JP2004132989A - 改良された多重吸光度式細管電気泳動システムおよびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マスク又はスリットを使用することなく、多数のサンプルを同時に分析するための多重吸光度式細管電気泳動システムを提供する。
【解決手段】 光源と、細管の平面列と、この光源に対し偏って配置され、かつ、上記細管の平面列とは同軸的、かつ、平行に配置された光検出器とを具備してなる。他の態様において、検出速度を促進させるため、上記細管に真空源が接続されている。
【選択図】図3

Description

 本発明は多重吸光度式細管電気泳動システムおよびその使用方法に関する。
 生物学的および薬学的技術の急速な進歩に伴い、高スループットの分析方法の開発が求められている。例えば、組合せ化学の発展により1日で数百、更には数千の化合物を1つのバッチで合成することが今や可能になった。しかし、このような膨大な数の化合物の特徴づけおよび分析に障害が生じている。平行処理(すなわち、同時多サンプル分析)はスループットを増大させるための自然な方法である。しかし、カラムのサイズ、圧力要求、検出器および静止相物質に関連する制限のため、高多重高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を構築することは非常に困難である。このことは高多重ガスクロマトグラフィー(GC)を構築する場合においても同じである。
 高性能細管電気泳動法(High performance capillary electrophoresis=CE)が、小さな無機イオンから生物学的巨大分子に亘る非常に多種の化合物の分離のための重要な分析手段に急速になりつつある。従来の分離法を行う場合、細管に緩衝溶液を充填し、サンプルをこの細管の一方の端部に充填し、細管の両端を緩衝溶液に浸漬し、大きい電位を細管を横切るようにして適用する。サンプル成分はこの細管を移動する間に電気泳動的に分離される。
 CEは一般の分離、鏡像異性体分離、たんぱく質のペプチドマッピング(図形作成)、アミノ酸分析、核酸分別、酸解離定数(pKa値)の定量測定、オクタノール‐水分配係数(対数Pow値)などに使用される。これら用途に共通するものは細管中の化学種の易動度の測定である。
 CEは、迅速な分析時間、高い分離効率、小さくてよいサンプルサイズ、少量の溶媒消費などの魅力的特徴から、HPLCの代替として、あるいはHPLCに対する相補としてますます使用されている。例えば、細管ゲル電気泳動的の使用は従来のスラブゲル電気泳動と比較してDNA塩基配列決定速度を著しく改善させる。しかし、この速度の改善の1部はスラブゲル法のように1回の操作試験で多数のレーンを収容できないことにより相殺されてしまう。超多重細管電気泳動は、数百又は数千の平行的塩基配列決定操作試験を可能にすることにより、現行のDNA塩基配列決定操作の現在のスループット(処理量)の限界を克服する魅力的アプローチを表している。このシステムは米国特許No.5,582,705(Yeungら)、No.5,695,626(Yeungら)、No.5,741,411(Yeungら)に記載されている。このシステムにおいて、蛍光サンプルは細管内で電気泳動により分離される。レーザが細管の1部を照射するようになっている。サンプル成分がこの細管の照射部分を通過するとき、蛍光が光学的検知器により検知される。
 この蛍光検出法は、高い感度および独特の標識プロトコルにより、DNA塩基配列決定用として適当なものであるが、関係する多くのサンプルは蛍光を発しない。UV吸収検出法は、操作性が簡単で、適用範囲が広いことなどから有用であり、特に有機物質および生物学的に重要な物質の深UV(200-220nm)検出に有用である。UV検出システムにおいて、細管の1部がUV光源により照射される。光検出器が細管を通過する光を検出する。UV吸収サンプル成分が細管の照射部分を通過するとき、光検出器が光の減少(つまり、吸収を示唆する)を検出する。このようにして、電気泳動図、つまり吸光度と時間との関係をプロットしたものが作成される。
 二次元電荷結合素子(CCD)検出器(一方の次元が細管の長さを表し、他方の次元が吸光スペクトルを記録するもの)を使用した細管等電点焦点化システムが文献、Analyst(ケンブリッジ)、120,1567−1571(1995)、WuおよびPawliszynに記載されている。このシステムは2つの細管を用いて使用されるが、3以上の細管を使用することには適していない。なぜならば、このシステムでは細管を互いに離して設置する必要があるからである。第2のCCDデメンションに波長分解能が与えられる代わりに、2つの細管中の等電点焦点化が同時にモニターされる。しかし、発光のための光ファイバーの使用は光強度の低下並びにUV透過の劣化に繋がる。そのため、可視領域の波長のみが或るたんぱく質の検出に使用されている。CCDが非常に小さな電子ウェル容量(約30万電子)を有するが故に、このシステムの検出限界(LOD)は吸収検出における高いショットノイズにより制限されることになる。CCDの使用は1回の露光当たり大量のデータ量を生じさせ、データ速度を15秒当り1フレームに限定させる。更に、利用される画像化走査は密に詰め込まれた細管配列のためには適していない。その理由は、光路を制限するための機械的スリットの存在である。更に、クロストークを回避するため、四角形の細管のみを使用することができる。
 フォトダイオード列(PDA)が多くの市販のCEおよびHPLCシステムで、分析の吸光スペクトルを実時間で与えるために使用される。サンプル流中の単一点から透過された光が格子により分散され、線状フォトダイオード列に亘るようにして記録される。フォトダイオード列を画像化吸収検出器として使用する細管領域電気泳動システムが文献、Anal. Chem.,70,2629-2638(1998)、CulbertsonおよびJorgensonに記載されている。フォトダイオード列中の異なる複数の素子を使用し、1つの細管中の異なる軸方向位置を画像化し、分離の進行を追跡するようにしている。PDAはより大きい電子ウェル容量(数千万の電子)を有するため、吸収度検出についてCCDよりもすぐれている。時間相関積分が信号/ノイズ比(S/N)を向上させるために適用される。
 米国特許No.5,900,934(Gilbyら)には多重システムの同時分析についての吸収度検出アプローチが記載されている。このシステムは連続的出力を提供するために接続された複数の感光性素子を有する光検出器を具備してなる。これらの素子は典型的にはフォトダイオード列(PDA)のピクセルである。これらの素子は光検出器列の少なくとも1部を照らすために配置された光源により照らされるようになっている。この光源はAC又はDC水銀ランプ又はクロマトグラフィ用の他の光源であってもよい。この光源と光検出器列との間に分離用チャンネルの列が配置され、これら分離用チャンネルのそれぞれはルーメンと、サンプル導入端部と、このサンプル導入端部の反対側に配置された検出領域とを有する。この分離用チャンネル列は多重平行細管電気泳動システムである。各関連の分離用チャンネルのための少なくとも1つの孔を有するマスク素子が必要とされる。この各孔は関連の分離用チャンネルに対応し、それにより光源からの光が関連の分離用チャンネルのルーメンを選択的に通過するようになっている。関連の分離用チャンネルのルーメンを通過する光の少なくとも1部は光検出器列の各感光性素子に導入され、関連の分離用チャンネルのサンプル導入端部に導入されたサンプルによる光の吸収が測定されるようになっている。
