フレキソ印刷版から保護フィルムを剥がすことで一方の積層体を作成し、さらにこれとは別に、基材フィルム(カバーフィルム)に真空蒸着、スパッタリング等でIR吸収性金属層を形成するか、若しくは、基材フィルム(カバーフィルム)に塗布、スプレーコーティング等で有機高分子層を形成後、これに続けて真空蒸着、スパッタリング等でIR吸収性金属層を形成して他方の積層体を形成し、このようにして得られた2つの積層体をヒートプレス機等を用いてラミネートすることにより作製する。ラミネート条件は、温度を室温〜150℃、好ましくは50〜120℃とし、圧力を20〜200kg重/cm2、好ましくは50〜150kg重/cm2とするのがよい。
【0026】
以下、本発明の原版からの印刷版の作製方法を説明する。
カバーフィルムを剥がした後、または、残したまま、IRアブレーション層にIRレーザによる画像照射を行うことでIRアブレーションを実施し、感光性樹脂層上にマスクを形成する。適当なIRレーザの例としては、ND/YAGレーザ(1064nm)又はダイオードレーザ(例、830nm)を挙げることができる。コンピュータ製版技術に適当なレーザシステムは、市販されており、例えばダイオードレーザシステムOmniSetter(登録商標)(Fa. Misomex;レーザ波長:830nm;作業幅:1800mm)或いはND/YAGレーザシステムDigilas(登録商標)(Fa. Schepers)を挙げることができる。これらは、それぞれ感光性フレキソ印刷原版を保持する回転円筒ドラム、IRレーザの照射装置およびレイアウトコンピュータを含む。画像情報は、レイアウトコンピュータからレーザ装置に直接移される。
【0027】
次に、上記のようにして、マスク画像をIRアブレーション層に書き込んだ後、感光性印刷用原版にマスクを介して化学線を全面照射する。これはレーザシリンダ上において直接行うことが有利である。或いは、版を、レーザ装置から取り外し、慣用の平板な照射ユニットで照射してもよい。照射工程の間、感光性樹脂層は上記マスクの形成工程(融除工程)で露出した領域において重合し、一方照射光を通さないIRアブレーション層によりなお被覆されているIRアブレーション層領域では、重合は起こらない。化学線の照射は、慣用の真空フレームで酸素を除去して行うことも可能であるが、大気酸素の存在下に行うことが有利である。
【0028】
上記のようにして化学線が照射された版は、現像工程に供される。現像工程は、慣用の現像ユニットで実施することができ、版の性質に応じて、水、有機溶剤またはこれらの混合物を使用することができる。現像の間に、感光性樹脂層の非重合領域及びIRアブレーション層の残留部は除去される。IRアブレーション層を1種の溶剤又は溶剤混合物でまず除去し、別の現像剤で感光性樹脂層を現像することも可能である。現像工程後、得られた印刷版は乾燥させる。版の乾燥条件は、例えば、45〜80℃で15分〜4時間である。乾燥後に、幾つかの後処理操作をさらに行ってもよい。例えば、印刷版を非粘着性にするために、殺菌灯の照射又はBr2による処理を行うことができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって限定されるものではない。なお、本発明の評価に用いた方法は以下の通りである。
押し込み変位量:支持体の上に1.70mmの厚みを有する感光性樹脂層が配置された感光性印刷用原版に直径10mmの円盤状の圧子を120g重の荷重の下、60秒間負荷した際の変位量をONO SOKKI製LINEAR SENSOR(GS−112)を用いて測定した。
【0030】
実施例1
A.蒸着シートの作製
ケミカルマット処理を施したPETフィルム(原反は東洋紡績(株)製のE5002で厚さ125μm、ケミカルマット処理は東洋クロス(株)で実施)にポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製ゴーセノールKH20)/SE−270[三洋化成工業(株)製ポリエチレンソルビトール純分85%]/UV吸収剤WF−825(山南化学(株)製)/純水=2.0g/1.0g/0.5g/106.5gの比率で溶解した水溶液をバーコーター#26で塗布し、100℃、3分間乾燥して、乾燥後の厚みが2μmの塗膜を形成し、次いで、この塗膜の面に、真空蒸着法により、アルミニウムを約800Åの厚みに蒸着した。この時の吸光度は4.5であった。この吸光度は積分球付き分光光度計(日立製U−3210、波長365nm)で測定した。
【0031】
B.原版の作製
ポリテトラメチレングリコール10部(保土谷化学(株)製G−850)ジメチロールプロピオン酸(藤井義通商)35部、ヘキサメチレンジイソシアネート25部(日本ポリウレタン工業(株)製)、ヒドロキシエチルメタクリレート10部、アミノ基含有アクリロニトリル、ブタジエンオリゴマー(Hycar ATBNX 1300×16宇部興産(株)製)35部を反応して得られた親水性ポリマー10.5部、アクリロニトリル−ブタジエン型ランダム共重合体(Nipo 1042 日本ゼオン(株)製)33部、ポリブタジエンゴム(JSR BR02LL 日本合成ゴム(株)製)22部、末端アリル基含有ポリブタジエンオリゴマー(分子量2000、日石ポリブタジエンLPB 日本石油化学(株)製)29部、 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート3部、光開始剤としてベンジルジメチルケタール1部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部を、トルエン40部、水10部と共に加熱ニーダーを用いて105℃で混練し、その後溶剤を減圧留去する事により、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にポリエステル系接着剤をコーティングしたフィルムと、上記Aで作製したアルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機で100℃、100kg重/cm2で1分間加熱加圧することにより、PET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層およびケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の総厚みは1.95mm(うち感光性樹脂層は1.70mm)であった。その後、カバーフィルムを剥離し、さらにアルミニウム層を粘着テープで除去後、露出させた感光性樹脂層の押し込み変位量を測定した結果、37μmであった。
