JP2004132291A - 圧縮機及び冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】バランス調整の時間を短縮し、手間をかけず容易に調整ができ、バランス精度が向上した圧縮機及び冷凍機を提供すること。
【解決手段】ケーシング24が、回転軸21の一端及びインペラ23を収める第一の殻体28と、回転軸21の他端又は回転子22aを収める第二の殻体29とに分割されている構成を採用した。
【選択図】 図1
【解決手段】ケーシング24が、回転軸21の一端及びインペラ23を収める第一の殻体28と、回転軸21の他端又は回転子22aを収める第二の殻体29とに分割されている構成を採用した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ケーシングが回転軸の一端及びインペラを収める部分と、回転軸の他端又は回転子を収める部分とで分割された圧縮機、及びこの圧縮機を有する冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、ターボ冷凍機の一例を示したものである。
この図3において、ターボ冷凍機1は、冷媒と冷水との間で熱交換を行わせて冷水を冷却すると共に、冷媒を蒸発、気化する蒸発器2と、蒸発器2において気化された冷媒を圧縮する圧縮機3と、圧縮機3において圧縮された冷媒と冷却水との間で熱交換を行わせて冷媒を凝縮、液化する凝縮器4と、凝縮器4において液化された冷媒を減圧する絞り弁(図示せず)と、凝縮器4において冷却された冷媒の一部を利用して圧縮機3の潤滑油を冷却する油冷却器(図示せず)とを備えているものである。
【0003】
従来、この種のターボ冷凍機1に用いられる圧縮機3として、図4に示すものが知られている。
図4に示す圧縮機6は、回転軸7と電動機8とインペラ9が1つのケーシング10内に設けられたものである。
インペラ9は、回転軸7の一端に固定されている。また、電動機8は、回転軸7の他端に固定された回転子8aと、ケーシング10の内部に回転子8aを取り囲むように配置された固定子8bとからなっている。また、この回転子8aの両側端面及び回転軸7の他端の端部は、バランス調整部11となっている。
次いで、ケーシング10は、底部を有する筒形状に形成されており、このケーシング10の開口部側に蓋体12が固定されている。
【0004】
この圧縮機6は、フィールドバランスと呼ばれる、圧縮機を組立てた状態で運転し、その振動を検出しバランス調整部11に錘を取り付ける、又は穴を開け重量を軽減しバランス調整をする方法と、回転軸7と回転子8a、インペラ9を組み立て後、バランサー(図示せず)に取り付け、バランス調整を行って総合の動的バランスを点検する方法などがある。
【0005】
また、この圧縮機6と構成を同一とした圧縮機の一例として、次のものが知られている。
即ち、1つのケーシング内にインペラ室とモーター室が形成され、インペラ室には単段のインペラが収納され、モーター室にはインペラを回転駆動させるためのモーターが収納され、インペラはモーターと同一の駆動軸により固定されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−281573号公報(第34−47段落、第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この圧縮機6においては、電動機8と回転軸7の端部がケーシング10の奥側に位置しているため、圧縮機6を組み立て後、試運転を行って総合の動的バランスを調整する際に、動的バランスの調整個所であるバランス調整部11にアクセスするのが困難であるため、容易にフィールドバランスによりバランス調整をすることができないという問題があった。
【0008】
従って、バランサーにより一度外部で軸を組み立て総合の動的バランスを調整後、インペラ9を取り外してといったように、順次に構成品を分解して、再度組立てて試運転を行い、更に再度調整が必要ならば再び分解してといったように、点検、取り外し、調整、組立てを何度も繰り返す作業のため、時間を費やし、手間がかかるといった問題があった。
【0009】
更に、分解前後の各組立て位置がずれないように、特に回転軸7と回転子8aとインペラ9等の回転する構成品の各結合部にマーキングをつけて分解し、組立てる際はそのマーキング同士を合わせて組立てていたが、どうしてもナットにより構成部品を組立てる際に、各接合部において、マーキングの僅かなずれが生じ、これらの積み重ねが、大きな誤差となってしまう。そのため、取り外し、取り付け毎に誤差が生じて点検時の状態に戻すことが難しくなってしまうため、調整前の状態への再現性が得られず、バランス精度が悪いという問題があった。特に、装置の小型化のために高速回転仕様とした場合に、バランスの影響が顕著となるという不都合が生じていた。
【0010】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、バランス調整の時間を短縮し、手間をかけず容易に調整ができ、バランス精度が向上した圧縮機及び冷凍機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
