JP2004130377A - 金属帯の高温プレス方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い機械強度と優れたプレス成形性を両立するための高温プレス成形に使用する加熱成形用鋼板の加熱方法及びプレス方法を提供する。
【解決手段】被加熱材を金属帯の状態のまま加熱炉にて所定の温度まで加熱し、加熱炉出側に配置されたプレス機にて成形、焼き入れ及びブランキングを行うことを特徴とした金属帯の高温プレス方法。被加熱時間を2分以上とし、あるいは、炉内の雰囲気中の酸素濃度を10%以下とすることを特徴とするのが望ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】被加熱材を金属帯の状態のまま加熱炉にて所定の温度まで加熱し、加熱炉出側に配置されたプレス機にて成形、焼き入れ及びブランキングを行うことを特徴とした金属帯の高温プレス方法。被加熱時間を2分以上とし、あるいは、炉内の雰囲気中の酸素濃度を10%以下とすることを特徴とするのが望ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属帯をプレス成形する方法に関し、高い機械強度と優れたプレス成形性を両立するための高温プレス成形に使用する加熱成形用鋼板の加熱方法及びプレス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱間、例えば600℃以上において成形と同時に金型内で焼き入れを行うことにより高強度成形品を得る高温プレス成形における加熱方法としては、予め所定のサイズにブランキングした金属板を、ハースローラ雰囲気加熱炉を用いての加熱や特許文献1に開示されているように、ブランキングされた金属板の両端に電極を取り付け、該電極の間に電流を印加してジュール熱による加熱が行われてきた。
【0003】
【引用文献】
(1)特許文献1(特開2002−18531号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、予めブランキングされた金属板をハースローラ雰囲気加熱炉で加熱、搬送するには該金属板がハースロールから脱落することを防止するために、ハースロールのピッチを小さくする必要があり、このようにすると、設備コストが高額になる。また、自動車の軽量化を目的に異なる厚みの材料を予め溶接し、差厚材をプレス成形する、いわゆるテーラードブランクが自動車メーカーで採用されているが、テーラードブランク材を用いて高温プレスを行う際に、ブランキングされた金属板の両端に電極を取り付け、ジュール熱で加熱する方法においては、該ブランク板の断面積が部位により異なるため、ブランク板内での電流の流れに不均一さを生じ、加熱が不均一となるため機械的特性が成形部品内でバラツキを生じるといった問題があった。
【0005】
更に、予めブランクされた金属板を高温プレスする際において、被加熱材を金型にセットする際に微妙な位置決めが要求されるため、位置決めに時間を要し、焼き入れに必要な温度の確保が困難になるといった問題があった。
本発明は、上記を鑑み、高い機械強度と優れたプレス成形性を両立する高温プレスにおいて、安価な設備で被加熱金属を均一に加熱し、機械的特性を均一化可能な高温プレス方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明では被加熱材を金属帯の状態のままプレス機の近傍において、加熱炉にて所定の温度まで加熱し、加熱炉出側に配置されたプレス機にて成形、焼き入れ及びブランキングを行う高温プレス方法を提案する。すなわち、本発明は次の通りである。
(1)金属帯の高温プレス方法であって、被加熱材を金属帯の状態のまま加熱炉にて所定の温度まで加熱され、加熱炉出側に配置されたプレス機にて成形、焼き入れ及びブランキングを行うことを特徴とした高温プレス方法。
【0007】
(2)前記金属帯が異なる厚みの金属帯が溶接により接合された金属帯であり、被加熱時間が2分以上とすることを特徴とする前記(1)に記載の高温プレス方法。
(3)前記加熱炉内の雰囲気中の酸素濃度を10%以下とすることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の高温プレス方法である。
【0008】
本発明によれば、被加熱材を金属帯の状態で加熱炉内を通板させるため、ハースロールのピッチを長くしても被加熱材が落下する危険性がなく加熱炉の設備費を安価に抑えることができる。
また、本発明による成形方法においては金属帯の状態で加熱し、プレス機内で成形・焼き入れ及びブランキングを行うので、金型と被加熱金属帯の位置関係を特に調整することなくかつ速やかに成形・焼き入れが可能となり、生産性の向上や焼き入れ温度確保のための過剰な加熱の必要がなくなり、ランニングコストの低減が可能となる。
【0009】
さらに、本発明による加熱方法においては、ジュール熱による加熱を行わないので、テーラードブランクのような差厚材の高温プレスも可能となる。
