JP2004129979A - 血管内皮機能検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆血装置により左腕の上腕部で駆血し、その駆血開始の5分前から駆血解除の5分後まで、心臓から右手首までの脈波伝播時間すなわち右脈波伝播時間PCTRと、心臓から左手首までの左脈波伝播時間PCTLを一拍毎にそれぞれ算出する。そして、左脈波伝播時間PCTLから右脈波伝播時間PCTRを引くことにより一拍毎に伝播時間差ΔPCTを算出する。このようにして算出する伝播時間差ΔPCTは、一拍毎の血圧や心拍数、その他の全身性因子の変動の影響が除去されているので、駆血前に対する駆血解除後の変化が明確になる。従って、伝播時間差ΔPCTに基づいて血管内皮機能を検査すれば、高い信頼性で血管内皮機能を検査できる。また、脈波伝播時間の測定は熟練を必要とせず、且つ、装置が安価であるという利点もある。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管内皮機能を検査する血管内皮機能検査装置、より詳しくは、反応性充血による血流依存性血管拡張反応に基づいて血管内皮機能を検査する血管内皮機能検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血管内皮細胞は動脈を内張りしている一層の細胞群であり、単に血管の内壁を覆い、血液成分と生体組織間を隔てているだけでなく、血管径の大きさや、血管壁の弾性および透過性、反応性などを制御する物質を産出、放出するなどの機能を有している。そして、血管内皮細胞の機能低下は、動脈硬化がまだ始まっていない動脈硬化の前段階から見られるので、この血管内皮細胞の機能低下を検出することにより、早期に動脈硬化の予防や治療を行うことができる。
【0003】
血管内皮機能の検査を行う方法としては、反応性充血による血流依存性血管拡張反応を、超音波装置を用いて非侵襲的に検査する方法が主流となっている。上記反応性充血による血流依存性血管拡張反応は、生体の所定部位で一旦駆血し、その後駆血を解除した後に血管が拡張する反応であり、駆血解除により、その下流に反応性充血が起こり、それに伴う血流の増加によって血管内皮細胞が刺激されて、血管内皮細胞から血管径を拡張させる物質(一酸化窒素やその類似化合物)が分泌され、その結果、血管径が拡張する反応である。血管内皮機能が低下していると、血管径を拡張させる物質の分泌が少ないことから、駆血を解除しても血管径はあまり拡張しない。従って、この反応による血管径の拡張の程度を見ることにより血管内皮機能を検査することができるのである。
【0004】
前述のように、血流依存性血管拡張反応は、超音波装置を用いて検査している。この方法は、たとえば、非特許文献1に記載されており、超音波プローブを用いて動脈の映像を連続的に描出し、その映像から、駆血前の血管径に対する駆血解除後の血管径の最大増加率を算出して、その最大増加率に基づいて血管内皮機能を検査する方法である。上記最大増加率は、%FMD(Flow mediated dilatation)と呼ばれ、健常者であれば約10%であり、%FMDが3〜4%になると、動脈硬化である(または近いうちに動脈硬化になる)可能性が高いと考えられている。
【0005】
【非特許文献1】
小澤利男、増田善昭編、「脈波速度」、第1版、株式会社メジカルビュー社、2002年5月1日、p.104−p.106
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、血流依存性血管拡張反応を超音波装置を用いて検査して%FMDを算出する方法は、以下のような問題点がある。まず、最大の問題点は、上記方法は検査者間、検査施設間でのばらつきが大きく、2〜3%もの変動がある。前述のように約10%が正常であり、3〜4%が異常であると考えられているので、2〜3%もの変動は大きな問題である。この変動の原因は、超音波プローブを血管に対して垂直に当てなければならないなど、正確な信号を検出するのに技術が必要なこと、拍動する血管の連続的な映像から駆血解除後の最も血管の拡張した時点を見極め、さらに、最も血管が拡張した時点における心臓の拡張期末期の血管径を決定しなければならないので、血管径を決定する時点にばらつきが生じてしまうことなどの理由による。そのため、測定方法の手技の習得に数ヶ月もの期間を要し、実際に、ある程度の期間(たとえば半年程度)且つある程度の測定者数を経験した検査者のデータでなければ、その%FMDは信頼できないと言われている。また、血管の径は5mm程度であり、その血管の10%以下の拡張すなわち0.5mm以下の拡張を検出する必要があるので、高性能超音波装置が必要となることから、装置が非常に高価であるという問題もある。
【0007】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、高い信頼性で血管内皮機能を検査でき、且つ、検査に熟練を必要とせず、且つ、安価な血管内皮機能検査装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】
上記目的を達成するための第1発明は、(a)生体の所定部位の動脈を、予め設定された所定時間以上駆血する駆血装置と、(b)その駆血装置による駆血部位よりも下流側の部位を含む第1区間の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播情報である第1脈波伝播情報、および正中面に対して前記第1区間と略対称な第2区間の動脈の前記脈波伝播情報である第2脈波伝播情報を逐次測定する脈波伝播情報測定装置と、(c)前記駆血装置により駆血される前および前記駆血装置による駆血解除後において、前記第1脈波伝播情報と前記第2脈波伝播情報との伝播情報差をそれぞれ算出する伝播情報差算出手段とを含むことを特徴とする血管内皮機能検査装置である。
【0009】
【第1発明の効果】