【0032】
C.IRアブレーションの実施
まず、レリーフ深度をラベル用途で用いられる約0.6mmにするため上記フレキソ版のPET支持体側から化学線(光源Philips10R、365nmにおける照度9.5mW/cm2)を34秒間照射することによって、裏露光を実施し、次にケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)を剥離した。この時保護フィルム(カバーフィルム)のみが剥がれ、ポリビニルアルコール層とアルミニウム蒸着層は感光性樹脂層上に残っていた。この感光性樹脂層上を10倍ルーペで拡大して観察したところ、ポリビニルアルコール層とアルミニウム蒸着層に破れやキズは認められなかった。この版を、CDI Spark(BARCO社製)の回転ドラムにポリビニルアルコール層が表側に、支持体のPETフィルムが裏側なるように巻き付け、真空引き後、ダイオードレーザで画像形成を行った。使用した本装置のレーザー出力は5.0W、レーザー解像度は2540dpi、レーザースポット径は直径15μmであった。回転ドラムは800rpmで回転させた。IRアブレーション後、版を取り出して10倍ルーペで拡大して観察したところ、問題なくアルミニウム蒸着層がアブレーションされていることを確認した。
【0033】
D.製版の実施
上記IRアブレーションした、デジタル画像マスクで覆われた感光性フレキソ印刷版全面に、化学線を8分間照射し、その後A&V(株)製現像機(Stuck System)で、40℃、6分間現像した。現像液には、食器洗剤Cascade(米国(株)P&G製)を1%添加した水道水を用いた。現像工程中、IRアブレーション層の残部(アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層)および感光性樹脂層の非照射領域は除去され、化学線の照射領域が残った。現像後、60℃で20分間乾燥し、化学線で5分間照射し、最後に表面粘着を除去するため殺菌灯を5分間照射した。
出来上がったフレキソ印刷版を10倍の拡大ルーペで検査した。カブレ現象は観察されず、2ポイントの凸部および凹文字、30μm幅の細線、100μmの直径の独立点および156lpi、1%網点全ての試験パターンが正確に形成されていた。
【0034】
実施例2
A.蒸着シートの作製
実施例1と同様にして蒸着シートを作製した。
B.原版の作製
ポリテトラメチレングリコール10部(保土谷化学(株)製G−850)ジメチロールプロピオン酸(藤井義通商)35部、ヘキサメチレンジイソシアネート25部(日本ポリウレタン工業(株)製)、ヒドロキシエチルメタクリレート10部、アミノ基含有アクリロニトリル、ブタジエンオリゴマー(Hycar ATBNX 1300×16宇部興産)35部を反応して得られた親水性ポリマー10.5部、ニトリルブタジエンゴム(アクリロニトリル35%)(NIPOL−1042日本ゼオン(株)製)33部、ブタジエンゴム(JSR BROLLL)22部、オリゴブタジエンアクリレート(PB−A共栄社化学(株)製)29部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート3部、光開始剤として、ジメチルベンジルケタール1部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部をトルエン40部、水10部とともに加熱ニーダーを用いて105℃で混練し、その後溶剤を減圧留去する事により、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にポリエステル系接着剤をコーティングしたフィルムと、上記Aで作製したアルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機で100℃、100kg重/cm2で1分間加熱加圧することにより、PET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層およびケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の総厚みは1.95mm(うち感光性樹脂層は1.70mm)であった。その後、カバーフィルムを剥離し、さらにアルミニウム層を粘着テープで除去後、露出させた感光性樹脂層の押し込み変位量を測定した結果、23μmであった。
【0035】
C.IRアブレーションの実施
実施例1と同様にして行った。
【0036】
D.製版の実施
実施例1と同様にして行った結果、カブレ現象は観察されず、2ポイントの凸部および凹文字、30μm幅の細線、100μmの直径の独立点および156lpi、1%網点全ての試験パターンが正確に形成されていた。
【0037】
比較例1
実施例1において、感光性樹脂中のポリブタジエンゴム(JSR BR02LL 日本合成ゴム(株)製)を10部、末端アリル基含有ポリブタジエンオリゴマー(分子量2000、日石ポリブタジエンLPB 日本石油化学(株)製)を40部とした以外は実施例1と同様にしてPET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層およびケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の総厚みは1.95mm(うち感光性樹脂層は1.70mm)であった。その後、カバーフィルムを剥離し、さらにアルミニウム層を粘着テープで除去後、露出させた感光性樹脂層の押し込み変位量を測定した結果、90μmであった。
IRアブレーションした後、ドラムより原版を取り外したところ、アルミニウム層に多数の皺が発生しており、現像後もレリーフ上に印刷に影響を及ぼす程の多数の皺が残存した。
【0038】
実施例3
A.蒸着シートの作製
実施例1と同様にして蒸着シートを作製した。
【0039】
B.原版の作製
