JP2004130442A - マイクロマシン用半導体装置 - Google Patents

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高岡 将樹
Noriyuki Shimoji
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Abstract

【課題】金属膜等の無機膜と樹脂膜である有機膜との耐剥離性を向上させる。
【解決手段】このマイクロマシン用半導体装置は、マイクロマシンに用いられるものであって、半導体基板1と、係止用有機膜4と、無機膜2と、有機膜3とを備えている。係止用有機膜4は半導体基板1の表面に形成された凹部1aに形成されている。無機膜2は、係止用有機膜4の半導体基板1とは逆側の面に形成され、係止用有機膜4が通過不能な貫通部2aを有している。有機膜3は、係止用有機膜4との間に無機膜2を挟むように無機膜2の表面に設けられ、貫通部2aを介して係止用有機膜4と一体に形成されている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置、特に、無機膜と有機膜とを有するマイクロマシン用半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、シリコン等の半導体材料を利用したマイクロマシン技術が提供されている。このマイクロマシン技術を用いたデバイスとしては、各種センサ、マイクロポンプ、プリンタのインクジェットヘッド等がある。
このようなデバイスの一般的な構成は、半導体基板の表面に無機膜である金属膜を形成して所定のパターニングを施し、さらにその表面に樹脂膜を形成し、この樹脂膜に、例えばインクジェットヘッドであればインクが供給される液室やインク流路が形成されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、マイクロマシン用半導体装置においては、無機膜である金属膜の表面に有機膜である樹脂膜を形成する必要があるが、両者の接着性は悪い。特に、前述のように、樹脂膜中に液室やインク流路が形成される場合は、インクの吐出圧や流路を流れるインクの圧力によって樹脂膜が無機膜から剥離するような力を受けることになり、剥離が生じやすい。
【0004】
そこで、両者の密着面積を大きくしたり、無機膜と密着性の良い有機膜を使用したり、あるいは界面にバッファ層を形成する等の手法が用いられている。
しかし、無機膜は微細にパターニングされているために、有機膜との密着面積を大きくすることは困難な場合が多い。また、デバイスの種類によっては、有機膜に特定の機能を持たせなければならない場合があり、このような場合には有機膜として無機膜と密着性の良い材料を選定することは困難である。さらに、界面にバッファ層を形成するには、プロセス工程が増加し、複雑になる。しかし、無機膜は微細にパターニングされているためバッファ層との密着面積が小さく、プロセス工程の増加による密着性向上の効果が小さい。
【0005】
本発明の課題は、金属膜等の無機膜と樹脂膜である有機膜との耐剥離性を向上することにある。
本発明の別の課題は、有機膜材料の選定に拘束されることなく、無機膜と有機膜との耐剥離性を向上することにある。
本発明のさらに別の課題は、無機膜と有機膜との界面にバッファ層を形成することなく、両者の耐剥離性を向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るマイクロマシン用半導体装置は、マイクロマシンに用いられるものであって、半導体基板と、係止用有機膜と、無機膜と、有機膜とを備えている。係止用有機膜は半導体基板の表面の少なくとも一部に形成されている。無機膜は、係止用有機膜の半導体基板とは逆側の面に形成され、係止用有機膜が通過不能な貫通部を有している。有機膜は、係止用有機膜との間に無機膜を挟むように無機膜の表面に設けられ、貫通部を介して係止用有機膜と一体に形成されている。
【0007】
この装置では、半導体基板の表面に、順に、係止用有機膜、無機膜及び有機膜が形成されている。このとき、係止用有機膜と有機膜とは無機膜に形成された貫通部を介して連結されて一体的に形成されており、係止用有機膜は無機膜の貫通部を貫通不能である。
したがって、有機膜が無機膜から剥離する方向に力を受けた場合でも、この有機膜と一体形成された係止用有機膜が無機膜に機械的に係止することとなり、有機膜が無機膜から剥離しにくくなる。このため、有機膜と無機膜との密着面積を大きくとる必要がなく、また有機膜の材料の選定に際して拘束されることがない。さらに、無機膜と有機膜との界面にバッファ層を形成する必要がなくなる。
