JP2004131700A - ケイ素含有ポリマーまたはオリゴマーの製造方法およびケイ素含有ポリマーまたはオリゴマー - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケイ素含有ポリマーまたはオリゴマー(以下単に「ポリマー」という)およびその製造方法に関し、さらに詳しくはエレクトロルミネッセンス(EL)素子の発光材料、電荷注入材料、電荷輸送材料などとして期待されるケイ素含有ポリマーの提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄型でありかつ低消費電力で表示可能なEL素子がディスプレイとして注目されている。EL素子は薄膜発光層を、少なくとも一方が透明である一対の電極間に挟持された素子であり、電荷の注入によって発光する。EL素子の発光材料としては無機物と有機物とがあり、有機物としては低分子化合物と高分子化合物とが知られており、特に薄膜形成が容易である高分子発光材料が広く検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記有機高分子材料は、被膜形成や発光輝度などの特性に優れているが、該有機高分子化合物を用いたEL素子は、その作動中に雰囲気に存在する水分や酸素によって容易に劣化し、耐用寿命が短いという課題がある。該課題を解決する方法としてはEL素子の発光層を完全に無酸素・無水分の雰囲気に封止する方法が各種提案されているが、十分な封止を行っても発光層周辺を完全に無酸素・無水分の雰囲気に封止することは困難であり、また、このような封止作業は極めて煩雑かつコスト高である。
【0004】
従って本発明の目的は、新規なケイ素含有ポリマー、特にEL素子の発光層に用いた場合に、耐水分性・耐酸素性に優れた発光性ケイ素含有ポリマーを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを反応させることを特徴とする下記一般式(3)で表されるケイ素含有ポリマーの製造方法、および下記一般式(3)で表されるケイ素含有ポリマーを提供する。
(上記式中のRは芳香族基もしくは脂肪族基を表し、Mはアルカリ金属またはハロゲン化マグネシウムを表し、Xはハロゲン原子を表し、AおよびBはアルキル基またはアリール基を表し、nは2以上の値を表す。Yは下記一般式(4)で表される基を表す。
(上記式中のZは、何もないかまたは酸素原子を表し、mは0〜3を表し、AおよびBは前記と同意義である。))
【0006】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明のケイ素含有ポリマーの製造方法は、上記の通り、前記一般式(1)で表される化合物と、前記一般式(2)で表される化合物とを反応させて前記一般式(3)で表されるケイ素含有ポリマーを得るものである。
【0007】
前記一般式(1)で表される化合物としては、芳香族化合物もしくは脂肪族基に2個のアルカリ金属またはハロゲン化マグネシウム(−MgX、X=ハロゲン原子)が置換されたものであり、芳香族化合物としては少なくとも2個の芳香環が連結している化合物であることが好ましい。好ましい具体例としては、例えば、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ターフェニル、カルバゾール、トリフェニレン、クリセン、ベンズアントラセン、ビピリジン、ターピリジン、ビチオフェン、ターチオフェン、ペンタセン、ベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ベンズイミダゾール、インデン、キノリン、フェナントロリン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、フルオレンなどが挙げられる。特に好ましい化合物は、9,9−ジアリールフルオレン−2,7−ジ臭素グリニヤールおよび9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジ臭素グリニヤールである。この場合のアルキル基の炭素数は1〜12であることがより好ましい。また、脂肪族化合物としては、エチレン、ブタジエン、ヘキサトリエンなどの共役系の脂肪族化合物が好ましい。
【0008】
前記一般式(1)で表される化合物における金属(M)としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、および芳香族ジハロゲン化物に金属マグネシウムを反応させて得られるMgCl、MgBr、MgIなどが挙げられる。特に好ましい金属(化合物)はMgCl、MgBr、およびMgIである。
