JP2004132421A - ハイブリッド変速機の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】2個のモータ/ジェネレータの一方をトルク制御、他方を回転数制御する時の制御精度を向上させて、動力性能や燃費性能の改善を実現する。
【解決手段】決定部43は目標エンジン出力tPeを最低燃費で発生させる目標エンジントルクtTeおよび目標エンジン回転数tNeを決定する。演算部44,45は、変速機目標出力トルクtToおよび目標エンジントルクtTeからトルクバランス式を用いて第1モータ/ジェネレータの目標トルクtTm1および第2モータ/ジェネレータの目標トルクtTm2を求め、演算部46,47は、変速機出力回転数Noおよび目標エンジン回転数tNeから回転バランス式を用いて第2モータ/ジェネレータの目標回転数tNm2および第1モータ/ジェネレータの目標回転数tNm1を求める。選択部48は、モータ/ジェネレータごとに求めたトルク検出手段の検出可能上限トルクに対する目標トルクtTm1,tTm2の比が大きい方のモータ/ジェネレータをトルク制御による出力制御に用い、他方のモータ/ジェネレータを回転数制御による無段変速制御に用いる。
【選択図】 図4
【解決手段】決定部43は目標エンジン出力tPeを最低燃費で発生させる目標エンジントルクtTeおよび目標エンジン回転数tNeを決定する。演算部44,45は、変速機目標出力トルクtToおよび目標エンジントルクtTeからトルクバランス式を用いて第1モータ/ジェネレータの目標トルクtTm1および第2モータ/ジェネレータの目標トルクtTm2を求め、演算部46,47は、変速機出力回転数Noおよび目標エンジン回転数tNeから回転バランス式を用いて第2モータ/ジェネレータの目標回転数tNm2および第1モータ/ジェネレータの目標回転数tNm1を求める。選択部48は、モータ/ジェネレータごとに求めたトルク検出手段の検出可能上限トルクに対する目標トルクtTm1,tTm2の比が大きい方のモータ/ジェネレータをトルク制御による出力制御に用い、他方のモータ/ジェネレータを回転数制御による無段変速制御に用いる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等の原動機とモータ/ジェネレータとを搭載したハイブリッド車両に有用なハイブリッド変速機、特に、これら原動機とモータ/ジェネレータとの間における差動装置により無段変速動作を行わせることが可能なハイブリッド変速機の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種ハイブリッド変速機としては、例えば特許文献1に記載のように、共線図上に配置される回転メンバとして4個の回転メンバを有した2自由度・4要素の差動装置を具え、これら回転メンバにそれぞれ原動機からの入力、駆動系への出力、および2個のモータ/ジェネレータを結合したものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−310131号公報
【0004】
このような差動装置を用いたハイブリッド変速機においては、出力の回転数(車速VSP)が判っている場合、入力(エンジン)および2個のモータ/ジェネレータの3個の回転数のうちの1個を決定することにより他の回転メンバの全ての回転数が決まり、変速比も決まる。
その意味で、入力(エンジン)および2個のモータ/ジェネレータのうちの1つを回転数制御することは変速比を制御することに等価である。
一方、共線図上における4個の回転メンバのトルクに関する相関関係については、2つの回転メンバのトルクを決めることにより、回転速度関係によらず残る2つの回転メンバのトルク値が決まる。
【0005】
ところで、トルク制御などの応答性や制御精度に関してはエンジンよりもモータ/ジェネレータの方が優れているため、
エンジンは例えば回転速度に応じた目標トルクを実現するような定トルク制御を行わせ、
変速比の制御に当っては一方のモータ/ジェネレータを、回転数検出手段により検出した実回転数が、目標変速比から決まる目標回転数に一致するよう回転数制御し、
変速機出力トルクの制御に当っては他方のモータを、トルク検出手段により検出した実トルクが、共線図上のトルクバランス式とエンジントルクから決まる目標トルクに一致するようトルク制御することが、先の特許文献1における [0022]−[0026]に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこの時、回転数制御するモータ/ジェネレータ、および、トルク制御するモータ/ジェネレータを何の法則もなしに設定すると、変速比によっては回転数制御をしているモータ/ジェネレータの回転数が低くなって、回転数検出手段の検出誤差や、検出信号に混入するノイズの影響で回転数制御精度が低下するという問題を生ずることがあったり、
或いは、トルク制御をしているモータ/ジェネレータのトルクが小さくなって、トルク検出手段の検出誤差や、検出信号に混入するノイズの影響でトルク制御精度が悪化するという問題を生ずることがあった。
【0007】
特に、前記の特許文献1に記載のようなハイブリッド変速機、つまり前記2個のモータ/ジェネレータを共通なバッテリにモータ駆動制御装置を介して接続し、変速比(=エンジン回転数と出力回転数の比)に応じて一方のモータ/ジェネレータを発電機として用い、他方のモータ/ジェネレータをモータとして用いることによりバッテリへの充放電電力を小さく、或いは0にする(発電電力を全てモータ駆動に消費するダイレクト配電)ようにしたハイブリッド変速機にあっては以下の問題を生ずる。
【0008】
つまりかかるハイブリッド変速機にあっては、常に一方のモータ/ジェネレータが低速度で大トルク、他方のモータ/ジェネレータが高速度で低トルクとなる関係にある。
この時、低速状態となるモータ/ジェネレータを回転数制御(=変速比制御)している場合、当該モータ/ジェネレータの上記した回転数制御精度(=変速比制御精度)の悪化により動力性能や燃費性能の悪化を誘起し、同時に他方のモータ/ジェネレータを低トルク状態であるにもかかわらずトルク制御(=駆動力制御)することとなって、当該モータ/ジェネレータの前記したトルク制御精度(=駆動力制御精度)の悪化により動力性能や燃費性能の悪化を誘起する。
【0009】
本発明は、両モータ/ジェネレータの大トルク状態や高回転状態を逐一判断しつつ、トルク制御するモータ/ジェネレータと回転数制御するモータ/ジェネレータとを切り換えることにより上記の問題を解消することを趣旨とする。
つまり本発明は、大トルク状態のモータ/ジェネレータについてはこれをトルク制御し、他方のモータ/ジェネレータを回転数制御することにより、および/または、高回転状態のモータ/ジェネレータについてはこれを回転数制御し、他方のモータ/ジェネレータをトルク制御することにより前記の問題を解消するハイブリッド変速機の制御方法を提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明によるハイブリッド変速機の制御方法は、請求項1に記載のごとく、
モータ/ジェネレータごとに、対応するトルク検出手段の検出可能上限トルクに対する現在のモータ/ジェネレータトルクの比を求め、
この比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用い、
他方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用いたり、
または、請求項2に記載のごとく上記と併せて、或いは、請求項3に記載のごとく上記とは別に、モータ/ジェネレータごとに、対応する回転数検出手段の検出可能上限回転数に対する現在のモータ/ジェネレータ回転数の比を求め、
この比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用い、
他方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用いることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の効果】
かかる本発明になるハイブリッド変速機の制御方法によれば、
モータ/ジェネレータごとに求めた、トルク検出手段の検出可能上限トルクに対する現在のモータ/ジェネレータトルクの比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用い、他方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用いるため、
大トルク状態のモータ/ジェネレータが確実にトルク制御され、他方のモータ/ジェネレータが回転数制御されることとなり、少なくとも大トルク状態のモータ/ジェネレータのトルク制御を高精度に行うことができて、トルク制御精度の悪化による動力性能や燃費性能の悪化を回避することができる。
【0012】
また、本発明になるハイブリッド変速機の制御方法によれば、上記と併せて、若しくは上記とは別に、モータ/ジェネレータごとに求めた、回転数検出手段の検出可能上限回転数に対する現在のモータ/ジェネレータ回転数の比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用い、他方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用いるため、
高回転状態のモータ/ジェネレータが確実に回転数制御され、他方のモータ/ジェネレータがトルク制御されることとなり、少なくとも高回転状態のモータ/ジェネレータの回転数制御を高精度に行うことができて、回転数制御精度の悪化による動力性能や燃費性能の悪化を回避することができる。
【0013】
特に、両モータ/ジェネレータを共通なバッテリに接続して、変速比に応じ一方のモータ/ジェネレータを発電機として用い、他方のモータ/ジェネレータをモータとして用いることによりバッテリへの充放電電力を小さく、或いは0にする(ダイレクト配電)型式のハイブリッド変速機にあっては、
