JP2003270778A - 感光性印刷用原版 - Google Patents

感光性印刷用原版

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JP2003270778A
JP2003270778A JP2002074571A JP2002074571A JP2003270778A JP 2003270778 A JP2003270778 A JP 2003270778A JP 2002074571 A JP2002074571 A JP 2002074571A JP 2002074571 A JP2002074571 A JP 2002074571A JP 2003270778 A JP2003270778 A JP 2003270778A
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meth
ablation
acrylate
photosensitive resin
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JP2002074571A
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Toru Wada
通 和田
Keiichi Motoi
慶一 本井
Yuji Taguchi
祐二 田口
Satoshi Imahashi
聰 今橋
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カブレなどの不具合の無い高品位の印刷画像が
得られ、かつ、現像時の現像液の汚れを少なくできる感
光性CTP印刷用原版を提供すること。 【解決手段】少なくとも支持体、感光性樹脂層、IRア
ブレーション層およびカバーフィルムを有する感光性印
刷用原版において、IRアブレーション層が、IR吸収
性金属層を含み、当該金属層が感光性樹脂層に接触配置
され、かつ、IRアブレーション層の吸光度が2.0以
上であることを特徴とする感光性印刷用原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性印刷用原版に
関し、詳しくは、コンピュータ製版技術で印刷版を作製
する際に使用する感光性印刷用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、レタープレスやフレキソなどの凸
版印刷の分野において、デジタル画像形成技術としても
知られているコンピュータ製版技術(コンピュータ・ト
ゥ・プレート(CTP)技術)は、極めて一般的なもの
となってきている。CTP技術では、感光性印刷版の重
合するべきでない領域を覆うために従来から使用されて
いる写真マスク(フォトマスクやネガフィルムともい
う)は、印刷版内で形成統合されるマスクに取って代わ
られている。このような統合マスクを得るための方法と
して、市場には2つの技術が存在する。一つは感光性印
刷原版上にインクジェットプリンターでマスクを印刷す
る方法であり、もう一つは感光層上に紫外線に対して実
質的に不透明で(即ち紫外線を実質的に通さない)、か
つ、IRレーザの照射により融除可能な層(この層は、
一般に「IRアブレーション層」や「赤外融除層」等と
呼ばれており、本明細書では「IRアブレーション層」
と呼ぶこととする。)を設け、当該層にIRレーザで画
像形成をすることでマスクを形成する方法である。これ
らの技術を用いることで画像(マスク)が版上に直接形
成され、次の工程で当該画像(マスク)を介して紫外線
が照射され、製版へと至る。
【0003】なお、CTP技術はネガフィルムが必要で
ないという利便性を有するだけでなく、ネガフィルムを
使用する従来技術に比べて遙かに高い解像度を与え得
る。このようなCTP技術の従来技術に対する優位性の
詳細な議論は、例えば"Deutsher Drucker, Nr. 21/3.6.
99,w12-w16頁"に記載されている。
【0004】ところで、上記IRアブレーション層を有
する感光性印刷用原版において、IRアブレーション層
には、一般に、高分子バインダにカーボンブラックを多
量に含有させた組成物が使用されている。また、通常、
IRアブレーション層上には、原版の保存時や取り扱い
の際のIRアブレーション層の保護のためにカバーフィ
ルムが設けられており、このカバーフィルムはIRレー
ザの照射前またはIRレーザの照射後(通常、主露光
後、現像前の時点)に除去される。しかし、本発明者等
の研究の結果、カバーフィルムを剥がす際にIRアブレ
ーション層に破れ(破損)やキズを生じ、それが最終的
に得られる印刷画像に悪影響を及ぼしていることが分か
った。また、IRアブレーションを実施後、主露光し
(紫外線の照射を行い)、現像液で現像する際に、IR
アブレーション層中のカーボンブラックが現像液へ移行
して現像液が汚れ、現像液を一回の製版作業毎に交換し
なければならず、これが印刷コストの上昇の原因になっ
ている。さらに、IRアブレーション層の吸光度が2.
