JP2004131662A - スルホアルキル化ポリスルホン系イオン交換樹脂及びそれを含有するイオン交換膜 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,高分子電解質膜として有用なイオン交換樹脂,特に,熱,酸,および有機溶剤に対して良好な耐久性を有するスルホン酸基含有ポリスルホン系樹脂およびその膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,液体電解質の代わりに固体高分子イオン交換膜を,水電解槽やレドックスフロー電池や燃料電池等の電気化学装置のイオン伝導体に用いようとする試みが活発に行われてきている。しかしながら,これらの用途に対しては,プロトン伝導性とともに化学的,熱的,電気化学的および機械的に十分耐久性を有していることが求められるのに対して、従来のイオン交換樹脂として広く使われてきたスチレン−ジビニルベンゼン系樹脂のスルホン化物では,これらの要求する特性を満足できない欠点がある。すなわち,芳香環上のスルホン酸基が150℃以上では著しく脱スルホン化し易く、熱安定性に欠ける。また、イオン伝導体として膜抵抗を低下させるためには,膜厚を薄くする必要があるが,スチレン−ジビニルベンゼン樹脂は,脆く,機械的強度が低いため100μm以下のイオン交換膜が得られない。また,スチレン−ジビニルベンゼン系樹脂は,機械的強度に加え加工性に乏しいため,ホローファイバー型や多孔性カチオン交換膜等に加工された膜が得られない欠点もある。更には,化学的耐久性も低く,特に燃料電池の電解質隔膜として用いた場合は,すぐに膜がボロボロになって使用不能となってしまう。
【0003】
水電解槽や燃料電池などに用いられる高分子電解質膜としては,ナフィオン(デュポン社製)やフレミオン(旭硝子(株)製)に代表されるパーフルオロスルホン酸系イオン交換樹脂膜が知られており,最も実用に耐えうる性能を有している。しかし,これらのパーフルオロスルホン酸系樹脂膜は非常に高価であるため,電気化学装置のコストを引き上げ,広範囲での実用化に対する足かせとなっている。また,80℃以上の高温では保水性が低下し,機械的強度も低下するため,作動温度が80℃以下と非常に限られており,同時に水分管理を常に行わなければいけないというシステム上の問題がある。更には,メタノール溶解性が高いため,メタノールを燃料に用いるような直接メタノール形燃料電池等では使用できないという欠点もある。
【0004】
一方,限外ろ過膜や逆浸透膜において,機械的強度,加工性の優れたポリスルホン膜が使用されており,このポリスルホン樹脂にイオン伝導体としてスルホン酸基を付与したスルホン化ポリスルホン樹脂も,新たな電解質膜材料として検討されている。
例えば,繰り返し単位が下記構造式
【0005】
【化5】
【0006】
で表されるポリスルホン(PSF)のスルホン化物は公知であり(例えば特許文献1参照),これらのスルホン化ポリスルホンを異方性限外ろ過膜上に積層した半透膜が知られている(例えば特許文献2、3および4参照)。しかしながら,このポリスルホンを原料として芳香環をスルホン化した場合,高温酸性条件下における安定性が必ずしもよくない。これは,芳香環のスルホン化反応が可逆反応であるため,脱スルホン化反応が起こるためだと考えられる。したがって,芳香環を直接スルホン化したイオン交換膜では,安定性が悪いため電解質として用いるには,長期安定性に問題がある。
そのため,スチレン−ジビニルベンゼン系樹脂に直接スルホン酸基を導入する代わりに、スルホアルキル基を導入して熱安定性を高めたスルホアルキル化スチレン−ジビニルベンゼンや種々の芳香族炭化水素系高分子にスルホアルキル基を導入して、耐酸性および耐熱性を高めた固体高分子電解質などが報告されている(例えば前者は非特許文献1、後者は特許文献5参照)。後者ではポリスルホン系樹脂については例えば(−C6H4−SO2−C6H4−O−)の繰り返し単位を有するポリエーテルスルホンまたは(−O−C6H4−C(CH3)2−SO2−C6H4−)の繰り返し単位を有するポリスルホンにルイス酸とサルトンを用いて直接芳香環に炭素数3以上のスルホアルキル(実施例においてはスルホプロピル基)を導入した固体電解質が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第3709841号明細書(実施例1)
【特許文献2】
特開昭50−99973号公報
【特許文献3】
特開昭51−146379号公報
【特許文献4】
特開昭61−4505号公報
【特許文献5】
特開2002−110174号公報(第4〜5頁、実施例1等)
【非特許文献1】
Macromol. Chem., Rapid Commun., 1, 1980, 297−302
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,安価で高収率で製造でき、かつ熱,酸,および有機溶剤に対して良好な耐久性し、高分子電解質膜として有用なイオン交換樹脂,より詳しくはイオン交換基としてスルホアルキル基を導入した特定構造を有するポリスルホン系樹脂およびその膜を提供するものである。
即ち、上記特許文献5に記載のサルトンを用いて得られるポリスルホン系樹脂では,サルトンの反応性が低いため,目的のスルホアルキル化物の収率は低く、実用的でない。また,(−O−C6H4−C(CH3)2−C6H4−O−C6H4−SO2−C6H4−)の繰り返し単位を有するポリスルホンにスルホアルキル基を導入したものはポリスルホンの主鎖骨格中に存在するイソプロピリデン部位(−C(CH3)2−)が酸性条件下で容易に開裂して主鎖の切断が起こるので,このスルホアルキル化ポリスルホン膜は耐久性が低く,特にプロトン伝導体として用いる高分子電解質膜として用いることは困難である。本発明はこれらの問題を解決した新規なイオン交換樹脂を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明者らは鋭意検討した結果,高収率で製造可能でかつ耐劣化特性に優れたポリスルホン系の新規なスルホアルキル基含有イオン交換樹脂およびその膜を見出し,発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
【0010】
(1)下記構造式(I)で表される構造単位を有するポリスルホンもしくは下記構造式(II)表される構造単位を有するポリスルホンにスルホアルキル基(III)をイオン交換基として結合させたことを特徴とするイオン交換樹脂、
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】
(2)n=0である前項(1)に記載のイオン交換樹脂、
(3)樹脂中に導入されたスルホン酸基の量が,イオン交換基当量重量として300〜3000g/molであることを特徴とする前項(1)もしくは(2)に記載のイオン交換樹脂、
(4)下記構造式(IV)で表される構造単位を有するスルホメチル化ポリスルホンからなるイオン交換樹脂、
【0014】
【化8】
【0015】
(式(IV)中R1〜R4は,各々独立に水素原子もしくはスルホメチル基を表し,且つR1〜R4はにおけるスルホメチル基の占める割合が全体の4〜49%である。)
(5)下記構造式(V)で表される構造単位を有するスルホメチル化ポリスルホンからなるイオン交換樹脂、
【0016】
【化9】
【0017】
(式(V)中R5〜R8は,各々独立に水素原子もしくはスルホメチル基を表し,且つR5〜R8におけるスルホメチル基の占める割合が全体の3〜40%である。)
(6)前項(1)〜(5)のいずれか一項に記載のイオン交換樹脂を含む膜からなるイオン交換膜、
(7)イオン交換樹脂膜のTG−DTAにより測定した5%熱分解温度が310℃以上である前記(6)項に記載のイオン交換樹脂膜、
に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のスルホアルキル化ポリスルホン系イオン交換樹脂は,前記構造式(I)もしくは(II)で表される構造単位を有するポリスルホン系樹脂の芳香環に,スルホアルキル基を導入することにより製造される。
式(III)で示されるスルホアルキル基としてはスルホメチル基,スルホエチル基,スルホプロピル基,スルホブチル基,スルホペンチル基,スルホペンチル基,スルホヘキシル基等が挙げられ、スルホメチル基が好ましい。
