JP2004132406A - 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プーリ7a及びスリーブ8、玉軸受9、9、ローラクラッチ10の位置関係にずれが生じにくい構造を実現する。
【解決手段】上記各玉軸受9、9を構成する内輪18、18の軸方向内端面を、上記スリーブ8の外周面に設けた大径部14の軸方向両端面に、それぞれ当接させる。又、これと共に、上記プーリ7aの両側面の内周縁部分を円周方向全周に亙り径方向内方に塑性変形させる事によりかしめ部21、21を設ける。そして、これら各かしめ部21、21により、上記各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の軸方向外端面を、それぞれ抑え付ける。この結果、上記課題を解決できる。
【選択図】 図1
【解決手段】上記各玉軸受9、9を構成する内輪18、18の軸方向内端面を、上記スリーブ8の外周面に設けた大径部14の軸方向両端面に、それぞれ当接させる。又、これと共に、上記プーリ7aの両側面の内周縁部分を円周方向全周に亙り径方向内方に塑性変形させる事によりかしめ部21、21を設ける。そして、これら各かしめ部21、21により、上記各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の軸方向外端面を、それぞれ抑え付ける。この結果、上記課題を解決できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、自動車の走行用エンジンのクランクシャフトにより、この自動車用の補機を回転駆動する為に利用するものである。即ち、自動車のパワーステアリング用送油ポンプ、エアコンディショナ用コンプレッサ、冷却用ファン、オルタネータ、ウォータポンプ等の各種補機の回転軸に固定する従動プーリと上記エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリとの間に無端ベルトを掛け渡して上記各種補機を駆動するベルト駆動装置に、上記従動プーリ又は駆動プーリとして組み込んだ状態で使用する。又、アイドリングストップ車のエンジンをスタートさせる為のスタータモータの駆動軸に固定して、上記エンジンのクランクシャフトを回転駆動する為に使用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の走行用エンジンを駆動源として、自動車に必要な発電を行なうオルタネータの構造が、例えば特許文献1に記載されている。図8は、この文献に記載されたオルタネータ1を示している。ハウジング2の内側に回転軸3を、1対の転がり軸受4、4により、回転自在に支持している。この回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とを設けている。又、この回転軸3の一端部(図8の右端部)で上記ハウジング2外に突出した部分には、従動プーリ7を固定している。
エンジンへの組み付け状態では、この従動プーリ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクランクシャフトにより、上記回転軸3を回転駆動自在とする。
【0003】
上記従動プーリ7として従来一般的には、単に上記回転軸3に固定しただけのものを使用していた。これに対して近年、無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、無端ベルトから回転軸への動力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、従動プーリと回転軸との相対回転を自在とする、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が各種提案され、一部で使用されている。例えば、特許文献2〜5等には、上述の様な機能を有する一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が記載されている。又、一方向クラッチとして、ローラクラッチを使用する事も、上記各文献等に記載された様に、従来から知られている。
【0004】
図9は、これら各文献に記載される等により従来から知られているローラクラッチ内蔵型プーリ装置の1例を示している。このローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、オルタネータ1の回転軸3(図8参照)に外嵌固定自在なスリーブ8を有する。又、このスリーブ8の周囲に従動プーリ7aを、このスリーブ8と同心に配置している。そして、これらスリーブ8の外周面と従動プーリ7aの内周面との間に、請求項に記載したサポート軸受に相当する1対の玉軸受9、9と、同じく一方向クラッチであるローラクラッチ10とを設けている。
【0005】
上記スリーブ8は、全体を略円筒状に形成しており、上記オルタネータ1の回転軸3の端部に外嵌固定して、この回転軸3と共に回転自在である。この為に図示の例では、上記スリーブ8の内周面中間部にねじ孔部11を形成し、このねじ孔部11と上記回転軸3の先端部外周面に設けた雄ねじ部とを螺合自在としている。又、上記スリーブ8の内周面先端部(図9の左端部)に、断面形状が六角形である係止孔部12を形成して、この係止孔部12に、六角レンチ等の工具の先端部を係止自在としている。更に、上記スリーブ8の内周面基端部(図9の右端部)は、上記回転軸3の先端部中間寄り部分とがたつきなく嵌合自在な円孔部13としている。尚、上記スリーブ8と回転軸3とを相対回転しない様に組み合わせる構造は、スプライン係合、非円形嵌合、キー係合等、他の構造を採用しても良い。又、図示の例の場合、上記スリーブ8の外周面中央部には、請求項に記載した段部に相当する、他の部分よりも直径寸法の大きな大径部14を設けると共に、この大径部14の一端部(=先端部=図9の左端部)に、径方向外方に突出した突部を設けている。
【0006】
一方、上記従動プーリ7aは鋼製若しくはアルミニウム合金製で、外周面中間部を、幅方向に亙る断面形状を波形として、ポリVベルトと呼ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し自在としている。そして、上記スリーブ8の外周面と上記従動プーリ7aの内周面との間に存在する空間の軸方向中間部に前記ローラクラッチ10を、同じくこの空間の軸方向両端部でこのローラクラッチ10を軸方向両側から挟む位置に上記玉軸受9、9を、それぞれ配置している。
【0007】
このうちの玉軸受9、9は、上記従動プーリ7aに加わるラジアル荷重及びアキシアル荷重を支承しつつ、この従動プーリ7aと上記スリーブ8との相対回転を自在とする。上記各玉軸受9、9は、それぞれの内周面に深溝型の外輪軌道15、15を有する外輪16、16と、それぞれの外周面に深溝型の内輪軌道17、17を有する内輪18、18と、上記外輪軌道15、15と内輪軌道17、17との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた玉19、19とから成る。
【0008】
そして、上記外輪16、16を上記従動プーリ7aの両端部内周面に、上記内輪18、18を上記スリーブ8の両端部外周面に、それぞれ嵌合固定している。
又、この状態で上記各内輪18、18の軸方向内端面(互いに対向する端面)を、上記大径部14の軸方向両端面(段差面)に、それぞれ当接させている。又、上記各外輪16、16の両端部内周面と上記各内輪18、18の両端部外周面との間には、それぞれシールリング20、20を設け、上記各玉19、19を設置した空間の両端開口部を塞いでいる。
【0009】
又、前記ローラクラッチ10は、上記従動プーリ7aが上記スリーブ8に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これら従動プーリ7aとスリーブ8との間で回転力の伝達を自在とする。この様なローラクラッチ10は従来から周知の技術であり、本発明の要旨から外れるので、詳しい説明は省略する。
【0010】