0未満であると主露光時にマスクした部分が漏れてくる
紫外線によって、硬化してしまい、所謂、カブレという
現象を発生してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、カブレなどの不具合の無い高品位の印刷画像が得
られ、かつ、現像時の現像液の汚れを少なくできる感光
性印刷用原版を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく、鋭意研究した結果、IRアブレーション
層をIR吸収性金属からなる金属層(以下、「IR吸収
性金属層」ともいう)を含む構成とし、さらに当該金属
層を感光性樹脂層に接触配置する(感光性樹脂層に直接
積層する)ことで、上記従来の問題が解消されて、カブ
レなどの不具合の無い高品位の印刷画像が得られ、しか
も、現像液の汚れを低減できることを見出し、遂に本発
明を完成するに到った。
【0007】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1)少なくとも支持体、感光性樹脂層、IRアブレー
ション層およびカバーフィルムを有する感光性印刷用原
版において、IRアブレーション層が、IR吸収性金属
層を含み、当該金属層が感光性樹脂層に接触配置され、
かつ、IRアブレーション層の吸光度が2.0以上であ
ることを特徴とする感光性印刷用原版。 (2)IRアブレーション層が、IR吸収性金属層と、
当該金属層に積層された有機高分子層とを含むものであ
る、上記(1)記載の感光性印刷用原版。(3)IRア
ブレーション層が、IR吸収性金属層のみからなる、上
記(1)記載の感光性印刷用原版。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感光性印刷用原版(以下、単に「印刷原版」や
「原版」ともいう。)は、IRアブレーション層がIR
吸収性金属層を含み、当該IR吸収性金属層を感光性樹
脂層に接触配置し、かつ、IRアブレーション層の吸光
度が2.0以上であることを特徴とする。
【0009】図1、2は本発明の印刷原版の積層構成の
具体例を示す。図1は、支持体1、感光性樹脂層2、I
R吸収性金属層3およびカバーフィルム5を順次積層し
た構成であり、図2は、支持体1、感光性樹脂層2、I
R吸収性金属層3、有機高分子層4およびカバーフィル
ム5を順次積層した構成である。
【0010】すなわち、図1の例では、IRアブレーシ
ョン層10をIR吸収性金属層3のみで構成し、図2の
例では、IRアブレーション層10をIR吸収性金属層
3とその上に積層した有機高分子層4の2つの層で構成
している。なお、第2の例において、有機高分子層4
は、IRレーザの照射によりIR吸収性金属層3ととも
に融除されることが好ましい。
【0011】本発明の感光性印刷用原版においては、上
記図1および図2の例に示すように、IRアブレーショ
ン層10がIR吸収性金属層3を含むことから、IRア
ブレーション層10の膜強度が高く、カバーフィルム5
の剥離作業によっても、IRアブレーション層10に破
れやキズが発生しにくい。さらに、IR吸収性金属層3
を感光性樹脂層2に接触配置(直接積層)して、IR吸
収性金属層3と感光性樹脂層2との間に他の層(有機高
分子の層や有機高分子を含む組成物の層)を介在させて
いないので、IRアブレーション層の破れがより起こり
にくく、しかも、IRアブレーション後、主露光および
現像して得られるレリーフの解像度が十分に高いものと
なる。なお、図1の例は、露光時におけるIRアブレー
ション層10の感度(すなわち、IRを吸収して融除さ
れる時間の短さ)の点から好ましい構成であり、図2の
例は、IRアブレーション層10のIRアブレーション
実施後のマスクとしての機能、強度において好ましい構
成である。
【0012】本発明において、上記図1及び図2は、あ
くまで例示であり、前記の特徴(すなわち、IRアブレ
ーション層がIR吸収性金属層を含み、かつ、当該IR
吸収性金属層が感光性樹脂層に接触配置された構成)を
有するならば、その他の部分については、公知のこの種
の凸版印刷原版の技術を適用できることはいうまでもな
い。
【0013】本発明において、「IR吸収性金属」と
は、IRを吸収して融除され得る、金属、合金または含
金属化合物を意味し、ここでの合金とは、2種以上の金
属元素の融合物だけでなく、2種以上の金属元素ととも
に金属元素以外の元素を含む融合物も含む。また、「I
R吸収性金属」は1種の材料でも2種以上の材料を併用
してもよい。
【0014】上記金属の好ましい例としては、Al、Z
n、Cuが挙げられる。また、上記合金の好ましい例と
しては、Ca、Sc、Tl、V、Sb、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、
Ag、In、Sn、Ta、W、Au、BiおよびPbか
ら選ばれる2種以上の金属の合金や、かかる2種以上の
金属とともに、さらに非金属元素(炭素、ケイ素等)お
よび/または希土類元素(Nd、Sm、Gd、Tb等)
を含む合金、が挙げられる。また、含金属化合物として
は、IRを吸収して融除され得るものであれば、金属酸
化物、金属窒化物等の各種化合物を使用できるが、それ
らの中でも、亜クロム酸銅、酸化クロム、アルミン酸コ
バルト−クロム等の暗色無機顔料が好ましい。
【0015】なお、IRアブレーション層の破れやキズ
つきの防止(膜強度)の点から、IR吸収性金属には、
金属、合金を用いるのが好ましく、特に好ましくはA
l、Zn、Cu、Bi−In−Cu合金であり、とりわ
け好ましくはAlである。
【0016】有機高分子層4の構成材料としては、ポリ
アミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、両
性インターポリマー、アルキルセルローズ、セルローズ
系ポリマー(特にヒドロキシプロピルセルローズ、ヒド