一方のモータ/ジェネレータの回転数とトルクとの積で表されるパワー、および他方のモータ/ジェネレータの回転数とトルクとの積で表されるパワーの和ができるだけ小さく、または0になるよう両モータ/ジェネレータの目標トルクおよび目標回転数を決定するため、常に一方のモータ/ジェネレータが低速度で大トルク、他方のモータ/ジェネレータが高速度で低トルクとなる関係にあることとなり、
請求項2に記載の発明のように上記2つの制御方式を同時に適用することができ、これにより、回転数制御される一方のモータ/ジェネレータの制御精度と、トルク制御されるモータ/ジェネレータの制御精度との双方を確実に高くし得て前記の作用効果を一層顕著なものにすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になる制御方法を適用可能なハイブリッド変速機を例示し、これを本実施の形態においては、前輪駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして用いるのに有用な以下に詳述する構成となす。
【0015】
図において1は変速機ケースを示し、該変速機ケース1の軸線方向(図の左右方向)右側(エンジンENGに近い前側)にラビニョオ型プラネタリギヤセット2を、また図の左側(エンジンENGから遠い後側)に例えば複合電流2層モータ4を可とするモータ/ジェネレータ組を内蔵する。
これらラビニョオ型プラネタリギヤセット2および複合電流2層モータ4は変速機ケース1の主軸線上に同軸に配置するが、この主軸線からオフセットさせて平行に配置したカウンターシャフト5およびディファレンシャルギヤ装置6をも変速機ケース1内に内蔵させる。
【0016】
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、ロングピニオンP1およびリングギヤRを共有するシングルピニオン遊星歯車組7およびダブルピニオン遊星歯車組8の組み合わせになり、シングルピニオン遊星歯車組7はサンギヤSsにロングピニオンP1を噛合させた構造とし、ダブルピニオン遊星歯車組8はサンギヤSd、リングギヤRおよびロングピニオンP1の他に、大径のショートピニオンP2を具え、ショートピニオンP2をサンギヤSdおよびリングギヤRに噛合させると共にロングピニオンP1にも噛合させた構造とする。
そして遊星歯車組7,8のピニオンP1,P2を全て、共通なキャリアCにより回転自在に支持する。
【0017】
以上の構成になるラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、サンギヤSd、サンギヤSs、リングギヤR、およびキャリアCの4個の回転メンバを主たる要素とし、これら4個の回転メンバのうち2個のメンバの回転速度を決定すると他のメンバの回転速度が決まる2自由度の差動装置を構成する。
そして4個の回転メンバの回転速度順は、図2の共線図により示した通りサンギヤSs、リングギヤR、キャリアC、サンギヤSdの順番である。
なお差動装置は、本実施の形態で用いるラビニョオ型プラネタリギヤセット2に限られず、任意のものを用いることができるのは言うまでもない。
【0018】
複合電流2層モータ4は、内側ロータ4riと、これを包囲する環状の外側ロータ4roとを、変速機ケース1内に同軸に回転自在に支持して具え、これら内側ロータ4riおよび外側ロータ4ro間における環状空間に同軸に配置した環状ステ−タ4sを変速機ケース1に固設して構成する。
環状コイル4sと外側ロータ4roとで外側のモータ/ジェネレータである第1のモータ/ジェネレータMG1を構成し、環状コイル4sと内側ロータ4riとで内側のモータ/ジェネレータである第2のモータ/ジェネレータMG2を構成する。
ここでモータ/ジェネレータMG1,MG2はそれぞれ、複合電流を供給される時は供給電流に応じた個々の方向の、また供給電流に応じた個々の速度(停止を含む)の回転を出力するモータとして機能し、複合電流を供給されない時は外力による回転に応じた電力を発生する発電機として機能する。
【0019】
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2の上記した4個の回転メンバには、回転速度順に、つまり図2の共線図にも示したがサンギヤSs、リングギヤR、キャリアC、サンギヤSdの順に、第1モータ/ジェネレータMG1、原動機であるエンジンENG、ディファレンシャギヤ装置6を含む車輪駆動系への出力(Out)、第2モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ結合する。
【0020】
この結合を図1に基づき以下に詳述するに、リングギヤRを上記の通りエンジン(ENG)回転が入力される入力要素とするため、このリングギヤRをクラッチ3を介してエンジンクランクシャフト9に結合する。
サンギヤSdは軸11を介して第2モータ/ジェネレータMG2の内側ロータ4riに結合し、軸11を包套する中空軸12を介してサンギヤSsを第1モータ/ジェネレータMG1の外側ロータ4roに結合する。
【0021】
キャリアCを前記のごとく、車輪駆動系へ回転を出力する出力要素とするため、このキャリアCに中空軸13を介して出力歯車14を結合し、これをカウンターシャフト5上のカウンター歯車15に噛合させる。
カウンターシャフト5には別にファイナルドライブピニオン16を一体的に設け、これを、ディファレンシャルギヤ装置6に設けたファイナルドライブリングギヤ17に噛合させる。
変速機からの出力回転は、ファイナルドライブピニオン16およびファイナルドライブリングギヤ17により構成されるファイナルドライブギヤ組を経てディファレンシャルギヤ装置6に至り、このディファレンシャルギヤ装置により左右駆動輪18に分配されるものとする。
【0022】
上記の構成になるハイブリッド変速機は図2に示すような共線図により表すことができ、この共線図の横軸は遊星歯車組7,8のギヤ比により決まる回転メンバ間の距離比、つまりリングギヤRおよびキャリアC間の距離を1とした時のサンギヤSsおよびリングギヤR間の距離の比をαで示し、キャリアCおよびサンギヤSd間の距離をβで示したものである。
また共線図の縦軸は、各回転メンバの回転速度、つまりリングギヤRへのエンジン回転数Ne、サンギヤSs(モータ/ジェネレータMG1)の回転数Nm1、キャリアCからの出力(Out)回転数No、およびサンギヤSd(モータ/ジェネレータMG2)の回転数Nm2を示し、2個の回転メンバの回転速度が決まれば他の2個の回転メンバの回転速度が決まる。
図2において回転バランス式は、(Nm1−No):(Ne−No)=(1+α):1および(Ne−Nm2):(Ne−No)=(1+β):1で表され、モータ/ジェネレータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2はそれぞれ、エンジン回転数Neおよび出力回転数Noから次式の回転バランス式により求めることができる。
Nm1=(1+α)Ne−α・No・・・(1)
Nm2=(1+β)No−β・Ne・・・(2)
【0023】
図2には更に、その縦軸方向のベクトルとして、各回転メンバに働くエンジントルクTe、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクTm1,Tm2、および出力(Out)トルクToを示した。
ここで、リングギヤRに結合した入力回転系はエンジンENGが存在するためその回転イナーシャが大きく、またキャリアCに結合した出力(Out)回転系も車輪やディファレンシャルギヤ装置などが存在するためその回転イナーシャが大きいことから、共線図上におけるレバー重心Gは図2に示すごとく、イナーシャが大きなリングギヤR(エンジンENG)およびキャリアC(出力Out)間に位置し、この位置を以下ではサンギヤSsからの距離Xgcとして示す。
【0024】
定常状態を維持(車速一定で目標駆動トルクを実現)するためには、4個の回転メンバに働くトルクによる重心点G周りの並進運動γおよび回転運動δが共に0であることである。
つまり並進運動γについては、Tm1+Te+(To+Tm2)=0が成立し、また回転運動δについては、Tm1×Xgc+Te(Xgc−α)=To(α+1−Xgc)+T2(α+1+β−Xgc)が成立することである。
これら2式を解いて、図2の共線図におけるトルクバランス式は次式で表される。
Tm1=−{β・To+(1+β)Te}(α+1+β)・・・(3)
Tm2=−{(1+α)To+α・Te}(α+1+β)・・・(4)
【0025】
なお図1ではモータ/ジェネレータMG1,MG2を複合電流2層モータとして構成したが、モータ/ジェネレータMG1,MG2はこれに限られず、個々のロータおよびステータ組で構成し、これらの組を相互に径方向へオフセットさせて配置することができる。
【0026】
上記したハイブリッド変速機の変速制御システムは図3に示すごとく、ハイブリッドコントローラ21を具え、このハイブリッドコントローラ21は目標エンジントルクtTeに関する指令をエンジンコントローラ22に供給し、エンジンコントローラ22はエンジンENGを当該目標トルクが発生するよう運転させる。
【0027】
ハイブリッドコントローラ21は更に、モータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1およびモータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2の組み合わせに関する指令、またはモータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1およびモータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm1の組み合わせに関する指令をモータコントローラ23に供給し、モータコントローラ23はインバータ24およびバッテリ25によりモータ/ジェネレータMG1,MG2をそれぞれ、上記した目標値の組み合わせが達成されるよう制御する。
【0028】
これがためハイブリッドコントローラ21には、アクセルペダル踏み込み量からアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ26からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ27からの信号と、モータ/ジェネレータMG1,MG2の実トルクTm1,Tm2を検出するトルク検出手段28,29からの信号と、モータ/ジェネレータMG1,MG2の実回転数Nm1,Nm2を検出する回転検出手段30,31からの信号とを入力する。