上述の様に構成するローラクラッチ内蔵型プーリ装置の使用時、上記従動プーリ7aと上記スリーブ8とが所定方向に相対回転する傾向となった場合、上記従動プーリ7aと上記スリーブ8との相対回転が不能(ロック状態)となる。これに対して、これら従動プーリ7aとスリーブ8とが上記所定方向とは反対方向に相対回転する傾向になった場合には、上記従動プーリ7aと上記スリーブ8との相対回転が自在(オーバラン状態)となる。
【0011】
上述の様な構成を有するローラクラッチ内蔵型プーリ装置を、前述の様なオルタネータ1の従動プーリとして使用する理由は、次の2通りである。先ず、第一の理由は、無端ベルトの寿命を延長する為である。例えば、上記駆動用エンジンがディーゼルエンジンや直噴式のガソリンエンジンであった場合、アイドリング時等の低回転時には、クランクシャフトの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記駆動プーリに掛け渡した無端ベルトの走行速度も細かく変動する事になる。一方、この無端ベルトにより従動プーリを介して回転駆動されるオルタネータの回転軸3は、この回転軸3自身並びにこの回転軸3に固定したロータ等の慣性質量に基づき、それ程急激には変動しない。従って、上記従動プーリを回転軸に対し単に固定した場合には、クランクシャフトの回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルトと従動プーリとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、この従動プーリと擦れ合う無端ベルトに、繰り返し異なる方向の応力が作用して、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端ベルトの寿命が短くなったりする原因となる。
【0012】
そこで、この様な従動プーリとして、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を使用する事により、上記無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、上記従動プーリから回転軸3への回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、これら従動プーリと回転軸3との相対回転を自在とする。即ち、上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、上記従動プーリの回転角速度を上記回転軸3の回転角速度よりも遅くして、上記無端ベルトと従動プーリとの当接部が強く擦れ合う事を防止する。この様にして、従動プーリと無端ベルトとの擦れ合い部に作用する応力の方向を一定にし、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生したり、或はこの無端ベルトの寿命が低下する事を防止する。
【0013】
第二の理由は、オルタネータの発電効率を向上させる為である。オルタネータのロータを固定した回転軸3は、自動車の駆動用エンジンにより、無端ベルトと従動プーリとを介して回転駆動する。固定式の従動プーリを使用すると、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下した場合に、上記ロータの回転速度も急激に低下して、上記オルタネータによる発電量も急激に減少する。これに対して、上記オルタネータに付属の従動プーリとして、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を使用すれば、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下した場合でも、上記ロータの回転速度が慣性力により徐々に低下して、その間も発電を続ける。
この結果、固定式の従動プーリを使用した場合に比べ、上記回転軸3及びロータの運動エネルギを有効に利用して、オルタネータの発電量の増大を図れる。
尚、上述の説明は、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を従動プーリ側に設置した場合に就いて行なったが、同様の構成を有するローラクラッチ内蔵型プーリ装置を、駆動側であるクランクシャフトの端部に設置しても、同様の作用・効果を得られる。
【0014】
【特許文献1】
特開平7−139550号公報
【特許文献2】
特開平10−213207号公報
【特許文献3】
特開平10−285873号公報
【特許文献4】
特開平11−22753号公報
【特許文献5】
特開平11−63026号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、エンジンから伝わる熱や振動、更には前述した様なオルタネータ等の各種補機の高性能、高出力化等に伴って、高荷重、高振動、高温環境下で使用される事が多くなっている。そして、この様な厳しい環境下での耐久寿命の確保やオーバラン時の回転抵抗の低減等を図る為に、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を構成する各部材の位置関係を、設計通り高精度に組み立てた状態のまま維持する事が求められている。即ち、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を構成する従動プーリ7aやスリーブ8、玉軸受9、9、ローラクラッチ10の位置関係が、設計通りに組み立てられた状態からずれてしまうと、オーバラン時の回転抵抗や耐久性等の性能が、設計時に得られた値を満たさなくなる可能性がある。特に上述の様に高荷重、高振動、高温等の厳しい環境で使用される場合には、上記位置関係のずれが僅かであっても、上記性能の低下に繋がり易いと考えられる。
【0016】
一方、前述の図9に示した様な従来構造の場合、上述の様な厳しい環境下で使用される事に伴って、高精度に位置決めされた各部材7a、8、9、10の位置関係にずれが生じ易くなる。しかも、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の製造工場から自動車組立工場等に搬送する際に加わる衝撃荷重、或は補機の位置合わせの際に従動プーリ7aをハンマ等により叩く事により加わる衝撃荷重、更には、無端ベルトの掛け渡し位置の誤差等によっても、上記各部材7a、8、9、10の位置関係にずれが生じる可能性がある。言い換えれば、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の製造工場で、このプーリ装置を高精度に設計通り組み立てた場合でも、上述の様な理由に基づいて、上記各部材7a、8、9、10の位置関係にずれが生じる可能性がある。
【0017】
より具体的には、前述の図9に示した様な従来構造の場合、図10(A)、(B)にそれぞれ誇張して示す様に、上記従動プーリ7aがスリーブ8並びに玉軸受9、9、ローラクラッチ10に対して軸方向(アキシアル方向)にずれると共に、これら玉軸受9、9及びローラクラッチ10を構成する各部材の位置関係にもずれが生じる可能性がある。そして、この様なずれが生じたまま運転を続けると、オーバラン時の回転抵抗の増大や、異常発熱、異常摩耗、耐久性の低下等の不都合が生じ易くなる。しかも、上記ずれが著しい場合には、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置から、上記玉軸受9、9が抜け出る可能性もある。
【0018】
尚、上述した従来構造では、一方向クラッチとしてローラクラッチ10を使用した場合に就いて説明したが、一方向クラッチとしてスプラグクラッチ等のカムクラッチを使用する構造の場合でも、同様の問題が生じる可能性がある。
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、この様な事情に鑑みて、プーリ及びスリーブ、サポート軸受、一方向クラッチの位置関係にずれが生じにくい構造を実現すべく発明したものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、前述した従来構造と同様に、スリーブと、プーリと、一方向クラッチと、サポート軸受とを備える。