【0008】
発明2に係るマイクロマシン用半導体装置は、発明1の半導体装置において、半導体基板の表面には局部的に凹部が形成され、係止用有機膜は有機膜が貫通部を介して凹部に充填されて形成されたものである。
この場合は、係止用有機膜を簡単に形成することができる。また、係止用有機膜は凹部に充填されているだけであるので、凹部以外では無機膜と半導体基板とが密着することとなり、半導体基板が無機材料で形成される場合に、半導体基板と無機膜との密着性を良くすることができる。
【0009】
発明3に係るマイクロマシン用半導体装置は、発明1の半導体装置において、係止用有機膜は、半導体基板の表面全面に形成された有機膜の一部により構成されている。
デバイスの種類によっては、半導体基板と無機膜との間に有機膜が形成される場合がある。この場合は、この半導体基板の表面に形成された有機膜を、無機膜に設けられた貫通部を介して無機膜の表面に形成された有機膜と連結して一体的に形成することにより、半導体基板表面の有機膜の一部を係止用有機膜とすることができる。そして、この場合は、無機膜の表面に形成された有機膜を、無機膜からより剥離しにくくすることができる。
【0010】
発明4に係るマイクロマシン用半導体装置は、発明1から3のいずれかの半導体装置において、有機膜には、有機膜と無機膜とを剥離する方向に圧力を発生する機能部が形成されている。
例えば、有機膜にインクジェットヘッドの液室やインク流路が形成されている場合、インクの吐出圧力やインクが流通する際の圧力が有機膜に作用し、この圧力によって有機膜が無機膜から剥離しようとする。しかし、ここでは、無機膜の表面に形成された有機膜が、無機膜の逆の主面に形成された係止用有機膜と連結されて一体的に形成されているので、有機膜が無機膜から剥離しにくくなる。
【0011】
発明5に係るマイクロマシン用半導体装置は、発明1から4のいずれかの半導体装置において、無機膜は所定のパターニングが施された金属膜である。
無機膜が、特に微細なパターニングが施された金属膜で形成されている場合、その表面に形成された有機膜との密着性を良好にすることは困難である。しかし、ここでは、前記同様に、無機膜の表面に形成された有機膜が、無機膜の逆の主面に形成された係止用有機膜と連結されて一体的に形成されているので、有機膜が無機膜から剥離しにくくなる。
【0012】
発明6に係るマイクロマシン用半導体装置は、マイクロマシンに用いられるものであって、半導体基板と、無機膜と、有機膜とを備えている。無機膜は半導体基板の一方の主面に形成されている。有機膜は半導体基板との間に無機膜を挟むように無機膜の表面に形成されている。そして、無機膜には有機膜側の主面から逆側の主面に貫通する貫通部が形成されるとともに、半導体基板には外周部の少なくとも一部が貫通部より外方に延びる係止用凹部が形成され、有機膜は貫通部及び係止用凹部にまで充填されている。
【0013】
ここでは、前記同様に、無機膜の表面に形成された有機膜が、無機膜の逆の主面に形成された係止用有機膜と連結されて一体的に形成されているので、有機膜が無機膜から剥離しにくくなる。また、係止用有機膜は凹部に充填されているだけであるので、凹部以外では無機膜と半導体基板とが密着することとなり、半導体基板が無機材料で形成される場合に、半導体基板と無機膜との密着性を良くすることができる。
【0014】
発明7に係るマイクロマシン用半導体装置は、マイクロマシンに用いられるものであって、半導体基板と、第1有機膜と、無機膜と、第2有機膜とを備えている。第1有機膜は半導体基板の一方の主面に形成されている。無機膜は第1有機膜の半導体基板側の主面とは逆側の主面に形成されている。第2有機膜は第1有機膜との間に無機膜を挟むように無機膜の表面に形成されている。そして、無機膜には第2有機膜側の主面から逆側の主面に貫通する貫通部が形成され、第2有機膜と第1有機膜とは貫通部を介して互いに連結されて一体的に形成されている。
【0015】
ここでは、前記同様に、無機膜の表面に形成された第2有機膜が、無機膜の逆の主面に形成された第1有機膜と一体的に形成されているので、第2有機膜が無機膜から剥離しにくくなる。また、デバイスの種類によっては、半導体基板と無機膜との間に第1有機膜が形成される場合があるが、この半導体基板の表面に形成された第1有機膜を、無機膜に設けられた貫通部を介して無機膜の表面に形成された第2有機膜と連結して一体的に形成することにより、半導体基板表面の第1有機膜の一部を係止用の有機膜とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1に本発明の第1実施形態によるマイクロマシン用半導体装置の基本構造を示す。