厚さ100μmのPETフィルム支持体(東洋紡績(株)製E5002)、感光性樹脂層、ポリビニルアルコール層およびプレーンPET保護フィルムから構成される感光性樹脂凸版(Printight BF200B(東洋紡績(株)製))のプレーンPET保護フィルムを剥離し、更に下層のポリビニルアルコール層を感光性樹脂層から慣用の接着テープを用いて除去した。露出させた感光性樹脂層に上記Aで作製したアルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機を用いて100℃、100kg重/cm2でラミネートし、PET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層およびケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の総厚みは1.95mm(うち感光性樹脂層は1.70mm)であった。その後、カバーフィルムを剥離し、さらにアルミニウム層を粘着テープで除去後、露出させた感光性樹脂層の押し込み変位量を測定した結果、4μmであった。
【0040】
C.IRアブレーションの実施
実施例1と同様にして行った。
【0041】
D.製版の実施
上記IRアブレーションした、デジタル画像マスクで覆われた感光性樹脂凸版全面に、化学線を2分間照射し、その後、日本電子精機製現像機(JEM−A2)で、25℃、2分間現像した。現像液は水道水を用いた。現像工程中、IRアブレーション層の残部(アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層)および感光性樹脂層の非照射領域は除去され、化学線の照射領域が残った。現像後、70℃で10分間乾燥し、化学線で3分間照射した。
出来上がった樹脂凸版を10倍の拡大ルーペで検査したところ、カブレは観察されず、2ポイントの凸部および凹文字、30μm幅の細線、100μmの直径の独立点および156lpi、1%網点全ての試験パターンが正確に形成されていた。
以下、前記実施例1〜3および比較例1の結果を表1および表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、IRアブレーション時のドラムへの脱着の際にアルミニウム層に印刷に影響しうる多大な皺が発生することが無く、高品位の印刷画像が得られる印刷版を得ることができる。また、現像液時の現像液の汚れが少ないので、複数枚を連続して現像することができる等、産業界に寄与すること大である。
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性印刷原版や、その他のレリーフ板となり得る感光性樹脂積層体に関し、詳しくは、特にコンピュータ製版技術で印刷版を作製する際に使用する感光性樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、レタープレスやフレキソなどの凸版印刷の分野において、デジタル画像形成技術としても知られているコンピュータ製版技術(コンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術)は、極めて一般的なものとなってきている。CTP技術では、感光性印刷版の重合するべきでない領域を覆うために従来から使用されている写真マスク(フォトマスクやネガフィルムともいう)は、印刷版内で形成統合されるマスクに取って代わられている。このような統合マスクを得るための方法として、市場には主に2つの技術が存在する。一つは感光性印刷原版上にインクジェットプリンターでマスクを印刷する方法であり、もう一つは感光層上に紫外線に対して実質的に不透明で(即ち紫外線を実質的に通さない)、かつ、IRレーザの照射により融除可能な層(この層は、一般に「IRアブレーション層」や「赤外融除層」等と呼ばれており、本明細書では「IRアブレーション層」と呼ぶこととする。)を設け、当該層にIRレーザで画像形成をすることでマスクを形成する方法である。これらの技術を用いることで画像(マスク)が版上に直接形成され、次の工程で当該画像(マスク)を介して紫外線が照射され、製版へといたる。
【0003】
なお、CTP技術はネガフィルムが必要でないという利便性を有するだけでなく、ネガフィルムを使用する従来技術に比べて遙かに高い解像度を与え得る。このようなCTP技術の従来技術に対する優位性について詳細な議論がなされている(例えば非特許文献1参照)。
【0004】
ところで、上記IRアブレーション層を有する感光性印刷用原版において、IRアブレーション層には、一般に、高分子バインダにカーボンブラックを多量に含有させた組成物が使用されている(例えば特許文献1参照)。また、通常、IRアブレーション層上には、原版の保存時や取り扱いの際のIRアブレーション層の保護のためにカバーフィルムが設けられており、このカバーフィルムはIRレーザの照射前またはIRレーザの照射後(通常、主露光後、現像前の時点)に除去される。しかし、本発明者等の研究の結果、カバーフィルムを剥がす際にIRアブレーション層に破れ(破損)やキズを生じ、それが最終的に得られる印刷画像に悪影響を及ぼしていることが判った。また、IRアブレーションを実施後、主露光し(紫外線の照射を行い)、現像液で現像する際に、IRアブレーション層中のカーボンブラックが現像液へ移行して現像液が汚れ、現像液を一回の製版作業毎に交換しなければならず、これが印刷コストの上昇の原因になっている。そこで、本発明者等は、先に、IRアブレーション層がIR吸収性金属層を含む感光性印刷用原版を提案した。しかしながら、かかる技術においては感光性樹脂層が柔らかいと原版からカバーフィルムを剥し、IRアブレーション装置のドラム上に装着してアブレーション実施後に原版をドラムから取り外す際にIRアブレーション層に多数の皺が発生し、現像後もレリーフに皺が残り、ひいては印刷に影響を与えるという問題が生じることが新たに判明した。
【0005】
【非特許文献1】Deutsher Drucker, Nr. 21/3.6.99,w12−w16頁
【特許文献1】特許第2916408号公報(第1頁特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、IRアブレーション層に印刷に影響しうる皺が発生しない感光性樹脂原版を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するため、鋭意、研究、検討した結果、IRアブレーション層をIR吸収性金属からなる金属層(以下、「IR吸収性金属層」ともいう)を含む構成とし、さらに露光前の感光性樹脂層の押し込み変位量を制御することで、感光性印刷用原版からカバーフィルムを剥離した後に該原版に曲げ変形を与えてもIR吸収性金属層に、印刷に影響しうる皺が発生しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の通りである。