【0009】
前記一般式(2)で表される化合物は2個のハロゲン原子を有するシリコン化合物またはそのオリゴマー、または2個のハロゲン原子を有するシロキサン化合物またはそのオリゴマーが挙げられる。さらに具体的には下記の如き化合物が挙げられる。
以上の化合物は好ましい化合物の例示であり、本発明は上記例示化合物に限定されるものではない。
【0010】
本発明のケイ素含有ポリマーは、前記一般式(1)の化合物と前記一般式(2)の化合物とをほぼ等モル比で、適当な溶剤中において約0〜100℃の反応温度で約1〜48時間反応させることにより、前記一般式(3)で表される反応生成物(ポリマー)を生成させ、該反応生成物を分離することによって目的物が得られる。上記反応に際しては前記一般式(1)の化合物と前記一般式(2)の化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、また、それぞれ複数種を混合して用いてもよい。得られるポリマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は使用する原料種や反応条件によって異なるが、本発明においては重量平均分子量(Mw)は約1,000〜1,000,000、好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは1,000〜100,000で、かつMw/Mnは1〜4.0、好ましくは1〜3.0、より好ましくは1〜2.0である。
【0011】
以上の如くして得られる本発明のケイ素含有ポリマーは、種々の用途において有用であるが、特にEL素子の発光材料として有用である。本発明のケイ素含有ポリマーは、クロロホルム、テトラヒドロフランなどの汎用の有機溶剤に可溶であり、ガラス基板などの透明電極基板に対してスピンコート方法などによりnm単位の薄膜を容易に形成することができる。さらにこのように形成された層をEL素子の発光層として使用した場合、耐水分性および耐酸素性に優れ、長期の耐用寿命を有するEL素子を与えることができる。このような優れた耐水分性および耐酸素性は、ポリマー中にケイ素含有セグメントが含まれているためと思われる。
【0012】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 ポリ[(ジメチルシラニレン)9,9−ジオクチル−2,7−フルオレニレン]の製造
不活性ガスで置換した50mlのシュレンクに、下記式(1)で表される9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジ臭素グリニヤール(3.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液15ml、および下記式(2)で表されるジクロロジメチルシラン0.36ml(3.0mmol)を入れ、60℃で2日間撹拌して反応した。反応後、反応溶液をメタノール−塩酸混合物(10:1)に入れ重合を停止した。デカントにより生成物と液層を分離し、生成物の酸洗浄、水洗浄後、少量のクロロホルムに溶解し、メタノールから再沈殿を行った。得られた生成物を回収し、乾燥させ、1.34g(>99%収率)の下記式(3)で表される薄い黄色のスラリー状化合物を得た。
【0013】
上記生成物の分析結果は以下の通りであり、生成物が下記式(3)で表されるポリマーであることが認められた。
1H NMR(CDCl3,ppm)/0.29(2H,Si−CH3);0.56(4H,Si−CH3);0.60(4H,−CH2−);0.73(6H,C−CH3);0.88−1.20(20H,−CH2−);1.88(4H,−CH2−);7.20−7.53(4H,ArH);7.62(2H,ArH)
GPC(CDCl3)/Mn=4,700、Mw=8,400、
Mw/Mn=1.8
元素分析/calcd.:C=83.34、H=10.38
found:C=80.99、H=10.14(ただしCの分析値は、Siの存在により実際の含有量より減少している可能性がある)
蛍光スペクトル(CHCl3中)/376、396nm(励起波長:287nm)(図1参照)
UVスペクトル(CHCl3中)/λmax=316nm(276、287、302nmなどにもピーク)(図2参照)
【0014】
【0015】