 このGilbyらによるシステムは、分離用チャンネルに当たる光の量が制限され、PDAに対し、十分な光強度が提供されないという理由で、不利である。更に、孔およびマスク素子を分離用チャンネル、例えば細管と整合させることが、幾つかの理由により困難である。例えば、複数の細管を等間隔で分離させることが困難である。なぜならば、これら細管は一般に同一径でなく、例えば直径公差が著しく異なっている。さらに、例えば、マスク形状寸法が同一の光路を与えず、それにより非直線的応答を生じさせる。更に、マスクが迷光を生じさせることもあり、それにより検出限界を低下させ、隣接する細管からのクロストークを完全に除去することができない。なぜならば、光線は発散し検出素子を避けることができないからである。更に、マスクは、均一性の要求のため、製造することが困難である。更に、Gilbyらによるシステムでは、サンプルとPDAとが余りにも接近して配置され、その結果、迷光およびクロストークを生じさせ、光の最大路長を使用することを不可能にしている。
 PCT特許出願、WO 01/18528A1(Yeungら)には、マスク又はスリットを使用せずに、多数のサンプルを同時に分析するための多重吸光度型細管電気泳動システムが開示され、これは光源と、細管の平面的配列と、検出器とを具備してなり、この検出器は光源と同軸的に配置され、更に、多重細管の平面的配列に対し垂直方向の細管の断面距離の少なくとも10倍の距離を以って細管の平面的配列と同軸的並びに平行に配置されている。
 このYeungらによるシステムは実用可能であるが、欠点もある。すなわち、このYeungらによるシステムにおいては、検出器が光源と同軸的に配置されている。従って、複数の細管間を通過する光および細管中(そしてサンプル中)を通過する光の双方が検出器に当たることになる。複数の細管間を通過する光は関心のないものである。なぜならば、それは何かの測定を表すものでなく、検出器により記録され、関連するソフトウエアにより記録されるピークを提供するのみであるからである。複数の細管間を通過する光は検出器に達しないことが好ましい。
 更に、このYeungらによるシステムにおいて、サンプルの移動速度は理想のものよりも遅い。特に、高電流発生緩衝剤を使用して或る種の分離を行う場合にその傾向が強い。これは以下のような事実によるものである。すなわち、或る種の緩衝剤により発生する高電流は細管列中に過度のジュール熱を生じさせ、これが分離の質および再現性を悪化させるからである。このような場合、操作電圧を低下させる必要があり、分析時間を増大させることになる。従って、このような場合、分析時間を改善させるアプローチが望まれる。
 Yeungによるシステムを使用するYeungらにより記述されている或る用途は、新規ではあるが、全ての分離において、出口および入口貯蔵部について同一の緩衝剤を利用するという事実のために制限される。Yeungは同時に、異なる細管の列において異なる緩衝剤を使用して分離を行っているが、細管の出口端が別々に束ねられ、別々の緩衝剤貯蔵部が各異なる緩衝剤のために使用されている。このアプローチも異なる細管束を手で注射器を用いて充填することを必要とし、これは自動化又は操作容易性の観点からして実際的ではない。
 要約すると、他の多重吸光度型細管電気泳動システムが存在するが、マスク又はスリットのないシステムであって、細管の平面的配列中の細管間を通過する光の多くが検出器に到達することがなく、分離をより早い速度で行うことができ、更に、異なる緩衝剤が異なる細管で同時に、かつ、自動的に検査することができるシステムの必要性が存在する。
米国特許No.5,900,934 PCT特許出願、WO 01/18528A1 文献、Analyst(ケンブリッジ)、120,1567−1571(1995)、WuおよびPawliszyn 文献、Anal. Chem.,70,2629-2638(1998)、CulbertsonおよびJorgenson
 本発明の主たる目的は、改善された多重吸光度型細管電気泳動システムを用いて上記要求を満たすことである。
 本発明のこれらおよび他の目的、特徴および/又は利点は本明細書および特許請求の範囲の記載から明らかになるであろう。
 本発明は多重吸光度型細管電気泳動システムを提供するものである。具体的には、PCT特許出願、WO 01/18528A1(Yeungら)(公開日、2001年3月15日、その全文がここに参照として組み込まれるものとする)に記載されているシステムの改良である。この改良点は3つある。第1に、光源は検出器と同軸的となっていない。これにより検出器に実際に当たる光の大多数が、サンプルを導入した細管を通過するのを確保することができる。第2に、細管内を移動するサンプルの速度が、細管の出口端部に真空を適用することにより増大される。すなわち、速度およびデータ処理が向上する。第3に、単一の共通出口貯蔵部が、異なる出口貯蔵部と関連させた状態で使用される。これにより、動電学的に、又は真空を用いて異なる入口貯蔵部から細管を充填することにより、細管列の異なる細管における異なる緩衝剤の状態を同時に検査することが可能となる。
 前述のように、本発明は吸光度型細管電気泳動システムを提供するものである。本発明のシステムおよび方法は化学種の分離、検出および識別を行うためのものである。
 図1を参照して説明すると、符号10はこの吸光度型細管電気泳動システムを示している。光線14は光源12から発生し、コリメータレンズ16、細管20の平面列、フラット・フィールド(平坦視野)レンズ22および光学フィルター24を通って検出器26に集められる。アレイブロック18は細管20を所定位置に保持させるためのものである。
 光源12からの光発生領域と細管20の平面列との間の距離は本発明の実施において特に微妙なものではない。しかし、この距離が小さければ小さいほど、細管20の平面列により、より多くの光が受理されることになる。更に、細管20の平面列が受理する光の量が多ければ多いほど、検出感度がより敏感になる。他方、この距離が大きければ大きいほど、細管20の平面列により受理される光はより均一になる。
 好ましくは、細管20の平面列と、検出器26と間の距離は、細管20の平面列の面に対し垂直方向の細管20の断面の径の少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも100倍となるようにする。重要な点は、この距離が細管20の平面列全体を可視可能であり、焦点が合っていることである。すなわち、細管20の平面列と、検出器26と間の距離は、約1ないし100cmであることが好ましく、より好ましくは約3ないし40cm、最も好ましくは約20ないし40cmである。
 本発明は、WO 01/18528A1(Yeungら)に記載の発明と次の点で異なる。すなわち、光源12からの光発生領域が検出器26と同軸的ではなく、軸をはずして配置されていることである。図2Aは従来技術(Yeungら)を示し、ここでは光源12からの光発生領域が検出器26と同軸的となっている。しかし、図2Bでは、光源12からの光発生領域が検出器26と非同軸的に配置されている。同軸整合を利用する場合は、光源12からの光発生領域、コリメータレンズ16、細管20の平面列、フラット・フィールド(平坦視野)レンズ22および検出器26が全て、共通軸上に配置されている。この配置において、光源12からの光は殆どが、この配列の細管20内をそのまま、又は細管20間を通過するか、あるいは細管20の壁面により屈折するか、吸収されることになる。その結果、検出器(直線的フォトダイオード列、図4A)26上に観察されるパターンは、細管20間を通過した光からの高い強度のピークと、細管20内をそのまま通過した光からの低い強度のピーク(所望の信号)とからなるものである。これら2つのタイプのピークは細管20の壁面に対応する極小点により分離されている。