原料となるポリスルホンは,例えば特公昭46−21458等に開示されるように、ハイドロキノンと4,4’−ジクロルジフェニルスルホンを適当な溶媒中で炭酸カリウムなどのアルカリ縮合剤の存在下に重縮合させることにより式(II)の繰り返し単位を有するポリスルホン得られる。また、式(I)の繰り返し単位を有するポリスルホンは、上記に準じてハイドロキノンの代わりに4,4’−ジヒドロキシビフェニルを用いて4,4’−ジクロルジフェニルスルホンと重縮合させることにより得ることができる。これらのポリスルホンはいずれもエンジニアリングプラスチックとして市販されている。例えば構造式(I)の繰り返し単位を有するポリスルホンは商品名 Polyphenylsulfone(Aldrich製)等として入手可能であり、構造式(II)で表される構造単位を有するポリスルホンは商品名 Poly(1,4−phenylene ether−ether−sulfone)(Aldrich製)等として入手可能である。
【0019】
原料となる前記構造式(I)もしくは(II)で表される構造単位を有するポリスルホンの分子量は特に制限はないが,製膜するのに十分な分子量が望まれる。通常、数平均分子量が10,000〜200,000であり,製膜性,加工性の点から好ましくは20,000〜150,000である。
【0020】
原料となる前記構造式(I)もしくは(II)で表される構造単位を有するポリスルホンにスルホアルキル基を導入する方法としては、スルホメチル基の場合には後記するクロロメチルメチルエーテル等のハロゲノメチル化剤を用いてハロゲノメチル化ポリスルホンとし、次いでハロゲン部位をアセチルチオ化した後、酸化してスルホン酸基にする方法などが挙げられる。また、より炭素数の多いスルホアルキル基の場合には例えばCl−(CH2)n−COCl(nは例えば2〜6)で示されるクロル置換酸クロライドで常法、例えば塩化アルミニウムや塩化鉄などのルイス酸を用いたフリーデルクラフツ反応によりクロル置換アシル基を導入し、次いでジメチルチオエーテルとチオ硫酸ソーダで、クロル原子をスルホン酸基とした後、カルボニル基をヒドラジンで還元する方法またはJ.Org.Chem.45.2717(1980)に記載されている方法に準じて、芳香環の水素をリチウム化し、次いでジハロゲノアルカンでハロゲノアルキル化し、その後は上記の方法でクロル原子をスルホン酸基に変換する方法などが挙げられる。
【0021】
特に,ポリスルホンの芳香環をハロゲノアルキル化し,次いでアセチルチオ化後,酸化してスルホン酸化することにより、本発明のイオン交換樹脂を得る方法は、ポリマー中のハロゲノアルキル基を100%スルホアルキル基に変換することが可能であり、好ましい。
本発明において、ハロゲノアルキル基としては,クロロメチル基,ブロモメチル基,ヨードメチル基,クロロエチル基,ブロモエチル基,ヨードエチル基,クロロプロピル基,ブロモプロピル基,ヨードプロピル基,クロロブチル基,ブロモブチル基,ヨードブチル基,クロロペンチル基,ブロモペンチル基,ヨードペンチル基,クロロヘキシル基,ブロモヘキシル基,ヨードヘキシル基等のハロゲノ(C1〜C6)アルキル基が挙げられ、ハロゲノメチル基が好ましい。
本発明において好ましいハロゲノメチル基を芳香環に導入(芳香環のハロゲノメチル化反応)するには,公知反応が広範囲に使用できる。例えばクロロメチル化剤として,クロロメチルメチルエーテル,1,4−ビス(クロロメトキシ)ブタン,1−クロロメトキシ−4−クロロブタンなどを用い,触媒として塩化スズ,塩化亜鉛,塩化アルミニウム,塩化チタンなどのルイス酸やフッ化水素酸などを用いてクロロメチル化反応を行うことにより、芳香環にクロロメチル基を導入することができる。溶媒には,ジクロロエタン,トリクロロエタン,テトラクロロエタン,クロロベンゼン,ジクロロベンゼン,ニトロベンゼンなどを用い,均一系で反応を行うことが好ましい。また,パラホルムアルデヒドと塩化水素,もしくは臭化水素などを用いてハロゲノメチル化反応を行うこともできる。
【0022】
イオン交換基当量重量の制御は,前駆体ポリマーのハロゲノアルキル化反応を制御することで達成できる。すなわち,ハロゲノアルキル基からスルホアルキル基への変換を定量的に行うことができるため,ハロゲノアルキル化反応におけるハロゲノアルキル基の導入率を変えることによって,任意のイオン交換基当量重量(今後EWと省略する)を有するスルホアルキル化体が合成可能となる。ハロゲノアルキル基導入率は,反応温度,時間,反応試薬当量を変えることによって容易に制御できる。例えば前記式(I)もしくは(II)の繰り返し単位に対して、ハロゲノメチル化剤、例えばクロロメチルメチルエーテルを5倍モル〜10倍モル程度用いて、60〜100℃において、3〜5時間程度反応させることにより、ハロゲノメチル基を、式(IV)のR1〜R4または式(V)におけるR5〜R8 の4箇所に対する割合で、3%〜50%程度導入することができる。この場合のイオン交換基当量重量はほぼ300〜3000g/molとなる。なお、イオン交換基当量重量は下記の方法により測定できる。
測定しようとするスルホアルキル化ポリマー W mgを1規定の水酸化ナトリウム水溶液10mlに1晩浸漬してイオン交換を行った後、ろ過で樹脂を取り除いた。水溶液2mlをホールピペットで取って、自動的滴定装置(HIRANUMA, COM−555)を用いて、0.1規定塩酸で滴定を行った。1規定の水酸化ナトリウムを滴定したときの滴定量を Q0 ml,イオン交換後の水溶液2mlを滴定したときの滴定量を Qw ml とし、次式でイオン交換基重量当量を求めた。なお、式中 F は水酸化ナトリウム水溶液の力価を示す。
イオン交換基当量重量(g/mol)=W/{( Q0−Qw) × 0.1×F×5}
【0023】
ハロゲノアルキル基のアシルチオ化は、チオ酢酸,チオ安息香酸などのチオカルボン酸のナトリウム塩やカリウム塩を作用させることによって行うことができる。溶媒として,N−メチルピロリドン,N,N−ジメチルホルムアムド,N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶媒を用いることができる。
【0024】
アシルチオ体の酸化は,有機もしくは無機過酸化物を酸化剤として用い,容易に行うことができる。特に酢酸溶媒中で過酸化水素水もしくは過酢酸を用いるのが好ましい。
【0025】
本発明のスルホン酸基含有イオン交換樹脂は,樹脂中に導入されたEWが通常300〜3000g/molであることを特徴とするスルホアルキル化ポリスルホン樹脂からなる。さらに,耐水性,電解質としてのプロトン伝導特性の観点から,好ましくは,EWは600〜1200g/molである。
【0026】
本発明の前記構造式(IV)で表される構造単位を有するスルホメチル化ポリスルホンからなるイオン交換樹脂は,エンジニアリングプラスチックとして量産,汎用されているポリフェニレンエーテルスルホン中の芳香環上の水素原子にスルホメチル基が置換した構造を有している。式(IV)中R1〜R4は,各々独立に水素原子もしくはスルホメチル基を表し,且つR1〜R4におけるスルホメチル基の占める割合が全体の4〜49%である。さらに好ましくは、式(IV)中R1〜R4におけるスルホメチル基の占める割合が8〜23%である。
【0027】
本発明の前記構造式(V)で表される構造単位を有するスルホメチル化ポリスルホンからなるイオン交換樹脂は,エンジニアリングプラスチックとして量産,汎用されているポリエーテルエーテルスルホン中の芳香環上の水素原子にスルホメチル基が置換した構造を有している。式(V)中R5〜R8は,各々独立に水素原子もしくはスルホメチル基を表し,且つR5〜R8におけるスルホメチル基の占める割合が全体の3〜40%である。さらに好ましくは,式(V)中,R5〜R8におけるスルホメチル基の占める割合が10〜22%である。
【0028】
スルホン酸基含有イオン交換樹脂をイオン伝導高分子電解質として使用する際には,通常膜の状態で使用される。スルホアルキル化ポリスルホン樹脂を製膜する方法については特に制限はないが,ワニスを調製し,溶液状態より製膜する方法(キャスト法),あるいは加熱して溶融状態より製膜する方法(溶融押し出し法)等がある。キャスト法は,例えば,ポリマーをN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒に溶かし,ガラス板などの基板上に塗布し,溶媒を除去することにより製膜する。キャスト溶媒に用いる溶媒は,ポリマーを溶解し,塗布した後除去しうるものであれば特に制限はなく,N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチル−2−ピロリドン,ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒,あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノメチルエーテル等が好適に用いられる。