この半導体装置は、酸化膜及び窒化膜等で形成される半導体基板1と、無機膜2と、有機樹脂(以下、有機膜)3とを有している。デバイスの種類によっては、半導体基板1には各種の機能部が形成されている場合がある。無機膜2は、半導体基板1の表面に形成されており、所定のパターニングが施されている。また、この無機膜2には、所定の複数個所に、表面から裏面に貫通する貫通孔2aが形成されている。ここで、無機膜2は金属膜であっても良い。有機膜3は、無機膜2の表面に形成されており、デバイスの目的に応じて内部に機能部が形成される。
【0017】
ここで、半導体基板1の表面において、無機膜2の貫通孔2aに対応する位置にはほぼ半球状の凹部1aが形成されている。この凹部1aの外径は無機膜2の貫通孔の内径よりも大きく形成されている。そして、凹部1a及び貫通孔2aには、有機膜3を無機膜2の表面に形成する際に同時に、その有機膜3の一部が充填される。このようにして、凹部1a内に充填された有機膜3が係止用有機膜4となる。
【0018】
このような構成になる半導体装置では、係止用有機膜4が充填されている部分以外は、半導体基板1と無機膜2との間は、無機材料同士が直接に密着することとなり、両者の密着性は良好である。また、無機膜2と有機膜3との間の密着性は劣るが、この実施形態では、係止用有機膜4が両者の耐剥離性を向上させている。すなわち、係止用有機膜4の外径は貫通孔2aの内径よりも大きく形成されているので、仮に有機膜3が無機膜2から離れる方向に力を受けた場合でも、この有機膜3と一体形成された係止用有機膜4が貫通孔2aの下端縁部に引っ掛かり、有機膜3が無機膜2から剥離するのを抑えている。
【0019】
ここでは、有機膜3が無機膜2から剥離するのを、係止用有機膜4によって機械的に防止している。したがって、有機膜3と無機膜2との密着面積が比較的小さい場合でも、両者の剥離を抑えることができる。また、有機膜3として無機膜2との密着性の良い材料に限定されることがなく、汎用性が広がる。さらに、無機膜2と有機膜3との間にバッファ層を形成する必要がないので、製造プロセスが簡単になる。
【0020】
次に第1実施形態の製造方法について、図2にしたがって説明する。
まず、図2(a)に示すように、酸化膜、窒化膜等で形成される半導体基板1の表面に無機膜2を形成する。無機膜2は、例えば金属膜であっても良い。次に、同図(b)に示すように、無機膜2の所定個所に、無機膜2を貫通する貫通孔2aを形成する。さらに、同図(c)に示すように、無機膜2の貫通孔2aを利用して、半導体基板1の一部を等方的にエッチングする。これにより、貫通孔2aの下部に、貫通孔2aの内径よりも大きな外径を有するほぼ半球状の凹部1aが形成される。次に、同図(d)に示すように、無機膜2の表面に有機膜3を形成するとともに、同時にその有機膜3を貫通孔2a及び凹部1aに充填する。これにより、凹部1aに係止用有機膜4が形成される。
【0021】
ここでは、有機膜3を形成する際に、係止用有機膜4を同時に形成できるので、製造プロセスが簡単になる。
[第2実施形態]
図3に本発明の第2実施形態によるマイクロマシン用半導体装置の基本構造を示す。
【0022】
この半導体装置は、酸化膜及び窒化膜等で形成される半導体基板10と、この半導体基板10の表面に順に形成された第1有機膜11、無機膜12及び第2有機膜13とを有している。
第1有機膜11は、半導体基板10の表面に形成されており、例えばデバイスの種類に応じてその内部に機能部が形成されている。そして、この第1有機膜11の一部が後述する係止用有機膜として機能するものである。無機膜12は、第1有機膜11の表面に形成されており、所定のパターニングが施されている。また、この無機膜2には、所定の複数個所に、表面から裏面に貫通する貫通孔12aが形成されている。なお、第1有機膜11には表面から裏面に貫通する貫通部が設けられている場合もあり、この場合は、この貫通部を介して無機膜12と半導体基板10とが局部的に直接密着している。無機膜12は、金属膜であっても良い。第2有機膜13は、第1有機膜11との間に無機膜12を挟むようにして無機膜12の表面に形成されており、無機膜12の貫通孔12aを介して第1有機膜11と一体的に連結されている。
【0023】
