JP2004132646A - フィルタ付排気口構造及びそのフィルタ交換方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】空調を作動させた状態で、フィルタ交換作業を容易に行う。
【構成】人体や環境に影響を及ぼす有害物質を扱う部屋1に設けられ上記有害物質が外部に飛散するのを防止するフィルタ9を備えたフィルタ付排気口構造において、排気ダクト7の先端に排気口11を分岐して設け、その分岐された各排気口11に上記フィルタ9をそれぞれ設け、上記排気口11の分岐部分16に一の排気流路17を選択的に塞ぐダンパ18を設けた。
【選択図】 図1
【構成】人体や環境に影響を及ぼす有害物質を扱う部屋1に設けられ上記有害物質が外部に飛散するのを防止するフィルタ9を備えたフィルタ付排気口構造において、排気ダクト7の先端に排気口11を分岐して設け、その分岐された各排気口11に上記フィルタ9をそれぞれ設け、上記排気口11の分岐部分16に一の排気流路17を選択的に塞ぐダンパ18を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、人体や環境に影響を及ぼす有害物質を扱う部屋に設けられ上記有害物質が外部に飛散するのを防止するフィルタを備えたフィルタ付排気口構造及びそのフィルタ交換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人体や環境に影響を及ぼす有害物質(以下ハザード物質と言う)を扱う部屋、例えば薬品工場で濃度の高い原薬を取り扱う部屋等においては、排気口に、ハザード物質を吸着するフィルタ(例えばHEPAフィルタ等)を備えた排気口が用いられていた。フィルタは、排気口に気密に取り付けられている。
【0003】
フィルタには、ハザード物質が詰まるため、定期的に交換を行う必要がある。フィルタの交換は、まず、フィルタ取付部にビニールバッグを取り付けて、フィルタ及びフィルタ取付部を覆い、ビニールバッグの上から手作業でフィルタを取り外す。その後、取り外したフィルタをビニールバッグの先端側に移動させて、ビニールバッグの胴部を溶着器で密閉しながら切断する。このとき、排気口内部はビニールバッグによって室内と区画されているので、そこにハザード物質が浸入することはない。
【0004】
次に、新しいフィルタに別の新しいビニールバッグを被せて、その新しいビニールバッグを、フィルタ取付部に取り付けて切断されたビニールバッグごと覆う。そして、新しいビニールバッグの上から内部のビニールバッグを取り外した後に、新しいフィルタを手作業にてフィルタ取付部に取り付け、最後に新しいビニールバッグを取り外して交換作業が終了するようになっていた(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】
カタログ「原子力産業用R・I設備用チャコール・フィルタ及び機器」,近藤工業株式会社,1988年7月,型録番号KBC−101−D,p.8
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、空調を停止すると、ハザード物質が扉や窓や給気口等から外部に飛散するおそれがあるので、空調を停止することはできなかった。
【0007】
そのため、上述のフィルタ交換作業は、空調を作動させたまま行わなければならない。しかしながら、その状態では、フィルタ取付部に取り付けたビニールバッグの内部が負圧になるため、そのビニールバッグが排気口内部に引き込まれてしまい、作業が行い難いといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、空調を作動させた状態で、フィルタ交換作業が容易に行えるフィルタ付排気口構造及びそのフィルタ交換方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、人体や環境に影響を及ぼす有害物質を扱う部屋に設けられ上記有害物質が外部に飛散するのを防止するフィルタを備えたフィルタ付排気口構造において、排気ダクトの先端に排気口を分岐して設け、その分岐された各排気口に上記フィルタをそれぞれ設け、上記排気口の分岐部分に一の排気流路を選択的に塞ぐダンパを設けたフィルタ付排気口構造である。
【0010】
上記構成によれば、排気口を分岐して設け、ダンパで一の排気流路を塞ぐようにしたので、フィルタの交換時には、そのフィルタ交換を行う排気口を塞ぐことができ、その排気口に取り付けられたビニールバッグ内部が負圧にならず、排気口に引き込まれることがないので、容易に且つ確実にフィルタ交換作業を行うことができる。また、塞がれた排気口以外の排気口は排気ダクトに開放されているので、空調を停止させる必要もなく、ハザード物質の部屋外への飛散を防止できる。
【0011】