さらに、本発明による加熱方法においては、加熱雰囲気中の酸素濃度を適正化することで加熱時間が必然的に長くなる炉加熱の問題であるスケールの生成を抑制することが出来、プレス後の脱スケール処理が簡便になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図示例とともに説明する。図1は、本発明の高温プレスの加熱、成形、ブランキング装置の一つの実施の形態を説明するための図である。本発明にかかる加熱・成形・ブランキング装置は図1に例示する通り、アンコイラ1、加熱炉2、プレス機3、金型4、温度センサ5、搬送装置6、金属帯7から構成される。図示例はプレス機内にセットされる金型が一つの場合の図であるが、金属帯の幅方向に複数の金型を設置し、同時に複数の部品の成形を行ってもよい。
【0011】
ここで、図1を参照し本発明による加熱・成形・ブランキング方法を説明する。最終製品のサイズに応じてスリットされた金属帯7がアンコイラ1より払い出される。次いで、金属帯7は、必要な加熱時間とプレスに要する時間から規定された長さの加熱炉に送られ停止させられる。金属帯7の温度は、加熱炉内に設置された温度センサ5により管理され、所定の温度に加熱、保持された後、搬送装置6により速やかにプレス機3に設置された金型4の位置に送られ停止する。プレス機3により所定の形状に加工・ブランキングされた被加工材は、図示されない製品搬送装置により金型から取り外され、次の工程へと移動する。次いで金属帯7は、搬送装置6により成形品の長さだけ順次プレス機内へ送られ、連続的に加熱・成形を行っていく。
【0012】
また、テーラードブランクのように異なる厚みの金属帯を同時に加熱するためには加熱時間が2分以上となるように、プレスに要する時間に応じて加熱炉の炉長を決めることが望ましい。また、この時、被加熱材である金属帯が例えば冷延鋼板のように容易に酸化される場合、加熱炉内に窒素等の非酸化性ガスを導入し、酸素濃度を10%以下とし、加熱により生成するスケールを抑制する事が望ましい。非酸化性ガスとしては窒素が入手しやすいが、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いても構わない。
本発明の方法においては、加熱から位置決め、さらにプレスまでが円滑に行えるので、極めて良好な品質のプレス品を得ることができる。また、製造コストも削減できる。加熱される金属帯は耐酸化性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金をめっきした鋼板とするのが望ましい。
【0013】
【実施例】
本実施例では、図1に示すプレス装置を用いて高温プレスを行った。被加熱材である金属帯は質量比で0.2%の炭素を含む冷延鋼板であり、板厚1.0mmで、板幅300mmの材料と板厚1.6mmで板幅300mmの材料を予めレーザー溶接したものを用いた。
本発明における加熱・成形は以下の手順により行った。アンコイラより払い出された金属帯を搬送装置により加熱炉内に送り込み停止する。金属帯の搬送ピッチは、プレス機のプレスピッチによって決められるが、金型内での焼き入れを確実に行うため、本実施例では30秒とした。一方加熱炉からプレス機までの距離は600mmあり、製品サイズは300mmであったため、搬送ピッチを300mmとすると加熱炉を出てプレス機にセットされるまで2ピッチを要する為、金属帯の温度が下がり十分な焼き入れ強度を確保出来ない。そこで金属帯の搬送は600mm前進し、プレス完了後300mm後退するように調整した。
【0014】
加熱炉の設定温度は750℃から950℃の範囲で設定した。加熱炉内の酸素濃度は1%から大気と同じ21%の範囲で設定した。前記加熱条件にて金属帯を加熱された金属帯をプレス機にて所定の形状に成形・ブランキングする。尚、プレスの下死点において30秒保持し焼き入れを行った。また、従来技術の例として、前記金属帯を予めブランキングし、本発明例と同じ条件で加熱し人手により加熱炉から金型への搬送、位置決めを行いプレスにて成形した(表1のNo.15〜19)。これら実験結果を表1に示す。
【0015】
表1の硬度において、ビッカース硬度で450を超えたものを◎、すなわち最良品、400以上450以下のものを○、すなわち良品、400未満のものを×、すなわ、不良品とした。尚、ビッカース硬度の測定は鋼板断面で行った。またスケールについては、スケールの厚みが10μm以下のものを良品○、5μm以下のものを最良品◎ 、10μmを超えるものを不良品×として表した。
【0016】