ロキシエチルセルローズ、ニトロセルローズ)、エチレ
ンとビニルアセテートのコポリマー、セルローズアセテ
ートブチレート、ポリブチラール、環状ゴム等が挙げら
れる。これらは、いずれか1種を単独で使用しても、2
種以上を併用してもよい。なお、両性インターポリマー
は米国特許第4,293,635号に記載されているも
のである。
【0017】上記の例示の材料の中でも、IRアブレー
ション層の感度(当該感度の意味は前記と同じ。)の点
から、空気中での熱分解開始温度が250℃以下(好ま
しくは230℃以下)で、かつ、極限酸素指数LOIが
24以下(好ましくは22以下)である材料を使用する
のが望ましい。ここでの熱分解開始温度とは、分解に伴
って著しく重量が減少していく際の温度であり、示差熱
天秤TG−DTA(理学電機)を使用し、標準物質にア
ルミナを使用し、50ml/分の空気を送風しながら、
5℃/分の昇温速度で室温から500℃まで昇温して測
定される。また、極限酸素指数LOIはFenimor
eおよびMartinが提唱したポリマーの燃焼を定量
的に評価する評価値であり、3分間燃焼させるのに必要
な酸素の最小濃度を意味する。当該極限酸素指数LOI
は、JIS K 7201に準拠して測定し、次式によ
って算出される。
【0018】極限酸素指数LOI=〔酸素の容積/(酸
素の容積+窒素の容積)〕×100
【0019】かかる空気中での熱分解開始温度が250
℃以下で、かつ、極限酸素指数LOIが24以下の材料
としては、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアル
コール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシドが挙げ
られ、なかでも重合度500〜4000、好ましくは1
000〜3000で、かつ、ケン化度70%以上、好ま
しくは80〜99%、さらに好ましくは80〜90%の
ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール
が望ましい。ここで、変性ポリビニルアルコールとは、
ポリビニルアルコールの水酸基と反応性を有する化合物
(例えば、カルボキシル基、二重結合、芳香族環等を有
する化合物)を二次的に反応させたり、酢酸ビニルと他
のビニルモノマーとの共重合体をケン化したりして、末
端や主鎖中にカルボキシル基、カルボニル基、ポリオキ
シアルキレン基、アセトアセチル基、スルホン基、シラ
ノール基を導入したものである。
【0020】本発明のIRアブレーション層10の吸光
度は2.0以上必要であり、好ましくは2.5以上、さ
らに望ましくは3.0以上である。吸光度は、市販され
ている積分球付き分光光度計(例えば、日立製U−32
10)を用いて、波長365nmでの値で示される。吸
光度が2.0未満であると、主露光時にマスクした部分
が漏れてきた紫外線によって硬化してしまい、本来、非
画像であるべき部分が画像部になったりして、所謂、カ
ブレ現象を引き起こしてしまうので好ましくない。
【0021】IRアブレーション層10をIR吸収性金
属層3のみで構成する場合、IR吸収性金属層3の厚み
は、70〜20000Åが好ましく、特に好ましくは1
00〜8000Å、とりわけ好ましくは100〜500
0Åである。厚みが70Å未満であると、IRアブレー
ション後のマスクとしての機能が劣るので好ましくな
く、また、2000Åを超えると、画像形成用のIRレ
ーザーではアブレーション(融除)することが困難にな
るので、好ましくない。
【0022】一方、IRアブレーション層10をIR吸
収性金属層3と有機高分子層4とで構成する場合、IR
吸収性金属層3の厚みは、50〜15000Åが好まし
く、特に好ましくは70〜8000Å、とりわけ好まし
くは100〜5000Åである。厚みが50Å未満であ
ると、IRアブレーション後のマスクとしての機能が劣
るので好ましくなく、また、15000Åを超えると、
画像形成用のIRではアブレーション(融除)すること
が困難になるので、好ましくない。
【0023】有機高分子層4の厚みは、0.01〜20
0μm、好ましくは0.1〜100μm、特に好ましく
は0.1〜50μmである。厚みが200μmを超える
と、IRアブレーションをする際に用いるドラムへの装
着が困難となったり、また、主露光および現像して得ら
れるレリーフの解像度が低下する虞があり、好ましくな
い。また、有機高分子層4には、主露光時のカブレ現象
の防止として、紫外線を吸収する化合物、例えば、紫外
線吸収剤や金属などを添加、配合してもよい。
【0024】本発明において、感光性樹脂層2は、ポリ
マー、重合性化合物(以下、架橋剤ともいう)及び光開
始剤を少なくとも含む組成物の層であり、その組成は、
一般に、ポリマー100重量部に対し、重合性化合物を
5〜150重量部程度、光開始剤を0.1〜10重量部
程度含む。なお、公知のレタープレスやフレキソなどの
凸版印刷原版で使用されている感光性樹脂層をそのまま
適用してもよい。また、単一層であっても、組成の異な
る2つ以上の層を積層して使用してもよい。
【0025】レタープレス用途に使用されるポリマーと
しては、水または水とアルコールの混合物に溶解または
分散可能な高分子結合剤としては公知の合成高分子結合
剤を使用できる。例えばポリエーテルアミド(例えば特
開昭55−79437号公報等)、ポリエーテルエステルア
ミド(例えば特開昭58−113537号公報等)、三級
窒素含有ポリアミド(例えば特開昭50−76055公
報等)、アンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミド
(例えば特開昭53−36555公報等)、アミド結合
を1つ以上有するアミド化合物と有機ジイソシアネート
化合物の付加重合体(例えば特開昭58−140737
号公報等)、アミド結合を有しないジアミンと有機ジイ