【0029】
膜の厚みは,特に制限はないが、通常、実用に耐える膜の強度を得るには20μmより厚い方が好ましく,膜抵抗を低減させるためには200μmより薄い方が好ましく、更に好ましくは、20〜50μmである。膜厚は,溶液濃度,あるいは基板上への塗布厚により制御できる。溶融状態より製膜する場合は,溶融押し出し法などが可能である。
本発明で得られるスルホアルキル化ポリスルホン膜は耐熱性が良く、通常TG−DTAにより測定した5%熱分解温度は310℃以上であり、好ましくは320℃以上、更に好ましくは330℃以上である。
【0030】
本発明のイオン交換樹脂を製造する際に,通常の高分子に使用される可塑剤,安定剤,離型剤などの添加剤を本発明の目的に反しない範囲内で使用できる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが,本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
実施例1
スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン(下記構造式(VI),X:Y=36:64)の合成
【0033】
【化10】
【0034】
撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに,式(I)の繰り返し単位構造を有するポリフェニレンエーテルスルホン(Aldrich製,商品名: Polyphenylsulfone、ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量は28500)30g,テトラクロロエタン250mlを入れ,さらにクロロメチルメチルエーテル40mlを加えた後、無水塩化スズ(IV)1mlとテトラクロロエタン20mlの混合溶液を滴下し,80℃に加熱して90分加熱撹拌した。次いで,該反応溶液をメタノール1リットル中に落とし,ポリマーを析出させた。析出した沈殿をミキサーで粉砕し,酸成分が抜けるまでメタノールで洗浄し,加熱乾燥してクロロメチル化ポリフェニレンポリエーテルスルホン34gを得た。得られた化合物は核磁気共鳴(NMR)により同定した。クロロメチル基のメチレンプロトンのケミカルシフトは4.64ppmであった。また,NMRのプロトン積分比より算出したクロロメチル基の導入率は36%だった。
【0035】
次に,得られたクロロメチル化ポリフェニレンエーテルスルホンを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた1000mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,N−メチルピロリドン600mlを加えた。これに,チオ酢酸カリウム9gとN−メチルピロリドン(NMP)50mlの溶液を加え,80℃に加熱し3時間加熱撹拌した。次いで,該反応液を水1リットル中に落とし,ポリマーを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し,水で洗浄した後,加熱乾燥してアセチルチオ化ポリフェニレンエーテルスルホン31gを得た。
【0036】
次に,得られたアセチルチオ化ポリフェニレンエーテルスルホン20gを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,さらに酢酸300ml加えた。過酸化水素水20mlを加え,45℃に加熱し4時間加熱撹拌した。次いで,6規定の水酸化ナトリウム水溶液1リットル中に,冷却しながら該反応溶液を加え、しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,アルカリ成分が抜けるまで水で洗浄した。その後,1規定の塩酸300mlにポリマーを加え,しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,酸成分が抜けるまで水で洗浄し,減圧乾燥することで,定量的にスルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン20gを得た。NMRのメチレンプロトンのケミカルシフトが3.78ppmにシフトしていることにより,スルホメチル基の存在を確認した。GPCで数平均分子量を測定したところ,58400であった。また、スルホメチル基の導入率はクロロメチル基の導入率{式(VI)における全構造単位(x及びyの合計)対するクロロメチル基の導入された構造単位の割合}から36%であり、スルホン酸基の量がイオン交換基当量重量として1214g/molであった。
なお、本実施例においてポリフェニレンエーテルスルホンの代わりに、式(II)の繰り返し単位構造を有するポリスルホン(商品名:ポリフェニレンエーテルエーテルスルホン、Aldrich社製)を用いて、同様に反応、精製することにより、式(II)の繰り返し単位構造を有するポリスルホンのスルホメチル化物(以下スルホメチル化ポリフェニレンエーテルエーテルスルホンという)を得ることができる。
【0037】
実施例2
スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン膜の作成
実施例1で合成したスルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン15gをジメチルホルムアミド60mlに溶解させ,メンブレンフィルターでゴミを除去することにより,20wt%のキャスト用溶液を調製し,製膜用のワニスを得た。ワニスをガラス基板上に塗膜し,これを真空恒温槽にて減圧乾燥した。乾燥後,フィルムを所定サイズにカットし,ガラス基板から剥離することで,スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン膜を作成した。膜は薄黄色で,しっかりと形態を保持した。膜厚を測定したところ22μmであった。また,TG−DTAにより5%熱分解温度を測定したところ,347℃であった。
【0038】
実施例3
スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン(前記構造式(VI),X:Y=53:47)の合成
撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに,ポリフェニレンエーテルスルホン(Aldrich製,GPCによる数平均分子量は28500)20g,テトラクロロエタン200mlを入れ,さらにクロロメチルメチルエーテル40mlを加えた後、無水塩化スズ(IV)1mlとテトラクロロエタン20mlの混合溶液を滴下し,80℃に加熱して90分加熱撹拌した。次いで,メタノール1l中に溶液を落とし,ポリマーを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し,酸成分が抜けるまでメタノールで洗浄し,加熱乾燥してクロロメチル化ポリフェニレンポリエーテルスルホン22gを得た。得られた化合物はNMRにより同定することができ,クロロメチル基のメチレンプロトンのケミカルシフトは4.64ppmであった。また,クロロメチル基の導入率{式(VII)における全構造単位(x及びyの合計)対するクロロメチル基の導入された構造単位の割合(平均値)}はNMRのプロトン積分比より算出することができ53%だった。
【0039】
次に,得られたクロロメチル化ポリフェニレンエーテルスルホンを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた1000mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,N−メチルピロリドン(NMP)400mlを加えた。これに,チオ酢酸カリウム6gとNMP50mlの溶液を加え,80℃に加熱し3時間加熱撹拌した。次いで,水1l中に溶液を落とし,ポリマーを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し,水で洗浄した後,加熱乾燥してアセチルチオ化ポリフェニレンエーテルスルホン21gを得た。
【0040】