なお、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルク検出手段28,29および回転検出手段30,31からの信号は更にモータコントローラ23にも供給し、モータコントローラ23がこれら検出手段からの信号と上記した目標値との間における偏差に応じたフィードバック制御により当該目標値が達成されるようになす。ハイブリッドコントローラ21は上記の入力情報を基に、図4にブロック線図で示す処理を行ってハイブリッド変速機の変速制御を以下のごとくに行う。
【0029】
図4における目標駆動トルク演算部41は、アクセル開度APOおよび車速VSPから運転者要求している車輪の目標駆動トルクtTdを周知のマップ検索などの手法により求める。
目標エンジン(原動機)出力演算部42は、車速VSPに車輪タイヤ半径などで決まる定数Krを掛けて車輪駆動軸回転数Ndを求め、乗算器42aで車輪駆動軸回転数Ndと上記目標駆動トルクtTdとの乗算により車輪の目標駆動力tPvを算出し、これにモータ/ジェネレータMG1,MG2の損失分を加算して目標エンジン出力tPeを求める。
なお、目標エンジン出力tPeの算出に当たっては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の損失分に加えて、必要に応じラビニョオ型プラネタリギヤセット2の伝動ロス分をも加算することができる。
【0030】
エンジン(原動機)動作点決定部43は、目標エンジン(原動機)出力tPeを発生させるための目標エンジン(原動機)トルクtTeおよび目標エンジン(原動機)回転数tNeの組み合わせとしてエンジン動作点(tTe,tNe)を決定する。
かかるエンジン動作点の決定に際し好ましくは、図5に例示するエンジン性能線図を基に目標エンジン出力tPeを最低燃費で発生させるエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせをエンジン動作点(tTe,tNe)とする最適燃費制御を用いるのが良い。
【0031】
図5は、エンジン出力ごとにこれを発生するエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせを等馬力線として示し、各等馬力線上にあって対応するエンジン出力を最低燃費で発生させるエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせをA,B点により示し、各等馬力線上の最低燃費点A,Bを結ぶ線を最適燃費線として示す。
図5を基に最適燃費制御によりエンジン動作点(tTe,tNe)を求めるに際しては、目標エンジン出力tPeに対応する等馬力線と最適燃費線との交点を例えばA点のように決定し、当該点に対応するエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせをエンジン動作点(tTe,tNe)と定める。
【0032】
第1モータ/ジェネレータ目標トルク演算部44は、目標駆動トルクtTdをファイナルギヤ比Gfで除算して求め得る変速機目標出力トルクtTo、および上記の目標エンジントルクtTeから、第1モータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1を、前記(3)式に対応する次のトルクバランス式
tTm1=−{β・tTo+(1+β)tTe}(α+1+β)・・・(5)
の演算により求める。
また第2モータ/ジェネレータ目標トルク演算部45は、同じく変速機目標出力トルクtToおよび目標エンジントルクtTeから、第2モータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2を、前記(4)式に対応する次のトルクバランス式
tTm2=−{(1+α)tTo+α・tTe}(α+1+β)・・・(6)
の演算により求める。
【0033】
第2モータ/ジェネレータ目標回転数演算部46は、車輪駆動軸回転数Ndにファイナルギヤ比Gfを掛けて求め得る変速機出力回転数No、および前記目標エンジン回転数tNeから、第2モータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2を、前記(2)式に対応する次の回転バランス式
tNm2=(1+β)No−β・tNe・・・(7)
の演算により求める。
第1モータ/ジェネレータ目標回転数演算部47は、同じく変速機出力回転数Noおよび目標エンジン回転数tNeから、第1モータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1を、前記(1)式に対応する次の回転バランス式
tNm1=(1+α)tNe−α・No・・・(8)
の演算により求める。
【0034】
モータ/ジェネレータ制御指令選択部48は、図6に示す処理により、モータ/ジェネレータMG1,MG2の何れをトルク制御すべきかを決定して対応する目標トルクを図3のモータコントローラ23に供給するよう機能する。
これがためモータ/ジェネレータ制御指令選択部48は、ブロック48aにおいてモータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1または手段28で検出した実績トルクTm1を読み込み(前者の目標トルクtTm1の方が内部信号であるから、また検出誤差が混入しないから好ましい)、ブロック48bにおいてモータ/ジェネレータMG1に係わるトルク検出手段28の検出可能上限トルクTm1maxを読み込む。
ブロック48cでは、トルク検出手段28の検出可能上限トルクTm1maxに対するモータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1または実績トルクTm1の比の絶対値をRatio(Tm1)としてメモリする。
また、ブロック48dにおいてモータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2または手段29で検出した実績トルクTm2を読み込み(前者の目標トルクtTm2の方が内部信号であるから、また検出誤差が混入しないから好ましい)、ブロック48eにおいてモータ/ジェネレータMG2に係わるトルク検出手段29の検出可能上限トルクTm2maxを読み込む。
ブロック48fでは、トルク検出手段29の検出可能上限トルクTm2maxに対するモータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2または実績トルクTm2の比の絶対値をRatio(Tm2)としてメモリする。
【0035】
ブロック48gでは、モータ/ジェネレータMG1に係わるトルクの上記した比Ratio(Tm1)と、モータ/ジェネレータMG2に係わるトルクの上記した比Ratio(Tm2)とを比較し、Ratio(Tm1)≧Ratio(Tm2)であるのか、つまり第1モータ/ジェネレータMG1の方が第2モータ/ジェネレータMG2よりも大トルク状態であるのか、或いは、Ratio(Tm1)<Ratio(Tm2)であるのか、つまり第2モータ/ジェネレータMG2の方が第1モータ/ジェネレータMG1よりも大トルク状態であるのかを判定する。
そしてこの判定結果をもとに、大トルク状態である方のモータ/ジェネレータをトルク制御すべくこれに係わる指令値として目標トルクを用い、他方のモータ/ジェネレータに係わる指令値として目標回転数を用いる。
【0036】
つまり、Ratio(Tm1)≧Ratio(Tm2)であれば、大トルク状態である方の第1モータ/ジェネレータMG1をトルク制御すべくこれに係わる指令値として目標トルクtTm1を用い、他方のモータ/ジェネレータMG2を回転数制御すべくこれに係わる指令値として目標回転数tNm2を用い、これら(tTm1, tNm2)の組み合わせをモータコントローラ23に指令する。
逆にRatio(Tm1)<Ratio(Tm2)であれば、大トルク状態である方の第2モータ/ジェネレータMG2をトルク制御すべくこれに係わる指令値として目標トルクtTm2を用い、他方のモータ/ジェネレータMG1を回転数制御すべくこれに係わる指令値として目標回転数tNm1を用い、これら(tNm1, tTm2)の組み合わせをモータコントローラ23に指令する。
【0037】
エンジンENG、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ、上記のごとくに求めた対応する目標値tTe、および(tTm1,tNm2)または(tNm1,tTm2)が実現されるよう制御することにより目標駆動トルクtTdを実現することができる。
ところで本実施の形態によれば、モータ/ジェネレータMG1,MG2ごとに求めた、トルク検出手段28,29の検出可能上限トルクTm1max,Tm2maxに対する現在のモータ/ジェネレータトルクTm1(またはtTm1),Tm2(またはtTm2)の比Ratio(Tm1),Ratio(Tm2)が大きい方のモータ/ジェネレータをトルク制御による出力制御に用い、他方のモータ/ジェネレータを、回転数制御による無段変速制御に用いるため、
大トルク状態のモータ/ジェネレータが確実にトルク制御され、他方のモータ/ジェネレータが回転数制御されることとなり、少なくとも大トルク状態のモータ/ジェネレータのトルク制御を高精度に行うことができて、トルク制御精度の悪化による動力性能や燃費性能の悪化を回避することができる。
【0038】
なお上記の制御において、モータ/ジェネレータMG1(MG2)を回転数制御からトルク制御に切り換えるに際しては、図7の瞬時t1に当該切り換えを行う場合につき説明すると、切り換えられるモータ/ジェネレータのトルク指令を、切り換え直前における実トルクを初期値とし、この初期値から切り換え時における目標トルクに向け滑らかに変化する値に定めることとし、これにより当該切り換え時におけるショックを緩和する。
【0039】