▲1▼少なくとも支持体、感光性樹脂層、IRアブレーション層およびカバーフィルムを有する感光性樹脂積層体において、IRアブレーション層がIR吸収性金属を含有し、さらに露光前における感光性樹脂層の押し込み変位量が100μm以下であることを特徴とする感光性樹脂積層体。▲2▼IRアブレーション層が金属層を含有する前記▲1▼記載の感光性樹脂積層体。▲3▼感光性樹脂中の架橋性あるいは非架橋性の液状成分の含有量が35重量部以下である前記▲1▼記載の感光性樹脂積層体版。▲4▼感光性樹脂中に、95℃以上、2分以上の熱処理で結晶化するナイロン系樹脂が含有されている前記▲1▼記載の感光性樹脂積層体。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「IR吸収性金属」とは、IRを吸収して融除され得る、金属、合金または含金属化合物を意味し、ここでの合金とは、2種以上の金属元素の融合物だけでなく、2種以上の金属元素とともに金属元素以外の元素を含む融合物も含む。また、「IR吸収性金属」は1種の材料でも2種以上の材料を併用してもよい。
【0010】
上記金属の好ましい例としては、Al、Zn、Cuが挙げられる。また、上記合金の好ましい例としては、Ca、Sc、Tl、V、Sb、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Ta、W、Au、BiおよびPbから選ばれる2種以上の金属の合金や、かかる2種以上の金属とともに、さらに非金属元素(炭素、ケイ素等)および/または希土類元素(Nd、Sm、Gd、Tb等)を含む合金、が挙げられる。また、含金属化合物としては、IRを吸収して融除され得るものであれば、金属酸化物、金属窒化物等の各種化合物を使用できるが、それらの中でも、亜クロム酸銅、酸化クロム、アルミン酸コバルト−クロム等の暗色無機顔料が好ましい。
【0011】
なお、IRアブレーション層の破れやキズつきの防止(膜強度)の点から、IR吸収性金属には、金属、合金を用いるのが好ましく、特に好ましくはAl、Zn、Cu、Bi−In−Cu合金であり、とりわけ好ましくはAlである。
【0012】
IR吸収性金属層の厚みは、50〜15000Åが好ましく、特に好ましくは70〜8000Å、とりわけ好ましくは100〜5000Åである。厚みが50Å未満であると、IRアブレーション後のマスクとしての機能が劣るので好ましくなく、また、15000Åを超えると、画像形成用のIRではアブレーション(融除)することが困難になるので、好ましくない。
【0013】
なお、本発明において、前記IR吸収性金属層とカバーフィルムとの間に、非IR感受性高分子樹脂層を設けてもよく、具体的にはポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、両性インターポリマー、アルキルセルローズ、セルローズ系ポリマー(特にヒドロキシプロピルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ニトロセルローズ)、エチレンとビニルアセテートのコポリマー、セルローズアセテートブチレート、ポリブチラール、環状ゴム等が挙げられる。これらは、いずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。なお、両性インターポリマーは米国特許第4,293,635号に記載されているものである。
【0014】
上記例示の材料の中でも、水又は水性媒体で現像できることや、皺の発生等を考慮して、本発明では、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシドが挙げられ、なかでも重合度500〜4000、好ましくは1000〜3000で、かつ、ケン化度70%以上、好ましくは80〜99%、さらに好ましくは80〜90%のポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールが望ましい。ここで、変性ポリビニルアルコールとは、ポリビニルアルコールの水酸基と反応性を有する化合物(例えば、カルボキシル基、二重結合、芳香族環等を有する化合物)を二次的に反応させたり、酢酸ビニルと他のビニルモノマーとの共重合体をケン化したりして、末端や主鎖中にカルボキシル基、カルボニル基、ポリオキシアルキレン基、アセトアセチル基、スルホン基、シラノール基を導入したものである。
【0015】
本発明においては、前記非IR感受性高分子樹脂層中に、UV吸収物質を含有していることが好ましく、該UV吸収物質としては、一般的なUV吸収剤であるベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール化合物、インドール系化合物、サリシレート系化合物等や顔料、染料、色素、あるいは有機や無機のフィラー等が挙げられる。これらは、いずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、後者としては、アクリル酸(メチル)、メタクリル酸(メチル)、スチレン等のモノマーと共重合可能なベンゾフェノン骨格、ベンゾトリアゾール骨格、インドール骨格、サリシレート骨格等を有する化合物との反応生成物等が挙げられる。
【0016】
本発明において、感光性樹脂層は、ポリマー、重合性化合物(以下、架橋剤ともいう)及び光開始剤を少なくとも含む組成物の層であり、その組成は、一般に、ポリマー100重量部に対し、重合性化合物を5〜150重量部程度、光開始剤を0.1〜10重量部程度含む。なお、公知のレタープレスやフレキソなどの凸版印刷原版で使用されている感光性樹脂層をそのまま適用してもよい。また、単一層であっても、組成の異なる2つ以上の層を積層して使用してもよい。
【0017】
また、本発明における露光前における感光性樹脂層の押し込み変位量とは、以下の方法によって測定された値である。