このうちのスリーブは、回転軸に外嵌固定自在である。
又、上記プーリは、上記スリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置されている。
又、上記一方向クラッチは、上記スリーブの外周面とプーリの内周面との間に設けられ、このプーリが上記スリーブに対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これらプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在としている。
又、上記サポート軸受は、上記プーリの内周面とスリーブの外周面との間で上記一方向クラッチに対して軸方向に外れた部分に設けられ、上記プーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在としている。
【0020】
特に、本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は何れも、上記サポート軸受を構成する内輪の軸方向内端面を、上記スリーブの外周面に設けられた段部の端面に、当接又は近接対向させている。
そして、請求項1に係る発明の場合には、上記サポート軸受を構成する外輪の軸方向外端面を、上記プーリの側面の内周縁部分の少なくとも一部を塑性変形させる事により設けたかしめ部により抑え付けている。
又、請求項2に係る発明の場合には、上記サポート軸受を構成する外輪の外周面と上記プーリの内周面とを接着固定している。
【0021】
尚、上記サポート軸受を構成する内輪の軸方向内端面と上記スリーブの外周面に設けられた段部の端面とを近接対向させる場合には、仮にこれら各端面同士が当接するまで上記内輪とスリーブとが互いに軸方向に変位した場合でも、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の性能が低下しない範囲で、これら各端面同士の軸方向距離(間隔)を規制する事が好ましい。但し、上記内輪の内端面と上記段部の端面とを当接させる事なく、上記スリープと内輪とが軸方向に変位するのを防止できるのであれば、即ち、例えばこれらスリーブの外周面と内輪の内周面とを接着固定等するのであれば、上記性能が低下しない範囲の軸方向距離よりも大きな距離で、上記端面同士を近接対向させても良い。又、上記段部は、上記スリーブの外周面に直接形成したものに限定されず、このスリーブの外周面に軸方向変位を不能に外嵌固定した部材等でも良い。
【0022】
【作用】
上述の様に構成する本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が、プーリがスリーブに対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみこれらプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とする作用に就いては、前述した従来構造と同様である。
特に、本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置によれば、上記プーリの側面の内周縁部分に設けたかしめ部により、サポート軸受を構成する外輪の外端面を抑え付ける為(請求項1)、又は、このサポート軸受を構成する外輪の外周面と上記プーリの内周面とを接着固定する為(請求項2)、上記プーリと上記サポート軸受とが軸方向にずれる事がない。
【0023】
しかも、このサポート軸受を構成する内輪を、上記スリーブの外周面に設けられた段部の端面に当接又は近接対向させている為(請求項1〜2)、これらスリーブとサポート軸受とが軸方向へずれる事がない(例えずれたとしても性能低下等の不都合が生じない範囲に収まる)。この為、上記プーリとスリーブとの軸方向に関するずれを抑えて、これらプーリ、スリーブ、サポート軸受、更には、これらプーリの内周面とスリーブの外周面との間に設けられた一方向クラッチの位置関係を、設計通り高精度に組み立てた状態のままに維持できる。
【0024】
この結果、厳しい環境下で使用したり、上記プーリの位置合わせの際や搬送時に衝撃荷重が加わったり、更には、無端ベルトの掛け渡し位置がずれていたり等した場合でも、上記プーリ並びに一方向クラッチ、サポート軸受の位置関係にずれが生じにくい。言い換えれば、上記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の運転を、このプーリ装置の製造工場で設計通りに組み立てられた状態のまま行なう事ができる。この為、オーバラン時の回転抵抗の増大や、異常発熱、異常摩耗、耐久性の低下等の不都合が生じにくい一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を提供できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1〜4は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、一方向クラッチとしてローラクラッチ10を使用した、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置に本発明を適用した場合に就いて示している。尚、本発明の特徴は、上記ローラクラッチ10、それぞれがサポート軸受である1対の玉軸受9、9、プーリ7a並びにスリーブ8の位置関係に、ずれが生じる事を防止する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図9に示した従来構造の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略し、以下、本発明の特徴部分及び上記従来構造と異なる部分を中心に説明する。
【0026】
本例のローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、上記各玉軸受9、9を構成する内輪18、18の軸方向内端面(互いに対向する端面)を、上記スリーブ8の外周面に設けられた、請求項に記載した段部に相当する大径部14の軸方向両端面に、それぞれ当接させている。又、これと共に、上記プーリ7aの両側面の内周縁部分を円周方向全周に亙り径方向内方に塑性変形させてかしめ部21、21とし、これら各かしめ部21、21により、上記各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の軸方向外端面(互いの反対側端面)を、それぞれ抑え付けている。
【0027】
これら各かしめ部21、21は、図4に示す様に、円筒状の工具22を上記プーリ7aの両側面に突き当てる事により形成する。即ち、その先端縁を全周に亙り上記プーリ7aの側面に向けて尖らせた(くさび状とした)上記工具22を、上記プーリ7aの両側面でこのプーリ7aの開口縁よりも径方向外方に少し外れた部分に突き当てる。そして、この様に突き当てた状態から更に上記工具22を押し込み(突き刺し)、この部分に凹部23を形成しつつこのプーリ7aの開口縁部分を径方向内方に向けて塑性変形させる事により、上記各かしめ部21、21を形成する。
【0028】
尚、本例の場合、上記各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の軸方向内端面を、上記ローラクラッチ10を構成するクラッチ用外輪24の軸方向両端面に、それぞれ当接させている。この為、上述の様にかしめ部21、21を形成する際に、上記工具22の押し込みに伴って、上記各玉軸受9、9及びローラクラッチ10が上記プーリ7aに対して軸方向に変位する事を防止できる。従って、これら各部材7a、9、10の位置決め精度を十分に確保できる。
【0029】