そして、請求項2の発明は、人体や環境に影響を及ぼす有害物質を扱う部屋に設けられ上記有害物質が外部に飛散するのを防止するフィルタを備えたフィルタ付排気口構造のフィルタ交換方法において、排気ダクトの先端に分岐して設けられた排気口にそれぞれ設けられたフィルタのうち交換するフィルタを備えた排気口を上記排気口の分岐部分に設けられたダンパで塞いで排気流路を遮断した後に当該フィルタを交換するフィルタ付排気口構造のフィルタ交換方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0013】
図1は本発明に係るフィルタ付排気口構造の好適な実施の形態を示した正面図、図2は本発明に係るフィルタ付排気口構造の好適な実施の形態を示した断面図、図3は有害物質を扱う部屋に設けられた空調設備の一例を示した構成図である。
【0014】
まず、図3を参照しながら、かかるフィルタ付排気口構造を適用した空調設備の構成を説明する。
【0015】
図3に示すように、薬品工場で濃度の高い原薬を取り扱う部屋等の人体や環境に影響を及ぼす有害物質(ハザード物質)を扱う部屋1には、室内に外気を供給する給気設備2と、室内空気を外部に排出する排気設備3とが設けられている。
【0016】
給気設備2は、給気の流路を構成する給気ダクト4と、その給気ダクト4に外気を圧送する給気ブロワ5と、外気の塵や埃を取り除くフィルタ部6とを備えている。給気設備2の開口部14には、HEPAフィルタ等のフィルタ15が取り付けられている。
【0017】
排気設備3は、排気の流路を構成する排気ダクト7と、その排気ダクト7から外部に空気を流す排気ブロワ8と、排気ダクト7の室内側に設けられ、室内のハザード物質を除去するフィルタ9を備えた排気口11とを備えている。本実施の形態ではフィルタ9はHEPAフィルタにて構成されている。
【0018】
給気設備2から室内への給気量が、排気設備3の排気量よりも若干少なくなるように、各流量が設定されており、室内を負圧に保つことによって、扉や窓や給気口等の排気口以外の開口部からハザード物質が外部へ飛散するのを防止するようになっている。
【0019】
また、本実施の形態では、ハザード物質が空気より重くて床近傍に滞留するので、排気ダクト7は、室内下部まで延出しており、その下部に排気口11の開口部12が形成されている。この場合、給気設備2の開口部14は、室内の空気の流れを考慮して、天井部分に形成されている。
【0020】
なお、扱うハザード物質が空気より軽くて天井付近で滞留する場合には、排気口11の開口部12は天井部分に形成し、給気設備2の開口部14は、床面近傍に形成する。
【0021】
次に、本実施の形態に係るフィルタ付排気口構造の構成を説明する。
【0022】
図1及び図2に示すように、かかるフィルタ付排気口11は、排気ダクト7の先端に排気口11を分岐して設け、その分岐された各排気口11にフィルタ9をそれぞれ設け、排気口11の分岐部分16に一の排気流路17を選択的に塞ぐダンパ18を設けたことを特徴とする。
【0023】
詳しくは、排気ダクト7の端部に、排気流路17が拡大した排気口ケーシング19が形成されている。その排気口ケーシング19内には、排気流路17を複数(本実施の形態では2つ)に気密分割する区画壁21が設けられている。区画壁21の上端にはダンパ18が回動自在に且つ気密に設けられており、そのダンパ18の先端(上端)が、排気ダクト7の内壁に当接するようになっている。
【0024】
なお、排気流路17を分割するのに、区画壁21を設けずに、排気口ケーシング19の内底面に排気ダクト7部分まで延出するダンパを回動自在に設ける構造であってもよい。
【0025】
各排気流路17内には、その内部圧力を計測する圧力計26がそれぞれ設けられている。これらの圧力計26は、室内に設けられた差圧計27に接続されており、その差圧計27にて、室内の圧力を計測すると共に、圧力計26からの内部圧力との差圧を計測するようになっている。
【0026】
ダンパ18の先端には、ゴム等からなるシール部材(図示せず)が設けられており、排気ダクト7の自重による押圧力で排気ダクト7と当接することによって、気密性を確保するようになっている。なお、ダンパ18に、排気ダクト7の内壁への押圧力を増加させるために付勢手段を設けてもよい。また、ダンパ18の先端は、気密性を保持できるのであれば、排気口ケーシング19の内壁に当接する構造であってもよい。
【0027】
ダンパ18の回転軸22には、排気口ケーシング19内から外部に延出した把持部23が設けられており、その把持部23を持って回転させることによって、ダンパ18の切替を行うようになっている。
【0028】
フィルタ9は矩形に形成されており、排気口11に形成された固定枠24に嵌め込まれて、ネジ(図示せず)等にて固定される。固定枠24の内側には全周に渡って配置されたシール部材25が設けられており、ネジによってフィルタ9をシール部材25に押圧することによって気密に取り付けられる。
【0029】