次に,得られたアセチルチオ化ポリフェニレンエーテルスルホン20gを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,さらに酢酸200ml加えた。過酸化水素水50mlを加え,60℃に加熱し2時間加熱撹拌した。次いで,6規定の水酸化ナトリウム水溶液1lに,冷却しながら反応溶液を加えしばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,アルカリ成分が抜けるまで水で洗浄した。その後,1規定の塩酸300mlにポリマーを加え,しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,酸成分が抜けるまで水で洗浄し,減圧乾燥することで,定量的にスルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン18gを得た。NMRのメチレンプロトンのケミカルシフトが3.81ppmにシフトしていることにより,スルホメチル基の存在を確認した。GPCで数平均分子量を測定したところ,53000であった。また、スルホン酸基の量がイオン交換基当量重量として848g/molであった。
【0041】
実施例4
スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン膜の作成
実施例3で合成したスルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン15gをジメチルホルムアミド60mlに溶解させ,メンブレンフィルターでゴミを除去することにより,20wt%のキャスト用溶液を調製し,製膜用のワニスを得た。ワニスをガラス基板上に塗膜し,これを真空恒温槽にて減圧乾燥した。乾燥後,フィルムを所定サイズにカットし,ガラス基板から剥離することで,スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン膜を作成した。膜は薄黄色で,しっかりと形態を保持した。膜厚を測定したところ26μmであった。また,TG−DTA(Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)により5%熱分解温度を測定したところ,337℃であった。
また、実施例1において得られるスルホメチル化ポリフェニレンエーテルエーテルスルホンを用いて本実施例と同様に同様に処理することにより該化合物の膜を作成することができる。
【0042】
比較例1
(1)スルホメチル化ポリスルホン(下記構造式(VII),X:Y=38:62)の合成
【0043】
【化11】
【0044】
撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに,ポリスルホン(アモコ製,商品名ユーデル,P−1700NT11,GPCによる数平均分子量44800)31g,テトラクロロエタン300mlを入れ,さらにクロロメチルメチルエーテル18gを加えた後、無水塩化スズ(IV)1mlとテトラクロロエタン20mlの混合溶液を滴下し,60℃に加熱して120分加熱撹拌した。次いで,メタノール1l中に溶液を落とし,ポリマーを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し,酸成分が抜けるまでメタノールで洗浄し,加熱乾燥してクロロメチル化ポリスルホン33gを得た。得られた化合物はNMRにより同定することができ,クロロメチル基のメチレンプロトンのケミカルシフトは4.53ppmであった。また,クロロメチル基の導入率{式(VII)における全構造単位(x及びyの合計)対するクロロメチル基の導入された構造単位の割合}はNMRのプロトン積分比より算出することができ,38%だった。
【0045】
次に,得られたクロロメチル化ポリスルホン15gを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,N−メチルピロリドン200mlを加えた。これに,チオ酢酸カリウム4.6gを加え,80℃に加熱し3時間加熱撹拌した。次いで,水1l中に溶液を落とし,ポリマーを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し,水で洗浄した後,加熱乾燥してアセチルチオ化ポリスルホン17gを得た。
【0046】
次に,得られたアセチルチオ化ポリスルホン17gを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,さらに酢酸200ml加えた。過酸化水素水50mlを加え,65℃に加熱し4時間加熱撹拌した。次いで,6規定の水酸化ナトリウム水溶液1lに,冷却しながら反応溶液を加えしばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,アルカリ成分が抜けるまで水で洗浄した。その後,1規定の塩酸300mlにポリマーを加え,しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,酸成分が抜けるまで水で洗浄し,減圧乾燥することで,スルホメチル化ポリスルホン15gを得た。NMRのメチレンプロトンのケミカルシフトが4.06ppmにシフトしていることにより,スルホメチル基の存在を確認した。GPCで数平均分子量を測定したところ,19100であり,大幅に分子量が減少していた。
【0047】
(2) スルホメチル化ポリスルホン膜の作成
スルホメチル化ポリスルホン15gをジメチルホルムアミド60mlに溶解させ,メンブレンフィルターでゴミを除去することにより,20wt%のキャスト用溶液を調製し,製膜用のワニスを得た。ワニスをガラス基板上に塗膜し,これを真空恒温槽にて減圧乾燥したところ,膜は形成されずボロボロにひび割れ,製膜できなかった。
【0048】
比較例2
(1) スルホン化ポリフェニレンエーテルスルホン(下記構造式(VIII),X:Y=80:20)の合成
【0049】
【化12】
【0050】
撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた300mlの4ツ口丸底フラスコに,ポリフェニレンエーテルスルホン(Aldrich製,GPCによる数平均分子量28500)25g,クロロホルム230mlを入れて撹拌し,クロロ硫酸10mlとクロロホルム20mlの混合溶液を滴下した。滴下終了後50℃で5時間加熱撹拌し,液温を冷ました後,析出したポリマーをろ過して,ミキサー粉砕し,1規定の水酸化ナトリウム水溶液400mlに加え,しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,アルカリ成分が抜けるまで水で洗浄した。その後,1規定の塩酸300mlにポリマーを加え,しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,酸成分が抜けるまで水で洗浄し,減圧乾燥することで,スルホン化ポリフェニレンエーテルスルホンを得た。得られた化合物はNMRにより同定した。スルホン化率{式(VIII)における全構造単位(x及びyの合計)対するスルホン酸基基の導入された構造単位の割合}はNMRのプロトン積分比より80%と見積もられた。GPCで数平均分子量を測定したところ,112000であった。
【0051】
(2)スルホン化ポリフェニレンエーテルスルホン膜の作成
スルホン化ポリフェニレンエーテルスルホン15gをジメチルホルムアミド60mlに溶解させ,メンブレンフィルターでゴミを除去することにより,20wt%のキャスト用溶液を調製し,製膜用のワニスを得た。ワニスをガラス基板上に塗膜し,これを真空恒温槽にて減圧乾燥した。乾燥後,フィルムを所定サイズにカットし,ガラス基板から剥離することで,スルホン化ポリフェニレンエーテルスルホン膜を作成した。膜は薄黄色で,しっかりと形態を保持した。また,TG−DTAにより5%熱分解温度を測定したところ,302℃であり,スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン膜に比べて,熱安定性に劣っていた。
【0052】
【発明の効果】