請求項1に係る発明は、ケーシングと、該ケーシング内に回転自在に支持された回転軸と、該回転軸の一端に取り付けられたインペラと、前記回転軸の他端に取り付けられた回転子と、ケーシングの内部に前記回転子を取り囲むように配置されて該回転子とで電動機をなす固定子とを備え、前記回転軸の他端又は前記回転子にはバランス調整部が設けられた圧縮機において、前記ケーシングが、前記回転軸の一端及び前記インペラを収める第一の殻体と、前記回転軸の他端又は前記回転子を収める第二の殻体とに分割されていることを特徴とするものである。
【0012】
この発明に係る圧縮機においては、ケーシングが回転軸の一端及びインペラを収める第一の殻体と、回転軸の他端及び回転子を収める第二の殻体に分割できるので、圧縮機を組み立て後、総合の動的バランスを調整する際に、第二の殻体のみ取り外せばバランス調整部を露出させることができる。従って、フィールドバランスにより動的バランスを容易に調整することができる。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された圧縮機において、前記第一の殻体が、前記回転軸の一端及び前記インペラを内側に密閉状態に保持していることを特徴とするものである。
この発明に係る圧縮機においては、第二の殻体を取り外した場合において、第一の殻体が回転軸の一端及びインペラを内側に密閉状態に保持するので、バランス調整部にて錘を取り付けたり、孔を開けたりして調整行う際、調整時に生じる切削クズや調整部品等がインペラ側に入ってしまうことはない。従って、調整時のミスによるトラブルをなくして安全に調整を行うことができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載された圧縮機と、該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮、液化させる凝縮器と、該凝縮器によって液化された冷媒を減圧する絞り弁と、該絞り弁によって減圧された冷媒を蒸発、気化させる蒸発器と、を備えることを特徴とするものである。
この発明に係る冷凍機においては、請求項1または2に係る発明の圧縮機を備えるので、バランス調整が容易な圧縮機が構成された冷凍機を得る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
ここで説明する実施の形態は、図3に示すターボ冷凍機1とその基本的な構成は同一である。すなわち図3に示すように、蒸発器2、圧縮機3、凝縮器4とを備えた構成である。
図1は、図3に示すターボ冷凍機1のうち圧縮機3の一例を示したものである。以下、従来の圧縮機3と区別するために、新たな符号20を与えて説明する。図1に示す圧縮機20は、回転軸21と、電動機22と、インペラ23が1つのケーシング24内に設けられたものである。
回転軸21は、大径部21a、中径部21b、小径部21c、おねじ部21dからなり、一対の軸受け25によりケーシング24内に支持されている。
【0016】
インペラ23は、小径部21cに固定されて回転軸21の一端に位置し、このインペラ23は、ナット26がおねじ部21dに固定されることにより回転軸21の軸方向への抜けを防止している。
電動機22は、回転軸21の他端に位置して大径部21aに固定された回転子22aと、ケーシング24に回転子22aを取り囲むように配置された固定子22bから構成されている。また、大径部21aの端部及び回転子22aの両側端面はバランス調整部27となっている。
【0017】
ケーシング24は、回転軸21の一端及びインペラ23を収める殻体28(第一の殻体)と、回転軸21の他端又は回転子22aを収める殻体29(第二の殻体)により構成される。
殻体28は、筒形状に形成されており、殻体29と蓋体30との間に位置し、筒形状の筒壁部28aと、この筒壁部28aの一方の端部から半径方向外方へ直角に折曲されたフランジ部28bと、筒壁部28aの他方の端部から半径方向外方へ直角に折曲されたフランジ部28cと、回転軸27の中径部21bを取り囲みインペラ23の背面に位置する隔壁部28dからなっている。
また、フランジ部28b、28cには、それぞれフランジ部28b、28cに直角な方向にボルト孔28eを設けている。
【0018】
殻体29は、底部を有する筒形状に形成されており、筒形状の筒壁部29aと、この筒壁部29aの一方の端部を閉塞する底壁部29bと、筒壁部29aの他方の端部から半径方向外方へ直角に折曲されたフランジ部29cとからなっている。また、底壁部29bは回転軸21と軸受け25を収納するための円筒形状の凹部29dを備えている。
更に、フランジ部29cは、フランジ部28bと当接し、フランジ部28bに設けられたボルト孔28eに一致するようにボルト孔29eを設けている。
【0019】
蓋体30は、殻体28に隣接して配置され、フランジ部28cに当接するフランジ部30aと、冷媒をインペラ23に導くための流入部30bと、圧縮した冷媒を吹出するための吹出室を形成する凹部30cからなっている。また、フランジ部30aには、フランジ部28cのボルト孔28eに一致するようにボルト孔30dが設けられている。
【0020】
この殻体28と殻体29は、互いに結合されて圧縮機20のケーシング24を構成している。即ち、殻体28のボルト孔28eと殻体29のボルト孔29eに、ボルト31aを挿通し、このボルト31aにナット31bを緊締することにより殻体28と殻体29は結合されている。