ソシアネート化合物の付加重合体(例えば特開平4-97154
号公報等)などが挙げられ、そのなかでも三級窒素原子
含有ポリアミドおよびアンモニウム塩型三級窒素原子含
有ポリアミドが好ましい。
【0026】フレキソ印刷用途使用されるポリマーとし
ては、単一のポリマーでも、ポリマー混合物でもよい。
また、疎水性のポリマーでも、親水性のポリマーでも、
疎水性のポリマーと親水性のポリマーの混合物でもよ
い。疎水性ポリマーとしては、ブタジエンゴム、イソプ
レンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジ
エンゴム、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマ
ー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマ
ー、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレン、ブタジエン−(メタ)アクリル
酸エステルコポリマー、アクリロニトリル−(メタ)ア
クリル酸エステルコポリマー、エピクロロヒドリンゴ
ム、塩素化ポリエチレン、シリコーンゴム、ウレタンゴ
ムが好適である。これらはそれぞれを単独で使用して
も、2種以上を併用してもよい。親水性ポリマーとして
は、−COOH、−COOM(Mは1価、2価、或いは
3価の金属イオンまたは置換または無置換のアンモニウ
ムイオン)、−OH、−NH2、−SO3H、リン酸エス
テル基などの親水基を有するものが好ましく、具体的に
は、(メタ)アクリル酸またはその塩類の重合体、(メ
タ)アクリル酸またはその塩類とアルキル(メタ)アク
リレートとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその
塩類とスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸また
はその塩類と酢酸ビニルとの共重合体、(メタ)アクリ
ル酸またはその塩類とアクリロニトリルとの共重合体、
ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、
ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ポ
リエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、−COO
M基を有するポリウレタン、−COOM基を有するポリ
ウレアウレタン、−COOM基を有するポリアミド酸お
よびこれらの塩類または誘導体が挙げられる。これらは
それぞれを単独で使用しても、2種以上を併用してもよ
い。
【0027】重合性化合物は、感光性印刷版の製造に使
用でき、かつポリマーと相溶性である慣用の重合可能な
エチレン性モノ又はポリ不飽和有機化合物である。当該
化合物の例としては、スチレン、ビニルトルエン、t−
ブチルスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチ
ル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アク
リレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−ト
リデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエー
テルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルモノエチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)
アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェ
ノキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、
2,3−ジクロロプロピル(メタ)アクリレート、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアクリルアミド、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,3−ブチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−
ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デ
カンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデ
カンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テト
ラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)
アクリレート、グリセロールアリルオキシジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンチルジメチレンジ(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンタデカンジ(メタ)アクリレート、トリシク
ロデカンジイルジメチルジ(メタ)アクリレート、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ト
リアリルトリメリテート、ジアリルフタレート、ジビニ
ルベンゼン、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリ
エステル(メタ)アクリレート、オリゴブタジエン(メ
タ)アクリレート、オリゴイソプレン(メタ)アクリレ
ート、オリゴプロピレン(メタ)アクリレートなどを挙