このような構成になる半導体装置では、第2有機膜13と第1有機膜11とが無機膜12を挟み込むように形成されるとともに、第1有機膜11は貫通孔12aの内径よりもさらに外方に延びるように形成されている。しかも第2有機膜13と第1有機膜11とは無機膜12の貫通孔12aを介して一体的に連結されている。したがって、第2有機膜13が無機膜12から剥離する方向に力を受けたとき、第1有機膜11が、第1実施形態における係止用有機膜と同様の機能を果たし、第1有機膜11が無機膜12から剥離するのを抑える。
【0024】
この実施形態では、半導体基板10と第1有機膜11との接合が無機材料と有機材料との接合になるので密着性が劣るが、この第1有機膜11と半導体基板10とに、第1有機膜11を半導体基板10から剥離するような力が作用しない場合は、特に問題は生じない。また、第1有機膜11の一部に貫通部が形成されて無機膜12と半導体基板10とが直接密着しているような場合は、その部分の接合部は無機材料同士の接合になるので密着性は良好であり、この無機膜12と半導体基板10との密着によって、第1有機膜11が半導体基板10から剥離するのを抑えることができる。
【0025】
ここでは、前記同様に、第2有機膜13が無機膜12から剥離するのを、第1有機膜11によって機械的に防止している。したがって、前記同様の作用効果が得られる。特に、第1有機膜11の一部を係止用の有機膜として機能させることができるので、特別な係止用の有機膜を形成する必要がなく、製造プロセスが簡単になる。
【0026】
次に第2実施形態の製造方法について、図4にしたがって説明する。
まず、図4(a)に示すように、酸化膜、窒化膜等で形成される半導体基板10の表面に第1有機膜11を形成する。次に、同図(b)に示すように、第1有機膜11の表面に無機膜12を形成し、その後、同図(c)に示すように、無機膜12の所定個所に無機膜12を貫通する貫通孔12aを形成する。そして、同図(d)に示すように、無機膜12の表面に第2有機膜13を形成するとともに、その際に第2有機膜13と第1有機膜11とを貫通孔12aを介して一体的に連結する。
【0027】
[他の実施形態]
(a)前記各実施形態において、無機膜と有機膜との間にバッファ層を設けても良い。図5にこの場合の例を示す。
図5において、無機膜2と有機膜3との間にはバッファ層5が形成されている。他の構成は第1実施形態と同様である。ここでは、無機膜2と有機膜3との密着性がより向上する。
【0028】
(b)第1実施形態において、係止用有機膜4の形状をほぼ半球状としたが、係止用有機膜の形状についてはこの実施形態に限定されない。有機膜とともに無機膜を挟み込むように形成され、有機膜と係止用有機膜とが無機膜の貫通孔を介して一体的に連結されており、この状態で係止用有機膜が貫通孔を通過不能であればよい。
【0029】
【実施例】
[マイクロポンプ]
図6(a)は第1実施形態の基本構造をマイクロポンプに適用した場合の実施例、同図(b)はバルブの拡大図である。マイクロポンプは、仕切板25が形成された有機膜65と、半導体基板10と、有機膜65と反対側の半導体基板裏面に接合された有機膜90とを有している。
【0030】
半導体基板10には、流路69a〜69d(流路69)が形成されている。流路69a,69cは、流体を半導体基板表面から裏面へと導き、流路69b,69dは、流体を半導体基板裏面から表面へと導く。また、半導体基板10内には、有機膜65から半導体基板10上の熱酸化膜72及び酸化膜74内の貫通孔68a〜68c(貫通孔68)を介して、貫通孔68の内径より大きな外形を有するほぼ半球状の係止用有機膜86a〜86c(係止用有機膜86)が形成されている。仕切板25は、半導体基板10上の熱酸化膜72及び酸化膜74上に形成されており、流路69bからの流体を流路69cに導くための圧力室60を有するように形成されている。有機膜65の仕切板25上には、仕切板25を振動させるためのピエゾアクチュエータ30が取り付けられている。バルブ70a,70b(バルブ70)は、液路となる流路69を有する半導体基板10上に、液路をふさぐような形状のポリシリコンでできた円盤状の弁と、片側を基板に固定され前記弁を支える4本の腕とから形成される(図6(b)参照)。
【0031】
図7(a)〜(d)、図8(a)〜(c)、図9(a)〜(b)、図10(a)〜(b)は、図6(a)のマイクロポンプの要部の製造工程を示す。以上の図を参照して、マイクロポンプの要部の製造工程を説明する。