また、殻体28のボルト孔28eと蓋体30のボルト孔30dに、ボルト32aを挿通し、このボルト32aにナット32bを緊締することにより殻体28は蓋体30とも結合されている。
【0021】
この圧縮機20においては、ケーシング24が上記のように、回転軸21の一端及びインペラ23を収める殻体28(第一の殻体)と、回転軸21の他端又は回転子22aを収める殻体29(第二の殻体)に分割されるよう構成されているので、圧縮機20を組み立て後、試運転を行って動的バランスを調整する際、ボルト31aとナット31bを取り外せば殻体29のみ取り外すことができる。
図2は、ボルト31aとナット31bを取り外し、フランジ部28bにて殻体29を取り外した状態を示すものである。図2に示すように、殻体29が取り外された状態においては、回転軸21の他端と回転子22aが露出する、即ち各バランス調整部27が露出する。
【0022】
従って、組立てた圧縮機20を完全に分解して取り外すことなく、殻体29のみ取り外せばバランス調整部27を容易に露出させることができるため、試運転後の動的バランスの調整手順が大幅に短縮でき、時間を短縮し、手間をかけず容易に調整することができ、特に、40000rpm程度の高回転仕様の小型圧縮機に好適である。
また、従来のように取り外し、取り付け毎で誤差が生じることがないため、各接合部のマーキングの必要がなくなり、バランスの再現性が確保できるので、バランス精度の向上化を図ることができる。
更には、殻体28の隔壁部28dが、回転軸21の一端とインペラ23を内側に密閉状態に保持しているため、バランス調整部27にて調整作業を行う際に、切削クズや調整部品等がインペラ23側に入ってしまうことはないので、安全に調整を行うことができる。
【0023】
なお、上記の実施の形態においては、本発明の圧縮機の用途を、単段サイクルのターボ冷凍機を例に示したが、2段サイクル以上の羽根を2枚以上持つ多段サイクルの冷凍機にも使用でき、また、ターボ冷凍機に限られることない。また、ケーシングはボルト結合としたがこれに限られるものではなく、分割できる構造であればよい。更には、28dを隔壁部としたがこれに限られるものではなく、回転軸の一端及びインペラを内側に密閉状態に保持できる構造であればよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、動的バランスの調整手順が大幅に短縮でき、時間を短縮し、手間をかけず容易に調整することができる。また、バランス精度の向上した圧縮機を得ることができる。
【0025】
請求項2に係る発明によれば、バランス調整部を加工して調整する際に生じる切削クズや錘等の調整部品がインペラ側に入ってしまうことがないので、調整時のトラブルをなくし、安全に調整を行うことができる。
【0026】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は2に係る発明の圧縮機を備えることができるので、バランス精度が向上した、安定した冷凍機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係わる圧縮機を示す断面図である。
【図2】この発明の一実施例に係わる圧縮機を示す図であって、第二の殻体を取り外した状態を示す断面図である。
【図3】従来の冷凍機の例として示したターボ冷凍機の斜視図である。
【図4】従来の圧縮機の例として示した断面図である。
【符号の説明】
2 蒸発器
3、20 圧縮機
4 凝縮器
21 回転軸
22 電動機
22a 回転子
22b 固定子
23 インペラ
24 ケーシング
27 バランス調整部
28 殻体(第一の殻体)
29 殻体(第二の殻体)
【発明の属する技術分野】
この発明は、ケーシングが回転軸の一端及びインペラを収める部分と、回転軸の他端又は回転子を収める部分とで分割された圧縮機、及びこの圧縮機を有する冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、ターボ冷凍機の一例を示したものである。
この図3において、ターボ冷凍機1は、冷媒と冷水との間で熱交換を行わせて冷水を冷却すると共に、冷媒を蒸発、気化する蒸発器2と、蒸発器2において気化された冷媒を圧縮する圧縮機3と、圧縮機3において圧縮された冷媒と冷却水との間で熱交換を行わせて冷媒を凝縮、液化する凝縮器4と、凝縮器4において液化された冷媒を減圧する絞り弁(図示せず)と、凝縮器4において冷却された冷媒の一部を利用して圧縮機3の潤滑油を冷却する油冷却器(図示せず)とを備えているものである。
【0003】
従来、この種のターボ冷凍機1に用いられる圧縮機3として、図4に示すものが知られている。
図4に示す圧縮機6は、回転軸7と電動機8とインペラ9が1つのケーシング10内に設けられたものである。
インペラ9は、回転軸7の一端に固定されている。また、電動機8は、回転軸7の他端に固定された回転子8aと、ケーシング10の内部に回転子8aを取り囲むように配置された固定子8bとからなっている。また、この回転子8aの両側端面及び回転軸7の他端の端部は、バランス調整部11となっている。
次いで、ケーシング10は、底部を有する筒形状に形成されており、このケーシング10の開口部側に蓋体12が固定されている。