以上説明してきたように,本発明におけるスルホン酸基含有ポリスルホンイオン交換樹脂は従来のポリスルホン系イオン交換樹脂に比べて,熱的に安定であり,加工性にも優れている。このような樹脂は,燃料電池用の電解質膜等の用途に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は,高分子電解質膜として有用なイオン交換樹脂,特に,熱,酸,および有機溶剤に対して良好な耐久性を有するスルホン酸基含有ポリスルホン系樹脂およびその膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,液体電解質の代わりに固体高分子イオン交換膜を,水電解槽やレドックスフロー電池や燃料電池等の電気化学装置のイオン伝導体に用いようとする試みが活発に行われてきている。しかしながら,これらの用途に対しては,プロトン伝導性とともに化学的,熱的,電気化学的および機械的に十分耐久性を有していることが求められるのに対して、従来のイオン交換樹脂として広く使われてきたスチレン−ジビニルベンゼン系樹脂のスルホン化物では,これらの要求する特性を満足できない欠点がある。すなわち,芳香環上のスルホン酸基が150℃以上では著しく脱スルホン化し易く、熱安定性に欠ける。また、イオン伝導体として膜抵抗を低下させるためには,膜厚を薄くする必要があるが,スチレン−ジビニルベンゼン樹脂は,脆く,機械的強度が低いため100μm以下のイオン交換膜が得られない。また,スチレン−ジビニルベンゼン系樹脂は,機械的強度に加え加工性に乏しいため,ホローファイバー型や多孔性カチオン交換膜等に加工された膜が得られない欠点もある。更には,化学的耐久性も低く,特に燃料電池の電解質隔膜として用いた場合は,すぐに膜がボロボロになって使用不能となってしまう。
【0003】
水電解槽や燃料電池などに用いられる高分子電解質膜としては,ナフィオン(デュポン社製)やフレミオン(旭硝子(株)製)に代表されるパーフルオロスルホン酸系イオン交換樹脂膜が知られており,最も実用に耐えうる性能を有している。しかし,これらのパーフルオロスルホン酸系樹脂膜は非常に高価であるため,電気化学装置のコストを引き上げ,広範囲での実用化に対する足かせとなっている。また,80℃以上の高温では保水性が低下し,機械的強度も低下するため,作動温度が80℃以下と非常に限られており,同時に水分管理を常に行わなければいけないというシステム上の問題がある。更には,メタノール溶解性が高いため,メタノールを燃料に用いるような直接メタノール形燃料電池等では使用できないという欠点もある。
【0004】
一方,限外ろ過膜や逆浸透膜において,機械的強度,加工性の優れたポリスルホン膜が使用されており,このポリスルホン樹脂にイオン伝導体としてスルホン酸基を付与したスルホン化ポリスルホン樹脂も,新たな電解質膜材料として検討されている。
例えば,繰り返し単位が下記構造式
【0005】
【化5】
【0006】
で表されるポリスルホン(PSF)のスルホン化物は公知であり(例えば特許文献1参照),これらのスルホン化ポリスルホンを異方性限外ろ過膜上に積層した半透膜が知られている(例えば特許文献2、3および4参照)。しかしながら,このポリスルホンを原料として芳香環をスルホン化した場合,高温酸性条件下における安定性が必ずしもよくない。これは,芳香環のスルホン化反応が可逆反応であるため,脱スルホン化反応が起こるためだと考えられる。したがって,芳香環を直接スルホン化したイオン交換膜では,安定性が悪いため電解質として用いるには,長期安定性に問題がある。
そのため,スチレン−ジビニルベンゼン系樹脂に直接スルホン酸基を導入する代わりに、スルホアルキル基を導入して熱安定性を高めたスルホアルキル化スチレン−ジビニルベンゼンや種々の芳香族炭化水素系高分子にスルホアルキル基を導入して、耐酸性および耐熱性を高めた固体高分子電解質などが報告されている(例えば前者は非特許文献1、後者は特許文献5参照)。後者ではポリスルホン系樹脂については例えば(−C6H4−SO2−C6H4−O−)の繰り返し単位を有するポリエーテルスルホンまたは(−O−C6H4−C(CH3)2−SO2−C6H4−)の繰り返し単位を有するポリスルホンにルイス酸とサルトンを用いて直接芳香環に炭素数3以上のスルホアルキル(実施例においてはスルホプロピル基)を導入した固体電解質が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第3709841号明細書(実施例1)
【特許文献2】
特開昭50−99973号公報
【特許文献3】
特開昭51−146379号公報
【特許文献4】
特開昭61−4505号公報
【特許文献5】
特開2002−110174号公報(第4〜5頁、実施例1等)
【非特許文献1】
Macromol. Chem., Rapid Commun., 1, 1980, 297−302
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,安価で高収率で製造でき、かつ熱,酸,および有機溶剤に対して良好な耐久性し、高分子電解質膜として有用なイオン交換樹脂,より詳しくはイオン交換基としてスルホアルキル基を導入した特定構造を有するポリスルホン系樹脂およびその膜を提供するものである。
即ち、上記特許文献5に記載のサルトンを用いて得られるポリスルホン系樹脂では,サルトンの反応性が低いため,目的のスルホアルキル化物の収率は低く、実用的でない。また,(−O−C6H4−C(CH3)2−C6H4−O−C6H4−SO2−C6H4−)の繰り返し単位を有するポリスルホンにスルホアルキル基を導入したものはポリスルホンの主鎖骨格中に存在するイソプロピリデン部位(−C(CH3)2−)が酸性条件下で容易に開裂して主鎖の切断が起こるので,このスルホアルキル化ポリスルホン膜は耐久性が低く,特にプロトン伝導体として用いる高分子電解質膜として用いることは困難である。本発明はこれらの問題を解決した新規なイオン交換樹脂を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明者らは鋭意検討した結果,高収率で製造可能でかつ耐劣化特性に優れたポリスルホン系の新規なスルホアルキル基含有イオン交換樹脂およびその膜を見出し,発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
【0010】
(1)下記構造式(I)で表される構造単位を有するポリスルホンもしくは下記構造式(II)表される構造単位を有するポリスルホンにスルホアルキル基(III)をイオン交換基として結合させたことを特徴とするイオン交換樹脂、
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】
(2)n=0である前項(1)に記載のイオン交換樹脂、
(3)樹脂中に導入されたスルホン酸基の量が,イオン交換基当量重量として300〜3000g/molであることを特徴とする前項(1)もしくは(2)に記載のイオン交換樹脂、
(4)下記構造式(IV)で表される構造単位を有するスルホメチル化ポリスルホンからなるイオン交換樹脂、
【0014】
【化8】
【0015】
(式(IV)中R1〜R4は,各々独立に水素原子もしくはスルホメチル基を表し,且つR1〜R4はにおけるスルホメチル基の占める割合が全体の4〜49%である。)
(5)下記構造式(V)で表される構造単位を有するスルホメチル化ポリスルホンからなるイオン交換樹脂、
【0016】
【化9】
【0017】
(式(V)中R5〜R8は,各々独立に水素原子もしくはスルホメチル基を表し,且つR5〜R8におけるスルホメチル基の占める割合が全体の3〜40%である。)
(6)前項(1)〜(5)のいずれか一項に記載のイオン交換樹脂を含む膜からなるイオン交換膜、
(7)イオン交換樹脂膜のTG−DTAにより測定した5%熱分解温度が310℃以上である前記(6)項に記載のイオン交換樹脂膜、
に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のスルホアルキル化ポリスルホン系イオン交換樹脂は,前記構造式(I)もしくは(II)で表される構造単位を有するポリスルホン系樹脂の芳香環に,スルホアルキル基を導入することにより製造される。
式(III)で示されるスルホアルキル基としてはスルホメチル基,スルホエチル基,スルホプロピル基,スルホブチル基,スルホペンチル基,スルホペンチル基,スルホヘキシル基等が挙げられ、スルホメチル基が好ましい。