図4のモータ/ジェネレータ制御指令選択部48は、図6に示す処理の代わりに図8に示す処理により、モータ/ジェネレータMG1,MG2の何れを回転数制御すべきかを決定して対応する目標回転数を図3のモータコントローラ23に供給するよう機能するものでもよい。
図8のブロック48hにおいてモータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1または手段30で検出した実績回転数Nm1を読み込み(前者の目標回転数tNm1の方が内部信号であるから、また検出誤差が混入しないから好ましい)、ブロック48iにおいてモータ/ジェネレータMG1に係わる回転検出手段30の検出可能上限回転数Nm1maxを読み込む。
ブロック48jでは、回転検出手段30の検出可能上限回転数Nm1maxに対するモータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1または実績回転数Nm1の比の絶対値をRatio(Nm1)としてメモリする。
また、ブロック48kにおいてモータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2または手段31で検出した実績回転数Nm2を読み込み(前者の目標回転数tNm2の方が内部信号であるから、また検出誤差が混入しないから好ましい)、ブロック48mにおいてモータ/ジェネレータMG2に係わる回転検出手段31の検出可能上限トルクNm2maxを読み込む。
ブロック48nでは、回転検出手段31の検出可能上限回転数Nm2maxに対するモータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2または実績回転数Nm2の比の絶対値をRatio(Nm2)としてメモリする。
【0040】
ブロック48pでは、モータ/ジェネレータMG1に係わる回転数の上記した比Ratio(Nm1)と、モータ/ジェネレータMG2に係わる回転数の上記した比Ratio(Nm2)とを比較し、Ratio(Nm1)≧Ratio(Nm2)であるのか、つまり第1モータ/ジェネレータMG1の方が第2モータ/ジェネレータMG2よりも高回転状態であるのか、或いは、Ratio(Nm1)<Ratio(Nm2)であるのか、つまり第2モータ/ジェネレータMG2の方が第1モータ/ジェネレータMG1よりも高回転状態であるのかを判定する。
そしてこの判定結果をもとに、高回転状態である方のモータ/ジェネレータを回転数制御すべくこれに係わる指令値として目標回転数を用い、他方のモータ/ジェネレータに係わる指令値として目標トルクを用いる。
【0041】
つまり、Ratio(Nm1)≧Ratio(Nm2)であれば、高回転状態である方の第1モータ/ジェネレータMG1を回転数制御すべくこれに係わる指令値として目標回転数tNm1を用い、他方のモータ/ジェネレータMG2をトルク制御すべくこれに係わる指令値として目標トルクtTm2を用い、これら(tNm1, tTm2)の組み合わせをモータコントローラ23に指令する。
逆にRatio(Nm1)<Ratio(Nm2)であれば、高回転状態である方の第2モータ/ジェネレータMG2を回転数制御すべくこれに係わる指令値として目標回転数tNm2を用い、他方のモータ/ジェネレータMG1をトルク制御すべくこれに係わる指令値として目標トルクtTm1を用い、これら(tTm1, tNm2)の組み合わせをモータコントローラ23に指令する。
【0042】
エンジンENG、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ、上記のごとくに求めた対応する目標値tTe、および(tNm1, tTm2)または(tTm1, tNm2)が実現されるよう制御することにより目標駆動トルクtTdを実現することができる。
ところで本実施の形態においても、モータ/ジェネレータMG1,MG2ごとに求めた、回転検出手段30,31の検出可能上限回転数Nm1max,Nm2maxに対する現在のモータ/ジェネレータ回転数Nm1(またはtNm1),Nm2(またはtNm2)の比Ratio(Nm1),Ratio(Nm2)が大きい方のモータ/ジェネレータを回転数制御による無段変速制御に用い、他方のモータ/ジェネレータを、トルク制御による出力制御に用いるため、
高回転状態のモータ/ジェネレータが確実に回転数制御され、他方のモータ/ジェネレータがトルク制御されることとなり、少なくとも高回転状態のモータ/ジェネレータの回転数制御を高精度に行うことができて、回転数制御精度の悪化による動力性能や燃費性能の悪化を回避することができる。
【0043】
なお上記の制御において、モータ/ジェネレータMG1(MG2)をトルク制御から回転数制御に切り換えるに際しては、図9の瞬時t1に当該切り換えを行う場合につき説明すると、切り換えられるモータ/ジェネレータの回転数指令を、切り換え直前における実回転数を初期値とし、この初期値から切り換え時における目標回転数に向け滑らかに変化する値に定めることとし、これにより当該切り換え時におけるショックを緩和する。
【0044】
図4のモータ/ジェネレータ制御指令選択部48は、図6に示す処理または図8に示す処理によりモータ/ジェネレータ制御指令を選択する場合について述べたが、これらを組み合わせてもよい。
特に、図3に示すように両モータ/ジェネレータMG1,MG2を共通なバッテリ25に接続し、変速比に応じ一方のモータ/ジェネレータを発電機として用い、他方のモータ/ジェネレータをモータとして用いることによりバッテリ25への充放電電力を小さく、或いは0にする(ダイレクト配電)型式のハイブリッド変速機にあっては、
一方のモータ/ジェネレータの回転数とトルクとの積で表されるパワー、および他方のモータ/ジェネレータの回転数とトルクとの積で表されるパワーの和ができるだけ小さく、または0になるよう両モータ/ジェネレータの目標トルクおよび目標回転数を決定するため、常に一方のモータ/ジェネレータが低速度で大トルク、他方のモータ/ジェネレータが高速度で低トルクとなる関係にあることから、
図6に示す処理と図8に示す処理とを組み合わせてこれらを同時に適用することができ、これにより、回転数制御される一方のモータ/ジェネレータの制御精度と、トルク制御されるモータ/ジェネレータの制御精度との双方を確実に高くし得て前記の作用効果を一層顕著なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による制御方法を適用し得るハイブリッド変速機を例示する線図的構成図である。
【図2】同ハイブリッド変速機の回転バランス式およびトルクバランス式を求めるのに用いた共線図である。
【図3】同ハイブリッド変速機の変速制御システムを示すブロック線図である。
【図4】同変速制御システムにおけるハイブリッドコントローラが実行する変速制御の機能別ブロック線図である。
【図5】エンジンの最適燃費線を等出力線とともに例示するエンジンの性能線図である。
【図6】図4におけるモータ/ジェネレータ制御指令選択部の詳細を示す機能別ブロック線図である。
【図7】同モータ/ジェネレータ制御指令選択部により回転数制御からトルク制御に切り換えられたモータ/ジェネレータの過渡的なトルク指令の経時変化を例示するタイムチャートである。
【図8】本発明の他の実施の形態になる制御方法を示す、図6と同様な機能別ブロック線図である。
【図9】同実施の形態においてトルク制御から回転数制御に切り換えられたモータ/ジェネレータの過渡的な回転数指令の経時変化を例示するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 変速機ケース
2 ラビニョオ型プラネタリギヤセット(差動装置)
3 クラッチ
ENG エンジン(原動機)
4 複合電流2層モータ
MG1 第1モータ/ジェネレータ
MG2 第2モータ/ジェネレータ
7 シングルピニオン遊星歯車組
8 ダブルピニオン遊星歯車組
Sd サンギヤ
Ss サンギヤ
P1 ロングピニオン
P2 ショートピニオン
R リングギヤ
C キャリア
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 インバータ
25 バッテリ
26 アクセル開度センサ
27 車速センサ
28 第1モータ/ジェネレータのトルク検出手段
29 第2モータ/ジェネレータのトルク検出手段
30 第1モータ/ジェネレータの回転検出手段
31 第2モータ/ジェネレータの回転検出手段
41 目標駆動トルク演算部
42 目標エンジン出力演算部
43 エンジン動作点決定部
44 第1モータ/ジェネレータ目標トルク演算部
45 第2モータ/ジェネレータ目標トルク演算部
46 第2モータ/ジェネレータ目標回転数演算部
47 第1モータ/ジェネレータ目標回転数演算部
48 モータ/ジェネレータ制御指令選択部
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等の原動機とモータ/ジェネレータとを搭載したハイブリッド車両に有用なハイブリッド変速機、特に、これら原動機とモータ/ジェネレータとの間における差動装置により無段変速動作を行わせることが可能なハイブリッド変速機の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種ハイブリッド変速機としては、例えば特許文献1に記載のように、共線図上に配置される回転メンバとして4個の回転メンバを有した2自由度・4要素の差動装置を具え、これら回転メンバにそれぞれ原動機からの入力、駆動系への出力、および2個のモータ/ジェネレータを結合したものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−310131号公報
【0004】
このような差動装置を用いたハイブリッド変速機においては、出力の回転数(車速VSP)が判っている場合、入力(エンジン)および2個のモータ/ジェネレータの3個の回転数のうちの1個を決定することにより他の回転メンバの全ての回転数が決まり、変速比も決まる。
その意味で、入力(エンジン)および2個のモータ/ジェネレータのうちの1つを回転数制御することは変速比を制御することに等価である。
一方、共線図上における4個の回転メンバのトルクに関する相関関係については、2つの回転メンバのトルクを決めることにより、回転速度関係によらず残る2つの回転メンバのトルク値が決まる。