【0004】
この圧縮機6は、フィールドバランスと呼ばれる、圧縮機を組立てた状態で運転し、その振動を検出しバランス調整部11に錘を取り付ける、又は穴を開け重量を軽減しバランス調整をする方法と、回転軸7と回転子8a、インペラ9を組み立て後、バランサー(図示せず)に取り付け、バランス調整を行って総合の動的バランスを点検する方法などがある。
【0005】
また、この圧縮機6と構成を同一とした圧縮機の一例として、次のものが知られている。
即ち、1つのケーシング内にインペラ室とモーター室が形成され、インペラ室には単段のインペラが収納され、モーター室にはインペラを回転駆動させるためのモーターが収納され、インペラはモーターと同一の駆動軸により固定されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−281573号公報(第34−47段落、第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この圧縮機6においては、電動機8と回転軸7の端部がケーシング10の奥側に位置しているため、圧縮機6を組み立て後、試運転を行って総合の動的バランスを調整する際に、動的バランスの調整個所であるバランス調整部11にアクセスするのが困難であるため、容易にフィールドバランスによりバランス調整をすることができないという問題があった。
【0008】
従って、バランサーにより一度外部で軸を組み立て総合の動的バランスを調整後、インペラ9を取り外してといったように、順次に構成品を分解して、再度組立てて試運転を行い、更に再度調整が必要ならば再び分解してといったように、点検、取り外し、調整、組立てを何度も繰り返す作業のため、時間を費やし、手間がかかるといった問題があった。
【0009】
更に、分解前後の各組立て位置がずれないように、特に回転軸7と回転子8aとインペラ9等の回転する構成品の各結合部にマーキングをつけて分解し、組立てる際はそのマーキング同士を合わせて組立てていたが、どうしてもナットにより構成部品を組立てる際に、各接合部において、マーキングの僅かなずれが生じ、これらの積み重ねが、大きな誤差となってしまう。そのため、取り外し、取り付け毎に誤差が生じて点検時の状態に戻すことが難しくなってしまうため、調整前の状態への再現性が得られず、バランス精度が悪いという問題があった。特に、装置の小型化のために高速回転仕様とした場合に、バランスの影響が顕著となるという不都合が生じていた。
【0010】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、バランス調整の時間を短縮し、手間をかけず容易に調整ができ、バランス精度が向上した圧縮機及び冷凍機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
請求項1に係る発明は、ケーシングと、該ケーシング内に回転自在に支持された回転軸と、該回転軸の一端に取り付けられたインペラと、前記回転軸の他端に取り付けられた回転子と、ケーシングの内部に前記回転子を取り囲むように配置されて該回転子とで電動機をなす固定子とを備え、前記回転軸の他端又は前記回転子にはバランス調整部が設けられた圧縮機において、前記ケーシングが、前記回転軸の一端及び前記インペラを収める第一の殻体と、前記回転軸の他端又は前記回転子を収める第二の殻体とに分割されていることを特徴とするものである。
【0012】
この発明に係る圧縮機においては、ケーシングが回転軸の一端及びインペラを収める第一の殻体と、回転軸の他端及び回転子を収める第二の殻体に分割できるので、圧縮機を組み立て後、総合の動的バランスを調整する際に、第二の殻体のみ取り外せばバランス調整部を露出させることができる。従って、フィールドバランスにより動的バランスを容易に調整することができる。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された圧縮機において、前記第一の殻体が、前記回転軸の一端及び前記インペラを内側に密閉状態に保持していることを特徴とするものである。
この発明に係る圧縮機においては、第二の殻体を取り外した場合において、第一の殻体が回転軸の一端及びインペラを内側に密閉状態に保持するので、バランス調整部にて錘を取り付けたり、孔を開けたりして調整行う際、調整時に生じる切削クズや調整部品等がインペラ側に入ってしまうことはない。従って、調整時のミスによるトラブルをなくして安全に調整を行うことができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載された圧縮機と、該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮、液化させる凝縮器と、該凝縮器によって液化された冷媒を減圧する絞り弁と、該絞り弁によって減圧された冷媒を蒸発、気化させる蒸発器と、を備えることを特徴とするものである。
この発明に係る冷凍機においては、請求項1または2に係る発明の圧縮機を備えるので、バランス調整が容易な圧縮機が構成された冷凍機を得る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