又、本例の場合、上記各かしめ部21、21の径方向に関する係り代(プーリ7aの内周面よりも径方向内方に突出した量)、即ち図3に示すaの値を、0よりも大きい値としている(a>0)。上記プーリ7aの材質や内径寸法、上記かしめ部21に上記各玉軸受9、9から加わる荷重(玉軸受9、9の抜け力)の大きさ等に応じて、上記係り代aの大きさを規制する事が好ましいが、この係り代aの値は少なくとも0より大きい値とする。又、上記各かしめ部21、21の軸方向に関する長さ(凹部23の深さ=プーリ7aの側面からの工具22の押し込み深さ)、即ち図4に示すbの値は、上記プーリ7aがアルミニウ合金製で内径寸法が50〜100mm程度の場合に、0. 05〜1.0mm、より好ましくは、0.1〜0.5mm、更に好ましくは0.35mmとする。
【0030】
上述の様に構成する本例のローラクラッチ内蔵型プーリ装置によれば、上記プーリ7aの両側面内周縁部分に設けた上記かしめ部21、21により、上記各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の外端面を抑え付ける為、上記プーリ7aと上記各玉軸受9、9とが軸方向にずれる事がない。しかも、これら各玉軸受9、9を構成する内輪18、18を、上記スリーブ8の外周面に設けられた大径部14の両端面に当接又は近接対向させている為、これらスリーブ8と各玉軸受9、9とが互いに軸方向へずれる事がない。この為、上記プーリ7aとスリーブ8とが軸方向にずれる事を防止でき、これらプーリ7a、スリーブ8、各玉軸受9、9、更には、これらプーリ7aの内周面とスリーブ8の外周面との間に設けられたローラクラッチ10の位置関係を、設計通り高精度に組み立てた状態のままに維持できる。
【0031】
この結果、厳しい環境下で使用したり、上記プーリ7aの位置合わせの際や搬送時に衝撃荷重が加わったり、更には、無端ベルトの掛け渡し位置がずれていたり等した場合でも、上記プーリ7a並びにローラクラッチ10、各玉軸受9、9の位置関係にずれが生じにくい。言い換えれば、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の運転を、このプーリ装置の製造工場で設計通りに組み立てられた状態のまま行なう事ができる。この為、オーバラン時の回転抵抗の増大や、異常発熱、異常摩耗、耐久性の低下等の不都合が生じにくいローラクラッチ内蔵型プーリ装置を提供できる。
【0032】
次に、図5は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、プーリ7aの両側面の内周縁部分の円周方向複数個所を塑性変形させる事によりかしめ部21aを設け、これら各かしめ部21aにより玉軸受9を構成する外輪16(図1参照)の軸方向外端面を抑え付けている。その他の構造及び作用は上述した第1例と同様である。
【0033】
次に、図6は、請求項2、3に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の外周面とプーリ7aの両端部内周面とを接着固定している。これに伴って、プーリ7aの両側面の内周縁部分にかしめ部21、21a(図1〜5)は設けていない。但し、必要に応じて、本例の様に外輪16、16の外周面とプーリ7aの両端部内周面とを接着固定すると共に、前述した実施の形態の第1〜2例の様に、プーリ7aの両側面の内周縁部分にかしめ部21、21aを設けても良い。その他の構造及び作用は前述並びに上述した第1、2例と同様である。
【0034】
次に、図7は、請求項2、3に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合も、上述の実施の形態の第3例と同様に、各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の外周面とプーリ7a´の両端部内周面とを接着固定している。そして、本例の場合には、このプーリ7a´の外周面中間部の幅方向に亙る断面形状をV字形とし、Vベルトと呼ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し自在としている。その他の構造及び作用は上述した第3例と同様である。
【0035】
尚、上述した各実施例では、一方向クラッチとしてローラクラッチ10を使用した構造に就いて説明したが、本発明は一方向クラッチとしてスプラグクラッチ等のカムクラッチを使用した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に組み込む構造にも適用可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、過酷な環境下で使用される場合でも、構成各部材同士の位置ずれを防止して、オーバラン時の回転抵抗の増大や耐久寿命の低下等の性能低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面図。
【図2】プーリを取り出して図1の左方から見た図。
【図3】図1のA部拡大図。
【図4】かしめ部を加工する状態を示す、図1のB部拡大図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。
【図6】同第3例を示す半部断面図。
【図7】同第4例を示す半部断面図。
【図8】従来から知られているオルタネータの1例を示す断面図。
【図9】従来構造の1例を示す半部断面図。
【図10】プーリが軸方向両側にずれる状態の2例を、誇張して示す半部断面図。
【符号の説明】
1 オルタネータ
2 ハウジング
3 回転軸
4 転がり軸受
5 ロータ
6 整流子
7、7a、7a´ (従動)プーリ
8 スリーブ
9 玉軸受
10 ローラクラッチ
11 ねじ孔部
12 係止孔部
13 円孔部
14 大径部
15 外輪軌道
16 外輪
17 内輪軌道
18 内輪
19 玉
20 シールリング
21、21a かしめ部
22 工具
23 凹部
24 クラッチ用外輪
【発明の属する技術分野】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、自動車の走行用エンジンのクランクシャフトにより、この自動車用の補機を回転駆動する為に利用するものである。即ち、自動車のパワーステアリング用送油ポンプ、エアコンディショナ用コンプレッサ、冷却用ファン、オルタネータ、ウォータポンプ等の各種補機の回転軸に固定する従動プーリと上記エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリとの間に無端ベルトを掛け渡して上記各種補機を駆動するベルト駆動装置に、上記従動プーリ又は駆動プーリとして組み込んだ状態で使用する。又、アイドリングストップ車のエンジンをスタートさせる為のスタータモータの駆動軸に固定して、上記エンジンのクランクシャフトを回転駆動する為に使用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の走行用エンジンを駆動源として、自動車に必要な発電を行なうオルタネータの構造が、例えば特許文献1に記載されている。図8は、この文献に記載されたオルタネータ1を示している。ハウジング2の内側に回転軸3を、1対の転がり軸受4、4により、回転自在に支持している。この回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とを設けている。又、この回転軸3の一端部(図8の右端部)で上記ハウジング2外に突出した部分には、従動プーリ7を固定している。
エンジンへの組み付け状態では、この従動プーリ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクランクシャフトにより、上記回転軸3を回転駆動自在とする。
【0003】