押し込み変位量測定方法:支持体の上に1.70mmの厚みを有する感光性樹脂層が配置された感光性印刷用原版に直径10mmの円盤状の圧子を120g重の荷重の下、60秒間負荷した際の変位量をONO SOKKI製LINEAR SENSOR(GS−112)を用いて測定した。
本発明においては前記押し込み変位量が100μm以下であることが必要であり、100μmを超えると、IRアブレーション装置のドラムへの脱着などで曲げ変形を与えた際にIRアブレーション層に多数の大きな皺が生じ、その後の印刷性に影響を及ぼすため好ましくない。より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下である。
【0018】
なお、本発明における押し込み変位量を100μm以下にする手段としては、フレキソ用感光性樹脂中の架橋性あるいは非架橋性の液状成分の量を35重量部以下にする方法や、レタープレス用感光性樹脂においては、95℃以上、2分以上の熱処理で結晶化するナイロン系樹脂を使用する方法等が挙げられる。
前記液状成分としては、例えば末端官能基を有さないポリブタジエンオリゴマー、ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、ポリアクリロニトリル−ブタジエンオリゴマー、ポリイソプレンオリゴマー、ポリクロロプレンオリゴマー、末端アリル基含有ポリブタジエンオリゴマー、末端アリル基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、末端アリル基ポリアクリロニトリル−ブタジエンオリゴマー、末端アリル基含有ポリイソプレンオリゴマー、末端アリル基含有ポリクロロプレンオリゴマー、末端水酸基含有ポリブタジエンオリゴマー、末端水酸基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、末端水酸基含有ポリアクリロニトリルーブタジエンオリゴマー、末端水酸基含有ポリイソプレンオリゴマー、末端水酸基含有ポリクロロプレンオリゴマー、末端カルボキシル基含有ポリブタジエンオリゴマー、末端カルボキシル基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、末端カルボキシル基含有ポリアクリロニトリルーブタジエンオリゴマー、末端カルボキシル基含有ポリイソプレンオリゴマー、末端カルボキシル基含有ポリクロロプレンオリゴマー、末端アミノ基含有ポリブタジエンオリゴマー、末端アミノ基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、末端アミノ基含有ポリアクリロニトリルーブタジエンオリゴマー、末端アミノ基含有ポリイソプレンオリゴマー、末端アミノ基含有ポリクロロプレンオリゴマー、流動パラフィン等を添加し、さらに添加量は多くとも40重量部以下にする方法が挙げられる。また、レタープレス用感光性樹脂においては、95℃以上、2分以上の熱処理で結晶化するナイロン系樹脂およびポリエーテルウレアウレタン等を使用する方法が挙げられる。
【0019】
レタープレス用途に使用されるポリマーとしては、水または水とアルコールの混合物に溶解または分散可能な高分子結合剤としては公知の合成高分子結合剤を使用できる。例えばポリエーテルアミド(例えば特開昭55−79437号公報等)、ポリエーテルエステルアミド(例えば特開昭58−113537号公報等)、三級窒素含有ポリアミド(例えば特開昭50−76055公報等)、アンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミド(例えば特開昭53−36555公報等)、アミド結合を1つ以上有するアミド化合物と有機ジイソシアネート化合物の付加重合体(例えば特開昭58−140737号公報等)、アミド結合を有しないジアミンと有機ジイソシアネート化合物の付加重合体(例えば特開平4−97154号公報等)などが挙げられ、そのなかでも三級窒素原子含有ポリアミドおよびアンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミドが好ましい。
【0020】
フレキソ用途に使用されるポリマーとしては、単一のポリマーでも、ポリマー混合物でもよい。また、疎水性のポリマーでも、親水性のポリマーでも、疎水性のポリマーと親水性のポリマーの混合物でもよい。疎水性ポリマーとしては、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、シリコーンゴム、ウレタンゴムが好適である。これらはそれぞれを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。親水性ポリマーとしては、−COOH、−COOM(Mは1価、2価、或いは3価の金属イオンまたは置換または無置換のアンモニウムイオン)、−OH、−NH2、−SO3H、リン酸エステル基などの親水基を有するものが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸またはその塩類の重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類と酢酸ビニルとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアクリロニトリルとの共重合体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、−COOM基を有するポリウレタン、−COOM基を有するポリウレアウレタン、−COOM基を有するポリアミド酸およびこれらの塩類または誘導体が挙げられる。これらはそれぞれを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0021】