表1においてNo.1〜14は本発明の実施例であり、No.15〜19は比較の従来技術の例である。No.1〜5は何れも大気雰囲気中で加熱した条件であるが、同一の条件で加熱した従来技術であるNo.15〜19に比べ、より低い加熱炉温度でも良好な鋼板硬度が得られている。これは加熱後、プレス位置まで搬送され、金型での焼き入れ開始時間が従来技術に比べ短いため、焼き入れ開始に必要な鋼板の温度を満足するためである。No.5〜10は同一の加熱炉温度のもと、加熱炉内の酸素濃度を変化させた実験であるが、酸素濃度が10%以下にすることで炉内での酸化膜の生成量が抑えられ、プレス後の酸化膜厚が薄くなる。No.11〜14は加熱時間を変更した条件であるが、加熱時間の短縮により厚手材の硬度が若干低下する傾向にあり、加熱時間としては2分以上とすることが望ましい。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明では高温プレスにおける被加熱材の加熱方法として、被加熱材の形状を金属帯の状態とし、プレス機において成形・ブランキングを行うことで、加熱炉を出てプレス機での位置決めを完了するまでの時間が大幅に短縮されより低い加熱温度であっても金型による焼き入れが可能となり加熱に要する製造コストが大幅に低減できる。加熱時間を適正化することで差厚材においても均一な加熱が可能となり、製品の品質を著しく向上させることが出来る。さらに加熱炉内の酸素濃度を適正化することで加熱時に生成するスケールを抑制出来、プレス後の脱スケール処理に要する負荷が軽減され、生産性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 アンコイラ
2 加熱炉
3 プレス機
4 金型
5 温度センサ
6 搬送装置
7 金属帯
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属帯をプレス成形する方法に関し、高い機械強度と優れたプレス成形性を両立するための高温プレス成形に使用する加熱成形用鋼板の加熱方法及びプレス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱間、例えば600℃以上において成形と同時に金型内で焼き入れを行うことにより高強度成形品を得る高温プレス成形における加熱方法としては、予め所定のサイズにブランキングした金属板を、ハースローラ雰囲気加熱炉を用いての加熱や特許文献1に開示されているように、ブランキングされた金属板の両端に電極を取り付け、該電極の間に電流を印加してジュール熱による加熱が行われてきた。
【0003】
【引用文献】
(1)特許文献1(特開2002−18531号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、予めブランキングされた金属板をハースローラ雰囲気加熱炉で加熱、搬送するには該金属板がハースロールから脱落することを防止するために、ハースロールのピッチを小さくする必要があり、このようにすると、設備コストが高額になる。また、自動車の軽量化を目的に異なる厚みの材料を予め溶接し、差厚材をプレス成形する、いわゆるテーラードブランクが自動車メーカーで採用されているが、テーラードブランク材を用いて高温プレスを行う際に、ブランキングされた金属板の両端に電極を取り付け、ジュール熱で加熱する方法においては、該ブランク板の断面積が部位により異なるため、ブランク板内での電流の流れに不均一さを生じ、加熱が不均一となるため機械的特性が成形部品内でバラツキを生じるといった問題があった。
【0005】
更に、予めブランクされた金属板を高温プレスする際において、被加熱材を金型にセットする際に微妙な位置決めが要求されるため、位置決めに時間を要し、焼き入れに必要な温度の確保が困難になるといった問題があった。
本発明は、上記を鑑み、高い機械強度と優れたプレス成形性を両立する高温プレスにおいて、安価な設備で被加熱金属を均一に加熱し、機械的特性を均一化可能な高温プレス方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明では被加熱材を金属帯の状態のままプレス機の近傍において、加熱炉にて所定の温度まで加熱し、加熱炉出側に配置されたプレス機にて成形、焼き入れ及びブランキングを行う高温プレス方法を提案する。すなわち、本発明は次の通りである。
(1)金属帯の高温プレス方法であって、被加熱材を金属帯の状態のまま加熱炉にて所定の温度まで加熱され、加熱炉出側に配置されたプレス機にて成形、焼き入れ及びブランキングを行うことを特徴とした高温プレス方法。
【0007】
(2)前記金属帯が異なる厚みの金属帯が溶接により接合された金属帯であり、被加熱時間が2分以上とすることを特徴とする前記(1)に記載の高温プレス方法。
(3)前記加熱炉内の雰囲気中の酸素濃度を10%以下とすることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の高温プレス方法である。
【0008】
本発明によれば、被加熱材を金属帯の状態で加熱炉内を通板させるため、ハースロールのピッチを長くしても被加熱材が落下する危険性がなく加熱炉の設備費を安価に抑えることができる。
また、本発明による成形方法においては金属帯の状態で加熱し、プレス機内で成形・焼き入れ及びブランキングを行うので、金型と被加熱金属帯の位置関係を特に調整することなくかつ速やかに成形・焼き入れが可能となり、生産性の向上や焼き入れ温度確保のための過剰な加熱の必要がなくなり、ランニングコストの低減が可能となる。
【0009】
さらに、本発明による加熱方法においては、ジュール熱による加熱を行わないので、テーラードブランクのような差厚材の高温プレスも可能となる。