固定枠24の外側には、フィルタ交換時にビニールバッグを取り付けるための、ブラケット28が形成されている。ブラケット28は、固定枠24を囲繞して形成されており、ビニールバッグを気密に固定するようになっている。
【0030】
次に、上記構成によるフィルタ付排気口構造の作用及びかかるフィルタ付排気口構造のフィルタ交換方法を説明する。
【0031】
通常の空調作動時には、ダンパ18は、一方に傾斜しており、片方の排気流路17を塞いだ状態にしておく。差圧計27によって排気口11内部と室内の圧力との差圧を計測し、その差圧が所定値以上となったところで、フィルタ9を交換する。これは、フィルタ9に詰まりが発生することによって、フィルタ9を通過する空気量が減少して、排気口11内部の圧力が低下する性質を利用したものである。
【0032】
フィルタ9の交換時には、まず、ダンパ18を回動させて、それまで使用していた排気流路17を塞ぎ、他方の排気流路17を用いて空調の作動は継続して行っておく。
【0033】
そして、ビニールバッグをブラケット28に気密に取り付けて、フィルタ9を覆い、ビニールバッグの上から手作業でネジをゆるめてフィルタ9を取り外す。このとき、ビニールバッグが取り付けられた排気口11の排気流路17はダンパ18によって塞がれているので、ビニールバッグの内部が負圧にならない。従って、ビニールバッグが引き込まれることはなく、作業が行いやすい状態を保つことができる。
【0034】
その後、取り外したフィルタ9をビニールバッグの先端側に移動させて、ビニールバッグの胴部を溶着器で密閉しながら切断する。このとき、使用済みのフィルタ9がビニールバックに収容されると共に、排気口11の開口部12は、ビニールバッグによって気密に区画される。これによって、排気口11の内部にハザード物質が浸入することはない。
【0035】
次に、取り付けられる新しいフィルタ9に別の新しいビニールバッグを被せて、その新しいビニールバッグの開口部を、ブラケット28に気密に取り付けて、切断されたビニールバッグごと覆う。
【0036】
そして、新しいビニールバッグの上から内部のビニールバッグを取り外した後に、新しいフィルタ9を、手作業にて固定枠24に嵌め込むと共に、ネジにてシール部材25側に押し込む。これによって、シール部材25が押圧され、必要なシール性を確保することができる。フィルタ9の固定が終了した後に、新しいビニールバッグを取り外して交換作業が終了する。
【0037】
上記構成のフィルタ付排気口構造によれば、上述したフィルタ交換作業中であっても、ダンパ18で塞がれていない他の排気流路17を利用することによって、空調を停止させることなく、継続運転を行うことができる。従って、常時室内を負圧に保って、扉や窓や給気口(開口部14)等の排気口11以外の開口部からハザード物質が外部に飛散するのを防止できる。
【0038】
一方、フィルタ9を交換する側の排気口11は、その排気流路17がダンパ18によって塞がれているので、ビニールバッグが排気口11内部に引き込まれることはなく、フィルタ9の交換の作業性を大幅に向上させることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、空調を作動させた状態でも、フィルタ交換作業が容易に行えるといった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルタ付排気口構造の好適な実施の形態を示した正面図である。
【図2】本発明に係るフィルタ付排気口構造の好適な実施の形態を示した断面図である。
【図3】有害物質を扱う部屋に設けられた空調設備の一例を示した構成図である。
【符号の説明】
1 部屋
7 排気ダクト
9 フィルタ
11 排気口
16 分岐部分
17 排気流路
18 ダンパ
【産業上の利用分野】
本発明は、人体や環境に影響を及ぼす有害物質を扱う部屋に設けられ上記有害物質が外部に飛散するのを防止するフィルタを備えたフィルタ付排気口構造及びそのフィルタ交換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人体や環境に影響を及ぼす有害物質(以下ハザード物質と言う)を扱う部屋、例えば薬品工場で濃度の高い原薬を取り扱う部屋等においては、排気口に、ハザード物質を吸着するフィルタ(例えばHEPAフィルタ等)を備えた排気口が用いられていた。フィルタは、排気口に気密に取り付けられている。
【0003】
フィルタには、ハザード物質が詰まるため、定期的に交換を行う必要がある。フィルタの交換は、まず、フィルタ取付部にビニールバッグを取り付けて、フィルタ及びフィルタ取付部を覆い、ビニールバッグの上から手作業でフィルタを取り外す。その後、取り外したフィルタをビニールバッグの先端側に移動させて、ビニールバッグの胴部を溶着器で密閉しながら切断する。このとき、排気口内部はビニールバッグによって室内と区画されているので、そこにハザード物質が浸入することはない。