上記従動プーリ7として従来一般的には、単に上記回転軸3に固定しただけのものを使用していた。これに対して近年、無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、無端ベルトから回転軸への動力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、従動プーリと回転軸との相対回転を自在とする、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が各種提案され、一部で使用されている。例えば、特許文献2〜5等には、上述の様な機能を有する一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が記載されている。又、一方向クラッチとして、ローラクラッチを使用する事も、上記各文献等に記載された様に、従来から知られている。
【0004】
図9は、これら各文献に記載される等により従来から知られているローラクラッチ内蔵型プーリ装置の1例を示している。このローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、オルタネータ1の回転軸3(図8参照)に外嵌固定自在なスリーブ8を有する。又、このスリーブ8の周囲に従動プーリ7aを、このスリーブ8と同心に配置している。そして、これらスリーブ8の外周面と従動プーリ7aの内周面との間に、請求項に記載したサポート軸受に相当する1対の玉軸受9、9と、同じく一方向クラッチであるローラクラッチ10とを設けている。
【0005】
上記スリーブ8は、全体を略円筒状に形成しており、上記オルタネータ1の回転軸3の端部に外嵌固定して、この回転軸3と共に回転自在である。この為に図示の例では、上記スリーブ8の内周面中間部にねじ孔部11を形成し、このねじ孔部11と上記回転軸3の先端部外周面に設けた雄ねじ部とを螺合自在としている。又、上記スリーブ8の内周面先端部(図9の左端部)に、断面形状が六角形である係止孔部12を形成して、この係止孔部12に、六角レンチ等の工具の先端部を係止自在としている。更に、上記スリーブ8の内周面基端部(図9の右端部)は、上記回転軸3の先端部中間寄り部分とがたつきなく嵌合自在な円孔部13としている。尚、上記スリーブ8と回転軸3とを相対回転しない様に組み合わせる構造は、スプライン係合、非円形嵌合、キー係合等、他の構造を採用しても良い。又、図示の例の場合、上記スリーブ8の外周面中央部には、請求項に記載した段部に相当する、他の部分よりも直径寸法の大きな大径部14を設けると共に、この大径部14の一端部(=先端部=図9の左端部)に、径方向外方に突出した突部を設けている。
【0006】
一方、上記従動プーリ7aは鋼製若しくはアルミニウム合金製で、外周面中間部を、幅方向に亙る断面形状を波形として、ポリVベルトと呼ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し自在としている。そして、上記スリーブ8の外周面と上記従動プーリ7aの内周面との間に存在する空間の軸方向中間部に前記ローラクラッチ10を、同じくこの空間の軸方向両端部でこのローラクラッチ10を軸方向両側から挟む位置に上記玉軸受9、9を、それぞれ配置している。
【0007】
このうちの玉軸受9、9は、上記従動プーリ7aに加わるラジアル荷重及びアキシアル荷重を支承しつつ、この従動プーリ7aと上記スリーブ8との相対回転を自在とする。上記各玉軸受9、9は、それぞれの内周面に深溝型の外輪軌道15、15を有する外輪16、16と、それぞれの外周面に深溝型の内輪軌道17、17を有する内輪18、18と、上記外輪軌道15、15と内輪軌道17、17との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた玉19、19とから成る。
【0008】
そして、上記外輪16、16を上記従動プーリ7aの両端部内周面に、上記内輪18、18を上記スリーブ8の両端部外周面に、それぞれ嵌合固定している。
又、この状態で上記各内輪18、18の軸方向内端面(互いに対向する端面)を、上記大径部14の軸方向両端面(段差面)に、それぞれ当接させている。又、上記各外輪16、16の両端部内周面と上記各内輪18、18の両端部外周面との間には、それぞれシールリング20、20を設け、上記各玉19、19を設置した空間の両端開口部を塞いでいる。
【0009】
又、前記ローラクラッチ10は、上記従動プーリ7aが上記スリーブ8に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これら従動プーリ7aとスリーブ8との間で回転力の伝達を自在とする。この様なローラクラッチ10は従来から周知の技術であり、本発明の要旨から外れるので、詳しい説明は省略する。
【0010】
上述の様に構成するローラクラッチ内蔵型プーリ装置の使用時、上記従動プーリ7aと上記スリーブ8とが所定方向に相対回転する傾向となった場合、上記従動プーリ7aと上記スリーブ8との相対回転が不能(ロック状態)となる。これに対して、これら従動プーリ7aとスリーブ8とが上記所定方向とは反対方向に相対回転する傾向になった場合には、上記従動プーリ7aと上記スリーブ8との相対回転が自在(オーバラン状態)となる。
【0011】
上述の様な構成を有するローラクラッチ内蔵型プーリ装置を、前述の様なオルタネータ1の従動プーリとして使用する理由は、次の2通りである。先ず、第一の理由は、無端ベルトの寿命を延長する為である。例えば、上記駆動用エンジンがディーゼルエンジンや直噴式のガソリンエンジンであった場合、アイドリング時等の低回転時には、クランクシャフトの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記駆動プーリに掛け渡した無端ベルトの走行速度も細かく変動する事になる。一方、この無端ベルトにより従動プーリを介して回転駆動されるオルタネータの回転軸3は、この回転軸3自身並びにこの回転軸3に固定したロータ等の慣性質量に基づき、それ程急激には変動しない。従って、上記従動プーリを回転軸に対し単に固定した場合には、クランクシャフトの回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルトと従動プーリとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、この従動プーリと擦れ合う無端ベルトに、繰り返し異なる方向の応力が作用して、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端ベルトの寿命が短くなったりする原因となる。
【0012】
そこで、この様な従動プーリとして、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を使用する事により、上記無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、上記従動プーリから回転軸3への回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、これら従動プーリと回転軸3との相対回転を自在とする。即ち、上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、上記従動プーリの回転角速度を上記回転軸3の回転角速度よりも遅くして、上記無端ベルトと従動プーリとの当接部が強く擦れ合う事を防止する。この様にして、従動プーリと無端ベルトとの擦れ合い部に作用する応力の方向を一定にし、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生したり、或はこの無端ベルトの寿命が低下する事を防止する。
【0013】
第二の理由は、オルタネータの発電効率を向上させる為である。オルタネータのロータを固定した回転軸3は、自動車の駆動用エンジンにより、無端ベルトと従動プーリとを介して回転駆動する。固定式の従動プーリを使用すると、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下した場合に、上記ロータの回転速度も急激に低下して、上記オルタネータによる発電量も急激に減少する。これに対して、上記オルタネータに付属の従動プーリとして、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を使用すれば、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下した場合でも、上記ロータの回転速度が慣性力により徐々に低下して、その間も発電を続ける。