実施例2 ポリ[(ジフェニルシラニレン)9,9−ジオクチル−2,7−フルオレニレン]の製造
不活性ガスで置換した50mlのシュレンクに、下記式(1)で表される9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジ臭素グリニヤール(3.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液15ml、および下記式(2)で表されるジクロロジフェニルシラン0.62ml(3.0mmol)を入れ、60℃で2日間撹拌して反応した。反応後、反応溶液をメタノール−塩酸混合物(10:1)に入れ重合を停止した。デカントにより生成物と液層を分離し、生成物の酸洗浄、水洗浄後、少量のクロロホルムに溶解し、メタノールから再沈殿を行った。得られた生成物を回収し、乾燥させ、0.149g(8.7%収率)の薄い黄色のスラリー状化合物を得た。
【0016】
上記生成物の分析結果は以下の通りであり、生成物が下記式(3)で表されるポリマーであることが認められた。
1H NMR(CDCl3,ppm)/0.43−0.65(4H,−CH2−);0.74(6H,−CH3);0.80−1.30(20H,−CH2−);1.60−2.05(4H,−CH2−);7.10−7.80(16H,ArH)
GPC(CDCl3)/Mn=1,400、Mw=1,700、
Mw/Mn=1.2
元素分析/calcd.:C=86.25、H=8.83
found:C=83.26、H=8.91(ただしCの分析値は、Siの存在により実際の含有量より減少している可能性がある)
蛍光スペクトル(CHCl3中)/322、334、378、398nm(励起波長:282nm)(図3参照)
UVスペクトル(CHCl3中)/λmax=282、315nm(図4参照)
【0017】
【0018】
実施例3 ポリ[(テトラメチルジシラニレン)9,9−ジオクチル−2,7−フルオレニレン]の製造
不活性ガスで置換した50mlのシュレンクに、下記式(1)で表される9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジ臭素グリニヤール(3.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液15ml、および下記式(2)で表される1,2−ジクロロテトラメチルジシラン0.56ml(3.0mmol)を入れ、60℃で2日間撹拌して反応した。反応後、反応溶液をメタノール−水混合物(8:1)に入れ重合を停止した。吸引ろ過により生成物と液層を分離し、生成物の水洗浄後、少量のクロロホルムに溶解し、メタノールから再沈殿を行った。得られた生成物を回収し、乾燥させ、1.27g(84%収率)の下記式(3)で表される薄い黄色のスラリー状化合物を得た。
【0019】
上記生成物の分析結果は以下の通りであり、生成物が下記式(3)で表されるポリマーであることが認められた。
1H NMR(CDCl3,ppm)/0.10−0.45(12H,Si−CH3);0.62(4H,−CH2−);0.79(6H,C−CH3);0.95−1.23(20H,−CH2−);1.95(4H,−CH2−);7.27−7.40(4H,ArH);7.61−7.65(2H,ArH)
GPC(CDCl3)/Mn=3,100、Mw=4,300、
Mw/Mn=1.4
元素分析/calcd.:C=78.50、H=10.38
found:C=74.52、H=9.63(ただしCの分析値は、Siの存在により実際の含有量より減少している可能性がある)
蛍光スペクトル(CHCl3中)/381nm(励起波長:320nm)(図5参照)
UVスペクトル(CHCl3中)/λmax=324nm(293nmなどにもピーク)(図6参照)
【0020】
【0021】
実施例4 ポリ[(テトラメチルジシロキサニレン)9,9−ジオクチル−2,7−フルオレニレン]の製造
不活性ガスで置換した50mlのシュレンクに、下記式(1)で表される9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジ臭素グリニヤール(3.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液15ml、および下記式(2)で表される1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン0.59ml(3.0mmol)を入れ、60℃で2日間撹拌して反応した。反応後、反応溶液をメタノール−水混合物(8:1)に入れ重合を停止した。吸引ろ過により生成物と液層を分離し、生成物の水洗浄後、少量のクロロホルムに溶解し、メタノールから再沈殿を行った。得られた生成物を回収し、乾燥させ、1.28g(82%収率)の下記式(3)で表される薄い黄色のスラリー状化合物を得た。