さらに、本発明による加熱方法においては、加熱雰囲気中の酸素濃度を適正化することで加熱時間が必然的に長くなる炉加熱の問題であるスケールの生成を抑制することが出来、プレス後の脱スケール処理が簡便になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図示例とともに説明する。図1は、本発明の高温プレスの加熱、成形、ブランキング装置の一つの実施の形態を説明するための図である。本発明にかかる加熱・成形・ブランキング装置は図1に例示する通り、アンコイラ1、加熱炉2、プレス機3、金型4、温度センサ5、搬送装置6、金属帯7から構成される。図示例はプレス機内にセットされる金型が一つの場合の図であるが、金属帯の幅方向に複数の金型を設置し、同時に複数の部品の成形を行ってもよい。
【0011】
ここで、図1を参照し本発明による加熱・成形・ブランキング方法を説明する。最終製品のサイズに応じてスリットされた金属帯7がアンコイラ1より払い出される。次いで、金属帯7は、必要な加熱時間とプレスに要する時間から規定された長さの加熱炉に送られ停止させられる。金属帯7の温度は、加熱炉内に設置された温度センサ5により管理され、所定の温度に加熱、保持された後、搬送装置6により速やかにプレス機3に設置された金型4の位置に送られ停止する。プレス機3により所定の形状に加工・ブランキングされた被加工材は、図示されない製品搬送装置により金型から取り外され、次の工程へと移動する。次いで金属帯7は、搬送装置6により成形品の長さだけ順次プレス機内へ送られ、連続的に加熱・成形を行っていく。
【0012】
また、テーラードブランクのように異なる厚みの金属帯を同時に加熱するためには加熱時間が2分以上となるように、プレスに要する時間に応じて加熱炉の炉長を決めることが望ましい。また、この時、被加熱材である金属帯が例えば冷延鋼板のように容易に酸化される場合、加熱炉内に窒素等の非酸化性ガスを導入し、酸素濃度を10%以下とし、加熱により生成するスケールを抑制する事が望ましい。非酸化性ガスとしては窒素が入手しやすいが、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いても構わない。
本発明の方法においては、加熱から位置決め、さらにプレスまでが円滑に行えるので、極めて良好な品質のプレス品を得ることができる。また、製造コストも削減できる。加熱される金属帯は耐酸化性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金をめっきした鋼板とするのが望ましい。
【0013】
【実施例】
本実施例では、図1に示すプレス装置を用いて高温プレスを行った。被加熱材である金属帯は質量比で0.2%の炭素を含む冷延鋼板であり、板厚1.0mmで、板幅300mmの材料と板厚1.6mmで板幅300mmの材料を予めレーザー溶接したものを用いた。
本発明における加熱・成形は以下の手順により行った。アンコイラより払い出された金属帯を搬送装置により加熱炉内に送り込み停止する。金属帯の搬送ピッチは、プレス機のプレスピッチによって決められるが、金型内での焼き入れを確実に行うため、本実施例では30秒とした。一方加熱炉からプレス機までの距離は600mmあり、製品サイズは300mmであったため、搬送ピッチを300mmとすると加熱炉を出てプレス機にセットされるまで2ピッチを要する為、金属帯の温度が下がり十分な焼き入れ強度を確保出来ない。そこで金属帯の搬送は600mm前進し、プレス完了後300mm後退するように調整した。
【0014】
加熱炉の設定温度は750℃から950℃の範囲で設定した。加熱炉内の酸素濃度は1%から大気と同じ21%の範囲で設定した。前記加熱条件にて金属帯を加熱された金属帯をプレス機にて所定の形状に成形・ブランキングする。尚、プレスの下死点において30秒保持し焼き入れを行った。また、従来技術の例として、前記金属帯を予めブランキングし、本発明例と同じ条件で加熱し人手により加熱炉から金型への搬送、位置決めを行いプレスにて成形した(表1のNo.15〜19)。これら実験結果を表1に示す。
【0015】
表1の硬度において、ビッカース硬度で450を超えたものを◎、すなわち最良品、400以上450以下のものを○、すなわち良品、400未満のものを×、すなわ、不良品とした。尚、ビッカース硬度の測定は鋼板断面で行った。またスケールについては、スケールの厚みが10μm以下のものを良品○、5μm以下のものを最良品◎ 、10μmを超えるものを不良品×として表した。
【0016】