この結果、固定式の従動プーリを使用した場合に比べ、上記回転軸3及びロータの運動エネルギを有効に利用して、オルタネータの発電量の増大を図れる。
尚、上述の説明は、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を従動プーリ側に設置した場合に就いて行なったが、同様の構成を有するローラクラッチ内蔵型プーリ装置を、駆動側であるクランクシャフトの端部に設置しても、同様の作用・効果を得られる。
【0014】
【特許文献1】
特開平7−139550号公報
【特許文献2】
特開平10−213207号公報
【特許文献3】
特開平10−285873号公報
【特許文献4】
特開平11−22753号公報
【特許文献5】
特開平11−63026号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、エンジンから伝わる熱や振動、更には前述した様なオルタネータ等の各種補機の高性能、高出力化等に伴って、高荷重、高振動、高温環境下で使用される事が多くなっている。そして、この様な厳しい環境下での耐久寿命の確保やオーバラン時の回転抵抗の低減等を図る為に、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を構成する各部材の位置関係を、設計通り高精度に組み立てた状態のまま維持する事が求められている。即ち、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を構成する従動プーリ7aやスリーブ8、玉軸受9、9、ローラクラッチ10の位置関係が、設計通りに組み立てられた状態からずれてしまうと、オーバラン時の回転抵抗や耐久性等の性能が、設計時に得られた値を満たさなくなる可能性がある。特に上述の様に高荷重、高振動、高温等の厳しい環境で使用される場合には、上記位置関係のずれが僅かであっても、上記性能の低下に繋がり易いと考えられる。
【0016】
一方、前述の図9に示した様な従来構造の場合、上述の様な厳しい環境下で使用される事に伴って、高精度に位置決めされた各部材7a、8、9、10の位置関係にずれが生じ易くなる。しかも、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の製造工場から自動車組立工場等に搬送する際に加わる衝撃荷重、或は補機の位置合わせの際に従動プーリ7aをハンマ等により叩く事により加わる衝撃荷重、更には、無端ベルトの掛け渡し位置の誤差等によっても、上記各部材7a、8、9、10の位置関係にずれが生じる可能性がある。言い換えれば、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の製造工場で、このプーリ装置を高精度に設計通り組み立てた場合でも、上述の様な理由に基づいて、上記各部材7a、8、9、10の位置関係にずれが生じる可能性がある。
【0017】
より具体的には、前述の図9に示した様な従来構造の場合、図10(A)、(B)にそれぞれ誇張して示す様に、上記従動プーリ7aがスリーブ8並びに玉軸受9、9、ローラクラッチ10に対して軸方向(アキシアル方向)にずれると共に、これら玉軸受9、9及びローラクラッチ10を構成する各部材の位置関係にもずれが生じる可能性がある。そして、この様なずれが生じたまま運転を続けると、オーバラン時の回転抵抗の増大や、異常発熱、異常摩耗、耐久性の低下等の不都合が生じ易くなる。しかも、上記ずれが著しい場合には、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置から、上記玉軸受9、9が抜け出る可能性もある。
【0018】
尚、上述した従来構造では、一方向クラッチとしてローラクラッチ10を使用した場合に就いて説明したが、一方向クラッチとしてスプラグクラッチ等のカムクラッチを使用する構造の場合でも、同様の問題が生じる可能性がある。
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、この様な事情に鑑みて、プーリ及びスリーブ、サポート軸受、一方向クラッチの位置関係にずれが生じにくい構造を実現すべく発明したものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、前述した従来構造と同様に、スリーブと、プーリと、一方向クラッチと、サポート軸受とを備える。
このうちのスリーブは、回転軸に外嵌固定自在である。
又、上記プーリは、上記スリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置されている。
又、上記一方向クラッチは、上記スリーブの外周面とプーリの内周面との間に設けられ、このプーリが上記スリーブに対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これらプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在としている。
又、上記サポート軸受は、上記プーリの内周面とスリーブの外周面との間で上記一方向クラッチに対して軸方向に外れた部分に設けられ、上記プーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在としている。
【0020】
特に、本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は何れも、上記サポート軸受を構成する内輪の軸方向内端面を、上記スリーブの外周面に設けられた段部の端面に、当接又は近接対向させている。
そして、請求項1に係る発明の場合には、上記サポート軸受を構成する外輪の軸方向外端面を、上記プーリの側面の内周縁部分の少なくとも一部を塑性変形させる事により設けたかしめ部により抑え付けている。
又、請求項2に係る発明の場合には、上記サポート軸受を構成する外輪の外周面と上記プーリの内周面とを接着固定している。
【0021】
尚、上記サポート軸受を構成する内輪の軸方向内端面と上記スリーブの外周面に設けられた段部の端面とを近接対向させる場合には、仮にこれら各端面同士が当接するまで上記内輪とスリーブとが互いに軸方向に変位した場合でも、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の性能が低下しない範囲で、これら各端面同士の軸方向距離(間隔)を規制する事が好ましい。但し、上記内輪の内端面と上記段部の端面とを当接させる事なく、上記スリープと内輪とが軸方向に変位するのを防止できるのであれば、即ち、例えばこれらスリーブの外周面と内輪の内周面とを接着固定等するのであれば、上記性能が低下しない範囲の軸方向距離よりも大きな距離で、上記端面同士を近接対向させても良い。又、上記段部は、上記スリーブの外周面に直接形成したものに限定されず、このスリーブの外周面に軸方向変位を不能に外嵌固定した部材等でも良い。
【0022】
【作用】
上述の様に構成する本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が、プーリがスリーブに対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみこれらプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とする作用に就いては、前述した従来構造と同様である。
特に、本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置によれば、上記プーリの側面の内周縁部分に設けたかしめ部により、サポート軸受を構成する外輪の外端面を抑え付ける為(請求項1)、又は、このサポート軸受を構成する外輪の外周面と上記プーリの内周面とを接着固定する為(請求項2)、上記プーリと上記サポート軸受とが軸方向にずれる事がない。