【0005】
ところで、トルク制御などの応答性や制御精度に関してはエンジンよりもモータ/ジェネレータの方が優れているため、
エンジンは例えば回転速度に応じた目標トルクを実現するような定トルク制御を行わせ、
変速比の制御に当っては一方のモータ/ジェネレータを、回転数検出手段により検出した実回転数が、目標変速比から決まる目標回転数に一致するよう回転数制御し、
変速機出力トルクの制御に当っては他方のモータを、トルク検出手段により検出した実トルクが、共線図上のトルクバランス式とエンジントルクから決まる目標トルクに一致するようトルク制御することが、先の特許文献1における [0022]−[0026]に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこの時、回転数制御するモータ/ジェネレータ、および、トルク制御するモータ/ジェネレータを何の法則もなしに設定すると、変速比によっては回転数制御をしているモータ/ジェネレータの回転数が低くなって、回転数検出手段の検出誤差や、検出信号に混入するノイズの影響で回転数制御精度が低下するという問題を生ずることがあったり、
或いは、トルク制御をしているモータ/ジェネレータのトルクが小さくなって、トルク検出手段の検出誤差や、検出信号に混入するノイズの影響でトルク制御精度が悪化するという問題を生ずることがあった。
【0007】
特に、前記の特許文献1に記載のようなハイブリッド変速機、つまり前記2個のモータ/ジェネレータを共通なバッテリにモータ駆動制御装置を介して接続し、変速比(=エンジン回転数と出力回転数の比)に応じて一方のモータ/ジェネレータを発電機として用い、他方のモータ/ジェネレータをモータとして用いることによりバッテリへの充放電電力を小さく、或いは0にする(発電電力を全てモータ駆動に消費するダイレクト配電)ようにしたハイブリッド変速機にあっては以下の問題を生ずる。
【0008】
つまりかかるハイブリッド変速機にあっては、常に一方のモータ/ジェネレータが低速度で大トルク、他方のモータ/ジェネレータが高速度で低トルクとなる関係にある。
この時、低速状態となるモータ/ジェネレータを回転数制御(=変速比制御)している場合、当該モータ/ジェネレータの上記した回転数制御精度(=変速比制御精度)の悪化により動力性能や燃費性能の悪化を誘起し、同時に他方のモータ/ジェネレータを低トルク状態であるにもかかわらずトルク制御(=駆動力制御)することとなって、当該モータ/ジェネレータの前記したトルク制御精度(=駆動力制御精度)の悪化により動力性能や燃費性能の悪化を誘起する。
【0009】
本発明は、両モータ/ジェネレータの大トルク状態や高回転状態を逐一判断しつつ、トルク制御するモータ/ジェネレータと回転数制御するモータ/ジェネレータとを切り換えることにより上記の問題を解消することを趣旨とする。
つまり本発明は、大トルク状態のモータ/ジェネレータについてはこれをトルク制御し、他方のモータ/ジェネレータを回転数制御することにより、および/または、高回転状態のモータ/ジェネレータについてはこれを回転数制御し、他方のモータ/ジェネレータをトルク制御することにより前記の問題を解消するハイブリッド変速機の制御方法を提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明によるハイブリッド変速機の制御方法は、請求項1に記載のごとく、
モータ/ジェネレータごとに、対応するトルク検出手段の検出可能上限トルクに対する現在のモータ/ジェネレータトルクの比を求め、
この比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用い、
他方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用いたり、
または、請求項2に記載のごとく上記と併せて、或いは、請求項3に記載のごとく上記とは別に、モータ/ジェネレータごとに、対応する回転数検出手段の検出可能上限回転数に対する現在のモータ/ジェネレータ回転数の比を求め、
この比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用い、
他方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用いることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の効果】
かかる本発明になるハイブリッド変速機の制御方法によれば、
モータ/ジェネレータごとに求めた、トルク検出手段の検出可能上限トルクに対する現在のモータ/ジェネレータトルクの比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用い、他方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用いるため、
大トルク状態のモータ/ジェネレータが確実にトルク制御され、他方のモータ/ジェネレータが回転数制御されることとなり、少なくとも大トルク状態のモータ/ジェネレータのトルク制御を高精度に行うことができて、トルク制御精度の悪化による動力性能や燃費性能の悪化を回避することができる。
【0012】
また、本発明になるハイブリッド変速機の制御方法によれば、上記と併せて、若しくは上記とは別に、モータ/ジェネレータごとに求めた、回転数検出手段の検出可能上限回転数に対する現在のモータ/ジェネレータ回転数の比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用い、他方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用いるため、
高回転状態のモータ/ジェネレータが確実に回転数制御され、他方のモータ/ジェネレータがトルク制御されることとなり、少なくとも高回転状態のモータ/ジェネレータの回転数制御を高精度に行うことができて、回転数制御精度の悪化による動力性能や燃費性能の悪化を回避することができる。
【0013】
特に、両モータ/ジェネレータを共通なバッテリに接続して、変速比に応じ一方のモータ/ジェネレータを発電機として用い、他方のモータ/ジェネレータをモータとして用いることによりバッテリへの充放電電力を小さく、或いは0にする(ダイレクト配電)型式のハイブリッド変速機にあっては、
一方のモータ/ジェネレータの回転数とトルクとの積で表されるパワー、および他方のモータ/ジェネレータの回転数とトルクとの積で表されるパワーの和ができるだけ小さく、または0になるよう両モータ/ジェネレータの目標トルクおよび目標回転数を決定するため、常に一方のモータ/ジェネレータが低速度で大トルク、他方のモータ/ジェネレータが高速度で低トルクとなる関係にあることとなり、
請求項2に記載の発明のように上記2つの制御方式を同時に適用することができ、これにより、回転数制御される一方のモータ/ジェネレータの制御精度と、トルク制御されるモータ/ジェネレータの制御精度との双方を確実に高くし得て前記の作用効果を一層顕著なものにすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になる制御方法を適用可能なハイブリッド変速機を例示し、これを本実施の形態においては、前輪駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして用いるのに有用な以下に詳述する構成となす。
【0015】
図において1は変速機ケースを示し、該変速機ケース1の軸線方向(図の左右方向)右側(エンジンENGに近い前側)にラビニョオ型プラネタリギヤセット2を、また図の左側(エンジンENGから遠い後側)に例えば複合電流2層モータ4を可とするモータ/ジェネレータ組を内蔵する。
これらラビニョオ型プラネタリギヤセット2および複合電流2層モータ4は変速機ケース1の主軸線上に同軸に配置するが、この主軸線からオフセットさせて平行に配置したカウンターシャフト5およびディファレンシャルギヤ装置6をも変速機ケース1内に内蔵させる。
【0016】
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、ロングピニオンP1およびリングギヤRを共有するシングルピニオン遊星歯車組7およびダブルピニオン遊星歯車組8の組み合わせになり、シングルピニオン遊星歯車組7はサンギヤSsにロングピニオンP1を噛合させた構造とし、ダブルピニオン遊星歯車組8はサンギヤSd、リングギヤRおよびロングピニオンP1の他に、大径のショートピニオンP2を具え、ショートピニオンP2をサンギヤSdおよびリングギヤRに噛合させると共にロングピニオンP1にも噛合させた構造とする。
そして遊星歯車組7,8のピニオンP1,P2を全て、共通なキャリアCにより回転自在に支持する。
【0017】
以上の構成になるラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、サンギヤSd、サンギヤSs、リングギヤR、およびキャリアCの4個の回転メンバを主たる要素とし、これら4個の回転メンバのうち2個のメンバの回転速度を決定すると他のメンバの回転速度が決まる2自由度の差動装置を構成する。
そして4個の回転メンバの回転速度順は、図2の共線図により示した通りサンギヤSs、リングギヤR、キャリアC、サンギヤSdの順番である。
なお差動装置は、本実施の形態で用いるラビニョオ型プラネタリギヤセット2に限られず、任意のものを用いることができるのは言うまでもない。
【0018】
複合電流2層モータ4は、内側ロータ4riと、これを包囲する環状の外側ロータ4roとを、変速機ケース1内に同軸に回転自在に支持して具え、これら内側ロータ4riおよび外側ロータ4ro間における環状空間に同軸に配置した環状ステ−タ4sを変速機ケース1に固設して構成する。
環状コイル4sと外側ロータ4roとで外側のモータ/ジェネレータである第1のモータ/ジェネレータMG1を構成し、環状コイル4sと内側ロータ4riとで内側のモータ/ジェネレータである第2のモータ/ジェネレータMG2を構成する。