ここで説明する実施の形態は、図3に示すターボ冷凍機1とその基本的な構成は同一である。すなわち図3に示すように、蒸発器2、圧縮機3、凝縮器4とを備えた構成である。
図1は、図3に示すターボ冷凍機1のうち圧縮機3の一例を示したものである。以下、従来の圧縮機3と区別するために、新たな符号20を与えて説明する。図1に示す圧縮機20は、回転軸21と、電動機22と、インペラ23が1つのケーシング24内に設けられたものである。
回転軸21は、大径部21a、中径部21b、小径部21c、おねじ部21dからなり、一対の軸受け25によりケーシング24内に支持されている。
【0016】
インペラ23は、小径部21cに固定されて回転軸21の一端に位置し、このインペラ23は、ナット26がおねじ部21dに固定されることにより回転軸21の軸方向への抜けを防止している。
電動機22は、回転軸21の他端に位置して大径部21aに固定された回転子22aと、ケーシング24に回転子22aを取り囲むように配置された固定子22bから構成されている。また、大径部21aの端部及び回転子22aの両側端面はバランス調整部27となっている。
【0017】
ケーシング24は、回転軸21の一端及びインペラ23を収める殻体28(第一の殻体)と、回転軸21の他端又は回転子22aを収める殻体29(第二の殻体)により構成される。
殻体28は、筒形状に形成されており、殻体29と蓋体30との間に位置し、筒形状の筒壁部28aと、この筒壁部28aの一方の端部から半径方向外方へ直角に折曲されたフランジ部28bと、筒壁部28aの他方の端部から半径方向外方へ直角に折曲されたフランジ部28cと、回転軸27の中径部21bを取り囲みインペラ23の背面に位置する隔壁部28dからなっている。
また、フランジ部28b、28cには、それぞれフランジ部28b、28cに直角な方向にボルト孔28eを設けている。
【0018】
殻体29は、底部を有する筒形状に形成されており、筒形状の筒壁部29aと、この筒壁部29aの一方の端部を閉塞する底壁部29bと、筒壁部29aの他方の端部から半径方向外方へ直角に折曲されたフランジ部29cとからなっている。また、底壁部29bは回転軸21と軸受け25を収納するための円筒形状の凹部29dを備えている。
更に、フランジ部29cは、フランジ部28bと当接し、フランジ部28bに設けられたボルト孔28eに一致するようにボルト孔29eを設けている。
【0019】
蓋体30は、殻体28に隣接して配置され、フランジ部28cに当接するフランジ部30aと、冷媒をインペラ23に導くための流入部30bと、圧縮した冷媒を吹出するための吹出室を形成する凹部30cからなっている。また、フランジ部30aには、フランジ部28cのボルト孔28eに一致するようにボルト孔30dが設けられている。
【0020】
この殻体28と殻体29は、互いに結合されて圧縮機20のケーシング24を構成している。即ち、殻体28のボルト孔28eと殻体29のボルト孔29eに、ボルト31aを挿通し、このボルト31aにナット31bを緊締することにより殻体28と殻体29は結合されている。
また、殻体28のボルト孔28eと蓋体30のボルト孔30dに、ボルト32aを挿通し、このボルト32aにナット32bを緊締することにより殻体28は蓋体30とも結合されている。
【0021】
この圧縮機20においては、ケーシング24が上記のように、回転軸21の一端及びインペラ23を収める殻体28(第一の殻体)と、回転軸21の他端又は回転子22aを収める殻体29(第二の殻体)に分割されるよう構成されているので、圧縮機20を組み立て後、試運転を行って動的バランスを調整する際、ボルト31aとナット31bを取り外せば殻体29のみ取り外すことができる。
図2は、ボルト31aとナット31bを取り外し、フランジ部28bにて殻体29を取り外した状態を示すものである。図2に示すように、殻体29が取り外された状態においては、回転軸21の他端と回転子22aが露出する、即ち各バランス調整部27が露出する。
【0022】
従って、組立てた圧縮機20を完全に分解して取り外すことなく、殻体29のみ取り外せばバランス調整部27を容易に露出させることができるため、試運転後の動的バランスの調整手順が大幅に短縮でき、時間を短縮し、手間をかけず容易に調整することができ、特に、40000rpm程度の高回転仕様の小型圧縮機に好適である。
また、従来のように取り外し、取り付け毎で誤差が生じることがないため、各接合部のマーキングの必要がなくなり、バランスの再現性が確保できるので、バランス精度の向上化を図ることができる。
更には、殻体28の隔壁部28dが、回転軸21の一端とインペラ23を内側に密閉状態に保持しているため、バランス調整部27にて調整作業を行う際に、切削クズや調整部品等がインペラ23側に入ってしまうことはないので、安全に調整を行うことができる。
【0023】
なお、上記の実施の形態においては、本発明の圧縮機の用途を、単段サイクルのターボ冷凍機を例に示したが、2段サイクル以上の羽根を2枚以上持つ多段サイクルの冷凍機にも使用でき、また、ターボ冷凍機に限られることない。また、ケーシングはボルト結合としたがこれに限られるものではなく、分割できる構造であればよい。更には、28dを隔壁部としたがこれに限られるものではなく、回転軸の一端及びインペラを内側に密閉状態に保持できる構造であればよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、動的バランスの調整手順が大幅に短縮でき、時間を短縮し、手間をかけず容易に調整することができる。また、バランス精度の向上した圧縮機を得ることができる。