 非同軸(オフアクシス)整合の場合、光源12からの光発生領域は、他の光学的成分から移動し若干、軸外れとなる。光源12を移動させる結果得られる有意な点は、配列の細管20相互間を通過する光からの検出器26に対する信号が著しく減少することである(図4B)。その結果、細管20内を通過する光のみが検出器26により有意に観察されることになる。
 フラットフィールド(平坦視野)レンズ22の中心、コリメータレンズの中心および光源12からの光発生領域の中央により形成される角度をここではオフセット角と定義される。例えば、軸上(オンアクセス)整合において、このオフセット角は180°である。軸外れ(オフアクセス)整合において、このオフセット角は180°より小さく、135°より大きい。好ましくは、このオフセット角は180°より小さく、160°より大きいものとする。
 配列の異なる細管20の同時検出を検出器26を用いて行う場合、オフアクセス光源12整合がオンアクセス配置よりも可なりすぐれたものとなる。その理由は以下の事実によるものである。すなわち、各細管20内部を直接通過する光のみが、オフアクセス配置を用いて検出器26に観察される評価し得る信号となるからである。従って、配列の種々の細管20に対する個々の画素の自動的選択および割当てが可能となる。
 対照的に、オンアクセス配置を用いる場合、細管20相互間を通過する光も加えて検出器26に観察されることになる。このような場合、配列の細管20相互間を通過する光が配列の細管20内部を直接通過した光と誤って認識される虞があり、そのため検出器26の異なる画素に対する細管20の自動割当ての適用が複雑となる。
 本発明は、WO 01/18528A1(Yeungら)に記載の発明と次の点でも異なる。すなわち、細管20の出口端が単に緩衝溶液に浸漬されるのでなく、細管20の出口端が緩衝溶液に浸漬されかつ、ポンプなどの真空源と操作自在に接続されることである。分離の間、電圧に加えて真空を適用することにより、分離のため単に電圧のみを使用するものと比較して、分析時間を可なり短縮することができる。実施例2,3にて実証されているように、真空の補助により、細管20を通過するサンプルの移行時間を著しく減少させることができる。
 図3は、真空介在細管電気泳動の好ましい機構を示している。説明を簡素化するため、細管20は1個のみ示されている。細管20の入口端部が、入口緩衝液トレイ30内の緩衝溶液中に浸漬されている。この入口緩衝液トレイは1ないし96個の別々の貯蔵部からなっている。これらは配列の細管20と結びついている。入口緩衝液トレイ30の上には、細管20が回路基板32により支持されている。回路基板32にて細管20に対し電気的接続がなされている。細管20はついで、配列ブロック18を通過し、ついで取付部材34に導入され、この取付け部材34は貯蔵部マニホルド36に接続されている。細管20の出口端は貯蔵部マニホルド36に気密封止が生じるようにして固定され、それにより細管20に対し加圧又は真空が適用されるようになっていて、更に、細管20の端部が貯蔵部マニホルド36中の出口緩衝溶液と接触がなされるようになっている。貯蔵部マニホルド36内部において、第2の電気的接続が細管20に対してなされ、全ての細管20が1つの出口チューブ38に組み合わされている。この出口チューブ38は他の取付け部材34を介して貯蔵部マニホルド36から導出されている。この出口チューブ38は圧力変換機を通過し、真空ポンプ44に接続された多ポート弁42に供給されている。ここでは、多ポート弁42は必須のものではない。真空ポンプ44は貯蔵部マニホルド36に直接接続させてもよい。多ポート弁42は緩衝溶液の選択のためにのみ使用される。この真空ポンプは低いレベルの真空を与えるものが好ましい。適当な真空ポンプの例としては、シリンジポンプ、ダイアフラムポンプなどが挙げられる。特にシリンジポンプが好ましい。なぜならば、プランジャーの移動速度および距離がコンピュータにより正確に制御することができるからである。プランジャーを小距離だけ引いたとき、小さなレベルの真空が形成される。ついで、出口チューブ38は多ポート弁42から連続し、廃棄物容器46で終わる。通気チューブ50は通気弁48を貯蔵部マニホルド36に接続させる。操作において、緩衝溶液がこのシステムを介して入口緩衝液トレイ30からシリンジへ、いっぱいになるまで連続的に注入され、ついで廃棄物容器46に導入される。その間、通気弁48は閉じた位置におかれる。圧力変換機40からの出力信号がコンピュータによりモニターされ、従って、真空度が連続的にモニターされる。真空度が設定レベル、例えば−0.1psiを超えたとき、コンピュータにより真空ポンプが停止される。しかし、細管20から貯蔵部マニホルド36への溶液の移動のため、真空度が設定レベルよりも低下したとき、コンピュータにより真空ポンプの駆動が開始され、適当な真空度が保たれるようになっている。従って、貯蔵部マニホルド36に対する一定の真空度が分離の全過程において維持される。貯蔵部マニホルド36に接続されている全ての細管20は同一の真空レベルに向き合うことになる。この場合の好ましい真空レベルは−0.01ないし−2psiである。この真空レベルが高すぎると、サンプルが細管20の検出側へ余りにも急速に移動し過ぎて適当な分離を得ることができない。
 本発明の他の新規な特徴は、各細管20およびそれに関連する入口貯蔵部において異なる緩衝液を使用することができることであり(例えば、96個の細管および96個の別々の入口貯蔵部が使用される場合、96までの異なる緩衝液を使用することができる。)、これには単一の共通出口貯蔵部マニホルド36が設けられる。出口貯蔵部マニホルド36は最初に共通の緩衝液又は水で満たされる。ついで、個々の細管20には、その入口側から電気泳動的に、又は真空を適用することにより緩衝液で満たされる。共通貯蔵部マニホルド36と関連させて異なる細管20に異なる緩衝液を使用することにより、試薬コストを実質的に減少させることができる。なぜならば、高価な緩衝液添加剤は、入口緩衝液トレイ30にのみ添加すればよいからである。配列中の異なる細管20にて異なる緩衝液を使用して分離を同時に行うため、このアプローチを成功裏に実施し得たのはこれが最初である。このアプローチはCE法(実施例4)の発展を実質的に加速させるのに特に有用である。なぜならば、殆どの場合、pH、イオン強度、緩衝用塩を変えたり、他の添加剤を使用することにより、分離のための緩衝条件を最適化し、満足な分離が行われるようにしなければならないからである。更に、このアプローチによって、最適なキラルセレクター添加剤の迅速な選択(実施例5)およびpKa値の決定(実施例2)に利益がもたらされるであろう。
 上記貯蔵部マニホルド36は好ましくは不活性物質から形成される。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどを使用することができる。