げることができる。これらはいずれか1種を単独で使用
しても、2種以上を併用してもよい。
【0028】光開始剤の例としては、ベンゾフェノン
類、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンジル類、ベ
ンゾインアルキルエーテル類、ベンジルアルキルケター
ル類、アントラキノン類、チオキサントン類などが好適
であり、具体的には、ベンゾフェノン、クロロベンゾフ
ェノン、ベンゾイン、アセトフェノン、ベンジル、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル
エーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチ
ルケタール、ベンジルジイソプロピルケタール、アント
ラキノン、2−エチルアントラキノン、2−メチルアン
トラキノン、2−アリルアントラキノン、2−クロロア
ントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサン
トンなどが挙げられる。これらはいずれか1種を単独で
使用しても、2種以上を併用してもよい。なお、本発明
における感光性樹脂層は、ポリマー、重合性化合物及び
光開始剤以外に、添加剤、例えば、可塑剤、熱重合防止
剤、染料、酸化防止剤等を含んでもよい。
【0029】感光性樹脂層は、各成分の材料を適宜変更
することにより、水溶性現像液、半水溶性現像液又は有
機溶剤性現像液に可溶或いは分散するものに調製できる
が、水又は水性媒体で現像できるものとするのが好まし
い。
【0030】カバーフィルム5は原版の貯蔵および取り
扱いの間のIRアブレーション層10の保護のために設
けられるものであり、IR照射前またはIR照射後に除
去(剥離)される。本発明の原版においては、カバーフ
ィルム5の除去、すなわち、剥離作業時に、IRアブレ
ーション層10の破れやキズが防止される。
【0031】カバーフィルム5をIR照射前に除去する
場合、そのようなカバーフィルムの構成材料としては、
ポリアミド;ポリビニルアルコール;エチレンとビニル
アセテートとのコポリマー;両性インターポリマー;ヒ
ドロキシアルキルセルローズ、セルローズアセテートの
ようなセルローズ系ポリマー;ポリブチラール;環状ゴ
ム等が好適である。ここで、両性インターポリマーは米
国特許第4,293,635号に記載されているもので
ある。当該材料はいずれか1種を単独で使用しても、2
種以上を併用してもよい。また、ニトロセルローズとニ
トログリセリンのような自己酸化性化合物;アルキルセ
ルローズ(例、エチルセルローズ)、ポリアクリル酸お
よびそのアルカリ金属塩のような非自己酸化性ポリマ
ー;ポリアセタール;ポリイミド;ポリカーボネート;
ポリエステル;ポリエチレン、ポリブチレンのようなポ
リアルキレン;ポリフェニレンエーテル;ポリエチレン
オキサイド;ポリラクトンおよびこれらの組合せ等も使
用できる。
【0032】一方、カバーフィルム5をIR照射後に除
去する場合(IR照射時に存在させる場合)、そのよう
なカバーフィルムの材料としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、
ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイ
ミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リフェニレンオキサイド等が好適である。これらはいず
れかを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、これらに他の有機重合体を少量共重合したり、ブ
レンドしたりしてもよい。
【0033】カバーフィルム5の厚みは10〜300μ
mが好ましく、特に好ましくは10〜200μmであ
る。
【0034】なお、本発明において、カバーフィルム5
は離型層を介してIR吸収性金属層10上に設けるのが
好ましい。該離型層の材料としては、シリコーン離型
剤、フッ素樹脂、ステアリン酸系樹脂、ポリエチレンワ
ックス、流動性パラフィン等が好適であり、厚みとして
は0.001〜10μm程度が好ましく、特に好ましく
は0.001〜5μmである。
【0035】支持体1は、可撓性を有し、かつ、寸法安
定性に優れた材料が好ましく用いられ、例えばスチー
ル、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属製またはポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、或いはポリカーボネ
ートなどのプラスチックフイルムを挙げることができ、
なかでもポリエチレンテレフタレートフイルムが寸法安
定性に優れ、かつ可撓性に優れた支持体材料として使用
される。ここで使用される支持体の厚みは50〜350
μm、好ましくは100〜250μmが機械的特性、形
状安定化あるいは印刷版製版時の取り扱い性等から望ま
しい。50μm以下の厚みでは支持体自身が折れなどの
変形を生じ易くまた、350μm以上の厚みでは可撓性
が低下し、IRアブレーション時のシリンダーへの装着
性が低下し好ましくない。また必要により、支持体と感
光性樹脂層との接着を向上させるために、一般に用いら
れる接着剤を設けても良い。
【0036】本発明の感光性印刷用原版を作製する方法
は特に限定されないが、一般的には、支持体上に塗布、
スプレーコーティング等で感光性樹脂層を形成するか、
若しくは、市販の感光性印刷用原版から保護フィルムを
剥がすことで一方の積層体を作成し、さらにこれとは別
に、基材フィルム(カバーフィルム)に真空蒸着、スパ
ッタリング等でIR吸収性金属層を形成するか、若しく
は、基材フィルム(カバーフィルム)に塗布、スプレー
コーティング等で有機高分子層を形成後、これに続けて