この発明によれば、駆血装置による駆血解除後に、脈波伝播情報測定装置により測定される第1脈波伝播情報は、駆血解除後の血流依存性血管拡張反応による血管径の拡張と血管壁の弾性率の低下の影響を受けて、駆血前に測定される第1脈波伝播情報に対して変化する。この第1脈波伝播情報は、一拍毎に変動する血圧や心拍数、その他の全身性因子の影響により一拍毎に変動しているため、駆血解除による変化は明確ではない。しかし、第2脈波伝播情報は、正中面に対して第1区間と略対称な第2区間の脈波伝播情報であることから、血圧や心拍数、その他の全身性因子の影響による一拍毎の変動が第1脈波伝播情報と略同一であり、伝播情報差算出手段により算出される伝播情報差は、その第1脈波伝播情報と第2脈波伝播情報との差であるので、伝播情報差は、一拍毎の血圧や心拍数、その他の全身性因子の変動の影響が除去されて、駆血前に対する駆血解除後の変化が明確になる。従って、この伝播情報差に基づいて血管内皮機能を検査すれば、高い信頼性で血管内皮機能を検査できる。また、脈波伝播情報の測定は熟練を必要とせず、且つ、装置が安価であるという利点もある。
【0010】
【第1発明の他の態様】
ここで、好ましくは、上記血管内皮機能検査装置は、前記伝播情報差算出手段により算出される駆血解除後の伝播情報差におけるピークと駆血前の伝播情報差との差である前後差の絶対値が、予め設定された判断基準値以下であることに基づいて、血管内皮機能の低下を判定する血管内皮機能低下判定手段をさらに含む。このようにすれば血管内皮機能が自動的に判断される。
【0011】
また、好ましくは、前記血管内皮機能検査装置は、前記伝播情報差算出手段により算出された伝播情報差の経時変化をグラフ表示する出力装置をさらに含む。血管径が最も拡張した時点は伝播情報差の経時変化を表すグラフにおいてピークを形成することから、このように、出力装置に伝播情報差の経時変化がグラフ表示されると、容易に血管径が最も拡張した時点を決定することができる。
【0012】
【課題を解決するための第2の手段】
また、前記第1発明では、第1脈波伝播情報と第2脈波伝播情報との伝播情報差を算出していたが、その伝播情報差に代えて比を算出しても前述の目的を達成することができる。
【0013】
すなわち、前記目的を達成するための第2発明は、(a)生体の所定部位の動脈を、予め設定された所定時間以上駆血する駆血装置と、(b)その駆血装置による駆血部位よりも下流側の部位を含む第1区間の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播情報である第1脈波伝播情報、および正中面に対して前記第1区間と略対称な第2区間の動脈の前記脈波伝播情報である第2脈波伝播情報を逐次測定する脈波伝播情報測定装置と、(c)前記駆血装置により駆血される前および前記駆血装置による駆血解除後において、前記第1脈波伝播情報と前記第2脈波伝播情報との伝播情報比をそれぞれ算出する伝播情報比算出手段とを含むことを特徴とする血管内皮機能検査装置である。
【0014】
【第2発明の効果】
この発明によれば、伝播情報比算出手段により算出される伝播情報比は、互いに正中面に対して略対照な区間の第1脈波伝播情報と第2脈波伝播情報との比であるので、伝播情報比は、一拍毎の血圧や心拍数、その他の全身性因子の変動の影響が除去されて、駆血前に対する駆血解除後の変化が明確になる。従って、この伝播情報比に基づいて血管内皮機能を検査すれば、高い信頼性で血管内皮機能を検査できる。また、前述のように、脈波伝播情報の測定は熟練を必要とせず、且つ、装置が安価であるという利点もある。
【0015】
【第2発明の他の態様】
また、第2発明の血管内皮機能検査装置も、好ましくは、第1発明と同様の血管内皮機能低下判定手段や出力装置を備える。
【0016】
すなわち、第2発明の血管内皮機能検査装置は、好ましくは、前記伝播情報比算出手段により算出される駆血解除後の伝播情報比におけるピークと駆血前の伝播情報比との差である前後差の絶対値が、予め設定された判断基準値以下であることに基づいて、血管内皮機能の低下を判定する血管内皮機能低下判定手段をさらに含む。このようにすれば血管内皮機能が自動的に判断される。
【0017】
また、好ましくは、第2発明の血管内皮機能検査装置は、前記伝播情報比算出手段により算出された伝播情報比の経時変化をグラフ表示する出力装置をさらに含む。このように、出力装置に伝播情報比の経時変化がグラフ表示されると、容易に血管径が最も拡張した時点を決定することができる。
【0018】
【第1発明および第2発明の他の態様】
また、好ましくは、前記第1区間および前記第2区間は上流端がともに心臓であり、前記脈波伝播情報測定装置は、前記生体の心臓から発生する心拍同期信号を検出する心拍同期信号検出装置を備え、その心拍同期信号検出装置により検出される心拍同期信号を用いて前記第1脈波伝播情報および前記第2脈波伝播情報をそれぞれ測定するものである。このように一つの心拍同期信号検出装置により検出される心拍同期信号に基づいて第1脈波伝播情報および第2脈波伝播情報を測定すれば、脈波伝播情報を測定するために生体に装着する装置の数を少なくすることができる。
【0019】
また、好ましくは、前記心拍同期信号検出装置は、心筋の活動電位を測定する心電計であり、前記第1脈波伝播情報および前記第2脈波伝播情報は、ともに脈波伝播時間である。このようにすれば、脈波伝播情報測定装置では、心電図に基づいて第1脈波伝播時間と第2脈波伝播時間とが測定され、伝播情報差算出手段により、第1脈波伝播時間と第2脈波伝播時間との伝播時間差が算出される。心電図には鋭い信号が存在することから脈波伝播時間の算出に用いる基準点を正確に決定できる反面、その脈波伝播時間には、左心室の心筋が収縮を開始してから血液が駆出されるまでの前駆出時間が含まれてしまうが、第1脈波伝播時間および第2脈波伝播時間にはともに共通の前駆出時間が含まれるので、伝播情報差算出手段により算出される伝播時間差は、前駆出時間が相殺されて、前駆出時間に影響されない。従って、高い精度で血管内皮機能を検査することができる。
【0020】
また、好ましくは、前記駆血装置は、前記生体の上腕部で駆血するものであり、前記第1区間は、心臓から前記駆血装置により駆血される側の手首までの区間である。このようにすれば、駆血部位よりも下流側の比較的長い区間が第1区間に含まれる。すなわち、駆血解除により血管が拡張する比較的長い区間が第1区間に含まれるので、第1脈波伝播情報は、駆血解除後の変化量が比較的大きくなる。従って、伝播情報差算出手段により算出される伝播情報差も、駆血前に対する駆血解除後の変化が大きくなるので、血管内皮機能の検査の信頼性がより高くなる。