【0004】
次に、新しいフィルタに別の新しいビニールバッグを被せて、その新しいビニールバッグを、フィルタ取付部に取り付けて切断されたビニールバッグごと覆う。そして、新しいビニールバッグの上から内部のビニールバッグを取り外した後に、新しいフィルタを手作業にてフィルタ取付部に取り付け、最後に新しいビニールバッグを取り外して交換作業が終了するようになっていた(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】
カタログ「原子力産業用R・I設備用チャコール・フィルタ及び機器」,近藤工業株式会社,1988年7月,型録番号KBC−101−D,p.8
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、空調を停止すると、ハザード物質が扉や窓や給気口等から外部に飛散するおそれがあるので、空調を停止することはできなかった。
【0007】
そのため、上述のフィルタ交換作業は、空調を作動させたまま行わなければならない。しかしながら、その状態では、フィルタ取付部に取り付けたビニールバッグの内部が負圧になるため、そのビニールバッグが排気口内部に引き込まれてしまい、作業が行い難いといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、空調を作動させた状態で、フィルタ交換作業が容易に行えるフィルタ付排気口構造及びそのフィルタ交換方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、人体や環境に影響を及ぼす有害物質を扱う部屋に設けられ上記有害物質が外部に飛散するのを防止するフィルタを備えたフィルタ付排気口構造において、排気ダクトの先端に排気口を分岐して設け、その分岐された各排気口に上記フィルタをそれぞれ設け、上記排気口の分岐部分に一の排気流路を選択的に塞ぐダンパを設けたフィルタ付排気口構造である。
【0010】
上記構成によれば、排気口を分岐して設け、ダンパで一の排気流路を塞ぐようにしたので、フィルタの交換時には、そのフィルタ交換を行う排気口を塞ぐことができ、その排気口に取り付けられたビニールバッグ内部が負圧にならず、排気口に引き込まれることがないので、容易に且つ確実にフィルタ交換作業を行うことができる。また、塞がれた排気口以外の排気口は排気ダクトに開放されているので、空調を停止させる必要もなく、ハザード物質の部屋外への飛散を防止できる。
【0011】
そして、請求項2の発明は、人体や環境に影響を及ぼす有害物質を扱う部屋に設けられ上記有害物質が外部に飛散するのを防止するフィルタを備えたフィルタ付排気口構造のフィルタ交換方法において、排気ダクトの先端に分岐して設けられた排気口にそれぞれ設けられたフィルタのうち交換するフィルタを備えた排気口を上記排気口の分岐部分に設けられたダンパで塞いで排気流路を遮断した後に当該フィルタを交換するフィルタ付排気口構造のフィルタ交換方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0013】
図1は本発明に係るフィルタ付排気口構造の好適な実施の形態を示した正面図、図2は本発明に係るフィルタ付排気口構造の好適な実施の形態を示した断面図、図3は有害物質を扱う部屋に設けられた空調設備の一例を示した構成図である。
【0014】
まず、図3を参照しながら、かかるフィルタ付排気口構造を適用した空調設備の構成を説明する。
【0015】
図3に示すように、薬品工場で濃度の高い原薬を取り扱う部屋等の人体や環境に影響を及ぼす有害物質(ハザード物質)を扱う部屋1には、室内に外気を供給する給気設備2と、室内空気を外部に排出する排気設備3とが設けられている。
【0016】
給気設備2は、給気の流路を構成する給気ダクト4と、その給気ダクト4に外気を圧送する給気ブロワ5と、外気の塵や埃を取り除くフィルタ部6とを備えている。給気設備2の開口部14には、HEPAフィルタ等のフィルタ15が取り付けられている。
【0017】
排気設備3は、排気の流路を構成する排気ダクト7と、その排気ダクト7から外部に空気を流す排気ブロワ8と、排気ダクト7の室内側に設けられ、室内のハザード物質を除去するフィルタ9を備えた排気口11とを備えている。本実施の形態ではフィルタ9はHEPAフィルタにて構成されている。
【0018】
給気設備2から室内への給気量が、排気設備3の排気量よりも若干少なくなるように、各流量が設定されており、室内を負圧に保つことによって、扉や窓や給気口等の排気口以外の開口部からハザード物質が外部へ飛散するのを防止するようになっている。
【0019】
また、本実施の形態では、ハザード物質が空気より重くて床近傍に滞留するので、排気ダクト7は、室内下部まで延出しており、その下部に排気口11の開口部12が形成されている。この場合、給気設備2の開口部14は、室内の空気の流れを考慮して、天井部分に形成されている。