 なお、“細管”20とは、少なくとも3以上、好ましくは少なくとも約10以上、より好ましくは少なくとも約90以上、更に好ましくは、ここに記載されたシステムにより収容することができる程度のできるだけ多数の細管を意味するものである。細管20は光が光源12から、光源12に対向する細管20の壁面を通り、細管20中のサンプルを通り、更に検出器26に対向する細管20の壁面を通って通過するのを許容することになる。すなわち、細管20の壁面は透明であることが好ましいが、或る場合には半透明であってもよい。また、細管20の壁面の少なくとも1部が光源12からの光の透過を可能にし、細管20中のサンプルが照射され、吸収種およびサンプルにより吸収されなかった光が検出器26により検知し得るものであれば、細管20の壁面の全体が上述のように光源12からの光の透過を可能にするものであることを必ずしも必要としない。
 一般に、細管20は表面が円滑であり、肉厚が均一であり、吸光度が検出、測定されるサンプル中の吸収種により吸収される光の波長範囲の亘って透明な材料からなるものであることが望ましい。細管20の好ましい材料の例としては、プラスチック、石英、溶融シリカ、ガラスなどを挙げることができるが、これらに限定されるものでもない。細管20の断面サイズについては本発明では特に厳密である必要はない。しかし、細管20の断面が小さければ小さいほど、高多重用としての細管20の使用においてはより有用である。なぜならば、より多数の細管20を、より小さい空間内にて使用することが可能になるからである。同様に、細管20の肉厚については本発明では特に厳密である必要はない。すなわち、この肉厚は細管20の構造的一体性が維持し得る厚みのものであればよいが、細管20を通過する光の透過に悪影響が及ぶような厚いものであってはならない。細管20の形状については本発明では特に厳密である必要はない。すなわち、細管20は任意の適当な形状のものであってよい。しかし、細管20の好ましいサイズおよび形状は、外径が150μm、内径が75μmで、円形のものである。好ましくは、細管20の形状は密に充填することができ、容器による迷光の発生を抑制し得るものとする。細管20の好ましい長さは約10cmないし200cmである。
 細管20は、例えばPolymicro Technologies Inc., Phoenix, AZなどから入手することができる。細管20は好ましくは、ポリイミドなどのポリマーで被覆し、機械的に安定なものとする。この塗膜は光源12により照射される領域では除去されなければならない。このポリマーコーティングを除去するのにエキシマーレーザーを使用することができる。
 平面配列中の細管20は、互いに接近して、実質的に平行に配列されていることが好ましい。隣接する細管20はその長さに沿ってその全体又は一部が物理的に互いに接触していてもよい。しかし、配列の細管の径、その他の様相に僅かな不一致があるとすると、その全長に亘って接触させることが不可能になるであろう。細管20の平面列は堅く装着されていることが好ましく、それにより揺れ動き音の発生を抑制するようにする。
 電気泳動的分離に必要な電位については、本発明では特に厳密である必要はない。一般的な電位の範囲は5,000ないし30,000Vの範囲である。
 この方法の実施に際し、多量の熱が発生した場合、特に細管20の平面列の近傍で発生した場合、冷却手段を使用して熱の放散を図る必要がある。過度の熱は隣接する細管20相互間の機械的振動につながり、それが過剰のノイズにつながることがある。ファンを用いて細管20を冷却してもよい。
 検出器26は吸光を検出し得る任意の手段からなるものであってよい。好ましくは、検出器26は複数の吸収検出素子、例えば複数の感光性素子からなり、直線状に配置されることが好ましい。しかし、2次元画像列検出器を使用することもできる。好ましくは、検出器26は細管20の直線的配列と平行、かつ、インラインとなるようにして配置される。検出器26は堅く装着されていることが好ましく、それにより揺れ動き音の発生を抑制するようにする。
 好ましくは、検出器26は直線状フォトダイオード(PDA)である。好ましくは、このPDAは、リニアーイメージセンサーチップと、ドライバー/アンプリファイアー回路と、温度コントローラーとを具備してなる。この温度コントローラーは好ましくはセンサーチップと熱電気的に冷却し、これを約0°Cないし−40°Cに維持させる。温度を下げることにより、ダークカウントが引き下げられ、温度の揺れを抑制することができ、広い力学的範囲において信頼性の高い測定を可能にする。ドライバー/アンプリファイアー回路は、好ましくはI/Oボードを介してコンピュータと面して設けられる。これは更に、パルス発生器としても作用し、マスタークロックパルスおよびマスタースタートパルスを提供する。これらはリニアーイメージセンサーにより必要とされる。PDAは画像を2次元的でなく、直線的に記録する。好ましくは、得られたデータは実時間でハードディスクに直接、書き込まれる。好ましくは、少なくとも10個のPDAの素子からの信号が実時間で表示されるようにする。
 好ましくは、このPDAは、直線状に整合された画素を有し、その場合、各細管は約10未満の個数の画素、より好ましくは約7ないし9個の画素と光学的に結合し、これら画素の幾つかは細管の壁面に結合し、少なくとも1つは細管のルーメンに結合している。画素に光が当てられたとき、入射光の強度に比例した電子信号を発生する。
 光源12は約180nmないし1500nmの範囲の波長の光を発生するものが好ましい。適当な光源12の例としては、水銀ランプ(紫外光(UV)吸収のため)、タングステンランプ(可視光吸収のため)、ヨウ素ランプ(紫外光(UV)吸収のため)、亜鉛ランプ(紫外光(UV)吸収のため)、カドミュームランプ(紫外光(UV)吸収のため)、キセノンランプ(紫外光(UV)吸収のため)、重水素ランプ(紫外光(UV)吸収のため)などがある。好ましくは、光源12は対象の種により吸収される光の波長を発生するものが好ましい。どの波長の光が対象の種により吸収されるかの判定は、標準の吸光スペクトロメータを用いて行うことができる。その他、このような情報を提供する分光表も市販されている(例えばNational Institute of Science and Technology)。好ましくは、検出又は測定されるべき或る種について最大吸収波長の光を選択し、より小さい量の吸収種が検出できるようにすることが好ましい。光源12は点の光源であってもよい。更に好ましくは、光源12は約0.5mWないし50 mWの範囲の出力を有するものを選択する。
 光学フィルター24は好ましくは細管20の平面列と検出器26との間に配置される。光学フィルター24は外部からの迷光が検出器26に到達するのを防止する。光学フィルター24は光源12からの波長の光又はその近傍の波長の光を通過させ、他の波長の光を阻止する。
 平坦視野レンズ22は好ましくは細管20の平面列と検出器26との間に配置される。平坦視野レンズ22は、各サンプル中の1又はそれ以上の吸収種により吸収されなかった光を検出器26と結合させる。平坦視野レンズでない他のレンズも本発明で使用できるが、全視野に亘り均等に画像化できない点で不利である。その結果、視野のエッジ部が歪められ、視野のエッジ部に配置されている細管20の吸収を検出ないし測定することができない。平坦視野レンズ22は平面列の画像を検出器26の前面に反転させる。