【0021】
なお、血管内皮機能の検査は、上記血管内皮機能検査装置を用いるかどうかに拘わらず、以下の方法で検査することができる。すなわち、血管内皮機能の検査は、生体の所定部位を所定時間以上駆血し、その駆血前および駆血解除後に、その駆血部位の下流部位を含む第1区間およびその第1区間とは正中面に対して略対称な第2区間において、脈波が伝播する速度に関連する第1脈脈波伝播情報および第2脈波伝播情報をそれぞれ算出し、その第1脈波伝播情報と第2脈波伝播情報との差である伝播情報差に基づいて検査することができる。
【0022】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明が適用された血管内皮機能検査装置10の構成を説明するブロック図であり、図2は、図1の血管内皮機能検査装置10に備えられたカフ14および圧脈波検出プローブ18が患者に装着された状態を示す図である。
【0023】
図2に示すように、カフ14は患者12の一方の上腕(ここでは左腕の上腕)に装着され、2つの圧脈波検出プローブ18は患者12の左右の手首にそれぞれ装着されている。
【0024】
図1に示すように、カフ14には、配管20を介して調圧弁22および圧力センサ24が接続され、調圧弁22は、さらに配管26により空気ポンプ28に接続されている。調圧弁22は、空気ポンプ28により発生させられた圧力の高い空気を調圧してカフ14内へ供給し、あるいは、カフ14内の空気を排気することにより、カフ14内の圧力を調圧する。
【0025】
圧力センサ24は、カフ14内の圧力を検出してその圧力を表す圧力信号SPを静圧弁別回路30に供給する。静圧弁別回路30はローパスフィルタを備えており、圧力信号SPに含まれる定常的な圧力すなわちカフ12の圧迫圧力(以下、この圧力をカフ圧PCという)を表すカフ圧信号SCを弁別してそのカフ圧信号SCを図示しないA/D変換器を介して電子制御装置32へ供給する。
【0026】
複数の電極16は、心電図を測定するために患者12の所定部位に装着される。心電図の導出方法に特に制限はなく、双極肢誘導、胸部誘導など、どのような誘導法であってもよい。上記複数の電極16は心電計34に接続されており、心電計34は電極16から導出される心電信号SEを増幅して、図示しないA/D変換器を介し電子制御装置32へ供給する。上記心電信号SEは心筋の活動電位すなわち心電図を表している。
【0027】
2つの圧脈波検出プローブ36は同一の構成を有しており、図3に詳しく示すように、容器状を成すセンサハウジング38と、そのセンサハウジング38を収容するケース40と、センサハウジング38に螺合され且つ回転駆動させられることによりセンサハウジング38を橈骨動脈42の幅方向に移動させるねじ軸44と、ケース40内に収容され、そのねじ軸44を回転駆動させるための図示しないモータを有する駆動部46とを備えている。また、上記ケース40には装着バンド48が取り付けられている。
【0028】
このように構成された圧脈波検出プローブ36は、センサハウジング38の開口端が体表面50に対向する状態で装着バンド48により手首52に着脱可能に取り付けられる。
【0029】
上記センサハウジング38の内部には、圧脈波センサ54が、ダイヤフラム56を介してセンサハウジング38に対して相対移動可能且つセンサハウジング38の開口端から突出し可能に設けられており、これらセンサハウジング38およびダイヤフラム56等によって圧力室57が形成されている。この圧力室57内には、図1に示すように、空気ポンプ58から調圧弁60を経て圧力の高い空気が供給されるようになっており、これにより、圧脈波センサ54は圧力室57内の圧力に応じた押圧力HDP(Hold Down Pressure)で体表面50に押圧させられる。
【0030】
上記センサハウジング38およびダイヤフラム56は、圧脈波センサ54を橈骨動脈42に向かって押圧する押圧装置62を構成しており、ねじ軸44および駆動部46の図示しないモータは、圧脈波センサ54が体表面50に向かって押圧させられる押圧位置を、橈骨動脈42の幅方向に移動させる幅方向移動装置64を構成している。
【0031】
上記圧脈波センサ54の押圧面66には、図4に示すように、多数の半導体感圧素子(以下、単に感圧素子という)Eが、橈骨動脈42の幅方向すなわちねじ軸44と平行な圧脈波センサ54の移動方向において、橈骨動脈42の直径よりも長くなるように、且つ一定の間隔(たとえば0.2mm間隔)で配列されている。
【0032】
このように構成された圧脈波検出プローブ36が、手首52の体表面50上から橈骨動脈42に向けて押圧されると、圧脈波センサ54により、橈骨動脈42から発生して体表面50に伝達される橈骨動脈波RWが検出され、図1に示すように、橈骨動脈波RWを表す圧脈波信号SMが図示しないA/D変換器を介して電子制御装置32へ供給される。なお、以下の説明では、左手首に装着された圧脈波センサ54から出力される圧脈波信号SMを左圧脈波信号SML、その左圧脈波信号SMLが表す橈骨動脈波RWを左橈骨動脈波RWL、右手首に装着された圧脈波センサ54から出力される圧脈波信号SMを右圧脈波信号SMR、その右圧脈波信号SMRが表す橈骨動脈波RWを右橈骨動脈波RWRという。
【0033】
電子制御装置34は、CPU68,ROM70,RAM72,および図示しないI/Oポート等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されており、CPU68は、ROM70に予め記憶されたプログラムに従ってRAM72の記憶機能を利用しつつ信号処理を実行することにより、I/Oポートから駆動信号を出力して図示しない駆動回路を介して調圧弁22および空気ポンプ28を制御して、カフ圧PCを制御し、また、空気ポンプ58および調圧弁60へ図示しない駆動回路を介して駆動信号を出力して圧力室57内の圧力の調節も行う。また、CPU68は、電子制御装置34に供給される信号に基づいて演算処理を実行することにより脈波伝播時間PCT(Pulse conduction time)、伝播時間差ΔPCTを算出し、その算出した脈波伝播時間PCTおよび伝播時間差ΔPCTを出力装置として機能するディスプレイ74に表示する。
【0034】