【0022】
上記生成物の分析結果は以下の通りであり、生成物が下記式(3)で表されるポリマーであることが認められた。
1H NMR(CDCl3,ppm)/0.00−0.45(12H,Si−CH3);0.64(4H,−CH2−);0.77(6H,C−CH3);0.95−1.25(20H,−CH2−);1.95(4H,−CH2−);7.28−7.60(4H,ArH);7.60−7.80(2H,ArH)
GPC(CDCl3)/Mn=3,900、Mw=5,900、
Mw/Mn=1.5
元素分析/calcd.:C=76.08、H=10.06
found:C=73.55、H=9.54(ただしCの分析値は、Siの存在により実際の含有量より減少している可能性がある)
蛍光スペクトル(CHCl3中)/375、395nm(励起波長:285nm)(図7参照)
UVスペクトル(CHCl3中)/λmax=286nm(312nmなどにもピーク)(図8参照)
【0023】
【0024】
実施例5 ポリ[(テトラメチルジシラニレン)9,9’−スピロビフルオレン−2,7−ジイル]の製造
不活性ガスで置換した50mlのシュレンクに、下記式(1)で表される9,9’−スピロビフルオレン−2,7−ジ臭素グリニヤール(3.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液30ml、および下記式(2)で表される1,2−ジクロロテトラメチルジシラン0.56ml(3.0mmol)を入れ、60℃で2日間撹拌して反応した。反応後、反応溶液をメタノール−希塩酸混合物(300ml)に入れ重合を停止した。吸引ろ過により生成物と液層を分離し、生成物の希塩酸洗浄、水洗浄後、少量のクロロホルムに溶解し、メタノールから再沈殿を行った。得られた生成物を吸引ろ過により回収し、乾燥させ、0.92g(71%収率)の下記式(3)で表される淡い黄色の粉末を得た。
【0025】
上記生成物の分析結果は以下の通りであり、生成物が下記式(3)で表されるポリマーであることが認められた。
1H NMR(CDCl3,ppm)/−0.67−0.36(12H,Si−CH3);6.20−7.90(14H,ArH)
GPC(CDCl3)/Mn=2,300、Mw=4,000、
Mw/Mn=1.7
元素分析/calcd.:C=80.87、H=6.09
found:C=78.05、H=6.45(ただしCの分析値は、Siの存在により実際の含有量より減少している可能性がある)
蛍光スペクトル(CHCl3中)/401nm(励起波長:270nm)(図9参照)
UVスペクトル(CHCl3中)/λmax=269nm(300、311、323nmなどにもピーク)(図10参照)
【0026】
【0027】
実施例6 ポリ[(ジメチルシラニレン)9,9−ジメチル−2,7−フルオレニレン]の製造
不活性ガスで置換した50mlのシュレンクに、下記式(1)で表される9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジ臭素グリニヤール(1.9mmol)のテトラヒドロフラン溶液15ml、および下記式(2)で表されるジクロロジメチルシラン0.23ml(1.9mmol)を入れ、60℃で2日間撹拌して反応した。反応後、反応溶液をメタノール−塩酸混合物(6:1)に入れ重合を停止した。吸引ろ過により生成物と液層を分離し、生成物の酸洗浄、水洗浄後、少量のクロロホルムに溶解し、メタノールから再沈殿を行った。得られた生成物を回収し、乾燥させ、0.165g(35%収率)の下記式(3)で表される淡い黄色の粉末を得た。
【0028】
上記生成物の分析結果は以下の通りであり、生成物が下記式(3)で表されるポリマーであることが認められた。
1H NMR(CDCl3,ppm)/0.38−0.42,0.63(6H,Si−CH3);1.44−1.64(6H,C−CH3);7.40−7.81(6H,ArH)
GPC(CDCl3)/Mn=4,200、Mw=6,700、
Mw/Mn=1.6
元素分析/calcd.:C=81.54、H=7.25
found:C=78.30、H=7.24(ただしCの分析値は、Siの存在により実際の含有量より減少している可能性がある)