【0020】
なお、扱うハザード物質が空気より軽くて天井付近で滞留する場合には、排気口11の開口部12は天井部分に形成し、給気設備2の開口部14は、床面近傍に形成する。
【0021】
次に、本実施の形態に係るフィルタ付排気口構造の構成を説明する。
【0022】
図1及び図2に示すように、かかるフィルタ付排気口11は、排気ダクト7の先端に排気口11を分岐して設け、その分岐された各排気口11にフィルタ9をそれぞれ設け、排気口11の分岐部分16に一の排気流路17を選択的に塞ぐダンパ18を設けたことを特徴とする。
【0023】
詳しくは、排気ダクト7の端部に、排気流路17が拡大した排気口ケーシング19が形成されている。その排気口ケーシング19内には、排気流路17を複数(本実施の形態では2つ)に気密分割する区画壁21が設けられている。区画壁21の上端にはダンパ18が回動自在に且つ気密に設けられており、そのダンパ18の先端(上端)が、排気ダクト7の内壁に当接するようになっている。
【0024】
なお、排気流路17を分割するのに、区画壁21を設けずに、排気口ケーシング19の内底面に排気ダクト7部分まで延出するダンパを回動自在に設ける構造であってもよい。
【0025】
各排気流路17内には、その内部圧力を計測する圧力計26がそれぞれ設けられている。これらの圧力計26は、室内に設けられた差圧計27に接続されており、その差圧計27にて、室内の圧力を計測すると共に、圧力計26からの内部圧力との差圧を計測するようになっている。
【0026】
ダンパ18の先端には、ゴム等からなるシール部材(図示せず)が設けられており、排気ダクト7の自重による押圧力で排気ダクト7と当接することによって、気密性を確保するようになっている。なお、ダンパ18に、排気ダクト7の内壁への押圧力を増加させるために付勢手段を設けてもよい。また、ダンパ18の先端は、気密性を保持できるのであれば、排気口ケーシング19の内壁に当接する構造であってもよい。
【0027】
ダンパ18の回転軸22には、排気口ケーシング19内から外部に延出した把持部23が設けられており、その把持部23を持って回転させることによって、ダンパ18の切替を行うようになっている。
【0028】
フィルタ9は矩形に形成されており、排気口11に形成された固定枠24に嵌め込まれて、ネジ(図示せず)等にて固定される。固定枠24の内側には全周に渡って配置されたシール部材25が設けられており、ネジによってフィルタ9をシール部材25に押圧することによって気密に取り付けられる。
【0029】
固定枠24の外側には、フィルタ交換時にビニールバッグを取り付けるための、ブラケット28が形成されている。ブラケット28は、固定枠24を囲繞して形成されており、ビニールバッグを気密に固定するようになっている。
【0030】
次に、上記構成によるフィルタ付排気口構造の作用及びかかるフィルタ付排気口構造のフィルタ交換方法を説明する。
【0031】
通常の空調作動時には、ダンパ18は、一方に傾斜しており、片方の排気流路17を塞いだ状態にしておく。差圧計27によって排気口11内部と室内の圧力との差圧を計測し、その差圧が所定値以上となったところで、フィルタ9を交換する。これは、フィルタ9に詰まりが発生することによって、フィルタ9を通過する空気量が減少して、排気口11内部の圧力が低下する性質を利用したものである。
【0032】
フィルタ9の交換時には、まず、ダンパ18を回動させて、それまで使用していた排気流路17を塞ぎ、他方の排気流路17を用いて空調の作動は継続して行っておく。
【0033】
そして、ビニールバッグをブラケット28に気密に取り付けて、フィルタ9を覆い、ビニールバッグの上から手作業でネジをゆるめてフィルタ9を取り外す。このとき、ビニールバッグが取り付けられた排気口11の排気流路17はダンパ18によって塞がれているので、ビニールバッグの内部が負圧にならない。従って、ビニールバッグが引き込まれることはなく、作業が行いやすい状態を保つことができる。
【0034】
その後、取り外したフィルタ9をビニールバッグの先端側に移動させて、ビニールバッグの胴部を溶着器で密閉しながら切断する。このとき、使用済みのフィルタ9がビニールバックに収容されると共に、排気口11の開口部12は、ビニールバッグによって気密に区画される。これによって、排気口11の内部にハザード物質が浸入することはない。
【0035】
次に、取り付けられる新しいフィルタ9に別の新しいビニールバッグを被せて、その新しいビニールバッグの開口部を、ブラケット28に気密に取り付けて、切断されたビニールバッグごと覆う。
【0036】
そして、新しいビニールバッグの上から内部のビニールバッグを取り外した後に、新しいフィルタ9を、手作業にて固定枠24に嵌め込むと共に、ネジにてシール部材25側に押し込む。これによって、シール部材25が押圧され、必要なシール性を確保することができる。フィルタ9の固定が終了した後に、新しいビニールバッグを取り外して交換作業が終了する。