図5は、図1の血管内皮機能検査装置10におけるCPU68の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。駆血制御手段として機能するカフ圧制御手段60は、静圧弁別回路30から供給されるカフ圧信号SCに基づいてカフ圧PCを判断しつつ、調圧弁22および空気ポンプ28を制御することにより、カフ圧PCを、カフ14装着部位における最高血圧値BPSYSよりも高い値に予め設定された駆血圧力値P1(たとえば250mmHg)まで急速に昇圧し、次いで、そのカフ圧PCを予め実験に基づいて決定した所定時間(たとえば5分間)維持し、その後、そのカフ圧PCを大気圧まで排圧する。なお、本実施例では、カフ14、およびカフ圧PCを制御するための調圧弁22、空気ポンプ28、圧力センサ24、カフ圧制御手段80により駆血装置82が構成される。
【0035】
最適押圧位置制御手段84は、圧脈波センサ54に備えられた複数の感圧素子Eのうち最大圧力を検出する素子(以下、この素子を最大圧力検出素子EMという)の配列位置が、配列の端を基準として、それから所定数または所定距離内側までに位置するものであることを条件とする押圧位置更新条件が成立するか否かを判断する。そして、その押圧位置更新条件が成立した場合には、以下の押圧位置更新作動を実行する。すなわち、押圧位置更新作動は、圧脈波センサ54を体表面50から一旦離隔させるとともに、幅方向移動装置64により押圧装置62および圧脈波センサ54を所定距離移動させた後、押圧装置62により圧脈波センサ54を比較的小さい予め設定された第1押圧力HDP1で押圧させ、その状態で再び上記押圧位置更新条件が成立するか否かを判断し、押圧位置更新条件が成立しなくなるまで、より好ましくは、前記最大圧力検出素子EMが配列位置の略中央に位置するまで上記の作動および判断を実行する。なお、上記押圧位置更新条件における配列の端からの所定数または所定距離は、圧脈波センサ54により押圧される動脈(本実施例では橈骨動脈42)の直径に基づいて決定され、たとえば、その直径の1/4に設定される。
【0036】
押圧力制御手段86は、圧脈波センサ54が最適押圧位置制御手段84により最適押圧位置に位置させられた後、押圧装置62による圧脈波センサ54の押圧力HDPを、所定の押圧力範囲内で拍動に対応して逐次変化させ、あるいは所定の押圧力範囲内を比較的緩やかな一定速度で連続的に変化させる。そして、その押圧力HDPの変化過程で得られる橈骨動脈波RWに基づいて最適押圧力HDPOを決定し、押圧装置62による圧脈波センサ54の押圧力HDPをその最適押圧力HDPOに維持する。ここで、最適押圧力HDPOとは、圧脈波センサ54の押圧力HDPよって、橈骨動脈42の血管壁の圧脈波センサ54により押圧されている側が略平坦となる押圧力であり、たとえば図6に示すように、押圧力HDPを最適押圧力HDPOを十分に含むような範囲で連続的に増加させる過程で、圧脈波センサ54の最大圧力検出素子EMから得られた橈骨動脈波RWの大きさと圧脈波センサ54の押圧力HDPとを示す二次元グラフにおいて、橈骨動脈波RWの下ピーク値(立ち上がり点)RWminを結ぶ曲線(図6の破線)により形成される平坦部の中央を中心とする所定範囲内の押圧値である。
【0037】
脈波伝播情報算出手段として機能する脈波伝播時間算出手段88は、心電計34から逐次供給される心電信号SE、2つの圧脈波センサ54の最大圧力検出素子EMからそれぞれ逐次供給される右圧脈波信号SMRおよび左圧脈波信号SMLに基づいて、心臓から右手首までを脈波が伝播する時間である右脈波伝播時間PCTR、および心臓から左手首までを脈波が伝播する時間である左脈波伝播時間PCTLをそれぞれ算出する。すなわち、心電信号SEが表す心電図の所定部位(本実施例ではR波とする)が検出された時間から、右圧脈波信号SMRが表す右橈骨動脈波RWRの所定部位(本実施例では立ち上がり点とする)が検出されるまでの時間差を、右脈波伝播時間PCTRとして算出し、心電信号SEが表す心電図の所定部位(R波)が検出された時間から、左圧脈波信号SMLが表す左橈骨動脈波RWLの所定部位(立ち上がり点)が検出されるまでの時間差を、左脈波伝播時間PCTLとして算出する。なお、このように心電図に基づいて算出した脈波伝播時間PCTは、厳密に言えば、心臓から右(左)手首までを脈波が伝播する時間に、心筋が収縮を開始してから血液が駆血されるまでの前駆出時間を加えた時間である。
【0038】
脈波伝播時間算出手段88は、カフ圧制御手段80によりカフ圧PCが制御されて、カフ14によって左上腕で駆血される所定時間前(本実施例では5分前)から、その駆血が解除されてから所定時間(本実施例では5分)が経過するまで、この右脈波伝播時間PCTRおよび左脈波伝播時間PCTLをそれぞれ一拍毎に算出する。ただし、左上腕で駆血されている間は左橈骨動脈波RWLが生じないため、その間の左脈波伝播時間PCTLは算出されない。そして、算出した右脈波伝播時間PCTRおよび左脈波伝播時間PCTLの経時変化を、ディスプレイ56にグラフ表示する。なお、上記左脈波伝播時間PCTLは、カフ14によって駆血される部位の下流側の部位を含んでいることから第1脈波伝播情報であり、心臓から左手首までが第1区間に相当する。そして、心臓から右手首までが第2区間であり、右脈波伝播時間PCTRが第2脈波伝播情報に相当する。また、本実施例では、心電計34、2つの圧脈波センサ54、最適押圧位置制御手段84、押圧力制御手段86、および脈波伝播時間算出手段88が、脈波伝播情報測定装置90として機能する。
【0039】
第1区間と第2区間とを比較すると、第1区間は心臓から左手首までであり、第2区間は心臓から右手首までであることから、2つの区間は患者12の正中面に対して互いに略対称である。なお、心臓は正中面よりもやや左側に位置していることから、2つの区間は、正中面に対して完全に対称ではない。
【0040】
伝播情報差算出手段として機能する伝播時間差算出手段92は、脈波伝播時間算出手段88により一拍毎にそれぞれ算出された左脈波伝播時間PCTLから右脈波伝播時間PCTRを差し引くことにより、互いに同じ拍動に基づく2つの伝播時間PCTの差である伝播時間差ΔPCTを一拍毎に算出し、その一拍毎に算出した伝播時間差ΔPCTの経時変化をディスプレイ74にグラフ表示する。