 コリメーターレンズ16は光源12と細管20の平面列との間に配置されることが好ましい。コリメーターレンズ16は光源12からの光を焦点化させ、細管20をより効率的に照射させる。
 サンプルを任意の適当な方法により、多重細管20の平面列中の各細管20中に導入させることができるが、サンプルを圧力、重力、真空、毛管作用又は電気泳動作用を利用して細管20中に導入させることが好ましい。
 上述の部材は迷光を実質的に、好ましくは完全に排除されるように配置される。この場合、2種類の迷光がある。その1つは、側壁および内部ルーメンを有する細管20から生じるグレアである。他のものは、他の細管20の存在によりもたらされるものである。この種の迷光は“クロストーク”と呼ばれるものである。このクロストークは基本的には他の細管20から生じるグレアである。従って、サンプルと平坦視野レンズ22との間に十分な距離を確保し、この2種類のグレアを実質的に、好ましくは完全に排除する必要がある。この距離を増大させることによる迷光の減少により容器からのグレアの殆どを除去することができる。このグレアは容器中の総吸収物質を測定することにより検査することができる。何らかの光が検出された場合、それはグレアによるものである。
 好ましくは、生のデータセットを単一ダイオード電気泳動図に抽出させ、検出器26で収集された透過光強度を、連続的ブランク基準(対照)として緩衝液のみを収容する細管20を用いて吸光度の値に変換させることにより分析する。その他、5個、好ましくは3個の隣接するダイオードを配列の各細管20に対し合計し、全光強度を増大させてもよい。電気泳動図中の二乗平均ノイズが、分析ピーク1つに近いベースラインの1部を用いて得られる。信号を歪めることなく、数学的スムージングを用いてノイズを可なり減少させることができる。これに関連して、できるだけ高いデータ取得割合を用いて、スムージングのためのより多いデータ点を提供するようにする。種々のアルゴリズム、例えば二項式スムージング、ボックスカースムージング、Savitzky-Golayスムージングなどが好ましい数学的スムージングとして用いることができる。
 以下の実施例は単に説明のものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
 (検出器出力と、検出器に対しオンアクセスおよびオフアクセスで配置された光源との比較)
 図4Aは光源を検出器に対しオンアクセスで配置させたときの検出器出力を表している。X軸はPDAの個々のフォトダイオード(1画素=1ダイオード)を示している。Y軸は測定された光強度を示している。10個の細管が、選択された100−画素ウインドウ内で観察される。最も高い強度の曲線的ピークは細管間の間隙を通過する光に対応し、より小さいピークは細管内を通過する光に対応する。最小点(谷部)は細管の壁面を通過する光に対応する。
 図4Bは光源を検出器に対しオフアクセスで配置させたときの検出器出力を表している。X軸はPDAの個々のフォトダイオード(1画素=1ダイオード)を示している。Y軸は測定された光強度を示している。11個の細管が、選択された100−画素ウインドウ内で観察される。このような整合において、各強度ピークは配列の単一の細管を通過した光に相当する。細管間の間隙を通過する光は著しく減少している。このような整合において、細管を通過する光に対応するピークを識別することが特にソフトウエアプログラムにとって可なり容易となる。なぜならば、細管間の間隙を通過する光に対応する大きいピークがないからである。
 (真空補助の有無での、移行時間および安息香酸のpK分析の比較)
 薬剤化合物のpK値は薬剤の発見にとって基本的に重要である。このpK値は、或る化合物の可イオン化化学的官能性が50%イオン化されたときのpH値であり、分子の重要な物理化学的特性であって、その溶解度、会合、錯化、生物学的活性などに影響を与える。対数Pow値と同様に、開発プロセスの初期において、薬剤化合物をそのpK値について検査することを高く望まれる。多重波長UV分光分析法およびpH2−12からの線状pH勾配(文献、Analytica Chemica Acta 434,157-167(200))を使用する最近の分光分析法は1日当たり300種の化合物のpK値を検査することができる。しかし、その方法は初期の薬剤発見でしばしば存在するサンプルの不純物を分別することができず、分子の異なるイオン化状態が異なる分光特性を有していることを必要とし、そのような特性は常に満たされるとは限らない。反対に、CEは分離方法であるから、不純物を所望の化合物から分離することができ、分子の分光差を必要としない。なぜならば、CEにおいては、化合物の電気泳動的運動性のみがpHの関数として測定されるからである。
 CEによるpK値を検査するための現在の方法は、単一細管を使用するアプローチであり、分離を助けるため圧力を追加したとしても、1つの化合物についてのpK値を判定するのに15−60分を要している。本発明は、この単一細管使用アプローチと比較してスループットを実質的に向上させる(現在、96細管アレイにおいて、1時間当たり16種の化合物)。このスループットの増加は、配列中の異なる細管において異なるpHの緩衝液を使用し、全pH範囲を同時に検査するようにしたことによる結果である。本発明の上記真空補助を用いて異なるpHの緩衝液が異なる細管中に導入される。
 図5は安息香酸のpK分析値(文献のpK値:4.18)を、配列中の異なる細管に異なるpHの緩衝液を使用して得た結果を示している。96細管アレイを使用し、8x12マトリックスの異なる緩衝液をこのアレイに注入することにより、8種までの異なる化合物を12の異なるpH値で検査することができる。図5Aおよび図5Bの双方において、12の電気泳動図を同時に得られた。図5Aおよび図5Bの双方のサンプルは200ppmの安息香酸の水溶液で、0.1容量%のジメチルスルホキシドを中性マーカー(星印で表している)として含むものからなる。安息香酸はこのpH範囲の多くにおいて少なくとも部分的に負に荷電されている。従って、DMSO中性マーカーの後に移行する。各電気泳動図はpH2.33ないし10.21の範囲の異なる緩衝液を含む配列中の異なる細管に対応している。12の成分緩衝液シリーズが使用された。これら全ての緩衝液は20mMのイオン強度を有するように作成され、pHの順で記載すると、燐酸塩、クエン酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、2−(N-オルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N−(2-アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、2−[(2-ヒドロキシー1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ] エタンスルホン酸(TES)、[(2-ヒドロキシー1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1− プロパンスルホン酸(TAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、および3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)となる。