ここでモータ/ジェネレータMG1,MG2はそれぞれ、複合電流を供給される時は供給電流に応じた個々の方向の、また供給電流に応じた個々の速度(停止を含む)の回転を出力するモータとして機能し、複合電流を供給されない時は外力による回転に応じた電力を発生する発電機として機能する。
【0019】
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2の上記した4個の回転メンバには、回転速度順に、つまり図2の共線図にも示したがサンギヤSs、リングギヤR、キャリアC、サンギヤSdの順に、第1モータ/ジェネレータMG1、原動機であるエンジンENG、ディファレンシャギヤ装置6を含む車輪駆動系への出力(Out)、第2モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ結合する。
【0020】
この結合を図1に基づき以下に詳述するに、リングギヤRを上記の通りエンジン(ENG)回転が入力される入力要素とするため、このリングギヤRをクラッチ3を介してエンジンクランクシャフト9に結合する。
サンギヤSdは軸11を介して第2モータ/ジェネレータMG2の内側ロータ4riに結合し、軸11を包套する中空軸12を介してサンギヤSsを第1モータ/ジェネレータMG1の外側ロータ4roに結合する。
【0021】
キャリアCを前記のごとく、車輪駆動系へ回転を出力する出力要素とするため、このキャリアCに中空軸13を介して出力歯車14を結合し、これをカウンターシャフト5上のカウンター歯車15に噛合させる。
カウンターシャフト5には別にファイナルドライブピニオン16を一体的に設け、これを、ディファレンシャルギヤ装置6に設けたファイナルドライブリングギヤ17に噛合させる。
変速機からの出力回転は、ファイナルドライブピニオン16およびファイナルドライブリングギヤ17により構成されるファイナルドライブギヤ組を経てディファレンシャルギヤ装置6に至り、このディファレンシャルギヤ装置により左右駆動輪18に分配されるものとする。
【0022】
上記の構成になるハイブリッド変速機は図2に示すような共線図により表すことができ、この共線図の横軸は遊星歯車組7,8のギヤ比により決まる回転メンバ間の距離比、つまりリングギヤRおよびキャリアC間の距離を1とした時のサンギヤSsおよびリングギヤR間の距離の比をαで示し、キャリアCおよびサンギヤSd間の距離をβで示したものである。
また共線図の縦軸は、各回転メンバの回転速度、つまりリングギヤRへのエンジン回転数Ne、サンギヤSs(モータ/ジェネレータMG1)の回転数Nm1、キャリアCからの出力(Out)回転数No、およびサンギヤSd(モータ/ジェネレータMG2)の回転数Nm2を示し、2個の回転メンバの回転速度が決まれば他の2個の回転メンバの回転速度が決まる。
図2において回転バランス式は、(Nm1−No):(Ne−No)=(1+α):1および(Ne−Nm2):(Ne−No)=(1+β):1で表され、モータ/ジェネレータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2はそれぞれ、エンジン回転数Neおよび出力回転数Noから次式の回転バランス式により求めることができる。
Nm1=(1+α)Ne−α・No・・・(1)
Nm2=(1+β)No−β・Ne・・・(2)
【0023】
図2には更に、その縦軸方向のベクトルとして、各回転メンバに働くエンジントルクTe、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクTm1,Tm2、および出力(Out)トルクToを示した。
ここで、リングギヤRに結合した入力回転系はエンジンENGが存在するためその回転イナーシャが大きく、またキャリアCに結合した出力(Out)回転系も車輪やディファレンシャルギヤ装置などが存在するためその回転イナーシャが大きいことから、共線図上におけるレバー重心Gは図2に示すごとく、イナーシャが大きなリングギヤR(エンジンENG)およびキャリアC(出力Out)間に位置し、この位置を以下ではサンギヤSsからの距離Xgcとして示す。
【0024】
定常状態を維持(車速一定で目標駆動トルクを実現)するためには、4個の回転メンバに働くトルクによる重心点G周りの並進運動γおよび回転運動δが共に0であることである。
つまり並進運動γについては、Tm1+Te+(To+Tm2)=0が成立し、また回転運動δについては、Tm1×Xgc+Te(Xgc−α)=To(α+1−Xgc)+T2(α+1+β−Xgc)が成立することである。
これら2式を解いて、図2の共線図におけるトルクバランス式は次式で表される。
Tm1=−{β・To+(1+β)Te}(α+1+β)・・・(3)
Tm2=−{(1+α)To+α・Te}(α+1+β)・・・(4)
【0025】
なお図1ではモータ/ジェネレータMG1,MG2を複合電流2層モータとして構成したが、モータ/ジェネレータMG1,MG2はこれに限られず、個々のロータおよびステータ組で構成し、これらの組を相互に径方向へオフセットさせて配置することができる。
【0026】
上記したハイブリッド変速機の変速制御システムは図3に示すごとく、ハイブリッドコントローラ21を具え、このハイブリッドコントローラ21は目標エンジントルクtTeに関する指令をエンジンコントローラ22に供給し、エンジンコントローラ22はエンジンENGを当該目標トルクが発生するよう運転させる。
【0027】
ハイブリッドコントローラ21は更に、モータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1およびモータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2の組み合わせに関する指令、またはモータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1およびモータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm1の組み合わせに関する指令をモータコントローラ23に供給し、モータコントローラ23はインバータ24およびバッテリ25によりモータ/ジェネレータMG1,MG2をそれぞれ、上記した目標値の組み合わせが達成されるよう制御する。
【0028】
これがためハイブリッドコントローラ21には、アクセルペダル踏み込み量からアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ26からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ27からの信号と、モータ/ジェネレータMG1,MG2の実トルクTm1,Tm2を検出するトルク検出手段28,29からの信号と、モータ/ジェネレータMG1,MG2の実回転数Nm1,Nm2を検出する回転検出手段30,31からの信号とを入力する。
なお、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルク検出手段28,29および回転検出手段30,31からの信号は更にモータコントローラ23にも供給し、モータコントローラ23がこれら検出手段からの信号と上記した目標値との間における偏差に応じたフィードバック制御により当該目標値が達成されるようになす。ハイブリッドコントローラ21は上記の入力情報を基に、図4にブロック線図で示す処理を行ってハイブリッド変速機の変速制御を以下のごとくに行う。
【0029】
図4における目標駆動トルク演算部41は、アクセル開度APOおよび車速VSPから運転者要求している車輪の目標駆動トルクtTdを周知のマップ検索などの手法により求める。
目標エンジン(原動機)出力演算部42は、車速VSPに車輪タイヤ半径などで決まる定数Krを掛けて車輪駆動軸回転数Ndを求め、乗算器42aで車輪駆動軸回転数Ndと上記目標駆動トルクtTdとの乗算により車輪の目標駆動力tPvを算出し、これにモータ/ジェネレータMG1,MG2の損失分を加算して目標エンジン出力tPeを求める。
なお、目標エンジン出力tPeの算出に当たっては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の損失分に加えて、必要に応じラビニョオ型プラネタリギヤセット2の伝動ロス分をも加算することができる。
【0030】
エンジン(原動機)動作点決定部43は、目標エンジン(原動機)出力tPeを発生させるための目標エンジン(原動機)トルクtTeおよび目標エンジン(原動機)回転数tNeの組み合わせとしてエンジン動作点(tTe,tNe)を決定する。
かかるエンジン動作点の決定に際し好ましくは、図5に例示するエンジン性能線図を基に目標エンジン出力tPeを最低燃費で発生させるエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせをエンジン動作点(tTe,tNe)とする最適燃費制御を用いるのが良い。
【0031】
図5は、エンジン出力ごとにこれを発生するエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせを等馬力線として示し、各等馬力線上にあって対応するエンジン出力を最低燃費で発生させるエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせをA,B点により示し、各等馬力線上の最低燃費点A,Bを結ぶ線を最適燃費線として示す。
図5を基に最適燃費制御によりエンジン動作点(tTe,tNe)を求めるに際しては、目標エンジン出力tPeに対応する等馬力線と最適燃費線との交点を例えばA点のように決定し、当該点に対応するエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせをエンジン動作点(tTe,tNe)と定める。
【0032】
第1モータ/ジェネレータ目標トルク演算部44は、目標駆動トルクtTdをファイナルギヤ比Gfで除算して求め得る変速機目標出力トルクtTo、および上記の目標エンジントルクtTeから、第1モータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1を、前記(3)式に対応する次のトルクバランス式