【0041】
図7乃至図10は、脈波伝播時間算出手段88により算出される右脈波伝播時間PCTR、左脈波伝播時間PCTL、および伝播時間差算出手段92により算出される伝播時間差ΔPCTを並べて示す図であり、図7乃至図10はそれぞれ異なる患者についての測定値であり、駆血期間はグラフの5分〜10分までの5分間である。図7乃至図10に示されるように、左脈波伝播時間PCTLは、変動の程度に個人差があるものの、血圧や心拍数、その他の全身性因子の一拍毎の変動の影響により一拍毎に変動している。そのため、駆血解除による左脈波伝播時間PCTLの変化は明確ではないが、左脈波伝播時間PCTLの測定区間である第1区間と正中面に対して略対称な第2区間の右脈波伝播時間PCTRは、一拍毎の変動が左脈波伝播時間PCTLと略同様である。そのため、伝播速度差ΔPCTは、血圧や心拍数、その他の全身性因子の影響による一拍毎の変動が除去されている。
【0042】
この伝播速度差ΔPCTに基づく血管内皮機能の検査について説明する前に、まず、駆血解除による脈波伝播時間PCTの変化について、式1に示すMoens−Kortewegの式に基づいて説明する。
(式1)PWV = (Eh/2ρR)1/2
式1において、Eはヤング率、hは血管壁の厚さ、ρは血液の密度、Rは血管半径である。
この式は、脈波伝播速度PWVについての良く知られた式であり、脈波伝播速度PWVと脈波伝播時間PCTとの関係から、式2を導くことができる。
(式2)PCT=D/PWV= D(2ρR)1/2 /(Eh)1/2
式2においてDは伝播距離である。
式2から、血管半径Rの増大および弾性率Eの減少によって、脈波伝播時間PCTは大きくなることが分かる。
【0043】
血管内皮機能が正常であれば、駆血解除後の血流依存性反応により血管が拡張し、弾性率が低下するので、脈波伝播時間PCTは増加する(遅くなる)。しかし、血管内皮機能が低下していると、駆血を解除しても血管はそれほど拡張しないので、脈波伝播時間PCTはそれほど増加しない。従って、左脈波伝播時間PCTLの駆血解除による増加の程度を見ることにより血管内皮機能の評価ができるのであるが、図7乃至図10に示すように左脈波伝播時間PCTLは一拍毎の変動が大きく、駆血解除による増加の程度を判断するのが困難である。しかし、伝播時間差ΔPCTは一拍毎の変動が除去されているので、駆血解除による脈波伝播時間の増加が明確になっている。
【0044】
駆血解除による伝播時間差ΔPCTの変化の程度の評価方法には種々考えられるが、たとえば、駆血前の伝播時間差ΔPCTに対する駆血解除後の伝播時間差ΔPCTのピークの増加量や、駆血前の伝播時間差ΔPCTに対する駆血解除後の伝播時間差ΔPCTのピークの増加率などに基づいて評価することができ、その増加量や増加率が大きい場合には、血管内皮機能は正常であると判断できる。なお、図7乃至図10では、図7乃至図9の患者は血管内皮機能が正常であり、図10の患者は血管内皮機能が異常であると判断できる。
【0045】
図5に戻って、血管内皮機能低下判定手段94は、伝播時間差算出手段92により算出された駆血解除後の伝播時間差ΔPCTからピーク値を決定し、そのピーク値から駆血開始前の伝播時間差ΔPCTを引くことにより伝播時間差ΔPCTの駆血前と後との前後差を算出し、あるいは、そのピーク値を駆血開始前の伝播時間差ΔPCTで割ることにより伝播時間差ΔPCTの駆血前と後との前後比を算出する(なお、この前後差、前後比は必ず正の値となる)。そして、その前後差あるいは前後比が予め実験に基づいて設定された判断基準値以下である場合には、血管内皮機能が低下していると判定して、その旨を示す文字または記号をディスプレイ74に表示する。なお、駆血開始前の伝播時間差ΔPCTには、所定時点の一点(たとえば駆血開始直前など)の値を用いてもよいが、変動を除去するために、本実施例では駆血開始前の所定時間(たとえば3分間)の平均値を用いる。
【0046】
図11および図12は、図5の機能ブロック図に示したCPU68の制御作動の要部を示すフローチャートであって、図11は信号採取ルーチンを示し、図12は信号演算ルーチンを示す。
【0047】
図11において、まず、ステップSA1(以下、ステップを省略する。)では、圧脈波センサ54の押圧面66に配列された感圧素子Eのうち最大圧力検出素子EMの配列位置が、配列の端から所定数または所定距離内側までに位置するものであるかを条件とする押圧位置更新条件(APS起動条件)が成立したか否かを判断する。この判断が否定された場合には、後述するSA3以降を実行する。
【0048】
一方、SA1の判断が肯定された場合、すなわち、圧脈波センサ54の橈骨動脈42に対する装着位置が不適切である場合には、最適押圧位置制御手段84に相当するSA2のAPS制御ルーチンを実行する。このAPS制御ル−チンでは、幅方向移動装置64を制御することにより、圧脈波センサ54の各圧力検出素子Eのうち最大振幅を検出する圧力検出素子Eが、圧力検出素子Eの配列の略中心位置になるように最適押圧位置を決定するとともに、その圧力検出素子Eを最大圧力検出素子EMに設定する。以下の説明における圧脈波信号SMは、このSA2で決定した最大圧力検出素子EMにより検出された圧脈波信号SMを意味する。
【0049】
前記SA1の判断が否定された場合または上記SA2を実行した場合には、続いて、押圧力制御手段86に相当するSA3のHDP制御ルーチンを実行する。すなわち、調圧弁60を制御することにより圧脈波センサ54の押圧力HDPを連続的に高め、その過程で前記最大圧力検出素子EMによって検出される橈骨動脈波RWの振幅が最大となる押圧力を最適押圧力HDPOに決定し、且つ、圧脈波センサ54の押圧力HDPをその最適押圧力HDPOに保持する。
【0050】
続くSA4では、所定のサンプリング周期毎に、心電信号SE、右圧脈波信号SMR、左圧脈波信号SMLを読み込む。そして、続くSA5では、SA4で信号の読み込みを開始してから5分が経過したか否かを判断する。このSA5の判断が否定された場合には、SA4を繰り返し実行することにより心電信号SE、右圧脈波信号SMR、左圧脈波信号SMLの読み込みを継続する。
【0051】