蛍光スペクトル(CHCl3中)/396nm(励起波長:310nm)(図11参照)
UVスペクトル(CHCl3中)/λmax=312nm(287、338nmなどにもピーク)(図12参照)
【0029】
【0030】
実施例7 ポリ[(ジフェニルシラニレン)9,9−ジメチル−2,7−フルオレニレン]の製造
不活性ガスで置換した50mlのシュレンクに、下記式(1)で表される9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジ臭素グリニヤール(1.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液15ml、および下記式(2)で表されるジクロロジフェニルシラン0.21ml(1.0mmol)を入れ、60℃で2日間撹拌して反応した。反応後、反応溶液をメタノール−塩酸混合物(6:1)に入れ重合を停止した。吸引ろ過により生成物と液層を分離し、生成物の酸洗浄、水洗浄後、少量のクロロホルムに溶解し、メタノールから再沈殿を行った。得られた生成物を回収し、乾燥させ、0.030g(8%収率)の下記式(3)で表される淡い黄色の粉末を得た。
【0031】
上記生成物の分析結果は以下の通りであり、生成物が下記式(3)で表されるポリマーであることが認められた。
1H NMR(CDCl3,ppm)/1.20−1.70(6H,C−CH3);7.20−7.85(16H,ArH)
GPC(CDCl3)/Mn=2,000、Mw=2,500、
Mw/Mn=1.3
元素分析/calcd.:C=86.58、H=5.92
found:C=82.43、H=6.40(ただしCの分析値は、Siの存在により実際の含有量より減少している可能性がある)
蛍光スペクトル(CHCl3中)/378、399nm(励起波長:314nm)(図13参照)
UVスペクトル(CHCl3中)/λmax=315nm(291、344nmなどにもピーク)(図14参照)
【0032】
【0033】
使用例
実施例1で得られたポリマーをクロロホルムに濃度30mg/mlになるように溶解し、スピンコーティング法により、インジウム/錫オキサイドで被覆されたガラス基板(陽極)に塗布および乾燥し、均一な層を形成した。この層の表面にMg/Ag(80/20)を蒸気蒸着させて陰極とし、EL素子とした。上記の電極の間に電圧を印加すると青色の蛍光発光が認められた。実施例2〜7のポリマーについても同様であった。なお、上記EL素子を1ケ月間室内に放置しておいても蛍光強度の低下は認められず、本発明のポリマーが優れた耐水分性および耐酸素性を有することが認められた。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、新規なケイ素含有ポリマー、特にEL素子の発光層に用いた場合に、耐水分性・耐酸素性に優れた発光性ケイ素含有ポリマーを提供することができる。また、本発明のポリマーはEL素子の電荷注入層材料や電荷輸送層材料としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の生成物の蛍光スペクトル。
【図2】実施例1の生成物のUVスペクトル。
【図3】実施例2の生成物の蛍光スペクトル。
【図4】実施例2の生成物のUVスペクトル。
【図5】実施例3の生成物の蛍光スペクトル。
【図6】実施例3の生成物のUVスペクトル。
【図7】実施例4の生成物の蛍光スペクトル。
【図8】実施例4の生成物のUVスペクトル。
【図9】実施例5の生成物の蛍光スペクトル。
【図10】実施例5の生成物のUVスペクトル。
【図11】実施例6の生成物の蛍光スペクトル。
【図12】実施例6の生成物のUVスペクトル。
【図13】実施例7の生成物の蛍光スペクトル。
【図14】実施例7の生成物のUVスペクトル。
Claims (5)
- 前記一般式(1)で表される化合物のRが、フルオレン骨格である請求項1に記載のケイ素含有ポリマーまたはオリゴマーの製造方法。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、芳香族ジハロゲン化物のグリニヤール化合物である請求項1に記載のケイ素含有ポリマーまたはオリゴマーの製造方法。
- 前記一般式(2)で表される化合物のXが、塩素原子である請求項1に記載のケイ素含有ポリマーまたはオリゴマーの製造方法。
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