tTm1=−{β・tTo+(1+β)tTe}(α+1+β)・・・(5)
の演算により求める。
また第2モータ/ジェネレータ目標トルク演算部45は、同じく変速機目標出力トルクtToおよび目標エンジントルクtTeから、第2モータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2を、前記(4)式に対応する次のトルクバランス式
tTm2=−{(1+α)tTo+α・tTe}(α+1+β)・・・(6)
の演算により求める。
【0033】
第2モータ/ジェネレータ目標回転数演算部46は、車輪駆動軸回転数Ndにファイナルギヤ比Gfを掛けて求め得る変速機出力回転数No、および前記目標エンジン回転数tNeから、第2モータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2を、前記(2)式に対応する次の回転バランス式
tNm2=(1+β)No−β・tNe・・・(7)
の演算により求める。
第1モータ/ジェネレータ目標回転数演算部47は、同じく変速機出力回転数Noおよび目標エンジン回転数tNeから、第1モータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1を、前記(1)式に対応する次の回転バランス式
tNm1=(1+α)tNe−α・No・・・(8)
の演算により求める。
【0034】
モータ/ジェネレータ制御指令選択部48は、図6に示す処理により、モータ/ジェネレータMG1,MG2の何れをトルク制御すべきかを決定して対応する目標トルクを図3のモータコントローラ23に供給するよう機能する。
これがためモータ/ジェネレータ制御指令選択部48は、ブロック48aにおいてモータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1または手段28で検出した実績トルクTm1を読み込み(前者の目標トルクtTm1の方が内部信号であるから、また検出誤差が混入しないから好ましい)、ブロック48bにおいてモータ/ジェネレータMG1に係わるトルク検出手段28の検出可能上限トルクTm1maxを読み込む。
ブロック48cでは、トルク検出手段28の検出可能上限トルクTm1maxに対するモータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1または実績トルクTm1の比の絶対値をRatio(Tm1)としてメモリする。
また、ブロック48dにおいてモータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2または手段29で検出した実績トルクTm2を読み込み(前者の目標トルクtTm2の方が内部信号であるから、また検出誤差が混入しないから好ましい)、ブロック48eにおいてモータ/ジェネレータMG2に係わるトルク検出手段29の検出可能上限トルクTm2maxを読み込む。
ブロック48fでは、トルク検出手段29の検出可能上限トルクTm2maxに対するモータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2または実績トルクTm2の比の絶対値をRatio(Tm2)としてメモリする。
【0035】
ブロック48gでは、モータ/ジェネレータMG1に係わるトルクの上記した比Ratio(Tm1)と、モータ/ジェネレータMG2に係わるトルクの上記した比Ratio(Tm2)とを比較し、Ratio(Tm1)≧Ratio(Tm2)であるのか、つまり第1モータ/ジェネレータMG1の方が第2モータ/ジェネレータMG2よりも大トルク状態であるのか、或いは、Ratio(Tm1)<Ratio(Tm2)であるのか、つまり第2モータ/ジェネレータMG2の方が第1モータ/ジェネレータMG1よりも大トルク状態であるのかを判定する。
そしてこの判定結果をもとに、大トルク状態である方のモータ/ジェネレータをトルク制御すべくこれに係わる指令値として目標トルクを用い、他方のモータ/ジェネレータに係わる指令値として目標回転数を用いる。
【0036】
つまり、Ratio(Tm1)≧Ratio(Tm2)であれば、大トルク状態である方の第1モータ/ジェネレータMG1をトルク制御すべくこれに係わる指令値として目標トルクtTm1を用い、他方のモータ/ジェネレータMG2を回転数制御すべくこれに係わる指令値として目標回転数tNm2を用い、これら(tTm1, tNm2)の組み合わせをモータコントローラ23に指令する。
逆にRatio(Tm1)<Ratio(Tm2)であれば、大トルク状態である方の第2モータ/ジェネレータMG2をトルク制御すべくこれに係わる指令値として目標トルクtTm2を用い、他方のモータ/ジェネレータMG1を回転数制御すべくこれに係わる指令値として目標回転数tNm1を用い、これら(tNm1, tTm2)の組み合わせをモータコントローラ23に指令する。
【0037】
エンジンENG、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ、上記のごとくに求めた対応する目標値tTe、および(tTm1,tNm2)または(tNm1,tTm2)が実現されるよう制御することにより目標駆動トルクtTdを実現することができる。
ところで本実施の形態によれば、モータ/ジェネレータMG1,MG2ごとに求めた、トルク検出手段28,29の検出可能上限トルクTm1max,Tm2maxに対する現在のモータ/ジェネレータトルクTm1(またはtTm1),Tm2(またはtTm2)の比Ratio(Tm1),Ratio(Tm2)が大きい方のモータ/ジェネレータをトルク制御による出力制御に用い、他方のモータ/ジェネレータを、回転数制御による無段変速制御に用いるため、
大トルク状態のモータ/ジェネレータが確実にトルク制御され、他方のモータ/ジェネレータが回転数制御されることとなり、少なくとも大トルク状態のモータ/ジェネレータのトルク制御を高精度に行うことができて、トルク制御精度の悪化による動力性能や燃費性能の悪化を回避することができる。
【0038】
なお上記の制御において、モータ/ジェネレータMG1(MG2)を回転数制御からトルク制御に切り換えるに際しては、図7の瞬時t1に当該切り換えを行う場合につき説明すると、切り換えられるモータ/ジェネレータのトルク指令を、切り換え直前における実トルクを初期値とし、この初期値から切り換え時における目標トルクに向け滑らかに変化する値に定めることとし、これにより当該切り換え時におけるショックを緩和する。
【0039】
図4のモータ/ジェネレータ制御指令選択部48は、図6に示す処理の代わりに図8に示す処理により、モータ/ジェネレータMG1,MG2の何れを回転数制御すべきかを決定して対応する目標回転数を図3のモータコントローラ23に供給するよう機能するものでもよい。
図8のブロック48hにおいてモータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1または手段30で検出した実績回転数Nm1を読み込み(前者の目標回転数tNm1の方が内部信号であるから、また検出誤差が混入しないから好ましい)、ブロック48iにおいてモータ/ジェネレータMG1に係わる回転検出手段30の検出可能上限回転数Nm1maxを読み込む。
ブロック48jでは、回転検出手段30の検出可能上限回転数Nm1maxに対するモータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1または実績回転数Nm1の比の絶対値をRatio(Nm1)としてメモリする。
また、ブロック48kにおいてモータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2または手段31で検出した実績回転数Nm2を読み込み(前者の目標回転数tNm2の方が内部信号であるから、また検出誤差が混入しないから好ましい)、ブロック48mにおいてモータ/ジェネレータMG2に係わる回転検出手段31の検出可能上限トルクNm2maxを読み込む。
ブロック48nでは、回転検出手段31の検出可能上限回転数Nm2maxに対するモータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2または実績回転数Nm2の比の絶対値をRatio(Nm2)としてメモリする。
【0040】
ブロック48pでは、モータ/ジェネレータMG1に係わる回転数の上記した比Ratio(Nm1)と、モータ/ジェネレータMG2に係わる回転数の上記した比Ratio(Nm2)とを比較し、Ratio(Nm1)≧Ratio(Nm2)であるのか、つまり第1モータ/ジェネレータMG1の方が第2モータ/ジェネレータMG2よりも高回転状態であるのか、或いは、Ratio(Nm1)<Ratio(Nm2)であるのか、つまり第2モータ/ジェネレータMG2の方が第1モータ/ジェネレータMG1よりも高回転状態であるのかを判定する。
そしてこの判定結果をもとに、高回転状態である方のモータ/ジェネレータを回転数制御すべくこれに係わる指令値として目標回転数を用い、他方のモータ/ジェネレータに係わる指令値として目標トルクを用いる。
【0041】
つまり、Ratio(Nm1)≧Ratio(Nm2)であれば、高回転状態である方の第1モータ/ジェネレータMG1を回転数制御すべくこれに係わる指令値として目標回転数tNm1を用い、他方のモータ/ジェネレータMG2をトルク制御すべくこれに係わる指令値として目標トルクtTm2を用い、これら(tNm1, tTm2)の組み合わせをモータコントローラ23に指令する。
逆にRatio(Nm1)<Ratio(Nm2)であれば、高回転状態である方の第2モータ/ジェネレータMG2を回転数制御すべくこれに係わる指令値として目標回転数tNm2を用い、他方のモータ/ジェネレータMG1をトルク制御すべくこれに係わる指令値として目標トルクtTm1を用い、これら(tTm1, tNm2)の組み合わせをモータコントローラ23に指令する。
【0042】
エンジンENG、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ、上記のごとくに求めた対応する目標値tTe、および(tNm1, tTm2)または(tTm1, tNm2)が実現されるよう制御することにより目標駆動トルクtTdを実現することができる。