原料となるポリスルホンは,例えば特公昭46−21458等に開示されるように、ハイドロキノンと4,4’−ジクロルジフェニルスルホンを適当な溶媒中で炭酸カリウムなどのアルカリ縮合剤の存在下に重縮合させることにより式(II)の繰り返し単位を有するポリスルホン得られる。また、式(I)の繰り返し単位を有するポリスルホンは、上記に準じてハイドロキノンの代わりに4,4’−ジヒドロキシビフェニルを用いて4,4’−ジクロルジフェニルスルホンと重縮合させることにより得ることができる。これらのポリスルホンはいずれもエンジニアリングプラスチックとして市販されている。例えば構造式(I)の繰り返し単位を有するポリスルホンは商品名 Polyphenylsulfone(Aldrich製)等として入手可能であり、構造式(II)で表される構造単位を有するポリスルホンは商品名 Poly(1,4−phenylene ether−ether−sulfone)(Aldrich製)等として入手可能である。
【0019】
原料となる前記構造式(I)もしくは(II)で表される構造単位を有するポリスルホンの分子量は特に制限はないが,製膜するのに十分な分子量が望まれる。通常、数平均分子量が10,000〜200,000であり,製膜性,加工性の点から好ましくは20,000〜150,000である。
【0020】
原料となる前記構造式(I)もしくは(II)で表される構造単位を有するポリスルホンにスルホアルキル基を導入する方法としては、スルホメチル基の場合には後記するクロロメチルメチルエーテル等のハロゲノメチル化剤を用いてハロゲノメチル化ポリスルホンとし、次いでハロゲン部位をアセチルチオ化した後、酸化してスルホン酸基にする方法などが挙げられる。また、より炭素数の多いスルホアルキル基の場合には例えばCl−(CH2)n−COCl(nは例えば2〜6)で示されるクロル置換酸クロライドで常法、例えば塩化アルミニウムや塩化鉄などのルイス酸を用いたフリーデルクラフツ反応によりクロル置換アシル基を導入し、次いでジメチルチオエーテルとチオ硫酸ソーダで、クロル原子をスルホン酸基とした後、カルボニル基をヒドラジンで還元する方法またはJ.Org.Chem.45.2717(1980)に記載されている方法に準じて、芳香環の水素をリチウム化し、次いでジハロゲノアルカンでハロゲノアルキル化し、その後は上記の方法でクロル原子をスルホン酸基に変換する方法などが挙げられる。
【0021】
特に,ポリスルホンの芳香環をハロゲノアルキル化し,次いでアセチルチオ化後,酸化してスルホン酸化することにより、本発明のイオン交換樹脂を得る方法は、ポリマー中のハロゲノアルキル基を100%スルホアルキル基に変換することが可能であり、好ましい。
本発明において、ハロゲノアルキル基としては,クロロメチル基,ブロモメチル基,ヨードメチル基,クロロエチル基,ブロモエチル基,ヨードエチル基,クロロプロピル基,ブロモプロピル基,ヨードプロピル基,クロロブチル基,ブロモブチル基,ヨードブチル基,クロロペンチル基,ブロモペンチル基,ヨードペンチル基,クロロヘキシル基,ブロモヘキシル基,ヨードヘキシル基等のハロゲノ(C1〜C6)アルキル基が挙げられ、ハロゲノメチル基が好ましい。
本発明において好ましいハロゲノメチル基を芳香環に導入(芳香環のハロゲノメチル化反応)するには,公知反応が広範囲に使用できる。例えばクロロメチル化剤として,クロロメチルメチルエーテル,1,4−ビス(クロロメトキシ)ブタン,1−クロロメトキシ−4−クロロブタンなどを用い,触媒として塩化スズ,塩化亜鉛,塩化アルミニウム,塩化チタンなどのルイス酸やフッ化水素酸などを用いてクロロメチル化反応を行うことにより、芳香環にクロロメチル基を導入することができる。溶媒には,ジクロロエタン,トリクロロエタン,テトラクロロエタン,クロロベンゼン,ジクロロベンゼン,ニトロベンゼンなどを用い,均一系で反応を行うことが好ましい。また,パラホルムアルデヒドと塩化水素,もしくは臭化水素などを用いてハロゲノメチル化反応を行うこともできる。
【0022】
イオン交換基当量重量の制御は,前駆体ポリマーのハロゲノアルキル化反応を制御することで達成できる。すなわち,ハロゲノアルキル基からスルホアルキル基への変換を定量的に行うことができるため,ハロゲノアルキル化反応におけるハロゲノアルキル基の導入率を変えることによって,任意のイオン交換基当量重量(今後EWと省略する)を有するスルホアルキル化体が合成可能となる。ハロゲノアルキル基導入率は,反応温度,時間,反応試薬当量を変えることによって容易に制御できる。例えば前記式(I)もしくは(II)の繰り返し単位に対して、ハロゲノメチル化剤、例えばクロロメチルメチルエーテルを5倍モル〜10倍モル程度用いて、60〜100℃において、3〜5時間程度反応させることにより、ハロゲノメチル基を、式(IV)のR1〜R4または式(V)におけるR5〜R8 の4箇所に対する割合で、3%〜50%程度導入することができる。この場合のイオン交換基当量重量はほぼ300〜3000g/molとなる。なお、イオン交換基当量重量は下記の方法により測定できる。
測定しようとするスルホアルキル化ポリマー W mgを1規定の水酸化ナトリウム水溶液10mlに1晩浸漬してイオン交換を行った後、ろ過で樹脂を取り除いた。水溶液2mlをホールピペットで取って、自動的滴定装置(HIRANUMA, COM−555)を用いて、0.1規定塩酸で滴定を行った。1規定の水酸化ナトリウムを滴定したときの滴定量を Q0 ml,イオン交換後の水溶液2mlを滴定したときの滴定量を Qw ml とし、次式でイオン交換基重量当量を求めた。なお、式中 F は水酸化ナトリウム水溶液の力価を示す。
イオン交換基当量重量(g/mol)=W/{( Q0−Qw) × 0.1×F×5}
【0023】
ハロゲノアルキル基のアシルチオ化は、チオ酢酸,チオ安息香酸などのチオカルボン酸のナトリウム塩やカリウム塩を作用させることによって行うことができる。溶媒として,N−メチルピロリドン,N,N−ジメチルホルムアムド,N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶媒を用いることができる。
【0024】
アシルチオ体の酸化は,有機もしくは無機過酸化物を酸化剤として用い,容易に行うことができる。特に酢酸溶媒中で過酸化水素水もしくは過酢酸を用いるのが好ましい。
【0025】
本発明のスルホン酸基含有イオン交換樹脂は,樹脂中に導入されたEWが通常300〜3000g/molであることを特徴とするスルホアルキル化ポリスルホン樹脂からなる。さらに,耐水性,電解質としてのプロトン伝導特性の観点から,好ましくは,EWは600〜1200g/molである。
【0026】
本発明の前記構造式(IV)で表される構造単位を有するスルホメチル化ポリスルホンからなるイオン交換樹脂は,エンジニアリングプラスチックとして量産,汎用されているポリフェニレンエーテルスルホン中の芳香環上の水素原子にスルホメチル基が置換した構造を有している。式(IV)中R1〜R4は,各々独立に水素原子もしくはスルホメチル基を表し,且つR1〜R4におけるスルホメチル基の占める割合が全体の4〜49%である。さらに好ましくは、式(IV)中R1〜R4におけるスルホメチル基の占める割合が8〜23%である。
【0027】
本発明の前記構造式(V)で表される構造単位を有するスルホメチル化ポリスルホンからなるイオン交換樹脂は,エンジニアリングプラスチックとして量産,汎用されているポリエーテルエーテルスルホン中の芳香環上の水素原子にスルホメチル基が置換した構造を有している。式(V)中R5〜R8は,各々独立に水素原子もしくはスルホメチル基を表し,且つR5〜R8におけるスルホメチル基の占める割合が全体の3〜40%である。さらに好ましくは,式(V)中,R5〜R8におけるスルホメチル基の占める割合が10〜22%である。
【0028】
スルホン酸基含有イオン交換樹脂をイオン伝導高分子電解質として使用する際には,通常膜の状態で使用される。スルホアルキル化ポリスルホン樹脂を製膜する方法については特に制限はないが,ワニスを調製し,溶液状態より製膜する方法(キャスト法),あるいは加熱して溶融状態より製膜する方法(溶融押し出し法)等がある。キャスト法は,例えば,ポリマーをN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒に溶かし,ガラス板などの基板上に塗布し,溶媒を除去することにより製膜する。キャスト溶媒に用いる溶媒は,ポリマーを溶解し,塗布した後除去しうるものであれば特に制限はなく,N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチル−2−ピロリドン,ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒,あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノメチルエーテル等が好適に用いられる。
【0029】