 細管は最初に、イオン強度20mMのホウ酸塩緩衝液をpH9.0で充填され、ついで、−1.0psiの真空を用いて入口トレイから異なるpHの緩衝液で10分間満たされた。同じ96細管アレイ(75−μmI.D, 150−μmO.D,有効長40cm;全長60cm)が双方の分離に利用された。サンプルは−0.3psiで8秒間、真空注入された。分離は15kVで真空補助なしで40分間(図5A参照)、−0.4psiの真空補助で10分間行われた(図5B参照)。
 図5Aは真空補助なしで、pH2.3ないし10.21の範囲について得られた電気泳動図である。安息香酸についての移行時間がpH4ないし8の中間範囲で極めて長く、pH4.5ないし7の範囲では安息香酸が40分以内で観察されない。これは低いpH値で強いEOPが欠けているためである。従って、酸性pK値判定のためのこのCE技術(真空補助なし)の適用性が制限されることになる。
 図5Bは、分離のため−0.4psiの真空補助を用い、同一条件で安息香酸について得られた電気泳動図を示している。分析時間がほぼ5分と著しく減少し、安息香酸についてのpK値の判定も電気泳動運動性をpHの関数としてプロットすることにより良好に行うことができた。S字状プロットの屈曲点がpK値に相当する。これは臨床的に関連する(pH2−10)範囲に亘ってpK値を良好に判定するためには、分離に際し真空補助が必要であることを実証するものである。異なる細管に異なるpHの緩衝液を供給させることにより、単一細管による連続的アプローチと比較してスループットが実質的に改善される。
 (真空補助の有無での、対数Pow分析における移行時間およびピーク形状の比較)
 この実施例は薬剤化合物の親油性判定に電気泳動運動性を補助するために真空の使用の必要性を説明するものである。相対的薬剤親油性は、オクタノール・水分配係数(対数Pow値)に殆どの場合、相関する。なお、このオクタノール・水分配係数は、1−オクタノール相と、水相との間の化合物の平衡濃度比として定義される。対数Pow値は、細胞膜を通過する薬剤の輸送特性を予測するのに使用され、定量的構造活性相関に適用されている。医薬工業では、医薬開発初期において有望な薬剤化合物の物理化学的特性を判定し、その情報に基づいて医薬発見の成功に役立てようとする傾向がますます盛んになっている。従って、組合せ方法を使用しての有望薬剤の合成の急速な発展を考慮したとき、物理化学的特性、例えばPow値およびpK値を迅速に予測する分析的アプローチに対する要望は非常に大きいことが理解できよう。
 Pow値は、マイクロエマルジョン・ラニング緩衝液中での薬剤の電気泳動運動性を2つの基準化合物との対比で測定することにより見積ることができる。最初の基準化合物(DMSO)は電気浸透流れ(EOF)およびマイクロエマルジョンに組み込まれていない化合物の移行時間を記録する。末端基準化合物(ドデシルベンゼン)はマイクロエマルジョンの移行時間を記録する。これらの移行時間を使用することにより、医薬化合物の容量因子を計算することができ、これはその対数Pow値に変換される。図6Aは、0.25容量%のジメチルスルホキシド(DMSO)と、600ppmのカフェインと、0.08容量%のドデシルベンゼンを含むサンプル混合物について得られた移行時間対吸光度のプロット(電気泳動図)を示している。より小さい移行時間(約7分)を有するピークはDMSOである。より長い移行時間(約9分)を有するピークはカフェインである。ドデシルベンゼンに相当するピークははっきりとは見えない。サンプルはラニング緩衝液中に溶解され、−0.2psiの真空度を用いてラニング緩衝液を含有する細管中に10秒間、導入される。このラニング緩衝液は、8.16%の1−ブタノール、1.19%のn−ヘプタン、3.31%のドデシル硫酸ナトリウムおよび87.34%の68mM3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸を含むマイクロエマルジョン溶液(pH:10.3)であった。マイクロエマルジョン緩衝液により発生する比較的高い電流は、以下のようなものであった。すなわち、細管中におけるジュール熱の作用を抑制するために低いランニング電圧(6kV)を使用し、その結果、ゆがんだピークが生じ、許容できないほどの長い分析時間を要した。末端基準化合物(ドデシルベンゼン)は、これらの条件下では明確に可視化されなかったが、ほぼ55分で移行した。これはドデシルベンゼン移行時間が余りにも長すぎて、ピーク形状が乏しいものになるという事実によるものである。
 図6Bは分離を補助するため−0.05psiの真空度を適用して同一の分離を行った例を示している。最も小さい移行時間(約7分)を有するピークはDMSOである。中間のピーク(約8分)はカフェインであり、最も長い移行時間を有し、より広いピーク(約17分)のものはドデシルベンゼンに対応する。これらのピークは真空補助により、非常にシャープとなり、ベースラインは図6Aのものよりもノイズが少なく、末端ドデシルベンゼン基準化合物が可視化され、対数Pow判定が可能になった。よりシャープなピークにより移行時間のより正確な選択が容易になり、分析の正確性が改善される。重要なことは、全分析時間が1時間から20分未満に減少されたことである。96種までの別々の化合物(96細管アレイにおいて)を、上述の細管アレイを用いてそれらの各対数Pow値について同時に検査することができ、従って、本発明の真空補助システムにより提供される全体的により高いスループットは薬剤発見にとって極めて有益である。
 (本発明の使用によるCE分析法展開時間の実質的減少)
 この実施例は、本発明の使用によりCE分析法展開時間が可なり減少されることを実証するものである。殆どの分析技術と同様に、CEにおいて、分析法を最適化し、可能な限り最も短い分析時間でデータの質を可能な限り高くする必要がある。CEの場合、最もしばしば、それにはランニング緩衝塩および添加剤濃度の最適化並びにpHおよびイオン強度の最適化が含まれる。この実施例において、6つの異なる可能なランニング緩衝液の内のどれが最良の分解を与えるかを評価する時間が可なり減少される。それが可能な理由は、このシステムがオペレータにとって、異なる分離条件を単一の試験で同時に検査することを可能にするからである。図7はこの概念を実証するものであって、この場合、共通する出口貯蔵部がホウ酸塩緩衝液を収容し、他方、6種の異なるランニング緩衝液が、96−細管アレイの16の細管にそれぞれ充填される。96の細管の全ては最初に50mMホウ酸塩緩衝液(pH:9.0)で満たされ、その後、6種の異なる緩衝液が、15分間に亘り15kVの電圧を用いて電気泳動的にアレイの16の細管にそれぞれ充填される。このサンプルは、カフェイン、4−アセトアミドフェノール、2−アセトアミドフェノールおよびアセチルサリチル酸(移行のため)をそれぞれ250ppm含む混合物を含有している。このサンプルは真空度−0.3psiで10秒間、注入される。この分離は15kVの電圧で行われる。この緩衝液は次のような門である。すなわち、緩衝液1は、50mMのホウ酸(pH:9.0)であり;緩衝液2は、45mMのホウ酸(pH:9.0)で10%のメタノールを含むものであり;緩衝液3は、25mMのホウ酸(pH:9.0)と、25mMのSDSを含むものであり;緩衝液4は、25mMのホウ酸(pH:9.0)と、25mMのSDSと、10%のメタノールを含むものであり;緩衝液5は、25mMのホウ酸(pH:9.0)と、50mMのSDSを含むものであり;緩衝液6は、25mMのホウ酸(pH:9.0)と、50mMのSDSと、10%のメタノールを含むものである。6種類の異なる緩衝液の分離効率が同時にモニターされる。96までの異なるランニング緩衝液が1回の試験で潜在的に評価し得ることを容易に理解できる。