【0037】
上記構成のフィルタ付排気口構造によれば、上述したフィルタ交換作業中であっても、ダンパ18で塞がれていない他の排気流路17を利用することによって、空調を停止させることなく、継続運転を行うことができる。従って、常時室内を負圧に保って、扉や窓や給気口(開口部14)等の排気口11以外の開口部からハザード物質が外部に飛散するのを防止できる。
【0038】
一方、フィルタ9を交換する側の排気口11は、その排気流路17がダンパ18によって塞がれているので、ビニールバッグが排気口11内部に引き込まれることはなく、フィルタ9の交換の作業性を大幅に向上させることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、空調を作動させた状態でも、フィルタ交換作業が容易に行えるといった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルタ付排気口構造の好適な実施の形態を示した正面図である。
【図2】本発明に係るフィルタ付排気口構造の好適な実施の形態を示した断面図である。
【図3】有害物質を扱う部屋に設けられた空調設備の一例を示した構成図である。
【符号の説明】
1 部屋
7 排気ダクト
9 フィルタ
11 排気口
16 分岐部分
17 排気流路
18 ダンパ
Claims (2)
- 人体や環境に影響を及ぼす有害物質を扱う部屋に設けられ上記有害物質が外部に飛散するのを防止するフィルタを備えたフィルタ付排気口構造において、排気ダクトの先端に排気口を分岐して設け、その分岐された各排気口に上記フィルタをそれぞれ設け、上記排気口の分岐部分に一の排気流路を選択的に塞ぐダンパを設けたことを特徴とするフィルタ付排気口構造。
- 人体や環境に影響を及ぼす有害物質を扱う部屋に設けられ上記有害物質が外部に飛散するのを防止するフィルタを備えたフィルタ付排気口構造のフィルタ交換方法において、排気ダクトの先端に分岐して設けられた排気口にそれぞれ設けられたフィルタのうち交換するフィルタを備えた排気口を上記排気口の分岐部分に設けられたダンパで塞いで排気流路を遮断した後に当該フィルタを交換することを特徴とするフィルタ付排気口構造のフィルタ交換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002298798A JP2004132646A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | フィルタ付排気口構造及びそのフィルタ交換方法 |
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JP2002298798A JP2004132646A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | フィルタ付排気口構造及びそのフィルタ交換方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004132646A true JP2004132646A (ja) | 2004-04-30 |
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ID=32288111
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004132646A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100669028B1 (ko) | 2005-08-26 | 2007-01-16 | 삼성전자주식회사 | 환기시스템 및 환기시스템의 댐퍼 제어방법 |
JP2009512830A (ja) * | 2005-10-24 | 2009-03-26 | カムフィル ファー,インコーポレーテッド | 一体型ダンパー用のリニアドライブ |
JP2016527499A (ja) * | 2013-07-19 | 2016-09-08 | アレヴァ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングAreva GmbH | 原子力設備における過酷事故時に使用するための換気システムおよびその運転方法 |
KR102471970B1 (ko) * | 2022-04-26 | 2022-11-29 | 김수아 | 가연성 폐기물을 처리할 수 있는 다단 연소장치 |
-
2002
- 2002-10-11 JP JP2002298798A patent/JP2004132646A/ja active Pending
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