膜の厚みは,特に制限はないが、通常、実用に耐える膜の強度を得るには20μmより厚い方が好ましく,膜抵抗を低減させるためには200μmより薄い方が好ましく、更に好ましくは、20〜50μmである。膜厚は,溶液濃度,あるいは基板上への塗布厚により制御できる。溶融状態より製膜する場合は,溶融押し出し法などが可能である。
本発明で得られるスルホアルキル化ポリスルホン膜は耐熱性が良く、通常TG−DTAにより測定した5%熱分解温度は310℃以上であり、好ましくは320℃以上、更に好ましくは330℃以上である。
【0030】
本発明のイオン交換樹脂を製造する際に,通常の高分子に使用される可塑剤,安定剤,離型剤などの添加剤を本発明の目的に反しない範囲内で使用できる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが,本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
実施例1
スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン(下記構造式(VI),X:Y=36:64)の合成
【0033】
【化10】
【0034】
撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに,式(I)の繰り返し単位構造を有するポリフェニレンエーテルスルホン(Aldrich製,商品名: Polyphenylsulfone、ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量は28500)30g,テトラクロロエタン250mlを入れ,さらにクロロメチルメチルエーテル40mlを加えた後、無水塩化スズ(IV)1mlとテトラクロロエタン20mlの混合溶液を滴下し,80℃に加熱して90分加熱撹拌した。次いで,該反応溶液をメタノール1リットル中に落とし,ポリマーを析出させた。析出した沈殿をミキサーで粉砕し,酸成分が抜けるまでメタノールで洗浄し,加熱乾燥してクロロメチル化ポリフェニレンポリエーテルスルホン34gを得た。得られた化合物は核磁気共鳴(NMR)により同定した。クロロメチル基のメチレンプロトンのケミカルシフトは4.64ppmであった。また,NMRのプロトン積分比より算出したクロロメチル基の導入率は36%だった。
【0035】
次に,得られたクロロメチル化ポリフェニレンエーテルスルホンを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた1000mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,N−メチルピロリドン600mlを加えた。これに,チオ酢酸カリウム9gとN−メチルピロリドン(NMP)50mlの溶液を加え,80℃に加熱し3時間加熱撹拌した。次いで,該反応液を水1リットル中に落とし,ポリマーを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し,水で洗浄した後,加熱乾燥してアセチルチオ化ポリフェニレンエーテルスルホン31gを得た。
【0036】
次に,得られたアセチルチオ化ポリフェニレンエーテルスルホン20gを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,さらに酢酸300ml加えた。過酸化水素水20mlを加え,45℃に加熱し4時間加熱撹拌した。次いで,6規定の水酸化ナトリウム水溶液1リットル中に,冷却しながら該反応溶液を加え、しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,アルカリ成分が抜けるまで水で洗浄した。その後,1規定の塩酸300mlにポリマーを加え,しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,酸成分が抜けるまで水で洗浄し,減圧乾燥することで,定量的にスルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン20gを得た。NMRのメチレンプロトンのケミカルシフトが3.78ppmにシフトしていることにより,スルホメチル基の存在を確認した。GPCで数平均分子量を測定したところ,58400であった。また、スルホメチル基の導入率はクロロメチル基の導入率{式(VI)における全構造単位(x及びyの合計)対するクロロメチル基の導入された構造単位の割合}から36%であり、スルホン酸基の量がイオン交換基当量重量として1214g/molであった。
なお、本実施例においてポリフェニレンエーテルスルホンの代わりに、式(II)の繰り返し単位構造を有するポリスルホン(商品名:ポリフェニレンエーテルエーテルスルホン、Aldrich社製)を用いて、同様に反応、精製することにより、式(II)の繰り返し単位構造を有するポリスルホンのスルホメチル化物(以下スルホメチル化ポリフェニレンエーテルエーテルスルホンという)を得ることができる。
【0037】
実施例2
スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン膜の作成
実施例1で合成したスルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン15gをジメチルホルムアミド60mlに溶解させ,メンブレンフィルターでゴミを除去することにより,20wt%のキャスト用溶液を調製し,製膜用のワニスを得た。ワニスをガラス基板上に塗膜し,これを真空恒温槽にて減圧乾燥した。乾燥後,フィルムを所定サイズにカットし,ガラス基板から剥離することで,スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン膜を作成した。膜は薄黄色で,しっかりと形態を保持した。膜厚を測定したところ22μmであった。また,TG−DTAにより5%熱分解温度を測定したところ,347℃であった。
【0038】
実施例3
スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン(前記構造式(VI),X:Y=53:47)の合成
撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに,ポリフェニレンエーテルスルホン(Aldrich製,GPCによる数平均分子量は28500)20g,テトラクロロエタン200mlを入れ,さらにクロロメチルメチルエーテル40mlを加えた後、無水塩化スズ(IV)1mlとテトラクロロエタン20mlの混合溶液を滴下し,80℃に加熱して90分加熱撹拌した。次いで,メタノール1l中に溶液を落とし,ポリマーを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し,酸成分が抜けるまでメタノールで洗浄し,加熱乾燥してクロロメチル化ポリフェニレンポリエーテルスルホン22gを得た。得られた化合物はNMRにより同定することができ,クロロメチル基のメチレンプロトンのケミカルシフトは4.64ppmであった。また,クロロメチル基の導入率{式(VII)における全構造単位(x及びyの合計)対するクロロメチル基の導入された構造単位の割合(平均値)}はNMRのプロトン積分比より算出することができ53%だった。
【0039】
次に,得られたクロロメチル化ポリフェニレンエーテルスルホンを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた1000mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,N−メチルピロリドン(NMP)400mlを加えた。これに,チオ酢酸カリウム6gとNMP50mlの溶液を加え,80℃に加熱し3時間加熱撹拌した。次いで,水1l中に溶液を落とし,ポリマーを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し,水で洗浄した後,加熱乾燥してアセチルチオ化ポリフェニレンエーテルスルホン21gを得た。
【0040】