 図7は96細管アレイの各細管からの結果を表している。図7は、最も良好なランニング緩衝液についての判定に必要な試験の数を、6回の分離を行うのに必要な時間から1回の分離を行うのに必要な時間に減少されたことを示すものである。この実施例では、緩衝液1が最も良好なランニング緩衝液として選択された。緩衝液3,5および6は分析物を完全に分解することができなかった。緩衝液2および4はメタノールを含み、良好な性能を与えることができなかった。全体として、最良の方法を選択する時間を、このアプローチを用いて数時間から数分に減少された。
 (キラル分析の最適化を迅速にするための本発明の使用)
 この実施例は、本発明の使用が、鏡像異性体分離を生じさせるための最適キラルセレクターの迅速な判定を可能にすることを実証するものである。細管電気泳動は、鏡像異性体分離を行うために高価で、特別なカラムを必要とする従来のキラル液体クロマトグラフィ法アプローチと比較して、幾つかの実質的利点を提供する。CEにおいては、単一のユニバーサルカラムを使用することができ、分離を達成するために種々のキラルセレクターが背景電解質に添加される。ユニバーサルキラル分解剤が存在しないから、最良のセレクターが判定されるまで、多数のセレクターを連続的に評価しなければならない。これらのキラルセレクターは非常に高価であり得る。使用されるセレクターの数並びに最良のセレクターを選択するのに必要な時間を少なくすることにより、キラル分析のための総コストを可なり減少させることができる。
 この実施例では、25mMの燐酸および15mMのトリエチルアミンからなる低コストランニング緩衝液(pH:2.5)を、共通出口貯蔵部に収容するとともに、細管中に最初に充填する。3つの異なるキラルセレクター、α−、β−およびγ−硫酸化シクロデキストリンを含むランニング緩衝液を、本発明の真空補助装置を用いて96細管アレイの異なる細管に注入し、同時に評価した。この実験では、上記配列の24個の細管のみがセレクターを含み、他の細管は出口緩衝液のみを含むものであった。4種類の異なる分析物、すなわち、アルプレノール、p−クロロアンフェタミン、イソプロテレノールおよびメトプロロールのための異なるキラルセレクターの使用により分離効率が図られている。これら種々の分析物は250ppm濃度とし、真空度−0.3psiで8秒間、注入させた。この分析のため−5.5kVの電圧が使用された。細管の寸法は、内径が75-μm、外径が150-μm、有効長さが28cm、全長が52cmであった。
 表1は、鏡像異性体解像度(Rs)および全移行時間2ついてのデータを要約したものである。明らかなように、各化合物について、少なくとも1つのセレクターが25分未満以内に鏡像異性体解像度(Rs>1)が与えられた。1時間以内にピークが観察されない場合は、キラルセレクターと分析物との間の相互反応が弱すぎて分析物に対し全運動性が与えられなかったものと推定した。このアプローチは、どのキラルセレクターが適当であるかを判定する時間を可なり減少することができ、数回の異なる分離実験を行う必要性を回避することができる。このアプローチを使用することにより、多数の異なる型のセレクターの相対的鏡像異性体選択性を同時に検査することができ、コストの低減を図ることができる。
Figure 2004132989
 上記実施例から明らかなように、本発明は上記目的の全てを達成することができ、オフアクシス設定、真空の使用、共通出口貯蔵部の使用によるテスト細管での異なる緩衝液の同時試験の実現、などは全て、基本のYeungのテストシステムを超えた改善となる。勿論、このシステムの多少の変更、その操作方法の多少の変更なども本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなし得るであろう。
吸光度型細管電気泳動システムを模式的に示す斜視図である。 検出器と同軸に配置された光源を模式的に示す平面図である。 本発明に従って検出器と非同軸に配置された光源を模式的に示す平面図である。 本発明の真空補助システムを有する構成を模式的に示す斜視図である。 比較のため、検出器と同軸的に配置された光源を用いた場合の、検出器出力を示すグラフ図である。 本発明に従って検出器と非同軸に配置された光源を用いた場合の、検出器出力を示すグラフ図である。 真空装置を用いない場合の、安息香酸の移動時間を緩衝剤pHの関数として示すグラフ図である。 真空装置を用いた場合の、安息香酸の移動時間を緩衝剤pHの関数として示すグラフ図である。 真空装置を用いない場合の、DMSO、カフェインおよびドデシルベンゼンの分離を示すグラフ図である。 真空装置を用いた場合の、DMSO、カフェインおよびドデシルベンゼンの分離を示すグラフ図である。 異なる緩衝液中でのカフェイン、4−アセトアミドフェノール、2‐アセトアミドフェノールおよびアセチルサリチル酸の分離を示すグラフ図である。
符号の説明
 10 吸光度型細管電気泳動システム
 12 光源
14  光線
16 コリメータレンズ
18 アレイブロック
 20 細管
 22 平坦視野レンズ
 26 検出器

Claims (59)

  1. マスク又はスリットを使用することなく、多数のサンプルを同時に分析するための多重吸光度式細管電気泳動システムであって、
     細管の平面列と;
     該細管を通過する光を検出するため、該細管の平面列を可視可能で、かつ、該細管の平面列と焦点が合う距離を以って、該細管の平面列と同軸的、かつ、平行に配置された光検出器と;
     該細管の平面列中の細管間を通過する光の大部分が該光検出器に到達することがないようにして該光検出器と関連させて配置された光源と;
     を具備してなることを特徴とするシステム。
  2. 該光検出器が、該細管の平面列に対し垂直方向の細管の断面距離の少なくとも10倍の距離を以って配置されている請求項1記載のシステム。
  3. 該光源が該光検出器との関連で偏って配置されている請求項1記載のシステム。
  4. 該光源の該光検出器に対する偏りが135°ないし180°の範囲内である請求項3記載のシステム。
  5. 該光源の該光検出器に対する偏りが160°ないし180°の範囲内である請求項3記載のシステム。
  6. 上記距離が約3cmないし約40cmである請求項1記載のシステム。
  7. 該細管の平面列が、少なくとも約10本の細管を有する請求項1記載のシステム。
  8. 該細管の平面列が、少なくとも約90本の細管を有する請求項1記載のシステム。
  9. 該光検出器が直線状フォトダイオード列である請求項1記載のシステム。
  10. 該光源が約180nmないし約1500nmの範囲の波長の光を発生させるものである請求項1記載のシステム。
  11. 該光源が約0.5mWないし約50mWの範囲の出力を発生させるものである請求項1記載のシステム。
  12. 該細管の平面列と、該光検出器との間に光学フィルターを更に配置させてなる請求項1記載のシステム。
  13. 該細管の平面列と、該光検出器との間にフラットフィールドレンズを更に配置させてなる請求項1記載のシステム。
  14. 該光源と、該細管の平面列との間にコリメータレンズを更に配置させてなる請求項1記載のシステム。
  15. マスク又はスリットを使用することなく、多数のサンプルを同時に分析するための多重吸光度式細管電気泳動システムであって、