一方、SA5の判断が肯定された場合には、続くSA6において、カフ圧信号SCに基づいてカフ圧PCを判断しつつ、空気ポンプ28および調圧弁22を制御することにより、カフ圧PCを前記駆血圧力値P1に制御して左上腕の駆血を開始する。
【0052】
続くSA7では、所定のサンプリング周期毎に、心電信号SE、右圧脈波信号SMRを読み込む。そして、続くSA8では、駆血を開始してからの経過時間が5分を経過したか否かを判断する。この判断が否定された場合には、前記SA7を繰り返すことにより心電信号SE、右圧脈波信号SMRの読み込みを継続し、SA8の判断が肯定された場合には、空気ポンプ28を停止させ、且つ調圧弁22を制御することにより、カフ圧PCを大気圧まで排圧して、駆血を解除する。
【0053】
そして、続くSA10では、前記SA4と同様に、所定のサンプリング周期毎に、心電信号SE、右圧脈波信号SMR、左圧脈波信号SMLを読み込み、続くSA11では、駆血解除後にSA10において信号の読み込みを開始してから、5分が経過したか否を判断する。この判断が否定された場合には、前記SA10を繰り返し実行することにより心電信号SE、右圧脈波信号SMR、左圧脈波信号SMLの読み込みを継続し、肯定された場合には、信号採取ルーチンを終了して、図12の信号演算ルーチンを実行する。
【0054】
図12に示す信号演算ルーチンでは、まず、SB1において、SA4、SA7、SA10で読み込んだ心電信号SEが表す心電図において、R波の検出時間を一拍毎に決定し、続くSB2において、SA4、SA7、SA10で読み込んだ左脈波信号SMLが表す左橈骨動脈波RWLの立ち上がり点を一拍毎に決定し、続くSB3において、SA4、SA7、SA10で読み込んだ右脈波信号SMRが表す右橈骨動脈波RWRの立ち上がり点を一拍毎に決定する。
【0055】
そして、続くSB4では、SB1で決定した心電図の各R波の検出時間と、SB2で決定した各左橈骨動脈波RWLの立ち上がり点の検出時間との時間差を、左脈波伝播時間PCTLとして一拍毎に算出し、続くSB5では、SB1で決定した心電図の各R波の検出時間と、SB3で決定した各右橈骨動脈波RWRの立ち上がり点の検出時間との時間差を、右脈波伝播時間PCTRとして一拍毎に算出する。
【0056】
そして、伝播時間算出手段92に相当する続くSB6において、SB4で算出した左脈波伝播時間PCTLからSB5で算出した右脈波伝播時間PCTRを引くことにより、駆血前5分間および駆血解除後5分間の伝播時間差ΔPCTを一拍毎に算出する。
【0057】
続くSB7では、上記SB4乃至SB6で算出した左脈波伝播時間PCTL、右脈波伝播時間PCTR、伝播時間差ΔPCTの経時変化を、図7乃至図10に例示したようにグラフ表示する。
【0058】
続いて、血管内皮機能低下判定手段94に相当するSB8乃至SB12を実行する。まず、SB8では、SB6で算出した駆血前5分間の伝播時間差ΔPCTのうち駆血開始前3分間の伝播時間差ΔPCTの平均値を算出し、続くSB9では、SB6で算出した駆血解除後の伝播時間差ΔPCTにおけるピークを決定する。そして、続くSB10では、SB9で決定した駆血解除後の伝播時間差ΔPCTのピークから、SB8で算出した駆血前3分間の伝播時間差ΔPCTの平均値を引くことにより、伝播時間差ΔPCTの前後差を算出する。
【0059】
そして、続くSB11では、上記SB10で算出した伝播時間差ΔPCTの前後差が予め設定された判断基準値以下である場合には、血管内皮機能が低下していると判定し、その前後差が上記判断基準値より大きい場合には、血管内皮機能は正常であると判定し、SB12において、その判定結果を表すメッセージをディスプレイ74に表示する。
【0060】
上述の実施例によれば、駆血装置82による駆血解除後に、脈波伝播情報測定装置90により測定される左脈波伝播時間PCTLは、駆血解除による血流増加や血管径の拡張の影響を受けて、駆血前に測定される左脈波伝播時間PCTLに対して増加する。この左脈波伝播時間PCTLは、一拍毎に変動する血圧や心拍数、その他の全身性因子の影響により一拍毎に変動しているため、駆血解除による変化は明確ではない。しかし、右脈波伝播時間PCTRは、正中面に対して第1区間と略対称な第2区間の脈波伝播時間PCTであることから、血圧や心拍数、その他の全身性因子の影響による一拍毎の変動が左脈波伝播時間PCTLと略同一であり、伝播時間差算出手段92(SB6)により算出される伝播時間差ΔPCTは、その左脈波伝播時間PCTLと右脈波伝播時間PCTRとの差であるので、伝播時間差ΔPCTは、一拍毎の血圧や心拍数、その他の全身性因子の変動の影響が除去されて、駆血前に対する駆血解除後の変化が明確になる。従って、この伝播時間差ΔPCTに基づいて血管内皮機能を検査すれば、高い信頼性で血管内皮機能を検査できる。また、脈波伝播時間PCTの測定は熟練を必要とせず、且つ、装置が安価であるという利点もある。
【0061】
また、上述の実施例によれば、血管内皮機能低下判定手段94(SB8乃至SB12)により、伝播時間差算出手段92(SB6)によって算出される駆血解除後の伝播時間差ΔPCTにおけるピークと駆血前の伝播時間差ΔPCTとの差である前後差が、予め設定された判断基準値以下であることに基づいて、自動的に血管内皮機能の低下が判定される。
【0062】
また、上述の実施例によれば、伝播時間差算出手段92(SB6)により算出された伝播時間差ΔPCTの経時変化をグラフ表示するディスプレイ74を備えているので、表示された伝播時間差ΔPCTの経時変化のグラフから、容易に血管径が最も拡張し弾性率が低下した時点を決定することができる。
【0063】
また、上述の実施例によれば、前記第1区間および前記第2区間は上流端がともに心臓であり、脈波伝播情報測定装置90は、心電図を測定する心電計34を備え、その心電計34により検出される心電信号SEを用いて左脈波伝播時間PCTLおよび右脈波伝播時間PCTRをそれぞれ測定するので、脈波伝播時間PCTを測定するために生体に装着する装置の数が少なくなる。
【0064】
また、上述の実施例では、心電図に基づいて左脈波伝播時間PCTLと右脈波伝播時間PCTRとが測定され、伝播時間差算出手段92(SB6)により、左脈波伝播時間PCTLと右脈波伝播時間PCTRとの伝播時間差ΔPCTが算出されるので、左脈波伝播時間PCTLおよび右脈波伝播時間PCTRに含まれる前駆出時間は相殺されて、伝播時間差ΔPCTは前駆出時間に影響されない。従って、高い精度で血管内皮機能を検査することができる。