次に,得られたアセチルチオ化ポリフェニレンエーテルスルホン20gを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,さらに酢酸200ml加えた。過酸化水素水50mlを加え,60℃に加熱し2時間加熱撹拌した。次いで,6規定の水酸化ナトリウム水溶液1lに,冷却しながら反応溶液を加えしばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,アルカリ成分が抜けるまで水で洗浄した。その後,1規定の塩酸300mlにポリマーを加え,しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,酸成分が抜けるまで水で洗浄し,減圧乾燥することで,定量的にスルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン18gを得た。NMRのメチレンプロトンのケミカルシフトが3.81ppmにシフトしていることにより,スルホメチル基の存在を確認した。GPCで数平均分子量を測定したところ,53000であった。また、スルホン酸基の量がイオン交換基当量重量として848g/molであった。
【0041】
実施例4
スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン膜の作成
実施例3で合成したスルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン15gをジメチルホルムアミド60mlに溶解させ,メンブレンフィルターでゴミを除去することにより,20wt%のキャスト用溶液を調製し,製膜用のワニスを得た。ワニスをガラス基板上に塗膜し,これを真空恒温槽にて減圧乾燥した。乾燥後,フィルムを所定サイズにカットし,ガラス基板から剥離することで,スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン膜を作成した。膜は薄黄色で,しっかりと形態を保持した。膜厚を測定したところ26μmであった。また,TG−DTA(Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)により5%熱分解温度を測定したところ,337℃であった。
また、実施例1において得られるスルホメチル化ポリフェニレンエーテルエーテルスルホンを用いて本実施例と同様に同様に処理することにより該化合物の膜を作成することができる。
【0042】
比較例1
(1)スルホメチル化ポリスルホン(下記構造式(VII),X:Y=38:62)の合成
【0043】
【化11】
【0044】
撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに,ポリスルホン(アモコ製,商品名ユーデル,P−1700NT11,GPCによる数平均分子量44800)31g,テトラクロロエタン300mlを入れ,さらにクロロメチルメチルエーテル18gを加えた後、無水塩化スズ(IV)1mlとテトラクロロエタン20mlの混合溶液を滴下し,60℃に加熱して120分加熱撹拌した。次いで,メタノール1l中に溶液を落とし,ポリマーを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し,酸成分が抜けるまでメタノールで洗浄し,加熱乾燥してクロロメチル化ポリスルホン33gを得た。得られた化合物はNMRにより同定することができ,クロロメチル基のメチレンプロトンのケミカルシフトは4.53ppmであった。また,クロロメチル基の導入率{式(VII)における全構造単位(x及びyの合計)対するクロロメチル基の導入された構造単位の割合}はNMRのプロトン積分比より算出することができ,38%だった。
【0045】
次に,得られたクロロメチル化ポリスルホン15gを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,N−メチルピロリドン200mlを加えた。これに,チオ酢酸カリウム4.6gを加え,80℃に加熱し3時間加熱撹拌した。次いで,水1l中に溶液を落とし,ポリマーを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し,水で洗浄した後,加熱乾燥してアセチルチオ化ポリスルホン17gを得た。
【0046】
次に,得られたアセチルチオ化ポリスルホン17gを撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに入れ,さらに酢酸200ml加えた。過酸化水素水50mlを加え,65℃に加熱し4時間加熱撹拌した。次いで,6規定の水酸化ナトリウム水溶液1lに,冷却しながら反応溶液を加えしばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,アルカリ成分が抜けるまで水で洗浄した。その後,1規定の塩酸300mlにポリマーを加え,しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,酸成分が抜けるまで水で洗浄し,減圧乾燥することで,スルホメチル化ポリスルホン15gを得た。NMRのメチレンプロトンのケミカルシフトが4.06ppmにシフトしていることにより,スルホメチル基の存在を確認した。GPCで数平均分子量を測定したところ,19100であり,大幅に分子量が減少していた。
【0047】
(2) スルホメチル化ポリスルホン膜の作成
スルホメチル化ポリスルホン15gをジメチルホルムアミド60mlに溶解させ,メンブレンフィルターでゴミを除去することにより,20wt%のキャスト用溶液を調製し,製膜用のワニスを得た。ワニスをガラス基板上に塗膜し,これを真空恒温槽にて減圧乾燥したところ,膜は形成されずボロボロにひび割れ,製膜できなかった。
【0048】
比較例2
(1) スルホン化ポリフェニレンエーテルスルホン(下記構造式(VIII),X:Y=80:20)の合成
【0049】
【化12】
【0050】
撹拌機,温度計,塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた300mlの4ツ口丸底フラスコに,ポリフェニレンエーテルスルホン(Aldrich製,GPCによる数平均分子量28500)25g,クロロホルム230mlを入れて撹拌し,クロロ硫酸10mlとクロロホルム20mlの混合溶液を滴下した。滴下終了後50℃で5時間加熱撹拌し,液温を冷ました後,析出したポリマーをろ過して,ミキサー粉砕し,1規定の水酸化ナトリウム水溶液400mlに加え,しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,アルカリ成分が抜けるまで水で洗浄した。その後,1規定の塩酸300mlにポリマーを加え,しばらく撹拌した。ポリマーをろ過し,酸成分が抜けるまで水で洗浄し,減圧乾燥することで,スルホン化ポリフェニレンエーテルスルホンを得た。得られた化合物はNMRにより同定した。スルホン化率{式(VIII)における全構造単位(x及びyの合計)対するスルホン酸基基の導入された構造単位の割合}はNMRのプロトン積分比より80%と見積もられた。GPCで数平均分子量を測定したところ,112000であった。
【0051】
(2)スルホン化ポリフェニレンエーテルスルホン膜の作成
スルホン化ポリフェニレンエーテルスルホン15gをジメチルホルムアミド60mlに溶解させ,メンブレンフィルターでゴミを除去することにより,20wt%のキャスト用溶液を調製し,製膜用のワニスを得た。ワニスをガラス基板上に塗膜し,これを真空恒温槽にて減圧乾燥した。乾燥後,フィルムを所定サイズにカットし,ガラス基板から剥離することで,スルホン化ポリフェニレンエーテルスルホン膜を作成した。膜は薄黄色で,しっかりと形態を保持した。また,TG−DTAにより5%熱分解温度を測定したところ,302℃であり,スルホメチル化ポリフェニレンエーテルスルホン膜に比べて,熱安定性に劣っていた。
【0052】
【発明の効果】
以上説明してきたように,本発明におけるスルホン酸基含有ポリスルホンイオン交換樹脂は従来のポリスルホン系イオン交換樹脂に比べて,熱的に安定であり,加工性にも優れている。このような樹脂は,燃料電池用の電解質膜等の用途に有用である。
Claims (7)
- n=0である請求項1に記載のイオン交換樹脂。
- 樹脂中に導入されたスルホン酸基の量が,イオン交換基当量重量として300〜3000g/molであることを特徴とする請求項第1項もしくは第2項に記載のイオン交換樹脂。
- 請求項第1〜5項のいずれか一項に記載のイオン交換樹脂を含む膜からなるイオン交換膜。
- イオン交換樹脂膜のTG−DTAにより測定した5%熱分解温度が310℃以上である請求項第6項に記載のイオン交換樹脂膜。
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