【0025】
請求項2に係る発明によれば、バランス調整部を加工して調整する際に生じる切削クズや錘等の調整部品がインペラ側に入ってしまうことがないので、調整時のトラブルをなくし、安全に調整を行うことができる。
【0026】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は2に係る発明の圧縮機を備えることができるので、バランス精度が向上した、安定した冷凍機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係わる圧縮機を示す断面図である。
【図2】この発明の一実施例に係わる圧縮機を示す図であって、第二の殻体を取り外した状態を示す断面図である。
【図3】従来の冷凍機の例として示したターボ冷凍機の斜視図である。
【図4】従来の圧縮機の例として示した断面図である。
【符号の説明】
2 蒸発器
3、20 圧縮機
4 凝縮器
21 回転軸
22 電動機
22a 回転子
22b 固定子
23 インペラ
24 ケーシング
27 バランス調整部
28 殻体(第一の殻体)
29 殻体(第二の殻体)
Claims (3)
- ケーシングと、該ケーシング内に回転自在に支持された回転軸と、
該回転軸の一端に取り付けられたインペラと、
前記回転軸の他端に取り付けられた回転子と、
ケーシングの内部に前記回転子を取り囲むように配置されて該回転子とで電動機をなす固定子とを備え、
前記回転軸の他端又は前記回転子にはバランス調整部が設けられた圧縮機において、
前記ケーシングが、前記回転軸の一端及び前記インペラを収める第一の殻体と、
前記回転軸の他端又は前記回転子を収める第二の殻体とに分割されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1に記載された圧縮機において、
前記第一の殻体が、前記回転軸の一端及び前記インペラを内側に密閉状態に保持していることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1又は2に記載された圧縮機と、
該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮、液化させる凝縮器と、
該凝縮器によって液化された冷媒を減圧する絞り弁と、
該絞り弁によって減圧された冷媒を蒸発、気化させる蒸発器と、
を備えることを特徴とする冷凍機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002298536A JP2004132291A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 圧縮機及び冷凍機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002298536A JP2004132291A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 圧縮機及び冷凍機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004132291A true JP2004132291A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32287913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002298536A Withdrawn JP2004132291A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 圧縮機及び冷凍機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004132291A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018168741A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-01 | 三菱重工コンプレッサ株式会社 | フランジ同士が締結された流体装置の製造方法 |
-
2002
- 2002-10-11 JP JP2002298536A patent/JP2004132291A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018168741A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-01 | 三菱重工コンプレッサ株式会社 | フランジ同士が締結された流体装置の製造方法 |
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Legal Events
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