重合性化合物とは、感光性印刷版の製造に使用でき且つポリマーと相溶性である慣用の重合可能なエチレン性モノ又はポリ不飽和有機化合物である。当該化合物の例としては、スチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,3−ジクロロプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールアリルオキシジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンチルジメチレンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタデカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチルジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、オリゴブタジエン(メタ)アクリレート、オリゴイソプレン(メタ)アクリレート、オリゴプロピレン(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらはいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0022】
光開始剤の例としては、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類などが好適であり、具体的には、ベンゾフェノン、クロロベンゾフェノン、ベンゾイン、アセトフェノン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジイソプロピルケタール、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−アリルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントンなどが挙げられる。これらはいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明における感光性樹脂層は、ポリマー、重合性化合物及び光開始剤以外に、添加剤、例えば、可塑剤、熱重合防止剤、染料、酸化防止剤等を含んでもよい。
【0023】
感光性樹脂層は、各成分の材料を適宜変更することにより、水溶性現像液、半水溶性現像液又は有機溶剤性現像液に可溶或いは分散するものに調製できるが、水又は水性媒体で現像できるものとするのが好ましい。
【0024】
支持体は、可撓性を有し、かつ、寸法安定性に優れた材料が好ましく用いられ、例えばスチール、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属製またはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、或いはポリカーボネートなどのプラスチックフイルムを挙げることができ、なかでもポリエチレンテレフタレートフイルムが寸法安定性に優れ、かつ可撓性に優れた支持体材料として使用される。ここで使用される支持体の厚みは50〜350μm、好ましくは100〜250μmが機械的特性、形状安定化あるいは印刷版製版時の取り扱い性等から望ましい。50μm以下の厚みでは支持体自身が折れなどの変形を生じ易くまた、350μm以上の厚みでは可撓性が低下し、IRアブレーション時のシリンダーへの装着性が低下し好ましくない。また必要により、支持体と感光性樹脂層との接着を向上させるために、一般に用いられる接着剤を設けても良い。
【0025】
本発明の感光性印刷用原版を作製する方法は特に限定されないが、一般的には、支持体上に塗布、スプレーコーティング等で感光性樹脂層を形成するか、若しくは、市販の感光性フレキソ印刷版から保護フィルムを剥がすことで一方の積層体を作成し、さらにこれとは別に、基材フィルム(カバーフィルム)に真空蒸着、スパッタリング等でIR吸収性金属層を形成するか、若しくは、基材フィルム(カバーフィルム)に塗布、スプレーコーティング等で有機高分子層を形成後、これに続けて真空蒸着、スパッタリング等でIR吸収性金属層を形成して他方の積層体を形成し、このようにして得られた2つの積層体をヒートプレス機等を用いてラミネートすることにより作製する。ラミネート条件は、温度を室温〜150℃、好ましくは50〜120℃とし、圧力を20〜200kg重/cm2、好ましくは50〜150kg重/cm2とするのがよい。
【0026】
以下、本発明の原版からの印刷版の作製方法を説明する。
カバーフィルムを剥がした後、または、残したまま、IRアブレーション層にIRレーザによる画像照射を行うことでIRアブレーションを実施し、感光性樹脂層上にマスクを形成する。適当なIRレーザの例としては、ND/YAGレーザ(1064nm)又はダイオードレーザ(例、830nm)を挙げることができる。コンピュータ製版技術に適当なレーザシステムは、市販されており、例えばダイオードレーザシステムOmniSetter(登録商標)(Fa. Misomex;レーザ波長:830nm;作業幅:1800mm)或いはND/YAGレーザシステムDigilas(登録商標)(Fa. Schepers)を挙げることができる。これらは、それぞれ感光性フレキソ印刷原版を保持する回転円筒ドラム、IRレーザの照射装置およびレイアウトコンピュータを含む。画像情報は、レイアウトコンピュータからレーザ装置に直接移される。
【0027】
次に、上記のようにして、マスク画像をIRアブレーション層に書き込んだ後、感光性印刷用原版にマスクを介して化学線を全面照射する。これはレーザシリンダ上において直接行うことが有利である。或いは、版を、レーザ装置から取り外し、慣用の平板な照射ユニットで照射してもよい。照射工程の間、感光性樹脂層は上記マスクの形成工程(融除工程)で露出した領域において重合し、一方照射光を通さないIRアブレーション層によりなお被覆されているIRアブレーション層領域では、重合は起こらない。化学線の照射は、慣用の真空フレームで酸素を除去して行うことも可能であるが、大気酸素の存在下に行うことが有利である。
【0028】
上記のようにして化学線が照射された版は、現像工程に供される。現像工程は、慣用の現像ユニットで実施することができ、版の性質に応じて、水、有機溶剤またはこれらの混合物を使用することができる。現像の間に、感光性樹脂層の非重合領域及びIRアブレーション層の残留部は除去される。IRアブレーション層を1種の溶剤又は溶剤混合物でまず除去し、別の現像剤で感光性樹脂層を現像することも可能である。現像工程後、得られた印刷版は乾燥させる。版の乾燥条件は、例えば、45〜80℃で15分〜4時間である。乾燥後に、幾つかの後処理操作をさらに行ってもよい。例えば、印刷版を非粘着性にするために、殺菌灯の照射又はBr2による処理を行うことができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって限定されるものではない。なお、本発明の評価に用いた方法は以下の通りである。