     入口端部と、出口端部とを有する細管の平面列と;
     該細管を通過する光を検出するため、該細管の平面列を可視可能で、かつ、該細管の平面列と焦点が合う距離を以って、該細管の平面列と同軸的、かつ、平行に配置された光検出器と;
     該細管の平面列中の細管間を通過する光の大部分が該光検出器に到達することがないようにして該光検出器と関連させて配置された光源と;
     該細管の出口端部に操作可能に接続された真空源と;
     を具備してなることを特徴とするシステム。
  16. 該光検出器が、該細管の平面列に対し垂直方向の細管の断面距離の少なくとも約10倍の距離を以って配置されている請求項15記載のシステム。
  17. 該光源が該光検出器との関連で偏って配置されている請求項15記載のシステム。
  18. 該光源の該光検出器に対する偏りが135°ないし180°の範囲内である請求項17記載のシステム。
  19. 該光源の該光検出器に対する偏りが160°ないし180°の範囲内である請求項17記載のシステム。
  20. 上記距離が約3cmないし約40cmである請求項15記載のシステム。
  21. 該細管の平面列が、少なくとも約10本の細管を有する請求項15記載のシステム。
  22. 該細管の平面列が、少なくとも約90本の細管を有する請求項15記載のシステム。
  23. 該光検出器が直線状フォトダイオード列である請求項15記載のシステム。
  24. 該光源が約180nmないし約1500nmの範囲の波長の光を発生させるものである請求項15記載のシステム。
  25. 該光源が約0.5mWないし約50mWの範囲の出力を発生させるものである請求項15記載のシステム。
  26. 該細管の平面列と、該光検出器との間に光学フィルターを更に配置させてなる請求項15記載のシステム。
  27. 該細管の平面列と、該光検出器との間にフラットフィールドレンズを更に配置させてなる請求項15記載のシステム。
  28. 該光源と、該細管の平面列との間にコリメータレンズを更に配置させてなる請求項15記載のシステム。
  29. 該細管の入口端に関連する別々の入口貯蔵部を有し、該細管の各出口端に共通の出口貯蔵部を有する請求項15記載のシステム。
  30. マスク又はスリットを使用することなく、多数のサンプルを同時に分析するための多重吸光度式細管電気泳動システムであって、
     入口端部と、出口端部とを有する細管の平面列と;
     該細管を通過する光を検出するため、該細管の平面列を可視可能で、かつ、該細管の平面列と焦点が合う距離を以って、該細管の平面列と同軸的、かつ、平行に配置された光検出器と;
     該細管の平面列に向けて光が照射されるように配置された光源と;
     該細管の出口端部に操作可能に接続された真空源と;
     を具備してなることを特徴とするシステム。
  31. 該光検出器が、該細管の平面列に対し垂直方向の細管の断面距離の少なくとも約10倍の距離を以って配置されている請求項30記載のシステム。
  32. 上記距離が約3cmないし約40cmである請求項30記載のシステム。
  33. 該細管の平面列が、少なくとも約10本の細管を有する請求項30記載のシステム。
  34. 該細管の平面列が、少なくとも約90本の細管を有する請求項30記載のシステム。
  35. 該光検出器が直線状フォトダイオード列である請求項30記載のシステム。
  36. 該光源が約180nmないし約1500nmの範囲の波長の光を発生させるものである請求項30記載のシステム。
  37. 該光源が約0.5mWないし約50mWの範囲の出力を発生させるものである請求項30記載のシステム。
  38. 該細管の平面列と、該光検出器との間に光学フィルターを更に配置させてなる請求項30記載のシステム。
  39. 該細管の平面列と、該光検出器との間にフラットフィールドレンズを更に配置させてなる請求項30記載のシステム。
  40. 該光源と、該細管の平面列との間にコリメータレンズを更に配置させてなる請求項30記載のシステム。
  41. 該細管の入口端に関連する別々の入口貯蔵部を有し、該細管の各出口端に共通の出口貯蔵部を有する請求項30記載のシステム。
  42. 吸光度の検出により、多数のサンプルを同時に分析するための方法であって、
     入口端部と、出口端部とを有すると共に、サンプルを充填してなる細管の平面列に対し、該サンプルにより吸収される少なくとも1つの波長の光を光源を用いて照射する工程と;
     該光源と非同軸的に配置され、かつ、該細管の平面列と同軸的、かつ、平行に配置されると共に、該細管の平面列に対し垂直方向の細管の断面距離の少なくとも約10倍の距離を以って配置された光検出器を用いて光の吸収を検出する工程と;
     を具備してなることを特徴とする方法。
  43. より迅速な分離を行うため、該細管の出口端部に対し、真空を適用する工程を更に具備してなる請求項42記載の方法。
  44. 上記距離が約3cmないし約40cmである請求項42記載の方法。
  45. 該細管の平面列が、少なくとも約10本の細管を有する請求項42記載の方法。
  46. 該細管の平面列が、少なくとも約90本の細管を有する請求項42記載の方法。
  47. 該光検出器が直線状フォトダイオード列である請求項42記載の方法。
  48. 該光源が約180nmないし約1500nmの範囲の波長の光を発生させるものである請求項42記載の方法。
  49. 該光源が約0.5mWないし約50mWの範囲の出力を発生させるものである請求項42記載の方法。
  50. 該細管の入口端に関連する別々の入口貯蔵部を有し、該細管の各出口端に共通の出口貯蔵部を有する請求項42記載の方法。
  51. 吸光度の検出により、多数のサンプルを同時に分析するための方法であって、
     入口端部と、出口端部とを有すると共に、サンプルを充填してなる細管の平面列に対し、該サンプルにより吸収される少なくとも1つの波長の光を光源を用いて照射する工程と;
     該細管の平面列と同軸的、かつ、平行に配置されると共に、該細管の平面列に対し垂直方向の細管の断面距離の少なくとも10倍の距離を以って配置された光検出器を用いて光の吸収を検出する工程と;
     より迅速な分離を行うため、該細管の出口端部に対し、真空を適用する工程と;
     を具備してなることを特徴とする方法。
  52. 該光検出器が該光源との関連で偏って配置されている請求項51記載の方法。
  53. 上記距離が約3cmないし約30cmである請求項51記載の方法。
  54. 該細管の平面列が、少なくとも約10本の細管を有する請求項51記載の方法。
  55. 該細管の平面列が、少なくとも約90本の細管を有する請求項51記載の方法。
  56. 該光検出器が直線状フォトダイオード列である請求項51記載の方法。
  57. 該光源が約180nmないし約1500nmの範囲の波長の光を発生させるものである請求項51記載の方法。
  58. 該光源が約0.5mWないし約50mWの範囲の出力を発生させるものである請求項51記載の方法。
  59. 該細管の入口端に関連する別々の入口貯蔵部を有し、該細管の各出口端に共通の出口貯蔵部を有する請求項51記載の方法。
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