真空蒸着、スパッタリング等でIR吸収性金属層を形成
して他方の積層体を形成し、このようにして得られた2
つの積層体をヒートプレス機等を用いてラミネートする
ことにより作製する。ラミネート条件は、温度を室温〜
150℃、好ましくは50〜120℃とし、圧力を20
〜200kg重/cm2、好ましくは50〜150kg
重/cm2とするのがよい。
【0037】本発明の原版からの印刷版の作製は以下の
ようにして行う。カバーフィルムを剥がした後、また
は、残したまま、IRアブレーション層にIRレーザに
よる画像照射を行いことでIRアブレーションを実施
し、感光性樹脂層上にマスクを形成する。適当なIRレ
ーザの例としては、ND/YAGレーザ(1064n
m)又はダイオードレーザ(例、830nm)を挙げる
ことができる。コンピュータ製版技術に適当なレーザシ
ステムは、市販されており、例えばダイオードレーザシ
ステムOmniSetter(登録商標)(Fa. Misomex;レーザ波
長:830nm;作業幅:1800mm)或いはND/
YAGレーザシステムDigilas(登録商標)(Fa. Schepe
rs)を挙げることができる。これらは、それぞれ感光性
フレキソ印刷原版を保持する回転円筒ドラム、IRレー
ザの照射装置およびレイアウトコンピュータを含む。画
像情報は、レイアウトコンピュータからレーザ装置に直
接移される。
【0038】次に、上記のようにして、マスクをIRア
ブレーション層に書き込んだ後、感光性印刷用原版にマ
スクを介して化学線を全面照射する。これはレーザシリ
ンダ上において直接行うことが有利である。或いは、版
を、レーザ装置から取り外し、慣用の平板な照射ユニッ
トで照射してもよい。照射工程の間、感光性樹脂層は上
記マスクの形成工程(融除工程)で露出した領域におい
て重合し、一方照射光を通さないIRアブレーション層
によりなお被覆されているIRアブレーション層領域で
は、重合は起こらない。化学線の照射は、慣用の真空フ
レームで酸素を除去して行うことも可能であるが、大気
酸素の存在下に行うことが有利である。
【0039】上記のようにして化学線が照射された版
は、現像工程に供される。現像工程は、慣用の現像ユニ
ットで実施することができ、版の性質に応じて、水、有
機溶剤またはこれらの混合物を使用することができる。
現像の間に、感光性樹脂層の非重合領域及びIRアブレ
ーション層の残留部は除去される。IRアブレーション
層を1種の溶剤又は溶剤混合物でまず除去し、別の現像
剤で感光性樹脂層を現像することも可能である。現像工
程後、得られた印刷版は乾燥させる。版の乾燥条件は、
例えば、45〜80℃で15分〜4時間である。乾燥後
に、幾つかの後処理操作をさらに行ってもよい。例え
ば、印刷版を非粘着性にするために、殺菌灯の照射又は
Br2による処理を行うことができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して本発明を
より具体的に説明するが、本発明は以下に記載の実施例
によって限定されるものではない。
【0041】実施例1 A.蒸着シートの作製 ケミカルマット処理を施したPETフィルム(原反は東
洋紡績(株)製のE5002で厚さ125μm)にポリビ
ニルアルコール(日本合成化学工業製ゴーセノールAH
−12:熱分解開始温度220℃、極限酸素指数22.
5)/プロピレングリコール(旭電化製)/界面活性剤
(第一工業製薬製エパン740)/純水=8.75g/
8.75g/0.01g/332.5gの比率で溶解し
た水溶液をバーコーター#26で塗布し、100℃、3
分間乾燥して、乾燥後の厚みが1μmの塗膜を形成し、
次いで、この塗膜の面に、真空蒸着法により、アルミニ
ウムを約800Åの厚みに蒸着した。この時の吸光度は
3.5であった。この吸光度は積分球付き分光光度計
(日立製U−3210、波長365nm)で測定した。
【0042】B.原版の作製 厚さ100μmのPETフィルム支持体(東洋紡績(株)
製E5002)、感光性樹脂層、ポリビニルアルコール
層およびケミカルマット化PET保護フィルムから構成
される感光性フレキソ印刷版(Cosmolight NEO (東洋紡
績(株)製))のケミカルマット化PET保護フィルムを
剥離し、更に下層のポリビニルアルコール層を感光性樹
脂層から慣用の接着テープを用いて除去した。露出させ
た感光性樹脂層に上記Aで作製したアルミニウム蒸着フ
ィルムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機を用いて
100℃、100kg重/cm2でラミネートし、PE
T支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビ
ニルアルコール層およびケミカルマット化PET保護フ
ィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の
総厚みは1.90mmであった。
【0043】C.IRアブレーションの実施 まず、レリーフ深度を通常用いられる約0.8mmにす
るため上記フレキソ版のPET支持体側から化学線(光
源Philips10R、365nmにおける照度7.5mW/c
2)を20秒間照射することによって、裏露光を実施
し、次にケミカルマット化PET保護フィルム(カバー
フィルム)を剥離した。この時保護フィルム(カバーフ
ィルム)のみが剥がれ、ポリビニルアルコール層とアル
ミニウム蒸着層は感光性樹脂層上に残っていた。この感
光性樹脂層上を10倍ルーペで拡大して観察したとこ
ろ、ポリビニルアルコール層とアルミニウム蒸着層に破
れやキズは認められなかった。この版を、Cyrel Digita
l Imager Spark(BARCO社製)の回転ドラムにポリビニ
ルアルコール層が表側に、支持体のPETフィルムが裏
側なるように巻き付け、真空引き後、ダイオードレーザ
で画像形成を行った。使用した本装置のレーザー出力は