押し込み変位量:支持体の上に1.70mmの厚みを有する感光性樹脂層が配置された感光性印刷用原版に直径10mmの円盤状の圧子を120g重の荷重の下、60秒間負荷した際の変位量をONO SOKKI製LINEAR SENSOR(GS−112)を用いて測定した。
【0030】
実施例1
A.蒸着シートの作製
ケミカルマット処理を施したPETフィルム(原反は東洋紡績(株)製のE5002で厚さ125μm、ケミカルマット処理は東洋クロス(株)で実施)にポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製ゴーセノールKH20)/SE−270[三洋化成工業(株)製ポリエチレンソルビトール純分85%]/UV吸収剤WF−825(山南化学(株)製)/純水=2.0g/1.0g/0.5g/106.5gの比率で溶解した水溶液をバーコーター#26で塗布し、100℃、3分間乾燥して、乾燥後の厚みが2μmの塗膜を形成し、次いで、この塗膜の面に、真空蒸着法により、アルミニウムを約800Åの厚みに蒸着した。この時の吸光度は4.5であった。この吸光度は積分球付き分光光度計(日立製U−3210、波長365nm)で測定した。
【0031】
B.原版の作製
ポリテトラメチレングリコール10部(保土谷化学(株)製G−850)ジメチロールプロピオン酸(藤井義通商)35部、ヘキサメチレンジイソシアネート25部(日本ポリウレタン工業(株)製)、ヒドロキシエチルメタクリレート10部、アミノ基含有アクリロニトリル、ブタジエンオリゴマー(Hycar ATBNX 1300×16宇部興産(株)製)35部を反応して得られた親水性ポリマー10.5部、アクリロニトリル−ブタジエン型ランダム共重合体(Nipo 1042 日本ゼオン(株)製)33部、ポリブタジエンゴム(JSR BR02LL 日本合成ゴム(株)製)22部、末端アリル基含有ポリブタジエンオリゴマー(分子量2000、日石ポリブタジエンLPB 日本石油化学(株)製)29部、 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート3部、光開始剤としてベンジルジメチルケタール1部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部を、トルエン40部、水10部と共に加熱ニーダーを用いて105℃で混練し、その後溶剤を減圧留去する事により、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にポリエステル系接着剤をコーティングしたフィルムと、上記Aで作製したアルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機で100℃、100kg重/cm2で1分間加熱加圧することにより、PET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層およびケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の総厚みは1.95mm(うち感光性樹脂層は1.70mm)であった。その後、カバーフィルムを剥離し、さらにアルミニウム層を粘着テープで除去後、露出させた感光性樹脂層の押し込み変位量を測定した結果、37μmであった。
【0032】
C.IRアブレーションの実施
まず、レリーフ深度をラベル用途で用いられる約0.6mmにするため上記フレキソ版のPET支持体側から化学線(光源Philips10R、365nmにおける照度9.5mW/cm2)を34秒間照射することによって、裏露光を実施し、次にケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)を剥離した。この時保護フィルム(カバーフィルム)のみが剥がれ、ポリビニルアルコール層とアルミニウム蒸着層は感光性樹脂層上に残っていた。この感光性樹脂層上を10倍ルーペで拡大して観察したところ、ポリビニルアルコール層とアルミニウム蒸着層に破れやキズは認められなかった。この版を、CDI Spark(BARCO社製)の回転ドラムにポリビニルアルコール層が表側に、支持体のPETフィルムが裏側なるように巻き付け、真空引き後、ダイオードレーザで画像形成を行った。使用した本装置のレーザー出力は5.0W、レーザー解像度は2540dpi、レーザースポット径は直径15μmであった。回転ドラムは800rpmで回転させた。IRアブレーション後、版を取り出して10倍ルーペで拡大して観察したところ、問題なくアルミニウム蒸着層がアブレーションされていることを確認した。
【0033】
D.製版の実施
上記IRアブレーションした、デジタル画像マスクで覆われた感光性フレキソ印刷版全面に、化学線を8分間照射し、その後A&V(株)製現像機(Stuck System)で、40℃、6分間現像した。現像液には、食器洗剤Cascade(米国(株)P&G製)を1%添加した水道水を用いた。現像工程中、IRアブレーション層の残部(アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層)および感光性樹脂層の非照射領域は除去され、化学線の照射領域が残った。現像後、60℃で20分間乾燥し、化学線で5分間照射し、最後に表面粘着を除去するため殺菌灯を5分間照射した。
出来上がったフレキソ印刷版を10倍の拡大ルーペで検査した。カブレ現象は観察されず、2ポイントの凸部および凹文字、30μm幅の細線、100μmの直径の独立点および156lpi、1%網点全ての試験パターンが正確に形成されていた。
【0034】
実施例2
A.蒸着シートの作製
実施例1と同様にして蒸着シートを作製した。
B.原版の作製