【0065】
また、上述の実施例では、駆血装置82は上腕部で駆血するものであり、第1区間は、心臓から駆血装置82により駆血される側の手首52までの区間であることから、駆血部位よりも下流側の比較的長い区間が第1区間に含まれる。すなわち、駆血解除により血管が拡張する比較的長い区間が第1区間に含まれるので、左脈波伝播時間PCTLは、駆血解除後の変化量が比較的大きくなる。従って、伝播時間差算出手段92(SB6)により算出される伝播時間差ΔPCTも、駆血前に対する駆血解除後の変化が大きくなるので、血管内皮機能の検査の信頼性がより高くなる。
【0066】
次に、本発明の第2の実施例を説明する。なお、第2実施例の説明において第1実施例と同一の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
第2実施例は、第1実施例の伝播時間差ΔPCTに代えて伝播時間比R(PCT)を算出することが第1実施例と異なるのみである。以下、その相違点について説明する。
【0068】
図13は、第2実施例の血管内皮機能検査装置におけるCPU68の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。伝播情報比算出手段として機能する伝播時間比算出手段96は、脈波伝播時間算出手段88により一拍毎にそれぞれ算出された左脈波伝播時間PCTLを右脈波伝播時間PCTRで割ることにより、互いに同じ拍動に基づく伝播時間PCTの比である伝播時間比R(PCT)を一拍毎に算出し、その一拍毎に算出した伝播時間比R(PCT)の経時変化をディスプレイ74にグラフ表示する。
【0069】
図14は、図7乃至図10に示す左脈波伝播時間PCTLおよび右脈波伝播時間PCTRから算出される伝播時間比R(PCT)の経時変化を示す図であり、(a)が図7、(b)が図8、(c)が図9、(d)が図10の左脈波伝播時間PCTLおよび右脈波伝播時間PCTRからそれぞれ算出される伝播時間比R(PCT)の経時変化である。図14に示されるグラフと、図7〜図10の下段のグラフとを比較すると分かるように、伝播時間比R(PCT)は伝播時間差ΔPCTとほぼ同じ変化を示している。
【0070】
図13に戻って、血管内皮機能低下判定手段98は、伝播時間差ΔPCTに代えて伝播時間比R(PCT)を用いることのみが第1実施例の血管内皮機能低下判定手段94と異なる。すなわち、血管内皮機能低下判定手段98は、伝播時間比算出手段96により算出された駆血解除後の伝播時間比R(PCT)からピーク値を決定し、そのピーク値から駆血開始前の伝播時間比R(PCT)を引くことにより伝播時間比R(PCT)の駆血前と後との前後差を算出し、あるいは、そのピーク値を駆血開始前の伝播時間比R(PCT)で割ることにより伝播時間比R(PCT)の駆血前と後との前後比を算出する。そして、その前後差あるいは前後比が予め実験に基づいて設定された判断基準値以下である場合には、血管内皮機能が低下していると判定して、その旨を示す文字または記号をディスプレイ74に表示する。
【0071】
上述の第2実施例によれば、伝播時間比算出手段96により算出される伝播時間比R(PCT)は、互いに正中面に対して略対照な区間の左脈波伝播時間PCTLと右脈波伝播時間PCTRとの比であるので、伝播時間比R(PCT)は、一拍毎の血圧や心拍数、その他の全身性因子の変動の影響が除去されて、駆血前に対する駆血解除後の変化が明確になる。従って、この伝播時間比R(PCT)に基づいて血管内皮機能を検査すれば、高い信頼性で血管内皮機能を検査できる。また、前述のように、脈波伝播時間PCTの測定は熟練を必要とせず、且つ、装置が安価であるという利点もある。また、血管内皮機能低下判定手段98により、自動的に血管内皮機能の低下が判定される。
【0072】
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0073】
たとえば、前述の実施例では、脈波伝播情報として脈波伝播時間PCTを算出していたが、脈波伝播時間PCTに代えて脈波伝播速度PWVを算出してもよい。
【0074】
また、前述の実施例では、駆血装置82により上腕部で駆血を行ったが、前腕部や手首、あるいは大腿部や下腿部、足首で駆血してもよい。大腿部や下腿部、足首で駆血する場合には、第1区間は、たとえば、上流側の端が心臓、頸部、上腕などとされ、下流側の端が、駆血する側の足の足首、指先などとされる。また、前述の実施例のように上腕部で駆血する場合にも、第1区間は前述の実施例に限定されず、たとえば、上流側の端が頸部または上腕部であってもよいし、下流側の端が手の指先であってもよい。
【0075】
また、前述の実施例では、心拍同期信号として心電信号SEを検出する心電計を心拍同期信号検出装置として用いていたが、心音信号(心音図)を測定する心音マイクを心拍同期信号検出装置として用いてもよい。
【0076】
また、前述の第1実施例では、伝播時間差ΔPCTは、左脈波伝播時間PCTLから右脈波伝播時間PCTRを差し引くことにより算出していたが、右脈波伝播時間PCTRから左脈波伝播時間PCTLを引くことにより伝播時間差ΔPCTを算出してもよい。同様に、第2実施例において、右脈波伝播時間PCTRを左脈波伝播時間PCTLで割ることにより伝播時間比R(PCT)を算出してもよい。
【0077】
また、前述の実施例では、前後差は、駆血解除後の伝播時間差ΔPCT(または伝播時間比R(PCT))のピークから駆血開始前の伝播時間差ΔPCT(または伝播時間比R(PCT))を引くことにより算出していたが、駆血開始前の伝播時間差ΔPCT(または伝播時間比R(PCT))から駆血解除後の伝播時間差ΔPCT(または伝播時間比R(PCT))のピークを引くことにより前後差を算出してもよい。
【0078】
また、前述の実施例では、ディスプレイ74が出力装置として用いられていたが、出力装置はプリンタであってもよい。
【0079】
なお、本発明はその主旨を逸脱しない範囲においてその他種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された血管内皮機能検査装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1の血管内皮機能検査装置に備えられたカフおよび圧脈波検出プローブが患者に装着された状態を示す図である。