4.8mW、レーザー解像度は2540dpi、レーザ
ースポット径は直径15μmであった。回転ドラムは7
00rpmで回転させた。IRアブレーション後、版を
取り出して10倍ルーペで拡大して観察したところ、問
題なくアルミニウム蒸着層がアブレーションされている
ことを確認した。
【0044】D.製版の実施 上記IRアブレーションした、デジタル画像マスクで覆
われた感光性フレキソ印刷版全面に、化学線を8分間照
射し、その後A&V(株)製現像機(Stuck System)
で、40℃、6分間現像した。現像液には、食器洗剤Ca
scade(米国(株)P&G製)を1%添加した水道水を用
いた。現像工程中、IRアブレーション層の残部(アル
ミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層)および感光
性樹脂層の非照射領域は除去され、化学線の照射領域が
残った。現像後、60℃で20分間乾燥し、化学線で5
分間照射し、最後に表面粘着を除去するため殺菌灯を5
分間照射した。出来上がったフレキソ印刷版を10倍の
拡大ルーペで検査した。カブレ現象は観察されず、2ポ
イントの凸部および凹文字、30μm幅の細線、100
μmの直径の独立点および156lpi、1%網点全て
の試験パターンが正確に形成されていた。
【0045】実施例2 A.蒸着シートの作製 ケミカルマット処理を施したPETフィルム(原反は東
洋紡績(株)製のE5002で厚さ125μm)にシリコ
ーン離型剤(日本工材(株)製NUCシリコーン)を約2
秒間、約20cmの距離からスプレーした。その後、実
施例1と同様にしてシリコーン離型剤のスプレー面に真
空蒸着法により、アルミニウムを約450Åの厚みに蒸
着した。この時の吸光度は2.5であった。
【0046】B.原版の作製 実施例1と同様に感光性フレキソ印刷版(Cosmolight N
EO (東洋紡績(株)製)の感光性樹脂層を露出させ、この
面に実施例2のアルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を重
ね合わせ、ヒートプレス機を用いて100℃、100k
g重/cm2でラミネートし、PET支持体、感光性樹
脂層、アルミニウム蒸着層およびケミカルマット化PE
T保護フィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。
この版の総厚みは1.91mmであった。
【0047】C.IRアブレーションの実施 上記作製した原版に、実施例1と同様にして、裏露光を
実施し、次にケミカルマット化PET保護フィルム(カ
バーフィルム)を剥離した。この時保護フィルムのみが
剥がれ、アルミニウム蒸着層は感光性樹脂層上に残って
いた。また、この感光性樹脂層上を10倍ルーペで拡大
して観察したところ、アルミニウム蒸着層に破れやキズ
は認められなかった。次に、この裏露光後の版に、実施
例1と同様にして、ダイオードレーザで画像形成(IR
アブレーション)を行い、版を取り出して10倍ルーペ
で拡大して観察したところ問題なくアルミニウム蒸着層
がアブレーションされていることを確認した。
【0048】D.製版の実施 この後、実施例1と同様にして、版の全面に化学線を照
射し、さらに現像を行って、出来上がったフレキソ印刷
版を10倍の拡大ルーペで検査したところ、カブレ現象
は観察されず、2ポイントの凸部および凹文字、30μ
m幅の細線、100μmの直径の独立点および156l
pi、1%網点全ての試験パターンが正確に形成されて
いた。
【0049】実施例3 A.蒸着シートの作製 実施例1と同様にして蒸着シートを作製した。
【0050】B.原版の作製 厚さ100μmのPETフィルム支持体(東洋紡績(株)
製E5002)、感光性樹脂層、ポリビニルアルコール
層およびプレーンPET保護フィルムから構成される感
光性樹脂凸版(Printight EF95GC(東
洋紡績(株)製)のプレーンPET保護フィルムを剥離
し、更に下層のポリビニルアルコール層を感光性樹脂層
から慣用の接着テープを用いて除去した。露出させた感
光性樹脂層に上記Aで作製したアルミニウム蒸着フィル
ムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機を用いて10
0℃、100kg重/cm2でラミネートし、PET支
持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビニル
アルコール層およびケミカルマット化PET保護フィル
ム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の総厚
みは1.05mmであった。
【0051】C.IRアブレーションの実施 裏露光をしない以外は、実施例1と同様にして行った。
【0052】D.製版の実施 上記IRアブレーションした、デジタル画像マスクで覆
われた感光性樹脂凸版全面に、化学線を2分間照射し、
その後、日本電子精機(株)製現像機(JEM−A2)
で、25℃、2分間現像した。現像液は水道水を用い
た。現像工程中、IRアブレーション層の残部(アルミ
ニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層)および感光性
樹脂層の非照射領域は除去され、化学線の照射領域が残
った。現像後、70℃で10分間乾燥し、化学線で3分
間照射した。出来上がった樹脂凸版を10倍の拡大ルー
ペで検査したところ、カブレは観察されず、2ポイント
の凸部および凹文字、30μm幅の細線、100μmの
直径の独立点および156lpi、1%網点全ての試験
パターンが正確に形成されていた。
【0053】比較例1 下記表1に示す成分を用いて、カーボンブラック、ポリ
ビニルアルコール(日本合成化学社製ゴーセノールGH
−23、熱分解開始温度220℃、極限酸素指数22.