ところで本実施の形態においても、モータ/ジェネレータMG1,MG2ごとに求めた、回転検出手段30,31の検出可能上限回転数Nm1max,Nm2maxに対する現在のモータ/ジェネレータ回転数Nm1(またはtNm1),Nm2(またはtNm2)の比Ratio(Nm1),Ratio(Nm2)が大きい方のモータ/ジェネレータを回転数制御による無段変速制御に用い、他方のモータ/ジェネレータを、トルク制御による出力制御に用いるため、
高回転状態のモータ/ジェネレータが確実に回転数制御され、他方のモータ/ジェネレータがトルク制御されることとなり、少なくとも高回転状態のモータ/ジェネレータの回転数制御を高精度に行うことができて、回転数制御精度の悪化による動力性能や燃費性能の悪化を回避することができる。
【0043】
なお上記の制御において、モータ/ジェネレータMG1(MG2)をトルク制御から回転数制御に切り換えるに際しては、図9の瞬時t1に当該切り換えを行う場合につき説明すると、切り換えられるモータ/ジェネレータの回転数指令を、切り換え直前における実回転数を初期値とし、この初期値から切り換え時における目標回転数に向け滑らかに変化する値に定めることとし、これにより当該切り換え時におけるショックを緩和する。
【0044】
図4のモータ/ジェネレータ制御指令選択部48は、図6に示す処理または図8に示す処理によりモータ/ジェネレータ制御指令を選択する場合について述べたが、これらを組み合わせてもよい。
特に、図3に示すように両モータ/ジェネレータMG1,MG2を共通なバッテリ25に接続し、変速比に応じ一方のモータ/ジェネレータを発電機として用い、他方のモータ/ジェネレータをモータとして用いることによりバッテリ25への充放電電力を小さく、或いは0にする(ダイレクト配電)型式のハイブリッド変速機にあっては、
一方のモータ/ジェネレータの回転数とトルクとの積で表されるパワー、および他方のモータ/ジェネレータの回転数とトルクとの積で表されるパワーの和ができるだけ小さく、または0になるよう両モータ/ジェネレータの目標トルクおよび目標回転数を決定するため、常に一方のモータ/ジェネレータが低速度で大トルク、他方のモータ/ジェネレータが高速度で低トルクとなる関係にあることから、
図6に示す処理と図8に示す処理とを組み合わせてこれらを同時に適用することができ、これにより、回転数制御される一方のモータ/ジェネレータの制御精度と、トルク制御されるモータ/ジェネレータの制御精度との双方を確実に高くし得て前記の作用効果を一層顕著なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による制御方法を適用し得るハイブリッド変速機を例示する線図的構成図である。
【図2】同ハイブリッド変速機の回転バランス式およびトルクバランス式を求めるのに用いた共線図である。
【図3】同ハイブリッド変速機の変速制御システムを示すブロック線図である。
【図4】同変速制御システムにおけるハイブリッドコントローラが実行する変速制御の機能別ブロック線図である。
【図5】エンジンの最適燃費線を等出力線とともに例示するエンジンの性能線図である。
【図6】図4におけるモータ/ジェネレータ制御指令選択部の詳細を示す機能別ブロック線図である。
【図7】同モータ/ジェネレータ制御指令選択部により回転数制御からトルク制御に切り換えられたモータ/ジェネレータの過渡的なトルク指令の経時変化を例示するタイムチャートである。
【図8】本発明の他の実施の形態になる制御方法を示す、図6と同様な機能別ブロック線図である。
【図9】同実施の形態においてトルク制御から回転数制御に切り換えられたモータ/ジェネレータの過渡的な回転数指令の経時変化を例示するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 変速機ケース
2 ラビニョオ型プラネタリギヤセット(差動装置)
3 クラッチ
ENG エンジン(原動機)
4 複合電流2層モータ
MG1 第1モータ/ジェネレータ
MG2 第2モータ/ジェネレータ
7 シングルピニオン遊星歯車組
8 ダブルピニオン遊星歯車組
Sd サンギヤ
Ss サンギヤ
P1 ロングピニオン
P2 ショートピニオン
R リングギヤ
C キャリア
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 インバータ
25 バッテリ
26 アクセル開度センサ
27 車速センサ
28 第1モータ/ジェネレータのトルク検出手段
29 第2モータ/ジェネレータのトルク検出手段
30 第1モータ/ジェネレータの回転検出手段
31 第2モータ/ジェネレータの回転検出手段
41 目標駆動トルク演算部
42 目標エンジン出力演算部
43 エンジン動作点決定部
44 第1モータ/ジェネレータ目標トルク演算部
45 第2モータ/ジェネレータ目標トルク演算部
46 第2モータ/ジェネレータ目標回転数演算部
47 第1モータ/ジェネレータ目標回転数演算部
48 モータ/ジェネレータ制御指令選択部
Claims (7)
- 共線図上に配置される回転メンバとして4個の回転メンバを有し、これら回転メンバのうち2個のメンバの回転状態を決定すると他のメンバの回転状態が決まる2自由度の差動装置を具え、前記回転メンバにそれぞれ原動機からの入力、駆動系への出力、および2個のモータ/ジェネレータを結合し、これらモータ/ジェネレータに回転数検出手段およびトルク検出手段を設けて、一方のモータ/ジェネレータの回転数制御により無段変速を行い、他方のモータ/ジェネレータのトルク制御により出力制御を行うようにしたハイブリッド変速機において、
前記モータ/ジェネレータごとに、対応する前記トルク検出手段の検出可能上限トルクに対する現在のモータ/ジェネレータトルクの比を求め、
この比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用い、
他方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用いることを特徴とするハイブリッド変速機の制御方法。 - 請求項1に記載のハイブリッド変速機の制御方法において、前記モータ/ジェネレータごとに、対応する前記回転数検出手段の検出可能上限回転数に対する現在のモータ/ジェネレータ回転数の比を求め、
この比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用い、
他方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用いることを特徴とするハイブリッド変速機の制御方法。 - 共線図上に配置される回転メンバとして4個の回転メンバを有し、これら回転メンバのうち2個のメンバの回転状態を決定すると他のメンバの回転状態が決まる2自由度の差動装置を具え、前記回転メンバにそれぞれ原動機からの入力、駆動系への出力、および2個のモータ/ジェネレータを結合し、これらモータ/ジェネレータに回転数検出手段およびトルク検出手段を設けて、一方のモータ/ジェネレータの回転数制御により無段変速を行い、他方のモータ/ジェネレータのトルク制御により出力制御を行うようにしたハイブリッド変速機において、
前記モータ/ジェネレータごとに、対応する前記回転数検出手段の検出可能上限回転数に対する現在のモータ/ジェネレータ回転数の比を求め、
この比が大きい方のモータ/ジェネレータを、前記回転数制御による無段変速制御に用い、
他方のモータ/ジェネレータを、前記トルク制御による出力制御に用いることを特徴とするハイブリッド変速機の制御方法。 - 請求項1または2に記載のハイブリッド変速機の制御方法において、現在のモータ/ジェネレータトルクとして、対応するモータ/ジェネレータの目標トルクを用いることを特徴とするハイブリッド変速機の制御方法。
- 請求項2または3に記載のハイブリッド変速機の制御方法において、前記現在のモータ/ジェネレータ回転数として、対応するモータ/ジェネレータの目標回転数を用いることを特徴とするハイブリッド変速機の制御方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のハイブリッド変速機の制御方法において、前記モータ/ジェネレータを前記回転数制御からトルク制御に切り換える時は、該モータ/ジェネレータのトルク指令を、前記切り換え直前におけるトルク値を初期値とし、この初期値から切り換え時における目標トルクに向け滑らかに変化する値に定めることを特徴とするハイブリッド変速機の制御方法。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のハイブリッド変速機の制御方法において、前記モータ/ジェネレータを前記トルク制御から回転数制御に切り換える時は、該モータ/ジェネレータの回転数指令を、前記切り換え直前における回転数を初期値とし、この初期値から切り換え時における目標回転数に向け滑らかに変化する値に定めることを特徴とするハイブリッド変速機の制御方法。
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US7340330B2 (en) * | 2003-06-05 | 2008-03-04 | Aisin Aw Co., Ltd. | Hybrid type vehicle driving controller, hybrid type vehicle driving control method and its program |
JP2013147237A (ja) * | 2011-12-22 | 2013-08-01 | Honda Motor Co Ltd | 車両用駆動装置 |
JP2014162234A (ja) * | 2013-02-21 | 2014-09-08 | Denso Corp | ハイブリッド車の制御装置 |
-
2002
- 2002-10-09 JP JP2002295873A patent/JP2004132421A/ja active Pending
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