【図3】図1の圧脈波検出プローブの構成を詳しく示す図である。
【図4】図3の圧脈波検出プローブに備えられた圧脈波センサの押圧面を示す図である。
【図5】図1の血管内皮機能検査装置におけるCPUの制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図6】図5の押圧力制御手段において決定される最適押圧力HDPOを説明する図である。
【図7】図5の脈波伝播時間算出手段および伝播時間差算出手段により算出される右脈波伝播時間、左脈波伝播時間、伝播時間差を並べて示す図である。
【図8】図5の脈波伝播時間算出手段および伝播時間差算出手段により算出される右脈波伝播時間、左脈波伝播時間、伝播時間差を並べて示す図である。
【図9】図5の脈波伝播時間算出手段および伝播時間差算出手段により算出される右脈波伝播時間、左脈波伝播時間、伝播時間差を並べて示す図である。
【図10】図5の脈波伝播時間算出手段および伝播時間差算出手段により算出される右脈波伝播時間、左脈波伝播時間、伝播時間差を並べて示す図である。
【図11】図5の機能ブロック図に示したCPUの制御作動の要部を示すフローチャートであって、信号採取ルーチンを示す。
【図12】図5の機能ブロック図に示したCPUの制御作動の要部を示すフローチャートであって、信号演算ルーチンを示す。
【図13】本発明の第2実施例の血管内皮機能検査装置におけるCPUの制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図14】図7乃至図10に示す左脈波伝播時間PCTLおよび右脈波伝播時間PCTRから算出される伝播時間比R(PCT)の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
10:血管内皮機能検査装置
34:心電計(心拍同期信号検出装置)
74:ディスプレイ(出力装置)
82:駆血装置
88:脈波伝播時間算出手段(脈波伝播情報算出手段)
90:脈波伝播情報測定装置
92:伝播時間差算出手段(伝播情報差算出手段)
94:血管内皮機能低下判定手段
96:伝播時間比算出手段(伝播情報比算出手段)
98:血管内皮機能低下判定手段
Claims (9)
- 生体の所定部位の動脈を、予め設定された所定時間以上駆血する駆血装置と、
該駆血装置による駆血部位よりも下流側の部位を含む第1区間の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播情報である第1脈波伝播情報、および正中面に対して前記第1区間と略対称な第2区間の動脈の前記脈波伝播情報である第2脈波伝播情報を逐次測定する脈波伝播情報測定装置と、
前記駆血装置により駆血される前および前記駆血装置による駆血解除後において、前記第1脈波伝播情報と前記第2脈波伝播情報との伝播情報差をそれぞれ算出する伝播情報差算出手段と
を含むことを特徴とする血管内皮機能検査装置。 - 前記伝播情報差算出手段により算出される駆血解除後の伝播情報差におけるピークと駆血前の伝播情報差との差である前後差の絶対値が、予め設定された判断基準値以下であることに基づいて、血管内皮機能の低下を判定する血管内皮機能低下判定手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の血管内皮機能検査装置。
- 前記伝播情報差算出手段により算出された伝播情報差の経時変化をグラフ表示する出力装置をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の血管内皮機能検査装置。
- 生体の所定部位の動脈を、予め設定された所定時間以上駆血する駆血装置と、
該駆血装置による駆血部位よりも下流側の部位を含む第1区間の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播情報である第1脈波伝播情報、および正中面に対して前記第1区間と略対称な第2区間の動脈の前記脈波伝播情報である第2脈波伝播情報を逐次測定する脈波伝播情報測定装置と、
前記駆血装置により駆血される前および前記駆血装置による駆血解除後において、前記第1脈波伝播情報と前記第2脈波伝播情報との伝播情報比をそれぞれ算出する伝播情報比算出手段と
を含むことを特徴とする血管内皮機能検査装置。 - 前記伝播情報比算出手段により算出される駆血解除後の伝播情報比におけるピークと駆血前の伝播情報比との差である前後差の絶対値が、予め設定された判断基準値以下であることに基づいて、血管内皮機能の低下を判定する血管内皮機能低下判定手段をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の血管内皮機能検査装置。
- 前記伝播情報比算出手段により算出された伝播情報比の経時変化をグラフ表示する出力装置をさらに含むことを特徴とする請求項4または5に記載の血管内皮機能検査装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の血管内皮機能検査装置であって、
前記第1区間および前記第2区間は上流端がともに心臓であり、
前記脈波伝播情報測定装置は、前記生体の心臓から発生する心拍同期信号を検出する心拍同期信号検出装置を備え、該心拍同期信号検出装置により検出される心拍同期信号を用いて前記第1脈波伝播情報および前記第2脈波伝播情報をそれぞれ測定するものであることを特徴とする血管内皮機能検査装置。 - 請求項7に記載の血管内皮機能検査装置であって、
前記心拍同期信号検出装置は、心筋の活動電位を測定する心電計であり、
前記第1脈波伝播情報および前記第2脈波伝播情報は、ともに脈波伝播時間であることを特徴とする血管内皮機能検査装置。 - 前記駆血装置は、前記生体の上腕部で駆血するものであり、
前記第1区間は、心臓から前記駆血装置により駆血される側の手首までの区間であることを特徴とする請求項1乃至8に記載の血管内皮機能検査装置。
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