5)及び可塑剤を含む分散液を調製した。該分散液を、
ナンバー26のバーコーターでPETフィルム(厚さ1
25μm)に塗布し、100℃、3分間乾燥して、水を
蒸発させ、平滑で無粘着の塗布膜(4.1g/m2の塗
布量及び4.8の化学線領域の光学濃度)を得、つまり
IRアブレーション層が設けられたカバーフィルムを得
た。
【0054】
【表1】
【0055】原版の作製 上記作製したIRアブレーション層が設けられたPET
フィルム(カバーフィルム)及び実施例1と同じ感光性
フレキソ印刷版を使用し、ヒートプレス機を用いて約1
00℃、100kg重/cm2でラミネートし、PET
支持体、感光性樹脂層、IRアブレーション層およびP
ETフィルム(カバーフィルム)からなる原版を得た。
次に、得られた原版のカバーフィルムであるPETフィ
ルム(カバーフィルム)を剥がし、実施例1と同様にし
て化学線照射をする前に、IRアブレーション層を10
倍ルーペで拡大して観察すると、一部が破れていたり、
多数のキズが発生していた。さらに、実施例1と同様に
して、化学線照射後、現像したところ、現像液が多量の
カーボンブラックで汚されたため、その現像液を次の版
製造には使用できなかった。また、出来上がったフレキ
ソ印刷版を10倍の拡大ルーペで検査したところ、前記
のIRアブレーション層に発生したキズ等の影響によ
り、所望とする画像以外の微小な凸部や、レリーフの欠
損部が認められ、画像再現性の悪いものであった。
【0056】比較例2 A.蒸着シートの作製 実施例1のアルミニウムを300Åの厚みに蒸着する以
外は全て実施例1と同様に行った。この時の吸光度は
1.8であった。 B.原版の作製およびIRアブレーションの実施 実施例1と同様に行った。 C.製版の実施 実施例1と同様に行ったところ、カブレが発生し、評価
に値するレリーフではなかった。
【0057】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明によれば、カバーフィルムを剥がす際のIRアブレー
ション層の破れやキズの発生を防止できるので、高精度
のマスク形成が可能であり、また、カブレの発生が無
く、高品位の印刷画像が得られる印刷版を得ることがで
きる。また、現像液時の現像液の汚れが少ないので、複
数枚を連続して現像することができる等、産業界に寄与
すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の感光性印刷原版の第1の具体例の模
式断面図である。
【図2】 本発明の感光性印刷原版の第2の具体例の模
式断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 感光性樹脂層 3 IR吸収性金属層 4 有機高分子層 5 カバーフィルム 10 IRアブレーション層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今橋 聰 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA04 AB03 AD03 BH01 DA01 DA40 FA10 2H096 AA06 BA09 BA20 EA04 GA08 2H114 AA01 BA01 GA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも支持体、感光性樹脂層、IRア
    ブレーション層およびカバーフィルムを有する感光性印
    刷用原版において、IRアブレーション層が、IR吸収
    性金属層を含み、当該金属層が感光性樹脂層に接触配置
    され、かつ、IRアブレーション層の吸光度が2.0以
    上であることを特徴とする感光性印刷用原版。
  2. 【請求項2】 IRアブレーション層が、IR吸収性金
    属層と、当該金属層に積層された有機高分子層とを含む
    ものである、請求項1記載の感光性印刷用原版。
  3. 【請求項3】 IRアブレーション層が、IR吸収性金
    属層のみからなる、請求項1記載の感光性印刷用原版。
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