まず、前述の方法で、例えば(100)シリコン基板である半導体基板10表面上に熱酸化膜72を形成し、熱酸化膜72の上に酸化膜74を堆積させる。熱酸化膜72及び酸化膜74は、バルブ70を形作るようにそれぞれ開口を有している(図7(a)参照)。また、熱酸化膜72及び酸化膜74を、バルブ70以外の部分に半導体素子を形成するためや、半導体素子を保護するために利用することもできる。
【0032】
バルブ70を熱酸化膜72及び酸化膜74上に形成する(図7(b)参照)。バルブ70は、例えば、CVDとフォトレジストをマスクにしたプラズマエッチングによりpoly−Siで形成される。
熱酸化膜72及び酸化膜74内の貫通孔68に対応する部分に開口を有するレジスト76を、バルブ70、熱酸化膜72及び酸化膜74上に形成する。レジスト76の開口部分に位置する熱酸化膜72及び酸化膜74をHFにより除去し、貫通孔68a〜68cを形成する(図7(c)参照)。
【0033】
続いて、レジスト76を利用した等方性のドライエッチングにより、貫通孔68の内径より大きな外形を有するほぼ半球状の凹部88a〜88cを半導体基板10内に形成する(図7(d)参照)。ドライエッチングのガスとしては、例えばSF6を使用する。
レジスト76を除去し、バルブ70部分に開口を有するレジスト77を形成し、開口部分の熱酸化膜72及び酸化膜74をHFにより除去する(図8(a)参照)。
【0034】
レジスト77を除去し、有機膜65に流体の流路を形成するために、入口40、圧力室60及び出口50に対応する部分にレジスト78を塗布する(図8(b)参照)。
レジスト78上に有機膜65を、例えばスピンコートにより塗布する。このとき、有機膜65は貫通孔68a〜68cを介して凹部88a〜88cにも注入され、係止用有機膜86a〜86cを形成する。次に、入口40、仕切板25及び出口50に対応する有機膜65を、例えばOプラズマドライエッチングにより除去し、有機膜65を形成する(図8(c)参照)。
【0035】
半導体基板10に流路69及び液路75を形成するためにレジスト78及び有機膜65上に、裏面からのエッチングによる影響から保護するための保護膜80を形成する。まず、半導体基板10裏面に液路75に対応する部分に開口を有するレジスト82を形成し、半導体基板10裏面からのエッチングにより液路75を形成する(図9(a)参照)。
【0036】
レジスト82を除去し、流路69に対応する部分に開口を有するレジスト84を半導体基板10裏面に形成し、半導体基板裏面からのエッチングにより流路69を形成する(図9(b)参照)
保護膜80を除去し、例えば半導体基板表面からUV露光により全面露光を行う(図10(a)参照)。
【0037】
全面露光後、現像液によりレジスト78を除去し、半導体基板10裏面に有機膜90を接合し、マイクロポンプを得る(図10(b)参照)。
このマイクロポンプでは、有機膜65の内部に圧力室60が形成されている。したがって、圧力室60を流れる流体の圧力が、有機膜65に対して、有機膜65を熱酸化膜72及び酸化膜74から剥離する方向に作用する。しかし、前記同様に、この装置では、係止用有機膜86の熱酸化膜72及び酸化膜74への係止によって、有機膜65が熱酸化膜72及び酸化膜74から剥離するのを抑えることができる。
【0038】
その他、マイクロバルブ、フローセンサ、光配線など様々なマイクロマシンに本発明を適用することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明では、係止用有機膜と無機膜の表面に形成された有機膜とを、無機膜の貫通部を介して一体的に連結し、係止用有機膜が無機膜に係止するようにしたので、金属膜等の無機膜と有機膜との耐剥離制が向上する。
また、有機膜と無機膜とを機械的に密着させるようにしたので、有機膜の材料の選定の自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるマイクロマシン用半導体装置の断面構成図。
【図2】前記半導体装置の製造プロセスを示す図。
【図3】本発明の第2実施形態によるマイクロマシン用半導体装置の断面構成図。
【図4】前記半導体装置の製造プロセスを示す図。
【図5】他の実施形態によるマイクロマシン用半導体装置の断面構成図。
【図6】(a)第1実施形態の基本構造をマイクロポンプに適用した場合の断面図。
(b)バルブの拡大図。
【図7】(a)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(1)
(b)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(2)