【0023】
しかも、このサポート軸受を構成する内輪を、上記スリーブの外周面に設けられた段部の端面に当接又は近接対向させている為(請求項1〜2)、これらスリーブとサポート軸受とが軸方向へずれる事がない(例えずれたとしても性能低下等の不都合が生じない範囲に収まる)。この為、上記プーリとスリーブとの軸方向に関するずれを抑えて、これらプーリ、スリーブ、サポート軸受、更には、これらプーリの内周面とスリーブの外周面との間に設けられた一方向クラッチの位置関係を、設計通り高精度に組み立てた状態のままに維持できる。
【0024】
この結果、厳しい環境下で使用したり、上記プーリの位置合わせの際や搬送時に衝撃荷重が加わったり、更には、無端ベルトの掛け渡し位置がずれていたり等した場合でも、上記プーリ並びに一方向クラッチ、サポート軸受の位置関係にずれが生じにくい。言い換えれば、上記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の運転を、このプーリ装置の製造工場で設計通りに組み立てられた状態のまま行なう事ができる。この為、オーバラン時の回転抵抗の増大や、異常発熱、異常摩耗、耐久性の低下等の不都合が生じにくい一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を提供できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1〜4は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、一方向クラッチとしてローラクラッチ10を使用した、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置に本発明を適用した場合に就いて示している。尚、本発明の特徴は、上記ローラクラッチ10、それぞれがサポート軸受である1対の玉軸受9、9、プーリ7a並びにスリーブ8の位置関係に、ずれが生じる事を防止する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図9に示した従来構造の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略し、以下、本発明の特徴部分及び上記従来構造と異なる部分を中心に説明する。
【0026】
本例のローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、上記各玉軸受9、9を構成する内輪18、18の軸方向内端面(互いに対向する端面)を、上記スリーブ8の外周面に設けられた、請求項に記載した段部に相当する大径部14の軸方向両端面に、それぞれ当接させている。又、これと共に、上記プーリ7aの両側面の内周縁部分を円周方向全周に亙り径方向内方に塑性変形させてかしめ部21、21とし、これら各かしめ部21、21により、上記各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の軸方向外端面(互いの反対側端面)を、それぞれ抑え付けている。
【0027】
これら各かしめ部21、21は、図4に示す様に、円筒状の工具22を上記プーリ7aの両側面に突き当てる事により形成する。即ち、その先端縁を全周に亙り上記プーリ7aの側面に向けて尖らせた(くさび状とした)上記工具22を、上記プーリ7aの両側面でこのプーリ7aの開口縁よりも径方向外方に少し外れた部分に突き当てる。そして、この様に突き当てた状態から更に上記工具22を押し込み(突き刺し)、この部分に凹部23を形成しつつこのプーリ7aの開口縁部分を径方向内方に向けて塑性変形させる事により、上記各かしめ部21、21を形成する。
【0028】
尚、本例の場合、上記各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の軸方向内端面を、上記ローラクラッチ10を構成するクラッチ用外輪24の軸方向両端面に、それぞれ当接させている。この為、上述の様にかしめ部21、21を形成する際に、上記工具22の押し込みに伴って、上記各玉軸受9、9及びローラクラッチ10が上記プーリ7aに対して軸方向に変位する事を防止できる。従って、これら各部材7a、9、10の位置決め精度を十分に確保できる。
【0029】
又、本例の場合、上記各かしめ部21、21の径方向に関する係り代(プーリ7aの内周面よりも径方向内方に突出した量)、即ち図3に示すaの値を、0よりも大きい値としている(a>0)。上記プーリ7aの材質や内径寸法、上記かしめ部21に上記各玉軸受9、9から加わる荷重(玉軸受9、9の抜け力)の大きさ等に応じて、上記係り代aの大きさを規制する事が好ましいが、この係り代aの値は少なくとも0より大きい値とする。又、上記各かしめ部21、21の軸方向に関する長さ(凹部23の深さ=プーリ7aの側面からの工具22の押し込み深さ)、即ち図4に示すbの値は、上記プーリ7aがアルミニウ合金製で内径寸法が50〜100mm程度の場合に、0. 05〜1.0mm、より好ましくは、0.1〜0.5mm、更に好ましくは0.35mmとする。
【0030】
上述の様に構成する本例のローラクラッチ内蔵型プーリ装置によれば、上記プーリ7aの両側面内周縁部分に設けた上記かしめ部21、21により、上記各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の外端面を抑え付ける為、上記プーリ7aと上記各玉軸受9、9とが軸方向にずれる事がない。しかも、これら各玉軸受9、9を構成する内輪18、18を、上記スリーブ8の外周面に設けられた大径部14の両端面に当接又は近接対向させている為、これらスリーブ8と各玉軸受9、9とが互いに軸方向へずれる事がない。この為、上記プーリ7aとスリーブ8とが軸方向にずれる事を防止でき、これらプーリ7a、スリーブ8、各玉軸受9、9、更には、これらプーリ7aの内周面とスリーブ8の外周面との間に設けられたローラクラッチ10の位置関係を、設計通り高精度に組み立てた状態のままに維持できる。
【0031】
この結果、厳しい環境下で使用したり、上記プーリ7aの位置合わせの際や搬送時に衝撃荷重が加わったり、更には、無端ベルトの掛け渡し位置がずれていたり等した場合でも、上記プーリ7a並びにローラクラッチ10、各玉軸受9、9の位置関係にずれが生じにくい。言い換えれば、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の運転を、このプーリ装置の製造工場で設計通りに組み立てられた状態のまま行なう事ができる。この為、オーバラン時の回転抵抗の増大や、異常発熱、異常摩耗、耐久性の低下等の不都合が生じにくいローラクラッチ内蔵型プーリ装置を提供できる。
【0032】
次に、図5は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、プーリ7aの両側面の内周縁部分の円周方向複数個所を塑性変形させる事によりかしめ部21aを設け、これら各かしめ部21aにより玉軸受9を構成する外輪16(図1参照)の軸方向外端面を抑え付けている。その他の構造及び作用は上述した第1例と同様である。
【0033】
次に、図6は、請求項2、3に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の外周面とプーリ7aの両端部内周面とを接着固定している。これに伴って、プーリ7aの両側面の内周縁部分にかしめ部21、21a(図1〜5)は設けていない。但し、必要に応じて、本例の様に外輪16、16の外周面とプーリ7aの両端部内周面とを接着固定すると共に、前述した実施の形態の第1〜2例の様に、プーリ7aの両側面の内周縁部分にかしめ部21、21aを設けても良い。その他の構造及び作用は前述並びに上述した第1、2例と同様である。
【0034】