ポリテトラメチレングリコール10部(保土谷化学(株)製G−850)ジメチロールプロピオン酸(藤井義通商)35部、ヘキサメチレンジイソシアネート25部(日本ポリウレタン工業(株)製)、ヒドロキシエチルメタクリレート10部、アミノ基含有アクリロニトリル、ブタジエンオリゴマー(Hycar ATBNX 1300×16宇部興産)35部を反応して得られた親水性ポリマー10.5部、ニトリルブタジエンゴム(アクリロニトリル35%)(NIPOL−1042日本ゼオン(株)製)33部、ブタジエンゴム(JSR BROLLL)22部、オリゴブタジエンアクリレート(PB−A共栄社化学(株)製)29部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート3部、光開始剤として、ジメチルベンジルケタール1部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部をトルエン40部、水10部とともに加熱ニーダーを用いて105℃で混練し、その後溶剤を減圧留去する事により、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にポリエステル系接着剤をコーティングしたフィルムと、上記Aで作製したアルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機で100℃、100kg重/cm2で1分間加熱加圧することにより、PET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層およびケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の総厚みは1.95mm(うち感光性樹脂層は1.70mm)であった。その後、カバーフィルムを剥離し、さらにアルミニウム層を粘着テープで除去後、露出させた感光性樹脂層の押し込み変位量を測定した結果、23μmであった。
【0035】
C.IRアブレーションの実施
実施例1と同様にして行った。
【0036】
D.製版の実施
実施例1と同様にして行った結果、カブレ現象は観察されず、2ポイントの凸部および凹文字、30μm幅の細線、100μmの直径の独立点および156lpi、1%網点全ての試験パターンが正確に形成されていた。
【0037】
比較例1
実施例1において、感光性樹脂中のポリブタジエンゴム(JSR BR02LL 日本合成ゴム(株)製)を10部、末端アリル基含有ポリブタジエンオリゴマー(分子量2000、日石ポリブタジエンLPB 日本石油化学(株)製)を40部とした以外は実施例1と同様にしてPET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層およびケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の総厚みは1.95mm(うち感光性樹脂層は1.70mm)であった。その後、カバーフィルムを剥離し、さらにアルミニウム層を粘着テープで除去後、露出させた感光性樹脂層の押し込み変位量を測定した結果、90μmであった。
IRアブレーションした後、ドラムより原版を取り外したところ、アルミニウム層に多数の皺が発生しており、現像後もレリーフ上に印刷に影響を及ぼす程の多数の皺が残存した。
【0038】
実施例3
A.蒸着シートの作製
実施例1と同様にして蒸着シートを作製した。
【0039】
B.原版の作製
厚さ100μmのPETフィルム支持体(東洋紡績(株)製E5002)、感光性樹脂層、ポリビニルアルコール層およびプレーンPET保護フィルムから構成される感光性樹脂凸版(Printight BF200B(東洋紡績(株)製))のプレーンPET保護フィルムを剥離し、更に下層のポリビニルアルコール層を感光性樹脂層から慣用の接着テープを用いて除去した。露出させた感光性樹脂層に上記Aで作製したアルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機を用いて100℃、100kg重/cm2でラミネートし、PET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層およびケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の総厚みは1.95mm(うち感光性樹脂層は1.70mm)であった。その後、カバーフィルムを剥離し、さらにアルミニウム層を粘着テープで除去後、露出させた感光性樹脂層の押し込み変位量を測定した結果、4μmであった。
【0040】
C.IRアブレーションの実施
実施例1と同様にして行った。
【0041】
D.製版の実施
上記IRアブレーションした、デジタル画像マスクで覆われた感光性樹脂凸版全面に、化学線を2分間照射し、その後、日本電子精機製現像機(JEM−A2)で、25℃、2分間現像した。現像液は水道水を用いた。現像工程中、IRアブレーション層の残部(アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層)および感光性樹脂層の非照射領域は除去され、化学線の照射領域が残った。現像後、70℃で10分間乾燥し、化学線で3分間照射した。
出来上がった樹脂凸版を10倍の拡大ルーペで検査したところ、カブレは観察されず、2ポイントの凸部および凹文字、30μm幅の細線、100μmの直径の独立点および156lpi、1%網点全ての試験パターンが正確に形成されていた。
以下、前記実施例1〜3および比較例1の結果を表1および表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、IRアブレーション時のドラムへの脱着の際にアルミニウム層に印刷に影響しうる多大な皺が発生することが無く、高品位の印刷画像が得られる印刷版を得ることができる。また、現像液時の現像液の汚れが少ないので、複数枚を連続して現像することができる等、産業界に寄与すること大である。
Claims (4)
- 少なくとも支持体、感光性樹脂層、IRアブレーション層およびカバーフィルムを有する感光性樹脂積層体において、IRアブレーション層がIR吸収性金属を含有し、さらに露光前における感光性樹脂層の押し込み変位量が100μm以下であることを特徴とする感光性樹脂積層体。
- IRアブレーション層が金属層を含有する請求項1記載の感光性樹脂積層体。
- 感光性樹脂中の架橋性あるいは非架橋性の液状成分の含有量が35重量部以下である請求項1記載の感光性樹脂積層体。
- 感光性樹脂中に、95℃以上、2分以上の熱処理で結晶化するナイロン系樹脂が含有されている請求項1記載の感光性樹脂積層体。
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