(c)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(3)
(d)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(4)
【図8】(a)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(1)
(b)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(2)
(c)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(3)
【図9】(a)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(1)
(b)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(2)
【図10】(a)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(1)
(b)マイクロポンプの要部の製造工程を示す断面図(2)
【符号の説明】
1,10  半導体基板
1a,88  凹部
2,12  無機膜
2a,12a,68  貫通孔
3,65,90  有機膜
4,86  係止用有機膜
5  バッファ層
11  第1有機膜
13  第2有機膜
25  仕切板
40  入口
50  出口
60  圧力室
69  流路
70  バルブ
72  熱酸化膜
74  酸化膜
75  液路
76,77,78,82,84  レジスト
80  保護膜

Claims (7)

  1. マイクロマシンに用いられる半導体装置であって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板の表面の少なくとも一部に形成された係止用有機膜と、
    前記係止用有機膜の前記半導体基板とは逆側の面に形成され、前記係止用有機膜が通過不能な貫通部を有する無機膜と、
    前記係止用有機膜との間に前記無機膜を挟むように前記無機膜の表面に設けられ、前記貫通部を介して前記係止用有機膜と一体に形成された有機膜と、
    を備えたマイクロマシン用半導体装置。
  2. 前記半導体基板の表面には局部的に凹部が形成され、
    前記係止用有機膜は前記有機膜が前記貫通部を介して前記凹部に充填されて形成されたものである、
    請求項1に記載のマイクロマシン用半導体装置。
  3. 前記係止用有機膜は、前記半導体基板の表面全面に形成された有機膜の一部により構成されている、請求項1に記載のマイクロマシン用半導体装置。
  4. 前記有機膜には、前記有機膜と無機膜とを剥離する方向に圧力を発生する機能部が形成されている、請求項1から3のいずれかに記載のマイクロマシン用半導体装置。
  5. 前記無機膜は所定のパターニングが施された金属膜である、請求項1から4のいずれかに記載のマイクロマシン用半導体装置。
  6. マイクロマシンに用いられる半導体装置であって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板の一方の主面に形成された無機膜と、
    前記半導体基板との間に前記無機膜を挟むように前記無機膜の表面に形成された有機膜とを備え、
    前記無機膜には前記有機膜側の主面から逆側の主面に貫通する貫通部が形成されるとともに、前記半導体基板には外周部の少なくとも一部が前記貫通部より外方に延びる係止用凹部が形成され、
    前記有機膜は前記貫通部及び係止用凹部にまで充填されている、
    マイクロマシン用半導体装置。
  7. マイクロマシンに用いられる半導体装置であって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板の一方の主面に形成された第1有機膜と、
    前記第1有機膜の前記半導体基板側の主面とは逆側の主面に形成された無機膜と、
    前記第1有機膜との間に前記無機膜を挟むように前記無機膜の表面に形成された第2有機膜とを備え、
    前記無機膜には前記第2有機膜側の主面から逆側の主面に貫通する貫通部が形成され、前記第2有機膜と第1有機膜とは前記貫通部を介して互いに連結されて一体的に形成されている、
    マイクロマシン用半導体装置。
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