表1においてNo.1〜14は本発明の実施例であり、No.15〜19は比較の従来技術の例である。No.1〜5は何れも大気雰囲気中で加熱した条件であるが、同一の条件で加熱した従来技術であるNo.15〜19に比べ、より低い加熱炉温度でも良好な鋼板硬度が得られている。これは加熱後、プレス位置まで搬送され、金型での焼き入れ開始時間が従来技術に比べ短いため、焼き入れ開始に必要な鋼板の温度を満足するためである。No.5〜10は同一の加熱炉温度のもと、加熱炉内の酸素濃度を変化させた実験であるが、酸素濃度が10%以下にすることで炉内での酸化膜の生成量が抑えられ、プレス後の酸化膜厚が薄くなる。No.11〜14は加熱時間を変更した条件であるが、加熱時間の短縮により厚手材の硬度が若干低下する傾向にあり、加熱時間としては2分以上とすることが望ましい。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明では高温プレスにおける被加熱材の加熱方法として、被加熱材の形状を金属帯の状態とし、プレス機において成形・ブランキングを行うことで、加熱炉を出てプレス機での位置決めを完了するまでの時間が大幅に短縮されより低い加熱温度であっても金型による焼き入れが可能となり加熱に要する製造コストが大幅に低減できる。加熱時間を適正化することで差厚材においても均一な加熱が可能となり、製品の品質を著しく向上させることが出来る。さらに加熱炉内の酸素濃度を適正化することで加熱時に生成するスケールを抑制出来、プレス後の脱スケール処理に要する負荷が軽減され、生産性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 アンコイラ
2 加熱炉
3 プレス機
4 金型
5 温度センサ
6 搬送装置
7 金属帯
Claims (3)
- 被加熱材を金属帯の状態のまま加熱炉にて所定の温度まで加熱し、加熱炉出側に配置されたプレス機にて成形、焼き入れ及びブランキングを行うことを特徴とした金属帯の高温プレス方法。
- 前記金属帯が異なる厚みの金属帯が溶接により接合された金属帯であり、被加熱時間を2分以上とすることを特徴とする請求項1に記載の高温プレス方法。
- 前記加熱炉内の雰囲気中の酸素濃度を10%以下とすることを特徴とする請求項1又は2記載の高温プレス方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002299962A JP2004130377A (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | 金属帯の高温プレス方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002299962A JP2004130377A (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | 金属帯の高温プレス方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004130377A true JP2004130377A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32288944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002299962A Pending JP2004130377A (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | 金属帯の高温プレス方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004130377A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006289425A (ja) * | 2005-04-11 | 2006-10-26 | Nippon Steel Corp | 熱間プレス成形方法およびその装置 |
JP2007522345A (ja) * | 2004-02-13 | 2007-08-09 | アウディー アーゲー | 鋼板を変形して構成部品を製造する方法およびその方法を実施する装置 |
JP2011523593A (ja) * | 2008-08-28 | 2011-08-18 | ヒュンダイ スチール カンパニー | 連続工程からなるプレス硬化方法およびその装置 |
-
2002
- 2002-10-15 JP JP2002299962A patent/JP2004130377A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007522345A (ja) * | 2004-02-13 | 2007-08-09 | アウディー アーゲー | 鋼板を変形して構成部品を製造する方法およびその方法を実施する装置 |
JP2006289425A (ja) * | 2005-04-11 | 2006-10-26 | Nippon Steel Corp | 熱間プレス成形方法およびその装置 |
JP4673656B2 (ja) * | 2005-04-11 | 2011-04-20 | 新日本製鐵株式会社 | 熱間プレス成形装置 |
JP2011523593A (ja) * | 2008-08-28 | 2011-08-18 | ヒュンダイ スチール カンパニー | 連続工程からなるプレス硬化方法およびその装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
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