次に、図7は、請求項2、3に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合も、上述の実施の形態の第3例と同様に、各玉軸受9、9を構成する外輪16、16の外周面とプーリ7a´の両端部内周面とを接着固定している。そして、本例の場合には、このプーリ7a´の外周面中間部の幅方向に亙る断面形状をV字形とし、Vベルトと呼ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し自在としている。その他の構造及び作用は上述した第3例と同様である。
【0035】
尚、上述した各実施例では、一方向クラッチとしてローラクラッチ10を使用した構造に就いて説明したが、本発明は一方向クラッチとしてスプラグクラッチ等のカムクラッチを使用した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に組み込む構造にも適用可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、過酷な環境下で使用される場合でも、構成各部材同士の位置ずれを防止して、オーバラン時の回転抵抗の増大や耐久寿命の低下等の性能低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面図。
【図2】プーリを取り出して図1の左方から見た図。
【図3】図1のA部拡大図。
【図4】かしめ部を加工する状態を示す、図1のB部拡大図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。
【図6】同第3例を示す半部断面図。
【図7】同第4例を示す半部断面図。
【図8】従来から知られているオルタネータの1例を示す断面図。
【図9】従来構造の1例を示す半部断面図。
【図10】プーリが軸方向両側にずれる状態の2例を、誇張して示す半部断面図。
【符号の説明】
1 オルタネータ
2 ハウジング
3 回転軸
4 転がり軸受
5 ロータ
6 整流子
7、7a、7a´ (従動)プーリ
8 スリーブ
9 玉軸受
10 ローラクラッチ
11 ねじ孔部
12 係止孔部
13 円孔部
14 大径部
15 外輪軌道
16 外輪
17 内輪軌道
18 内輪
19 玉
20 シールリング
21、21a かしめ部
22 工具
23 凹部
24 クラッチ用外輪
Claims (4)
- 回転軸に外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置されたプーリと、これらスリーブの外周面とプーリの内周面との間に設けられ、このプーリが上記スリーブに対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみこれらプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、これらプーリの内周面とスリーブの外周面との間で上記一方向クラッチに対して軸方向に外れた部分に設けられ、上記プーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在とするサポート軸受とを備えた一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に於いて、このサポート軸受を構成する内輪の軸方向内端面を上記スリーブの外周面に設けられた段部の端面に当接又は近接対向させると共に、上記サポート軸受を構成する外輪の軸方向外端面を、上記プーリの側面の内周縁部分の少なくとも一部を塑性変形させる事により設けたかしめ部により抑え付けた事を特徴とする一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
- 回転軸に外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置されたプーリと、これらスリーブの外周面とプーリの内周面との間に設けられ、このプーリが上記スリーブに対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみこれらプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、これらプーリの内周面とスリーブの外周面との間で上記一方向クラッチに対して軸方向に外れた部分に設けられ、上記プーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在とするサポート軸受とを備えた一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に於いて、このサポート軸受を構成する内輪の軸方向内端面を上記スリーブの外周面に設けられた段部の端面に当接又は近接対向させると共に、上記サポート軸受を構成する外輪の外周面と上記プーリの内周面とを接着固定した事を特徴とする一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
- 各サポート軸受を構成する外輪の軸方向内端面と一方向クラッチを構成するクラッチ用外輪の軸方向両端面とを、当接若しくは近接対向させた、請求項1〜2の何れかに記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
- 各サポート軸受を構成する内輪の内周面をスリーブの外周面に接着固定する代りに、これら各内輪とスリーブ外周面の段部を省略若しくはこの段部の端面と上記各内輪の軸方向内端面とを離隔させた、請求項1〜3の何れかに記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002295266A JP2004132406A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002295266A JP2004132406A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 |
Publications (2)
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JP2004132406A true JP2004132406A (ja) | 2004-04-30 |
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Family
ID=32285576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002295266A Withdrawn JP2004132406A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004132406A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1674748A1 (en) * | 2004-12-22 | 2006-06-28 | Ford Global Technologies, LLC | A method of mounting a wheel hub bearing assembly to a knuckle of a vehicle suspension and a vehicle suspension knuckle suitable for such mounting |
-
2002
- 2002-10-08 JP JP2002295266A patent/JP2004132406A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1674748A1 (en) * | 2004-12-22 | 2006-06-28 | Ford Global Technologies, LLC | A method of mounting a wheel hub bearing assembly to a knuckle of a vehicle suspension and a vehicle suspension knuckle suitable for such mounting |
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